IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアの特許一覧

特開2022-180512ビタミンDの形成のために最適化された日焼け止め製剤
<>
  • 特開-ビタミンDの形成のために最適化された日焼け止め製剤 図1
  • 特開-ビタミンDの形成のために最適化された日焼け止め製剤 図3
  • 特開-ビタミンDの形成のために最適化された日焼け止め製剤 図4
  • 特開-ビタミンDの形成のために最適化された日焼け止め製剤 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180512
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】ビタミンDの形成のために最適化された日焼け止め製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20221129BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20221129BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20221129BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20221129BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20221129BHJP
   A61K 8/40 20060101ALI20221129BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20221129BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20221129BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20221129BHJP
   A61K 8/58 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
A61K8/49
A61K8/37
A61K8/35
A61K8/27
A61K8/29
A61K8/40
A61Q17/04
A61K8/36
A61K8/46
A61K8/58
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149638
(22)【出願日】2022-09-21
(62)【分割の表示】P 2020159309の分割
【原出願日】2015-07-24
(31)【優先権主張番号】14178458.7
(32)【優先日】2014-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘルツォーク,ベルント
(72)【発明者】
【氏名】ココット,ディーター
(72)【発明者】
【氏名】フレッセル-ミューラー,ハイケ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】日光への暴露の間のビタミンD形成阻害を阻止する日焼け止めを提供する。
【解決手段】少なくとも1種の特定のUVフィルターを含む日焼け止め製剤であって、コレカルシフェロール(プレビタミンD)の産生のためヒトの皮膚でのUV放射の透過率を増大させるための、及び同時に、日光に曝された際にUV放射に対してヒトの皮膚を保護するための方法であり、皮膚に前記日焼け止め製剤を適用することを含む方法において使用するための、日焼け止め製剤である。該日焼け止め製剤は、プレビタミンD形成に対する有効照射量Epvdと、皮膚での紅斑形成に対する有効照射量Eerとの比Rが少なくとも1.8である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)トリアジン誘導体;
(b)ケイヒ酸誘導体;
(c)ビス-レゾルシニルトリアジン;
(f)ベンゾイミダゾール誘導体;
(i5)4-メチルベンジリデンカンファー;
(h)ベンゾイルピペラジン誘導体;
(j)ベンゾオキサゾール誘導体;
(k)ジアリールブタジエン誘導体;
(l)フェニルベンゾトリアゾール誘導体;
(n)ベンジリデンマロネート;
(o3)サリチル酸TEA;
(r)イミダゾリン誘導体;
(u)金属酸化物から選択される無機UVフィルター;
(v)ナフタレート;及び
(w)メロシアニン誘導体
から選択されるUVフィルター(A)の少なくとも1種を含み;並びに場合によっては
(d)アミノベンゾフェノン誘導体;
(e)ジベンゾイルメタン誘導体;
(g)β,β-ジフェニルアクリレート誘導体;
(i5)異なるカンファー誘導体;
(o3)異なるサリチレート誘導体;
(p)アントラニレート誘導体;及び
(s)ベンザルマロネート誘導体
から選択されるUVフィルター(B)の少なくとも1種を含む日焼け止め製剤であって、
- コレカルシフェロール(プレビタミンD3)の産生のためにヒトの皮膚でのUV放射の透過率を増大させるために、及び同時に、日光に曝された際にUV放射に対してヒトの皮膚を保護するための方法であり、皮膚に前記日焼け止め製剤を適用することを含む方法において使用するために、
プレビタミンD3形成に対する有効照射量Epvdと皮膚での紅斑形成に対する有効照射量Eerとの比Rが少なくとも1.8である、日焼け止め製剤。
【請求項2】
少なくとも2のSPFを有する、請求項1に記載の日焼け止め製剤。
【請求項3】
少なくとも6のSPFを有する、請求項1に記載の日焼け止め製剤。
【請求項4】
UVフィルターは、
(a1)エチルヘキシルトリアゾン;
(a2)トリス-ベフェニルトリアジン;
(a3)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(c2)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン/ポリメタクリル酸メチルの水性分散体;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f1)フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(f2)フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム;
(g1)オクトクリレン;
(h1)1,4-(2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾイル)ピペラジン;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(l2)ドロメトリゾールトリシロキサン;
(l6)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(2-エチルヘキシルオキシメチル)-4-メチル-フェノール;
(i1)テレフタルイリデンジカンファースルホン酸;
(n1)式(BM9)の化合物;
(o1)サリチル酸エチルヘキシル;
(o4)ホモサレート;
(p1)アントラニル酸メンチル;
(s1)ポリシリコーン-15;
(u1)酸化亜鉛;及び
(u3)二酸化チタン
から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【請求項5】
UVフィルターは、
(a1)エチルヘキシルトリアゾン;
(b1)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f1)フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(g1)オクトクリレン;及び
(u3)二酸化チタン
から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【請求項6】
UVフィルターは、
(b1)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f1)フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;及び
(g1)オクトクリレン;
から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【請求項7】
UVフィルターは、
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン
から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【請求項8】
少なくとも6のSPFを有する、請求項5から7のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【請求項9】
UVフィルターは、
(a)0.1~40%b.w.のトリアジン誘導体;
(b)0.1~30%b.w.のケイヒ酸誘導体;
(c)0.1~10%b.w.のビス-レゾルシニルトリアジン;
(f)0.1~10%b.w.のベンゾイミダゾール誘導体;
(i5)0.1~10%b.w.の4-メチルベンジリデンカンファー;
(h)0.1~10%b.w.のベンゾイルピペラジン誘導体;
(j)0.1~10%b.w.のベンゾオキサゾール誘導体;
(k)0.1~20%b.w.のジアリールブタジエン誘導体;
(l)0.1~30%b.w.のフェニルベンゾトリアゾール誘導体;
(n)0.1~20%b.w.のベンジリデンマロネート;
(o3)0.1~15%b.w.のサリチル酸TEA;
(r)0.1~10%b.w.のイミダゾリン誘導体;
(u)0.1~50%b.w.の金属酸化物から選択される無機UVフィルター;
(v)0.1~20%b.w.のナフタレート;及び
(w)0.1~20%b.w.のメロシアニン誘導体;
から選択され;並びに場合によっては、
(d)0.1~20%b.w.のアミノベンゾフェノン誘導体;
(e)0.1~5%b.w.のジベンゾイルメタン誘導体;
(g)0.1~1%b.w.のβ,β-ジフェニルアクリレート誘導体;
(i)0.1~10%b.w.の(i5)と異なるカンファー誘導体;
(o)0.1~35%b.w.の(o3)と異なるサリチレート誘導体;
(p)0.1~10%b.w.のアントラニレート誘導体;及び
(s)0.1~10%b.w.のベンザルマロネート誘導体
から選択されるUVフィルター(B)の少なくとも1種を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【請求項10】
日焼け止めは、
(a1)1~3%b.w.のエチルヘキシルトリアゾン;
(b1)1~3.5%b.w.のメトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(c1)0.6~10%b.w.のビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d1)0.8~10%b.w.のジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(e1)2~3%b.w.のブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f1)2~3%b.w.のフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(g1)2.0~2.5%b.w.のオクトクリレン;
(l1)2~7.5%b.w.のメチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(u3)3.0~3.5%b.w.の二酸化チタン
から選択されるUVフィルターを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【請求項11】
日焼け止めは、
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン
のUVフィルター組合せを含み、
日焼け止めが、>15のSPFを有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【請求項12】
日焼け止めは、
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン
のUVフィルター組合せを含み、
日焼け止めが、>30のSPFを有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【請求項13】
UVフィルターは、広帯域(340~400nmのスペクトル)UVフィルター
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(c2)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン/ポリメタクリル酸メチルの水性分散体;
(f2)フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(l2)ドロメトリゾールトリシロキサン;
(u1)酸化亜鉛;並びに場合によっては、
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(i1)テレフタルイリデンジカンファースルホン酸;及び
(p1)アントラニル酸メンチル
から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【請求項14】
(a)トリアジン誘導体;
(b)ケイヒ酸誘導体;
(c)ビス-レゾルシニルトリアジン;
(f)ベンゾイミダゾール誘導体;
(h)ベンゾイルピペラジン誘導体;
(i5)4-メチルベンジリデンカンファー;
(l)フェニルベンゾトリアゾール誘導体;
(n)ベンジリデンマロネート;
(o3)サリチル酸TEA;
(r)イミダゾリン誘導体;
(u)金属酸化物から選択される無機UVフィルター;
(v)ナフタレート;及び
(w)メロシアニン誘導体
から選択されるUVフィルターを含み、
選択されたUVフィルターの1種のみを含有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【請求項15】
UVフィルターは、広帯域(340~400nmのスペクトル)UVフィルター
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(c2)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン/ポリメタクリル酸メチルの水性分散体;
(f2)フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(i1)テレフタルイリデンジカンファースルホン酸;及び
(u1)酸化亜鉛;
から選択され、
選択されたUVフィルターの1種のみが含有される、請求項14に記載の日焼け止め製剤。
【請求項16】
UVフィルターは、
(a2)トリス-ビフェニルトリアジン;
(c2)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン/ポリメタクリル酸メチルの水性分散体;
(h1)1,4-(2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾイル)ピペラジン;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(u1)酸化亜鉛;及び
(u3)二酸化チタン
から選択される粒子状UVフィルターから選択される、請求項1から15のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【請求項17】
UVフィルターは、
(a1)エチルヘキシルトリアゾン;
(a3)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f1)フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(f2)フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム;
(g1)オクトクリレン;
(h1)1,4-(2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾイル)ピペラジン;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(l2)ドロメトリゾールトリシロキサン;
(l6)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(2-エチルヘキシルオキシメチル)-4-メチル-フェノール;
(i1)テレフタルイリデンジカンファースルホン酸;
(n1)式(BM9)の化合物;
(o1)サリチル酸エチルヘキシル;
(o4)ホモサレート;
(p1)アントラニル酸メンチル;及び
(s1)ポリシリコーン-15;
から選択される非粒子状UVフィルターから選択される、請求項1から15のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【請求項18】
ビタミンD形成に対する有効照射量Epvdと皮膚での紅斑形成に対する有効照射量Eerとの比が>2.0である、請求項1から17のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの皮膚でのコレカルシフェロール(プレビタミンD3)の産生のためにUV放射の透過率を増大させ、同時に、日光に曝された際に前記UV放射に対してヒトの皮膚を保護するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日光に慢性的に曝露することにより、ヒトの皮膚へ損傷効果が及ぼされる場合があることは周知である。波長によって、UV放射が異なる種類の皮膚損傷を引き起こす。UV-B放射(約290~約320nm)は、日焼けの原因であり、皮膚がんを引き起こす可能性がある。UV-A放射(約320~約400nm)は、皮膚のタンニングを生じさせる一方で、日焼け及び皮膚がんの誘発にも寄与する。
【0003】
昨今、適当なサンプロテクションは、広帯域の保護を含むべきである、ということは、すなわち、日焼け止めは、UVA及びUVB放射の両方を保護すべきである、と十分に認識されている。2006年以降、欧州勧告は、UVA-PF(UVAプロテクションファクター)がSPF(サンプロテクションファクター)の少なくとも1/3であることを意味するUVB保護のレベルに関する最小限のUVA保護を要求している。
【0004】
公知のUV放射の損傷効果とは別に、ある特定量のUVB放射は、皮膚におけるビタミンD3及びその前駆体の形成に必要である。
【0005】
日焼けを防ぐために、日焼け止めを用いて紅斑有効照射量(=Er)を低減させることにより、ビタミンD3形成の要因となる有効照射量(=EpvD)も低減される。したがって、日焼け止めによって、皮膚におけるビタミンD3の産生が低減される場合があり、又は妨げられる場合さえある。これは驚くべきことではなく、というのも、日焼け(紅斑)及び皮膚損傷を引き起こす原因である放射は、表皮ビタミンD3合成の原因でもある放射範囲と同じ範囲にある。サンプロテクションファクターが8の日焼け止めを局所適用することにより、軽い日焼けを引き起こすような模擬日光への全身曝露後に、ビタミンD3の血中濃度のいかなる増加も妨げられたことが示された。故に、日焼け止めを使用すると、ビタミンD3の身体自体の産生が減り、慢性的な日焼け止めの使用により、望ましくない低いビタミンD3血中レベルがもたらされ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底にある課題は、日光への曝露の間のビタミンD3形成阻害を阻止する日焼け止めを見出すことである。
【0007】
驚くべきことに、少なくとも1種の特定のUVフィルターを含む日焼け止めがこれらの要求を満たすことが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、
(a)トリアジン誘導体;
(b)ケイヒ酸誘導体;
(c)ビス-レゾルシニルトリアジン;
(f)ベンゾイミダゾール誘導体;
(i5)4-メチルベンジリデンカンファー;
(h)ベンゾイルピペラジン誘導体;
(j)ベンゾオキサゾール誘導体;
(k)ジアリールブタジエン誘導体;
(l)フェニルベンゾトリアゾール誘導体;
(n)ベンジリデンマロネート;
(o3)サリチル酸TEA;
(r)イミダゾリン誘導体;
(u)金属酸化物から選択される無機UVフィルター;
(v)ナフタレート;及び
(w)メロシアニン誘導体
から選択されるUVフィルター(A)の少なくとも1種を含み;並びに場合によっては、
(d)アミノベンゾフェノン誘導体;
(e)ジベンゾイルメタン誘導体;
(g)β,β-ジフェニルアクリレート誘導体;
(i)(i5)と異なるカンファー誘導体;
(o)(o3)と異なるサリチレート誘導体;
(p)アントラニレート誘導体;及び
(s)ベンザルマロネート誘導体
から選択されるUVフィルター(B)の少なくとも1種を含む日焼け止め製剤であって、
- ビタミンD3の産生のためにヒトの皮膚でのUV放射の透過率を増大させるために、及び同時に、日光に曝された際にUV放射に対してヒトの皮膚を保護するための方法であり、皮膚に前記日焼け止め製剤を適用することを含む方法において使用するために、
ビタミンD3形成に対する有効照射量Epvdと皮膚での紅斑形成に対する有効照射量Eerとの比Rが少なくとも1.8である、日焼け止め製剤に関する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1: 自然の日光の条件下での、ビタミンD3形成に対する有効照射量と紅斑形成に対する有効照射量の比R=EpvD/Eer
図3図3: 強力なUVA(A1.3)及び保護特性を最適化されたビタミンD3(A1.4)に関する4種のSPF6の日焼け止め(表1の組成物)のシミュレーションされたUV透過率のスペクトル。
図4図4: 強力なUVA(A2.3)及び保護特性を最適化されたビタミンD3(A2.4)に関する4種のSPF15の日焼け止め(表2の組成物)のシミュレーションされたUV透過率のスペクトル。
図5図5: 強力なUVA(A3.3)及び保護特性を最適化されたビタミンD(A3.4)に関する4種のSPF30の日焼け止め(表3の組成物)のシミュレーションされたUV透過率のスペクトル。
【発明を実施するための形態】
【0010】
有効照射量
有効照射量Eerは、以下の式:
(EIer):紅斑形成に対する有効照射量Eer Eer=∫S(λ)ser(λ)dλ
(EIpvD):ビタミンD3形成に対する有効照射量EpvD EpvD=∫S(λ)sVD(λ)dλ
に従って、分光領域の任意の波長において、光源の照射量(=標準の日光照射量S(λ))を、それぞれ紅斑形成に対する作用スペクトルser(λ)及びビタミンD3産生に対するspvD(λ)と掛けることによって、それぞれ算出することができる。
【0011】
自然の日光の条件下で、ビタミンD3形成に対する有効照射量と紅斑形成に対する有効照射量の比R=EpvD/Eerは、およそ
【数1】
である。
【0012】
このことは、図1によって例証することができる。
【0013】
請求項1で規定されるUVフィルターの分類には、様々な種類のUVフィルター、すなわちUB-Bフィルター(290~320nm)、UV-AIIフィルター(320~340nm)、及び広域スペクトル及びUV-AIフィルター(340~400nm)が含まれる。
【0014】
以下に、一般的なUVフィルターの分類の代表例が列挙されている。
【0015】
適切なトリアジン誘導体(a)は、
(a1)エチルヘキシルトリアゾン;
(a2)トリス-ビフェニルトリアジン;
(a3)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(a4)フェニレンビス-ジフェニルトリアジン;
(a5)式
【化1】
に相当する5,6,5',6'-テトラフェニル-3,3'-(1,4-フェニレン)ビス(1,2,4-トリアジン);(a6)式
【化2】
の安息香酸,4,4'-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1-ジシロキサニル]プロピル]-アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-,ジブチルエステル
から選択される。
【0016】
適切なケイヒ酸誘導体(b)は、
(b1)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(b2)メトキシケイヒ酸イソプロピル;
(b3)メトキシケイヒ酸イソアミル;
(b4)ジイソプロピルケイヒ酸メチル;
(b5)シノキセート(cinnoxate);
(b6)エチルヘキサン酸グリセリル;
(b7)式
【化3】
の2-プロぺン酸,3-(4-エトキシフェニル)-,2-メチルフェニルエステル;
(b8)式
【化4】
の2-プロペン酸,3-(4-メトキシフェニル)-,2-メチルフェニルエステル;
(b9)式
【化5】
のプロパン二酸,2-[(4-メトキシフェニル)メチレン]-,1,3-ビス(2-メチルブチル)エステル
(b10)式
【化6】
のプロパン二酸,2-[(4-メトキシフェニル)メチレン]-,1,3-ビス(2-エチルヘキシル)エステル
から選択される。
【0017】
適切なビス-レゾルシニルトリアジン(c)は、
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;及び
(c2)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン/ポリメタクリル酸メチルの水性分散体
から選択される。
【0018】
適切なアミノベンゾフェノン誘導体(d)は、
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
から選択される。
【0019】
適切なジベンゾイルメタン誘導体(e)は、
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;及び
(e2)イソプロピルジベンゾイルメタン
から選択される。
【0020】
適切なベンゾイミダゾール誘導体(f)は、
(f1)フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;及び
(f2)フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム
から選択される。
【0021】
適切なβ,β-ジフェニルアクリレート誘導体(g)は、
(g1)オクトクリレン;及び
(g2)エトクリレン
から選択される。
【0022】
適切なベンゾイルピペラジン誘導体(h)は、
(h1)1,4-(2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾイル)ピペラジン
から選択される。
【0023】
適切なカンファー誘導体(i)は、
(i1)テレフタルイリデンジカンファースルホン酸;
(i2)ベンジリデンカンファースルホン酸;
(i3)カンファーベンザルコニウムメトスルフェート;
(i4)3-ベンジリデンカンファー;
(i5)メチルベンジリデンカンファー;及び
(i6)ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー
から選択される。
【0024】
適切なベンゾオキサゾール誘導体(j)は、
(j1)エチルヘキシルビス-イソペンチルベンゾオキサゾリルフェニルメラミン
から選択される。
【0025】
適切なジアリールブタジエン誘導体(k)は、
(k1)1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチル-プロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン
から選択される。
【0026】
適切なフェニルベンゾトリアゾール誘導体(l)は、
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(l2)ドロメトリゾールトリシロキサン;
(l3)式
【化7】
のフェノール,2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-[[(2-エチルヘキシル)オキシ]メチル]-4-メチル-
(l4)ベンゾトリアゾリルドデシルp-クレゾール;
(l5)US20110195036、WO2011097555に記載された高分子ベンゾトリアゾールタイプのUVフィルター;例えば、ダイマージオール(C36H72O)、ジトリメチロールプロパン、アジピン酸ジメチル、アジピン酸メチル、及びメチル3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパノエートから調製されたポリマー;並びに
(l6)式
【化8】
に相当する2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(2-エチルヘキシルオキシメチル)-4-メチル-フェノール
から選択される。
【0027】
適切なマロン酸誘導体(n)は、
(n1)式
【化9】
(式中、R1は、メチル;エチル;プロピル;又はn-ブチルであり;
次いで、R1がメチルである場合、
Rはtertブチル;
【化10】
;式
【化11】
の基;又は式
【化12】
の基であり;
R2及びR3は、互いに独立して水素;又はメチルであり;
R4はメチル;エチル;又はn-プロピルであり;
R5及びR6は、互いに独立して水素;又はC1~C3アルキルであり;
次いで、R1がエチル;プロピル;又はn-ブチルである場合、
Rはイソプロピルである)のベンジリデンマロネート
から選択される。
【0028】
好ましくは、式(BM)において、
Rは、式
【化13】
の基であり;及び
R1はメチルである。
【0029】

【化14】
の化合物が最も好ましい。
【0030】
式(BM)の化合物の例は、以下の表1に列挙されている。
【0031】
【表1】
【0032】
さらに適切なマロネート(n)は、
(n2)式
【化15】
に相当するジエチルヘキシルシリンジリデンマロネート
を指す。
【0033】
適切なサリチレート誘導体は、
(o1)サリチル酸エチルヘキシル;
(o2)サリチル酸ジプロピレングリコール;
(o3)サリチル酸TEA;及び
(o4)ホモサレート
から選択される。
【0034】
適切なアントラニレート誘導体(p)は、
(p1)アントラニル酸メンチル
を指す。
【0035】
適切なイミダゾリン誘導体(r)は、
(r1)エチルヘキシルジメトキシベンジリデン;及び
(r2)ジオキソイミダゾリンプロピオネート
から選択される。
【0036】
適切なベンザルマロネート誘導体は、
(s1)ポリシリコーン-15
から選択される。
【0037】
適切な無機UVフィルター(u)は、
(u1)酸化亜鉛;
(u2)Fe2O3;及び
(u3)二酸化チタン
から選択される。
【0038】
適切なナフタレート(v)は、
(v1)ジエチルヘキシル2,6-ナフタレート
から選択される。
【0039】
好ましくは、本発明による日焼け止め製剤は、少なくとも2のSPFを有する。
【0040】
より好ましくは、本発明による日焼け止め製剤は、少なくとも6のSPFを有する。
【0041】
本発明による日焼け止め製剤は、1種、又は1種超のUVフィルターを含む。
【0042】
例えば、本発明による日焼け止め製剤は、請求項1に規定されたUVフィルターの分類から選択される1、2、3、4、5又は6種のUVフィルターを含んでもよい。
【0043】
好ましくは、本発明による日焼け止め製剤は、
(a1)エチルヘキシルトリアゾン;
(a2)トリス-ビフェニルトリアジン;
(a3)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(c2)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン/ポリメタクリル酸メチルの水性分散体;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f1)フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(f2)フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム;
(g1)オクトクリレン;
(h1)1,4-(2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾイル)ピペラジン;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(l2)ドロメトリゾールトリシロキサン;
(l6)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(2-エチルヘキシルオキシメチル)-4-メチル-フェノール;
(i1)テレフタルイリデンジカンファースルホン酸;
(n1)式(BM9)の化合物;
(o1)サリチル酸エチルヘキシル;
(o4)ホモサレート;
(p1)アントラニル酸メンチル;
(s1)ポリシリコーン-15;
(u1)酸化亜鉛;及び
(u3)二酸化チタン
から選択されるUVフィルターを含む。
【0044】
より好ましくは、本発明による日焼け止め製剤は、
(a1)エチルヘキシルトリアゾン;
(b1)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f1)フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(g1)オクトクリレン;及び
(u3)二酸化チタン
から選択されるUVフィルターを含む。
【0045】
好ましくは、この日焼け止め製剤は、少なくとも6のSPFを有する。
【0046】
さらにより好ましくは、本発明による日焼け止め製剤は、
(b1)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f1)フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;及び
(g1)オクトクリレン;
から選択されるUVフィルターを含む。
【0047】
好ましくは、この日焼け止め製剤は、少なくとも6のSPFを有する。
【0048】
さらに、本発明による日焼け止め製剤は、
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン
から選択されるUVフィルターを含むことが好ましい。
【0049】
好ましくは、この日焼け止め製剤は、少なくとも6のSPFを有する。
【0050】
好ましくは、本発明による日焼け止め製剤は、
(a)0.1~40%b.w.のトリアジン誘導体;
(b)0.1~30%b.w.のケイヒ酸誘導体;
(c)0.1~10%b.w.のビス-レゾルシニルトリアジン;
(f)0.1~10%b.w.のベンゾイミダゾール誘導体;
(i5)0.1~10%b.w.の4-メチルベンジリデンカンファー;
(h)0.1~10%b.w.のベンゾイルピペラジン誘導体;
(j)0.1~10%b.w.のベンゾオキサゾール誘導体;
(k)0.1~20%b.w.のジアリールブタジエン誘導体;
(l)0.1~30%b.w.のフェニルベンゾトリアゾール誘導体;
(n)0.1~20%b.w.のベンジリデンマロネート;
(o3)0.1~15%b.w.のサリチル酸TEA;
(r)0.1~10%b.w.のイミダゾリン誘導体;
(u)0.1~50%b.w.の金属酸化物から選択される無機UVフィルター;
(v)0.1~20%b.w.のナフタレート;及び
(w)0.1~20%b.w.のメロシアニン誘導体;
から選択されるUVフィルター濃縮物を含み、並びに
場合によっては、
(d)0.1~20%b.w.のアミノベンゾフェノン誘導体;
(e)0.1~5%b.w.のジベンゾイルメタン誘導体;
(g)0.1~1%b.w.のβ,β-ジフェニルアクリレート誘導体;
(i)0.1~10%b.w.の(i5)と異なるカンファー誘導体;
(o)0.1~35%b.w.の(o3)と異なるサリチレート誘導体;
(p)0.1~10%b.w.のアントラニレート誘導体;及び
(s)0.1~10%b.w.のベンザルマロネート誘導体
から選択されるUVフィルター(B)の少なくとも1種を含む。
【0051】
より好ましくは、本発明による日焼け止め製剤は、
(a1)1~3%b.w.のエチルヘキシルトリアゾン;
(b1)1~3.5%b.w.のメトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(c1)0.6~10%b.w.のビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;(d1)0.8~10%b.w.のジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(e1)2~3%b.w.のブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f1)2~3%b.w.のフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(g1)2.0~2.5%b.w.のオクトクリレン;
(l1)2~7.5%b.w.のメチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(u3)3.0~3.5%b.w.の二酸化チタン
から選択されるUVフィルター濃縮物を含む。
【0052】
本発明による日焼け止め製剤は、
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;最も好ましくは、
(d1)9.0~11.0%b.w.のジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l1)2.5~3.5%b.w.のメチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(e1)2.5~3.5%b.w.のブチルメトキシジベンゾイルメタン
のUVフィルター組合せの使用によって、>15のSPFを達成する。
【0053】
本発明による日焼け止め製剤は、
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;最も好ましくは、
(c1)1.5~2.5%b.w.のビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d1)9.5~10.5%b.w.のジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l1)7~8%b.w.のメチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び(e1)2.5~3.5%b.w.のブチルメトキシジベンゾイルメタン
のUVフィルター組合せの使用によって、>30のSPFを達成する。
【0054】
好ましくは、UVフィルターが広帯域(340~400nmのスペクトル)UVフィルター
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(c2)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン/ポリメタクリル酸メチルの水性分散体;
(f2)フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(l2)ドロメトリゾールトリシロキサン;
(u1)酸化亜鉛;並びに場合によっては、
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(i1)テレフタルイリデンジカンファースルホン酸;及び
(p1)アントラニル酸メンチル
から選択される、本発明による日焼け止め製剤が使用される。
【0055】
さらに、本発明は、
(a)トリアジン誘導体
(b)ケイヒ酸誘導体;
(c)ビス-レゾルシニルトリアジン;
(f)ベンゾイミダゾール誘導体;
(h)ベンゾイルピペラジン誘導体;
(i5)4-メチルベンジリデンカンファー;
(l)フェニルベンゾトリアゾール誘導体;
(n)ベンジリデンマロネート;
(o3)サリチル酸TEA;
(r)イミダゾリン誘導体;
(u)金属酸化物から選択される無機UVフィルター;
(v)ナフタレート;及び
(w)メロシアニン誘導体
から選択されるUVフィルターを含み、
選択されたUVフィルターの1種のみを含有する、日焼け止め製剤を指す。
【0056】
好ましくは、UVフィルターが、広帯域(340~400nmのスペクトル)UVフィルター
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(c2)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン/ポリメタクリル酸メチルの水性分散体;
(f2)フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(i1)テレフタルイリデンジカンファースルホン酸;及び
(u1)酸化亜鉛;
から選択され、
選択されたUVフィルターの1種のみが含有される、日焼け止め製剤が使用される。
【0057】
さらに、
(a2)トリス-ビフェニルトリアジン;
(c2)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン/ポリメタクリル酸メチルの水性分散体;
(h1)1,4-(2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾイル)ピペラジン;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(u1)酸化亜鉛;及び
(u3)二酸化チタン
から選択される粒子状UVフィルターを含む、日焼け止め製剤が好ましい。
【0058】
さらに、
(a1)エチルヘキシルトリアゾン;
(a3)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(c1)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(e1)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f1)フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(f2)フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム;
(g1)オクトクリレン;
(h1)1,4-(2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾイル)ピペラジン;
(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(l2)ドロメトリゾールトリシロキサン;
(l6)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(2-エチルヘキシルオキシメチル)-4-メチル-フェノール;
(i1)テレフタルイリデンジカンファースルホン酸;
(n1)式(BM9)の化合物;
(o1)サリチル酸エチルヘキシル;
(o4)ホモサレート;
(p1)アントラニル酸メンチル;及び
(s1)ポリシリコーン-15
から選択される非粒子状UVフィルターを含む、日焼け止め製剤が好ましい。
【0059】
本発明による日焼け止め製剤の、ビタミンD3形成に対する有効照射量Epvdと皮膚での紅斑形成に対する有効照射量Eerとの好ましい比は、少なくとも1.8、好ましくは少なくとも1.85、より好ましくは少なくとも1.90、さらにより好ましくは>1.95、最も好ましくは少なくとも2.0、最高に好ましくは少なくとも2.1である。
【0060】
さらに、ビタミンD3形成に対する有効照射量Epvdと皮膚での紅斑形成に対する有効照射量Eerとの比が、少なくとも1.8であり、表1のUVフィルター組合せCSF1-CSF32を含有する、本発明による日焼け止め製剤が好ましい。
【0061】
【表2】
【0062】
本発明によれば、これらに限定されないが、欧州委員会勧告によって提唱されたサンプロテクションファクター(SPFと略される):SPF6、15、30、50及び50+(>60)を含む、>SPF60までの広範な範囲のSPFで、改良されたビタミンD3産生のための最適化された透過性を有する日焼け止め組成物が提供されうる。EC勧告によれば、SPF6は「低度保護(low protection)」の分類に属し、SPF15は「中度保護(medium protection)」に、SPF30及び50は「高度保護(high protection)」に、SPF50+(最低SPF60を要する)は「超高度保護(very high protection)」に属する。
【0063】
広帯域保護に関して、EC勧告では、UVA-PF/SPFの比は少なくとも1/3、臨界波長(CW)は少なくとも370nmであるべきであると言われている。低度のUVA保護では、UVA-PF/SPF比は有意に低く、高度のUVA保護では、UVA-PF/SPF比は1/3よりはるかに高い。
【0064】
日焼け止めは、必然的に、皮膚でのEer及びEpvdの両方を低減させる。比R=Epvd/Eerは、適当なUVフィルター組合せを選択することによって最適化される。前記比Rが高くなるほど、Eerへの所与の保護に対するビタミンD3産生に関する日焼け止め性能がよくなる。
【0065】
本発明による日焼け止め製剤は、紫外線光に感受性をもつ有機物、特にUV放射の作用に対するヒト及び動物の皮膚及び毛髪の保護に特に有用であり、同時に、ヒトの皮膚でのビタミンD3の産生のためのUV放射の透過率を増大させるために特に有用である。したがって、このようなUVフィルター組合せは、化粧用及び医薬製剤において光防御剤として適している。
【0066】
本発明による日焼け止め製剤は、製剤の総重量に対して、1~50重量%、好ましくは1~20重量%、好ましくは3~15重量%の請求項1に規定されたUVフィルターの組合せ、及び化粧品として許容可能なアジュバントを含有する。
【0067】
本発明による日焼け止め製剤は、従来の方法を使用して、請求項1に規定されたUVフィルターをアジュバントと物理的に混合することによって、例えば個々の成分を単に一緒に撹拌することによって、特に既に知られている化粧用UV吸収体、例えばメトキシケイヒ酸エチルヘキシル(UVフィルター成分(b1))の溶出性を利用することによって調製されうる。請求項1に規定されたUVフィルターは、例えばさらに処理することなく、日焼け止め製剤において使用することができる。
【0068】
本発明の日焼け止め製剤において使用されるUVフィルターのいくつか、例えば(l1)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、(a2)トリス-ビフェニルトリアジン又は(h1)1,4-(2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾイル)ピペラジンは、それらの微粒子化状態(ナノスケールの有機フィルター、粒子状有機フィルター、UV吸収体顔料)で使用されうる。
【0069】
微粒子の調製に適切な任意の公知の方法、例えば、水中又は適切な有機溶媒中で、硬質の粉砕媒体、例えばボールミル中のケイ酸ジルコニウムボール、及び保護界面活性剤又は保護ポリマーを用いた湿式ミル(ポンプ輸送可能な分散体の低粘度微粒子化の方法)、連続又は非連続(バッチ式)混錬機を使用する湿式混錬(ポンプ輸送不可能なペーストの高粘度微粒子化の方法)、適切な溶媒からの噴霧乾燥、超臨界流体(例えば、CO2)のRESS法(超臨界溶体急速膨張法)による膨張、又は超臨界流体を含む適切な溶媒からの沈殿は、微粒子化UVフィルターの調製に使用されうる。
【0070】
微粒子化有機UVフィルターの調製に適したミル装置は、例えばジェットミル、ボールミル、振動ミル又はハンマーミル、好ましくは高速混合式ミル又はボールミルである。粉砕は、好ましくは粉砕助剤を用いて実行される。
【0071】
このように得られた微粒子化UVフィルターは、通常0.02~2マイクロメートル、好ましくは0.05~1.5マイクロメートル、及びより特には0.1~1.0マイクロメートルの平均粒径を有する。
【0072】
本発明において使用される微粒子化UVフィルターは、好ましくは水性分散体として存在する。本発明において使用されるわずかに可溶性の有機化合物の粉砕は、好ましくは粉砕助剤を用いて実行される。分散剤は、上記微粒子化の方法の全てに対して低分子量の粉砕助剤として使用される。好ましい有用な水性分散体の粉砕助剤は、HLB値が8超、より好ましくは10超のアニオン界面活性剤である。任意の従来より有用なアニオン性、非イオン性又は両性界面活性剤は、分散剤(成分(b))として使用されうる。このような界面活性剤系は例えば、カルボン酸及びそれらの塩:ナトリウム、カリウム及びアンモニアのアルカリ性セッケン、カルシウム又はマグネシウムの金属セッケン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸などの有機塩基セッケン。アルキルリン酸又はリン酸エステル、酸性リン酸エステル、リン酸ジエタノールアミン、セチルリン酸カリウム。エトキシル化カルボン酸又はポリエチレングリコールエステル、PEG-nアクリレート。脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、例えばラウレス-n、ミレス-n、セテアレス-n、ステアレス-n、オレス-n。脂肪酸ポリグリコールエーテル、例えばステアリン酸PEG-n、オレイン酸PEG-n、ヤシ脂肪酸PEG-n。モノグリセリド及びポリオールエステル。1~100モルのエチレンオキシドとポリオールとの付加生成物のC12~C22脂肪酸モノ及びジエステル。脂肪酸及びポリグリセロールエステル、例えばモノステアリン酸グリセロール、ジイソステアリン酸ジイソステアロイルポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸トリグリセリル、セスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2又はポリグリセリルジメレート。複数のこれらの物質分類からの化合物の混合物も適している。脂肪酸ポリグリコールエステル、例えばモノステアリン酸ジエチレングリコール、脂肪酸及びポリエチレングリコールエステル、脂肪酸及びスクロエステルなどのサッカロースエステル、グリセロール及びスクログリセリドなどのサッカロースエステル。ソルビトール及びソルビタン、6~22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸のソルビタンモノ及びジエステル並びにエチレンオキシド付加生成物。ポリソルベート-nシリーズ、ソルビタンエステル、例えばセスキイソステアリン酸、ソルビタン、PEG-(6)イソステアリン酸ソルビタン、PEG-(10)-ソルビタンラウリン酸エステル、PEG-17-ジオレイン酸ソルビタン。グルコース誘導体、C8~C22アルキルモノ及びオリゴグリコシド並びに糖成分として好ましいグルコースを用いるエトキシル化類似体。O/W乳化剤、例えばセスキステアリン酸メチルグルセス、ステアリン酸ソルビタン/ヤシ脂肪酸スクロース、セスキステアリン酸メチルグルコース、セテアリルアルコール/セテアリルグルコシド。W/O乳化剤、例えばジオレイン酸メチルグルコース/イソステアリン酸メチルグルコース。硫酸塩及びスルホン化誘導体、ジアルキルスルホコハク酸塩、ジオクチルコハク酸塩、アルキルラウリルスルホネート、直鎖状スルホン化パラフィン、スルホン化テトラプロプリンスルホネート、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム及びエタノールアミン、ラウリルエーテル硫酸塩、ラウレス硫酸ナトリウム又はミレス硫酸ナトリウム、スルホコハク酸塩、イソチオン酸アセチル、硫酸アルカノールアミド、タウリン、メチルタウリン、硫酸イミダゾールを含んでよい。分子内に少なくとも1つの第四級アンモニウム基並びに少なくとも1つのカルボキシレート及び/又はスルホネート基を有する双性イオン又は両性界面活性剤。特に適している双性イオン界面活性剤は、ベタイン、例えば、各々アルキル又はアシル基に8~18個の炭素原子を有するN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、ヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、ヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリンであり、またヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネート、N-アルキルベタイン、N-アルキルアミノベタインである。分散剤としての適切な緩和な界面活性剤の例は、すなわち皮膚による耐性が特に良好な界面活性剤であり、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノ及び/又はジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸イセチオン酸塩、脂肪酸サルコシン酸塩、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタミン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、及び/又は好ましくはコムギタンパク質に基づくタンパク質脂肪酸縮合物である。非イオン界面活性剤、例えば、PEG-6ミツロウ(及び)ステアリン酸PEG-6(及び)イソステアリン酸ポリグリセリル-2[Apifac]、ステアリン酸グリセリル(及び)ステアリン酸PEG-100[Arlacel 165]、ステアリン酸PEG-5グリセリル(arlatone 983 S]、オレイン酸ソルビタン(及び)リシノール酸ポリグリセリル-3[Arlacel 1689)、ステアリン酸ソルビタン及びヤシ脂肪酸スクロース[arlatone 2121]、ステアリン酸グリセリル及びラウレス-23[Cerasynth 945]、セテアリルアルコール及びセテス-20[Cetomacrogol Wax]、セテアリルアルコール及びポリソルベート60及びPEG-150及びステアレート-20[Polawax GP 200、Polawax NF]、セテアリルアルコール及びセテアリルポリグルコシド[Emulgade PL 1618]、セテアリルアルコール及びセテアレス-20[Emulgade 1000NI、Cosmowax]、セテアリルアルコール及びPEG-40ヒマシ油[Emulgade F Special]、セテアリルアルコール及びPEG-40ヒマシ油及びセテアリル硫酸ナトリウム[Emulgade F]、ステアリルアルコール及びステアレス-7及びステアレス-10[Emulgator E 2155]、セテアリルアルコール及びステアレス-7及びステアレス-10[Emulsifying wax U.S.N.F]、ステアリン酸グリセリル及びステアリン酸PEG-75[Gelot 64]、酢酸プロピレングリコールセテス-3[Hetester PCS)、酢酸プロピレングリコール-8-イソセス-3[Hetester PHA]、セテアリルアルコール及びセテス-12及びオレス-12[Lanbritol Wax N21]、ステアリン酸PEG-6及びステアリン酸PEG-32[Tefose 1500]、ステアリン酸PEG-6及びセテス-20及びセテアレス-20[Tefose 2000]、ステアリン酸PEG-6及びセテス-20及びステアリン酸グリセリル及びステアレス-20[Tefose 2561]、ステアリン酸グリセリル及びセテアレス-20[Teginacid H, C, X]である。アニオン性乳化剤、例えばステアリン酸PEG-2 SE、ステアリン酸グリセリルSE[Monelgine, Cutina KD]、ステアリン酸プロピレングリコール[Tegin P]、セテアリルアルコール及びセテアリル硫酸ナトリウム[Lanette N、Cutina LE、Crodacol GP]、セテアリルアルコール及びラウリル硫酸ナトリウム[Lanette W]、リン酸トリラネス-4及びステアリン酸グリコール及びステアリン酸PEG-2[Sedefos 75]、ステアリン酸グリセリル及びラウリル硫酸ナトリウム[Teginacid Special]である。セテアリルアルコール及び臭化セトリモニウムなどのカチオン性酸塩基。最も好ましい分散剤(b)は、ラウレス硫酸ナトリウム[CognisからのTexapon N70]又はミレス硫酸ナトリウム[CognisからのTexapon K14S]などのアルキル硫酸ナトリウム又はアルキルエーテル硫酸ナトリウムである。特定の分散剤は、組成物の総重量に対して、例えば1~30重量%、特に2~20重量%及び好ましくは3~10重量%の量で使用されてよい。有用な溶媒は、水、飽和食塩水、(ポリ)エチレングリコール、グリセロール又は化粧品として許容される油である。他の有用な溶媒は、以下の「脂肪酸のエステル」、「グリセリルエステル及び誘導体を含む、天然及び合成のトリグリセリド」、「真珠光沢ワックス」、「炭化水素油」並びに「シリコーン又はシロキサン」と題された項目に開示されている。
【0073】
本発明による製剤が、水及び油含有エマルション(例えば、W/O、O/W、O/W/O及びW/O/Wエマルション又はマイクロエマルション)に相当する場合、例えば、組成物の総重量に対して、0.1~30重量%、好ましくは0.1~15重量%、特に0.5~10重量%、(a)-(x)から選択したUVフィルター、組成物の総重量に対して、1~60重量%、特に5~50重量%、好ましくは10~35重量%の少なくとも1種の油成分、組成物の総重量に対して、0~30重量%、特に1~30重量%、好ましくは4~20重量%の少なくとも1種の乳化剤、組成物の総重量に対して、10~90重量%、特に30~90重量%の水、0~88.9重量%、特に1~50重量%のさらなる化粧品として許容可能なアジュバントを含有する。
【0074】
油含有組成物(例えば、油、W/O、O/W、O/W/O及びW/O/Wエマルション又はマイクロエマルション)の適切な油成分は、例えば6~18、好ましくは8~10個の炭素原子を有する脂肪族アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖状C6~C24脂肪酸と直鎖状C3~C24アルコールとのエステル、分枝状C6~C13カルボン酸と直鎖状C6~C24脂肪族アルコールとのエステル、直鎖状C6~C24脂肪酸と分枝状アルコール、特に2-エチルヘキサノールとのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖状又は分枝状C6~C22脂肪族アルコール、特にリンゴ酸ジオクチルとのエステル、直鎖状及び/又は分枝状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオール若しくは三量体トリオール)及び/又はゲルベアルコールとのエステル、C6~C10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6~C18脂肪酸に基づく液体モノ/ジ/トリグリセリド混合物、C6~C24脂肪族アルコール及び/又はゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、C2~C12ジカルボン酸と1~22個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルコール又は2~10個の炭素原子及び2~6個のヒドロキシ基を有するポリオールとのエステル、植物油(例えば、ヒマワリ油、オリーブ油、ダイズ油、ナタネ油、アーモンド油、ホホバ油、オレンジ油、麦芽油、桃仁油及びヤシ油の液体成分)、分枝状第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖状及び分枝状C6~C22脂肪族アルコール炭酸エステル、ゲルベ炭酸エステル、安息香酸と直鎖状及び/又は分枝状C6~C22アルコールとのエステル(例えば、Finsolv(登録商標) TN)、合計して12~36個の炭素原子、特に12~24個の炭素原子を有する、直鎖状又は分枝状の、対称又は非対称ジアルキルエーテル、例えばジ-n-オクチルエーテル、ジ-n-デシルエーテル、ジ-n-ノニルエーテル、ジ-n-ウンデシルエーテル、ジ-n-ドデシルエーテル、n-ヘキシルn-オクチルエーテル、n-オクチルn-デシルエーテル、n-デシルn-ウンデシルエーテル、n-ウンデシルn-ドデシルエーテル、n-ヘキシルn-ウンデシルエーテル、ジ-tert-ブチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ-3-エチルデシルエーテル、tert-ブチルn-オクチルエーテル、イソペンチルn-オクチルエーテル及び2-メチルペンチル-n-オクチルエーテル;エポキシ化脂肪酸エステルとポリオールとの開環生成物、シリコーン油及び/又は脂肪族若しくはナフテン系炭化水素である。また、重要であるのは、脂肪酸と3~24個の炭素原子を有するアルコールとのモノエステルである。この群の物質は、8~24個の炭素原子を有する脂肪酸、例えばカプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸及びエルカ酸並びにこれらのテクニカルグレードの混合物(例えば、天然油脂の加圧除去下で、レーレンのオキソ合成からのアルデヒドの還元下で、又は不飽和脂肪酸の二量体化において得られる)とアルコール、例えばイソプロピルアルコール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノイルアルコール、リノレニルアルコール、エラエオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール及びブラシジルアルコール並びにこれらのテクニカルグレードの混合物(例えば、油脂に基づくテクニカルグレードのメチルエステル又はレーレンのオキソ合成からのアルデヒドの高圧水素添加において、及び不飽和脂肪族アルコールの二量体化におけるモノマー画分として得られる)とのエステル化生成物を含む。特に重要であるのは、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸C16~C18アルキルエステル、ステアリン酸2-エチルヘキシルエステル、オレイン酸セチル、トリカプリン酸グリセロール、ヤシ脂肪族アルコールカプリネート/カプリレート及びステアリン酸n-ブチルである。さらに、使用することができる油成分は、ジカルボン酸エステル、例えばジ-n-ブチルアジペート、ジ(2-エチルヘキシル)アジペート、ジ(2-エチルヘキシル)スクシネート及び酢酸ジイソトリデシルであり、またジオールエステル、例えばエチレングリコールジオレエート、エチレングリコールジイソトリデカノエート、プロピレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)、プロピレングリコールジイソステアレート、プロピレングリコールジペラルゴネート、ブタンジオールジイソステアレート及びネオペンチルグリコールジカプリレートである。好ましいモノ又はポリ-オールは、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール及びソルビトールである。1種以上のアルキルカルボン酸の二価及び/又は三価の金属塩(アルカリ土類金属、とりわけAl3+)を使用することも可能である。
【0075】
油成分は、例えば、組成物の総重量に対して、1~60重量%、特に5~50重量%、好ましくは10~35重量%の量で使用されうる。
【0076】
任意の従来より有用な乳化剤を本発明による化粧用組成物に使用することができる。
【0077】
適切な乳化剤は、例えば以下の群由来の非イオン界面活性剤である。
- 2~30モルのエチレンオキシド及び/又は0~5モルのプロピレンオキシドと8~22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪族アルコール、12~22個の炭素原子を有する脂肪酸、及びアルキル基に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとの付加生成物、例えばセテアレス-20又はセテアレス-12;
- 1~30モルのエチレンオキシドと3~6個の炭素原子を有するポリオール、特にグリセロールとの付加生成物のC12~C22脂肪酸モノ及びジエステル
- 6~22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸のグリセロールモノ及びジエステル並びにソルビタンモノ及びジエステル並びにそのエチレンオキシド付加生成物、例えばステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン;
- C8~C22アルキル-モノ及びオリゴ-グリコシド及びこれらのエトキシル化類似体、オリゴマー度は1.1~5、特に1.2~1.4が好ましく、グルコースが糖成分として好ましい;
- 2~60モル、特に15~60モルのエチレンオキシドとヒマシ油及び/又は硬化ヒマシ油との付加生成物;
- ポリオールエステル、特にポリグリセロールエステル、例えばジイソステアリン酸ジイソステアロイルポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、ジイソステアリン酸トリグリセリル、セスキイソステアリン酸ポリグリセリル-2又はポリグリセリルジメレート。複数のこれらの物質分類からの化合物の混合物も適している;
- 直鎖状、分枝状、不飽和又は飽和C6~C22脂肪酸、リシノール酸、また12-ヒドロキシステアリン酸に基づく、及びグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、またポリグルコシド(例えば、セルロース)、例えばポリグリセリル-2-ジヒドロキシステアレート又はポリグリセリル-2-ジリシノレエートに基づく部分エステル;
- モノ、ジ及びトリ-アルキルホスフェート、並びにまたモノ、ジ及び/又はトリ-PEG-アルキルホスフェート及びこれらの塩;
- ウールワックスアルコール
- 天然誘導体の1種以上のエトキシル化エステル、例えば硬化ヒマシ油のポリエトキシル化エステル;
- シリコーン油乳化剤、例えばシリコーンポリオール;
- ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー及び相当する誘導体、例えばセチルジメチコンコポリオール;
- ペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸及び脂肪族アルコール(DE-A-1 165574参照)の混合エステル並びに/又は6~22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコース及びポリオール、好ましくはグリセロール若しくはポリグリセロール、例えばジステアリン酸ポリグリセリル-3-グルコース、ジオレイン酸ポリグリセリル-3-グルコース、ジオレイン酸メチルグルコース又はジステアリルクエン酸ジココイルペンタエリスリチルのエステル;並びにまた
- ポリアルキレングリコール。
【0078】
エチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシドと脂肪族アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、グリセロールモノ及びジ-エステル、並びにまた脂肪酸のソルビタンモノ及びジ-エステルとの、又はヒマシ油との付加生成物は、知られた市販品である。これらは、通常ホモログ混合物であり、その平均アルコキシル化度は、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの量と付加反応が実行される基材の量との比に相当する。エチレンオキシドとグリセロールとの付加生成物のC12~C18脂肪酸モノ及びジ-エステルは、例えば、化粧用製剤に対する脂肪回復物質としてDE-A-2024051から知られている。
【0079】
C8~C18アルキル-モノ及びオリゴ-グリコシド、これらの製剤並びにこれらの使用は先行技術から知られている。これらは、特にグルコース又はオリゴサッカライドと8~18個の炭素原子を有する第一級アルコールとを反応させることによって調製される。適切なグリコシド基は、環状糖基が脂肪族アルコールにグリコシド結合しているモノグリコシド、また好ましくは約8までのオリゴマー度を有するオリゴマーグリコシドを含む。オリゴマー度は、このようなテクニカルグレードの生成物に対する通例の同族体分布に基づく統計的平均値である。
【0080】
双性イオン界面活性剤を乳化剤として使用することも可能である。用語「双性イオン界面活性剤」は、特に、分子内に少なくとも1つの第四級アンモニウム基並びに少なくとも1つのカルボキシレート及び/又はスルホネート基を有する表面活性化合物を示す。特に適している双性イオン界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチル-アンモニウムグリシネート、例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、及び2-アルキル-3-カルボキシルメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(各場合に、アルキル又はアシル基に8~18個の炭素原子を有する)並びにまたココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。特に好ましいのは、CTFA名コカミドプロピルベタインの下に公知の脂肪酸アミド誘導体である。同様に、乳化剤として適切であるのは両性界面活性剤である。両性界面活性剤は、特に、C8~C18アルキル又はアシル基を含有することに加えて、分子内に少なくとも1つの遊離アミノ基及び少なくとも1つの-COOH又は-SO3H基を含有し、内部塩を形成することができるものを意味すると理解される。適切な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸(各場合に、アルキル基に約8~18個の炭素原子を有する)を含む。
【0081】
特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノ-プロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及びC12~C18アシルサルコシンである。両性乳化剤に加えて、第四級乳化剤がまた考慮され、特に好ましいのは、エステル第四級タイプのもの、好ましくはメチル-第四級化二価脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩である。
【0082】
非イオン性乳化剤、好ましくは8~22個の炭素原子を有し、4~30のEO単位を有するエトキシル化脂肪族アルコールが好ましい。
【0083】
乳化剤は、例えば、組成物の総重量に対して、1~30重量%、特に4~20重量%、及び好ましくは5~10重量%の量で使用してよい。しかし、原則として乳化剤を使用して分散することも可能である。
【0084】
本発明による組成物、例えばクリーム、ゲル、ローション、アルコール及び水性/アルコール溶液、エマルション、ワックス/脂肪組成物、スティック製剤、粉末又は軟膏は、さらに、さらなるアジュバント及び添加剤として、緩和な界面活性剤、過脂肪剤、真珠光沢ワックス、稠度調節剤(consistency regulator)、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、安定剤、生物由来の活性成分、消臭性の活性成分、ふけ止剤、塗膜形成剤、膨潤剤、抗酸化剤、ハイドロトロープ剤、防腐剤、防虫剤、セルフタンニング剤、可溶化剤、香油、着色剤、細菌抑制剤などを含有してよい。
【0085】
過脂肪剤としての使用に適する物質は、例えばラノリン及びレシチン、並びにまたポリエトキシル化又はアシル化ラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド及び脂肪酸アルカノールアミドであり、後者は同時に泡安定剤としても作用する。
【0086】
適切な緩和な界面活性剤、すなわち皮膚に特に良好な耐性を示す界面活性剤の例は、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノ及び/又はジ-アルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸イセチオン酸塩、脂肪酸サルコシン酸塩、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタミン酸塩、α-オレフィンスルフォネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、及び/又はタンパク質脂肪酸縮合物を含み、後者は好ましくはコムギタンパク質に基づく。
【0087】
適切な真珠光沢は、例えば:アルキレングリコールエステル、特にジステアリン酸エチレングリコール;脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ油脂肪酸ジエタノールアミン;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多価、不飽和又はヒドロキシ置換カルボン酸と6~22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪性物質、例えば脂肪族アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテル及び脂肪族炭酸エステル(総じて少なくとも24個の炭素原子を有する)、特にラウロン及びジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸又はベヘン酸、12~22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドと12~22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとの開環生成物並びに/又は2~15個の炭素原子と2~20個のヒドロキシル基を有するポリオール、並びにこれらの混合物である。
【0088】
適切な稠度調節剤は、特に12~22個の炭素原子、好ましくは16~18個の炭素原子を有する脂肪族アルコール又はヒドロキシ脂肪族アルコールであり、さらに部分グリセリド、脂肪酸及びヒドロキシ脂肪酸である。これらの物質とアルキル-オリゴグルコシド及び/若しくは同じ鎖長の脂肪酸N-メチルグルカミド並びに/又はポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレートとの組合せが好ましい。適切な増粘剤は、例えばAerosilタイプ(親水性ケイ酸)、多糖類、特にキサンタンガム、グアーガム、寒天、アルギン酸塩及びチロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース、また比較的高分子量の脂肪酸ポリエチレングリコールモノ及びジ-エステル、ポリアクリレート(例えばGoodrich製のCarbopol(登録商標)、又はSigma製のSynthalen(登録商標))、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、エトキシル化脂肪酸グリセリドなどの界面活性剤、ペンタエリトリトール又はトリメチロールプロパンなどのポリオールとの脂肪酸のエステル、限定されたホモログ分布を有する脂肪族アルコールエトキシレート及びアルキル-オリゴグルコシド並びに塩化ナトリウム又は塩化アンモニウムなどの電解質を含む。
【0089】
適切なカチオン性ポリマーは、例えば、カチオン性セルロース誘導体、例えばAmerchol製のPolymer JR 400(登録商標)の名で入手できる第四級化ヒドロキシメチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩及びアクリルアミドのコポリマー、第四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコール及びアミンの縮合生成物、第四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Grunau)、第四級化コムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコーン又はアジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミン(Cartaretin(登録商標)/Sandoz)とのコポリマー、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリド(Merquat(登録商標)550/Chemviron)とのコポリマー、例えばFR-A-2 252840に記載されるポリアミノポリアミド、及びこれらの架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば、場合によっては微晶質として分布する第四級化キトサン、ジハロアルキル、例えばジブロモブタンのビスジアルキルアミン、例えば、ビスジメチルアミノ-1,3-プロパンとの縮合物、カチオン性グアーガム、例えばCelanese製のJaguar(登録商標)C-17、Jaguar(登録商標)C-16、第四級化アンモニウム塩ポリマー、例えばMiranol製のMirapol(登録商標)A-15、Mirapol(登録商標)AD-1、Mirapol(登録商標)AZ-1である。
【0090】
適切なアニオン性、双性イオン性、両性及び非イオン性ポリマーは、例えば酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びそのエステル、非架橋ポリアクリル酸及びポリオールと架橋したポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー、並びにまた場合によっては誘導体化したセルロースエーテル及びシリコーンである。
【0091】
適切なシリコーン化合物は、例えば、室温で液体又は樹脂形態のいずれかであってもよいジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、並びにまたアミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ-、フッ素-、グリコシド-及び/又はアルキル-修飾シリコーン化合物である。他に適切なのは、ジメチルシロキサン単位数200~300の平均鎖長を有するジメチコンと水素化シリケートとの混合物であるシメチコンである。適切な揮発性シリコーンについてのToddらによる詳細な調査は、Cosm. Toil. 91, 27(1976)にさらに見出されうる。
【0092】
脂肪の典型例はグリセリドであり、ワックスを考慮に入れると、とりわけミツロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウ、モンタンロウ、パラフィンロウ、硬質ヒマシ油及び脂肪酸エステル又は場合によっては親水性ワックス、例えばセチルステアリルアルコール若しくは部分グリセリドと組み合わせて室温で固体のマイクロワックスである。脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸又はリシノール酸マグネシウム、アルミニウム及び/若しくは亜鉛を安定剤として使用してよい。
【0093】
生物由来の活性成分は、例えばトコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、プソイドセラミド、精油、植物抽出物及びビタミン複合体を意味するものとして理解されるべきである。
【0094】
適切な消臭性の活性成分は、例えばアルミニウムクロロヒドレートなどの制汗剤である(J.Soc.Cosm.Chem. 24, 281(1973)を参照)。Hoechst AG、フランクフルト(FRG)の商標Locron(登録商標)として知られ、市販されている式Al2(OH)5Clx2.5H2Oに相当するアルミニウムクロロヒドレートが特に好ましい(J.Pharm.Pharmacol. 26, 531(1975)を参照)。クロロヒドレートの他に、アルミニウムヒドロキシ-アセテート及び酸性アルミニウム/ジルコニウム塩を使用することも可能である。さらなる消臭性の活性成分として、エステラーゼ阻害剤を添加してもよい。このような阻害剤は、好ましくはクエン酸トリアルキル、例えばクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、及び特にクエン酸トリエチル(Hydagen(登録商標)CAT、Henkel KGaA、デュッセルドルフ/FRG)であり、これらは酵素活性を阻害し、したがって、臭気の形成を低減する。さらに適切なエステラーゼ阻害剤は、ステロールスルフェート又はホスフェート、例えばラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール及びシトステロールのスルフェート又はホスフェート、ジカルボン酸及びそのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル並びにヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸又は酒石酸ジエチルエステルである。細菌叢に影響を与え、汗分解菌を殺傷し、又はその増殖を阻害する抗菌活性成分が、同様にその製剤(特にスティック製剤)中に存在することができる。例としては、キトサン、フェノキシエタノール及びグルコン酸クロルヘキシジンが挙げられる。5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール(Irgasan(登録商標)、BASF)も、特に効果的であることが証明されている。
【0095】
慣例的な塗膜形成剤は、例えばキトサン、微結晶性キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、高比率のアクリル酸を含有する第四級セルロース誘導体のポリマー、コラーゲン、ヒアルロン酸及びその塩、並びに類似の化合物を含む。水性相のための適切な膨潤剤は、モンモリロナイト、粘土鉱物、Pemulen、及びまたアルキル変性タイプのCarbopol(Goodrich社)である。さらに適切なポリマー及び膨潤剤は、R.LochheadによるCosm.Toil. 108, 95(1993)のレビューに見出すことができる。
【0096】
流動性を改善するために、ヒドロトロピー剤、例えばエタノール、イソプロピルアルコール又はポリオールを用いることも可能である。この目的のために適切なポリオールは、好ましくは2~15個の炭素原子、少なくとも2個のヒドロキシ基を含む。
【0097】
ポリオールは、さらに、官能基、特にアミノ基を含有してもよく、及び/又は窒素で変性されていてもよい。典型例は、以下のとおりである:
- グリセロール;
- アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール及びまた100~1000ダルトンの平均分子量を有するポリエチレングリコール;
- 1.5~10の固有縮合度を有する工業的オリゴグリセロール混合物(technical oligoglycerol mixtures)、例えば40~50重量%のジグリセロール含量を有する工業的ジグリセロール混合物;
- メチロール化合物、例えば特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトール及びジペンタエリトリトール;
- 低級アルキル-グルコシド、特にアルキル基内に1~8個の炭素原子を有するもの、例えばメチル及びブチルグルコシド;
- 5~12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えばソルビトール又はマンニトール;
- 5~12個の炭素原子を有する糖、例えばグルコース又はサッカロース;
- アミノ糖、例えばグルカミン;
- ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミン又は2-アミノ-1,3-プロパンジオール。
【0098】
適切な防腐剤は、例えばフェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン類、ペンタンジオール又はソルビン酸、及びさらに、Schedule 6,Parts A and B of the Cosmetics Regulationsに列挙された物質分類を含む。
【0099】
適切な香料油は、天然及び/又は合成の芳香性物質の混合物である。天然の芳香性物質の代表は、例えば花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)から、茎及び葉(ゼラニウム、パッチュリ、プチグレン)から、果実(アニスシード、コリアンダー、ウイキョウ、ネズ)から、果実皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)から、根(メース、アンジェリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、ショウブ)から、木(マツの木、サンダルウッド、グアヤクの木、シーダーの木、シタン)から、ハーブ及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)から、針状葉及び小枝(トウヒ、マツ、ヨーロッパアカマツ、コウザンマツ)から、樹脂及びバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナックス)からの抽出物である。動物原料、例えばシベット及びカストリウムも考慮に入れられる。典型的な合成芳香性物質は、例えばエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール又は炭化水素類の製品である。
【0100】
エステル類の芳香性物質の化合物は、例えば酢酸ベンジル、イソブチル酸フェノキシエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリル及びサリチル酸ベンジルである。エーテル類は、例えばベンジルエチルエーテルを含み;アルデヒド類は、例えば8~18個の炭化水素原子を有する直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びボージュナールを含み;ケトン類は、例えばイオノン類、α-イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンを含み;アルコール類は、例えばアネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピノールを含み;並びに炭水化物類は、主にテルペン類及びバルサム類を含む。しかしながら魅力的な香気を一緒に生じる、種々の芳香性物質の混合物を使用することが好ましい。主に芳香成分として使用され、比較的低揮発性のエーテル油、例えばセージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、シナモンの葉の油、ライム花の油、ネズの実の油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラボラヌム油及びラバンジン油も香料油として適している。ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイスアンブレンフォルテ、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリス、レモン油、タンゲリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコラート、シクロバータル、ラバンジン油、マスカテルセージ油、β-ダマスコン、ブルボンゼラニウム油、サリチル酸シクロヘキシル、バートフィクスクール、イソ-E-スーパー、Fixolide NP、エバニール、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラ、イロチル及びフローラマを、単独又は互いに混和して使用することが好ましい。
【0101】
化粧目的として認められた適切な着色剤は、例えば、Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaftの「Kosmetische Farbemittel」, Verlag Chemie, Weinheim, 1984, 81~106ページで公開されている。着色剤は、一般的に、全混合物に対して、0.001~0.1重量%の濃度で使用される。
【0102】
細菌抑制剤の典型例は、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6-ジ(4-クロロフェニル-ビグアニド)ヘキサン)又はTCC(3,4,4'-トリクロロカルバニリド)など、グラム陽性菌に対する特異的作用を有する防腐剤である。
【0103】
多数の芳香性物質及びエーテル油も、抗菌性を有している。典型例は、クローブ油、ミント油及びタイム油中の有効成分のオイゲノール、メントール及びチモールである。目的の天然消臭剤は、ライム花の油に存在するテルペンアルコールファルネソール(3,7,11-トリメチル-2,6,10-トデカトリエン-1-オール)である。モノラウリル酸グリセロールも、静菌剤になることが証明されている。存在する追加の細菌抑制剤の量は、通常、本発明による化粧用組成物の固形分に対して、0.1~2重量%である。
【0104】
本発明による化粧用組成物は、さらにアジュバントとして、シリコーンなどの消泡剤、マレイン酸などの構造物質、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール又はジエチレングリコールなどの可溶化剤、ラテックス、スチレン/PVP又はスチレン/アクリルアミドコポリマーなどの乳白剤、EDTA、NTA、β-アラニン二酢酸又はホスホン酸などの錯化剤、プロパン/ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2、N2又は空気などの噴射剤、酸化染料前駆体などのいわゆるカップラー及び顕色剤成分、チオグリコール酸とその誘導体、チオ乳酸、システアミン、チオリンゴ酸又はα-メルカプトエタンスルホン酸などの還元剤、あるいは過酸化水素、臭化カリウム又は臭化ナトリウムなどの酸化剤を含有してよい。
【0105】
防虫剤は、例えばN,N-ジエチル-m-トルアミド、1,2-ペンタンジオール又は防虫剤3535である。
【0106】
適切なセルフタンニング剤は、ジヒドロキシアセトン、エリスルロース又はジヒドロキシアセトンとエリスルロースとの混合物である。
【0107】
本発明による化粧用製剤は、種々の化粧用調製物、特に以下の調製物中に含有される:
- スキンケア調製物、例えばスキンエマルション、マルチエマルション又はスキンオイル;
- 化粧用パーソナルケア調製物、例えばデイクリーム又はパウダークリームの形態のフェイシャルメークアップ、おしろい(粉又は固形)、ほお紅又はクリームメークアップ、アイケア調製物、例えばアイシャドウ調製物、マスカラ、アイライナー、アイクリーム又はアイフィックスクリーム;リップスティック、リップグロス、リップ輪郭ペンシル、などのリップケア調製物;ネイルラッカー、ネイルラッカーリムーバー、ネイルハードナー又はキューティクルリムーバーなどのネイルケア調製物;
- サンミルク、ローション、クリーム若しくはオイル、サンブロック若しくはトロピカル、プレタンニング調製物又はアフターサン調製物などの光防御調製物;
- スキンタンニング調製物、例えばセルフタンニングクリーム;
- 脱色調製物、例えば皮膚を漂白するための調製物、又は美白調製物;
- 防虫剤、例えば防虫オイル、ローション、スプレー又はスティック;
【0108】
最終製剤は、種々の形態で、例えば:
- W/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルション及び全種類のミクロエマルションのような液体調製物の形態で、
- ゲルの形態で、
- オイル、クリーム、ミルク若しくはローションの形態で、
- パウダー、ラッカー、錠剤若しくはメークアップの形態で、
- スティックの形態で、
- スプレー(噴射ガスを含むスプレー又はポンプ式スプレー)若しくはエアロゾルの形態で、
- 泡の形態で、又は
- ペーストの形態で存在してもよい。
【0109】
皮膚のために重要な化粧用組成物は、サンミルク、ローション、クリーム、オイル、サンブロック若しくはトロピカル、プレタンニング調製物又はアフターサン調製物、また皮膚タンニング調製物、例えばセルフタンニングクリームなどの光防御調製物である。特に興味深いのは、サンプロテクションクリーム、サンプロテクションローション、サンプロテクションオイル、サンプロテクションミルク及びスプレー形態のサンプロテクション調製物である。
【実施例0110】
A.本発明によるUVフィルター及びUVフィルター組合せの例
方法
日焼け止めの分光透過率T(λ)の算出
所与のフィルター組成物に関する日焼け止めの分光透過率T(λ)の算出について、シミュレーションツールが使用される。ツールは、以下の要素に基づいている:関連するUVフィルターのUVスペクトルに関するデータベース(ディケードモル吸光係数として示す)、皮膚での日焼け止めフィルムの不規則なプロファイルの数学的記述、光不安定性によるUVフィルター濃度の変化の検討、及びエマルションの油相及び水相におけるUVフィルターの配分のような配合の影響の検討。
【0111】
SPF(紅斑の減衰)及びプレビタミンD形成の減衰率AFvdの決定
1MED(最小紅斑量、これは、24時間曝露後のUV-B放射の最小量である)の紅斑放射曝露=250J/m2紅斑放射曝露に対する全身曝露が、約10,000IUのビタミンD3の経口摂取に相当することは、科学文献から公知である。最大太陽入力(maximum solar input)(COLIPAに従う、正中の太陽、好天)では、1MEDを受けるのに約20分かかる。ビタミンD3の推奨摂取量は、1日当たり1,000~4,000IUまでの範囲である。1日当たり2000IUの1日供給量が、DGE(Deutsche Gesellschaft fur Ernahrung 2011)により推奨されている。この推奨は、例えばUV放射に曝露されないことによる、内因性/表皮ビタミンD3産生の欠如に関する。保護されていない皮膚が、上記最大太陽入力に曝露される条件下で、f 20/5=4分後に、この量のビタミンD3が皮膚で産生されうる。日焼け止めにより、紅斑照射及びビタミンD3-有効放射が減衰される。
【0112】
MED=最小紅斑量=曝露の24時間後に皮膚に最初の赤みを生じるUVB放射の最小量[J/m2]=250 J/m2の紅斑放射(基準値) 1IU=25ngビタミンD3
【0113】
SPFは、以下の式により算出される
【数2】
【0114】
SPFと同様に、ビタミンD3-有効放射AFPVDの減衰率は、次のように定義される。
【数3】
Eλ(λ) 分光日射照度(spectral solar irradiance)
T(λ) 所与の日焼け止めの分光透過率
Ser(λ) 紅斑の作用スペクトル
Spvd(λ) 皮膚でのビタミンD3形成の作用スペクトル
【0115】
BASFサンスクリーンシミュレータ:www.basf.com/sunscreensimulator; Herzog, B.; Osterwalder, U. In Silico Determination of Topical Sun Protection. Cosm Sci Tech. 2011; 62: 1-8を使用するEer、EVD、EVD/Eer、SPF、AFVDの算出
【0116】
保護された皮膚が、上述の最大太陽入力に曝露される場合、日焼け止めを用いて又は用いずに、推奨ビタミンD3摂取量と等価量の2,000IUを産生するための曝露時間tPVDは、
tPVD=4×AFPVD
である。
【0117】
日焼け止めのいくつかの例での減衰率AFPVD及び曝露時間tPVDが表4に示されている。
【0118】
フィルター組成物の例は、サンプロテクションファクター(SPFと略される)6、15、及び30を達成するために選択される。
【0119】
結果
[実施例A1]
SPF6の日焼け止め
表1は、上述の4種のSPF6の日焼け止めに対する組成物並びにSPF、Epvd/Eer比、UVA-PF、UVA-PF/SPF比及び臨界波長CWの計算値を示す。
【0120】
【表3】
【0121】
図3は、SPF6をもたらす4種の異なるタイプのUVフィルター組成物に関する日焼け止めフィルムの分光透過率を示す。
【0122】
[実施例A2]
SPF15の日焼け止め
表2は、4種のSPF15の日焼け止めに対する組成物並びにSPF、Epvd/Eer比、UVA-PF、UVA-PF/SPF比及び臨界波長CWの計算値を示す。
【0123】
【表4】
【0124】
図4において、SPF15をもたらす4種の異なるタイプのUVフィルター組成物に関する日焼け止めフィルムのシミュレーションされた分光透過率が示されている。
【0125】
[実施例A3]
SPF30の日焼け止め
表3は、4種のSPF30の日焼け止めに対する組成物並びにSPF、Epvd/Eer比、UVA-PF、UVA-PF/SPF比及び臨界波長CWの計算値を示す。
【0126】
【表5】
【0127】
図5は、SPF30をもたらす4種の異なるタイプのUVフィルター組成物に関する日焼け止めフィルムのシミュレーションされた分光透過率を示す。
【0128】
実施例A3.3及びA3.4は、SPFが同じ場合であっても、ビタミンD3-有効放射に対する日焼け止めの透過率が最適化されうることを実証する。
【0129】
[実施例A4]
1日当たりのビタミンDの推奨量の決定
1日当たり2000IUの推奨ビタミンD摂取量を得るための曝露時間tPVDは、保護された皮膚が上述の最大太陽入力に曝露される場合、tPVD=4×AFPVD分である。日焼け止めの4種の例に対する減衰率AFPVD及び曝露時間tPVDが表4に示されている。
【0130】
【表6】
【0131】
例えばSPF=30を有する日焼け止めを用いた日光曝露に対する曝露時間tPVDは、日光浴をするものの通常の時間枠の範囲内である約2時間である。したがって、減衰率AFPVD低下の観点で、日焼け止めを最適化することには実際に意味がある。
【0132】
【表7】
【0133】
B.化粧用製剤のための例
【0134】
【表8】
【0135】
製剤は、以下のように調製する:パートA及びBを調製し、別々に80℃に加熱する。次いで、撹拌しながらパートAをパートBに添加する。短い均質化の後、撹拌しながらパートCを添加する。室温に冷却した後、パートDの成分を列挙された順に添加する。
【0136】
【表9】
【0137】
製剤は、以下のように調製する:パートAを80℃に加熱し、室温に冷却し、撹拌しながらパートBに投入する。均質化(ultra-turraxタイプの装置を用いる)の後、パートCを添加し、その後、再度均質化する。最後に、パートDの成分を添加し、製剤を再度均質化する。
【0138】
【表10】
【0139】
製剤は、以下のように調製する:パートA及びBを調製し、別々に80℃に加熱する。次いで、撹拌しながらパートAをパートBに添加する。短い均質化の後、撹拌しながらパートCを添加する。室温に冷却した後、パートDの成分を列挙された順に添加する。
【0140】
【表11】
【0141】
製剤は、以下のように調製する:パートA及びBを調製し、別々に80℃に加熱する。次いで、撹拌しながらパートAをパートBに添加する。短い均質化の後、撹拌しながらパートCを添加する。室温に冷却した後、パートDの成分を列挙された順に添加する。
【0142】
【表12】
【0143】
製剤は、以下のように調製する:パートA及びBを調製し、別々に80℃に加熱する。次いで、撹拌しながらパートAをパートBに添加する。短い均質化の後、撹拌しながらパートCを添加する。室温に冷却した後、パートDの成分を列挙された順に添加する。
【0144】
【表13】
【0145】
製剤は、以下のように調製する:パートA及びBを調製し、別々に80℃に加熱する。次いで、撹拌しながらパートAをパートBに添加する。短い均質化の後、撹拌しながらパートCを添加する。室温に冷却した後、パートDの成分を列挙された順に添加する。
図1
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-10-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(d 1 )ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l 1 )メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(e 1 )ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
UVフィルター組合せを含む日焼け止め製剤であって、
日焼け止めが、>15のSPFを有し、
- コレカルシフェロール(プレビタミンD3)の産生のためにヒトの皮膚でのUV放射の透過率を増大させるために、及び同時に、日光に曝された際にUV放射に対してヒトの皮膚を保護するため使用するための日焼け止め製剤であり、且つ
プレビタミンD3形成に対する有効照射量Epvdと皮膚での紅斑形成に対する有効照射量Eerとの比Rが少なくとも1.8である、日焼け止め製剤。
【請求項2】
E er =∫S(λ)s er (λ)dλであり、且つ
E pvd =∫S(λ)s vd (λ)dλ
である、請求項1に記載の日焼け止め製剤。
【請求項3】
ビタミンD形成に対する有効照射量Epvdと皮膚での紅斑形成に対する有効照射量Eerとの比が>2.0である、請求項1又は2に記載の日焼け止め製剤。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
図1図1: 自然の日光の条件下での、ビタミンD3形成に対する有効照射量と紅斑形成に対する有効照射量の比R=EpvD/Eer
図2】図2: 強力なUVA(A1.3)及び保護特性を最適化されたビタミンD3(A1.4)に関する4種のSPF6の日焼け止め(表1の組成物)のシミュレーションされたUV透過率のスペクトル。
図3】図3: 強力なUVA(A2.3)及び保護特性を最適化されたビタミンD3(A2.4)に関する4種のSPF15の日焼け止め(表2の組成物)のシミュレーションされたUV透過率のスペクトル。
図4】図4: 強力なUVA(A3.3)及び保護特性を最適化されたビタミンD(A3.4)に関する4種のSPF30の日焼け止め(表3の組成物)のシミュレーションされたUV透過率のスペクトル。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0121】
2は、SPF6をもたらす4種の異なるタイプのUVフィルター組成物に関する日焼け止めフィルムの分光透過率を示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0124】
3において、SPF15をもたらす4種の異なるタイプのUVフィルター組成物に関する日焼け止めフィルムのシミュレーションされた分光透過率が示されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0127】
4は、SPF30をもたらす4種の異なるタイプのUVフィルター組成物に関する日焼け止めフィルムのシミュレーションされた分光透過率を示す。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0145
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0145】
製剤は、以下のように調製する:パートA及びBを調製し、別々に80℃に加熱する。次いで、撹拌しながらパートAをパートBに添加する。短い均質化の後、撹拌しながらパートCを添加する。室温に冷却した後、パートDの成分を列挙された順に添加する。
本発明は、以下の実施形態を包含する。
(実施形態1)
(a)トリアジン誘導体;
(b)ケイヒ酸誘導体;
(c)ビス-レゾルシニルトリアジン;
(f)ベンゾイミダゾール誘導体;
(i 5 )4-メチルベンジリデンカンファー;
(h)ベンゾイルピペラジン誘導体;
(j)ベンゾオキサゾール誘導体;
(k)ジアリールブタジエン誘導体;
(l)フェニルベンゾトリアゾール誘導体;
(n)ベンジリデンマロネート;
(o 3 )サリチル酸TEA;
(r)イミダゾリン誘導体;
(u)金属酸化物から選択される無機UVフィルター;
(v)ナフタレート;及び
(w)メロシアニン誘導体
から選択されるUVフィルター(A)の少なくとも1種を含み;並びに場合によっては
(d)アミノベンゾフェノン誘導体;
(e)ジベンゾイルメタン誘導体;
(g)β,β-ジフェニルアクリレート誘導体;
(i 5 )異なるカンファー誘導体;
(o 3 )異なるサリチレート誘導体;
(p)アントラニレート誘導体;及び
(s)ベンザルマロネート誘導体
から選択されるUVフィルター(B)の少なくとも1種を含む日焼け止め製剤であって、
- コレカルシフェロール(プレビタミンD 3 )の産生のためにヒトの皮膚でのUV放射の透過率を増大させるために、及び同時に、日光に曝された際にUV放射に対してヒトの皮膚を保護するための方法であり、皮膚に前記日焼け止め製剤を適用することを含む方法において使用するために、
プレビタミンD 3 形成に対する有効照射量E pvd と皮膚での紅斑形成に対する有効照射量E er との比Rが少なくとも1.8である、日焼け止め製剤。
(実施形態2)
少なくとも2のSPFを有する、実施形態1に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態3)
少なくとも6のSPFを有する、実施形態1に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態4)
UVフィルターは、
(a 1 )エチルヘキシルトリアゾン;
(a 2 )トリス-ベフェニルトリアジン;
(a 3 )ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(c 1 )ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(c 2 )ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン/ポリメタクリル酸メチルの水性分散体;
(d 1 )ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(e 1 )ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f 1 )フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(f 2 )フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム;
(g 1 )オクトクリレン;
(h 1 )1,4-(2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾイル)ピペラジン;
(l 1 )メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(l 2 )ドロメトリゾールトリシロキサン;
(l 6 )2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(2-エチルヘキシルオキシメチル)-4-メチル-フェノール;
(i 1 )テレフタルイリデンジカンファースルホン酸;
(n 1 )式(BM9)の化合物;
(o 1 )サリチル酸エチルヘキシル;
(o 4 )ホモサレート;
(p 1 )アントラニル酸メンチル;
(s 1 )ポリシリコーン-15;
(u 1 )酸化亜鉛;及び
(u 3 )二酸化チタン
から選択される、実施形態1から3のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態5)
UVフィルターは、
(a 1 )エチルヘキシルトリアゾン;
(b 1 )メトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(c 1 )ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d 1 )ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l 1 )メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(e 1 )ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f 1 )フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(g 1 )オクトクリレン;及び
(u 3 )二酸化チタン
から選択される、実施形態1から4のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態6)
UVフィルターは、
(b 1 )メトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(c 1 )ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d 1 )ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l 1 )メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(e 1 )ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f 1 )フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;及び
(g 1 )オクトクリレン;
から選択される、実施形態1から5のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態7)
UVフィルターは、
(c 1 )ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d 1 )ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l 1 )メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(e 1 )ブチルメトキシジベンゾイルメタン
から選択される、実施形態1から6のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態8)
少なくとも6のSPFを有する、実施形態5から7のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態9)
UVフィルターは、
(a)0.1~40%b.w.のトリアジン誘導体;
(b)0.1~30%b.w.のケイヒ酸誘導体;
(c)0.1~10%b.w.のビス-レゾルシニルトリアジン;
(f)0.1~10%b.w.のベンゾイミダゾール誘導体;
(i 5 )0.1~10%b.w.の4-メチルベンジリデンカンファー;
(h)0.1~10%b.w.のベンゾイルピペラジン誘導体;
(j)0.1~10%b.w.のベンゾオキサゾール誘導体;
(k)0.1~20%b.w.のジアリールブタジエン誘導体;
(l)0.1~30%b.w.のフェニルベンゾトリアゾール誘導体;
(n)0.1~20%b.w.のベンジリデンマロネート;
(o 3 )0.1~15%b.w.のサリチル酸TEA;
(r)0.1~10%b.w.のイミダゾリン誘導体;
(u)0.1~50%b.w.の金属酸化物から選択される無機UVフィルター;
(v)0.1~20%b.w.のナフタレート;及び
(w)0.1~20%b.w.のメロシアニン誘導体;
から選択され;並びに場合によっては、
(d)0.1~20%b.w.のアミノベンゾフェノン誘導体;
(e)0.1~5%b.w.のジベンゾイルメタン誘導体;
(g)0.1~1%b.w.のβ,β-ジフェニルアクリレート誘導体;
(i)0.1~10%b.w.の(i 5 )と異なるカンファー誘導体;
(o)0.1~35%b.w.の(o 3 )と異なるサリチレート誘導体;
(p)0.1~10%b.w.のアントラニレート誘導体;及び
(s)0.1~10%b.w.のベンザルマロネート誘導体
から選択されるUVフィルター(B)の少なくとも1種を含む、実施形態1から8のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態10)
日焼け止めは、
(a 1 )1~3%b.w.のエチルヘキシルトリアゾン;
(b 1 )1~3.5%b.w.のメトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(c 1 )0.6~10%b.w.のビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d 1 )0.8~10%b.w.のジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(e 1 )2~3%b.w.のブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f 1 )2~3%b.w.のフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(g 1 )2.0~2.5%b.w.のオクトクリレン;
(l 1 )2~7.5%b.w.のメチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(u 3 )3.0~3.5%b.w.の二酸化チタン
から選択されるUVフィルターを含む、実施形態1から9のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態11)
日焼け止めは、
(d 1 )ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l 1 )メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(e 1 )ブチルメトキシジベンゾイルメタン
のUVフィルター組合せを含み、
日焼け止めが、>15のSPFを有する、実施形態1から10のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態12)
日焼け止めは、
(c 1 )ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d 1 )ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(l 1 )メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;及び
(e 1 )ブチルメトキシジベンゾイルメタン
のUVフィルター組合せを含み、
日焼け止めが、>30のSPFを有する、実施形態1から10のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態13)
UVフィルターは、広帯域(340~400nmのスペクトル)UVフィルター
(c 1 )ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(c 2 )ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン/ポリメタクリル酸メチルの水性分散体;
(f 2 )フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム;
(l 1 )メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(l 2 )ドロメトリゾールトリシロキサン;
(u 1 )酸化亜鉛;並びに場合によっては、
(e 1 )ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(d 1 )ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(i 1 )テレフタルイリデンジカンファースルホン酸;及び
(p 1 )アントラニル酸メンチル
から選択される、実施形態1~12のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態14)
(a)トリアジン誘導体;
(b)ケイヒ酸誘導体;
(c)ビス-レゾルシニルトリアジン;
(f)ベンゾイミダゾール誘導体;
(h)ベンゾイルピペラジン誘導体;
(i 5 )4-メチルベンジリデンカンファー;
(l)フェニルベンゾトリアゾール誘導体;
(n)ベンジリデンマロネート;
(o 3 )サリチル酸TEA;
(r)イミダゾリン誘導体;
(u)金属酸化物から選択される無機UVフィルター;
(v)ナフタレート;及び
(w)メロシアニン誘導体
から選択されるUVフィルターを含み、
選択されたUVフィルターの1種のみを含有する、実施形態1から13のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態15)
UVフィルターは、広帯域(340~400nmのスペクトル)UVフィルター
(c 1 )ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(c 2 )ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン/ポリメタクリル酸メチルの水性分散体;
(f 2 )フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム;
(l 1 )メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(i 1 )テレフタルイリデンジカンファースルホン酸;及び
(u 1 )酸化亜鉛;
から選択され、
選択されたUVフィルターの1種のみが含有される、実施形態14に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態16)
UVフィルターは、
(a 2 )トリス-ビフェニルトリアジン;
(c 2 )ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン/ポリメタクリル酸メチルの水性分散体;
(h 1 )1,4-(2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾイル)ピペラジン;
(l 1 )メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(u 1 )酸化亜鉛;及び
(u 3 )二酸化チタン
から選択される粒子状UVフィルターから選択される、実施形態1から15のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態17)
UVフィルターは、
(a 1 )エチルヘキシルトリアゾン;
(a 3 )ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(c 1 )ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(d 1 )ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(e 1 )ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(f 1 )フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(f 2 )フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム;
(g 1 )オクトクリレン;
(h 1 )1,4-(2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾイル)ピペラジン;
(l 1 )メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(l 2 )ドロメトリゾールトリシロキサン;
(l 6 )2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(2-エチルヘキシルオキシメチル)-4-メチル-フェノール;
(i 1 )テレフタルイリデンジカンファースルホン酸;
(n 1 )式(BM9)の化合物;
(o 1 )サリチル酸エチルヘキシル;
(o 4 )ホモサレート;
(p 1 )アントラニル酸メンチル;及び
(s 1 )ポリシリコーン-15;
から選択される非粒子状UVフィルターから選択される、実施形態1から15のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
(実施形態18)
ビタミンD形成に対する有効照射量E pvd と皮膚での紅斑形成に対する有効照射量E er との比が>2.0である、実施形態1から17のいずれか一項に記載の日焼け止め製剤。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4