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特開2022-180349インデックス可能な側方収容ポッド装置、加熱側方収容ポッド装置、システム、及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180349
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】インデックス可能な側方収容ポッド装置、加熱側方収容ポッド装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20221129BHJP
   H01L 21/205 20060101ALN20221129BHJP
【FI】
H01L21/68 T
H01L21/205
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022128918
(22)【出願日】2022-08-12
(62)【分割の表示】P 2019569826の分割
【原出願日】2018-05-25
(31)【優先権主張番号】62/524,375
(32)【優先日】2017-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パネーゼ, パトリック
(57)【要約】      (修正有)
【課題】比較的高いレベルの湿気、比較的高いO2レベル又は他の汚染物質に基板が晒されることのない側方収納ポッド及びそれを含む方法を提供する。
【解決手段】機器フロントエンドモジュール114の側方収容ポッドであって、機器フロントエンドモジュール114に結合するよう構成されたシール面を有する外囲体202と、鉛直方向に間隔が取られ、基板を支持するよう各々が構成された複数の収容部材を含む本体を有する側方収容ポッドチャンバ121と、収容部材の別々の部分群に機器フロントエンドモジュール114内のロード・アンロードロボットがアクセスしうるように、側方収容ポッドチャンバを鉛直方向に移動させるよう動作可能なインデクサ208と、を備える。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器フロントエンドフレームモジュールの側方収容ポッドであって、
前記機器フロントエンドモジュールに結合するよう構成されたシール面を有する外囲体と、
鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材であって、基板を支持するよう各々が構成された複数の収容部材を含む本体を有する側方収容ポッドチャンバと、
収容部材の別々の部分群に前記機器フロントエンドモジュール内のロード・アンロードロボットがアクセスしうるように、前記側方収容ポッドチャンバを鉛直方向に移動させるよう動作可能なインデクサと
を備えた、機器フロントエンドモジュールの側方収容ポッド。
【請求項2】
前記側方収容ポッドチャンバは、取り外し可能なドアであって、前記取り外し可能なドアが取り外されたときには前記機器フロントエンドモジュールのロード・アンロードロボットが前記複数の収容部材にアクセスすることを可能とする取り外し可能なドアを含む、請求項1に記載の側方収容ポッド。
【請求項3】
前記側方収容ポッドチャンバは、パージガス供給入口と、排気口とを含む、請求項1に記載の側方収容ポッド。
【請求項4】
前記側方収容ポッドチャンバは、前記パージガス供給入口に供給された非反応性ガスが、前記排気口を出る前に、前記鉛直方向に間隔が取られた収容部材に亘って通過することを可能とするガス分配システムを備える、請求項3に記載の側方収容ポッド。
【請求項5】
前記側方収容ポッドチャンバは、少なくとも50個の基板収容部材を含む、請求項1に記載の側方収容ポッド。
【請求項6】
前記収容部材は、少なくとも25個の基板収容部材の部分群を複数含んでおり、前記インデクサは、収容部材の別々の部分群に前記機器エンドフレームモジュール内のロード・アンロードロボットがアクセスしうるように、前記側方収容ポッドチャンバを鉛直方向に移動させるよう動作可能である、請求項1に記載の側方収容ポッド。
【請求項7】
前記外囲体は、前記側方収容ポッドチャンバを取り外して他の側方収容ポッドチャンバと置換することを可能とするアクセスドアを含む、請求項1に記載の側方収容ポッド。
【請求項8】
電子デバイス処理システムであって、
機器フロントエンドモジュールチャンバを含む機器フロントエンドモジュールと、
前記機器フロントエンドモジュールの前面に結合された1つ以上のロードポートであって、基板キャリアを支持するよう各々が構成された1つ以上のロードポートと、
前記機器フロントエンドモジュールの側方に結合されたインデックス可能な側方収容ポッドであって、前記インデックス可能な側方収容ポッドは、
前記機器フロントエンドモジュールに結合するよう構成されたシール面を有する外囲体、
鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材であって、基板を支持するよう各々が構成された複数の収容部材を含む本体を有する側方収容ポッドチャンバ、及び、
収容部材の別々の部分群に前記機器フロントエンドモジュール内のロード・アンロードロボットがアクセスしうるように、前記側方収容ポッドチャンバを鉛直方向に移動させるよう動作可能なインデクサ
を含む、インデックス可能な側方収容ポッドと
を備えた、電子デバイス処理システム。
【請求項9】
前記機器フロントエンドモジュールチャンバに結合された環境制御システムを備える、請求項8に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項10】
前記インデックス可能な側方収容ポッドの前記外囲体は、前記機器フロントエンドモジュールチャンバに対して開かれており、前記環境制御システムは、前記インデックス可能な側方収容ポッドの前記外囲体と前記機器フロントエンドモジュールチャンバとの双方において、共有する環境を制御する、請求項9に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項11】
前記側方収容ポッドチャンバは、パージガス供給入口と、排気口と、ガス分配システムとを備え、ガス分配システムによって、前記パージガス供給入口に供給された非反応性ガスが、前記排気口を出る前に、前記鉛直方向に間隔が取られた収容部材に亘って通過することを可能とする、請求項8に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項12】
前記収容部材は、少なくとも25個の基板収容部材の部分群を複数含んでおり、前記インデクサは、収容部材の別々の部分群に前記機器フロントエンドモジュール内のロード・アンロードロボットがアクセスしうるように、前記側方収容ポッドチャンバを鉛直方向に移動させるよう動作可能である、請求項8に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項13】
電子デバイス処理システムの内部で基板を処理する方法であって、
電子デバイス処理システムを準備することであって、
前記電子デバイス処理システムは、
機器フロントエンドモジュールチャンバを含む機器フロントエンドモジュールと、
前記機器フロントエンドモジュールの前面に結合された1つ以上のロードポートであって、基板キャリアを支持するよう各々が構成された1つ以上のロードポートと、
前記機器フロントエンドモジュールの側方に結合されたインデックス可能な側方収容ポッドであって、前記インデックス可能な側方収容ポッドは、
前記機器フロントエンドモジュールに結合するよう構成されたシール面を有する外囲体、
鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材であって、基板を支持するよう各々が構成された複数の収容部材を含む本体を有する側方収容ポッドチャンバ、及び、
収容部材の別々の部分群に前記機器フロントエンドモジュール内のロボットがアクセスしうるように、前記側方収容ポッドチャンバを鉛直方向に移動させるよう動作可能なインデクサ
を含む、インデックス可能な側方収容ポッドと
を有する、電子デバイス処理システムを準備することと、
前記機器フロントエンドモジュールチャンバの内部のロボットを用いて、前記側方収容ポッドチャンバの前記収容部材のうちの1つに載置された基板を取り出すことと、
前記ロボットを用いて、前記側方収容ポッドチャンバから前記機器フロントエンドモジュールチャンバへと前記基板を移送すること
を含む、電子デバイス処理システムの内部で基板を処理する方法。
【請求項14】
前記機器フロントエンドモジュールチャンバの内部のロボットを用いて、前記側方収容ポッドチャンバの前記収容部材のうちの1つに載置された基板を取り出すことは、
前記ロボットが、前記側方収容ポッドチャンバの内部の前記基板にアクセスすることを可能とするために、前記側方収容ポッドチャンバのドアを取り外すことと、
前記基板が一旦取り除かたら、前記側方収容ポッドチャンバをシールするために、前記側方収容ポッドチャンバへと前記ドアを戻すことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記収容部材は、少なくとも25個の基板収容部材の部分群を複数含んでおり、前記方法は、収容部材の別々の部分群に前記機器フロントエンドモジュールチャンバの前記ロボットがアクセスしうるように、前記側方収容ポッドチャンバを鉛直方向に移動させる前記インデクサを用いることを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
電子デバイス処理システムであって、
機器フロントエンドモジュールチャンバを含む機器フロントエンドモジュールと、
前記機器フロントエンドモジュールの前面に結合された1つ以上のロードポートであって、基板キャリアを支持するよう各々が構成された1つ以上のロードポートと、
前記機器フロントエンドモジュールの側方に結合された側方収容ポッドであって、
鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材であって基板を支持するよう各々が構成された複数の収容部材を含む本体と、入口ポートとを有する側方収容ポッドチャンバ、及び、
前記側方収容ポッドチャンバの前記入口ポートに結合されたヒータであって、加熱された非反応性ガスの流れを、前記側方収容ポッドチャンバを通って前記側方収容ポッドチャンバに収納された全基板に亘って提供するよう構成されたヒータ
を含む、前記機器フロントエンドモジュールの側方に結合された側方収容ポッドと
を備えた、電子デバイス処理システム。
【請求項17】
前記加熱された非反応性ガスは窒素である、請求項16に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項18】
前記側方収容ポッドチャンバは、前記加熱された非反応性ガスが前記側方収容ポッドチャンバを通って前記側方収容ポッドチャンバに収納された全基板に亘って流過して前記側方収容ポッドチャンバから出うるように、排気ポートを含む、請求項16に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項19】
電子デバイス処理システムの内部で基板を処理する方法であって、
機器フロントエンドモジュールチャンバを含む機器フロントエンドモジュールと、
前記機器フロントエンドモジュールの前面に結合された1つ以上のロードポートであって、基板キャリアを支持するよう各々が構成された1つ以上のロードポートと、
前記機器フロントエンドモジュールの側方に結合された側方収容ポッドであって、
鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材であって、基板を支持するよう各々が構成された複数の収容部材を含む本体を有する側方収容ポッドチャンバ、及び、
前記側方収容ポッドチャンバに結合されたヒータであって、加熱された非反応性ガスを前記側方収納ポッドチャンバに提供するよう構成されたヒータ
を含む、前記機器フロントエンドモジュールの側方に結合された側方収容ポッドと
を備えた、電子デバイス処理システムを準備することと、
前記加熱された非反応性のガスを、前記側方収納ポッドチャンバを通って、前記側方収納ポッドチャンバに収納された全基板に亘って流過させること
を含む、電子デバイス処理システムの内部で基板を処理する方法。
【請求項20】
前記基板に当てられる前記加熱された非反応性ガスによって、前記基板が脱気され、基板上で確認された揮発性の副生成物を除去することが可能となる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記加熱された非反応性ガス及び前記揮発性の副生成物を、前記側方収容ポッドチャンバから流し出すことを更に含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年6月23日に出願された「インデックス可能な側方収容ポッド装置、システム、及び方法(INDEXABLE SIDE STORAGE POD APPARATUS,SYSTEMS,AND METHODS)」と題する米国仮特許出願第62/524,375号明細書(代理人整理番号24710/L)に優先権を主張し、これにより、上記明細書は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、電子デバイスの製造に関し、特に、機器フロントエンドモジュール(EFEM:equipment front end module)のためのインデックス可能な側方収納ポッド、及びそれを含む方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体構成要素の製造における基板の処理は、複数のツール内で実施され、基板キャリア(例えば、前面開口一体型ポッド(Front Opening Unified Pod又はFOUP)内の処理ツール間で基板が移動する。FOUPは、EFEMの前面側でドッキング可能であり、EFEMは、各FOUP間で基板を移送するよう動作可能なロード/アンロードロボットと、処理ツールのメインフレームの1つ以上のロードロックとを備える。幾つかのシステムでは、EFEMは側方収納部を備えており、この側方収納部は、処理ツール内での処理から戻って来る少数の基板を収納するために利用される。しかしながら、既存の側方収納部には或る一定の制限がある。
【0004】
従って、改良された側方収納部、側方収納部を備えるシステム、及び方法が求められている。
【発明の概要】
【0005】
幾つかの実施形態では、機器フロントエンドモジュールの側方収容ポッドであって、
(1)機器フロントエンドモジュールに結合するよう構成されたシール面を有する外囲体と、
(2)鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材であって、基板を支持するよう各々が構成された複数の収容部材を含む本体を有する側方収容ポッドチャンバと、
(3)収容部材の別々の部分群に機器フロントエンドモジュール内のロード・アンロードロボットがアクセスしうるように、側方収容ポッドチャンバを鉛直方向に移動させるよう動作可能なインデクサと
を備えた、機器フロントエンドモジュールの側方収容ポッドが提供される。
【0006】
幾つかの実施形態において、電子デバイス処理システムであって、
(1)機器フロントエンドモジュールチャンバを含む機器フロントエンドモジュールと、
(2)機器フロントエンドモジュールの前面に結合された1つ以上のロードポートであって、基板キャリアを支持するよう各々が構成された1つ以上のロードポートと、
(3)機器フロントエンドモジュールの側方に結合されたインデックス可能な側方収容ポッド
を備えた、電子デバイス処理システムが提供される。
インデックス可能な側方収容ポッドは、
(a)機器フロントエンドモジュールに結合するよう構成されたシール面を有する外囲体と、
(b)鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材であって、基板を支持するよう各々が構成された複数の収容部材を含む本体を有する側方収容ポッドチャンバと、
(c)収容部材の別々の部分群に機器フロントエンドモジュール内のロード・アンロードロボットがアクセスしうるように、側方収容ポッドチャンバを鉛直方向に移動させるよう動作可能なインデクサと、
を備える。
【0007】
幾つかの実施形態において、電子デバイス処理システムの内部で基板を処理する方法は、
(1)機器フロントエンドモジュールチャンバを含む機器フロントエンドモジュールと、
(2)機器フロントエンドモジュールの前面に結合された1つ以上のロードポートであって、基板キャリアを支持するよう各々が構成された1つ以上のロードポートと、
(3)機器フロントエンドモジュールの側方に結合されたインデックス可能な側方収容ポッドと
を有する電子デバイス処理システムを準備することを含む。
インデックス可能な側方収容ポッドは、
(a)機器フロントエンドモジュールに結合するよう構成されたシール面を有する外囲体と、
(b)鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材であって、基板を支持するよう各々が構成された複数の収容部材を含む本体を有する側方収容ポッドチャンバと、
(c)収容部材の別々の部分群に機器フロントエンドモジュール内のロード・アンロードロボットがアクセスしうるように、側方収容ポッドチャンバを鉛直方向に移動させるよう動作可能なインデクサと
を備える。
本方法は、機器フロントエンドモジュールチャンバの内部のロボットを用いて、側方収容ポッドチャンバの収容部材のうちの1つに載置された基板を取り出すことと、ロボットを用いて、側方収容ポッドチャンバから機器フロントエンドモジュールチャンバへと基板を移送することも含む。
【0008】
幾つかの実施形態では、電子デバイス処理システムが提供される。電子デバイス処理システムは、
機器フロントエンドモジュールチャンバを含む機器フロントエンドモジュールと、
機器フロントエンドモジュールの前面に結合された1つ以上のロードポートであって、基板キャリアを支持するよう各々が構成された1つ以上のロードポートと、
機器フロントエンドモジュールの側方に結合された側方収容ポッドであって、
鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材であって、基板を支持するよう各々が構成された複数の収容部材を含む本体と、入口ポートとを有する側方収容ポッドチャンバ、及び
側方収容ポッドチャンバの入口ポートに結合されたヒータであって,加熱された非反応性ガスの流れを、側方収容ポッドチャンバを通じて、及び側方収容ポッドチャンバに収納された全基板に亘って提供するよう構成されたヒータ
を含む、機器フロントエンドモジュールの側方に結合された側方収容ポッドと
を備える。
【0009】
幾つかの実施形態において、電子デバイス処理システムの内部で基板を処理する方法が提供される。本方法は、
機器フロントエンドモジュールチャンバを含む機器フロントエンドモジュールと、
機器フロントエンドモジュールの前面に結合された1つ以上のロードポートであって、基板キャリアを支持するよう各々が構成された1つ以上のロードポートと、
機器フロントエンドモジュールの側方に結合された側方収容ポッドであって、
鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材であって、基板を支持するよう各々が構成された複数の収容部材を含む本体を有する側方収容ポッドチャンバ、及び、
側方収容ポッドチャンバに結合されたヒータであって、加熱された非反応性ガスを、側方収納ポッドチャンバを通って側方収納ポッドチャンバに収納された全基板に亘って提供するよう構成されたヒータ
を更に含む、機器フロントエンドモジュールの側方に結合された側方収容ポッドと
を備えた、電子デバイス処理システムを準備することと、
加熱された非反応性のガスを、側方収納ポッドチャンバを通って、側方収納ポッドチャンバに収納された全基板に亘って流過させること
を含む。
【0010】
多数の他の態様が、本開示の上記の及びその他の実施形態によって提供される。本開示の実施形態の他の特徴及び態様は、以下の明細書の詳細な説明、特許請求の範囲、及び添付の図面により完全に明らかとなろう。
【0011】
以下で説明する図面は、例示目的のためのものであり、必ずしも縮尺通りではない。図面は、本開示の範囲を何らか限定することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】1つ以上の実施形態に係る、インデックス可能な側方収容ポッド装置を備えた電子デバイス処理システムの概略的な上面図を示す。
図1B】1つ以上の実施形態に係る、インデックス可能な側方収容ポッド装置を備えた機器フロントエンドモジュールの前からの斜視図を示す。
図2A】1つ以上の実施形態に係る、インデックス可能な側方収容ポッド装置の部分的な側面図を示す。
図2B】1つ以上の実施形態に係る、インデックス可能な側方収容ポッド装置の部分的な側面図を示す。
図2C】1つ以上の実施形態に係る、インデックス可能な側方収容ポッド装置の部分的な側面図を示す。
図2D】1つ以上の実施形態に係る、インデックス可能な側方収容ポッド装置の部分的な側面図を示す。
図2E】1つ以上の実施形態に係る、インデックス可能な側方収容ポッド装置の部分的な側面図を示す。
図2F】1つ以上の実施形態に係る、インデックス可能な側方収容ポッド装置の部分的な側面図を示す。
図3】1つ以上の実施形態に係る、電子デバイス処理システムの内部の側方収納ポッドから基板を搬出する方法を示すフローチャートである。
図4】1つ以上の実施形態に係る、電子デバイス処理システムの内部の側方収納ポッドの内部に基板を搬入する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、添付の図面に示した例示の実施形態を詳細に参照する。可能な限り、同じ参照番号が、同じ又は類似の部分について言及するために、図面全体を通じて使用されることになる。本明細書に記載される様々な実施形態の特徴は、別様の明示的な注記がない限り、互いに組み合わせうる。
【0014】
既存の電子デバイス製造システムで処理加工される基板は、比較的高い湿気、又は、他の環境要因(例えば、高過ぎる酸素(O)レベル)、又は、比較的高いレベルの他の汚染化学物質に晒されるときに問題に悩まされることがある。具体的には、比較的高いレベルの湿気、比較的高いOレベル、又は他の汚染物質に基板が晒されることで、幾つかの実施形態において、基板特性に不利に影響する可能性がある。
【0015】
本発明の1つ以上の実施形態によれば、改良された基板処理を提供するよう適合された電子デバイス処理システムが提供される。本明細書で記載されるシステム及び方法は、ツール間で移送されるとき及び機器フロントエンドモジュール(EFEM:equipment front end module)と連携するときにも基板が晒される環境条件を制御することによって、基板の処理時の効率及び/又は処理の改善を提供しうる。
【0016】
EFEMは、EFEMの壁部にドッキングされた(例えば、EFEMの前面にドッキングされた)1つ以上の基板キャリアから基板を受け取り、ロード/アンロードロボットが、EFEMの他の表面(例えば、EFEMの後面)に結合された1つ以上のロードロックに基板を伝達する。幾つかの実施形態において、1つ以上の環境パラメータ(例えば、相対湿度、温度、Oの量、又は不活性ガスの量、又は他の汚染化学物質)が監視されて制御され、EFEMのEFEMチャンバ内の環境に関する或る一定の前提条件が満たされない限りは、EFEMにドッキングされたどのFOUPも開けられない。
【0017】
本明細書の1つ以上の実施形態において、側方収容ポッドが提供され、この側方収容ポッドは、環境的に制御することが可能であり、EFEMのための補助的な及び/又はインデックス可能な基板収納部を備えうる。例えば、幾つかの実施形態において、側方収容ポッドは、50個以上(例えば、52個以上)の基板の収容、幾つかの実施形態では75個以上の基板の収納を可能とする側方収容ポッドチャンバを備えうる。1つ以上の実施形態において、側方収容ポッドチャンバに収納された全基板が非反応性の環境に晒され及び/又は脱ガスされうるように、窒素といった加熱された非反応性ガスが、側方収容ポッドチャンバに供給されうる。側方収容ポッドチャンバは、自身の入口と、排気ポートとを含むことが可能であり、従って、加熱された非反応性ガスが、側方収容ポッドチャンバを通って側方収容ポッドチャンバに収納された全基板に亘って流過して、側方収容ポッドチャンバから流れ出うる。このことによって、側方収容ポッドチャンバ内に存在し又は側方収容ポッドチャンバに収納された基板で確認される如何なる揮発性の副生成物も、1つ以上の注入サイクル/浄化サイクルを用いて除去することが可能であり、側方収容ポッドチャンバとEFEMとの間で基板を移送する間の、側方収容ポッドチャンバとEFEMとの間の相互汚染を低減することが可能である。
【0018】
幾つかの実施形態において、側方収容ポッドチャンバはシールされ、及び、他の処理位置での利用のために側方収容ポッドから取り外されうる。その後で、他の側方収容ポッドチャンバが、側方収容ポッドに搬入され、EFEMに基板を移送し及び/又はEFEMから基板を受け取るために利用されうる。このようにして、その量に制限が無い基板収納部が、追加的な側方収容ポッドチャンバの利用を通じてEFEMに提供されうる。
【0019】
EFEMの内部の環境も同様に制御されうる。つまり、基板が晒される環境が、揺りかごから墓場まで、その移送経路に沿ってずっと及び/又は基板の収納の間制御されうる。
【0020】
本明細書で提供される例示の装置、システム、及び方法の実施形態の更なる詳細が、以下の図1A図4を参照しながら記載される。
【0021】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態に係る、電子デバイス処理システム100の例示的な実施形態の概略図である。電子デバイス処理システム100は、移送チャンバ102を画定するハウジング壁を有するメインフレームハウジング101を含みうる。移送ロボット103(点線の円で示す)が、少なくとも部分的に、移送チャンバ102の中に収納されうる。移送ロボット103は、移送ロボット103のアーム(図示せず)の操作を介して、基板を目標位置に載置し又は目標位置から取り出すよう構成されうる。本明細書で使用される基板は、半導体ウエハ、シリコン含有ウエハ、パターン付きウエハ、ガラスプレート等といった電子デバイス又は回路部品を作るために使用される物品を含む。
【0022】
移送ロボット103の様々なアーム構成要素の動きは、コントローラ106から命令される通りに、移送ロボット103の複数の駆動モータを含む駆動アセンブリ(図示せず)への適切なコマンドによって制御されうる。コントローラ106からの信号によって、移送ロボット103の様々な構成要素の動きが引き起こされうる。適切なフィードバックの仕組みが、位置エンコーダ等といった様々なセンサによって、上記構成要素の1つ以上に提供されうる。
【0023】
移送ロボット103は、移送チャンバ102内のおおよそ中央に位置しうる、肩軸の周りを回転可能なアームを含みうる。移送ロボット103は、移送チャンバ102の下部を形成するハウジング壁(例えば、フロア)に取り付けられるよう構成された基部(図示せず)を含みうる。しかしながら、移送ロボット103は、幾つかの実施形態において、天井部に取り付けられてよい。移送ロボット103は、処理ツールが(図示するような)ツインプロセスチャンパを備えるときにはツインチャンバ(例えば、並列するチャンバ)のために役立つよう構成されたデュアルタイプのロボットを備えうる。他の種類の処理チャンバの向き、及び他の種類の移送ロボットが使用されうる。
【0024】
図示されている実施形態における移送チャンバ102は、形状が方形又は若干矩形であってよく、例えば、第1ファセット102A、第1ファセット102Aに対向する第2ファセット102B、第3ファセット102C、及び、第3ファセット102Cに対向する第4ファセット102Dを含みうる。移送ロボット103は、デュアル基板を、チャンバの組の中に同時に移送及び/又は収めることに適合されうる。第1ファセット102A、第2ファセット102B、第3ファセット102C、及び第4ファセット102Dは平面的であってよく、例えば、チャンバの組への入口が、各ファセットに沿って存在しうる。しかしながら、他の適切な形状のメインフレームハウジング101、及び、他の適切な数のファセット及び処理チャンバも可能である。
【0025】
移送ロボット103の目標位置は、第1ファセット102Aに結合された第1の処理チャンバの組108A、108Bであってよく、かかる第1の処理チャンバの組は、そこに供給された基板にプロセスを実施するよう構成され、かつそこに供給された基板にプロセスを実施するよう動作可能でありうる。プロセスは、プラズマ気相堆積(PVD:plasma vapor deposition)又は化学気相堆積(CVD:chemical vapor deposition)、エッチ、アニール処理、予洗浄、金属又は金属酸化物の除去等といった、任意の適切なプロセスでありうる。他のプロセスもその中の基板で実施されうる。
【0026】
移送ロボット103の目標位置は、第2の処理チャンバの組108C、108Dであってもよく、この第2の処理チャンバの組108C、108Dは、第1の処理チャンバの組108A、108Bに対向しうる。第2の処理チャンバの組108C、108Dは、第2ファセット102Bに結合されてよく、上述のプロセスのいずれか等の任意の適切なプロセスを基板に実施するよう、構成されうる。同様に、移送ロボット103の目標位置は、第3の処理チャンバの組108E、108Fであってもよく、この第3の処理チャンバの組108E、108Fは、第3ファセット102Cに結合されたロードロック装置112に対向しうる。第3の処理チャンバの組108E、108Fは、上述のプロセスのいずれか等の任意の適切なプロセスを基板に実施するよう構成されうる。
【0027】
基板は、EFEM114から移送チャンバ102の中に収容され、また、移送チャンバ102を出て、EFEM114の表面(後方壁など)に結合されたロードロック装置112を通ってEFEM114に達しうる。ロードロック装置112は、1つ以上のロードロックチャンバ(例えば、ロードロックチャンバ112A、112B)を含みうる。ロードロック装置112に含まれるロードロックチャンバ112A、112Bは、単一ウエハロードロック(SWLL:single wafer load lock)チャンバ、マルチウエハチャンバ、又はこれらの組み合わせでありうる。
【0028】
EFEM114は、EFEM114Cを形成する(例えば、前壁、後壁、側壁、上部及び底部といった)側壁表面を有する任意のエンクロージャ(enclosure)でありうる。1つ以上のロードポート115が、EFEM114の表面(例えば、前面)に提供され、1つ以上の基板キャリア116(例えば、FOUP)をそこで受け入れるよう構成されうる。3つの基板キャリア116が示されているが、より多く又はより少ない数の基板キャリア116がEFEM114とドッキングされうる。
【0029】
EFEM114は、そのEFEMチャンバ114Cの中に、従来の構造の適切なロード/アンロードロボット117(点線で示す)を含みうる。ロード/アンロードロボット117は、基板キャリア116のドアが一旦開くと、基板キャリア116から基板を取り出し、EFEMチャンバ114Cを通じて、ロードロック装置112の1つ以上のロードロックチャンバ112A、112Bの中に基板を供給するよう構成され及び動作可能でありうる。任意に、ロード/アンロードロボット117は、基板キャリア116のドアが一旦開くと、基板が処理を待ってアイドル状態にある間に、基板キャリア116から基板を取り出しその基板を側方収容ポッド120に供給するよう構成され及び動作可能でありうる。側方収容ポッド120は、EFEM114の側壁に結合されている。ロード/アンロードロボット117は、1つ以上の処理チャンバ108A~108Fでの処理の前及び後に、側方収容ポッド120から基板を取り出し及び側方収容ポッド120の中に基板を搬入するよう構成されうる。
【0030】
側方収容ポッド120は、環境的に制御可能であり、EFEM114のための補助的な及び/又はインデックス可能な基板収納部を含みうる。例えば、幾つかの実施形態において、側方収容ポッド120は、50個以上(例えば、52個以上)の基板の収容、及び幾つかの実施形態では、75個以上の基板の収納を可能とする側方収容ポッドチャンバ121を含みうる。基板は、側方収容ポッドチャンバ121に対するアクセスを提供するために、側方収容ポッドチャンバ121のシール可能なドア122を開けることにより、側方収容ポッドチャンバ121からEFEM114へと移送可能であり、及びその逆も然りである。1つ以上の実施形態において、窒素といった加熱された非反応性ガスが、例えばヒータ123を介して、側方収容ポッドチャンバ121に供給可能であり、従って、そこに収納された全基板が、非反応性の環境に晒され及び/又は脱気される。側方収容ポッドチャンバ121は、自身の入口と、(以下に記載する)排気ポートとを備えており、従って、加熱された非反応性ガスが、側方収容ポッドチャンバ121を通って、そこに収納された全基板に亘って流れて、側方収容ポッドチャンバ121を出て排気部に達しうる。側方収容ポッド120及び側方収容ポッドチャンバ121の例示の実施形態を、図2A図2Fを参照しながら以下にさらに説明する。
【0031】
移送チャンバ102とEFEMチャンバ114Cとの間での基板の移送を可能とする任意の適切な構造のロードロック装置112が使用されうる。
【0032】
図示されている実施形態では、EFEMチャンバ114Cは、その中で環境的に制御された雰囲気を提供する環境制御を伴って提供されうる。具体的には、環境制御システム118がEFEM114に結合されており、EFEMチャンバ114Cの内部の環境条件を監視及び/又は制御するよう動作可能である。幾つかの実施形態において、或る時間帯に、EFEMチャンバ114Cはその中に、不活性ガス供給118Aから、アルゴン(Ar)、窒素(N)又はヘリウム(He)といった不活性ガス及び/又は非反応性ガスを受け取りうる。他の実施形態において、又は他の時間に、空気供給118Bから空気(例えば、乾燥空気)が提供されうる。図2A図2Fを参照しながら以下に記載する幾つかの実施形態において、EFEMチャンバ114Cの内部の環境条件が側方収容ポッド120の内部に存在しうる。というのは、EFEMチャンバ114Cと側方収容ポッド120とは、互いに対して開放された状態にあり、及び/又はそうでなければ、流体的に連通した状態にあるからである。側方収容ポッドチャンバ121は、不活性ガス供給118A又は他のガス源(図示せず)から供給される別に制御された環境を有しうる。
【0033】
より詳細には、環境制御システム118は、EFEMチャンバ114C、側方収容ポッド120及び/又は側方収容ポッドチャンバ121の内部の、1)相対湿度(RH:relative humidity)、2)気温(T)、3)Oの量、又は、4)不活性ガス及び/又は非反応性ガスの量の少なくとも1つを制御しうる。EFEMチャンバ114C、側方収容ポッド120及び/又は側方収容ポッドチャンバ121へのガス流量、又は、EFEMチャンバ114C内、側方収容ポッド120内及び/又は側方収容ポッドチャンバ121内、若しくは、双方の内部の圧力といった、EFEM114、側方収容ポッド120及び/又は側方収容ポッドチャンバ121の他の環境条件が、監視及び/又は制御されうる。
【0034】
幾つかの実施形態において、環境制御システム118は、コントローラ106を含む。コントローラ106は、様々なセンサから入力を受信するため、及び、EFEMチャンバ114C、側方収容ポッド120及び/又は側方収容ポッドチャンバ121の内部の環境条件を制御するため1つ以上の値を制御するために適したプロセッサ、メモリ、及び/又は電子部品を含みうる。1つ以上の実施形態において、環境制御システム118は、相対湿度(RH)を感知するよう構成された相対湿度センサ130によりEFEMチャンバ114C内のRHを感知することによって、相対湿度(RH)を監視しうる。容量センサといった任意の適切な種類の相対湿度センサ130が使用されうる。側方収容ポッド120内及び/又は側方収容ポッドチャンバ121内の相対湿度も監視されうる。適切な量の不活性ガス及び/又は非反応性ガスを、環境制御システム118の不活性ガス供給118Aから、EFEMチャンバ114C、側方収納ポッドチャンバ120及び/又は収納ポッドチャンバ121の中へと流過させることで、RHが下げられうる。本明細書に記載するように、不活性ガス供給118Aからの不活性ガス及び/又は非反応性ガスは、アルゴン、N、ヘリウム、他の非反応性ガス、又はそれらの混合物でありうる。HOレベルが低い(例えば、純度>=99.9995%、HO<5ppm)圧縮されたバルク不活性ガスが、例えば、環境制御システム118の不活性ガス供給118Aとして使用されうる。他のHOレベルも使用されうる。
【0035】
1つ以上の実施形態において、所定の相対湿度基準値は、電子デバイス処理システム100内で実施される特定のプロセスにとって、又は、EFEM114、側方収納ポッド120及び/又は側方収納ポッドチャンバ121の環境に晒される特定の基板にとって許容可能な水分のレベルに従って、水分約1000ppm未満であるか、水分約500ppm未満であるか、又は水分約100ppm未満ですらありうる。
【0036】
環境制御システム118は、EFEM114の内部の酸素(O)のレベルを感知するよう構成され適合された酸素センサ132を含みうる。側方収容ポッド120内及び/又は側方収容ポッドチャンバ121内の酸素レベルも監視されうる。幾つかの実施形態において、不活性ガス供給118AからEFEMチャンバ114C、側方収容ポッド120及び/又は側方収容ポッドチャンバ121の中への、適切な量による不活性ガス及び/又は非反応性ガスの流れを起こす環境制御システム118への、コントローラ106からの制御信号が、酸素(O)のレベルを制御して閾値のOの値より下げるために生成されうる。1つ以上の実施形態において、閾値のOの値は、電子デバイス処理システム100内で実施される特定のプロセス、又はEFEM114、側方収納ポッド120及び/又は側方収納ポッドチャンバ121の環境に晒される特定の基板にとって許容可能な(質に影響を与えない)Oのレベルに従って、約50ppm未満のOであり、約10ppm未満のOであり、又は、約5ppm未満のOですらありうる。
他の閾値のOの値が使用されうる。
【0037】
環境制御システム118は、EFEM114の内部の絶対圧力又は相対圧力を測定する圧力センサ133をさらに含みうる。側方収容ポッド120内及び/又は側方収容ポッドチャンバ121内の圧力レベルも監視されうる。幾つかの実施形態において、コントローラ106は、EFEMチャンバ114C内、側方収容ポッド120内及び/又は側方収容ポッドチャンバ121内の圧力を制御するために、不活性ガス供給118Aから、EFEMチャンバ114C、側方収容ポッド120及び/又は側方収容ポッドチャンバ121の中への不活性ガス及び/又は非反応性ガスの流量を制御しうる。幾つかの実施形態において、(例えば保守の間に)EFEMチャンバ114Cへの進入を許可する安全閾値レベルを上回っていることを確実にするために、酸素センサ132が、EFEMチャンバ114C内の酸素レベルを感知しうる。
【0038】
本明細書に図示される実施形態において、コントローラ106は、適切なプロセッサと、メモリと、様々なセンサ(例えば、相対湿度センサ130及び/又は酸素センサ132)からの制御入力を受信して、閉ループの又は他の適切な制御方式を実行するよう適合された周辺構成要素と、を有する任意の適切なコントローラでありうる。一実施形態において、制御方式は、EFEM114、側方収容ポッド120及び/又は側方収容ポッドチャンバ121に導入されるガスの流量を、そこでの所定の環境条件を実現するために変更しうる。他の実施形態において、制御方式は、いつ基板をEFEM114及び/又は側方収容ポッドチャンバ121の中に移送するのかについて決定しうる。幾つかの実施形態において、側方収容ポッドチャンバ121は、側方収容ポッドチャンバ121の内部の環境を監視及び制御するために、別のコントローラ及び/又はセンサを利用しうる。
【0039】
EFEM114に取り付けられた側方収容ポッド120は、特定の環境条件下で基板を収納しうる。例えば、側方収容ポッドチャンバ121は、EFEMチャンバ114C内と同じ環境条件で基板を収納しうる。代替的に、側方収容ポッドチャンバ121は、EFEMチャンバ114Cとは異なる、基板の収納のための環境条件(例えば、より低い酸素レベル及び/又はより低い汚染レベル、より高い温度、より高い圧力等)を採用しうる。
【0040】
側方収容ポッド120は、EFEMチャンバ114Cと流体的に結合可能であり、EFEM114から不活性ガス及び/又は非反応性ガスを受け取りうる。側方収容ポッド120は、側方収容ポッド120からガスを排出するための排出導管(図示せず)を含みうる。
【0041】
図示される実施形態において、環境制御システム118は、側方収容ポッドチャンバ121への不活性ガス及び/又は非反応性ガスの流れを提供しうる。記載したように、不活性ガス供給118Aによって、不活性ガス及び/又は非反応性ガスが、1つ以上の供給導管125及びそれに接続された1つ以上の弁(図示せず)を通じて、側方収容ポッドチャンバ121に供給されうる。1つ以上の供給導管125及び弁は、不活性ガス及び/又は非反応性ガスを、コントローラ106(又は別の専用のコントローラ)からの制御信号に応じて、或る時間帯に、側方収容ポッドチャンバ121へと供給する。例えば、不活性ガス及び/又は非反応性ガスの供給は、或る一定の環境条件を満たすために側方収容ポッドチャンバ121の内部の環境を浄化するために、側方収容ポッドチャンバ121のシール可能なドア122を開ける直前に、側方収容ポッドチャンバ121に設けられうる。このような環境前提条件は、ドア122が開けられる前に満たされ、EFEMチャンバ114Cを介して側方収容ポッドチャンバ121への又は側方収容ポッドチャンバ121からの基板の移送が可能となる。同様に、側方収容ポッドチャンバ121に基板を収納する間に、酸素レベルが低いガス、加熱ガス等が、側方収容ポッドチャンバ121に提供されうる。上述したように、幾つかの実施形態において、側方収容ポッドチャンバ121に収納されている基板は、EFEM114内の環境とは異なる環境に晒されうる。
【0042】
図1Bは、EFEM114の斜視図であり、EFEM114は、ロードポート115と、自身に結合された側方収容ポッド120とを有する。側方収容ポッド120は、密閉するようにEFEM114の側壁パネル160に結合可能であり、EFEM114と側方収容ポッド120との間の気密な及び/又は真空のシール部が形成される。任意の適切なシール部(例えば、Oリング、矩形のシール部、押出バルブシール部、エチレンプロピレンジエンモノマのシール部、フルオロエラストマのシール部等)が利用されうる。
【0043】
図1Bに示すように、側方収容ポッド120は上方領域162を含みうる。この上方領域162において、側方収容ポッドチャンバ121が、(例えば、側方収容ポッドのアクセスドア164を通じて)搬入され又は取り外されうる。側方収容ポッド120は、側方収容ポッド120の上方領域162を支持する下方領域166も含んでおり、この下方領域166には、以下に詳細に記載するように、側方収容ポッド120及び/又は側方収容ポッドチャンバ121のための様々な弁、配管系統、排気部等を含が含まれうる。側方収容ポッド120は、EFEM114の側壁パネル160に接触してシールするよう構成されたシール面168を含みうる。
【0044】
図2Aは、本明細書で提供される1つ以上の実施形態に係る、側方収容ポッド120の側方からの部分的な断面図である。側方収容ポッド120は外囲体202を備え、この外囲体202は、EFEM114の側壁パネル160に接触してシールするよう構成されたシール面168を有する。幾つかの実施形態において、シール面168は背面204を有することが可能であり、この背面204は、シール面168の一区分及び/又は周面に通る溝206を有している。シール部207が、溝206の内部に設けられ、側方収容ポッド120とEFEM114とが連結されるときには側方収容ポッド120とEFEM114との間の界面をシールしうる。任意の適切なシール部(例えば、Oリング、矩形のシール部、押し出しバルブシール部、エチレンプロピレンジエンモノマのシール部、フルオロエラストマのシール部等)が利用されうる。
【0045】
側方収容ポッドチャンバ121は外囲体202の内部に配置されており、インデクサ208に結合されている。幾つかの実施形態において、側方収容ポッドチャンバ121は、受台210に、又は、インデクサ208に結合している他支持構造に載置されうる。代替的に、側方収容ポッドチャンバ121は、インデクサ208に直接的に結合しうる。インデクサ208は、側方収容ポッドチャンバ121の鉛直運動を提供するための、任意の適切なリフト及び下降の仕組みでありうる。例えば、インデクサ208は、ベアリングスライド、レール(図示せず)を含むリニアベアリングアセンブリ212を含みうる。リニアベアリングアセンブリ212は、鉛直アクチュエータ214に接続しうる。鉛直アクチュエータ214の作動されることによって、側方収容ポッドチャンバ121の上昇又は下降が引き起こされる。鉛直アクチュエータ214は、油圧式、空気圧式、電気的等の任意の適切な種類のアクチュエータでありうる。
【0046】
側方収容ポッドチャンバ121は、鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材218であって、基板220を支持するよう各々が構成された複数の収容部材218を含む本体216を備える(図2B)。鉛直方向に間隔が取られた収容部材218は、棚部であってよく、又は、基板を支持するための、側方収容ポッドチャンバ121の本体216に結合された他の支持構造であってよい。鉛直方向に間隔が取られた収容部材218同士は、充分に間隔をおいて離間させることが可能であり、EFEM114のロボット117(図1A)のロボットブレード部222(図2A)が、鉛直方向に間隔が取られた収容部材218の上に基板を搬入し又は鉛直方向に間隔が取られた収容部材218から基板を取り出すことが可能となる。
【0047】
幾つかの実施形態において、側方収容ポッドチャンバ121は、少なくとも50個の基板収容部材218を含み、幾つかの実施形態では、少なくとも52個の基板収容部材218を含み、幾つかの実施形態では、少なくとも75個以上の基板収容部材218を含みうる。他の数による基板収容部材が使用されてよい。幾つかの実施形態において、収容部材218は、25個又は26個の基板収容部材218の部分群を複数含むことが可能であり、インデクサ208は、収納部材の、25個又は26個の別々の基板の部分群にEFEM114のロボット117のロボットブレード部222がアクセスしうるように、側方収容ポッドチャンバ121を鉛直方向に移動させられるよう動作可能でありうる。例えば、図2B図2E、及び図2Fに示すように、収容部材218の第1の部分群218aは、EFEM114のロボット117のロボットブレード部222によるアクセスのために位置付けることが可能であり、その後で、インデクサ208は、EFEM114のロボット117のロボットブレード部222が収容部材218の第2の部分群218bにアクセスすることを可能とするために、側方収容ポッドチャンバ121を下げることが可能であり、又は、その逆も然りである。
【0048】
側方収容ポッドチャンバ121は、取り外し可能なドア122を備え、この取り外し可能なドア122によって、EFEM114のロボット117は、取り外し可能なドア122が取り外されたときには複数の収容部材218にアクセスすることが可能となる。図2Bに示すように、取り外し可能なドア122(及び/又は側方収容ポッドチャンバ121の本体216)は、シール面226を含むことが可能であり、このシール面226は、溝228と、ドア122が側方収容ポッドチャンバ121の本体216に対してシールすることを可能とするシール部材230と、を有する。このことによって、側方収容ポッドチャンバ121の内部の環境を、側方収容ポッド120の外囲体202の環境から、及び/又はEFEM114の環境から隔離することが可能となる。
【0049】
幾つかの実施形態において、側方収容ポッドチャンバ121は、パージガス供給入口232と、排気口234と、を含むことが可能であり、排気口234によって、加熱された非反応性ガスといった不活性ガス及び/又は非反応性ガスが、側方収容ポッドチャンバ121を通ってそこに収納された全基板に亘って流過し、側方収容ポッドチャンバ121から流れ出ることが可能となる。このことによって、側方収容ポッドチャンバ121の内部に存在し又は側方収容ポッドチャンバ121で収納された基板上に位置するいかなる揮発性の副生成物も、1つ以上の注入サイクル/浄化サイクルを用いて除去することが可能となり、側方収容ポッドチャンバ121とEFEM114との間での基板の移送中に、側方収容ポッドチャンバ121とEFEM114との相互汚染が低減されうる。不活性ガス及び/又は非反応性ガスの例には、アルゴン、N、ヘリウム、任意の他の適切なガス、又はその混合物が含まれる。ヒータ123(図1A)が、例えば側方収容ポッドチャンバ121への進入前に、ガスを加熱するために利用されうる。幾つかの実施形態において、排気口234は、EFEM114の外に連通されうる(例えば、図2A参照)。
【0050】
図2B及び図2Cに示すように、1つ以上の実施形態において、側方収容ポッドチャンバ121は、プレナムなガス分配プレート、各収容部材218で開口又はノズルを含む中空管等といった、ガス分配システム236を備えうる。ガス分配システム236によって、パージガス供給入口232に供給された不活性ガス及び/又は非反応性ガスが分散させられ、従って、排気口234を出る前に、鉛直方向に間隔が取られた収容部材218に亘って通過することが可能となる。図2Cでは、パージガス供給入口232を通って、(図2Cではラベル付けされていない)収容部材218に亘って側方収容ポッドチャンバ・ドア122の方に向かってから、排気口234から出るという例示のガスの流れが矢印で示されている。このような構成によって、側方収容ポッドチャンバ121の内部で、注入サイクル/浄化サイクルの間に汚染物質の除去が改善されうる。さらに、ガスは、ドア122が取り外されたときには、側方収容ポッドチャンバ121を流過することが可能であり、EFEMチャンバ114Cの内部のガスが、側方収容ポッドチャンバ121に入ることが防止される。
【0051】
側方収容ポッドチャンバ121はシールすることが可能であり、EFEMチャンバ114Cから隔離された自身の環境が与えられているため、幾つかの実施形態では、側方収容ポッドチャンバ121はシールされて、他の処理位置での利用のために、(例えば、図1Bのアクセスドア164を通じて)側方収容ポッド120から取り外されうる。その後で、他の側方収容ポッドチャンバが、側方収容ポッド120に搬入されて、EFEM114に基板を移送し及び/又はEFEM114から基板を受け取るために利用されうる。このようにして、その量に制限がない基板収納部が、追加的な側方収容ポッドチャンバの利用を通じて、EFEM114に提供されうる。
【0052】
図2Aに図示するように、開口238が、EFEM114と側方収容ポッド120の外囲体202との間のパネル160に設けられている。開口238によって、側方収容ポッド120の内部の側方収容ポッドチャンバ121を取り囲む領域は、EFEM114に結合されたときには、EFEM114と環境を共有することが可能となる。幾つかの実施形態において、外囲体202は、別の排気口(図示せず)を含みうる。1つ以上の実施形態において、追加的なドア(図示せず)が、開口238をシールして、EFEM114から側方収容ポッド120を隔離するために設けられうる。
【0053】
図2Aの実施形態では、側方収容ポッド120及び/又はEFEM114は、側方収容ポッドチャンバのドアオープナー240を備え、この側方収容ポッドチャンバのドアオープナー240は、側方収容ポッドチャンバ121のドア122を取り外すことが可能であり、収容部材218及び/又はそこに収納された全基板220へのアクセスが提供されうる。側方収納ポッドチャンバのドアオープナー240は、1つ以上のコネクタ(図示せず)を有し、この1つ以上のコネクタは、側方収容ポッドチャンバ121のドア122に接触して取り付けられるよう構成されたコネクタプレート242に取り付けられている。コネクタは、例えば、吸入式の装置、真空装置等でありうる。側方収容ポッドチャンバ・ドア122に取り付けて当該側方収容ポッドチャンバ・ドア122を保持することが可能な、他の適切な種類のコネクタデバイスが利用されうる。固定の仕組み(図示せず)を、ドア122を固定するために利用することが可能であり、従って、ドア122が意図せずに開くことはなく、コネクタプレート242は、適切な開放の仕組み(図示せず)を含みうる。
【0054】
ドアオープナー240は、例えば、移動台244と、駆動システム246を備えることが可能であり、駆動システム246によって、側方収容ポッドチャンバ121からコネクタプレート242及びドア122を引っ込ませること、又は、コネクタプレート242及びドア122を側方収容ポッドチャンバ121に向かって移動させることが可能となる。駆動システム246は、側方収納ポッドチャンバ121に向かう動き及び側方収納ポッドチャンバ121から離れる動きを引き起こすために、適切なモータ及び変速の仕組みを含みうる。ドアの開放及び把持のための任意の適切な種類の仕組みが、側方収容ポッドチャンバ・ドア122を把持して開けるために利用されうる。
【0055】
ドア122を下げることは、エレベータ248によって実現されうる。エレベータ248は、コネクタプレート242及び側方収容ポッドチャンバ・ドア122の鉛直運動を提供するための任意の適切な仕組みを含みうる。例えば、エレベータ248は、ベアリングスライド、レール等(図示せず)を含むリネアベアリングアセンブリ250を含みうる。リネアベアリングアセンブリ250は、例えば駆動システム246の内部に位置する(別個に示されない)鉛直アクチュエータに結合しうる。ドアオープナー240によって、側方収容ポッドチャンバ121のドア122が側方収容ポッドチャンバ121から取り外されている場合には、鉛直アクチュエータの作動によって、コネクタプレート242及び側方収容ポッドチャンバ121のドア122の上昇又は下降が引き起こされる。
油圧式、空気圧式、電気的等といった任意の適切な種類の鉛直アクチュエータが利用されうる。
【0056】
稼働時には、側方収容ポッドチャンバ121が、アクセスドア164を通って収納ポッド120に搬入されうる(図1)。図2Aの実施形態において、側方収容ポッドチャンバ121は受台210に載置されており、幾つかの実施形態では、側方収容ポッド120の内部での側方収容ポッドチャンバ121の整列をもたらす1つ以上の登録特徴(図示せず)を有しうる。
【0057】
側方収容ポッド120の内部に搬入されると、N、Ar等といった不活性ガス及び/又は非反応性ガスは、側方収容ポッドチャンバ121の内部で非反応性の環境を提供するため、側方収容ポッドチャンバ121に注入し/側方収容ポッドチャンバ121を浄化するためなどに利用されうる。例えば、N2といった加熱ガスが、側方収容ポッドチャンバ121の入口232を通って、そこに収納された全基板に亘って流過して、側方収容ポッドチャンバ121の排気口234から流れ出うる。幾つかの実施形態において、側方収容ポッドチャンバ121の内部の環境は、EFEM114の内部の環境とは異なる(例えば、より高い)レベルの純度を有しうる。
【0058】
ドアオープナー240は、収容部材218及び/又はそこに収納された全基板にアクセスするために、側方収容ポッドチャンバ121を開けるために利用されうる。例えば、コネクタプレート242は、図2Dに示すように、移動台244及び駆動システム246を用いて、側方収容ポッドチャンバ121のドア122に接触し、係合し、開放し及び/又は取り除し、かつ、ドア122を側方収容ポッドチャンバ121から引っ込ませることが可能である。その後で、ドア122が、例えば図2Eに示すように、リネアベアリングアセンブリ250及び駆動システム246を用いて下げられうる。
【0059】
ドア122が開口238から取り外されると、EFEM114のロボット117のロボットブレード部222は、側方収容ポッドチャンバ121に基板を収納し又は側方収容ポッドチャンバ121から基板を取り出しうる。図2Eに示される実施形態では、ロボットブレード部222は、収容部材218の、下方の部分群218bにアクセスしうる。代替的に、インデクサ208が、図2Fに示すように、収容部材218の、上方の部分群218aにアクセスするために、側方収容ポッドチャンバ121を下げられる。
【0060】
幾つかの実施形態において、側方収容ポッドチャンバ121のドア122が開いている間、及び/又は、側方収容ポッドチャンバ121に基板を搬入し又は側方収容ポッドチャンバ121から基板を取り出す間に、不活性ガス及び/又は非反応性ガスといったパージガスが、ガス分配システム236を用いて側方収容ポッドチャンバ121を流過することが可能であり、EFEM114からの環境が側方収容ポッドチャンバ121に入って、そこに収納されたいかなる基板も潜在的に汚染することが防止される。例えば、幾つかの実施形態において、EFEM114内よりも高い圧力が、側方収容ポッドチャンバ121内で維持されうる。
【0061】
側方収納ポッドチャンバ121は、複数の基板が側方収容ポッドチャンバ121に搬入され又は側方収容ポッドチャンバ121から取り出される間は開放された状態でありうるか、又は、側方収容ポッドチャンバ121への、又は側方収容ポッドチャンバ121からの任意の基板移送動作の後に閉じられうる。
【0062】
幾つかの実施形態において、EFEM114のロボット117のロボットブレード部222は、側方収容ポッドチャンバ121へ、及び側方収容ポッドチャンバ121から基板を移送するために鉛直運動を利用しえない。基板移送のためのいずれの鉛直運動も、インデクサ208により提供されうる。代替的に、EFEM114のロボットブレード部222は、何らかの鉛直運動を提供しうる。さらに別の実施形態において、ロボットブレード部222は、インデクサ208を利用することなく、ロボットブレード部222の鉛直運動を利用することで、側方収容ポッドチャンバ121の全収容部材218にアクセスしうる。
【0063】
先に言及したように、側方収容ポッドチャンバ121は、側方収容ポッド120から取り外されうる。このことによって、側方収容ポッドチャンバ121の容易な保守及び洗浄、並びに、より多くの収納部をEFEM114に迅速に追加する能力が可能となる。
【0064】
図3は、本明細書で提供される実施形態に係る、電子デバイス処理システムの内部で基板を処理する方法300を図示している。図3を参照すると、ブロック302では、方法300は、機器フロントエンドモジュールチャンバを有する機器フロントエンドモジュールと、機器フロントエンドモジュールの前面に結合された1つ以上のロードポートであって、基板キャリアを支持するよう各々が構成された1つ以上のロードポートと、機器フロントエンドモジュールの側方に結合されたインデックス可能な側方収容ポッドとを備えた電子デバイス処理システムを準備することを含む。例えば、図1Aは、電子デバイス処理システム100を示しており、この電子デバイス処理システム100は、EFEMチャンバ114Cを含むEFEM114と、基板キャリア116を支持するロードポート115と、インデックス可能な側方収容ポッド120(例えば、側方収容ポッド120の内部の側方収容ポッドチャンバ121が上げられ又は下げられる)と、を備えている。幾つかの実施形態において、側方収容ポッド120は外囲体202を備え、外囲体202は、EFEM114に結合するよう構成されたシール面168を有する。鉛直方向に間隔が取られた(基板を支持するよう各々が構成された)複数の収容部材218を含む本体216を有する側方収容ポッドチャンバ121が、側方収容ポッド120の内部に準備されうる。側方収容ポッド120は、収容部材218の別々の部分群にEFEM114内のロード・アンロードロボット117がアクセスしうるように、側方収容ポッドチャンバ121を鉛直方向に移動させるよう動作可能なインデクサ208を備えうる。
【0065】
ブロック304では、方法300は、機器フロントエンドモジュールの内部のロボットを用いて、側方収容ポッドチャンバの収容部材のうちの1つに載置された基板を取り出すことを含みうる。例えば、側方収容ポッドチャンバ121のドア122がドアオープナー240を用いて取り外されて、収容部材218へのアクセスを提供するために下げられうる。側方収容ポッドチャンバ121の収容部材218のうちの1つに載置された基板(例えば、図2Bの基板220)は、その後、EFEM114内のロボット117のロボットブレード部222を用いて取り出されうる。1つ以上の実施形態において、パージガスが、ドア122が取り除かれている間に、側方収容ポッドチャンバ121を流過しうる。
【0066】
幾つかの実施形態において、収容部材218は、25個又は26個の基板収容部材の部分群を複数含むことが可能であり、インデクサ208は、収容部材の、25個又は26個の別々の基板の部分群にEFEM114のロボットブレード部222がアクセス可能しうるように、側方収容ポッドチャンバ121を鉛直方向に移動させるために利用されうる。
【0067】
ブロック306では、方法300は、ロボットを用いて、側方収容ポッドチャンバから機器フロントエンドモジュールチャンバへと基板を移送することを含む。例えば、基板220は、EFEM114のロボット117のロボットブレード部222を用いて、側方収容ポッドチャンバ121から取り出されて、EFEMチャンバ114Cへと移送されうる(図2E)。基板220を取り出すことは、例えば、ロボットブレード部222にとって適切な高さに側方収容ポッドチャンバ121を位置付けるために、インデクサ208を用いることを含みうる。
【0068】
幾つかの実施形態において、ブロック308では、方法300は、側方収容ポッドチャンバから基板が取り除かれた後に、側方収容ポッドチャンバをシールすることを含む。例えば、側方収容ポッドチャンバ121からEFEMチャンバ114Cへと基板が移送された後で、ドアオープナー240が、ドア122を側方収容ポッドチャンバ121に向かって戻しながら上昇させて動かしうる。
【0069】
類似した方法が、側方収容ポッド120に基板を収納するために利用されうる。例えば、図4は、側方収納ポッドに基板を収納する方法400を図示している図4を参照すると、ブロック402は、EFEMと、1つ以上のロードポートと、側方収容ポッドチャンバを備えたインデックス可能な側方収納ポッドと、を有する電子デバイス処理システムを準備することを含む。ブロック404は、側方収容ポッドチャンバのドアを、EFEMロボットにアクセスさせるために取り外すことを含む。ブロック406は、EFEMロボットを用いて、EFEMチャンバから側方収容ポッドチャンバへと基板を移送することを含む。このことには、側方収容ポッドチャンバのドアを取り外した間、及び/又は基板移送操作の間に、パージガスに側方収容ポッドチャンバを流過させること、及び/又は、側方収容ポッドチャンバにインデックスを付けること(例えば、側方収容ポッドチャンバを上げ又は下げること)が含まれうる。幾つかの実施形態において、側方収容ポッドチャンバは、基板が自身に収納された後でシールされうる(ブロック408)。
【0070】
コントローラ106(図1A)は、環境制御システム118を介して、環境前提条件を満たすために環境条件を制御しうる。例えば、基板キャリア及び/又は側方収容ポッドチャンバ121の内部での環境前提条件を満たすために環境条件を制御することは、1つ以上の基板キャリアのドア、又は側方収容ポッドチャンバ121のドア122のいずれか1つを開ける前に行われうる。EFEM114内の環境前提条件は、1つ以上の基板キャリアのドア、側方収容ポッドチャンバ121のドア122のいずれか1つ、又は、1つ以上のロードロックチャンバのいずれか1つの開放が可能となる前に、環境前提条件を満たすためにも制御されうる。
【0071】
前述の説明は、本発明の例示的な実施形態を提供している。従って、本開示を例示的な実施形態に関連して提供してきたが、他の実施形態及び均等物も、以下の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲に含まれうると理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器フロントエンドモジュール(EFEM:equipment front end module)の側方収納ポッドであって、当該側方収納ポッドが、
前記EFEMに結合するよう構成されたシール面を有する外囲体と、
鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材に連結された本体を有する側方収容ポッドチャンバであって、前記複数の収容部材の各々は、前記本体内の対応する基板を支持するように構成されている、側方収容ポッドチャンバと、
ドアと
を備え、前記ドアが閉位置にあることに応じて、前記ドアと前記本体が互いにシールし、前記ドアが開位置にあることに応じて、前記EFEMのロード・アンロードロボットが前記鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材にアクセスすることになり、前記側方収容ポッドチャンバ内の環境が、前記ドアが開位置にあることに応じた第1の環境前提条件、又は前記ドアが開位置にあることに応じた第2の環境前提条件の1つ以上となるように制御される、機器フロントエンドモジュールの側方収容ポッド。
【請求項2】
ガスの供給が、前記側方収容ポッドチャンバをパージするために、前記ドアが開位置となる前に前記側方収容ポッドチャンバに提供される、請求項1に記載の側方収容ポッド。
【請求項3】
ガスの供給が、前記EFEMの内部からのガスが前記側方収容ポッドチャンバに入ることを防止するために、前記ドアが開位置となることに応じて、前記側方収容ポッドチャンバに提供される、請求項1に記載の側方収容ポッド。
【請求項4】
前記側方収容ポッドチャンバ内の環境を制御することが、相対湿度、温度、酸素の量、不活性ガスの量、又は非反応性ガスの量の1つ以上を制御することを含む、請求項1に記載の側方収容ポッド。
【請求項5】
前記側方収容ポッドチャンバ内の環境を制御することが、前記側方収容ポッドチャンバ内へのガス流量か又は前記側方収容ポッドチャンバ内の圧力の1つ以上を制御することを含む、請求項1に記載の側方収容ポッド。
【請求項6】
前記側方収容ポッドが、前記側方収容ポッドチャンバ内の前記環境を監視し且つ制御するためにコントローラとセンサを備える、請求項1に記載の側方収容ポッド。
【請求項7】
前記ロード・アンロードロボットのロボットブレードが、前記ドアが開位置となることに応じて、前記鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材にアクセスするために鉛直方向に移動される、請求項1に記載の側方収容ポッド。
【請求項8】
前記EFEMの前記ロード・アンロードロボットによる、前記鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材の異なるサブグループへのアクセスを提供するために前記側方収容ポッドチャンバを鉛直方向に移動させるように動作可能なインデクサをさらに備える、請求項1に記載の側方収容ポッド。
【請求項9】
電子デバイス処理システムであって、
機器フロントエンドモジュール(EFEM)チャンバを含むEFEMと、
前記EFEMの前面に結合された1つ以上のロードポートであって、基板キャリアを支持するよう各々が構成された1つ以上のロードポートと、
前記EFEMの側方に結合された側方収容ポッドと
を備え、前記側方収容ポッドは、
前記EFEMに結合するよう構成されたシール面を有する外囲体と、
鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材に連結された本体を有する側方収容ポッドチャンバであって、前記複数の収容部材の各々は、前記本体内の対応する基板を支持するように構成されている、側方収容ポッドチャンバと、
ドアと
を備え、前記ドアが閉位置にあることに応じて、前記ドアと前記本体が互いにシールし、前記ドアが開位置にあることに応じて、前記EFEMのロード・アンロードロボットが前記鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材にアクセスすることになり、前記側方収容ポッドチャンバ内の環境が、前記ドアが開位置にあることに応じた第1の環境前提条件、又は前記ドアが開位置にあることに応じた第2の環境前提条件の1つ以上となるように制御される、電子デバイス処理システム。
【請求項10】
ガスの供給が、前記側方収容ポッドチャンバをパージするために前記ドアが開位置となる前に前記側方収容ポッドチャンバに提供される、請求項9に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項11】
ガスの供給が、前記EFEMチャンバの内部からのガスが前記側方収容ポッドチャンバに入ることを防止するために、前記ドアが開位置となることに応じて、前記側方収容ポッドチャンバに提供される、請求項9に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項12】
前記側方収容ポッドチャンバ内の環境を制御することが、相対湿度、温度、酸素の量、不活性ガスの量、又は非反応性ガスの量の1つ以上を制御することを含む、請求項9に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項13】
前記側方収容ポッドチャンバ内の環境を制御することが、前記側方収容ポッドチャンバ内へのガス流量か又は前記側方収容ポッドチャンバ内の圧力の1つ以上を制御することを含む、請求項9に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項14】
前記側方収容ポッドが、前記側方収容ポッドチャンバ内の前記環境を監視し且つ制御するためにコントローラとセンサを備える、請求項9に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項15】
前記ロード・アンロードロボットのロボットブレードが、前記ドアが開位置となることに応じて、前記鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材にアクセスするために鉛直方向に移動される、請求項9に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項16】
前記EFEMの前記ロード・アンロードロボットによる、前記鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材の異なるサブグループへのアクセスを提供するために前記側方収容ポッドチャンバを鉛直方向に移動させるように動作可能なインデクサをさらに備える、請求項9に記載の電子デバイス処理システム。
【請求項17】
電子デバイス処理システムの内部で基板を処理する方法であって、
側方収容ポッドのドアを開位置にすること、ここで前記側方収容ポッドは機器フロントエンドモジュール(EFEM)の側方に結合され、1つ以上のロードポートが前記EFEMの前面に結合され、前記1つ以上のロードポートの各々は基板キャリアを支持するように構成され、前記側方収容ポッドは前記EFEMに結合されるように構成されたシール面を有する外囲体を備え、前記側方収容ポッドは鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材に連結された本体を有する側方収容ポッドチャンバを備え、前記複数の収容部材の各々は、前記本体内の対応する基板を支持するように構成されており、
前記側方収容ポッドチャンバ内の環境を、前記ドアが開位置にあることに応じた第1の環境前提条件、又は前記ドアが開位置にあることに応じた第2の環境前提条件の1つ以上となるように制御すること、
前記ドアが開位置となることに応じて、EFEMのロード・アンロードロボットを用いて、前記鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材の第1の収容部材上に配置された基板を取り出すこと、ここで前記側方収容ポッドの前記ドアと前記本体は、前記ドアが閉位置にあることに応じて、互いにシールし、及び
前記ロード・アンロードロボットを用いて、前記基板を前記側方収容ポッドチャンバから前記EFEMのEFEMチャンバに移送すること
を含む、方法。
【請求項18】
前記環境を制御することが、前記側方収容ポッドチャンバをパージするために、前記ドアが開位置となる前にガスの供給を前記側方収容ポッドチャンバに提供することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記環境を制御することが、前記EFEMチャンバの内部からのガスが前記側方収容ポッドチャンバに入ることを防止するために、前記ドアが開位置となることに応じて、前記ガスの供給を前記側方収容ポッドチャンバに提供することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記環境を制御することが、相対湿度、温度、酸素の量、不活性ガスの量、又は非反応性ガスの量の1つ以上を制御することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記環境を制御することが、前記側方収容ポッドチャンバ内へのガス流量か又は前記側方収容ポッドチャンバ内の圧力の1つ以上を制御することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
コントローラとセンサを用いて、前記側方収容ポッドチャンバ内の前記環境を監視し且つ制御することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記側方収容ポッドが、前記EFEMの前記ロード・アンロードロボットによる、前記鉛直方向に間隔が取られた複数の収容部材の異なるサブグループへのアクセスを提供するために前記側方収容ポッドチャンバを鉛直方向に移動させるように動作可能なインデクサをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
排気口をさらに備える、請求項1に記載の側方収容ポッド。
【外国語明細書】