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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179927
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】サブファブエリア設置装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20221129BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20221129BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/205
H01L21/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086745
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(71)【出願人】
【識別番号】503164502
【氏名又は名称】荏原冷熱システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(72)【発明者】
【氏名】小博 基司
(72)【発明者】
【氏名】福住 幸大
(72)【発明者】
【氏名】坂内 伸隆
(72)【発明者】
【氏名】宮田 啓雅
(72)【発明者】
【氏名】花房 直也
(72)【発明者】
【氏名】田岡 健
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 一知
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
5F004BB25
5F004BB26
5F004BC02
5F045BB08
5F045EG01
5F045EG07
5F045EJ01
5F045EK10
(57)【要約】
【課題】サブファブエリア内の機器間での熱利用の連携の促進とともに機器導入時の配管接続の煩雑さを解消することができるサブファブエリア設置装置を提供する。
【解決手段】サブファブエリア設置装置5は、処理チャンバ2から処理ガスを排気するための真空ポンプ6と、処理チャンバ2で使用された第1循環液を冷却するための冷却ユニット7と、処理チャンバ2で使用された第2循環液を加熱するための加熱ユニット8と、冷却源15から供給される冷却液が流れる冷却液ライン12とを備える。冷却液ライン12は、冷却液を真空ポンプ6および冷却ユニット7にそれぞれ供給する分配ライン21と、真空ポンプ6および冷却ユニット7を通過した冷却液を合流して冷却源15へ戻す合流戻りライン22を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造装置に使用されるサブファブエリア設置装置であって、
前記半導体製造装置の処理チャンバから処理ガスを排気するための真空ポンプと、
前記処理チャンバで使用された第1循環液を冷却するための冷却ユニットと、
前記処理チャンバで使用された第2循環液を加熱するための加熱ユニットと、
冷却源から供給される冷却液が流れる冷却液ラインとを備え、
前記冷却ユニットは、冷媒が循環する第1ヒートポンプを含み、
前記加熱ユニットは、冷媒が循環する第2ヒートポンプを含み、
前記冷却液ラインは、
前記冷却液を前記真空ポンプおよび前記冷却ユニットにそれぞれ供給する分配ラインと、
前記真空ポンプおよび前記冷却ユニットを通過した前記冷却液を合流して冷却源へ戻す合流戻りラインを有している、サブファブエリア設置装置。
【請求項2】
前記冷却液ラインは、前記真空ポンプおよび前記冷却ユニットを通過した前記冷却液を前記加熱ユニットに供給する集合ラインをさらに有している、請求項1に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項3】
前記加熱ユニットを通過した前記冷却液と、前記第1ヒートポンプの凝縮器から蒸発器に流れる冷媒との間で熱交換を行う過冷却器をさらに備えている、請求項1または2に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項4】
前記第2循環液と、前記集合ラインを流れる前記冷却液との間で熱交換を行う循環液冷却器をさらに備えている、請求項2または3に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項5】
前記冷却液ラインは、前記循環液冷却器を通過した前記冷却液を、前記集合ラインに導く連絡ラインをさらに備えている、請求項4に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項6】
外部の熱源により加熱された冷却液を前記加熱ユニットに供給する外部供給ラインをさらに備えている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項7】
半導体製造装置に使用されるサブファブエリア設置装置であって、
前記半導体製造装置の処理チャンバから処理ガスを排気するための真空ポンプと、
前記処理チャンバで使用された第1循環液を冷却するための冷却ユニットと、
前記処理チャンバで使用された第2循環液を加熱するための加熱ユニットと、
冷却源から供給される冷却液が流れる冷却液ラインとを備え、
前記冷却ユニットは、冷媒が循環する第1ヒートポンプを含み、
前記加熱ユニットは、冷媒が循環する第2ヒートポンプを含み、
前記サブファブエリア設置装置は、前記第1ヒートポンプの蒸発器を通過した冷媒の一部を冷却媒体として前記真空ポンプに供給する冷媒供給ラインを備えている、サブファブエリア設置装置。
【請求項8】
前記冷却液ラインは、
前記冷却液を前記冷却ユニットに供給する上流側ラインと、
前記冷却ユニットを通過した前記冷却液を前記加熱ユニットに供給する下流側ラインを有している、請求項7に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項9】
前記加熱ユニットを通過した前記冷却液と、前記第1ヒートポンプの凝縮器から蒸発器に流れる冷媒との間で熱交換を行う過冷却器をさらに備えている、請求項7または8に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項10】
前記第2循環液と、前記冷却ユニットを通過した前記冷却液との間で熱交換を行う循環液冷却器をさらに備えている、請求項8または9に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項11】
前記冷却液ラインは、前記循環液冷却器を通過した前記冷却液を、前記下流側ラインに導く連絡ラインをさらに備えている、請求項10に記載のサブファブエリア設置装置。
【請求項12】
外部の熱源により加熱された冷却液を前記加熱ユニットに供給する外部供給ラインをさらに備えている、請求項7乃至11のいずれか一項に記載のサブファブエリア設置装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチング装置などの半導体製造装置に使用されるサブファブエリア設置装置に関し、特に半導体製造装置に使用される循環液を冷却および加熱するためのサブファブエリア設置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の1つであるドライエッチング工程では、クリーンルームに配置されたエッチング装置が使用される。エッチング装置の床下のサブファブエリアには、エッチングに使用される処理ガスを除害するための除害装置、処理ガスをエッチング室から排気するための真空ポンプ、エッチング室を流れる循環液を冷却するための冷却ユニット、エッチング室を流れる循環液を加熱するための加熱ユニットなどが配置される。加熱ユニットの加熱方式は、圧縮式冷凍機のホットガスで循環液を加熱する方式、電気ヒータで加熱する方式、またはホットガスとヒータの両方で加熱する方式などである。また、除害装置、真空ポンプ、冷却ユニット、加熱ユニットは、それぞれ冷却水で冷却する必要がある(ただし、電気ヒータ式の加熱ユニットは冷却水不要)。
【0003】
特許文献1には、エッチング装置の加熱源として半導体製造装置の縦型熱処理装置(半導体ウェハ熱処理装置)からの80℃の温冷却水を利用する排熱利用システムが開示されている。
特許文献2には、半導体製造設備における水処理設備の原水を浄化する樹脂塔、逆浸透膜装置の加熱源として、除害装置からの排熱をヒートポンプで吸熱し利用する排熱回収再利用システムが開示されている。
特許文献3には、真空ポンプに除害部を一体化させ、冷却水を共有化する方式が開示されている。
特許文献4には、複数台の排熱発生機器と排熱利用機器とを排熱搬送経路で接続した排熱利用システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2002/067301号
【特許文献2】特開2019-174050号公報
【特許文献3】特開2014-231822号公報
【特許文献4】特開2006-313048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エッチング装置の台数の増加にともなってこれらのサブファブエリア内の機器も増加する。これらの機器は機器間で熱の授受を行うことなく個別に運転されており、サブファブエリアの機器全体を見通しての最適化はなされていないため、機器の数が増える分だけ消費電力量は増加する。
【0006】
熱の有効利用方法としては、除害装置、ドライポンプ、冷却ユニットの冷却に使用された後の温度上昇した冷却水を使用してヒートポンプを駆動することが考えられる。しかし、各機器が個別に設計されたものである場合、これ以上の熱の有効利用の促進は困難である。また、機器の導入時には、機器間の配管接続も煩雑となる。
【0007】
そこで、本発明は、サブファブエリア内の機器間での熱利用の連携の促進とともに機器導入時の配管接続の煩雑さを解消することができるサブファブエリア設置装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、半導体製造装置に使用されるサブファブエリア設置装置であって、前記半導体製造装置の処理チャンバから処理ガスを排気するための真空ポンプと、前記処理チャンバで使用された第1循環液を冷却するための冷却ユニットと、前記処理チャンバで使用された第2循環液を加熱するための加熱ユニットと、冷却源から供給される冷却液が流れる冷却液ラインとを備え、前記冷却ユニットは、冷媒が循環する第1ヒートポンプを含み、前記加熱ユニットは、冷媒が循環する第2ヒートポンプを含み、前記冷却液ラインは、前記冷却液を前記真空ポンプおよび前記冷却ユニットにそれぞれ供給する分配ラインと、前記真空ポンプおよび前記冷却ユニットを通過した前記冷却液を合流して冷却源へ戻す合流戻りラインを有している、サブファブエリア設置装置が提供される。
【0009】
本発明によれば、真空ポンプと冷却ユニットは分配ラインおよび合流戻りラインによって連結されているので、真空ポンプと冷却ユニットについて個別に冷却液の供給ラインと排出ラインを設ける必要がない。したがって、配管部品のコストおよび現地での配管接続に伴う製造コストが削減でき、結果としてサブファブエリア設置装置の製造コストが低減できる。
【0010】
一態様では、前記冷却液ラインは、前記真空ポンプおよび前記冷却ユニットを通過した前記冷却液を前記加熱ユニットに供給する集合ラインをさらに有している。
本発明によれば、真空ポンプと冷却ユニットは分配ライン、合流戻りライン、および集合ラインによって連結されているので、真空ポンプと冷却ユニットについて個別に冷却液の供給ラインと排出ラインを設ける必要がない。したがって、配管部品のコストおよび現地での配管接続に伴う製造コストが削減でき、結果としてサブファブエリア設置装置の製造コストがさらに低減できる。
【0011】
一態様では、前記サブファブエリア設置装置は、前記加熱ユニットを通過した前記冷却液と、前記第1ヒートポンプの凝縮器から蒸発器に流れる冷媒との間で熱交換を行う過冷却器をさらに備えている。
本発明によれば、冷媒は冷却液によって過冷却されるので、冷却ユニットの冷却効率を向上させることができる。
一態様では、前記サブファブエリア設置装置は、前記第2循環液と、前記集合ラインを流れる前記冷却液との間で熱交換を行う循環液冷却器をさらに備えている。
本発明によれば、第2循環液は集合ラインを流れる冷却液によって冷却され、過剰に加熱された場合の第2循環液の温度を適切に調整することができる。
一態様では、前記冷却液ラインは、前記循環液冷却器を通過した前記冷却液を、前記集合ラインに導く連絡ラインをさらに備えている。
本発明によれば、循環液冷却器を通過した冷却液は、より高い温度を有しているので、集合ラインを通じて加熱ユニットに冷却液を導くことで、加熱ユニットの加熱効率を向上させることができる。
一態様では、前記サブファブエリア設置装置は、外部の熱源により加熱された冷却液を前記加熱ユニットに供給する外部供給ラインをさらに備えている。
本発明によれば、外部の熱源により加熱された冷却液は、より高い温度を有しているので、外部供給ラインを通じて加熱ユニットに冷却液を導くことで、加熱ユニットの加熱効率を向上させることができる。
【0012】
一態様では、半導体製造装置に使用されるサブファブエリア設置装置であって、前記半導体製造装置の処理チャンバから処理ガスを排気するための真空ポンプと、前記処理チャンバで使用された第1循環液を冷却するための冷却ユニットと、前記処理チャンバで使用された第2循環液を加熱するための加熱ユニットと、冷却源から供給される冷却液が流れる冷却液ラインとを備え、前記冷却ユニットは、冷媒が循環する第1ヒートポンプを含み、前記加熱ユニットは、冷媒が循環する第2ヒートポンプを含み、前記サブファブエリア設置装置は、前記第1ヒートポンプの蒸発器を通過した冷媒の一部を冷却媒体として前記真空ポンプに供給する冷媒供給ラインを備えている、サブファブエリア設置装置が提供される。
【0013】
本発明によれば、第1ヒートポンプの冷媒を用いて真空ポンプを冷却することができるので、冷却液を真空ポンプに導く必要がない。結果として、冷却液の配管を簡素化することができる。
【0014】
一態様では、前記冷却液ラインは、前記冷却液を前記冷却ユニットに供給する上流側ラインと、前記冷却ユニットを通過した前記冷却液を前記加熱ユニットに供給する下流側ラインを有している。
一態様では、前記サブファブエリア設置装置は、前記加熱ユニットを通過した前記冷却液と、前記第1ヒートポンプの凝縮器から蒸発器に流れる冷媒との間で熱交換を行う過冷却器をさらに備えている。
本発明によれば、冷媒は冷却液によって過冷却されるので、冷却ユニットの冷却効率を向上させることができる。
【0015】
一態様では、前記第2循環液と、前記冷却ユニットを通過した前記冷却液との間で熱交換を行う循環液冷却器をさらに備えている。
本発明によれば、第2循環液は冷却ユニットを通過した冷却液によって冷却され、過剰に加熱された場合の第2循環液の温度を適切に調整することができる。
【0016】
一態様では、前記冷却液ラインは、前記循環液冷却器を通過した前記冷却液を、前記下流側ラインに導く連絡ラインをさらに備えている。
本発明によれば、循環液冷却器を通過した冷却液は、より高い温度を有しているので、下流側ラインを通じて加熱ユニットに冷却液を導くことで、加熱ユニットの加熱効率を向上させることができる。
一態様では、前記サブファブエリア設置装置は、外部の熱源により加熱された冷却液を前記加熱ユニットに供給する外部供給ラインをさらに備えている。
本発明によれば、外部の熱源により加熱された冷却液は、より高い温度を有しているので、外部供給ラインを通じて加熱ユニットに冷却液を導くことで、加熱ユニットの加熱効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、配管部品のコストおよび現地での配管接続に伴う製造コストが削減でき、結果としてサブファブエリア設置装置の製造コストが低減できる。さらに、冷却ユニットの冷却効率を向上、加熱ユニットでの第2循環液の温度制御性を向上、加熱ユニットの加熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】半導体製造装置とサブファブエリア設置装置の一実施形態を示す模式図である。
図2】サブファブエリア設置装置の他の実施形態を示す模式図である。
図3】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
図4】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
図5】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
図6】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
図7】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
図8】サブファブエリア設置装置のさらに他の実施形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、半導体製造装置とサブファブエリア設置装置の一実施形態を示す模式図である。図1に示す実施形態の半導体製造装置1は、処理チャンバ2を備えたエッチング装置である。サブファブエリア設置装置5は、半導体製造装置1の床下のサブファブエリア内に配置されている。サブファブエリア設置装置5は、処理チャンバ2に連結されており、第1循環液と第2循環液は、処理チャンバ2とサブファブエリア設置装置5との間で循環する。
【0020】
サブファブエリア設置装置5は、処理チャンバ2から処理ガス(例えばエッチングガス)を排気するための真空ポンプ6と、処理チャンバ2で使用された第1循環液を冷却するための冷却ユニット7と、処理チャンバ2で使用された第2循環液を加熱するための加熱ユニット8と、冷却源15から供給される冷却液が流れる冷却液ライン12とを備えている。真空ポンプ6、冷却ユニット7、および加熱ユニット8は、処理チャンバ2に連結されている。
【0021】
サブファブエリア設置装置5は、電源ケーブル17に連結された分電盤18と、分電盤18に電気的に接続された配電ケーブル19をさらに備えている。分電盤18は、真空ポンプ6、冷却ユニット7、および加熱ユニット8に配電ケーブル19によって電気的に接続されている。電力は、図示しない電源から電源ケーブル17を通って分電盤18に送られ、さらに分電盤18から配電ケーブル19を通って真空ポンプ6、冷却ユニット7、および加熱ユニット8に供給される。配電ケーブル19は、予め真空ポンプ6、冷却ユニット7、および加熱ユニット8に接続されているので、サブファブエリア設置装置5の設置場所での電力線の設置が不要である。
【0022】
真空ポンプ6は、さらに除害装置10に連結されている。真空ポンプ6から排出された処理ガスは除害装置10に導かれ、除害装置10によって除害される。真空ポンプ6の吸気口は処理チャンバ2に連結され、真空ポンプ6の排気口は除害装置10に連結されている。真空ポンプ6のタイプは、特に限定されないが、使用される真空ポンプ6の例としては、容積式ドライ真空ポンプが挙げられる。除害装置10の例としては、湿式除害装置、触媒式除害装置、燃焼式除害装置、ヒータ式除害装置、プラズマ式除害装置などが挙げられる。
【0023】
冷却液は、半導体製造装置1が設置されている工場に設けられたチラーなどの冷却源15から冷却液ライン12を通じて真空ポンプ6および冷却ユニット7に供給される。冷却液ライン12は、冷却液を真空ポンプ6および冷却ユニット7にそれぞれ供給する分配ライン21と、真空ポンプ6および冷却ユニット7を通過した冷却液を合流して冷却源15へ戻す合流戻りライン22を有している。
【0024】
分配ライン21は、冷却液入口25から真空ポンプ6および冷却ユニット7まで延びている。より具体的には、分配ライン21は、冷却液入口25を有する主幹供給ライン21Aと、主幹供給ライン21Aから分岐する第1分岐ライン21Bおよび第2分岐ライン21Cを備えている。第1分岐ライン21Bの一端は主幹供給ライン21Aに連結され、他端は真空ポンプ6に連結されている。第2分岐ライン21Cの一端は主幹供給ライン21Aに連結され、他端は冷却ユニット7に連結されている。冷却液入口25は冷却源15に連通している。冷却源15から供給される冷却液は、冷却液入口25を通じて主幹供給ライン21Aに流入し、主幹供給ライン21Aを流れて第1分岐ライン21Bと第2分岐ライン21Cに分流する。冷却液は、さらに第1分岐ライン21Bを通って真空ポンプ6に供給され、真空ポンプ6を冷却し、第2分岐ライン21Cを通って冷却ユニット7に供給され、冷却ユニット7を冷却する。
【0025】
合流戻りライン22は、真空ポンプ6および冷却ユニット7から冷却液出口27まで延びている。より具体的には、合流戻りライン22は、真空ポンプ6に連結された第1戻りライン22Aと、冷却ユニット7に連結された第2戻りライン22Bと、第1戻りライン22Aおよび第2戻りライン22Bに連結された主幹戻りライン22Cとを備えている。主幹戻りライン22Cは冷却液出口27を有しており、この冷却液出口27は冷却源15に連通している。第1戻りライン22Aの一端は真空ポンプ6に連結され、他端は主幹戻りライン22Cに連結されている。第2戻りライン22Bの一端は冷却ユニット7に連結され、他端は主幹戻りライン22Cに連結されている。真空ポンプ6および冷却ユニット7を通過することによって加熱された冷却液は、第1戻りライン22Aおよび第2戻りライン22Bを流れて主幹戻りライン22C内で合流し、さらに主幹戻りライン22Cを流れて冷却源15に戻る。
【0026】
このように、本実施形態によれば、真空ポンプ6と冷却ユニット7は分配ライン21および合流戻りライン22によって連結されているので、真空ポンプ6と冷却ユニット7について個別に冷却液の供給ラインと排出ラインを設ける必要がない。したがって、配管部品のコストおよび現地での配管接続に伴う製造コストが削減でき、結果としてサブファブエリア設置装置の製造コストが低減できる。
【0027】
冷却液ライン12は、真空ポンプ6および冷却ユニット7を通過した冷却液を加熱ユニット8に供給する集合ライン30をさらに有している。集合ライン30は、真空ポンプ6および冷却ユニット7から加熱ユニット8まで延びている。より具体的には、集合ライン30は、真空ポンプ6に連結された第1移送ライン30Aと、冷却ユニット7に連結された第2移送ライン30Bと、第1移送ライン30A、第2移送ライン30B、および加熱ユニット8に連結された主幹移送ライン30Cとを備えている。
【0028】
第1移送ライン30Aの一端は第1戻りライン22Aに連結されており、第1移送ライン30Aの他端は主幹移送ライン30Cに連結されている。第1移送ライン30Aは第1戻りライン22Aの一部を介して真空ポンプ6に連結されている。すなわち、第1戻りライン22Aの一部は、第1移送ライン30Aの一部としても機能する。一実施形態では、第1移送ライン30Aの一端は真空ポンプ6に連結され、第1戻りライン22Aの一端は第1移送ライン30Aに連結され、第1移送ライン30Aの一部は、第1戻りライン22Aの一部としても機能してもよい。
【0029】
第2移送ライン30Bの一端は第2戻りライン22Bに連結されており、第2移送ライン30Bの他端は主幹移送ライン30Cに連結されている。第2移送ライン30Bは第2戻りライン22Bの一部を介して冷却ユニット7に連結されている。すなわち、第2戻りライン22Bの一部は、第2移送ライン30Bの一部としても機能する。一実施形態では、第2移送ライン30Bの一端は冷却ユニット7に連結され、第2戻りライン22Bの一端は第2移送ライン30Bに連結され、第2移送ライン30Bの一部は、第2戻りライン22Bの一部としても機能してもよい。さらに一実施形態では、第2移送ライン30Bと第2戻りライン22Bは、独立した2本のラインであってもよい。
【0030】
真空ポンプ6および冷却ユニット7を通過することによって加熱された冷却液の一部は、第1移送ライン30Aおよび第2移送ライン30Bを流れて主幹移送ライン30C内で合流し、さらに主幹移送ライン30Cを流れて加熱ユニット8に供給される。
【0031】
本実施形態によれば、真空ポンプ6と冷却ユニット7は分配ライン21、合流戻りライン22、および集合ライン30によって連結されているので、真空ポンプ6と冷却ユニット7について個別に冷却液の供給ラインと排出ラインを設ける必要がない。したがって、配管部品のコストおよび現地での配管接続に伴う製造コストが削減でき、結果としてサブファブエリア設置装置の製造コストがさらに低減できる。
【0032】
冷却ユニット7は、冷媒が循環する第1ヒートポンプ31を含む。第1ヒートポンプ31は、冷凍機(例えば、蒸気圧縮冷凍機)である。具体的には、第1ヒートポンプ31は、冷媒液を蒸発させて冷媒ガスを生成する第1蒸発器31Aと、冷媒ガスを圧縮する第1圧縮機31Bと、圧縮された冷媒ガスを凝縮させて冷媒液を生成する第1凝縮器31Cと、第1蒸発器31Aと第1凝縮器31Cとの間に配置された第1膨張弁31Dを備えている。冷媒は、第1冷媒配管31Eを通って第1蒸発器31A、第1圧縮機31B、第1凝縮器31C、第1膨張弁31Dを循環する。処理チャンバ2は、第1蒸発器31Aに連結されており、第1循環液は処理チャンバ2と第1蒸発器31Aとの間で循環する。
【0033】
分配ライン21の第2分岐ライン21Cと、合流戻りライン22の第2戻りライン22Bと、集合ライン30の第2移送ライン30Bは、第1凝縮器31Cに連結されている。冷却源15から供給された冷却液は、分配ライン21の第2分岐ライン21Cを通って第1凝縮器31C内に導かれ、第1凝縮器31C内で冷媒ガスと熱交換を行う。冷却液と冷媒ガスとの熱交換の結果、冷却液は加熱され、その一方で冷媒ガスは冷却され、冷媒液となる。冷媒液は第1膨張弁31Dを通って第1蒸発器31Aに導かれる。第1循環液は、第1蒸発器31Aに導かれ、第1蒸発器31A内で冷媒液と熱交換を行う。第1循環液と冷媒液との熱交換の結果、第1循環液は冷却され、その一方で冷媒液は加熱され、冷媒ガスとなる。冷媒ガスは、第1圧縮機31Bに吸い込まれ、第1圧縮機31Bによって圧縮される。圧縮された冷媒ガスは第1凝縮器31Cに導かれる。このように、第1循環液は、冷媒を介して冷却液によって冷却される。第1凝縮器31Cを通過した冷却液の一部は、合流戻りライン22を通じて冷却源15に戻され、冷却液の残りは、集合ライン30を通じて加熱ユニット8に送られる。
【0034】
加熱ユニット8は、冷媒が循環する第2ヒートポンプ32を含む。第2ヒートポンプ32は、冷凍機(例えば、蒸気圧縮冷凍機)である。具体的には、第2ヒートポンプ32は、冷媒液を蒸発させて冷媒ガスを生成する第2蒸発器32Aと、冷媒ガスを圧縮する第2圧縮機32Bと、圧縮された冷媒ガスを凝縮させて冷媒液を生成する第2凝縮器32Cと、第2蒸発器32Aと第2凝縮器32Cとの間に配置された第2膨張弁32Dを備えている。冷媒は、第2冷媒配管32Eを通って第2蒸発器32A、第2圧縮機32B、第2凝縮器32C、第2膨張弁32Dを循環する。処理チャンバ2は、第2凝縮器32Cに連結されており、第2循環液は処理チャンバ2と第2凝縮器32Cとの間で循環する。
【0035】
集合ライン30の主幹移送ライン30Cは、第2蒸発器32Aに連結されている。真空ポンプ6および冷却ユニット7を通過することで温度が上昇した冷却液は、集合ライン30を通って第2蒸発器32A内に導かれ、第2蒸発器32A内で冷媒液と熱交換を行う。冷却液と冷媒液との熱交換の結果、冷却液は冷却され、その一方で冷媒液は加熱され、冷媒ガスとなる。冷媒ガスは、第2圧縮機32Bに吸い込まれ、第2圧縮機32Bによって圧縮される。圧縮された冷媒ガスは第2凝縮器32Cに導かれる。第2蒸発器32Aを通過した冷却液は、冷却液戻りライン35を通って冷却源15に戻される。第2循環液は、第2凝縮器32Cに導かれ、第2凝縮器32C内で冷媒ガスと熱交換を行う。第2循環液と冷媒ガスとの熱交換の結果、第2循環液は加熱され、その一方で冷媒ガスは冷却され、冷媒液となる。冷媒液は第2膨張弁32Dを通って第2蒸発器32Aに導かれる。このように、第2循環液は、冷媒を介して冷却液によって加熱される。
【0036】
冷却液ライン12は、加熱ユニット8を通過した冷却液を冷却源15に戻す冷却液戻りライン35をさらに有している。冷却液戻りライン35の一端は、第2ヒートポンプ32の第2蒸発器32Aに連結され、他端は合流戻りライン22に連結されている。一実施形態では、冷却液戻りライン35は、合流戻りライン22とは独立したラインであってもよい。例えば、冷却液戻りライン35は、第2ヒートポンプ32の第2蒸発器32Aから冷却液出口27まで延びる独立したラインであってもよい。
【0037】
本実施形態によれば、真空ポンプ6および冷却ユニット7を通過するときに加熱された冷却液を、加熱ユニット8にて熱源として使用することができる。したがって、電気式ヒータなどの電気的設備を不要、または電気的設備の容量を削減することができる。さらに、加熱ユニット8を通過するときに冷却された冷却液は、冷却源15に戻されるので、冷却源15(例えば、半導体製造装置1の工場に設置されたチラー)が冷却液を再度冷却するのに必要な電力を低減することができる。結果として、半導体を製造する際に使用される電力消費を低減させることができる。
【0038】
図2は、サブファブエリア設置装置5の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図1を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図2に示すように、サブファブエリア設置装置5は、加熱ユニット8を通過した冷却液と、第1ヒートポンプ31の第1凝縮器31Cから第1蒸発器31Aに流れる冷媒との間で熱交換を行う過冷却器40をさらに備えている。
【0039】
過冷却器40は、第1ヒートポンプ31の第1冷媒配管31Eに連結された冷媒流路40Aと、第2ヒートポンプ32の第2蒸発器32Aの冷却液出口に連結された冷却液流路40Bを備えている。冷媒流路40Aと冷却液流路40Bは近接しており、冷媒流路40Aを流れる冷媒と、冷却液流路40Bを流れる冷却液との間で熱交換が行われる。冷媒流路40Aは、第1凝縮器31Cから第1蒸発器31Aに延びる第1冷媒配管31Eの部分に接続されている。したがって、第1凝縮器31Cから出た冷媒は、過冷却器40の冷媒流路40Aを経由して第1蒸発器31Aに流れる。冷却液流路40Bは、冷却液戻りライン35の一部に接続されている。したがって、冷却液流路40Bは、冷却液戻りライン35を介して第2蒸発器32Aの冷却液出口に連結されている。第2ヒートポンプ32の第2蒸発器32Aを出た冷却液は、冷却液戻りライン35を流れる途中で過冷却器40の冷却液流路40Bを通過し、冷媒と熱交換を行う。そして、熱交換を行った冷却液は、冷却液戻りライン35を通って冷却源15に戻る。
【0040】
本実施形態によれば、冷媒は冷却液によって過冷却されるので、冷却ユニット7の冷却効率を向上させることができる。
【0041】
図3は、サブファブエリア設置装置5のさらに他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図1を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図3に示すように、サブファブエリア設置装置5は、第2循環液と、冷却ユニット7を通過した冷却液との間で熱交換を行う循環液冷却器60を備えている。さらに、サブファブエリア設置装置5は、第2ヒートポンプ32の第2凝縮器32Cから循環液冷却器60に延びる循環液導入ライン61を備えている。冷却液ライン12は、主幹移送ライン30Cから循環液冷却器60に延びる循環液冷却ライン62と、循環液冷却器60から主幹移送ライン30Cに延びる連絡ライン63をさらに備えている。一実施形態では、連絡ライン63を主幹戻りライン22Cに接続させ、冷却液を冷却源15に戻してもよい。
【0042】
主幹移送ライン30Cを流れる冷却液は、循環液冷却ライン62を通って循環液冷却器60に流入し、一方で第2ヒートポンプ32の第2凝縮器32Cを通過した第2循環液は、循環液導入ライン61を通って循環液冷却器60に流入する。冷却液と第2循環液は、循環液冷却器60内で熱交換を行い、第2循環液は冷却液によって冷却される。冷却された第2循環液は、処理チャンバ2に戻される。本実施形態によれば、第2循環液は冷却液によって冷却され、加熱ユニット8により過剰に加熱された場合の第2循環液の温度を適切に調整することができる。
【0043】
サブファブエリア設置装置5は、主幹移送ライン30Cに取り付けられた第1流量制御弁65と、循環液冷却ライン62に取り付けられた第2流量制御弁66を有している。第1流量制御弁65は、循環液冷却ライン62と主幹移送ライン30Cとの分岐点Pと、冷却ユニット7との間に位置している。第2流量制御弁66は連絡ライン63に取り付けられてもよい。
【0044】
循環液冷却器60を流れる冷却液の流量は、第1流量制御弁65と第2流量制御弁66との動作により定まる。具体的には、第2流量制御弁66の開度を下げ、第1流量制御弁65の開度を上げると、加熱ユニット8に流れる冷却液の流量が増加し、循環液冷却器60に流れる冷却液の流量が低下する。一例では、第2流量制御弁66の開度を0%にし(すなわち第2流量制御弁66を全閉にし)、第1流量制御弁65の開度を100%にする(すなわち第1流量制御弁65を全開にする)。この場合は、冷却ユニット7を通過した冷却液は循環液冷却器60を通過せずに加熱ユニット8に流れる。
【0045】
第2流量制御弁66の開度を上げ、第1流量制御弁65の開度を下げると、加熱ユニット8に流れる冷却液の流量が低下し、循環液冷却器60に流れる冷却液の流量が増加する。一例では、第2流量制御弁66の開度を100%にし(すなわち第2流量制御弁66を全開にし)、第1流量制御弁65の開度を0%にする(すなわち第1流量制御弁65を全閉にする)。この場合は、循環液冷却器60に流れる冷却液の流量は最大となる。
【0046】
このようにして、第2流量制御弁66と第1流量制御盤65のそれぞれの開度のバランスにより、循環液冷却器60を通過する冷却液の流量を調整することができ、第2循環液の温度を適切に調節することができる。
【0047】
サブファブエリア設置装置5は、外部の熱源により加熱され温度が上昇した冷却液を加熱ユニット8に供給する外部供給ライン29をさらに備えている。除害装置などの外部の熱源により加熱された冷却液は、より高い温度を有しているので、外部供給ライン29を通じて加熱ユニット8に冷却液を導くことで、加熱ユニット8の加熱効率を向上させることができる。外部供給ライン29は、主幹移送ライン30Cに接続されてもよい。さらに一実施形態では、外部供給ライン29は、加熱ユニット8に直接接続されてもよい。
【0048】
図4に示すように、図2を参照して説明した過冷却器40を、図3を参照して説明した実施形態に組み入れてもよい。
【0049】
図5は、サブファブエリア設置装置5のさらに他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図1を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態では、冷却液は真空ポンプ6には導かれず、代わりに冷却ユニット7を通過した冷媒が冷却媒体として真空ポンプ6に供給される。より具体的には、サブファブエリア設置装置5は、第1ヒートポンプ31の第1冷媒配管31Eに接続された冷媒供給ライン45および冷媒戻りライン46を備えている。
【0050】
冷媒供給ライン45の一端は、第1ヒートポンプ31の第1蒸発器31Aと第1圧縮機31Bとの間の位置において第1冷媒配管31Eに接続されており、冷媒供給ライン45の他端は真空ポンプ6に接続されている。冷媒戻りライン46の一端は真空ポンプ6に接続されており、冷媒戻りライン46の他端は、第1ヒートポンプ31の第1蒸発器31Aと第1圧縮機31Bとの間の位置において第1冷媒配管31Eに接続されている。
【0051】
本実施形態では、図1を参照して説明した分配ライン21および合流戻りライン22は設けられていない。代わりに、冷却液ライン12は、冷却液を冷却ユニット7に供給する上流側ライン51と、冷却ユニット7を通過した冷却液を加熱ユニット8に供給する下流側ライン52を有している。上流側ライン51は、冷却液入口25を有しており、冷却液入口25は冷却源15に連通している。上流側ライン51は第1ヒートポンプ31の第1凝縮器31Cに連結されている。下流側ライン52の一端は第1ヒートポンプ31の第1凝縮器31Cに連結されており、他端は第2ヒートポンプ32の第2蒸発器32Aに連結されている。
【0052】
冷却液ライン12は、冷却ユニット7に連結された第1冷却液戻りライン54と、加熱ユニット8に連結された第2冷却液戻りライン55をさらに備えている。第1冷却液戻りライン54は、第1ヒートポンプ31の第1凝縮器31Cから冷却液出口27まで延びている。第2冷却液戻りライン55は、第2ヒートポンプ32の第2蒸発器32Aから冷却液出口27まで延びている。第1冷却液戻りライン54と第2冷却液戻りライン55は、その意図した機能が発揮できる限りにおいてその具体的構成は特に限定されない。例えば、第1冷却液戻りライン54と第2冷却液戻りライン55は途中で合流して1本のラインを形成してもよく、あるいは独立した2本のラインであってもよい。下流側ライン52と第1冷却液戻りライン54は、部分的に共有のラインを構成してもよいし、あるいは独立した2本のラインであってもよい。
【0053】
冷却源15から供給される冷却液は、冷却液入口25を通じて上流側ライン51に流入し、上流側ライン51を流れて冷却ユニット7に供給され、冷却ユニット7を冷却する。具体的には、冷却液は第1ヒートポンプ31の第1凝縮器31Cを流れて、冷媒と熱交換する。第1凝縮器31Cを通過した冷却液の一部は、第1冷却液戻りライン54を通って冷却源15に戻り、冷却液の残りは、下流側ライン52を流れて加熱ユニット8に供給され、加熱ユニット8を加熱する。具体的には、冷却液は、第2ヒートポンプ32の第2蒸発器32Aを流れて、冷媒と熱交換する。
【0054】
冷却ユニット7に含まれる第1ヒートポンプ31の第1蒸発器31Aを出た冷媒の一部は、冷媒供給ライン45を流れて真空ポンプ6に導かれ、真空ポンプ6を冷却する。真空ポンプ6を通過した冷媒は、冷媒戻りライン46を流れて、第1冷媒配管31E内の冷媒と合流し、第1ヒートポンプ31の第1圧縮機31Bに供給される。
【0055】
本実施形態によれば、冷却ユニット7の冷媒を用いて真空ポンプ6を冷却することができるので、冷却液を真空ポンプ6に導く必要がない。結果として、冷却液の配管を簡素化することができる。
【0056】
図6に示すように、図2を参照して説明した過冷却器40を、図5を参照して説明した実施形態に組み入れてもよい。冷媒は冷却液によって過冷却されるので、冷却ユニット7の冷却効率を向上させることができる。
【0057】
図7は、サブファブエリア設置装置5のさらに他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図5を参照して説明した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。サブファブエリア設置装置5は、第2循環液と、冷却ユニット7を通過した冷却液との間で熱交換を行う循環液冷却器60を備えている。さらに、サブファブエリア設置装置5は、第2ヒートポンプ32の第2凝縮器32Cから循環液冷却器60に延びる循環液導入ライン61を備えている。冷却液ライン12は、下流側ライン52から循環液冷却器60に延びる循環液冷却ライン62と、循環液冷却器60から下流側ライン52に延びる連絡ライン63をさらに備えている。一実施形態では、連絡ライン63を第2冷却液戻りライン55に接続させ、冷却液を冷却源15に戻してもよい。
【0058】
下流側ライン52を流れる冷却液は、循環液冷却ライン62を通って循環液冷却器60に流入し、一方で第2ヒートポンプ32の第2凝縮器32Cを通過した第2循環液は、循環液導入ライン61を通って循環液冷却器60に流入する。冷却液と第2循環液は、循環液冷却器60内で熱交換を行い、第2循環液は冷却液によって冷却される。冷却された第2循環液は、処理チャンバ2に戻される。本実施形態によれば、第2循環液は冷却液によって冷却され、加熱ユニット8により過剰に加熱された場合の第2循環液の温度を適切に調整することができる。
【0059】
サブファブエリア設置装置5は、下流側ライン52に取り付けられた第1流量制御弁65と、循環液冷却ライン62に取り付けられた第2流量制御弁66を有している。第1流量制御弁65は、循環液冷却ライン62と下流側ライン52との分岐点Pと、冷却ユニット7との間に位置している。第2流量制御弁66は連絡ライン63に取り付けられてもよい。
【0060】
循環液冷却器60を流れる冷却液の流量は、第1流量制御弁65と第2流量制御弁66との動作により定まる。具体的には、第2流量制御弁66の開度を下げ、第1流量制御弁65の開度を上げると、加熱ユニット8に流れる冷却液の流量が増加し、循環液冷却器60に流れる冷却液の流量が低下する。一例では、第2流量制御弁66の開度を0%にし(すなわち第2流量制御弁66を全閉にし)、第1流量制御弁65の開度を100%にする(すなわち第1流量制御弁65を全開にする)。この場合は、冷却ユニット7を通過した冷却液は循環液冷却器60を通過せずに加熱ユニット8に流れる。
【0061】
第2流量制御弁66の開度を上げ、第1流量制御弁65の開度を下げると、加熱ユニット8に流れる冷却液の流量が低下し、循環液冷却器60に流れる冷却液の流量が増加する。一例では、第2流量制御弁66の開度を100%にし(すなわち第2流量制御弁66を全開にし)、第1流量制御弁65の開度を0%にする(すなわち第1流量制御弁65を全閉にする)。この場合は、循環液冷却器60に流れる冷却液の流量は最大となる。
【0062】
このようにして、第2流量制御弁66と第1流量制御盤65のそれぞれの開度のバランスにより、循環液冷却器60を通過する冷却液の流量を調整することができ、第2循環液の温度を適切に調節することができる。
【0063】
サブファブエリア設置装置5は、外部の熱源により加熱され温度が上昇した冷却液を加熱ユニット8に供給する外部供給ライン29をさらに備えている。除害装置などの外部の熱源により加熱された冷却液は、より高い温度を有しているので、外部供給ライン29を通じて加熱ユニット8に冷却液を導くことで、加熱ユニット8の加熱効率を向上させることができる。外部供給ライン29は、下流側ライン52に接続されてもよい。さらに一実施形態では、外部供給ライン29は、加熱ユニット8に直接接続されてもよい。
【0064】
図8に示すように、図6を参照して説明した過冷却器40を、図7を参照して説明した実施形態に組み入れてもよい。
【0065】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0066】
1 半導体製造装置
2 処理チャンバ
5 サブファブエリア設置装置
6 真空ポンプ
7 冷却ユニット
8 加熱ユニット
10 除害装置
12 冷却液ライン
15 冷却源
17 電源ケーブル
18 分電盤
19 配電ケーブル
21 分配ライン
21A 主幹供給ライン
21B 第1分岐ライン
21C 第2分岐ライン
22 合流戻りライン
22A 第1戻りライン
22B 第2戻りライン
22C 主幹戻りライン
25 冷却液入口
27 冷却液出口
29 外部供給ライン
30 集合ライン
30A 第1移送ライン
30B 第2移送ライン
30C 主幹移送ライン
31 第1ヒートポンプ
31A 第1蒸発器
31B 第1圧縮機
31C 第1凝縮器
31D 第1膨張弁
31E 第1冷媒配管
32 第2ヒートポンプ
32A 第2蒸発器
32B 第2圧縮機
32C 第2凝縮器
32D 第2膨張弁
32E 第2冷媒配管
35 冷却液戻りライン
40 過冷却器
40A 冷媒流路
40B 冷却液流路
45 冷媒供給ライン
46 冷媒戻りライン
51 上流側ライン
52 下流側ライン
54 第1冷却液戻りライン
55 第2冷却液戻りライン
60 循環液冷却器
61 循環液導入ライン
62 循環液冷却ライン
63 連絡ライン
65 第1流量制御弁
66 第2流量制御弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8