(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017637
(43)【公開日】2022-01-26
(54)【発明の名称】印刷物の識別方法
(51)【国際特許分類】
B42D 25/378 20140101AFI20220119BHJP
B41M 3/14 20060101ALI20220119BHJP
G07D 7/12 20160101ALI20220119BHJP
B42D 25/435 20140101ALI20220119BHJP
【FI】
B42D25/378
B41M3/14
G07D7/12
B42D25/435
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020120303
(22)【出願日】2020-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】303017679
【氏名又は名称】独立行政法人 国立印刷局
(72)【発明者】
【氏名】内田 明日香
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 靖
【テーマコード(参考)】
2C005
2H113
3E041
【Fターム(参考)】
2C005HA02
2C005HB01
2C005HB02
2C005HB07
2C005HB10
2C005JB11
2C005JB16
2C005JB22
2C005JB27
2C005JC10
2C005LA07
2C005LA31
2C005LB07
2C005LB17
2H113AA04
2H113BB02
2H113BB06
2H113BB09
2H113BB22
2H113BC10
2H113CA34
2H113CA39
2H113CA42
2H113FA42
3E041AA01
3E041AA02
3E041BA11
3E041BB03
(57)【要約】
【課題】
本発明は、セキュリティ性の高い印刷物の真正を識別するために、インキに含まれる特殊な元素や元素に情報を付与するために複数のインキを要する必要がある。
【解決手段】
本発明は、浸透性を有する基材上の一部に、所定の波長の光を照射することで硬化するインキを用いて、所定の波長の光の照射タイミングを異ならせて形成された情報を表す情報付与部と、情報付与部の周囲に配置された隠蔽部を備えた印刷物の識別方法であって、情報付与部及び/又は隠蔽部に焦点を合わせて所定の波長の光と同一又は異なる波長の光を走査し、反射光を取得して平面の画像情報に変換し、平面の画像情報を複数重ね合わせて1枚の合成画像情報を形成して、情報付与部と隠蔽部の表面形状の差異により情報付与部を読み取ることを特徴とする印刷物の識別方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浸透性を有する多孔質材料の基材上の少なくとも一部に、所定の波長の光を照射することで硬化する光重合特性を備えたインキを用いて、前記所定の波長の光の照射タイミングを異ならせて形成された情報を表す情報付与部と、前記情報付与部の周囲に配置された隠蔽部から成る印刷模様部を備えた印刷物の識別方法であって、
前記情報付与部及び/又は前記隠蔽部に焦点を合わせて前記所定の波長の光と同一又は異なる波長の光を走査し、
前記情報付与部及び/又は前記隠蔽部からの反射光を取得して平面の画像情報に変換し、
前記平面の画像情報を複数重ね合わせて1枚の合成画像情報を形成し、
前記合成画像情報を用いて前記情報付与部と前記隠蔽部の表面形状の差異により、前記印刷模様部から前記情報付与部を区別して前記情報を読み取ることを特徴とする印刷物の識別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真偽判別を必要とするセキュリティ印刷物である銀行券、有価証券や個人識別要素を含む製品としてのパスポート、身分証明書、カード、通行券、各種証明書類の偽造及び改ざんにおける最終的真偽判別方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セキュリティ印刷物や個人識別要素を含む製品には、各種偽造・変造防止技術を施している。一般の国民が容易に偽造・変造の有無を判断するためのすかし技術、色変化インキ、蛍光インキ、光学的変化デバイス(OVD)や機械で偽造・変造の有無を判断するための磁性インキ、赤外透過吸収インキ等の偽造防止技術を一つないし複数印刷製品に導入して偽造又は変造に対峙している。
【0003】
しかし、偽造・変造防止技術としての要素は、まったく同じ材料を入手しての製造や別の材料又は方法で類似の要素を付与しての製造等により、あらゆる手段を用いて偽造・変造が繰り返されている。技術の進歩により、偽造・変造が困難な新しい偽造・変造防止技術が開発されても、その技術に対する新たな偽造・変造物が現れる。つまり、偽造・変造防止技術と偽造・変造技術はいつの時代も盾と矛の関係にあり、どんなに優れた偽造防止技術を施しても、偽物や変造品は発生する。
【0004】
そのため、偽物や変造品を見抜くための真偽判別方法が必要となる。例えば、特殊な元素を含むインキで特定の情報を印刷した後、その部分を別のインキで隠蔽することで、肉眼では特定の情報を識別することはできなくなる。しかし、この印刷物に対して蛍光X線分析装置を用いて特殊な元素のマッピング分析をすることで、特定の情報を読み取る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
さらに、複数の元素にそれぞれ所定の情報を事前に付与したインキを用いて紙に個人情報の形で印刷した後、その部分を別のインキで覆い隠す模様を印刷する。そして、特許文献1と同様に蛍光X線分析装置を用いて、複数の元素を各元素に対してマッピング分析することで、事前に付与した情報を基に個人情報として読み取る技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-218920号公報
【特許文献2】特開2000-255155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の印刷物の判別法は、インキに特殊な元素を加える必要があるため、最初にこの特殊な元素を含むインキで情報を付与するために印刷を行い、その後に隠蔽用の印刷を行わなければならないため、特別な用途に限られていた。その理由は、特殊な元素を含むインキで情報を付与した印刷物を次工程の印刷により隠蔽するまでの間で、付与した秘密情報の位置と内容が洩れる危険性があるためである。
【0008】
また、試料ステージ移動によるマッピング法により画像を構築するため、画像の分解能として情報付与には5mm×5mm以上の領域が必要である。そのため、隠蔽に必要な領域を含むカモフラージュ印刷部分の領域も大きくなり、デザイン上の違和感となり、隠蔽位置の推察が容易になる。
【0009】
そして、インキに特殊な元素を加える一般的に用いられているデジタル印刷方式では汎用的な方法として利用できない。そのため、可変情報の付与による識別法としては、実施が難しい。
【0010】
さらに、特許文献2の印刷物の判別法では、元素に前もって情報を付与するため、多種類のインキを用意する必要があるだけでなく、印刷工程が複雑となるためインキの誤投入等によって、間違った個人情報を付与してしまう危険がある。
【0011】
本発明は、前述の課題を解決するため、インキが硬化するまでのインキの浸透時間の違いにより発生するインキ皮膜の微小な表面凹凸形状の違いにより付与した情報を画像として識別する印刷物の識別方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、浸透性を有する多孔質材料の基材上の少なくとも一部に、所定の波長の光を照射することで硬化する光重合特性を備えたインキを用いて、所定の波長の光の照射タイミングを異ならせて形成された情報を表す情報付与部と、情報付与部の周囲に配置された隠蔽部から成る印刷模様部を備えた印刷物の識別方法であって、情報付与部及び/又は隠蔽部に焦点を合わせて所定の波長の光と同一又は異なる波長の光を走査し、情報付与部及び/又は隠蔽部からの反射光を取得して平面の画像情報に変換し、平面の画像情報を複数重ね合わせて1枚の合成画像情報を形成し、合成画像情報を用いて情報付与部と隠蔽部の表面形状の差異により、印刷模様部から情報付与部を区別して情報を読み取ることを特徴とする印刷物の識別方法。
【発明の効果】
【0013】
インキの浸透状態の違いにより、印刷部分の表面形状が異なる原理を利用して、印刷部分に情報の埋め込みとその読み取りが行え、情報の付与にはレーザ光又は電子線を用いるため、微小領域まで情報付与が可能であり、肉眼では識別できないが、特殊な装置でのみ読み取り可能となるため、鑑定的な識別として有効である。
【0014】
このことより、偽造、変造の疑いがあるセキュリティ印刷物や証明書類の事前チェックとしての非破壊真偽判別法として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】共焦点レ-ザ走査型顕微鏡の概略図を示す図である。
【
図4】本発明の印刷物の実施例を示す一例図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載にした技術的思想の範囲内であれば、その他の様々な実施の形態が含まれる。
【0017】
本発明を実施するための対象となる印刷物に用いる基材は、インキが浸透する紙等の多孔質材料である。多孔質材料としては、上質紙、塗工紙、板紙、合成紙、不織布、セラミック、織物及びこれらの複合体等である。インキは、紫外光、可視光、電子線等で硬化するインキを用いる。印刷方式は、凸版、オフセット、グラビア、フレキソ、スクリーン、インクジェット印刷等を用いる。
【0018】
まず、前述のインキ及び印刷方式により、基材の少なくとも一部の領域に印刷を行う。印刷は、印刷領域全体にベタ刷り又は一部印刷しない箇所があってもよいが、本発明の識別方法を効果的に実施するためには、インキの表面形状が明確に確認し易いように、表面の領域にベタ刷りが好ましい。
【0019】
次に、印刷面に対してインキを硬化可能な所定の波長の光を照射して情報(文字、画像等)を表す情報付与部(3)を形成する。ここで言う所定の波長とは、例えば、レーザ、電子線等、インキが光を吸収して重合硬化を行うことが可能であれば特に限定しない。その後、所定の波長の光を照射するタイミング(時期)に少しインターバルをおいて、印刷面全面のインキを硬化可能な波長の光又は電子線で硬化させる。インターバルの時間は、印字した情報を肉眼では判別できない範囲で設定し、印刷面積、インキの粘度、基材の空隙率、インキと基材の界面エネルギーにより調整する。
【0020】
情報を形成後、全面を硬化させるまでの間に、情報を形成していない隠蔽部(4)のインキは浸透する。その結果、情報を形成していない隠蔽部(4)のインキの表面形状が情報を形成した情報付与部(3)と異なる。情報を付与した情報付与部(3)の表面形状は平滑であり、情報を付与していない隠蔽部(4)の表面形状は凹凸となる。逆に、情報を付与していない隠蔽部(4)を先に硬化させ、インターバル時間後に、情報を付与した情報付与部(3)を硬化させれば、ネガポジ反転の表面形状にもできる。以下、本実施の形態では、情報付与部(3)を先に硬化させ、インターバルを置いて光を照射するタイミングを遅らせてから隠蔽部(4)を硬化させた構成の印刷模様部(2)として説明する。
【0021】
情報付与部(3)及び隠蔽部(4)から構成されている印刷されている領域を印刷模様部(2)という。この印刷模様部(2)は、光硬化特性を有する同じインキで印刷されているため、肉眼では情報付与部(3)と隠蔽部(4)の区分けができないことが必要なことから、隠蔽部(4)は、情報付与部(3)の情報を隠蔽するために、情報付与部(3)の周囲に配置されることとなる。したがって、情報付与部(3)の全ての周囲を覆うように隠蔽部(4)が形成されていることが好ましいが、情報が肉眼で確認できなければ、情報付与部(3)の周囲が一部隠蔽部(4)と隣接していなくてもよい。
【0022】
次に、情報を印字した部分を特殊な装置を用いて読み取る。特殊な装置とは、微小な表面の凹凸形状を観察することができる表面形状測定装置、共焦点レーザ顕微鏡、走査型電子顕微鏡等である。そのため、別のインキ等で情報を隠蔽する必要がない。また、高性能のレーザや電子線を用いることで、ナノレベルの微小部への情報の付与も可能である。
【0023】
(情報付与)
図1(a)は、本発明の印刷物(A1)の構成を示す平面図であり、
図1(b)は、
図1(a)のX-X’線における断面図である。
図1(a)に示すように、印刷物(A1)は、基材(1)の少なくとも一部に印刷が施されている領域の印刷模様部(2)を備えている。この印刷模様部(2)は、最初にレーザ光等の所定の波長の光を用いてインキを光重合硬化させることで情報付与部(3)を形成後、次の光の照射のタイミングまでの時間にインターバルを設けた後に印刷模様部(2)全面を光重合により硬化させて、情報付与部(3)の周囲に隠蔽部(4)を形成する。
【0024】
図1(b)に示すように、基材(1)上の情報付与部(3)は、印刷後瞬時に硬化するため表面はかなり平滑であるが、それ以外の隠蔽部(4)はインキが浸透することで表面は複雑な凹凸形状となる。情報付与部(3)は、「A」の模様の例であるが、本発明において情報付与部(3)は、これに限定されるものではなく、
図1(c)に示す、建造物、風景、イラスト、文字、図形等の模様の固定情報であってもよいし、
図1(d)に示すように、印刷物1枚1枚において異なる情報、例えば、個人情報やシリアルナンバーのような可変情報を付与することも可能であり、その読み取りも可能である。
【0025】
例えば、
図2(a)に示すように、印刷物(A1)は、基材(1)の少なくとも一部に印刷模様部(2)が形成され、その印刷模様部(2)に情報付与部(3)として顔画像の個人情報を形成したカ-ドの一例である。
図2(b)に示すように、基材(1)上に情報付与部(3)及び隠蔽部(4)から成る印刷模様部(2)を形成し、さらにラミネ-ト(14)を積層した一例である。なお、説明の便宜上、本明細書では情報付与部(3)を点線で示しているが実際には隠蔽部(4)と同じインキなので肉眼では違いを視認することはできず、顔画像事態は確認できない。
【0026】
印刷物(A1)に用いる基材(1)は、多孔質材料であればよく、上質紙、塗工紙、板紙、合成紙、不織布、セラミック、織物及びこれらの複合体等である。
【0027】
なお、情報付与部(3)を形成した印刷物(A1)に対して、表面形状測定装置と共焦点レーザ顕微鏡の場合には、レ-ザ光が透過し、かつ、情報付与部(3)とそれ以外の隠蔽部(4)の表面形状の違いを観察する条件を満足し、情報付与部(3)及び隠蔽部(4)にレ-ザ光の焦点を合わせることができる範囲であれば、印刷物(A1)の上にオ-バ-コ-トやラミネ-ト加工を施しても何ら識別に影響を与えない。
【0028】
(情報識別法)
印刷物(A1)の情報付与部(3)の読み取りには、所定の波長の光を照射することで印刷されたインキ表面の三次元形状を観察できる装置を用いる。例えば、共焦点レ-ザ顕微鏡、表面形状測定装置、走査型電子顕微鏡を用いる。共焦点レーザ顕微鏡と表面形状測定装置は、情報識別にレーザ光を用い、走査型電子顕微鏡は情報識別に電子線を用いる。どの方法も、照射した光又は電子の反射像から情報を読み取る。なお、本実施の形態では、共焦点レーザ顕微鏡を例に、読み取り原理を説明する。
図3に共焦点レ-ザ顕微鏡の概略図を示す。
【0029】
共焦点レ-ザ顕微鏡に搭載の任意のレ-ザ光源(5)からのレ-ザ光は、レンズ(6)により励起用ピンホ-ル(7)に集光され、ダイクロ-イック・ビ-ムスプリッタ-(8)により、走査装置(9)の方向に反射される。照射光は、顕微鏡対物レンズ(10)を通って焦点面(11)に集光され、スポット状のビ-ムは試料のXY平面に走査する。
【0030】
試料からの正反射光は、検出器(12)に導入される。検出器(12)の前には、検出用ピンホ-ル(13)が配置される。検出用ピンホ-ル(13)により、焦点の合っていない面からの正反射光は排除され、焦点の合った領域からの正反射光のみが検出器(12)に導入される。
【0031】
なお、焦点の合った点の光だけを検出器(12)に取り込むためのピンホ-ルの径は、コンピュ-タ上で最適な大きさに設定される。検出器(12)が検出した正反射光は、平面の画像情報に変換され、XY平面画像となる。このXY平面画像をZ方向にステージを動かしながらZ方向の連続したXY平面画像を取得後、各XY平面画像から1枚の重ね合わせの立体の合成画像を再構築することで、表面の凹凸構造をXY平面画像として表すことができる。
【0032】
情報付与部(3)の付与位置と識別方法の情報は、ごく限られた人しか知らないことが重要である。しかし、社会的な貢献を考えると、銀行券、旅券、証明書等の公共性の高いセキュリティ印刷物については、警察や税関等に情報付与部(3)の付与位置と識別方法の情報を周知することで、事前チェックとしての非破壊真偽判別法として広がる。
【0033】
以下、前述の発明を実施するための形態にしたがって、具体的に実施した印刷物(A1)の識別例について詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)
基材(1)に用いる多孔質材料として、インクジェット写真専用紙を用いた。このインクジェット写真専用紙の基材(1)上の一部に、UV硬化型IJPのシアンインキを用いて印刷模様部(2)を印刷後、瞬時に部分的にUV硬化させて「A」という情報の情報付与部(3)を形成し、印刷後1分インターバルを経過後にUV硬化させて隠蔽部(4)を形成した。
【0035】
次に、作成した印刷物(A1)の情報付与部(3)の読み取りに、共焦点レーザ走査型顕微鏡(S1)としてライカ製TCS-SP5を用いた。10倍のドライレンズを顕微鏡対物レンズ(10)に用い、励起波長514nmのアルゴンレーザをレーザ光源(5)として用いた。また、検出ピンホール(13)の径は、70.8μmであった。正反射光の検出波長領域は、510nm~520nmに設定した。
【0036】
図4(a)及び
図4(b)に、共焦点レーザ走査型顕微鏡(S1)による情報付与部(3)及び隠蔽部(4)のそれぞれの観察結果を示す。XY平面の共焦点走査画像は、解像度1024ピクセル×1024ピクセルで取得した。共焦点レーザ走査型顕微鏡(S1)のステージを上げることにより、印刷物(A1)の表面から内部に焦点を移動させてXY平面像を取得した。
【0037】
図4(a)の情報付与部(3)では、印刷後インキが浸透する前にインキが硬化するため、基材上にかなり平滑な硬化インキ皮膜を形成している。
図4(b)の隠蔽部(4)は、印刷後硬化までのインターバル1分間の時間にインキが浸透し、印刷後瞬時に硬化させた情報付与部(3)の表面とは明らかに形状が異なり、インキが基材(1)に浸透することで表面が凹凸形状を示している。
【0038】
情報付与部(3)と隠蔽部(4)の表面形状の違いは肉眼では識別できないが、微小領域の表面形状を観察できる共焦点レーザ顕微鏡を用いれば、微小な表面形状の違いから、情報付与部(3)と隠蔽部(4)の表面形状の違いから情報を読み取ることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 基材
2 印刷模様部
3 情報付与部
4 隠蔽部
5 レ-ザ光源
6 レンズ
7 励起用ピンホ-ル
8 ダイクロ-イック・ビ-ムスプリッタ-
9 走査装置
10 顕微鏡対物レンズ
11 焦点面
12 検出器
13 検出用ピンホ-ル
14 ラミネート
A1 印刷物
S1 共焦点レ-ザ走査型顕微鏡