(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179202
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】半導体ウェーハの洗浄装置、半導体ウェーハの洗浄方法およびシリコンウェーハの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20221125BHJP
【FI】
H01L21/304 643Z
H01L21/304 643A
H01L21/304 643C
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086502
(22)【出願日】2021-05-21
(71)【出願人】
【識別番号】302006854
【氏名又は名称】株式会社SUMCO
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100165696
【弁理士】
【氏名又は名称】川原 敬祐
(72)【発明者】
【氏名】野田 魁人
(72)【発明者】
【氏名】大久保 知洋
(72)【発明者】
【氏名】冨田 迪彦
(72)【発明者】
【氏名】山浦 大地
(72)【発明者】
【氏名】竹村 誠
(72)【発明者】
【氏名】奥田 幸一
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AA16
5F157AA82
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
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5F157BB24
5F157BB32
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5F157CF22
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】半導体ウェーハの裏面におけるパーティクルの発生を抑制できる半導体ウェーハの洗浄装置を提案する。
【解決手段】中心に開口部11aを有する回転テーブル11と、回転テーブル11の上面に設けられ、洗浄対象の半導体ウェーハWを保持するウェーハ保持部と、回転テーブルの下面に設けられた返し部21と、中心に配置された凹部14aと、該凹部14aの径方向外側に配置された水平部14bとを有するノズルヘッド14と、半導体ウェーハWの裏面に向かって薬液を供給する下部薬液供給用ノズル15と、半導体ウェーハWの裏面に向かって純水を供給するウェーハ裏面リンス用ノズル16とを備える半導体ウェーハの洗浄装置1において、返し部21は開口部11a付近に配置されており、ノズルヘッド14の凹部に、返し部21に向かって純水を供給して返し部21をリンスする返し部リンス用ノズル22が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心に円形の開口部を有し、水平に配置された円板状の回転テーブルと、
前記回転テーブルの上面に設けられ、洗浄対象の半導体ウェーハを保持するウェーハ保持部と、
前記回転テーブルの下面に設けられた円筒状の返し部と、
中心に配置された逆円錐形の凹部と、該凹部の径方向外側に前記回転テーブルの下面に対向して水平に配置された水平部とを有するノズルヘッドと、
前記ノズルヘッドの前記凹部に設けられ、前記開口部を介して前記半導体ウェーハの裏面に向かって薬液を供給する下部薬液供給用ノズルと、
前記ノズルヘッドの前記凹部に設けられ、前記開口部を介して前記半導体ウェーハの裏面に向かって純水を供給するウェーハ裏面リンス用ノズルと、
を備える半導体ウェーハの洗浄装置において、
前記返し部は前記開口部付近に配置されており、
前記ノズルヘッドの前記凹部に、前記返し部に向かって純水を供給して前記返し部をリンスする返し部リンス用ノズルが設けられていることを特徴とする半導体ウェーハの洗浄装置。
【請求項2】
前記返し部は、前記開口部を画定する前記回転テーブルの内壁から径方向外側の位置に配置されている、請求項1に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【請求項3】
前記返し部は、前記開口部の内壁から径方向外側に1mm以上20mm以下の位置に配置されている、請求項2に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【請求項4】
前記返し部リンス用ノズルが複数本設けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【請求項5】
前記複数本の返し部リンス用ノズルが、互いに前記凹部の周方向に90度以上離れて配置されている、請求項4に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【請求項6】
前記複数本の前記返し部リンス用ノズルが、第1の返し部リンス用ノズルと、該第1の返し部リンス用ノズルよりも径方向内側に配置された第2の返し部リンス用ノズルとからなる、請求項4または5に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【請求項7】
前記第2の返し部リンス用ノズルにおける純水を噴射する噴射口が前記凹部の表面から突出している、請求項6に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【請求項8】
前記ノズルヘッドの前記凹部に設けられ、前記開口部を介して前記半導体ウェーハの裏面に向かってガスを供給するガス供給用ノズルをさらに備え、該ガス供給用ノズルは、前記返し部リンス用ノズルから前記回転テーブルの回転方向に90度以上離れて配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【請求項9】
前記返し部リンス用ノズルは、鉛直方向に対して0度以上30度以下の角度で前記返し部に向かって純水を噴射するように配置されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄装置を用いて洗浄対象の半導体ウェーハを洗浄する方法であって、
前記ウェーハ裏面リンス用ノズルから純水を前記半導体ウェーハの裏面に供給して前記半導体ウェーハの裏面をリンスすると同時に、前記返し部リンス用ノズルから純水を前記返し部に供給して前記返し部をリンスすることを特徴とする半導体ウェーハの洗浄方法。
【請求項11】
前記下部薬液供給用ノズルから前記半導体ウェーハの裏面に向かって薬液を供給すると同時に、前記返し部リンス用ノズルから純水を前記返し部に供給して前記返し部をリンスする、請求項10に記載の半導体ウェーハの洗浄方法。
【請求項12】
請求項4~7のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄装置を用い、前記複数本の返し部リンス用ノズルから同時に前記返し部に純水を供給する、請求項10または11に記載の半導体ウェーハの洗浄方法。
【請求項13】
請求項6または7に記載の半導体ウェーハの洗浄装置を用い、前記第1の返し部リンス用ノズルからの純水の流量を前記第2の返し部リンス用ノズルからの純水の流量よりも多くする、請求項12に記載の半導体ウェーハの洗浄方法。
【請求項14】
請求項8に記載の半導体ウェーハの洗浄装置を用い、前記半導体ウェーハの裏面を少なくとも純水リンス中に前記ガス供給用ノズルから前記半導体ウェーハの裏面に向かってガスを供給する、請求項10~13のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄方法。
【請求項15】
前記半導体ウェーハはシリコンウェーハである、請求項10~14のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄方法。
【請求項16】
請求項15に記載の半導体ウェーハの洗浄方法を用いて、所定の方法で育成した単結晶シリコンインゴットに対してウェーハ加工処理を施して得られたシリコンウェーハを洗浄することを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハの洗浄装置、半導体ウェーハの洗浄方法およびシリコンウェーハの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体デバイスの基板として、シリコンウェーハが使用されている。シリコンウェーハは、チョクラルスキー(Czochralski、CZ)法などによって育成した単結晶シリコンインゴットに対して、ウェーハ加工処理を施すことによって得られる。上記加工処理の際、シリコンウェーハの表面には、研磨粉などのパーティクルが付着するため、加工処理後にシリコンウェーハに対して洗浄処理を行ってパーティクルを除去している。
【0003】
シリコンウェーハなどの半導体ウェーハの洗浄装置には、複数枚のウェーハを同時に洗浄するバッチ式の洗浄装置、およびウェーハを一枚ずつ洗浄する枚葉式の洗浄装置が存在する。中でも、必要とする洗浄液の量が比較的少ないこと、ウェーハ間の相互汚染を回避することができること、大口径化により複数枚の半導体ウェーハを同時に処理するのが困難になってきていることなどから、近年では、枚葉式の洗浄装置が使用されるようになっている。
【0004】
図1は、従来の半導体ウェーハの洗浄装置の一例を示している。
図1に示した半導体ウェーハの洗浄装置100は、中心に円形の開口部11aを有し、水平に配置された円板状の回転テーブル11(「デコレーションカップ」とも称する。)と、回転テーブル11の上面11bに設けられ、洗浄対象の半導体ウェーハWを保持するウェーハ保持部12とを備える。
【0005】
また、洗浄装置100は、回転テーブル11の下方において、中心に配置され、鉛直方向下方に向かうにつれて縮径する逆円錐形の凹部14aと、該凹部14aの径方向外側に回転テーブル11の下面に対向して水平に配置された水平部14bとを有するノズルヘッド14を備える。凹部14aの下部には排液口14cが設けられており、排液ノズル(図示せず)に接続されている。
【0006】
ノズルヘッド14の凹部14aには、開口部11aを介して半導体ウェーハWの裏面に向かって薬液を供給する下部薬液供給用ノズル15と、開口部11aを介して半導体ウェーハWの裏面に向かって純水を供給するウェーハ裏面リンス用ノズル16とが設けられている。
【0007】
一方、半導体ウェーハWの上方には、半導体ウェーハWの表面に向かって薬液を供給する上部薬液供給用ノズル17と、半導体ウェーハWの表面に向かって純水を供給するウェーハ表面リンス用ノズル18とが設けられている。
【0008】
上記回転テーブル11の下面11cには、回転テーブル11の下面11cとノズルヘッド14との間に薬液が入り込むのを抑制する円筒状の返し部13が設けられている。なお、返し部13は、回転テーブル11の開口部11aを画定する回転テーブル11の内壁11dに沿って(すなわち、返し部13の内壁13aと回転テーブル11の内壁11dとが面一になるように)設けられている。また、回転テーブル11の径方向外側には、半導体ウェーハWの洗浄工程およびリンス工程において回転テーブル11の外方に飛散した薬液または純水を受け止めて回収するスピンカップ19が設けられている。
【0009】
上記洗浄装置100を用いた半導体ウェーハWの洗浄は、例えば以下のように行う。まず、駆動装置(図示せず)により回転テーブル11を所定の回転速度で回転させて半導体ウェーハWを回転させるとともに、下部薬液供給用ノズル15および上部薬液供給用ノズル17からフッ酸(HF)などの薬液を供給して、シリコンウェーハなどの半導体ウェーハWの表裏面に付着した研磨粉などを除去する(洗浄工程)。
【0010】
次いで、半導体ウェーハWを回転させた状態で下部薬液供給用ノズル15および上部薬液供給用ノズル17からの薬液の供給を停止し、ウェーハ裏面リンス用ノズル16およびウェーハ表面リンス用ノズル18から純水を供給して半導体ウェーハWの表裏面をリンスする(リンス工程)。
【0011】
続いて、ウェーハ裏面リンス用ノズル16およびウェーハ表面リンス用ノズル18からの純水の供給を停止し、半導体ウェーハWの回転速度を上昇させるとともに、ガス供給用ノズル(図示せず)から窒素(N2)などのガスを供給して半導体ウェーハWの表裏面を乾燥させる(乾燥工程)。こうして、半導体ウェーハWを洗浄することができる。
【0012】
上述のように、半導体ウェーハWの裏面にHFなどの薬液を供給する洗浄工程では、薬液が回転テーブル11やノズルヘッド14に飛散するが、その後の乾燥工程において、飛散していた薬液が高速回転により生じる気流に乗って半導体ウェーハWの裏面に付着することがある。その場合、ウェーハ裏面にエッチング痕やパーティクルが生じることになる。
【0013】
こうしたウェーハ裏面におけるエッチング痕やパーティクルが生じるのを抑制するために、特許文献1には、ノズルから半導体ウェーハの下面に向けて純水などのリンス液を供給する際に、速度制御手段によってノズルから噴射されるリンス液の噴射速度を変化させることにより、回転テーブルやノズルヘッドを洗浄する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、本発明者らが検討したところ、特許文献1に記載された技術を用いても、依然として半導体ウェーハの裏面においてパーティクルが発生しており、パーティクルの発生を抑制することができる技術が望まれている。
【0016】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、半導体ウェーハの裏面におけるパーティクルの発生を抑制することができる半導体ウェーハの洗浄装置、半導体ウェーハの洗浄方法およびシリコンウェーハの製造方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決する本発明は、以下の通りである。
[1]中心に円形の開口部を有し、水平に配置された円板状の回転テーブルと、
前記回転テーブルの上面に設けられ、洗浄対象の半導体ウェーハを保持するウェーハ保持部と、
前記回転テーブルの下面に設けられた円筒状の返し部と、
中心に配置された逆円錐形の凹部と、該凹部の径方向外側に前記回転テーブルの下面に対向して水平に配置された水平部とを有するノズルヘッドと、
前記ノズルヘッドの前記凹部に設けられ、前記開口部を介して前記半導体ウェーハの裏面に向かって薬液を供給する下部薬液供給用ノズルと、
前記ノズルヘッドの前記凹部に設けられ、前記開口部を介して前記半導体ウェーハの裏面に向かって純水を供給するウェーハ裏面リンス用ノズルと、
を備える半導体ウェーハの洗浄装置において、
前記返し部は前記開口部付近に配置されており、
前記ノズルヘッドの前記凹部に、前記返し部に向かって純水を供給して前記返し部をリンスする返し部リンス用ノズルが設けられていることを特徴とする半導体ウェーハの洗浄装置。
【0018】
[2]前記返し部は、前記開口部を画定する前記回転テーブルの内壁から径方向外側の位置に配置されている、前記[1]に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【0019】
[3]前記返し部は、前記開口部の内壁から径方向外側に1mm以上20mm以下の位置に配置されている、前記[2]に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【0020】
[4]前記返し部リンス用ノズルが複数本設けられている、前記[1]~[3]のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【0021】
[5]前記複数の返し部リンス用ノズルが、互いに前記凹部の周方向に90度以上離れて配置されている、前記[4]に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【0022】
[6]前記複数本の前記返し部リンス用ノズルが、第1の返し部リンス用ノズルと、該第1の返し部リンス用ノズルよりも径方向内側に配置された第2の返し部リンス用ノズルとからなる、前記[4]または[5]に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【0023】
[7]前記第2の返し部リンス用ノズルにおける純水を噴射する噴射口が前記凹部の表面から突出している、前記[6]に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【0024】
[8]前記ノズルヘッドの前記凹部に設けられ、前記開口部を介して前記半導体ウェーハの裏面に向かってガスを供給するガス供給用ノズルをさらに備え、該ガス供給用ノズルは、前記返し部リンス用ノズルから前記回転テーブルの回転方向に90度以上離れて配置されている、前記[1]~[7]のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【0025】
[9]前記返し部リンス用ノズルは、鉛直方向に対して0度以上30度以下の角度で前記返し部に向かって純水を噴射するように配置されている、前記[1]~[8]のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄装置。
【0026】
[10]前記[1]~[9]のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄装置を用いて洗浄対象の半導体ウェーハを洗浄する方法であって、
前記ウェーハ裏面リンス用ノズルから純水を前記半導体ウェーハの裏面に供給して前記半導体ウェーハの裏面をリンスすると同時に、前記返し部リンス用ノズルから純水を前記返し部に供給して前記返し部をリンスすることを特徴とする半導体ウェーハの洗浄方法。
【0027】
[11]前記下部薬液供給用ノズルから前記半導体ウェーハの裏面に向かって薬液を供給すると同時に、前記返し部リンス用ノズルから純水を前記返し部に供給して前記返し部をリンスする、前記[10]に記載の半導体ウェーハの洗浄方法。
【0028】
[12]前記[4]~[7]のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄装置を用い、前記複数の返し部リンス用ノズルから同時に前記返し部に純水を供給する、前記[10]または[11]に記載の半導体ウェーハの洗浄方法。
【0029】
[13]前記[6]または[7]に記載の半導体ウェーハの洗浄装置を用い、前記第1の返し部リンス用ノズルからの純水の流量を前記第2の返し部リンス用ノズルからの純水の流量よりも多くする、前記[12]に記載の半導体ウェーハの洗浄方法。
【0030】
[14]前記[8]に記載の半導体ウェーハの洗浄装置を用い、前記半導体ウェーハの裏面を少なくとも純水リンス中に前記ガス供給用ノズルから前記半導体ウェーハの裏面に向かってガスを供給する、前記[10]~[13]のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄方法。
【0031】
[15]前記半導体ウェーハはシリコンウェーハである、前記[10]~[14]のいずれか一項に記載の半導体ウェーハの洗浄方法。
【0032】
[16]前記[15]に記載の半導体ウェーハの洗浄方法を用いて、所定の方法で育成した単結晶シリコンインゴットに対してウェーハ加工処理を施して得られたシリコンウェーハを洗浄することを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、半導体ウェーハの裏面におけるパーティクルの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】従来の半導体ウェーハの洗浄装置の一例を示す図である。
【
図2】本発明による半導体ウェーハの洗浄装置の一例を示す図であり、(a)は全体図、(b)は(a)に示した三点長鎖線で囲まれた部分を示す図である。
【
図3】2本の返し部リンス用ノズルの噴射口の位置関係を示す図である。
【
図4】実施例において使用した洗浄装置におけるノズルヘッドの上面図であり、(a)は発明例1、(b)は発明例2に関するものである。
【
図5】ノズルヘッドの凹部の洗浄効果を説明する図であり、(a)は発明例1、(b)は発明例2に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(半導体ウェーハの洗浄装置)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本発明による半導体ウェーハの洗浄装置は、中心に円形の開口部を有し、水平に配置された円板状の回転テーブルと、回転テーブルの上面に設けられ、洗浄対象の半導体ウェーハを保持するウェーハ保持部と、回転テーブルの下面に設けられた円筒状の返し部と、中心に配置された逆円錐形の凹部と、該凹部の径方向外側に回転テーブルの下面に対向して水平に配置された水平部とを有するノズルヘッドと、ノズルヘッドの凹部に設けられ、開口部を介して半導体ウェーハの裏面に向かって薬液を供給する下部薬液供給用ノズルと、ノズルヘッドの凹部に設けられ、開口部を介して半導体ウェーハの裏面に向かって純水を供給するウェーハ裏面リンス用ノズルとを備える。ここで、上記返し部は開口部付近に配置されており、上記ノズルヘッドの凹部に、返し部に向かって純水を供給して返し部をリンスする返し部リンス用ノズルが設けられていることを特徴とする。
【0036】
本発明者らは、半導体ウェーハWの裏面におけるパーティクルの発生を抑制すべく、その発生原因について鋭意検討した。その結果、洗浄工程において飛散した薬液が、ノズルヘッド14の凹部14aのみならず、回転テーブル11の下面11cに設けられた返し部13に付着し、その後の乾燥工程において、返し部13に付着した薬液が回転テーブル11の高速回転により生じる気流に乗って半導体ウェーハWの裏面に付着したのではないかと考えた。
【0037】
そこで、本発明者らは、ウェーハ裏面リンス用ノズル16から純水を返し部13に供給することによって、返し部13をリンスすることを検討した。しかしながら、ウェーハ裏面リンス用ノズル16のみで半導体ウェーハWの裏面をリンスしつつ、返し部13を洗浄することは困難である。そこで、本発明者らは、ノズルヘッド14の凹部14aに、返し部13に向かって純水を供給して返し部13をリンスする返し部リンス用ノズルを別途設けることに想到し、本発明を完成させたのである。
【0038】
図2は、本発明による半導体ウェーハの洗浄装置の一例を示す図であり、(a)は全体図、(b)は(a)に示した三点長鎖線で囲まれた部分を示す図である。なお、
図1に示した構成と同じ構成には、同じ符号が付されている。また、ノズルヘッド14の凹部14aには、図に示されていない凹部14aの周方向の位置において、下部薬液供給用ノズル15およびウェーハ裏面リンス用ノズル16が設けられている。
【0039】
図2に示した半導体ウェーハの洗浄装置1においては、返し部21は、回転テーブル11の開口部11a付近に配置されている。具体的には、返し部21は、
図1に示したように、回転テーブル11の開口部11aを画定する回転テーブル11の内壁11dに沿って設けることができる。また、
図2(b)に示すように、回転テーブル11の内壁11bから径方向外側の位置に(すなわち、返し部21の内壁21aが、回転テーブル11の内壁11dよりも径方向外側に位置するように)配置することができる。これらの2つの返し部21の配置のうち、返し部21は、回転テーブル11の内壁11dから径方向外側の位置に配置することが好ましい。これにより、回転テーブル11の下面11cと返し部21の内壁21aとの間に、返し部リンス用ノズル22から供給された純水が溜まる液溜まり領域Rが形成され、液溜まり領域Rに保持された純水を落下させてノズルヘッド14を洗浄することができる。
【0040】
返し部21を回転テーブル11の内壁11dから径方向外側の位置に配置する場合、返し部21は、回転テーブル11の内壁11dから径方向外側に1mm以上20mm以下の位置に配置することが好ましい。返し部21を開口部11aの内壁11dから径方向外側に1mm以上の位置に配置することにより、回転テーブル11の下面11cと返し部21の内壁21aとの間に、十分な量の純水を保持できる液溜まり領域Rを形成することができ、保持した純水を落下させてノズルヘッド14を効果的に洗浄することができる。また、返し部21を開口部11aの内壁11dから径方向外側に20mm以下の位置に配置することにより、液溜まり領域R内で純水が拡がり過ぎてノズルヘッド14の洗浄ムラが発生するのを抑制できるとともに、返し部リンス用ノズル22を径方向外側に設けることによるノズルヘッド14ひいては洗浄装置1の大型化を抑制することができる。
【0041】
返し部リンス用ノズル22は、返し部21に純水を供給して返し部21をリンスする。返し部リンス用ノズル22からの純水の噴射は、返し部21の下端部21bに着液するように行うことが好ましい。そのために、返し部リンス用ノズル22は、鉛直方向に対して0度以上30度以下の角度で返し部21に向かって純水を噴射するように配置されていることが好ましい。これにより、返し部21の径方向外側および径方向内側の双方に純水を分散させて、返し部21全体を効果的に洗浄することができる。
【0042】
返し部リンス用ノズル22は、1本のみ設けてもよいが、
図2に示したように複数本設けることが好ましい。これにより、返し部21およびノズルヘッド14の凹部14aを効率的に洗浄して洗浄効果を高めることができる。
【0043】
返し部リンス用ノズル22を複数本設ける場合、複数本の返し部リンス用ノズル22は、互いにノズルヘッド14の凹部14aの周方向に90度以上離れて配置されていることが好ましい。これにより、ある返し部リンス用ノズル22から供給された純水が、他の返し部リンス用ノズル22によって供給された純水に干渉するのを抑制することができる。複数本の返し部リンス用ノズル22、互いにできるだけ離れて配置されていることがより好ましい。
【0044】
また、返し部リンス用ノズル22を複数本設ける場合、返し部リンス用ノズル22を設ける径方向の位置を相違させることが好ましい。例えば、返し部リンス用ノズル22を2本設ける場合、洗浄装置1が第1の返し部リンス用ノズル22aと、第1の返し部リンス用ノズルよりも径方向内側に配置された第2の返し部リンス用ノズル22bとを有することが好ましい。これにより、第1の返し部リンス用ノズル22aによって供給され、液溜まり領域Rに保持された純水を、第2の返し部リンス用ノズル22bによって供給された純水によって妨害されるのを抑制することができ、液溜まり領域Rに保持された純水をノズルヘッド14の凹部14a上により均一に落下させて、ノズルヘッド14の凹部14aをより均一に洗浄することができる。
【0045】
なお、2本の返し部リンス用ノズル22(第1の返し部リンス用ノズル22aおよび第2の返し部リンス用ノズル22b)を設ける場合、これらのノズルの噴射口の位置関係は、
図3に示すように、両者の噴射口が凹部14aの表面から突出するパターン(
図3(a))、両者の噴射口が凹部14aの表面から突出しないパターン(
図3(b))、および一方の噴射口が凹部14aの表面から突出し、他方の噴射口が凹部14aの表面から突出するパターン(
図3(c))の3つのパターンが考えられる。これら3つのパターンのうち、径方向内側に設けられた第2の返し部リンス用ノズル22bの噴射口が、ノズルヘッド14の凹部14aの表面から突出していることが好ましい。これにより、第2の返し部リンス用ノズル22bから噴射された純水と、液溜まり領域Rから落下した純水とが干渉するのを抑制して、凹部14aをより均一に洗浄することができる。なお、「ノズルの噴射口が凹部14aの表面から突出しない」とは、ノズルヘッド14の凹部14aの斜面側(ノズルヘッド14の径方向外側)でのノズル上端の位置が、ノズルヘッド14の凹部14の斜面の高さ位置と同じか、それより低いことを意味しており、径方向内側でのノズル上端の位置が、ノズルヘッド14の凹部14の斜面の高さ位置よりも高くてもよい(
図3(b)および
図3(c)におけるノズル22a参照)。
【0046】
また、洗浄装置1は、ノズルヘッド14の凹部14aに、回転テーブル11の開口部11aを介して半導体ウェーハWの裏面に向かってガスを供給するガス供給用ノズル(図示せず)をさらに備えることが好ましい。その際、該ガス供給用ノズルは、返し部リンス用ノズル22から回転テーブル11の回転方向に90度以上離れて配置されていることが好ましい。これにより、返し部リンス用ノズル22から供給されて液溜まり領域Rに保持された純水が、ガス供給用ノズルから供給されたガスによって干渉されるのを抑制することができる。
【0047】
(半導体ウェーハの洗浄方法)
本発明による半導体ウェーハの洗浄方法は、上述した本発明による半導体ウェーハの洗浄装置を用いて洗浄対象の半導体ウェーハを洗浄する方法であって、ウェーハ裏面リンス用ノズルから純水を半導体ウェーハの裏面に供給して半導体ウェーハの裏面をリンスすると同時に、返し部リンス用ノズルから純水を返し部に供給して返し部をリンスすることを特徴とする。
【0048】
上述のように、本発明による半導体ウェーハの洗浄装置1には、回転テーブル11の下面11cにおいて開口部11a付近に設けられた返し部21を洗浄する返し部リンス用ノズル22が設けられている。本発明においては、ウェーハ裏面リンス用ノズル16から純水を半導体ウェーハWの裏面に供給して半導体ウェーハWの裏面をリンスすると同時に、返し部リンス用ノズル22から純水を返し部21に供給して返し部21をリンスする。
【0049】
すなわち、薬液を用いた半導体ウェーハの洗浄工程の後の、純水を用いたリンス工程において、返し部リンス用ノズル22から純水を返し部21に供給する。これにより、洗浄工程において返し部21に付着したフッ化水素などの薬液を除去することができ、パーティクルの発生を抑制することができる。
【0050】
洗浄対象の半導体ウェーハWは特に限定されないが、シリコンウェーハを好適に洗浄することができる。
【0051】
本発明において、下部薬液供給用ノズル15から半導体ウェーハWの裏面に向かって薬液を供給すると同時に、返し部リンス用ノズル22から純水を返し部21に供給して返し部21をリンスすることが好ましい。すなわち、薬液を用いた洗浄工程において、返し部リンス用ノズル22から純水を返し部21に供給して返し部21をリンスすることが好ましい。これにより、洗浄工程において、飛散した薬液が返し部21に付着するのを抑制することができ、パーティクルの発生をさらに抑制することができる。
【0052】
また、本発明において、複数本の返し部リンス用ノズル22が設けられている洗浄装置1を用いて、複数の返し部リンス用ノズル22から同時に返し部21に純水を供給することが好ましい。これにより、返し部21およびノズルヘッド14の凹部14aの洗浄効果をさらに高めることができる。
【0053】
さらに、2本の返し部リンス用ノズル22(第1の返し部リンス用ノズル22aおよび第2の返し部リンス用ノズル22b)が設けられており、第2の返し部リンス用ノズル22bが第1の返し部リンス用ノズル22aよりも径方向内側に配置されている洗浄装置1を用いて、第1の返し部リンス用ノズル22aからの純水の流量を第2の返し部リンス用ノズル22bからの純水の流量よりも多くすることが好ましい。これにより、第1の返し部リンス用ノズル22aによって供給され、液溜まり領域Rに保持された純水を、第2の返し部リンス用ノズル22bによって供給された純水によって妨害されるのを抑制することができ、液溜まり領域Rに保持された純水をノズルヘッド14の凹部14a上により均一に落下させて、凹部14aをより均一に洗浄することができる。
【0054】
さらにまた、半導体ウェーハWの裏面にガスを供給するガス供給用ノズルが設けられ、該ガス供給用ノズルが、返し部リンス用ノズル22から回転テーブル11の回転方向に90度以上離れて配置されている洗浄装置1を用い、半導体ウェーハWの裏面を少なくとも純水リンス中にガス供給用ノズル23から半導体ウェーハWの裏面に向かってガスを供給することが好ましい。これにより、返し部リンス用ノズル22から供給されて液溜まり領域Rに保持された純水が、ガス供給用ノズルから供給されたガスによって干渉されるのを抑制することができる。
【0055】
(シリコンウェーハの製造方法)
本発明によるシリコンウェーハの製造方法は、上述した本発明による半導体ウェーハの洗浄方法を用いて、所定の方法で育成した単結晶シリコンインゴットに対してウェーハ加工処理を施して得られたシリコンウェーハを洗浄することを特徴とする。
【0056】
上述のように、本発明による半導体ウェーハの洗浄方法においては、ウェーハ裏面リンス用ノズル16から純水を半導体ウェーハWの裏面に供給して半導体ウェーハWの裏面をリンスすると同時に、返し部リンス用ノズル22から純水を返し部21に供給して返し部21をリンスするように構成されている。そのため、上記本発明による方法を用いて、所定の方法で育成した単結晶シリコンインゴットに対してウェーハ加工を施して得られたシリコンウェーハ(プレシリコンウェーハ)を洗浄することにより、パーティクルが低減されたシリコンウェーハを得ることができる。
【0057】
単結晶シリコンインゴットを育成する方法は、CZ法や、浮遊帯域溶融法(Floating Zone、FZ)法などとすることができる。
【実施例0058】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されない。
【0059】
(発明例1)
本発明による半導体ウェーハの洗浄装置1を用いて、シリコンウェーハの表裏面を洗浄した。その際、
図2に示した洗浄装置1において、返し部リンス用ノズル22が1本だけ設けられた洗浄装置1を用いた。発明例1に用いた洗浄装置1におけるノズルヘッドの上面図を
図4(a)に示す。
図4(a)に示すように、返し部リンス用ノズル22の反時計回り45度の位置にオゾン水(O
3W)を供給する第1の下部薬液供給用ノズル15aが設けられており、この第1の下部薬液供給用ノズル15aの反時計回り90度の位置にN
2ガスを供給するガス供給用ノズル23が設けられている。また、ガス供給用ノズル23から反時計回り90度の位置にHFを供給する第2の下部薬液供給用ノズル15bが設けられており、この第2の下部薬液供給用ノズル15bから反時計回り90度の位置に純水(DIW)を供給するウェーハ裏面リンス用ノズル16が配置されている。なお、返し部リンス用ノズル22は、返し部21の直下に設けられている。また、上記第1の下部薬液供給用ノズル15a、第2の下部薬液供給用ノズル15bおよびウェーハ裏面リンス用ノズル16の薬液/純水の噴射口の高さは全て同一であり、
図3(b)に示すように、ノズルヘッド14の凹部14aの斜面と同じ高さ位置に配置されており、凹部14aから突出していない。
【0060】
上記洗浄装置1を用いて、3枚のシリコンウェーハの表裏面を洗浄した。この洗浄に先立ち、各シリコンウェーハに対して、表面検査装置(KLA-Tencor社製、SP1)を用いてシリコンウェーハ裏面のパーティクルを輝点欠陥(Light Point Defect、LPD)として検出し、サイズが0.2μm以上のLPDの個数を予め調べた。
【0061】
各シリコンウェーハの洗浄は、具体的には以下のように行った。まず、洗浄工程において、シリコンウェーハを500rpmで回転させるとともに、第1の下部薬液供給用ノズル15aおよび上部薬液供給用ノズル17からのO3Wの供給と、第2の下部薬液供給用ノズル15bおよび上部薬液供給用ノズル17からのHFの供給とを交互に繰り返し行った。次いで、リンス工程において、シリコンウェーハの回転数を500rpmに維持した状態で第2の下部薬液供給用ノズル15bおよび上部薬液供給用ノズル17からのHFの供給を停止した後、ウェーハ裏面リンス用ノズル16およびウェーハ表面リンス用ノズル18からDIWをシリコンウェーハの表裏面に向かって供給するとともに、返し部リンス用ノズル22からDIWを返し部21に向かって供給して返し部21をリンスした。その後、乾燥工程において、ウェーハ裏面リンス用ノズル16およびウェーハ表面リンス用ノズル18からのDIWの供給および返し部リンス用ノズル22からのDIWの供給を停止し、シリコンウェーハを1500rpmで高速回転させるとともに、ガス供給用ノズル23からN2ガスを供給して、シリコンウェーハを乾燥させた。
【0062】
洗浄後の各シリコンウェーハについて、洗浄前と同様に、シリコンウェーハ裏面のパーティクルをLPDとして検出し、サイズが0.2μm以上のLPDの個数を調べ、洗浄後のパーティクルの増加量を求めた。
【0063】
(発明例2)
発明例1と同様に、シリコンウェーハの表裏面を洗浄した。ただし、洗浄装置1として、
図4(b)に示すように、ノズルヘッド14の凹部14aに2本の返し部リンス用ノズル22が設けられたものを用いた。なお、第1の返し部リンス用ノズル22aは返し部21の直下に設け、第2の返し部リンス用ノズル22bは、第1の返し部リンス用ノズル22aよりも径方向内側に0.7mmの位置、かつ第1の返し部リンス用ノズル22aよりも1mm高い位置に設けた。その他の条件は、発明例1と全て同じである。発明例1と同様に、洗浄後のシリコンウェーハ裏面のパーティクルの個数を調べ、洗浄後のパーティクルの増加量を求めた。
【0064】
(比較例)
発明例1と同様に、シリコンウェーハの表裏面を洗浄した。ただし、洗浄装置としては、
図1に示すように、返し部リンス用ノズルが設けられていないものを用いた。その他の条件は、発明例1と全て同じである。発明例1と同様に、洗浄後のシリコンウェーハ裏面のパーティクルの個数を調べ、洗浄後のパーティクルの増加量を求めた。
【0065】
<洗浄後のパーティクルの増加量>
まず、比較例のシリコンウェーハについては、パーティクル(LPD)の個数は、洗浄後に10~40個増加した。これに対して、発明例1のシリコンウェーハについては、LPDの個数は、洗浄後に2~3個増加したに留まった。そして、発明例2のシリコンウェーハについては、LPDの個数は洗浄後に変化しなかった。このように、本発明により、シリコンウェーハ裏面におけるパーティクルの発生を抑制できることが分かる。
【0066】
<ノズルヘッド凹部の洗浄効果>
図5は、発明例1および発明例2について、ノズルヘッド14の凹部14aの洗浄効果を説明する図であり、(a)は発明例1、(b)は発明例2についてそれぞれ示している。
図5(a)に示すように、返し部リンス用ノズル22が1本設けられた発明例1については、純水は凹部14a上を均一に流れないことが分かる。これに対して、
図5(b)に示すように、返し部リンス用ノズル22が2本設けられた発明例2については、純水は、発明例1よりも凹部14a上を均一に流れていることが分かる。よって、発明例2の方が、発明例1よりもノズルヘッド14の凹部14aをより良好に洗浄できると考えられる。