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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022170655
(43)【公開日】2022-11-10
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 8/00 20060101AFI20221102BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20221102BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20221102BHJP
   G03B 15/05 20210101ALI20221102BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20221102BHJP
   G02B 3/08 20060101ALI20221102BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221102BHJP
【FI】
F21V8/00 360
F21V8/00 320
F21V8/00 340
F21V8/00 330
F21S2/00 413
F21S2/00 415
F21S2/00 423
F21L4/00 621
F21L4/00 625
G03B15/05
G03B15/02 Q
G02B3/08
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021186478
(22)【出願日】2021-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2021076453
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼田 典正
【テーマコード(参考)】
2H053
3K244
【Fターム(参考)】
2H053CA02
2H053CA08
2H053CA12
2H053CA13
3K244AA05
3K244BA11
3K244BA14
3K244BA20
3K244BA26
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244EA06
3K244EA10
3K244EA16
3K244EA19
3K244EB02
3K244EC02
3K244EC10
3K244EC13
3K244ED02
3K244ED09
3K244ED14
3K244EE03
3K244KA02
3K244KA07
3K244KA20
(57)【要約】
【課題】光の照射方向を変えることができ、発光部からの光を効率良く外部に取り出す発光装置を提供すること。
【解決手段】発光装置100は、発光面1aを有する発光部1と、発光部1からの入射光を反射させる全反射部23と全反射部23により反射された光が入射されるフレネルレンズ部とを含み、入射光を導光する導光部材11と、発光面1aの中心軸1cと交差する方向に沿って、導光部材11を発光部1に対して相対移動させる移動機構70と、を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光面を有する発光部と、
前記発光部からの入射光を反射させる全反射部と、前記全反射部により反射された光が入射されるフレネルレンズ部と、を含み、前記入射光を導光する導光部材と、
前記発光面の中心軸と交差する方向に沿って、前記導光部材を前記発光部に対して相対移動させる移動機構と、を有する発光装置。
【請求項2】
前記導光部材は、前記導光部材により導光された光の出射側に、フレネルレンズを有する請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記移動機構は、前記発光部が発光している状態で、前記導光部材を前記発光部に対して相対移動させる請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記全反射部は、平面視で枠状又は輪状に設けられており、
前記移動機構は、前記発光部の前記発光面が平面視で前記全反射部の内側にあるように、前記導光部材を前記発光部に対して相対移動させる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記全反射部は、平面視で枠状又は輪状に設けられており、
前記導光部材は、前記枠状に設けられた前記全反射部の内側に、前記入射光を集光させる曲面を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記曲面は、曲率半径の異なる複数の曲面を有する請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記全反射部は、平面視で枠状又は輪状に設けられており、
前記全反射部の外縁よりも内側の領域の面積は、前記発光部の前記発光面よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記発光部の前記発光面と、前記導光部材と、の間の前記発光面に直交する方向に沿った最短距離は、0.0[mm]以上で1.0[mm]以下である請求項1乃至7の何れか1項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光ダイオード等を含む発光装置が幅広く使用されるようになっている。例えば、特許文献1には、光源と、光源から第1の方向に出射された光を透過させるレンズと、光源に対してレンズを第1の方向と交差する第2の方向に移動可能に支持した支持機構と、を有する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-53194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光装置は、発光部からの光を効率良く外部に取り出すことが要求される。
【0005】
本開示に係る実施形態は、光の照射方向を変えることができ、発光部からの光を効率良く外部に取り出す発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態に係る発光装置は、発光面を有する発光部と、前記発光部からの入射光を反射させる全反射部と、前記全反射部により反射された光が入射されるフレネルレンズ部と、を含み、前記入射光を導光する導光部材と、前記発光面の中心軸と交差する方向に沿って、前記導光部材を前記発光部に対して相対移動させる移動機構と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施形態に係る発光装置によれば、光の照射方向を変えることができ、発光部からの光を効率良く外部に取り出す発光装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る発光装置による光の部分照射を説明する図である。
図2】実施形態に係る発光装置の利用シーンの第1例を示す図である。
図3】実施形態に係る発光装置の利用シーンの第2例を示す図である。
図4】実施形態に係る発光装置の利用シーンの第3例を示す図である。
図5】実施形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。
図6A】実施形態に係る発光装置を筐体及び透明部材を省略した状態で導光部材側から見た平面図である。
図6B】複数の発光部を備える発光装置の構成例を示す断面図である。
図6C図6Bの発光装置を筐体及び透明部材を省略した状態で導光部材側から見た平面図である。
図7】実施形態に係る発光装置の導光部材を発光部側から見た平面図である。
図8】実施形態に係る発光装置の発光部の構成の一例を示す断面図である。
図9A】実施形態に係る発光装置の発光部の構成の他の例を示す断面図である。
図9B】導光部材側から見た複数の発光面を有する発光部の一例の平面図である。
図10】導光部材が移動していない状態での発光装置の光路を示す断面図である。
図11図10の発光装置の照度分布を示す模式図である。
図12】実施形態に係る発光装置で一方側に移動した導光部材と発光部との位置関係を示す、筐体及び透明部材を省略した状態を導光部材側から見た平面図である。
図13図12の発光装置の光路を示す断面図である。
図14図13の発光装置の照度分布を示す模式図である。
図15】実施形態に係る発光装置で他方側に移動した導光部材と発光部との位置関係を示す、筐体及び透明部材を省略した状態を導光部材側から見た平面図である。
図16図15の発光装置の光路を示す断面図である。
図17図16の発光装置の照度分布を示す模式図である。
図18】実施形態の他の例に係る発光装置の光路を示す断面図である。
図19図18の発光装置の照度分布を示す模式図である。
図20】実施形態に係る発光装置の光路を示す断面図である。
図21図20の発光装置の照度分布を示す模式図である。
図22】実施形態に係る発光装置の光路の第1例を示す断面図である。
図23図22の発光装置のA領域の通過光による照度分布の模式図である。
図24図22の発光装置のB領域の通過光による照度分布の模式図である。
図25図22の発光装置のC領域の通過光による照度分布の模式図である。
図26図23乃至図25の照度分布を合成した照度分布の模式図である。
図27】実施形態に係る発光装置の光路の第2例を示す断面図である。
図28図27の発光装置のA領域の通過光による照度分布の模式図である。
図29図27の発光装置のB領域の通過光による照度分布の模式図である。
図30図27の発光装置のC領域の通過光による照度分布の模式図である。
図31図28乃至図30の照度分布を合成した照度分布の模式図である。
図32】実施形態に係る発光装置の光路の第3例を示す断面図である。
図33図32の発光装置のA領域の通過光による照度分布の模式図である。
図34図32の発光装置のB領域の通過光による照度分布の模式図である。
図35図32の発光装置のC領域の通過光による照度分布の模式図である。
図36図33乃至図35の照度分布を合成した照度分布の模式図である。
図37】高さ方向での導光部材と発光部の位置関係の第1例を示す断面図である。
図38】高さ方向での導光部材と発光部の位置関係の第2例を示す断面図である。
図39】高さ方向での導光部材と発光部の位置関係の第3例を示す断面図である。
図40】高さ方向での導光部材と発光部の位置関係の第4例を示す断面図である。
図41】第1実施例に係る導光部材移動量と照度分布の関係を示す図である。
図42】第2実施例に係る導光部材移動量と照度分布の関係を示す図である。
図43】比較例に係る導光部材移動量と照度分布の関係を示す図である。
図44A】実施形態に係る発光装置の寸法例を説明する断面図である。
図44B図44Aの領域Qの部分拡大図である。
図44C】導光部材を-Z側から見た斜視図である。
図45】第1変形例に係る発光装置の構成を示す断面図である。
図46図44の発光装置で発光部を移動させた状態を示す断面図である。
図47】第2変形例に係る発光装置の構成を示す断面図である。
図48】第3変形例に係る発光装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る発光装置について図面を参照しながら詳細に説明する。但し、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための発光装置を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施形態に記載されている構成部の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており詳細説明を適宜省略する。断面図として、切断面のみを示す端面図を用いる場合がある。
【0010】
以下に示す図でX軸、Y軸及びZ軸により方向を示す場合があるが、X軸に沿うX方向は、実施形態に係る発光装置が備える発光部の発光面を含む平面内での所定方向を示し、Y軸に沿うY方向は、上記平面内でX方向に直交する方向を示し、Z軸に沿うZ方向は、上記平面に直交する方向を示すものとする。
【0011】
またX方向で矢印が向いている方向を+X方向又は+X側、+X方向の反対方向を-X方向又は-X側と表記し、Y方向で矢印が向いている方向を+Y方向又は+Y側、+Y方向の反対方向を-Y方向又は-Y側と表記する。またZ方向で矢印が向いている方向を+Z方向又は+Z側、+Z方向の反対方向を-Z方向又は-Z側と表記する。実施形態では、発光装置が備える発光部は一例として+Z側に光を発するものとする。また実施形態の用語における平面視とは、対象をZ方向から見ることをいう。但し、これらのことは、発光装置の使用時における向きを制限するものではなく、発光装置の向きは任意である。
【0012】
実施形態に係る発光装置は、発光面を有する発光部と、発光部からの入射光を反射させる全反射部と全反射部により反射された光が入射されるフレネルレンズ部とを含み、該入射光を導光する導光部材と、該発光面の中心軸と交差する方向に沿って、導光部材を発光部に対して相対移動させる移動機構と、を有する。該発光装置は、自身が光を照射可能な照射可能領域のうち、所望の領域に光を部分照射でき、移動機構による相対移動により、部分照射領域を変化させることができる。ここで、フレネルレンズ部とは、凸または凹のレンズ形状が同心円状の領域に分割され、断面がのこぎり刃状の形状を有する部分をいう。
【0013】
図1は、実施形態に係る発光装置100による光の部分照射を説明する図である。図1において、発光装置100は、照射可能領域200のうち、部分照射領域210に対して光を照射しており、部分照射領域210以外の領域には光を照射していない。
【0014】
発光装置100は、発光装置100自体は動かない静止状態において、上記移動機構の相対移動により、例えば光を部分照射する領域を矢印220の方向に移動させ、部分照射領域210から部分照射領域210aに変化させることができる。
【0015】
照射可能領域200は、発光装置100の静止状態において、発光装置100が光を照射可能な領域、つまり、移動機構の相対移動により部分照射領域210を変化させることが可能な領域を意味する。また、部分照射とは、照射可能領域200のうちの一部の領域に光を部分的に照射することをいう。
【0016】
図1では、照射可能領域200を略矩形状の領域で例示し、部分照射領域210を略円形状の領域で例示しているが、これに限定されるものではない。略円形状又は略楕円形状等の領域を照射可能領域200とし、略矩形状又は略楕円形状等の領域を部分照射領域210とすることもできる。
【0017】
図2乃至図4は、発光装置100の利用シーンを例示する図であり、図2は第1例、図3は第2例、図4は第3例を各々示している。図2乃至図4は、発光装置100がカメラ又はビデオカメラ等の撮影装置に搭載され、発光装置100による照射光を照明光として撮影が行われる利用シーンを示している。
【0018】
図2乃至図4は、何れも夜間等で周囲が暗い中での人物撮影の様子を示し、図2では商店街、図3ではイルミネーション、図4では夜景、を各々背景として人物が撮影される。背景領域に光を照射せずに人物の周辺領域のみを部分照射することにより、背景を鮮明に撮影可能にしつつ、人物の顔等の所望の領域を明るい撮影条件で撮影できる。
【0019】
例えば、発光装置100がスマートフォンに搭載されており、スマートフォンに実装されたカメラにより図2乃至図4の利用シーンで撮影を行う場合には、表示画面と操作画面を兼ねたタッチパネルに対し、スマートフォンのユーザが行ったタッチ操作に連動して移動機構による相対移動を可能にする。
【0020】
ユーザは、タッチパネルに表示された静止画又は動画で人物の位置を視認しながら、人物の位置に応じて人物を部分照射するようにタッチ操作を行う。例えば、発光装置100は、ユーザがタッチパネル上を指でなぞった軌跡に従って部分照射光を移動させ、部分照射領域210を変化させる。
【0021】
部分照射光は、移動している間にも照射を中断することなく連続的に照射を継続する。これにより、ユーザは、撮影される静止画又は動画をリアルタイムで視認しながら撮影を行えるため、簡単な操作により、背景を鮮明に撮影可能にしつつ、人物の顔等の所望の領域を明るい撮影条件で確実に撮影可能になる。
【0022】
但し、発光装置100の用途は、上述したカメラ撮影に限定されるものではなく、光を照射する用途であれば如何なるものであってもよい。また、発光装置100が搭載される機器又は装置は、カメラやスマートフォンに限定されるものではなく、様々な照明機器や自動車等にも発光装置100を搭載可能である。
【0023】
以下、発光装置100の構成及び機能等について、より詳細に説明する。
【0024】
(全体構成例)
図5は、実施形態に係る発光装置100の構成の一例を示す断面図である。図6Aは、筐体51及び透明部材54を省略した状態の発光装置100を導光部材11側から見た平面図である。図7は、導光部材11を発光部1側から見た平面図である。なお、図5は、図6Aに示す発光装置100のD-D切断線に沿う断面図である。
【0025】
図5乃至図7に示すように、発光装置100は、発光部1と、導光部材11と、移動機構70と、を有する。
【0026】
発光部1は、平面視が略矩形状に形成されており、発光部実装基板41の+Z側の面に実装されている。発光部1は、少なくとも1つあればよいが、例えば複数の発光部1を備えていてもよい。図6Bは、複数の発光部1を備える発光装置100の構成の一例を示す断面図である。図6Cは、図6Bの発光装置100を筐体51及び透明部材54を省略した状態で導光部材11側から見た平面図である。なお、図6Bは、図6Cに示す発光装置100のE-E切断線に沿う断面図である。
【0027】
図6B及び図6Cに示すように、複数の発光部1は、平面視で縦又は横、もしくは格子状に、発光部1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H及び1Iの9個の発光部1が配置されている。また発光部1Aは発光面1Aaを、発光部1Bは発光面1Baを、発光部1Cは発光面1Caを、発光部1Dは発光面1Daを、発光部1Eは発光面1Eaを、各々含んでいる。また、発光部1Fは発光面1Faを、発光部1Gは発光面1Gaを、発光部1Hは発光面1Haを、発光部1Iは発光面1Iaを、各々含んでいる。全ての発光部1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H及び1Iの各発光面1Aa、1Ba、1Ca、1Da、1Ea、1Fa、1Ga、1Ha及び1Iaは、平面視で全反射部23の内側(詳細には、平面視で枠状の導光部材11の最下部16の内側)にあるように配置されることが好ましい。発光装置100の発光特性の観点では、発光部同士の間隔は狭いほど好ましい。
【0028】
なお、後述するように、平面視において1つの発光部1が複数の発光面1aを有していてもよい。複数の発光部1又は複数の発光面1aを備えることで、発光装置100の光量を増加させることがきる。また、発光装置100が複数の発光部1又は複数の発光面1aを備える場合、複数の発光部1又は複数の発光面1a(詳細には複数の発光面1aそれぞれに対応する発光素子2)はそれぞれ独立して点灯制御させてもよい。
【0029】
図6B及び図6Cでは、縦及び横、もしくは格子状に配置されている9個の発光部1を例示したが、発光部1の配置及び個数はこれに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0030】
発光部実装基板41は、平面視が略矩形状である板状部材であり、発光素子や各種電気素子を実装可能な、配線を備える基板である。発光部実装基板41上に筐体51が設けられ、筐体51の開口52内に透明部材54が配置される。透明部材54は、平面視で発光部1と導光部材11と重なっている。
【0031】
発光部1は、発光面1aを有し、発光部1の+Z側に設けられた導光部材11に向けて光を発する。発光面1aは、発光部1における主たる光取出し面を指す。発光部1にはLED(Light Emitting Diode)等を使用できる。発光部1が発する光は、白色光が好ましいが、単色光であってもよい。発光装置100の使用用途に応じて発光部1を選択することで、発光部1が発する光を適宜選択可能である。
【0032】
導光部材11は、発光部1からの入射光を導光し、出射させる。導光部材11は、第1入射部12と、第2入射部13と、第3入射部14と、全反射部23と、フレネルレンズ部31と、が形成された部材である。導光部材11は、発光部1が発する光に対して光透過性を有し、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂材料又はガラス材料の少なくとも一つを含む。なお、ここでの光透過性とは、発光部1からの光の60%以上を透過し得る性質を指す。
【0033】
導光部材11は、平面視が全体として略円形状に形成されている。第1入射部12、第2入射部13、第3入射部14及び全反射部23の各々は、発光部1からの光が入射する側に形成されている。第1入射部12は平面視形状が略矩形状であり、第2入射部13、第3入射部14及び全反射部23の各々は、平面視形状が略矩形枠状である。略矩形枠状の平面視形状は、枠状の平面視形状の一例である。ここで枠状とは、周りを囲むような状態をいう。また、第1入射部12の平面視形状は、略円形状であってもよく、第2入射部13、第3入射部14及び全反射部23の各々の平面視形状は、輪状であってもよい。なお、輪状とは、輪のような状態をいう。
【0034】
フレネルレンズ部31は、導光部材11により導光された光の出射側、つまり発光部1からの光が入射する側とは反対側に形成されており、平面視形状が略円形状である。
【0035】
但し、導光部材11の全体としての平面視形状は、略円形状に限定されるものではなく、略矩形状、略三角形状、略楕円状又は略多角形状等であってもよい。発光装置100がカメラのフラッシュ光源として利用される場合には、一般的なカメラの撮影範囲が略矩形状であることを考慮し、導光部材11の平面視形状は、4回回転対称形状又は2回回転対称形状であることが好ましい。
【0036】
第1入射部12又は第2入射部13を通って導光部材11の内部に入射する光は、導光部材11の内部をフレネルレンズ部31に向けて導光されることにより集光される。第3入射部14を通って導光部材11の内部に入射する光は、導光部材11の内部を導光され、全反射部23に到達して全反射部23で反射される。全反射部23で反射された光は、導光部材11の内部をフレネルレンズ部31に向けて導光されることにより集光される。第1入射部12、第2入射部13、第3入射部14及び全反射部23は、例えば、発光部1により発せられた光を集光するTIR(Total Internal Reflection)レンズとして機能する。TIRレンズは、光を全反射する全反射部23を含む導光部材11の一例である。なお、導光部材11は第2入射部13を備えなくてもよいが、第2入射部13を備えることで発光部1からの光をより効率的に取り出すことができる。
【0037】
第1入射部12は、発光部1側に凸形状に形成されており、第1入射部12の周囲に略矩形枠状に配置されている凸状の角部15が形成されていることが好ましい。
【0038】
角部15は、第1入射部12の周囲に略矩形枠状に連続して又は断続して配置されることが好ましい。角部15は、本実施形態では1周の略矩形枠状に形成されているが複数周となるように形成されていてもよい。角部15を備えることによって、第1入射部12の半径を小さくできるため、発光部1からの入射光をより取り入れることができ、集光性が向上する。本実施形態では、半径方向に曲率を有する第3入射部14を例示する。
【0039】
第1入射部12、第2入射部13及び第3入射部14の各々は、略矩形枠状に設けられた全反射部23の内側に形成されており、また、発光部1からの入射光を集光させる曲面を有している。第1入射部12、第2入射部13及び第3入射部14が有する曲面の曲率半径は、各々異なることが好ましい。即ち導光部材11は、曲率半径の異なる複数の曲面を有することが好ましい。
【0040】
本実施形態では、半径方向に曲率を有する全反射部23を例示する。なお、全反射部23及び第3入射部14は、それぞれ半径方向における曲率の有無にかかわらず、全反射部23と第3入射部14とがなす形状が、導光部材11の中心軸11cに直交する断面積がフレネルレンズ部31側よりも発光部1側の方が小さい先細り等であってもよい。半径方向における全反射部23の曲率半径又は導光部材11の中心軸11cに対する全反射部23の傾斜面の傾斜角度は、発光部1からの入射光を反射可能な範囲で適宜設定できる。全反射部23に入射する光のできるだけ多くが全反射条件を満足するように、第1入射部12、第2入射部13、第3入射部14及び全反射部23の形状を決定すると、発光部1により発せられる光の取り出し効率がより向上する。
【0041】
全反射部23が第3入射部14の外側に設けられていることで、発光部1から発せられる光のうち、発光面1aの中心軸1cを基準にして広角(以下、単に広角という)に発せられる光を導光部材11により集光することが可能となり、発光部1から発せられる光の取り出し効率が向上する。
【0042】
本実施形態では、全反射部23の外縁231よりも内側の領域の面積は、発光部1の発光面1aのよりも大きい。この構成により、発光部1が導光部材11の中央に設けられている第1入射部12に向き合った際に、導光部材11への入射光が全反射部23に到達するのを抑制するため、光の広がりが抑制される。
【0043】
フレネルレンズ部31は、導光部材11の内部を導光された光の導光部材11からの出射光を透過させる。フレネルレンズ部31は、レンズの曲面が略同心円形状の領域に分割されており、所望の厚み内に折り畳まれるように形成されている。フレネルレンズ部31は、のこぎり刃状の断面形状を有し、また平面視がフレネルレンズ部31の中心軸周りに対称の略同心円形状を有する。本実施形態では、導光部材11の+Z側の面に形成されている凹部32の底面にフレネルレンズ部31が形成されている。
【0044】
フレネルレンズ部31は、その形状に応じてフレネルレンズ部31を通る光を屈折又は回折させることにより、配光特性等の所望の光学特性を生じさせる。フレネルレンズ部31の光学特性は、略同心円形状における円の幅又は高さ等を決めることにより適宜設定できる。
【0045】
移動機構70は、発光部実装基板41の+Z側の面上に設置されており、導光部材11をXY平面内で移動可能に支持する電磁式アクチュエータである。XY平面は、発光部実装基板41の+Z側の面に略平行な平面である。移動機構70は、枠部71と、N極磁石72と、S極磁石73と、台部74と、バネ75と、コイル76と、を有する。
【0046】
枠部71は、平面視が略矩形枠状の部材である。枠部71は、内側に導光部材11を配置し、導光部材11の外縁部25と、枠部71の内側面と、を接着部材61により接着することにより、導光部材11を支持する。
【0047】
枠部71は、樹脂材料又は金属材料等を含んで構成される。枠部71は、発光部1により発せられる光を吸収可能な黒色等の色材をその表面又は内部に含んで構成されることが好ましい。この構成により、導光部材11の外縁部25や全反射部23を通って枠部71側に漏れ出た光を枠部71で吸収できるため、枠部71による反射光が導光部材11側に戻ることを抑制できる。その結果、戻り光に伴うゴースト光又はフレア光等を低減し、発光装置100による照射光のコントラストを高くできる。
【0048】
照射光のコントラストとは、発光装置100による照射可能領域のうち、部分照射領域と、部分照射領域以外の領域との明暗差をいう。コントラストが高いと、部分照射領域と、部分照射領域以外の領域と、の明暗差が大きくなる。
【0049】
N極磁石72及びS極磁石73は、金属材料等を含んでなる四角柱状部材である。N極磁石72はN極に、S極磁石73はS極に各々着磁されている。N極磁石72とS極磁石73は対をなしており、4対のN極磁石72とS極磁石73とが枠部71の各辺の内部に、接着部材等により固定されている。N極磁石72は4個のN極磁石の総称表記であり、S極磁石73は4個のS極磁石の総称表記である。
【0050】
台部74は、平面視が略矩形枠状である部材である。台部74は、導光部材11が内側に配置されるようにして、発光部実装基板41の+Z側の面上に固定されている。台部74は、+Z側の面上に枠部71を移動可能に載置する。台部74の外側部分、即ち導光部材11に向き合う側とは反対側(以下、単に外側という)部分には、壁部74aが設けられている。
【0051】
バネ75は、導光部材11の中心側方向に沿って伸縮可能な弾性部材である。バネ75の材質に特段の制限はなく、金属材料又は樹脂材料等を使用できる。バネ75は4個のバネを含み、各々のバネは、導光部材11の中心軸11cと発光部1の発光面1aの中心軸とが略一致しているときは導光部材11の中心軸11cに対して軸対称となる位置に、導光部材11を囲むように設けられている。換言すると、各々のバネは、平面視で透明部材54の中心に対して点対称となる位置に、導光部材11を囲むように設けられている。バネ75は4個のバネの総称表記である。
【0052】
バネ75の一端は枠部71の外側面に、他端は台部74の壁部74aに各々接続されている。枠部71は、導光部材11と共に台部74の載置面上を移動可能になっている。バネ75は、枠部71が移動しすぎないように移動を制限すると共に、枠部71を初期位置に戻す復元力を枠部71に付与する。
【0053】
コイル76は、電流を導通可能な部材であり、針金等を螺旋状又は渦巻状に巻くことで構成されている。コイル76は4個のコイルを含み、コイル76は4個のコイルの総称表記である。4個のコイルは、4個のN極磁石72及びS極磁石73の各組と対をなしている。4個のコイルの各々は、壁部74a及びバネ75を挟んで4個のN極磁石72及びS極磁石73の各組の反対側に配置されており、発光部実装基板41の+Z側の面上に固定されている。
【0054】
例えば外部の駆動回路から、図6Aに示すようにコイル76に電流iが流されると、N極磁石72、S極磁石73及びコイル76の作用により、フレミングの左手規則に従って、導光部材11側方向に電磁力76aが発生する。電磁力76aを表す白抜き矢印は、電磁力76aが作用する方向を示している。電磁力76aにより枠部71が押されることで、枠部71は押された方向に移動する。
【0055】
コイル76に流れる電流量に応じて電磁力76aの大きさが変化し、枠部71の移動量が変化する。またコイル76に流れる電流の方向に応じて電磁力76aの方向が変化し、枠部71の移動方向が変化する。例えば、図6Aに示した電流iが流れる方向とは反対方向に電流が流れると、電磁力76aの白抜き矢印が示す方向とは反対方向への電磁力が発生する。このとき枠部71は、発生した電磁力76aにより枠部71が引き寄せられる方向に移動する。
【0056】
移動機構70は、4個のコイル76の各々に流れる電流量及び向きに応じて、コイル76と、N極磁石72及びS極磁石73と、の対ごとで電磁力を発生する。移動機構70は、発生した電磁力により、発光面1aの中心軸1cと交差する方向に沿って、導光部材11を発光部1に対して相対移動させる。換言すると、移動機構70は、+Z方向と交差するXY平面内において導光部材11を発光部1に対して相対移動させることができる。発光面1aの中心軸1cと交差する方向は、例えば、発光面1aの中心軸1cと直交又は略直交する方向である。略直交は、相対移動において、一般に誤差と認められる程度の直交からのずれは許容されることを意味する。同様に、+Z方向と交差するXY平面は、+Z方向と直交又は略直交するXY平面である。
【0057】
移動機構70は、平面視で略矩形枠状に形成されている全反射部23の内側に発光部1の発光面1aがあるように、導光部材11を発光部1に対して相対移動させることができる。
【0058】
発光部1が発光している状態で導光部材11を相対移動させることにより、発光装置100は、部分照射光の方向を連続的に変化させることができる。
【0059】
なお、本実施形態では、移動機構70として電磁式アクチュエータを例示したが、移動機構70の駆動方式はこれに限定されるものではなく、圧電式アクチュエータ又は超音波式アクチュエータ等の他の駆動方式を用いることもできる。
【0060】
筐体51は、発光部1、導光部材11及び移動機構70等を内側に収容可能であり、平面視が略矩形状の箱状部材である。発光装置100が搭載されるスマートフォン等の筐体の一部を筐体51としてもよい。筐体51は、開口52と、保持部53と、を有する。
【0061】
開口52は、平面視が略円形状に形成されている。開口52は、導光部材11のフレネルレンズ部31が露出するように、フレネルレンズ部31よりも大きく形成されていることが好ましい。保持部53の-Z側の面が発光部実装基板41の+Z側の面に接着部材等によって固定されている。
【0062】
筐体51は、遮光性を有する部材からなることが好ましく、発光装置100から照射される光の配光方向を制限できるように、例えば、光反射部材、光吸収部材等のフィラーを含有させた樹脂材料等により構成することが好ましい。
【0063】
透明部材54は、少なくとも発光部1が発する光に対して光透過性を有する樹脂材料又はガラス材料を含んでおり、平面視が略円形状の板状部材である。透明部材54は、導光部材11の+Z側に配置されており、筐体51の開口52に入り込んだ状態で支持されている。なお、透明部材54は、接着部材等により筐体51に接着されていてもよい。
【0064】
透明部材54は、フレネルレンズ部31を通って導光部材11から出射されてきた光を透過させる。導光部材11から出射された後、透明部材54を透過した光は、発光装置100による照射光となる。
【0065】
発光部実装基板41、筐体51及び透明部材54により囲まれる空間の内側に、発光部1、導光部材11及び移動機構70等を収容することで、発光部1、導光部材11及び移動機構70等に、ゴミや埃等の異物が付着したり、異物がぶつかったりすることを防止できる。
【0066】
なお、筐体51及び透明部材54の各々の形状は、上述したものに限定されず、平面視が略円形状、略楕円形状又は略多角形状の筐体を用いたり、平面視が略矩形状、略楕円形状又は略多角形状の透明部材を用いたりしてもよい。
【0067】
(発光部1の構成例)
図8は、発光部1の構成の一例を示す断面図である。図9Aは、発光部1'として、発光部1の構成の他の例を示す断面図である。図8及び図9Aに示すように、発光部1及び発光部1'は、+Z側の面を発光面1aとし、発光面1aとは反対側の面を実装面として、発光部実装基板41の+Z側の面に載置される。
【0068】
発光部1は、発光素子2と、発光素子2の+Z側に設けられた透光性部材4と、透光性部材4の+Z側の面を除いて、発光素子2の側面と透光性部材4の側面とを覆う被覆部材5とを含む。なお、図9Aに示す発光部1'のように、透光性部材4の側面が被覆部材5から露出していてもよい。
【0069】
発光素子2の発光面1aとは反対側の面には少なくとも正負一対の電極3が設けられていることが好ましい。本実施形態では、発光部1の平面視における形状は略矩形状であるが、略円形状、略楕円形状、略三角形状、略六角形状等の多角形状であってもよい。
【0070】
発光素子2は、III~V族化合物半導体、II~VI族化合物半導体等の種々の半導体からなることが好ましい。半導体としては、InAlGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系半導体を使用することが好ましく、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等も使用できる。
【0071】
透光性部材4は、平面視が略矩形状の板状の部材であり、発光素子2の上面を覆うように設けられている。透光性部材4は、透光性の樹脂材料や、セラミックス、ガラス等の無機物を用いて形成することができる。樹脂材料としては、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂又はその変性樹脂が好適である。なお、ここでの透光性とは、発光素子2からの光の60%以上を透過することが好ましい。
【0072】
また、透光性部材4は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0073】
さらに、透光性部材4は、上記の樹脂と、光拡散部材や発光素子2からの光の少なくとも一部を波長変換する波長変換部材と、から構成されてもよい。樹脂と波長変換部材とからなる透光性部材4としては、樹脂材料、セラミックス、ガラス等に波長変換部材を含有させたもの、波長変換部材の焼結体等が挙げられる。また、透光性部材4は、樹脂、セラミックス、ガラス等の成形体の-Z側の面に波長変換部材や光拡散部材を含有する樹脂層を形成したものでもよい。
【0074】
実施形態に係る発光装置では、発光素子2として青色発光素子を用い、透光性部材4が発光素子2から出射された光を黄色に波長変換する波長変換部材を含むことにより白色光を発光する。
【0075】
透光性部材4に含まれる波長変換部材としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(POCl:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、SrAl1425:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、CaMgSi16Cl:Eu)、窒化物系蛍光体、フッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I))、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInSまたはAgInSe)等を用いることができる。窒化物系蛍光体の例は、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)、αサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)およびSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等であり、フッ化物系蛍光体の例は、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K(Si,Al)F:Mn)およびMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等である。上記の蛍光体は、粒子である。また、これらの波長変換部材のうちの1種を単体で、又はこれらの波長変換部材のうち2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0076】
KSAF系蛍光体としては、下記式(I)で表される組成を有していてよい。
【0077】
[SiAlMn] (I)
【0078】
式(I)中、Mはアルカリ金属を示し、少なくともKを含んでよい。Mnは4価のMnイオンであってよい。p、q、r及びsは、0.9≦p+q+r≦1.1、0<q≦0.1、0<r≦0.2、5.9≦s≦6.1を満たしていてよい。好ましくは、0.95≦p+q+r≦1.05又は0.97≦p+q+r≦1.03、0<q≦0.03、0.002≦q≦0.02又は0.003≦q≦0.015、0.005≦r≦0.15、0.01≦r≦0.12又は0.015≦r≦0.1、5.92≦s≦6.05又は5.95≦s≦6.025であってよい。例えば、K[Si0.946Al0.005Mn0.0495.995]、K[Si0.942Al0.008Mn0.0505.992]、K[Si0.939Al0.014Mn0.0475.986]で表される組成が挙げられる。このようなKSAF系蛍光体によれば、輝度が高く、発光ピーク波長の半値幅の狭い赤色発光を得ることができる。
【0079】
透光性部材4に含まれる光拡散部材としては、例えば、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素などを用いることができる。
【0080】
被覆部材5は、発光素子2及び透光性部材4の側面を被覆する部材であり、発光素子2及び透光性部材4の側面を直接的に又は間接的に被覆する。透光性部材4の上面は被覆部材5から露出し、発光部1の発光面1aを構成する。
【0081】
被覆部材5は、光取出し効率を向上させるために、光反射率の高い部材で構成されることが好ましい。被覆部材5は、例えば、白色顔料等の光反射性物質を含有する樹脂材料を用いることができる。
【0082】
光反射性物質としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、又はこれらのうちの2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
【0083】
また、樹脂材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂材料を母材とすることが好ましい。なお、被覆部材5は、必要に応じて可視光に対して透光性を有する部材で構成することとしてもよい。
【0084】
発光部実装基板41は、表面又は内部の少なくとも一方に配置された配線42を備えて構成されていることが好ましい。発光部実装基板41では、配線42と発光部1の少なくとも正負一対の電極3とを導電性接着部材62を介して接続することによって、発光部実装基板41と発光部1とを電気的に接続する。なお、発光部実装基板41の配線42は、発光部1の電極3の構成、大きさに応じて構成、大きさ等が設定される。
【0085】
発光部実装基板41は、絶縁性材料を用いることが好ましく、かつ、発光部1から発せられる光や外光などを透過しにくい材料を用いることが好ましく、ある程度の強度を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、発光部実装基板41は、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト等のセラミックス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン(bismaleimide triazine resin)、ポリフタルアミド等の樹脂で構成することができる。
【0086】
配線42は、銅、鉄、ニッケル、タングステン、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン、パラジウム、ロジウム又はこれらの合金等で構成することができる。また、配線42の表層には、導電性接着部材62の濡れ性及び/又は光反射性等の観点から、銀、白金、アルミニウム、ロジウム、金又はこれらの合金等の層が設けられていてもよい。
【0087】
また上述したように、平面視において1つの発光部1が複数の発光面1aを有していてもよい。図9Bは、導光部材11側から見た複数の発光面1aを有する発光部1の構成の一例を示す平面図である。図9Bに示すように、発光部1は、平面視において縦及び横、もしくは格子状に配置されている9個の発光面1aを有する。9個の発光面1aの各々は、発光素子2と、発光素子2の+Z側に設けられた透光性部材4と、透光性部材4の+Z側の面を除いて、発光素子2の側面と透光性部材4の側面とを覆う被覆部材5とを含む。なお、図9Aに示した発光部1'と同様に、発光面1aにおける透光性部材4の側面が被覆部材5に覆われていない部分を有していてもよい。つまり、このとき隣接する発光素子2同士は共通する透光性部材4を備えることになる。複数の発光面1a、詳細には複数の発光面1aそれぞれに対応する発光素子2は、それぞれ独立して点灯制御可能である。また図9Bでは、縦及び横、もしくは格子状に配置されている9個の発光面1aを例示したが、発光面1aの配置及び個数はこれに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0088】
(相対移動に伴う照射光の光路及び照度分布の変化例)
図10乃至図17を参照して、移動機構70による導光部材11の移動に伴う照射光の光路と照度分布の変化について説明する。
【0089】
図10は、導光部材11が移動していない状態での発光装置100の光路の一例を示す断面図であり、筐体51及び透明部材54を省略した状態を示している。この状態における発光装置100の平面図は、図6Aと同様である。
【0090】
図10に示す発光装置100の状態では、コイル76に電流は流れておらず、枠部71は導光部材11と共に初期位置で静止しており、発光面1aの中心軸1cと導光部材11の中心軸11cとは略一致している。
【0091】
発光部1から発せられた光Lは、第1入射部12及び第2入射部13の各々を通って導光部材11の内部を導光されることで集光され、フレネルレンズ部31を通って導光部材11の内部から外部に出射する。この際に、光Lのうちのほとんどは第3入射部14を通っておらず、全反射部23に到達していない。フレネルレンズ部31から出射される光の中心軸Leは、発光面1aの中心軸1c及び導光部材11の中心軸11cの各々と略一致している。
【0092】
図11は、図10の発光装置100における照射光の照度分布の一例を示す模式図である。図11に示すように、照射光による部分照射領域210は、照射可能領域200の中央付近に位置している。照射可能領域200の大きさや、照射可能領域200と部分照射領域210との大きさの比率等は、導光部材11における第1入射部12、第2入射部13及びフレネルレンズ部31の形状や、導光部材11と発光部1との間隔等を決定することで、適宜設定できる。
【0093】
図12は、発光装置100において、導光部材11が一方側、即ち-X側に移動している状態における導光部材11と発光部1との位置関係の一例を示す図であり、筐体51及び透明部材54を省略した状態を導光部材11側から見た平面図である。図13は、図12の発光装置100の光路の一例を示す断面図である。
【0094】
図12及び図13に示す発光装置100の状態では、4個のコイル76のうち、+X側に配置されているコイルに電流iが外側から内側に向けて(以下、順方向という)に流れており、-X側への電磁力76aを発生させている。枠部71は導光部材11と共に電磁力76aにより-X側に押されて移動しており、発光面1aの中心軸1cに対して、導光部材11の中心軸11cは-X側にずれている。
【0095】
なお、導光部材11が-X側に移動している状態では、4個のコイル76のうち、+Y側、-Y側及び-X側に配置されているコイルには、電流は流れていない。但し、-X側に配置されているコイルには、内側から外側に向けて(以下、逆方向という)電流を流してもよい。これにより、+X側に配置されているコイルのみに電流を流す場合と比較して、電磁力76aをより増大させることができる。
【0096】
発光部1から発せられた光Lは、第1入射部12、第2入射部13及び第3入射部14の各々を通って導光部材11の内部を導光されることで集光される。第1入射部12及び第2入射部13の各々を通った光Lは、フレネルレンズ部31を通って導光部材11の内部から外部に出射する。一方、第3入射部14を通った光Lは、全反射部23で反射された後、フレネルレンズ部31を通って導光部材11の内部から外部に出射する。出射される光の中心軸Leは、導光部材11の中心軸11cと、発光面1aの中心軸1cと、の間のずれに応じ、導光部材11の中心軸11cに対して角度θ1傾く。なお、本実施形態では、導光部材11が発光部1に対して移動した場合にも、導光部材11の中心軸11cは、発光面1aの中心軸1cに対して略平行な状態を維持する。
【0097】
電流iの電流量と、導光部材11の移動量と、の関係は、コイル76の巻き数や、N極磁石72及びS極磁石73の磁力等を決定することで適宜設定できる。また導光部材11の移動量に応じた導光部材11から出射される光の中心軸Leの角度θ1は、導光部材11における第1入射部12、第2入射部13及びフレネルレンズ部31の形状や、導光部材11と発光部1との間隔等を決定することで適宜設定できる。
【0098】
図14は、図12の発光装置100における照射光の照度分布の一例を示す模式図である。図14に示すように、照射光による部分照射領域210は、角度θ1に応じて照射可能領域200の中央からずれた位置に配置される。
【0099】
次に、図15は、発光装置100において、導光部材11が他方側、即ち+X側に移動している状態における導光部材11と発光部1との位置関係の一例を示す図であり、筐体51及び透明部材54を省略した状態を導光部材11側から見た平面図である。図16は、図15の発光装置100の光路の一例を示す断面図である。
【0100】
図15及び図16に示す発光装置100の状態では、4個のコイル76のうち、-X側に配置されているコイルに電流iが順方向に流れており、+X側への電磁力76bが発生している。枠部71が導光部材11と共に電磁力76bにより+X側に押されて移動することにより、導光部材11の中心軸11cは、発光面1aの中心軸1cに対して+X側にずれている。
【0101】
なお、導光部材11が+X側に移動している状態では、4個のコイル76のうち、+Y側、-Y側及び+X側に配置されているコイルには、電流は流れていない。但し、+X側に配置されているコイルには、逆方向に電流を流してもよい。これにより、-X側に配置されているコイルのみに電流を流す場合と比較して、電磁力76bをより増大させることができる。
【0102】
発光部1から発せられた光Lは、第1入射部12、第2入射部13及び第3入射部14の各々を通って導光部材11の内部を導光されることで集光される。第1入射部12及び第2入射部13の各々を通った光Lは、フレネルレンズ部31を通って導光部材11の内部から外部に出射する。一方、第3入射部14を通った光Lは、全反射部23で反射された後、フレネルレンズ部31を通って導光部材11の内部から外部に出射する。出射される光の中心軸Leは、導光部材11の中心軸11cと、発光面1aの中心軸1cと、の間のずれに応じ、導光部材11の中心軸11cに対して角度θ2傾く。
【0103】
図17は、図15の発光装置100における照射光の照度分布の一例を示す模式図である。図17に示すように、照射光による部分照射領域210は、角度θ2に応じて照射可能領域200の中央からずれた位置に配置される。
【0104】
図10乃至図17では、発光装置100が1つの発光部1(換言すると1つの発光面1a)を備え、その1つの発光部1が発光している状態で、移動機構70が導光部材11を発光部1に対して相対移動させる形態を示している。発光装置100が複数の発光面1aを備える場合は、複数の発光面1aのうち少なくとも発光している発光面1aが、平面視で全反射部23の内側(詳細には、平面視で枠状の導光部材11の最下部16の内側)にあるように、移動機構70によって導光部材11を複数の発光面1a又は複数の発光部1に対して相対移動させればよい。
【0105】
(フレネルレンズ部31の作用)
図18乃至図21は、フレネルレンズ部31の作用について説明する図である。図18は、実施形態の他の例に係る発光装置100Wの光路を示す断面図、図19は、図18の発光装置100Wにおける照射光の照度分布を示す模式図である。また、図20は、実施形態に係る発光装置100の光路の一例を示す断面図、図21は、図20の発光装置100における照射光の照度分布の一例を示す模式図である。
【0106】
図18に示すように、発光装置100Wは、出射側にフレネルレンズが設けられていない導光部材11Wを有する。図18は、+X側に傾いた方向に発光装置100Wによる部分照射光を照射するために、発光面1aWの中心軸1acWに対して導光部材11Wの中心軸11cWを+X側にずらした配置を示している。
【0107】
発光部1Wから導光部材11W内の外側領域(換言すると第3入射部14W)に入射した光は、全反射部23Wで反射された後、出射平面24Wを通って導光部材11Wから外部に、+X側に傾いた方向に出射され、図19に示すように、照射可能領域200Wにおける部分照射領域210Wに到達する。
【0108】
一方、発光部1Wから導光部材11W内の内側領域(換言すると第1入射部12W及び第2入射部13W)に入射した光は、全反射部23Wを介さずに略平行化された状態のまま出射平面24Wを通って導光部材11Wから外部に出射され、図19に示すように、照射可能領域200Wにおける中央領域211Wに到達する。
【0109】
一方、図20は、発光装置100による部分照射光を+X側に傾けるために、発光面1aの中心軸1acに対して導光部材11の中心軸11cを+X側にずらした配置を示している。
【0110】
発光部1から導光部材11内の外側領域(換言すると第3入射部14)に入射した光は、全反射部23で反射された後、フレネルレンズ部31に入射し、フレネルレンズ部31の屈折又は回折作用によって+X側に傾いた方向で、導光部材11から外部に出射される。そして、図21に示すように、照射可能領域200における部分照射領域210に到達する。
【0111】
一方、発光部1から導光部材11内の内側領域(換言すると第1入射部12及び第2入射部13)に入射した光は、全反射部23を介さずに略平行化された状態でフレネルレンズ部31に入射し、フレネルレンズ部31の屈折又は回折作用によって+X側に傾いた方向で、導光部材11から外部に出射される。そして、図21に示すように、照射可能領域200における部分照射領域210に到達する。
【0112】
発光装置100Wでは、導光部材11Wを発光部1Wに対して相対移動させることにより、発光部1Wから導光部材11W内の外側領域に入射した光が全反射部23Wで集光され、照射可能領域200Wにおける目的とする領域を部分照射することができる。そして、発光装置100では、発光部1から導光部材11内の内側領域に入射した光を、フレネルレンズ部31の屈折又は回折作用によって傾けることができるため、照射可能領域200における中央領域211に到達する光を抑制し、照射可能領域200における所望の領域のみを適切に部分照射できる。
【0113】
例えば、発光部1から導光部材11内の内側領域に入射した光に対する屈折力(パワー)がより大きくなるようにフレネルレンズ部31の形状を決定すると、照射可能領域200における中央領域211に到達する光をより抑制できる。その結果、照射可能領域200における所望の領域のみをより適切に部分照射可能になるため、より好ましい。フレネルレンズ部31を用いることで、屈折力を大きくしても導光部材11が厚くならないため、発光装置100の大型化も回避できる。
【0114】
(導光部材11の異なる領域を通る光ごとの光路及び照度分布例)
図22乃至図36は、導光部材11の異なる領域を通る光ごとの光路及び照度分布を示す図である。導光部材11の異なる領域は、具体的には、A領域と、B領域と、C領域の3つの領域を指す。A領域は、第1入射部12及び第2入射部13の各々を通って導光部材11に入射する光が通る領域である。B領域は、第3入射部14を通って導光部材11に入射した後、全反射部23を介さずに出射する光が通る領域である。C領域は、第3入射部14を通って導光部材11に入射した後、全反射部23を介して出射する光が通る領域である。
【0115】
図22乃至図26は、導光部材11が移動していない状態を第1例として示す図である。図22は、発光装置100の光路を示す図、図23は、A領域を通った光による照度分布の模式図、図24は、B領域を通った光による照度分布の模式図、図25は、C領域を通った光による照度分布の模式図、図26は、図23乃至図25の照度分布を合成した照度分布の模式図である。
【0116】
図27乃至図31は、導光部材11が平面視におけるX方向又はY方向、即ち横方向に移動している状態を第2例として示す図である。図27は、発光装置100の光路を示す図、図28は、A領域を通った光による照度分布の模式図、図29は、B領域を通った光による照度分布の模式図、図30は、C領域を通った光による照度分布の模式図、図31は、図28乃至図30の照度分布を合成した照度分布の模式図である。
【0117】
図32乃至図36は、導光部材11が平面視における対角方向、即ち枠部71の角方向に移動している状態を第3例として示す図である。図32は、発光装置100の光路を示す図、図33は、A領域を通った光による照度分布の模式図、図34は、B領域を通った光による照度分布の模式図、図35は、C領域を通った光による照度分布の模式図、図36は、図28乃至図30の照度分布を合成した照度分布の模式図である。
【0118】
図22乃至図36は、何れもシミュレーション結果を示している。図22図27及び図32に示す光路図では、A領域を通る光Laを実線の矢印で、B領域を通る光Lbを破線の矢印で、C領域を通る光Lcを一点鎖線の矢印で、各々表示している。
【0119】
図27乃至図36に示すように、横方向及び枠部71の角方向の各々に導光部材11が移動している状態では、A領域、B領域及びC領域の何れの領域を通る光も、照射可能領域200内において、横方向及び枠部71の角方向の所望の部分照射領域210を選択的に照射できている。また、図22乃至図26に示すように、導光部材11が移動していない状態では、A領域を通る光の光量が大きくなるが、この場合にも、センター方向の所望の部分照射領域210を選択的に照射できている。
【0120】
(高さ方向における導光部材11と発光部1との位置関係例)
図37乃至図40は、高さ方向における導光部材11と発光部1との位置関係を例示する図である。なお、高さ方向はZ方向に対応する。
【0121】
図37は、導光部材11の最下部16が発光部1の+Z側にある状態を第1例として示す図である。ここで、最下部16とは、導光部材11のうち、最も-Z側にある部分をいう。図38は、導光部材11の最下部16が発光部1の-Z側にある状態を第2例として示す図である。図39は、導光部材11が発光部1に対して+X側に移動している状態において、発光部1により発せられた光が導光部材11に入射せずに漏れ出ている状態を第3例として示す図である。図40は、導光部材11が発光部1に対して+X側に移動している状態において、発光部1により発せられた光が導光部材11に入射せずに漏れ出ていない状態を第4例として示す図である。
【0122】
図37乃至図40の各々に示す最短距離hは、発光部1の発光面1aと、導光部材11と、の間の発光面1aに略直交する方向に沿った最短距離を意味する。最短距離hは、換言すると、発光面1aと最下部16との間の距離である。
【0123】
本実施形態では、最短距離hは、0.0[mm]以上で1.0[mm]以下であることが好ましい。但し、最短距離hは、導光部材11の最下部16が発光面1aよりも+Z側になる状態での発光面1aと最下部16との間の距離(図37参照)だけではなく、発光面1aが導光部材11と接触しない場合において導光部材11の最下部16が発光面1aよりも-Z側になる状態での発光面1aと最下部16との間の距離(図38参照)も含む。
【0124】
この構成により、発光装置100を薄型化できる。また、発光部1が導光部材11の中央に設けられている第1入射部12に向き合った際に、導光部材11への入射光のほとんどが全反射部23に到達しなくなるため、光の広がりを抑え、発光装置100により照射可能領域200の所望の領域をより正確に部分照射できる。
【0125】
一方、図39に示すように、導光部材11が発光部1に対して+X側に移動している状態では、最短距離hによっては、発光部1により発せられた光のうち、広角に発せられた光L1が導光部材11に入射せずに漏れ出る懸念がある。
【0126】
そのため、最短距離hは、0.0[mm]以上で0.4[mm]以下であることがより好ましい。この構成により、図40に示すように、導光部材11が発光部1に対して+X側に移動している状態でも、広角に発せられた光L1を導光部材11に入射させることができる。その結果、発光装置100を小型化すると共に、発光部1により発せられる光が導光部材11から漏れ出ることによる光利用効率の低下を抑制できる。
【0127】
(実施例)
次に、実施例の発光装置のモデルを用いて行った光学シミュレーションについて説明する。なお、実施形態に係る発光装置は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0128】
実施例の発光装置100のモデルを用いて、発光部1を点灯させた際の照度分布を、以下の条件でシミュレ-ションにより求めた。
【0129】
[シミュレーション条件]
発光部1の発光面のサイズ:0.7[mm]×0.7[mm]
評価用受光器のサイズ:429[mm]×572[mm]
発光装置と評価用受光器との距離:300.0[mm]
評価用受光器の画角:100[度]
発光部1の発光面1aと導光部材11との間の最短距離:0.1[mm]
【0130】
図41乃至図43の各々は、発光装置における導光部材移動量と照度分布の関係を示す図である。図41は第1実施例、図42は第2実施例、図43は比較例を各々示している。第1実施例は、実施形態に係る導光部材11を有する発光装置100によるものである。第2実施例は、実施形態に係る導光部材11'を有する発光装置によるものである。導光部材11'は、導光された光の出射側(光の入射側とは反対側)に平坦面を有するものであり、例えば図18に示した導光部材11Wを適用できる。比較例は、入射側がフレネルレンズ部であって、出射側が平坦面である導光部材11''を有する発光装置によるものである。
【0131】
図41乃至図43の各々において、位置関係Pは、平面視における発光部と、導光部材11と、の位置関係を示している。移動量ΔXはX方向への相対移動量[mm]を示しており、移動量ΔYはY方向への相対移動量[mm]を示している。図41乃至図43の例では、ΔYのみを0.2[mm]刻みで変化させた。
【0132】
また、照度分布Sは発光装置における照射光の照度分布を示しており、断面照度分布Iは、照射光のY方向に沿った断面照度分布(X=0.0[mm])、即ち、正方形状の発光面1aにおける向かい合う2辺の中点同士を含み、且つ照射光の中心軸を含む断面における照射光の照度分布を示している。断面照度分布Iを示すグラフの横軸は、-90.0[度]乃至+90.[度]の配光角を示しており、縦軸は照度を示している。縦軸は、図41乃至図43における全てのグラフにおいて、照度範囲、即ち照度の最小値及び最大値を統一して示している。
【0133】
図41に示すように、第1実施例では、部分照射光の位置、並びに照度がピークとなる配光角は、移動量ΔYの変化に応じて変化した。また、部分照射光の照度分布は、移動量ΔYが変化してもほぼ同様の状態が維持された。部分照射光のピーク照度も、移動量ΔYが変化してもほぼ同様の状態で、且つ高いピークが維持された。
【0134】
また、図42に示すように、第2実施例では、部分照射光の位置、並びに照度がピークとなる配光角が、移動量ΔYの変化に応じて変化した。
【0135】
一方、図43に示すように、比較例では、部分照射光の位置、並びに照度がピークとなる配光角は、移動量ΔYの変化に応じた変化は確認されなかった。部分照射光の照度分布及びピーク照度は、移動量ΔYの変化により状態が維持されなかった。
【0136】
これらのことから、比較例では、部分照射を適切に行うことが困難であるのに対し、第1実施例及び第2実施例では、部分照射を適切に行えることが確認された。また第1実施例では、相対移動量により部分照射光の位置及び配光角を制御でき、より適切に部分照射できることが確認された。
【0137】
ここで、図44A乃至図44Cを参照して、実施形態に係る発光装置100の寸法の一例について説明する。図44Aは、発光装置100の寸法の一例を説明する断面図である。図44Bは、図44Aの領域Qの部分拡大図である。図44Cは、導光部材11を-Z方向側から見た斜視図である。
【0138】
図44Aにおいて、Wtは導光部材11の全体サイズ(幅)を表し、ALは発光部1における発光面1aの大きさ(正方形の一辺の長さ)を表し、Ttは導光部材11全体の厚みを表している。
【0139】
また、図44Bにおいて、Fpはフレネルレンズ部31におけるピッチ(同心円形状の隣接する外周部同士の間隔)を表し、FAはフレネルレンズ部31におけるレンズ面のX方向に対する角度を表している。フレネルレンズ部31におけるピッチ及びレンズ面のX方向に対する角度は、フレネルレンズ部31の複数の凸それぞれが設けられる位置によって適宜調整することができる。In1は第1入射部12のサイズ(幅)を表し、In2は第2入射部13の枠部分のサイズ(幅)を表し、η1は第3入射部14の角度を表し、η2は全反射部23の角度を表している。なお、η1は第3入射部14のZ方向における両極端の点を結んだ線とX方向に沿う線とのなす角度であり、η2は全反射部23のZ方向における両極端の点を結んだ線とX方向に沿う線とのなす角度である。
【0140】
図44Cにおいて、Ar1(斜線ハッチング部分)は第3入射部14の面積を表し、Ar2(ドットハッチング部分)は全反射部23の面積を表している。
【0141】
以下に示す表1は、発光装置100における各寸法の一例を示す一覧表である。
【0142】
【表1】
【0143】
表1において、「範囲」は、各項目が採用し得る範囲を示している。例えば、発光部1における発光面1aの大きさALに示されている「一辺0.2mm~3.0mmの正方形」は、「一辺0.2mm以上3.0mm以下の正方形」であることを表している。発光面1aの大きさAL以外の項目においても「~」の意味は同様である。
【0144】
一例として、表1に示した寸法で発光装置100を構成することにより、次述する発光装置100の作用効果を得ることができる。
【0145】
(発光装置100の作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係る発光装置100は、発光面1aを有する発光部1と、発光部1からの入射光を反射させる全反射部23と全反射部23により反射された光が入射されるフレネルレンズ部31とを含み、該入射光を導光する導光部材11と、発光面1aの中心軸1cと交差する方向に沿って、導光部材11を発光部1に対して相対移動させる移動機構70と、を有する。
【0146】
導光部材11は、全反射部23を有することで、発光部1から発せられる光のうち、広角に発せられる光も集光することができ、発光部1からの光を効率良く外部に取り出すことができる。これにより、発光装置100により照射される光の光量を大きく確保できる。
【0147】
また、導光部材11を発光部1に対して相対移動させることにより、光の照射方向を変えることができ、所望の位置及び方向を部分照射できる。さらに、発光部1と、導光部材11と、の間の距離を短くできるため、照射可能領域200における所望の領域を部分照射可能な発光装置100を小型化できる。また、発光部1における発光面1aの面積を大きく確保できるため、発光装置100により照射される光の光量を大きく確保できる。
【0148】
以上により、本実施形態では、光の照射方向を変えることができ、発光部1からの光を効率良く外部に取り出す発光装置100を提供できる。
【0149】
例えば、スマートフォンやカメラ等の機器に発光装置が搭載されている場合に、ユーザが手動で機器自体を移動させて部分照射領域を変化させると、撮影領域も共に変化するため、撮影領域内における人物の顔周辺等の所望の領域を部分照射する操作が行いにくくなる場合がある。本実施形態では、機器を静止させた状態で、移動機構70により部分照射領域210のみを変化させるため、部分照射領域210を変化させる操作を容易に行うことができる。
【0150】
また、例えば、導光部材を傾けることにより部分照射領域を変化させると、導光部材の傾きに応じて発光装置が厚くなる。本実施形態では、発光面1aの中心軸1cと交差する方向に沿って導光部材11を移動させるため、導光部材を傾ける場合と比較して発光装置100が厚くなることを回避できる。
【0151】
また、本実施形態では、導光部材11は、導光された光の出射側にフレネルレンズ部31を有することが好ましい。フレネルレンズ部31により出射光の方向を正確に決定できるため、発光装置100は、照射可能領域200における所望の領域を正確に部分照射できる。また、フレネルレンズ部31により発光部1が外部から視認されにくくなくなるため、発光装置100の外観の美観を向上させることができる。但し、本実施形態に係る導光部材は、導光された光の出射側にフレネルレンズ部31を有するものに限定されるものではない。導光された光の出射側が平坦面である導光部材11W(図18参照)等であってもよく、この構成でも、光の照射方向を変えることができ、発光部1からの光を効率良く外部に取り出すことができるという効果が得られる。
【0152】
また、本実施形態では、移動機構70は、発光部1が発光している状態で、導光部材11を発光部1に対して相対移動させることが好ましい。これにより、発光部1を切り替えることなく部分照射する領域を可変できるため、照射可能領域200上の部分照射領域210を、部分照射が中断されることなく連続的に変化させることができる。
【0153】
例えば、発光装置が複数の発光部を有し、複数の発光部のうちの一部を選択的に発光させることにより部分照射領域を変化させると、発光部の発光を切り替えるタイミングで部分照射が中断されるため、部分照射領域の変化が断続的になる。部分照射領域が断続的に変化すると、発光装置がスマートフォン等の機器に搭載されている場合等に、部分照射領域を変更する操作を行いにくくなる懸念がある。本実施形態では、部分照射領域210を連続的に変化させることができるため、部分照射領域210の変更操作の操作性をより向上させることができる。また、動画撮影のような連続的な撮影が必要の場合、部分照射領域が断続的に変化すると、その変化も記録されてしまうため、得られた映像が不自然になる懸念がある。本実施形態では、そのような不自然さを改善することができる。
【0154】
また、本実施形態では、全反射部23は、平面視で略矩形枠状に設けられており、移動機構70は、発光部1の発光面1aが平面視で全反射部23の内側にあるように、導光部材11を発光部1に対して相対移動させることが好ましい。これにより、導光部材11が発光部1に対して相対移動しても、発光面1aから発せられる光が導光部材11から漏れ出ることを抑制して全反射部23で反射させることができる。その結果、導光部材11から光が漏れ出ることによる光の損失や迷光等を防ぐことができる。
【0155】
また、本実施形態では、全反射部23は、平面視で略矩形枠状に設けられており、導光部材11は、略矩形枠状に設けられた全反射部23の内側に、第1入射部12、第2入射部13及び第3入射部14を有する。そして、第1入射部12、第2入射部13及び第3入射部14の各々は、発光部1からの入射光を集光させる曲面を有することが好ましい。該曲面による集光作用により、全反射部23の内側が平坦である場合と比較して、発光装置100による照射可能領域200の所望の領域をより正確に部分照射できる。
【0156】
また、本実施形態では、平面視で全反射部23の内側に設けられた、第1入射部12、第2入射部13及び第3入射部14の各々が有する曲面は、曲率半径の異なる複数の曲面であることが好ましい。この構成により、導光部材11を小型化しつつ、発光装置100による照射可能領域200の所望の領域をより正確に部分照射できる。
【0157】
また、本実施形態では、全反射部23は、平面視で略矩形枠状に設けられており、全反射部23の外縁231よりも内側の領域の面積は、発光部1の発光面1aよりも大きいことが好ましい。この構成により、発光部1が導光部材11の中央領域(換言すると第1入射部12)に向き合った際に、導光部材11への入射光のほとんどが全反射部23に到達しないため、光の広がりを抑え、発光装置100による照射可能領域200の所望の領域をより正確に部分照射できる。
【0158】
また、本実施形態では、発光面1aに直交する方向に沿った、発光部1の発光面1aと、導光部材11と、の間の最短距離は、0.0[mm]以上で1.0[mm]以下であることが好ましい。この構成により、発光装置100を薄型化できる。また、発光部1が導光部材11の中央領域(換言すると第1入射部12)に向き合った際に、導光部材11への入射光のほとんどが全反射部23に到達しなくなるため、光の広がりを抑え、発光装置100による照射可能領域200の所望の領域をより正確に部分照射できる。
【0159】
なお、本実施形態では、全反射部23の平面視形状が略矩形枠状である構成を例示したが、全反射部23の平面視形状は、矩形枠状以外の多角形状の枠状や、輪状等であってもよく、この場合にも同様の作用効果が得られる。
【0160】
(第1変形例)
上述した実施形態では、移動機構70により、発光面1aの中心軸1cと交差する方向に沿って、導光部材11を発光部1に対して移動させる構成を例示したが、発光部1を導光部材11に対して移動させてもよい。
【0161】
図45は、第1変形例に係る発光装置100aの構成の一例を示す断面図である。発光装置100aでは、発光部1は導光部材11に対して移動可能になっている。また、図46は、図45の発光装置100aにおいて発光部1を移動させた状態を示す断面図である。なお、上述した実施形態と同一の構成部には、同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。この点は以降に示す各変形例においても同様とする。
【0162】
図45及び図46に示すように、発光装置100aは、移動機構70aを有する。移動機構70aは、N極磁石72aと、S極磁石73aと、台部74aaと、バネ75aと、コイル76aaと、を有する。N極磁石72a及びS極磁石73aは、発光部実装基板41の面上又は内部のうち少なくとも一方に設けられている。
【0163】
台部74aaは、発光部実装基板41をXY平面内で移動可能に載置している。台部74aaには、発光部1に駆動信号を入力するための配線42が設けられている。バネ75aは、一端が発光部実装基板41に接続されており、他端が台部74aaの一部に接続されている。コイル76aaに電流が流れると、N極磁石72a、S極磁石73a及びコイル76aaの作用により電磁力が発生する。
【0164】
移動機構70aは、発生される電磁力により、導光部材11の中心軸11cと略直交する方向に発光部実装基板41を移動させることにより、発光部実装基板41に実装されている発光部1を導光部材11に対して相対移動させることができる。これにより、光の照射方向を変えることができ、発光部1からの光を効率良く外部に取り出す発光装置100aを提供できる。この効果以外の効果も実施形態と同様である。
【0165】
なお、実施形態では、導光部材11の中心軸11cと交差する方向に沿って発光部1に対して導光部材11を相対移動が可能な限り、相対移動のための構成は上述したものに限定されない。例えば、導光部材11が固定された部材を移動させたり、発光部1が実装又は固定された部材を移動させたりしてもよい。
【0166】
(第2変形例)
次に、図47は、第2変形例に係る発光装置100bの構成の一例を示す断面図である。発光装置100bは、導光部材11bを有する。導光部材11bは、第1レンズ33と、第2レンズ34と、を有する。
【0167】
第1レンズ33は、第1入射部12と、第2入射部13と、第3入射部14と、全反射部23と、を有する。第1レンズ33は、上述した導光部材11における発光部1からの光が入射する側の構成と同様の機能を有する。第2レンズ34は-Z側の面に複数の凸を有するフレネルレンズ部を含む。この第2レンズ34は、フレネルレンズの一例である。
【0168】
つまり、導光部材11bは、導光部材11における発光部1からの光が入射する側の構成を第1レンズ33とし、フレネルレンズ部31を含む構成を第2レンズ34として、各々が分離して設けられた構成を有する。
【0169】
第1レンズ33と第2レンズ34は、接着部材等により互いが接着されていてもよいし、一体として形成されてもよい。また、接着部材63により、第2レンズ34が筐体51に接着されることで、第1レンズ33及び第2レンズ34は、筐体51に固定されることができる。
【0170】
発光面1aの中心軸1cと交差する方向に沿った発光部1と導光部材11bとの相対移動は、発光部1が実装されている発光部実装基板41を移動させることで行ってもよいし、導光部材11bが固定されている筐体51を移動させることで行ってもよい。
【0171】
以上説明した構成により、光の照射方向を変えることができ、発光部1からの光を効率良く外部に取り出す発光装置100bを提供できる。この効果以外の効果も実施形態と同様である。
【0172】
(第3変形例)
図48は、第3変形例に係る発光装置100cの構成の一例を示す断面図である。発光装置100cは導光部材11ccを有する。導光部材11ccは第2レンズ34cを有する。第2レンズ34cは、-Z側の面に複数の凸を有するフレネルレンズが形成されており、+Z側の面に凸部35が形成されているレンズである。
【0173】
導光部材11ccは、導光部材11bと同様に、導光部材11における発光部1からの光が入射する側の構成を第1レンズ33とし、フレネルレンズ部31を含む構成を第2レンズ34cとして、各々が分離して設けられた構成を有する。この第2レンズ34cは、フレネルレンズの一例である。第1レンズ33と第2レンズ34cは、接着部材等により互いが接着されていてもよいし、一体として形成されてもよい。また、接着部材63により、第2レンズ34cが筐体51に接着されることで、第1レンズ33及び第2レンズ34cは、筐体51に固定されることができる。
【0174】
発光装置100cは、透明部材54を有しておらず、第2レンズ34cに形成されている凸部35が筐体51の開口52に入り込むことにより、開口52が封止される。発光装置100cは、透明部材54を有さない分、発光装置の低コスト化が可能になる。
【0175】
なお、発光面1aの中心軸1cと交差する方向に沿った、発光部1と導光部材11ccとの相対移動は、上述したものの他、発光部1が実装されている発光部実装基板41を移動させることにより行ってもよいし、導光部材11ccが固定されている筐体51を移動させることにより行ってもよい。
【0176】
以上説明した構成により、光の照射方向を変えることができ、発光部1からの光を効率良く外部に取り出す発光装置100cを提供できる。この効果以外の効果も実施形態と同様である。
【0177】
以上説明した各構成は、様々な変更をすることができる。例えば、導光部材11における角部15の数を増やすことや、或いはフレネルレンズ部31の曲率を適宜変えることとしてもよい。また、第1入射部12、第2入射部13及び第3入射部14の曲率半径や、全反射部23の曲率半径又は傾斜角度を適宜変更してもよい。
【0178】
また、上述した実施形態では、発光装置100が発光部と導光部材との組が1組である所謂単眼の構成を例示したが、発光装置100が発光部と導光部材との組を複数組有する所謂複眼の構成であっても、同様の効果が得られる。
【0179】
また、上述した実施形態では、発光装置の光が出射する側にフレネルレンズが設けられている構成を例示したが、発光装置の光が出射する側に管状の導光部材がアレイ状に配置されている構成であっても、同様の効果が得られる。
【0180】
また、上述した実施形態では、発光部の発光面の中心軸と交差する方向に沿って、発光部に対して導光部材を相対移動させる構成を例示したが、発光部の発光面の中心軸又は導光部材の中心軸周りに、発光部に対して導光部材を相対回転させる構成であっても、同様の効果が得られる。
【0181】
本発明の発光装置は、所望の部分照射領域に光を照射できるので、照明、カメラのフラッシュ、車載のヘッドライト等に好適に利用できる。但し、本発明の発光装置はこれら用途に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0182】
1 発光部
1a 発光面
1c 発光面の中心軸
2 発光素子
3 電極
4 透光性部材
5 被覆部材
11、11a、11b、11cc 導光部材
11c 導光部材の中心軸
12 第1入射部
13 第2入射部
14 第3入射部
15 角部
16 最下部
23 全反射部
231 外縁
25 外縁部
31 フレネルレンズ部
32 凹部
33 第1レンズ
34、34c 第2レンズ(フレネルレンズの一例)
41 発光部実装基板
42 配線
51 筐体
52 開口
53 保持部
54 透明部材
61、63 接着部材
62 導電性接着部材
70 移動機構
71 枠部
72 N極磁石
73 S極磁石
74 台部
75 バネ
76 コイル
100、100a、100b、100c 発光装置
200 照射可能領域
210 部分照射領域
i 電流
h 最短距離
L 発光部から発せられた光
Le 出射される光の中心軸
θ1、θ2 角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44A
図44B
図44C
図45
図46
図47
図48