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特開2022-181274電力伝送システム、送電装置及び受電装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181274
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】電力伝送システム、送電装置及び受電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/90 20160101AFI20221201BHJP
   H02J 50/05 20160101ALI20221201BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088131
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】羽田 和慶
(72)【発明者】
【氏名】東 純史
(72)【発明者】
【氏名】内野 直孝
(72)【発明者】
【氏名】木下 岳
(72)【発明者】
【氏名】和城 賢典
(57)【要約】
【課題】電極のずれによる電力伝送の効率低下を抑えることができる電力伝送システム、送電装置及び受電装置を提供すること。
【解決手段】実施形態の第1の装置及び第2の装置を含む。第1の装置は、第1の電極組及び回転部を備える。第1の電極組は、間隔を開けて配置される第1の電極及び第2の電極を含む。回転部は、前記第1の電極及び前記第2の電極を、前記第1の電極及び前記第2の電極と垂直でない回転軸を中心に回転可能にする。第2の装置は、間隔を開けて配置される第3の電極及び第4の電極を含み、前記第1の電極組との間で電界結合が生じる第2の電極組を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置及び第2の装置を含み、
前記第1の装置は、
間隔を開けて配置される第1の電極及び第2の電極を含む第1の電極組と、
前記第1の電極及び前記第2の電極を、前記第1の電極及び前記第2の電極と垂直でない回転軸を中心に回転可能にする回転部と、を備え、
前記第2の装置は、
間隔を開けて配置される第3の電極及び第4の電極を含み、前記第1の電極組との間で電界結合が生じる第2の電極組を備える、電力伝送システム。
【請求項2】
前記第1の装置は、前記第1の電極及び前記第2の電極の回転位置の角度を、前記電界結合による無線電力伝送の送電効率に基づいて決定し、前記第1の電極及び前記第2の電極の回転位置を前記角度にするように前記回転部を制御する制御部をさらに備える請求項1に記載の電力伝送システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記回転位置の角度を、前記送電効率が最も高くなる角度に決定する、請求項2に記載の電力伝送システム。
【請求項4】
前記回転軸は、前記第1の電極の中心と前記第2の電極の中心とを通る第1の直線と垂直であり、前記第1の電極及び前記第2の電極と平行である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電力伝送システム。
【請求項5】
前記第1の装置は、間隔を開けて配置される第5の電極及び第6の電極を含む第3の電極組をさらに備え、
前記第1の電極の中心と前記第2の電極の中心とを通る第1の直線と、前記第5の電極の中心と前記第6の電極の中心とを通る第2の直線とが平行でない、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電力伝送システム。
【請求項6】
前記第1の直線と前記第2の直線とは、垂直である、請求項5に記載の電力伝送システム。
【請求項7】
間隔を開けて配置される第1の電極及び第2の電極を含み、電界結合による無線電力伝送によって送電が可能な第1の電極組と、
前記第1の電極及び前記第2の電極を、前記第1の電極及び前記第2の電極と垂直でない回転軸を中心に回転可能にする回転部と、を備える送電装置。
【請求項8】
間隔を開けて配置される第1の電極及び第2の電極を含み、電界結合による無線電力伝送によって受電が可能な第1の電極組と、
前記第1の電極及び前記第2の電極を、前記第1の電極及び前記第2の電極と垂直でない回転軸を中心に回転可能にする回転部と、を備える受電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力伝送システム、送電装置及び受電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
送電側の2枚の電極と、受電側の2枚の電極との間で電界結合させることで、ワイヤレス(無線)で電力伝送する電界結合型無線電力伝送と呼ばれる技術がある。電界結合型無線電力伝送は、電極の特定の方向以外のずれには強い。しかしながら、電界結合型無線電力伝送は、電極が特定の方向にずれると他の方向に比べて電力伝送の効率が大きく低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6301687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、電極のずれによる電力伝送の効率低下を抑えることができる電力伝送システム、送電装置及び受電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の第1の装置及び第2の装置を含む。第1の装置は、第1の電極組及び回転部を備える。第1の電極組は、間隔を開けて配置される第1の電極及び第2の電極を含む。回転部は、前記第1の電極及び前記第2の電極を、前記第1の電極及び前記第2の電極と垂直でない回転軸を中心に回転可能にする。第2の装置は、間隔を開けて配置される第3の電極及び第4の電極を含み、前記第1の電極組との間で電界結合が生じる第2の電極組を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、電極のずれによる電力伝送の効率低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る電力伝送システムの一例を示す図。
図2図1中の送電制御部及び受電制御部の要部構成を示すブロック図。
図3図2中のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図4図1中の第1受電電極及び第2受電電極の回転の様子を示す図。
図5】第2実施形態に係る電力伝送システムの一例を示す図。
図6】第3実施形態に係る電力伝送システムの一例を示す図。
図7】第4実施形態に係る電力伝送システムの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、いくつかの実施形態に係る電力伝送システムについて図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
【0009】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る電力伝送システムの一例を示す図である。電力伝送システム1は、一例として、送電装置100及び受電装置200を含む。電力伝送システム1は、電界共鳴型ワイヤレス電力伝送により、送電装置100から受電装置200に電力を伝送する。
【0010】
送電装置100は、受電装置200にワイヤレスで電力を伝送する装置である。送電装置100は、一例として、送電カプラ110、高周波電源120及び送電制御部130を含む。
【0011】
送電カプラ110は、受電装置200の受電カプラ210にワイヤレスで電力を伝送する。送電カプラ110は、一例として、第1送電電極111、第2送電電極112及び第1送電共振コイル113を含む。送電カプラ110は、一例として、第1送電電極111、第2送電電極112及び第1送電共振コイル113などを内部に備える箱状の筐体を含む。
【0012】
第1送電電極111及び第2送電電極112は、一例として、送電カプラ110の表面と平行な、長方形の平板状の電極である。なお、送電カプラ110の表面とは、送電カプラ110の、受電カプラ210と対向する側の面である。第1送電電極111と第2送電電極112は、例えば同じ形状である。第1送電電極111と第2送電電極112は、間隔を開けて配置されている。第1送電電極111の表面と第2送電電極112の表面は、例えば同一平面上にある。第1送電電極111と第2送電電極112は、キャパシターを形成している。
【0013】
第1送電共振コイル113は、例えば、1次コイルと2次コイルの2つのコイルを含む。1次コイルは、一例として、高周波電源120と接続している。2次コイルは、一例として、第1送電電極111及び第2送電電極112と接続している。第1送電電極111、第2送電電極112及び第1送電共振コイル113は、LC回路を形成している。当該LC回路を、以下「第1送電回路」という。
【0014】
高周波電源120は、第1送電回路に、第1送電回路の共振周波数と同じ周波数の交流電力を供給する。
【0015】
送電制御部130は、送電装置100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターなどを含む。
【0016】
受電装置200は、送電装置100から伝送される電力を受電する装置である。受電装置200は、一例として、受電カプラ210、整流回路220、負荷230、受電制御部240及び回転部250を含む。
【0017】
受電カプラ210は、送電装置100の送電カプラ110から伝送される電力を受電して整流回路220に出力する。受電カプラ210は、一例として、第1受電電極211、第2受電電極212及び第1受電共振コイル213を含む。受電カプラ210は、一例として、第1受電電極211、第2受電電極212、第1受電共振コイル213及び回転部250を内部に備える箱状の筐体を含む。当該筐体は、内部で第1受電電極211及び第2受電電極212が回転可能な大きさである。
送電カプラ110と受電カプラ210が、ワイヤレス電力伝送のための所定の位置(以下「所定位置」という。)にある場合、送電カプラ110と受電カプラ210は平行に対向している。所定位置は、効率よくワイヤレス伝送できる位置である。送電カプラ110と受電カプラ210の位置関係が、所定の位置からずれると電力伝送の効率が落ちるか電力伝送できなくなる場合がある。
【0018】
なお、所定位置は、一例として、次に示す第1条件~第4条件を満たす位置である。第1条件は、第1送電電極111及び第2送電電極112と、第1受電電極211及び第2受電電極212とが平行に対向し、送電カプラ110と受電カプラ210が平行に対向していることである。第2条件は、第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを通る直線と、第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを通る直線とが、平行であることである。第3条件は、第1送電電極111及び第2送電電極112と、第1受電電極211及び第2受電電極212との距離が所定の距離以内であることである。換言すると、第3条件は、送電カプラ110と受電カプラ210が所定の距離以内であることである。第4条件は、第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを結ぶ線分の中点と、第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを結ぶ線分の中点とを通る直線が、第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを通る直線及び第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを通る直線と垂直であることである。
【0019】
第1受電電極211及び第2受電電極212は、一例として、送電カプラ110、受電カプラ210、第1受電電極211及び第2受電電極212が所定位置にある場合において受電カプラ210の表面と平行な、長方形の平板状の電極である。なお、受電カプラ210の表面とは、受電カプラ210の、送電カプラ110と対向する側の面である。第1受電電極211と第2受電電極212は、例えば同じ形状である。第1受電電極211は、例えば、第1送電電極111と同じ形状である。第2受電電極212は、例えば、第2送電電極112と同じ形状である。第1受電電極211と第2受電電極212は、間隔を開けて配置されている。送電カプラ110と受電カプラ210が所定位置にある場合、第1受電電極211は、第1送電電極111と間隔を開けて対向している。送電カプラ110と受電カプラ210が所定位置にある場合、第2受電電極212は、第2送電電極112と間隔を開けて対向している。第1受電電極211と第2受電電極212は、キャパシターを形成している。
【0020】
第1受電共振コイル213は、例えば、1次コイルと2次コイルの2つのコイルを含む。1次コイルは、一例として、第1受電電極211及び第2受電電極212と接続している。2次コイルは、一例として、整流回路220と接続している。第1受電電極211、第2受電電極212及び第1受電共振コイル213は、LC回路を形成している。当該LC回路を、以下「第1受電回路」という。また、第1受電共振コイル213は、第1受電電極211及び第2受電電極212が送電カプラ110から受電した電力を整流回路220に出力する。
【0021】
送電カプラ110と受電カプラ210が所定位置にある場合、高周波電源120から第1送電回路の共振周波数と同じ周波数の交流電力が供給されることで、第1送電回路と第1受電回路との間で電界共鳴が生じる。これにより、送電カプラ110から受電カプラ210に電力が伝送される。
【0022】
整流回路220は、受電カプラ210が出力する交流電力を直流に整流して負荷230に出力する。
【0023】
負荷230は、受電カプラ210によって受電された電力を消費する部分である。負荷230は、例えば、整流回路220から出力される直流電力を消費する。負荷230は、例えば、電力によって動作する様々な装置などである。負荷230は、例えばバッテリーなどである。当該バッテリーは、受電カプラ210によって受電され、整流回路220によって整流された電力で充電される二次電池である。
【0024】
受電制御部240は、受電装置200の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターなどを含む。
【0025】
回転部250は、例えば、第1受電電極211及び第2受電電極212を、回転軸を中心に回転方向Rxに回転させる機構である。当該回転軸は、例えば、第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを結ぶ線分の中点を通る。また、当該回転軸は、例えば、当該線分と垂直である。また、当該回転軸は、例えば、第1受電電極211及び第2受電電極212と平行である。また、当該回転軸は、例えば、受電装置200が所定位置にある場合x軸と平行である。なお、x軸及び回転方向Rxについては後述する。
回転部250は、例えば、回転角度を制御可能なステッピングモータ又はサーボモータなどの駆動部と、当該駆動部の駆動力を第1受電電極211及び第2受電電極212に伝達する伝達機構等によって構成される。
【0026】
図2は、送電制御部130及び受電制御部240の要部構成を示すブロック図である。
送電制御部130は、一例として、プロセッサー131、ROM(read-only memory)132、RAM(random-access memory)133、通信インターフェース134及び送電センサー135を含む。
【0027】
プロセッサー131は、送電制御部130の中枢部分であり、各種演算及び処理を行う。プロセッサー131は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー131は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー131は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものあっても良い。プロセッサー131は、ROM132などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、送電装置100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー131は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー131の回路内に組み込まれていても良い。
【0028】
ROM132及びRAM133は、送電制御部130の主記憶装置である。
ROM132は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM132は、上記のプログラムなどを記憶する。また、ROM132は、プロセッサー131が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM133は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM133は、プロセッサー131が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM133は、典型的には揮発性メモリである。
【0029】
通信インターフェース134は、送電装置100が受電装置200と通信するためのインターフェースである。
【0030】
送電センサー135は、送電カプラ110の送電効率を計測するためのセンサーである。
【0031】
受電制御部240は、一例として、プロセッサー241、ROM242、RAM243、通信インターフェース244及び受電センサー245を含む。
【0032】
プロセッサー241は、受電制御部240の中枢部分であり、各種演算及び処理を行う。プロセッサー241は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー241は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー241は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものあっても良い。プロセッサー241は、ROM242などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、受電装置200の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー241は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー241の回路内に組み込まれていても良い。
【0033】
ROM242及びRAM243は、受電制御部240の主記憶装置である。
ROM242は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM242は、上記のプログラムなどを記憶する。また、ROM242は、プロセッサー241が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM243は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM243は、プロセッサー241が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM243は、典型的には揮発性メモリである。
【0034】
通信インターフェース244は、受電装置200が送電装置100と通信するためのインターフェースである。受電装置200は、例えば無線通信によって送電装置100と通信する。
【0035】
受電センサー245は、受電カプラ210の受電効率を計測するためのセンサーである。
【0036】
なお、図1には、x軸、y軸及びz軸を示している。x軸方向は、y軸方向及びz軸方向に垂直な方向である。y軸方向は、例えば、送電装置100及び受電装置200が所定位置にある場合において、第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを結ぶ線分の中点と、第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを結ぶ線分の中点とを結ぶ直線方向であり、送電カプラ110の表面と垂直な方向である。z軸方向は、第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを結ぶ方向である。
また、図1には、回転方向Rx、回転方向Ry及び回転方向Rzも示している。回転方向Rxは、x軸と平行な直線を回転軸として右ねじ方向に回転する回転方向である。回転方向Ryは、y軸と平行な直線を回転軸として右ねじ方向に回転する回転方向である。回転方向Rzは、z軸をと平行な直線を回転軸として右ねじ方向に回転する回転方向である。
x軸、y軸及びz軸並びに回転方向Rx、回転方向Ry及び回転方向Rzは、図1以外にも示しているがどの図も同様の座標系及び回転方向を示す。
【0037】
以下、第1実施形態に係る電力伝送システム1の動作を図3などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。図3は、受電制御部240のプロセッサー241による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー241は、例えば、ROM242などに記憶されたプログラムに基づいて図3の処理を実行する。プロセッサー241は、例えば、送電カプラ110と受電カプラ210との距離が所定の距離以下となった場合に図3の処理を開始する。あるいは、プロセッサー241は、送電カプラ110が受電カプラ210への送電を開始したことに応じて図3の処理を開始する。また、プロセッサー241は、送電カプラ110によるワイヤレス電力伝送の送電効率(受電効率)が所定量以上変化した場合に、図3の処理を開始しても良い。また、プロセッサー241は、送電カプラ110に対する受電カプラ210の位置が所定以上に変化した場合に、図3の処理を開始しても良い。また、プロセッサー241は、所定の時間ごとに、図3の処理を開始しても良い。
【0038】
ステップST11において受電装置200のプロセッサー241は、回転部250を制御して第1受電電極211及び第2受電電極212を回転させることで、第1受電電極211及び第2受電電極212の回転位置を様々な角度にし、回転位置ごとの送電効率を取得する。
プロセッサー241は、例えば、送電センサー135及び受電センサー245の少なくともいずれか出力する情報を用いて送電効率を求める。なお、送電装置100のプロセッサー131は、送電センサー135が出力する情報を、通信インターフェース134及び通信インターフェース244を介して、送電装置100から受電装置200に送信する。
【0039】
ステップST12においてプロセッサー241は、第1受電電極211及び第2受電電極212の回転位置の角度を決定する。プロセッサー241は、例えば、ステップST11において最も送電効率が良かった角度を、第1受電電極211及び第2受電電極212の回転位置の角度に決定する。
【0040】
ステップST13においてプロセッサー241は、回転部250を制御して、第1受電電極211及び第2受電電極212の回転位置の角度を、ステップST12で決定した角度になるように回転させる。プロセッサー241は、ステップST13の処理の後、図3に示す処理を終了する。
図4は、第1受電電極211及び第2受電電極212の回転の様子を示す図である。図4は、送電カプラ110及び受電カプラ210をx方向から見た平面図である。なお、図4は、第1送電電極111、第2送電電極112、第1受電電極211、第2受電電極212及び回転部250以外の部分の図示を省略している。また、図4に示す受電カプラ210は、所定位置からz方向にずれた位置にある。この場合、プロセッサー241は、ステップST13の処理を行うことで、例えば、図4に示すように第1受電電極211及び第2受電電極212の回転位置の角度をθにする。これにより、第1受電電極211及び第2受電電極212の回転位置の角度が0度である場合よりも送電効率が上昇する。なお、回転位置について、どこを0度と定義しても良い。図4では、一例として、第1受電電極211及び第2受電電極212がz軸に平行な場合の角度を0度とした。このように、第1受電電極211及び第2受電電極212が回転方向Rxに回転することで、電力伝送システム1は、送電カプラ110に対する受電カプラ210の位置が所定位置からz方向にずれている場合に、送電効率を上昇させることが可能である。
【0041】
以上より、プロセッサー241は、図3に示す処理を行うことで、第1受電電極211及び第2受電電極212の回転位置の角度を、送電効率に基づいて決定し、第1受電電極211及び第2受電電極212制御部の回転位置を当該角度にするように回転部250を制御する制御部の一例として機能する。
【0042】
第1実施形態の電力伝送システム1は、第1受電電極211及び第2受電電極212が回転可能である。したがって、第1実施形態の電力伝送システム1は、第1受電電極211及び第2受電電極212の回転位置を、送電効率が高くなる角度にすることが可能である。
【0043】
また、第1実施形態の電力伝送システム1は、第1受電電極211及び第2受電電極212の回転位置の角度を、送電効率に基づいて決定する。これにより、第1実施形態の電力伝送システム1は、送電効率を高くすることができる。
【0044】
また、第1実施形態の電力伝送システム1は、第1受電電極211及び第2受電電極212の回転位置の角度を、最も送電効率が高くなる角度に決定するこれにより、第1実施形態の電力伝送システム1は、送電効率を高くすることができる。
【0045】
また、第1実施形態の電力伝送システム1は、回転部250の回転軸が、x軸と平行である。このため、第1受電電極211及び第2受電電極212は、回転方向Rxに回転可能である。これにより、第1実施形態の電力伝送システム1は、送電カプラ110に対する受電カプラ210の位置が所定位置からz方向にずれている場合に、第1受電電極211及び第2受電電極212の回転により、送電効率を上昇させることができる。また、第1実施形態の電力伝送システム1は、送電カプラ110に対する受電カプラ210の位置が所定位置から回転方向Rxにずれている場合に、第1受電電極211及び第2受電電極212の回転により、送電効率を上昇させることができる。
【0046】
なお、第1実施形態において受電装置200は、第1の装置の一例である。送電装置100は、第2の装置の一例である。第1受電電極211は、第1の電極の一例である。第2受電電極212は、第2の電極の一例である。第1受電電極211及び第2受電電極212は、第1の電極組の一例である。第1送電電極111は、第3の電極の一例である。第2送電電極112は、第4の電極の一例である。第1送電電極111及び第2送電電極112は、第2の電極組の一例である。第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを通る直線は、第1の直線の一例である。
【0047】
〔第2実施形態〕
図5は、第2実施形態に係る電力伝送システム1bの一例を示す図である。電力伝送システム1bについて、第1実施形態に係る電力伝送システム1と異なる部分について説明する。電力伝送システム1bは、一例として送電装置100b及び受電装置200bを含む。すなわち、電力伝送システム1bは、送電装置100に代えて送電装置100bを、受電装置200に代えて受電装置200bを備える。なお、図5は、第1送電共振コイル113、高周波電源120、送電制御部130、第1受電共振コイル213、整流回路220、負荷230及び受電制御部240の図示を省略している。
【0048】
送電装置100bは、一例として、送電カプラ110b、高周波電源120、送電制御部130及び回転部140を含む。すなわち、送電装置100bは、第1実施形態の送電装置100の構成要素に加えて回転部140を備える。また、送電装置100bは、送電カプラ110に代えて送電カプラ110bを備える。
【0049】
送電カプラ110bは、受電カプラ210bにワイヤレスで電力を伝送する。送電カプラ110bの筐体は、内部で第1送電電極111及び第2送電電極112が回転可能な大きさである。
【0050】
回転部140は、例えば、第1送電電極111及び第2送電電極112を、回転軸を中心に回転方向Rxに回転させる機構である。当該回転軸は、例えば、第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを結ぶ線分の中点を通る。また、当該回転軸は、例えば、当該線分と垂直である。また、当該回転軸は、例えば、第1送電電極111及び第2送電電極112と平行である。また、当該回転軸は、例えば、受電装置200が所定位置にある場合x軸と平行である。
回転部140は、例えば、回転角度を制御可能なステッピングモータ又はサーボモータなどの駆動部と、当該駆動部の駆動力を第1送電電極111及び第2送電電極112に伝達する伝達機構等によって構成される。
【0051】
受電装置200bは、一例として、受電カプラ210b、整流回路220、負荷230及び受電制御部240を含む。すなわち、受電装置200bは、第1実施形態の受電装置200と異なり、回転部250を有さない。また、受電装置200bは、受電カプラ210に代えて受電カプラ210bを備える。
【0052】
受電カプラ210bは、送電カプラ110bから伝送される電力を受電して整流回路220に出力する。受電カプラ210bの筐体は、内部で第1受電電極211及び第2受電電極212が回転可能な大きさである必要はない。
【0053】
以下、第2実施形態に係る電力伝送システム1bの動作を図3などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。第2実施形態では、受電制御部240のプロセッサー241に代えて送電制御部130のプロセッサー131が図3に示す処理を行う。したがって、第2形態において図3は、送電制御部130のプロセッサー131による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー131は、例えば、送電カプラ110と受電カプラ210との距離が所定の距離以下となった場合に図3の処理を開始する。あるいは、プロセッサー131は、送電カプラ110が受電カプラ210への送電を開始したことに応じて図3の処理を開始する。また、プロセッサー131は、送電カプラ110によるワイヤレス電力伝送の送電効率(受電効率)が所定量以上変化した場合に、図3の処理を開始しても良い。また、プロセッサー131は、送電カプラ110に対する受電カプラ210の位置が所定以上に変化した場合に、図3の処理を開始しても良い。また、プロセッサー131は、所定の時間ごとに、図3の処理を開始しても良い。
【0054】
ステップST11において送電装置100bのプロセッサー131は、回転部140を制御して第1送電電極111及び第2送電電極112を回転させることで、第1送電電極111及び第2送電電極112の回転位置を様々な角度にし、回転位置ごとの送電効率を取得する。
プロセッサー131は、例えば、送電センサー135及び受電センサー245の少なくともいずれか出力する情報を用いて送電効率を求める。なお、受電装置200bのプロセッサー231は、受電センサー245が出力する情報を、通信インターフェース244及び通信インターフェース134を介して、受電装置200bから送電装置100bに送信する。
【0055】
ステップST12においてプロセッサー131は、第1送電電極111及び第2送電電極112の回転位置の角度を決定する。プロセッサー131は、例えば、ステップST11において最も送電効率が良かった角度を、第1送電電極111及び第2送電電極112の回転位置の角度に決定する。
【0056】
ステップST13においてプロセッサー131は、回転部250を制御して、第1送電電極111及び第2送電電極112の回転位置の角度を、ステップST12で決定した角度になるように回転させる。プロセッサー131は、ステップST13の処理の後、図3に示す処理を終了する。
【0057】
第2実施形態の電力伝送システム1bは、第1実施形態とは異なり、第1受電電極211及び第2受電電極212に代えて第1送電電極111及び第2送電電極112が回転可能である。これにより、第2実施形態の電力伝送システム1bは、第1実施形態の電力伝送システム1と同様の効果が得られる。
【0058】
なお、第2実施形態において送電装置100bは、第1の装置の一例である。受電装置200bは、第2の装置の一例である。第1送電電極111は、第1の電極の一例である。第2送電電極112は、第2の電極の一例である。第1送電電極111及び第2送電電極112は、第1の電極組の一例である。第1受電電極211は、第3の電極の一例である。第2受電電極212は、第4の電極の一例である。第1受電電極211及び第2受電電極212は、第2の電極組の一例である。第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを通る直線は、第1の直線の一例である。
【0059】
〔第3実施形態〕
図6は、第3実施形態に係る電力伝送システム1cの一例を示す図である。電力伝送システム1cについて、第1実施形態に係る電力伝送システム1と異なる部分について説明する。電力伝送システム1cは、一例として送電装置100及び受電装置200cを含む。すなわち、電力伝送システム1cは、受電装置200に代えて受電装置200cを備える。なお、図6は、高周波電源120、送電制御部130、整流回路220、負荷230及び受電制御部240の図示を省略している。
【0060】
受電装置200cは、一例として、受電カプラ210c、整流回路220、負荷230、受電制御部240及び回転部250bを含む。すなわち、受電装置200cは、受電カプラ210に代えて受電カプラ210cを備え、回転部250に代えて回転部250bを備える。
【0061】
受電カプラ210cは、送電カプラ110から伝送される電力を受電して整流回路220に出力する。受電カプラ210cは、一例として、第1受電電極211、第2受電電極212、第1受電共振コイル213、第3受電電極214、第4受電電極215、第2受電共振コイル216を含む。受電カプラ210cは、一例として、第1受電電極211、第2受電電極212、第1受電共振コイル213及び回転部250bを内部に備える箱状の筐体を含む。当該筐体は、内部で第1受電電極211、第2受電電極212、第3受電電極214、第4受電電極215が回転可能な大きさである。
【0062】
第3受電電極214及び第4受電電極215は、一例として、送電カプラ110、受電カプラ210c、第1受電電極211及び第2受電電極212が所定位置にある場合において受電カプラ210cの表面と垂直な、平板状の長方形の電極である。第3受電電極214及び第4受電電極215は、例えば、第1受電電極211及び第2受電電極212と垂直な位置にある。第3受電電極214は、例えば、第4受電電極215と同じ形状である。第3受電電極214及び第4受電電極215は、例えば、第1受電電極211及び第2受電電極212と同じ形状である。第3受電電極214と第4受電電極215とは、間隔を開けて配置されている。ただし、第3受電電極214と第4受電電極215との間隔は、第1受電電極211と第2受電電極212との間隔と異なっていても良いし同じであっても良い。第3受電電極214と第4受電電極215とは、キャパシターを形成している。
第3受電電極214の中心と第4受電電極215の中心とを通る直線の位置は、第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを通る直線を回転方向Rxに90度又は-90回転させた位置又は当該位置からy方向にずれた位置にある。当該回転の回転中心は、例えば、第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを結ぶ線分の中点である。第3受電電極214及び第4受電電極215は、例えば、第1受電電極211及び第2受電電極212を回転方向Rxに90度又は-90度回転させた位置にある。当該回転の回転中心は、例えば、第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを結ぶ線分の中点である。したがって、受電カプラ210cは、4枚の受電電極が、90度の間隔を開けて等角度に並んでいる。
【0063】
第2受電共振コイル216は、例えば、1次コイルと2次コイルの2つのコイルを含む。1次コイルは、一例として、第3受電電極214及び第4受電電極215と接続している。2次コイルは、一例として、整流回路220と接続している。第3受電電極214、第4受電電極215及び第2受電共振コイル216は、LC回路を形成している。当該LC回路を、以下「第2受電回路」という。また、第2受電共振コイル216は、第3受電電極214及び第4受電電極215が送電カプラ110から受電した電力を整流回路220に出力する。
【0064】
電力伝送システム1cは、第1送電回路と第1受電回路との間の電界共鳴、及び第1送電回路と第2受電回路との間の電界共鳴の2つの電界共鳴のうち、少なくともいずれかが生じていれば、送電カプラ110から受電カプラ210cに電力が伝送される。
【0065】
回転部250bは、第1受電電極211及び第2受電電極212に加えて、第3受電電極214及び第4受電電極215を、回転軸を中心に回転方向Rxに回転させる機構である。当該回転軸は、例えば第1実施形態と同様である。
【0066】
第3実施形態の電力伝送システム1cは、第1実施形態の電力伝送システム1と同様の効果が得られる。
また、第3実施形態の電力伝送システム1cは、第2受電回路を備えるので、第1実施形態の電力伝送システム1よりも少ない回転角度で第1受電電極211、第2受電電極212、第3受電電極214及び第4受電電極215の回転位置を送電効率の高い位置にすることができる。また、第3実施形態の電力伝送システム1cは、第1実施形態の電力伝送システム1よりも送電効率を高くすることができる。
【0067】
なお、第3実施形態において第3受電電極214は、第5の電極の一例である。第4受電電極215は、第6の電極の一例である。第3受電電極214及び第4受電電極215は、第3の電極組の一例である。第3受電電極214の中心と第4受電電極215の中心とを通る直線は、第2の直線の一例である。
【0068】
〔第4実施形態〕
図7は、第4実施形態に係る電力伝送システム1dの一例を示す図である。電力伝送システム1dについて、第2実施形態に係る電力伝送システム1bと異なる部分について説明する。電力伝送システム1dは、一例として送電装置100c及び受電装置200bを含む。すなわち、電力伝送システム1dは、送電装置100bに代えて送電装置100cを備える。なお、図7は、高周波電源120、送電制御部130、整流回路220、負荷230及び受電制御部240の図示を省略している。
【0069】
送電装置100cは、一例として、送電カプラ110c、高周波電源120、送電制御部130及び回転部140bを含む。すなわち、送電装置100cは、送電カプラ110bに代えて送電カプラ110cを備え、回転部140に代えて回転部140bを備える。
【0070】
送電カプラ110cは、受電カプラ210にワイヤレスで電力を伝送する。送電カプラ110cは、一例として、第1送電電極111、第2送電電極112、第1送電共振コイル113、第3送電電極114、第4送電電極115、第2送電共振コイル116を含む。送電カプラ110cは、一例として、第1送電電極111、第2送電電極112、第1送電共振コイル113及び回転部140bを内部に備える箱状の筐体を含む。当該筐体は、内部で第1送電電極111、第2送電電極112、第3送電電極114、第4送電電極115が回転可能な大きさである。
【0071】
第3送電電極114及び第4送電電極115は、一例として、送電カプラ110、受電カプラ210c、第1送電電極111及び第2送電電極112が所定位置にある場合において送電カプラ110cの表面と垂直な、平板状の長方形の電極である。第3送電電極114及び第4送電電極115は、例えば、第1送電電極111及び第2送電電極112と垂直な位置にある。第3送電電極114は、例えば、第4送電電極115と同じ形状である。第3送電電極114及び第4送電電極115は、例えば、第1送電電極111及び第2送電電極112と同じ形状である。第3送電電極114と第4送電電極115とは、間隔を開けて配置されている。ただし、第3送電電極114と第4送電電極115との間隔は、第1送電電極111と第2送電電極112との間隔と異なっていても良いし同じであっても良い。第3送電電極114と第4送電電極115とは、キャパシターを形成している。
第3送電電極114の中心と第4送電電極115の中心とを通る直線の位置は、第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを通る直線を回転方向Rxに90度又は-90回転させた位置又は当該位置からy方向にずれた位置にある。当該回転の回転中心は、例えば、第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを結ぶ線分の中点である。第3送電電極114及び第4送電電極115は、例えば、第1送電電極111及び第2受電電極を回転方向Rxに90度又は-90回転させた位置にある。当該回転の回転中心は、例えば、第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを結ぶ線分の中点である。したがって、送電カプラ110bは、4枚の送電電極が、90度の間隔を開けて等角度に並んでいる。
【0072】
第2送電共振コイル116は、例えば、1次コイルと2次コイルの2つのコイルを含む。1次コイルは、一例として、高周波電源120と接続している。2次コイルは、一例として、第3送電電極114及び第4送電電極115と接続している。第3送電電極114、第4送電電極115及び第2送電共振コイル116は、LC回路を形成している。当該LC回路を、以下「第2送電回路」という。高周波電源120は、第1送電回路及び第2送電回路に電力を供給する。なお、高周波電源120は、第2送電回路に、第2送電回路の共振周波数と同じ周波数の交流電力を供給する。
【0073】
電力伝送システム1cは、第1送電回路と第1受電回路との間の電界共鳴、及び第2送電回路と第1受電回路との間の電界共鳴の2つの電界共鳴のうち、少なくともいずれかが生じていれば、送電カプラ110bから受電カプラ210に電力が伝送される。
【0074】
回転部140bは、第1送電電極111及び第2送電電極112に加えて、第3送電電極114及び第4送電電極115を、回転軸を中心に回転方向Rxに回転させる機構である。当該回転軸は、例えば第2実施形態と同様である。
【0075】
第4実施形態の電力伝送システム1dは、第2実施形態の電力伝送システム1bと同様の効果が得られる。
また、第4実施形態の電力伝送システム1dは、第2送電回路を備えるので、第2実施形態の電力伝送システム1bよりも少ない回転角度で第1送電電極111、第2送電電極112、第3送電電極114及び第4送電電極115の回転位置を送電効率の高い位置にすることができる。また、第4実施形態の電力伝送システム1dは、第2実施形態の電力伝送システム1bよりも送電効率を高くすることができる。
【0076】
なお、第4実施形態において第3送電電極114は、第5の電極の一例である。第4送電電極115は、第6の電極の一例である。第3送電電極114及び第4送電電極115は、第3の電極組の一例である。第3送電電極114の中心と第4送電電極115の中心とを通る直線は、第2の直線の一例である。
【0077】
上記の実施形態は、以下のような変形も可能である。
実施形態の電力伝送システムは、送電装置100b又は送電装置100cと、受電装置200又は受電装置200cとを備えていても良い。すなわち、実施形態の電力伝送システムは、送電装置と受電装置の両方が回転部を備えていても良い。
【0078】
上記の実施形態では、第1送電電極111及び第2送電電極112は、送電カプラ110bの筐体内で回転する。しかしながら、実施形態の送電装置は、回転部が、第1送電電極111及び第2送電電極112を内部に有する受電カプラ210の筐体を回転させる構成でも良い。この場合、第1送電電極111及び第2送電電極112は、当該筐体とともに回転する。
上記の実施形態では、第1受電電極211及び第2受電電極212は、受電カプラ210の筐体内で回転する。しかしながら、実施形態の受電装置は、回転部が、第1受電電極211及び第2受電電極212を内部に有する受電カプラ210の筐体を回転させる構成でも良い。この場合、第1受電電極211及び第2受電電極212は、当該筐体とともに回転する。
【0079】
上記の実施形態では、回転部140の回転軸及び回転部250の回転軸は、x軸に平行である。しかしながら、回転部140の回転軸及び回転部250の回転軸のそれぞれは、x軸に平行でなくとも良い。ただし、回転部140の回転軸及び回転部250の回転軸は、x軸とは垂直ではない。回転部140の回転軸がx軸と垂直ではない場合、第1送電電極111及び第2送電電極112の回転は、回転方向Rx成分を含む。回転部250の回転軸がx軸と垂直ではない場合、第1受電電極211及び第2受電電極212の回転は、回転方向Rx成分を含む。
【0080】
上記の実施形態では、回転部140の回転軸は、第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを結ぶ線分の中点を通る。しかしながら、当該回転軸は、当該中点を通らない位置にあっても良い。この場合でも、第1送電電極111及び第2送電電極112は、回転方向Rxに回転可能である。
上記の実施形態では、回転部250の回転軸は、第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを結ぶ線分の中点を通る。しかしながら、当該回転軸は、当該中点を通らない位置にあっても良い。この場合でも、第1受電電極211及び第2受電電極212は、回転方向Rxに回転可能である。
【0081】
回転部140及び回転部250は、手動による回転が可能であっても良い。この場合、電力伝送システムの操作者が、送電効率を確認しながら手動で送電効率の良い位置に第1送電電極111及び第2送電電極112、又は第1受電電極211及び第2受電電極212を回転させることができる。
【0082】
上記の実施形態における受電装置200cは、第3受電電極214の中心と第4受電電極215の中心とを通る直線の位置が、第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを通る直線を回転方向Rxに90度又は-90回転させた位置又は当該位置からy方向にずれた位置にある。しかしながら、当該角度は90度及び-90度以外の角度であっても良い。ただし、当該角度は0度及び180度の以外の角度である。すなわち、第3受電電極214の中心と第4受電電極215の中心とを通る直線(第2の直線)と第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを通る直線(第1の直線)とは平行ではない。また、当該角度は、好ましくは90度又は-90度である。
【0083】
上記の実施形態における送電装置100cは、第3送電電極114の中心と第4送電電極115の中心とを通る直線の位置が、第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを通る直線を回転方向Rxに90度又は-90回転させた位置又は当該位置からy方向にずれた位置にある。しかしながら、当該角度は90度及び-90度以外の角度であっても良い。ただし、当該角度は0度及び180度の以外の角度である。すなわち、第3送電電極114の中心と第4送電電極115の中心とを通る直線(第2の直線)と第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを通る直線(第1の直線)ほごとは平行ではない。また、当該角度は、好ましくは90度又は-90度である。
【0084】
上記の実施形態では、各電極は、長方形の平板状の電極である。しかしながら、各電極は、長方形以外の形状であっても良い。例えば、各電極の形状は、三角形などの多角形、円又はその他の平面図形形状の平板状の電極である。また、各電極は、平板状の電極でなくても良い。例えば、各電極は、柱体、錐体、球又はその他の三次元図形形状であっても良い。また、各電極は、平板が湾曲したような形状であっても良い。
【0085】
上記の実施形態では、送電装置100c及び受電装置200cは、2つの電極と共振コイルからなるLC回路を2つ備える。しかしながら、実施形態の受電装置及び送電装置の少なくともいずれかは、3つ以上のLC回路を備えていても良い。
【0086】
第3送電電極114及び第4送電電極115は、上記の実施形態に示す位置とは異なる位置にあっても良い。
第3受電電極214及び第4受電電極215は、上記の実施形態に示す位置とは異なる位置にあっても良い。
【0087】
実施形態の送電装置は、一例として、第1送電回路と、2つの第2送電回路を備えていても良い。この場合の第2送電回路のうちの1つは、第3送電電極114の中心と第4送電電極115の中心とを通る直線の位置が、第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを通る直線を回転方向Rxにθ度回転させた位置又は当該位置からy方向にずれた位置にある。そして、他の第2送電回路は、第3送電電極114の中心と第4送電電極115の中心とを通る直線の位置が、第1送電電極111の中心と第2送電電極112の中心とを通る直線を回転方向Rxにφ度回転させた位置又は当該位置からy方向にずれた位置にある。なお、θ1≠φ1、0<θ1<180、0<φ1<180である。一例として、θ1=60、φ1=120である。この場合、6枚の送電電極が、60度の間隔を開けて等角度に並んでいる。また、送電装置は、第1送電回路と、3以上の第2送電回路を備えていても良い。
【0088】
実施形態の受電装置は、一例として、第1受電回路と、2つの第2受電回路を備えていても良い。この場合の第2受電回路のうちの1つは、第3受電電極214の中心と第4受電電極215の中心とを通る直線の位置が、第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを通る直線を回転方向Rxにθ2度回転させた位置又は当該位置からy方向にずれた位置にある。そして、他の第2受電回路は、第3受電電極214の中心と第4受電電極215の中心とを通る直線の位置が、第1受電電極211の中心と第2受電電極212の中心とを通る直線を回転方向Rxにφ2度回転させた位置又は当該位置からy方向にずれた位置にある。なお、θ2≠φ2、0<θ2<180、0<φ2<180である。一例として、θ2=60、φ2=120である。この場合、6枚の受電電極が、60度の間隔を開けて等角度に並んでいる。また、受電装置は、第1受電回路と、3以上の第2受電回路を備えていても良い。
【0089】
上記の実施形態では、第1送電電極111、第2送電電極112、第3送電電極114、第4送電電極115、第1受電電極211、第2受電電極212、第3受電電極214及び第4受電電極215は全て同じ形状である。しかしながら、このうちの少なくとも1以上の電極が他の電極と異なる形状であっても良い。
【0090】
上記の実施形態では、電力伝送システムは、電界共鳴によって電力を伝送する。しかしながら、実施形態の電力伝送システムは、電界共鳴でない電界結合によって電力を伝送するものであっても良い。また、実施形態の電力伝送システムは、電界共鳴でない電界結合による電力伝送と、電界共鳴による電力伝送が混在していても良い。
【0091】
プロセッサー131及びプロセッサー141は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
【0092】
実施形態の処理を実現するプログラムは、例えば装置に記憶された状態で譲渡される。しかしながら、当該装置は、当該プログラムが記憶されない状態で譲渡されても良い。そして、当該プログラムが別途に譲渡され、当該装置へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、リムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはインターネット又はLAN(local area network)などのネットワークを介したダウンロードにより実現できる。
【0093】
以上、本発明の実施形態を説明したが、例として示したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施可能である。
【符号の説明】
【0094】
1,1b,1c,1d 電力伝送システム
100,100b,100c 送電装置
110,110b,110c 送電カプラ
111 第1送電電極
112 第2送電電極
113 第1送電共振コイル
114 第3送電電極
115 第4送電電極
116 第2送電共振コイル
120 高周波電源
130 送電制御部
131,241 プロセッサー
132,242 ROM
133,243 RAM
134,244 通信インターフェース
135 送電センサー
140,250 回転部
200,200b,200c 受電装置
210,210b,210c 受電カプラ
211 第1受電電極
212 第2受電電極
213 第1受電共振コイル
214 第3受電電極
215 第4受電電極
216 第2受電共振コイル
220 整流回路
230 負荷
240 受電制御部
245 受電センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7