(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022181660
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】フロントインサート、光電コネクタ、光電コネクタ付き光電気複合ケーブル
(51)【国際特許分類】
G02B 6/38 20060101AFI20221201BHJP
G02B 6/40 20060101ALI20221201BHJP
G02B 6/44 20060101ALI20221201BHJP
H01R 13/46 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
G02B6/38
G02B6/40
G02B6/44 386
H01R13/46 D
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021088714
(22)【出願日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】高野 慎也
(72)【発明者】
【氏名】林 伸
(72)【発明者】
【氏名】藤本 好弘
(72)【発明者】
【氏名】立野 清和
【テーマコード(参考)】
2H036
2H201
5E087
【Fターム(参考)】
2H036JA01
2H036QA03
2H036QA22
2H036QA32
2H036QA43
2H036QA49
2H036QA54
2H036RA02
2H036RA03
2H201AX43
2H201FF01
2H201FF06
5E087EE13
5E087FF03
5E087PP06
5E087RR01
5E087RR25
(57)【要約】
【課題】 電気端子と光接続を確実に行うことが可能なフロントインサート及びこれを用いた光電コネクタ等を提供する。
【解決手段】 フロントインサート1aは、接続端面の一部を形成するフロート機構を有する。フロート機構は、フロート部材7を有しする。フロート部材7は、本体部3aに収容される。フロート部材7には、少なくとも1組の嵌合ピン9と、フェルール11aとが配置される。フェルール11aは、フロントインサート1bのフェルール11bと接続するための、1組のガイドピン13が配置される。フロート部材7と、フロート部材7を収容する本体部3aとの間には、クリアランス19が形成される。このため、フロート部材7は、本体部3aに対して移動可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気接続端子と、少なくとも1つの光接続フェルールとを含む一対のフロントインサートであって、
一方のフロントインサートは、接続端面の一部を形成するフロート機構と、前記フロート機構とは異なる位置に配置される第1の電気接続端子と、を有し、
前記フロート機構は、前記一対のフロントインサートを接続するための、少なくとも1組の嵌合ピンと、第1の光接続フェルールとを有し、
前記第1の光接続フェルールは、光接続フェルールを接続するための、1組のガイドピンを備えており、
他方のフロントインサートは、前記第1の電気接続端子と接続される第2の電気接続端子と、前記嵌合ピンが嵌合する嵌合ピン孔と、前記第1の光接続フェルールと接続される第2の光接続フェルールとを有し、前記第2の光接続フェルールは、前記ガイドピンが嵌合するガイドピン孔を有しており、
前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールの少なくとも一方の後方には、接続方向に向けて前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールを押圧する第1の押圧機構を有し、
前記フロート機構は、フロート部材を有し、前記フロート部材と、前記フロート部材を収容する本体部との間には、前記一対のフロントインサートの接続方向と、これと直交する方向に対して、クリアランスを有し、前記フロート部材は、前記本体部に対して移動可能であることを特徴とするフロントインサート。
【請求項2】
前記フロート機構は、前記フロート部材を後方から押圧する第2の押圧機構を有することを特徴とする請求項1記載のフロントインサート。
【請求項3】
前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールの少なくとも一方と、前記第1の押圧機構との間に、押圧分散部材が配置されることを特徴とする請求項2に記載のフロントインサート。
【請求項4】
前記フロート部材において、一対の前記嵌合ピンを結ぶ線と前記第1の光接続フェルールの一組の前記ガイドピンを結ぶ線が略直交することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のフロントインサート。
【請求項5】
一対の光電コネクタであって、
一対の前記光電コネクタは、互いに接続可能な接続部を有し、
それぞれの前記光電コネクタには、フロントインサートが収容され、
それぞれの前記光電コネクタに、光ファイバケーブルおよび電気ケーブルまたは光電気複合ケーブルが挿入された際に、挿入された前記光ファイバケーブルおよび電気ケーブルまたは光電気複合ケーブルは、前記フロントインサートに接続可能であり、
前記接続部は防水機構を有し、
一方の前記光電コネクタは、凸部を有し、他方の前記光電コネクタは、前記凸部と嵌合可能な凹部を有し、
前記フロントインサートは、複数の電気接続端子と、少なくとも1つの光接続フェルールとを含み、
一方の前記フロントインサートは、接続端面の一部を形成するフロート機構と、前記フロート機構とは異なる位置に配置される第1の電気接続端子と、を有し、
前記フロート機構は、前記一対のフロントインサートを接続するための、少なくとも1組の嵌合ピンと、第1の光接続フェルールとを有し、
前記第1の光接続フェルールは、光接続フェルールを接続するための、1組のガイドピンを備えており、
他方の前記フロントインサートは、前記第1の電気接続端子と接続される第2の電気接続端子と、前記嵌合ピンが嵌合する嵌合ピン孔と、前記第1の光接続フェルールと接続される第2の光接続フェルールとを有し、前記第2の光接続フェルールは、前記ガイドピンが嵌合するガイドピン孔を有しており、
前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールの少なくとも一方の後方には、接続方向に向けて前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールを押圧する第1の押圧機構を有し、
前記フロート機構は、フロート部材を有し、前記フロート部材と、前記フロート部材を収容する本体部との間には、前記一対のフロントインサートの接続方向と、これと直交する方向に対して、クリアランスを有し、前記フロート部材は、前記本体部に対して移動可能であることを特徴とする光電コネクタ。
【請求項6】
前記フロート機構は、前記フロート部材を後方から押圧する第2の押圧機構を有することを特徴とする請求項5記載の光電コネクタ。
【請求項7】
少なくとも一端に光電コネクタが接続された光電コネクタ付き光電気複合ケーブルであって、
一対の前記光電コネクタは、互いに接続可能な接続部を有し、
それぞれの前記光電コネクタには、フロントインサートが収容され、
それぞれの前記光電コネクタには、光電気複合ケーブルが挿入され、挿入された前記光電気複合ケーブルは、前記フロントインサートに接続され、
前記接続部は防水機構を有し、
一方の前記光電コネクタは、凸部を有し、他方の前記光電コネクタは、前記凸部と嵌合可能な凹部を有し、
一対の前記フロントインサートは、複数の電気接続端子と、少なくとも1つの光接続フェルールとを含み、
一方のフロントインサートは、接続端面の一部を形成するフロート機構と、前記フロート機構とは異なる位置に配置される第1の電気接続端子と、を有し、
前記フロート機構は、前記一対のフロントインサートを接続するための、少なくとも1組の嵌合ピンと、第1の光接続フェルールとを有し、
前記第1の光接続フェルールは、光接続フェルールを接続するための、1組のガイドピンを備えており、
他方のフロントインサートは、前記第1の電気接続端子と接続される第2の電気接続端子と、前記嵌合ピンが嵌合する嵌合ピン孔と、前記第1の光接続フェルールと接続される第2の光接続フェルールとを有し、前記第2の光接続フェルールは、前記ガイドピンが嵌合するガイドピン孔を有しており、
前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールの少なくとも一方の後方には、接続方向に向けて前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールを押圧する第1の押圧機構を有し、
前記フロート機構は、フロート部材を有し、前記フロート部材と、前記フロート部材を収容する本体部との間には、前記一対のフロントインサートの接続方向と、これと直交する方向に対して、クリアランスを有し、前記フロート部材は、前記本体部に対して移動可能であることを特徴とする光電コネクタ付き光電気複合ケーブル。
【請求項8】
前記フロート機構は、前記フロート部材を後方から押圧する第2の押圧機構を有することを特徴とする請求項7記載の光電コネクタ付き光電気複合ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光と電気の接続が可能なフロントインサート、これを用いた光電コネクタ及び光電コネクタ付き光電気複合ケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光通信が可能な光ケーブルと、電気信号や送電が可能な電気ケーブルが一体化した複合ケーブルが用いられている。このような複合ケーブル同士の接続には、光ケーブル同士の光接続と、電気ケーブル同士のメタル接続が必要である。この際、メタル接続は、端子同士を接触させることで高い精度を必要とせず、比較的容易に行うことができるが、光接続は、内部の光ファイバの先端同士を精度よく調心して接触させる必要がある。
【0003】
このような複合ケーブルの接続構造としては、例えば、内部ハウジングに内蔵されたスプリングによって多心光コネクタを前方に押し付けて、多心光コネクタの相互の突き合せ接続時に相互の接触状態が維持できるようにした方法が提案されている(特許文献1)。
【0004】
また、3段階の嵌合接続によって光コネクタを接続する構造が提案されている(特許文献2)。特許文献2では、第1段階は、対向するコネクタにガイドピンを対向するガイドピン孔に挿入することで行い、第2段階は、対向する光コネクタハウジング(MTコネクタフェルール)同士の外径寸法で篏合することにより、光コネクタ同士の接続を可能とし、第3段階は、光コネクタフェルール同士の篏合であり、MTフェルールのガイドピンをガイドピン孔に挿入することにより接続が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62-70805号公報
【特許文献2】特開2020-67567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の方法では、メタル用コネクタと多心光コネクタは内部ハウジングに固定されているため、嵌合精度が厳しい多心光コネクタと、篏合精度が緩い電気コネクタを一括で接続しなければならない。このため、より篏合精度の厳しい多心光コネクタが接続可能なように、全体の精度を高くする必要があり、加工コストがかかる。また、スプリングによる押圧力は、内部ハウジング全体にかかるため、大きな力が必要となり、さらに、全体を均一に押圧することが困難である。
【0007】
また、特許文献2においても、第2段階では、コネクタハウジングの外径寸法精度で篏合させる必要があるため、精度よく嵌合させるためには、加工コストがかかる。さらに、光ファイバの光軸方向での篏合に対して押圧機構が無いため、接続端面で光軸に垂直な力が発生した時に光接続が解除されるおそれがある。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、電気端子と光接続を確実に行うことが可能なフロントインサート及びこれを用いた光電コネクタ等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、第1の発明は、複数の電気接続端子と、少なくとも1つの光接続フェルールとを含む一対のフロントインサートであって、一方のフロントインサートは、接続端面の一部を形成するフロート機構と、前記フロート機構とは異なる位置に配置される第1の電気接続端子と、を有し、前記フロート機構は、前記一対のフロントインサートを接続するための、少なくとも1組の嵌合ピンと、第1の光接続フェルールとを有し、前記第1の光接続フェルールは、光接続フェルールを接続するための、1組のガイドピンを備えており、他方のフロントインサートは、前記第1の電気接続端子と接続される第2の電気接続端子と、前記嵌合ピンが嵌合する嵌合ピン孔と、前記第1の光接続フェルールと接続される第2の光接続フェルールとを有し、前記第2の光接続フェルールは、前記ガイドピンが嵌合するガイドピン孔を有しており、前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールの少なくとも一方の後方には、接続方向に向けて前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールを押圧する第1の押圧機構を有し、前記フロート機構は、フロート部材を有し、前記フロート部材と、前記フロート部材を収容する本体部との間には、前記一対のフロントインサートの接続方向と、これと直交する方向に対して、クリアランスを有し、前記フロート部材は、前記本体部に対して移動可能であることを特徴とするフロントインサートである。
【0010】
前記フロート機構は、前記フロート部材を後方から押圧する第2の押圧機構を有することが望ましい。
【0011】
前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールの少なくとも一方と、前記第1の押圧機構との間に、押圧分散部材が配置されてもよい。
【0012】
前記フロート部材において、一対の前記嵌合ピンを結ぶ線と前記第1の光接続フェルールの一組の前記ガイドピンを結ぶ線が略直交してもよい。
【0013】
第1の発明によれば、少なくとも一方のフロントインサートにおいて、フロート機構が形成され、フロート機構が本体部に対してクリアランスに応じた範囲で移動可能であるため、光接続部を容易に調心することができる。また、電気接続端子がフロート機構以外の部位に配置され、電気接続部においては、高い精度は不要であるため、本体部の加工コストの増加を抑制することができる。また、光接続フェルールの後方に押圧機構を設け、光接続フェルール同士の接続方向に対して押圧力が付与されるため、光接続を維持することができる。
【0014】
また、フロート機構として、フロート部材を後方から押圧する第2の押圧機構を設けることで、常にフロート部材が接続方向に対して押圧されるため、フロントインサート同士の接続部に曲げ力が加わるような場合でも、本体部に対してフロート部材がわずかに傾くことで曲りを吸収し、さらに接続方向に押圧されることで光接続を確実に維持することができる。
【0015】
また、少なくとも一方の光接続フェルールと第1の押圧機構との間に、押圧分散部材が配置されれば、光接続フェルールを確実にまっすぐに押圧することができる。
【0016】
また、フロート部材において、一対の嵌合ピンを結ぶ線と光接続フェルールの一組のガイドピンを結ぶ線が略直交するようにすることで、光接続フェルールを複数配置する際のレイアウトの自由度が高い。
【0017】
第2の発明は、一対の光電コネクタであって、それぞれの光電コネクタには、フロントインサートが収容され、それぞれの前記光電コネクタに、光ファイバケーブルおよび電気ケーブルまたは光電気複合ケーブルが挿入された際に、挿入された前記光ファイバケーブルおよび電気ケーブルまたは光電気複合ケーブルは、前記フロントインサートに接続可能であり、前記接続部は防水機構を有し、一方の前記光電コネクタは、凸部を有し、他方の前記光電コネクタは、前記凸部と嵌合可能な凹部を有し、前記フロントインサートは、複数の電気接続端子と、少なくとも1つの光接続フェルールとを含み、一方のフロントインサートは、接続端面の一部を形成するフロート機構と、前記フロート機構とは異なる位置に配置される第1の電気接続端子と、を有し、前記フロート機構は、前記一対のフロントインサートを接続するための、少なくとも1組の嵌合ピンと、第1の光接続フェルールとを有し、前記第1の光接続フェルールは、光接続フェルールを接続するための、1組のガイドピンを備えており、他方のフロントインサートは、前記第1の電気接続端子と接続される第2の電気接続端子と、前記嵌合ピンが嵌合する嵌合ピン孔と、前記第1の光接続フェルールと接続される第2の光接続フェルールとを有し、前記第2の光接続フェルールは、前記ガイドピンが嵌合するガイドピン孔を有しており、前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールの少なくとも一方の後方には、接続方向に向けて前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールを押圧する第1の押圧機構を有し、前記フロート機構は、フロート部材を有し、前記フロート部材と、前記フロート部材を収容する本体部との間には、前記一対のフロントインサートの接続方向と、これと直交する方向に対して、クリアランスを有し、前記フロート部材は、前記本体部に対して移動可能であることを特徴とする光電コネクタである。
【0018】
前記フロート機構は、前記フロート部材を後方から押圧する第2の押圧機構を有することが望ましい。
【0019】
第2の発明によれば、第1の発明と同様の効果を有する光電コネクタを得ることができる。
【0020】
第3の発明は、少なくとも一端に光電コネクタが接続された光電コネクタ付き光電気複合ケーブルであって、一対の前記光電コネクタは、互いに接続可能な接続部を有し、それぞれの前記光電コネクタには、光電気複合ケーブルが挿入され、挿入された前記光電気複合ケーブルは、フロントインサートに接続され、前記接続部は防水機構を有し、一方の前記光電コネクタは、凸部を有し、他方の前記光電コネクタは、前記凸部と嵌合可能な凹部を有し、一対の前記フロントインサートは、複数の電気接続端子と、少なくとも1つの光接続フェルールとを含み、一方のフロントインサートは、接続端面の一部を形成するフロート機構と、前記フロート機構とは異なる位置に配置される第1の電気接続端子と、を有し、前記フロート機構は、前記一対のフロントインサートを接続するための、少なくとも1組の嵌合ピンと、第1の光接続フェルールとを有し、前記第1の光接続フェルールは、光接続フェルールを接続するための、1組のガイドピンを備えており、他方のフロントインサートは、前記第1の電気接続端子と接続される第2の電気接続端子と、前記嵌合ピンが嵌合する嵌合ピン孔と、前記第1の光接続フェルールと接続される第2の光接続フェルールとを有し、前記第2の光接続フェルールは、前記ガイドピンが嵌合するガイドピン孔を有しており、前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールの少なくとも一方の後方には、接続方向に向けて前記第1の光接続フェルール又は前記第2の光接続フェルールを押圧する第1の押圧機構を有し、前記フロート機構は、フロート部材を有し、前記フロート部材と、前記フロート部材を収容する本体部との間には、前記一対のフロントインサートの接続方向と、これと直交する方向に対して、クリアランスを有し、前記フロート部材は、前記本体部に対して移動可能であることを特徴とする光電コネクタ付き光電気複合ケーブルである。
【0021】
前記フロート機構は、前記フロート部材を後方から押圧する第2の押圧機構を有してもよい。
【0022】
第3の発明によれば、第1の発明と同様の効果を有する光電コネクタ付き光電気複合ケーブルを得ることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、電気端子と光接続を確実に行うことが可能なフロントインサート及びこれを用いた光電コネクタ等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】(a)はフロントインサート1aを示す斜視図、(b)はフロントインサート1bを示す斜視図。
【
図6】(a)は、フロントインサート1a、1bを対向させた状態を示す図、(b)は、フロントインサート1a、1bを接続した状態を示す図。
【
図7】(a)は、光電コネクタ30a、30bを対向させた状態を示す図、(b)は、光電コネクタ30a、30bを接続した状態を示す図。
【
図8】(a)は、光電コネクタ30aの正面図、(b)は、光電コネクタ30bの正面図。
【
図9】(a)は、シーブ43に光電気複合ケーブル41a、41bの接続部が配置された状態を示す図、(b)は、(a)のF部拡大図。
【
図10】フロントインサート1a、1bを接続した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態にかかるフロントインサートについて説明する。
図1(a)は、フロントインサート1aを示す斜視図であり、
図1(b)は、フロントインサート1bを示す斜視図である。一対のフロントインサート1a、1bは、複数の電気接続端子と、少なくとも1つの光接続フェルールとを含むものであり、後述する光電コネクタの内部に収容され、互いに接続される部材である。
【0026】
一方のフロントインサート1aは、接続端面の一部を形成するフロート機構を有する。フロート機構は、フロート部材7を有し、フロート部材7は、本体部3aに収容される。
【0027】
フロート機構(フロート部材7)とは異なる位置には、第1の電気接続端子である複数の電気接続端子5aが配置される。電気接続端子5aは、雄型端子であり、図示した例では、本体部3aに対して4カ所に配置される。なお、電気接続端子5aの配置や個数は図示した例には限られない。
【0028】
図2は、フロントインサート1aの正面図であり、
図3は、
図2のA-A線断面図である。フロート部材7には、一対のフロントインサート1a、1bを接続するための、少なくとも1組の嵌合ピン9と、第1の光接続フェルールであるフェルール11aとが配置される。
【0029】
図3に示すように、嵌合ピン9は、フロート部材7の幅方向の端部近傍に離間して一対配置され、嵌合ピン9の間には、フェルール11aが配置される。なお、本実施形態では、2つのフェルール11aが配置され、それぞれのフェルール11aには、後述するフロントインサート1bのフェルール11bと接続するための、1組のガイドピン13が配置される。なお、ガイドピン13の間には、フェルール11aに収容される複数の光ファイバの端面が露出する。
【0030】
ここで、フロート部材7において、一対の嵌合ピンを結ぶ線(
図3のX方向の直線)とそれぞれのフェルール11bの一組のガイドピン13を結ぶ線(
図3のY方向の直線)は略直交する。このようにすることで、嵌合ピン9の間に複数のフェルール11aを効率よく配置することができる。
【0031】
図3に示すように、それぞれのフェルール11aの後方には、接続方向に向けてフェルール11aを押圧する第1の押圧機構である押圧機構23aが配置される。押圧機構23aは、例えばコイルバネである。また、フェルール11aと押圧機構23aとの間には、押圧分散部材21aが配置される。押圧分散部材21aは、弾性変形及び塑性変形が少ない部材で構成され、例えば硬質樹脂製である。押圧分散部材21aの前面側は、フェルール11aの後面のほぼ全面と接触し、押圧分散部材21aの後面側の略中央部に押圧機構23aが接触する。
【0032】
フェルール11aと押圧機構23aとの間に、例えば金属製や軟質樹脂製の部材等、弾性変形及び塑性変形が容易な部材が配置されると、変形によって押圧機構23aからの押圧力がまっすぐにフェルール11aの全体に均等に作用せずに、フェルール11aの傾き等が生じる恐れがある。これに対し、押圧分散部材21aを配置することで、押圧機構23aからの力を確実にフェルール11aの全体に均等に分散させて伝達することができる。
【0033】
フロート部材7と、フロート部材7を収容する本体部3aとの間には、クリアランス19が形成される。クリアランス19は、一対のフロントインサートの接続方向(
図3のZ方向)と、これと直交する方向(
図2のX、Y方向)に対して形成される。このため、フロート部材7は、本体部3aに対して移動可能である。
【0034】
ここで、フロート部材7と本体部3aとのXY方向のクリアランス19(
図2のB、C)は、例えば、0.3mm程度である。このため、フロート部材7は、本体部3aに対して、接続方向に対して垂直な全方向にクリアランス19に応じた範囲で移動することができる。また、接続方向(
図3のZ方向)に対しては、押圧機構25に抗してフロート部材7を本体部3aに対して押し込むことができるとともに、フロート部材7と本体部3aのZ方向のクリアランス19(
図3のD)に応じた範囲で、本体部3aに対して、フロート部材7の傾きを許容することができる。
【0035】
フロート部材7の後方には、第2の押圧機構である押圧機構25が配置される。すなわち、フロート機構は、フロート部材7を後方から押圧する押圧機構25を有する。押圧機構25は、例えばコイルバネであり、フロート部材7の後方に略均等な位置に複数配置される。例えば、フロート部材7の後方に所定の間隔で4カ所に配置される。押圧機構25によって、フロート部材7は、接続方向(
図3の下方)に向けて押圧される。この際、図示を省略したストッパによって、本体部3aの前方へのフロート部材7の抜け出しが規制される。
【0036】
フロントインサート1bは、電気接続端子5aと接続される第2の電気接続端子である電気接続端子5bと、嵌合ピン9が嵌合する嵌合ピン孔15と、フェルール11aと接続される第2の光接続フェルールであるフェルール11bとを有する。電気接続端子5bは、雌型の端子であり、フロントインサート1aの電気接続端子5aに対応する位置に配置される。また、嵌合ピン孔15は、フロントインサート1aの嵌合ピン9に対応する位置に配置される。
【0037】
また、フェルール11bは、フロントインサート1aのフェルール11aに対応する位置に配置される。この際、それぞれのフェルール11bには、フェルール11aの一組のガイドピン13が嵌合する一組のガイドピン孔17が配置される。ガイドピン孔17同士の間には、フェルール11bに収容される複数の光ファイバの端面が露出する。
【0038】
図5に示すように、それぞれのフェルール11bの後方には、接続方向に向けてフェルール11bを押圧する第1の押圧機構である押圧機構23bが配置される。押圧機構23bは、例えばコイルバネである。また、フェルール11bと押圧機構23bとの間には、押圧分散部材21bが配置される。押圧分散部材21bは、押圧分散部材21aと同様に、弾性変形及び塑性変形が少ない部材で構成され、例えば硬質樹脂製である。押圧分散部材21bの前面側は、フェルール11bの後面のほぼ全面と接触し、押圧分散部材21bの後面側の略中央部に押圧機構23bが接触する。
【0039】
次に、フロントインサート同士の接続方法について説明する。まず、
図6(a)に示すように、フロントインサート1a、1bを対向配置する。この際、嵌合ピン9と嵌合ピン孔15とを対向させることで、フェルール11a、11bが対向配置するとともに、図示しない電気接続端子5a、5bが対向配置する。
【0040】
この状態からフロントインサート1a、1bを近づけると、まず嵌合ピン9の先端が嵌合ピン孔15に挿入される。これにより、フロントインサート1a、1bの大まかな位置決めが可能である。さらにフロントインサート1a、1bを近づけると、電気接続端子5a、5b同士が嵌合して接続される。なお、電気接続端子5a、5b同士の嵌合には、高い精度は不要である。
【0041】
この状態からフロントインサート1a、1bをさらに近づけると、次に、フェルール11a、11b同士のガイドピン13がガイドピン孔17(
図4、
図5等参照)に挿入される。この際、フェルール11a、11bの接続には高い精度が必要であるが、ガイドピン13とガイドピン孔17を含むフェルール11a、11bを精度よく加工すればよいため、フロントインサート1a、1bの全体を高精度に加工する必要がない。また、嵌合ピン9と嵌合ピン孔15との嵌合と、電気接続端子5a、5bの嵌合が順次行われ、粗い位置合わせが可能であるため、ガイドピン13とガイドピン孔17の位置合わせが容易である。また、フロート部材7と本体部3aとの間にはクリアランスが形成されるため、ガイドピン13とガイドピン孔17の嵌合時の位置の微調整が可能である。
【0042】
フロート部材7は、後方から押圧機構25によって押圧される。このため、フロート部材7は、フロントインサート1bの接続面に押圧された状態で保持される。より詳細には、フロントインサート1a、1bを完全に接続すると、フロート部材7がフロントインサート1bの接続面に接触して、フロート部材7が押圧機構25に対抗して、フロントインサート1a(本体部3a)の後方にわずかに押し戻される。このため、確実にフロート部材7をフロントインサート1bへ押圧させた状態を維持することができ、フェルール11a、11b同士を接続することができる。
【0043】
また、フェルール11a、11bは、それぞれ後方から押圧機構23a、23bで押圧されるため、フェルール11a、11bの端面同士(端面に露出する光ファイバの端面同士)が押し付けあう。より詳細には、フロントインサート1a、1bを完全に接続すると、フェルール11a、11bの端面が接触して、互いに押圧機構23a、23bに対抗してわずかに押し戻される。このため、確実にフェルール11a、11b(光ファイバ)同士を接触させた状態が維持され、光接続することができる。
【0044】
なお、フェルール11a、11b同士を押し付け合うためには、それぞれの後方に押圧機構23a、23bを配置することが望ましいが、いずれか一方であってもよい。すなわち、フェルール11a又はフェルール11bの少なくとも一方の後方に、接続方向に向けてフェルール11a又はフェルール11bを押圧する押圧機構23a又は押圧機構23bを配置すればよい。
【0045】
ここで、フロート部材7を押圧する押圧機構25の押圧力は、フェルール11a、11b同士を押圧する押圧機構23a、23bの押圧力よりも大きくなるように設定される。例えば、フェルール11a、11bがそれぞれ二つ配置される場合には、押圧機構23a、23bも、それぞれ二つ配置される。また、フロート部材7を均等に押圧するため、押圧機構25は、例えば四つ配置される。この場合、二つの押圧機構23a、23bの押圧力の和よりも、四つの押圧機構25の押圧力の和が大きくなるように設定される。例えば、押圧機構23a、23bが1本あたり20Nのバネである場合には、2本で40Nとなり、押圧機構25が1本あたり15Nのバネである場合には、4本で60Nの押圧力となる。
【0046】
このようにすることで、フェルール11a、11b同士を押圧機構23a、23bで押圧した際に、フロート部材7が押し戻されてしまうことを抑制することができる。すなわち、押圧機構25は、常にフロントインサート1bへ押し付けられた状態となる。
【0047】
次に、フロントインサート1a、1bが収容された一対の光電コネクタの接続方法ついて説明する。
図7(a)は、少なくとも一端に光電コネクタ30a、30bがそれぞれ接続された光電コネクタ付きの光電気複合ケーブル41a、41bを対向して配置した図である。一対の光電コネクタは、互いに接続可能な接続部31a、31bをそれぞれ有する。
【0048】
光電コネクタ30a、30bの内部には、それぞれフロントインサート1a、1bが収容される。光電コネクタ30a、30bには、光電気複合ケーブル41a、41bが挿入され、挿入された光電気複合ケーブル41a、41bが、フロントインサート1a、1bに接続される。なお、本実施形態では、光電コネクタ30a、30bには、光電気複合ケーブル41a、41bが挿入される例を示すが、光ファイバケーブルおよび電気ケーブルを別々に挿入して、フロントインサート1a、1bに接続してもよい。すなわち、それぞれの光電コネクタ30a、30bに、光ファイバケーブルおよび電気ケーブル、または光電気複合ケーブルが挿入された際に、挿入された光ファイバケーブルおよび電気ケーブルまたは光電気複合ケーブルは、フロントインサート1a、1bに接続可能である。
【0049】
一方の光電コネクタ30aには、接続部31aが設けられる。接続部31aは、雌ねじを有し、接続部31aの先端側には接続方向に突出する嵌合部37aが設けられる。嵌合部37aの外周には、Oリング33が配置される。同様に、他方の光電コネクタ30bには、接続部31bが設けられる。接続部31bは、雄ねじを有し、接続部31bの内部には接続方向に凹形状の嵌合部37bが設けられる。嵌合部37aは嵌合部37bに挿入可能である。この際、Oリング33は、接続部31a(嵌合部37a)と接続部31b(嵌合部37b)との間の防水機構として機能する。
【0050】
図8(a)は、光電コネクタ30aの正面図である。光電コネクタ30aの接続部31aには、凸部39が設けられる。凸部39は、例えば、周方向に離間して複数個所に配置され、接続方向に沿って形成される。図示した例では、凸部39は、周方向に90度離間して2か所に配置される。
【0051】
図8(b)は、光電コネクタ30bの正面図である。光電コネクタ30bの接続部31bには、凹部35が設けられる。凹部35は、例えば、接続方向に沿って形成され、光電コネクタ30a、30bを対向配置した際に、凸部39に対応する位置に配置される。すなわち、凸部39と凹部35とは互いに嵌合可能なキーとキー溝として機能し、光電コネクタ30a、30bの接続時の周方向の位置決め機構として機能する。
【0052】
図7(b)は、光電コネクタ30a、30bを接続した状態を示す図である。まず、光電コネクタ30a、30bの凸部39と凹部35の位置を合わせて、凸部39と凹部35とを嵌合させながら嵌合部37aを嵌合部37bに挿入する。この状態で、本体部に対して独立して回転可能な接続部31aの雌ねじを接続部31bの雄ねじに螺合させて締めこむことで、光電コネクタ30a、30bが接続される。
【0053】
この状態において、嵌合部37a、37bの間でOリング33によって防水性が確保される。また、凸部39と凹部35との嵌合によって粗い位置決めがなされ、内部のフロントインサート1a、1bが接続される。この際、前述したように、フロントインサート1a、1bの接続時には、嵌合ピン9と嵌合ピン孔15の嵌合と電気接続端子5a、5bの嵌合によって位置決めがされた状態で、ガイドピン13とガイドピン孔17によって、フェルール11a、11b同士が精度よく位置決めされて光接続される。また、この状態において、押圧機構23a、23bによって確実にフェルール11a、11b(光ファイバ)同士を接触させることができる。
【0054】
次に、光電気複合ケーブル41a、41bの使用状態の一例について説明する。光電気複合ケーブル41a、41bは、例えば海洋等使用される曳航ケーブルとして使用可能である。曳航ケーブルは、使用時において接続部が水中に配置されるが、前述したように、嵌合部37a、37bに防水機構が形成されるため、光電コネクタ30a、30bの内部に水が浸入することを抑制することができる。
【0055】
ここで、このような曳航ケーブルは、船体から水中へ繰り出す際や船上に引き上げる際に、シーブに巻き付けられる。この際、光電気複合ケーブル41a、41bは可撓性を有するため、シーブに沿って湾曲するが、接続部(光電コネクタ30a、30b)自体は可撓性を有しないため、シーブに沿って曲げ力が付与される。
【0056】
図9(a)は、この状態を示す概念図であり、
図9(b)は、
図9(a)のF部拡大図である。光電コネクタ30a、30bがシーブ43を通過する際には、光電コネクタ30a、30bには、シーブ43による曲げの外側が開く方向(
図9(b)の矢印G方向)に力が付与される。前述したように、光電コネクタ30a、30bの本体やフロントインサート1a、1bの本体部3a、3bには、高い加工精度が要求されないため、このような力が付与されると、わずかなクリアランスによって、光電コネクタ30a、30b(フロントインサート1a、1b)の接続部がわずかに開く。
【0057】
図10は、この状態におけるフロントインサート1a、1bの断面図である。前述したように、光電コネクタ30a、30bの一方が開くように力が加わると、内部のフロントインサート1a、1bにも、同様の力が付与される。また、前述したように、電気接続端子5a、5bの接続は、雄端子と雌端子とが接触していればよいため、高い精度は不要である。このため、フロントインサート1a、1b同士が接続された状態でも、
図10に示すように、本体部3a、3bがわずかに傾いた状態(図中角度Hであって、例えば1~2度程度)となりうる。
【0058】
このように、本体部3a、3bがわずかに傾いたとしても、前述したように、電気接続端子5a、5b同士の接続は維持される。しかし、フェルール11a、11b同士の接続では、光の調心のわずかなずれや、光ファイバの端面同士の間にわずかに隙間が生じるだけでも、光接続を維持することができない。
【0059】
しかし、フロントインサート1aは、フェルール11aがフロート部材7に配置される。前述したように、フロート部材7は、本体部3aに対してクリアランス19に応じた範囲で移動可能である。また、フロート部材7の後方にもクリアランス19が形成されるため、フロート部材7は、本体部3aに対して斜めに傾くことも可能である。
【0060】
また、フロート部材7は、後方から押圧機構25によって押圧されているため、フロート部材7が本体部3aに対して傾いたとしても、フロート部材7は、フロントインサート1bの本体部3bに対して確実に押圧される。すなわち、フロート部材7とフロントインサート1bの本体部3bとは、本体部3aと本体部3bとの傾きによらずに、面接触した状態が維持される。また、フェルール11a、11bは、押圧機構23a、23bによって互いに押圧されているため、本体部3a、3b間に多少の隙間が生じても、フェルール11a、11b同士は、互いにまっすぐに押圧され、光接続を維持することができる。
【0061】
以上、本実施形態によれば、電気接続を行う電気接続端子5a、5bが配置された本体部3aに対して、位置や傾きのずれを吸収可能なフロート部材7にフェルール11a、11bを配置することで、高い精度が必要な部位のみを高精度に加工すればよいため、全体を高精度に加工する場合と比較して、加工コストを低減することができる。
【0062】
また、フロート部材7は、外周部だけではなく、後方にもクリアランスを有するため、本体部3aに対して傾きを許容することができる。また、フロート部材7が、押圧機構25によって接続方向に押圧されるため、フロート部材7は、接続対象となる本体部3bの端面に常に押し付けられた状態を維持することができる。この結果、本体部3aと本体部3bとが、接続方向に対して傾いた際にも、フロート部材7は、本体部3bに対して常にまっすぐな状態を維持し、フェルール11a、11bのずれ等を抑制することができる。
【0063】
また、フェルール11a、11bの後方に押圧機構23a、23bが配置されるため、フェルール11a、11b同士を押圧して、確実に光ファイバ同士を接触させることができる。この際、押圧機構23a、23bとフェルール11a、11bの間に、押圧分散部材21a、21bを配置することで、フェルール11a、11bの全体に対して略均等に押圧力を分散して付与することができる。
【0064】
また、一対の嵌合ピン9を結ぶ直線と、一対のガイドピン13を結ぶ直線とが直交するように配置することで、それぞれの嵌合による力がX方向及びY方向の両方にかかるので、互いに平行に配置するよりも嵌合状態をより安定させることができる。
【0065】
また、光電コネクタ30a、30bに防水機構を設けることで、光電コネクタ30a、30bが接続された光電コネクタ付きの光電気複合ケーブル41a、41bを例えば曳航ケーブルに利用することもできる。
【0066】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0067】
例えば、電気接続端子5a、5bや、フェルール11a、11bの数や配置は特に限定されない。また、電気接続端子5a、5b、又は嵌合ピン9及び嵌合ピン孔15は、フロントインサート1a、1bのいずれの側に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1a、1b………フロントインサート
3a、3b………本体部
5a、5b………電気接続端子
7………フロート部材
9………嵌合ピン
11a、11b………フェルール
13………ガイドピン
15………嵌合ピン孔
17………ガイドピン孔
19………クリアランス
21a、21b………押圧分散部材
23a、23b………押圧機構
25………押圧機構
30a、30b………光電コネクタ
31a、31b………接続部
33………Oリング
35………凹部
37a、37b………嵌合部
39………凸部
41a、41b………光電気複合ケーブル
43………シーブ