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特開2022-180796活性エネルギー線硬化性組成物、硬化物及びフィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022180796
(43)【公開日】2022-12-07
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化性組成物、硬化物及びフィルム
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20221130BHJP
   C08G 18/67 20060101ALI20221130BHJP
   C08G 18/73 20060101ALI20221130BHJP
   C08G 18/75 20060101ALI20221130BHJP
   C08J 7/046 20200101ALI20221130BHJP
【FI】
C08F290/06
C08G18/67
C08G18/73
C08G18/75
C08J7/046 A CEY
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021087491
(22)【出願日】2021-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】長野 尭
(72)【発明者】
【氏名】麸山 解
【テーマコード(参考)】
4F006
4J034
4J127
【Fターム(参考)】
4F006AA11
4F006AB37
4F006AB43
4F006AB55
4F006BA02
4F006CA04
4F006CA05
4F006CA07
4F006CA08
4F006CA09
4F006EA03
4F006EA05
4J034BA02
4J034CA02
4J034CA04
4J034CA05
4J034CB01
4J034CB03
4J034CB04
4J034CB07
4J034CC02
4J034DB01
4J034DG03
4J034DG04
4J034FA02
4J034FA04
4J034FB01
4J034FC01
4J034FC03
4J034FD01
4J034FD09
4J034HA01
4J034HA07
4J034HA08
4J034HA11
4J034HA13
4J034HB12
4J034HC03
4J034HC09
4J034HC22
4J034HC45
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC54
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034HC73
4J034JA21
4J034JA22
4J034KA01
4J034KB02
4J034KC08
4J034KC17
4J034KD02
4J034KD12
4J034KD17
4J034KE02
4J034LA23
4J034LA33
4J034QB10
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4J034QC08
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4J034RA02
4J034RA06
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4J034RA12
4J034RA14
4J127AA03
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4J127BB051
4J127BB111
4J127BC121
4J127BD221
4J127BD421
4J127BE211
4J127BE21Y
4J127BF611
4J127BF61Y
4J127BF621
4J127BF62Y
4J127BG041
4J127BG04Y
4J127BG121
4J127BG12Y
4J127BG271
4J127BG27Y
4J127CB371
4J127CC111
4J127FA08
(57)【要約】
【課題】本発明は、COPフィルム等の基材表面に塗工して硬化させることで、プライマー処理やコロナ処理等の前処理を必要とすることなく、基材との優れた密着性とハードコート性とを両立得る活性エネルギー線硬化性組成物、並びに、その硬化物及びそれを用いたフィルムの提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、環状又は直鎖状のヘキサメチレン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)と、多官能(メタ)アクリレート(B)と、重合開始剤(C)と、を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物;前記活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物;及び環状オレフィン樹脂フィルム基材の少なくとも1面に、前記活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜を有するフィルムに関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状又は直鎖状のヘキサメチレン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)と、多官能(メタ)アクリレート(B)と、重合開始剤(C)と、を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項2】
前記多官能(メタ)アクリレート(B)の配合量が、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)と前記多官能(メタ)アクリレート(B)との合計100質量部に対して、50~90質量部の範囲である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項3】
前記ヘキサメチレン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)が、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソアネートの水素添加物、又は、ジフェニルメタンジイソシアネートの水素添加物からなる群から選ばれる1種以上のポリイソシアネートと、水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応生成物である、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
【請求項5】
環状オレフィン樹脂フィルム基材の少なくとも1面に、請求項1~3のいずれか一項記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜を有するフィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物、並びに当該組成物を用いたフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
環状オレフィン樹脂(COP)フィルムは、高透明性、低複屈折、低吸湿性、低透湿性等に優れており、光学部材、医療、包装フィルム、自動車、半導体等の用途に幅広く用いられている。特に光学用途では、テレビ等のディスプレイの大面積化に伴い、従来用いられていたポリエチレンテレフタレート(PET)やトリアセチルセルロース(TAC)等のプラスチックフィルムの代替としてCOPフィルムを用いることが検討されている。
【0003】
一方で、COPフィルムは表面硬度が不十分であるため加工時や使用時に傷が付くおそれがあり、耐摩耗性及び耐擦傷性の向上を目的として、表面に活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜からなるハードコート層等の保護層を設けることがある。
しかしながら、COPフィルムはその主構造が脂環構造であることからフィルム表面の極性が低く、表面の濡れ性が悪く、溶剤によって浸食され難いという特徴を有する。そのため、COPフィルム上にハードコート層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物を塗工した場合、塗材が塗れ広がりにくく、COP表面とハードコート層との間の密着性が低いという問題があった。
【0004】
COPフィルムとハードコート層との間の密着性を向上する方法として、プライマー処理やコロナ処理等の前処理をすることでCOPフィルム表面を親水化する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によりCOPフィルム表面とハードコート層との間の密着性を向上することはできるが、プライマー層の塗工、乾燥により工程数が増加し、歩留まり低下、コストアップ、環境負荷発生等の問題があるため、前処理無しでCOPフィルムに密着する塗材が求められている。
【0005】
上述のような課題に対し、特許文献2に記載の発明では、ハードコート層形成用の活性エネルギー線硬化性組成物として、ベンゾフェノン系開始剤及び/又はチオキサントン系開始剤と、シリカ微粒子と、特定のウレタン(メタ)アクリレートとを用いることで、前処理を施すことなく、耐擦傷性及び基材密着性に優れたハードコート層を得ることが提案されている。
しかしながら、特許文献2に記載の発明では密着性は改善されているものの、ハードコート性(硬度及び耐擦傷性)に未だ改良の余地があった。また、光開始剤として特定の化合物を用いる必要があるため、所望の特性等に応じて重合開始剤を選択することができず、組成物の選択の幅が狭まるという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-284158号公報
【特許文献2】特開2018-203887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、COPフィルム等の基材表面に塗工して硬化させることで、プライマー処理やコロナ処理等の前処理を必要とすることなく、基材との優れた密着性とハードコート性とを両立得る活性エネルギー線硬化性組成物、並びに、その硬化物及びそれを用いたフィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、環状又は直鎖状のヘキサメチレン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)アクリレートとを併用することにより、プライマー処理やコロナ処理等の前処理を省略し、且つ、一般的な光開始剤を用いた場合であっても、基材と硬化塗膜との密着性に優れ、優れたハードコート性を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち本発明は、以下の発明に関するものである。
(1)環状又は直鎖状のヘキサメチレン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)と、多官能(メタ)アクリレート(B)と、重合開始剤(C)と、を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性組成物。
(2)前記多官能(メタ)アクリレート(B)の配合量が、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)と前記多官能(メタ)アクリレート(B)との合計100質量部に対して、50~90質量部の範囲である、前記(1)の活性エネルギー線硬化性組成物。
(3)前記ヘキサメチレン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)が、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソアネートの水素添加物、又は、ジフェニルメタンジイソシアネートの水素添加物からなる群から選ばれる1種以上のポリイソシアネートと、水酸基を有する(メタ)アクリレートとの反応生成物である、前記(1)の活性エネルギー線硬化性組成物。
(4)前記(1)~(3)のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
(5)環状オレフィン樹脂フィルム基材の少なくとも1面に、前記(1)~(3)のいずれかの活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜を有するフィルム。
【発明の効果】
【0010】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、COPフィルム等の基材表面に塗工した後に硬化させることで、基材のプライマー処理やコロナ処理等の前処理を必要とすることなく、基材との密着性に優れたハードコート層を形成することができるものである。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物や硬化塗膜は、硬度が高く、耐擦傷性に優れることから、幅広い用途で使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物(以下、単に「組成物」ということがある。)は、環状又は直鎖状のヘキサメチレン骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(A)と、多官能(メタ)アクリレート(B)と、重合開始剤(C)と、を含有するものである。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基とメタクリロイル基の一方又は両方をいう。
【0012】
[ウレタン(メタ)アクリレート(A)]
ウレタン(メタ)アクリレート(A)(以下「(A)成分」ということがある。)は環状又は直鎖状のヘキサメチレン骨格を有するものである。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、ポリイソシアネート(a1)と水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2)とを反応させて得ることができる。環状又は直鎖状のヘキサメチレン骨格は、ポリイソシアネート(a1)由来であってもよく、水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2)由来であってもよいが、ポリイソシアネート(a1)が環状又は直鎖状のヘキサメチレン骨格を有することが好ましい。
【0013】
(ポリイソシアネート(a1))
ポリイソシアネート(a1)としては、脂肪族ポリイソシアネートと芳香族ポリイソシアネートとが挙げられるが、本発明で用いる活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜の着色をより低減できることから、脂肪族ポリイソシアネートが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートは、イソシアネート基を除く部位が脂肪族炭化水素から構成される化合物である。脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2-メチル-1,3-ジイソシアナトシクロヘキサン、2-メチル-1,5-ジイソシアナトシクロヘキサン等の脂環式ポリイソシアネート等が挙げられる。また、前記脂肪族ポリイソシアネート又は脂環式ポリイソシアネートを3量化した3量化物も前記脂肪族ポリイソシアネートとして用いることができる。これらの脂肪族ポリイソシアネートは、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
【0014】
なかでもポリイソシアネート(a1)としては、直鎖状のヘキサメチレン骨格を有するヘキサメチレンジイソシアネート、又は、環状のヘキサメチレン骨格を有するイソホロンジイソシアネート、キシレンジイソアネートの水素添加物、又は、ジフェニルメタンジイソシアネートの水素添加物を用いることが好ましい。これらのポリイソシアネート(a1)を用いることにより、塗膜の耐擦傷性を向上するのみならず、COPフィルム等の基材に対する密着性を向上させることができる。
【0015】
(水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2))
水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2)(以下、単に「(メタ)アクリレート(a2)」ということがある。)は、水酸基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物である。
(メタ)アクリレート(a2)の具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の3価のアルコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、あるいは、これらのアルコール性水酸基の一部をε-カプロラクトンで変性した水酸基を有するモノ及びジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の1官能の水酸基と3官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、あるいは、該化合物をさらにε-カプロラクトンで変性した水酸基を有する多官能(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレン-ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等のブロック構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート;ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等のランダム構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリレート(a2)は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
【0016】
ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、本発明の組成物を硬化してなる硬化物及び硬化塗膜の耐擦傷性を向上させるため、1分子中に4つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレート(A)が1分子中に4つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するため、水酸基を有する(メタ)アクリレート(a2)としては、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するものが好ましい。このような(メタ)アクリレート(a2)としては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なかでも、これらの(メタ)アクリレート(a2)の中でも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートは、耐擦傷性を向上できるため特に好ましい。
これらの(メタ)アクリレート(a2)は、ポリイソシアネート(a1)の1種に対して、1種を用いることも2種以上併用することもできる。
【0017】
ポリイソシアネート(a1)と(メタ)アクリレート(a2)との反応は、常法のウレタン化反応により行うことができる。また、ウレタン化反応の進行を促進するために、ウレタン化触媒の存在下でウレタン化反応を行うことが好ましい。前記ウレタン化触媒としては、例えば、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン等のアミン化合物;トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィン等のリン化合物;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫等の有機錫化合物、オクチル酸亜鉛等の有機亜鉛化合物などが挙げられる。
【0018】
(A)成分は、1種で用いることも、2種以上併用することもできる。
【0019】
[多官能(メタ)アクリレート(B)]
多官能(メタ)アクリレート(B)(以下「(B)成分」ということがある。)は、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物のうち、前記(A)成分に該当しないものである。
この多官能(メタ)アクリレート(B)としては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAの1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、ポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート、前記(A)成分に該当しないウレタン(メタ)アクリレート(例えば、ヘキサメチレン骨格を有さないノルボルナンジイソシアネート等と水酸基を有し、ヘキサメチレン骨格を有さない(メタ)アクリレートとの反応生成物)が挙げられる。
【0020】
なかでも(B)成分としては、硬化後に高い架橋度が得られ、硬化物及び硬化被膜の硬度及び耐擦傷性がより一層向上することから、4官能以上の(メタ)アクリレートが好ましく、ペンタエリスリトールトリアクリレート、又はジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
【0021】
(B)成分は、1種で用いることも、2種以上併用することもできる。
(B)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、20~95質量部が好ましく、40~90質量部がより好ましく、50~90質量部が特に好ましい。
【0022】
[重合開始剤(C))]
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、基材上に塗工後、活性エネルギー線を照射することで硬化塗膜とすることができる。この活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線をいい、工業的には紫外線が広く用いられている。
重合開始剤(C)(以下「(C)成分」ということがある。)は、活性エネルギー線の照射に応じて(A)成分及び(B)成分の重合反応を開始させるために本発明の組成物に含有されるものであって、光重合開始剤として一般的に知られている化合物を用いることができる。
【0023】
光重合開始剤として具体的には、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、オリゴ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン}、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン系化合物;2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物;ベンジル(ジベンゾイル)、メチルフェニルグリオキシエステル、オキシフェニル酢酸2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルエステル、オキシフェニル酢酸2-(2-オキソ-2-フェニルアセトキシエトキシ)エチルエステル等のベンジル系化合物;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物;ミヒラ-ケトン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系化合物;10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、1-[4-(4-ベンゾイルフェニルサルファニル)フェニル]-2-メチル-2-(4-メチルフェニルサルフォニル)プロパン-1-オン等が挙げられる。
【0024】
(C)成分としては、市販品を用いることもできる。市販品として具体的には、アルキルフェノン系化合物:Omnirad 184、Omnirad 1173、Omnirad 1116、Omnirad 907、Omnirad 651、Omnirad 2959、Omnirad 127、Omnirad 369、Omnirad 379(以上、IGM Resins B.V.社製)、
アシルホスフィンオキサイド系化合物:Omnirad TPO、Omnirad 819(以上、IGM Resins B.V.株式会社製)、
オキシムエステル系化合物:イルガキュアOXE01、イルガキュアOXE02、イルガキュアOXE03、イルガキュアOXE04(以上、IGM Resins B.V.社製)、
水素引き抜き型化合物:SB-PI 701、SB-PI 701、SB-PI 707、SB-PI 711、SB-PI 712、SB-PI 716(以上、三陽貿易社製)、カヤキュアDETX-S、カヤキュアEPA(以上、日本化薬社製)、カンタキュア-ITX(ワ-ドプレキンソップ社製)等が挙げられる。
【0025】
(C)成分は、1種で用いることも、2種以上併用することもできる。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.05~30質量部が好ましく、0.5~20質量部がより好ましく、1~15質量部がさらに好ましく、2~10質量部が特に好ましい。
【0026】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、上記の成分(A)~(C)以外のその他の成分として、用途、要求特性に応じて、有機溶剤、光増感剤、重合禁止剤、消泡剤、レベリング剤以外の表面調整剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機顔料、無機顔料、顔料分散剤、シリカビーズ、有機ビーズ等の添加剤;酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ジルコニア、五酸化アンチモン等の無機充填剤などを配合することができる。これらその他の配合物は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
【0027】
なかでも有機溶媒は、本発明の組成物の溶液粘度を適宜調整する上で有用であり、特に薄膜コーティングを行うためには、膜厚を調整することが容易となる。ここで使用できる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t-ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類等が挙げられる。これらの溶剤は、1種で用いることも、2種以上を併用することもできる。
【0028】
本発明の組成物は、フィルム等の基材の少なくとも1面に塗工した後に活性エネルギー線を照射して硬化塗膜として用いてもよく、基材を用いずに活性エネルギー線を照射して硬化物としてもよい。
【0029】
硬化塗膜を得る際の基材の材質としては、透明性の高い樹脂が好ましく、例えば、環状オレフィン共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン-1等のポリオレフィン系樹脂;セルロースアセテート(ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等)、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレート、セルロースアセテートフタレート、硝酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系樹脂;ポリビニルアルコール;エチレン-酢酸ビニル共重合体;ポリスチレン;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ポリイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂;ノルボルネン系樹脂(例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア」)、変性ノルボルネン系樹脂(例えば、JSR株式会社製「アートン」)等が挙げられる。さらに、これらの樹脂からなる基材を2種以上貼り合わせたものを用いても構わない。
【0030】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、従来ハードコート層の基材密着性向上が難しいとされていた環状オレフィン樹脂(COP)に対して良好な密着性を有する。そのため、本発明の組成物は、COPを基材とする硬化塗膜として好適に用いることができる。
【0031】
硬化塗膜を得る際の基材は、フィルム状でもシート状でもよく、その厚さは、1~500μmの範囲が好ましい。また、フィルム状の基材フィルムを用いる場合には、その厚さは、20~200μmの範囲が好ましく、30~150μmの範囲がより好ましく、40~130μmの範囲がさらに好ましい。フィルム基材の厚さを当該範囲とすることで、フィルムの片面に、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物によりハードコート層を設けた場合にもカールを抑制しやすくなる。
【0032】
COPフィルム基材は、COPをフィルム上に成形したものである。COPの市販品としては、例えば、日本ゼオン株式会社製の「ZEONOR(登録商標)」、「ZEONEX(登録商標)」;JSR株式会社製の「ARTON(登録商標)」;ポリプラスチックス株式会社製の「TOPAS(登録商標)」;三井化学株式会社製「アペル(登録商標)」等が挙げられる。
本発明の組成物は、COPフィルム基材に対して前処理を施さない場合にも、COPフィルムに対して良好な密着性が得られるものである。しかしながら、さらなる密着性の向上を目的として、COPフィルムに対して予めサンドブラスト法、溶剤処理法等による表面の凹凸化処理、電気的処理(コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理)、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線・電子線照射処理、酸化処理等の処理をしてもよい。
【0033】
前記フィルム基材に本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を塗工する方法としては、例えば、ダイコート、マイクログラビアコート、グラビアコート、ロールコート、コンマコート、エアナイフコート、キスコート、スプレーコート、ディップコート、スピンナーコート、刷毛塗り、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート等が挙げられる。
【0034】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、上記の通り、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線である。ここで、活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、その紫外線を照射する装置としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ(フュージョンランプ)、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、水銀-キセノンランプ、ショートアーク灯、ヘリウム・カドミニウムレーザー、アルゴンレーザー、太陽光、LEDランプ等が挙げられる。
【0035】
前記フィルム基材上に本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜を形成する際の硬化塗膜の膜厚は、硬化塗膜の硬さを充分なものとし、かつ塗膜の硬化収縮によるフィルムのカールを抑制できることから、1~30μmの範囲が好ましいが、2~15μmの範囲がより好ましく、3~10μmの範囲がさらに好ましい。
【実施例0036】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
【0037】
(実施例1)
ウレタンアクリレート(ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)との反応物;固形分100質量%;以下、「UA1」と略記する。)50質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)50質量部、アルキルフェノン系光重合開始剤(IGM Resins B.V.社製「Omnirad 184」;以下、「開始剤1」と略記する。)5質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)315質量部を均一に混合して、活性エネルギー線硬化性組成物(1)を調製した。
【0038】
(実施例2~7、比較例1~6)
表1~2に示した組成に変更した以外は実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性組成物(2)~(7)、(R1)~(R6)を得た。
【0039】
[評価用サンプルの作製]
各例の活性エネルギー線硬化性組成物を、厚さ100μmのCOPフィルム(日本ゼオン株式会社製「ZEONOR(登録商標)フィルム「ZF16-100」、)に、バーコーターで塗工し、60℃で60秒間間乾燥した後、窒素囲気下で紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製、高圧水銀ランプ)を用いて照射光量3kJ/mで照射し、膜厚4μmの硬化塗膜を有するCOPフィルムを得た。
【0040】
[密着性評価]
各例のCOPフィルムの硬化塗膜表面に1mm間隔で縦、横11本の切れ目を入れて100個のマス目を作製した。次いで、セロハンテープ(ニチバン株式会社製「セロテープ(登録商標) CT-18」)をその表面に密着させた後、一気に剥がす操作を2回繰り返した。剥離せずに残った残面積比率から、下記の基準により初期密着性を評価した。A評価以上を合格と判定した。
A:残面積比率が100%である。
B:残面積比率が95%以上100%未満である。
C:残面積比率が10%以上95%未満である。
D:残面積比率が10%未満である。
【0041】
[硬度評価]
各例のCOPフィルムの硬化塗膜の表面について、JIS K5600-5-4(1999)に準拠して鉛筆硬度を750g荷重条件下で測定した。1つの硬度につき5回測定を行い、傷が付かなかった測定が4回以上あった硬度を積層フィルムの表面硬度とした。
なお、鉛筆の硬度は、硬度が高い順から2H、H、Fである。
【0042】
[耐擦傷性評価]
各例のCOPフィルムの硬化塗膜の表面について、クロックメーター形摩擦試験器(直径1.0cm円形摩擦子、スチールウール#0000、荷重500g、10往復)を用いて試験を行い、試験後の硬化塗膜表面を目視で観察し、下記の基準により耐擦傷性を評価した。
5:傷が無い。
4:浅い傷が5本以下である。
3:傷が5本以下である。
2:傷が多数ある。
1:顕著に深い傷が多数ある。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
表1~2中に示す略語は下記の化合物を示す。
「UA1」:ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)との反応物、固形分100質量%
「UA2」:イソホロンジイソシアネート(IPDI)とペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)との反応物、固形分100質量%
「UA3」:トリレンジイソシアネート(TDI)とPETAとの反応物、固形分100質量%
「PETTA」:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
「DPHA」:ジペンタエリスリールヘキサアクリレート
「ポリエステルAc」:1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸(THPA)とPETAとの反応物、固形分100質量%
「イソシアヌレート」:イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート
「TMPTA」:トリメチロールプロパントリアクリレート
「PGME」:プロピレングリコールモノメチルエーテル
【0046】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化塗膜は、COPフィルムとの優れた密着性を有し、且つ、硬度及び耐擦傷性に優れることが確認できた。
一方、(A)成分を含有せず、樹脂として(B)成分のみを含有する比較例1は、基材密着性に劣ることが確認できた。また、(A)成分を含有せず、代わりに他の樹脂を含有する比較例3~6も同様に、基材密着性に劣っていた。
加えて、(B)成分を含有しない比較例2は基材密着性及び耐擦傷性に劣ることが確認できた。