(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022166538
(43)【公開日】2022-11-02
(54)【発明の名称】内視鏡撮像装置および内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/04 20060101AFI20221026BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20221026BHJP
G02B 23/26 20060101ALI20221026BHJP
【FI】
A61B1/04 530
G02B23/24 B
G02B23/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021071802
(22)【出願日】2021-04-21
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】内藤 圭介
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040DA12
2H040DA17
2H040GA02
2H040GA03
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF40
4C161FF45
4C161JJ01
4C161LL02
4C161PP07
4C161UU03
(57)【要約】
【課題】信号ケーブルの接合強度が高く、信号ケーブルの接合の信頼性が高い内視鏡撮像装置および内視鏡を提供する。
【解決手段】内視鏡撮像装置は、内部に撮像レンズが設けられたレンズ鏡筒と、撮像レンズを通過した光を受光し、光電変換する撮像素子と、撮像素子が電気的に接続された回路基板と、レンズ鏡筒と撮像素子との間に配置される、少なくとも1つの光学部材と、光学部材とレンズ鏡筒とを連結する保持部材と、撮像素子に電気的に接続され、かつ外周を構成する外皮を有する信号ケーブルと、信号ケーブルの外皮に設けられた固定部材と、信号ケーブルの外皮を被覆する保護チューブと、保持部材に対し、固定部材が設けられた信号ケーブルを保持する連結部材とを有する。信号ケーブルは連結部材に固定され、保護チューブは先端面が連結部材のレンズ鏡筒の反対側の後端面よりもレンズ鏡筒側、かつ固定部材よりも後端面側に位置して設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察対象の画像を取得する内視鏡撮像装置であって、
内部に撮像レンズが設けられたレンズ鏡筒と、
前記撮像レンズを通過した光を受光し、光電変換する撮像素子と、
前記撮像素子が電気的に接続された回路基板と、
前記レンズ鏡筒と前記撮像素子との間に配置される、少なくとも1つの光学部材と、
前記光学部材と前記レンズ鏡筒とを連結する保持部材と、
前記撮像素子に電気的に接続され、かつ外周を構成する外皮を有する信号ケーブルと、
前記信号ケーブルの前記外皮に設けられた固定部材と、
前記信号ケーブルの前記外皮を被覆する保護チューブと、
前記保持部材に対し、前記固定部材が設けられた前記信号ケーブルを保持する連結部材とを有し、
前記信号ケーブルは前記連結部材に固定されており、
前記保護チューブは、先端面が、前記連結部材の前記レンズ鏡筒の反対側の後端面よりも前記レンズ鏡筒側、かつ前記固定部材よりも前記後端面側に位置して設けられている、内視鏡撮像装置。
【請求項2】
前記信号ケーブルは、前記連結部材に接着剤により固定されている、請求項1に記載の内視鏡撮像装置。
【請求項3】
前記保護チューブは、硬化状態の前記接着剤よりも軟らかい、請求項2に記載の内視鏡撮像装置。
【請求項4】
前記連結部材は、前記撮像素子、前記回路基板、および前記光学部材を覆う、請求項1~3のいずれか1項に記載の内視鏡撮像装置。
【請求項5】
前記連結部材は、貫通孔が設けられている、請求項4に記載の内視鏡撮像装置。
【請求項6】
前記連結部材に設けられた前記貫通孔は、開口径が0.6mm以上である、請求項5に記載の内視鏡撮像装置。
【請求項7】
前記連結部材に設けられた前記貫通孔は、前記保護チューブの前記先端面よりも、前記固定部材側に設けられている、請求項5または6に記載の内視鏡撮像装置。
【請求項8】
前記連結部材に設けられ、前記撮像素子、前記回路基板、および前記光学部材を覆うカバーを有し、前記カバーは金属で構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の内視鏡撮像装置。
【請求項9】
前記保護チューブの内面と、前記信号ケーブルの前記外皮との間にクリアランスがある、請求項1~8のいずれか1項に記載の内視鏡撮像装置。
【請求項10】
前記固定部材の前記連結部材の前記後端面側の端と、前記保護チューブの前記先端面との間に隙間を設けて、前記保護チューブが配置されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の内視鏡撮像装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の内視鏡撮像装置を有する、内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察対象の画像を取得する内視鏡撮像装置および内視鏡に関し、特に、信号ケーブルに固定部材と、保護チューブとを設けた内視鏡撮像装置および内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡用光源装置、内視鏡(内視鏡スコープ)、およびプロセッサ装置を備える内視鏡システムを用いた診断等が広く行われている。
被検者の体内に挿入される挿入部を有しており、内視鏡用光源装置による照明光は挿入部を経て観察対象に照射される。内視鏡は、照明光が照射された観察対象を撮像素子により撮像して画像信号を生成する。プロセッサ装置は、内視鏡により生成された画像信号を画像処理してモニタに表示するための観察画像を生成する。撮像素子はフレキシブル配線基板等で構成される回路基板を介して信号ケーブルに電気的に接続されており、信号ケーブルがプロセッサ装置に電気的に接続されている。
【0003】
信号ケーブルは、複数の信号線を有する複合多芯ケーブルである。信号ケーブルは、挿入部の全長にわたって挿通されているので、挿入部がループされたり湾曲されたりする度に、強く押し引きされる。このため、信号ケーブルに大きな力が作用することがあり、この場合、信号ケーブルと回路基板との接続部が剥離したり、信号ケーブルが断線したりする可能性がある。このような信号ケーブルの回路基板からの剥離、または信号ケーブルの断線を回避するため、種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、特許文献1には、観察窓、観察窓に対面する位置に形成されている鏡筒取付孔を有する先端部本体と、鏡筒取付孔に取り付けられるレンズ鏡筒と、レンズ鏡筒を介して結像される光学画像を光電変換する固体撮像素子と、固体撮像素子が取り付けられる基板と、基板と電気的に接続される複数の素線及びこれを覆う外皮からなる信号ケーブルと、一端に係止部、他端に信号ケーブルの外皮が固着されるケーブル固定部を有するケーブル取付部材と、鏡筒取付孔に近接して先端部本体に形成され、係止部を揺動自在に保持する係止受け部とを備える内視鏡が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1の内視鏡は、信号ケーブルの外皮が固着されるケーブル固定部を有するケーブル取付部材と、鏡筒取付孔に近接して先端部本体に形成され、係止部を揺動自在に保持する係止受け部とを備える。しかしながら、特許文献1の内視鏡においても、上述のように挿入部がループされたり湾曲されたりして、強く押し引きされた際に、信号ケーブルに大きな力が作用すると、信号ケーブルが回路基板から剥離したり、信号ケーブルが断線したりする可能性がある。
本発明の目的は、信号ケーブルの接合強度が高く、信号ケーブルの接合の信頼性が高い内視鏡撮像装置および内視鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明の一態様は、観察対象の画像を取得する内視鏡撮像装置であって、内部に撮像レンズが設けられたレンズ鏡筒と、撮像レンズを通過した光を受光し、光電変換する撮像素子と、撮像素子が電気的に接続された回路基板と、レンズ鏡筒と撮像素子との間に配置される、少なくとも1つの光学部材と、光学部材とレンズ鏡筒とを連結する保持部材と、撮像素子に電気的に接続され、かつ外周を構成する外皮を有する信号ケーブルと、信号ケーブルの外皮に設けられた固定部材と、信号ケーブルの外皮を被覆する保護チューブと、保持部材に対し、固定部材が設けられた信号ケーブルを保持する連結部材とを有し、信号ケーブルは連結部材に固定されており、保護チューブは、先端面が、連結部材のレンズ鏡筒の反対側の後端面よりもレンズ鏡筒側、かつ固定部材よりも後端面側に位置して設けられている、内視鏡撮像装置を提供するものである。
【0008】
信号ケーブルは、連結部材に接着剤により固定されていることが好ましい。
保護チューブは、硬化状態の接着剤よりも軟らかいことが好ましい。
連結部材は、撮像素子、回路基板、および光学部材を覆うことが好ましい。
連結部材は、貫通孔が設けられていることが好ましい。
連結部材に設けられた貫通孔は、開口径が0.6mm以上であることが好ましい。
連結部材に設けられた貫通孔は、保護チューブの先端面よりも、固定部材側に設けられていることが好ましい。
連結部材に設けられ、撮像素子、回路基板、および光学部材を覆うカバーを有し、カバーは金属で構成されていることが好ましい。
保護チューブの内面と、信号ケーブルの外皮との間にクリアランスがあることが好ましい。
固定部材の連結部材の後端面側の端と、保護チューブの先端面との間に隙間を設けて、保護チューブが配置されていることが好ましい。
また、本発明の一態様は、本発明の内視鏡撮像装置を有する、内視鏡を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、信号ケーブルの接合強度が高く、信号ケーブルの接合の信頼性が高い内視鏡撮像装置および内視鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態の内視鏡システムの一例を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第1の例を示す模式的斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第1の例を示す模式的正面図である。
【
図4】本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第1の例を示す模式的側面図である。
【
図5】本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第1の例を示す模式的下面図である。
【
図6】本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第2の例を示す模式的斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第2の例を示す模式的側面図である。
【
図8】本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の信号ケーブルの一例を示す模式的断面図である。
【
図9】本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第3の例を示す模式的斜視図である。
【
図10】本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第3の例の連結部材を示す模式的斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第3の例を示す模式的側面図である。
【
図12】本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第4の例を示す模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の内視鏡撮像装置および内視鏡を詳細に説明する。
なお、以下に説明する図は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
以下の説明の「平行」、「垂直」および「直交」等は、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。
【0012】
〔内視鏡システム〕
内視鏡システムは、観察対象である被験者の体内等の観察部位に照明光(図示せず)を照射し、観察部位を撮像して、撮像により得られた画像信号に基づいて観察部位の表示画像を生成し、表示画像を表示するものである。
図1は本発明の実施形態の内視鏡システムの一例を示す模式図である。
内視鏡システム10は、内視鏡12と、光源装置14と、プロセッサ装置16とを有する。内視鏡システム10は、後述する内視鏡12の内視鏡撮像装置20(
図2参照)の部分以外は、一般的な内視鏡と同様の構成を有する。
【0013】
内視鏡12は内視鏡撮像装置を有する。また、内視鏡12は、詳細に図示はしないが、被検体内に挿入される挿入部と、挿入部に連なる操作部と、操作部から延びるユニバーサルコードとを有し、挿入部は、先端部と、先端部に連なる湾曲部と、湾曲部と操作部とを繋ぐ軟性部とで構成されている。内視鏡撮像装置については後述する。
【0014】
内視鏡12の先端部には、観察部位を照明するための照明光を出射する照明光学系、または観察部位を撮像する撮像素子および撮像光学系等を有する内視鏡撮像装置20(
図2参照)が設けられている。湾曲部は挿入部の長手軸と直交する方向に湾曲可能に構成されており、湾曲部の湾曲動作は操作部にて操作される。また、軟性部は、挿入部の挿入経路の形状に倣って変形可能な程に比較的柔軟に構成されている。
【0015】
操作部には、先端部の内視鏡撮像装置20(
図2参照)の撮像動作を操作するボタン、または湾曲部の湾曲動作を操作するノブ等が設けられている。また、操作部には、電気メス等の処置具が導入される導入口が設けられており、挿入部の内部には、導入口から先端部に達し、鉗子等の処置具が挿通される処置具チャンネルが設けられている。
【0016】
ユニバーサルコードの末端にはコネクタが設けられ、内視鏡12は、コネクタを介して、先端部の照明光学系から出射される照明光を生成する光源装置14、および先端部の内視鏡撮像装置20(
図2参照)によって取得される映像信号を処理するプロセッサ装置16と接続される。
【0017】
プロセッサ装置16は、入力された映像信号を処理して観察部位の映像データを生成し、生成した映像データをモニタ(図示せず)に表示させるか、またはハードディスク等の記憶媒体に記録する。なお、プロセッサ装置16は、パーソナルコンピュータ等のプロセッサによって構成されるものであってもよい。
【0018】
光源装置14は、内視鏡12の内視鏡撮像装置20(
図2参照)によって体腔内の観察対象部位を撮像して、観察対象の画像信号を取得するために、赤光(R)、緑光(G)、および青光(B)等の3原色光からなる白色光または特定波長光等の照明光を、発生させて、内視鏡12に供給し、内視鏡12内のライトガイド等によって伝搬し、内視鏡12の挿入部の先端部の照明光学系から出射して、体腔内の観察対象部位を照明するためのものである。
【0019】
挿入部および操作部並びにユニバーサルコードの内部にはライトガイドまたは電線群(信号ケーブル)が収容されている。光源装置14にて生成された照明光がライトガイドを介して先端部の照明光学系に導光され、また、先端部の内視鏡撮像装置20(
図2参照)とプロセッサ装置16との間で信号および電力のうち、少なくとも一方が電線群を介して伝送される。
【0020】
また、内視鏡システム10は、更に、洗浄水等を貯留する送水タンク、体腔内の吸引物(供給された洗浄水等も含む)を吸引する吸引ポンプ等を備えていてもよい。更に、送水タンク内の洗浄水、または外部の空気等の気体を内視鏡内の管路(図示せず)に供給する供給ポンプ等を備えていてもよい。
【0021】
〔内視鏡撮像装置の第1の例〕
図2は本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第1の例を示す模式的斜視図であり、
図3は本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第1の例を示す模式的正面図であり、
図4は本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第1の例を示す模式的側面図であり、
図5は本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第1の例を示す模式的下面図である。なお、
図4は
図2の連結部材29を外した状態を示す。
図1に示す内視鏡システム10の内視鏡12の先端部に、
図2に示す内視鏡撮像装置20が搭載される。内視鏡撮像装置20のことをカメラヘッドともいう。
【0022】
図2および
図3に示す内視鏡撮像装置20は、観察対象の画像を取得するものである。内視鏡撮像装置20は、撮像レンズ23、撮像レンズ23を保持するレンズ鏡筒22、保持部材24、撮像素子25、回路基板26、プリズム27、および信号ケーブル28を有する。また、内視鏡撮像装置20は、連結部材29を有する。
プリズム27は、例えば、入射面27aと出射面27bとが直交する直角プリズムである。プリズム27は、レンズ鏡筒22と撮像素子25との間に配置される光学部材の一例であり、光学部材は、プリズム27に限定されるものではない。なお、プリズム27は、撮像素子25の配置位置によっては必ずしも必要ではなく、別の光学部材を配置する構成でもよい。
【0023】
撮像レンズ23は、撮像レンズ23に入射する光を撮像素子25の受光面25aに結像する光学素子である。撮像レンズ23はレンズ鏡筒22に保持される。
【0024】
レンズ鏡筒22は、筒状の部材であり、内部に、1以上の撮像レンズ23を保持するものである。レンズ鏡筒22は、撮像レンズ23の光軸Cがプリズム27の入射面27aに垂直になるように、撮像レンズ23を保持する。内視鏡撮像装置20は、例えば、3つの撮像レンズ23を有し、レンズ鏡筒22で保持されている。
ここで、光軸Cに平行な方向をX方向とする。光軸Cと直交する2つの方向のうち、1つをY方向とし、残りをZ方向とする。Y方向は内視鏡撮像装置20の幅方向に対応し、Z方向は内視鏡撮像装置20の高さ方向に対応する。
【0025】
撮像レンズ23およびレンズ鏡筒22の構成は特に制限されない。例えば、撮像レンズ23を1つ有する構成であってもよいし、2つ、または、4つ以上の撮像レンズ23を有する構成でもよい。また、各撮像レンズ23は、凸レンズであっても凹レンズであってもよい。
【0026】
撮像素子25は、撮像レンズ23によって結像された光を光電変換によって電気信号に変換することで撮像を行う撮像素子である。撮像素子25は、従来公知の撮像素子であり、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサーまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーを用いることができる。
【0027】
撮像素子25は、レンズ鏡筒22よりも基端側に配置されている。撮像素子25は、
図3および
図4に示すように、例えば、導電性を有するバンプ34を介して回路基板26に電気的に接続されている。また、
図4に示すように、撮像素子25は、受光面25aが撮像レンズ23の光軸Cに平行になるように回路基板26上に実装されている。なお、実装とは、電気的に接続されていることをいう。
撮像素子25と回路基板26との間に、撮像素子25と回路基板26とを強固に接続するためにアンダーフィル層(図示せず)を設けることもできる。
【0028】
バンプ34は、金属または合金で構成される。より具体的には、バンプ34は、半田で構成される。半田で形成されたバンプ34のことを半田ボールともいう。なお、バンプ34は、撮像素子25と回路基板26とを電気的に接続することができれば、半田等に限定されるものではない。また、撮像素子25と回路基板26とは直接電気的に接続してもよい。
また、アンダーフィル層は、撮像素子25と回路基板46との熱膨張係数の違いにより、撮像素子25と回路基板26との接合部、例えば、バンプ34に応力が生じるが、この応力を緩和する。アンダーフィル層により、撮像素子25と回路基板26とが強固に接続され、電気的な接続の信頼性が増し、信頼性が高い内視鏡撮像装置20が得られる。
アンダーフィル層を構成するアンダーフィル剤は、特に限定されるものでなく、撮像素子25と、回路基板26との間の封止樹脂として用いられるものが適宜利用可能である。例えば、アンダーフィル剤として、一液性加熱硬化型のエポキシ樹脂が用いられる。この場合、アンダーフィル剤を供給した後、予め定められた温度に加熱保持して、アンダーフィル層が形成される。
【0029】
回路基板26は、撮像素子25が実装される基板である。また、回路基板26には、撮像素子25以外に、例えば、電子部品30、30aが実装される。
また、回路基板26には、撮像素子25および電子部品30、30aに対する信号または電力が入出力される複数の接続端子(図示せず)が設けられている。接続端子に、信号ケーブル28の信号線28a(
図4参照)が電気的に接続される。
【0030】
図示例において、回路基板26は、略L字状の板状の部材を2か所で湾曲させた形状を有する。具体的には、回路基板26は、撮像レンズ23の光軸C方向と直交する方向を軸として湾曲させた第1の湾曲部26bと、光軸C方向とを軸として湾曲させた第2の湾曲部26cとを有し、この2つの湾曲部で連結される3つの板状部に撮像素子25、電子部品30、30aおよび接続端子が実装されている。また、撮像素子25は、
図4中下側の回路基板26の板状部26aの上面側に実装されている。
【0031】
回路基板26は、可撓性を有する基板であってもよい。また、回路基板26は、1箇所、または3箇所以上で折り曲げられた形状であってもよい。また、回路基板26上における撮像素子25、電子部品30、30a、および接続端子等の配置は、特に限定されるものではない。回路基板26は、例えば、フレキシブルプリント基板で構成される。
【0032】
回路基板26上の接続端子に、信号ケーブル28が接続されており、撮像素子25と信号ケーブル28とが電気的に接続される。撮像素子25によって光が電気信号に変換され、この電気信号が信号ケーブル28を介して送信される。信号ケーブル28は、内視鏡の挿入部、操作部、ユニバーサルコード等に挿通されて、プロセッサ装置16(
図1参照)に電気的に接続されている。なお、信号ケーブル28は、外周を構成する外皮28dを有する構成であれば、特に限定されるものではない。
【0033】
信号ケーブル28は、例えば、
図4に示すように、複数の信号線28aと、各信号線28aを被覆する被覆層28bと、被覆層28bで被覆された、複数の信号線28aの全体の周囲に設けられたシールド導体28cと、シールド導体28cを被覆する外皮28dとを有する。上述のように外皮28dは信号ケーブル28の外周を構成する。被覆層28b、シールド導体28c、および外皮28dは、例えば、円筒状である。また、信号ケーブル28のシールド導体28cのことをシールドという。信号ケーブル28は、信号線28aを、例えば、4本有する。信号線28aの数は、内視鏡撮像装置20の構成に応じたものであり、特に限定されるものではなく、2本、3本でもよく、5本以上でもよい。
信号ケーブル28は、複数の信号線28aが束ねられ、かつ周囲にシールド導体28cが設けられ、かつ円筒状の外皮28d内に収納された多芯ケーブルである。
【0034】
カバーガラス31は、撮像素子25の受光面25a上に配置され、受光面25aを保護するものである。
【0035】
プリズム27は、レンズ鏡筒22と撮像素子25との間に、カバーガラス31を介して配置される。プリズム27は、撮像素子25の受光面25aに撮像レンズ23を通過した光をガイドするものである。プリズム27は、レンズ鏡筒22に保持された撮像レンズ23を通過した光を、例えば、90°屈曲させて光路を変更し、撮像素子25の受光面25aに導く。プリズム27は、入射面27aをレンズ鏡筒22の基端側の面に対面して配置される。また、プリズム27は、出射面27bを撮像素子25の受光面25aに対面して配置される。この場合、プリズム27は、カバーガラス31上に出射面27bをカバーガラス31に対向して配置される。
【0036】
保持部材24は、レンズ鏡筒22とプリズム27とを保持する部材である。保持部材24は、略筒状の部材であり、筒部の内部にレンズ鏡筒22を嵌入されて、レンズ鏡筒22を保持する。保持部材24の内面とレンズ鏡筒22の外周面とは接着固定される。
保持部材24とレンズ鏡筒22とを接着する接着剤としては、従来の内視鏡で用いられている種々の公知の接着剤を用いることができる。この点は、他の部材同士を接着する接着剤についても同様である。
【0037】
保持部材24は、取付筒部24aの基端側の端面に、多角形状のフランジ部24bを有し、プリズム27の入射面27aが当接される。これにより、プリズム27を位置決めする。保持部材24は、レンズ鏡筒22およびプリズム27を所定の位置に保持することで、レンズ鏡筒22とプリズム27との相対位置、すなわち、レンズ鏡筒22と、撮像素子25の受光面25aとの相対位置を固定する。プリズム27の出射面27bと撮像素子25とが対向する。
ここで、レンズ鏡筒22は、撮像レンズ23の光軸C方向における、保持部材24に対する相対位置を、撮像素子25の受光面25aにピントが合うように調整されて、保持部材24に接着固定される。
【0038】
連結部材29は、保持部材24に対して、固定部材36(
図4および
図5参照)が設けられた信号ケーブル28を保持するものである。連結部材29は、
図2に示すように、1つの板材を湾曲させて構成された部材である。具体的には、連結部材29は、1つの板材を光軸C方向に延在する、2か所の折り曲げ部で折り曲げた形状を有する。従って、連結部材29は、光軸C方向に垂直な断面が略C形状となる。連結部材29は、略C形状の内側に回路基板26上の接続端子(信号ケーブル28との接続箇所)が包含されるように配置される。すなわち、
図2に示すように、連結部材29は、図中上側から回路基板26を覆うように配置されている。連結部材29は、撮像素子25、プリズム27および電子部品30、30aも覆っており、撮像素子25、プリズム27および電子部品30、30aのカバー部材を兼ねている。また、連結部材29は、撮像素子25、プリズム27および電子部品30、30aの保護部材としても機能する。
【0039】
連結部材29は、先端側に1対のアーム部29aを有する。1対のアーム部29aは、保持部材24のフランジ部24bを挟んで係合している。
また、連結部材29は、基端側に信号ケーブル28を保持する保持部29bを有する。保持部29bは、外皮28dに沿って曲げられており、アーム部29aから後端面29cに向かうに従いY方向の幅が狭くなっている。保持部29bに、信号ケーブル28が固定されて保持される。
図4および
図5に示すように、信号ケーブル28の外皮28dに設けられた固定部材36と、信号ケーブル28の外皮28dを被覆する保護チューブ37とを有する。上述のように信号ケーブル28は連結部材29に固定されている。
【0040】
固定部材36は、信号ケーブル28の外皮28dに設けられ、締め付けて外皮28dを信号ケーブル28の信号線28aに固定するものである。固定部材36は、例えば、円環状の部材であり、かしめることにより固定部材36を締め付けて、外皮28dを信号ケーブル28の信号線28aに固定する。
固定部材36は、外皮28dを信号ケーブル28の信号線28aに固定することができれば、円環状に限定されるものではなく、多角形の環状の部材でもよい。また、固定部材36は、円環状ではなく、一周連続することなく、隙間を有する構成でもよく、例えば、Cリング状でもよい。この場合、離れた端部同士を接近させるように、かしめることにより離れた端部同士が接近して、固定部材36の開口部が小さくなり、外皮28dが信号ケーブル28の信号線28aに固定される。また、固定部材36は、例えば、金属または合金で構成される。
【0041】
保護チューブ37は、
図5に示すように、先端面37aが、連結部材29のレンズ鏡筒22の反対側の後端面29cよりもレンズ鏡筒22側、かつ固定部材36よりも後端面29c側に位置して設けられている。すなわち、保護チューブ37を、連結部材29に対して、オーバーラップさせて、信号ケーブル28に設けている。保護チューブ37の先端面37aは、保護チューブ37のレンズ鏡筒22側の端面のことである。
保護チューブ37を、上述のようにオーバーラップさせて信号ケーブル28に配置すると、連結部材29内での外皮28dの面積が小さくなる。このため、接着剤を用いて信号ケーブル28を連結部材29に固定する場合、接着面積が小さくなる。しかしながら、固定部材36を設けることにより、固定強度を補うことができる。さらに保護チューブ37により、連結部材29の後端面29c近傍での強度を向上させることができる。これにより、信号ケーブル28において、連結部材29の後端面29c近傍における剛性の急激な変化による負荷の集中が大きすぎる場合、信号ケーブル28の外皮28dがずれていなくても内部の信号線28a(芯線)の破損が抑制される。
【0042】
また、内視鏡撮像装置20に使用している信号ケーブル28は、上述のように、複数の信号線28aを外皮28dで束ねた構造をしており、信号線28aは破損しやすいため、外皮28dまたは連結部材29により保護が必要である。連結部材29は金属等で形成されており、連結部材29の後端面29cは剛性の変化が急激であり、信号ケーブル28への負荷が大きく集中する。このため、内視鏡の湾曲動作または他の内容物との摺動により外皮28dがずれて信号線28aが連結部材29外に露出すると、連結部材29の後端面29c近傍において信号線28aの破損が発生する。
しかしながら、信号ケーブル28の外皮28dを固定部材36で固定することにより、信号ケーブル28の外皮28dの固定強度を高くした上で、保護チューブ37を、上述のように連結部材29に対してオーバーラップさせて固定することにより、信号ケーブル28の外皮28dの接着面積が減った分を固定部材36の固定強度で補填し、保護チューブ37で連結部材29の後端面29c付近の強度を向上させる。これにより、信号ケーブル28の接合強度が高く、信号ケーブル28の接合の信頼性が高い内視鏡撮像装置20が得られる。
【0043】
また、連結部材29は、保持部材24および信号ケーブル28をそれぞれに接続されることにより、信号ケーブル28が引っ張られた際等に、回路基板26上の接続端子と、信号ケーブル28の信号線28aとの接続箇所が引っ張られて、接続端子と信号線28aとの接続が断線することを防止する。
【0044】
連結部材29のアーム部29aと保持部材24のフランジ部24b、ならびに連結部材29の保持部29bと信号ケーブル28の外皮28dとは、例えば、接着剤38を用いて接着固定される。接着固定されている場合、接着剤38は硬化状態である。なお、連結部材29の保持部29bと信号ケーブル28の外皮28dとを固定することができれば、接着剤38を用いた接着固定に限定されるものではない。
接着剤38を用いて接着固定する場合、保護チューブ37は、硬化状態の接着剤38よりも軟らかいことが好ましい。保護チューブ37が、硬化状態の接着剤38よりも軟らかいことにより、保護チューブ37が容易に曲がることができ、連結部材29の後端面29cにおいて信号ケーブル28に負荷が作用することが軽減される。接着剤38は、例えば、エポキシ樹脂系接着剤であり、保護チューブ37は、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で構成される。接着剤38は、エポキシ系接着剤以外に、例えば、シリコーン系接着剤、またはアクリル系接着剤を用いることができる。
【0045】
また、固定部材36の連結部材29の後端面29c側の端36bと、保護チューブ37の先端面37aとの間に隙間39を設けて、保護チューブ37が配置されていることが好ましい。上述の隙間39を設けて、固定部材36と保護チューブ37とを設けることにより、接着剤38の接着面積を確保できる。より確実に、信号ケーブル28を連結部材29に固定できる。さらには、信号ケーブル28がレンズ鏡筒22の反対側に引っ張られた場合に、固定部材36が接着剤38に引っ掛かり、信号ケーブル28の破損を抑制できる。
なお、隙間39は、接着剤38の接着面積を確保できるため、1mm以上であることが好ましい。接着範囲が大きければ大きい程、接着強度が増すため、隙間39の上限は、特に限定されるものではない。しかしながら、内視鏡撮像装置20の構造的な制約から、隙間39の上限は3mm程度である。隙間39は、マイクロメーターまたはノギスを用いて測定される。
なお、例えば、上述の固定部材36および保護チューブ37は、それぞれの部品を所定の位置に位置決めして組み立てることのできる治具または設備を使用して、組み立てられる。
【0046】
内視鏡撮像装置20において、撮像レンズ23から撮像素子25に取り込まれた観察像は、撮像素子25の受光面25aに結像されて電気信号に変換され、この電気信号が信号ケーブル28を介してプロセッサ装置16(
図1参照)に出力され、映像信号に変換され、プロセッサ装置16に接続されたモニタに観察画像が表示される。
【0047】
ここで、内視鏡撮像装置20においては、連結部材29が金属材料で形成されており、撮像素子25の側面を覆うセンサー保護部32を有する。
図2および
図3に示すように、連結部材29は、断面略C形状の対面する2つの側面から図中下方向に延びるセンサー保護部32を有する。
センサー保護部32は、撮像素子25の、撮像レンズ23の光軸Cに平行な2つの側面を、この側面に垂直な方向から見た際に重複する位置に配置されている。また、センサー保護部32の光軸C方向の幅は、撮像素子25の側面の幅よりも大きく、撮像素子25の側面の全面を覆っている。
【0048】
また、
図2および
図3に示す例においては、好ましい態様として、センサー保護部32と、撮像素子25の側面との間に、充填部材33が充填されている。従って、撮像素子25は、充填部材33を介して連結部材29と物理的に接触している。また、連結部材29は、保持部材24および信号ケーブル28と物理的に接触している。
撮像素子25の側面をセンサー保護部32で覆って、撮像素子25の側面とセンサー保護部32との間を充填部材33で充填することで、撮像素子25から、充填部材33、連結部材29、保持部材24および信号ケーブル28という放熱経路が形成される。そのため、撮像素子25から発生する熱を効率よく放熱することができる。また、硬い金属材料で撮像素子25を覆うことで、撮像素子25を保護することができる。
【0049】
連結部材29を形成する金属材料としては特に限定はないが、熱伝導率が高い金属材料が好ましい。加工性、入手性、強度等を考慮すると、連結部材29としては、ステンレス鋼、および銅合金が好ましい。
充填部材33の材料としては、接着剤またはシール剤を利用可能である。接着剤としては、内視鏡で用いられている各種の接着剤が利用可能である。
シール剤としては、内視鏡で用いられている各種のシール剤が利用可能である。接着剤およびシール剤は、熱伝導率が高いほどよいが、絶縁性を有することが好ましい。
【0050】
充填部材33は、撮像素子25の側面とセンサー保護部32との間の領域の全域に充填されていることが好ましいが、撮像素子25の側面とセンサー保護部32との間の少なくとも一部に充填されていてもよい。
また、
図3に示す例では、充填部材33は、カバーガラス31の側面とセンサー保護部32との間の領域の全域に充填されている。充填部材33を、カバーガラス31の側面とセンサー保護部32との間の領域にも充填することで、撮像素子25からの熱をより効率よく伝熱することができる。
【0051】
また、
図2に示す例では、センサー保護部32の幅は、撮像素子25の側面の幅よりも大きく、撮像素子25の側面の全面を覆っている構成としたがこれに限定はされない。センサー保護部32は、撮像素子25の側面の少なくとも一部を覆っていればよい。放熱性の観点から、センサー保護部32は、撮像素子25の側面の全面を覆っていることが好ましい。
ここで、
図3に示す例においては、撮像素子25の側面とセンサー保護部32との間に充填部材33を有する構成としたが、これに限定はされず、撮像素子25の側面とセンサー保護部32とが直接接触していてもよい。
【0052】
〔内視鏡撮像装置の第2の例〕
内視鏡撮像装置20は
図2~
図5に示す構成に限定されるものではない。以下、内視鏡撮像装置の第2の例について説明する。
図6は本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第2の例を示す模式的斜視図であり、
図7は本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第2の例を示す模式的側面図である。
図6および
図7において、
図2~
図5に示す内視鏡撮像装置20と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0053】
図6および
図7に示す内視鏡撮像装置20aは、
図2~
図5に示す内視鏡撮像装置20に比して、連結部材29に貫通孔40が設けられている点が異なり、それ以外の構成は、
図2~
図5に示す内視鏡撮像装置20と同じ構成である。内視鏡撮像装置20aは、
図2に示す内視鏡撮像装置20と同様に、信号ケーブル28の接合強度が高く、信号ケーブル28の接合の信頼性が高い効果が得られる。
内視鏡撮像装置20aでは、貫通孔40を設けることにより、接着剤38の充填経路を増やして接着剤38の供給量を多くでき、接着強度をより高くできる。さらには、貫通孔40を設けることにより、接着剤38注入後の充填状態を容易に確認できる。
貫通孔40は、開口径Dが0.6mm以上であることが好ましい。開口径Dが0.6mm以上であれば、例えば、シリンジを用いて接着剤38を容易に注入できる。
貫通孔40の開口径Dは、連結部材29の強度が維持されるため、連結部材29のY方向の長さの1/2以下であることが好ましい。
貫通孔40の開口径Dは、マイクロメーター、ノギスまたはピンゲージを用いて測定される。
【0054】
連結部材29に設けられた貫通孔40は、
図7に示すように、光軸C方向において、保護チューブ37の先端面37aよりも固定部材36側に設けられていることが好ましい。このような位置に貫通孔40を設けることにより、信号ケーブル28の外皮28dに接着剤38を供給しやすくなり、信号ケーブル28と連結部材29との接着固定強度を更に高くできる。この場合、貫通孔40が、隙間39の上方に設けられていれば、信号ケーブル28の外皮28dに接着剤38を更に確実に供給できるため、接着剤38により外皮28dが連結部材29に更に確実に接着されて、より好ましい。また、貫通孔40は、固定部材36の上方に設けてもよい。
【0055】
ここで、
図8は本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の信号ケーブルの一例を示す模式的断面図である。
信号ケーブル28は外皮28dに、保護チューブ37が被覆されているが、
図8に示すように、保護チューブ37の内面37bと、信号ケーブル28の外皮28dとの間にクリアランス41があることが好ましい。保護チューブ37と信号ケーブル28との間にクリアランス41を設けることにより、信号ケーブル28が曲がった場合、クリアランス41の分、保護チューブ37よりも信号ケーブル28が優先的に曲がり、信号ケーブル28が曲がってから保護チューブ37が曲がる。これにより、連結部材29の後端面29c近傍における信号ケーブル28の負荷を軽減し、信号ケーブル28の信号線28a(芯線)の破損を抑制できる。
なお、クリアランス41は、0.05~0.2mmであれば、信号ケーブル28の負荷を軽減し、信号ケーブル28の信号線28a(芯線)の破損をより抑制できるためより好ましい。クリアランス41は、信号ケーブル28の外皮28dの外径、および保護チューブ37の内径を測定し、信号ケーブル28の外皮28dの外径と保護チューブ37の内径との差を求めることにより得られる。信号ケーブル28の外皮28dの外径、および保護チューブ37の内径は、マイクロメーターまたはノギスを用いて測定される。
【0056】
〔内視鏡撮像装置の第3の例〕
図9は本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第3の例を示す模式的斜視図であり、
図10は本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第3の例の連結部材を示す模式的側面図であり、
図11は本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第3の例を示す模式的側面図である。なお、
図11は
図9の連結部材44を外した状態を示す。
図9~11において、
図2~
図5に示す内視鏡撮像装置20と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0057】
内視鏡撮像装置20bは、内視鏡撮像装置20(
図2参照)に比して、連結部材44と、回路基板46との構成が異なり、それ以外の構成は、基本的には
図2~
図5に示す内視鏡撮像装置20と同じ構成である。
内視鏡撮像装置20bは、
図9に示すように、レンズ鏡筒22と、保持部材24と、撮像素子25と、撮像素子25と電子部品30、30aが配置される回路基板46と、保持部材24に対して信号ケーブル28を保持する連結部材44とを有する。撮像素子25は、
図11に示すように、導電性を有するバンプ34を介して回路基板46に電気的に接続されている。また、撮像素子25と回路基板46との間に設けられたアンダーフィル層(図示せず)が設けられていてもよい。また、電子部品30、30aは回路基板46に電気的に接続されている。
また、内視鏡撮像装置20bは、保持部材24と、連結部材44とを係合する係合部42とを有する。
ここで、
図9および
図11に示すように、光軸Cに平行な方向をX方向とする。光軸Cと直交する2つの方向のうち、1つをY方向とし、残りをZ方向とする。Y方向は内視鏡撮像装置20bの幅方向に対応し、Z方向は内視鏡撮像装置20bの高さ方向に対応する。
【0058】
保持部材24は、レンズ鏡筒22の外周に嵌合された筒状の取付筒部24aと、取付筒部24aに連続して一体に設けられたフランジ部24bとを有する。フランジ部24bの裏面24eにプリズム27が設けられる。
プリズム27は、例えば、入射面27aと出射面27bとが直交する直角プリズムである。入射面27aをフランジ部24bの裏面24eに向けて配置する。これにより、入射面27aは撮像レンズ23と対向する。
撮像素子25上にカバーガラス31が配置されている。カバーガラス31上にプリズム27が配置されており、プリズム27の出射面27bと撮像素子25とが対向している。
【0059】
撮像素子25は、例えば、撮像レンズ23の光軸Cに対して平行に、回路基板46の一方の端の表面46aに設けられており、保持部材24のフランジ部24bの下方に配置されている。撮像素子25の受光面25aとは反対側の回路基板46の裏面46bには、撮像素子25および電子部品30、30aに対する信号または電力が入出力される複数の接続端子(図示せず)が設けられている。
【0060】
回路基板46は、例えば、可撓性を有する基板で構成されている。可撓性を有する基板は、例えば、フレキシブル配線基板である。回路基板46は、例えば、
図11に示すように2箇所で折り曲げられており、第1の湾曲部46cと、第2の湾曲部46dとを有する。第1の湾曲部46cと第2の湾曲部46dとの間において、回路基板46の表面46aに電子部品30が、例えば、2つ設けられている。第2の湾曲部46dに連続する回路基板46の表面46aに、例えば、電子部品30が3つ、電子部品30aが2つ設けられている。
【0061】
回路基板46を、2箇所で折り曲げ、第1の湾曲部46cと、第2の湾曲部46dとを設けることにより、X方向に小さくでき、内視鏡撮像装置20bをX方向において小型化することができる。すなわち、内視鏡撮像装置20bを短くできる。
図11に示すように回路基板46の他方の端の裏面46bに設けられた接続端子(図示せず)に、信号ケーブル28の信号線28aが電気的に接続されている。
なお、回路基板46の折り曲げは、2箇所に限定されるものではなく、電子部品30、30aの数等の装置構成、または装置の大きさ等により適宜決定されるものである。
上述のように、撮像素子25は、導電性を有するバンプ34を介して回路基板46に電気的に接続されており、上述のように撮像素子25と回路基板46との間にはアンダーフィル層が設けられていてもよい。アンダーフィル層は上述の通りである。
導電性を有するバンプ34は、撮像素子25の回路基板46との接続面に設けられた電極に接続されるものである。バンプ34が回路基板46の配線層と電気的に接続される。
【0062】
内視鏡撮像装置20bでは、レンズ鏡筒22と撮像素子25との間に、少なくとも1つの光学部材が配置される。光学部材は、上述のプリズム27に、特に限定されるものではない。
【0063】
係合部42は、保持部材24に設けられた、少なくとも1つの凸部と、連結部材44に設けられた、保持部材24の凸部と係合する、凹部とを有する。係合部42では、保持部材24の凸部と連結部材44の凹部とが係合することにより保持部材24と連結部材44との強固な固定を実現できる。なお、連結部材44の凹部は、後述の貫通する開口部も含む。
【0064】
図9および
図11に示す保持部材24のフランジ部24bには、互いに対向し、かつプリズム27を挟んで、凸部24cが2つ設けられている。2つの凸部24cは、プリズム27の側面27cの一部を覆うものであり、2つの凸部24cによりプリズム27が挟持されてプリズム27が固定される。2つの凸部24cは形状および大きさが同じであり、保持部材24のフランジ部24bの両側に凸部24cが設けられている。なお、プリズム27の側面27cは、入射面27aおよび出射面27bと直交する面である。
保持部材24において、フランジ部24bの凸部24c(
図9および
図11参照)は、例えば、外形が四角形状であるが、1つの角が切り欠かれている。このため、フランジ部24bの凸部24c(
図9および
図11参照)は、実質的には5角形である。
【0065】
連結部材44は、保持部材24に対し、信号ケーブル28を保持するものである。
連結部材44は、例えば、
図10に示すように、1つ板材を曲げて構成された、平版状の底部44fと、底部44fに連続した平板状の基材部44gを有する保持部44aを有する。連結部材44では、保持部44a側を基端45aとする。基材部44gは信号ケーブル28の外皮28dに沿うように曲げられている。信号ケーブル28は連結部材44に、例えば、接着剤38(
図11参照)を用いて接着固定される。
保持部44aにおいて開口を挟んで対向する、平板状の基材部44gに、それぞれアーム部44bが設けられている。連結部材44は、1対のアーム部44bを有する。アーム部44bは、基端45a側で保持部44aよりも外側に屈曲した後、直線状に伸びている。このため、1対のアーム部44bは、基端45aよりも先端45bの方が間隔が広く、この間隔は、
図9に示す保持部材24の凸部24cに合わせて適宜決定される。また、それぞれのアーム部44bには、先端45bに開口部44cが設けられている。
【0066】
アーム部44bの開口部44cが、保持部材24の凸部24cと係合する。開口部44cは、例えば、アーム部44bの一部が四角形状に切り取られて構成されている。
なお、開口部44cは、凸部24cの外形状と大きさおよび形状が同じでもよい。ここで、上述の開口部44cの形状は、凸部24cの外形状と大きさおよび形状が同じであるとは、該当技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。このため、開口部44cと凸部24cとは、いわゆる、すき間ばめ、中間ばめ、およびしまりばめのいずれの場合もある。
なお、以下の説明においても、「大きさおよび形状が同じ」とは、上述のように該当技術分野で一般的に許容される誤差範囲が含まれる。
【0067】
上述のように、1対のアーム部44bの開口部44cと、保持部材24の凸部24cとを係合する係合部42を有する構成により、凸部に凹部が嵌るため、内視鏡撮像装置20bの光軸Cと直交するY方向における長さを短くすることができ、内視鏡撮像装置20bのサイズの大型化を抑制することができる。しかも、保持部材24と連結部材44との強固な固定を実現することができる。
なお、アーム部44bの厚みを、凸部24cの高さと合わせることにより、1対のアーム部44bの開口部44cが、それぞれ保持部材24の凸部24cと係合した場合、内視鏡撮像装置20bの光軸Cと直交するY方向における長さをより短くすることができ、この構成により、内視鏡撮像装置20bをより小型化できる。
【0068】
連結部材44において、1対のアーム部44bは、アーム部44bの基端45aよりも先端45bの方が互いに近づくように曲げられていることが好ましい。すなわち、1対のアーム部44bは閉じる方向に曲げられていることが好ましい。これにより、アーム部44bを一度広げることにより、アーム部44bの開口部44cを保持部材24の凸部24cに嵌めることができ、容易に組み立てることができる。
上述のように1対のアーム部44bは、アーム部44bの基端45aよりも先端45bの方が互いに近づくように曲げられていることが好ましいが、これは組み立て前の部品の状態であってもよい。
また、アーム部44bに、貫通する開口部44cを設けたが、これに限定されるものではなく、貫通せずに、凹みだけで底がある凹部でもよい。
【0069】
連結部材44は、保持部44aの内側44eに信号ケーブル28が、例えば、接着剤38により固定されて保持される。なお、信号ケーブル28の固定方法は、内視鏡の使用時に、信号ケーブル28が保持部44aから外れること、および信号線28aが外れること等がなければ、特に限定されるものではない。信号ケーブル28は、例えば、接着剤38を用いて連結部材44に接着固定される。
内視鏡撮像装置20と同様に、内視鏡撮像装置20bは、
図11に示すように信号ケーブル28の外皮28dには固定部材36が設けられ、保護チューブ37が被覆されている。このため、内視鏡撮像装置20bにおいても、内視鏡撮像装置20と同様に、信号ケーブル28の接合強度が高く、信号ケーブル28の接合の信頼性が高い。
また、内視鏡撮像装置20bにおいても、内視鏡撮像装置20(
図4参照)と同様に、
図11に示すように固定部材36の連結部材44の後端面44h側の端36bと、保護チューブ37の先端面37aとの間に隙間39を設けることが好ましい。また、
図8に示すように、保護チューブ37の内面37bと、信号ケーブル28の外皮28dとの間にクリアランス41があることが好ましい。
【0070】
なお、保持部材24において、2つの凸部24cは、上述のように大きさおよび形状が同じ、すなわち、合同であるが、大きさおよび形状が異なってもよい。
また、保持部材24において、凸部の形状は、上述の四角形に、特に限定されるものではなく、円、楕円、または三角形、五角形もしくは六角形等の多角形でもよく、これらの形状が組合せてできた形状でもよい。さらには、1つの形状だけではなく、同じ形状のものが複数配置されたものでもよく特定のパターンでもよい。
係合部42では、1つの凸部と1つの凹部とが1つの部位で係合するが、係合する部位が1つに限定されるものではなく、1つの凸部に複数の係合する部位を有する構成でもよい。
【0071】
なお、保持部材24の凸部の大きさは、例えば、プリズム27の側面27cの少なくとも一部を覆う大きさであることが好ましい。凸部の大きさを、プリズム27の側面27cの少なくとも一部を覆う大きさにすることにより、プリズム27をより安定して挟持して固定することができ、また、組み立て時において保持部材に対してプリズムのY方向の位置決めに利用することができる。
保持部材24の凸部の大きさの上限としては、プリズム27の側面27cを全て覆う大きさとすることができる。
さらには、保持部材24において、2つの凸部24cを対向して設けることにより、アーム部44bにより、プリズム27および回路基板46が囲まれる。これにより、保持部材24と連結部材44との係合が安定し、かつプリズム27および回路基板46を保護することもできる。
保持部材24において、2つの凸部24cを設ける構成としたが、大型化をしない限り、これに限定されるものではなく、凸部を3つ以上設けてもよい。すなわち、係合部の数は、3以上とすることもできる。
【0072】
プリズム27は、撮像レンズ23の光を撮像素子25に導くものであり、直角プリズムに限定されるものではなく、プリズム27の形状も撮像素子25の配置位置に応じたものが適宜用いられる。なお、プリズム27は、撮像素子25の配置位置によっては必ずしも必要ではなく、別の光学部材を配置する構成でもよい。
【0073】
例えば、撮像レンズ23の光軸Cを直角に曲げるプリズム27を用いることにより、撮像素子25の配置位置の自由度を高くでき、保持部材24のフランジ部24bの大きさ等に制限されることなく、大きな撮像素子25を用いることができる。
なお、保持部材24とプリズム27が接着固定された後、それらを側面からアーム部44bで挟み込み、アーム部44bと保持部材24およびプリズム27が接着で連結される。保持部材24とプリズム27の接合もアーム部44bを側面から接着することでより強固になる。また、保持部材24の側面だけでなくプリズム27の側面27cとアーム部44bとを接着することにより、アーム部44bの固定強度も上がる。
保持部材24とアーム部44bの連結強度は、凸部24cと開口部44c(凹部)とが同一形状であり、かつ同じ大きさであることと、X方向およびZ方向の力をアーム部の断面で受けるため、内視鏡撮像装置20bの機械的強度が強くなる。
【0074】
折曲部46eは、第1の湾曲部46c側の端であり、回路基板46の第1の湾曲部46cの曲がりはじめである。
X線を用いて内視鏡撮像装置20bを撮影して、回路基板46の断面画像を得る。回路基板46の断面画像において、回路基板46の第1の湾曲部46cの曲がりはじめの位置を特定し、上述の折曲部46eを特定することができる。
なお、曲がりはじめの位置は、第1の湾曲部46cと、撮像素子25の下方の回路基板46との接続位置である。このため、第1の湾曲部46cを特定し、回路基板46が平面であるとして、上述の接続位置を特定することができる。
【0075】
回路基板46は、例えば、表面46aに撮像素子25と、電子部品30とが、予め定められた位置に配置されている。信号ケーブル28の信号線28aが裏面46bに設けられた接続端子(図示せず)と電気的に接続されている。回路基板46を展開した場合、すなわち、折り曲げる前の状態とした場合、撮像素子25が配置された反対側に信号ケーブル28が伸びている。この構成により、信号ケーブル28を回路基板46に、はんだ等により電気的に接続する際の作業性が向上し、組立作業性も向上する。
回路基板46は、回路基板26と同様の構成であり、フレキシブルプリント基板で構成される。
回路基板46は、例えば、2箇所折り曲げているが、回路基板46の折り曲げ方向は、全て同じ方向で折り曲げられていることが好ましい。これにより、第1の湾曲部46c、および第2の湾曲部46dのように、内視鏡撮像装置20bのY方向に曲げ領域がなく、内視鏡撮像装置20bの内部の空間において曲げ領域が占める割合を小さくできる。
【0076】
なお、撮像素子25と、電子部品30、30aとを回路基板46の表面46aに設けたが、これに限定されるものではなく、撮像素子25と、電子部品30、30aとを別々の面に設けてもよい。
また、撮像素子25と、電子部品30、30aとを、1つの回路基板46に設けることが好ましい。1つの回路基板46に設けることにより、部品点数を減らすことができる。
電子部品30、30aは、撮像素子25を駆動するためのものであり、特に限定されるものではないが、例えば、電圧レギュレータ、抵抗、およびコンデンサ等が挙げられる。電圧レギュレータは、撮像素子25への電圧を安定化させるデバイスであり、撮像素子25に一定の電圧を出力する。
また、回路基板46では、例えば、他方の端で、回路基板46の裏面46bと、信号ケーブル28のシールド導体28cとを、例えば、半田により接合してもよい。信号ケーブル28のシールド導体28cを裏面46bに接合することにより、撮像素子25および電子部品30から発生した熱を、回路基板46から信号ケーブル28を経て内視鏡撮像装置20b外に排熱することができ、内視鏡撮像装置20bの放熱性を高めることができる。
【0077】
〔内視鏡撮像装置の第4の例〕
図12は本発明の実施形態の内視鏡撮像装置の第4の例を示す模式的斜視図である。
図12において、
図9および
図11に示す内視鏡撮像装置20b、ならびに
図10に示す連結部材44と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0078】
図12に示す内視鏡撮像装置20cは、
図9に示す内視鏡撮像装置20bに比して、カバー50を有する点が異なり、それ以外の構成は、
図9および
図11に示す内視鏡撮像装置20bと同じ構成である。
内視鏡撮像装置20cは、内視鏡撮像装置20bと同様に、
図11に示すように信号ケーブル28の外皮28dには固定部材36が設けられ、保護チューブ37が被覆されている。このため、内視鏡撮像装置20cにおいても、内視鏡撮像装置20bと同様に、信号ケーブル28の接合強度が高く、信号ケーブル28の接合の信頼性が高い。
【0079】
また、内視鏡撮像装置20cは、電子部品30、30aを覆うカバー50を有する。カバー50は、例えば、金属で構成されていることが好ましい。金属製のカバー50を設けることにより、電子部品30、30aで発生した熱がカバー50に伝導し、電子部品30、30aで発生した熱を内視鏡撮像装置20c外に排熱することができる。
【0080】
カバー50は、例えば、ステンレス鋼、銅合金、またはグラファイト等で構成される。
また、カバー50は、連結部材44に接合されているか、またはカバー50と連結部材44とは一体構成であることが好ましい。これにより、電子部品30、30aで発生した熱が伝導する部材が多くなり、撮像素子25に伝導する可能性のある熱をさらに減らすことができ、しかも内視鏡撮像装置20c外に効率よく排熱することができる。
なお、カバー50と連結部材44とが一体構成の場合、カバー50と連結部材44とは同じ金属で構成される。
また、カバー50と連結部材44とは別体構成でもよい。この場合、カバー50は、連結部材44のアーム部44bの基端45aよりも先端45bの方が互いに近づくようにアーム部44bを保持することが好ましい。これにより、アーム部44bの開口部44cと保持部材24の凸部24cとが外れにくくなり、保持部材24と連結部材44とがより確実に固定され、結果として、内視鏡撮像装置20cの剛性が高くなる。
【0081】
なお、内視鏡撮像装置20cにおいても、内視鏡撮像装置20(
図4参照)と同様に、固定部材36の連結部材44の後端面44h側の端36b(
図11参照)と、保護チューブ37の先端面37a(
図11参照)との間に隙間39(
図11参照)を設けることが好ましい。また、
図8に示すように、保護チューブ37の内面37bと、信号ケーブル28の外皮28dとの間にクリアランス41があることが好ましい。
【0082】
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の内視鏡撮像装置および内視鏡について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0083】
10 内視鏡システム
12 内視鏡
14 光源装置
16 プロセッサ装置
20、20a、20b、20c 内視鏡撮像装置
22 レンズ鏡筒
23 撮像レンズ
24 保持部材
24a 取付筒部
24b フランジ部
24c 凸部
24e 裏面
25 撮像素子
25a 受光面
26、46 回路基板
26a 板状部
26b、46c 第1の湾曲部
26c、46d 第2の湾曲部
27 プリズム
27a 入射面
27b 出射面
27c 側面
28 信号ケーブル
28a 信号線
28b 被覆層
28c シールド導体
28d 外皮
29 連結部材
29a アーム部
29b 保持部
29c、44h 後端面
30、30a 電子部品
31 カバーガラス
32 センサー保護部
33 充填部材
34 バンプ
36 固定部材
37 保護チューブ
37a 先端面
37b 内面
38 接着剤
39 隙間
40 貫通孔
41 クリアランス
42 係合部
44 連結部材
44a 保持部
44b アーム部
44c 開口部
44e 内側
44f 底部
44g 基材部
45a 基端
45b 先端
46a 表面
46b 裏面
46e 折曲部
50 カバー
C 光軸
D 開口径