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特開2022-173833排泄物検出システム、使い捨ておむつ、及び、排泄物検出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173833
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】排泄物検出システム、使い捨ておむつ、及び、排泄物検出プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/44 20060101AFI20221115BHJP
   A61F 13/42 20060101ALI20221115BHJP
   A61F 13/514 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
A61F5/44 S
A61F13/42 B
A61F13/42 Z
A61F13/514 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079796
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】丹治 浩之
(72)【発明者】
【氏名】原田 裕之
【テーマコード(参考)】
3B200
4C098
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200CA08
3B200DA25
3B200DF02
4C098AA09
4C098CC03
4C098CC12
4C098CC27
4C098CD08
4C098CD09
4C098CE05
4C098CE06
(57)【要約】
【課題】インジケータを備えた使い捨ておむつ等を使用する際に、排泄物中の成分を正確に検出可能にする。
【解決手段】排泄物と接触することにより変色する排泄物インジケータ(150)を備えた使い捨ておむつ(1)を使用する際に、排泄物の成分を検出する排泄物検出システム(1)であって、排泄物インジケータ(150)の少なくとも一部と、基準色部(160)の少なくとも一部とを含む領域を撮影する撮影部(12)と、撮影部(12)によって撮影された画像から、排泄物インジケータ(150)の少なくとも一部の画像部分及び基準色部(160)の少なくとも一部の画像部分を特定し、排泄物インジケータ(150)における変色後の色と、基準色部の色と(150)を比較する制御部(11)と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄物と接触することにより変色する排泄物インジケータを備えた使い捨ておむつを使用する際に、排泄物の成分を検出する排泄物検出システムであって、
前記排泄物インジケータの少なくとも一部と、基準色部の少なくとも一部とを含む領域を撮影する撮影部と、
前記撮影部によって撮影された画像から、前記排泄物インジケータの少なくとも一部の画像部分及び前記基準色部の少なくとも一部の画像部分を特定し、前記排泄物インジケータにおける変色後の色と、前記基準色部の色とを比較する制御部と、
を有する、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【請求項2】
請求項1に記載の排泄物検出システムであって、
前記基準色部を更に備えた前記使い捨ておむつにおいて、前記排泄物の成分を検出する、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の排泄物検出システムであって、
前記基準色部は、前記排泄物の成分を検出するための或る基準色と、当該或る基準色とは異なる他の基準色を有している、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【請求項4】
請求項3に記載の排泄物検出システムであって、
前記使い捨ておむつは、吸収性本体を有しており、
前記排泄物インジケータ及び前記基準色パターンは、前記使い捨ておむつを展開した状態における前記吸収性本体の長手方向に沿って配置されている、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の排泄物検出システムであって、
前記排泄物インジケータは、尿と接触することにより変色する尿インジケータである、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の排泄物検出システムであって、
前記使い捨ておむつは、前記排泄物インジケータの前記画像部分の特定を補助するためのマーカーを有している、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【請求項7】
請求項6に記載の排泄物検出システムであって、
前記マーカーの色は、前記基準色、変色前の前記排泄物インジケータの色、及び、変色後の前記排泄物インジケータの色の何れとも異なる色である、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【請求項8】
請求項6または7に記載の排泄物検出システムであって、
前記使い捨ておむつは、互いに交差する上下方向と左右方向とを有し、
前記マーカーは、前記上下方向において前記基準色部を挟み込むように、少なくとも一対配置されている、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【請求項9】
請求項6~8のいずれか1項に記載の排泄物検出システムであって、
前記使い捨ておむつは、互いに交差する上下方向と左右方向とを有し、
前記マーカーは、前記左右方向において前記排泄物インジケータを挟み込むように、少なくとも一対配置されている、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【請求項10】
請求項6~9のいずれか1項に記載の排泄物検出システムであって、
前記使い捨ておむつは、互いに交差する上下方向と左右方向とを有し、
前記マーカーは、前記使い捨ておむつの前記上下方向における下端位置よりも上側に所定距離だけ離間して設けられている、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【請求項11】
請求項6~9のいずれか1項に記載の排泄物検出システムであって、
前記制御部は、前記排泄物インジケータにおける変色後の色と、前記基準色部の色とを比較した結果に基づいて、前記使い捨ておむつの着用者がトイレトレーニングを開始する時期として適しているか否かを通知する、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【請求項12】
請求項11に記載の排泄物検出システムであって、
前記排泄物インジケータにおける変色後の色と、前記基準色部の色とを比較した結果を記憶する記憶部を有し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された複数の前記比較の結果に基づいて、前記使い捨ておむつの着用者がトイレトレーニングを開始する時期として適しているか否かを通知する、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の排泄物検出システムであって、
前記使い捨ておむつは、液吸収性の吸収性コアを有しており、
展開した状態の前記使い捨ておむつを厚さ方向に見たときに、前記排泄物インジケータ及び前記基準色部は、何れも前記吸収性コアと重複して配置されている、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【請求項14】
アプリケーションを用いて排泄物の成分を検出するための使い捨ておむつであって、
排泄物と接触することにより変色する排泄物インジケータと、
基準色部と、を有し、
前記排泄物インジケータの少なくとも一部と前記基準色部の少なくとも一部とが含まれる領域を撮影することが可能なように、前記基準色部が配置されており、
前記アプリケーションを用いて、前記領域を撮影した画像から、前記排泄物インジケータにおける変色後の色と前記基準色部の色とを比較した結果に基づいて、前記排泄物の成分が検出される、ことを特徴とする使い捨ておむつ。
【請求項15】
排泄物と接触することにより変色する排泄物インジケータを備えた使い捨ておむつを使用する際に、コンピューターを用いて排泄物の成分を検出する排泄物検出プログラムであって、
前記排泄物インジケータの少なくとも一部と、基準色部の少なくとも一部とを含む領域を撮影する撮影処理と、
前記撮影処理において撮影された画像から、前記排泄物インジケータの少なくとも一部の画像部分及び前記基準色部の少なくとも一部の画像部分を特定し、前記排泄物インジケータにおける変色後の色と、前記基準色部の色とを比較する比較処理と、
を前記コンピューターに実行させる、ことを特徴とする排泄物検出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排泄物検出システム、使い捨ておむつ、及び、排泄物検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品の一例として、使い捨ておむつが知られている。このような使い捨ておむつには、排泄物の吸収量を視覚化し、おむつの取り換え時期をユーザーに知らせるためのインジケータ機能を有するものがある。そして、このようなインジケータを、使用者の健康状態を判断するために利用することが提案されている。例えば、特許文献1には、使い捨ておむつの吸収層に、使用者の体液中の成分に応じて呈色反応する反応試薬を含むことで、使用者の健康状態を把握できるようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-152264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような呈色反応を用いたインジケータでは、呈色反応の判断を人間の目視に頼っているため、インジケータの微妙な色の変化を把握することは困難であり、体液(例えば尿)中に含まれる成分を正確に検出することは難しかった。例えば、乳幼児のトイレトレーニング開始時期を決定する際には、当該乳幼児の身体の成長の度合いを正確に把握する必要がある。これに対して、特許文献1のような従来のインジケータでは、色の変化を正確に把握し難く、尿等の排泄物中に含まれる成分を正確に検出することが困難であった。そのため、乳幼児の身体の成長の度合いを正確に判断するのには適していなかった。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、インジケータを備えた使い捨ておむつ等を使用する際に、排泄物中の成分を正確に検出可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、排泄物と接触することにより変色する排泄物インジケータを備えた使い捨ておむつを使用する際に、排泄物の成分を検出する排泄物検出システムであって、前記排泄物インジケータの少なくとも一部と、基準色部の少なくとも一部とを含む領域を撮影する撮影部と、前記撮影部によって撮影された画像から、前記排泄物インジケータの少なくとも一部の画像部分及び前記基準色部の少なくとも一部の画像部分を特定し、前記排泄物インジケータにおける変色後の色と、前記基準色部の色とを比較する制御部と、を有する、ことを特徴とする排泄物検出システムである。
【0007】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インジケータを備えた使い捨ておむつ等を使用する際に、排泄物中の成分を正確に検出可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】排泄物検出システム1を構成する検出装置10の一例を示す図である。
図2】排泄物検出システム1が複数の検出装置10によって構成される場合の例について表す図である。
図3】使い捨ておむつ100の概略斜視図である。
図4】展開且つ伸長状態の使い捨ておむつ100の平面図及び断面図である。
図5】排泄物検出システム1による排泄物検出処理のフローを表す図である。
図6】S101において撮影される領域について説明する図である。
図7図6の撮影領域FAを拡大して表した図である。
図8】おむつ100に設けられた排泄物インジケータ150及び基準色部160(マーカー170)を実際に撮影する際の様子について説明する図である。
図9】おむつ100の表面に歪みが生じている場合における撮影領域FAを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
排泄物と接触することにより変色する排泄物インジケータを備えた使い捨ておむつを使用する際に、排泄物の成分を検出する排泄物検出システムであって、前記排泄物インジケータの少なくとも一部と、基準色部の少なくとも一部とを含む領域を撮影する撮影部と、前記撮影部によって撮影された画像から、前記排泄物インジケータの少なくとも一部の画像部分及び前記基準色部の少なくとも一部の画像部分を特定し、前記排泄物インジケータにおける変色後の色と、前記基準色部の色とを比較する制御部と、を有する、ことを特徴とする排泄物検出システム。
【0011】
このような排泄物検出システムによれば、排泄物インジケータが変色した部分と基準色部との色を比較することによって、排泄物中に含まれる成分(例えば尿比重)を正確に検出することができる。これにより、排泄物の成分に基づいて着用者の身体の成長の度合いを客観的に認識することが可能となり、着用者のトイレトレーニングの開始可能時期等の判断を行いやすくすることができる。
【0012】
かかる排泄物検出システムであって、前記基準色部を更に備えた前記使い捨ておむつにおいて、前記排泄物の成分を検出する、ことが望ましい。
【0013】
このような排泄物検出システムによれば、排泄物インジケータと基準色部とが同じ使い捨ておむつに設けられているので、光の当たり方やおむつの歪み具合等について同じ条件で排泄物インジケータの色と基準色部の色とを比較しやすくなる。したがって、排泄物の成分をより正確に検出することができる。
【0014】
かかる排泄物検出システムであって、前記基準色部は、前記排泄物の成分を検出するための或る基準色と、当該或る基準色とは異なる他の基準色を有している、ことが望ましい。
【0015】
このような排泄物検出システムによれば、複数種類の基準色からなるパターンを有する基準色部を用いることによって、呈色反応が生じた後の排泄物インジケータの色を、複数の基準色と簡単に比較することができるので、排泄物の成分をより正確に検出しやすくすることができる。
【0016】
かかる排泄物検出システムであって、前記使い捨ておむつは、吸収性本体を有しており、前記排泄物インジケータ及び前記基準色パターンは、前記使い捨ておむつを展開した状態における前記吸収性本体の長手方向に沿って配置されている、ことが望ましい。
【0017】
このような排泄物検出システムによれば、排泄物インジケータが吸収性本体の長手方向に沿って配置されているため、尿等の排泄物と接触した際に呈色反応が生じる領域を長手方向に沿って広く視認しやすくなる。そして、その排泄物インジケータと並列に、複数色のパターンを有する基準色部が長手方向に沿って配置されていることにより、呈色反応後の排泄物インジケータと複数種類の基準色との比較がより行いやすくなる。これにより、排泄物の成分をより正確に検出しやすくすることができる。
【0018】
かかる排泄物検出システムであって、前記排泄物インジケータは、尿と接触することにより変色する尿インジケータである、ことが望ましい。
【0019】
このような排泄物検出システムによれば、尿は、流動性が高いため、広く拡散して排泄物インジケータに到達しやすい。したがって、排泄物インジケータと尿との接触面積が広くなり、広範囲にわたって呈色反応が生じやすくなる。これにより、排泄物インジケータの色の変化を認識しやすくなり、尿の成分を検出しやすくすることができる。
【0020】
かかる排泄物検出システムであって、前記使い捨ておむつは、前記排泄物インジケータの前記画像部分の特定を補助するためのマーカーを有している、ことが望ましい。
【0021】
このような排泄物検出システムによれば、マーカー目印とすることで、基準色部及び排泄物インジケータが含まれている領域を撮影領域として決定しやすくなる。すなわち、排泄物インジケータと基準色部とが写った画像を撮影しやすくなる。また、当該画像において排泄物インジケータの画像部分と基準色部の画像部分とを特定しやすくなる。
【0022】
かかる排泄物検出システムであって、前記マーカーの色は、前記基準色、変色前の前記排泄物インジケータの色、及び、変色後の前記排泄物インジケータの色の何れとも異なる色である、ことが望ましい。
【0023】
このような排泄物検出システムによれば、基準色部や排泄物インジケータの一部が誤ってマーカーとして認識(誤認)されてしまうことを抑制できる。したがって、基準色部や排泄物インジケータの画像部分をより正確に特定することができる。
【0024】
かかる排泄物検出システムであって、前記使い捨ておむつは、互いに交差する上下方向と左右方向とを有し、前記マーカーは、前記上下方向において前記基準色部を挟み込むように、少なくとも一対配置されている、ことが望ましい。
【0025】
このような排泄物検出システムによれば、一対のマーカーによって上下方向に挟まれた領域を基準色部の画像部分として特定しやすくなる。このように、マーカーを利用することによって、基準色部の画像部分を正確に特定することが可能となるため、誤検出等を抑制しやすくすることができる。
【0026】
かかる排泄物検出システムであって、前記使い捨ておむつは、互いに交差する上下方向と左右方向とを有し、前記マーカーは、前記左右方向において前記排泄物インジケータを挟み込むように、少なくとも一対配置されている、ことが望ましい。
【0027】
このような排泄物検出システムによれば、一対(二対)のマーカーによって左右方向に挟まれた領域を排泄物インジケータの画像部分として特定しやすくなる。このように、マーカーを利用することによって、排泄物インジケータの画像部分を正確に特定することが可能となるため、誤検出等を抑制しやすくすることができる。
【0028】
かかる排泄物検出システムであって、前記使い捨ておむつは、互いに交差する上下方向と左右方向とを有し、前記マーカーは、前記使い捨ておむつの前記上下方向における下端位置よりも上側に所定距離だけ離間して設けられている、ことが望ましい。
【0029】
このような排泄物検出システムによれば、上下方向の下端位置(すなわち、股下部)から上側に所定距離だけ離間してマーカーが配置されているため、マーカーがおむつの股下部に隠れて視認され難くなることを抑制できる。このような配置であれば、マーカーを含んだ領域を撮影しやすくなり、また、マーカーを目印とすることで排泄物インジケータや基準色部の画像部分をより特定しやすくすることができる。
【0030】
かかる排泄物検出システムであって、前記制御部は、前記排泄物インジケータにおける変色後の色と、前記基準色部の色とを比較した結果に基づいて、前記使い捨ておむつの着用者がトイレトレーニングを開始する時期として適しているか否かを通知する、ことが望ましい。
【0031】
このような排泄物検出システムによれば、ユーザーは、着用者(乳幼児)の排泄物中の成分(例えば尿比重)が所定の値よりも高いか低いかを明確に認識すると共に、トイレトレーニングの開始可能時期を把握することができる。つまり、尿比重値に基づいて、乳幼児の身体的成長の度合いを客観的に把握することが可能となり、トイレトレーニングをいつ開始すればよいか、適切に判断することができるようになる。
【0032】
かかる排泄物検出システムであって前記排泄物インジケータにおける変色後の色と、前記基準色部の色とを比較した結果を記憶する記憶部を有し、前記制御部は、前記記憶部に記憶された複数の前記比較の結果に基づいて、前記使い捨ておむつの着用者がトイレトレーニングを開始する時期として適しているか否かを通知する、ことが望ましい。
【0033】
このような排泄物検出システムによれば、複数の検出結果を蓄積することによって、より精度の高いデータベースを構築することができる。このようにすれば、蓄積された複数(複数回)のデータに基づいた情報をユーザーにフィードバックすることが可能となるため、より精度の高い判定を行うことが可能となる。
【0034】
かかる排泄物検出システムであって前記使い捨ておむつは、液吸収性の吸収性コアを有しており、展開した状態の前記使い捨ておむつを厚さ方向に見たときに、前記排泄物インジケータ及び前記基準色部は、何れも前記吸収性コアと重複して配置されている、ことが望ましい。
【0035】
このような排泄物検出システムによれば、剛性の高い吸収性コアと重複していることで、排泄物インジケータ及び基準色部を撮影する際に、撮影範囲が大きく撓んだり歪んだりすることが抑制され、明瞭な画像を撮影しやすくなる。
【0036】
また、アプリケーションを用いて排泄物の成分を検出するための使い捨ておむつであって、排泄物と接触することにより変色する排泄物インジケータと、基準色部と、を有し、前記排泄物インジケータの少なくとも一部と前記基準色部の少なくとも一部とが含まれる領域を撮影することが可能なように、前記基準色部が配置されており、前記アプリケーションを用いて、前記領域を撮影した画像から、前記排泄物インジケータにおける変色後の色と前記基準色部の色とを比較した結果に基づいて、前記排泄物の成分が検出される、ことを特徴とする使い捨ておむつが明らかとなる。
【0037】
このような使い捨ておむつによれば、排泄物インジケータが変色した部分と基準色部との色を比較することによって、排泄物中に含まれる尿比重等の成分を正確に検出することができる。これにより、排泄物の成分に基づいて着用者の身体の成長の度合いを客観的に認識することが可能となり、トイレトレーニングの開始可能時期等の判断を行いやすくすることができる。
【0038】
また、排泄物と接触することにより変色する排泄物インジケータを備えた使い捨ておむつを使用する際に、コンピューターを用いて排泄物の成分を検出する排泄物検出プログラムであって、前記排泄物インジケータの少なくとも一部と、基準色部の少なくとも一部とを含む領域を撮影する撮影処理と、前記撮影処理において撮影された画像から、前記排泄物インジケータの少なくとも一部の画像部分及び前記基準色部の少なくとも一部の画像部分を特定し、前記排泄物インジケータにおける変色後の色と、前記基準色部の色とを比較する比較処理と、を前記コンピューターに実行させる、ことを特徴とする排泄物検出プログラムが明らかとなる。
【0039】
このような排泄物検出プログラムによれば、排泄物インジケータが変色した部分と基準色部との色を比較することによって、排泄物中に含まれる尿比重等の成分を正確に検出することができる。これにより、排泄物の成分に基づいて着用者の身体の成長の度合いを客観的に認識することが可能となり、トイレトレーニングの開始可能時期等の判断を行いやすくすることができる。
【0040】
===実施形態===
<排泄物検出システム1の基本構成>
はじめに、使い捨ておむつに設けられた排泄物インジケータの色の変化を読み取って、排泄物の成分を検出する排泄物検出システム1(以下、検出システム1とも呼ぶ)について説明する。図1は、本実施形態に係る排泄物検出システム1を構成する検出装置10の一例を示す図である。検出装置10は、制御部11と、撮影部12と、記憶部13と、通信部14とを有している。
【0041】
制御部11は、検出装置10において各部間のデータの受け渡しを行うととともに、検出システム1全体の制御を行うものである。また、本実施形態において制御部11は、記憶部13や所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって、後述する排泄物インジケータ150や、基準色部160の画像を処理し、排泄物インジケータにおける変色後の色と、基準色部の色とを比較して、排泄物中に含まれる成分を検出する処理を行う。制御部11による排泄物検出処理の具体的な動作については後で説明する。
【0042】
撮影部12は、使い捨ておむつに設けられた排泄物インジケータ150や、基準色部160の画像を撮影して画像データとして取得するものであり、例えば、CCDカメラ等によって実現される。
【0043】
記憶部13は、撮影部12によって撮影された画像データや、制御部11によって検出された排泄物の成分のデータ等を記憶するものであり、例えば、フラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性記憶装置によって実現される。
【0044】
通信部14は、制御部11の指令に応じて各種データや信号を、サーバー装置や他のシステムとの間で送受信するためのものであり、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0045】
本実施形態における検出装置10としては、例えば、スマートフォンやパーソナルコンピューターを利用可能である。その場合、上述した各部の他に、使用者が操作入力を行うための入力部や、撮影された排泄物インジケータ150等の画像や、排泄物の検出結果を表示するための表示部を備えていることが望ましい。このような機能を備えた検出装置10であれば、単独で排泄物検出システム1を構成することが可能である。
【0046】
一方、複数の検出装置10によって排泄物検出システム1が構成されるのであっても良い。図2は、排泄物検出システム1が複数の検出装置10によって構成される場合の例について表す図である。同図2において、排泄物検出システム1は、複数の検出装置10と、インターネット等のネットワークを介して複数の検出装置10の各々と接続されたサーバー装置20とを含んで構成される。サーバー装置20は、一般的なコンピューター等の情報処理装置である。この場合、上述した検出装置10の制御部11と同等の機能をサーバー装置20に持たせ、各々のユーザーが所有している検出装置10からそれぞれサーバー装置20にアクセスすることで、検出システム1を利用することができるようにしても良い。また、複数のユーザー(検出装置10)によるデータをサーバー装置20で一括して管理することができるため、多様なデータに基づいてより正確な排泄物検出を行うことができる。
【0047】
<排泄物インジケータを備えたおむつについて>
次に、排泄物検出システム1を用いて排泄物を検出する際の対象となる、排泄物インジケータ150を備えた使い捨ておむつ100(以下、「おむつ100」とも呼ぶ)について説明する。図3は、使い捨ておむつ100の概略斜視図である。図4は、展開且つ伸長状態の使い捨ておむつ100の平面図及び断面図である。なお、おむつ100の「伸長状態」とは、おむつ100全体(製品全体)を皺なく伸長させた状態、具体的には、おむつ100を構成する各部材(例えば、後述する吸収性本体110等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い寸法になるまで伸長させた状態のことを言う。
【0048】
おむつ100は、図3に示されるパンツ型状態において、互いに交差する上下方向と左右方向と前後方向とを有し、胴回り開口BHと一対の脚回り開口LH,LHとを有している。上下方向の上側が胴回り開口BH側に対応し、下側が股下側に対応する。また、前後方向の前側が着用者の腹側に対応し、後側が着用者の背側に対応する。また、図4の展開状態において、おむつ100は、互いに交差する縦方向と横方向とを有する。縦方向は、図1における上下方向に沿った方向であり、吸収性本体110の長手方向にも相当する。横方向は、図1における左右方向に沿った方向である。また、図4のA-A断面に示すように、おむつ100を構成する資材が積層された方向を厚さ方向とする。厚さ方向において着用者の肌と接する側を肌側とし、その反対側を非肌側とする。
【0049】
図3及び図4に示されるように、おむつ100は、第1部品として、着用者の股間部にあてがわれ尿等の排泄物を吸収する吸収性本体110を有している。また、第2部品として、吸収性本体110の非肌側に配置され、着用者の腹側部を覆う前側胴回り部120を有している。同様に、第3部品として、着用者の背側部を覆う後側胴回り部130を有している。すなわち、おむつ100は、所謂3ピースタイプのパンツ型おむつである。但し、おむつ100はこのような3ピースタイプのパンツ型に限られるものではなく、ファスニングテープを用いて胴回りを固定するテープ型使い捨ておむつやその他の使い捨ておむつであっても良い。
【0050】
図4の展開状態では、前側胴回り部120と後側胴回り部130とが互いに縦方向に間隔を空けて平行に並んだ状態で、これらの間に吸収性本体110が掛け渡されつつ、同吸収性本体110の長手方向(縦方向)の各端部がそれぞれ最寄りの胴回り部120,130の肌側に接合固定されており、その外観形状は平面視略H形状をなしている。そして、この状態から、縦方向の中央位置CLを折り位置(二つ折り線)として吸収性本体110が二つ折りされる。この二つ折りの状態において互いに対向する前側胴回り部120と後側胴回り部130とが、左右方向両側の側部125及び側部135にて互いに接合・連結され、一対のサイド接合部が形成される。すなわち、一対のサイド接合部(125,135)によって前側胴回り部120と後側胴回り部130とが環状に成形され、図1に示されるようなパンツ型形状となる。
【0051】
吸収性本体110は、排泄液を吸収する吸収性コア111と、吸収性コア111よりも厚さ方向の肌側に配置されたトップシート112と、吸収性コア111よりも非肌側に配置されたバックシート113とを有する(図4のA-A断面参照)。そして、吸収性コア111とバックシート113との厚さ方向の間には、後述する排泄物インジケータ150及び、基準色部160が設けられている。
【0052】
吸収性コア111は、尿等の排泄液を吸収して保持する部材であり、例えば高吸収性ポリマー(SAP)が混入したパルプ繊維等の液体吸収性繊維により形成される。なお、吸収性コア111は、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性のシート部材(不図示のコアラップシート等)によって、外周面が覆われていても良い。トップシート112は、液透過性のシートであり、例えば親水性のエアスルー不織布やスパンボンド不織布等が用いられる。バックシート113は、液不透過性シート113aと、その非肌側に配された疎水性の外装シート113bと、の二層構造である。液不透過性シート113aとしては、例えば樹脂フィルム等が用いられ、外装シート113bとしては、例えば柔軟性を有する疎水性の不織布が用いられる。
【0053】
また、図4では示されていないが、吸収性本体110の横方向の両側に、着用者の肌側に起立可能な一対の防漏壁部(所謂、立体ギャザー)が設けられていても良いし、おむつ100の着用時のフィット性を高めるために脚回り開口LHに沿って、糸ゴム等の弾性部材が設けられていても良い。
【0054】
前側胴回り部120及び後側胴回り部130は、例えば、SMS不織布等の平面視長方形状のシート部材が厚さ方向に2枚以上積層され、積層されたシート部材間に、左右方向に伸縮可能な糸ゴム等のシート部材を挟み込みことによって形成される。これにより、胴回り部120,130は、着用者の胴回りに沿って伸縮性を発現する(図3参照)。
【0055】
<排泄物インジケータ150>
排泄物インジケータ150は、排泄物中に含まれる反応因子と接触することによって所定の反応(例えば呈色反応)を呈することにより、排泄物が排出されたことを検知する部位である。本実施形態において、排泄物インジケータ150は、例えば尿のpHを反応因子として、尿と接触した際に呈色反応を示すことによって排尿を検出することが可能な尿インジケータである。排泄物インジケータ150(尿インジケータ)は、従来の一般的なおむつに採用されているpH指示薬を含むインジケータと同様にして構成することができる。
【0056】
本実施形態における排泄物インジケータ150は、図4に示されるように、横方向(左右方向)の中央部において、縦方向(吸収性本体110の長手方向)に沿って延びる帯状に形成されており、吸収性コア111の非肌側面に当接するように設けられている。具体的には、バックシート113(液不透過性シート113a)の肌側面の所定の領域に、pH指示薬等の化学成分を含んだ接着剤(ホットメルト接着剤等)を塗工することによって形成される。但し、その他の方法によって排泄物インジケータ150が形成されていても良い。例えば、pH指示薬を含んだ帯状のシート部材を吸収性コア111の非肌側面に配置することによって排泄物インジケータ150が形成されるのであっても良い。
【0057】
おむつ100の着用者によって排尿が行われると、吸収性コア111で吸収された尿が、厚さ方向の肌側から非肌側に浸透する。そして、吸収性コア111の非肌側面に設けられた排泄物インジケータ150に尿が接触すると、その接触部分において呈色反応が生じる。これにより、呈色反応を生じた領域が、厚さ方向の非肌側からバックシート113を透かして視認可能となり、ユーザーは、排泄された尿の吸収量を視覚的に認識しやすくなる。さらに、排泄物インジケータ150の呈色反応後の色の変化の度合いによって、尿中に含まれる成分を正確に検出することが可能である。
【0058】
例えば、本実施形態では、排泄物インジケータ150の呈色反応後の色に基づいて、「尿比重」を検出することができる。おむつ100の着用者が乳幼児である場合、排泄された尿の尿比重は、当該乳幼児の成長の程度を把握するための指標となる。すなわち、ユーザー(例えば乳幼児の保護者)は、尿比重の大きさに基づいて、乳幼児の身体的発達の度合いを客観的に判断することができる。これにより、乳幼児がおむつ離れのためのトイレトレーニングを開始可能か否か正確に判断できるようになるため、適切な時期にトイレトレーニングを開始すること等が可能となる。尿比重を検出する際の具体的な方法については後で説明する。
【0059】
<基準色部160>
基準色部160は、排泄物インジケータ150の呈色反応後の色と比較するための基準色が表示された部位である。本実施形態では、左右方向において、排泄物インジケータ150の両側に所定距離だけ離間して一対の基準色部160L,160Rが設けられている。基準色部160L,160Rに含まれる色は、検出対象である「尿比重」の大きさに対応した色となっている。例えば、尿比重の大きさが「X」である尿と接触したときの排泄物インジケータ150の呈色反応後の色が「Cx」である場合、基準色部160に色「Cx」が含まれていれば、当該基準色部160の色「Cx」と、呈色反応後の排泄物インジケータ150の色とを比較することにより、排泄された尿に含まれる尿比重の大きさが「X」より大きいか小さいかを容易に検出することができる。本実施形態では、基準色部160L,160Rが各々複数段階(図4では5段階)の色のパターンを含んでいることから、尿比重の大きさを当該色の段階(5段階)に応じて細かく検出することが可能である。
【0060】
基準色部160は、吸収性コア111とバックシート113との厚さ方向の間に、検出したい「尿比重」の大きさに対応した色を有するシート部材を、排泄物インジケータ150に沿うように配置することによって形成される。横方向及び厚さ方向において基準色部160と排泄物インジケータ150とがなるべく近くなるように配置することで、後述する排泄物検出処理を実施する際に、色の比較を正確に行いやすくすることができる。
【0061】
なお、図4の例では、基準色部160(160L,160R)がおむつ100の腹側(縦方向において、中央位置CLよりも前側)の領域にのみ設けられているが、同様の基準色部160が背側(縦方向において、中央位置CLよりも背側)に設けられていても良い。基準色部160が腹側、背側の両方に設けられていることで、例えば乳幼児の姿勢(立位、うつ伏せ、仰向け等)によって排泄物が腹側、背側のどちらか一方に偏って吸収された場合、どちら側に吸収されたとしても基準色部160の色と排泄物インジケータ150の変色後の色との比較を正確に行いやすくすることができる。
【0062】
また、おむつ100では、排泄物インジケータ150の横方向(左右方向)における両側、且つ、基準色部160の縦方向(上下方向)における両側に、それぞれマーカー170が設けられている。マーカー170は、排泄物インジケータ150の呈色後の色と基準色部160との比較を行う際に、比較対象となる領域の特定を補助するために利用できる。マーカー170の詳細については後で説明する。
【0063】
なお、排泄物中に含まれる反応因子と接触することによって所定の反応(例えば呈色反応)を呈する排泄物インジケータ150は、腹側又は背側の一方にのみに設けられてもよい。また、それに伴い、基準色部160も腹側又は背側の一方にのみに設けられてもよい。
【0064】
対象とする反応因子によっては排泄物インジケータ150に含まれる試薬が光(紫外線)等によって劣化、変性する可能性があり、おむつ100の腹側及び背側の両方に排泄物インジケータ150が配置されていると、光等の影響によって排泄物インジケータ150の検出機能が毀損されてしまう場合がある。例えば、おむつ100が市場に流通する際には、図3のように縦方向の中央位置CL(すなわち股下部)にて前後に折り曲げられた状態のおむつ100が、前後方向(厚さ方向)に複数重ねられ、フィルム等の包装材によって包装されたパッケージ(包装体)として流通する。このようなパッケージの内部で、包装材に隣接する位置に配置されているおむつ100は、腹側又は背側のどちらか一方側の面が、包装フィルムを透過した太陽光等の光に晒されやすくなる。この場合、光に晒されやすい面に配置された排泄物インジケータ150が劣化、変性してしまうおそれがある。
【0065】
これに対して、腹側又は背側の一方にのみ排泄物インジケータ150を設けられていれば、当該排泄物インジケータ150が設けられた面が内側になるようにおむつ100を重ねて包装することで、排泄物インジケータ150が光等に晒されることを抑制することができる。したがって、おむつ100を複数まとめて流通させたり保管したりする際に、排泄物インジケータ150の劣化や変性を抑制し易くすることができる。
【0066】
また、前述の通り、おむつ100がパッケージとして流通される場合、包装材に隣接する位置に配置されているおむつ100では、縦方向の中央位置CL(股下部)にて前後に折り曲げられた部分が包装フィルムを透過した太陽光等の光に晒されやすくなり排泄物インジケータ150が劣化、変性してしまうおそれがある。そのため、おむつ100は、縦方向の中央位置CL(股下部)に排泄物インジケータ150を設けないようにしてもよい。これにより、排泄物インジケータ150が光などに晒されて劣化してしまうこと等を抑制することができる。また、おむつ100を包装するパッケージ(包装体)面の一部、例えば、少なくとも封入されたおむつ100の排泄物インジケータ150が隣接する面は遮光素材などとするようにしてもよい。
【0067】
また、基準色部160は必ずしもおむつ100と一体的に設けられていなくても良い。例えば、図4に示されるような基準色部160とほぼ同じ構成を有する別体の基準色部を用いるのであっても良い。この場合、後述する排泄物検出処理で排泄物インジケータ150の画像を撮影する際に(図5のS101参照)、当該別体の基準色部が排泄物インジケータ150と同じ画像に写るように位置を調整して撮影を行う。
【0068】
<排泄物検出処理>
排泄物検出システム1を用いて、排泄物中に含まれる成分(尿比重)を検出する際の具体的な処理について説明する。なお、以下では、尿比重を検出する際の処理について説明するが、排泄物中に含まれる他の成分を検出することも可能である。例えば、基準色部160に含まれる色を、検出したい成分に対応した色となるように適当に設定して、排泄物インジケータ150の呈色反応後の色と比較することによって、当該成分を検出することができる。
【0069】
図5は、排泄物検出システム1による排泄物検出処理のフローを表す図である。排泄物検出処理では、先ず、撮影部12を用いて、排泄(排尿)が行われたおむつ100のうち、排泄物インジケータ150の少なくとも一部と、基準色部160の少なくとも一部を含む領域を撮影して画像データとして取得する撮影処理が行われる(S101)。
【0070】
図6は、S101において撮影される領域について説明する図である。同図6では、パンツ型形状のおむつ100を伸長させた状態で、前後方向の前側(腹側)から見たときの様子を示しており、排泄された尿と接触した部分において排泄物インジケータ150が呈色反応を生じ、図6の斜線部で示されるような呈色領域150cが形成された状態を表している。
【0071】
検出システム1を用いた排泄物検出処理では、この呈色領域150cと基準色部160(160L,160R)とで色の比較を行いやすいように、両者が同じ画面に写った画像データを取得することが望ましい。そのため、図6の太破線で囲まれるような、呈色領域150c及び基準色部160(160L,160R)を含んだ撮影領域FAを設定し、当該撮影領域FAについて撮影を行う。実際に撮影を行う際には、複数のマーカー170を目印として撮影領域FAを決定すると良い。
【0072】
図6に示されるように、マーカー170は、横方向(左右方向)において排泄物インジケータ150の両側、且つ、縦方向(上下方向)において基準色部160の両側にそれぞれ一対ずつ設けられている。具体的に、排泄物インジケータ150の右側において、基準色部160Rの上端よりも上側にマーカー170RUが設けられ、基準色部160Rの下端よりも下側にマーカー170RDが設けられている。同様に、排泄物インジケータ150の左側において、基準色部160Lの上端よりも上側にマーカー170LUが設けられ、基準色部160Lの下端よりも下側にマーカー170LDが設けられている。すなわち、上下方向(吸収性本体110の長手方向)において基準色部160L,160Rを挟み込むようにそれぞれ一対のマーカー170が配置され、左右方向において排泄物インジケータ150を挟み込むようにして二対のマーカー170が配置されている。
【0073】
これら4つのマーカー170RU~170LDによって囲まれた領域には、少なくとも基準色部160L,160R及び排泄物インジケータ150の一部(呈色領域150c)が含まれている可能性が高い。また、マーカー170は、S101で取得された画像データ中から、呈色領域150c及び基準色部160を特定する処理(次工程のS102)でも利用される。したがって、撮影領域FAは、4つのマーカー170が含まれるように設定されることが望ましい。
【0074】
なお、使用後のおむつ100を撮影する際には、排泄物が付着した吸収性本体110の肌側面が内側となるように、おむつ100を図6のようなパンツ型形状として撮影することで、排泄物が外側に漏れ難くなり、撮影者の負担を軽減することができる。但し、実際の撮影時には、おむつ100を必ずしも伸長状態として撮影する必要はなく、ある程度、おむつ100の形状が歪んでいたり、表面に皺が形成されていたりしていてもよい。
【0075】
次いで、図5に戻って、検出装置10の制御部11(若しくはサーバー装置20)は、S101にて取得された撮影領域FAの画像データ中から、色の検出対象となる部分、すなわち呈色領域150c及び基準色部160(160L,160R)の領域を特定する処理を行う(S102)。本実施形態では、マーカー170を利用して呈色領域150c及び基準色部160の画像部分を特定することができる。制御部11は、先ず、上述した4つのマーカー170RU,170RD,170LU,170LDを特定する。そして、上下方向(吸収性本体110の長手方向)に隣り合い、且つ、左右方向の同じ位置に配置された二つのマーカー(例えば、マーカー170RU及びマーカー170RD)によって挟まれている領域のうち、吸収性本体110のバックシート113を構成するシート部材(不織布)とは異なる色を有している領域を基準色部160(例えば、基準色部160R)の画像部分として特定する。
【0076】
また、左右方向に隣り合い、且つ、上下方向の同じ位置に配置された二つのマーカー(例えば、マーカー170RD及びマーカー170LD)の間の中間部に位置する所定の幅を有する領域のうち、バックシート113を構成するシート部材(不織布)とは異なる色を有している領域を排泄物インジケータ150の画像部分として特定する。そして、排泄物インジケータ150のうち、呈色反応を生じている部分(呈色領域150c)と、呈色反応を生じていない部分とを特定する。呈色反応を生じる前の排泄物インジケータ150の色(すなわち、おむつ100使用前における排泄物インジケータ150の色)は予め記憶部13に記憶されており、その記憶されている色から遠い(異なる)方の色を有する部分が呈色領域150cとして特定される。なお、排泄物インジケータ150のうち呈色反応を生じていない部分の色は、基準色部160に含まれるいずれの色とも異なる色である。
【0077】
このように、排泄物インジケータ150及び基準色部160の画像部分の特定を補助するマーカー170を利用することにより、撮影された画像(撮影領域FA)において、基準色部160及び排泄物インジケータ150(呈色領域150c)の領域を正確に特定することが可能となり、誤検出等を抑制しやすくすることができる。
【0078】
なお、本実施形態において、マーカー170は、基準色部160に含まれる色、及び、排泄物インジケータ150の反応前後の色の何れとも異なる色としておくことが望ましい。このような色としておけば、基準色部160や排泄物インジケータ150の一部が誤ってマーカー170として認識されてしまうこと(つまり、誤認)を抑制できる。したがって、基準色部160や排泄物インジケータ150を正確に特定しやすくすることができる。また、マーカー170の形状を基準色部160や排泄物インジケータ150とは明確に異なる形状としても良い。例えば、基準色部160や排泄物インジケータ150が矩形状である場合、マーカー170を星形やハート形等、特徴的な形状としておくことで、基準色部160や排泄物インジケータ150と誤認してしまうことをより抑制しやすくすることができる。
【0079】
次いで、基準色部160に含まれている色を検出する処理を行う(S103)。図7は、図6の撮影領域FAを拡大して表した図である。制御部11は、S102の処理で特定された基準色部160L,160Rに含まれている色を検出し、記憶部113に記憶させる。図7では、基準色部160が基準色161~165の5段階の色からなるパターンを有している。制御部11は、撮影領域FAの画像について、基準色161~165の各々を構成している画素の平均の色を、例えばRGB値として数値化し、それぞれ5段階の基準色として検出する。
【0080】
次いで、呈色領域150cの色を検出する処理を行う(S104)。呈色領域150cの色検出は、S103と略同様にして行われる。すなわち、制御部11は、撮影領域FAの画像について、S102の処理で特定された呈色領域150cを構成している画素の平均の色をRGB値等で数値化し、記憶部13に記憶させる。
【0081】
次いで、S103で検出された基準色(図7では5段階)と、S104で検出された呈色領域150cの色とを比較する処理を行う(S105)。比較処理は、呈色領域150cの色を数値化した値(例えばRGB値)と、5段階の基準色をそれぞれ数値化した値(例えばRGB値)とを比較することによって行われる。例えば、呈色領域150cの色を基準色161~165の各々と順番に比較する。そして、呈色領域150cのRGB値が、5段階の基準色のうちどの基準色のRGB値よりも大きく、どの基準色のRGB値よりも小さいかを判断する。
【0082】
次いで、S105の比較結果に基づいて、排泄物の成分について判定を行う(S106)。本実施形態においては、おむつ100を着用している乳幼児等によって排泄された尿の尿比重が所定の値に達しているか否かの判定が行われる。例えば、図7に示される基準色161~165のうち、判定したい尿比重値に対応する基準色が163である場合、制御部11は、呈色領域150cの色のRGB値が、基準色163の色のRGB値以上であれば〇、基準色163の色のRGB値よりも小さければ×等と判定する。なお、図7の例では、呈色領域150cの色と基準色163の色とが同じであるため、〇と判定される。
【0083】
また、判定は、必ずしも〇×で行われる必要はなく、基準色161~165との比較により、尿比重値の範囲を判定するのであっても良い。例えば、呈色領域150cの色のRGB値が基準色164の色のRGB値と165の色のRGB値との間に含まれる場合には、基準色164に対応する尿比重値以上、基準色165に対応する尿比重値以下であると判定することができる。
【0084】
最後に、判定結果をユーザー(使用者)に通知する処理を行う(S107)。例えば、S106の尿比重値の判定結果に基づいて、おむつ100の着用者(例えば、乳幼児)の身体の成長度合いが当該着用者(乳幼児)のトイレトレーニングを開始する時期として適しているか否かについて、検出装置10(スマートフォン等)の表示部に、判定結果が表示される。これにより、ユーザー(例えば、乳幼児の保護者)は、乳幼児の尿の尿比重値が所定値よりも高いか低いかを明確に認識すると共に、トイレトレーニングを開始するための適切な時期を把握することができる。つまり、乳幼児の身体的成長の度合いを客観的に把握することが可能となり、トイレトレーニングをいつ開始すればよいか、適切に判断することができるようになる。
【0085】
また、図2のように、検出装置10がサーバー装置20に接続されている場合には、検出結果を当該サーバー装置20に送信するようにしても良い。そして、複数の検出装置10による検出結果や、各々の検出装置10による複数回の検出結果をサーバー装置20に蓄積することによって、より精度の高いデータベースを構築することができる。このようにすれば、蓄積された複数(複数回)のデータに基づいた情報をユーザーにフィードバックすることが可能となるため、より精度の高い判定を行うことが可能となる。
【0086】
このように、本実施形態の検出システム1によれば、排泄物インジケータ150が変色した部分と基準色部160との色を比較することによって、排泄物中に含まれる尿比重等の成分を正確に検出することができる。これにより、排泄物の成分に基づいて着用者の身体の成長の度合いを客観的に認識することが可能となり、トイレトレーニングの開始可能時期等の判断を行いやすくなる。
【0087】
また、本実施形態では、排泄物インジケータ150共に、基準色部160が設けられたおむつ100を用いて排泄物の成分を検出することにより、より正確な検出が可能となる。仮に、使い捨ておむつに排泄物インジケータ150のみが設けられ、基準色部160が設けられていなかった場合、排泄物インジケータ150の呈色後の色を比較する対象が無いため、当該呈色後の色を正確に検出することは困難である。これに対して、本実施形態では、排泄物インジケータ150及び基準色部160が両方設けられたおむつ100を用いることにより、排泄物インジケータ150の呈色後の色と基準色部160の色とを容易に比較しやすくなる。また、おむつに対する光に当たり方やおむつの歪み具合によって、排泄物インジケータ150の呈色後の色が変化して見える場合があるが、排泄物インジケータ150と基準色部160とを同じ画像として撮影することにより、そのような光に当たり方等による影響を軽減することができる。すなわち、排泄物インジケータ150の色と基準色部160の色とを同じ条件下(光の当たり方、おむつの歪み具合等)で比較することができるため、より正確な検出が可能となる。
【0088】
また、基準色部160は、排泄物の成分を検出するための或る基準色と、当該或る基準色とは異なる他の基準色を有している。図7の例では、尿比重の或る値に対応する基準色(例えば基準色161)と、他の4色(例えば基準色162~165)からなる5色のパターンによって基準色部160が構成されている。このような複数色からなるパターンを有することにより、呈色反応が生じた後の排泄物インジケータ150の色を、複数種類の基準色と容易に比較することができるようになるので、排泄物の成分をより正確に検出しやすくすることができる。
【0089】
また、排泄物インジケータ150及び基準色部160は、何れもおむつ100の上下方向(吸収性本体110の長手方向)に沿って配置されている。排泄物インジケータ150が吸収性本体110の長手方向に沿って配置されているため、尿等の排泄物と接触した際に呈色反応が生じる領域を上下方向に沿って広く視認しやすくなる。そして、その排泄物インジケータ150と並列して、複数色のパターンを有する基準色部160が長手方向に沿って配置されていることにより、呈色反応後の排泄物インジケータ150の色と複数種類の基準色との比較がより行いやすくなる。これにより、排泄物の成分をより正確に検出しやすくすることができる。
【0090】
また、本実施形態における排泄物インジケータ150は、尿と接触することにより、呈色反応を生じる尿インジケータである。尿は、流動性が高く、吸収性本体110に吸収されてから該吸収性本体110内を広く拡散するため、排泄物インジケータ150に到達しやすい。したがって、排泄物インジケータ150と尿との接触面積が広くなり、広範囲にわたって呈色反応が生じやすくなる。これにより、排泄物インジケータ150の色の変化を認識しやすくなり、尿比重等を検出しやすくすることができる。
【0091】
また、おむつ100には排泄物インジケータ150及び基準色部160に加えて、複数のマーカー170が設けられている。そしてこのマーカー170は、上下方向(長手方向)において基準色部160を挟みこむように、且つ、左右方向において排泄物インジケータ150を挟み込むようにして配置されている。このような構成であれば、図6で説明したように、マーカー170を目印することで排泄物インジケータ150及び基準色部160の位置を特定しやすくすることができる。
【0092】
また、おむつ100は不織布等によって構成されているため、柔軟で変形しやすく、排泄物インジケータ150及び基準色部160の撮影を行う際も、図6のように伸長させた状態とすることは難しい。このような場合にもマーカー170が左右方向の両側に配置されていることにより、排泄物インジケータ150及び基準色部160の位置を特定しやすくすることができる。
【0093】
図8は、おむつ100に設けられた排泄物インジケータ150及び基準色部160(マーカー170)を実際に撮影する際の様子について説明する図である。おむつ100を撮影する際には、着用者の身体から脱がせたおむつ100を机等の台(平面)に載置して、図8のように鉛直上方の視認位置(視点)V1から排泄物インジケータ150及び基準色部160(マーカー170)を視認可能な状態で撮影を行う。このとき、平面上に載置されたおむつ100は、吸収性コア111(吸収性本体110)の厚みにより、左右方向の中央部が上方に盛り上がった凸形状となっている。この状態で、視認位置V1からは、排泄物インジケータ150と、その左右方向両側に配置された基準色部160L,160R及びマーカー170L,170Rを視認することが可能である。
【0094】
一方、撮影するカメラ等の都合により、例えば、おむつ100の右斜め上方の視認位置(視点)V2から撮影を行うことになった場合(図8参照)、排泄物インジケータ150の左側に配置されている基準色部160L及びマーカー170Lは死角となって、視認できなくなるおそれがある。すなわち、仮に、排泄物インジケータ150の左右方向の一方側(左側)にのみマーカー170及び基準色部160が設けられていた場合、排泄物インジケータ150と基準色部160(マーカー170)とを両方含んだ画像を撮影することが難しくなるおそれがある。これに対して、本実施形態では、排泄物インジケータ150の左右方向の両側に基準色部160(マーカー170)が設けられていることから、視認位置がずれたとしても、少なくとも左右方向の他方側(左側)の基準色部160(マーカー170)は視認可能である。したがって、排泄物インジケータ150と基準色部160(マーカー170)とを両方含んだ画像を撮影しやすくすることができる。
【0095】
図9は、おむつ100の表面に歪みが生じている場合における撮影領域FAを表す図である。上述したように、おむつ100は全体として柔軟な不織布等で形成されていることから、排泄物インジケータ150に歪みが生じていない画像(図7参照)を撮影できるとは限られず、図9のような歪んだ画像が撮影される場合がある。このような場合であっても、4つのマーカー170LU,170LD、170RD,170RUが設けられていることで、当該4つのマーカーに囲まれる領域内に、排泄物インジケータ150及び基準色部160が含まれる可能性が高くなる。すなわち、おむつ100に歪みが生じていたとしても、排泄物インジケータ150及び基準色部160の位置を特定しやすくなる。したがって、排泄物の成分を正確に検出しやすくすることができる。
【0096】
なお、本実施形態では、図4に示されるように、展開状態のおむつ100を厚さ方向に見たときに、排泄物インジケータ150及び基準色部160が、何れも吸収性コア111と重複して設けられている。このように、剛性の高い吸収性コア111と重なるように排泄物インジケータ150及び基準色部160が配置されていることにより、画像を撮影する際に、撮影範囲が大きく撓んだり歪んだりすることが抑制されやすくなり、明瞭な画像を撮影しやすくすることができる。
【0097】
また、マーカー170は、おむつ100の上下方向における下端位置よりも上側に所定距離だけ離間して配置されていることが望ましい。言い換えると、展開状態の吸収性本体110の長手方向における中央位置よりも所定距離だけ離間して配置されていることが望ましい。例えば、図6において、仮にマーカー170LD,170RDが長手方向における中央位置CLと重複する位置(おむつ100の下端、すなわち股下位置)に設けられていた場合、該マーカー170LD,170RDが前後方向の前側から視認され難くなり、撮影領域FA中に4つのマーカー170が含まれるように撮影することは困難である。これに対して、本実施形態では、長手方向(上下方向)において、マーカー170LD,170RDが中央位置CLから所定距離だけ離間して配置されているため、図6のように4つのマーカー170を含んだ撮影領域FAを撮影しやすくなる。また、マーカー170を目印とすることで、排泄物インジケータ150や基準色部160の画像部分をより特定しやすくすることができる。
===その他の実施の形態===
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
【0099】
上述の実施形態では、排泄物インジケータ150の呈色反応後の色を基準色部160の色と比較することにより、排泄物(尿)中の尿比重を検出していたが、検出対象となる成分は尿比重には限られない。排泄物インジケータ150を形成する試薬や基準色部160に含まれる基準色を調整することにより、排泄物中の他の成分を検出するようにしても良い。
【0100】
(プログラム)
上述の実施形態における排泄物検出システム1では、検出装置10や、必要に応じてサーバー装置20を協働させることにより、排泄物の成分を検出する方法について説明したが、本発明には、これらの処理を実行させるためのプログラムも含まれる。すなわち、情報処理装置(コンピューター)としての検出装置10やサーバー装置20が、当該プログラムに基づいて上述の各処理を実行し、排泄物の成分を検出するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 排泄物検出システム、
10 検出装置、
11 制御部、12 撮影部、13 記憶部、14 通信部、
20 サーバー装置、
100 使い捨ておむつ(おむつ)、
110 吸収性本体、
111 吸収性コア、
112 トップシート、
113 バックシート、113a 液不透過性シート、113b 外装シート、
120 前側胴回り部、125 側部(サイド接合部)、
130 後側胴回り部、135 側部(サイド接合部)、
150 排泄物インジケータ、150c 呈色領域、
160 基準色部、160L、160R 基準色部、
161~165 基準色、
170 マーカー、
170LU、170LD、170RU、170RD マーカー、
BH 胴回り開口、LH 脚回り開口、
CL 中央位置(縦方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9