(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174370
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】プローバ及びそのメンテナンス方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
H01L21/66 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080118
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】市川 武清
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA01
4M106DD10
4M106DD18
4M106DD23
4M106DJ02
(57)【要約】
【課題】メンテナンスを簡易化して、ダウンタイムの短縮を実現可能なプローバ及びそのメンテナンス方法を提供する。
【解決手段】プローバ(10)は、ウェーハを保持するウェーハチャック(50)と、ウェーハチャックに対向する面に複数のプローブを有するプローブカード(54)と、プローブカードのウェーハチャックとは反対側に配置されたテストヘッド(18)と、プローブカードとテストヘッドとの間に介在して配置され、プローブカードとテストヘッドを電気的に接続するポゴフレーム(56)と、ポゴフレームを保持するヘッドステージ(58)とを備える測定部(16)を備え、ポゴフレームは、ヘッドステージと一体にメンテナンスエリアに引き出し可能に構成される。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハを保持するウェーハチャックと、
前記ウェーハチャックに対向する面に複数のプローブを有するプローブカードと、
前記プローブカードの前記ウェーハチャックとは反対側に配置されたテストヘッドと、
前記プローブカードと前記テストヘッドとの間に介在して配置され、前記プローブカードと前記テストヘッドを電気的に接続するポゴフレームと、
前記ポゴフレームを保持するヘッドステージと、
を備える測定部を備え、
前記ポゴフレームは、前記ヘッドステージと一体にメンテナンスエリアに引き出し可能に構成される、
プローバ。
【請求項2】
前記ポゴフレームと前記ヘッドステージが一体構造である、
請求項1に記載のプローバ。
【請求項3】
前記測定部は、前記ヘッドステージをスライド移動させるガイド部を有する、
請求項1又は2に記載のプローバ。
【請求項4】
前記測定部を複数備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載のプローバ。
【請求項5】
ウェーハの検査を行うプローバのメンテナンス方法であって、
テストヘッドをポゴフレームに対して上昇させるステップと、
前記ポゴフレームを、前記ポゴフレームを保持するヘッドステージと一体にメンテナンスエリアに引き出すステップと、
を含むプローバのメンテナンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプローバ及びそのメンテナンス方法に係り、半導体ウェーハ上に形成された複数の半導体デバイスの検査を行うためのプローバ及びそのメンテナンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程では、品質保証及び歩留まりの向上のために、各種の製造工程で各種の検査が行われる。例えば、ウェーハレベル検査では、半導体ウェーハ(以下、ウェーハという。)上に個々の半導体デバイスに対応する複数のチップが形成された段階で、半導体デバイスの電極(パッド)をテスタに接続し、テスト信号を供給する。そして、このテスト信号に応じて半導体デバイスが出力する信号をテスタで測定して、半導体デバイスが正常に動作するかを電気的に検査する。
【0003】
近年の半導体デバイスの微細化及び高集積化の進展により、ウェーハ上の電極が小型化しており、1枚のウェーハに形成されるチップの個数が非常に多くなってきている。それに伴って、プローバでの1枚のウェーハの検査に要する時間も長くなっており、スループットの向上が求められている。そこで、スループットの向上を図るため、多数本のプローブを多段状に配置して複数個のチップを同時に検査するマルチステージ式のプローバが知られている(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-149447号公報
【特許文献2】特開2015-088555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マルチステージ式のプローバでは、複数のポゴピンを有するポゴフレーム及びテストヘッドのメンテナンスは装置のダウンタイムにも繋がり大きな負担となっている。そのため、プローバのメンテナンスの簡易化は喫緊の課題となっている。
【0006】
特許文献1には、コンタクトピン(ポゴピン)が設けられた複数のピンユニットが着脱自在に取り付けられており、保守に優れたポゴブロック状のインターフェースが開示されている。しかしながら、複数のピンユニットが取り付けられたインターフェースの搭載位置が測定ステージとテストヘッド間の狭い空間のため、コンタクトピンのメンテナンスを行うためにはテストヘッドを取り外す必要がある。
【0007】
テストヘッドの取り外しについては、例えば、市販品の昇降機付き台車又は天井クレーンなどを用いて、テストヘッドを昇降させて受け渡しを行う方法が一般的に行われている。例えば、特許文献2には、テストヘッドのフランジ部を検査室内部のスライドレールにより支持して整備空間側に引き出す方法が開示されている。
【0008】
特許文献2のように、ポゴフレームのコンタクトピンのメンテナンスを、テストヘッドを取り外したり引き出したりして行う場合、プローバの内部で大きな重量の変化が生じるので、コンタクトピンのメンテナンス後に再調整及びダイアグコードの確認などの復旧作業が必要になる。このようなメンテナンス以外の復旧作業には2~3時間かかる場合があり、プローバのダウンタイムの長期化の要因となっている。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ポゴフレーム等のメンテナンスを簡易化して、ダウンタイムの短縮を実現可能なプローバ及びそのメンテナンス方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るプローバは、ウェーハを保持するウェーハチャックと、ウェーハチャックに対向する面に複数のプローブを有するプローブカードと、プローブカードのウェーハチャックとは反対側に配置されたテストヘッドと、プローブカードとテストヘッドとの間に介在して配置され、プローブカードとテストヘッドを電気的に接続するポゴフレームと、ポゴフレームを保持するヘッドステージとを備える測定部を備え、ポゴフレームは、ヘッドステージと一体にメンテナンスエリアに引き出し可能に構成される。
【0011】
本発明の第2の態様に係るプローバは、第1の態様において、ポゴフレームとヘッドステージが一体構造である。
【0012】
本発明の第3の態様に係るプローバは、第1又は第2の態様において、測定部は、ヘッドステージをスライド移動させるガイド部を有する。
【0013】
本発明の第4の態様に係るプローバは、第1から第3の態様のいずれかにおいて、測定部を複数備える。
【0014】
本発明の第5の態様は、ウェーハの検査を行うプローバのメンテナンス方法であって、テストヘッドをポゴフレームに対して上昇させるステップと、ポゴフレームを、ポゴフレームを保持するヘッドステージと一体にメンテナンスエリアに引き出すステップとを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ポゴフレームのメンテナンス後におけるプローバのダウンタイムの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るプローバを示す斜視図である。
【
図4】
図4は、テストヘッドの搬送形態を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、テストヘッドの搬送形態を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、テストヘッド置き台を示す正面図である。
【
図7】
図7は、テストヘッド置き台を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、測定部のテストヘッド昇降機構を示す正面図である。
【
図9】
図9は、テストヘッド昇降機構を説明するための斜視図である。
【
図10】
図10は、テストヘッド昇降機構を説明するための斜視図である。
【
図11】
図11は、ポゴフレーム昇降機構を説明するための正面図である。
【
図12】
図12は、ポゴフレーム昇降機構を説明するための斜視図である。
【
図13】
図13は、ポゴフレーム昇降機構を省略した例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面に従って本発明に係るプローバ及びそのメンテナンス方法の実施の形態について説明する。
【0018】
[プローバの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るプローバを示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係るプローバ10は、ローダ部12及び本体部(測定ユニット)14を備える。プローバ10は、マルチステージ式のプローバであり、本体部14は、測定部16を複数(
図1に示す例では25ステージ)含んでいる。なお、プローバ10は、操作パネル及び各部を制御する制御装置(不図示)なども備えている。
【0020】
ローダ部12は、検査対象のウェーハW(
図2参照)を収容したウェーハカセットが載置されるロードポートと、ウェーハWを搬送する搬送ユニットとを備えており(いずれも不図示)、本体部14の各測定部16に対するウェーハWの供給及び回収を行う。
【0021】
図1に示すように、本体部14は、複数の測定部16が多段状に積層された積層構造(多段構造)を有しており、各測定部16はX方向及びZ方向に沿って2次元的に配列されている。本体部14は、複数のフレームを格子状に組み合わせて構成されたものであり、これらのフレームで囲まれた空間部は略直方体形状になっている。そして、この空間部に測定部16の構成要素が配置される。
【0022】
本体部14では、ローダ部12から各測定部16に供給されたウェーハWに対して、ウェーハWに形成されたチップ(半導体デバイス)の電気的特性の検査(ウェーハレベル検査)が行われる。そして、各測定部16において検査されたウェーハWはローダ部12により回収される。
【0023】
[測定部]
図2は、測定部16を示す正面図である。なお、以下では、図面の煩雑化を避けるため、左右対称に存在する構成については、符号の図示を適宜省略する場合がある。
【0024】
各測定部16は、いずれも同一の構成を有しており、
図2に示すように、ウェーハチャック50、プローブカード54及びヘッドステージ58を備えている。また、各測定部16には、それぞれテストヘッド18が設けられている。なお、テストヘッド18は、テストヘッド保持部(
図2では省略。
図8のガイド102)によりヘッドステージ58の上方(プローブカード54に対してウェーハチャック50の反対側)に支持されている。
【0025】
ヘッドステージ58は、筐体の一部を構成するフレーム部材(不図示)に支持されており、ポゴフレーム56が取り付けられる。
【0026】
ポゴフレーム56は、テストヘッド18とプローブカード54との間に介在して配置され、テストヘッド18とプローブカード54とを電気的に接続するためのインターフェース(コンタクトピン)を備えており、ポゴフレーム56には、テストヘッド18及びプローブカード54が吸着固定される。プローブカード54は、ウェーハチャック50のウェーハ保持面50aと対向するように設けられる。なお、プローブカード54は、検査対象のウェーハW(デバイス)に応じて交換される。
【0027】
プローブカード54には、検査対象のウェーハWの各チップの電極パッドの位置に対応して配置された、カンチレバー又はスプリングピン等の形状の複数のプローブ52が設けられている。各プローブ52は、テストヘッド18の端子に電気的に接続され、テストヘッド18から各プローブ52を介して各チップに電源及びテスト信号が供給され、各チップからの出力信号をテストヘッド18で検出して正常に動作するかを測定する。
【0028】
プローブ52は、バネ特性を有し、プローブ52の先端位置より接触点を上昇させることにより、電極パッドに所定の接触圧で接触する。
【0029】
ウェーハチャック50は、ウェーハWを真空吸着して固定する。ウェーハチャック50は、検査対象のウェーハWが載置されるウェーハ保持面50aを有しており、ウェーハ保持面50aには複数の吸引口(不図示)が設けられている。吸引口は、ウェーハチャック50の内部に形成された吸引路(不図示)を介して吸引装置(真空源。例えば、真空ポンプ、エジェクタ等)に接続されている。
【0030】
ウェーハチャック50は、アライメント装置70に着脱自在に支持固定される。アライメント装置70は、ウェーハチャック50をX、Y、Z、θ方向に移動することで、ウェーハチャック50に保持されたウェーハWとプローブカード54との相対的な位置合わせを行う。
【0031】
アライメント装置70は、ウェーハチャック50を着脱自在に支持固定してウェーハチャック50をZ軸方向に移動し、かつ、Z軸を回転中心としてθ方向に回転するZステージ(Z軸移動・回転部)72と、Zステージ72を支持してX軸方向に移動するXキャリッジ(X軸移動台)74と、Xキャリッジ74を支持してY軸方向に移動するYキャリッジ(Y軸移動台)76とを備えている。そして、Zステージ72、Xキャリッジ74及びYキャリッジ76は、例えば、モータを含む機械的な駆動機構を含んでおり、ウェーハチャック50をZXY方向にそれぞれ移動自在に構成される。さらに、Zステージ72は、回転軸を回転中心としてθ方向にウェーハチャック50を回転自在に構成される。機械的な駆動機構としては、例えば、サーボモータとボールネジとを組み合わせたボールネジ駆動機構により構成されていてもよいし、リニアモータ駆動機構又はベルト駆動機構等で構成されていてもよい。
【0032】
[テストヘッド]
図3は、テストヘッド18を示す斜視図である。
【0033】
図3に示すように、テストヘッド18は、略直方体形状であり、側面にレール部(フランジ部)18aが設けられている。測定部16では、テストヘッド保持部(
図8のガイド102)により、このレール部18aを支持することにより、ヘッドステージ58の上方に支持されている。
【0034】
レール部18aは、テストヘッド18の側面から突出する略直方体形状に形成されており、テストヘッド18の側面に一対設けられている。なお、レール部18aの形状は略直方体形状に限定されず、例えば、ガイド102上をスライド移動可能な任意の形状とすることができる。また、レール部18aは、テストヘッド18の側面と一体形成されていてもよいし、テストヘッド18の側面に別の部材を固定することにより形成されていてもよい。
【0035】
図4及び
図5は、テストヘッド18の搬送形態を示す斜視図である。
図4及び
図5に示すように、テストヘッド18は、測定部16の内部において上昇させて、レール部18aに沿ってスライド可能となっている。これにより、測定部16から引き出したり、測定部16内に収容することができる。
【0036】
図4は、テストヘッド18を搬送台車30により搬送する例を示している。搬送台車30は、テストヘッド置き台32と、テストヘッド置き台32を上下方向に昇降させるための昇降機を備えている。
図4に示す例では、搬送台車30を移動させて、テストヘッド置き台32を昇降させて測定部16の前に配置することにより、各測定部16のテストヘッド18の出し入れを行うことができる。
【0037】
図5は、テストヘッド18をクレーン40により搬送する例を示している。クレーン40は、例えば、プローバ10の設置場所の天井に接続されており、テストヘッド置き台42を移動及び昇降させることが可能となっている。
図5に示す例でも、テストヘッド置き台42を移動及び昇降させて測定部16の前に配置することにより、各測定部16のテストヘッド18の出し入れを行うことができる。
【0038】
図6及び
図7は、テストヘッド置き台を示す正面図及び斜視図である。なお、テストヘッド置き台32と42とは同様の構成を有するため、以下では、テストヘッド置き台32の例について説明する。
【0039】
図6に示すように、テストヘッド置き台32は、鉛直上方に向かって開口した断面U字状の有底容器として構成されている。このテストヘッド置き台32は、底壁及び側壁を有しており、テストヘッド18の引き出し方向(
図6の紙面の前後方向)に向かって開口している。テストヘッド置き台32は、底面及び側壁を有する略直方体状である。テストヘッド置き台32の側壁の内側には、タイヤ上の回転体80が取り付けられている。テストヘッド18のレール部18aをこの回転体80の上にスライド移動させることにより、テストヘッド18をテストヘッド置き台32側に引き出すことができる。ここで、回転体80に代えて、スライドレールを設けてもよい。
【0040】
図6及び
図7の符号82は、テストヘッド18のスライド方向の位置決めのための突起であり、この突起82により、テストヘッド18のスライドの終点位置が規定される。なお、テストヘッド置き台の側壁の奥側にも出没自在な突起を設けて、テストヘッド18の搬送時におけるスライド移動を制限可能にしてもよい。
【0041】
[テストヘッドのメンテナンス]
次に、テストヘッド18のメンテナンスの手順について説明する。本実施形態では、テストヘッド18のメンテナンスは、テストヘッド18を測定部16から引き出して行うメンテナンス(例えば、内部調整等)と、テストヘッド18を測定部16内部でポゴフレーム56に対して上昇させて実施するメンテナンスとが可能となっている。
【0042】
図8は、測定部16のテストヘッド昇降機構を示す正面図であり、
図9及び
図10は、テストヘッド昇降機構を説明するための斜視図である。
【0043】
テストヘッド昇降機構100は、ガイド102及び昇降駆動部104を備えている。テストヘッド18のレール部18aは、このガイド102に載置される。ガイド102は、テストヘッド18のスライド方向(Y方向)に延びる板状に形成されている。
【0044】
昇降駆動部104は、ガイド102を上下方向(Z方向)に昇降させるための駆動部を備える。ここで、昇降駆動部104としては、例えば、エアシリンダ又は油圧シリンダ、もしくはモータを用いた駆動機構(例えば、ボールねじ機構、ラックアンドピニオン機構)等の往復直線運動を行うための機構を用いることができる。
【0045】
テストヘッド18を測定部16から引き出す場合には、
図8に示すように、昇降駆動部104(
図9参照)によりガイド102を上昇させてポゴフレーム56から分離する。そして、テストヘッド18を測定部16から引き出すことにより、レール部18aがガイド102からテストヘッド置き台(32又は42)の側壁上にスライド移動する。これにより、測定部16からテストヘッド18を引き出すことができる(
図4から
図7参照)。なお、ガイド102とテストヘッド置き台(32、42)との間の隙間が大きい場合には、ガイド102を測定部16から引き出し可能として、ガイド102とテストヘッド置き台(32、42)との間の隙間を短縮可能としてもよい。
【0046】
テストヘッド18を測定部16に収容する場合には、テストヘッド18を搭載したテストヘッド置き台(32又は42)を測定部16の正面に移動させる。次に、昇降駆動部104によりガイド102を上昇させた状態で、テストヘッド置き台(32又は42)側にガイド102を引き出して、テストヘッド置き台(32又は42)側にガイド102にテストヘッド18をスライド移動させる。そして、テストヘッド18を測定部16内に収容して、昇降駆動部104によりガイド102を下降させる。これにより、テストヘッド18をポゴフレーム56に接続することができる。
【0047】
なお、ガイド102にも、テストヘッド置き台(32又は42)と同様に回転体を設けてもよい。
【0048】
本実施形態では、テストヘッド18に対する軽微なメンテナンスについては、テストヘッド昇降機構100により、テストヘッド18を測定部16内で上昇させた状態で実施することができる。また、テストヘッド18の内部の調整等は、上記の手順で測定部16から引き出して実施することができる。
【0049】
[ポゴフレームのメンテナンス]
次に、ポゴフレーム56のメンテナンスについて説明する。
【0050】
ポゴフレーム56(コンタクトピン)のメンテンナンスの一部については、例えば、
図8に示すように、テストヘッド18を上昇させた状態でも行うことが可能である。例えば、特許文献1のように、個々のブロックに分割されたブロック形状のコンタクトピンを有するポゴフレームについては、
図8に示すテストヘッド18を上昇させた状態でも一部のメンテナンスを行うことが可能である。
【0051】
一方、テストヘッド18を上昇させただけの状態では、メンテナンスの内容によっては作業性の確保が困難である。このため、本実施形態のプローバ10は、ポゴフレーム56を昇降させて、測定部16のメンテナンスエリアに引き出すためのポゴフレーム昇降機構200を備えている。
【0052】
図11及び
図12は、ポゴフレーム昇降機構200を説明するための正面図及び斜視図である。
【0053】
図11及び
図12に示すように、ポゴフレーム昇降機構200は、ガイド202及び昇降駆動部204を備えている。
【0054】
ガイド202は、引き出し方向(Y方向)に沿ってスライド移動可能に構成されたガイドレールである。ポゴフレーム56は、取付部56aを介してこのガイド202に固定されている。
【0055】
昇降駆動部204は、ガイド202を上下方向(Z方向)に昇降させるための駆動部を備える。ここで、昇降駆動部204としては、例えば、エアシリンダ又は油圧シリンダ、もしくはモータを用いた駆動機構(例えば、ボールねじ機構、ラックアンドピニオン機構)等の往復直線運動を行うための機構を用いることができる。
【0056】
ポゴフレーム56のメンテナンスを行う場合には、まず、
図8に示すように、昇降駆動部104によりガイド102を上昇させて、テストヘッド18をポゴフレーム56から分離する。次に、
図11に示すように、昇降駆動部204(
図12参照)によりガイド202を上昇させてポゴフレーム56をヘッドステージ58に対して上昇させる。そして、ガイド202をY方向にスライドさせて、測定部16からポゴフレーム56を引き出す。ポゴフレーム56のメンテナンスは、ポゴフレーム56をガイド202から取り外して実施してもよいし、ポゴフレーム56を引き出した状態で、ガイド202に取り付けたまま実施してもよい。これにより、ポゴフレーム56のメンテナンスの作業性を確保することができる。
【0057】
本実施形態によれば、測定部16内でテストヘッド18を上下動作させるだけで、コンタクトピンをポゴフレーム56ごと引き出してメンテナンスを実施することができる。これにより、ポゴフレーム56のメンテナンス時に、テストヘッド18の重量がフレーム90にかかった状態のままになるので、プローバ10の内部で大きな重量の変化が生じない。このため、ポゴフレーム56のメンテナンスの後に、再調整及びダイアグコードの確認などの復旧作業を行う必要がなくなるので、プローバ10のダウンタイムの発生を抑制することができる。
【0058】
また、本実施形態では、ポゴフレーム昇降機構200により、ポゴフレーム56を昇降させて、測定部16のメンテナンスエリアにポゴフレーム56を引き出す構成としたが、この構成に代えて、例えば、
図13に示すように、ポゴフレーム56を昇降させず、ヘッドステージ58にポゴフレーム56を搭載したまま、ヘッドステージ58をスライド移動させるガイド部300により、ポゴフレーム56とヘッドステージ58とを一体に測定部16のメンテナンスエリアA1に引き出す構成を好ましく採用することができる。当該構成においても、上述した本実施形態と同様に、メンテナンスを簡易化して、ダウンタイムの短縮を実現可能である。また、ポゴフレーム56のメンテナンスのためにヘッドステージ58からポゴフレーム56を昇降させる機構が不要となるので、構成の簡略化とコストダウンを図ることが可能となる。また、このようにポゴフレーム56とヘッドステージ58とを一体に引き出し可能な構成とすれば、ヘッドステージ58とポゴフレーム56とを一体構造とすることも可能である。
【符号の説明】
【0059】
10…プローバ、12…ローダ部、14…本体部(測定ユニット)、16…測定部、18…テストヘッド、50…ウェーハチャック、52…プローブ、54…プローブカード、56…ポゴフレーム、58…ヘッドステージ、70…アライメント装置、72…Zステージ、74…Xキャリッジ、76…Yキャリッジ、100…テストヘッド昇降機構、200…ポゴフレーム昇降機構、300…ガイド部