(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022178649
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】送信装置及び受信装置
(51)【国際特許分類】
H04L 1/00 20060101AFI20221125BHJP
H04H 20/02 20080101ALI20221125BHJP
【FI】
H04L1/00 B
H04H20/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085599
(22)【出願日】2021-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】中川 孝之
(72)【発明者】
【氏名】高田 政幸
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 敬文
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 智拓
【テーマコード(参考)】
5K014
【Fターム(参考)】
5K014BA05
5K014EA01
5K014FA11
(57)【要約】
【課題】 2以上の放送信号のレートを適切に担保しながら、2以上の放送信号を伝送フレームに多重することを可能とする送信装置及び受信装置を提供する。
【解決手段】 2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信装置は、前記2以上の放送信号のそれぞれを所定単位で区切るとともに、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、前記所定単位で区切られた前記2以上の放送信号を多重する制御部を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信装置であって、
前記2以上の放送信号のそれぞれを所定単位で区切るとともに、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、前記所定単位で区切られた前記2以上の放送信号を多重する制御部を備える、送信装置。
【請求項2】
前記所定単位は、誤り訂正が適用された誤り訂正ブロックによって構成される単位であり、
前記制御部は、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、前記誤り訂正ブロックによって構成される単位で区切られた前記2以上の放送信号を前記多重伝送フレームに多重する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記所定単位は、バイトによって構成される単位であり、
前記制御部は、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、前記バイトによって構成される単位で区切られた前記2以上の放送信号を誤り訂正ブロックに多重する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
前記所定単位は、パケットによって構成される単位であり、
前記制御部は、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、前記パケットによって構成される単位で区切られた前記2以上の放送信号を誤り訂正ブロックに多重する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを受信する受信装置であって、
前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、所定単位で区切られた前記2以上の放送信号を分離する制御部を備える、受信装置。
【請求項6】
前記所定単位は、誤り訂正が適用された誤り訂正ブロックによって構成される単位であり、
前記制御部は、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、前記誤り訂正ブロックによって構成される単位で区切られた前記2以上の放送信号を前記多重伝送フレームから分離する、請求項5に記載の受信装置。
【請求項7】
前記所定単位は、バイトによって構成される単位であり、
前記制御部は、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、前記バイトによって構成される単位で区切られた前記2以上の放送信号を誤り訂正ブロックから分離する、請求項5に記載の受信装置。
【請求項8】
前記所定単位は、パケットによって構成される単位であり、
前記制御部は、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、前記パケットによって構成される単位で区切られた前記2以上の放送信号を誤り訂正ブロックから分離する、請求項5に記載の受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置及び受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1装置(例えば、放送局の演奏所又は送信所)から第2装置(例えば、送信所)に対して、主信号及びSC(Service Channel)信号が多重された伝送フレームに関する伝送方式が規定されている。主信号は、地上デジタルテレビジョン放送及びV-Low地上マルチメディア放送に関する第1放送信号(例えば、TS(Transport Stream)信号、TMCC(Transmission and Multiplexing. Configuration Control)信号などを含む。このような伝送方式において、第1装置と第2装置との間のリンクは、STL(Studio To Transmitter Link)又はTTL(Transmitter To Transmitter Link)と称される(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「地上デジタル放送用デジタルSTL/TTL伝送方式」 標準規格 ARIB STD-B22 2.1版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、STL/TTLの高度化によって、地上放送高度化方式に関する第2放送信号を伝送フレームに多重する技術(高度化STL/TTL)が検討されている。高度化STL/TTLで用いる伝送フレームには、第1放送信号及び第2放送信号が多重されることが想定される。
【0005】
このような背景下において、発明者等は、鋭意検討の結果、第1放送信号の第1レート及び第2放送信号の第2レートが異なることに着目し、第1放送信号及び第2放送信号を伝送フレームに多重する場合に、第1レート及び第2レートを適切に担保する必要性を見出した。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、2以上の放送信号のレートを適切に担保しながら、2以上の放送信号を伝送フレームに多重することを可能とする送信装置及び受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示に係る送信装置は、2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信装置であって、前記2以上の放送信号のそれぞれを所定単位で区切るとともに、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、前記所定単位で区切られた前記2以上の放送信号を多重する制御部を備える。
【0008】
開示に係る受信装置は、2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを受信する受信装置であって、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、所定単位で区切られた前記2以上の放送信号を分離する制御部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2以上の放送信号のレートを適切に担保しながら、2以上の放送信号を伝送フレームに多重することを可能とする送信装置及び受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係るデジタル無線伝送システム10を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る送信装置100を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る受信装置200を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るFECブロックを示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る多重部130を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る分離部230を示す図である。
【
図7】
図7は、変更例1に係る多重部150を示す図である。
【
図8】
図8は、変更例1に係る分離部250を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0012】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0013】
[開示の概要]
開示の概要に係る送信装置は、2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信装置であって、前記2以上の放送信号のそれぞれを所定単位で区切るとともに、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、前記所定単位で区切られた前記2以上の放送信号を多重する制御部を備える。
【0014】
開示の概要に係る受信装置は、2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを受信する受信装置であって、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、所定単位で区切られた前記2以上の放送信号を分離する制御部を備える。
【0015】
開示の概要では、送信装置は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、所定単位で区切られた2以上の放送信号を多重する。受信装置は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、所定単位で区切られた2以上の放送信号を分離する。このような構成によれば、2以上の放送信号のレートが異なるケースを想定した場合であっても、2以上の放送信号のレートを適切に担保しながら、2以上の放送信号を伝送フレームに多重することができる。
【0016】
特に限定されるものではないが、所定単位は、誤り訂正ブロックで構成される単位であってもよく、バイトによって構成される単位であってもよく、パケットによって構成される単位であってもよい。
【0017】
[実施形態]
(デジタル無線伝送システム)
以下において、実施形態に係るデジタル無線伝送システムについて説明する。
図1は、実施形態に係るデジタル無線伝送システム10を示す図である。
図1に示すように、デジタル無線伝送システムは、送信装置100及び受信装置200を備える。
【0018】
実施形態において、互いに異なるレートを有する2以上の放送信号が送信装置100から送信されるケースにおいて、送信装置100から受信装置200に対して、2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを伝送するシステムに関する。送信装置100は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレームの形態で2以上の放送信号を多重して送信してもよい。
【0019】
送信装置100の設置場所は、放送局の演奏所であってもよく、送信所であってもよい。受信装置200の設置場所は、送信所であってもよい。送信装置100と受信装置200との間のリンクは、STL(Studio To Transmitter Link)と称されてもよく、TTL(Transmitter To Transmitter Link)と称されてもよい。以下において、送信装置100と受信装置200との間のリンクについてSTL/TTLと称してもよい。
【0020】
実施形態では、2以上の放送信号が第1放送信号及び第2放送信号を含むケースについて説明する。第2放送信号に関する第2方式のレートは、第1放送信号に関する第1方式のレートよりも大きくてもよい。放送信号は、プログラム伝送信号と称されてもよい。
【0021】
第1放送信号は、地上デジタルテレビジョン放送及びV-Low地上マルチメディア放送に関する放送信号、例えば、TS(Transport Stream)信号、TMCC(Transmission and Multiplexing. Configuration Control)信号などを含んでもよい。第1放送信号は、制御信号や連絡信号などの補助信号であるSC(Service Channel)信号を含んでもよい。第1方式は、ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式と称されてもよい。
【0022】
第2放送信号は、地上放送高度化方式に関する第2放送信号を含んでもよい。地上放送高度化方式は、第2方式の一例であってもよい。第2放送信号は、SC(Service Channel)信号を含んでもよい。
【0023】
特に限定されるものではないが、第1放送信号は、TSパケットの形式で表され、TSパケットのレートは、31Mbpsであってもよい。第2放送信号は、IPパケットの形式で表され、IPパケットのレートは、50Mbpsであってもよい。IPパケットは、プログラム伝送信号パケットと読み替えられてもよい。
【0024】
(送信装置)
以下において、実施形態に係る送信装置について説明する。
図2は、実施形態に係る送信装置100を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように、送信装置100は、ブロック構成部101と、エネルギー拡散部102と、外符号処理部103と、外インタリーバ105と、内符号処理部107と、内インタリーバ109と、マッピング部110と、フレーム構成部111と、変調部113と、送信部115と、を有する。
【0026】
ブロック構成部101は、誤り訂正ブロックを構成する。誤り訂正ブロックは、FEC(Forward Error Correction)が適用されたブロックであり、FECブロックと称されてもよい。FECブロックは、固定長を有していてもよい。実施形態では、第1放送信号のFECブロック及び第2放送信号のFECブロックをブロック構成部101が別々に構成するケースについて例示する。第1放送信号のFECブロック及び第2放送信号のFECブロックは、同一の長さを有する固定長のFECブロックであってもよい。
【0027】
エネルギー拡散部102は、所定次元の生成多項式を用いて生成されたPN系列を用いて、ブロック構成部101から出力されるビット系列(すなわち、ブロックヘッダ、主信号(TSパケット/IPパケット)及びFECブロックのBCH符号パリティの前にスタッフビットがある場合はスタッフビット)をランダム化する。ここで、生成多項式に入力される初期値は、FECブロック毎に与えられる。言い換えると、PN系列は、FECブロック毎にリセットされてもよい。
【0028】
外符号処理部103は、外符号によって誤り訂正符号化を実行する。外符号としては、BCH符号が用いられてもよい。以下においては、外符号がBCH符号であるケースを例示する。エネルギー拡散部102と外符号処理部103の処理順は逆であってもよい。その場合、エネルギー拡散がランダム化するビット系列にはブロックヘッダ、主信号(TSパケット/IPパケット)、スタッフビット及びBCH符号パリティが含まれる。
【0029】
外インタリーバ105は、外符号処理部103から出力されるビット系列またはバイト系列のインタリーブを実行する。インタリーブは、ビットまたはバイトの並び順を入れ替える処理である。外インタリーバ105は省略してもよい。
【0030】
内符号処理部107は、内符号によって誤り訂正符号化を実行する。内符号としては、LDPC(Low-Density Parity-check Code)が用いられてもよい。以下においては、内符号がLDPCであるケースを例示する。
【0031】
内インタリーバ109は、内符号処理部107から出力される系列のインタリーブを実行する。インタリーブは、ビットの並び順を入れ替えるビットインタリーブを含んでもよい。また、変調ビット数単位で周波数軸方向に並び順を入れ替える周波数インタリーブを含んでもよく、変調ビット数単位で時間軸方向に並び順を入れ替える時間インタリーブを含んでもよい。
【0032】
マッピング部110は、内インタリーバ109から出力される系列に対して、変調ビット数単位でマッピングを行う。変調方式として、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)が用いられてもよい。変調方式としては、64QAM以外の変調方式(例えば、最大で4096QAM)が用いられてもよい。
【0033】
フレーム構成部111は、2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを構成する。実施形態では、多重伝送フレームは、第1放送信号のFECブロック及び第2放送信号のFECブロックを含んでもよい。多重伝送フレームは、OFDMフレームであってもよい。OFDMフレームの場合、マッピング部110でマッピングされたデータと、パイロット、TMCC、AC(Auxiliary Channel)、NullのキャリアをあわせてOFDMシンボルを構成する。さらに、予め定められたOFDMフレームあたりのシンボル数でOFDMフレームを構成する。
【0034】
変調部113は、多重伝送フレームを直交変調する。OFDMフレームの場合、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)、GI(Guard Interval)付加の処理を行ってから直交変調を行う。
【0035】
送信部115は、変調部113によって変調された多重伝送フレームを受信装置200に送信する。送信部115は、IF(Intermediate Frequency)信号をRF(Radio Frequency)信号に変換し、定格の送信電力に増幅する機能を有してもよい。
【0036】
(受信装置)
以下において、実施形態に係る受信装置について説明する。
図3は、実施形態に係る受信装置200を示すブロック図である。
【0037】
図3に示すように、受信装置200は、受信部201と、復調部203と、フレーム処理部205と、デマッピング部(尤度計算部)206と、内デインタリーバ207と、内符号処理部209と、外デインタリーバ211と、外符号処理部213と、エネルギー逆拡散部214と、ブロック処理部215と、を有する。
【0038】
受信部201は、多重伝送フレームを送信装置100から受信する。受信部201は、RF信号をIF信号に変更する機能を有していてもよい。受信部201は、多重伝送フレームとしてOFDMフレームを受信してもよい。
【0039】
復調部203は、多重伝送フレームを直交復調する。OFDMフレームの場合、直交復調後にGI除去、FFTの処理を行う。
【0040】
フレーム処理部205は、多重伝送フレームの先頭を検出して、多重伝送フレームの同期を行う。OFDMフレームの場合、差動で復調できるTMCCキャリアの情報などからOFDMフレームの先頭を検出し、OFDMシンボルを抽出する。
【0041】
デマッピング部(尤度計算部)206は、伝搬路の等化を行った後、データに対して変調方式に応じたデマッピングを行う。軟判定を行う場合は尤度を計算する。
【0042】
内デインタリーバ207は、内インタリーバ109とは逆の手順で、デインタリーブを実行する。デインタリーブは、ビットデインタリーブを含んでもよく、周波数デインタリーブ、時間デインタリーブを含んでもよい。
【0043】
内符号処理部209は、LDPC符号パリティに基づいてFECブロックの誤り訂正を実行する。内符号処理部209は、FECブロックからLDPC符号パリティを除去する。
【0044】
外デインタリーバ211は、外インタリーバ105とは逆の手順で、デインタリーブを実行する。
【0045】
外符号処理部213は、BCH符号パリティに基づいてFECブロックの誤り訂正を実行する。外符号処理部213は、FECブロックからBCH符号パリティ及びFECブロックのBCH符号パリティの後にスタッフビットがある場合はスタッフビットを除去する。
【0046】
エネルギー逆拡散部214は、エネルギー拡散部102とは逆の手順でエネルギー逆拡散を実行する。エネルギー逆拡散の対象は、外符号処理部213から出力されるビット系列(すなわち、ブロックヘッダ、主信号(TSパケット/IPパケット)及びFECブロックのBCH符号パリティの前にスタッフビットがある場合はスタッフビット)である。ここで、生成多項式に入力される初期値は、FECブロック毎に与えられる。言い換えると、PN系列は、FECブロック毎にリセットされてもよい。
【0047】
ブロック処理部215は、FECブロックからブロックヘッダ及び主信号(TSパケット/IPパケット)を分離する。具体的には、ブロック処理部215は、第1放送信号のFECブロックからTSパケットを抽出し、第2放送信号のFECブロックからIPパケットを抽出する。
【0048】
(FECブロック)
以下において、実施形態に係るFECブロックについて説明する。
図4は、実施形態に係るFECブロックを示す図である。
【0049】
図4の例1に示すように、FECブロックは、ブロックヘッダ、主信号、スタッフビット、BCH符号パリティ及びLDPC符号パリティを含む。ブロックヘッダの用途は任意である。ブロックヘッダに、当該FECブロックの主信号の種類を記載してもよい。
図4の例2に示すように、BCH符号パリティ及びスタッフビットの順番は逆であってもよい。
【0050】
特に限定されるものではないが、主信号(D)のサイズはLDPCの符号化率に応じて変化してもよい。LDPC符号パリティのサイズ(Pldpc)はLDPCの符号化率に応じて変化してもよい。主信号として含まれるTSパケット又はIPパケットの数はLDPCの符号化率に応じて変化してもよい。
【0051】
(多重処理)
以下において、実施形態に係る多重処理について説明する。実施形態では、第1放送信号及び第2放送信号は、FECブロックによって構成される単位で多重されるケースについて説明する。
【0052】
図5に示すように、多重部130は、バッファ131Aと、バッファ131Bと、スタッフパケット132Aと、スタッフパケット132Bと、切替部133Aと、切替部133Bと、FECブロック構成部134Aと、FECブロック構成部134Bと、切替部135と、を有する。
【0053】
多重部130は、2以上の放送信号のそれぞれを所定単位であるFECブロックの主信号の長さで区切るとともに、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、所定単位で区切られた2以上の放送信号を多重する制御部の一例である。多重部130は、送信装置100のブロック構成部101に設けられる。
【0054】
バッファ131Aは、第1放送信号を蓄積するバッファである。例えば、バッファ131Aは、31Mbpsのレートを有するTSパケットを蓄積する。
【0055】
バッファ131Bは、第2放送信号を蓄積するバッファである。例えば、バッファ131Bは、50Mbpsのレートを有するIPパケットを蓄積する。
【0056】
スタッフパケット132Aは、1つのTSパケットを構成するための第1放送信号がバッファ131Aに蓄積されていない場合に、スタッフパケットを出力する。
【0057】
スタッフパケット132Bは、1つのIPパケットを構成するための第2放送信号がバッファ131Bに蓄積されていない場合に、スタッフパケットを出力する。
【0058】
切替部133Aは、第1放送信号のFECブロックに格納するパケットのソースを切り替える。具体的には、切替部133Aは、FECブロック構成部134Aにパケットを入力するソースをバッファ131Aとスタッフパケット132Aとの間で切り替える。
【0059】
切替部133Bは、第2放送信号のFECブロックに格納するパケットのソースを切り替える。具体的には、切替部133Bは、FECブロック構成部134Bにパケットを入力するソースをバッファ131Bとスタッフパケット132Bとの間で切り替える。
【0060】
FECブロック構成部134Aは、第1放送信号のFECブロックを構成する。ブロックヘッダ情報をFECブロックのブロックヘッダに格納し、切替部133Aから出力された第1放送信号のパケットまたはスタッフパケットの所定単位をFECブロックの主信号部分に格納する。
【0061】
FECブロック構成部134Bは、第2放送信号のFECブロックを構成する。ブロックヘッダ情報をFECブロックのブロックヘッダに格納し、切替部133Bから出力された第2放送信号のパケットまたはスタッフパケットの所定単位をFECブロックの主信号部分に格納する。
【0062】
切替部135は、多重伝送フレームに多重されるFECブロックのソースを切り替える。具体的には、切替部135は、多重伝送フレームに多重されるFECブロックのソースをFECブロック構成部134AとFECブロック構成部134Bとの間で切り替える。
【0063】
ここで、切替部135は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率(例えば、”31:50”≒”3:5”)に基づいて多重伝送フレーム内のFECブロック数の割当てを決定し、FECブロックのソースを切り替える。例えば、切替部135は、3つの第1放送信号のFECブロックの入力に対して、5つの第2放送信号のFECブロックの入力が得られるように、FECブロックのソースを切り替えてもよい。具体的に、切替部135は、FECブロック構成部134Aを選択した場合をA、FECブロック構成部134Bを選択した場合をBとして、ABBABBABの順に切り替えてもよい。
【0064】
(分離処理)
以下において、実施形態に係る分離処理について説明する。実施形態では、第1放送信号及び第2放送信号は、FECブロックによって構成される単位で分離されるケースについて説明する。
【0065】
図6に示すように、分離部230は、切替部231と、FECブロック処理部232Aと、FECブロック処理部232Bと、スタッフパケット除去部233Aと、スタッフパケット除去部233Bと、を有する。
【0066】
分離部230は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、所定単位で区切られた2以上の放送信号を分離する制御部の一例である。分離部230は、受信装置200のブロック処理部215に設けられる。
【0067】
切替部231は、多重伝送フレームから分離されるFECブロックのターゲットを切り替える。具体的には、切替部231は、多重伝送フレームから分離されるFECブロックのターゲットをFECブロック処理部232AとFECブロック処理部232Bとの間で切り替える。
【0068】
ここで、切替部231は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率(例えば、”31:50”≒”3:5”)に基づいて、予め決められた順にFECブロックのターゲットを切り替える。例えば、切替部231は、3つの第1放送信号のFECブロックの出力に対して、5つの第2放送信号のFECブロックの出力が得られるように、FECブロックのソースを切り替えてもよい。切替部231は、FECブロックのブロックヘッダを確認することによって、第1放送信号のFECブロック及び第2放送信号のFECブロックを特定してもよい。 FECブロック処理部232Aは、第1放送信号のFECブロックから主信号の第1放送信号(TSパケット)又はスタッフパケットを抽出する。
【0069】
FECブロック処理部232Bは、第2放送信号のFECブロックから主信号の第2放送信号(IPパケット)又はスタッフパケットを抽出する。
【0070】
スタッフパケット除去部233Aは、FECブロック処理部232Aから出力された主信号からスタッフパケットを除去し、第1放送信号(TSパケット)を抽出する。
【0071】
スタッフパケット除去部233Bは、FECブロック処理部232Bから出力された主信号からスタッフパケットを除去し、第2放送信号(IPパケット)を抽出する。
【0072】
(作用及び効果)
実施形態では、送信装置100は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、FECブロックによって構成される単位で区切られた2以上の放送信号を多重する。受信装置200は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、FECブロックによって構成される単位で区切られた2以上の放送信号を分離する。このような構成によれば、2以上の放送信号のレートが異なるケースを想定した場合であっても、2以上の放送信号のレートを適切に担保しながら、2以上の放送信号を伝送フレームに多重することができる。
【0073】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0074】
実施形態では、第1放送信号及び第2放送信号の多重及び分離がFECブロックによって構成される単位で実行される。これに対して、第1放送信号及び第2放送信号の多重及び分離がバイトによって構成される単位で実行されるケースについて説明する。
【0075】
(多重処理)
以下において、変更例1に係る多重処理について説明する。変更例1では、第1放送信号及び第2放送信号は、バイトによって構成される単位で多重されるケースについて説明する。
【0076】
図7に示すように、多重部150は、バッファ151Aと、バッファ151Bと、スタッフパケット152Aと、スタッフパケット152Bと、切替部153Aと、切替部153Bと、切替部154と、FECブロック構成部155と、を有する。
【0077】
多重部150は、2以上の放送信号のそれぞれを所定単位であるバイトで区切るとともに、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、所定単位で区切られた2以上の放送信号を多重する制御部の一例である。多重部150は、送信装置100のブロック構成部101に設けられる。
【0078】
バッファ151Aは、第1放送信号を蓄積するバッファである。例えば、バッファ151Aは、31Mbpsのレートを有するTSパケットを蓄積する。
【0079】
バッファ151Bは、第2放送信号を蓄積するバッファである。例えば、バッファ151Bは、50Mbpsのレートを有するIPパケットを蓄積する。
【0080】
スタッフパケット152Aは、1つのTSパケットを構成するための第1放送信号がバッファ131Aに蓄積されていない場合に、スタッフパケットを出力する。スタッフパケット152Aから出力されるスタッフパケットは、第1放送信号に相当するダミーデータであると考えてもよい。
【0081】
スタッフパケット152Bは、1つのIPパケットを構成するための第2放送信号がバッファ131Bに蓄積されていない場合に、スタッフパケットを出力する。スタッフパケット152Bから出力されるスタッフパケットは、第2放送信号に相当するダミーデータであると考えてもよい。
【0082】
切替部153Aは、FECブロックに格納するパケットのソースを切り替える。具体的には、切替部153Aは、切替部154にパケットを入力するソースをバッファ151Aとスタッフパケット152Aとの間で切り替える。
【0083】
切替部153Bは、FECブロックに格納するパケットのソースを切り替える。具体的には、切替部153Bは、切替部154にパケットを入力するソースをバッファ151Bとスタッフパケット152Bとの間で切り替える。
【0084】
切替部154は、FECブロックに多重されるデータのソースをバイト単位で切り替える。具体的には、切替部154は、FECブロックに多重されるデータのソースを切替部153Aと切替部153Bとの間で切り替える。
【0085】
ここで、切替部154は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率(例えば、”31:50”≒”3:5”)に基づいて、データのソースを切り替える。例えば、切替部154は、3バイトの第1放送信号のデータの入力に対して、5バイトの第2放送信号のデータの入力が得られるように、データのソースを切り替えてもよい。具体的に、切替部154は、切替部153Aを選択した場合をA、切替部153Bを選択した場合をBとして、ABBABBABの順に切り替えてもよい。
【0086】
FECブロック構成部155は、第1放送信号及び第2放送信号が多重されたFECブロックを構成する。FECブロック構成部155は、ブロックヘッダ情報をFECブロックのブロックヘッダに格納し、切替部154から出力されたバイト単位の信号をFECブロックの主信号部分に格納する。
【0087】
なお、実施形態では、第1放送信号のFECブロック及び第2放送信号のFECブロックが別々であるため、FECブロック構成部は2系統で処理される。これに対して、変更例1では、第1放送信号及び第2放送信号が1つのFECブロックに多重されるため、FECブロック構成部は1系統で処理される。
【0088】
(分離処理)
以下において、変更例1に係る分離処理について説明する。変更例1では、第1放送信号及び第2放送信号は、バイトによって構成される単位で分離されるケースについて説明する。
【0089】
図8に示すように、分離部250は、FECブロック処理部251と、切替部252と、スタッフパケット除去部253Aと、スタッフパケット除去部253Bと、を有する。
【0090】
分離部250は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、所定単位であるバイトで区切られた2以上の放送信号を分離する制御部の一例である。分離部250は、受信装置200のブロック処理部215に設けられる。
【0091】
FECブロック処理部251は、FECブロックから第1放送信号(TSパケット)、第2放送信号(IPパケット)及びそれらのスタッフパケットがバイト単位で多重された主信号を抽出する。
【0092】
なお、実施形態では、第1放送信号のFECブロック及び第2放送信号のFECブロックが別々であるため、FECブロック処理部は2系統で処理される。これに対して、変更例1では、第1放送信号及び第2放送信号が1つのFECブロックに多重されるため、FECブロック処理部は1系統で処理される。
【0093】
切替部252は、FECブロックから分離されるデータのターゲットを切り替える。具体的には、切替部252は、FECブロックから分離されるデータのターゲットを第1放送信号の処理部と第2放送信号の処理部との間で切り替える。
【0094】
ここで、切替部252は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率(例えば、”31:50”≒”3:5”)に基づいて、予め決められた順にデータのターゲットを切り替える。例えば、切替部252は、3バイトの第1放送信号のデータの出力に対して、5バイトの第2放送信号のデータの出力が得られるように、データのターゲットを切り替えてもよい。
【0095】
(作用及び効果)
変更例1では、送信装置100は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、バイトによって構成される単位で区切られた2以上の放送信号を多重する。受信装置200は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、バイトによって構成される単位で区切られた2以上の放送信号を分離する。このような構成によれば、2以上の放送信号のレートが異なるケースを想定した場合であっても、2以上の放送信号のレートを適切に担保しながら、2以上の放送信号を伝送フレームに多重することができる。
【0096】
変更例1では、多重又は分離が適用される所定単位は、バイトによって構成される単位である。このような構成によれば、第1放送信号又は第2放送信号の遅延も抑制することができる。
【0097】
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、変更例1に対する相違点について主として説明する。
【0098】
変更例1では、第1放送信号及び第2放送信号の多重及び分離がバイトによって構成される単位で実行される。これに対して、第1放送信号及び第2放送信号の多重及び分離がパケット(TSパケット又はIPパケット)によって構成される単位で実行されるケースについて説明する。
【0099】
ここで、第1放送信号を構成するTSパケットは、固定長(例えば、204Byte)を有していてもよい。第2放送信号を構成するIPパケットは、固定長(例えば、1500Byte)を有していてもよい。TSパケットの長さ(バイト数)は、IPパケットの長さ(バイト数)と異なってもよいが、TSパケットの長さとIPパケットの長さの比率は、予め定められてもよく、TMCCによって定められてもよい。
【0100】
基本的には、変更例2では、変更例1で説明した「バイト」を「パケット」と読み替えればよい。但し、上述した切替部154及び切替部252は、以下のように動作してもよい。
【0101】
切替部154は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率(例えば、”31:50”≒”3:5”)に基づいて、データのソースを切り替える。例えば、切替部154は、第1放送信号(TSパケット)の長さ及び第2放送信号(IPパケット)の長さの比率に基づいて、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率が維持されるように、データのソースを切り替える。
【0102】
同様に、切替部252は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率(例えば、”31:50”≒”3:5”)に基づいて、データのソースを切り替える。例えば、切替部252は、第1放送信号(TSパケット)の長さ及び第2放送信号(IPパケット)の長さの比率に基づいて、2つの放送信号のそれぞれのレートの比率が維持されるように、データのソースを切り替える。
【0103】
変更例2では、切替部252は、パケット(TSパケット又はIPパケット)のパケットヘッダを確認することによって、第1放送信号のTSパケット及び第2放送信号のIPパケットを特定してもよい。
【0104】
[その他の実施形態]
本発明は上述した開示によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0105】
上述した開示では、2つの放送信号が多重伝送フレームに多重されるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。上述した開示は、3つ以上の放送信号が多重伝送フレームに多重されるケースに適用されてもよい。
【0106】
上述した開示では、多重又は分離が適用される所定単位は、FECブロックによって構成される単位、バイトによって構成される単位、パケットによって構成される単位であるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。多重又は分離が適用される所定単位は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率を維持可能な単位であればよい。
【0107】
上述した開示では特に触れていないが、送信装置100及び受信装置200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0108】
或いは、送信装置100及び受信装置200が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【符号の説明】
【0109】
10…デジタル無線伝送システム、100…送信装置、101…ブロック構成部、102…エネルギー拡散部、103…外符号処理部、105…外インタリーバ、107…内符号処理部、109…内インタリーバ、110…マッピング部、111…フレーム構成部、113…変調部、115…送信部、130…多重部、131…バッファ、132…スタッフパケット、133…切替部、134…FECブロック構成部、135…切替部、150…多重部、151…バッファ、152…スタッフパケット、153…切替部、154…切替部、155…FECブロック構成部、200…受信装置、201…受信部、203…復調部、205…フレーム処理部、206…デマッピング部(尤度計算部)、207…内デインタリーバ、209…内符号処理部、211…外デインタリーバ、213…外符号処理部、214…エネルギー逆拡散部、215…ブロック処理部、230…分離部、231…切替部、232…FECブロック処理部、233…スタッフパケット除去部、250…分離部、251…FECブロック処理部、252…切替部、253…スタッフパケット除去部