(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173083
(43)【公開日】2022-11-17
(54)【発明の名称】ロータリエンコーダおよびトレランスリングを有するアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G01D 5/245 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
G01D5/245 110C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022066735
(22)【出願日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】21172372
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】390014281
【氏名又は名称】ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ミックス・シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン・リーペルティンガー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・イェーガー
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA25
2F077AA47
2F077NN02
2F077NN27
2F077VV02
2F077VV14
2F077VV23
2F077VV31
(57)【要約】
【課題】ロータリエンコーダの信頼できる動作を高い測定精度で永続的に可能にするアセンブリを提供すること。
【解決手段】本発明は、ロータリエンコーダ(1)と、トレランスリング(2)と、このロータリエンコーダおよびトレランスリング(2)を収容する筐体(3)とを含むアセンブリに関する。ハウジング(1.21)は、特殊な幾何形状を有する外壁を有している。筐体(3)は凹部(3.1)を有しており、凹部(3.1)の内壁(3.11)も同様に特殊に成形されている。トレランスリング(2)は、ハウジング(1.21)を包囲し、かつ凹部(3.1)内では、トレランスリング(2)が径方向に挟持されているように配置されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリエンコーダ(1)と、トレランスリング(2)と、前記ロータリエンコーダおよび前記トレランスリング(2)を収容する筐体(3)とを含むアセンブリであって、
前記ロータリエンコーダ(1)が、
- シャフト(1.11)を有しており、前記シャフト(1.11)にスケール要素(1.12)が回転不能に固定されており、かつ
- ハウジング(1.21)を有しており、前記ハウジング(1.21)内に走査ユニット(1.22)が配置されており、前記走査ユニット(1.22)が前記ハウジング(1.21)と回転不能に結合しており、
前記シャフト(1.11)が前記ハウジング(1.21)に対して軸(A)の周りを回転可能に配置されており、かつ前記スケール要素(1.12)が前記走査ユニット(1.22)によって走査可能であり、さらに、
前記ハウジング(1.21)が外壁を有しており、前記外壁が、
第1の区間(1.211)内で、前記軸(A)に対する第1の間隔(R1)を、および
第2の区間(1.212)内で、前記軸(A)に対する第2の間隔(r2)を有しており、
前記第1の間隔(R1)が前記第2の間隔(r2)より大きく、かつ
前記筐体(3)が凹部(3.1)を有しており、前記凹部(3.1)が、
- 第1の内壁(3.11)により、前記軸(A)に対して径方向に画定されており、前記第1の内壁(3.11)が、
第3の区間(3.113)内で、前記軸(A)に対する第3の間隔(r3)を有しており、かつ
第4の区間(3.114)内で、前記軸(A)に対する第4の間隔(R4)を有しており、
前記第4の間隔(R4)が前記第3の間隔(r3)より大きく、かつ前記凹部(3.1)が、
- 第2の内壁(3.12)によって画定されており、前記第2の内壁(3.12)が前記軸(A)に対し、前記ハウジング(1.21)のための軸方向のストッパになっており、前記第4の区間(3.114)が、軸方向において前記第2の内壁(3.12)と前記第3の区間(3.113)との間に配置されており、
前記トレランスリング(2)が、前記ハウジング(1.21)を包囲し、かつ前記凹部(3.1)内では、前記トレランスリング(2)が径方向において前記第1の区間(1.211)と前記第4の区間(3.114)との間に、および前記第2の区間(1.212)と前記第3の区間(3.113)との間にあり、かつ径方向に挟持されているように配置されている、アセンブリ。
【請求項2】
前記第2の内壁(3.12)が、前記トレランスリング(2)のための軸方向のストッパになっている、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記ハウジング(1.21)が、前記第1の区間(1.211)と前記第2の区間(1.212)との間に第1の円錐面(1.215)を有している、請求項1または2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の内壁(3.11)が、前記第3の区間(3.113)と前記第4の区間(3.114)との間に第2の円錐面(3.115)を有している、請求項1から3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記ハウジング(1.21)が、一周している外壁を有している、請求項1から4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の内壁(3.11)が、一周している内輪郭を有している、請求項1から5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記ロータリエンコーダ(1)が、軸受なしのロータリエンコーダ(1)として形成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に基づくロータリエンコーダおよびトレランスリングならびにロータリエンコーダおよびトレランスリングを収容する筐体を有するアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリエンコーダは、例えば、2つの互いに対して相対的に回転可能な機械部分の角度位置または回転速度を決定するために使用される。
誘導式ロータリエンコーダではしばしば、励磁導体路と、例えば導体路の形態での受信トラックとが、共通のたいていは多層のプリント基板上に施されており、このプリント基板が例えばロータリエンコーダの固定子と固定的に結合している。このプリント基板に対向してスケール要素が存在しており、スケール要素上には目盛構造が施されており、かつスケール要素はロータリエンコーダの回転子と回転不能に結合している。励磁コイルに時間と共に交番する励磁電流が印加されると、受信コイル内で、回転子と固定子との間の相対回転中に角度位置に依存する信号が生成される。これらの信号はその後、評価電子機器内でさらに処理される。
【0003】
光学原理に基づいて働くロータリエンコーダではしばしば、光線が、目盛構造を有する回転可能な円盤によって変調される。この変調された光はその後、光検出器によって受信される。受信された光強度は、相対角度位置についての情報を内包している。
【0004】
このようなロータリエンコーダはしばしば、電気駆動装置のための測定機器として、相応の機械部分の相対運動または相対位置の決定に用いられる。この場合には、生成された角度位置値が、駆動装置を制御するための電子機器に、相応のインターフェイス構成を介して送られる。
【0005】
米国特許出願公開第2009/0027043(A1)号から、環状のトレランスリングによってさらなる筐体に取り付けられ得るロータリエンコーダが知られている。
このような配置には、動作中に、ロータリエンコーダの測定品質または測定精度を低下させる状態がそこで生じ得るという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0027043(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の基礎となる課題は、ロータリエンコーダの信頼できる動作を高い測定精度で永続的に可能にするアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は本発明に基づいて請求項1の特徴によって解決される。
それによれば、本発明によるアセンブリは、ロータリエンコーダと、トレランスリングと、ロータリエンコーダおよびトレランスリングを収容する筐体とを含んでいる。ロータリエンコーダはシャフトを有しており、このシャフトにスケール要素が回転不能に固定されている。ロータリエンコーダはさらにハウジングを有しており、このハウジング内に走査ユニットが配置されており、走査ユニットはハウジングと回転不能に結合している。シャフトはハウジングに対して軸の周りを回転可能に配置されている。スケール要素は走査ユニットによって走査可能である。さらにハウジングは、好ましくは閉鎖的に一周しているように形成された外壁を有しており、この外壁は第1の区間内で、軸に対する径方向の第1の間隔を有している。この外壁は第2の区間内で、軸に対する径方向の第2の間隔を有している。これに関し第1の間隔が第2の間隔より大きいことが重要である。これに加え、筐体は、ロータリエンコーダおよびトレランスリングが収容されている凹部を有している。この凹部は第1の内壁により、軸に対して径方向に画定されており、この第1の内壁は第3の区間内で、軸に対する径方向の第3の間隔を有している。そのうえこの第1の内壁は第4の区間内で、軸に対する径方向の第4の間隔を有している。筐体は、第4の間隔が第3の間隔より大きいように形成されている。凹部はさらに第2の内壁によって画定されており、第2の内壁は軸に対し、ハウジングのための軸方向のストッパになっており、これに関し第4の区間は、軸方向において第2の内壁と第3の区間の間に配置されている。それとともに第4の区間は、軸方向に関して第3の区間より第2の内壁に近い。トレランスリングは、ハウジングを包囲し、かつ凹部内では、径方向において第1の区間と第4の区間との間にあるように配置されている。同様に、アセンブリを組み立てたこの状態では、トレランスリングは第2の区間と第3の区間との間にもあり、この場合、トレランスリングはハウジングと筐体との間で径方向に挟持されている。
【0009】
第1、第2、第3、および第4の区間は、それぞれ軸方向に延びており、これに関し第1および/または第2の区間は、ハウジングの円筒形の外輪郭の凸面状の側面上の領域であることができ、その一方で第3および/または第4の区間は、凹部の円筒形の内輪郭の凹面状の側面上の領域であることができる。ただし当該区間は必ずしも閉鎖的に一周している面でなくてよく、むしろこれらの面は、とりわけ周面にわたって不連続的であってもよい。
【0010】
つまり第2の内壁は、この内壁上の法線ベクトルが軸に平行な方向成分を有するように方向づけられている。
このアセンブリは、第2の内壁がトレランスリングのための軸方向のストッパになるように形成されることが有利である。
【0011】
本発明のさらなる形態では、ハウジングが、第1の区間と第2の区間との間に第1の円錐面を有している。
第1の内壁が、第3の区間と第4の区間との間に第2の円錐面を有していることが有利である。
【0012】
これらの円錐面は、軸に対して斜めに配置されている。これらの円錐面は、閉鎖的な一周している面として、または周面にわたって不連続的な面として形成され得る。
ハウジングが、一周している外壁を有していることが有利である。
【0013】
本発明のさらなる形態では、第1の内壁が、一周している内輪郭を有している。
原理的に、自己軸受部を備えたロータリエンコーダと、自己軸受部なしのロータリエンコーダ(以下に、軸受なしのロータリエンコーダと言う)とが区別される。自己軸受部を備えたロータリエンコーダは、通常は比較的小さな玉軸受を有しており、したがって、当該ロータリエンコーダ内の互いに対して相対的に回転可能な部品群は、互いに対して相対的に規定の軸方向および径方向の位置に配置されている。これに対し軸受なしのロータリエンコーダの場合、機械に取り付ける際に、互いに対して回転可能な部品群が、互いに対して正しい位置に、とりわけ適切な軸方向の間隔をあけて位置規定されるように、およびこの位置が、ロータリエンコーダの動作中に変化しないままであるように注意を払わなければならない。本発明は、とりわけ軸受なしのロータリエンコーダとの関連で有利である。
【0014】
本発明の有利な形成形態は従属請求項から読み取れる。
本発明によるロータリエンコーダのさらなる詳細および利点は、添付の図に基づく1つの例示的実施形態の以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】ここではモータハウジングとして用いられている筐体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は
図1に基づき、ロータリエンコーダ1と、トレランスリング2と、筐体3、例えば電動パワートレインのモータハウジングとを含むアセンブリに関する。
これによればロータリエンコーダ1は第1の部品群1.1および第2の部品群1.2を含んでおり、これらの部品群1.1、1.2は、互いに対して相対的に軸Aの周りを回転可能である。第1の部品群1.1は回転子として、および第2の部品群1.2は固定子として用いられることが多い。
【0017】
第1の部品群1.1は、シャフト1.11、つまりロータリエンコーダシャフトを含んでいる。ロータリエンコーダ1のシャフト1.11には、スケール要素1.12、つまりスケールが回転不能に固定されている。スケール要素1.12は目盛りを含んでおり、このスケール要素1.12は、提示している例示的実施形態では、プリント基板材料から成る環状円盤として形成されており、その端面側の環状面に目盛りが配置されている。スケール要素1.12は、図示された例示的実施形態では、エポキシ樹脂から製造された基材から成っており、この基材上に、1つの目盛トラックまたは複数の目盛トラックが、環状にかつ軸Aに対してセンタリングされて配置されている。目盛トラックは通常はそれぞれ、交互に配置された導電性目盛領域と非導電性目盛領域との周期的シーケンスから成っている。
【0018】
第2の部品群1.2に属するハウジング1.21は、蓋1.213を含んでおり、かつロータリエンコーダ1の内部空間を環境の及ぼす影響から保護するために役立つ。ハウジング1.21の内部には、走査ユニット1.22が、ハウジング1.21に対して回転不能に固定されて存在しており、走査ユニット1.22は、走査ユニット1.22とスケール要素1.12との間の角度位置を捕捉するために決定されている。提示している例示的実施形態では、ロータリエンコーダは誘導走査原理に基づいている。走査ユニット1.22は、多層のプリント基板1.221を含んでいる。これらの層のうちの2つは、受信導体路および励磁導体路として働くように構造化されている。さらにプリント基板1.221上には電子部品1.222が取り付けられている。励磁導体路の動作のためにおよび受信導体路によって受信された信号の処理のために、電子回路が必要である。電子部品1.222は、励磁導体路の給電のためにおよび受信された信号の処理のために用いられるこの回路の構成要素である。プリント基板1.221上にはこれに加え、ケーブルの嵌合コネクタとの差込接続を確立するための電気的なカップリングピースが取り付けられている。
【0019】
提示している例示的実施形態では、ロータリエンコーダ1が軸受なしのロータリエンコーダとして形成されており、つまり第1の部品群1.1と第2の部品群1.2との間に軸受、とりわけ玉軸受は配置されていない。これにより第1の部品群1.1は第2の部品群1.2に対し、ある特定の限度内で、とりわけ軸方向に変位し得る。
【0020】
図2に基づき、ハウジング1.21は凸面状の外壁を有しており、この外壁は第1の区間1.211内で、軸Aに対する径方向の第1の間隔R1を有している。第1の区間1.211は、提示している例示的実施形態では、円筒形の側面として形成されている。第1の間隔R1は、上記の側面上の点と軸Aとの間隔と見なされ得る。
【0021】
言い換えれば、第1の区間1.211内のハウジング1.21の外径は、第1の間隔R1の2倍である(2×R1)。
ハウジング1.21の外壁は、第1の区間1.211に対して軸方向にずれて第2の区間1.212を有している。同様に円筒形の側面と見なされ得る第2の区間1.212内で、ハウジング1.21の外壁は軸Aに対する径方向の第2の間隔r2を有している。第2の区間1.212ではハウジング1.21の外径が第1の区間1.211でのハウジング1.21の外径に比べて減少しているので、第1の間隔R1が第2の間隔r2より大きいことが当てはまる。
【0022】
図1に基づくアセンブリはさらにトレランスリング2を含んでいる。トレランスリング2は、ハウジング1.21の周りに設置される。慣例どおり、トレランスリング2はエンボス加工された溝2.1を有している。相応に取り付けると、トレランスリング2の溝2.1が、径方向に圧縮された圧縮バネのように作用する。
【0023】
最後にこのアセンブリは、上で言及したようにここではモータハウジングである筐体3を含んでいる。筐体3は、アンダーカット部を有する穴とも言える凹部3.1を有している。
図3に基づき、凹部3.1は径方向において、一周している第1の内壁3.11によって画定されている。この第1の内壁3.11は、第3の区間3.113内で、軸Aに対する径方向の第3の間隔r3を、および第4の区間3.114内で、軸Aに対する径方向の第4の間隔R4を有している。第4の間隔R4は第3の間隔r3より大きい。
【0024】
凹部3.1はさらに第2の内壁3.12によって画定されている。そして第2の内壁3.12は、この内壁3.12の面上の法線ベクトルが軸Aに平行に走るように空間内で方向づけられている。提示している例示的実施形態では、第2の内壁3.12は平坦である。筐体3は、第4の区間3.114が軸方向において第2の内壁3.12と第3の区間3.113との間に配置されるように形成されている。加えて第2の内壁3.12は中心の穴を有しており、この穴にモータシャフト4が収容され得る。この穴は、モータシャフト4に対してオーバーサイズであり、したがってモータシャフト4はこの穴内で自由に回転し得る。
【0025】
筐体3内、つまりモータハウジング内にロータリエンコーダ1を取り付ける過程で、ロータリエンコーダ1はトレランスリング2と一緒に筐体3の凹部3.1に押し込まれる。第2の内壁3.12はこの関連では、軸Aに対し、ハウジング1.21およびトレランスリング2のための軸方向のストッパになっている(
図4)。それゆえロータリエンコーダ1のハウジング1.21は、トレランスリング2により、プレスフィットによって固定的にかつセンタリングされて筐体3内で固定されている。
【0026】
図4に基づいて最後に、ロータリエンコーダ1の第1の部品群1.1、とりわけシャフト1.11は、モータシャフト4とネジ固定することができ、その際、第1の部品群1.1は、中心のネジによりモータシャフト4の段部に押し付けられる。
【0027】
ロータリエンコーダ1のシャフト1.11がモータシャフト4にぶつかり、かつハウジング1.21が第2の内壁3.12にぶつかることにより、第1の部品群1.1は、軸方向において第2の部品群1.2に対して厳密に位置決めされている。したがって取り付けが行われた後のスケール要素1.12と走査ユニット1.22との間のいわゆる走査間隔zは、厳密に調整されている。
【0028】
スケール要素1.12と走査ユニット1.22とが相対的に回転すると、走査ユニット1.22内で、それぞれの角度位置に依存する信号が誘導効果によって生成される。角度位置の精密な測定には、信号振幅が十分な程度に達することが重要である。信号振幅の高さは、なかでも走査間隔zに依存する。例えばアセンブリが温度変動および/または振動に曝されている場合に走査間隔zがほんの少しだけでも変わることを回避するため、ハウジング1.21の外壁および凹部の第1の内壁3.11は相応に形成された。
【0029】
図5では、ハウジング1.21および筐体3の詳細
図D(
図4)を示している。それによれば、ハウジング1.21を包囲するトレランスリング2は、凹部3.1内で、径方向において第1の区間1.211と第4の区間3.114との間にあるように配置されている。同様に、トレランスリング2は、径方向において第2の区間1.212と第3の区間3.113との間にもある。圧縮された、つまり径方向に押しつぶされた溝2.1に基づいて、トレランスリング2は径方向に挟持されている。ハウジング1.21は、第1の区間1.211と第2の区間1.212との間に第1の円錐面1.215が存在するように形成されている。さらに筐体3は、第3の区間3.113と第4の区間3.114との間で、第1の内壁3.11が第2の円錐面3.115を有するように設計されている。トレランスリング2は、とりわけ第1の円錐面1.215と第2の円錐面3.115との間で挟持されている。この形成形態によって保持力が上昇し、これによりさらに、アセンブリのコンポーネント内での温度変動または温度差によりロータリエンコーダ1の第1の部品群1.1が第2の部品群1.2に対して有意に移動することが効果的に阻止される。したがって、変化しない走査間隔zも保証され得る。
【符号の説明】
【0030】
1 ロータリエンコーダ
1.11 シャフト
1.12 スケール要素
1.21 ハウジング
1.211 第1の区間
1.212 第2の区間
1.215 第1の円錐面
1.22 走査ユニット
2 トレランスリング
3 筐体
3.1 凹部
3.11 第1の内壁
3.113 第3の区間
3.114 第4の区間
3.115 第2の円錐面
3.12 第2の内壁
A 軸
R1 第1の間隔
r2 第2の間隔
r3 第3の間隔
R4 第4の間隔
【外国語明細書】