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特開2022-179991液体吐出ユニット、液体吐出装置および線状媒体処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022179991
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】液体吐出ユニット、液体吐出装置および線状媒体処理システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20221129BHJP
【FI】
B41J2/165 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021086853
(22)【出願日】2021-05-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】砂押 雅之
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA16
2C056EC22
2C056EC23
2C056JA04
2C056JA13
2C056JA21
2C056JA27
2C056KB09
(57)【要約】
【課題】簡単な構成でキャップを洗浄することが可能な液体吐出ユニットを提供する。
【解決手段】
液体吐出口を有する液体吐出面を備えた液体吐出ヘッドと、前記液体吐出面に対して当接および離間が可能で、前記液体吐出面との当接時に前記液体吐出面を覆うキャップ部材とを備える液体吐出ユニットにおいて、前記キャップ部材の液体排出口と連通する液体排出路と、前記液体排出路に設けた吸引手段と、前記キャップ部材の洗浄液供給口と連通する洗浄液供給路と、前記洗浄液供給路に設けた弁部材とを備え、前記キャップ部材が前記液体吐出面に当接している状態で前記吸引手段を駆動することにより前記弁部材が開き、前記洗浄液を前記キャップ部材に供給する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体吐出口を有する液体吐出面を備えた液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出面に対して当接および離間が可能で、前記液体吐出面との当接時に前記液体吐出面を覆うキャップ部材と
を備える液体吐出ユニットにおいて、
前記キャップ部材の液体排出口と連通する液体排出路と、
前記液体排出路に設けた吸引手段と、
前記キャップ部材の洗浄液供給口と連通する洗浄液供給路と、
前記洗浄液供給路に設けた弁部材と
を備え、
前記キャップ部材が前記液体吐出面に当接している状態で前記吸引手段を駆動することにより前記弁部材が開き、前記洗浄液を前記キャップ部材に供給することを特徴とする液体吐出ユニット。
【請求項2】
前記吸引手段は、前記キャップ部材内を負圧にして前記キャップ部材内の前記液体および前記洗浄液を前記キャップ部材から排出することを特徴とする請求項1記載の液体吐出ユニット。
【請求項3】
前記液体はインクであり、前記洗浄液は、前記インクに対して溶解性を有し、前記インクに比べて蒸発速度が遅い特性を有することを特徴とする請求項1または2記載の液体吐出ユニット。
【請求項4】
前記洗浄液供給口は、前記液体排出口よりも前記液体吐出面に向けて突出していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体吐出ユニット。
【請求項5】
前記洗浄液供給口を、前記キャップ部材に複数備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体吐出ユニット。
【請求項6】
前記弁部材の動作圧を5kPa乃至10kPaの範囲に規定したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体吐出ユニット。
【請求項7】
前記液体吐出ヘッドを、記録媒体の搬送方向に複数備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体吐出ユニット。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体吐出ユニットを備えるとともに、前記液体吐出ユニットに対して記録媒体の搬送方向上流側に、前記液体吐出ユニットに記録媒体を供給する記録媒体供給ユニットを備え、
前記液体吐出ユニットに対して前記記録媒体の搬送方向下流側に、前記記録媒体を加熱する乾燥ユニットおよび前記記録媒体の状態を整える後処理ユニットを備えることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項9】
線状の記録媒体に対して処理を施す線状媒体処理システムであって、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体吐出ユニットを備えることを特徴とする線状媒体処理システム。
【請求項10】
線状の記録媒体に対して処理を施す線状媒体処理システムであって、請求項8記載の液体吐出装置を備えることを特徴とする線状媒体処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ユニット、液体吐出装置および線状媒体処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、インクを吐出するノズルを有するインクジェットヘッド31と、インクジェットヘッド31に当接してノズルを覆うキャップ51と、キャップ51に設けられた吸引穴に吸引管53を介して接続され、キャップ51内の空間から内容物を吸引するポンプ42と、洗浄液を貯留する洗浄液槽47と、キャップ51の洗浄時において、キャップ51を洗浄液槽47の洗浄液に浸けるとともに、キャップ51を洗浄液に浸けた状態でポンプ42を駆動させて吸引穴から洗浄液を吸引管53に吸引した後、ポンプ42を吸引時とは逆転駆動させて、吸引管53に吸引した洗浄液を吸引穴から排出するよう制御する制御部を備えたインクジェット印刷装置を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、簡単な構成でキャップ部材を洗浄することが可能な液体吐出ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、液体吐出口を有する液体吐出面を備えた液体吐出ヘッドと、前記液体吐出面に対して当接および離間が可能で、前記液体吐出面との当接時に前記液体吐出面を覆うキャップ部材とを備える液体吐出ユニットにおいて、前記キャップ部材の液体排出口と連通する液体排出路と、前記液体排出路に設けた吸引手段と、前記キャップ部材の洗浄液供給口と連通する洗浄液供給路と、前記洗浄液供給路に設けた弁部材とを備え、前記キャップ部材が前記液体吐出面に当接している状態で前記吸引手段を駆動することにより前記弁部材が開き、前記洗浄液を前記キャップ部材に供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、簡単な構成でキャップ部材を洗浄することが可能な液体吐出ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に係る線状媒体処理システムの全体概略図。
図2】本発明に係る液体吐出ユニットの概略構成図。
図3】液体吐出ヘッドのノズル面の説明図。
図4】ヘッド移動方向におけるヘッド位置の説明図。
図5】液体吐出ユニットにおける流体経路の構成例を示す説明図。
図6】キャップ部材の一例を示す概略構成図。
図7】吸引キャップ内の圧力変化の一例を示す説明図。
図8】維持ユニット制御部のブロック図。
図9】維持ユニット制御部による制御例を示すフロー図。
図10】洗浄液供給路の第1変形例を示す概略平面図。
図11】洗浄液供給路の第2変形例を示す概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態を、図面を用いて以下に説明する。
【0008】
図1は、本発明に係る線状媒体処理システムの全体概略図である。
【0009】
ここでは、線状媒体処理システムの一例として刺繍システム1000を示している。刺繍システム1000は、液体吐出装置100と刺繍ユニット106とからなり、さらに液体吐出装置100は、供給リール102、液体吐出ユニット103、乾燥ユニット104および後処理ユニット105を備える。
【0010】
供給リール102は、刺繍糸101(以下、糸と称する)を保持しており、液体吐出ユニット103に糸101を供給する。供給リール102と液体吐出ユニット103との間には、ローラ108、109を備える。ローラ109は、このローラ109と同軸上に設けたエンコーダホイール405bと、エンコーダホイール405bに設けたエンコーダスリットを読み取るエンコーダセンサ405aとを含むロータリエンコーダ405を備える。このロータリエンコーダ405により糸101の搬送状態を検知する。
【0011】
液体吐出ユニット103は、液体吐出ヘッド1(以下ヘッドと称する)および維持ユニット2を備え、ヘッド1は、ヘッド1の下方を通過する糸101に液体を付与する。本実施形態において、ヘッド1はインクジェット記録方式を採用したヘッドであり、糸101に付与する液体は主に着色インクである。維持ユニット2は、空吐出受け部、ワイピング部および吸引部などを備え、これら各部は、ヘッド1が各部に位置した場合にヘッド1に対して各処理を実施し、ヘッド1の液体吐出性能を維持する。
【0012】
乾燥ユニット104は、加熱手段を備え、インク付与後の糸101を加熱して乾かす。これにより、糸101は所望の色に染色した糸となる。
【0013】
後処理ユニット105は、糸101に定着せずに残留した色材を落として糸101を洗浄する洗浄手段、糸101の表面にワックスなどの潤滑剤を付与する潤滑剤付与手段等を備え、糸101の状態を整える。
【0014】
刺繍ユニット106は、刺繍ヘッドを備え、染色した糸101を布に縫い込み、布上に柄や模様などのパターンを刺繍する。
【0015】
上記の構成において、ロータリエンコーダ405は刺繍ユニット106が取り込む糸101の搬送速度を検知し、この糸101の搬送速度に応じて液体吐出ユニット103は、ヘッド1からのインク吐出を制御する。即ち、刺繍ユニット106が取り込む糸101の搬送速度が遅い場合は、糸101にインクを吐出する周波数を低くする。また、刺繍ユニット106が取り込む糸101の搬送速度が速い場合は、糸101にインクを吐出する周波数を高くする。これにより、液体吐出ユニット103は、刺繍ユニット106が取り込む糸101の搬送速度に同期して糸101の染色を行うことが可能になる。
【0016】
糸101の染色に際しては、インクジェットプリンタで紙に印刷を行う場合と同様に、各色(例えば黒、シアン、マゼンタ、イエロー)を組み合せて幅広い色表現が可能である。
【0017】
ここで、糸101は線状媒体の一例である。「糸」とは、ガラス繊維糸、ウール糸、綿糸、合成糸、金属糸、ウール、綿、ポリマー、または金属の混合糸、ヤーン、フィラメント、あるいは液体を付与可能な線状物体であり、組紐、平紐なども含む。
【0018】
また、線状物体の他に、液滴によって染色可能な被吐出媒体として、上記の線状物体に加えて、ロープ、ケーブル、コード等の液体を付与可能な帯状部材(連続基材)も含む。いずれの被吐出媒体も、幅が狭く、搬送方向に連続している、線状または帯状の媒体である。
【0019】
なお、線状媒体処理システムは、刺繍システム1000に限るものではない。例えば、刺繍ユニット106に代えて織り機やミシン等、他の加工装置を後処理ユニット105の後段に設けてもよい。また、刺繍ユニットを別の場所に設置している場合(インライン型でない場合)は、刺繍ユニット106に代えて染色後の糸を巻き取る巻取ユニットを後処理ユニット105の後段に設けてもよい。この場合は一旦巻き取った糸を加工装置の設置場所まで運び、加工装置に糸を装填して所望の加工を行う。
【0020】
図2は、本発明に係る液体吐出ユニットの概略構成図であり、図1に示した液体吐出ユニット103の説明を補足するものである。
【0021】
液体吐出ユニット103は、糸搬送方向に沿って縦列に複数配置したヘッド1a、1b、1c、1dを備える。ヘッド1a~1dは異なる色のインクを吐出するヘッドとしており、例えばヘッド1aは黒(K)、ヘッド1bはシアン(C)、ヘッド1cはマゼンタ(M)、ヘッド1dはイエロー(Y)のインク滴を吐出するヘッドである。
【0022】
なお、色の順番は一例であり、異なる順番に配置してもよい。また、ヘッドの数は4つに限らず、搭載する色の数に応じてヘッドの数は増減してよい。
【0023】
また、液体吐出ユニット103は、糸101の搬送経路を挟んでヘッド1a~1dの下方に、複数の維持ユニット2a、2b、2c、2dを備える。維持ユニット2a~2dは、それぞれが空吐出受け部、ワイピング部および吸引部などを備え、各部に位置したヘッド1a~1dに対して各処理を実施する。
【0024】
図3は、液体吐出ヘッドのノズル面の説明図であり、液体吐出ユニット103のヘッド1を下方から見た図である。
【0025】
液体吐出ユニット103に設けたヘッド1a~1dは、糸101と対向するノズル面12を備える。ヘッド1a~1dの各ノズル面12は、2つのノズル列10a、10bを備え、各ノズル列10a、10bは、ノズル11を糸搬送方向に複数個並べたノズル群からなる。ここで、ノズル11は液体吐出口の一例であり、ノズル面12は液体吐出面の一例である。
【0026】
ノズル列10aとノズル列10bとは、糸搬送方向と直交する方向(ヘッド移動方向)において所定間隔離して、それぞれ糸搬送方向と平行に配置している。糸101の染色を行う場合は、糸101の真上にヘッド1a~1dのノズル列10aまたはノズル列10bが位置するようにヘッド1a~1dが移動する。これにより、ヘッド1a~1dは糸搬送方向に移動する糸101に対してインクを吐出し、糸101にインクを付与する(図3はノズル列10aを用いて糸101を染色する場合を示している)。
【0027】
なお、ノズル列10aとノズル列10bは、使用時間、インク吐出量等から求めた所定のタイミングに達した場合に、ヘッド1a~1dをヘッド移動方向に動かし、糸101に対してノズル列10aとノズル列10bとを入れ替える。
【0028】
図4は、ヘッド移動方向におけるヘッド位置の説明図である。
【0029】
液体吐出ユニット103は、ヘッド1の下方に糸101の搬送経路を挟んで維持ユニット2を備える。維持ユニット2は、その上部に吸引キャップ21を備えており、吸引キャップ21は、維持ユニット2に対して進退移動(図4(a)矢印A方向の移動)が可能である。これにより、吸引キャップ21は、ヘッド1のノズル面に対して当接および離間が可能となる。
【0030】
維持ユニット2の上方に位置するヘッド1は、維持ユニット2に対してヘッド移動方向に移動が可能である。図4(a)は、糸101の真上にヘッド1のノズル列10aが位置した状態を示しており、ノズル列10aは、糸101に向けてインクを吐出し、糸101の染色を行う。図4(b)は、糸101の真上にヘッド1のノズル列10bが位置した状態を示しており、ノズル列10bは、糸101に向けてインクを吐出し、糸101の染色を行う。
【0031】
図4(c)は、吸引キャップ21と対向する位置にヘッド1が位置した状態を示している。ヘッド1が吸引キャップ21と対向する位置に移動した場合、吸引キャップ21はヘッド1に向かって移動(本実施形態では上昇)してヘッド1のノズル面を覆い(キャッピングし)、ノズル面の乾燥を防ぐ。また、吸引キャップ21は、ノズル面をキャッピングした状態でノズルに対して吸引を行い、ノズルのインク詰まりによる吐出不良を防止する。ここで、吸引キャップ21はキャップ部材の一例である。
【0032】
なお、維持ユニット2は、吸引キャップ21の他に、図示しないワイピングユニットおよび空吐出受け部などを備えている。ワイピングユニットは、ヘッド1のノズル面に対してヘッド移動方向に相対移動しながらノズル面を拭き取るワイパ部材を備える。また、空吐出受け部は、糸101へのインク付与に供していないノズルに対して空吐出(空打ち)を実施した際に、ノズルから吐出したインクを受けるための回収容器を備える。
【0033】
図5は、液体吐出ユニットにおける流体経路の構成例を示す説明図である。なお、既に説明済みの部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0034】
ヘッド1a~1dは、液体供給路13a~13dを介して、インクを収容したカートリッジ14a~14dと連通している。液体供給路13a~13dは例えば液体供給チューブからなる。なお、液体供給路13a~13dは、直接カートリッジ14a~14dに接続するのではなく、カートリッジ14a~14dを脱着可能に保持するカートリッジホルダ(図示せず)を介して接続する構成としてもよい。
【0035】
カートリッジ14a~14dからヘッド1a~1dまでの液体供給路13a~13dの途中には、供給ポンプ15a~15dおよびヘッドタンク16a~16dを備えている。
【0036】
供給ポンプ15a~15dは、カートリッジ14a~14dからヘッド1a~1dにインクを供給する。そして、ヘッドタンク16a~16dが、ヘッド1a~1dの内部を適切な負圧状態に保ちながらインク消費量に合わせてヘッド1a~1dにインクを供給する。
【0037】
また、液体吐出ユニット103は、インクを収容したカートリッジ14a~14dの他に、洗浄液を収容したカートリッジ24を備える。カートリッジ24は、洗浄液供給路23を介して吸引キャップ21a~21dと連通している。洗浄液供給路23は例えば洗浄液供給チューブからなる。なお、洗浄液供給路23は直接カートリッジ24に接続するのではなく、カートリッジ24を脱着可能に保持するカートリッジホルダ(図示せず)を介して接続する構成としてもよい。ここで、洗浄液供給路23は、洗浄液供給路の一例である。
【0038】
カートリッジ24から吸引キャップ21a~21dまでの洗浄液供給路23の途中には、逆止弁22a~22dを備えている。逆止弁22a~22dは、吸引キャップ21a~21dの内部が逆止弁22a~22dの動作圧を超えた場合に開き、カートリッジ24から吸引キャップ21a~21dに洗浄液を供給する。ここで、逆止弁22a~22dは、弁部材の一例である。
【0039】
また、吸引キャップ21a~21dは、液体排出路25を介して廃液タンク27と連通している。液体排出路25は例えば液体排出チューブからなる。吸引キャップ21a~21dから廃液タンク27までの液体排出路25の途中には、吸引ポンプ26a~26dを備えている。ここで、液体排出路25は、液体排出路の一例であり、吸引ポンプ26a~26dは吸引手段の一例である。
【0040】
なお、本実施形態において、洗浄液は、インクに対して溶解性を有し、インクに比べて蒸発速度が遅い特性を有する液体を選定することが望ましい。すなわち、洗浄液は、蒸発速度が遅く、かつ蒸発もしくはインクと混合しても成分が凝集せず、凝集したインク成分の再分散を促すように作用する液体を選定することが望ましい。
【0041】
図6は、キャップ部材の一例を示す概略構成図である。説明を簡単にするため、図5に示した4つのヘッド1a~1dのうちの1つ(ヘッド1a)を例に説明する。
【0042】
図6(a)は、ヘッド1aが吸引キャップ21aと対向する位置にあり、かつ吸引キャップ21aがヘッド1aから離間している状態を示している。図6(b)は、ヘッド1aが吸引キャップ21aと対向する位置にあり、かつ吸引キャップ21aがヘッド1aに向かって上昇し、吸引キャップ21aがヘッド1aに当接している状態を示している。すなわち、図6(b)は、吸引キャップ21aがヘッド1aのノズル面12(ノズル列10a、10bを備えた面)を覆った(キャッピングした)状態である。
【0043】
吸引キャップ21aは、おおよそU字形状をした断面を有し、その開放側をヘッド1aのノズル面12と対向するように設置している。また、吸引キャップ21aの側面211は、ノズル列10a、10bの周囲を囲むように延在している。側面211は、ヘッド1aのノズル面12と対向する部位に例えばゴムなどの弾性変形可能なシール部材212を備える。これにより、吸引キャップ21aがノズル面12に当接した際、ノズル面12と吸引キャップ21aの内面とによって密閉した空間を形成する。
【0044】
また、吸引キャップ21aは、その底面部に洗浄液供給口213および液体排出口214を備える。洗浄液供給口213は、洗浄液供給路23を介して、洗浄液を収容したカートリッジ24と連通しており、洗浄液供給路23の途中には逆止弁22aを備えている。液体排出口214は、液体排出路25を介して廃液タンク27と連通しており、液体排出路25の途中には、吸引ポンプ26aを備えている。ここで、洗浄液供給口213は洗浄液供給口の一例であり、液体排出口214は液体排出口の一例である。
【0045】
洗浄液供給口213は、吸引キャップ21aの底面部からヘッド1a側に向けて突出しており、洗浄液供給口213の先端213aは液体排出口214よりも上方に位置している。
【0046】
上記の構成において、吸引キャップ21aによる吸引を行う際は、吸引キャップ進退機構41a(図8参照)によって吸引キャップ21aが上昇する。そして、吸引キャップ21aは、図6(b)に示すようにヘッド1aのノズル面12に当接し、ノズル面12と吸引キャップ21aの内面とによって密閉した空間を形成する。
【0047】
次に、吸引ポンプ26aが作動すると、液体排出口214および液体排出路25と連通した吸引キャップ21aの内部は負圧状態となり、吸引キャップ21aはノズル列10a、10bをなす各ノズルからインクを吸引する。そして、各ノズルから吸引したインクは、廃液として廃液タンク27が回収する。なお、液体排出路25のうち、吸引キャップ21aと吸引ポンプ26aとの間は吸引経路を構成し、吸引ポンプ26aと廃液タンク27との間は廃液経路を構成している。
【0048】
また、吸引ポンプ26aの作動により吸引キャップ21aの内部が、逆止弁22aの動作圧に達すると、洗浄液供給口213および洗浄液供給路23と連通した逆止弁22aが開く。これにより、洗浄液供給口213が、カートリッジ24内の洗浄液を吸引キャップ21aに供給する。
【0049】
洗浄液の供給においては、洗浄液供給口213の先端213aを液体排出口214よりも上方(高い位置)に設けたことで、洗浄液供給口213をノズル面12に近づけて配置することが可能になる。これにより、ノズル面12に垂れ下がっているインクと、洗浄液供給口213から供給した洗浄液とがノズル面12で混合して混合液Lmとなり、この混合液Lmは図6(b)に矢印で示すように吸引キャップ21a内を移動する。
【0050】
上記のように本実施形態によれば、ノズル列10a、10bの各ノズルからのインク吸引と併せて、ノズル面12の洗浄を実施することができる。また、洗浄液が図6(b)の矢印のように移動するので、ノズル面12の洗浄のみならず、吸引キャップ21a内の洗浄も行うことができる。
【0051】
特に、ノズル面12とシール部材212との当接部にインクが堆積すると、吸引キャップ21aがノズル面12に正しく突き当たらず、吸引キャップ21a内に適切な負圧状態を形成することができなくなる。本実施形態では、洗浄液が吸引キャップ21a内の隅々まで行き渡るので、ノズル面12とシール部材212との当接部にインクが堆積しにくくすることができる。また、ノズル面12とシール部材212との当接部に凝集したインクが存在した場合には、洗浄液によってインク成分を再分散し、廃液として廃液タンク27に排出することができる。
【0052】
吸引ポンプ26aの停止後は、吸引キャップ21a内が負圧から大気圧に近づいてから吸引キャップ21aとノズル面12との当接を解除する。しかしながら、ヘッド1a内は負圧状態のため、わずかながら洗浄液とインクの混合液がヘッド1a内に侵入してしまう。そこで、この混合液の影響を排除するため、吸引ポンプ26aの停止後は、ノズル面12に対してワイピングを行い、さらにワイピング後に空吐出を実施することが望ましい。あるいは、吸引キャップ21aとノズル面12との当接を解除する前に、ヘッド1a内を大気圧ないしは100mmAq程度の正圧として混合液の侵入を防ぐようにすることが望ましい。
【0053】
なお、吸引キャップ21aに設ける洗浄液供給口213の数は1つに限るものではない。例えば、図10のように洗浄液供給口213を、吸引キャップ21aの内部において、ノズル列10a、10bが並ぶ方向に複数(本例では4個)に分岐して設けてもよい。これにより、ノズル面12の隅々まで洗浄液をより効率的に供給することが可能になる。
【0054】
また、図11のように洗浄液供給口213を、ノズル列10a、10bの長手方向に沿って吸引キャップ21aに複数(本例では3個)設け、ノズル面12に対して複数の洗浄液供給口213から洗浄液を供給してもよい。この場合、洗浄液供給路23は、洗浄液供給口213の数に応じて複数設ける必要がある。洗浄液供給路23を複数設ける場合の構成としては、図10(a)のように1つの洗浄液供給路23を分岐してもよく、また、図10(b)のように洗浄液供給口213の数分、洗浄液供給路23を個別に設けてもよい。
【0055】
上述のように、本実施形態は、ノズル11を有するノズル面12を備えたヘッド1と、ノズル面12に対して当接および離間が可能で、ノズル面12との当接時にノズル面12を覆う吸引キャップ21aとを備える液体吐出ユニット103において、吸引キャップ21aの液体排出口214と連通する液体排出路25と、液体排出路25に設けた吸引ポンプ26aと、吸引キャップ21aの洗浄液供給口213と連通する洗浄液供給路23と、洗浄液供給路23に設けた逆止弁22aとを備え、吸引キャップ21aがノズル面12に当接している状態で吸引ポンプ26aを駆動することにより逆止弁22aが開き、洗浄液を吸引キャップ21aに供給する。
【0056】
また、上述のように、吸引ポンプ26aは、吸引キャップ21a内を負圧にして吸引キャップ21a内のインクおよび洗浄液を吸引キャップ21aから排出する。
【0057】
また、上述のように、洗浄液は、インクに対して溶解性を有し、インクに比べて蒸発速度が遅い特性を有する。
【0058】
これにより、簡単な構成でキャップ部材を洗浄することが可能な液体吐出装置を提供することができる。
【0059】
また、上述のように、洗浄液供給口213は、液体排出口214よりもノズル面12に向けて突出している。
【0060】
また、上述のように、洗浄液供給口213を、吸引キャップ21aに複数備える。
【0061】
これにより、ノズル面12に近い位置で洗浄液の供給が可能になり、洗浄液はノズル面12を伝わり吸引キャップ21a内の隅々まで行き渡りやすくなり、ノズル面12および吸引キャップ21aを効果的に洗浄することができる。
【0062】
図7は、吸引キャップ内の圧力変化の一例を示す説明図である。
【0063】
吸引キャップ21a~21d内の圧力は、吸引ポンプ26a~26dによって排出する液体の流量と、ノズル11から吸引するインク量と、洗浄液供給路23より供給する洗浄液の供給量とに関係する。
【0064】
吸引キャップ21a~21dがヘッドのノズル面12に当接した状態において、吸引ポンプ26a~26dが吸引キャップ21a~21d内の空気を排出することにより、吸引キャップ21a~21d内は負圧となる。吸引キャップ21a~21d内の空気を排出し続けるにつれて、吸引キャップ21a~21d内の負圧は大きくなる。
【0065】
本実施形態の場合、吸引キャップ21a~21d内の負圧値が2kPa前後になると、吸引キャップ21a~21dは、ノズル11の流体抵抗に反比例した流速のインクのみをノズル11から吸引する。逆止弁22a~22dが動作するために必要な負圧値(動作圧)は5kPaに規定しており、この動作圧に達するまでの期間は、吸引キャップ21a~21d内への洗浄液の供給はない。
【0066】
維持ユニット2における吸引動作の成功率には、ノズル11から吸引するインクの流速と排出量が関係しており、吸引時の吸引キャップ21a~21d内の負圧が小さすぎると流速を得ることができず、吸引動作の成功率が低い。また、吸引キャップ21a~21d内の負圧が大きすぎると、流速を得ることはできるが、インクの廃棄量が増加し、染色のコストアップを招いてしまう。そのため、吸引負圧には適当な範囲があり、本実施形態においては5kPa~10kPaの範囲に規定している。
【0067】
吸引キャップ21a~21d内の負圧が次第に大きくなり、負圧値が逆止弁22a~22dの動作圧を超えると洗浄液供給路23から洗浄液の供給が始まり、吸引キャップ21a~21d内の負圧の上昇速度が緩やかになる。逆止弁22a~22dの動作圧は5KPa程度であるため、洗浄液を供給する際に過度に吸引キャップ21a~21d内の負圧を大きくする必要がなく、インクの廃棄量が増すことなく所望の機能を得ることができる。
【0068】
洗浄液の供給に伴い、吸引キャップ21a~21d内の負圧の上昇速度が緩やかになった後も、吸引キャップ21a~21d内が所望のインク流速を得ることができる負圧になるまでは供給ポンプ15a~15dを駆動する。この場合、吸引キャップ21a~21d内の負圧の上昇速度が緩やかになった分だけ、吸引ポンプ26a~26dの吸引速度を上げて吸引キャップ21a~21d内の負圧上昇速度の低下を防ぐ制御を行ってもよい。これにより、吸引動作と併せて吸引キャップ21a~21d内の洗浄を行うようにした場合でも、動作時間は増えずに、同じ時間で吸引と洗浄を実施することが可能になる。
【0069】
上述のように、本実施形態は、逆止弁22aの動作圧を5kPa乃至10kPaの範囲に規定した。
【0070】
これにより、吸引キャップ21a内に過不足のない負圧環境を形成し、インクおよび洗浄液の少ない廃棄量で吸引動作と洗浄動作を行うことができる。
【0071】
次に、維持ユニット制御部の一例を説明する。
【0072】
図8は、維持ユニット制御部のブロック図である。
【0073】
液体吐出ユニット103は、維持ユニット制御部400、モータ駆動部401a~401d、駆動モータ31a~31d、および駆動機構30a~30dを備える。
【0074】
維持ユニット制御部400は、液体吐出ユニット103の維持ユニット2a~2dの制御を司るCPUと、CPUへの維持回復動作等の制御を実行するためのプログラムおよびその他の固定データを格納する記憶部等を備える。
【0075】
モータ駆動部401a~401dは、維持ユニット制御部400からの指示に基づき、駆動モータ31a~31dの駆動を制御する。駆動モータ31a~31dは、モータ駆動部401a~401dからの指示に基づき、駆動機構30a~30dの各機能を制御する。
【0076】
駆動機構30a~30dは、それぞれ吸引キャップ進退機構41a~41d、吸引キャップ21a~21d、および吸引ポンプ26a~26dを備える。吸引キャップ進退機構41a~41dは、駆動モータ31a~31dの回転方向(正転および逆転)に基づき、吸引キャップ21a~21dのヘッド1a~1dに対する進退(上下)移動を行う。
【0077】
吸引キャップ21a~21dは、吸引キャップ進退機構41a~41dから受ける動力に基づき進退移動し、ヘッド1a~1dに対してキャッピング状態(ノズル面12に当接した状態)を形成する。また、吸引キャップ21a~21dは、ヘッド1a~1dに対してデキャッピング状態(ノズル面12から離間した状態)を形成する。
【0078】
吸引ポンプ26a~26dは、駆動モータ31a~31dの回転方向(正転および逆転)に基づきオン・オフし、吸引ポンプ26a~26dのオン状態において吸引キャップ21a~21d内から流体を吸引する。
【0079】
図9は、維持ユニット制御部による制御例を示すフロー図である。
【0080】
ヘッドの吸引動作が開始した場合、維持ユニット制御部400は、すべての維持ユニット2a~2dの駆動モータ31a~31dに対して、ホームポジション(HP)シーケンスを実行する(ステップS1)。本実施形態において、HPは吸引キャップ21a~21dがヘッド1a~1dから離間した位置としている。
【0081】
次に、維持ユニット制御部400は、すべての吸引ポンプ26a~26dが停止状態であることを確認し、吸引キャップ21a~21dと廃液タンク27とを連通する液体排出路25を閉鎖する(ステップS2)。
【0082】
次に、吸引キャップ21a~21dにより吸引を行うヘッド(以下、対象ヘッドと称する)に対して吸引キャップが当接し、対象ヘッドのノズル面12を覆う(キャッピングする)(ステップS3)。
【0083】
その後、維持ユニット制御部400は、吸引ポンプ26a~26dのうち対象ヘッドの吸引ポンプを駆動して、対象ヘッドのノズル11から吸引キャップ内にインクを吸引する。また、対象ヘッドの吸引ポンプの駆動により逆止弁が開いた段階で、対象ヘッドの吸引キャップ内に洗浄液の供給が始まり、洗浄液は吸引キャップ内およびノズル面を洗浄する(ステップS4)。
【0084】
このとき、対象ヘッド以外のヘッドでは吸引ポンプが停止しており、液体排出路25が閉じているので、対象ヘッドから吸引した廃液が他のヘッドの吸引キャップに流れ込むことはない。
【0085】
吸引が終わった対象ヘッドは、ノズル面12のワイピング(拭き取り)を行い(ステップS5)、その後、再びすべての維持ユニット2a~2dの駆動モータ31a~31dに対してHPシーケンスを実行する(ステップS6)。なお、ステップS6の実行後は、吸引キャップ21a~21dと廃液タンク27とを連通する液体排出路25を開放する。
【0086】
その後、すべてのヘッド1a~1dを吸引キャップ21a~21dによってキャッピングし(ステップS7)、ヘッドの吸引動作を終了する。
【0087】
以上のように、本実施形態によれば、複数のヘッドに対して吸引キャップを当接・離間する際に、圧力変動の影響がノズルのメニスカスに及ばないようにし、対象ヘッドの数によらず確実な維持回復動作を実施することができる。また、維持回復動作の対象でないヘッドに対しては対象ヘッドの吸引動作による影響を与えないようにすることができる。
【0088】
なお、本実施形態においては、刺繍システムの例に基づき説明したが、本発明の液体吐出装置は、糸のような線状の記録媒体に限らず、紙や布などの平面状の記録媒体に液体を付与するシステムにおいても適用可能である。
【0089】
以上説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
【0090】
[第1態様]
第1態様は、液体吐出口(例えばノズル11)を有する液体吐出面(例えばノズル面12)を備えた液体吐出ヘッド(例えばヘッド1)と、前記液体吐出面に対して当接および離間が可能で、前記液体吐出面との当接時に前記液体吐出面を覆うキャップ部材(例えば吸引キャップ21a)とを備える液体吐出ユニット(例えば液体吐出ユニット103)において、前記キャップ部材の液体排出口(例えば液体排出口214)と連通する液体排出路(例えば液体排出路25)と、前記液体排出路に設けた吸引手段(例えば吸引ポンプ26a)と、前記キャップ部材の洗浄液供給口(例えば洗浄液供給口213)と連通する洗浄液供給路(例えば洗浄液供給路23)と、前記洗浄液供給路に設けた弁部材(例えば逆止弁22a)とを備え、前記キャップ部材が前記液体吐出面に当接している状態で前記吸引手段を駆動することにより前記弁部材が開き、前記洗浄液を前記キャップ部材に供給することを特徴とするものである。
【0091】
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記吸引手段(例えば吸引ポンプ26a)は、前記キャップ部材(例えば吸引キャップ21a)内を負圧にして前記キャップ部材内の前記液体および前記洗浄液を前記キャップ部材から排出することを特徴とするものである。
【0092】
[第3態様]
第3態様は、第1態様または第2態様において、前記液体はインクであり、前記洗浄液は、前記インクに対して溶解性を有し、前記インクに比べて蒸発速度が遅い特性を有することを特徴とするものである。
【0093】
第1態様乃至第3態様によれば、簡単な構成でキャップ部材を洗浄することが可能な液体吐出ユニットを提供することができる。
【0094】
[第4態様]
第4態様は、第1態様乃至第3態様のいずれかにおいて、前記洗浄液供給口(例えば洗浄液供給口213)は、前記液体排出口(例えば液体排出口214)よりも前記液体吐出面(例えばノズル面12)に向けて突出していることを特徴とするものである。
【0095】
[第5態様]
第5態様は、第1態様乃至第4態様のいずれかにおいて、前記洗浄液供給口(例えば洗浄液供給口213)を、前記キャップ部材(例えば吸引キャップ21a)に複数備えることを特徴とするものである。
【0096】
第4態様および第5態様によれば、液体吐出面に近い位置で洗浄液の供給が可能になり、洗浄液は液体吐出面を伝わりキャップ部材内の隅々まで行き渡りやすくなり、液体吐出面およびキャップ部材を効果的に洗浄することができる。
【0097】
[第6態様]
第6態様は、第1態様乃至第5態様のいずれかにおいて、前記弁部材(例えば逆止弁22a)の動作圧を5kPa乃至10kPaの範囲に規定したことを特徴とするものである。
【0098】
第6態様によれば、キャップ部材内に過不足のない負圧環境を形成し、インクおよび洗浄液の少ない廃棄量で吸引動作と洗浄動作を行うことができる。
【符号の説明】
【0099】
1a、1b、1c、1d 液体吐出ヘッド
10a、10b ノズル列
11 ノズル(液体吐出口)
12 ノズル面(液体吐出面)
21a、21b、21c、21d 吸引キャップ(キャップ部材)
212 シール部材
213 洗浄液供給口
214 液体排出口
22a、22b、22c、22d 逆止弁(弁部材)
23 洗浄液供給路
25 液体排出路
26a、26b、26c、26d 吸引ポンプ(吸引手段)
27 廃液タンク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0100】
【特許文献1】特開2018-020517号公報
図1
図2
図3
図4
図5
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