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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170317
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】回転コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 35/04 20060101AFI20221102BHJP
   B62D 1/04 20060101ALI20221102BHJP
【FI】
H01R35/04 S
B62D1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021076376
(22)【出願日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142871
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 哲昌
(74)【代理人】
【識別番号】100094743
【弁理士】
【氏名又は名称】森 昌康
(72)【発明者】
【氏名】笊畑 匡紘
(72)【発明者】
【氏名】塩谷 佳宏
(72)【発明者】
【氏名】田尻 洋司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 良征
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030DB25
(57)【要約】
【課題】ステアリングの偏角の影響を低減できる回転コネクタ装置を提供する。
【解決手段】回転コネクタ装置2は、ステータ10、ロテータ20、および可動部材70を備える。ステータ10は、車両本体3に固定されるように構成される。ロテータ20は、ステータ10に対して回転軸線A1回りに回転可能に設けられる。可動部材70は、ステアリング4の回転をロテータ20に伝達するようにロテータ20に取り付けられる。ステータ10およびロテータ20は、回転軸線A1を取り囲むように設けられるケーブル収容空間50を形成する。可動部材70は、ステアリング4から回転力を受けるように構成される回転入力部73を含む。ロテータ20は、ロテータ20に対する回転入力部73の角度が変化するように可動部材70を移動可能に支持する支持構造90を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体に固定されるように構成されるステータと、
前記ステータに対して回転軸線回りに回転可能に設けられるロテータと、
ステアリングの回転を前記ロテータに伝達するように前記ロテータに取り付けられる可動部材と、を備え、
前記ステータおよび前記ロテータは、前記回転軸線を取り囲むように設けられるケーブル収容空間を形成し、
前記可動部材は、前記ステアリングから回転力を受けるように構成される回転入力部を含み、
前記ロテータは、前記ロテータに対する前記回転入力部の角度が変化するように前記可動部材を移動可能に支持する支持構造を含む、
回転コネクタ装置。
【請求項2】
前記支持構造は、基準点を中心とする第1仮想球面に沿って前記可動部材を移動可能に支持する第1支持体を含む、
請求項1に記載の回転コネクタ装置。
【請求項3】
前記基準点は、前記回転軸線上に定義される、
請求項2に記載の回転コネクタ装置。
【請求項4】
前記第1支持体および前記可動部材は、前記第1仮想球面上において接触可能である、
請求項2または3に記載の回転コネクタ装置。
【請求項5】
前記第1支持体および前記可動部材の少なくとも一方は、前記第1仮想球面に沿って設けられる第1曲面を含む、
請求項2から4のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項6】
前記支持構造は、前記基準点を中心とする第2仮想球面に沿って前記可動部材を移動可能に支持する第2支持体を含む、
請求項2から5のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項7】
前記第2支持体および前記可動部材は、前記第2仮想球面上において接触可能である、
請求項6に記載の回転コネクタ装置。
【請求項8】
前記第2支持体および前記可動部材の少なくとも一方は、前記第2仮想球面に沿って設けられる第2曲面を含む、
請求項6または7に記載の回転コネクタ装置。
【請求項9】
前記第1仮想球面は、前記基準点から定義される第1曲率半径を有し、
前記第2仮想球面は、前記基準点から定義される第2曲率半径を有し、
前記第2曲率半径は、前記第1曲率半径よりも大きい、
請求項6から8のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項10】
前記可動部材は、前記第1支持体および前記第2支持体の間に配置される、
請求項6から9のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項11】
前記ロテータは、ロテータ本体と、前記ロテータ本体に取り付けられる保持部材と、を含み、
前記ステータおよび前記ロテータ本体は、前記ケーブル収容空間を形成し、
前記可動部材は、前記ロテータ本体および前記保持部材の間に移動可能に保持される、
請求項6から10のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【請求項12】
前記第1支持体は、前記ロテータ本体に設けられ、
前記第2支持体は、前記保持部材に設けられる、
請求項11に記載の回転コネクタ装置。
【請求項13】
前記可動部材は、第1可動体と、第2可動体と、を含み、
前記回転入力部は、第1回転入力部と、第2回転入力部と、を含み、
前記第1可動体は、前記第1回転入力部を含み、
前記第2可動体は、前記第2回転入力部を含み、
前記支持構造は、前記ロテータに対する前記第1回転入力部の角度が変化するように前記第1可動体を移動可能に支持し、
前記支持構造は、前記ロテータに対する前記第2回転入力部の角度が変化するように前記第2可動体を移動可能に支持する、
請求項11または12に記載の回転コネクタ装置。
【請求項14】
前記第1支持体は、第1支持部と、第2支持部と、を含み、
前記第1支持部は、前記第1仮想球面に沿って前記第1可動体を移動可能に支持し、
前記第2支持部は、前記第1仮想球面に沿って前記第2可動体を移動可能に支持する、
請求項13に記載の回転コネクタ装置。
【請求項15】
前記第2支持体は、第3支持部と、第4支持部と、を含み、
前記第3支持部は、前記第2仮想球面に沿って前記第1可動体を移動可能に支持し、
前記第4支持部は、前記第2仮想球面に沿って前記第2可動体を移動可能に支持する、
請求項14に記載の回転コネクタ装置。
【請求項16】
前記第1可動体は、前記第1支持部および前記保持部材の間に移動可能に保持される第1可動部を含み、
前記第1回転入力部は、前記第1可動部から前記回転軸線に沿って突出し、
前記保持部材は、第1開口を含み、
前記第1回転入力部は、前記第1開口を貫通する、
請求項14または15に記載の回転コネクタ装置。
【請求項17】
前記第2可動体は、前記第2支持部および前記保持部材の間に移動可能に保持される第2可動部を含み、
前記第2回転入力部は、前記第2可動部から前記回転軸線に沿って突出し、
前記保持部材は、第2開口を含み、
前記第2回転入力部は、前記第2開口を貫通する、
請求項14から16のいずれか1項に記載の回転コネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に開示される技術は、回転コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転コネクタ装置は、ステアリングホイールに設けられる電子部品を車両本体に設けられる電子部品に電気的に接続するように構成される。例えば、回転コネクタ装置は、固定部材、回転部材、およびフレキシブルフラットケーブルを含む。固定部材は、車両本体に固定される。回転部材は、固定部材に対して回転軸線回りに回転可能である。回転部材は、ステアリングとともに回転するようにステアリングホイールに連結される。ステアリングホイールは、ステアリングシャフトの端部に固定される。ステアリングシャフトは、車両本体に回転可能に支持される。フレキシブルフラットケーブルは、固定部材および回転部材により形成される空間内に設けられ、ステアリングホイールに設けられる電子部品を車両本体に設けられる電子部品に電気的に接続する。
【0003】
しかし、部品の製作誤差や組立誤差などにより、回転コネクタ装置に対してステアリングのミスアライメントが生じる場合がある。ステアリングのミスアライメントが発生すると、ステアリングホイールと回転部材との連結部の負荷が高まり、連結部から異音が発生したり連結部が破損したりする可能性がある。
【0004】
そこで、ステアリングのミスアライメントに追従する回転コネクタ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開2019-181841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の回転コネクタ装置では、ステアリングの偏心は考慮されているが、ステアリングの偏角(回転コネクタ装置の回転軸線に対してステアリングの回転軸線が傾くこと)については考慮されていない。
【0007】
本願に開示される技術の課題は、ステアリングの偏角の影響を低減できる回転コネクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の特徴によれば、回転コネクタ装置は、ステータと、ロテータと、可動部材と、を備える。ステータは、車両本体に固定されるように構成される。ロテータは、ステータに対して回転軸線回りに回転可能に設けられる。可動部材は、ステアリングの回転をロテータに伝達するようにロテータに取り付けられる。ステータおよびロテータは、回転軸線を取り囲むように設けられるケーブル収容空間を形成する。可動部材は、ステアリングから回転力を受けるように構成される回転入力部を含む。ロテータは、ロテータに対する回転入力部の角度が変化するように可動部材を移動可能に支持する支持構造を含む。
【0009】
第1の特徴に係る回転コネクタ装置では、ロテータに対する回転入力部の角度が変化するように支持構造が可動部材を移動可能に支持するので、ステアリングの回転軸線が回転コネクタ装置の回転軸線に対して傾いても、可動部材の回転入力部がステアリングの偏角に追従できる。したがって、ステアリングの偏角の影響を低減できる。
【0010】
第2の特徴によれば、第1の特徴に係る回転コネクタ装置において、支持構造は、基準点を中心とする第1仮想球面に沿って可動部材を移動可能に支持する第1支持体を含む。
【0011】
第2の特徴に係る回転コネクタ装置では、可動部材の回転入力部がステアリングの偏角に円滑に追従可能となる。
【0012】
第3の特徴によれば、第2の特徴に係る回転コネクタ装置において、基準点は、回転軸線上に定義される。
【0013】
第3の特徴に係る回転コネクタ装置では、可動部材の回転入力部がステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0014】
第4の特徴によれば、第2または第3の特徴に係る回転コネクタ装置において、第1支持体および可動部材は、第1仮想球面上において接触可能である、
第4の特徴に係る回転コネクタ装置では、可動部材の回転入力部がステアリングの偏角に確実に追従可能となる。
【0015】
第5の特徴によれば、第2から第4の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置において、第1支持体および可動部材の少なくとも一方は、第1仮想球面に沿って設けられる第1曲面を含む。
【0016】
第5の特徴に係る回転コネクタ装置では、可動部材の回転入力部がステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0017】
第6の特徴によれば、第2から第5の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置において、支持構造は、基準点を中心とする第2仮想球面に沿って可動部材を移動可能に支持する第2支持体を含む。
【0018】
第6の特徴に係る回転コネクタ装置では、可動部材の回転入力部がステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0019】
第7の特徴によれば、第6の特徴に係る回転コネクタ装置において、第2支持体および可動部材は、第2仮想球面上において接触可能である。
【0020】
第7の特徴に係る回転コネクタ装置では、可動部材の回転入力部がステアリングの偏角に確実に円滑に追従可能となる。
【0021】
第8の特徴によれば、第6または第7の特徴に係る回転コネクタ装置において、第2支持体および可動部材の少なくとも一方は、第2仮想球面に沿って設けられる第2曲面を含む。
【0022】
第8の特徴に係る回転コネクタ装置では、可動部材の回転入力部がステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0023】
第9の特徴によれば、第6から第8の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置において、第1仮想球面は、基準点から定義される第1曲率半径を有する。第2仮想球面は、基準点から定義される第2曲率半径を有する。第2曲率半径は、第1曲率半径よりも大きい。
【0024】
第9の特徴に係る回転コネクタ装置では、可動部材の回転入力部がステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0025】
第10の特徴によれば、第6から第9の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置において、可動部材は、第1支持体および第2支持体の間に配置される。
【0026】
第10の特徴に係る回転コネクタ装置では、可動部材の回転入力部がステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0027】
第11の特徴によれば、第6から第10の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置において、ロテータは、ロテータ本体と、ロテータ本体に取り付けられる保持部材と、を含む。ステータおよびロテータ本体は、ケーブル収容空間を形成する。可動部材は、ロテータ本体および保持部材の間に移動可能に保持される。
【0028】
第11の特徴に係る回転コネクタ装置では、可動部材の回転入力部がステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0029】
第12の特徴によれば、第11の特徴に係る回転コネクタ装置において、第1支持体は、ロテータ本体に設けられる。第2支持体は、保持部材に設けられる。
【0030】
第12の特徴に係る回転コネクタ装置では、ロテータ本体への可動部材の取り付けが容易となる。
【0031】
第13の特徴によれば、第11または第12の特徴に係る回転コネクタ装置において、可動部材は、第1可動体と、第2可動体と、を含む。回転入力部は、第1回転入力部と、第2回転入力部と、を含む。第1可動体は、第1回転入力部を含む。第2可動体は、第2回転入力部を含む。支持構造は、ロテータに対する第1回転入力部の角度が変化するように第1可動体を移動可能に支持する。支持構造は、ロテータに対する第2回転入力部の角度が変化するように第2可動体を移動可能に支持する。
【0032】
第13の特徴に係る回転コネクタ装置では、第1回転入力部および第2回転入力部によりステアリングの回転を受けることができ、第1回転入力部および第2回転入力部の負荷を分散できる。さらに、第1回転入力部および第2回転入力部がそれぞれ別々にステアリングの偏角に追従できるので、ステアリングの偏角の影響を効果的に低減できる。
【0033】
第14の特徴によれば、第13の特徴に係る回転コネクタ装置において、第1支持体は、第1支持部と、第2支持部と、を含む。第1支持部は、第1仮想球面に沿って第1可動体を移動可能に支持する。第2支持部は、第1仮想球面に沿って第2可動体を移動可能に支持する。
【0034】
第14の特徴に係る回転コネクタ装置では、第1回転入力部および第2回転入力部のそれぞれがステアリングの偏角に円滑に追従可能となる。
【0035】
第15の特徴によれば、第14の特徴に係る回転コネクタ装置において、第2支持体は、第3支持部と、第4支持部と、を含む。第3支持部は、第2仮想球面に沿って第1可動体を移動可能に支持する。第4支持部は、第2仮想球面に沿って第2可動体を移動可能に支持する。
【0036】
第15の特徴に係る回転コネクタ装置では、第1回転入力部および第2回転入力部のそれぞれがステアリングの偏角にさらに円滑に追従可能となる。
【0037】
第16の特徴によれば、第14または第15の特徴に係る回転コネクタ装置において、第1可動体は、第1支持部および保持部材の間に移動可能に保持される第1可動部を含む。第1回転入力部は、第1可動部から回転軸線に沿って突出する。保持部材は、第1開口を含む。第1回転入力部は、第1開口を貫通する。
【0038】
第16の特徴に係る回転コネクタ装置では、第1可動体を移動可能に保持しつつ、ロテータに対する第1可動体の動きをさらに円滑にできる。
【0039】
第17の特徴によれば、第14から第16の特徴のいずれか1つに係る回転コネクタ装置において、第2可動体は、第2支持部および保持部材の間に移動可能に保持される第2可動部を含む。第2回転入力部は、第2可動部から回転軸線に沿って突出する。保持部材は、第2開口を含む。第2回転入力部は、第2開口を貫通する。
【0040】
第17の特徴に係る回転コネクタ装置では、第2可動体を移動可能に保持しつつ、ロテータに対する第2可動体の動きをさらに円滑にできる。
【発明の効果】
【0041】
本願に開示される技術であれば、ステアリングの偏角に追従可能な回転コネクタ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1図1は、実施形態に係る回転コネクタ装置の側面図である。
図2図2は、実施形態に係る回転コネクタ装置の斜視図である。
図3図3は、図1のラインIII-IIIにおける回転コネクタ装置の断面図である。
図4図4は、図1に示される回転コネクタ装置の分解斜視図である。
図5図5は、図3のラインV-Vにおける回転コネクタ装置の断面図である。
図6図6は、図3のラインVI-VIにおける回転コネクタ装置の断面図である。
図7図7は、図3のラインVII-VIIにおける回転コネクタ装置の断面図である。
図8図8は、図3のラインVIII-VIIIにおける回転コネクタ装置の断面図である。
図9図9は、図3のラインIX-IXにおける回転コネクタ装置の断面図である。
図10図10は、図1に示される回転コネクタ装置のロテータの斜視図である。
図11図11は、図1に示される回転コネクタ装置のロテータの斜視図である。
図12図12は、図1に示される回転コネクタ装置の可動部材(第1可動体)の斜視図である。
図13図13は、図1に示される回転コネクタ装置の可動部材(第2可動体)の斜視図である。
図14図14は、図1に示す回転コネクタ装置の拡大部分断面図である。
図15図15は、図1に示される回転コネクタ装置のロテータの保持部材の斜視図である。
図16図16は、図1に示される回転コネクタ装置の可動部材(第1可動体)の斜視図である。
図17図17は、図1に示される回転コネクタ装置の可動部材(第2可動体)の斜視図である。
図18図18は、図1に示される回転コネクタ装置のロテータの分解斜視図である。
図19図19は、図1に示される回転コネクタ装置のロテータの斜視図である。
図20図20は、図1に示される回転コネクタ装置のロテータの斜視図である。
図21図21は、図1に示される回転コネクタ装置の部分断面図である。
図22図22は、図1に示される回転コネクタ装置の部分断面図である。
図23図23は、図1に示される回転コネクタ装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。図中において同じ符号は、対応するまたは同一の構成を示している。
【0044】
図1に示すように、回転コネクタ装置2は、ステータ(stator)10およびロテータ(rotator)20を備える。ステータ10は、車両本体3に固定されるように構成される。ロテータ20は、ステータ10に対して回転軸線A1回りに回転可能に設けられる。本実施形態では、例えば、ステータ10は、車両本体3のコンビネーションスイッチに固定されるように構成される。ロテータ20は、ステータ10に対してステアリング4とともに回転するように構成される。ステアリング4は、ステアリングホイール5およびステアリングシャフト6を含む。ステアリングホイール5は、ステアリングシャフト6の端部に固定される。ステアリング4は、車両本体3に対して回転軸線A2回りに回転可能に設けられる。
【0045】
図2に示すように、回転コネクタ装置2は、第1電気コネクタ30および第2電気コネクタ40および42を備える。第1電気コネクタ30はステータ10に取り付けられる。第2電気コネクタ40および42はロテータ20に取り付けられる。第1電気コネクタ30は、例えば、車両本体3(例えば、図1参照)に設けられる電気機器(例えば、制御装置およびバッテリー)と電気的に接続されるように構成される。第2電気コネクタ40および42は、例えば、ステアリングホイール5のスイッチ類やエアバッグ装置等の電気回路と電気的に接続されるように構成される。
【0046】
図3に示すように、ステータ10およびロテータ20は、回転軸線A1を取り囲むように設けられるケーブル収容空間50を形成する。ロテータ20は、ロテータ本体21を含む。ステータ10およびロテータ本体21は、ケーブル収容空間50を形成する。例えば、ケーブル収容空間50は、環状であり、回転軸線A1に対して周方向D3に延びる。回転コネクタ装置2は、ケーブル収容空間50内に設けられる電気ケーブル60をさらに備える。電気ケーブル60は、第1電気コネクタ30および第2電気コネクタ40(図1)に電気的に接続される。電気ケーブル60は、可撓性を有し、平坦な形状を有する。電気ケーブル60はフレキシブルフラットケーブルとも称し得る。本実施形態では、電気ケーブル60は複数のフラットケーブル61を含む。
【0047】
図4に示すように、ロテータ本体21は、円板部21Aおよび筒状部21Bを含む。円板部21Aは、中央開口21Cを含む。筒状部21Bは、円板部21Aの内周部から回転軸線A1に沿って定義される軸方向D1に延びる。
【0048】
ロテータ20は、リテーナ22を含む。リテーナ22は、ロテータ本体21に固定される。リテーナ22は、筒状部21Bに固定される。ロテータ本体21およびリテーナ22により、ロテータ20はステータ10に対して回転軸線A1回りに回転可能に保持される。
【0049】
回転コネクタ装置2は、可動部材70を備える。可動部材70は、ステアリング4(例えば、図1参照)の回転をロテータ20に伝達するようにロテータ20に取り付けられる。可動部材70は、ロテータ20とは別部材であり、ロテータ20に移動可能に取り付けられる。可動部材70は、ステアリング4(例えば、図1参照)から回転力を受けるようにステアリングホイール5(例えば、図1参照)に連結される。可動部材70は、ステアリング4(例えば、図1参照)から回転力を受けるように構成される回転入力部73を含む。
【0050】
本実施形態では、可動部材70は、第1可動体71と、第2可動体72と、を含む。回転入力部73は、第1回転入力部73Aと、第2回転入力部73Bと、を含む。第1可動体71は、第1回転入力部73Aを含む。第2可動体72は、第2回転入力部73Bを含む。第1可動体71は、第2可動体72とは別部材である。しかし、第1可動体71は第2可動体72と1つの部材として一体形成されてもよい。可動部材70は、第1可動体71および第2可動体72に加えて、別の可動体を含んでいてもよい。
【0051】
第1可動体71は、第1可動部74を含む。第1回転入力部73Aは、第1可動部74から回転軸線A1に沿って突出する。第2可動体72は、第2可動部75を含む。第2回転入力部73Bは、第2可動部75から回転軸線A1に沿って突出する。
【0052】
ロテータ20は、ロテータ本体21に取り付けられる保持部材80を含む。可動部材70は、ロテータ本体21および保持部材80の間に移動可能に保持される。第1可動体71は、ロテータ本体21および保持部材80の間に移動可能に保持される。第2可動体72は、ロテータ本体21および保持部材80の間に移動可能に保持される。
【0053】
本実施形態では、保持部材80は、ロテータ本体21とは別部材である。しかし、保持部材80はロテータ本体21と1つの部材として一体形成されてもよい。また、保持部材80は複数の部分に分割されてもよい。
【0054】
保持部材80は、第1開口80Aを含む。第1回転入力部73Aは、第1開口80Aを貫通する。保持部材80は、第2開口80Bを含む。第2回転入力部73Bは、第2開口80Bを貫通する。
【0055】
本実施形態では、ステータ10、ロテータ本体21、リテーナ22、可動部材70、および保持部材80は、非金属材料により構成される。例えば、ステータ10、ロテータ本体21、リテーナ22、可動部材70、および保持部材80は、樹脂製である。しかし、ステータ10、ロテータ本体21、リテーナ22、可動部材70、および保持部材80の材質は、樹脂以外の材料で構成されてもよい。
【0056】
図5に示すように、ステアリングホイール5は、第1突起51A、第2突起51B、および中間部材51Cを含む。第1突起51Aおよび第2突起51Bは、周方向D3に間隔を空けて配置される。回転入力部73は、周方向D3において第1突起51Aおよび第2突起51Bの間に配置される。中間部材51Cは、回転入力部73に取り付けられ、第1突起51Aおよび第2突起51Bの間に配置される。中間部材51Cは、弾性部材を含む。例えば、中間部材51Cは、ゴム製である。ステアリングホイール5の回転は、第1突起51A、第2突起51B、および中間部材51Cを介して第1可動体71の第1回転入力部73Aに伝達される。なお、中間部材51Cは、第1回転入力部73Aに装着されるトルクピンキャップとして可動部材70に含まれていてもよい。
【0057】
図6に示すように、ステアリングホイール5は、第1突起52A、第2突起52B、および中間部材52Cを含む。第1突起52Aおよび第2突起52Bは、周方向D3に間隔を空けて配置される。回転入力部73は、周方向D3において第1突起52Aおよび第2突起52Bの間に配置される。中間部材52Cは、回転入力部73に取り付けられ、第1突起52Aおよび第2突起52Bの間に配置される。中間部材52Cは、弾性部材を含む。例えば、中間部材52Cは、ゴム製である。ステアリングホイール5の回転は、第1突起52A、第2突起52B、および中間部材52Cを介して第2可動体72の第2回転入力部73Bに伝達される。なお、中間部材52Cは、第2回転入力部73Bに装着されるトルクピンキャップとして可動部材70に含まれていてもよい。
【0058】
図7に示すように、ロテータ20は、支持構造90を含む。支持構造90は、ロテータ20に対する回転入力部73の角度が変化するように可動部材70を移動可能に支持する。支持構造90は、ロテータ20に対する第1回転入力部73Aの角度が変化するように第1可動体71を移動可能に支持する。支持構造90は、ロテータ20に対する第2回転入力部73Bの角度が変化するように第2可動体72を移動可能に支持する。
【0059】
例えば、支持構造90は、ロテータ20に対する回転入力部73の角度が変化するように可動部材70を所定の範囲内で移動可能に支持する。支持構造90は、ロテータ20に対する第1回転入力部73Aの角度が変化するように第1可動体71を所定の範囲内で移動可能に支持する。支持構造90は、ロテータ20に対する第2回転入力部73Bの角度が変化するように第2可動体72を所定の範囲内で移動可能に支持する。
【0060】
支持構造90は、第1支持体91を含む。第1支持体91は、基準点RPを中心とする第1仮想球面S1に沿って可動部材70を移動可能に支持する。第1支持体91および可動部材70は、第1仮想球面S1上において接触可能である。
【0061】
支持構造90は、第2支持体92を含む。第2支持体92は、基準点RPを中心とする第2仮想球面S2に沿って可動部材70を移動可能に支持する。第2支持体92および可動部材70は、第2仮想球面S2上において接触可能である。
【0062】
可動部材70は、第1支持体91および第2支持体92の間に配置される。第1可動部74は、第1支持部93および保持部材80の間に移動可能に保持される。第2可動部75は、第2支持部94および保持部材80の間に移動可能に保持される。
【0063】
本実施形態では、第1支持体91は、第1支持部93と、第2支持部94と、を含む。第1支持部93は、第1仮想球面S1に沿って第1可動体71を移動可能に支持する。第2支持部94は、第1仮想球面S1に沿って第2可動体72を移動可能に支持する。
【0064】
第2支持体92は、第3支持部95と、第4支持部96と、を含む。第3支持部95は、第2仮想球面S2に沿って第1可動体71を移動可能に支持する。第4支持部96は、第2仮想球面S2に沿って第2可動体72を移動可能に支持する。
【0065】
第1可動体71は、第1支持部93および第3支持部95の間に移動可能に保持される。第2可動体72は、第2支持部94および第4支持部96の間に移動可能に保持される。
【0066】
第1可動体71は、第1接触部76を含む。第1接触部76は、第1支持体91の第1支持部93と第1仮想球面S1上において接触可能である。第1接触部76は、第1可動部74に設けられる。
【0067】
第2可動体72は、第2接触部77を含む。第2接触部77は、第1支持体91の第2支持部94と第1仮想球面S1上において接触可能である。第2接触部77は、第2可動部75に設けられる。
【0068】
第1可動体71は、第3接触部78を含む。第3接触部78は、第2支持体92の第3支持部95と第2仮想球面S2上において接触可能である。第3接触部78は、第1可動部74に設けられる。
【0069】
第2可動体72は、第4接触部79を含む。第4接触部79は、第2支持体92の第4支持部96と第2仮想球面S2上において接触可能である。第4接触部79は、第2可動部75に設けられる。
【0070】
本実施形態では、基準点RPは、回転軸線A1上に定義される。第1仮想球面S1は、基準点RPから定義される第1曲率半径R1を有する。第2仮想球面S2は、基準点RPから定義される第2曲率半径R2を有する。第2曲率半径R2は、第1曲率半径R1よりも大きい。しかし、基準点RPは、回転軸線A1からずれていてもよい。第2曲率半径R2が第1曲率半径R1よりも小さくてもよい。
【0071】
本実施形態では、第1支持体91は、ロテータ本体21に設けられる。第2支持体92は、保持部材80に設けられる。しかし、第1支持体91は保持部材80に設けられてもよい。第2支持体92はロテータ本体21に設けられてもよい。
【0072】
図8に示すように、第1支持体91および可動部材70の少なくとも一方は、第1仮想球面S1に沿って設けられる第1曲面を含む。本実施形態では、第1支持体91は、第1仮想球面S1に沿って設けられる第1曲面93Aおよび94Aを含む。第1支持部93は、第1曲面93Aを含む。第2支持部94は、第1曲面94Aを含む。
【0073】
可動部材70は、第1曲面93Aおよび94Aと面接触、線接触、および/または点接触可能である。第1接触部76は、第1曲面93Aと面接触、線接触、および/または点接触可能である。第2接触部77は、第1曲面94Aと面接触、線接触、および/または点接触可能である。
【0074】
本実施形態では、可動部材70は、第1曲面93Aおよび94Aと面接触および/または線接触可能である。第1接触部76は、第1曲面93Aと面接触および/または線接触可能である。第2接触部77は、第1曲面94Aと面接触および/または線接触可能である。しかし、可動部材70と第1支持体91との接触の態様は、上記の態様に限定されない。
【0075】
また、第1支持体91および可動部材70(第1接触部76および第2接触部77の少なくとも一方)が第1曲面を含んでいてもよい。可動部材70(第1接触部76および第2接触部77の少なくとも一方)が第1曲面を含み第1支持体91(第1支持部93および第2支持部94の少なくとも一方)が第1曲面と面接触、線接触、および/または点接触可能であってもよい。さらに、第1曲面が少なくとも部分的に平面を組み合わせて構成されてもよい。
【0076】
図9に示すように、第2支持体92および可動部材70の少なくとも一方は、第2仮想球面S2に沿って設けられる第2曲面を含む。本実施形態では、第2支持体92は、第2仮想球面S2に沿って設けられる第2曲面95Aおよび96Aを含む。第3支持部95は、第2曲面95Aを含む。第4支持部96は、第2曲面96Aを含む。
【0077】
可動部材70は、第2曲面95Aおよび96Aと面接触、線接触、および/または点接触可能である。第3接触部78は、第2曲面95Aと面接触、線接触、および/または点接触可能である。第4接触部79は、第2曲面96Aと面接触、線接触、および/または点接触可能である。
【0078】
本実施形態では、可動部材70は、第2曲面95Aおよび96Aと面接触および/または線接触可能である。第3接触部78は、第2曲面95Aと面接触および/または線接触可能である。第4接触部79は、第2曲面96Aと面接触および/または線接触可能である。しかし、可動部材70と第2支持体92との接触の態様は、上記の態様に限定されない。
【0079】
また、第2支持体92および可動部材70(第3接触部78および第4接触部79の少なくとも一方)が第2曲面を含んでいてもよい。可動部材70(第3接触部78および第4接触部79の少なくとも一方)が第2曲面を含み第2支持体92(第3支持部95および第4支持部96の少なくとも一方)が第2曲面と面接触、線接触、および/または点接触可能であってもよい。さらに、第2曲面が少なくとも部分的に平面を組み合わせて構成されてもよい。
【0080】
図10に示すように、第1曲面93Aは、周方向D3に延びる。第1支持部93は、少なくとも1つの第1凹部93Bを含む。本実施形態では、第1支持部93は、複数の第1凹部93Bを含む。第1凹部93Bは、第1曲面93A上に設けられる。第1凹部93Bは、第1支持部93から省略されてもよい。
【0081】
図11に示すように、第1曲面94Aは、周方向D3に延びる。第2支持部94は、少なくとも1つの第2凹部94Bを含む。本実施形態では、第2支持部94は、複数の第2凹部94Bを含む。第2凹部94Bは、第1曲面94A上に設けられる。第2凹部94Bは、第2支持部94から省略されてもよい。
【0082】
図12に示すように、第1接触部76は、複数の第1接触突起76A、76B、76C、および76Dを含む。第1接触突起76A、76B、76C、および76Dは、第1可動部74から軸方向D1に突出し、周方向D3に延びる。第1接触突起76A、76B、および76Cは、概ね同じ径方向位置に配置され、周方向D3に間隔を空けて配置される。第1接触突起76Dは、第1接触突起76Aの径方向外側に配置され、第1接触突起76Aから径方向に間隔を空けて配置される。しかし、第1接触突起76A、76B、76C、および76Dは、少なくとも部分的に1つの接触突起として形成されてもよい。また、第1接触部76が第1曲面93Aのような曲面を有していてもよい。
【0083】
第1可動部74は、第1ベース74Aと、複数の第1突出部74B、74C、および74Dと、を含む。第1突出部74B、74C、および74Dは、第1ベース74Aから軸方向D1に突出する。第1接触突起76Aは、第1突出部74Bに設けられ、第1突出部74Bから軸方向D1に突出する。第1接触突起76Bは、第1突出部74Cに設けられ、第1突出部74Cから軸方向D1に突出する。第1接触突起76Cは、第1突出部74Dに設けられ、第1突出部74Dから軸方向D1に突出する。
【0084】
第1可動体71は、複数の第1溝71Aおよび71Bを含む。第1溝71Aは、周方向D3において第1突出部74Bおよび74Cの間に設けられる。第1溝71Bは、周方向D3において第1突出部74Bおよび74Dの間に設けられる。
【0085】
図13に示すように、第2接触部77は、複数の第2接触突起77A、77B、および77Cを含む。第2接触突起77A、77B、および77Cは、第2可動部75から軸方向D1に突出し、周方向D3に延びる。第2接触突起77Aおよび77Bは、概ね同じ径方向位置に配置され、周方向D3に間隔を空けて配置される。第2接触突起77Cは、第2接触突起77Aの径方向外側に配置され、第2接触突起77Aから径方向に間隔を空けて配置される。しかし、第2接触突起77A、77B、および77Cは、少なくとも部分的に1つの接触突起として形成されてもよい。また、第2接触部77が第1曲面94Aのような曲面を有していてもよい。
【0086】
第2可動部75は、第2ベース75Aと、複数の第2突出部75Bおよび75Cと、を含む。第2突出部75Bおよび75Cは、第2ベース75Aから軸方向D1に突出する。第2接触突起77Aは、第2突出部75Bに設けられ、第2突出部75Bから軸方向D1に突出する。第2接触突起77Bは、第2突出部75Cに設けられ、第2突出部75Cから軸方向D1に突出する。第2可動体72は、第2溝72Aを含む。第2溝72Aは、周方向D3において第2突出部75Bおよび75Cの間に設けられる。
【0087】
図14に示すように、第1支持部93は、第1回転受け面93Cおよび93Gおよび第2回転受け面93Dおよび93Hを含む。第1回転受け面93Cおよび93Gは、可動部材70と周方向D3に接触可能である。第2回転受け面93Dおよび93Hは、可動部材70と周方向D3に接触可能である。第1回転受け面93Cおよび93Gは、曲面を含む。第2回転受け面93Dおよび93Hは、曲面を含む。
【0088】
本実施形態では、第1支持部93は、第1回転支持部93Eおよび93Fを含む。第1回転支持部93Eは、第1回転受け面93Cおよび第2回転受け面93Dを含む。第1回転支持部93Fは、第1回転受け面93Gおよび第2回転受け面93Hを含む。しかし、第1回転受け面93Cおよび93Gの一方が省略されてもよいし、第1回転受け面93Cおよび93Gに加えて別の回転受け面が設けられてもよい。第2回転受け面93Dおよび93Hの一方が省略されてもよいし、第2回転受け面93Dおよび93Hに加えて別の回転受け面が設けられてもよい。
【0089】
第1可動体71は、第1周方向面71Cおよび71Gおよび第2周方向面71Dおよび71Hを含む。第1周方向面71Cは、第1回転受け面93Cと接触可能である。第2周方向面71Dは、第2回転受け面93Dと接触可能である。第1周方向面71Gは、第1回転受け面93Gと接触可能である。第2周方向面71Dは、第2回転受け面93Dと接触可能である。第2周方向面71Hは、第2回転受け面93Hと接触可能である。第1周方向面71Cおよび71Gは、曲面を含む。第2周方向面71Dおよび71Hは、曲面を含む。
【0090】
第1突出部74Bは、第1周方向面71Cおよび第2周方向面71Hを含む。第1突出部74Cは、第2周方向面71Dを含む。第1突出部74Dは、第1周方向面71Gを含む。第1回転支持部93Eは、周方向D3において第1周方向面71Cおよび第2周方向面71Dの間に設けられる。第1回転支持部93Fは、周方向D3において第1周方向面71Gおよび第2周方向面71Hの間に設けられる。第1溝71Aは、周方向D3において第1周方向面71Cおよび第2周方向面71Dの間に設けられる。第1溝71Bは、周方向D3において第1周方向面71Gおよび第2周方向面71Hの間に設けられる。
【0091】
図14に示すように、第2支持部94は、第1回転受け面94Cおよび第2回転受け面94Dを含む。第1回転受け面94Cは、可動部材70と周方向D3に接触可能である。第2回転受け面94Dは、可動部材70と周方向D3に接触可能である。第1回転受け面94Cは、曲面を含む。第2回転受け面94Dは、曲面を含む。
【0092】
本実施形態では、第2支持部94は、第1回転支持部94Eを含む。第1回転支持部94Eは、第1回転受け面94Cおよび第2回転受け面94Dを含む。しかし、第1回転受け面94Cに加えて別の回転受け面が設けられてもよい。第2回転受け面94Dに加えて別の回転受け面が設けられてもよい。
【0093】
第2可動体72は、第1周方向面72Cおよび第2周方向面72Dを含む。第1周方向面72Cは、第1回転受け面94Cと接触可能である。第2周方向面72Dは、第2回転受け面94Dと接触可能である。第1周方向面72Gは、第1回転受け面94Gと接触可能である。第2周方向面72Dは、第2回転受け面94Dと接触可能である。第1周方向面72Cは、曲面を含む。第2周方向面72Dは、曲面を含む。
【0094】
第2突出部75Bは、第1周方向面72Cおよび第2周方向面72Hを含む。第2突出部75Cは、第2周方向面72Dを含む。第2突出部75Dは、第1周方向面72Gを含む。第1回転支持部94Eは、周方向D3において第1周方向面72Cおよび第2周方向面72Dの間に設けられる。第1回転支持部94Fは、周方向D3において第1周方向面72Gおよび第2周方向面72Hの間に設けられる。第2溝72Aは、周方向D3において第1周方向面72Cおよび第2周方向面72Dの間に設けられる。
【0095】
図15に示すように、第2曲面95Aは、周方向D3に延びる。第2曲面96Aは、周方向D3に延びる。第2曲面95Aは、第2曲面96Aに連結される。保持部材80は、第1保持部81および第2保持部82を含む。第2曲面95Aは、第1保持部81に設けられる。第2曲面96Aは、第2保持部82に設けられる。第1保持部81は、第2保持部82に連結される。保持部材80は、中央開口80Cおよび内周縁80Dを含む。内周縁80Dは、中央開口80Cを定義する。第2曲面95Aおよび96Aは、内周縁80Dに沿って延びる。
【0096】
図16に示すように、第3接触部78は、複数の第3接触突起78A、78B、および78Cを含む。第3接触突起78A、78B、および78Cは、第1可動部74から軸方向D1に突出し、周方向D3に延びる。第3接触突起78A、78B、および78Cは、第1ベース74Aから軸方向D1に突出する。第3接触突起78Bおよび78Cは、概ね同じ径方向位置に配置され、周方向D3に間隔を空けて配置される。第3接触突起78Bおよび78Cは、第3接触突起78Aの径方向外側に配置され、第3接触突起78Aから径方向に間隔を空けて配置される。しかし、第3接触突起78A、78B、および78Cは、少なくとも部分的に1つの接触突起として形成されてもよい。また、第3接触部78が第2曲面95Aのような曲面を有していてもよい。
【0097】
図17に示すように、第4接触部79は、複数の第4接触突起79Aおよび79Bを含む。第4接触突起79Aおよび79Bは、第2可動部75から軸方向D1に突出し、周方向D3に延びる。第4接触突起79Aおよび79Bは、第2ベース75Aから軸方向D1に突出する。第4接触突起79Bは、第4接触突起79Aの径方向外側に配置され、第4接触突起79Aから径方向に間隔を空けて配置される。しかし、第4接触突起79Aおよび79Bは、少なくとも部分的に1つの接触突起として形成されてもよい。また、第4接触部79が第2曲面96Aのような曲面を有していてもよい。
【0098】
図18に示すように、ロテータ本体21は、複数の取付部103、104、105、および106を含む。保持部材80は、複数の係合部83、84、85、および86を含む。係合部83、84、85、および86は、ロテータ本体21に係合するように構成される。係合部83は、取付部103に係合するように構成される。係合部84は、取付部104に係合するように構成される。係合部85は、取付部105に係合するように構成される。係合部86は、取付部106に係合するように構成される。保持部材80はロテータ本体21に上記以外の構造で取り付けられてもよい。例えば、保持部材80はロテータ本体21にネジなどの固定部材により固定されてもよい。
【0099】
図15に示すように、係合部83は、開口83Aおよび係合爪83Bを含む。係合爪83Bは、開口83Aの内周縁から突出する。係合部84は、開口84Aおよび係合爪84Bを含む。係合爪84Bは、開口84Aの内周縁から突出する。係合部85は、開口85Aおよび係合爪85Bを含む。係合爪85Bは、開口85Aの内周縁から突出する。係合部86は、開口86Aおよび係合爪86Bを含む。係合爪86Bは、開口86Aの内周縁から突出する。
【0100】
図19に示すように、取付部103は、取付開口103Aを含む。係合部83(例えば、図15参照)が取付部103に係合している状態で、係合爪83B(例えば、図15参照)は取付開口103Aに嵌め込まれる。取付部104は、取付開口104Aを含む。係合部84(例えば、図15参照)が取付部104に係合している状態で、係合爪84B(例えば、図15参照)は取付開口104Aに嵌め込まれる。
【0101】
図18に示すように、取付部105は、取付開口105Aを含む。係合部85(例えば、図15参照)が取付部105に係合している状態で、係合爪85B(例えば、図15参照)は取付開口105Aに嵌め込まれる。図20に示すように、取付部106は、取付開口106Aを含む。係合部86(例えば、図15参照)が取付部106に係合している状態で、係合爪86B(例えば、図15参照)は取付開口106Aに嵌め込まれる。
【0102】
図8に示すように、回転コネクタ装置2は、ステータ10、ロテータ20、および可動部材70を備える。ステータ10は、車両本体3に固定されるように構成される。ロテータ20は、ステータ10に対して回転軸線A1回りに回転可能に設けられる。可動部材70は、ステアリング4の回転をロテータ20に伝達するようにロテータ20に取り付けられる。ステータ10およびロテータ20は、回転軸線A1を取り囲むように設けられるケーブル収容空間50を形成する。可動部材70は、ステアリング4から回転力を受けるように構成される回転入力部73を含む。ロテータ20は、ロテータ20に対する回転入力部73の角度が変化するように可動部材70を移動可能に支持する支持構造90を含む。
【0103】
図21から図23に示すように、回転コネクタ装置2では、ロテータ20に対する回転入力部73の角度が変化するように支持構造90が可動部材70を移動可能に支持するので、ステアリング4の回転軸線A2が回転コネクタ装置2の回転軸線A1に対して傾いても、可動部材70の回転入力部73がステアリング4の回転軸線A2の傾きに所定の範囲(例えば、2度)で追従できる。したがって、ステアリング4の偏角の影響を低減できる。
【0104】
本願においては、「備える」およびその派生語は、構成要素の存在を説明する非制限用語であり、記載されていない他の構成要素の存在を排除しない。これは、「有する」、「含む」およびそれらの派生語にも適用される。
【0105】
本願において、「第1」や「第2」などの序数は、単に構成を識別するための用語であって、他の意味(例えば特定の順序など)は有していない。例えば、「第1要素」があるからといって「第2要素」が存在していることを暗に意味しているわけではなく、また「第2要素」があるからといって「第1要素」が存在していることを暗に意味しているわけではない。
【0106】
また、本開示における「平行」、「直交」、および「一致」の表現は、厳密に解釈されるべきではなく、「実質的に平行」「実質的に直交」および「実質的に一致」の意味をそれぞれ含み得る。また、「実質的(substantially)」、「約(about)」、および「おおよそ(approximately)」などの程度を表す用語は、修飾する用語が、最終結果が大きく変化しないような合理的なずれ量(reasonable amount of deviation)を含み得ることを意味する。
【0107】
本開示における「AおよびBのうち少なくとも1つ」という表現は、例えば、(1)Aのみ、(2)Bのみ、および(3)AおよびBの両方、のいずれも包含している。「A、BおよびCのうち少なくとも1つ」という表現は、例えば、(1)Aのみ、(2)Bのみ、(3)Cのみ、(4)AおよびB、(5)BおよびC、(6)AおよびC、(7)A、BおよびCの全て、のいずれも包含している。本開示では、「AおよびBのうち少なくとも1つ」という表現は、「Aのうち少なくとも1つおよびBのうち少なくとも1つ」とは解釈されない。
【0108】
上記の開示内容から考えて、本発明の種々の変更や修正が可能であることは明らかである。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本願の具体的な開示内容とは別の方法で本発明が実施されてもよい。
【符号の説明】
【0109】
2 :回転コネクタ装置
3 :車両本体
4 :ステアリング
5 :ステアリングホイール
6 :ステアリングシャフト
10 :ステータ
20 :ロテータ
21 :ロテータ本体
50 :ケーブル収容空間
70 :可動部材
71 :第1可動体
72 :第2可動体
73 :回転入力部
73A :第1回転入力部
73B :第2回転入力部
74 :第1可動部
75 :第2可動部
76 :第1接触部
77 :第2接触部
78 :第3接触部
79 :第4接触部
80 :保持部材
90 :支持構造
91 :第1支持体
92 :第2支持体
93 :第1支持部
93A :第1曲面
94 :第2支持部
94A :第1曲面
95 :第3支持部
95A :第2曲面
96 :第4支持部
96A :第2曲面
A1 :回転軸線
R1 :第1曲率半径
R2 :第2曲率半径
RP :基準点
S1 :第1仮想球面
S2 :第2仮想球面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23