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特開2022-174719ヒドロクロロフルオロオレフィン発泡ポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液組成物、及びその用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174719
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】ヒドロクロロフルオロオレフィン発泡ポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液組成物、及びその用途
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/18 20060101AFI20221116BHJP
   C08G 18/00 20060101ALI20221116BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20221116BHJP
【FI】
C08G18/18
C08G18/00 H
C08G101:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051036
(22)【出願日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】P 2021080484
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】徳本 勝美
(72)【発明者】
【氏名】田中 雄大
【テーマコード(参考)】
4J034
【Fターム(参考)】
4J034BA07
4J034CA04
4J034CA05
4J034CA13
4J034CA15
4J034CA17
4J034CB03
4J034CB04
4J034CB07
4J034CB08
4J034CC03
4J034CC22
4J034CC62
4J034CC65
4J034CC67
4J034CD01
4J034CD13
4J034DA01
4J034DB03
4J034DB04
4J034DB05
4J034DC02
4J034DC25
4J034DF01
4J034DF16
4J034DF20
4J034DF22
4J034DF24
4J034DG03
4J034DG04
4J034DG15
4J034DG16
4J034DG22
4J034DG23
4J034HA01
4J034HA02
4J034HA06
4J034HA07
4J034HB06
4J034HB07
4J034HC03
4J034HC12
4J034HC13
4J034HC17
4J034HC22
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034HC73
4J034KA01
4J034KB02
4J034KB05
4J034KC17
4J034KC18
4J034KC35
4J034KD01
4J034KD02
4J034KD03
4J034KD08
4J034KD12
4J034KD25
4J034KE02
4J034NA01
4J034NA02
4J034NA03
4J034NA06
4J034NA08
4J034QA02
4J034QA05
4J034QB01
4J034QB14
4J034QB16
4J034QB17
4J034QC01
4J034RA10
4J034RA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アミン触媒を用いるヒドロクロロフルオロオレフィン系ポリウレタンフォームの製造における、混合液の迅速な発泡反応開始、および吹き付け工法における液垂れ抑制を達成する、ポリオール系配合液組成物ならびにポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリウレタンフォームを製造するためのポリオール系配合液組成物であって、(i)直鎖状炭化水素基の両末端に特定構造のアミノ基を有するアミン化合物またはジエチルエーテル構造の両末端に特定構造のアミノ基を有するアミン化合物の炭酸塩(A)と、(ii)ヒドロクロロフルオロオレフィン(B)を含む発泡剤と、(iii)ポリオール(C)を含む、組成物を用いる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンフォームを製造するためのポリオール系配合液組成物であって、
(i)下記一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)と、
(ii)ヒドロクロロフルオロオレフィン(B)を含む発泡剤と、
(iii)ポリオール(C)
を含む、組成物。
【化1】
(上記式中、R及びRは、各々独立して、水酸基を有していてもよい炭素数2~6のアルキル基を表す。
とRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
mは、0~4の整数を表す。)
【化2】
(上記式中、R及びRは、各々独立して、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
とRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
mは、0~4の整数を表す。
は、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、又は下記一般式(3)
【化3】
(上記式中、*は、式(2)における連結部位を表す。
及びRは、各々独立して、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
とRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
mは、0~4の整数を表す。)
で表される基を表す。)
【化4】
(式中、R及びRは、各々独立して、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
とRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
10は、水素原子、又は水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
11は、水素原子、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、又は下記一般式(5)
【化5】
(式中、*は、一般式(4)における連結部位を表す。
12は、水素原子、又はメチル基を表す。
nは、0~2の整数を表す。)
で表される基を表す。)
【請求項2】
前記の一般式(1)において、-NRで表される基が、ジエチルアミノ基、エチル(n-プロピル)アミノ基、ジ(n-プロピル)アミノ基、又はモルホリノ基であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記の一般式(2)、及び(3)において、-NR、及び-NRで表される基の少なくとも一方が、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチル(n-プロピル)アミノ基、ジ(n-プロピル)アミノ基、又はモルホリノ基であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記の一般式(4)において、-NRで表される基が、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチル(n-プロピル)アミノ基、ジ(n-プロピル)アミノ基、又はモルホリノ基であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記の一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)が、
N,N-ジエチル-1,2-エチレンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン、N,N-ジイソプロピル-1,2-エチレンジアミン、N,N-イソプロピル-1,3-ジアミノプロパン、4-(2-アミノエチル)モルホリン、N-(3-アミノプロピル)モルホリン、N-(2-アミノプロピル)モルホリン、
N,N-ジエチル-N’-メチル-1,2-エチレンジアミン、N,N,N’-トリエチル-1,2-エチレンジアミン、N,N-ジエチル-N’-メチル-1,3-プロパンジアミン、N,N,N’-トリエチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジエチル-N’-メチル-1,4-ブタンジアミン、N,N,N’-トリエチル-1,4-ブタンジアミン、4-(2-アミノエチル)モルホリン、N-(3-アミノプロピル)モルホリン、N-(2-アミノプロピル)モルホリン、3,3’-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)、3,3’-イミノビス(N,N-ジエチルプロピルアミン)、2,2’-イミノビス(N,N-ジエチルエチルアミン)、
N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリメチル-[2,2’-オキシビス(エチルアミン)]、N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリエチル-[2,2’-オキシビス(エチルアミン)]、及び[2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチル](エチル)アミン
からなる群より選ばれる1種類以上のアミン化合物の炭酸塩(A)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記の一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)が、
N,N-ジエチル-1,2-エチレンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン、N,N-ジイソプロピル-1,2-エチレンジアミン、
3,3’-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)、3,3’-イミノビス(N,N-ジエチルプロピルアミン)、2,2’-イミノビス(N,N-ジエチルエチルアミン)、
N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリメチル-[2,2’-オキシビス(エチルアミン)]、N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリエチル-[2,2’-オキシビス(エチルアミン)]、及び[2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチル](エチル)アミン
からなる群より選ばれる1種類以上のアミン化合物の炭酸塩(A)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記のヒドロクロロフルオロオレフィン(B)が、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、2-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、1-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、1-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン、2-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン、2-クロロ-1,1,3-トリフルオロプロペン、3-クロロ-1,2,3-トリフルオロプロペン、3-クロロ-1,1,2-トリフルオロプロペン、1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、2,3-ジクロロ-3,3-ジフルオロプロペン、1,2,3-トリクロロ-3,3-ジフルオロプロペン、2,3-ジクロロ-1,1-ジフルオロプロペン、2,3,3-トリクロロ-3-フルオロプロペン、1,3-ジクロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン、及び1-クロロ-2,3,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロ-1-ペンテンからなる群より選ばれる1種類以上であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記のヒドロクロロフルオロオレフィン(B)が、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン又は1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記の一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)において、炭酸塩の成分である炭酸ガスの含有量が、一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物 100重量部に対して、2~30重量部の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記の成分(A)と(C)の重量比が、成分(C) 100重量部に対して、成分(A)が2~6重量部である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記の成分(B)と(C)の重量比が、成分(C) 100重量部に対して、成分(B)が10~30重量部である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載の組成物とポリイソシアネート化合物とを反応させることを特徴とする、ポリウレタンフォームの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロクロロフルオロオレフィン発泡ポリウレタンフォームを製造する際に用いるポリオール系配合液に関する。さらに詳しくは、ポリオール、ヒドロクロロフルオロオレフィン類、及び特定のアミン炭酸塩を含む、初期発泡性及び貯蔵安定性に優れるポリオール系配合液組成物、及びそのポリオール系配合液組成物と有機ポリイソシアネートとを用いたポリウレタンフォームの製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォームは、ポリオールとイソシアネートの反応により製造することができるが、典型的なものとして、3級アミン触媒、発泡剤、及び界面活性剤などを含有するポリオール系配合液と有機ポリイソシアネートとを反応させる製造方法を挙げることができる。当該ポリウレタンフォームの製造方法においては、ポリオール系配合液と有機ポリイソシアネートとを混合接触させ、迅速に発泡反応を行わせることが重要である。例えば、断熱用ポリウレタンフォームの吹き付け工法では、壁面等にスプレー塗布した混合液が迅速に発泡反応を開始することによって良好な発泡樹脂断熱層が得られる。
【0003】
近年、上記の発泡剤について、地球温暖化係数が低いヒドロクロロフルオロオレフィン類(HCFO類)が利用され始めている。ヒドロクロロフルオロオレフィンの具体例としては、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zd)、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd)等が挙げられる。
【0004】
ヒドロクロロフルオロオレフィン類については、前記の3級アミン触媒の作用を受けて、経時的に分解することが知られており、その分解に伴って生じるフッ化水素酸や塩酸などの酸類の影響によって、ポリオール系配合組成物と有機ポリイソシアネートとの反応が遅くなることが知られている。このため、ヒドロクロロフルオロオレフィン類を含むポリオール系配合液については長期貯蔵が困難であり、産業上の利用が難しいという課題があった。
【0005】
上記課題を解決する方法として、有機酸含有アミン触媒を用いる例(特許文献1)と、立体障害アミン触媒を用いる例(特許文献2)が提案されている。
【0006】
また、上記課題とは無関係であるが、ポリウレタンフォームのセルを微細化する技術として1、2級アミンの炭酸塩を使用する方法が知られている(特許文献3参照)。
【0007】
また、上記課題とは無関係であるが、ヘキサフルオロブテンとアルカノールアミン塩混合物を含有する複合発泡剤が提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2011-500893号公報
【特許文献2】国際公開第2009/048807号パンフレット
【特許文献3】特開2000-239339号公報
【特許文献4】特表2020-537702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の有機酸含有アミン触媒、特許文献2に記載の立体障害アミン触媒を用いる例では、混合液が迅速に発泡反応を開始しないという課題があり、吹き付け工法において液垂れをもたらすという問題を抱えている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、ヒドロクロロフルオロオレフィン発泡ポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液に特定のアミン化合物の炭酸塩を配合することが課題解決に有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、以下に示すとおりのヒドロクロロフルオロオレフィン発泡ポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液組成物、又は前記ポリオール系配合液組成物を用いたポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【0012】
[1]
ポリウレタンフォームを製造するためのポリオール系配合液組成物であって、
(i)下記一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)と、
(ii)ヒドロクロロフルオロオレフィン(B)を含む発泡剤と、
(iii)ポリオール(C)
を含む、組成物。
【0013】
【化1】
【0014】
(上記式中、R及びRは、各々独立して、水酸基を有していてもよい炭素数2~6のアルキル基を表す。
とRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
mは、0~4の整数を表す。)
【0015】
【化2】
【0016】
(上記式中、R及びRは、各々独立して、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
とRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
mは、0~4の整数を表す。
は、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、又は下記一般式(3)
【0017】
【化3】
【0018】
(上記式中、*は、式(2)における連結部位を表す。
及びRは、各々独立して、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
とRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
mは、0~4の整数を表す。)
で表される基を表す。)
【0019】
【化4】
【0020】
(式中、R及びRは、各々独立して、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
とRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
10は、水素原子、又は水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
11は、水素原子、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、又は下記一般式(5)
【0021】
【化5】
【0022】
(式中、*は、一般式(4)における連結部位を表す。
12は、水素原子、又はメチル基を表す。
nは、0~2の整数を表す。)
で表される基を表す。)
[2]
前記の一般式(1)において、-NRで表される基が、ジエチルアミノ基、エチル(n-プロピル)アミノ基、ジ(n-プロピル)アミノ基、又はモルホリノ基であることを特徴とする、前記[1]に記載の組成物。
【0023】
[3]
前記の一般式(2)、及び(3)において、-NR、及び-NRで表される基の少なくとも一方が、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチル(n-プロピル)アミノ基、ジ(n-プロピル)アミノ基、又はモルホリノ基であることを特徴とする、前記[1]に記載の組成物。
【0024】
[4]
前記の一般式(4)において、-NRで表される基が、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチル(n-プロピル)アミノ基、ジ(n-プロピル)アミノ基、又はモルホリノ基であることを特徴とする、前記[1]に記載の組成物。
【0025】
[5]
前記の一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)が、
N,N-ジエチル-1,2-エチレンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン、N,N-ジイソプロピル-1,2-エチレンジアミン、N,N-イソプロピル-1,3-ジアミノプロパン、4-(2-アミノエチル)モルホリン、N-(3-アミノプロピル)モルホリン、N-(2-アミノプロピル)モルホリン、
N,N-ジエチル-N’-メチル-1,2-エチレンジアミン、N,N,N’-トリエチル-1,2-エチレンジアミン、N,N-ジエチル-N’-メチル-1,3-プロパンジアミン、N,N,N’-トリエチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジエチル-N’-メチル-1,4-ブタンジアミン、N,N,N’-トリエチル-1,4-ブタンジアミン、4-(2-アミノエチル)モルホリン、N-(3-アミノプロピル)モルホリン、N-(2-アミノプロピル)モルホリン、3,3’-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)、3,3’-イミノビス(N,N-ジエチルプロピルアミン)、2,2’-イミノビス(N,N-ジエチルエチルアミン)、
N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリメチル-[2,2’-オキシビス(エチルアミン)]、N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリエチル-[2,2’-オキシビス(エチルアミン)]、及び[2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチル](エチル)アミン
からなる群より選ばれる1種類以上のアミン化合物の炭酸塩(A)である、前記[1]に記載の組成物。
【0026】
[6]
前記の一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)が、
N,N-ジエチル-1,2-エチレンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン、N,N-ジイソプロピル-1,2-エチレンジアミン、
3,3’-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)、3,3’-イミノビス(N,N-ジエチルプロピルアミン)、2,2’-イミノビス(N,N-ジエチルエチルアミン)、
N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリメチル-[2,2’-オキシビス(エチルアミン)]、N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリエチル-[2,2’-オキシビス(エチルアミン)]、及び[2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチル](エチル)アミン
からなる群より選ばれる1種類以上のアミン化合物の炭酸塩(A)である、前記[1]に記載の組成物。
【0027】
[7]
前記のヒドロクロロフルオロオレフィン(B)が、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン、2-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、1-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、1-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン、2-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン、2-クロロ-1,1,3-トリフルオロプロペン、3-クロロ-1,2,3-トリフルオロプロペン、3-クロロ-1,1,2-トリフルオロプロペン、1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、2,3-ジクロロ-3,3-ジフルオロプロペン、1,2,3-トリクロロ-3,3-ジフルオロプロペン、2,3-ジクロロ-1,1-ジフルオロプロペン、2,3,3-トリクロロ-3-フルオロプロペン、1,3-ジクロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン、及び1-クロロ-2,3,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロ-1-ペンテンからなる群より選ばれる1種類以上であることを特徴とする、前記[1]に記載の組成物。
【0028】
[8]
前記のヒドロクロロフルオロオレフィン(B)が、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン又は1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペンである、前記[1]に記載の組成物。
【0029】
[9]
前記の一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)において、炭酸塩の成分である炭酸ガスの含有量が、一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物 100重量部に対して、2~30重量部の範囲であることを特徴とする、前記[1]に記載の組成物。
【0030】
[10]
前記の成分(A)と(C)の重量比が、成分(C) 100重量部に対して、成分(A)が2~6重量部である、前記[1]に記載の組成物。
【0031】
[11]
前記の成分(B)と(C)の重量比が、成分(C) 100重量部に対して、成分(B)が10~30重量部である、前記[1]に記載の組成物。
【0032】
[12]
前記[1]乃至[11]のいずれかに記載の組成物とポリイソシアネート化合物とを反応させることを特徴とする、ポリウレタンフォームの製造方法。
【発明の効果】
【0033】
本発明のポリオール系配合液は、従来技術である有機酸含有アミン触媒及び立体障害アミン触媒を用いたポリオール系配合液と比べ、迅速な発泡反応を開始することができ、吹き付け工法における液垂れを抑制することができる。
【0034】
また、本発明のポリオール系配合液は、従来技術である1、2級アミンの炭酸塩、アルカノールアミン塩を含む複合発泡剤を用いたポリオール系配合液と比べ、ヒドロクロロフルオロオレフィン類の経時的分解を抑制することができ、より長期の貯蔵が可能となる。
【0035】
以上の理由から、本発明のポリオール系配合液は、特に吹き付け工法において、気温の低い季節においても液垂れの無い迅速な発泡反応が可能で、なおかつ気温の高い季節においても長期間の品質維持が可能なため、外気温変化の影響を受けずに良質なヒドロクロロフルオロオレフィン発泡ポリウレタンフォームを安定的に製造できるという格別な効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に、本発明を詳細に説明する。
【0037】
本発明の一つは、ポリウレタンフォームを製造するためのポリオール系配合液組成物に係る。
【0038】
本発明のポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液組成物は、(i)下記一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)と、(ii)ヒドロクロロフルオロオレフィン(B)を含む発泡剤と、(iii)ポリオール(C)を含むことを特徴とする。
【0039】
前記の一般式(1)で表されるアミン化合物は、下記のとおりである。
【0040】
【化6】
【0041】
(上記式中、R及びRは、各々独立して、水酸基を有していてもよい炭素数2~6のアルキル基を表す。
とRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
mは、0~4の整数を表す。)
前記の一般式(2)で表されるアミン化合物は、下記のとおりである。
【0042】
【化7】
【0043】
(上記式中、R及びRは、各々独立して、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
とRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
mは、0~4の整数を表す。
は、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、又は下記一般式(3)
【0044】
【化8】
【0045】
(上記式中、*は、式(2)における連結部位を表す。
及びRは、各々独立して、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
とRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
mは、0~4の整数を表す。)
で表される基を表す。)
前記の一般式(4)で表されるアミン化合物は、下記のとおりである。
【0046】
【化9】
【0047】
(式中、R及びRは、各々独立して、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
とRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
10は、水素原子、又は水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
11は、水素原子、水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基、又は下記一般式(5)
【0048】
【化10】
【0049】
(式中、*は、一般式(4)における連結部位を表す。
12は、水素原子、又はメチル基を表す。
nは、0~2の整数を表す。)
で表される基を表す。)
上記の一般式(1)、(2)、(3)、(4)、及び(5)における定義について説明する。
【0050】
一般式(1)において、R及びRは、各々独立して、水酸基を有していてもよい炭素数2~6のアルキル基を表す。
【0051】
前記の水酸基を有していてもよい炭素数2~6のアルキル基は、水酸基を有していてもよいエチル基、又は水酸基を有していてもよい炭素数3~6の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基と言い換えることができ、特に限定するものではないが、例えば、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、シクロプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、2-ヒドロキシブチル基、ペンチル基、2-ヒドロキシペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、又は2-ヒドロキシヘキシル基等を例示することができる。
【0052】
なお、上記のとおり、一般式(1)において、RとRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
【0053】
一般式(1)において、mは、0~4の整数を表す。
【0054】
一般式(1)において、mは、各々独立して、0~4の整数を表すが、ヒドロクロロフルオロオレフィンを含むポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液の貯蔵安定性向上の観点から、各々独立して、0~2の整数であることが好ましく、各々独立して、0、1、又は2であることがより好ましく、各々独立して、0、又は1であることがより好ましい。
【0055】
上記の一般式(1)で表されるアミン化合物については、ヒドロクロロフルオロオレフィンを含むポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液の貯蔵安定性向上の観点から、一般式(1)において、-NRで表される基が、ジエチルアミノ基、エチル(n-プロピル)アミノ基、ジ(n-プロピル)アミノ基、又はモルホリノ基であることが好ましい。
【0056】
上記の一般式(1)で表されるアミン化合物の炭酸塩については、ヒドロクロロフルオロオレフィンを含むポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液の貯蔵安定性向上の観点から、N,N-ジエチル-1,2-エチレンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン、N,N-ジイソプロピル-1,2-エチレンジアミン、N,N-イソプロピル-1,3-ジアミノプロパン、4-(2-アミノエチル)モルホリン、N-(3-アミノプロピル)モルホリン、及びN-(2-アミノプロピル)モルホリンからなる群より選ばれる1種類以上のアミン化合物の炭酸塩であることが好ましく、N,N-ジエチル-1,2-エチレンジアミンの炭酸塩、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパンの炭酸塩、又はN,N-ジイソプロピル-1,2-エチレンジアミンの炭酸塩であることがより好ましい。
【0057】
一般式(2)、及び(3)において、R、R、R、R、及びRにおける水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基は、水酸基を有していてもよいメチル基、水酸基を有していてもよいエチル基、又は水酸基を有していてもよい炭素数3~6の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基と言い換えることができ、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、シクロプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、2-ヒドロキシブチル基、ペンチル基、2-ヒドロキシペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、又は2-ヒドロキシヘキシル基等を例示することができる。
【0058】
なお、上記の通り、一般式(2)、及び(3)において、RとR、及びRとRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
【0059】
一般式(2)、及び(3)において、mは、各々独立して、0~4の整数を表すが、ヒドロクロロフルオロオレフィンを含むポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液の貯蔵安定性向上の観点から、各々独立して、0~2の整数であることが好ましく、各々独立して、0、1、又は2であることがより好ましく、各々独立して、0、又は1であることがより好ましい。
【0060】
上記の一般式(2)で表されるアミン化合物については、ヒドロクロロフルオロオレフィンを含むポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液の貯蔵安定性向上の観点から、一般式(2)及び(3)において、-NR、及び-NRで表される基の少なくとも一方が、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチル(n-プロピル)アミノ基、ジ(n-プロピル)アミノ基、又はモルホリノ基であることが好ましい。
【0061】
上記の一般式(2)で表されるアミン化合物の炭酸塩については、ヒドロクロロフルオロオレフィンを含むポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液の貯蔵安定性向上の観点から、N,N-ジエチル-N’-メチル-1,2-エチレンジアミン、N,N,N’-トリエチル-1,2-エチレンジアミン、N,N-ジエチル-N’-メチル-1,3-プロパンジアミン、N,N,N’-トリエチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジエチル-N’-メチル-1,4-ブタンジアミン、N,N,N’-トリエチル-1,4-ブタンジアミン、4-(2-アミノエチル)モルホリン、N-(3-アミノプロピル)モルホリン、及びN-(2-アミノプロピル)モルホリン、3,3’-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)、3,3’-イミノビス(N,N-ジエチルプロピルアミン)、及び2,2’-イミノビス(N,N-ジエチルエチルアミン)からなる群より選ばれる1種類以上のアミン化合物の炭酸塩であることが好ましく、3,3’-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)の炭酸塩、3,3’-イミノビス(N,N-ジエチルプロピルアミン)の炭酸塩、又は2,2’-イミノビス(N,N-ジエチルエチルアミン)の炭酸塩であることがより好ましい。
【0062】
一般式(4)において、R、R、R10、及びR11における水酸基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基は、水酸基を有していてもよいメチル基、水酸基を有していてもよいエチル基、又は水酸基を有していてもよい炭素数3~6の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状のアルキル基と言い換えることができ、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、2-ヒドロキシエチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、シクロプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、2-ヒドロキシブチル基、ペンチル基、2-ヒドロキシペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、又は2-ヒドロキシヘキシル基等を例示することができる。
【0063】
なお、上記の通り、一般式(4)において、RとRは、互いに結合して、モルホリン環を形成していてもよい。
【0064】
一般式(5)において、nは、0~2の整数を表すが、ヒドロクロロフルオロオレフィンを含むポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液の貯蔵安定性向上の観点から、1、又は2であることがより好ましく、2であることがより好ましい。
【0065】
上記の一般式(4)で表されるアミン化合物については、ヒドロクロロフルオロオレフィンを含むポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液の貯蔵安定性向上の観点から、一般式(4)において、-NRで表される基が、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチル(n-プロピル)アミノ基、ジ(n-プロピル)アミノ基、イミダゾール基、又はモルホリノ基であることが好ましい。
【0066】
上記の一般式(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩については、ヒドロクロロフルオロオレフィンを含むポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液の貯蔵安定性向上の観点から、N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリメチル-[2,2’-オキシビス(エチルアミン)]、N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリエチル-[2,2’-オキシビス(エチルアミン)]、及び[2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチル](エチル)アミンからなる群より選ばれる1種類以上のアミン化合物の炭酸塩(A)であることがより好ましい。
【0067】
上記の通り、前記の一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)については、ポリウレタンフォーム製造時の初期発泡性の観点から、
N,N-ジエチル-1,2-エチレンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン、N,N-ジイソプロピル-1,2-エチレンジアミン、N,N-イソプロピル-1,3-ジアミノプロパン、N,N-ジエチル-N’-メチル-1,2-エチレンジアミン、N,N,N’-トリエチル-1,2-エチレンジアミン、N,N-ジエチル-N’-メチル-1,3-プロパンジアミン、N,N,N’-トリエチル-1,3-プロパンジアミン、N,N-ジエチル-N’-メチル-1,4-ブタンジアミン、N,N,N’-トリエチル-1,4-ブタンジアミン、4-(2-アミノエチル)モルホリン、N-(3-アミノプロピル)モルホリン、N-(2-アミノプロピル)モルホリン、
3,3’-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)、3,3’-イミノビス(N,N-ジエチルプロピルアミン)、2,2’-イミノビス(N,N-ジエチルエチルアミン)、
N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリメチル-2,2’-オキシビス(エチルアミン)、N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリエチル-2,2’-オキシビス(エチルアミン)、及び[2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチル](エチル)アミン
からなる群より選ばれる1種類以上のアミン化合物の炭酸塩(A)であることが好ましく、
N,N-ジエチル-1,2-エチレンジアミン、N,N-ジイソプロピル-1,2-エチレンジアミン、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン、
3,3’-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)、3,3’-イミノビス(N,N-ジエチルプロピルアミン)、2,2’-イミノビス(N,N-ジエチルエチルアミン)、
N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリメチル-2,2’-オキシビス(エチルアミン)、N-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリエチル-2,2’-オキシビス(エチルアミン)、及び[2-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]エチル](エチル)アミン
からなる群より選ばれる1種類以上のアミン化合物の炭酸塩(A)であることがより好ましく、
N,N-ジエチルエチレンジアミンの炭酸塩、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパンの炭酸塩、N,N-ジイソプロピル-1,2-エチレンジアミンの炭酸塩、3,3’-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン)の炭酸塩、又はN-(3-アミノプロピル)-Ν,Ν’,Ν’-トリメチル-[2,2’-オキシビス(エチルアミン)]の炭酸塩であることが特に好ましい。
【0068】
前記のアミン化合物の炭酸塩(A)は、アミン化合物と二酸化炭素の混合物を意味する。当該アミン化合物の炭酸塩(A)において、アミン化合物と二酸化炭素の混合比率は、特に限定するものではないが、例えば、ポリウレタンフォームの発泡性に優れる点で、アミン化合物の一つのアミノ基に対して二酸化炭素は0.1~1.0倍モルとすることが好ましく、アミン化合物の一つのアミノ基に対して二酸化炭素は0.2~0.5倍モルとすることがより好ましい。例えば、アミノ基を2個有するアミン化合物の場合は、アミン化合物 1モルに対して、混合する二酸化炭素が0.2~2モルであることが好ましく、混合する二酸化炭素が0.4~1.0モルであることがより好ましい。アミノ基を3個有するアミン化合物の場合は、アミン化合物 1モルに対して、混合する二酸化炭素が0.3~3モルであることが好ましく、混合する二酸化炭素が0.6~1.5モルであることがより好ましい。
【0069】
また、前記のアミン化合物の炭酸塩(A)において、炭酸塩の成分である二酸化炭素の含有量は、特に限定するものではないが、例えば、ポリウレタンフォームの発泡性に優れる点で、アミン化合物 100重量部に対して、1~50重量部の範囲であることが好ましく、1~40重量部であることがより好ましく、2~30重量部の範囲であることがより好ましく、3~20重量部の範囲であることがより好ましい。
【0070】
上記の通り、本発明のポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液組成物は、(i)前記の一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)と、(ii)ヒドロクロロフルオロオレフィン(B)を含む発泡剤と、(iii)ポリオール(C)を含むことを特徴とするが、前記の一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)は、無溶媒のものを用いてもよいし、溶媒に溶解したもの(溶媒を含むもの)を用いてもよい。
【0071】
前記の一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)が常温固体の場合は、操作性の点で、溶媒に溶解させたものを用いることが好ましい。前記の溶媒については、特に限定するものではなく、例えば水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、又はブタンジオールなどが挙げられる。このように前記の一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)がこれらの溶媒を含むものである場合、本願発明のポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液組成物が、前記の(i)、(ii)、及び(iii)に加えて、さらに、これらの溶媒を含むこととなる。なお、当該溶媒成分については、後述するポリオール、発泡剤、又は架橋剤等の一部として利用される場合がある。
【0072】
前記の一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)として、溶媒を含むものを用いる場合、当該溶媒の含有量は特に限定されるものではないが、フォーム物性への影響を少なくできる点でアミン化合物の炭酸塩(A)と溶媒の合計重量に対し、50重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、10重量%以下であることがさらに好ましい。
【0073】
本発明のポリオール系配合液組成物は、ポリオール(C)を含むことを特徴とする。
【0074】
本発明のポリオール系配合液組成物におけるポリオール(C)については、特に限定するものではないが、例えば、一般公知のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、又はポリマーポリオールが挙げられる。当該ポリオールについては、単独で用いることもできるし、混合物として用いることもできる。
【0075】
公知のポリエステルポリオールとしては、通常、二塩基酸(例えば、アジピン酸、フタル酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、リシノール酸等)とヒドロキシ化合物(例えば、グリコール等)の重合反応物が挙げられる。当該ポリエステルポリオールの具体例としては、特に限定するものではないが、例えば、DMT(テレフタル酸ジメチル)製造時の副産物、若しくは無水フタル酸製造の副産物を出発原料とするポリエステルポリオール、又はナイロン製造時の副産物、TMP(トリメチロールプロパン)製造時の副産物、ペンタエリスリトール製造時の副産物、若しくはフタル酸系ポリエステル製造時の副産物から誘導されるポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0076】
公知のポリエーテルポリオールとしては、多価アルコール(例えば、グリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等)、脂肪族アミン化合物(例えば、アンモニア、エチレンジアミン、エタノールアミン等)、又は芳香族アミン化合物(例えば、トルエンジアミン、ジフェニルメタン-4、4’-ジアミン等)、マンニッヒポリオール等の活性水素含有化合物、及びそれらにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを反応させて得られるものが例示できる。
【0077】
公知のポリマーポリオールとしては、上記のポリエーテルポリオールとエチレン性不飽和単量体(例えば、ブタジエン、アクリロニトリル、スチレン等)をラジカル重合触媒の存在下に反応させて得られるものが挙げられる。
【0078】
これらのポリオールの内、硬質ポリウレタンフォームの製造に適するという点で、ポリエーテル又はポリエステルポリオールが好ましい。また、硬質ポリウレタンフォームの製造に適するという点で、当該ポリオールの平均官能価は4~8であることが好ましく、当該ポリオールの平均ヒドロキシル価は200~800mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは300~700mgKOH/gである。
【0079】
本発明のポリオール系配合液組成物において、前記の一般式(1)、(2)、又は(4)で表されるアミン化合物の炭酸塩(A)の含有量は、特に限定するものではないが、ポリオール(C)を100重量部としたとき、0.1~100重量部であることが好ましく、0.1~50重量部であることがより好ましく、0.1~10重量部であることがより好ましく、2~6重量部であることがより好ましく、3~5重量部であることがより好ましい。
【0080】
本発明のポリオール系配合液組成物は、ヒドロクロロフルオロオレフィン(B)を含む発泡剤を含むことを特徴とする。
【0081】
前記のヒドロクロロフルオロオレフィン(B)については、特に限定するものではないが、例えば、その地球温暖化係数(GWP;Global Warmng Potential)が、150以下であるものが好ましく、より好ましくは100以下であり、さらにより好ましくは75以下である。
【0082】
前記のヒドロクロロフルオロオレフィン(B)については、特に限定するものではないが、例えば、そのオゾン破壊係数(ODP;Ozone Depletion Potential)が、0.05以下であるものが好ましく、より好ましくは0.02以下であり、さらにより好ましくは0.01以下である。
【0083】
前記のヒドロクロロフルオロオレフィン(B)としては、特に限定するものではないが、例えば、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd)、2-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224xe)、1-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224zb)、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233yd)、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zd)、1-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zb)、2-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xe)、2-クロロ-1,1,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xc)、3-クロロ-1,2,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233ye)、3-クロロ-1,1,2-トリフルオロプロペン(HCFO-1233yc)、1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1223xd)、2,3-ジクロロ-3,3-ジフルオロプロペン(HCFO-1232xf)、1,2,3-トリクロロ-3,3-ジフルオロプロペン(HCFO-1222xd)、2,3-ジクロロ-1,1-ジフルオロプロペン(HCFO-1232xc)、2,3,3-トリクロロ-3-フルオロプロペン(HCFO-1231xf)、1,3-ジクロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1223yd)、又は1-クロロ-2,3,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロ-1-ペンテン(HCFO-1437dycc)等が挙げられる。例示したヒドロクロロフルオロオレフィンについては、全ての構造異性体、幾何異性体、及び立体異性体を包含するものである。なお、ヒドロクロロフルオロオレフィン(B)については、上記で具体的に例示したものを単独で用いることもできるし、2種以上の混合物として用いることもできる。
【0084】
これらのヒドロクロロフルオロオレフィン(B)のうち、ポリウレタンフォームの断熱性能に優れる点でトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zd(E))、又は1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd(Z))が好ましい。なお、ヒドロクロロフルオロオレフィン(B)については、上記で具体的に例示したものを単独で用いることもできるし、2種以上の混合物として用いることもできる。
【0085】
前記のヒドロクロロフルオロオレフィン(B)を含む発泡剤については、ヒドロクロロフルオロオレフィン(B)のみからなる発泡剤であってもよいし、ヒドロクロロフルオロオレフィン(B)とその他の発泡剤からなる発泡剤であってもよい。
【0086】
前記のその他の発泡剤としては、特に限定するものではないが、例えば、水、ギ酸、有機酸化合物(例えば、酢酸、プロピオン酸等、イソシアネート基と反応してCOを発生)、エーテル、ハロゲン化エーテル、炭化水素(例えば、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、又はシクロペンタン)、又はヒドロフルオロオレフィンが挙げられる。なお、例示したその他の発泡剤については、単独で用いることもできるし、複数を混合して用いることもできる。
【0087】
発泡剤については、上記の通り、その全量が上記のヒドロクロロフルオロオレフィン(B)であってもよいし、前記のヒドロクロロフルオロオレフィン(B)とその他の発泡剤の混合物であってもよい。ヒドロクロロフルオロオレフィン(B)とその他の発泡剤を混合して用いる場合は、前記の発泡剤におけるヒドロクロロフルオロオレフィン(B)の含有量は、発泡剤の総重量の5~90重量%であることが好ましく、より好ましくは7~80重量%であり、より好ましくは10~70重量%である。逆に、前記のその他の発泡剤の含有量は、発泡剤の総重量の10~95重量%であることが好ましく、より好ましくは20~93重量%であり、より好ましくは30~90重量%である。
【0088】
本発明のポリオール系配合液組成物において、ヒドロクロロフルオロオレフィン(B)を含む発泡剤の含有量は、ポリオール(C)を100重量部としたとき、特に限定するものではないが、0.1~100重量部とすることが可能であるが、ポリウレタンフォームの断熱性能の観点から、好ましくは1~50重量部であり、より好ましくは10~30重量部であり、より好ましくは15~25重量部である。
【0089】
本発明のポリオール系配合液組成物については、上記((i)、(ii)、(iii)、溶媒、及びその他の発泡剤)以外の成分を含んでいてもよく、特に限定するものではないが、例えば、4級アンモニウム塩化合物、有機金属触媒化合物、整泡剤、架橋剤、鎖延長剤、溶媒、着色剤、難燃剤、老化防止剤、その他公知の添加剤等を挙げることができる。
【0090】
上記の第4級アンモニウム塩化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、水酸化テトラメチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウム2-エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩類、2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2-エチルヘキサン酸塩等のヒドロキシアルキルアンモニウム有機酸塩類が挙げられる。
【0091】
なお、本発明のポリオール系配合液組成物における第4級アンモニウム塩化合物の含有量については、特に限定するものではないが、ポリオール(C)を100重量部としたとき、0.1~100重量部とすることができる。
【0092】
前記の有機金属触媒化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。
【0093】
なお、本発明のポリオール系配合液組成物における有機金属触媒化合物の含有量については、特に限定するものではないが、ポリオール(C)を100重量部としたとき、0.01~10重量部とすることができる。
【0094】
前記の整泡剤としては、特に限定するものではないが、例えば、公知のシリコーン整泡剤を例示することができ、より具体的には例えば、オルガノシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体、又はシリコーン-グリース共重合体等の非イオン系界面活性剤を例示することできる。これらのシリコーン整泡剤については、単独で用いることもできるし、混合物として用いることもできる。
【0095】
上記の架橋剤、又は鎖延長剤としては、特に限定するものではないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、グリセリン等の低分子量の多価アルコール類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子量のアミンポリオール類、又はエチレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンビスオルソクロルアニリン等のポリアミン類等を挙げることができる。
【0096】
このように記載した添加剤(4級アンモニウム塩化合物、有機金属触媒化合物、整泡剤、架橋剤、鎖延長剤、溶媒、着色剤、難燃剤、老化防止剤)の種類や、ポリオール系配合液組成物における含有量については、一般的に使用される種類を一般的に使用される含有量の範囲で使用することが好ましい。
【0097】
架橋剤、又は鎖延長剤の含有量については、特に限定するものではないが、ポリオール(C)を100重量部としたとき、70重量部以下であることが好ましい。
【0098】
本発明のポリオール系配合液組成物は、ポリイソシアネートと混合撹拌して反応させることによって、ポリウレタン樹脂を製造することができる。当該ポリウレタン樹脂としては、特に限定するものではないが、例えば、硬質ポリウレタンフォーム又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォーム等が挙げられる。
【0099】
上記のポリイソシアネートとしては、公知のポリイソシアネートを例示することができ、より具体的には、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、TDI誘導体、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、MDI誘導体、ナフチレンジイソシアネート、又はキシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類、上記のポリイソシアネートとポリオールとの反応により得られる遊離イソシアネート含有プレポリマー類、カルボジイミド変性等の変性ポリイソシアネート類、又はそれらの混合ポリイソシアネート等が例示できる。
【0100】
トルエンジイソシアネート(TDI)としては、例えば、2,4-トルエンジイソシアネート又は2,6-トルエンジイソシアネートを例示することができ、これらについては単独で用いても混合物で用いてもよい。TDI誘導体としては、例えば、TDIとポリオールの反応生成物である末端イソシアネート基を有するTDIプレポリマーを挙げることができる。
【0101】
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート又は4,2’-ジフェニルメタンジイソシアネートを例示することができ、これらについては単独で用いても混合物で用いてもよい。MDI誘導体としては、例えば、MDIの重合体であるポリフェニルポリメチレンジイソシアネート、又はMDIとポリオールの反応生成物である末端イソシアネート基を有するMDIプレポリマーを挙げることができる。
【0102】
これらの内、硬質ポリウレタンフォームの製造に適する点で、MDI又はMDI誘導体が好ましく、これらは混合して使用しても差支えない。
【0103】
硬質ポリウレタンフォームは、通常、高度に架橋された独立気泡構造を有し、可逆変形不可能なフォームであり、軟質及び半硬質ポリウレタンフォームとは全く異なる性質を有する。硬質ポリウレタンフォームの物性は、特に限定されるものではないが、一般的には、密度が20~100kg/mの範囲であることが好ましく、圧縮強度が0.5~10kgf/cm(50~1000kPa)の範囲であることが好ましい。
【0104】
本発明のポリオール系配合液組成物を用いて製造されるポリウレタン樹脂は、種々の用途に使用できる。例えば、断熱建材、冷凍庫の断熱材、冷蔵庫の断熱材などの用途が挙げられる。
【実施例0105】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0106】
調整例1. N-(3-アミノプロピル)-N,N’,N’-トリメチル-[2,2’-オキシビス(エタンアミン)]の合成
容量2リットルのステンレス製オートクレーブ(以下、「反応容器1」と称する。)に、499gのジメチルアミノエトキシエタノール(3.8モル)、38gの銅/酸化亜鉛/アルミナ触媒を仕込んだ。窒素と水素で反応容器1をパージした後、水素圧5.6MPa、195℃の条件で、9時間かけて系内で触媒を還元処理した。次いで、反応容器1を25℃まで冷却して、大気圧まで脱圧した後、0.7MPaの窒素圧力を利用して、177gのモノメチルアミン(5.7モル)を反応容器1に圧入した。再び、反応容器1を1.5MPaまで水素で昇圧し、195℃に昇温し、温度と圧力を24時間維持した。得られた反応液から、蒸留処理により、蒸留取得物 326gを得た。蒸留取得物の主成分は、N,N,N’-トリメチルビス(アミノエチル)エーテルとジメチルアミノエトキシエタノールであった。
【0107】
次いで、326gの蒸留取得物を、還流器の付いた三口フラスコに仕込み、55℃に昇温して、71gのアクリロニトリル(1.3モル)を2時間かけて前記の蒸留取得物中に流し込んだ。更に5時間、温調と撹拌を継続した。その結果、N,N,N’-トリメチルビス(アミノエチル)エーテル(原料成分)が1%以下となった反応生成物Aが得られた。
【0108】
次いで、容量1リットルのステンレス製オートクレーブ(以下、反応容器2)に、20gのクロム添加スポンジニッケル触媒及び150gの28重量%水酸化アンモニウム水溶液を仕込んだ。窒素と水素で反応容器2をパージした後、90℃まで昇温し、水素で8.2MPaに加圧した。上記の反応で得られた反応生成物Aの全量を3.5時間かけてポンプで反応容器2に供給した後、更に1時間、温調と撹拌を継続した。反応容器2の圧力を開放し、容器内部2の反応液を取り出した。前記反応液について、ろ過により前記触媒を除去した後、減圧蒸留(塔頂温度:124~133℃、減圧度:13hPa)することにより、140gのN-(3-アミノプロピル)-N,N’,N’-トリメチル-[2,2’-オキシビス(エタンアミン)]を得た。
【0109】
製造例1.
190ccの耐圧容器にN,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン(東京化成工業社製) 26.0g(0.20mol)、純水 3.6g(0.20mol)を仕込み、耐圧容器を密閉した。仕込んだ液をマグネチックスターラーで攪拌し、容器温度を25℃に保ちながら、15時間かけて気相部に二酸化炭素を吹き込んだ。反応液(N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン炭酸塩の水溶液) 35.8gを得た。
【0110】
吸収した二酸化炭素の重量から計算される反応液の組成は以下の通りであった。
・N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン: 74.6重量%
・純水: 8.3重量%
・二酸化炭素: 17.1重量%
本組成物を(A-1)と称する。
【0111】
製造例2.
前記の製造例1において、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン(東京化成工業社製) 26.0g(0.20mol)に代えて、3,3’‐イミノビス(N,N‐ジメチルプロピルアミン)(東京化成工業社製) 37.5g(0.20mol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作を行い、反応液(3,3’‐イミノビス(N,N‐ジメチルプロピルアミン炭酸塩の水溶液) 45.8gを得た。
【0112】
吸収した二酸化炭素の重量から、反応液の組成は以下の通りと見積もられた。
・3,3’‐イミノビス(N,N‐ジメチルプロピルアミン): 81.9重量%
・純水: 7.9重量%
・二酸化炭素: 10.3重量%
本組成物を(A-2)と称する。
【0113】
製造例3.
前記の製造例1において、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン(東京化成工業社製) 26.0g(0.20mol)に代えて、N-(3-アミノプロピル)-N,N’,N’-トリメチル-[2,2’-オキシビス(エタンアミン)](上記の調整例1に示す合成品) 40.7g(0.20mol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作を行い、反応液(N-(3-アミノプロピル)-N,N’,N’-トリメチル-[2,2’-オキシビス(エタンアミン)]炭酸塩の水溶液) 49.1gを得た。
【0114】
吸収した二酸化炭素の重量から、反応液の組成は以下の通りと見積もられた。
・N-(3-アミノプロピル)-N,N’,N’-トリメチル-[2,2’-オキシビス(エタンアミン)]: 82.9重量%
・純水: 7.3重量%
・二酸化炭素: 9.8重量%
本組成物を(A-3)と称する。
【0115】
以下、ポリウレタンフォーム製造例及び評価結果について、説明する。本発明に関係する原材料であって、上記の化合物以外のものとしては下記のものを用いた。
【0116】
ポリオールA: マキシモールRDK-133(芳香族ポリエステルポリオール、OH価=319mgKOH/g、川崎化成工業株式会社製)
ポリオールB: DKポリオール3776(マンニッヒ系ポリエーテルポリオール、OH価=349mgKOH/g、第一工業製薬株式会社製)
難燃剤: TMCPP(含ハロゲンリン酸エステル、大八化学工業株式会社製)
整泡剤: NIAX(登録商標) SILICONE L-5420(シリコーン整泡剤、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
発泡剤A: ソルスティス(登録商標)LBA(1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン、日本ハネウェル株式会社製)
発泡剤B: 水
ポリイソシアネート液: ポリメリックMDI(東ソー株式会社製、ミリオネート(登録商標)MR200、NCO含量=31.0%)
実施例1.
本発明のポリウレタンフォーム製造用触媒を用い、硬質ポリウレタンフォームを製造した。
【0117】
ポリオールA 70重量部、ポリオールB 30重量部、難燃剤 20重量部、及び整泡剤A 2.0重量部を秤量し、十分に攪拌混合し、混合物を得た。次いで、前記混合物 36.6gを300mlポリエチレンカップに取り、前記の組成物(A-1)を1.21g(ポリオール(A+B) 100重量部に対して4.02重量部であって、組成物(A-1)中のアミンの添加量が3重量部となり、組成物(A-1)中のアミンの炭酸塩の添加量が3.69重量部となる量)を添加し、発泡剤B(水)を0.50g(組成物(A-1)中の水と発泡剤B(水)の合計量が前記のポリオール(A+B) 100重量部に対して、2重量部となる量)を添加し、発泡剤A 4.5g(ポリオール(A+B) 100重量部に対して15.0重量部に相当する量)を添加して、ポリオール系配合液組成物を製造した。得られたポリオール系配合液組成物を20℃に温度調整した。
【0118】
得られたポリオール系配合液組成物の組成は下記の通り。
【0119】
【表1】
【0120】
上記で得られた、20℃に調温されたポリオール系合液組成物 42.8gの入った300mlポリエチレンカップに、同じく20℃に温度調整したポリイソシアネート液(ミリオネートMR200) 37.3g(イソシアネートインデックス〔[イソシアネート基]/[OH基](モル比)×100)〕が110となる量に相当)を入れ、次いで、素早く攪拌機にて7000rpmで2秒間攪拌し、攪拌した混合液を23℃に温度調節した1Lポリエチレンカップに移して発泡反応を行い、発泡中の反応性を以下に示す方法で測定した。また、得られた硬質ポリウレタンフォームについて、中心部を切り出してコア密度を記録した。
【0121】
[反応性の測定]
・クリームタイム: 混合攪拌した混合液が白く変色し、フォームが膨らみ始めた時間を目視にて測定
[ポリウレタンフォームのコア密度]
・コア密度: 1Lポリエチレンカップの中で硬化したフォームの中心部を10×6×6cmに切り出して重量を測定してコア密度を求めた。
【0122】
次に、上記の方法で製造したポリオール系配合組成物を密閉容器に入れて、40℃の恒温室で7日間保管した後、上記と同じ条件で発泡反応を行い、[反応性の測定]及び[ポリウレタンフォームのコア密度]の評価を行った。結果を表4に示した。
【0123】
実施例2.
実施例1において、組成物(A-1)の代わりに組成物(A-2)を用い、添加量を調整した以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記の組成のポリオール系配合液組成物を製造した。
【0124】
【表2】
【0125】
ここで製造したポリオール系配合液組成物を用いて、実施例1と同じ条件で発泡反応を行い、実施例1に記載の方法で評価した。結果を表5に示した。
【0126】
実施例3.
実施例1において、組成物(A-1)の代わりに組成物(A-3)を用い、添加量を調整した以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記の組成のポリオール系配合液組成物を製造した。
【0127】
【表3】
【0128】
ここで製造したポリオール系配合液組成物を用いて、実施例1と同じ条件で発泡反応を行い、実施例1に記載の方法で評価した。結果を表6に示した。
【0129】
比較例1.
実施例1において、組成物(A-1)4.02重量部の代わりにN,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン 3.00重量部を用いた以外は、実施例1と同様に実験操作を行い、評価データを取得した。結果を表4に示した。
【0130】
比較例2.
実施例1において、組成物(A-2) 3.66重量部の代わりに3,3’-イミノビス(N,N-ジメチルプロピルアミン) 3.00重量部を用いた以外は、実施例2と同様に実験操作を行い、評価データを取得した。結果を表4に示した。
【0131】
比較例3.
実施例1において、組成物(A-3) 3.62重量部の代わりに調整例1で取得したN-(3-アミノプロピル)-N,N’,N’-トリメチル-[2,2’-オキシビス(エタンアミン)] 3.00重量部を用いた以外は、実施例3と同様に実験操作を行い、評価データを取得した。結果を表4に示した。
【0132】
【表4】
【0133】
【表5】
【0134】
【表6】
【0135】
製造例4.
前記の製造例1において、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン(東京化成工業社製) 26.0g(0.20mol)、純水 3.6g(0.20mol)に代えて、N,N-ジエチル-1,2-ジアミノエタン(東京化成工業社製) 17.4g(0.15mol)、純水 2.7g(0.15mol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作を行い、反応液(N,N-ジエチル-1,2-ジアミノエタン炭酸塩の水溶液) 24.7gを得た。
【0136】
吸収した二酸化炭素の重量から、反応液の組成は以下の通りと見積もられた。
・N,N-ジエチル-1,2-ジアミノエタン: 70.5重量%
・純水: 10.9重量%
・二酸化炭素: 18.5重量%
本組成物を(A-4)と称する。
【0137】
製造例5.
前記の製造例1において、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン(東京化成工業社製) 26.0g(0.20mol)、純水 3.6g(0.20mol)に代えて、N,N-ジイソプロピル-1,2-ジアミノエタン(東京化成工業社製) 14.4g(0.10mol)、純水 1.8g(0.10mol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作を行い、反応液(N,N-ジイソプロピル-1,2-ジアミノエタン炭酸塩の水溶液) 19.5gを得た。
【0138】
吸収した二酸化炭素の重量から、反応液の組成は以下の通りと見積もられた。
・N,N-ジイソプロピル-1,2-ジアミノエタン: 74.0重量%
・純水: 9.2重量%
・二酸化炭素: 16.7重量%
本組成物を(A-5)と称する。
【0139】
製造例6.
前記の製造例1において、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン(東京化成工業社製) 26.0g(0.20mol)に代えて、2-アミノエタノール(東京化成工業社製) 9.4g(0.20mol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作を行い、反応液(2-アミノエタノール炭酸塩の水溶液) 17.2gを得た。
【0140】
吸収した二酸化炭素の重量から、反応液の組成は以下の通りと見積もられた。
・2-アミノエタノール: 61.6重量%
・純水: 18.2重量%
・二酸化炭素: 20.2重量%
本組成物を(A-6)と称する。
【0141】
製造例7.
前記の製造例1において、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン(東京化成工業社製) 26.0g(0.20mol)に代えて、2-(メチルアミノ)エタノール(東京化成工業社製) 12.2g(0.20mol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作を行い、反応液(2-(メチルアミノ)エタノール炭酸塩の水溶液) 19.9gを得た。
【0142】
吸収した二酸化炭素の重量から、反応液の組成は以下の通りと見積もられた。
・2-(メチルアミノ)エタノール: 64.2重量%
・純水: 15.4重量%
・二酸化炭素: 20.4重量%
本組成物を(A-7)と称する。
【0143】
製造例8.
前記の製造例1において、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン(東京化成工業社製) 26.0g(0.20mol)に代えて、2-(ジメチルアミノ)エタノール(東京化成工業社製) 17.8g(0.20mol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作を行い、反応液(2-(ジメチルアミノ)エタノール炭酸塩の水溶液) 23.5gを得た。
【0144】
吸収した二酸化炭素の重量から、反応液の組成は以下の通りと見積もられた。
・2-(ジメチルアミノ)エタノール: 75.8重量%
・純水: 15.3重量%
・二酸化炭素: 8.9重量%
本組成物を(A-8)と称する。
【0145】
製造例9.
前記の製造例1において、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン(東京化成工業社製) 26.0g(0.20mol)に代えて、N,N-ジメチル-1,3-ジアミノプロパン(東京化成工業社製) 20.4g(0.20mol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作を行い、反応液(N,N-ジメチル-1,3-ジアミノプロパン炭酸塩の水溶液) 31.4gを得た。
【0146】
吸収した二酸化炭素の重量から、反応液の組成は以下の通りと見積もられた。
・N,N-ジメチル-1,3-ジアミノプロパン: 65.1重量%
・純水: 23.4重量%
・二酸化炭素: 11.5重量%
本組成物を(A-9)と称する。
【0147】
製造例10.
前記の製造例1において、N,N-ジエチル-1,3-ジアミノプロパン(東京化成工業社製) 26.0g(0.20mol)、純水 3.6g(0.20mol)に代えて、N,N-ジメチル-1,2-ジアミノエタン(東京化成工業社製) 13.2g(0.15mol)、純水 2.7g(0.15mol)を使用した以外は、製造例1と同様に操作を行い、反応液(N,N-ジメチル-1,2-ジアミノエタン炭酸塩の水溶液) 31.4gを得た。
【0148】
吸収した二酸化炭素の重量から、反応液の組成は以下の通りと見積もられた。
・N,N-ジメチル-1,2-ジアミノエタン: 62.0重量%
・純水: 25.3重量%
・二酸化炭素: 12.7重量%
本組成物を(A-10)と称する。
【0149】
実施例4.
実施例1において、組成物(A-1)の代わりに組成物(A-4)を用い、添加量を調整した以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記の組成のポリオール系配合液組成物を製造した。
【0150】
【表7】
【0151】
ここで製造したポリオール系配合液組成物を用いて、実施例1と同じ条件で発泡反応を行い、実施例1に記載の方法で評価した。結果を表に示した。
【0152】
【表8】
【0153】
実施例5.
実施例1において、組成物(A-1)の代わりに組成物(A-5)を用い、添加量を調整した以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記の組成のポリオール系配合液組成物を製造した。
【0154】
【表9】
【0155】
ここで製造したポリオール系配合液組成物を用いて、実施例1と同じ条件で発泡反応を行い、実施例1に記載の方法で評価した。結果を表に示した。
【0156】
【表10】
【0157】
比較例4.
実施例1において、組成物(A-1)の代わりに組成物(A-6)を用い、添加量を調整した以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記の組成のポリオール系配合液組成物を製造した。
【0158】
【表11】
【0159】
ここで製造したポリオール系配合液組成物を用いて、実施例1と同じ条件で発泡反応を行い、実施例1に記載の方法で評価した。結果を表に示した。
【0160】
【表12】
【0161】
比較例5.
実施例1において、組成物(A-1)の代わりに組成物(A-7)を用い、添加量を調整した以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記の組成のポリオール系配合液組成物を製造した。
【0162】
【表13】
【0163】
ここで製造したポリオール系配合液組成物を用いて、実施例1と同じ条件で発泡反応を行い、実施例1に記載の方法で評価した。結果を表に示した。
【0164】
【表14】
【0165】
比較例6.
実施例1において、組成物(A-1)の代わりに組成物(A-8)を用い、添加量を調整した以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記の組成のポリオール系配合液組成物を製造した。
【0166】
【表15】
【0167】
ここで製造したポリオール系配合液組成物を用いて、実施例1と同じ条件で発泡反応を行い、実施例1に記載の方法で評価した。結果を表に示した。
【0168】
【表16】
【0169】
比較例7.
実施例1において、組成物(A-1)の代わりに組成物(A-9)を用い、添加量を調整した以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記の組成のポリオール系配合液組成物を製造した。
【0170】
【表17】
【0171】
ここで製造したポリオール系配合液組成物を用いて、実施例1と同じ条件で発泡反応を行い、実施例1に記載の方法で評価した。結果を表に示した。
【0172】
【表18】
【0173】
比較例8.
実施例1において、組成物(A-1)の代わりに組成物(A-10)を用い、添加量を調整した以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記の組成のポリオール系配合液組成物を製造した。
【0174】
【表19】
【0175】
ここで製造したポリオール系配合液組成物を用いて、実施例1と同じ条件で発泡反応を行い、実施例1に記載の方法で評価した。結果を表に示した。
【0176】
【表20】
【0177】
以上の結果をまとめると表21のようになる。
【0178】
【表21】
【0179】
表21より明らかなように、本発明のアミン炭酸塩を含有するポリウレタンフォーム製造用のポリオール系配合液組成物を用いた実施例1~5では、貯蔵前のクリームタイムが5秒以下であり初期発泡性が早い特長がある。また、貯蔵後のクリームタイムであっても6秒以下であり、貯蔵後の反応遅延が小さいという特長を示した。
【0180】
一方、比較例1~5では、貯蔵前のクリームタイムが6秒以上であり初期発泡性が遅い上に、貯蔵後のクリームタイムが9秒以上と大幅に初期発泡性が遅くなっている。
【0181】
また比較例6においては貯蔵前のクリームタイムが3秒であり初期発泡性が早いが、貯蔵後のクリームタイムが7秒であり、大幅な反応遅延が見られた。
【0182】
比較例7においても貯蔵前のクリームタイムが4秒であり初期発泡性が早いが、貯蔵後のクリームタイムが7秒であり、大幅な反応遅延が見られた。
【0183】
比較例8においては貯蔵前のクレームタイムが2秒以下とかなり迅速であったが、物性評価に耐える性状なフォームを製造することができなかった。また、貯蔵後のクリームタイムが5秒であり、大幅な反応遅延が見られた。反応性の変化が大きく、安定性と信頼性が求められる産業上利用は困難である。
【0184】
また、実施例1~5については、貯蔵前後におけるフォームの密度変化が小さいという特長があったが、比較例4~7については、貯蔵前後におけるフォームの密度変化が大きく、産業利用上の課題があった。
【0185】
つまり本発明の組成物は貯蔵安定性が高く、高い信頼性が求められる産業用途で安心して使用することができる。