(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166495
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】医療情報管理システム、医療情報管理プログラムおよび医療情報管理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 30/40 20180101AFI20221026BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
G16H30/40
A61B5/00 102B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071744
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(71)【出願人】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】大江 和彦
(72)【発明者】
【氏名】横田 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】土井 俊祐
(72)【発明者】
【氏名】長江 祐吾
(72)【発明者】
【氏名】馬場 利明
(72)【発明者】
【氏名】青木 光宏
(72)【発明者】
【氏名】高橋 航一
【テーマコード(参考)】
4C117
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XA07
4C117XB04
4C117XG01
4C117XG18
4C117XG34
4C117XG52
4C117XH12
4C117XJ42
4C117XK42
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】測定器の構成を複雑化させることなく測定器の種類を判別することが可能で、かつ、生体情報を含む医療情報を管理することが可能な医療情報管理システム、医療情報管理プログラムおよび医療情報管理方法を提供する。
【解決手段】システム100は、サーバ装置20と情報端末30とを備える。情報端末30は、患者の所定の生体情報を測定する測定器10の形態を撮影し、測定器10によって測定された測定結果を取得し、撮影された測定器10の形態の画像に基づいて、測定器10の種類を判別する。情報端末30は、生体情報の測定結果を、判別された測定器10の種類に関連付けた状態で、サーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、情報端末30から送信された生体情報の測定結果を受信して、当該測定結果を記憶する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の患者の生体情報の測定結果を含む医療情報を管理するサーバ装置と、
患者の所定の生体情報を測定する測定器によって測定された測定結果を取得する生体情報取得部と、前記測定器の形態を撮影する撮影部と、を含む情報端末と、
前記撮影部により撮影された前記測定器の形態の画像に基づいて、前記測定器の種類を判別する測定器判別部と、
前記生体情報の測定結果を、前記測定器判別部により判別された前記測定器の種類に関連付けた状態で、前記サーバ装置に送信する通信部と、を備え、
前記サーバ装置は、前記通信部から送信された前記生体情報の測定結果を受信して、当該測定結果を記憶する、医療情報管理システム。
【請求項2】
前記情報端末は、測定対象の患者の識別情報である患者識別情報を取得する患者識別部をさらに含み、
前記通信部は、前記生体情報の測定結果を、前記測定器判別部により判別された前記測定器の種類と前記患者識別情報とに関連付けた状態で、前記サーバ装置に送信する、請求項1に記載の医療情報管理システム。
【請求項3】
前記情報端末は、前記生体情報の測定を担当する担当者の識別情報である担当者識別情報を取得する担当者識別部をさらに含み、
前記通信部は、前記生体情報の測定結果を、前記測定器判別部により判別された前記測定器の種類と前記担当者識別情報とに関連付けた状態で、前記サーバ装置に送信する、請求項1または2に記載の医療情報管理システム。
【請求項4】
前記撮影部は、前記測定器の形態に加えて、前記測定器に表示された生体情報の測定結果を表示する画面を撮影し、
前記生体情報取得部は、前記撮影部により撮影された前記測定結果を表示する画面に基づいて、前記測定結果を取得する、請求項1~3のいずれか1項に記載の医療情報管理システム。
【請求項5】
前記通信部は、前記測定器から送信された前記生体情報の測定結果を受信し、
前記生体情報取得部は、前記通信部により受信した前記生体情報の測定結果を取得する、請求項1~3のいずれか1項に記載の医療情報管理システム。
【請求項6】
前記生体情報取得部は、複数の前記測定器によって測定された複数の生体情報の各々の測定結果を取得し、
前記撮影部は、前記複数の測定器の各々の形態を撮影し、
前記測定器判別部は、前記複数の測定器の各々の形態の画像に基づいて、前記複数の測定器の各々の種類を判別し、
前記情報端末は、前記複数の測定器が測定する生体情報の種類名と、前記複数の生体情報の各々の測定結果とを並べてディスプレイに表示させる表示制御部をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の医療情報管理システム。
【請求項7】
前記測定器の種類ごとに、測定結果の正常値範囲が記憶された記憶部と、
前記生体情報取得部により取得された前記測定結果が、前記測定器判別部により判別された前記測定器の種類に対応する前記正常値範囲外である場合に、前記生体情報取得部により取得された前記測定結果が異常であることを報知する報知部と、をさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の医療情報管理システム。
【請求項8】
複数の患者の生体情報の測定結果を含む医療情報を管理するサーバ装置と通信を行う情報端末のプロセッサに、
患者の所定の生体情報を測定する測定器によって測定された測定結果を取得する処理と、
前記測定器の形態を撮影する処理と、
撮影された前記測定器の形態の画像に基づいて、前記測定器の種類を判別する処理と、
前記生体情報の測定結果を、判別された前記測定器の種類に関連付けた状態で、前記サーバ装置に送信する処理と、を実行させる、医療情報管理プログラム。
【請求項9】
患者の所定の生体情報を測定する測定器によって測定された測定結果を取得する工程と、
前記測定器の形態を撮影する工程と、
撮影された前記測定器の形態の画像に基づいて、前記測定器の種類を判別する工程と、
前記生体情報の測定結果を、判別された前記測定器の種類に関連付けた状態で、複数の患者の生体情報の測定結果を含む医療情報を管理するサーバ装置に記憶する工程と、を備える、医療情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療情報管理システム、医療情報管理プログラムおよび医療情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者の生体情報を管理する医療情報管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1の記載のシステムは、測定装置と、端末装置と、サーバ装置とを含み、当該測定装置により、患者の血糖値が測定される。そして、測定装置において、測定データに装置IDが付加されたデータがバーコードに変換され、測定装置の表示部に、バーコードが表示される。そして、端末装置の撮像部により、このバーコードが撮影される。端末装置は、バーコードに基づいて、送信用測定データを生成し、サーバ装置に送信用測定データを送信する。これにより、サーバ装置は、サーバ装置から離れた測定装置から患者の血糖値(生体情報)の測定データを取得することが可能となる。また、サーバ装置は、装置IDに基づいて、測定データを測定した測定装置を識別することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムでは、測定装置を識別するために、測定データに装置IDが付加する機能と、測定データに装置IDが付加されたデータをバーコードに変換する機能と、バーコードを表示させる機能とを、測定装置に備えさせる必要がある。このため、医療情報管理システムにおいて生体情報を含む医療情報を管理するためには、上記の従来の構成では、生体情報を測定するための測定装置の構成が複雑化してしまうという不都合がある。特に、患者ごとに測定装置が設けられる場合には、多数の測定装置の構成をそれぞれ複雑化する必要が生じる。そこで、医療情報管理システムにおいて生体情報を含む医療情報を管理する場合でも、測定装置(測定器)の構成を複雑化させる必要のない医療情報管理システム、医療情報管理プログラムおよび医療情報管理方法が望まれている。
【0006】
本開示の目的は、測定器の構成を複雑化させることなく、測定器の種類を判別することが可能で、かつ、生体情報を含む医療情報を管理することが可能な医療情報管理システム、医療情報管理プログラムおよび医療情報管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本開示の第1の態様に係る医療情報管理システムは、複数の患者の生体情報の測定結果を含む医療情報を管理するサーバ装置と、患者の所定の生体情報を測定する測定器によって測定された測定結果を取得する生体情報取得部と、測定器の形態を撮影する撮影部と、を含む情報端末と、撮影部により撮影された測定器の形態の画像に基づいて、測定器の種類を判別する測定器判別部と、生体情報の測定結果を、測定器判別部により判別された測定器の種類に関連付けた状態で、サーバ装置に送信する通信部と、を備え、サーバ装置は、通信部から送信された生体情報の測定結果を受信して、当該測定結果を記憶する。
【0008】
第2の態様に係る医療情報管理プログラムは、患者の所定の生体情報を測定する測定器によって測定された測定結果を取得する処理と、測定器の形態を撮影する処理と、撮影された測定器の形態の画像に基づいて、測定器の種類を判別する処理と、生体情報の測定結果を、判別された測定器の種類に関連付けた状態で、サーバ装置に送信する処理と、を複数の患者の生体情報の測定結果を含む医療情報を管理するサーバ装置と通信を行う情報端末のプロセッサに実行させる。
【0009】
第3の態様に係る医療情報管理方法は、患者の所定の生体情報を測定する測定器によって測定された測定結果を取得する工程と、測定器の形態を撮影する工程と、撮影された測定器の形態の画像に基づいて、測定器の種類を判別する工程と、生体情報の測定結果を、判別された測定器の種類に関連付けた状態で、複数の患者の生体情報の測定結果を含む医療情報を管理するサーバ装置に記憶する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
上記第1~第3の態様の構成によれば、撮影された測定器の形態の画像に基づいて、測定器の種類を判別することができる。この結果、測定器の構成を複雑化させることなく測定器の種類を判別することが可能で、かつ、生体情報を含む医療情報を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態による医療情報管理システムの概略構成を説明するための図である。
【
図2】第1実施形態による医療情報管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態による測定器の構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態によるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】医療情報データベースを説明するための図である。
【
図6】第1実施形態による情報端末の構成を示すブロック図である。
【
図7】第1実施形態による測定器判別用情報を説明するための図である。
【
図8】第1実施形態による情報端末の制御部の機能ブロック図である。
【
図9A】担当者IDを読み取る際にタッチパネルに表示される第1の画面の例である。
【
図9B】担当者IDを読み取る際にタッチパネルに表示される第2の画面の例である。
【
図11A】患者IDを読み取る際にタッチパネルに表示される第1の画面の例である。
【
図11B】患者IDを読み取る際にタッチパネルに表示される第2の画面の例である。
【
図12】生体情報の測定を行う際にタッチパネルに表示される測定前の画面の例である。
【
図13】測定器の撮影を行う際にタッチパネルに表示される画面の例である。
【
図14A】タッチパネルに表示される測定結果および測定器の判別結果を表示する画面の例である。
【
図14B】タッチパネルに表示される読取エラーを報知する画面の例である。
【
図15A】生体情報の測定を行う際にタッチパネルに表示される測定後の第1の画面の例である。
【
図15B】生体情報の測定を行う際にタッチパネルに表示される測定後の第2の画面の例である。
【
図16A】タッチパネルに表示される処置オーダの画面の例である。
【
図16B】機器の撮影の際にタッチパネルに表示される画面の例である。
【
図17A】タッチパネルに表示される設定情報と処置オーダとが一致することを示す画面の例である。
【
図17B】タッチパネルに表示される設定情報と処置オーダとが一致しないことを報知する画面の例である。
【
図18】第1実施形態による医療情報管理システム(情報端末)による制御処理を説明するための第1のフロー図である。
【
図19】第1実施形態による医療情報管理システム(情報端末)による制御処理を説明するための第2のフロー図である。
【
図20】第2実施形態による医療情報管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図21】第2実施形態による医療情報管理システム(情報端末)による制御処理を説明するための第1のフロー図である。
【
図22】第2実施形態による医療情報管理システム(情報端末)による制御処理を説明するための第2のフロー図である。
【
図23】第3実施形態による医療情報管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図24】第3実施形態による機械学習と推定を説明するための図である。
【
図25】第1~第3実施形態の変形例による医療情報管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図26】第1~第3実施形態の変形例による画像認識サービスサーバ装置の制御部の構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。また、以下の説明において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、実施形態および変形例に記載された各構成は、適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。また、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。
【0013】
[第1実施形態の概要]
図1および
図2は、第1実施形態に係る医療情報管理システム100(以下「システム100」という)の構成の概略を説明するための図である。
【0014】
図1に示すように、システム100は、医療情報を管理するシステムであり、電子カルテサーバ装置101との間で医療情報のやり取りを行うシステムである。このシステム100は、例えば、病院ごとに設けられていてもよいし、複数の病院(病院グループ)ごとに設けられていてもよい。ここで、「医療情報」には、システム100を所有する病院に通院または入院中の複数の患者の生体情報の測定結果と、電子カルテサーバ装置101からの処置オーダ情報とが含まれる。「生体情報」は、いわゆるバイタル情報であり、特に、測定器を使用して患者が自己測定できる情報、および、入院患者のベッドサイドに設置される測定器によって測定される情報である。そして、生体情報は、例えば、これに限られないが、体温、血圧、脈拍、血糖値およびSpO2(動脈血の酸素飽和度)が含まれる。
【0015】
図2に示すように、体温の測定には、体温計10aが用いられる。血圧および脈拍の測定には、血圧計10bが用いられる。血糖値の測定には、血糖測定器10cが用いられる。SpO2の測定には、パルスオキシメータ10dが用いられる。以下の説明において、体温計10aと、血圧計10bと、血糖測定器10cと、パルスオキシメータ10dとを区別しない場合、「測定器10」として説明する。
【0016】
システム100は、医療情報管理サーバ装置20(以下「サーバ装置20」とする)と、複数の情報端末30とを備える。サーバ装置20には、患者ごとの生体情報や処置オーダを含む医療情報のデータベースである医療情報データベース22a(
図4参照)が構築されている。サーバ装置20は、病院の施設に配置された、いわゆるオンプレミスサーバとして構成されていてもよいし、複数のサーバ群からなるクラウド上に構成される仮想サーバ(クラウドサーバ)により構成されていてもよい。情報端末30は、看護師、看護助手、技師、および、医師などの医療スタッフが使用するか、または、患者が使用する情報端末である。例えば、情報端末30は、医療スタッフまたは患者が所持(携帯)する情報端末30であってもよいし、患者のベッドサイドや診察室の患者チェアなどの近傍に配置(据え置き)された情報端末であってもよい。情報端末30は、測定器10から生体情報の測定結果を取得するとともに、取得した生体情報の測定結果をサーバ装置20に送信する機能を有する。サーバ装置20は、生体情報の測定結果のデータ形式を、電子カルテサーバ装置101に記憶可能な形式に変換する。例えば、サーバ装置20は、生体情報の測定結果のデータ形式を、標準規格(例えば、HL7 FHIR)に準拠したデータ形式に変換する。
【0017】
(医療機関内における生体情報の測定)
図1に示すように、情報端末30が医療機関内または訪問看護の際に使用される場合、例えば、(1)情報端末30を所持する看護師が、情報端末30のカメラ35を用いて看護師自身のIDである担当者ID(例えば、QRコード(登録商標))を情報端末30に読み取らせる。そして、(2)情報端末30のカメラ35を用いて、測定対象の患者の患者ID(例えば、QRコード)を情報端末30に読み取らせる。ここで、患者IDとは、例えば、患者が入院または通院している医療機関から付与される患者を特定するための識別情報である。また、担当者IDとは、例えば、医療機関における医療スタッフを特定するための識別情報である。患者IDおよび担当者IDは、例えば、サーバ装置20および電子カルテサーバ装置101において共通の識別情報として管理される。また、上記ではQRコードを用いる例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、患者IDおよび担当者IDの文字や記号をカメラ35により読み取ってもよいし、バーコードをバーコード読取用センサ(光学式センサ)により読み取ってもよい。また、サーバ装置20には、患者本人や担当者本人の顔認識、音声認識、指紋パターンや体の一部の静脈パターンなどの生体認証情報と、患者IDまたは担当者IDとが関連付けられて記憶された認証用のデータベースが設けられていてもよい。この場合、患者本人や担当者本人の生体認証情報を、情報端末30により取得して、当該生体認証情報に基づいて上記の認証用のデータベースを参照することによって、患者IDまたは担当者IDが取得されてもよい。
【0018】
そして、測定器10により、患者の生体情報が測定され、測定結果が測定器10によって取得される。測定器10の表示部13には、1種類または複数種類の測定結果が表示される。そして、(3)看護師は、情報端末30のカメラ35により、測定器10の表示部13および測定器10の形態を撮影する。(4)情報端末30は、測定器10の表示部13の画像から生体情報の測定結果を読み取るとともに、(5)測定器10の形態の画像から測定器10の種類(機種)を判定する。情報端末30は、例えば、生体情報の測定結果として、「体温36.5℃」の情報を取得する。なお、
図1の例では、1つの測定結果を取得する例を示しているが、本開示はこれに限られなお。すなわち、測定器10の表示部13に、複数の種類の測定結果が同時に表示されている場合には、複数の種類の測定結果が生体情報の測定結果として同時に取得されてもよい。例えば、情報端末30は、撮影した画像に基づいて、測定器10の種類が体温計10aであることを判別する。好ましくは、情報端末30は、撮影した画像に基づいて、体温計10aの機種(例えば、「ABC-10」)を判別する。なお、
図25に示す変形例において後述するように、測定器10の種類の判別は、情報端末30ではなく、サーバ装置20または院内オンプレミスまたはクラウド上の画像認識サービスサーバ装置440により行われてもよい。
【0019】
その後、情報端末30は、生体情報の測定結果(「体温36.5℃」の情報)に、担当者IDと患者IDと測定器10の種類(体温計10a)および機種(ABC-10)の情報とを関連付けて、サーバ装置20に送信する。なお、
図25に示す変形例において後述するように、生体情報の測定結果に、担当者IDと患者IDと測定器10の種類および機種の情報とを関連付けた情報は、情報端末30からサーバ装置20に送信されることに限られず、画像認識サービスサーバ装置440からサーバ装置20に送信されてもよい。そして、サーバ装置20は、生体情報の測定結果を医療情報データベース22aに記憶するとともに、生体情報の測定結果を所定のデータ形式に変換して電子カルテサーバ装置101に送信する。電子カルテサーバ装置101は、受信した生体情報の測定結果を電子カルテに記憶(登録)する。そして、電子カルテサーバ装置101は、医師や看護師が所持する病院内の端末(図示せず)がアクセス可能に構成されており、生体情報の測定結果は、病院内の端末により医師や看護師により閲覧される。そして、病院内の端末を用いて、医師は、処置オーダを、電子カルテサーバ装置101に登録する。また、登録された処置オーダの情報は、電子カルテサーバ装置101から医療情報管理サーバ装置20を介して、情報端末30に送信される。そして、看護師は、情報端末30に表示される処理オーダの情報に基づいて、患者に対して処置を行う。
【0020】
(患者自身による生体情報の測定)
患者自身が自宅において、生体情報を測定する場合、
図1における(1)の工程が省略される。すなわち、患者は、(2)情報端末30のカメラ35を用いて、測定対象の患者の患者ID(例えば、QRコード)を情報端末30に読み取らせる。そして、測定器10により、患者の生体情報が測定され、測定結果が測定器10によって取得される。測定器10の表示部13には、測定結果が表示される。そして、(3)患者は、情報端末30のカメラ35により、測定器10の表示部13および測定器10の形態を撮影する。(4)情報端末30は、測定器10の表示部13の画像から生体情報の測定結果を読み取るとともに、(5)測定器10の形態の画像から測定器10の種類(機種)を判定する。情報端末30は、例えば、生体情報の測定結果として、「血糖値123mg/dL」の情報を取得する。また、情報端末30は、測定器10の種類が血糖測定器10cであることを判別する。好ましくは、情報端末30は、血糖測定器10cの機種を判別する。
【0021】
その後、(6)情報端末30は、生体情報の測定結果(「血糖値123mg/dL」の情報)に、患者IDと測定器10の種類および機種の情報とを関連付けて、サーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、生体情報の測定結果を医療情報データベース22aに記憶するとともに、生体情報の測定結果を所定のデータ形式に変換して電子カルテサーバ装置101に送信する。
【0022】
上記の構成によれば、撮影された測定器10の形態の画像に基づいて、測定器10の種類を判別することができる。この結果、測定器10の構成を複雑化させることなく測定器10の種類を判別して、生体情報を含む医療情報を管理することができる。また、サーバ装置20は、患者IDが関連付けられた状態の生体情報の測定結果を取得することができるので、患者IDに基づいて、容易に、測定結果に対応する患者を特定することができる。また、サーバ装置20は、担当者IDが関連付けられた状態の生体情報の測定結果を取得することができる。この結果、担当者IDに基づいて、測定を行った担当者(医療スタッフ)を容易に特定することができる。そして、撮影した画像から測定結果を読み取るので、測定結果を手動で情報端末30に入力する場合に比べて、操作者(医療スタッフまたは患者)の作業負担を軽減することができる。そして、第2実施形態のように測定器210に通信部214を設けて、通信により測定器210から測定結果を取得する場合と異なり、測定器10の構成を簡略化しながら、操作者の作業負担を軽減することができる。
【0023】
[医療情報管理システムの構成]
図2に示すように、システム100は、サーバ装置20と、複数の情報端末30とを備える。サーバ装置20と、複数の情報端末30の各々とは、ネットワークNを介して通信可能となっている。また、サーバ装置20と、電子カルテサーバ装置101とは、ネットワークNを介して通信可能となっている。ネットワークNとしては、病院内(病院施設内)ではローカルエリアネットワーク(LAN)を用いることができ、病院外(施設の外部)とのやり取りでは、インターネットを用いることができる。
【0024】
(測定器の構成)
図3は、測定器10の概略構成を示すブロック図である。測定器10は、患者の生体情報を検出する機能を有する。測定器10は、制御部11と、センサ部12と、表示部13とを含む。制御部11は、測定器10の制御処理を行う制御回路を含む。センサ部12は、生体情報を電気信号に変換する機能を有する。例えば、センサ部12は、測定器10が体温計10aの場合、感温素子であり、測定器10が血圧計10bの場合、カフであり、測定器10が血糖測定器10cの場合、電極であり、測定器10がパルスオキシメータ10dの場合、光源および光センサである。表示部13は、センサ部12より検出された測定結果を表示する。
【0025】
(サーバ装置の構成)
図4は、サーバ装置20の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23とを含む。制御部21は、サーバ装置20における各制御処理を実行するように構成されている。制御部21は、プログラムを実行することにより制御処理を実行するプロセッサを含む。通信部23は、ネットワークNに無線または有線接続可能に構成されている通信インタフェースである。記憶部22には、医療情報データベース22aが構築されている。
【0026】
図5は、医療情報データベース22aを説明するための図である。医療情報データベース22aには、患者IDと、生体情報の測定結果と、担当者IDとが関連付けられた情報が記憶されている。例えば、患者IDが「0001」の患者の医療情報として、これまでに測定された生体情報(体温、血圧、脈拍、血糖値およびSpO2)の測定結果と、測定を担当した看護師や看護助手の担当者IDと、測定を行った測定器10の種類および機種の情報と、測定日時とが互いに関連付けられている。また、医療情報データベース22aには、患者IDと処置オーダとが関連付けられた情報が含まれている。「処置オーダ」には、いわゆる処置のオーダだけでなく、処方や注射点滴のオーダが含まれる。そして、「処置オーダ」は、例えば、所定の生体情報の次回測定する日時、治療内容および治療日時を指示するものであり、処理オーダの情報は、
図5に示すように、患者ID、担当者ID、および、処置オーダを登録した医師IDのうちの少なくとも一部が互いに関連付けられたデータである。また、処置オーダには、輸液ポンプ40(
図2参照)の設定情報が含まれていてもよい。輸液ポンプ40は、患者に点滴が行われる際の薬剤の流量や共有量を制御するための装置である。
【0027】
サーバ装置20は、情報端末30からの生体情報の測定結果を受信した場合、受信した生体情報の測定結果を医療情報データベース22aに記憶する(更新する)とともに、電子カルテサーバ装置101に送信する(登録する)。
【0028】
(情報端末の構成)
図6は、情報端末30の概略構成を示すブロック図である。情報端末30は、サーバ装置20と通信することにより、生体情報の測定結果をサーバ装置20に送信するための端末である。また、情報端末30を看護師等の医療スタッフが使用する場合には、サーバ装置20から処置オーダを取得して、処置オーダを表示することにより、医療スタッフが処置オーダを確認することが可能な端末としても機能する。例えば、看護師は、情報端末30を用いて、自身が担当している患者の生体情報の測定結果をサーバ装置20および電子カルテサーバ装置101に記録させる(登録する)。看護師は、情報端末30を用いて、処置オーダを確認し、処置オーダに従って処置(医療行為や検査)を行う。
【0029】
図6に示すように、情報端末30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、タッチパネル34と、カメラ35とを含む。制御部31は、情報端末30における各制御処理を実行するように構成されている。制御部31は、プログラムを実行することにより制御処理を実行するプロセッサを含む。通信部33は、ネットワークNに無線または有線接続可能に構成されている通信インタフェースである。記憶部32には、測定器10の判別に用いられる測定器判別用情報32aが記憶されている。タッチパネル34は、制御部31の指令に基づいて、文字情報、画像および動画を表示するとともに、操作者(担当者または患者)からタッチ操作を受け付けるように構成されている。カメラ35は、操作者の操作に基づいて、任意の画像を撮影するように構成されている。カメラ35は、撮影した画像を記憶部32に記憶するように構成されている。なお、
図6では、測定器判別用情報32aを情報端末30の記憶部32に格納する例を示したが、この例に限られず、本開示では、サーバ装置20に測定器判別用情報32aを格納し、情報端末30がサーバ装置20の測定器判別用情報32aにアクセスすることができるように構成されていてもよい。
【0030】
図7は、測定器判別用情報32aを説明するための図である。測定器判別用情報32aは、測定器10の機種名と、測定器10の形態のパターンの情報である形態パターン情報と、正常値範囲とが互いに関連付けられて記憶されている。「形態パターン情報」とは、見本となる測定器10の画像のうちの、測定器10の種類および機種を特定(判別)することが可能な特徴的な形態の情報である。例えば、体温計10aの場合、形態パターン情報として、体温計10aの外形、体温計10aのケースに記載された文字情報(型番表示等)、体温計10aの全体の寸法(
図7では、長手寸法)、体温計10aの色彩、体温計10aの表示部13の寸法および形状を用いることができるが、この例に限られない。また、「形態」には、測定器10本体の形態のみならず、例えば、測定器10に識別用のステッカーを貼り付けて、当該ステッカーの模様や記載内容が含まれていてもよい。「正常値範囲」は、測定器10を通常使用した場合にとり得る測定結果の範囲(仕様測定範囲)であり、体温計10aの場合、例えば、32.0度~42.0度である。すなわち、体温計10aの測定結果として、32度未満の値や42度を超える値となった場合、異常を情報端末30により検出する。なお、「異常」の検出方法は、この例に限られない。例えば、測定器10ごとに取集された過去の実データにもとづく機械学習モデルおよび/または統計的分析にもとづいて、測定異常である確率を求めて、この求められた確率が一定確率以下であれば異常と判定する方法を、検出方法として採用してもよい。
【0031】
図8は、制御部31の機能ブロック図である。制御部31は、生体情報取得部31a、患者識別部31b、担当者識別部31c、測定器判別部31d、表示制御部31e、報知制御部31f、および、通信制御部31gとして機能する。なお、1つのハードウェアにより、生体情報取得部31a、患者識別部31b、担当者識別部31c、測定器判別部31d、表示制御部31e、報知制御部31f、および、通信制御部31gの機能が実現されてもよいし、互いに別個に構成された複数のハードウェアにより当該機能が実現されてもよい。表示制御部31eは、
図9A~
図16に示す画面をタッチパネル34に表示させる機能を有する。
【0032】
図9Aおよび
図9Bは、担当者IDの取得に関するタッチパネル34に表示される画面例である。担当者識別部31cは、測定を担当する担当者(看護師など)の識別情報である担当者IDを取得する機能を有する。具体的には、担当者識別部31cは、カメラ35により撮影されたQRコードの画像に基づいて、担当者IDを取得する。例えば、
図9Aに示すように、情報端末30において医療情報管理に関するアプリが起動された場合に、医療スタッフがログインするための画面がタッチパネル34に表示される。この画面では、例えば、「ご自分の担当者IDをカメラで読み取って下さい」のメッセージと、「カメラで読み取る」のアイコン画像とがタッチパネル34に表示される。
【0033】
そして、タッチパネル34のアイコン画像が医療スタッフによりタッチ操作されることにより、
図9Bに示すように、情報端末30のカメラ35が起動し、担当者IDが読み取られる。例えば、
図9Bに示すように、QRコードが表示されている場合には、QRコードに含まれる担当者IDを担当者識別部31cが抽出される。抽出された担当者IDは、
図9Bに示すように、タッチパネル34に表示されてもよい。また、情報端末30を医療スタッフが操作するのではなく、患者が自身で操作する場合には、この担当者IDの取得の代わりに、患者IDの取得が実施されてもよい。
【0034】
図10は、担当者IDが取得されログインした状態でタッチパネル34に表示されるメニュー画面の例である。タッチパネル34には、「生体情報の測定」を選択するアイコン画像と、生体情報の測定以外の機能(例えば、処理オーダの確認機能)を発揮させるためのアイコン画像とが表示される。
【0035】
図11Aおよび
図11Bは、患者IDの取得に関するタッチパネル34に表示される画面例である。患者識別部31bは、測定対象の患者の識別情報である患者識別情報を取得する機能を有する。具体的には、患者識別部31bは、カメラ35により撮影されたQRコードの画像に基づいて、患者IDを取得する。例えば、
図10に示すように、情報端末30において「生体情報の測定」が医療スタッフ(担当者)により選択された場合に、
図11Aに示すように、患者IDを取得するための画面がタッチパネル34に表示される。この画面では、例えば、「測定対象の方の患者IDをカメラで読み取って下さい」のメッセージと、「カメラで読み取る」のアイコン画像とがタッチパネル34に表示される。
【0036】
そして、タッチパネル34のアイコン画像が医療スタッフによりタッチ操作されることにより、
図11Bに示すように、情報端末30のカメラ35が起動し、患者IDが読み取られる。例えば、
図11Bに示すように、QRコードが表示されている場合には、QRコードに含まれる患者IDを患者識別部31bが抽出される。抽出された患者IDは、
図11Bに示すように、タッチパネル34に表示されてもよい。
【0037】
図12は、生体情報の測定を開始する際にタッチパネル34に表示される画面の例を示している。例えば、
図11Bに示す画面において、「進む」のアイコン画像が操作された場合、
図12に示す画面が表示される。タッチパネル34には、例えば、患者の情報(氏名、生年月日、性別など)と、担当者の氏名および担当者IDとが表示される。また、タッチパネル34には、既に測定された測定結果(
図12の例ではいずれも未測定)と、「カメラで測定結果と測定器を読み取る」のアイコン画像と、「サーバに送信」のアイコン画像とが表示される。
【0038】
図13は、測定器10を撮影する際にタッチパネル34に表示される画面の例である。医療スタッフが「カメラで測定結果と測定器を読み取る」のアイコン画像を操作した場合、
図13に示すように、測定器の撮影の画面がタッチパネル34に表示される。この画面では、
図13に示すように「撮影」のアイコン画像が表示され、当該アイコン画像に対するタッチ操作に基づいて、撮影(静止画像の取得)が行われてもよいし、当該アイコン画像の操作に関わらず、測定器判別用情報32aに基づいて、測定器10が判別できた時点に撮影(静止画像の取得)が行われてもよい。
【0039】
そして、生体情報取得部31aは、測定器10によって測定された測定結果を取得する機能を有する。具体的には、生体情報取得部31aは、カメラ35により撮影された測定器10の表示部13の画像から、測定結果を抽出する機能を有する。例えば、生体情報取得部31aは、画像から文字情報(測定結果)を抽出する光学式文字認識(OCR:Optical Character Recognition)機能を備えていてもよい。
図13の例の場合、測定器10の表示部13には、測定結果として「123mg/dL」が表示されており、生体情報取得部31aは、生体情報の測定結果として「123mg/dL」の文字情報を取得(認識)する。また、生体情報取得部31aは、生体情報の測定結果に加えて、測定日時の情報(
図13の例では、「2020年10月3日9時30分」)や測定条件(
図13の例では「食前」)の情報も取得する。そして、測定結果は、
図14Aに示すように、タッチパネル34に表示される。
【0040】
測定器判別部31dは、カメラ35により撮影された測定器10の形態の画像に基づいて、測定器10の種類および機種を判別する機能を有する。例えば、
図13に示すように、測定器10の外観(形態)がカメラ35により撮影される。測定器判別部31dは、撮影された測定器10の画像と、測定器判別用情報32aの形態パターン情報とをパターンマッチングすることにより、測定器10の種類および機種を判別する。詳細には、測定器判別部31dは、撮影された測定器10の画像に、形態パターン情報のうちのどのパターンが含まれているかを判断する。また、測定器判別部31dは、撮影された測定器10の画像中の測定器10の寸法を推定して、形態パターン情報のうちの寸法が最も近い測定器を特定する。これにより、測定器判別部31dは、測定器10の種類を判別し、好ましくは機種を判別する。例えば、
図13の例の場合、測定器判別部31dは、撮影された測定器10の種類が血糖測定器10cであり、機種は、「G1772」であることを判別する。そして、判別された測定器10の種類(種類名)および機種と測定結果とは、
図14Aに示すように、タッチパネル34に並んで表示される。
【0041】
図14Bは、撮影された画像から正確な情報を読み取れなかったこと(読取エラー)を報知する画面を説明するための図であり、当該画面は、タッチパネル34に表示される。報知制御部31fは、測定器判別用情報32bを参照して、測定結果が判別された測定器10の正常測定範囲外である場合に、読取エラーの表示を行う。例えば、体温計10aの表示部13に汚れ等が付着しており、正しくは「36.5度」の表示を、測定結果として「136.5度」として生体情報取得部31aが読み取った場合、報知制御部31fは、タッチパネル34に、異常を示す表示を行う。そして、タッチパネル34には、「読取エラーです。撮影をやり直してください」というメッセージが表示される。この構成によれば、測定器10の判別が誤っているか、または、測定結果の読み取りや入力が誤っている場合に、異常であることを操作者(医療スタッフ)は認識することができる。この結果、操作者は、測定器10の撮影のやり直しや、測定結果の読み取りまたは入力をし直すことにより、正しい生体情報の測定結果を管理することが可能となる。
【0042】
図15Aに示すように、タッチパネル34に表示される画面において、測定が完了した生体情報の項目については、測定結果が表示される。例えば、体温、血圧、脈拍、SpO2、および、血糖の全ての測定が完了した場合、
図15Bに示すように、各生体情報の測定結果が一覧状にタッチパネル34に表示される。この構成によれば、複数の測定器10により測定された生体情報の測定結果を、一覧状に表示することができるので、複数の測定器10を用いて測定を行う場合に、操作者は測定結果を容易に確認することができる。また、タッチパネル34に表示される「サーバに送信」のアイコン画像が医療スタッフまたは患者により操作されると、通信制御部31gは、測定結果と、測定器の種類および機種と、患者IDと、担当者IDとが関連付けられた情報を、情報端末30からサーバ装置20に送信する。サーバ装置20は、受信した情報を医療情報データベース22aに記憶するとともに、電子カルテサーバ装置101に登録する。
【0043】
図16は、タッチパネル34に表示される処理オーダの確認画面の例である。制御部31は、処置オーダの情報と、カメラ35により撮影された画像における設定情報とを照合して、
図17Aおよび
図17Bに示すように、照合結果をタッチパネル34に表示させる機能を有する。例えば、
図16Aに示すように、タッチパネル34には、処理オーダの内容と「カメラで設定情報を読み取る」のアイコン画像とが表示され、当該アイコン画像が操作されると、
図16Bの撮影画面が表示される。そして、設定情報の確認を行う対象となる機器(
図16Bの例では、輸液ポンプ40)が撮影された後、制御部31は、撮影された画像から設定情報を読み取るとともに、読み取った設定情報と処置オーダの情報とを照合する。そして、
図17Aに示すように、読み取った設定情報と処置オーダの情報とが一致する場合には、例えば、「照合が完了しました。輸液を開始させて下さい」等のメッセージが表示される。また、
図17Bに示すように、読み取った設定情報と処置オーダの情報とが一致しない場合には、例えば、「オーダと一致しません。設定をやり直してください」等のメッセージが表示される。また、情報端末30にスピーカが設けられている場合には、読み取った設定情報と処置オーダの情報とが一致しない場合に、上記表示に加えて、音声(警告音)を出力してもよい。
【0044】
[医療情報管理方法]
次に、
図18および
図19に参照して、第1実施形態に係る医療情報管理方法について説明する。具体的には、医療情報管理システム100における制御方法について説明する。
図18および
図19は、医療情報管理システム100の情報端末30におけるフローチャートである。また、
図18および
図19における制御処理は、制御部31により実行される。
【0045】
図18に示すように、ステップS1において、操作者(担当者または患者)による操作に基づいて、情報端末30上でアプリが起動される。そして、ステップS2において、担当者IDの読取が行われる。例えば、カメラ35が起動され、QRコードを撮影することにより、QRコードに含まれる担当者IDが読み取られる。なお、ステップS2では、患者自身が情報端末30を操作する場合には、担当者IDの代わりに患者IDが読み取られてもよい。ステップS3において、情報端末30が医療情報管理システム100に関する機能にログインした状態となり、メニュー画面(
図10参照)が表示される。
【0046】
ステップS4において、メニュー画面において、「生体情報の測定」のアイコン画像が操作者により選択されたか否かが判断される。「生体情報の測定」のアイコン画像が操作者により選択された場合、ステップS5に進み、「生体情報の測定」のアイコン画像が操作者により選択されていない場合、ステップS20に進む。
【0047】
ステップS5において、患者IDの読取が行われる。例えば、カメラ35が起動され、QRコードを撮影することにより、QRコードに含まれる患者IDが読み取られる。その後、ステップS6において、タッチパネル34に表示される「カメラで測定結果と測定器を読み取る」のアイコン画像(
図12参照)が操作者により選択されたか否かが判断される。「カメラで測定結果と測定器を読み取る」のアイコン画像が操作者により選択された場合、ステップS7に進み、「カメラで測定結果と測定器を読み取る」のアイコン画像が操作者により選択されていない場合、ステップS10に進む。
【0048】
ステップS7において、測定器10の撮影が行われる。その後、ステップS8において、撮影された画像に基づいて、生体情報の測定結果が取得される。そして、ステップS9において、測定器10の判別が行われる。例えば、撮影された画像と測定器判別用情報32aとをパターンマッチング行うことにより、測定器10の種類および機種が判別される。
【0049】
ステップS10において、測定結果が、正常測定範囲外か否かが判断される。測定結果が、正常測定範囲外の場合、ステップS13に進み、測定結果が、正常測定範囲以内である場合、ステップS11に進む。ステップS11において、
図15Aおよび
図15Bの生体情報の測定の画面において表示される「サーバに送信」のアイコン画像が操作者により選択されたか否かが判断される。「サーバに送信」のアイコン画像が操作者により選択された場合、ステップS12に進み、「サーバに送信」のアイコン画像が操作者により選択されていない場合、ステップS6に戻る。
【0050】
ステップS12において、生体情報の測定結果が、判別された測定器10の種類および機種の情報と、担当者IDと、患者IDとに関連付けられた状態で、情報端末30からサーバ装置20に送信される。その後、サーバ装置20において、生体情報の測定結果が受信され、生体情報の測定結果が記憶される。また、サーバ装置20から電子カルテサーバ装置101に生体情報の測定結果が送信され、電子カルテサーバ装置101において、生体情報の測定結果が記憶される。その後、医療情報管理システム100における制御処理が終了される。
【0051】
また、ステップS10において測定結果が正常測定範囲外の場合に進むステップS13において、読取エラーの報知が行われる(
図14B参照)。その後、ステップS6に戻る。
【0052】
また、ステップS4において「生体情報の測定」のアイコン画像が選択されない場合に進むステップS20において、「処置オーダの確認」のアイコン画像が選択されたか否かが判断される。「処置オーダの確認」のアイコン画像が選択された場合、
図19に示すステップS21に進み、「処置オーダの確認」のアイコン画像が選択されていない場合、ステップS4に戻る。
【0053】
図19に示すステップS21において、タッチパネル34に処置オーダの表示が行われる(
図15A参照)。ステップS22において、
図15Aに示す画面において表示される「カメラで設定情報を読み取る」のアイコン画像が選択されたか否かが判断される。「カメラで設定情報を読み取る」のアイコン画像が選択されるまでこの判断は繰り返され、選択された場合に、ステップS23に進む。ステップS23において、機器の撮影が行われる。その後、ステップS24において、撮影された画像から設定情報の読み取りが行われる。そして、ステップS25において、読み取った設定情報と処置オーダとの照合が行われる。
【0054】
ステップS26において、読み取った設定情報と処置オーダとが一致するか否かが判断され、一致する場合、ステップS27において、一致を示すメッセージの表示(
図17A参照)がタッチパネル34に行われ、一致しない場合、ステップS28において、一致していないことを報知する表示(
図17B参照)がタッチパネル34に行われる。その後、医療情報管理システム100における制御処理が終了される。
【0055】
[第2実施形態]
次に、
図20~
図22を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、撮影した画像に基づいて測定結果を取得する第1実施形態の情報端末30の構成とは異なり、通信により測定器210から測定結果を受信するように構成されている。なお、以下の説明において、第1実施形態と同じ符号を用いる場合、第1実施形態と同様の構成を示しており、特に説明がない限り先行する説明を参照する。
【0056】
(第2実施形態による構成)
図20は、第2実施形態に係る医療情報管理システム200のブロック図である。
図20に示すように、第2実施形態では、測定器210には、情報端末230と通信を行う通信部214が設けられている。また、輸液ポンプ240にも、通信部が設けられている。そして、情報端末230の通信制御部は、測定器210から通信部214および233を介して、生体情報の測定結果を受信するように構成されている。情報端末230の生体情報取得部は、通信制御部により受信した生体情報の測定結果を取得する。
【0057】
通信部214および輸液ポンプ240の通信部は、それぞれ、近距離無線通信規格(例えば、Bluetooth(登録商標))に則った通信が可能に構成されている。測定器210の制御部211は、生体情報の測定が行われた後、情報端末30に生体情報の測定結果を送信する。そして、情報端末230の制御部231は、通信により取得した生体情報の測定結果をサーバ装置20に送信する。輸液ポンプ240は、設定情報を情報端末230に送信する。その他の構成は、第1実施形態による構成と同様である。
【0058】
(第2実施形態による医療情報管理方法)
図21および
図22は、第2実施形態に係る医療情報管理方法を説明するためのフローチャートである。ステップS206、S208、および、S222~S224は、第1実施形態に係る制御処理と異なり、その他は第1実施形態と同様の処理が実行される。また、
図21および
図22における制御処理は、制御部231により実行される。
【0059】
図21に示すように、ステップS206は、「カメラで測定器を読み取る」のアイコン画像が選択されたか否かが判断される。すなわち、第2実施形態では、測定結果の読み取りは必要ないため、測定器210の形態が撮影される。「カメラで測定器を読み取る」のアイコン画像が選択された場合、ステップS7に進み、「カメラで測定器を読み取る」のアイコン画像が選択されていない場合ステップS11に進む。
【0060】
ステップS208において、測定器210から測定結果の受信が行われる。すなわち、第2実施形態では、情報端末230は、通信により測定器210から生体情報の測定結果を取得する。
【0061】
図22に示すように、ステップS222において、設定情報を輸液ポンプ240から受信したか否かが判断される。設定情報を輸液ポンプ240から受信するまでこの判断は繰り返され、受信した場合に、ステップS223に進む。ステップS223において、受信した設定情報と処置オーダとの照合が行われる。ステップS224において、受信した設定情報と処置オーダとが一致しているか否かが判断され、受信した設定情報と処置オーダとが一致している場合、ステップS25に進み、受信した設定情報と処置オーダとが一致していない場合、ステップS26に進む。
【0062】
[第3実施形態]
次に、
図23および
図24を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、撮影した画像に基づいて測定器10の種類を判別するために、機械学習された学習済モデル332aを用いている。なお、以下の説明において、第1または第2実施形態と同じ符号を用いる場合、第1または第2実施形態と同様の構成を示しており、特に説明がない限り先行する説明を参照する。
【0063】
図23は、第3実施形態に係る医療情報管理システム300のブロック図である。
図23に示すように、第3実施形態では、情報端末330には、制御部331と、機械学習された学習済モデル332aが格納された記憶部332とが設けられている。また、医療情報管理システム300には、機械学習装置350が設けられている。機械学習装置350は、機械学習部351と学習用データベース352aが格納された記憶部352とを含む。機械学習部351は、所定の学習プログラムを実行するプロセッサである。学習用データベース352aには、学習プログラムと学習用のデータセットとが格納されている。
【0064】
図24は、機械学習による学習済モデル332aの作成と、学習済モデル332aを用いた測定器10の種類の推定とのイメージ図である。
図24に示すように、測定器10の画像(学習用画像)を入力データとし、当該測定器10の種類名(および機種名)を教師データとするデータセットを用いて、機械学習部351により学習される。これにより、学習済モデル332aが作成される。
【0065】
そして、制御部331は、情報端末330により撮影された画像を入力データとして、学習済モデル332aに入力することにより、出力データとして推定された測定器10の判別結果を取得する。この構成によれば、単純なパターンマッチングでは判別することができない測定器10を判別することができる。例えば、学習用データベース352aには情報が含まれていない測定器10であっても、学習済モデル332aを用いた推定によって測定器10の種類を判別することができる。その他の構成は、第1実施形態による構成と同様である。
【0066】
[変形例]
以上、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0067】
(1)上記実施形態では、医療情報管理サーバ装置と、電子カルテサーバ装置とを別個に構成する例を示したが、これに限られない。すなわち、医療情報管理サーバ装置と、電子カルテサーバ装置とは一体的に構成されていてもよい。
【0068】
(2)上記実施形態では、測定器の種類の判別を情報端末により行う例を示したが、これに限られない。例えば、医療情報管理サーバ装置または医療情報管理サーバ装置とは別の画像認識サービスサーバ装置が、撮影された画像に基づいて、測定器の種類の判別を行ってもよい。この場合、判別結果が医療情報管理サーバ装置または画像認識サービスサーバから情報端末に送信され、情報端末に判別結果が表示される。
【0069】
例えば、
図25及び
図26に示す変形例による医療情報管理システム400には、医療情報管理サーバ装置420及び情報端末430に加えて、画像認識サービスサーバ装置440が設けられている。画像認識サービスサーバ装置440は、院内オンプレミスサーバとして構成されていてもよいし、クラウド上に構成されていてもよい。画像認識サービスサーバ装置440は、制御部441と記憶部442と通信部443とを含む。制御部441は、
図26に示すように、患者識別部431bと担当者識別部431cと測定器判別部431dとを含む。患者識別部431bと担当者識別部431cと測定器判別部431dとは、上記実施形態において示された画像認識を用いた機能を実現する患者識別部31bと担当者識別部31cと測定器判別部31dとのそれぞれに対応する。記憶部442には、画像認識データベース442aが設けられている。画像認識データベース442aには、画像と、患者ID、担当者ID、及び測定器10の種類・機種の各々とが関連付けられたデータベースである。通信部443は、ネットワークNを介して、情報端末430及び医療情報管理サーバ装置420と情報の送受信を行う。患者識別部431b、担当者識別部431c及び測定器判別部31dは、情報端末430から受信した画像に基づいて画像認識データベース442aを参照して、それぞれ、患者ID、担当者ID、及び測定器10の種類(及び/または機種)の情報を取得する。そして、画像認識サービスサーバ装置440は、患者ID、担当者ID、及び測定器10の種類(及び/または機種)の情報を互いに関連付けて、当該情報を、医療情報管理サーバ装置420に送信する。また、画像認識サービスサーバ装置440は、情報端末430から生体情報の測定結果を受信する場合には、生体情報の測定結果と、患者ID、担当者ID、及び測定器10の種類(及び/または機種)の情報とを関連付けて、当該情報を、医療情報管理サーバ装置420に送信する。この構成によれば、情報端末430によっては高速で処理を行うことが難しい画像認識に関する処理を、画像認識サービスサーバ装置440によって高速で行うことができる。
【0070】
(3)上記実施形態では、情報端末により患者IDが取得される例を示したが、これに限られない。例えば、情報端末と患者とが紐付けされている場合、患者IDを用いずに、情報端末の機器の識別情報を用いて、測定対象の患者が識別(特定)されてもよい。
【0071】
(4)上記実施形態では、測定器の機種を判別する例を示したが、これに限られない。すなわち、本システムおよび方法では、測定器の種類が少なくとも判別可能であればよい。
【0072】
(5)上記実施形態では、測定結果が正常値範囲外である場合に、タッチパネルに読取エラーであることを表示する例を示したが、これに限られない。例えば、測定結果が正常値範囲外である場合に、音声を出力することにより読取エラーであることを報知してもよい。
【0073】
(6)上記第1および第3実施形態では、撮影された画像から測定結果を取得する例を、上記第2実施形態では、通信により測定結果を取得する例を示したが、これに限られない。操作者が、情報端末に手動で測定結果を入力してもよい。
【0074】
なお、本開示は、以下のように説明することもできる。
【0075】
第1の構成に係る医療情報管理システムは、複数の患者の生体情報の測定結果を含む医療情報を管理するサーバ装置と、患者の所定の生体情報を測定する測定器によって測定された測定結果を取得する生体情報取得部と、前記測定器の形態を撮影する撮影部と、を含む情報端末と、前記撮影部により撮影された前記測定器の形態の画像に基づいて、前記測定器の種類を判別する測定器判別部と、前記生体情報の測定結果を、前記測定器判別部により判別された前記測定器の種類に関連付けた状態で、前記サーバ装置に送信する通信部と、を備え、前記サーバ装置は、前記通信部から送信された前記生体情報の測定結果を受信して、当該測定結果を記憶する(第1の構成)。
【0076】
上記第1の構成によれば、撮影された測定器の形態の画像に基づいて、測定器の種類を判別することができる。この結果、測定器の構成を複雑化させることなく測定器の種類を判別することが可能で、かつ、生体情報を含む医療情報を管理することができる。
【0077】
第1の構成において、情報端末は、測定対象の患者の識別情報である患者識別情報を取得する患者識別部をさらに含んでもよく、通信部を、生体情報の測定結果を、測定器判別部により判別された測定器の種類と患者識別情報とに関連付けた状態で、サーバ装置に送信するように構成してもよい(第2の構成)。
【0078】
上記第2の構成によれば、サーバ装置は、患者識別情報が関連付けられた状態の生体情報の測定結果を取得することができるので、患者識別情報に基づいて、容易に、測定結果に対応する患者を特定することができる。
【0079】
第1または第2の構成において、情報端末は、生体情報の測定を担当する担当者の識別情報である担当者識別情報を取得する担当者識別部をさらに含んでもよく、通信部を、生体情報の測定結果を、測定器判別部により判別された測定器の種類と担当者識別情報とに関連付けた状態で、サーバ装置に送信するように構成してもよい(第3の構成)。
【0080】
上記第3の構成によれば、サーバ装置は、担当者識別情報が関連付けられた状態の生体情報の測定結果を取得することができる。この結果、担当者識別情報に基づいて、測定を行った担当者を容易に特定することができる。
【0081】
第1~第3のいずれかの構成において、撮影部は、測定器の形態に加えて、測定器に表示された生体情報の測定結果を表示する画面を撮影するように構成してもよく、生体情報取得部は、撮影部により撮影された測定結果を表示する画面に基づいて、測定結果を取得するように構成してもよい(第4の構成)。
【0082】
上記第4の構成によれば、測定結果を手動で情報端末に入力する場合に比べて、操作者の作業負担を軽減することができる。そして、測定器に通信部を設けて、通信により測定器から測定結果を取得する場合と異なり、測定器の構成を簡略化しながら、操作者の作業負担を軽減することができる。
【0083】
第1~第3のいずれかの構成において、通信部を、測定器から送信された生体情報の測定結果を受信するように構成してもよく、生体情報取得部を、情報制御部により受信した生体情報の測定結果を取得するように構成してもよい(第5の構成)。
【0084】
上記第5の構成によれば、測定結果を手動で情報端末に入力する場合に比べて、操作者の作業負担を軽減することができる。
【0085】
第1~第5のいずれかの構成において、生体情報取得部を、複数の測定器によって測定された複数の生体情報の各々の測定結果を取得するように構成してもよく、撮影部を、複数の測定器の各々の形態を撮影するように構成してもよく、測定器判別部を、複数の測定器の各々の形態の画像に基づいて、複数の測定器の各々の種類を判別するように構成してもよく、情報端末は、複数の測定器が測定する生体情報の種類名と、複数の生体情報の各々の測定結果とを並べてディスプレイに表示させる表示制御部をさらに含んでもよい(第6の構成)。
【0086】
上記第6の構成によれば、複数の測定器により測定された生体情報の測定結果を、一覧状に表示することができるので、複数の測定器を用いて測定を行う場合に、操作者は測定結果を容易に確認することができる。
【0087】
第1~第6のいずれかの構成において、測定器の種類ごとに、測定結果の正常値範囲が記憶された記憶部と、生体情報取得部により取得された測定結果が、測定器判別部により判別された測定器の種類に対応する正常値範囲外である場合に、生体情報取得部により取得された測定結果が異常であることを報知する報知部と、をさらに備えてもよい(第7の構成)。
【0088】
上記第7の構成によれば、測定器の判別が誤っているか、または、測定結果の読み取りや入力が誤っている場合に、異常であることを操作者は認識することができる。この結果、操作者は、測定器の撮影のやり直しや、測定結果の読み取りまたは入力をし直すことにより、正しい生体情報の測定結果を管理することが可能となる。
【0089】
第8の構成に係る医療情報管理プログラムは、患者の所定の生体情報を測定する測定器によって測定された測定結果を取得する処理と、測定器の形態を撮影する処理と、撮影された測定器の形態の画像に基づいて、測定器の種類を判別する処理と、生体情報の測定結果を、判別された測定器の種類に関連付けた状態で、サーバ装置に送信する処理と、を複数の患者の生体情報の測定結果を含む医療情報を管理するサーバ装置と通信を行う情報端末のプロセッサに実行させる(第8の構成)。
【0090】
上記第8の構成によれば、上記第1の構成と同様に、測定器の構成を複雑化させることなく測定器の種類を判別することが可能で、かつ、生体情報を含む医療情報を管理することができる。
【0091】
第9の構成に係る医療情報管理方法は、患者の所定の生体情報を測定する測定器によって測定された測定結果を取得する工程と、測定器の形態を撮影する工程と、撮影された測定器の形態の画像に基づいて、測定器の種類を判別する工程と、生体情報の測定結果を、判別された測定器の種類に関連付けた状態で、複数の患者の生体情報の測定結果を含む医療情報を管理するサーバ装置に記憶する工程と、を備える(第9の構成)。
【0092】
上記第9の構成によれば、上記第1の構成と同様に、測定器の構成を複雑化させることなく測定器の種類を判別することが可能で、かつ、生体情報を含む医療情報を管理することができる。
【符号の説明】
【0093】
10,210…測定器、10a…体温計、10b…血圧計、10c…血糖測定器、10d…パルスオキシメータ、20,420…医療情報管理サーバ装置、30,230,330,430…情報端末、31a…生体情報取得部、31b,431b…患者識別部、31c,431c…担当者識別部、31d,431d…測定器判別部、31e…表示制御部、31f…報知制御部、31g…通信制御部、34…タッチパネル、35…カメラ、100,200,300,400…医療情報管理システム