(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175499
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20221117BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20221117BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
H05K1/02 R
H05K3/34 502D
H01L23/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081908
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関島 信一朗
【テーマコード(参考)】
5E319
5E338
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319AB05
5E319AC01
5E319GG15
5E338BB63
5E338BB75
5E338DD12
5E338EE43
(57)【要約】
【課題】認識性に優れた認識マークを提供できる配線基板等を提供する。
【解決手段】配線基板は、配線と、前記配線を覆う絶縁層とを有する。前記配線は、平面形状が所定形状の認識マークとなるように形成された第1の配線を有する。前記絶縁層は、前記第1の配線の上面を全て露出させるように当該絶縁層の厚さ方向に貫通する、平面形状が異形状の貫通孔を有する。前記貫通孔は、前記第1の配線の上面を全て露出させるように前記絶縁層を前記厚さ方向に貫通する、平面形状が所定形状の第1の貫通孔と、前記第1の貫通孔の内壁面の一部となる前記絶縁層を前記厚さ方向に貫通する第2の貫通孔と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線と、前記配線を覆う絶縁層とを有し、
前記配線は、
平面形状が所定形状の認識マークとなるように形成された第1の配線を有し、
前記絶縁層は、
前記第1の配線の上面を全て露出させるように当該絶縁層の厚さ方向に貫通する、平面形状が異形状の貫通孔を有し、
前記貫通孔は、
前記第1の配線の上面を全て露出させるように前記絶縁層を前記厚さ方向に貫通する、平面形状が所定形状の第1の貫通孔と、
前記第1の貫通孔の内壁面の一部となる前記絶縁層を前記厚さ方向に貫通する第2の貫通孔と、
を有することを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記第1の貫通孔及び前記第1の配線の平面形状が円形状であって、
前記第1の貫通孔の口径は前記第1の配線の径よりも大きく、前記第1の貫通孔内の内壁面と前記第1の配線の側壁とが接触しないように、前記第1の配線を前記第1の貫通孔内に配置したことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
半導体チップを搭載する、平面形状が矩形状のチップ実装領域を基板上に縦横方向に複数配置し、前記チップ実装領域毎に、当該チップ実装領域の略対角線上の当該チップ実装領域の外側の部位に一方の前記第1の貫通孔と他方の前記第1の貫通孔とが対向するように配置し、一方の前記第1の貫通孔の内壁面の第1の位置に一方の前記第2の貫通孔が形成され、前記他方の第1の貫通孔の内壁面の前記第1の位置とは異なる第2の位置に他方の前記第2の貫通孔が形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記配線は、
少なくとも一部がパッドとして前記絶縁層から露出される第2の配線を含み、
前記第1の配線と前記第2の配線とは同じ厚さで形成されていることを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載の配線基板。
【請求項5】
配線と、前記配線を覆う絶縁層と、半導体チップとを有し、
前記配線は、
平面形状が所定形状の認識マークとなるように形成された第1の配線と、
前記半導体チップが電気的に接続するパッドとなる第2の配線とを有し、
前記絶縁層は、
前記第1の配線の上面を全て露出させるように当該絶縁層の厚さ方向に貫通する、平面形状が異形状の貫通孔を有し、
前記貫通孔は、
前記第1の配線の上面を全て露出させるように前記絶縁層を前記厚さ方向に貫通する、平面形状が所定形状の第1の貫通孔と、
前記第1の貫通孔の内壁面の一部となる前記絶縁層を前記厚さ方向に貫通する第2の貫通孔と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
絶縁層から露出される認識マークを有する配線基板の製造方法であって、
平面形状が所定形状の前記認識マークとなる第1の配線を形成する配線層形成工程と、
前記第1の配線を覆うように前記絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記第1の配線の上面の全てを前記絶縁層から露出するように前記絶縁層の厚さ方向に貫通する、平面形状が異形状の貫通孔を前記絶縁層に形成する開口形成工程と、
を有し、
前記開口形成工程は、
前記第1の配線の上面を全て露出させるように前記厚さ方向に貫通する、平面形状が所定形状の第1の貫通孔を前記絶縁層に形成する第1の貫通孔形成工程と、
前記第1の貫通孔の内壁面の一部となる前記絶縁層を前記厚さ方向に貫通する第2の貫通孔を前記絶縁層に形成する第2の貫通孔形成工程とを有し、
前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔を用いて前記異形状の前記貫通孔を形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項7】
前記配線層形成工程では、
前記第1の配線と同じ厚さの第2の配線を形成し、
前記絶縁層形成工程では、
前記第1の配線と前記第2の配線とを覆うように前記絶縁層を形成し、
前記開口形成工程では、
前記第2の配線に対向する領域の前記絶縁層を前記厚さ方向に貫通することで、前記第2の配線の少なくとも一部を前記絶縁層から露出してパッドを形成することを特徴とする請求項6に記載の配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体チップ等の実装部品を配線基板に実装する場合には、配線基板の最表層がソルダーレジストと呼ばれる絶縁材料によって半田の付着や汚染等から保護されることになる。この場合、実装部品との接続に必要なパッドを形成するために、ソルダーレジストの下層に形成された配線層を露出させるための開口部が形成されることになる。
【0003】
図12は、従来の配線基板100の一例及び認識マーク103の一例を示す概略平面図である。
図12に示す配線基板100には、半導体チップを搭載するためのチップ実装領域101と、チップ実装領域101内の複数のパッド102とを有する。また、チップ実装領域101の周辺には、半導体チップをチップ実装領域101に搭載する際の位置決めに使用する認識マーク(アライメントマーク)103が形成されている。認識マーク103は、絶縁層105上に形成されたソルダーレジスト層104に平面形状が円形状の開口部104Aを形成し、開口部104Aから露出される配線パターンで形成されることになる。
【0004】
認識マーク103は、平面形状が円部分103Aと直線部分103Bとを含む配線パターンで形成されることになる。そして、配線基板100のチップ実装領域101の対角線上のチップ実装領域101周辺に2箇所の認識マーク103が形成されることになる。
【0005】
配線基板100上のチップ実装領域101に半導体チップを搭載する搭載装置では、チップ実装領域101周辺の2箇所の認識マーク103を識別し、識別した2箇所の認識マーク103の位置を基準にしてチップ実装領域101の位置を識別する。更に、搭載装置は、認識したチップ実装領域101上に半導体チップを搭載する。その結果、認識マーク103を識別して半導体チップをチップ実装領域101に正確に配置できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6-177492号公報
【特許文献2】特開2007-258374号公報
【特許文献3】特開2012-74443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図13は、従来の認識マーク103の境界点Yの認識動作の一例を示す説明図である。搭載装置は、配線基板100上から認識マーク103を識別し、ソルダーレジスト層104の開口部104Aにある認識マーク103の円部分103A及び直線部分103B(配線パターン)と下層の絶縁層105との間の複数の境界点Yを識別する。そして、搭載装置は、
図13に示すように、識別された複数の境界点Yに基づき、仮想円を算出し、仮想円の中心を認識マーク103の中心として算出することになる。搭載装置は、チップ実装領域101周辺で算出した2箇所の認識マーク103の中心に基づき、チップ実装領域101の位置を識別することになる。しかしながら、認識マーク103が円部分103A及び直線部分103Bの配線パターンを用いて仮想円を算出することになるため、正確な認識マーク103の中心を算出するものではない。
【0008】
図14は、従来の認識マーク103の認識動作の課題の一例を示す説明図である。搭載装置は、ソルダーレジスト層104の開口部104Aの位置がズレると、開口部104A内の認識マーク103の円部分103A及び直線部分103Bの配線パターンの一部がソルダーレジスト層104に隠れることになる。その結果、搭載装置では、認識マーク103の配線パターンの一部が識別できなくなるため、認識マーク103の識別精度が低下してしまう。しかも、認識マーク103の直線部分103Bがソルダーレジスト層104に隠れて認識マーク103の円部分103Aの配線パターンしか露出していないような場合がある。この場合、搭載装置は、露出している認識マーク103の円部分103Aがパッド102と同一サイズの円形状であるため、認識マーク103をパッド102と誤認識してしまうおそれがある。
【0009】
また、認識マーク103を形成する開口部104Aを円形状ではなく、四角形や三角形にすることも考えられる。
図15Aは、従来の開口部104Bの一例を示す概略平面図、
図15Bは、従来の開口部104Cの一例を示す概略平面図である。開口部104B及び104Cは、円形状に比較して開口サイズを大きくする必要があるが、開口サイズを小さくした場合、鋭角な開口を形成するのは難しくなる。その結果、開口部104B及び104Cの直線部分X1とエッジのラウンドしている部分X2の寸法比率が安定しないため、開口部104Aとしては適さない。
【0010】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、認識性に優れた認識マークを提供できる配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願が開示する配線基板は、1つの態様において、配線と、前記配線を覆う絶縁層とを有する。前記配線は、平面形状が所定形状の認識マークとなるように形成された第1の配線を有する。前記絶縁層は、前記第1の配線の上面を全て露出させるように当該絶縁層の厚さ方向に貫通する、平面形状が異形状の貫通孔を有する。前記貫通孔は、前記第1の配線の上面を全て露出させるように前記絶縁層を前記厚さ方向に貫通する、平面形状が所定形状の第1の貫通孔と、前記第1の貫通孔の内壁面の一部となる前記絶縁層を前記厚さ方向に貫通する第2の貫通孔と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本願が開示する配線基板の1つの態様によれば、認識マークの上面を全て露出させるように形成した異形状の貫通孔を使用することで、認識性に優れた認識マークを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本実施例の半導体装置及び認識マークの一例を示す概略平面図である。
【
図2】
図2は、本実施例の配線基板及び認識マークの一例を示す概略平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す半導体装置のA-A線概略断面図である。
【
図4】
図4は、認識マークの一例を示す平面図及びB-B線概略断面図である。
【
図5】
図5は、認識マークの境界点の認識動作の一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、半導体装置の製造工程の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7A】
図7Aは、第1の配線層形成工程の一例を示す説明図である。
【
図7B】
図7Bは、絶縁層形成工程の一例を示す説明図である。
【
図7C】
図7Cは、第1の開口形成工程の一例を示す説明図である。
【
図7D】
図7Dは、シード層形成工程の一例を示す説明図である。
【
図8A】
図8Aは、第2の配線層形成工程の一例を示す説明図である。
【
図8B】
図8Bは、パターン除去工程の一例を示す説明図である。
【
図8C】
図8Cは、ソルダーレジスト層形成工程の一例を示す説明図である。
【
図9A】
図9Aは、第2の開口形成工程の一例を示す説明図である。
【
図9C】
図9Cは、完成品の半導体装置の一例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、複数の配線基板の一例を示す概略平面図である。
【
図12】
図12は、従来の配線基板及び認識マークの一例を示す概略平面図である。
【
図13】
図13は、従来の認識マークの境界点の認識動作の一例を示す説明図である。
【
図14】
図14は、従来の認識マークの認識動作の課題の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願が開示する配線基板、半導体装置及び配線基板の製造方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【実施例0015】
図1は、本実施例の半導体装置1及び認識マーク22の一例を示す概略平面図、
図2は、本実施例の配線基板2及び認識マーク22の一例を示す概略平面図、
図3は、
図2に示す半導体装置1のA-A線概略断面図である。
【0016】
図1及び
図3に示す半導体装置1は、配線基板2と、半導体チップ3と、アンダーフィル樹脂4とを有する。
図3に示す配線基板2は、基板本体10と、最上層の配線(配線)である配線パターン20A(20)と、最下層の配線である配線パターン20B(20)と、最上層のソルダーレジスト層30A(30)と、最下層のソルダーレジスト層30B(30)とを有する。尚、配線基板2に実装される半導体チップ3は、その回路形成面にマトリクス状に配設された複数のバンプ3Aを備えている。ソルダーレジスト層30Aは、最上層の配線である配線パターン20Aを覆う絶縁層である。以下においては、
図3に示すように、ソルダーレジスト層30Aが最上層であり、ソルダーレジスト層30Bが最下層であるものとして説明するが、配線基板2は、例えば、上下反転して用いられても良く、任意の姿勢で用いられて良い。
【0017】
図3に示す基板本体10は、コア基板11と、複数の絶縁層12(12A,12B)と、複数の絶縁層12に形成された配線13(13A,13B)及びビア14(14A,14B)等とを有する。基板本体10に設けられた配線13及びビア14は、配線パターン20A及び20Bを電気的に接続している。尚、配線13やビア14の材料としては、例えば、銅(Cu)を用いることができる。また、絶縁層12の材料としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂の絶縁樹脂を用いることができる。
【0018】
配線パターン20Aは、基板本体10のチップ実装面側(
図3において上面側)に設けられ、配線パターン20A1と、配線パターン20A2とを有する。配線パターン20A1は、半導体チップ3のバンプ3Aが接続されるパッド21Aとなる第2の配線である。配線パターン20A1の平面形状は、例えば、円形状である。
【0019】
配線パターン20A2は、その上面の全てがソルダーレジスト層30Aから露出されることで認識マーク22となる第1の配線である。また、配線パターン20A2の平面形状は、
図1に示すように、例えば、円形状である。配線パターン20A内の配線パターン20A1及び配線パターン20A2は、同じ厚さで形成されている。配線パターン20Aの材料、すなわちパッド21A及び認識マーク22の材料としては、例えば、銅を用いることができる。尚、配線パターン20Aは、銅層の表面に所要のめっき(例えば、ニッケルめっきや金めっき等)を施して形成するようにしてもよい。
【0020】
配線パターン20Bは、
図3に示すように、基板本体10のチップ実装面と反対側(
図3において下面側)に設けられている。配線パターン20Bは、パッド21Bとなる。尚、配線パターン20Bの材料としては、例えば、銅を用いることができる。
【0021】
ソルダーレジスト層30Aは、配線パターン20Aを覆うように基板本体10のチップ実装面側に設けられている。ソルダーレジスト層30Aの材料としては、例えば、エポキシ樹脂等の絶縁性の非感光性樹脂を用いることができる。ソルダーレジスト層30Aには、配線パターン20A1であるパッド21Aの一部を露出させるための複数の開口部31Aが形成されると共に、配線パターン20A2である認識マーク22の上面の全てを露出させるための貫通孔32が形成されている。
【0022】
ここで、開口部31Aについて説明する。まず、半導体チップ3のバンプ3Aがマトリクス状に配設されているため、その配設形態に応じてパッド21Aも配線基板2のチップ実装領域CAにマトリクス状に配列されている(
図2参照)。このため、ソルダーレジスト層30A内のチップ実装領域CAには、複数の開口部31Aがマトリクス状に形成されていることになる。また、各開口部31Aの平面形状は、配線パターン20A1のパッド21Aと同様に、円形状である。さらに言うと、各開口部31Aの平面形状は、パッド21Aの一部を露出させるように、パッド21Aの平面形状よりも小さく形成されている。そして、このような開口部31Aによって、配線パターン20A1の一部がパッド21Aとしてソルダーレジスト層30Aから露出されている。
【0023】
次に、貫通孔32について説明する。
図4は、認識マーク22の一例を示す平面図及びB-B線概略断面図である。認識マーク22及びソルダーレジスト層30Aは、絶縁層12A(12)上に形成されている。まず、認識マーク22の平面形状は、例えば、円形状である。そして、貫通孔32は、配線パターン20A2の上面の全てを露出させるように、その平面形状の口径が配線パターン20A2の平面形状の直径よりも大きく形成されている。具体的には、貫通孔32の平面形状の開口面積は認識マーク22の平面面積よりも大きく、貫通孔32の平面形状は異形状である。尚、配線パターン20A2は、例えば、フォトリソグラフィ法等によって平面円形状に容易に形成できる。
【0024】
また、貫通孔32の内側壁面は、認識マーク22の側壁面と離間するソルダーレジスト層30Aによって形成されている。換言すると、認識マーク22の周囲はソルダーレジスト層30Aと離間した状態である。そして、貫通孔32は、第1の貫通孔32Aと、第2の貫通孔32Bとを有する。第1の貫通孔32Aは、認識マーク22の上面を全て露出させるようにソルダーレジスト層30Aの厚さ方向に当該ソルダーレジスト層30Aを貫通する平面形状が円形状の貫通孔である。第2の貫通孔32Bは、第1の貫通孔32Aの内側壁面の一部のソルダーレジスト層30Aをソルダーレジスト層30Aの厚さ方向に貫通する、平面形状が半円形状の貫通孔である。そして、円形状の第1の貫通孔32Aと半円形状の第2の貫通孔32Bとで平面形状が異形状の貫通孔32が形成されることになる。貫通孔32の平面形状は、言い換えると、円形状の第1の貫通孔32Aの内側壁面の一部にザグリ部として第2の貫通孔32Bを設けた形状であり、第1の貫通孔32Aと第2の貫通孔32Bとは繋がって形成されている。更に、貫通孔32の内、第1の貫通孔32A内に円形状の認識マーク22が形成されることになる。
【0025】
また、パッド21Bは、
図3に示すように、基板本体10の下面側に形成されたソルダーレジスト層30Bの開口部31Bから配線パターン20Bの一部が露出されることで形成されることになる。
【0026】
半導体チップ3は、このように構成された配線基板2上のチップ実装領域CAにフリップチップ接合される。すなわち、半導体チップ3は、回路形成面に配設されたバンプ3Aを介して、チップ実装領域CA内のパッド21Aと電気的に接続されることになる。尚、ソルダーレジスト層30Aの開口部31A内のパッド21A上に半導体チップ3のバンプ3Aを搭載した後、加熱により半田を1回溶融してソルダーレジスト層30Aの開口部31Aは半田で満たされた状態である。
【0027】
更に、アンダーフィル樹脂4は、配線基板2と半導体チップ3との隙間を充填するように設けられている。このアンダーフィル樹脂4は、バンプ3Aとパッド21Aとの接続部分の接続強度を向上させると共に、配線パターン20A1の腐食やエレクトロマイグレーションの発生を抑制し、配線パターン20A1の信頼性の低下を防ぐための樹脂である。なお、アンダーフィル樹脂4の材料としては、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。
【0028】
図5は、認識マーク22の境界点Yの認識動作の一例を示す説明図である。図示しない搭載装置は、例えば、一定強度の光を配線基板2上の認識マーク22やソルダーレジスト層30A等の表面に照射し、その反射光の強度に応じて異形状の貫通孔32を認識する。更に、搭載装置は、異形状の貫通孔32を認識した後、貫通孔32内の認識マーク22と絶縁層12Aとの間の複数の境界点Yを認識する。したがって、貫通孔32内の認識マーク22の輪郭(形状)が認識し易くなる。
【0029】
次に、このように構成された半導体装置1の製造方法について説明する。
図6は、半導体装置1の製造工程の手順の一例を示すフローチャートである。
図6において半導体装置1の製造工程としては、コア基板11に配線13(13A,13B)を形成する第1の配線層形成工程を実行する(ステップS11)。製造工程としては、第1の配線層形成工程を実行した後、コア基板11に絶縁層12(12A,12B)を形成する絶縁層形成工程を実行する(ステップS12)。
【0030】
更に、製造工程としては、絶縁層形成工程を実行した後、絶縁層12(12A、12B)上に開口部12A1及び12B1を形成する第1の開口形成工程を実行する(ステップS13)。製造工程としては、第1の開口形成工程を実行した後、絶縁層12(12A、12B)上にシード層S1(S2)を形成するシード層形成工程を実行する(ステップS14)。
【0031】
更に、製造工程としては、シード層形成工程を実行した後、シード層S1上に配線パターン20(20A、20B)を形成するためのメッキレジストパターンを形成する。更に、製造工程としては、メッキレジストパターンを形成した後、配線パターン20を成す電解メッキ層を形成する第2の配線層形成工程を実行する(ステップS15)。製造工程としては、第2の配線層形成工程を実行した後、シード層S1上に形成したメッキレジストパターンを除去するパターン除去工程を実行する(ステップS16)。
【0032】
更に、製造工程としては、パターン除去工程を実行した後、絶縁層12上の不要なシード層S1(S2)を除去するシード層除去工程を実行する(ステップS17)。更に、製造工程としては、シード層除去工程を実行した後、絶縁層12上に配線パターン20表面を覆うようにソルダーレジスト層30(30A、30B)を形成するソルダーレジスト層形成工程を実行する(ステップS18)。更に、製造工程としては、ソルダーレジスト層形成工程を実行した後、ソルダーレジスト層30上に開口部31A(31B)及び貫通孔32を形成する第2の開口形成工程を実行する(ステップS19)。
【0033】
製造工程としては、第2の開口形成工程を実行した後、搭載装置を使用してチップ実装領域CA周辺の認識マーク22を識別して、半導体チップ3をチップ実装領域CAの位置、例えば、認識マーク間中央を識別する。そして、識別したチップ実装領域CAの位置に基づき、チップ実装領域CAに半導体チップ3を搭載する部品搭載工程を実行する(ステップS20)。そして、半導体装置1が完成することになる。
【0034】
そこで、半導体装置1の製造方法について詳細に説明する。
図7Aは、第1の配線層形成工程の一例を示す説明図である。
図7Aに示すコア基板11は、例えば、銅張積層板(Copper Clad Laminated:CCL)にスルーホール11Aを形成し、スルーホール11Aの側面にめっきを施すことで両面を導通させる。更に、コア基板11は、サブトラクティブ法により配線13A,13Bを形成することによって製造される。
【0035】
図7Bは、絶縁層形成工程の一例を示す説明図である。コア基板11の両面側に、
図7Bに示すように絶縁層12A,12Bを形成する。次に、
図7Cは、第1の開口形成工程の一例を示す説明図である。
図7Cに示すように、配線13A,13Bの端部が露出されるように、絶縁層12A,12Bの所定箇所にそれぞれ開口部12A1,12B1を、例えば、レーザによって形成する。
【0036】
図7Dは、シード層形成工程の一例を示す説明図である。デスミア処理後、
図7Dに示すように、絶縁層12A及び配線13Aを覆うようにシード層S1を形成すると共に、絶縁層12B及び配線13Bを覆うようにシード層S2を形成する。これらシード層S1,S2は、例えば、無電解銅めっき又はスパッタリングによって形成される。
【0037】
図8Aは、第2の配線層形成工程の一例を示す説明図である。
図8Aに示すように、例えば、セミアディティブ法により配線パターン20及びビア14を形成する。すなわち、シード層S1上に配線パターン20Aの形状に対応した開口パターン40Aを有するドライフィルムレジスト(DFR)40をフォトリソグラフィ法により形成する。更に、シード層S1を給電層とする電解銅めっきによって配線パターン20A及びビア14Aを形成する。これにより、所望の形状(本例では、円形状)の配線パターン20A1(パッド21A)と、所望の形状(本例では、円形状)の配線パターン20A2(認識マーク22)が形成される。この際、
図8Aに示すように、配線パターン20Aの形状を決定するDFR40の開口パターン40Aはフォトリソグラフィ法によって形成されるため、配線パターン20Aの円形状に対応した開口パターン40Aを精度良く形成することができる。従って、
図8Aに示すように、円形状の配線パターン20Aを精度良く形成することができる。なお、配線パターン20Bやビア14Bも、配線パターン20A及びビア14Aと同様に形成される。
【0038】
図8Bは、パターン除去工程の一例を示す説明図である。
図8Aに示すように配線パターン20及びビア14が形成されると、
図8Bに示すように、絶縁層12上からDFR40及び不要なシード層S1,S2が除去される。
図8Cは、ソルダーレジスト層形成工程の一例を示す説明図である。次に、
図8Cに示すように、絶縁層12Aに形成された配線パターン20Aを覆うようにソルダーレジスト層30Aを形成すると共に、絶縁層12Bに形成された配線パターン20Bを覆うようにソルダーレジスト層30Bを形成する。これらソルダーレジスト層30A及び30Bは、液状レジストを用いる場合、例えば、スクリーン印刷法、スプレーコート法やロールコート法等の方法により形成することができる。また、フィルム状のソルダーレジスト層30を絶縁層12の上面及び下面にラミネートすることで、ソルダーレジスト層30A,30Bを形成することもできる。
【0039】
図9Aは、第2の開口形成工程の一例を示す説明図である。
図9Aに示すように、レーザ加工でパッド21A(配線パターン20A1)及び認識マーク22(配線パターン20A2)に対応するソルダーレジスト層30Aの部位に、ソルダーレジスト層30Aの厚さ方向に貫通する開口部31A及び貫通孔32を形成する。更に、レーザ加工でパッド21Bに対応するソルダーレジスト層30Bの部位に、ソルダーレジスト層30Bの厚さ方向に貫通する開口部31Bを形成する。尚、第2の開口形成工程は、第1の貫通孔形成工程と、第2の貫通孔形成工程とを有する。第1の貫通孔形成工程は、配線パターン20A2の上面を全て露出させるようにソルダーレジスト層30Aの厚さ方向に貫通する平面形状が円形状の第1の貫通孔32Aをソルダーレジスト層30Aに形成する。第2の貫通孔形成工程は、第1の貫通孔32Aの内壁面の一部となるソルダーレジスト層30Aを厚さ方向に貫通する第2の貫通孔32Bをソルダーレジスト層30Aに形成する。
【0040】
図9Bは、部品搭載工程の一例を示す説明図である。搭載装置は、配線基板2上のチップ実装領域CA周辺の2箇所の貫通孔32を識別し、識別した貫通孔32内の認識マーク22と絶縁層12Aとの間の複数の境界点Yを識別する。更に、搭載装置は、複数の境界点Yに基づき、認識マーク22の輪郭を認識し、その認識結果から認識マーク22の中心を算出する。そして、搭載装置は、算出した2箇所の認識マーク22の中心に基づき、チップ実装領域CAの位置を識別する。そして、搭載装置は、チップ実装領域CAの位置に基づき、
図9Bに示すように、配線基板2のチップ実装領域CA内のパッド21A上に、半導体チップ3のバンプ3Aをフリップチップ接合する。つまり、ソルダーレジスト層30Aの開口部31A内のパッド21A上に半導体チップ3のバンプ3Aを搭載した後、加熱により半田を1回溶融してソルダーレジスト層30Aの開口部31Aが半田で満たされることになる。
図9Cは、完成品の半導体装置1の一例を示す説明図である。フリップチップ接合された半導体チップ3と配線基板2との間に、アンダーフィル樹脂4を充填し、そのアンダーフィル樹脂4を硬化する。その結果、
図9Cに示すように完成品の半導体装置1を製造できる。
【0041】
図10は、複数の配線基板2の一例を示す概略平面図である。基板には、半導体チップ3を搭載する平面形状が矩形状のチップ実装領域CAが縦横方向に複数配置されている。チップ実装領域CA毎に、当該チップ実装領域CAの略対角線上のチップ実装領域CAの外側の部位に、一方の貫通孔321(32)と他方の貫通孔322(32)とが対向するように配置されている。つまり、チップ実装領域CAを中心として、一方の貫通孔321と他方の貫通孔322とが点対称の配置関係となっている。一方の貫通孔321は、一方の第1の貫通孔32A1と、一方の第1の貫通孔32A1の内壁面の第1の位置(図面上の右側)に形成された一方の第2の貫通孔32B1とを有する。つまり、一方の第2の貫通孔32B1は、一方の第1の貫通孔32A1の図中の右側の内壁面(第1の位置)に形成されることになる。他方の貫通孔322は、他方の第1の貫通孔32A2と、他方の第1の貫通孔32A2の内壁面の第1の位置とは異なる第2の位置(図面上の左側)に形成された他方の第2の貫通孔32B2とを有する。つまり、他方の第2の貫通孔32B2は、他方の第1の貫通孔32A2の図中の左側の内壁面(第2の位置)に形成されることになる。
【0042】
搭載装置では、第1の貫通孔32Aに対する第2の貫通孔32Bの形成位置に着目し、第1の位置にある一方の第2の貫通孔32B1及び第2の位置にある他方の第2の貫通孔32B2を識別する。そして、搭載装置は、一方の第2の貫通孔32B1及び他方の第2の貫通孔32B2を識別することで、チップ実装領域CA毎のペアとなる一方の貫通孔321及び他方の貫通孔322を識別できる。そして、搭載装置は、一方の貫通孔321内の円形状の認識マーク22の中心と他方の貫通孔322内の円形状の認識マーク22の中心とに基づき、チップ実装領域CAの位置を識別する。その結果、複数の貫通孔32が隣接する場合でも、チップ実装領域CA毎にペアとなる一方の貫通孔321及び他方の貫通孔322の誤認識を防止できる。
【0043】
本実施例の配線基板2は、最上層配線である配線パターン20Aと、配線パターン20Aを覆うソルダーレジスト層30Aとを有し、配線パターン20Aは、平面形状が円形状の認識マーク22となるように形成された配線パターン20A2を有する。ソルダーレジスト層30Aは、配線パターン20A2の上面を全て露出させるように当該ソルダーレジスト層30Aの厚さ方向に貫通する、平面形状が異形状の貫通孔32を有する。その結果、貫通孔32が異形状となるため、異形状の貫通孔32は勿論のこと、貫通孔32内の認識マーク22が識別し易くなることで、認識性に優れた認識マーク22を提供できる。しかも、配線パターン20Aに対して貫通孔32がズレた場合でも、貫通孔32の平面形状が異形状であるため、貫通孔32内の認識マーク22を識別できる。認識マーク22とパッド21Aとが同一円形状であっても、貫通孔32を識別して認識マーク22の誤認識を防止できる。
【0044】
更に、貫通孔32は、第1の貫通孔32Aと、第2の貫通孔32Bとを有する。第1の貫通孔32Aは、配線パターン20A2の上面を全て露出させるようにソルダーレジスト層30Aを厚さ方向に貫通する、平面形状が円形状の貫通孔である。第2の貫通孔32Bは、第1の貫通孔32Aの内壁面の一部となるソルダーレジスト層30Aを厚さ方向に貫通する貫通孔である。その結果、第1の貫通孔32A及び第2の貫通孔32Bで異形状の貫通孔32を簡単に形成できる。
【0045】
第1の貫通孔32A及び配線パターン20A2の平面形状が円形状であって、第1の貫通孔32Aの口径は配線パターン20A2の径よりも大きくした。更に、第1の貫通孔32A内の内壁面と配線パターン20A2の側壁とが接触しないように、配線パターン20A1を第1の貫通孔32A内に配置した。その結果、認識マーク22及びパッド21の平面形状が円形状であっても、異形状の貫通孔32で円形状の認識マーク22を識別できる。
【0046】
配線パターン20Aは、少なくとも一部がパッド21Aとしてソルダーレジスト層30Aから露出される配線パターン20A1を含み、配線パターン20A1と配線パターン20A2とは同じ厚さで形成されている。その結果、配線パターン20A1及び配線パターン20A2を同一工程で同時に形成することができ(
図8A参照)、さらにパッド21A及び認識マーク22を同一工程で形成することができる(
図9A参照)。
【0047】
尚、認識マーク22の平面形状は円形状で例示したが、認識マーク22の平面形状は円形状に限定されるものではなく、略円形状、角を有する形状や異形状でもよく、適宜変更可能である。
【0048】
貫通孔32は、平面形状が円形状の第1の貫通孔32A及び、平面形状が半円形状の第2の貫通孔32Bで構成する場合を例示した。しかしながら、これに限定されるものではなく、第2の貫通孔32Bの平面形状を
図11A~
図11Dに示す形状にしても良く、適宜変更可能である。
図11Aは、認識マーク22及び貫通孔32の一例を示す概略平面図である。尚、認識マーク22の平面形状は円形状、第1の貫通孔32Aの平面形状は円形状とする。平面形状が半円形状の第2の貫通孔32Bの代わりに、
図11Aに示すように平面形状が長方形状の第2の貫通孔32Cにしても良い。
【0049】
図11Bは、認識マーク22及び貫通孔32の一例を示す概略平面図である。尚、認識マーク22の平面形状は円形状、第1の貫通孔32Aの平面形状は円形状とする。平面形状が半円形状の第2の貫通孔32Bの代わりに、
図11Bに示すように平面形状が長半円形状の第2の貫通孔32Dにしても良い。
【0050】
図11Cは、認識マーク22及び貫通孔32の一例を示す概略平面図である。尚、認識マーク22の平面形状は円形状、第1の貫通孔32Aの平面形状は円形状とする。平面形状が半円形状の第2の貫通孔32Bの代わりに、
図11Cに示すように平面形状が正方形の第2の貫通孔32Eにしても良い。
【0051】
図11Dは、認識マーク22及び貫通孔32の一例を示す概略平面図である。尚、認識マーク22の平面形状は円形状、第1の貫通孔32Aの平面形状は円形状とする。平面形状が半円形状の第2の貫通孔32Bは1個ではなく、複数個でも良い。1個の第2の貫通孔32Bの代わりに、例えば、3個の半円形状の第2の貫通孔32Fにしても良い。
【0052】
例えば、認識マーク22等の表面で反射される反射光強度によって認識マーク22を検出する場合に、認識マーク22及び絶縁層12Aにおける反射光強度の差を大きくできる。この結果、認識マーク22と絶縁層12Aとの境界部分、すなわち認識マーク22の輪郭が強調されるため、認識マーク22の認識性を向上させることができる。
【0053】
貫通孔32の内側壁面と認識マーク22の側壁面とが離間するように認識マーク22を貫通孔32内の絶縁層12A上に配置したので、認識マーク22の輪郭が強調されるため、認識マーク22が認識し易くなる。
【0054】
本実施例の配線基板2では、マトリクス状に配設されたパッド21Aを有する配線基板2について説明したが、ペリフェラル状に配設されたパッドを有する配線基板にも適用可能である。
【0055】
第2の開口形成工程では、貫通孔32を形成する際に、第1の貫通孔形成工程で第1の貫通孔32Aを形成した後、第2の貫通孔形成工程で第1の貫通孔32Aの内壁面に第2の貫通孔32Bを形成する場合を例示した。しかしながら、第2の貫通孔形成工程を実行した後、第1の貫通孔形成工程を実行しても良い。また、第1の貫通孔形成工程及び第2の貫通孔形成工程を個別に実行するのではなく、第1の貫通孔32A及び第2の貫通孔32Bとなる貫通孔32を一括で形成しても良く、適宜変更可能である。
【0056】
ソルダーレジスト層30は、例えば、エポキシ樹脂等の絶縁性の非感光性樹脂を用いる場合を例示した。この場合、ソルダーレジスト層30に貫通孔32や開口部31A(31B)を形成する方法としてレーザ加工を例示した。しかしながら、ソルダーレジスト層30は、例えば、アクリル樹脂及びポリイミド樹脂等の絶縁性の感光性樹脂を用いても良い。この場合、ソルダーレジスト層30に貫通孔32や開口部31A(31B)を形成する方法として露光・現像で形成しても良く、適宜変更可能である。また、例えば、サンドブラスト処理、ウェットブラスト処理や樹脂エッチング処理を使用してソルダーレジスト層30に貫通孔32や開口部31A(31B)を形成しても良く、適宜変更可能である。
【0057】
本実施例におけるパッド21Aを形成するための開口部31Aの形状を円形状としたが、これに限定されるものではない。また、例えば、配線パターン21A1の表面の一部ではなく、表面の全てをパッド21Aとして露出させるように開口部31Aを形成するようにしてもよい。
【0058】
本実施例では、配線基板2の認識マーク22を識別してチップ実装領域CAに半導体チップ3を実装する場合について説明したが、被実装体としては半導体チップ3に限定されるものではない。被実装体として、半導体チップ3の代わりに、例えば、認識マーク22を使用して配線基板2の所定領域に別の配線基板を積み重ねる構造を有するフリップチップ実装タイプのパッケージ(パッケージ・オン・パッケージ)でも良く、適宜変更可能である。
【0059】
本実施例において、配線パターン20Aの下層の構造については特に限定されるものではない。また、コア基板11の構造及び材質は特に限定されるものではない。また、コア基板11上に形成される下層配線(例えば、配線13A,13B)とそれを覆う絶縁層(例えば、絶縁層12A、12B)の層数についても特に限定されるものではない。すなわち、コア基板11上に所定数の下層配線とそれを覆う絶縁層を形成してもよい。尚、配線パターン20Aのパターン形状についても特に限定されるものではない。
【0060】
コア有りのコア基板11に限らず、コアレス基板や外層の配線が絶縁層に埋め込まれて形成されるETS(Embedded Trace Substrate)等、通常用いられる種々の基板においても適用可能である。
【0061】
本実施例における配線パターン20A(20B)上に形成されるのは、ソルダーレジスト層30に限定されず、絶縁層であればよい。