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特開2022-179374ピリミジン化合物、有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子
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  • 特開-ピリミジン化合物、有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子 図1
  • 特開-ピリミジン化合物、有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179374
(43)【公開日】2022-12-02
(54)【発明の名称】ピリミジン化合物、有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/10 20060101AFI20221125BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20221125BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20221125BHJP
【FI】
C07D401/10 CSP
H05B33/14 A
H05B33/22 B
C07D401/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022076828
(22)【出願日】2022-05-09
(31)【優先権主張番号】P 2021084236
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】内田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】野村 桂甫
(72)【発明者】
【氏名】上原 史成
【テーマコード(参考)】
3K107
4C063
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107CC03
3K107CC12
3K107DD74
3K107DD78
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB06
4C063CC29
4C063DD12
4C063EE10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】駆動電圧を低減し、電流効率を向上し得る有機電界発光素子の作製に資する、新規なピリミジン化合物および、そのピリミジン化合物を含む有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子を提供すること。
【解決手段】式(1)で示される特定の構造のピリミジン化合物、該ピリミジン化合物を含む有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子。

【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で表されるピリミジン化合物:
【化1】
式中、
及びXは、いずれか一方が窒素原子であり、他方はC-Hである;
Ar及びArは、各々独立に、
フェニル基、ビフェニリル基、又は、ナフチル基を表す;
Ar及びArは、各々独立に、
炭素数6~20のアリール基、又は、
炭素数4~20のヘテロアリール基を表す;
及びLは、各々独立に、
直接結合、フェニレン、ピリジレン、又は、ナフチレンを表す;
環Aは、
フェニル基、ピリジル基、ナフチル基、炭素数1~10のアルキル基、及びCN基からなる群よりなる1つ以上の置換基を有していてもよいピリジンであり、かつ、
Ar及びLは、各々ピリジン環の隣接する2つの炭素原子と結合している;
nは1又は2である;
nが2のとき、2つのLは互いに同一又は相異なっていてもよい。
【請求項2】
ArとArが同一である請求項1に記載のピリミジン化合物。
【請求項3】
Ar及びArの少なくとも一方が4-ビフェニリル基である請求項1に記載のピリミジン化合物。
【請求項4】
式(E1)~(E10)で表される、請求項1に記載のピリミジン化合物。
【化2】
【請求項5】
陽極と、
陰極と、
少なくとも発光層を含む1以上の有機薄膜層と、を備え、
前記有機薄膜層の少なくとも1層が、請求項1~4のいずれか1項に記載のピリミジン化合物を含有する有機電界発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピリミジン化合物、ピリミジン化合物を含む有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光素子は、小型モバイル用途を中心に実用化が始まっている。しかしながら、更なる用途拡大には性能向上が必須であり、高電流効率、低駆動電圧、高い発光効率特性、長寿命特性を有する材料が求められている。特許文献1、2は、有機電界発光素子用の材料である、ピリミジン化合物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許2017/0093023号公報
【特許文献2】韓国公開特許2017/0113397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1~2にかかるピリミジン化合物は駆動電圧特性を十分に満たしているとはいえない。
【0005】
そこで、本発明の一態様は、新たなピリミジン化合物であって、駆動電圧を低減し、電流効率を向上し得る有機電界発光素子の形成に資する、新たなピリミジン化合物を提供することに向けられている。
【0006】
さらに、本発明のさらに他の態様は、駆動電圧が低減され、電流効率を向上した有機電界発光素子を提供することに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、下記のものである。
1.式(1)で表されるピリミジン化合物:
【0008】
【化1】
【0009】
式中、
及びXは、いずれか一方が窒素原子であり、他方はC-Hである;
Ar及びArは、各々独立に、
フェニル基、ビフェニリル基、又は、ナフチル基を表す;
Ar及びArは、各々独立に、
炭素数6~20のアリール基、又は、
炭素数4~20のヘテロアリール基を表す;
及びLは、各々独立に、
直接結合、フェニレン、ピリジレン、又は、ナフチレンを表す;
環Aは、
フェニル基、ピリジル基、ナフチル基、炭素数1~10のアルキル基、及びCN基からなる群よりなる1つ以上の置換基を有していてもよいピリジンであり、かつ、
Ar及びLは、各々ピリジン環の隣接する2つの炭素原子と結合している;
nは1又は2である;
nが2のとき、2つのLは互いに同一又は相異なっていてもよい。
2.ArとArが同一である1.に記載のピリミジン化合物。
3.Ar及びArの少なくとも一方が4-ビフェニリル基である1.または2.に記載のピリミジン化合物。
4.式(E1)~(E10)で表される、1.~3.のいずれかに記載のピリミジン化合物。
【0010】
【化2】
【0011】
5.陽極と、
陰極と、
少なくとも発光層を含む1以上の有機薄膜層と、を備え、
前記有機薄膜層の少なくとも1層が、1.~4.のいずれかに記載のピリミジン化合物を含有する有機電界発光素子
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、駆動電圧を低減し、電流効率を向上し得る有機電界発光素子の形成に資する、新たなピリミジン化合物を提供することができる。
【0013】
また、本発明の他の態様によれば、上記ピリミジン化合物を含む有機電界発光素子用材料、および有機電界発光素子用電子輸送材料を提供することができる。さらに、本発明のさらに他の態様によれば、駆動電圧が低減された有機電界発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の一態様にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。
図2】本開示の一態様にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の他の積層構成の例(素子実施例-1の構成)を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の各態様について詳細に説明する。
【0016】
本発明の一態様にかかるピリミジン化合物は、式(1)で表されるピリミジン化合物である。
【0017】
【化3】
【0018】
式中、
及びXは、いずれか一方が窒素原子であり、他方はC-Hである;
Ar及びArは、各々独立に、
フェニル基、ビフェニリル基、又は、ナフチル基を表す;
Ar及びArは、各々独立に、
炭素数6~20のアリール基、又は、
炭素数4~20のヘテロアリール基を表す;
及びLは、各々独立に、
直接結合、フェニレン、ピリジレン、又は、ナフチレンを表す;
環Aは、
フェニル基、ピリジル基、ナフチル基、炭素数1~10のアルキル基、及びCN基からなる群よりなる1つ以上の置換基を有していてもよいピリジンであり、かつ、
Ar及びLは、各々ピリジン環の隣接する2つの炭素原子と結合している;
nは1又は2である;
nが2のとき、2つのLは互いに同一又は相異なっていてもよい。
[Ar及びArについて]
Ar及びArは、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基、又は、ナフチル基である。
【0019】
Ar及びArは、ビフェニリル基、ナフチル基であることが好ましく、さらに、4-ビフェニリル基であることが好ましい。
【0020】
ArとArは同一であることが好ましい。
[Ar及びArについて]
Ar及びArは、各々独立に、炭素数6~20のアリール基、または炭素数4~20のヘテロアリール基である。
【0021】
炭素数6~20のアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントニル基、ピレニル基、ピラニル基、フルオレニル基、ジメチルフルオレニル基、トリフェニレニル基、フルオランテニル基、クリセニル基などが挙げられる。
【0022】
炭素数4~20のヘテロアリール基の具体例としては、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、キノリル基、イソキノリル基、ナジチリジニル基、アクリジニル基などが挙げられる。
【0023】
Ar及びArは、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、又は、ピリジル基が好ましい。
[環Aについて]
環Aは、
フェニル基、ピリジル基、ナフチル基、炭素数1~10のアルキル基、及びCN基からなる群よりなる1つ以上の置換基を有していてもよいピリジンであり、かつ、
Ar及びLは、各々ピリジン環の隣接する2つの炭素原子と結合している。
【0024】
環Aは具体的には、式(A-1)及び(A-2)で表される。
【0025】
【化4】
【0026】
式(A-1)及び(A-2)中、破線は各々独立に、Ar又はLが置換されている位置を示す。ピリジン環はAr及びLの他に、フェニル基、ピリジル基、ナフチル基、炭素数1~10のアルキル基、及びCN基からなる群より選択される1つ以上の基で置換されていてもよい。これらのうち、フェニル基、ピリジル基、ナフチル基、炭素数1~5のアルキル基及びCN基が好ましく、フェニル基、ピリジル基、ナフチル基及び炭素数1~5のアルキル基がより好ましく、フェニル基、ピリジル基、ナフチル基及びメチル基が更に好ましく、フェニル基、ピリジル基、メチル基が特に好ましい。
[L及びLについて]
及びLは、各々独立に、直接結合、フェニレン、ピリジレン、ナフチレンを表す。L及びLは、各々独立に、直接結合、フェニレン、ピリジレンであることが好ましい。
[X及びXについて]
及びXは、いずれか一方が窒素原子であり、他方はC-Hである。
【0027】
以下、ピリミジン化合物の具体的な例を示す。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
【化19】
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】
【化22】
【0046】
【化23】
【0047】
【化24】
【0048】
【化25】
【0049】
【化26】
【0050】
【化27】
【0051】
【化28】
【0052】
【化29】
【0053】
【化30】
【0054】
【化31】
【0055】
【化32】
【0056】
【化33】
【0057】
【化34】
【0058】
【化35】
【0059】
【化36】
【0060】
【化37】
【0061】
【化38】
【0062】
【化39】
【0063】
【化40】
【0064】
【化41】
【0065】
【化42】
【0066】
【化43】
【0067】
また駆動電圧低減の点から、以下に示す構造のものが好ましい。
【0068】
【化44】
【0069】
ピリミジン化合物は、例えば、有機電界発光素子や光電素子等の有機電子素子用途に用いることができる。
<有機電界発光素子用材料>
本発明の一態様にかかる有機電界発光素子用材料は、上記ピリミジン化合物を含有する。ピリミジン化合物は、例えば、有機電界発光素子用電子輸送材料として用いることができる。
【0070】
本発明の一態様に係るピリミジン化合物が、例えば有機電界発光素子用電子輸送材料として、低い駆動電圧を示す構造的な理由は、以下に挙げるものであると推測される。
<低い駆動電圧を示す構造的な理由>
トリアジン環は、電子陰性度の高い窒素原子を環構成に3個組み込み、環自体の電子親和力を高くすることで、高い電子輸送性を有する。また、トリアジン化合物の分子内にピリジン環を有することで陰極からの電子注入性を高める試みがなされている。
【0071】
しかしながら、トリアジン環の高い電子親和力は一般的に広く用いられている発光層や正孔阻止層への電子注入を阻害し得る。また、ピリジン環は分子の電子親和力をさらに高くするため発光層や正孔阻止層への電子注入を阻害し得る。
【0072】
一方、ピリミジン環は、トリアジン環と同様に窒素原子を複数個含むが、その数がトリアジン環と比べて少なく、電子親和力が低いため、発光層または正孔阻止層への電子注入が促進される。また、本態様に係るピリミジン化合物は、ピリジン環の隣接する炭素上にArおよびLが結合していることで、ピリジン環と隣接する芳香環の二面角を大きくし、分子の電子親和力が高くなることを抑制している。これにより電子親和力を低く保ったまま陰極からの電子注入性を高めることを可能としている。この促進された電子注入により高い電流効率を示すことができる。
【0073】
一方、ピリミジン環はトリアジン環と異なり、それ自体が大きな双極子モーメントを有する。有機薄膜において、有機分子が双極子モーメントを有する場合、有機分子が自発的に配向し結晶構造に似た秩序性を有する膜になることが知られている。結晶性の高い膜は膜中に欠陥を生じ、電荷輸送の障害になるため、有機電界発光素子に用いられる有機膜においては高いアモルファス性が求められることが一般的に知られている。
【0074】
また、有機分子同士が自発配向することによって、昇華温度が高くなる。このことは有機電界発光素子作製時の熱分解を促進させ、ひいては分解物の混入による有機電界発光素子の耐久性低下に影響する。
【0075】
すなわち、ピリミジン環を有する化合物は、発光層または正孔阻止層への電子注入性を促進させうるが、膜中の電子輸送が抑制されてしまうという課題を有する。
【0076】
それに対して、本発明の一態様であるピリミジン化合物は、式(1)中のArと環Aが高い立体障害を形成するため、分子の自発配向を抑制し、高いアモルファス性を有することが可能である。したがって、本発明の一態様であるピリミジン化合物は、正孔阻止層への電子注入性を促進しつつ、膜中の電子輸送も抑制されないため、駆動電圧を低減させることが可能である。
【0077】
また、本発明の一態様であるピリミジン化合物は、昇華温度の低下にも寄与するため、材料の熱分解の抑制、有機電界発光素子の耐久性低下の抑制にも寄与することが可能である。
【0078】
【化45】
【0079】
<有機電界発光素子>
以下、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子(以下、単に有機電界発光素子と称することがある)について説明する。
【0080】
本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、ピリミジン化合物を含有する。
【0081】
有機電界発光素子の構成については特に限定されるものではないが、例えば、以下に示す(i)~(vi)の構成が挙げられる。
【0082】
(i):陽極/発光層/陰極
(ii):陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(iii):陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iv):陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(v):陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(vi):陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
ピリミジン化合物は、上記のいずれの層に含まれていてもよいが、有機電界発光素子の発光特性に優れる点で、発光層および該発光層と陰極との間の層からなる群より選ばれる1層以上に含まれることが好ましい。したがって、上記(i)~(vi)に示された構成の場合、ピリミジン化合物が、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、および電子注入層からなる群より選ばれる1層以上に含まれることが好ましい。
【0083】
以下、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子を、上記(v)の構成を例に挙げて、図1を参照しながらより詳細に説明する。
【0084】
なお、図1に示す有機電界発光素子は、いわゆるボトムエミッション型の素子構成を有するものであるが、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子はボトムエミッション型の素子構成に限定されるものではない。すなわち、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、トップエミッション型など、他の公知の素子構成であってもよい。
【0085】
図1は、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。
【0086】
有機電界発光素子100は、基板1、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7、および陰極8をこの順で備える。ただし、これらの層のうちの一部の層が省略されていてもよく、また逆に他の層が追加されていてもよい。例えば、発光層5と電子輸送層6との間に正孔阻止層が設けられていてもよく、正孔注入層3が省略され、陽極2上に正孔輸送層4が直接設けられていてもよい。
【0087】
また、例えば電子注入層の機能と電子輸送層の機能とを単一の層で併せ持つ電子注入・輸送層のような、複数の層が有する機能を併せ持った単一の層を、当該複数の層の代わりに備えた構成であってもよい。さらに、例えば単層の正孔輸送層4、単層の電子輸送層6が、それぞれ複数層からなっていてもよい。
<ピリミジン化合物を含有する層>
図1に示される構成例において有機電界発光素子100は、発光層5、電子輸送層6および電子注入層7からなる群より選ばれる1層以上に上記ピリミジン化合物を含む。特に、電子輸送層6がピリミジン化合物を含むことが好ましい。なお、ピリミジン化合物は、有機電界発光素子が備える複数の層に含まれていてもよい。
【0088】
以下においては、電子輸送層6がピリミジン化合物を含む有機電界発光素子100について説明する。
[基板1]
基板1としては特に限定はなく、通常の有機電界発光素子に使用できる基板を使用することができる。例えばガラス板、石英板、プラスチック板などが挙げられる。
[陽極2]
基板1上(正孔注入層3側)には陽極2が設けられている。
【0089】
陽極の材料としては、通常の有機電界発光素子に使用できる化合物を使用することができる。例えば仕事関数の大きい(例えば4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物が挙げられる。陽極の材料の具体例としては、Auなどの金属;CuI、酸化インジウム-スズ(ITO;Indium Tin Oxide)、SnO、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。
[正孔注入層3、正孔輸送層4]
陽極2と後述する発光層5との間には、陽極2側から、正孔注入層3、正孔輸送層4がこの順で設けられている。
【0090】
正孔注入層、正孔輸送層の材料としては、正孔注入性、正孔輸送性、電子障壁性の少なくともいずれかを有するものである。正孔注入層、正孔輸送層の材料は、有機物、無機物のいずれであってもよく、通常の有機電界発光素子に使用できる化合物を使用することができる。
【0091】
正孔注入層、正孔輸送層は、一種または二種以上の材料からなる単構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
【0092】
正孔輸送層4は、2層以上の積層構造であってもよく、陽極2側から、第一正孔輸送層41、第二正孔輸送層42の順で設けられ、この第二正孔輸送層42は上記(vi)の構成における電子阻止層として使用することができる。
[発光層5]
正孔輸送層4と後述する電子輸送層6との間には、発光層5が設けられている。
【0093】
発光層の材料としては、通常の有機電界発光素子に使用できる発光材料を使用することができる。例えば燐光発光材料、蛍光発光材料、熱活性化遅延蛍光発光材料が挙げられる。
【0094】
発光層は、単一の低分子材料または単一のポリマー材料からなっていてもよいが、より一般的には、ゲスト化合物でドーピングされたホスト材料からなっている。発光は主としてドーパントから生じ、任意の色を有することができる。
【0095】
また、発光材料は発光層のみに含有されることに限定されるものではない。例えば、発光材料は、発光層に隣接した層(正孔輸送層4、または電子輸送層6)が含有していてもよい。これによってさらに有機電界発光素子の発光効率を高めることができる。
【0096】
発光層は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[電子輸送層6]
発光層5と後述する電子注入層7との間には、電子輸送層6が設けられている。
【0097】
電子輸送層は、ピリミジン化合物を含むことが好ましい。また、電子輸送層は、ピリミジン化合物に加えてさらに従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を含んでいてもよい。
【0098】
なお、ピリミジン化合物が電子輸送層に含まれず、他の層に含まれる場合は、従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を、電子輸送層を構成する電子輸送材料として用いることができる。
【0099】
従来公知の電子輸送性材料としては、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体等が挙げられる。アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体としては、例えば、8-ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2-メチル-8-キノリナート)クロロガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)(o-クレゾラート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)-1-ナフトラートアルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)-2-ナフトラートガリウム等が挙げられる。
【0100】
電子輸送層は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
【0101】
本態様にかかる有機電界発光素子においては、電子注入性を向上させ、素子特性(例えば、発光効率、低電圧駆動、または高耐久性)を向上させる目的で、電子注入層を設けてもよい。
【0102】
電子輸送層6は、2層以上の積層構造であってもよく、発光層5側から、第一電子輸送層61、第二電子輸送層62の順で設けられ、この第一電子輸送層61は上記(vi)の構成における正孔阻止層として使用することができる。
【0103】
本発明の一態様にかかるピリミジン化合物は第一電子輸送層及び第二電子輸送層の両方、またはいずれか一方に使用することができる。
[電子注入層7]
電子輸送層6と後述する陰極8との間には、電子注入層7が設けられている。
【0104】
電子注入層の材料としては、通常の有機電界発光素子に使用できる化合物を使用することができる。例えば、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等の有機化合物が挙げられる。
【0105】
また、電子注入層の材料としては、SiO、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、TaN、LiF、C、Ybなどの各種酸化物、フッ化物、窒化物、酸化窒化物等の無機化合物も挙げられる。本発明のピリミジン化合物を使用することもできる。
[陰極8]
電子注入層7上には陰極8が設けられている。
【0106】
陰極の材料としては、通常の有機電界発光素子に使用できる化合物を使用することができる。例えば、仕事関数の小さい金属(以下、電子注入性金属とも称する)、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物が挙げられる。ここで、仕事関数の小さい金属とは、例えば、4eV以下の金属である。
【0107】
電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物などが好ましい。
[各層の形成方法]
以上説明した、電極(陽極、陰極)を除く各層は、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett method)法などの公知の方法によって薄膜化することにより、形成することができる。各層の材料は、それ単独で用いてもよく、必要に応じて結着樹脂などの材料、溶剤と共に用いてもよい。
【0108】
このようにして形成された各層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm~5μmの範囲である。
【0109】
陽極および陰極は、電極材料を蒸着やスパッタリングなどの方法によって薄膜化することにより、形成することができる。蒸着やスパッタリングの際に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよく、蒸着やスパッタリングなどによって薄膜を形成した後、フォトリソグラフィーで所望の形状のパターンを形成してもよい。
【0110】
陽極および陰極の膜厚は、1μm以下であることが好ましく、10nm以上200nm以下であることがより好ましい。
【0111】
なお、ピリミジン化合物を含む層を形成するは、上記の従来公知の電子輸送性材料と併用してもよい。したがって、例えば、ピリミジン化合物と従来公知の電子輸送性材料とを共蒸着してもよく、ピリミジン化合物の層に従来公知の電子輸送性材料の層を積層してもよい。
【0112】
有機電界発光素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像をスクリーン等に投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。
【0113】
動画再生用の表示装置として有機電界発光素を使用する場合、駆動方式としては、単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式であってもよく、アクティブマトリクス方式であってもよい。また、異なる発光色を有する有機電界発光素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。
【実施例0114】
以下、本開示を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例により何ら限定して解釈されるものではない。
【0115】
H-NMRスペクトルの測定は、Gemini200(バリアン社製)またはBruker ASCEND 400(400MHz;BRUKER製)を用いて行った。
【0116】
有機電界発光素子の発光特性は、室温下、作製した素子に直流電流を印加し、輝度計(製品名:BM-9,トプコンテクノハウス社製)を用いて評価した。
合成実施例-1(E1の合成)
【0117】
【化46】
【0118】
アルゴン雰囲気下、2-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-4,6-ビス(4-ビフェニリル)ピリミジン(5.74g、10mmol)、フェニルボロン酸(1.34g、11mmol)、2M-リン酸カリウム水溶液(16.5mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(231mg,0.2mmol)をTHF(200mL)に懸濁し、27時間還流した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。濃縮したろ液をメタノールに添加することで固体を析出させ、これをろ取することで目的の4,6-ビス(4-ビフェニリル)-2-(5-クロロビフェニル-3-イル)-ピリミジンを得た(収量5.11g、収率90%)
アルゴン雰囲気下、4,6-ビス(4-ビフェニリル)-2-(5-クロロビフェニル-3-イル)-ピリミジン(2.0g,3.5mmol)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-フェニルピリジン(1.18g,4.2mmol)、2M-リン酸カリウム水溶液(6.3mL)、酢酸パラジウム(15.7mg,0.07mmol)および2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(XPhos,67mg,0.14mmol)をTHF(35mL)に懸濁し、17時間還流した。放冷後、反応混合物に水を加えて固体をろ取し、水およびメタノールで洗浄することで2-[5-(2-フェニルピリジン-3-イル)-ビフェニル-3-イル]-4,6-ビス(4-ビフェニリル)ピリミジン(E1)を得た(収量2.38g,収率99%)。
H-NMR(400MHz,CDCl):δ8.88(s,1H),8.77(dd,J=4.8,1.7Hz,1H),8.69(s,1H),8.36(d,J=8.5Hz,4H),8.12(s,1H),8.00(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.82(d,J=8.5Hz,4H),7.70-7.72(m,4H),7.30-7.55(m,18H).
合成実施例-2(E2の合成)
【0119】
【化47】
【0120】
アルゴン雰囲気下、4-(3-ブロモ-5-クロロフェニル)-2-(4-ブロモフェニル)-6-(4-ビフェニリル)ピリミジン(2.0g、3.47mmol)、フェニルボロン酸(0.93g、7.63mmol)、2M-リン酸カリウム水溶液(10.4mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(80mg,0.069mmol)をTHF(35mL)に懸濁し、19時間還流した。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。濃縮したろ液をメタノールに添加することで固体を析出させ、これをろ取することで目的の2,4-ビス(4-ビフェニリル)-4-(5-クロロビフェニル-3-イル)-ピリミジンを得た(収量1.91g、収率96%)
アルゴン雰囲気下、2,4-ビス(4-ビフェニリル)-4-(5-クロロビフェニル-3-イル)-ピリミジン(1.81g,3.17mmol)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2-フェニルピリジン(0.982g,3.49mmol)、2M-リン酸カリウム水溶液(4.8mL)、酢酸パラジウム(14mg,0.063mmol)および2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(XPhos,61mg,0.127mmol)をTHF(32mL)に懸濁し、15時間還流した。放冷後、反応混合物に水を加えて固体をろ取し、水およびメタノールで洗浄することで2-[5-(2-フェニルピリジン-3-イル)-ビフェニル-3-イル]-4,6-ビス(4-ビフェニリル)ピリミジン(E2)を得た(収量3.18g,収率92%)。
H-NMR(400MHz,CDCl):δ8.78(d,J=4.7Hz,1H),8.76(d,J=8.8Hz,2H),8.41(s,1H),8.36(d,J=8.6Hz,2H),8.04(s,1H),7.98(d,J=7.7Hz,1H),7.82(d,J=8.6Hz,2H),7.79(d,J=8.6Hz,2H),7.78(s,1H),7.61(s.1H),7.35-7.54(m,17H).
合成実施例-3(E9の合成)
【0121】
【化48】
【0122】
アルゴン雰囲気下、2-クロロ-4,6-ビス(4-ビフェニリル)ピリミジン(1.40g、3.3mmol)、(5,5-ジメチル-1,3,2-ジオキサボリナン-2-イル)-3,5-ビス(2-フェニルピリジン-3-イル)ベンゼン(1.99g、4.0mmol)、2M-リン酸カリウム水溶液(5.0mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(77.2mg,0.067mmol)をTHF(17mL)に懸濁し、5時間還流した。反応混合物に水およびメタノールを加えたのちにろ過し、ろ取物を水及びメタノールで洗浄した。得られた固体をトルエンで再結晶することで、目的の4,6-ビス(4-ビフェニリル)-2-[3,5-ビス(2-フェニルピリジン-3-イル)フェニル]-ピリミジン(E9)を得た(収量2.05g、収率80%)。
H-NMR(400MHz,CDCl):δ8.73(d,J=4.7H,2H),8.47(s,2H),8.23(d,J=8.5Hz,4H),8.05(s,1H),7.79(d,J=8.5Hz,4H),7.69-7.72(m,4H),7.61(d,J=7.7Hz,2H),7.40-7.53(m,10H),7.27-7.37(m,8H),7.21(s,1H).
合成実施例-4(E10の合成)
【0123】
【化49】
【0124】
アルゴン雰囲気下、4,6-ビス(4-ビフェニリル)-2-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-5-クロロビフェニル-3-イル]-ピリミジン(2.00g、3.0mmol)、3-クロロ-5-メチル-2-フェニルピリジン(0.74g、3.6mmol)、2M-リン酸カリウム水溶液(4.5mL)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジクロライド(44.6mg,0.06mmol)をTHF(30mL)に懸濁し、2時間還流した。反応混合物に水およびメタノールを加えたのちにろ過し、ろ取物を水及びメタノールで洗浄した。得られた固体をトルエンで再結晶することで、目的の2-[5-(5-メチル-2-フェニルピリジン-3-イル)-ビフェニル-3-イル]-4,6-ビス(4-ビフェニリル)ピリミジン(E10)を得た(収量1.25g、収率59%)
H-NMR(400MHz,CDCl):δ8.82(s,1H),8.66(s,1H),8.60(d,J=2.1Hz,1H),8.36(d,J=6.7Hz,4H),8.12(s,1H),7.82(d,J=8.5Hz,4H),7.80(d,J=2.1Hz,1H),7.69-7.72(m,4H),7.27-7.53(m,17H),2.50(s,3H).

また、下記実験例で使用した環状アジン化合物については、前記合成実施例で示される製造法と同様の手段により合成した。
【0125】
【化50】
【0126】
有機電界発光素子の作製と性能評価に用いる化合物の構造式及びその略称を以下に示した。
【0127】
【化51】
【0128】
素子実施例-1(以下の有機電界発光素子の積層構成については、図2を参照されたい。)
(基板101、陽極102の用意)
陽極をその表面に備えた基板として、2mm幅の酸化インジウム-スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用意した。ついで、この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。
(真空蒸着の準備)
洗浄後の表面処理が施された基板上に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、各層を積層形成した。
【0129】
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し、1.0×10-4Paまで減圧した。そして、以下の順で、各層の成膜条件に従ってそれぞれ作製した。
(正孔注入層103の作製)
昇華精製したHTL-1とNDP-9を0.15nm/秒の速度で10nm成膜し、正孔注入層103を作製した。
(第一正孔輸送層1051の作製)
昇華精製したHTLを0.15nm/秒の速度で85nm成膜し、第一正孔輸送層1051を作製した。
(第二正孔輸送層1052の作製)
昇華精製したEBL-1を0.15nm/秒の速度で5nm成膜し、第二正孔輸送層1052を作製した。
(発光層106の作製)
昇華精製したBH-1とBD-1とを95:5(質量比)の割合で20nm成膜し、発光層106を作製した。成膜速度は0.18nm/秒であった。
(第一電子輸送層1071の作製)
昇華精製したHBL-1を0.05nm/秒の速度で6nm成膜し、第一電子輸送層1071を作製した。
(第二電子輸送層1072の作製)
化合物E1およびLiqを50:50(質量比)の割合で25nm成膜し、第二電子輸送層1072を作製した。成膜速度は0.15nm/秒であった。
(陰極108の作製)
最後に、基板上のITOストライプと直交するようにメタルマスクを配し、陰極108を成膜した。陰極はイッテルビウム、銀/マグネシウム(質量比9/1)と銀とを、この順番で、それぞれ2nm、12nmと90nmとで成膜し、3層構造とした。イッテルビウムの成膜速度は0.02nm/秒、銀/マグネシウムの成膜速度は0.5nm/秒、銀の成膜速度は成膜速度0.2nm/秒であった。
【0130】
以上により、図2に示すような発光面積4mm有機電界発光素子100を作製した。なお、それぞれの膜厚は、触針式膜厚測定計(DEKTAK、Bruker社製)で測定した。
【0131】
さらに、この素子を酸素および水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、ガラス製の封止キャップと成膜基板(素子)とを、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いて行った。
【0132】
上記のようにして作製した有機電界発光素子に直流電流を印加し、電流密度10mA/cmを流した時の駆動電圧(V)、電流効率を測定した。なお、駆動電圧及び電流効率は、後述の素子比較例-1における結果を基準値(100)とした相対値である。得られた測定結果を表1に示す。
(素子実施例-2~10)
素子実施例-1において、化合物E1の代わりに化合物E2~E10をそれぞれ用いた以外は、素子実施例-1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表1に示す。
(素子比較例-1~3)
素子実施例-1において、化合物E1の代わりにETL-1~ETL-3をそれぞれ用いた以外は、素子実施例-1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表1に示す。
【0133】
【表1】


【符号の説明】
【0134】
100 有機電界発光素子
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 陰極
101 基板
102 陽極
103 正孔注入層
1051 第一正孔輸送層
1052 第二正孔輸送層
106 発光層
1071 第一電子輸送層
1072 第二電子輸送層
108 陰極
図1
図2