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特開2022-177165リソグラフィ装置、基板をアンロードする方法、及び基板をロードする方法
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  • 特開-リソグラフィ装置、基板をアンロードする方法、及び基板をロードする方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022177165
(43)【公開日】2022-11-30
(54)【発明の名称】リソグラフィ装置、基板をアンロードする方法、及び基板をロードする方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20221122BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
H01L21/68 N
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022147269
(22)【出願日】2022-09-15
(62)【分割の表示】P 2020182045の分割
【原出願日】2016-12-22
(31)【優先権主張番号】16154599.1
(32)【優先日】2016-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】16172678.1
(32)【優先日】2016-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェウニンク,アンドレ,ベルナルダス
(72)【発明者】
【氏名】マーテンズ,ロビー,フランシスカス,ヨセフス
(72)【発明者】
【氏名】デ ヴォス,ヨーゼフ,カレル,マリア
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ドルスト,リンゴ,ペトルス,コーネリス
(72)【発明者】
【氏名】テン ブリンケ,ゲルハルト,アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】センデン,ディルク,ジュローム,アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】バルティス,コーエン,フーベルトゥス,マテウス
(72)【発明者】
【氏名】ゲリッツェン,ジャスティン,ヨハネス,ヘルマヌス
(72)【発明者】
【氏名】カミンガ,ジェルマー,マテウス
(72)【発明者】
【氏名】パシッティ,エブリン,ウォーリス
(72)【発明者】
【氏名】ポイスズ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シャイベルリッチ,アリー,コーネリス
(72)【発明者】
【氏名】スホルテン,バート,ディルク
(72)【発明者】
【氏名】スフリューデル,アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ソエトウト,アブラハム,アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】トロンプ,ジークフリート,アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ ファイフェル,ユリ,ヨハネス,ガブリエル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】クランプされる基板の平坦性を向上させる、及び/又は支持テーブルの摩耗を低減させる。
【解決手段】基板を支持するように構成された支持テーブルWTから基板をアンロードする方法であって、方法は、支持テーブルのベース面と基板の間のギャップに、支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを供給することを含み、アンロードの初期段階において、ガスの供給が、支持テーブルの外側領域83の少なくとも1つのガス流開口から行われ、外側領域の半径方向内側にある支持テーブルの中心領域81のガス流開口から行われず、アンロードの後期段階において、ガスの供給が、外側領域の少なくとも1つのガス流開口及び中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる方法。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するように構成された支持テーブルから前記基板をアンロードする方法であって、
前記支持テーブルのベース面と前記基板の間のギャップに、前記支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを供給することを含み、
アンロードの初期段階において、前記ガスの供給が、前記支持テーブルの外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、前記外側領域の半径方向内側にある前記支持テーブルの中心領域のガス流開口から行われず、
アンロードの後期段階において、前記ガスの供給が、前記外側領域の少なくとも1つのガス流開口及び前記中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる、方法。
【請求項2】
前記アンロードの初期段階において、前記ガスの供給が、前記外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、前記中心領域のガス流開口、及び前記外側領域の半径方向内側にあり、かつ前記中心領域の半径方向外側にある前記支持テーブルの中間領域のガス流開口から行われず、
アンロードの中間段階において、前記ガスの供給が、前記外側領域の少なくとも1つのガス流開口及び前記中間領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、前記中心領域のガス流開口から行われず、
前記アンロードの後期段階において、前記ガスの供給が、前記外側領域の少なくとも1つのガス流開口、前記中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び前記中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アンロードの中間段階において、ガスの供給が、前記中間領域の少なくとも1つのガス流開口から周囲圧力より大きい第1の圧力で行われ、その後、ガスの供給が、前記中間領域の少なくとも1つのガス流開口から前記第1の圧力より小さい第2の圧力で行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
基板を支持するように構成された支持テーブル上に前記基板をロードする方法であって、
前記支持テーブルのベース面と前記基板の間のギャップから、前記支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを抽出することを含み、
ロードの第1の段階において、前記ガスの抽出が、前記支持テーブルの中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、前記中心領域の半径方向外側にある前記支持テーブルの中間領域のガス流開口及び前記中間領域の半径方向外側にある前記支持テーブルの外側領域のガス流開口から行われず、
ロードの第2の段階において、前記ガスの抽出が、前記中心領域の少なくとも1つのガス流開口及び前記中間領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、前記外側領域のガス流開口から行われず、
ロードの第3の段階において、前記ガスの抽出が、前記中心領域の少なくとも1つのガス流開口、前記中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び前記外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる方法。
【請求項5】
前記ロードの第1の段階において、周囲圧力より大きい圧力のガスの供給が、前記中間領域の少なくとも1つのガス流開口及び/又は前記外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記基板を前記支持テーブルに向かって下降させるとき、前記ガスの抽出が、前記中心領域の少なくとも1つのガス流開口、前記中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び前記外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、
前記基板が前記支持テーブルより上の所定距離に達すると、前記ガスの抽出が、前記中心領域のガス流開口、前記中間領域のガス流開口、及び前記外側領域のガス流開口のいずれからも行われず、
前記基板が前記支持テーブルに着地したときに、前記ロードの第1の段階、前記ロードの第2の段階、及び前記ロードの第3の段階が行われる、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記中間領域は前記中心領域を取り囲む、又は
前記中間領域は、その間のガス流を制限する複数の重ならない中間サブ領域を含む、及び/又は、
前記外側領域は前記中間領域を取り囲む、請求項2から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記外側領域は、その間のガス流を制限する複数の重ならない外側サブ領域を含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
基板を支持するように構成された支持テーブル上に前記基板をロードする方法であって、
前記基板を前記支持テーブルに向かって下降させること、
前記基板を前記支持テーブルに向かって下降させるときに、前記支持テーブルの複数のガス流開口を介して前記支持テーブルのベース面と前記基板の間のギャップからガスを抽出するために、負圧源を制御して負圧を印加すること、
前記基板が前記支持テーブルより上の所定距離に達したときに、前記支持テーブルのガス流開口のいずれかと流体連通する前記負圧源を制御して負圧を印加することを停止すること、及び
前記基板が前記支持テーブルに着地したときに、前記支持テーブルの複数のガス流開口を介して前記ガスを抽出するために、前記負圧源を制御して負圧を印加することを再開させること、を含む方法。
【請求項10】
前記基板が前記支持テーブルに着地したときに、前記負圧源を制御して、前記複数のガス流開口を介して前記ギャップから抽出されるガスの流量が徐々に増加するように、前記負圧を複数の段階で徐々に増大させる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
基板を支持するように構成された支持テーブル上に前記基板をロードする方法であって、
前記支持テーブルのベース面と前記基板の間のギャップから、前記支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを抽出することを含み、
ロードの第1の段階において、前記ガスの抽出が、前記支持テーブルの外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、前記外側領域の半径方向内側にある前記支持テーブルの中間領域のガス流開口及び前記中間領域の半径方向内側にある前記支持テーブルの中心領域のガス流開口から行われず、
ロードの第2の段階において、前記ガスの抽出が、前記外側領域の少なくとも1つのガス流開口及び前記中間領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、前記中心領域のガス流開口から行われず、
ロードの第3の段階において、前記ガスの抽出が、前記外側領域の少なくとも1つのガス流開口、前記中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び前記中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる、方法。
【請求項12】
ガス流システムと、
前記ガス流システムを制御するように構成されたコントローラと、
基板を支持するように構成された支持テーブルと、を備えたリソグラフィ装置であって、前記支持テーブルは、
ベース面と、
中心領域と、
前記中心領域の半径方向外側にある外側領域と、
前記ガス流システムが前記ベース面と前記基板の間のギャップにガスを供給するのに用いるように構成された複数のガス流開口と、を備え、
前記基板が前記支持テーブルからアンロードされるとき、
アンロードの初期段階において、前記コントローラが、前記ガスの供給を前記外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行い、前記中心領域のガス流開口から行わないように前記ガス流システムを制御するように構成され、
アンロードの後期段階において、前記コントローラが、前記ガスの供給を前記外側領域の少なくとも1つのガス流開口及び前記中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行うように前記ガス流システムを制御するように構成される、リソグラフィ装置。
【請求項13】
ガス流システムと、
前記ガス流システムを制御するように構成されたコントローラと、
基板を支持するように構成された支持テーブルと、を備えたリソグラフィ装置であって、前記支持テーブルは、
ベース面と、
中心領域と、
前記中心領域の半径方向外側にある中間領域と、
前記中間領域の半径方向外側にある外側領域と、
前記ガス流システムが前記ベース面と前記基板の間のギャップからガスを抽出するのに用いるように構成された複数のガス流開口と、を備え、
前記基板が前記支持テーブル上にロードされるとき、
ロードの第1の段階において、前記コントローラが、前記ガスの抽出を前記中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行い、前記中間領域のガス流開口及び前記外側領域のガス流開口から行わないように前記ガス流システムを制御するように構成され、
ロードの第2の段階において、前記コントローラが、前記ガスの抽出を前記中心領域の少なくとも1つのガス流開口及び前記中間領域の少なくとも1つのガス流開口から行い、前記外側領域のガス流開口から行わないように前記ガス流システムを制御するように構成され、
ロードの第3の段階において、前記コントローラが、前記ガスの抽出を前記中心領域の少なくとも1つのガス流開口、前記中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び前記外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行うように前記ガス流システムを制御するように構成される、リソグラフィ装置。
【請求項14】
負圧源を備えたガス流システムと、
前記ガス流システムを制御するように構成されたコントローラと、
基板を支持するように構成された支持テーブルと、を備えたリソグラフィ装置であって、
前記基板を前記支持テーブルに向かって下降させるときに、前記コントローラが、前記支持テーブルの複数のガス流開口を介して前記支持テーブルと前記基板の間のギャップからガスを抽出するために、前記負圧源を制御して負圧を印加するように構成され、
前記基板が前記支持テーブルより上の所定距離に達したときに、前記コントローラが、前記支持テーブルのガス流開口のいずれかと流体連通する前記負圧源を制御して負圧を印加することを停止するように構成され、
前記基板が前記支持テーブルに着地したときに、前記コントローラが、前記支持テーブルの複数のガス流開口を介して前記ガスを抽出するために、前記負圧源を制御して負圧を印加することを再開させるように構成される、リソグラフィ装置。
【請求項15】
ガス流システムと、
前記ガス流システムを制御するように構成されたコントローラと、
基板を支持するように構成された支持テーブルと、を備えたリソグラフィ装置であって、前記支持テーブルは、
ベース面と、
中心領域と、
前記中心領域の半径方向外側にある中間領域と、
前記中間領域の半径方向外側にある外側領域と、
前記ガス流システムが前記ベース面と前記基板の間のギャップからガスを抽出するのに用いるように構成された複数のガス流開口と、を備え、
各領域は、
その領域の前記ガス流開口と流体連通する流路と、
その領域に関する圧力を感知するように構成された圧力センサと、が設けられ、
前記基板が前記支持テーブル上にロードされるとき、前記コントローラが、前記感知した各領域の圧力に基づいて、各領域の前記ガス流開口からガスを抽出するタイミングを制御するように構成される、リソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この文献は、2016年2月8日及び2016年6月2日出願の欧州特許出願第16154599.1号及び欧州特許出願第16172678.1号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、リソグラフィ装置、基板をアンロードする方法、及び基板を特にリソグラフィ装置の支持テーブル上にロードする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0004】
[0004] 投影システムの最終要素と基板の間の空間を充填するように、リソグラフィ投影装置内の基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に液浸することが提案されている。ある実施形態では、液体は超純水であるが、別の液体を使用することもできる。本発明の実施形態は、液体について説明されている。しかし別の流体、特にウェッティング流体、非圧縮性流体及び/又は屈折率が空気より高い、望ましくは屈折率が水より高い流体が適切なこともある。気体を除く流体が特に望ましい。そのポイントは、露光放射は液体中の方が波長が短いので、結像するフィーチャの小型化を可能にすることである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を大きくでき、焦点深さも大きくすることと見なすこともできる。)固体粒子(例えば石英)が懸濁している水、又はナノ粒子の懸濁(例えば最大10nmの最大寸法の粒子)がある液体などの、他の液浸液も提案されている。懸濁粒子は、これが懸濁している液体と同様の屈折率又は同じ屈折率を有しても、有していなくてもよい。適切になり得る他の液体は、芳香族などの炭化水素、フルオロハイドロカーボン、及び/又は水溶液である。
【0005】
[0005] 基板又は基板と支持テーブルを液体の浴槽に浸すこと(例えば米国特許US4,509,852号参照)は、スキャン露光中に加速すべき大きい塊の液体があることでもある。これには、追加のモータ又は更に強力なモータが必要であり、液体中の乱流が望ましくない予測不能な効果を引き起こすことがある。
【0006】
[0006] 液浸装置では、液浸流体は、流体ハンドリングシステム、デバイス構造又は装置によってハンドリングされる。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、液浸流体を供給することができ、それ故、流体供給システムである。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、少なくとも部分的に液浸流体を閉じ込めることができ、それにより、流体閉じ込めシステムである。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、流体へのバリアを形成することができ、それにより、流体閉じ込め構造などのバリア部材である。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、ガスのフローを生成又は使用して、例えば、液浸流体のフロー及び/又は位置を制御するのを助けることができる。ガスのフローは、液浸流体を閉じ込める封止を形成することができ、したがって、流体ハンドリング構造を封止部材と呼ぶこともできる。このような封止部材は、流体閉じ込め構造であってもよい。ある実施形態では、液浸液は、液浸流体として使用される。この場合、流体ハンドリングシステムは、液体ハンドリングシステムであってもよい。上記説明に関して、本パラグラフで流体に関して定義されたフィーチャへの言及は、液体に関して定義されたフィーチャを含むと考えてもよい。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 液浸装置又はドライ装置の両方において、基板が露光プロセス中に支持テーブルにクランプされる。クランピングは、周囲圧力と比べて低い圧力の基板と支持テーブルの間のギャップが存在することによって支援されてよい。周囲圧力は、基板及び支持テーブルを取り囲む圧力である。支持テーブル及び基板で囲まれる領域は、基板が支持テーブルに真空クランプされるような近真空圧であってよい。
【0008】
[0008] 支持テーブルは、その中に形成された1つ以上の穴を含む。穴は、基板のクランピングを容易にする。ガスは、基板及び支持テーブルに囲まれたギャップから穴を通じて抽出され、それによって基板をクランプするためにこのギャップ内の圧力を低下させ得る。
【0009】
[0009] 基板は支持テーブル上にロードされる。基板のロード中、基板は重力により変形する可能性がある。基板は変形した状態でクランプされ、これによりオーバーレイが増加する可能性がある。
【0010】
[00010] 基板には、アンロード中に近真空圧の印加が行われるエリアと行われないエリ
アとがあり得る。近真空圧が印加されない(例えば解除される)場合、基板は支持テーブルから離れることができる。近真空圧がまだ印加されている他のエリアでは、基板は滑る可能性がある。これによって、基板が滑る場所に支持テーブルの摩耗が発生する可能性がある。支持テーブルの上面の周辺部は特に摩耗しやすい。
【0011】
[0010] 例えば、クランプされる基板の平坦性を向上させる、及び/又は支持テーブルの摩耗を低減させる、リソグラフィ装置、基板をアンロードする方法、及び基板をロードする方法を提供することが望ましい。
【0012】
[0011] 本発明のある態様によれば、基板を支持するように構成された支持テーブルから基板をアンロードする方法であって、方法は、支持テーブルのベース面と基板の間のギャップに、支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを供給することを含み、アンロードの初期段階において、ガスの供給が、支持テーブルの外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、外側領域の半径方向内側にある支持テーブルの中心領域のガス流開口から行われず、アンロードの後期段階において、ガスの供給が、外側領域の少なくとも1つのガス流開口及び中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる方法が提供される。
【0013】
[0012] 本発明のある態様によれば、基板を支持するように構成された支持テーブル上に基板をロードする方法であって、方法は、支持テーブルのベース面と基板の間のギャップから、支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを抽出することを含み、ロードの第1の段階において、ガスの抽出が、支持テーブルの中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、中心領域の半径方向外側にある支持テーブルの中間領域のガス流開口及び中間領域の半径方向外側にある支持テーブルの外側領域のガス流開口から行われず、ロードの第2の段階において、ガスの抽出が、中心領域の少なくとも1つのガス流開口及び中間領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、外側領域のガス流開口から行われず、ロードの第3の段階において、ガスの抽出が、中心領域の少なくとも1つのガス流開口、中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる方法が提供される。
【0014】
[0013] 本発明のある態様によれば、基板を支持するように構成された支持テーブル上に基板をロードする方法であって、方法は、基板を支持テーブルに向かって下降させること、基板を支持テーブルに向かって下降させるときに、支持テーブルの複数のガス流開口を介して、支持テーブルのベース面と基板の間のギャップからガスを抽出するために、負圧源を制御して負圧を印加すること、基板が支持テーブルより上の所定距離に達したときに、支持テーブルのガス流開口のいずれかと流体連通する負圧源を制御して負圧を印加することを停止すること、及び基板が支持テーブルに着地したときに、支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを抽出するために、負圧源を制御して負圧を印加することを再開させることを含む方法が提供される。
【0015】
[0014] 本発明のある態様によれば、基板を支持するように構成された支持テーブル上に基板をロードする方法であって、方法は、支持テーブルのベース面と基板の間のギャップから、支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを抽出することを含み、ロードの第1の段階において、ガスの抽出が、支持テーブルの外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、外側領域の半径方向内側にある支持テーブルの中間領域のガス流開口及び中間領域の半径方向内側にある支持テーブルの中心領域のガス流開口から行われず、ロードの第2の段階において、ガスの抽出が、外側領域の少なくとも1つのガス流開口及び中間領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、中心領域のガス流開口から行われず、ロードの第3の段階において、ガスの抽出が、外側領域の少なくとも1つのガス流開口、中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる方法が提供される。
【0016】
[0015] 本発明のある態様によれば、ガス流システムと、ガス流システムを制御するように構成されたコントローラと、基板を支持するように構成された支持テーブルと、を備えたリソグラフィ装置であって、支持テーブルは、ベース面と、中心領域と、中心領域の半径方向外側にある外側領域と、ガス流システムがベース面と基板の間のギャップにガスを供給するのに用いるように構成された複数のガス流開口と、を備え、基板が支持テーブルからアンロードされるとき、アンロードの初期段階において、コントローラが、ガスの供給を外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行い、中心領域のガス流開口から行わないようにガス流システムを制御するように構成され、アンロードの後期段階において、コントローラが、ガスの供給を外側領域の少なくとも1つのガス流開口及び中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行うようにガス流システムを制御するように構成されるリソグラフィ装置が提供される。
【0017】
[0016] 本発明のある態様によれば、ガス流システムと、ガス流システムを制御するように構成されたコントローラと、基板を支持するように構成された支持テーブルと、を備えたリソグラフィ装置であって、支持テーブルは、ベース面と、中心領域と、中心領域の半径方向外側にある中間領域と、中間領域の半径方向外側にある外側領域と、ガス流システムがベース面と基板の間のギャップからガスを抽出するのに用いるように構成された複数のガス流開口と、を備え、基板が支持テーブル上にロードされるとき、ロードの第1の段階において、コントローラが、ガスの抽出を中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行い、中間領域のガス流開口及び外側領域のガス流開口から行わないようにガス流システムを制御するように構成され、ロードの第2の段階において、コントローラが、ガスの抽出を中心領域の少なくとも1つのガス流開口及び中間領域の少なくとも1つのガス流開口から行い、外側領域のガス流開口から行わないようにガス流システムを制御するように構成され、ロードの第3の段階において、コントローラが、ガスの抽出を中心領域の少なくとも1つのガス流開口、中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行うようにガス流システムを制御するように構成されるリソグラフィ装置が提供される。
【0018】
[0017] 本発明のある態様によれば、負圧源を備えたガス流システムと、ガス流システムを制御するように構成されたコントローラと、基板を支持するように構成された支持テーブルと、を備えたリソグラフィ装置であって、基板を支持テーブルに向かって下降させるときに、コントローラが、支持テーブルの複数のガス流開口を介して、支持テーブルと基板の間のギャップからガスを抽出するために、負圧源を制御して負圧を印加するように構成され、基板が支持テーブルより上の所定距離に達したときに、コントローラが、支持テーブルのガス流開口のいずれかと流体連通する負圧源を制御して負圧を印加することを停止するように構成され、基板が支持テーブルに着地したときに、コントローラが、支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを抽出するために、負圧源を制御して負圧を印加することを再開させるように構成されるリソグラフィ装置が提供される。
【0019】
[0018] 本発明のある態様によれば、ガス流システムと、ガス流システムを制御するように構成されたコントローラと、基板を支持するように構成された支持テーブルと、を備えたリソグラフィ装置であって、支持テーブルは、ベース面と、中心領域と、中心領域の半径方向外側にある中間領域と、中間領域の半径方向外側にある外側領域と、ガス流システムがベース面と基板の間のギャップからガスを抽出するのに用いるように構成された複数のガス流開口と、を備え、各領域は、その領域のガス流開口と流体連通する流路と、その領域に関する圧力を感知するように構成された圧力センサと、が設けられ、基板が支持テーブル上にロードされるとき、コントローラが、感知した各領域の圧力に基づいて、各領域のガス流開口からガスを抽出するタイミングを制御するように構成されるリソグラフィ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
[0019] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
【0021】
図1】[0020] 本発明のある実施形態に係るリソグラフィ装置を示す。
図2】[0021] リソグラフィ投影装置で使用される液体供給システムを示す。
図3】[0022] ある実施形態に係る別の液体供給システムを示す側断面図である。
図4】[0023] 本発明のある実施形態に係るリソグラフィ装置の支持テーブルを断面図で示す。
図5】[0024] 本発明のある実施形態に係るリソグラフィ装置の支持テーブルを平面図で示す。
図6】[0025] 本発明の別の実施形態に係るリソグラフィ装置の支持テーブルを平面図で示す。
図7】[0026] 本発明のある実施形態に係るリソグラフィ装置の支持テーブル及びガス流システムの一部を概略的に示す。
図8】[0027] 本発明のある実施形態に係るリソグラフィ装置の支持テーブル及びガス流システムを概略的に示す。
図9】[0028] 本発明のある実施形態に係るリソグラフィ装置の支持テーブル及びガス流システムを概略的に示す。
図10】[0029] 基板を支持テーブルへ下降させるときの経時的な基板の垂直高さを示す。
図11】[0030] 基板を支持テーブルへ下降させるときのリソグラフィ装置の異なる部分の圧力を示す。
図12】[0031] 本発明のある実施形態に係る基板を支持テーブルに下降させる様子を概略的に示す。
図13】[0032] 本発明のある実施形態に係るリソグラフィ装置の支持テーブルを平面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0033] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
a.放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
b.パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、一定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
c.基板(例えば、レジストコート基板)Wを保持するように構築され、一定のパラメータに従ってテーブル、例えば基板Wの表面を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに接続された支持テーブル、例えば、1つ以上のセンサを支持するためのセンサテーブル、又は支持テーブルWTと、
d.パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを備える。
【0023】
[0034] 照明システムILは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0024】
[0035] 支持構造MTはパターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスMAが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスMAを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスMAが例えば投影システムPSなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0025】
[0036] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0026】
[0037] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0027】
[0038] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
【0028】
[0039] リソグラフィ装置は、2つ以上のテーブル(又はステージもしくはサポート)、例えば、2つ以上の支持テーブル又は1つ以上の支持テーブルと1つ以上のクリーニング、センサもしくは測定テーブルの組み合わせを有するタイプのものであってよい。例えば、ある実施形態では、リソグラフィ装置は、投影システムの露光側に配置された2つ以上のテーブルを含むマルチステージ装置であり、各テーブルは1つ以上の物体を含む、及び/又は保持する。ある実施形態では、1つ以上のテーブルは、放射感応性基板を保持してよい。ある実施形態では、1つ以上のテーブルは、投影システムからの放射を測定するためのセンサを保持してよい。ある実施形態では、マルチステージ装置は、放射感応性基板を保持するように構成された第1のテーブル(すなわち、支持テーブル)と、放射感応性基板を保持するように構成されていない第2のテーブル(以下、総称して、測定、センサ及び/又はクリーニングテーブルと呼ぶが、これに限定されない)とを備える。第2のテーブルは、放射感応性基板以外に、1つ以上の物体を含んでよい、及び/又は保持してよい。そのような1つ以上の物体は、以下から選択された1つ以上を含んでよい:投影システムからの放射を測定するセンサ、1つ以上のアライメントマーク、及び/又は(例えば、液体閉じ込め構造を洗浄する)クリーニングデバイス。
【0029】
[0040] そのような「マルチプルステージ」(又は「マルチステージ」)機械においては、複数のテーブルを併用することができる、又は予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。リソグラフィ装置は、基板、クリーニング、センサ及び/又は測定テーブルと同様の方法で併用できる2つ以上のパターニングデバイステーブル(又はステージもしくはサポート)を有してよい。
【0030】
[0041] 図1を参照すると、照明システムILは放射源SO又は放射から放射ビームを受ける。放射源SO及びリソグラフィ装置は、例えば放射源SOがエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOから照明システムILへと渡される。他の事例では、例えば放射源SOが水銀ランプの場合は、放射源SOがリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及び照明システムILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDと共に放射システムと呼ぶことができる。
【0031】
[0042] 照明システムILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを備えていてもよい。一般に、照明システムILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、照明システムILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。照明システムILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。放射源SOと同様、照明システムILは、リソグラフィ装置の一部を形成すると考えてもよいし、又は考えなくてもよい。例えば、照明システムILは、リソグラフィ装置の一体化部分であってもよく、又はリソグラフィ装置とは別の構成要素であってもよい。後者の場合、リソグラフィ装置は、照明システムILをその上に搭載できるように構成することもできる。任意選択として、照明システムILは着脱式であり、別に提供されてもよい(例えば、リソグラフィ装置の製造業者又は別の供給業者によって)。
【0032】
[0043] 放射ビームBは、支持構造MT上に保持されたパターニングデバイスMAに入射し、パターニングデバイスMAによってパターン形成される。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のようなパターニングデバイスアライメントマークM1、M2は、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブラインアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0033】
[0044] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用の誘導パターン及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造など、マイクロスケール、更にはナノスケールのフィーチャを備えたコンポーネントの製造における他の用途があり得ることを理解されたい。
【0034】
[0045] 投影システムPSの最終要素と基板の間に液体を提供するための構成は、3つの一般的なカテゴリに分類することができる。これらは浴式構成、いわゆる局所液浸システム、及びオールウェット液浸システムである。浴式構成では、基板Wの実質的に全体及び任意選択的に支持テーブルWTの一部が液体浴に沈められる。
【0035】
[0046] 局所液浸システムは、基板の局所領域にのみ液体が供給される液体供給システムを使用する。液体が充填される空間は、平面視で基板の上面より小さく、また、液体が充填される領域は、投影システムPSに対して実質的に静止状態を維持し、一方、基板Wはその領域の下方を移動する。図2及び図3は、このようなシステムに使用することができる異なる供給デバイスを示す。液体を局所領域に封止するために封止フィーチャが存在する。これを構成するために提案された1つの方法が、PCT特許出願公開WO99/49504号に開示されている。
【0036】
[0047] 提案されている構成は、投影システムの最終要素と支持テーブルの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延びる液体閉じ込め構造を液体供給システムに提供することである。そのような構成を図2に示している。
【0037】
[0048] 図2は、局所液体供給システム、すなわち流体ハンドリングシステムを概略的に示す。液体供給システムは、投影システムPSの最終要素と支持テーブルWT又は基板Wの間の空間11の境界の少なくとも一部に沿って延びる流体ハンドリング構造IH(又は液体閉じ込め構造)を備える。(特に明記しない限り、基板Wの表面に関する以下の記載は、追加的又は代替的に支持テーブルWTの表面も意味することに留意されたい。)流体ハンドリング構造IHは、XY平面では投影システムPSに対して実質的に静止しているが、Z方向に(光軸の方向に)いくらかの相対的移動があってよい。ある実施形態では、流体ハンドリング構造IHと基板Wの表面の間にシールが形成され、シールは、ガスシール(ガスシールを備えたそのようなシステムは、欧州特許出願公開EP-A-1,420,298号に開示されている)又は液体シールなどの非接触シールとすることができる。
【0038】
[0049] 流体ハンドリング構造IHは、投影システムPSの最終要素と基板Wの間の空間11に液体を少なくとも部分的に閉じ込める。基板Wの表面と投影システムPSの最終要素の間の空間11内に液体が閉じ込められるように、基板Wに対する非接触シールを、投影システムPSのイメージフィールドの周りに形成することができる。空間11は、投影システムPSの最終要素の下方に配置され、かつそれを取り囲む流体ハンドリング構造IHによって少なくとも一部が形成される。液体が、投影システムPSの下方、かつ流体ハンドリング構造IHの内側にある空間11に、液体開口13の1つによって引き入れられる。液体は、液体開口13のもう1つによって除去することができる。液体は少なくとも2つの液体開口13から空間11に引き入れられてよい。液体を供給するためにどちらの液体開口13が使用されるか、及び任意選択で液体を除去するためにどちらが使用されるかは、支持テーブルWTの動きの方向に依存し得る。流体ハンドリング構造IHは、投影システムPSの最終要素よりわずかに上方に延在してよい。液体のバッファが供給されるように、液面が最終要素より上方に上昇する。ある実施形態では、流体ハンドリング構造IHは、上端部で投影システムPS又はその最終要素の形状に密に共形になり、例えば円形の場合もある内周を有する。底部では、内周は、例えば矩形であるイメージフィールドの形状に密に共形になるが、そうである必要はない。
【0039】
[0050] 液体は、使用中に流体ハンドリング構造IHの底部と基板Wの表面の間に形成されるガスシール16によって空間11に閉じ込めることができる。ガスシール16はガスによって形成される。ガスシール16内のガスは、加圧下で、入口15を介して流体ハンドリング構造IHと基板Wの間のギャップに供給される。ガスは、出口14を介して抽出される。ガス入口15にかかる過剰圧力、出口14に対する真空レベル、及びギャップのジオメトリは、内向きに高速ガス流があり、それが液体を閉じ込めるように構成される。流体ハンドリング構造IHと基板Wの間にある液体にかかるガスの力は、液体を空間11に閉じ込める。入口/出口は、空間11を取り囲む環状溝とすることができる。環状溝は、連続でも不連続でもよい。ガス流は、液体を空間11に閉じ込める効果がある。そのようなシステムが、米国特許出願公開US2004-0207824号に開示されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ある実施形態では、流体ハンドリング構造IHにガスシール16がない。
【0040】
[0051] 図3は、ある実施形態に係る別の液体供給システム、すなわち流体ハンドリングシステムを示す側断面図である。以下に説明する図3に示す構成は、図1に示す上記のリソグラフィ装置に適用することができる。液体供給システムは、投影システムPSの最終要素と支持テーブルWT又は基板Wの間の空間11の境界の少なくとも一部に沿って延びる流体ハンドリング構造IH(すなわち液体閉じ込め構造)を備える。(特に明記しない限り、基板Wの表面に関する以下の記載は、追加的又は代替的に支持テーブルWTの表面も意味することに留意されたい。)
【0041】
[0052] 流体ハンドリング構造IHは、投影システムPSの最終要素と基板Wの間の空間11に液体を少なくとも部分的に閉じ込める。空間11は、投影システムPSの最終要素の下方に配置され、かつこれを取り囲む流体ハンドリング構造IHによって少なくとも一部が形成される。ある実施形態では、流体ハンドリング構造IHは、本体部材53及び多孔質部材33を備える。多孔質部材33は、プレート形状であって複数の孔(すなわち、開口又は細孔)を有する。ある実施形態では、多孔質部材33は、多数の小さい孔84がメッシュ状に形成されたメッシュプレートである。そのようなシステムは、米国特許出願公開US2010/0045949A1号に開示されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0042】
[0053] 本体部材53は、液体を空間11に供給することができる供給ポート72と、液体を空間11から回収することができる回収ポート73とを備える。供給ポート72は、通路74を介して液体供給装置75に接続される。液体供給装置75は、液体を供給ポート72に供給することができる。液体供給装置75から供給された液体は、対応する通路74を通じて各供給ポート72に供給される。供給ポート72は、光路の近くの、本体部材53の光路に面した所定の位置に配置される。回収ポート73は液体を空間11から回収することができる。回収ポート73は、通路79を介して液体回収装置80に接続される。液体回収装置80は、真空システムを備え、かつ回収ポート73を介して液体を吸引することによって液体を回収することができる。液体回収装置80は、回収ポート73を介し通路79を通じて回収された液体を回収する。多孔質部材33は回収ポート73に配置される。
【0043】
[0054] ある実施形態では、投影システムPSと一方側の流体ハンドリング構造IH及び他方側の基板Wの間に液体を有する空間11を形成するために、液体は供給ポート72から空間11に供給され、流体ハンドリング構造IH内の回収チャンバ31内の圧力は、多孔質部材33の孔84(すなわち、回収ポート73)を介して液体を回収するように負圧に調整される。供給ポート72を使用して液体供給動作を行い、多孔質部材33を使用して液体回収動作を行うことによって、投影システムPSと一方側の流体ハンドリング構造IH及び他方側の基板Wの間に空間11が形成される。
【0044】
[0055] 図に示すように、装置は液浸タイプであってよい。代替的に、装置は基板が液体に浸漬されないドライタイプであってもよい。
【0045】
[0056] 図4は、本発明のある実施形態に係るリソグラフィ装置の支持テーブルWTを断面図で示す。支持テーブルWTは基板Wを支持するように構成される。リソグラフィ装置はまた、支持テーブルWTと相互作用するガス流システムを備える。
【0046】
[0057] 支持テーブルWTはベース面61を含む。ある実施形態では、ベース面61は、支持テーブルWTに支持される基板Wの下面と実質的に平行となるように構成される。ある実施形態では、支持テーブルWTは複数のバール62を含む。バール62はベース面61より上に突出する。複数のバール62のそれぞれは、個々のバール遠位端63を有する。バール遠位端63は、基板Wを支持するように支持平面に配置される。基板Wが支持テーブルWTによって支持される場合、基板Wは、複数のバール62のそれぞれの個々のバール遠位端63によって支持される。
【0047】
[0058] 使用中、基板Wは、支持テーブルWTによって支持される。基板Wが支持テーブルWTによって支持されるとき、基板Wは、各バール62の個々のバール遠位端63によって支持される。
【0048】
[0059] 支持テーブルWTのベース面61と基板Wの間にギャップが画定される。ギャップの幅は、バール遠位端63のベース面61からの高さに相当する。
【0049】
[0060] 図7は、本発明のある実施形態に係るリソグラフィ装置の支持テーブルWT及びガス流システム97の一部を断面図で概略的に示す。リソグラフィ装置はガス流システム97を備える。ガス流システム97は支持テーブルWTと相互作用する。図7に示すように、ある実施形態では、支持テーブルWTは複数のガス流開口69を備える。ガス流開口69は基板Wのクランピングを容易にする。ガスは、基板W及び支持テーブルWTによって囲われたギャップからガス流開口69を通って抽出されることにより、基板Wのクランピングのためにこのギャップ内の圧力を低下させることができる。ある実施形態では、基板Wと支持テーブルWTの間からガス及び液体の泡を抽出するために、追加の二相抽出器(図7に示さず)が外側シール67の半径方向外側にある。
【0050】
[0061] ある実施形態では、ガス流システム97は、ガスをガス流開口69からベース面61と基板Wの間のギャップに供給するように構成される。ある実施形態では、ガス流システム97は、ガス流開口69を介してベース面61と基板Wの間のギャップからガスを抽出するように構成される。ある実施形態では、ガス流システム97は、ガス流開口69を通じてガスをギャップに供給し、ガスをギャップから抽出するように構成される。
【0051】
[0062] 支持テーブルWTから基板Wをアンロードする方法において、支持テーブルWTのガス流開口69を介してベース面61と基板Wの間のギャップにガスを供給する。ある実施形態では、基板Wをアンロードする方法は、ベース面61と基板Wの間のギャップに異なる圧力プロファイルが適用されるアンロードの異なる段階を含む。
【0052】
[0063] アンロードの2つの異なる段階が存在し得る。ある実施形態では、方法はアンロードの初期段階とアンロードの後期段階とを含む。アンロードの後期段階はアンロードの初期段階の後である。ある実施形態では、アンロードの後期段階はアンロードの初期段階のすぐ後に続く。代替的な実施形態では、アンロードの3つの段階が存在する。ある実施形態では、アンロードの中間段階が、アンロードの初期段階の後で、かつアンロードの後期段階の前である。ある実施形態では、アンロードの4つ以上の段階が存在する。
【0053】
[0064] ある実施形態では、支持テーブルWTは、図4に示すように中心領域81と外側領域83とを備える。外側領域83は中心領域81の半径方向外側にある。
【0054】
[0065] アンロードの初期段階において、ガスは外側領域83の少なくとも1つのガス流開口69から供給され、中心領域81のガス流開口から供給されない。アンロードの後期段階において、ガスは外側領域83の少なくとも1つのガス流開口69から、そして更に中心領域81の少なくとも1つのガス流開口から供給される。
【0055】
[0066] 基板Wが支持テーブルWTにクランプされるとき、中心領域81及び外側領域83に真空(又は近真空圧)が印加される。基板Wがアンロードされるとき、中心領域81で真空が解除される前に外側領域83で真空が解除される。最初に外側領域83の真空を解除し、その後で中心領域81の真空を解除することによって、基板Wは縁部から中心に向かって解放される(すなわち離れる)ことが期待される。本発明のある実施形態は、基板Wが支持テーブルWTの外側領域83(例えば周辺部)のバール62上で滑ることを抑制することが期待される。したがって、本発明のある実施形態は、支持テーブルWTの外周部におけるバール62の摩耗の減少を達成することが期待される。
【0056】
[0067] ある実施形態では、中心領域81は外側領域83と境を接する。しかしながら、これは必ずしも当てはまらない。例えば、図4に示すように、ある実施形態では、支持テーブルは中間領域82を備える。
【0057】
[0068] 上述のように、ある実施形態では、方法はアンロードの中間段階を含む。特にこれは、支持テーブルWTが中間領域82を備える場合に当てはまり得る。中間領域82は中心領域81の半径方向外側にある。中間領域82は外側領域83の半径方向内側にある。ある実施形態では、中間領域82は中心領域81と境を接する。ある実施形態では、中間領域82は外側領域83と境を接する。
【0058】
[0069] ある実施形態では、アンロードの初期段階において、ガスは外側領域83の少なくとも1つのガス流開口69から供給され、中心領域81及び中間領域82のガス流開口から供給されない。アンロードの中間段階において、ガスは外側領域83の少なくとも1つのガス流開口69及び中間領域82の少なくとも1つのガス流開口69から供給され、中心領域81のガス流開口69から供給されない。(アンロードの中間段階の後の)アンロードの後期段階において、ガスは外側領域83の少なくとも1つのガス流開口69、中間領域82の少なくとも1つのガス流開口69、及び中心領域81の少なくとも1つのガス流開口69から供給される。
【0059】
[0070] したがって、ある実施形態では、支持テーブルWTは、異なるタイミングで真空の印加及び解除を行うことができる3つの異なるセグメント又はクランプエリアを備える。追加の中間領域82を設け、外側領域83の真空を解除した後に、中間領域82の真空を解除し、続いて中心領域81の真空を解除することによって、本発明のある実施形態は、バール62の摩耗を減少させることが期待される。これは、外周部から始まり中心領域81で終わる真空の解除を連続して行うことによって、基板Wがバール62上を滑る可能性が低くなる、すなわち滑り力が低下することが期待されるためである。ある実施形態では、支持テーブルWTは、外周部から始まり中心領域81で終わる真空の解除を異なるタイミングで行うことができる4つ以上の異なるセグメント又はクランプエリアを備える。
【0060】
[0071] ある実施形態では、ガス流システム97は、真空を解除する前にガス流開口69からガス(例えば空気)噴射を行うように構成される。ガス噴射は、滑りの可能性が低下するように、基板Wがバール62から離れることを促すためのものである。ある実施形態では、アンロードの初期段階において、ガスは外側領域83の少なくとも1つのガス流開口69から周囲圧力より大きい第1の圧力で供給される。周囲圧力より大きい第1の圧力で供給されたガスは、基板Wがバール62から離れることを促すガス噴射である。このガス噴射の後、ガスは外側領域83の少なくとも1つのガス流開口69から第1の圧力より小さい第2の圧力で供給される。ある実施形態では、第2の圧力は周囲圧力より大きい。したがって、第2の圧力が印加される場合に、基板Wは支持テーブルWTに再付着しない。代替的な実施形態では、第2の圧力は周囲圧力より小さいため、初めのガス噴射後に真空は解除される。周囲圧力より小さい第2の圧力でガスを供給することによって、外側領域83において真空が徐々に解除される。したがって、外側領域83の真空の解除に先立ってガス噴射を行うことができる。周囲圧力より大きい第1の圧力でガスを供給することによって、反った基板Wがアンロードプロセス中に不必要にバール62と接触する可能性が低下する。一般的に基板Wが反る場合はその縁部が反る。したがって、基板Wは、アンロードプロセス中に外側領域83において不必要にバール62と接触する危険性が最も大きい。
【0061】
[0072] ある実施形態では、ガスは外側領域83、中間領域82、及び中心領域81のいずれにも周囲圧力より大きい第1の圧力で供給することができる。例えばある実施形態では、アンロードの中間段階において、ガスは中間領域82の少なくとも1つのガス流開口69から周囲圧力より大きい第1の圧力で供給され、その後ガスは中間領域82の少なくとも1つのガス流開口69から第1の圧力より小さい第2の圧力で供給される。
【0062】
[0073] ある実施形態では、アンロードの後期段階において、ガスは中心領域81の少なくとも1つのガス流開口69から周囲圧力より大きい第1の圧力で供給され、その後ガスは中心領域81の少なくとも1つのガス流開口69から第1の圧力より小さい第2の圧力で供給される。したがって、各領域に対し、真空を解除する前に噴射を加えることができる。これによって、基板Wがバール62上を滑る力が低下する、すなわち基板Wがバール62上を滑る可能性が低下し、結果としてバール62における摩耗が減少する。
【0063】
[0074] 本発明は、以上において基板Wを支持テーブルWTからアンロードする方法という観点から説明してきた。本発明は、基板Wを支持テーブルWT上にロードする方法に同様に適用可能である。
【0064】
[0075] 基板Wを支持テーブルWT上にロードする方法によれば、方法は、支持テーブルWTの複数のガス流開口69を介してガスをギャップから抽出することを含む。基板Wをロードする方法は少なくとも3つのロードする段階を含む。4つ以上の段階が存在してもよい。
【0065】
[0076] ロードの第1の段階において、ガスは中心領域81の少なくとも1つのガス流開口69から抽出され、中間領域82及び外側領域83のガス流開口69から抽出されない。次にロードの第2の段階において、ガスは中心領域81の少なくとも1つのガス流開口69及び中間領域82の少なくとも1つのガス流開口69から抽出され、外側領域83のガス流開口69から抽出されない。次にロードの第3の段階において、ガスは中心領域81の少なくとも1つのガス流開口69、中間領域82の少なくとも1つのガス流開口69、及び外側領域83の少なくとも1つのガス流開口69から抽出される。
【0066】
[0077] したがって、真空は最初に中心領域81、次に中間領域、その後に外側領域83に印加することができる。本発明のある実施形態は、基板Wのロード後に残る格子変形の低減を達成することが期待される。基板Wが変形するとオーバーレイエラーが大きくなる可能性がある。例えば基板Wの変形によって、基板Wへの放射の入射精度が低下する可能性がある。基板Wの表面の湾曲によって、放射と基板Wの接触がわずかに的外れになるかもしれない。特に、基板Wが最初に支持テーブルWTの外周部にあるバール62にクランプされる場合は、基板Wのいかなる変形も基板Wがクランプされるときに残る可能性がある。真空を初めに中心領域81に、そして最後に外側領域83に印加することによって、基板Wのバール62へのクランプが中心領域81から始まることが期待される。これによって基板Wが支持テーブルWT上にロードされるときの基板Wの変形が低減することが期待される。ある実施形態では、支持テーブルWTは4つ以上の領域を備える。ロード中、真空は最初に最も中心にある領域に、そして最後に最も外側の領域に印加される。
【0067】
[0078] 以上で説明したように、ガスはアンロードの異なる段階にわたって同じ領域に供給されてよい。例えばガスは、アンロードの初期段階、アンロードの中間段階、及びアンロードの後期段階において中心領域81に供給される。ガスを異なる段階において供給するのに使用されるガス流開口69は、同一のガス流開口69であるかもしれない。代替的に、異なるガス流開口69は異なる段階において特定の領域内で使用されてもよい。
【0068】
[0079] 同様に、ロードプロセス中、ガスはロードプロセスの異なる段階において1つの領域に抽出されてよい。例えばガスは、ロードの第1の段階、第2の段階、及び第3の段階の各段階において中心領域81で抽出される。異なる段階において特定の領域に使用されるガス流開口69は、同一のガス流開口69であるかもしれない。代替的に、異なるガス流開口は異なる段階において特定の領域に使用されてもよい。
【0069】
[0080] ある実施形態では、ガスはロードプロセス中、ガス流開口69から供給されてよい。これは、反った基板Wが、特に支持テーブルWTの外周部にあるバール62に不必要に触れることを防止するためである。ある実施形態では、ロードの第1の段階において、周囲圧力より大きい圧力のガスが、中間領域82の少なくとも1つのガス流開口69、及び/又は外側領域83の少なくとも1つのガス流開口69から供給される。したがって、中心領域81で真空が形成されている間は、中間領域82及び外側領域83にガス噴射が供給されている。これは、基板Wが中心領域81のバール62に接触する前に、基板Wが中間領域82又は外側領域83のバール62に不必要に触れることを防止する。
【0070】
[0081] ある実施形態では、ロードの第2の段階において、ガスは外側領域83の少なくとも1つのガス流開口69から周囲圧力より大きい圧力で供給される。したがって、中間領域82で真空が形成されているときでも、外側領域83にガス噴射を提供することができる。
【0071】
[0082] 上記のように、ある実施形態では、真空はまず中心領域81に、次に中間領域82に、そして外側領域83に印加される。しかしながら、代替的な実施形態では、ロードシーケンスが逆転する。ある実施形態では、ロードの第1の段階において、ガスは支持テーブルWTの外側領域83の少なくとも1つのガス流開口69から抽出され、支持テーブルWTの中間領域82のガス流開口69及び支持テーブルWTの中心領域81のガス流開口69から抽出されない。ロードの第2の段階において、ガスは外側領域83の少なくとも1つのガス流開口69及び中間領域82の少なくとも1つのガス流開口69から抽出され、中心領域81のガス流開口69から抽出されない。ロードの第3の段階において、ガスは外側領域83の少なくとも1つのガス流開口69、中間領域82の少なくとも1つのガス流開口69、及び中心領域81の少なくとも1つのガス流開口69から抽出される。
【0072】
[0083] 本発明のこの実施形態は、ボウル形状を有する(すなわち基板Wの外周部が基板Wの中心部分より高い)反った基板Wをクランプすることに有利であることが期待される。
【0073】
[0084] ある実施形態では、中心領域81と中間領域82の間のガス流が制限される。中心領域81と中間領域82の間のガス流を制限することによって、中心領域81及び中間領域82のそれぞれのギャップに対するガスの抽出又は供給を実質的に独立に行うことができる。
【0074】
[0085] 例えば図4は、中心領域壁64を示す。中心領域壁64は、ベース面61より上に突出する。中心領域壁64は中間領域82と中心領域81の間のガス流を制限する。ある実施形態では、中心領域壁64は、中心領域81と中間領域82の間のガス流を制限するように構成される。中心領域壁64の最上部は、基板Wが支持テーブルWTにクランプされるときに基板Wと接触しない。中心領域壁64はシールとして機能する。中心領域壁64はバール62ほど高くない。基板Wと中心領域壁64の最上部の間に小さいギャップが存在する。
【0075】
[0086] 図5は、図4に示す支持テーブルWTを平面図で示す。バール62は、簡単にするために図5から省略されている。ある実施形態では、中心領域壁64は連続している。中心領域壁64には中間領域82と中心領域81の間でガスの流出入が生じ得る切れ目がない。図5に示すように、ある実施形態では中心領域壁64は平面視で円形を成す。しかしながら、他の形状も可能である。例えば中心領域壁64は、正方形又は長方形を成し得る。
【0076】
[0087] 図5に示すように、ある実施形態では中間領域82は中心領域81を取り囲む。中間領域82は平面視で中心領域81を取り囲む。図5に示すように、ある実施形態では中間領域82は、その半径方向の外周が中間領域壁65によって画定される。中間領域壁65はベース面61より上に突出する。中間領域壁65は、中間領域82と外側領域83の間のガス流を制限するように構成される。これによって、中間領域82及び外側領域83のそれぞれのギャップに対するガスの供給又は抽出を実質的に独立に行うことができる。中間領域壁65はシールとして機能する。中間領域壁65はバール62ほど高くない。基板Wと中間領域壁65の最上部の間に小さいギャップが存在する。
【0077】
[0088] 各領域に対する実質的に独立したガス流を可能にすることによって、ロードプロセス及びアンロードプロセスをより正確に制御することができる。図5に示すように、ある実施形態では、外側領域83は中間領域82を取り囲む。外側領域83は平面視で中間領域82を取り囲む。
【0078】
[0089] 図5に示すように、ある実施形態では外側領域83は、その半径方向の外周が外側領域壁66によって画定される。外側領域壁66はベース面61より上に突出する。外側領域壁66は、外側領域83と外側領域83の半径方向外側にある領域の間のガス流を制限するように構成される。外側領域壁66はシールとして機能する。外側領域壁66はバール62ほど高くない。基板Wと外側領域壁66の最上部の間に小さいギャップが存在する。
【0079】
[0090] ある実施形態では、支持テーブルWTは1つ以上の外側シール67を備える。外側領域壁66と外側シール67は二重シールを形成してよい。二重シールは水抽出システム用であってよい。例えば、外側領域壁66と外側シール67の間の空間から液体(さらにガス)を抽出するための流体抽出開口88(図7参照)を設けてよい。
【0080】
[0091] ある実施形態では、各領域は独自の吸気路を有する。これは各領域のガス圧を個別に制御できることを意味する。ある実施形態では、ガス流システム97は各領域のための流路98を備える。例えばある実施形態では、ガス流システム97は、中心領域81の少なくとも1つのガス流開口69と接続された中心流路と、中間領域82の少なくとも1つのガス流開口69と接続された中間流路と、外側領域83の少なくとも1つのガス流開口と接続された外側流路とを備える。中心流路、中間流路、及び外側流路は、互いに独立している。中心流路、中間流路、及び外側流路は、図7に両方向矢印として描かれている。
【0081】
[0092] 図6は、図5に示す支持テーブルWTの代替案である支持テーブルWTを平面図で示す。しかしながら、図6に示す実施形態における本発明の機能性は、図5に示す実施形態におけるものと実質的に同じである。バール62は、簡単にするために図6から省略されている。
【0082】
[0093] 図6に示すように、ある実施形態では、中心領域81は複数の重ならない中心サブ領域91を含む。各中心サブ領域91は中心サブ領域壁94によって画定される。各中心サブ領域壁94は、ベース面61より上に突出する。各中心サブ領域壁94は、中心領域81と任意の他の領域(例えば外側領域83又は中間領域82)の間のガス流を制限するように構成される。これによって、中心領域81のギャップに対するガスの供給又は抽出を他の領域から実質的に独立に行うことができる。各中心サブ領域壁94はシールとして機能する。各中心サブ領域壁94はバール62ほど高くない。基板Wと各中心サブ領域壁94の最上部の間に小さいギャップが存在する。
【0083】
[0094] 図6に示すように、ある実施形態では中心サブ領域91は互いに離間する。隣り合う中心サブ領域91の中心サブ領域壁94は離れており、互いに接触することはない。これは、中心サブ領域91の間(すなわち中心サブ領域壁94の外側)に、中心領域81、中間領域82、又は外側領域83のいずれにも属さない空間が存在することを意味する。したがって、中間領域82又は外側領域83が中心領域81を完全に取り囲む必要がない。
【0084】
[0095] 代替的に、隣り合う中心サブ領域91は互いに境を接してもよい。中心サブ領域壁94は、隣り合う中心サブ領域91によって共有され得る。これは、中心サブ領域壁94が隣り合う中心サブ領域91間を分ける境界線であってよいことを意味する。1つの中心サブ領域91は中心サブ領域壁94の一方の側にあり、もう1つの中心サブ領域91は中心サブ領域壁94の他方の側にあってよい。
【0085】
[0096] 図6に示すように、中間領域82及び外側領域83は、中心領域81と同様に配置されてよい。特に、本発明は、(サブ領域壁によって形成される)シールの島を使用することによって実施することができる。サブ領域は、平面視で縁部がシール(すなわちサブ領域壁)によって画定された島のように見えるためにシールの島と呼ばれることがある。特に、ある実施形態では、中間領域82は複数の重ならない中間サブ領域92を含む。各中間サブ領域92は中間サブ領域壁95によって画定される。各中間サブ領域壁95は、ベース面61より上に突出する。各中間サブ領域壁95は、中間領域82と任意の他の領域の間のガス流を制限するように構成される。そしてこれは、中間領域82のギャップに対するガスの供給又は抽出を他の領域から実質的に独立に行うことができることを意味する。各中間サブ領域壁95はシールとして機能する。各中間サブ領域壁95はバール62ほど高くない。基板Wと各中間サブ領域壁95の最上部の間に小さいギャップが存在する。
【0086】
[0097] 図6に示すように、ある実施形態では、中間サブ領域92は互いに離間する。しかしながら、これは必ずしも当てはまらない。ある実施形態では、中間サブ領域92は隙間なく互いに直接隣接している。例えば1つの中間サブ領域92の中間サブ領域壁95は、隣り合う中間サブ領域92の間に隙間が生じないように、隣り合う中間サブ領域92の中間サブ領域壁95と結合されてよい。
【0087】
[0098] 図6に示すように、ある実施形態では、外側領域83はその間のガス流を制限する複数の重ならない外側サブ領域93を含む。各外側サブ領域93は外側サブ領域壁96によって画定される。各サブ領域壁96は、ベース面61より上に突出する。外側領域83は外側サブ領域93から構成される。(ガスが自由に流れることができる)外側サブ領域93の間の空間は、外側領域83の一部を形成しない。各外側サブ領域壁96は、外側領域83と任意の他の領域の間のガス流を制限するように構成される。これは、外側領域83に対するガスの供給又は抽出を任意の他の領域から実質的に独立に行うことができることを意味する。各外側サブ領域壁96はシールとして機能する。各外側サブ領域壁96はバール62ほど高くない。基板Wと各外側サブ領域壁96の最上部の間に小さいギャップが存在する。
【0088】
[0099] 図6に示すように、ある実施形態では、外側サブ領域93は互いに離間する。しかしながら、これは必ずしも当てはまらない。代替的な実施形態では、外側サブ領域93は隙間なく互いに直接隣接している。
【0089】
[0100] 図5は支持テーブルWTの同心領域を示す。これに対して図6は、(サブ領域壁によって形成される)シールの島を使用することによって形成される領域を示す。ある実施形態では、領域の少なくとも1つは図5に示すように形成されてよく、領域の少なくとも1つは図6に示すように形成されてよい。例えば、ある実施形態では、中心領域81は図6に示すように中心サブ領域91から形成される一方、外側領域83は中間領域壁65及び外側領域壁66によって画定される。図5及び図6に示す実施形態の別の組み合わせも可能である。
【0090】
[0101] 例えば図5から図7に示し、以上に記載したように、ある実施形態では、支持テーブルWTの異なる領域は壁によって互いに分離される。しかしながら、壁を設けることは不可欠ではない。代替的な実施形態では、壁は設けられない。
【0091】
[0102] 図13は、本発明のある実施形態に係る支持テーブルを平面図で概略的に示す。ある実施形態では、支持テーブルWTは、それぞれが支持テーブルWTの異なる領域のガス流開口69と接続された複数の独立に制御可能な流路98(図9参照)を備える。図13は3セットのガス流開口69を示す。ガス流開口69の各セットは流路98と流体連通している。流路98は互いに独立に制御可能である。これによって、ガス流開口69の各セットの圧力を互いに独立に制御することが可能になる。
【0092】
[0103] ガス流開口69の各セットは複数のガス流開口69を含む。図13に示すように、ある実施形態では、1セットのガス流開口69はリング状に設けられる。例えば正方形又は菱形などの他の配置も可能である。図13に示すように、ある実施形態では、各セットは12個のガス流開口69を有する。しかしながら、各セットのガス流開口69の数は特に限定されず、例えば6、10、又は16であってもよい。
【0093】
[0104] ガス流開口69の各セットは、支持テーブルWTの中心から異なる半径距離に設けられる。図13は、ガス流開口69の第1のセットが支持テーブルWTの中心から半径距離rに配置された構成を示す。ガス流開口69の第2のセットは、支持テーブルWTの中心から半径距離rに配置される。ガス流開口69の第3のセットは、支持テーブルWTの中心から半径距離rに配置される。図13において、1つの破線は支持テーブルの中心領域81と中間領域82の間の境界を表す。もう1つの破線は、支持テーブルの中間領域82と外側領域83の間の境界を表す。図13に示すように、ガス流開口69の第1のセットは支持テーブルWTの中心領域81に設けられる。ガス流開口69の第2のセットは支持テーブルWTの中間領域82に設けられる。ガス流開口69の第3のセットは支持テーブルWTの外側領域83に設けられる。
【0094】
[0105] ガス流開口69の各セットの流れを制御して、上記のロード又はアンロードシーケンスを提供することができる。例えば、ある実施形態では、ガスの抽出は、最初にガス流開口69の第1のセットを通じて、そして追加的にガス流開口69の第2のセットを通じて、そして追加的にガス流開口69の第3のセットを通じて行われる。ガス流開口69のセットの数は特に限定されず、例えば、2、4、又はそれ以上であってもよい。
【0095】
[0106] 図13は、主に支持テーブルWTのバールプレート21を示す(支持テーブルWTのバールプレート21とチャック22の違いについては図5及び図6参照)。図13に示すように、バールプレート21は半径rを有する。ある実施形態では、ガス流開口69の第1のセットは、r:rが少なくとも0.2になるように配置される。ある実施形態では、ガス流開口69の第1のセットは、r:rが最大でも0.5になるように配置される。ある実施形態では、ガス流開口69の第1のセットは、r:rが0.4くらいになるように配置される。
【0096】
[0107] ある実施形態では、ガス流開口69の第2のセットは、r:rが少なくとも0.5になるように配置される。ある実施形態では、ガス流開口69の第2のセットは、r:rが最大でも0.8になるように配置される。ある実施形態では、ガス流開口69の第2のセットは、r:rが0.6くらいになるように配置される。
【0097】
[0108] ある実施形態では、ガス流開口69の第3のセットは、r:rが少なくとも0.5になるように配置される。ある実施形態では、ガス流開口69の第3のセットは、r:rが最大でも0.95になるように配置される。ある実施形態では、ガス流開口69の第3のセットは、r:rが0.9くらいになるように配置される。
【0098】
[0109] 以上に示したように、例えば正方形又は菱形などの、ガス流開口69の他の配置も可能である。上記のいずれの壁も、例えば非放射状の開口形態などの他の形態に提供することができる。これは、基板Wが対称的、すなわち回転対称的に反る可能性がなく、例えば基板Wが鞍形に反る可能性があるために有用である。
【0099】
[0110] 図13に示すように、図5に描かれた壁はガス流開口69のセット間に設けられていないが、ある実施形態では、支持テーブルは外側シール67を備える。
【0100】
[0111] 図13に示すように、ある実施形態では、支持テーブルWTは複数のピンホール71を備える。図13には6個のピンホール71が描かれているが、適切な任意の数のピンホール71が使用されてよく、すなわちピンホール71の数は6に限定されない。ピンホール71によって、(図12に示され、後述される)ピン70は、支持テーブルWTを通って垂直に延びることが可能になる。ある実施形態では、ガス流開口WTのセットのうちの1つが、支持テーブルWTの中心からピンホール71と実質的に同じ半径距離に設けられる。図13に示す構成では、ガス流開口69の第2のセット及びピンホール71が支持テーブルWTの中心からの半径距離r2に設けられる。
【0101】
[0112] 図8は、本発明のある実施形態に係る支持テーブルWT及びガス流システム97を概略的に示す。図8は、ガス流システム97の流路98を示す。流路98は、支持テーブルWTのガス流開口69と流体連通している。図8は、単なる例として、1つの流路98のみを示している。ガス流システム97は、支持テーブルWTの各領域に対する真空の印加及び解除を独立に制御するために複数の流路98を備える。
【0102】
[0113] 図8に示すように、ある実施形態では、ガス流システム97は少なくとも1つの圧電バルブ99を備える。圧電バルブ99は、中心流路、中間流路、又は外側流路であってよい流路98の通過流量を変化させるように構成される。しかしながら、圧電バルブを使用する必要はない。流量を変化させるために他のバルブを使用することもできる。例えばソレノイドバルブが使用されることもある。
【0103】
[0114] ある実施形態では、圧電バルブ99は、基板ロードシーケンス及び/又は基板アンロードシーケンス中に圧力及び流れを制御するために使用される。圧電バルブ99の使用によって、様々な用途のためにロード/アンロードシーケンスを作成することがより簡単になることが期待される。例えばシーケンスは、露光動作中に基板Wに形成される層のタイプに依存してよい。これによって、基板ロードプロセスにおける基板Wの格子エラーの低減が可能になる。
【0104】
[0115] 圧電バルブ99などの可変バルブを設けることによって、閉ループフィードバック制御を用いて、基板Wの任意の形状に対するロードシーケンスを改善することができる。例えば、ある実施形態では、支持テーブルWTは、少なくとも1つの圧力センサ85を備える。圧力センサ85は、基板W付近の圧力を感知するように構成される。例えば圧力センサ85は、図8に示すように流路98の圧力を感知するように構成される。代替的に、圧力センサは他の場所に配置されてよい。圧力センサ85は、支持テーブルWTと基板Wの間の圧力を感知するように構成されてよい。ある実施形態では、ガス流システム97のコントローラは、圧力センサ85によって感知された圧力に基づいて流路98の流量を変化させるように構成される。
【0105】
[0116] ある実施形態では、ガス流システム97はバルブ圧力センサ86を備える。バルブ圧力センサ86は、圧電バルブ99の近くの流路98内の圧力を感知するように構成される。ある実施形態では、ガス流システム97は負圧源87を備える。負圧源87は、例えば真空発生器であってよい。
【0106】
[0117] ある実施形態では、圧力センサ85は基板Wのできるだけ近くにある。例えば圧力センサ85は、支持テーブルWTの一部である。ある実施形態では、支持テーブルWTは、チャック22とバールプレート21とを備える(例えば図5及び図6参照)。バールプレート21は、ベース面61とバール62とを備える。バールプレート21はチャック22に取り付けられる。ある実施形態では、圧力センサ85は、基板Wにできるだけ近くなるようにバールプレート21上に設けられる。これは基板Wで起こっていることをより良好に測定するのに役立つ。バルブ圧力センサ86は、圧電バルブ99の出口の近くに設けられる。バルブ圧力センサ86は、制御を安定に保つために使用することができる。
【0107】
[0118] 圧電バルブ99の設定と基板Wの圧力反応の関係は、圧力センサ85によって測定することができる。この測定は、特に変形(例えば反り)を一群の基板の全ての基板について比較できる場合に、次の基板Wのフィードフォワード補正として使用することができる。
【0108】
[0119] 圧電バルブ99(又は任意の他のタイプのバルブ)は、圧力センサ85からの出力に基づいて制御することができる。圧力センサ85は、フィードバックを与えるように支持テーブルWTの各領域に設けてよい。圧力センサ85を圧電バルブ99(又は任意の他のタイプのバルブ)と組み合わせて使用することによって、ロード/アンロードシーケンスは、よりロバストになるように形成することができる。
【0109】
[0120] ある実施形態では、ガス流システム97は、支持テーブルWTの各領域のためのマスフローコントローラを備える。各マスフローコントローラは、中心領域81、中間領域82、及び外側領域83のうちの1つと関連する流路98を通るガス流を測定して制御するように構成される。
【0110】
[0121] ある実施形態では、各領域は流路98と圧力センサ85とを備える。流路98はその領域のガス流開口69と流体連通する。圧力センサ85は、その領域、すなわち中心領域81、中間領域82、又は外側領域83に関する圧力を感知するように構成される。これは、基板Wとその領域の支持テーブルWTの間の圧力を感知すること、及び/又は流路98の圧力を感知することを含んでよい。これによって、時間的に最適な圧力プロファイルが領域ごとに適用され得るように、各領域の吸引流を独立に決定することが可能になる。基板Wと支持テーブルWTの間の圧力を測定することは、基板Wに影響を及ぼす圧力がより正確になる可能性があり、クランピングをより正確に制御するパラメータとして使用できるという点で有益であり得る。
【0111】
[0122] ある実施形態では、基板Wが支持テーブルWT上へロードされるとき、コントローラ500は、感知した各流路98の圧力に基づいて、各領域のガス流開口69からガスを抽出するタイミングを制御するように構成される。
【0112】
[0123] 本発明のある実施形態は、基板Wの反りを予め知る必要なく、改善されたロードシーケンスを達成することが期待される。各領域の吸引流を決定することによって、コントローラ500は、最適なロードシーケンスを自動的に決定することができる。例えばコントローラ500は、真空を中心領域81から、あるいは外側領域83からオンにするシーケンスを決定することができる。
【0113】
[0124] 図9は、本発明のある実施形態に係る支持テーブルWTの領域の配置をガス流システム97と共に概略的に示す。図9に示す領域の配置は、図5の同心円配置と図6の島状シール配置の複合型の一例である。図9の配置では、中心領域81は、上記の図5に示した方法と同様に中心領域壁64によって画定される。一方、中間領域82は、上記の図6に示した配置と同様に、中間サブ領域壁95によって画定された複数の中間サブ領域92を含む。外側領域83は、上記の図6に示した配置と同様に、外側サブ領域壁96によって画定された複数の外側サブ領域93を含む。
【0114】
[0125] 図9は、円形でないシール島(すなわちサブ領域)の一例である。中間サブ領域92及び外側サブ領域93は、円形ではなく環帯の一部分の形状を有する。図9に示す配置では、各中間サブ領域92は、環帯の四分の一区分に相当する。4つの中間サブ領域92が存在する。しかしながら、中間サブ領域92の数は、4より小さくても4より大きくてもよい。図9に示すように、ある実施形態では、支持テーブルWTは、それぞれが環帯の四分の一区分の半分に相当する8つの外側サブ領域93を備える。しかしながら、外側サブ領域93の数は、8より小さくても8より大きくてもよい。
【0115】
[0126] 以上で説明したように、ある実施形態では、真空圧は、異なる半径方向位置(すなわち、支持テーブルWTの中心からの異なる距離)にある領域に対して、実質的に独立に制御することができる。支持テーブルWTは、クランプ圧を制御するための半径方向自由度を有する。
【0116】
[0127] ある実施形態では、リソグラフィ装置は、クランプ圧を制御するための接線方向(又は回転)自由度を有する。特に、ある実施形態では、同じ領域の(異なる接線方向位置にある)異なるサブ領域のクランプ圧は独立に制御することができる。例えば、ある実施形態では、中間サブ領域92間のガス流は、中間サブ領域92のそれぞれのギャップに対するガスの抽出又は供給を実質的に独立に行えるように制限される。
【0117】
[0128] 図9に示すように、ある実施形態では、領域の少なくとも1つは、複数の接線方向に分布させたサブ領域を含む。各サブ領域は、流路98と圧力センサ85とを備える。流路98は、そのサブ領域のガス流開口69と流体連通する。圧力センサ85は、サブ領域に関する圧力を感知するように構成され、例えば、圧力センサ85は、そのサブ領域の支持テーブルWTと基板Wの間の圧力、又は流路98の圧力を感知するように構成されてよい。
【0118】
[0129] 基板Wが支持テーブルWT上にロードされるとき、コントローラ500は、感知した各流路98の圧力に基づいて、各サブ領域のガス流開口69からガスを抽出するタイミングを制御するように構成される。コントローラ500は、異なる接線方向位置にあるサブ領域を独立に制御する最適なロードシーケンスを決定することができる。これは、接線方向に変化するように反る基板Wをクランプするときに特に有益な可能性がある。
【0119】
[0130] ある実施形態では、中間サブ領域92間のガス流は、中間サブ領域壁95によって制限される。ある実施形態では、ガス流は、外側サブ領域93のそれぞれのギャップに対するガスの抽出又は供給を実質的に独立に行えるように外側サブ領域93間で制限される。例えば外側サブ領域間のガス流は、外側サブ領域壁96によって制限することができる。
【0120】
[0131] 中心領域81が複数の重ならない中心サブ領域91を含む実施形態では、中心サブ領域91間のガス流は、中心サブ領域91のそれぞれのギャップに対するガスの抽出又は供給を実質的に独立に行えるように制限することができる。例えば、ガス流は中心サブ領域壁94によって制限することができる。
【0121】
[0132] ある実施形態では、ガス流システム97は、支持テーブルWTの一領域内の各サブ領域ごとに別個の流路98を備える。図9は、1つの外側サブ領域93の少なくとも1つのガス流開口69に接続された流路98を概略的に示す。これは1つのサブ領域の1つの流路98を表しているに過ぎない。外側サブ領域93のそれぞれに別個の流路98を設けてよい。同様に、中間サブ領域92のそれぞれに別個の流路98を設けてよい。中心領域81が複数の中心サブ領域91を備える場合は、中心サブ領域91のそれぞれに別個の流路98を設けてよい。流路98は互いに独立している。
【0122】
[0133] 図9に示すように、ある実施形態では、圧力センサ85は外側サブ領域93と関連付けられる。圧力センサ85は、外側サブ領域93内の圧力を感知するように構成される。したがって、圧力センサ85は、外側サブ領域93内のベース面61と基板Wの間のギャップ内のクランプ圧の測度を提供する。
【0123】
[0134] ある実施形態では、ガス流システム97は、外側サブ領域93に印加される圧力を制御するように構成された圧電バルブ99(又はソレノイドバルブなどの別のタイプのバルブ)を備える。圧電バルブ99は、圧力センサ85からの情報に基づいて制御されてよい。ある実施形態では、コントローラ500は、圧力センサ85からの情報に基づいて圧電バルブ99を制御する。したがって、コントローラ500は、外側サブ領域93のそれぞれの圧力を実質的に独立に制御することができる。同様に、ある実施形態では、コントローラ500は、各中間サブ領域92の圧力を実質的に独立に制御することができる。ある実施形態では、コントローラ500は、中心サブ領域91のそれぞれの圧力を実質的に独立に制御することができる。
【0124】
[0135] したがって、支持テーブルWTの異なる接線方向位置に異なる圧力を印加することができる。これは、支持テーブルWTがクランプ圧を制御するための接線方向自由度を有することを意味する。ある実施形態では、圧力のセットポイントは接線方向位置の違いによって異ならない。ある実施形態では、各サブ領域は独自の圧力制御ループを有する。これは接線方向に反った、すなわち曲がった基板を処理するのに役立つ。これによって、例えば基板Wの曲率が異なる接線方向位置で異なっていても、異なる接線方向(すなわち回転)位置に同じ圧力を印加することが可能になる。
【0125】
[0136] 本発明の実施形態は、非円対称の反り(例えば鞍形の反り)を有するクランプされた基板Wの平坦性を向上させることが期待される。これはクランプ対象の基板Wの反りを予め知っていることを要求しない。
【0126】
[0137] 以上で説明したように、ガス流システム97は、特定領域に周囲圧力より高い圧力(すなわちガス噴射)を供給することが可能である。ある実施形態では、ガス流システム97は、各サブ領域に周囲圧力より高い圧力のガスを独立に加えるように構成される。したがって、ガス噴射の供給は、支持テーブルWT内の接線方向位置に依存して制御することができる。接線方向位置は接線(方位)方向に沿った位置を意味する。
【0127】
[0138] 代替的な実施形態では、ガス抽出システム97は、基板Wが支持テーブルWTより上の所定距離にあるときにガスの抽出を停止するように制御される。所定距離はリソグラフィ装置によって変化し得る。所定距離は特定のリソグラフィ装置のために較正することができる。より詳細には、ある実施形態では、基板Wを支持テーブルWT上にロードする方法は、基板Wを支持テーブルWTに向かって下降させることを含む。ある実施形態では、例えば基板Wは、基板Wの下面に接触する(図12に示す)複数のピン70によって支持される。ピン70は、支持テーブルWTを通って垂直に延びる。コントローラ500は、ピン70が下方に垂直に移動するように、ピン70を(例えばアクチュエータを介して)制御するように構成される。ピン70が下方に垂直に移動するとき、基板Wは支持テーブルWTに向かって下降する。
【0128】
[0139] ある実施形態では、基板Wが支持[0140]テーブルWTに向かって下降しているとき、負圧源87を制御して、(図8及び図9に示す)支持テーブルWTの複数のガス流開口69を介して支持テーブルWTのベース面61と基板Wの間のギャップからガスを抽出するように負圧を印加する。例えば真空供給部であってもよい負圧源87は、基板Wが支持テーブルWTに向かって下降しているときにオンになる。
【0129】
[0141] ある実施形態では、コントローラ500は、ピン70が垂直に下降していると判定するときに負圧源87をオンにするように構成される。ある実施形態では、ピン70が基板Wと共に支持テーブルWTに向かって下に移動するとすぐに、可能な限り高いガス抽出流量がオンになる。これは、基板Wが支持テーブルWTに向かって移動する間の基板Wと支持テーブルWTの間の空気抵抗を減らすためである。これによってスループットも速くなる。
【0130】
[0142] ある実施形態では、基板Wが支持テーブルWTより上の所定距離に達すると、支持テーブルWTのガス流開口69と流体連通する負圧源87は、負圧を印加することを停止するように制御される。ピン70が支持テーブルWTの高さのすぐ上にあるとき、真空がオフになる。
【0131】
[0143] ある実施形態では、コントローラ500は、基板Wを支持するピン70の垂直高さをモニタするように構成される。図12に示すように、ある実施形態では、リソグラフィ装置は高さセンサ60を備える。高さセンサ60は、ピン70の垂直位置を測定するように構成される。高さセンサ60は、基板Wの支持テーブルWTからの高さを表す値を出力するように構成される。高さセンサ60はコントローラ500に接続される。高さセンサ60は、ピン70の高さを示す信号をコントローラ500に出力するように構成される。具体的には、高さセンサ60は、ピン70の最上部の支持テーブルWTからの高さを示す信号をコントローラ500に出力するように構成される。コントローラ500は、高さセンサ60から受信した信号に基づいて負圧源87を制御するように構成される。ある実施形態では、コントローラ500は、(図8及び図9に示す)圧電バルブ99を制御することによって負圧源87を制御するように構成される。
【0132】
[0144] ある実施形態では、高さセンサ60は支持テーブルWTの近くに位置する。ある実施形態では、高さセンサ60は、支持テーブルWTに接続されるか、支持テーブルWTの中にあるか上にある。代替的な実施形態では、図12に示すように、高さセンサ60は支持テーブルWTから離れている。
【0133】
[0145] 実施形態によれば、基板Wは、真空が印加されない状態で支持テーブルWTに着地する。これは、基板Wの支持テーブルWT上へのクランプを可能にする位置精度を向上させる。
【0134】
[0146] ある実施形態では、基板Wが支持テーブルWTに着地したときに、負圧源87は、支持テーブルWTの複数のガス流開口69を介してギャップからガスを抽出するために負圧を印加することを再開させるように制御される。真空が形成されない状態で基板Wが支持テーブルWTに着地した後、真空を再び印加する。
【0135】
[0147] ある実施形態では、真空を低流量から高流量へと段階的に徐々に増大させる。特に、ある実施形態では、基板Wが支持テーブルWTに着地したときに、負圧源87は、複数のガス流開口69を介してギャップから抽出されるガスの流量が徐々に増加するように、負圧を複数の段階で徐々に増大させるように制御される。
【0136】
[0148] 図10は、基板Wをロードする際の基板Wの支持テーブルWTからの垂直高さを示す。Y軸はZ方向の垂直高さを表す。X軸は基板Wをロードする際の時間を表す。
【0137】
[0149] 図11は、基板Wをロードする同じ期間にわたりリソグラフィ装置の異なる部分で測定された圧力を示す。実線はピン70にかかる圧力を表す。ピン70が基板Wを支持しているとき、ピン70には基板Wの重量により負圧(すなわち下向きの力)が加わる。(基板Wがピン70の代わりに支持テーブルWTによって完全に支持されるために)ピン70が基板Wをもはや支持しなくなると、負圧は消滅する。これは実線がグラフのY軸のゼロ圧力値まで上昇する図11の右側に見ることができる。これは基板Wが支持テーブルWTによって完全に支持される時間に対応する。これは基板Wが支持テーブルWTによって完全に支持されると、もはや基板Wの重量がピン70を押し下げないためである。
【0138】
[0150] 図11の破線は、支持テーブルWTの周辺部にある(図7に示す)流体抽出開口88にかかる圧力を表す。基板Wが支持テーブルWTによって完全に支持されると、流体抽出開口88に対して真空がオンになる。図10及び図11では、時間t0はピン70が基板Wと共に下方への移動を開始する時間を表す。時間t1は、基板Wが支持テーブルWTに着地した時間を表す。時間t2は、基板Wが支持テーブルWTによって完全に支持された時間を表す。
【0139】
[0151] 図11の一点鎖線は、支持テーブルWTのガス流開口69に対する負圧を表す。負圧の大きさは、基板Wが支持テーブルWTに着地した後に徐々に増大する。
【0140】
[0152] 本発明の実施形態は、基板Wのクランプ精度を向上させると同時にスループットも向上させることが期待される。本発明の実施形態は、幅広い種類の基板Wのクランプを可能にすることが期待される。例えば、平坦な基板Wもあれば、より反った(すなわち平坦性が低い)ものもある。上述のように、基板Wが支持テーブルWTに着地した後、真空を低流量から高流量へと段階的に徐々に増大させる。平坦な及び反りが小さい/中程度の基板Wは、可能な限り低い流量でクランプすることができるため、基板Wの支持テーブルWTに対する位置精度が向上する。最低流量でクランプすることができない、反りが大きい基板Wは、流量が上昇する後の時点でクランプすることができる。
【0141】
[0153] 本発明の実施形態は、特に新しい基板W(すなわち、まだ使用されていない基板W)について、基板Wを支持テーブルWT上にクランプする位置精度を向上させることが期待される。よく使用される基板Wは、クランプ時の位置の不正確さに対して幾分感受性が低いことが分かっている。
【0142】
[0154] 本発明のある実施形態は、いくつかの異なるプリクランプ流れを利用する基板Wのためのロードシーケンスを含む。これは、異なるタイプの基板Wをクランプ可能にするだけでなく、位置精度及びスループットを最適化する可能性を与える動的な基板ロードをもたらす。ピン70の一定の垂直位置においてプリクランプされた真空をオンオフすることが可能である。代替的な実施形態では、コントローラ500は、負圧源87を制御して、一定の圧力レベルに基づいて負圧を変化させるように構成される。例えば圧力レベルは、(図8に示す)圧力センサ85によって測定することができる。
【0143】
[0155] ピン70が支持テーブルWTの高さのすぐ上にあるときに真空をオフにするロードシーケンスは、ロードの異なる段階において異なる領域のガス流開口69からガスを抽出する前述のロードシーケンスと組み合わせることができる。特に、ある実施形態では、前述のロードの第1の段階、ロードの第2の段階、及びロードの第3の段階は、基板Wが支持テーブルWTに着地したときに行われる。このようにして、流量は基板Wが支持テーブルWTに着地したときに徐々に増大する。しかしながら、基板Wが支持テーブルWTに着地する前に、基板Wの下降中にガスが抽出され、そして基板Wが支持テーブルWTより上の所定距離に達したときに真空をオフにする。
【0144】
[0156] ピン70が支持テーブルWTの高さのすぐ上にあるときに真空をオフにするロードシーケンスは、どんなタイプの支持テーブルWTでも実行可能である。3つの個別の真空エリアを有する上記の図5に示す支持テーブルは、使用可能な支持テーブルWTのタイプの一例に過ぎない。使用可能な他の支持テーブルWTは、例えば1つ又は2つの真空エリアのみを有してよい。
【0145】
[0157] ある実施形態では、リソグラフィ装置は、ガス流システム97を制御するように構成されたコントローラ500を備える。コントローラ500は、上述の印加された圧力のシーケンスを実行することができる。
【0146】
[0158] 上記の例の多くは、液浸リソグラフィ装置との関連で説明してきた。しかしながら、本発明は同様にドライリソグラフィ装置に適用可能である。理解されるように、上記特徴はいずれもその他の特徴と共に用いることができ、本出願がカバーするのは明記された組み合わせだけではない。
【0147】
[0159] 本発明に係るリソグラフィの代替的な構成を表す条項を以下に記載する。
条項1. 基板を支持するように構成された支持テーブルから基板をアンロードする方法であって、方法は、
支持テーブルのベース面と基板の間のギャップに、支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを供給することを含み、
アンロードの初期段階において、ガスの供給が、支持テーブルの外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、外側領域の半径方向内側にある支持テーブルの中心領域のガス流開口から行われず、
アンロードの後期段階において、ガスの供給が、外側領域の少なくとも1つのガス流開口及び中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる方法。
条項2. アンロードの初期段階において、ガスの供給が、外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、中心領域のガス流開口、及び外側領域の半径方向内側にあり、中心領域の半径方向外側にある支持テーブルの中間領域のガス流開口から行われず、
アンロードの中間段階において、ガスの供給が、外側領域の少なくとも1つのガス流開口及び中間領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、中心領域のガス流開口から行われず、
アンロードの後期段階において、ガスの供給が、外側領域の少なくとも1つのガス流開口、中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる、条項1に記載の方法。
条項3. アンロードの中間段階において、ガスの供給が、中間領域の少なくとも1つのガス流開口から周囲圧力より大きい第1の圧力で行われ、その後、ガスの供給が、中間領域の少なくとも1つのガス流開口から第1の圧力より小さい第2の圧力で行われる、条項2に記載の方法。
条項4. アンロードの初期段階において、ガスの供給が、外側領域の少なくとも1つのガス流開口から周囲圧力より大きい第1の圧力で行われ、その後、ガスの供給が、外側領域の少なくとも1つのガス流開口から第1の圧力より小さい第2の圧力で行われる、条項1から3のいずれかに記載の方法。
条項5. アンロードの後期段階において、ガスの供給が、中心領域の少なくとも1つのガス流開口から周囲圧力より大きい第1の圧力で行われ、その後、ガスの供給が、中心領域の少なくとも1つのガス流開口から第1の圧力より小さい第2の圧力で行われる、条項1から4のいずれかに記載の方法。
条項6. 基板を支持するように構成された支持テーブル上に基板をロードする方法であって、方法は、
支持テーブルのベース面と基板の間のギャップから、支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを抽出することを含み、
ロードの第1の段階において、ガスの抽出が、支持テーブルの中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、中心領域の半径方向外側にある支持テーブルの中間領域のガス流開口、及び中間領域の半径方向外側にある支持テーブルの外側領域のガス流開口から行われず、
ロードの第2の段階において、ガスの抽出が、中心領域の少なくとも1つのガス流開口及び中間領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、外側領域のガス流開口から行われず、
ロードの第3の段階において、ガスの抽出が、中心領域の少なくとも1つのガス流開口、中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる方法。
条項7. ロードの第1の段階において、周囲圧力より大きい圧力のガスの供給が、中間領域の少なくとも1つのガス流開口及び/又は外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる、条項6に記載の方法。
条項8. ロードの第2の段階において、ガスの供給が、外側領域の少なくとも1つのガス流開口から、周囲圧力より大きい圧力で行われる、条項6又は7に記載の方法。
条項9. 基板を支持テーブルに向かって下降させるとき、ガスの抽出が、中心領域の少なくとも1つのガス流開口、中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、
基板が支持テーブルより上の所定距離に達すると、ガスの抽出が、中心領域のガス流開口、中間領域のガス流開口、及び外側領域のガス流開口のいずれからも行われず、
基板が支持テーブルに着地したときに、ロードの第1の段階、ロードの第2の段階、及びロードの第3の段階が行われる、条項6から8のいずれかに記載の方法。
条項10. 中心領域及び中間領域のそれぞれのギャップに対するガスの抽出又は供給を実質的に独立に行えるように、中心領域と中間領域の間のガス流を制限することを含む、条項2から9のいずれかに記載の方法。
条項11. 中間領域は中心領域を取り囲む、条項2から10のいずれかに記載の方法。条項12. 中間領域は、その半径方向の外周を、ベース面より上に突出し中間領域と外側領域の間のガス流を制限する中間領域壁によって画定される、条項2から11のいずれかに記載の方法。
条項13. 中間領域は、その間のガス流を制限する複数の重ならない中間サブ領域を含む、条項2から11のいずれかに記載の方法。
条項14. 各中間サブ領域は、ベース面より上に突出し、中間領域と中心領域又は外側領域の間のガス流を制限する中間サブ領域壁によって画定される、条項13に記載の方法。
条項15. 中間サブ領域は互いに離間する、条項13又は14に記載の方法。
条項16. ガスを中間サブ領域のそれぞれのギャップに対して実質的に互いに独立に抽出又は供給することができる、条項13から15に記載の方法。
条項17. 中間領域及び外側領域のそれぞれのギャップに対するガスの抽出又は供給を実質的に独立に行えるように、中間領域と外側領域の間のガス流を制限することを含む、条項2から16のいずれかに記載の方法。
条項18. 外側領域は中間領域を取り囲む、条項2から17のいずれかに記載の方法。条項19. 中心領域及び外側領域のそれぞれのギャップに対するガスの抽出又は供給を実質的に独立に行えるように、中心領域と外側領域の間のガス流を制限することを含む、条項1から18のいずれかに記載の方法。
条項20. 中心領域は、支持テーブルのベース面より上に突出し、中心領域と外側領域の間のガス流を制限する中心領域壁によって画定される、条項1から19のいずれかに記載の方法。
条項21. 中心領域は、その間のガス流を制限する複数の重ならない中心サブ領域を含む、条項1から19のいずれかに記載の方法。
条項22. 各中心サブ領域は、ベース面より上に突出し、中心領域と外側領域の間のガス流を制限する中心サブ領域壁によって画定される、条項21に記載の方法。
条項23. 中心サブ領域は互いに離間する、条項21又は22に記載の方法。
条項24. ガスを中心サブ領域のそれぞれのギャップに対して実質的に互いに独立に抽出又は供給することができる、条項21から23に記載の方法。
条項25. 外側領域は、その半径方向の外周を、ベース面より上に突出し、外側領域と外側領域の半径方向外側にある領域の間のガス流を制限する外側領域壁によって画定される、条項1から24のいずれかに記載の方法。
条項26. 外側領域は、その間のガス流を制限する複数の重ならない外側サブ領域を含む、条項1から24のいずれかに記載の方法。
条項27. 各外側サブ領域は、ベース面より上に突出し、外側領域と外側領域の半径方向外側にある領域の間のガス流を制限する外側サブ領域壁によって画定される、条項26に記載の方法。
条項28. 外側サブ領域は互いに離間する、条項26又は27に記載の方法。
条項29. ガスを外側サブ領域のそれぞれのギャップに対して実質的に互いに独立に抽出又は供給することができる、条項26から28に記載の方法。
条項30. ガス流システムと、
ガス流システムを制御するように構成されたコントローラと、
基板を支持するように構成された支持テーブルと、を備えたリソグラフィ装置であって、
支持テーブルは、
ベース面と、
中心領域と、
中心領域の半径方向外側にある外側領域と、
ガス流システムがベース面と基板の間のギャップにガスを供給するのに用いるように構成された複数のガス流開口と、を備え、
基板が支持テーブルからアンロードされるとき、
アンロードの初期段階において、コントローラが、ガスの供給を外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行い、中心領域のガス流開口から行わないようにガス流システムを制御するように構成され、
アンロードの後期段階において、コントローラが、ガスの供給を外側領域の少なくとも1つのガス流開口及び中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行うようにガス流システムを制御するように構成されるリソグラフィ装置。
条項31. 支持テーブルは中心領域の半径方向外側かつ外側領域の半径方向内側にある中間領域を備え、
基板が支持テーブルからアンロードされるとき、
アンロードの初期段階において、コントローラが、ガスの供給を外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行い、中心領域のガス流開口及び中間領域のガス流開口から行わないようにガス流システムを制御するように構成され、
アンロードの中間段階において、コントローラが、ガスの供給を外側領域の少なくとも1つのガス流開口及び中間領域の少なくとも1つのガス流開口から行い、中心領域のガス流開口から行わないようにガス流システムを制御するように構成され、
アンロードの後期段階において、コントローラが、ガスの供給を外側領域の少なくとも1つのガス流開口、中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行うようにガス流システムを制御するように構成される、条項30に記載のリソグラフィ装置。
条項32. アンロードの中間段階において、コントローラが、ガスの供給を中間領域の少なくとも1つのガス流開口から周囲圧力より大きい第1の圧力で行った後、ガスの供給を中間領域の少なくとも1つのガス流開口から第1の圧力より小さい第2の圧力で行うようにガス流システムを制御するように構成される、条項31に記載のリソグラフィ装置。
条項33. アンロードの初期段階において、コントローラが、ガスの供給を外側領域の少なくとも1つのガス流開口から周囲圧力より大きい第1の圧力で行った後、ガスの供給を外側領域の少なくとも1つのガス流開口から第1の圧力より小さい第2の圧力で行うようにガス流システムを制御するように構成される、条項30から32のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項34. アンロードの後期段階において、コントローラが、ガスの供給を中心領域の少なくとも1つのガス流開口から周囲圧力より大きい第1の圧力で行った後、ガスの供給を中心領域の少なくとも1つのガス流開口から第1の圧力より小さい第2の圧力で行うようにガス流システムを制御するように構成される、条項30から33のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項35. ガス流システムと、
ガス流システムを制御するように構成されたコントローラと、
基板を支持するように構成された支持テーブルと、を備えたリソグラフィ装置であって、支持テーブルは、
ベース面と、
中心領域と、
中心領域の半径方向外側にある中間領域と、
中間領域の半径方向外側にある外側領域と、
ガス流システムがベース面と基板の間のギャップからのガスの抽出に用いるように構成された複数のガス流開口と、を備え、
基板が支持テーブル上にロードされるとき、
ロードの第1の段階において、コントローラが、ガスの抽出を中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行い、中間領域のガス流開口及び外側領域のガス流開口から行わないようにガス流システムを制御するように構成され、
ロードの第2の段階において、コントローラが、ガスの抽出を中心領域の少なくとも1つのガス流開口及び中間領域の少なくとも1つのガス流開口から行い、外側領域のガス流開口から行わないようにガス流システムを制御するように構成され、
ロードの第3の段階において、コントローラが、ガスの抽出を中心領域の少なくとも1つのガス流開口、中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行うようにガス流システムを制御するように構成されるリソグラフィ装置。
条項36. ロードの第1の段階において、コントローラが、周囲圧力より大きい圧力のガスの供給を中間領域の少なくとも1つのガス流開口及び/又は外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行うようにガス流システムを制御するように構成される、条項35に記載のリソグラフィ装置。
条項37. ロードの第2の段階において、コントローラが、ガスの供給を外側領域の少なくとも1つのガス流開口から周囲圧力より大きい圧力で行うようにガス流システムを制御するように構成される、条項35又は36に記載のリソグラフィ装置。
条項38. 基板を支持テーブルに向かって下降させるとき、コントローラが、ガスの抽出を中心領域の少なくとも1つのガス流開口、中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行うようにガス流システムを制御するように構成され、
基板が支持テーブルより上の所定距離に達すると、コントローラが、ガスの抽出を中心領域のガス流開口、中間領域のガス流開口、及び外側領域のガス流開口のいずれからも行わないようにガス流システムを制御するように構成され、
基板が支持テーブルに着地したとき、コントローラが、ロードの第1の段階、ロードの第2の段階、及びロードの第3の段階を実行するようにガス流システムを制御するように構成される、条項35から37のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項39. 中心領域は、ベース面より上に突出し、中心領域及び中間領域のそれぞれのギャップに対するガスの供給又は抽出を実質的に独立に行えるように中心領域と中間領域の間のガス流を制限するように構成された中心領域壁によって画定される、条項31又は37のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項40. 中間領域は中心領域を取り囲む、条項31から39のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項41. 中間領域は、その半径方向の外周を、ベース面より上に突出し、中間領域と外側領域の間のガス流を制限する中間領域壁によって画定される、条項31から40のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項42. 中間領域は複数の重ならない中間サブ領域を含み、各中間サブ領域は、ベース面より上に突出し、中間領域及び外側領域のそれぞれのギャップに対するガスの供給又は抽出を実質的に独立に行えるように中間領域と外側領域の間のガス流を制限する中間サブ領域壁によって画定される、条項31から40のいずれかに記載のリソグラフィ装置。条項43. 中間サブ領域は互いに離間する、条項42に記載のリソグラフィ装置。
条項44. ガス流システムが、中間サブ領域のそれぞれのギャップに対するガスの抽出又はガスの供給を実質的に互いに独立に行うように構成される、条項42又は43に記載のリソグラフィ装置。
条項45. 外側領域は中間領域を取り囲む、条項31から44のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項46. ガス流システムが、
中心領域の少なくとも1つのガス流開口に接続された中心流路と、
外側領域の少なくとも1つのガス流開口に接続された外側流路と、を備え、
中心流路が外側流路から独立している、条項30から45のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項47. ガス流システムが、
中心領域の少なくとも1つのガス流開口に接続された中心流路と、
中間領域の少なくとも1つのガス流開口に接続された中間流路と、
外側領域の少なくとも1つのガス流開口に接続された外側流路と、を備え、
中心流路、中間流路、及び外側流路が互いに独立している、条項31から45のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項48. ガス流システムが、中心流路、中間流路、及び/又は外側流路の流量を変化させるように構成された少なくとも1つの圧電バルブを備える、条項46又は47に記載のリソグラフィ装置。
条項49. 中心流路、中間流路、及び/又は外側流路の圧力を感知するように構成された少なくとも1つの圧力センサを備え、
コントローラが、圧力センサによって感知された圧力に基づいて、中心流路、中間流路、及び/又は外側流路の流量を変化させるように構成される、条項46から48のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項50. 中心領域は、ベース面より上に突出し、中心領域及び外側領域のそれぞれのギャップに対するガスの供給又は抽出を実質的に独立に行えるように、中心領域と外側領域の間のガス流を制限するように構成された中心領域壁によって画定される、条項30から49のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項51. 中心領域は複数の重ならない中心サブ領域を含み、各中心サブ領域は、ベース面より上に突出し、中心領域及び外側領域のそれぞれのギャップに対するガスの供給又は抽出を実質的に独立に行えるように中心領域と外側領域の間のガス流を制限する中心サブ領域壁によって画定される、条項30から49のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項52. 中心サブ領域は互いに離間している、条項51に記載のリソグラフィ装置。
条項53. ガス流システムが、中心サブ領域のそれぞれのギャップに対するガスの抽出又はガスの供給を実質的に互いに独立に行うように構成される、条項51又は52に記載のリソグラフィ装置。
条項54. 外側領域は、その半径方向の外周を、ベース面より上に突出し、外側領域と外側領域の半径方向外側にある領域の間のガス流を制限する外側領域壁によって画定される、条項30から53のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項55. 外側領域は、その間のガス流を制限する複数の重ならない外側サブ領域を含み、各外側サブ領域は、ベース面より上に突出し、中心領域及び外側領域の間のガス流を制限する外側サブ領域壁によって画定される、条項30から54のいずれかに記載のリソグラフィ装置。
条項56. 外側サブ領域は互いに離間している、条項55に記載のリソグラフィ装置。
条項57. ガス流システムが、外側サブ領域のそれぞれのギャップに対するガスの抽出又はガスの供給を実質的に互いに独立に行うように構成される、条項55又は56に記載のリソグラフィ装置。
条項58. 基板を支持するように構成された支持テーブル上に基板をロードする方法であって、方法は、
基板を支持テーブルに向かって下降させること、
基板を支持テーブルに向かって下降させるときに、支持テーブルの複数のガス流開口を介して、支持テーブルのベース面と基板の間のギャップからガスを抽出するために、負圧源を制御して負圧を印加すること、
基板が支持テーブルより上の所定距離に達したときに、支持テーブルのガス流開口のいずれかと流体連通する負圧源を制御して、負圧を印加することを停止すること、及び
基板が支持テーブルに着地したときに、支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを抽出するために、負圧源を制御して負圧を印加することを再開させること、を含む方法。
条項59. 基板が支持テーブルに着地したときに、複数のガス流開口を介してギャップから抽出されるガス流が徐々に増加するように、負圧源を制御して、負圧を複数の段階で徐々に増大させる、条項58に記載の方法。
条項60. 負圧源を備えたガス流システムと、
ガス流システムを制御するように構成されたコントローラと、
基板を支持するように構成された支持テーブルと、を備えたリソグラフィ装置であって、
基板を支持テーブルに向かって下降させるときに、コントローラが、支持テーブルの複数のガス流開口を介して、支持テーブルと基板の間のギャップからガスを抽出するために、負圧源を制御して負圧を印加するように構成され、
基板が支持テーブルより上の所定距離に達したときに、コントローラが、支持テーブルのガス流開口のいずれかと流体連通する負圧源を制御して、負圧を印加することを停止するように構成され、
基板が支持テーブルに着地したときに、コントローラが、支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを抽出するために、負圧源を制御して負圧を印加することを再開させるように構成されるリソグラフィ装置。
条項61. 基板を支持するように構成された支持テーブル上に基板をロードする方法であって、方法は、
支持テーブルのベース面と基板の間のギャップから、支持テーブルの複数のガス流開口を介してガスを抽出することを含み、
ロードの第1の段階において、ガスの抽出が、支持テーブルの外側領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、外側領域の半径方向内側にある支持テーブルの中間領域のガス流開口及び中間領域の半径方向内側にある支持テーブルの中心領域のガス流開口から行われず、
ロードの第2の段階において、ガスの抽出が、外側領域の少なくとも1つのガス流開口及び中間領域の少なくとも1つのガス流開口から行われ、中心領域のガス流開口から行われず、
ロードの第3の段階において、ガスの抽出が、外側領域の少なくとも1つのガス流開口、中間領域の少なくとも1つのガス流開口、及び中心領域の少なくとも1つのガス流開口から行われる方法。
条項62. ガス流システムと、
ガス流システムを制御するように構成されたコントローラと、
基板を支持するように構成された支持テーブルと、を備えたリソグラフィ装置であって、支持テーブルは、
ベース面と、
中心領域と、
中心領域の半径方向外側にある中間領域と、
中間領域の半径方向外側にある外側領域と、
ガス流システムがベース面と基板の間のギャップからのガスの抽出に用いるように構成された複数のガス流開口と、を備え、
各領域は
その領域のガス流開口と流体連通する流路と、
流路の圧力を感知するように構成された圧力センサと、を備え、
基板が支持テーブル上にロードされるとき、コントローラが、感知した各流路の圧力に基づいて、各領域のガス流開口からガスを抽出するタイミングを制御するように構成されるリソグラフィ装置。
条項63. 領域の少なくとも1つが、複数の接線方向に分布させたサブ領域を含み、各サブ領域は、
そのサブ領域のガス流開口と流体連通する流路と、
流路の圧力を感知するように構成された圧力センサと、を備え、
基板が支持テーブル上にロードされるとき、コントローラが、感知した各流路の圧力に基づいて、各サブ領域のガス流開口からガスを抽出するタイミングを制御するように構成される、条項62に記載のリソグラフィ装置。
【0148】
[0160] 理解されるように、上記特徴はいずれもその他の特徴と共に用いることができ、本出願がカバーするのは明記された組み合わせだけではない。本発明のある実施形態は、例えば図3の実施形態に適用し得る。また、本発明の実施形態は、便宜上、液浸リソグラフィ装置との関連で説明してきたが、本発明の実施形態は、任意の形態のリソグラフィ装置と共に使用できることが理解されよう。
【0149】
[0161] こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0150】
[0162] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nmもしくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指す。
【0151】
[0163] 以上、本発明の特定の実施形態について説明したが、本発明は、説明したものとは別の方法で実施することができることが理解されよう。上記の説明は例示的なものであり、限定するものではない。したがって、以下に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載された本発明に対して変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-10-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するように構成された支持テーブルであって、
ベース面と、
前記ベース面から突出し、前記基板を支持するように支持面を形成する複数のバールと、
前記支持テーブルのエッジの周りにある第1シールと、
前記第1シールと二重シールを形成するように、前記エッジの周りにある前記第1シールの半径方向内側にある第2シールと、
前記第2シールの半径方向内側にあり、ピンが垂直に延びることを可能にするように構成された複数のホールと、を備え、
前記支持テーブルは、前記第2シールの半径方向内側にある複数の領域を備え、前記領域のぞれぞれは、真空を提供するように、前記ベース面と前記基板との間のギャップからガスを抽出するように構成された少なくとも1つの第1ガス流開口と、前記ギャップにガスを供給するように構成された少なくとも1つの第2ガス流開口と、を含む、支持テーブル。
【請求項2】
前記第1シールと前記第2シールとの空間から流体を抽出すように構成された流体抽出開口をさらに備える、請求項1に記載の支持テーブル。
【請求項3】
前記真空は、異なるタイミングで提供及び解除される、請求項1又は2に記載の支持テーブル。
【請求項4】
前記ガスは、前記真空を解除する前に供給される、請求項1から3のいずれかに記載の支持テーブル。
【請求項5】
前記領域のぞれぞれにおけるガス圧は、個別に制御される、請求項1から4のいずれかに記載の支持テーブル。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1ガス流開口及び/又は前記少なくとも1つの第2ガス流開口と流体連通する流路をさらに備える、請求項1から5のいずれかに記載の支持テーブル。
【請求項7】
前記流路は、前記ガスの抽出及び/又は供給を独立に制御可能である、請求項6に記載の支持テーブル。
【請求項8】
前記領域のぞれぞれは、前記流路が設けられ、該領域に関する圧力を感知するように構成された圧力センサを含む、請求項6に記載の支持テーブル。
【請求項9】
前記複数の領域は、重ならない複数のサブ領域を含み、前記サブ領域のそれぞれは、実質的に独立に前記サブ領域のぞれぞれに対してガスを前記ギャップから抽出でき又は前記ギャップに供給できるように、前記複数のサブ領域のうちのサブ領域間のガス流が制限されるように前記ベース面より上に突出するサブ領域壁によって、画定される、請求項1から8のいずれかに記載の支持テーブル。
【請求項10】
前記基板と各サブ領域壁の最上部との間に、小さいギャップが存在する、請求項9に記載の支持テーブル。
【請求項11】
前記複数の領域の少なくとも1つは、複数の接線方向に分布させたサブ領域を含む、請求項1から8のいずれかに記載の支持テーブル。
【請求項12】
前記基板が前記支持テーブルより上の所定距離にあるときに、前記ガスの抽出は停止される、請求項1から11のいずれかに記載の支持テーブル。
【外国語明細書】