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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180515
(43)【公開日】2022-12-06
(54)【発明の名称】金型用粉末
(51)【国際特許分類】
   B22F 1/00 20220101AFI20221129BHJP
   C22C 38/32 20060101ALI20221129BHJP
   B22F 1/05 20220101ALI20221129BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20221129BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20221129BHJP
   C22C 38/00 20060101ALI20221129BHJP
【FI】
B22F1/00 T
C22C38/32
B22F1/05
B22F10/28
B33Y70/00
C22C38/00 301H
C22C38/00 302E
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149802
(22)【出願日】2022-09-21
(62)【分割の表示】P 2018059288の分割
【原出願日】2018-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000180070
【氏名又は名称】山陽特殊製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西面 由夏
(57)【要約】
【課題】急速溶融急冷凝固を伴うプロセスに供されても凝固割れが生じにくい金型用粉末の提供。
【解決手段】金型用粉末の材質は、合金である。この合金は、
C:0.35質量%以上0.45質量%以下、
Si:0.01質量%以上1.20質量%以下、
Mn:1.50質量%以下、
Cr:2.0質量%以上5.5質量%以下
及び
V:0.2質量%以上2.1質量%以下
を含む。この合金はさらに、
Mo:3.0質量%以下、
W:9.5質量%以下
又は
Co:4.5質量%以下
を含む。この合金の残部は、Fe及び不可避的不純物である。この合金は、下記数式を満たす。
(Mn%)/ S% ≧ 11.0
P、S及びBの含有率は合計で、0.020質量%以下である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その材質が、
C:0.35質量%以上0.45質量%以下、
Si:0.01質量%以上1.20質量%以下、
Mn:1.50質量%以下、
Cr:2.0質量%以上5.5質量%以下
及び
V:0.2質量%以上2.1質量%以下
を含有し、さらに、
Mo:3.0質量%以下、
W:9.5質量%以下
及び
Co:4.5質量%以下
のいずれか1種又は2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物であり、
下記数式を満たし、
(Mn%)/ S% ≧ 11.0
(この数式において、Mn%はMnの含有率(質量%)を表し、S%はSの含有率(質量%)を表す。)
P、S及びBの含有率が合計で0.020質量%以下である合金である、三次元積層造形法のための金型用粉末。
【請求項2】
上記粉末の、平均粒径D50が10μm以上150μm以下であり、90%粒径D90が200μm以下である請求項1に記載の金型用粉末。
【請求項3】
Crの含有率が2.0質量%以上5.1質量%以下である請求項1又は2に記載の金型用粉末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型の材料に適した粉末に関する。詳細には、本発明は、三次元積層造形法のような急速溶融急冷凝固プロセスを伴う造形法で製作される金型の材料に適した粉末に関する。
【背景技術】
【0002】
金属からなる造形物の製作に、3Dプリンターが使用されている。この3Dプリンターでは、積層造形法によって造形物が製作される。積層造形法では、敷き詰められた金属粉末に、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、粉末の金属粒子が溶融する。粒子はその後、凝固する。この溶融と凝固とにより、粒子同士が結合する。照射は、金属粉末の一部に、選択的になされる。粉末の、照射がなされなかった部分は、溶融しない。照射がなされた部分のみにおいて、結合層が形成される。
【0003】
結合層の上に、さらに金属粉末が敷き詰められる。この金属粉末に、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、金属粒子が溶融する。金属はその後、凝固する。この溶融と凝固とにより、粉末中の粒子同士が結合され、新たな結合層が形成される。新たな結合層は、既存の結合層とも結合される。
【0004】
照射による結合が繰り返されることにより、結合層の集合体が徐々に成長する。この成長により、三次元形状を有する造形物が得られる。積層造形法により、複雑な形状の造形物が、容易に得られる。積層造形法の一例が、特許第4661842号公報に開示されている。
【0005】
金型の材質は、一般的には鋼である。金型に適した鋼種として、JISには、SKD4、SKD5、SKD6、SKD61、SKD62、SKD7及びSKD8が規定されている。
【0006】
一般的な金型は、その内部に冷却液の流路を有している。従来の金型の製作では、まず溶製されたインゴットに、鍛造、圧延等の塑性加工が施され、塊状の母材が得られる。この母材に切削加工等により、流路が形成される。この切削加工では、流路の配置及び形状の自由度が小さい。
【0007】
特開2015-209588公報には、積層造形法によって製作された金型が開示されている。積層造形法の採用により、配置及び形状が複雑な流路を有する金型が形成されうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4661842号公報
【特許文献2】特開2015-209588公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
積層造形法によって金型が製作される場合、凝固割れが生じやすい。急速溶融急冷凝固プロセスを伴う造形法による金型の製作には、凝固割れの抑制が急務である。
【0010】
本発明の目的は、急速溶融急冷凝固を伴うプロセスに供されても凝固割れが生じにくい金型用粉末の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る金型用粉末の材質は、合金である。この合金は、
C:0.25質量%以上0.45質量%以下、
Si:0.01質量%以上1.20質量%以下、
Mn:1.50質量%以下、
Cr:2.0質量%以上5.5質量%以下
及び
V:0.2質量%以上2.1質量%以下
を含む。この合金はさらに、
Mo:3.0質量%以下、
W:9.5質量%以下
及び
Co:4.5質量%以下
のいずれか1種又は2種以上を含有する。この合金は、下記数式を満たす。
(Mn%)/ S% > 6.7
この数式において、Mn%はMnの含有率(質量%)を表し、S%はSの含有率(質量%)を表す。この合金の残部は、Fe及び不可避的不純物である。この合金では、P、S及びBの含有率は、合計で0.020質量%以下である。
【0012】
好ましくは、この粉末の、平均粒径D50は10μm以上150μm以下であり、90%粒径D90は200μm以下である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る金型用粉末は、急速溶融急冷凝固を伴うプロセスに供されても、凝固割れが生じにくい。この粉末から、複雑な構造を有する金型が製作されうる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
積層造形法によって金型が製作される場合、金属が急速に溶融し、かつ急冷に凝固する。本合金は、急冷凝固により、平衡状態とは異なる凝固過程をとる。平衡状態ではδ相が初晶として晶出するが、急冷凝固を伴う積層造形法の場合、初晶はγ相となる。γ相はδ相よりもP、S及びBのような不純物元素の溶解度が低いため、溶液中に排出され残留液相が凝固の最終段階で偏析する。
【0015】
積層造形法では、凝固収縮に起因する内部応力が発生する。この内部応力は、結晶粒界に集中する。
【0016】
従来金型に用いられている鋼を用いて積層造形法によって金型が製作される場合、金属が急冷されることに起因して、マルテンサイト組織が生じる。この組織は、靱性に劣る。
【0017】
これらの要因によって、金型の形成時に、結晶粒界に凝固割れが生じることを、本発明者は突き止めた。
【0018】
本発明に係る金型用粉末は、多数の粒子の集合である。この粒子の材質は、合金である。この合金は、C、Si、Mn、Cr及びVを含みうる。この合金は、さらに、Mo、W及びCoの内の1種又は2種以上を含みうる。この合金における残部は、Fe及び不可避的不純物である。以下、この合金における各元素の役割が詳説される。
【0019】
[炭素(C)]
Cは、Feに固溶して合金の強度を高める。さらにCは、VとMC型炭化物を形成し、Cr、Mo等とM6C型炭化物又はM7C型炭化物を形成する。これらの炭化物は、高温環境下での合金の強さを高める。これらの観点から、Cの含有率は0.25質量%以上が好ましく、0.28質量%以上がより好ましく、0.30質量%以上が特に好ましい。Cの含有率が過剰であると、炭化物が結晶粒界に連続的に析出する。この析出は、結晶粒界の脆弱化を招来し、かつ結晶粒界の靱性の劣化を招来する。これらの観点から、Cの含有率は0.45質量%以下が好ましく、0.43質量%以下がより好ましく、0.41質量%以下が特に好ましい。
【0020】
[ケイ素(Si)]
Siは、合金の成分調整時に脱酸材として添加される。Siは、Feに固溶して合金の強度を高める。この観点から、Siの含有率は0.01質量%以上が好ましく、0.15質量%以上がより好ましく、0.25質量%以上が特に好ましい。Siの含有率が過剰であると、高温環境下での合金の耐酸化性が阻害される。この観点から、Siの含有率は1.20質量%以下が好ましく、1.10質量%以下がより好ましく、1.00質量%以下が特に好ましい。
【0021】
[マンガン(Mn)]
MnはSと共にMnSを形成する。このMnSは、高融点化合物である。MnSの形成は、Sを含む低融点化合物の析出量を低減し、凝固割れを抑制する。この観点から、Mnの含有率は0.20質量%以上が好ましく、0.25質量%以上がより好ましく、0.30質量%以上が特に好ましい。Mnの含有率が過剰であると、高温環境下での合金の耐酸化性が阻害される。この観点から、Mnの含有率は1.50質量%以下が好ましく、1.45質量%以下がより好ましく、1.40質量%以下が特に好ましい。
【0022】
[クロム(Cr)]
Crは、Feに固溶して合金の強度を高める。さらにCrは、合金の耐酸化性に寄与する。これらの観点から、Crの含有率は2.0質量%以上が好ましく、2.3質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上が特に好ましい。Crの含有率が過剰であると、高温環境下での合金の強度が阻害される。この観点から、Crの含有率は5.5質量%以下が好ましく、5.3質量%以下がより好ましく、5.1質量%以下が特に好ましい。
【0023】
[バナジウム(V)]
Vは、金型の焼き戻しによる二次硬化に寄与する。さらにVは、高温環境下での合金の強度に寄与する。これらの観点から、Vの含有率は0.2質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上が特に好ましい。合金のコストの観点から、Vの含有率は2.1質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下が特に好ましい。
【0024】
[モリブデン(Mo)、タングステン(W)及びコバルト(Co)]
前述の通り、Cは合金の強度に寄与する。一方、過剰なCの含有は、合金の靱性を阻害する。合金が、適量なCと共にMo、W又はCoを含有することにより、強度と靱性とが両立されうる。合金が、Moを含有し、W及びCoを含有しなくてもよい。合金が、Wを含有し、Co及びMoを含有しなくてもよい。合金が、Coを含有し、Mo及びWを含有しなくてもよい。合金が、Mo及びWを含有し、Coを含有しなくてもよい。合金が、W及びCoを含有し、Moを含有しなくてもよい。合金が、Co及びMoを含有し、Wを含有しなくてもよい。合金が、Mo、W及びCoを含有してもよい。
【0025】
Moは、炭化物の微細化に寄与する。微細な炭化物は、合金の強度に寄与する。この観点から、Moの含有率は0.2質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が特に好ましい。合金のコストの観点から、Moの含有率は3.0質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましく、2.0質量%以下が特に好ましい。
【0026】
Wは、炭化物の微細化に寄与する。微細な炭化物は、合金の強度に寄与する。この観点から、Wの含有率は0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、1.2質量%以上が特に好ましい。合金のコストの観点から、Wの含有率は9.5質量%以下が好ましく、9.1質量%以下がより好ましく、8.5質量%以下が特に好ましい。
【0027】
Coは、Feへの固溶によって合金の強度を高める。さらにCoは、析出硬化にも寄与する。これらの観点から、Coの含有率は0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が特に好ましい。合金のコストの観点から、Coの含有率は4.5質量%以下が好ましく、4.1質量%以下がより好ましく、3.5質量%以下が特に好ましい。
【0028】
Mo、W及びCoの合計含有率は、0.5質量%以上17質量%以下が好ましい。
【0029】
[リン(P)、硫黄(S)及びホウ素(B)]
P、S及びBは、不可避的不純物である。本発明にかかる金型用合金において、P、S及びBは、凝固時に低融点の液相を生じさせる。急速溶融急冷凝固を伴うプロセスによって金型が成形されるとき、結晶粒界に、P、S又はBに起因する低融点共晶組織が偏析する。この偏析は、凝固割れを助長する。凝固割れ抑制の観点から、P、S及びBの含有率の合計は、0.020質量%以下が好ましく、0.017質量%以下がより好ましく、0.015質量%以下が特に好ましい。
【0030】
SはFeと共にFeSを形成し凝固割れの原因となるが、Mnと共にMnSを形成すれば、凝固割れを抑制する効果がある。Fe-Mn-Sの三元状態図と実験結果より、下記数式を満たす場合にFeSが形成されにくく、MnSの形成による凝固割れ抑制効果が得られることが見いだされた。
(Mn%)/ S% > 6.7
この数式において、Mn%はMnの含有率(質量%)を表し、S%はSの含有率(質量%)を表す。
【0031】
[粒径]
粉末の平均粒径D50は、10μm以上150μm以下が好ましい。平均粒径D50が10μm以上である粉末は、流動性に優れる。この観点から、平均粒径は20μm以上がより好ましく、30μm以上が特に好ましい。平均粒径D50が150μm以下である粉末は、容器への充填率が高い。従ってこの粉末から、密度が大きい金型が得られうる。この観点から、平均粒径D50は120μm以下がより好ましく、90μm以下が特に好ましい。
【0032】
粉末の90%粒径D90は、200μm以下が好ましい。粒径D90が200μm以下である粉末では、急速加熱時に全ての粒子が溶融しうる。従ってこの粉末から形成された金型では、欠陥が少ない。この観点から、粒径D90は160μm以下がより好ましく、140μm以下が特に好ましい。
【0033】
平均粒子径D50及び90%粒径D90の測定では、粉末の全体積が100%とされて、累積カーブが求められる。このカーブ上の、累積体積が50%である点の粒子径が、D50である。このカーブ上の、累積体積が90%である点の粒子径が、D90である。粒径D50及びD90は、レーザー回折散乱法によって測定される。この測定に適した装置として、日機装社のレーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置「マイクロトラックMT3000」が挙げられる。この装置のセル内に、粉末が純水と共に流し込まれ、粒子の光散乱情報に基づいて、粒子径が検出される。
【0034】
[アトマイズ]
粉末の製造方法として、水アトマイズ法、単ロール急冷法、双ロール急冷法、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法及び遠心アトマイズ法が例示される。好ましい製造方法は、単ロール冷却法、ガスアトマイズ法及びディスクアトマイズ法である。粉末に、メカニカルミリング等が施されてもよい。ミリング方法として、ボールミル法、ビーズミル法、遊星ボールミル法、アトライタ法及び振動ボールミル法が例示される。
【0035】
[金型の製作]
金型は、粉末に急速溶融急冷凝固プロセスを伴う造形法が施されることで得られる。この造形法として、三次元積層造形法、溶射法、レーザーコーティング法及び肉盛法が例示される。典型的には、金型は、三次元積層造形法によって成形される。
【0036】
この三次元積層造形法には、3Dプリンターが使用されうる。この積層造形法では、敷き詰められた合金粉末に、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、粒子が急速に加熱され、急速に溶融する。粒子はその後、急速に凝固する。この溶融と凝固とにより、粒子同士が結合する。照射は、粉末の一部に、選択的になされる。粉末の、照射がなされなかった部分は、溶融しない。照射がなされた部分のみにおいて、結合層が形成される。
【0037】
結合層の上に、さらに合金粉末が敷き詰められる。この粉末に、レーザービーム又は電子ビームが照射される。照射により、粒子が急速に溶融する。粒子はその後、急速に凝固する。この溶融と凝固とにより、粉末中の粒子同士が結合され、新たな結合層が形成される。新たな結合層は、既存の結合層とも結合される。
【0038】
照射による結合が繰り返されることにより、結合層の集合体が徐々に成長する。この成長により、三次元形状を有する金型が得られる。この積層造形法により、多数の冷却液用経路が複雑に配置された金型が、容易に得られる。これらの溶融及び凝固において、いわゆる凝固割れは生じにくい。
【実施例0039】
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
【0040】
[粉末の製造]
真空中にて、アルミナ製坩堝で、所定の組成を有する原料を高周波誘導加熱で加熱し、溶解した。坩堝下にある直径が5mmのノズルから、溶湯を落下させた。この溶湯に、高圧アルゴンガス又は高圧窒素ガスを噴霧し、粉末を得た。各粉末の組成の詳細が、下記の表1に示されている。表1において、No.1からNo.9の粉末は本発明例であり、No.10からNo.17の粉末は比較例である。
【0041】
[成形]
この粉末を原料として、3次元積層造形装置(EOS-M290)による積層造形法を実施し、成形体を得た。成形体の形状は立方体であり、一辺の長さは10mmであった。
【0042】
[割れの評価]
成形体を、造形方向に対して平行に切断した。この断面を、光学顕微鏡にて、倍率100倍で観察した。5視野についての顕微鏡画像を撮影し、画像解析によって割れの数をカウントした。この結果が、下記の表1に示されている。
【0043】
[成形体の相対密度]
成形体の空気中での重量、水中での重量、及び水の密度を用いて、この成形体の密度を算出した(アルキメデス密度測定法)。この密度を、粉末成分から算出される理論密度で除して、相対密度を算出した。この結果が、下記の表1に示されている。
【0044】
【表1】
【0045】
表1に示された各実施例の粉末は、諸性能に優れている。この結果から、本発明の優位性は明かである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係る粉末は、ノズルから粉末が噴射されるタイプの3Dプリンターにも適している。この粉末は、ノズルから粉末が噴射されるタイプのレーザーコーティング法にも適している。