(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022169042
(43)【公開日】2022-11-09
(54)【発明の名称】鉱石移送用シュート
(51)【国際特許分類】
B65G 11/00 20060101AFI20221101BHJP
C22B 1/00 20060101ALI20221101BHJP
B65G 11/02 20060101ALI20221101BHJP
B65G 11/18 20060101ALI20221101BHJP
【FI】
B65G11/00 A
C22B1/00
B65G11/02
B65G11/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021074823
(22)【出願日】2021-04-27
(71)【出願人】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 明彦
(72)【発明者】
【氏名】藤田 涼太
【テーマコード(参考)】
3F011
4K001
【Fターム(参考)】
3F011BA02
3F011BB01
3F011BC02
4K001BA24
(57)【要約】
【課題】鉱石に対する耐摩耗性及び滑り性に優れ、メンテナンス作業も容易となる鉱石移送用シュートを提供する。
【解決手段】一定の粒径以上の鉱石を移送するための鉱石移送用シュート10であって、少なくとも、一端側に鉱石の投入口21を有し、他端側に鉱石の排出口22を有し、内部に鉱石が通過する空間を有する本体部11と、本体部11を載置され、所定の角度傾斜させるように保持する保持部12と、本体部11を保持部12に固定する固定部13を備え、本体部11は、高密度ポリエチレン製の円筒管により形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の粒径以上の鉱石を移送するための鉱石移送用シュートであって、
少なくとも、
一端側に前記鉱石の投入口を有し、他端側に該鉱石の排出口を有し、内部に該鉱石が通過する空間を有する本体部と、
前記本体部を載置され、所定の角度傾斜させるように保持する保持部と、
前記本体部を前記保持部に固定する固定部を備え、
前記本体部は、高密度ポリエチレン製の円筒管により形成されていることを特徴とする鉱石移送用シュート。
【請求項2】
前記本体部は上面に開口部を有することを特徴する請求項1に記載の鉱石移送用シュート。
【請求項3】
前記本体部は、複数の高密度ポリエチレン製の円筒管を接続してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鉱石移送用シュート。
【請求項4】
前記一定の粒径が25mm以上であり、
前記円筒管の内径が300~2000mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の鉱石移送用シュート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定の粒径以上の鉱石を移送するための鉱石移送用シュートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬法として、硫酸を用いた高圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leaching)法が注目されている。この方法は、乾燥及び焙焼工程等の乾式処理工程を含まず、一貫した湿式工程からなるので、エネルギー的及びコスト的に有利であるとともに、ニッケル品位を50重量%程度まで向上させたニッケル・コバルト混合硫化物を得ることができるという利点を有している。
【0003】
低品位ニッケル鉱を利用するHPALプラントにおいては、原料であるニッケル原料鉱石が鉱山から運搬、供給される。この中には大粒径鉱石が含まれており、ポンプ等で流送する際に障害となる。また、大粒径鉱石はニッケル品位が低く、中心部からニッケルを溶かしだすことも難しいため、除去する必要がある。その為、HPALプラントではニッケル原料鉱石を調合するニッケル原料調整工程で、洗浄、および篩別をして大粒径鉱石を除去している。
【0004】
洗浄および篩別装置としては、ドラムとトロンメルから構成されるドラムウォッシャーが使用され大粒径鉱石が除去される。トロンメルは、横向き(軸芯が水平または水平に近い傾斜状態)に設置される円筒形の篩網を備え、この篩網を軸芯まわりに回転駆動することにより、篩網に投入された被処理物の分級処理(種々の大きさの被処理物をその大きさによって分ける処理)を行う装置である。このようなトロンメルの用途の一つとして、ニッケル酸化鉱の分級処理の工程がある。
【0005】
この分級処理工程において、一定の粒径以下の鉱石は粗い鉱石と分離され、スラリー化されて加圧浸出工程に送られる。一方で、粗い鉱石は浸出工程前の分級処理工程において篩網により篩別され、系外に払い出される。以下、篩網で篩別された粗い鉱石をオーバーサイズ鉱石と呼ぶ。
【0006】
ドラムウォッシャーで篩別されたオーバーサイズ鉱石は、鉱石移送用シュートに排出され、鉱石移送用シュート内を通って所定の場所に滑り落とされ、系外で積み立てられる。
【0007】
鉱石移送用シュートに関し、例えば特許文献1には、排鉱口からの鉱石を、上端部で受け取り、これを下部の広幅な受け入れ部に導く焼結設備等における鉱石移送用シュートにおいて、該シュートを末拡がり状の扇形に形成するとともに、中高の円錐面形状に形成してなることを特徴とする焼結設備等における鉱石移送用シュートが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
鉱石移送用シュートは、滑り落ちるオーバーサイズ鉱石との接触により、内面が徐々に摩耗していき、最終的に穴あきが起こるため定期的な補修が必要になる。また、補修時には、一定間隔で締結された多数の固定ボルトの脱着に手間がかかり、交換工事のための設備の生産工程停止に長時間を要すという問題があった。
【0010】
本発明は、このような状況を解決するためになされたものであり、鉱石に対する耐摩耗性及び滑り性に優れ、メンテナンス作業も容易となる鉱石移送用シュートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、一定の粒径以上の鉱石を移送するための鉱石移送用シュートであって、少なくとも、一端側に鉱石の投入口を有し、他端側に鉱石の排出口を有し、内部に鉱石が通過する空間を有する本体部と、本体部を載置され、所定の角度傾斜させるように保持する保持部と、本体部を保持部に固定する固定部を備え、本体部は、高密度ポリエチレン製の円筒管により形成されている。
【0012】
本発明の一態様によれば、鉱石移送用シュートの本体部を高密度ポリエチレン製の円筒管により形成することで、鉱石に対する耐摩耗性及び滑り性に優れるとともに、切断作業等の加工も容易であるため、メンテナンス作業も容易となる。
【0013】
このとき、本発明の一態様では、本体部は上面に開口部を有するとしてもよい。
【0014】
上面に開口部を設けることで、点検口としてシュート内の排出状況や摩耗状態を目視で点検しやすくなる。
【0015】
また、本発明の一態様では、本体部は、複数の高密度ポリエチレン製の円筒管を接続してなるとしてもよい。
【0016】
高密度ポリエチレン製の円筒管は、溶着等により接続することが可能であるため、輸送距離と等しい長さの円筒管がなくとも保管容易な短い円筒管などを組み立てればよく、シュートの構造変更やメンテナンスが容易となる。
【0017】
また、本発明の一態様では、一定の粒径が25mm以上であり、円筒管の内径が300~2000mmである鉱石移送用シュートとしてもよい。
【0018】
本発明に係る鉱石移送用シュートは、一例としてニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において、25mm以上の鉱石を移送する際に好ましく用いることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、鉱石に対する耐摩耗性及び滑り性に優れ、メンテナンス作業も容易な鉱石移送用シュートとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1(A)は、従来の鉱石移送用シュートを示す正面図であり、
図1(B)はA-A線断面図である。
【
図2】
図2(A)は、従来の鉱石移送用シュートにおける樹脂製ライナーとシュートケーシングとの固定状態を示す概略断面図であり、
図2(B)は、
図2(A)におけるライナー固定ボルト頭部摩耗後の状態を示す概略断面図である。
【
図3】
図3(A)は、本発明の一実施形態に係る鉱石移送用シュートを示す正面図であり、
図3(B)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施の形態について、以下の順序で図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.従来のシュートの構成
2.鉱石移送用シュート
【0022】
<1.従来のシュートの構成>
先ず、従来のシュートの構成と課題について説明する。
図1(A)は、従来の鉱石移送用シュートを示す正面図であり、
図1(B)はA-A線断面図である。
【0023】
上述したように、低品位ニッケル酸化鉱石からニッケルを回収する高圧硫酸浸出(HPAL)に基づく湿式製錬方法プロセスでは、原料のニッケル鉱石は、ドラムウォッシャーにより篩別される。このプロセスにおいて、一定の粒径以下の鉱石は粗い鉱石と分離され、スラリー化され加圧浸出工程に送られる。一方で、粗い鉱石は浸出工程前の工程においてドラムウォッシャーの篩網により篩別され、
図1(A)に示すような鉱石移送用シュート100を通って系外に払い出される。
【0024】
ドラムウォッシャーで篩別された粗い鉱石(オーバーサイズ鉱石)は、鉱石移送用シュートにて所定の場所へ滑り落とされ、系外で積み立てられるが、シュートは滑り落ちるオーバーサイズ鉱石との接触により、内面が徐々に摩耗していき、最終的に穴あきが起こるため定期的な補修が必要になる。
【0025】
従来の鉱石移送用シュート100の内面には、摩耗からの保護のため、ライナー材102が設けられている。ライナー材102は、例えば、鋼板やステンレス板等の金属性板材、高分子量ポリエチレン板やPTFE板等の樹脂製板材が一般に広く用いられる。これらの中でも、費用、耐摩耗性、滑り性、本体重量を考慮し、高分子ポリエチレン板が用いられる。このような樹脂製ライナー材102は、
図1(B)に示すように鋼製シュートケーシング101の内側に取り付けられる。
【0026】
図2(A)は、従来の鉱石移送用シュート100における樹脂製ライナー102とシュートケーシング101との固定状態を示す概略断面図であり、
図2(B)は、
図2(A)におけるライナー固定ボルト頭部摩耗後の状態を示す概略断面図である。樹脂製ライナー板102は
図2(A)に示すように、ボルト103及びナット104によりシュートケーシング101に固定されており、ボルト103頭部がライナー板102表面から突出しないように皿ボルトが用いられている。このため、ライナー板102側にはすり鉢形状に穴をあける加工(皿モミ加工)を施す手間を要する。また樹脂製ライナー102の交換作業においては、一定間隔で締結された多数のライナー固定ボルト103の脱着に手間がかかり、樹脂製ライナー102交換工事の間の生産停止が長時間に渡るという問題があった。
【0027】
また、樹脂製ライナー板102に摩耗が進行すると、同時にライナー固定ボルト103の頭部も摩耗するため、
図2(B)に示すように、樹脂製ライナー固定ボルト103が抜け落ちてしまい最終的には樹脂製ライナー板102が脱落してしまう。樹脂製ライナー板102が摩滅する寸前まで使用することが最も経済的であるが、樹脂ライナー板102が脱落しないためには、ボルト103頭部が摩滅する前、すなわち、樹脂製ライナー板102の厚みが残っている状態で樹脂製ライナー板102を交換する必要があるため、経済的ではないという問題もあった。
【0028】
<2.鉱石移送用シュート>
本発明は、このような状況を解決するためになされたものである。
図3(A)は、本発明の一実施形態に係る鉱石移送用シュートを示す正面図であり、
図3(B)は断面図である。本発明の一態様は、一定の粒径以上の鉱石を移送するための鉱石移送用シュート10であって、少なくとも、一端側に鉱石の投入口21を有し、他端側に鉱石の排出口22を有し、内部に鉱石が通過する空間を有する本体部11と、本体部11を載置され、所定の角度傾斜させるように保持する保持部12と、本体部11を保持部12に固定する固定部13を備え、本体部11は、高密度ポリエチレン製の円筒管により形成されている。以下、各構成について説明する。
【0029】
本体部11は、一端側に鉱石の投入口21を有し、他端側に鉱石の排出口22を有し、内部に鉱石が通過する空間を有する。また、本発明では、本体部11は、高密度ポリエチレン(HDPE:High Density Polyethylene)製の円筒管により形成されている。高密度ポリエチレン(HDPE)製の円筒管は、耐候性、耐磨耗性に優れており、内部の表面が平滑であるため鉱石移送時の滑り性にも優れている。さらに、高密度ポリエチレン(HDPE)製の円筒管は、適度な柔軟性を有しており、電動切断工具等で容易に切断可能であるため、メンテナンス作業も容易となる。
【0030】
本体部11の投入口21には、上述したドラムウォッシャーにおいて篩別されて残った粒径の大きな粗い鉱石(オーバーサイズ鉱石)が送られる。例えば、篩の網目の大きさが25mmであれば、25mm以上の鉱石が送られることとなる。投入口21は、ドラムウォッシャーからオーバーサイズ鉱石が排出される排出部31の形状と位置に合わせて本体部11の一端側に設けられる。本体部11は、高密度ポリエチレン(HDPE)製であるため、投入口21を形成するための切削等の加工は容易である。
【0031】
また、本体部11の上端には、弾かれた鉱石が飛び出すのを防止するため、閉止板23を設けておいてもよい。閉止板23としては、簡易に入手でき、円筒管に容易に装着可能なブラインドフランジ等を用いることができる。
【0032】
一方、本体部11の他端側には、排出口22が設けられる。排出口22側は、鉱石移送用シュート10内を通って移送された鉱石を、例えば、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プラントの系外に放出して、積み立てるような構成で良いため、一例として排出口22は下端部分を切り欠き状にしておくことでよい。
【0033】
保持部12は、その上に本体部11を載置して、所定の角度傾斜するように保持する。保持部12は、例えば、本体部11を所定の角度傾斜した状態で載置するためのサポートフレーム24と、載置した本体部11が下方に滑り落ちないように留めるストッパー25などを備えている(一例として、後述する開口部26に門型のストッパー25を引っ掛け、門型のストッパー25はサポートフレーム24に取り付けることで、本体部11を保持部12に固定する)。本体部11の傾斜角度は、内部を鉱石が澱みなく滑り落ち、かつ、勢いがつき過ぎない角度であれば特に限定はされないが、例えば、25~35度(一例として29度)とすることが好ましい。また、本体部11を形成する円筒管は、例えば、内径が300~2000mm(一例として16インチ(約400mm))の物が用いられる。
【0034】
固定部13は、本体部11を保持部12に固定する。固定部13は、例えば、Uボルトなどが用いられる。また、上述したストッパー25も、本体部11を固定する役割を担っている。
【0035】
本発明の一態様では、本体部11は上面に開口部26を有するとしてもよい。このように、上面に開口部26を設けることで、点検口としてシュート内の排出状況や摩耗状態を目視で点検しやすくなり、異常が発生した際にはいち早く場所を特定して復旧作業を行うことができる。開口部26は、例えば
図3(B)に示すように、高密度ポリエチレン(HDPE)製の円筒管の上面を切断することで、形成することができる。内部の鉱石が開口部26から跳ね上がるのを防止するために、開口部26を金網などで覆うようにしてもよい。開口部26は、本体部11上面の一部のみに設けてもよいし、本体部11上面の全体に亘って設けてもよく、固定部13を除外してもよい。
【0036】
また、本発明の一態様では、本体部11は、複数の高密度ポリエチレン製の円筒管を接続して形成してもよい。円筒管同士を接続する方法としては、例えば、円筒管の端面同士を加熱し溶着を行うバットフュージョン工法(ヒートフュージョン)や、内面に電熱線を有する継手に円筒管を両側からそれぞれ挿入し、電熱線を発熱させることでHDPE製の円筒管の外面を溶融させて継手の内面と融着させるエレクトロフュージョン工法を用いることができる。このように、本体部11を複数の高密度ポリエチレン製の円筒管を接続して形成することにより、鉱石移送用シュート10の経路変更などの設計変更(鉱石がシュート高さまで積み上がったとき等)にも対応することができ、また、メンテナンス時の交換作業の際にも該当箇所のみを交換することができるため、作業時間の短縮とコストの削減が可能となる。
【0037】
本発明の一実施形態に係る鉱石移送用シュート10は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬における鉱石準備工程において適用することが可能である。ドラムウォッシャーの篩においては、一例として、25mmのスクリーンが用いられるため、鉱石移送用シュート10では、粒径25mm以上のオーバーサイズのニッケル酸化鉱石を系外に移送することになる。
【0038】
以上説明したように、本発明に係る鉱石移送用シュート10は、従来の鉱石移送用シュートで用いていた樹脂製ライナー板を使用する必要がなく、従来の設備に比べ部品点数が少ないため、大幅なメンテナンス費用削減が期待できる。また、投入口21や点検のための開口部26を設けるための切断作業では、電動切断工具等で容易に切断可能であるため、従来の鉱石移送用シュートに比べて工数が大幅に削減できる。さらに、高密度ポリエチレン(HDPE)製の円筒管は、耐候性、耐磨耗性に優れており、内面の表面が平滑であるため鉱石移送時の滑り性にも優れている。
【実施例0039】
以下、本発明について、実施例および比較例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0040】
低品位ニッケル酸化鉱石からニッケルを回収する高圧硫酸浸出(HPAL)に基づく湿式製錬方法プロセスにおいて、原料のニッケル鉱石をドラムウォッシャーにより篩別し、篩の網目よりも大きなニッケル酸化鉱石(オーバーサイズ鉱石)を、鉱石移送用シュートにて所定の場所に滑り落とし、系外で積み立てた。
【0041】
(比較例)
図1(A)、(B)で示したような、従来の樹脂製ライナー付きの鋼製シュートで操業を行った。メンテナンス作業時に生産工程を停止して、樹脂製ライナー板の交換工事を行ったが、16時間の作業時間を要した。
【0042】
(実施例)
図3(A)、(B)で示したような、本発明の一実施形態に係る鉱石移送用シュートで操業を行った。メンテナンス作業時に生産工程を停止して、HDPE製シュートの交換工事を行ったが、10時間の作業時間を要した。
【0043】
したがって、本発明の一実施形態に係る鉱石移送用シュートを適用することにより、メンテナンスに係る作業時間を従来と比べて6時間程度も削減できることが実証できた。
【0044】
なお、上記のように本発明の一実施形態および各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0045】
例えば、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、鉱石移送用シュートの構成も本発明の一実施形態および各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 鉱石移送用シュート、11 本体部、12 保持部、13 固定部、21 投入口、22 排出口、23 閉止板、24 サポートフレーム、25 ストッパー、26 開口部、31 排出部、100 鉱石移送用シュート(従来例)、101 鋼製シュートケーシング(従来例)、102 樹脂製ライナー(従来例)、103 ボルト(従来例)、104 ナット(従来例)