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特開2022-182089基板保持具、基板キャリア、成膜システム、及び電子デバイスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022182089
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】基板保持具、基板キャリア、成膜システム、及び電子デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20221201BHJP
   C23C 14/50 20060101ALI20221201BHJP
【FI】
H01L21/68 U
C23C14/50 B
C23C14/50 A
C23C14/50 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021089420
(22)【出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】591065413
【氏名又は名称】キヤノントッキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒井 由高
(72)【発明者】
【氏名】藤村 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】津田 健人
(72)【発明者】
【氏名】大島 義人
(72)【発明者】
【氏名】下村 嘉士
(72)【発明者】
【氏名】山本 真巨
(72)【発明者】
【氏名】本田 淳雄
(72)【発明者】
【氏名】小室 好民
(72)【発明者】
【氏名】関 義晴
【テーマコード(参考)】
4K029
5F131
【Fターム(参考)】
4K029AA09
4K029AA24
4K029BB03
4K029CA01
4K029HA01
4K029HA04
4K029JA01
4K029JA05
4K029KA02
5F131AA03
5F131AA12
5F131AA32
5F131BA01
5F131CA06
5F131CA09
5F131DA02
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB06
5F131DC22
5F131GA03
5F131GA22
5F131GA32
5F131GA42
5F131GA53
(57)【要約】

【課題】せん断方向の耐荷重と粘着耐荷重とを両立しながら基板を搬送するための技術を提供すること。
【解決手段】 鉛直方向下方で基板を保持して搬送するための基板キャリアに設けられる基板保持具は、基板に粘着する粘着面を有する第1の弾性体層と、基板キャリアの側の支持部材に接着され、粘着面と平行な方向における所定の大きさの力に対する変位量が第1の弾性体層より大きい第2の弾性体層と、第1及び第2の弾性体層の間に配され、第1の弾性体層の剛性及び第2の弾性体層の剛性のそれぞれより高い剛性を有する中間層と、を有する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向下方で基板を保持して搬送するための基板キャリアに設けられる基板保持具であって、
前記基板に粘着する粘着面を有する第1の弾性体層と、
前記基板キャリアの側の支持部材に接着され、前記粘着面と平行な方向における所定の大きさの力に対する変位量が前記第1の弾性体層より大きい第2の弾性体層と、
前記第1及び第2の弾性体層の間に配され、前記第1の弾性体層の剛性及び前記第2の弾性体層の剛性のそれぞれより高い剛性を有する中間層と、
を有することを特徴とする基板保持具。
【請求項2】
前記第1及び第2の弾性体層は同一の素材によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板保持具。
【請求項3】
前記第1及び第2の弾性体層はフッ素ゴムからなるエラストマーであることを特徴とする請求項1に記載の基板保持具。
【請求項4】
前記第1の弾性体層の積層方向における厚さは、前記第2の弾性体層の前記積層方向における厚さより小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板保持具。
【請求項5】
前記中間層はステンレスであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の基板保持具。
【請求項6】
前記第1および前記第2の弾性体層の少なくともいずれかのせん断力に対する剛性は10~30[N/mm]の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板保持具。
【請求項7】
鉛直方向下方で基板を保持して搬送するための基板キャリアに設けられる基板保持具であって、
前記基板に粘着する粘着面を有する第1の弾性体層と、
前記基板キャリアの側の支持部材に接着され、前記第1の弾性体層より厚い第2の弾性体層と、
前記第1及び第2の弾性体層の間に配され、前記第1の弾性体層の剛性及び前記第2の弾性体層の剛性のそれぞれより高い剛性を有する中間層と、を有する
ことを特徴とする基板保持具。
【請求項8】
前記第1及び第2の弾性体層は同一の素材によって構成されていることを特徴とする請求項7に記載の基板保持具。
【請求項9】
前記第1及び第2の弾性体層はフッ素ゴムからなるエラストマーであることを特徴とする請求項7に記載の基板保持具。
【請求項10】
前記中間層はステンレスであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の基板保持具。
【請求項11】
前記第1および前記第2の弾性体層の少なくともいずれかのせん断力に対する剛性は10~30[N/mm]の範囲内であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の基板保持具。
【請求項12】
載置された基板を保持して搬送する基板キャリアであって、
前記基板キャリアの基板保持面上の複数の位置のそれぞれに、請求項1乃至11の何れか1項に記載の基板保持具を備える
ことを特徴とする基板キャリア。
【請求項13】
請求項12に記載の基板キャリアと、
前記基板保持具に保持された基板に対して成膜処理を行う成膜装置と、を備える、
ことを特徴とする成膜システム。
【請求項14】
請求項12に記載の基板キャリアにより基板を保持する工程と、
前記基板保持具により保持された基板に対して成膜処理を行う工程と、
成膜処理が行われた後の基板を前記粘着面から剥離する工程と、を含む、
ことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板保持具、基板キャリア、成膜システム、及び電子デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、FPD(Flat Panel Display)産業においては、マザーガラスと呼ばれる大型ガラス基板から個々のディスプレイ用に複数のガラス基板に分割することで生産効率を向上する手法が利用されている。この手法では、需要に応じた単品パネルサイズを多面取りすることを前提に、例えば一辺2メートルを超えるマザーガラスに成膜等の製造プロセスが施され、分割され製品として加工される。一般に、マザーガラスの厚さは数ミリ未満であり、搬送や成膜など各種工程において破損や加工不良を防ぎながらマザーガラスをハンドリングすることが重要な課題となっている。
【0003】
製造プロセスにおけるマザーガラスの搬送方法として、基板支持部材(基板キャリア)と一体的に搬送する方法がある。基板キャリアによるマザーガラスの保持方法としては、外周部分をクランプ機構等によって支持する方法、静電チャックを用いる方法、磁気による吸着を用いる方法、粘着パッドのような粘着部材を用いる方法等が一般的である。
【0004】
粘着部材を用いて基板キャリアによってマザーガラスを保持することで、電源等が不要でコンパクトになり、磁力などによる影響を抑えて成膜などの工程を実行することができる。特許文献1には、薄板状ワークWの支持部位W2を基板キャリア1000で支持する一方、不支持部位W1を粘着部材2000で粘着した状態で吊り下げる形式でたわみを解消し、薄板状ワークWを平面状に保持することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2012/117509号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、成膜の均一性を保つために、粘着部材は画像表示領域を避けて面取り境界部位(額縁領域)に離散的に配置されることがある。このような場合、マザーガラスから大画面サイズを面取りする際には、大画面の中央部でガラスたわみが避けられず、額縁領域に配置する粘着部材にガラスの面に平行な大きなせん断力が負荷として作用する。そして、成膜などに伴うプロセス中の温度上昇に際し、粘着部材のせん断耐荷重が不足してマザーガラスが基板キャリアから剥がれ、製造に不具合を来たす場合がある。このため一連の製造プロセスサイクル中のマザーガラスの搬送のためには、粘着部材に作用するせん断力の低減、あるいは、粘着部材のせん断方向耐荷重(せん断方向粘着力)を向上することが必要である。
【0007】
本発明は、せん断方向の耐荷重と粘着耐荷重とを両立しながら基板を搬送するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の基板保持具によれば、
鉛直方向下方で基板を保持して搬送するための基板キャリアに設けられる基板保持具であって、
前記基板に粘着する粘着面を有する第1の弾性体層と、
前記基板キャリアの側の支持部材に接着され、前記粘着面と平行な方向における所定の大きさの力に対する変位量が前記第1の弾性体層より大きい第2の弾性体層と、
前記第1及び第2の弾性体層の間に配され、前記第1の弾性体層の剛性及び前記第2の弾性体層の剛性のそれぞれより高い剛性を有する中間層と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の基板保持装置によれば、せん断方向の耐荷重と粘着耐荷重とを両立しながら基板を搬送するための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る基板キャリアを示す平面模式図。
図2】本実施形態に係る基板キャリアを示す断面模式図。
図3】本実施形態に係る基板保持装置の粘着式基板保持具を示す図。
図4】本実施形態に係る基板キャリアに組み込まれた粘着式基板保持具を示す図。
図5】基板キャリアに保持されたガラス基板に作用する力を説明する図。
図6】本実施形態に係る基板キャリアにガラス基板を取り付け/取り外しする際のフローチャート。
図7】本実施形態に係る基板保持装置の動作説明図。
図8】本実施形態に係る基板保持装置の動作説明図。
図9】本実施形態に係る基板保持装置の動作説明図。
図10】本実施形態に係る基板保持装置の動作説明図。
図11】本実施形態に係る基板保持装置の反転装置の動作説明図。
図12】本実施形態に係る基板保持装置の成膜装置の動作説明図。
図13】本実施形態に係る基板保持装置の剥離時の動作説明図。
図14】本実施形態に係る基板保持装置の剥離時の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
本明細書における「粘着」とは、粘着性を有する粘着材料がガラス基板等の被着体表面に接触した場合に、粘着材料と、被着体表面との間における分子間力(ファンデルワールス力)によって生ずる性質をいう。
【0013】
また本実施形態に係る粘着式保持装置は、基板キャリアおよび基板保持方法、これらを用いた成膜装置および成膜方法、成膜済み基板を用いた電子デバイスの製造装置および電子デバイスの製造方法などに、好ましく適用できる。成膜方法は蒸着やスパッタリングなど方法を問わず、成膜材料や蒸着材料の種類を問わない。
【0014】
[第1実施形態]
近年、FPD産業では表示画像の高精細化が著しい。これに伴い、マザーガラス搬送に対する新たな要求が発生している。特許文献1において、基板キャリアで支持されない不支持部位は成膜等の後加工が必要な機能部であり、最終製品の画像表示領域に相当する場合が多い。特許文献1のように、不支持部位に粘着部材を取り付けて成膜すると熱伝導性能の部分的な差異が生じ、成膜の均一性が損なわれ、完成品パネルでの高精細な画像表示に影響する場合がある。そこで、粘着部材は画像表示領域を避けて面取り境界部位(額縁領域)に離散的に配置し、成膜の均一性を保つことが考えられる。しかしマザーガラスから大画面サイズを面取りする際には、大画面の中央部でガラスたわみが避けられず、額縁領域に配置する粘着部材にガラスの面に平行な大きなせん断力が負荷として作用する。そして、成膜などに伴うプロセス中の温度上昇に際し、粘着部材のせん断耐荷重が不足してマザーガラスが基板キャリアから剥がれ、製造に不具合を来たす場合がある。このため一連の製造プロセスサイクル中のマザーガラスの搬送のためには、粘着部材に作用するせん断力の低減、あるいは、粘着部材のせん断方向耐荷重(せん断方向粘着力)を増大することが必要である。
【0015】
粘着部材に対するせん断方向の負荷低減方法として、粘着剤層と剛性基材の組み合わせに、さらに緩衝層を設けて機能化することが考えられる。例えば、厚さ5~100μmの、特徴的な柔らかさを有する緩衝層が研削ステージ上の異物を吸収し、剛性基材が変形を遮断して粘着剤層に戴置したウエハ(ワーク)を凹凸なく保持可能である。加えて緩衝層の厚さを100μm未満とすることでワークに伝わる振動を抑制し、加工中に個片化されるチップの整列性を阻害しない機能を有する。
【0016】
本実施形態では、基板保持具せん断方向に対する剛性の低さと、吊り下げ方向の高い粘着力(粘着耐荷重)とを両立する基板保持具について説明する。
【0017】
図1図5を参照して、本実施形態に係る基板保持具及び基板保持具を装着した基板キャリア、および基板キャリアを用いたマザーガラス搬送方法について説明する。
【0018】
なお、本明細書では、基板キャリアおよびガラス基板の搬送方向をX方向、基板面内で搬送方向に直交する方向をY方向、基板面に垂直となる鉛直方向をZ方向と定める。
【0019】
<基板キャリア>
図1および図2を参照して基板キャリアについて説明する。図1は、本実施形態に係る粘着式保持具を設置する基板キャリアの平面模式図である。説明の便宜上、図1の縮尺については実際とは異なる場合がある。図2は本発明に係る基板キャリアの模式的断面図であり、図1の線A-A’を通るXZ平面での断面図である。なお、図1および図2では、配置関係を分かりやすくするために、一部の部品を点線で示す。
【0020】
図1に示す基板キャリア100は平板状部材110と、平板状部材110を支持する枠体115を備える。マザーガラス(ガラス基板)10を粘着式保持具120によって保持する保持面(以下、基板保持面110Xまたはガラス保持面110Xと称する)は、平板状部材110上に平面で構成される。また、平板状部材110には、面取りサイズの境界部に相当する部位に、ピン用貫通孔111が複数設けられている。図2に示すように、ピン用貫通孔111を介して基板保持面110Xに交差して鉛直方向(Z方向)に移動可能なピン240を上下動させることで、ガラス基板10を上下動させることができる。またピン用貫通孔111に隣接して保持具用貫通孔112も複数設けられている。粘着式保持具120は、保持具用貫通孔112に挿通して平板状部材110に取り付けられる基板保持具である。粘着式保持具120は、基板保持面110Xからの突出量を管理できるよう一定の範囲内で上下に移動可能な構成となっている。
【0021】
基板キャリア100にはさらに、平板状部材110がガラス基板10の周囲を支持するための支持具130を複数備えている。支持具130としては、クランプ機構など任意の公知技術を利用することができる。すなわち、ガラス基板10は、複数配置した粘着式保持具120および支持具130で基板保持面110Xに支持固定され、基板キャリア100と一体に搬送される。なお、平板状部材110の形状および寸法についてはガラス基板10の寸法、および面取りする単品サイズの寸法(成膜領域)に応じて適宜設定される。またピン用貫通孔111、保持具用貫通孔112、粘着式保持具120および支持具130の寸法、個数および配置も、ガラス基板10の寸法、および面取り寸法(成膜領域)に応じて適宜設定される。
【0022】
本実施形態では、ガラス基板10のうち、最終製品で画像表示領域となる領域には粘着式保持具120を配置せず、面取り境界部(額縁領域とも呼ぶ)にのみ配置する。このため、最低でも短辺の長さ以上離間して粘着式保持具120を配置することになり、不支持領域が大きくなる。
【0023】
<粘着式保持具>
次に、図3および図4を用いて本実施形態に係る粘着式保持具(基板保持具)の構造について説明する。本実施形態に係る粘着式保持具は、基板キャリアの基板保持面上に複数配置されることで、基板を保持する。
【0024】
図3は、本実施形態に係る粘着式保持具120を模式的に示したものである。粘着式保持具120は、金属製のシャフト126に接着されるエラストマーEB層125、変形遮断層124、エラストマーEA層123がZ方向で重なる、すなわち積層方向がZ方向となるように層構成されており、各層間には不図示の接着層が形成される。エラストマーEA層123は粘着面を有する弾性体層である。エラストマーEB層125は、金属製のシャフト126と変形遮断層124との間に配される弾性体層である。変形遮断層124は、エラストマーEA層123およびエラストマーEB層125より高い剛性を有し、エラストマーEA層123とエラストマーEB層125との間に配される中間層である。なお一例では、各エラストマー層は、真空下での製造プロセスでのアウトガスを考慮して、シロキサン結合を含まないフッ素ゴムによって構成される。また接着層を構成する材料も、真空下での製造プロセスに悪影響を及ぼすアウトガス成分を放出しない公知の接着剤、両面テープを使用することができる。本実施形態においては、シャフト126は外径が10mm(φ10)のステンレス製シャフトであり、後述するように基板キャリア100側の平板状部材110に固定されてエラストマーEB層125を支持する支持部材である。エラストマーEB層125、エラストマーEA層123はともにφ10で厚み0.5mmのフッ素ゴムである。また、変形遮断層124は、φ10で厚み1mmのステンレス製部品である。
【0025】
図4は、本実施形態に係る粘着式保持具120を基板キャリア100に取り付けた状態を示す模式図で、図1の破線B-B’を通るXZ平面での基板キャリア100および粘着式保持具120の断面図である。図4に示すように、粘着式保持具120は、シャフト126の被固定部127で保持具固定部材150と基板キャリア100とを一体化するように平板状部材110に固定される。保持具固定部材150と平板状部材110の固定手段はボルト等の不図示の公知手段を使用可能である。粘着式保持具120のエラストマーEA層123は、その上面が基板保持面110Xに平行かつ鉛直方向上方を向いた状態で、保持具用貫通孔112に挿通され、基板保持面110Xよりも僅かに鉛直方向上方に突出した状態とすることが好ましい。その突出量は粘着式保持具120を構成する部材のサイズや、材質の圧縮特性にもよるが、ガラス基板10の厚さ未満である。保持具用貫通孔112の径が大きいため、粘着式保持具120は鉛直方向の鉛直方向および水平方向の揺動が所定範囲内で許容されている。
【0026】
次に、図5を参照して本実施形態の粘着式保持具をさらに説明する。図5(A)は、平板状部材110に、一対の粘着式保持具120を設置し、ガラス基板10を吊り下げた状態(基板キャリア100を上下反転して基板保持面110Xが下方となった状態)を示す部分模式図あり、図1中の破線C-C’を通るXZ平面の断面図である。また図5(B)は、図5(A)の点枠部の部分拡大図である。
【0027】
図5(A)において、例えば、額縁領域に設置した一対の粘着式保持具120は互いに1050mm離間しており、ガラス基板10から所定のサイズの領域を面取りする場合に相当する。ガラス基板10はその自重により一対の粘着式保持具120の中間付近Mでたわみ、粘着式保持具120には、たわみに伴い、図5(A)で見てY方向に矢印で示すせん断力Fが作用する。トグル機構の考え方を適用すれば、せん断力Fは、ガラス面が成す角度θ、ガラス重量Gを用いて、(式1)のように簡易的に表すことができる。

ガラスを吊り下げる際、角度θは180度に近い値となるが、(式1)より角度θが小さいとせん断力Fの大きさが低減される。そこで、せん断剛性の小さい粘着部材を用いれば、ガラスたわみが相対的に大きくなり、角度θを小さくすることができる。せん断剛性は、基板保持面110Xに沿う方向に一定の力(せん断力)が印加されたときの、当該方向における変位量で表される。せん断剛性が高いほど、一定の力に対する変位量が小さくなる。一般に、せん断剛性は柔らかい材料で低下するため、粘着部材が同じ弾性体から構成される場合は、厚いほどせん断力の方向(Y軸方向)に粘着部材が動きやすくなる。一方、粘着部材と被着体の粘着力を、引き剥がす際に生じる応力に着目すれば、薄い粘着部材は変形が小さく(=接触界面での応力が小さい)、厚い粘着部材は変形が大きい(=接触界面での応力が大きい)。このため、薄い粘着部材は、厚い粘着部材に比べて、粘着力が大きいと考えられる。言い換えると、同一の素材を使用した場合、厚みが大きい場合にはせん断剛性および粘着力は小さくなり、厚みが小さい場合にはせん断剛性および粘着力は大きくなる。ここで、せん断剛性は、水平面(粘着面に対して水平な面)内の方向における所定のせん断力に対する変位の大きさを意味し、粘着力は、鉛直方向下方(吊り下げ方向)における耐荷重を意味する。
【0028】
本実施形態に係る粘着式保持具120は、粘着機能を有するエラストマーEA(粘着)層と、せん断剛性を小さくするエラストマーEB(緩和)層とに機能分離することで、せん断耐荷重の向上とせん断力の低減を両立することができる。すなわち、図5(B)に示すように、エラストマーEB層125はせん断力を受け持って変形し、ガラスたわみ量を増加してせん断力を緩和する。変形遮断層124はエラストマーEB層125の変形を遮断し、エラストマーEA層123はせん断力が緩和された状態でガラス基板10と粘着する。したがって大画面を面取りする場合でも、額縁領域の粘着式保持具120でガラス基板10を粘着保持し続けることができる。
【0029】
なお、ガラスに粘着するエラストマーEA層123の厚さT1と、シャフトに接するエラストマーEB層125の厚さT2はエラストマーの物性に応じて種々設定が可能である。一例では、粘着式保持具120の製造容易性を考慮して、エラストマーEA層123とエラストマーEB層125は同じ材質で構成した場合、T1≦T2の関係を満たすことがよい。
【0030】
なお、また、せん断方向の力に対するエラストマーEA層123の粘着面の変位量が、エラストマーEB層125の変位量に比べて小さければよく、一例では、エラストマーEA層123とエラストマーEB層125とは、同じ材質で構成し、形状を変えることでせん断力に対する変位量が調整されてもよい。一例では、エラストマーEA層123とエラストマーEB層125とは同じ厚みだが、エラストマーEB層125の口径がエラストマーEA層123の後継より小さくすることでせん断力に対してエラストマーEB層125の変位量の方が大きくするようにしてもよい。また、せん断力に対してエラストマーEB層125の変位量の方が大きくするようにエラストマーEB層125をスポンジ状とするなど、任意の構造を適用することができる。
【0031】
また粘着式保持具120を構成するエラストマーEA層123、エラストマーEB層125は、構造中にシロキサン結合を含まないフッ素ゴムであることが好ましく、変形遮断層124はステンレスであることが好ましい。さらに、本実施形態に係る粘着式保持具120を構成するエラストマーEA層123、エラストマーEB層125は、ガラス基板10のたわみに起因するせん断力を緩和するために、せん断剛性が10~30[N/mm]であることが好ましい。
【0032】
ここで、エラストマーEA層123とエラストマーEB層125との材料および一定のせん断力に対する変位量にかかわらず、エラストマーEA層123の厚さT1よりも、エラストマーEB層125の厚さT2が大きいという関係を満たすことで、エラストマーEA層123の粘着面が十分な粘着力を維持し、かつ、せん断力による剥離を低減することができる。この場合、エラストマーEA層123とエラストマーEB層125とがそれぞれ弾性を示す限り、エラストマーEA層123とエラストマーEB層125との一定のせん断力に対する変位量の関係は限定されない。例えば、一定のせん断力に対して、エラストマーEA層123の変位量がエラストマーEB層125の変位量よりも大きくてもよい。エラストマーEA層123が薄いことで、粘着力を向上することができ、エラストマーEB層125が厚いことで、せん断力の緩和が可能だからである。
【0033】
<加工処理>
マザーガラスの加工処理は、図6(A)および図6(B)に示すフローチャートのように、マザーガラス保持工程S601、反転工程S602、マスク保持工程S603、成膜工程S604、剥離工程S605を含み、これら一連の工程は真空雰囲気下で行われる。マザーガラス保持工程S601はさらに、準備工程S611、戴置工程S612、粘着工程S613を含む。以下順を追って本実施形態に係る粘着式保持具120を用いたマザーガラスの加工処理について記す。
【0034】
<<マザーガラス保持工程(S601)>>
S601では、図7に示す基板保持装置700にて、ガラス基板10が基板キャリア100に保持される。図7に示す基板保持装置700は、基板保持室(第1のチャンバ)R1および、ガラス基板10をZ方向に上下動させるピンユニット200(基板移動機構)、ガラス基板10を押圧する押圧ユニット400、基板キャリア100を支持する支持台500を備える。
【0035】
基板キャリア100は支持台500に支持され、基板キャリア100の平板状部材110の基板保持面110Xが水平面と平行となるように構成されている。なお、図7においては、ピン240、押圧ユニット400を上下動させる機構としてボールネジ機構を採用する場合を示すが、ラックアンドピニオン方式などその他の公知技術も採用してもよい。
【0036】
ピンユニット200は、モータ210と、モータ210により回転するネジ軸220と、ネジ軸220の回転動作に伴ってネジ軸220に沿って上下動するナット部230と、ナット部230に固定されナット部230とともに上下動するピン240とを備える。ナット部230の内周面と、ネジ軸220の外周面との間には、複数のボールが無限循環するように構成されている。
【0037】
押圧ユニット400は、モータ410と、モータ410により回転するネジ軸420と、ネジ軸420の回転動作に伴ってネジ軸420に沿って上下動するナット部430と、ナット部430に固定され、ナット部430とともに上下動する軸部440と、軸部440の先端に設けられる押圧部450とを備える。なお、ナット部430の内周面とネジ軸420の外周面との間には、複数のボールが無限循環するように構成されている。押圧部450は、それぞれが複数の粘着式保持具120のそれぞれに対応するように、複数設けられている。
【0038】
基板保持室R1は、基板処理領域A1と、第1駆動源配置領域A2と、第2駆動源配置領域A3に区画される。基板処理領域A1を介して、鉛直方向下方に第1駆動源配置領域A2が設けられ、鉛直方向上方に第2駆動源配置領域A3が設けられる。基板処理領域A1には、基板キャリア100などが配される。そして、第1駆動源配置領域A2には、ピンユニット200におけるモータ210などが配され、第2駆動源配置領域A3には、押圧ユニット400におけるモータ410などが配される。この構成により、モータ210、410の回転によって発生する異物や、ボールネジの摺動部で発生する異物が、基板処理領域A1に侵入することを抑制できる。なお、領域A1、A2、A3すべてを基板保持室R1の真空雰囲気内に配置せず、例えば、基板処理領域A1を基板処理領域R1の真空雰囲気内に配置し、第1駆動源配置領域A2および第2駆動源配置領域A3は大気雰囲気下に配置しても良い。
【0039】
またガラス基板10をZ軸方向に上下動させるピン240を駆動するピンユニット200、押圧部450を駆動する駆動ユニット400は、それぞれ制御ライン201、401によってコントローラ720へと接続され、コントローラ720が制御プログラムを実行することによって制御される。以下その制御について説明する。電源ユニット710はシステムの各部に電源を供給する。
【0040】
<<<準備工程(S611)>>>
ガラス基板10が基板キャリア100に載置される前の準備状態では、ピン240および押圧部450はいずれも鉛直方向最上方の位置で待機している。この状態では、ピン240は基板キャリア100における平板状部材110のピン用貫通孔111から基板保持面110Xよりも鉛直方向上方に飛び出した状態となっている。粘着式保持具120のエラストマーEA層は、図4のように基板保持面110Xよりも僅かに突出して平板状部材110に固定されている。また、押圧部450は、基板キャリア100から離間している。この状態で、基板保持室R1の基板処理領域A1に不図示の機構を用いてガラス基板10が搬入されると、図7に示すようにガラス基板10は複数のピン240の上に戴置される。
【0041】
<<<戴置工程(S612)>>>
モータ210によって、ピン240が鉛直方向下方に移動すると、ピン240の先端は平板状部材110のピン用貫通孔111を貫通して基板保持面110Xとは反対側の面よりも鉛直方向下方に移動する。その結果、ガラス基板10は粘着式保持具120のエラストマーEA層123に接する状態となる。
【0042】
図8は、ピン240が下方に移動し、ガラス基板10が粘着式保持具120のエラストマーEA層123に接する状態を示している。なおガラス基板10から大画面のディスプレイを面取りする場合には、図1のように、画像表示領域に相当するガラス面に粘着式保持具120が存在しない状態となっている。これによって、粘着式保持具120の表面に粉塵などが付着している場合に、粉塵などによって画像表示領域に相当するガラス面にキズが発生することを防ぐことができる。また、ピン240の下方への移動に伴い、ガラス基板10にうねりが残る場合があるが、ピン240の下方への移動を調整することでガラス基板10のうねりを低減することが可能である。
【0043】
<<<粘着工程(S613)>>>
次に、S613で押圧機構を用いてガラス基板10を押圧する。モータ410によって、押圧部450が鉛直方向下方に移動させることで、粘着式保持具120のエラストマーEA層123とマザーガラスとの接触面を十分に確保することができる。この際、複数の押圧部450を同時にマザーガラスに押圧するのではなく、押圧領域が、特定の開始点から特定の終了地点に向かって徐々に変化するように制御しても良い。例えば、ガラス基板10の長手方向中央部から押圧を開始して、両端部に向かって順次押圧されるように制御する。これによって、ガラス基板10にうねりが発生することを防ぐことができる。図9は、押圧部450が下方に移動し、平板状部材110からわずかに突出した粘着式保持具120のエラストマーEA層123に、ガラス基板10が接触して粘着した状態を示している。
【0044】
その後、図10に示すようにモータ410によって、押圧部450は鉛直方向上方に移動する。支持具130によってガラス基板10の周囲が基板キャリア100に固定され、エラストマーEA層123との接触面を十分に確保した状態となる。こうして、ガラス基板10は基板キャリア100と一体化し、基板保持室R1から搬出前の工程を完了する。
【0045】
<<反転工程(S602)>>
図11(A)および図11(B)は、反転装置の断面模式図である。反転装置は反転室R2を備え、基板キャリア100を保持する保持部材610と、保持部材610に固定される回転軸620と、回転軸620を回転させるモータ630と、回転軸620を軸支持する支持部材640とを備えている。
【0046】
図11(A)のように、ガラス基板10と一体化した基板キャリア100は、不図示の機構により基板保持室R1から反転室R2に搬送され、保持部材610により保持される。その後、基板キャリア100は180度回転し、図11(B)のようにマザーガラスが基板キャリアに対して鉛直方向下方に向いた(吊り下げた)状態となる。大画面を面取りする場合には、粘着式保持具120で保持されない部位のマザーガラスに鉛直方向下方へのたわみが生じる。本実施形態に係る粘着式保持具120は、エラストマーEB層を有し、せん断剛性が低いため、たわみを起因とするせん断力を低減してガラス基板10を継続して安定的に保持可能である。
【0047】
<<マスク保持工程(S603)>>
ガラス基板10を保持した基板キャリア100は、反転室R2からアライメント室に搬送される。アライメント室に待機するマスク20とガラス基板10とを位置合わせし、基板キャリアはマスクの上方にアライメントされた状態で戴置される。基板キャリア100をマスク20と固定する場合には、例えば、電磁石等の磁気を利用する手段や、クランプなどのメカ的な機構を採用することができる。また、基板キャリア100をマスク20と固定せず、ローラ等の搬送用部材上にあるマスク20の上に基板キャリアを載せ、搬送用部材の上を一体的に移動させることも可能である。
【0048】
<<成膜工程(S604)>>
図12は成膜装置の一例として、蒸着装置の概略を示した断面模式図である。蒸着装置は、成膜室R3を備えており、内部に蒸発源30が設置してある。ガラス基板10およびマスク20を一体的に保持した基板キャリア100は、アライメント室から成膜室R3に搬送される。蒸発源30から成膜材料が蒸発または昇華している空間を、基板キャリア100が通過することで、ガラス基板10に薄膜が形成される。なお複数の成膜室を設けてそれぞれに異なる成膜材料を放出する成膜源を配置し、基板キャリア100が順次搬送され複数種類の薄膜をガラス基板10に順次成膜する構成も採用できる。成膜が終了すると、ガラス基板10に組み合わされたマスク20が取り外される。または、別のマスクを再度組み合わせて成膜工程を繰り返す場合もある。
【0049】
<<剥離工程(S605)>>
成膜工程S604が完了し、マスクが取り外されたのちマザーガラスが剥離される。図13(A)および図13(B)は、マザーガラス剥離装置の概略を示す断面模式図である。マザーガラス剥離装置は、マザーガラス剥離室R4を備えている。マザーガラス剥離装置は、基板保持装置と同様に、ガラス基板10を上下動させるためのピンユニット200と、支持台500とを備えている。成膜室R3からマザーガラス剥離室R4に搬送された基板キャリア100は、図13(A)のように支持具130が解除される。その後、モータ210によって、図13(B)のようにピン240が鉛直方向上方に移動し、ガラス基板10は複数のピン240によって持ち上げられて、基板キャリア100から離間する。その後、ガラス基板10はマザーガラス剥離室R4から搬出される。
【0050】
なお、ピン240によってガラス基板10を基板キャリア100から鉛直方向上方へと離間させる際、粘着式保持具120による粘着力を減少させてガラス基板10を基板キャリア100から剥離することを容易にするために、粘着式保持具120を制御する機構が設けられている。図14に示すように、粘着式保持具120は、ガラス基板10を粘着している際はシャフト126が直線Lで示す鉛直方向と水平にロックされているが、ガラス基板10を基板キャリアから離間させる際には、制御部材28によってシャフト126を矢印D1方向に押圧し、シャフト126を矢印D2で示すように所定の角度、傾動可能な構造になっている。この際、D1方向への押圧力は、粘着式保持部120のせん断方向における耐荷重より大きい力であることが好ましい。これによって、粘着式保持具120の粘着面に対して係る圧力を偏らせ、ガラス基板10を粘着式保持具120から剥離しやすくすることができる。
【0051】
以上、説明したように、本実施形態によれば、基板キャリアに対してマザーガラスを粘着保持する粘着式保持具120を、剥離に対して強い粘着力を得る部分(同じ素材なら厚みが小さい層)と、せん断力を緩和するせん断剛性の小さい部分(同じ素材なら厚みが大きい層)を、剛性の大きい中間層(変形遮断層)によって分離した形で積層している。これによって、マザーガラスの重量に対してこれを確実に保持する強い粘着力と、ガラスのたわみに起因するせん断力に対する剥離防止との両方を適正に実現することが可能となる。
【0052】
<その他の実施形態>
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0053】
10:マザーガラス、20:マスク、30:蒸発源、100:基板キャリア、110:平板状部材、110X:基板保持面、111:ピン用貫通孔、112:保持具用貫通孔、115:枠体、120:粘着式保持具、123:エラストマーEA(粘着)層、124:変形遮断層、125:エラストマーEB(緩和)層、126:シャフト、127:被固定部、130:支持具、150:保持具固定部材、200:ピンユニット、210:モータ、220:ネジ軸、230:ナット部、240:ピン、400:押圧ユニット、410:モータ、420:ネジ軸、430:ナット部、440:軸部、450:押圧部、500:支持台、610:保持部材、620:回転軸、630:モータ、640:支持部材、710:電源、720:制御部、A1:基板処理領域、A2:第1駆動源配置領域、A3:第2駆動源配置領域、R1:基板保持室、R2:反転室、R3:成膜室、R4:マザーガラス剥離室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14