(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183335
(43)【公開日】2022-12-08
(54)【発明の名称】プログラム、コンピュータシステム、サーバシステム及びゲーム実行制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/65 20140101AFI20221201BHJP
A63F 13/216 20140101ALI20221201BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20221201BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20221201BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20221201BHJP
【FI】
A63F13/65
A63F13/216
A63F13/58
A63F13/35
A63F13/69
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168522
(22)【出願日】2022-10-20
(62)【分割の表示】P 2018066223の分割
【原出願日】2018-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】中下 勝利
(57)【要約】
【課題】位置情報取得機能を有するコンピュータで実行されるゲームとして、プレーヤの移動の内容そのものに着目した新たなゲームを提供すること。
【解決手段】プレーヤ3は、実空間の位置P1にてゲーム内でタマゴ10を孵化装置12にセットする。そして、ゲーム装置1000を携帯して位置P2まで移動した後、ゲーム内で孵化装置12を開封する。すると、タマゴ10が孵化して孵化装置12から新たなキャラクタ14が出現する。タマゴ10から出現するキャラクタ14の種類は、移動の始点位置P1、及び、終点位置P2それぞれに設定されている属性の組み合わせによって決まる。また、位置P1から位置P2までの移動距離や移動に要した経過時間に応じて、キャラクタ14のパラメータ値が可変に設定される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報取得機能を有するコンピュータにゲームを実行させるためのプログラムであって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定手段、
プレーヤの移動の始点となる第1位置の複数の候補である第1位置候補群の中から前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に適合する第1位置候補を選択して前記第1位置を決定する第1位置決定手段、
前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定手段、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定手段、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記移動距離判定手段は、前記第1位置と前記第2位置との間の距離を前記移動距離として判定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記移動距離判定手段は、前記第1位置が決定されてから前記第2位置が決定されるまでの間の位置変化を累積した距離を前記移動距離として判定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1位置決定手段は、前記プレーヤによる第1の指示操作がなされたときの前記取得位置情報に基づいて前記第1位置を決定する、
請求項1~3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2位置決定手段は、前記プレーヤによる第2の指示操作がなされたときの前記取得位置情報に基づいて前記第2位置を決定する、
請求項1~4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
位置情報取得機能を有するコンピュータにゲームを実行させるためのプログラムであって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定手段、
プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定手段、
前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定手段、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定手段、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記第1位置決定手段は、前記第1位置となり得る複数の候補であり、各候補に属性が設定された第1位置候補群の中から第1位置候補を選択することで前記第1位置を決定し、
前記パラメータ値設定手段は、前記第1位置として選択された第1位置候補に設定された属性を更に用いて前記パラメータ値を設定する、
プログラム。
【請求項7】
位置情報取得機能を有するコンピュータにゲームを実行させるためのプログラムであって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定手段、
前記プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定手段、
前記移動の終点となる第2位置の複数の候補である第2位置候補群の中から前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に適合する第2位置候補を選択して前記第2位置を決定する第2位置決定手段、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定手段、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項8】
位置情報取得機能を有するコンピュータにゲームを実行させるためのプログラムであって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定手段、
プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定手段、
前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定手段、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定手段、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記第2位置決定手段は、前記第2位置となり得る複数の候補であり、各候補に属性が設定された第2位置候補群の中から第2位置候補を選択することで前記第2位置を決定し、
前記パラメータ値設定手段は、前記第2位置として選択された第2位置候補に設定された属性を更に用いて前記パラメータ値を設定する、
プログラム。
【請求項9】
位置情報取得機能を有するコンピュータにゲームを実行させるためのプログラムであって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定手段、
プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定手段、
前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定手段、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定手段、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段、
前記第2位置決定手段による前記第2位置の決定の後に、前記パラメータ値設定手段により設定されたパラメータ値を有する前記対象キャラクタを、新規に前記プレーヤに付与する新規キャラクタ付与手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
位置情報取得機能を有するプレーヤが携帯可能な電子機器、或いは、前記電子機器と通信接続されるサーバシステム、であるコンピュータシステムであって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定手段、
プレーヤの移動の始点となる第1位置の複数の候補である第1位置候補群の中から前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に適合する第1位置候補を選択して前記第1位置を決定する第1位置決定手段と、
前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定手段と、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定手段と、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段と、
を備えたコンピュータシステム。
【請求項11】
位置情報取得機能を有するプレーヤが携帯可能な電子機器、或いは、前記電子機器と通信接続されるサーバシステム、であるコンピュータシステムであって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定手段、
前記プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定手段と、
前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定手段と、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定手段と、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段と、
を備え、
前記第1位置決定手段は、前記第1位置となり得る複数の候補であり、各候補に属性が設定された第1位置候補群の中から第1位置候補を選択することで前記第1位置を決定し、
前記パラメータ値設定手段は、前記第1位置として選択された第1位置候補に設定された属性を更に用いて前記パラメータ値を設定する、
コンピュータシステム。
【請求項12】
位置情報取得機能を有するプレーヤが携帯可能な電子機器、或いは、前記電子機器と通信接続されるサーバシステム、であるコンピュータシステムであって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定手段、
前記プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定手段と、
前記移動の終点となる第2位置の複数の候補である第2位置候補群の中から前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に適合する第2位置候補を選択して前記第2位置を決定する第2位置決定手段と、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定手段と、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段と、
を備えたコンピュータシステム。
【請求項13】
位置情報取得機能を有するプレーヤが携帯可能な電子機器、或いは、前記電子機器と通信接続されるサーバシステム、であるコンピュータシステムであって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定手段、
前記プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定手段と、
前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定手段と、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定手段と、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段と、
を備え、
前記第2位置決定手段は、前記第2位置となり得る複数の候補であり、各候補に属性が設定された第2位置候補群の中から第2位置候補を選択することで前記第2位置を決定し、
前記パラメータ値設定手段は、前記第2位置として選択された第2位置候補に設定された属性を更に用いて前記パラメータ値を設定する、
コンピュータシステム。
【請求項14】
位置情報取得機能を有するプレーヤが携帯可能な電子機器、或いは、前記電子機器と通信接続されるサーバシステム、であるコンピュータシステムであって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定手段、
前記プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定手段と、
前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定手段と、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定手段と、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段と、
前記第2位置決定手段による前記第2位置の決定の後に、前記パラメータ値設定手段により設定されたパラメータ値を有する前記対象キャラクタを、前記プレーヤに新規に付与する新規キャラクタ付与手段と、
を備えたコンピュータシステム。
【請求項15】
位置情報取得機能を有する第1プレーヤ端末および第2プレーヤ端末と通信接続されるサーバシステムであって、
前記第1プレーヤ端末の位置情報取得機能による取得位置情報を用いて第1プレーヤの移動距離を判定する第1プレーヤ移動距離判定手段と、
前記第2プレーヤ端末の位置情報取得機能による取得位置情報を用いて第2プレーヤの移動距離を判定する第2プレーヤ移動距離判定手段と、
所与の対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも、前記第1プレーヤと当該対象キャラクタとが関連付けられた場合の当該第1プレーヤの移動距離および前記第2プレーヤと当該対象キャラクタとが関連づけられた場合の当該第2プレーヤの移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段と、
前記パラメータ値設定手段により設定されたパラメータ値を有する前記対象キャラクタを、前記第1プレーヤおよび/又は前記第2プレーヤに新規に付与する新規キャラクタ付与手段と、
を備えたサーバシステム。
【請求項16】
位置情報取得機能を有する各プレーヤのプレーヤ端末と通信接続されるサーバシステムであって、
前記プレーヤ端末それぞれの位置情報取得機能による取得位置情報を用いて当該プレーヤ端末のプレーヤの移動距離を判定するプレーヤ移動距離判定手段と、
所与の対象キャラクタと関連付ける前記プレーヤをリレー形式で変更する場合に、当該対象キャラクタと関連付けられたプレーヤの当該対象キャラクタと関連付けられている間の移動距離の合計を用いて、当該対象キャラクタのパラメータ値を可変に設定するパラメータ値設定手段と、
を備えたサーバシステム。
【請求項17】
位置情報取得機能を有するプレーヤが携帯可能な電子機器、或いは、前記電子機器と通信接続されるサーバシステム、であるコンピュータシステムが行うゲーム実行制御方法であって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定ステップと、
前記プレーヤの移動の始点となる第1位置の複数の候補である第1位置候補群の中から前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に適合する第1位置候補を選択して前記第1位置を決定する第1位置決定ステップと、
前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定ステップと、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定ステップと、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定ステップと、
を含むゲーム実行制御方法。
【請求項18】
位置情報取得機能を有するプレーヤが携帯可能な電子機器、或いは、前記電子機器と通信接続されるサーバシステム、であるコンピュータシステムが行うゲーム実行制御方法であって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定ステップと、
前記プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定ステップと、
前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定ステップと、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定ステップと、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定ステップと、
を含み、
前記第1位置決定ステップは、前記第1位置となり得る複数の候補であり、各候補に属性が設定された第1位置候補群の中から第1位置候補を選択することで前記第1位置を決定することを含み、
前記パラメータ値設定ステップは、前記第1位置として選択された第1位置候補に設定された属性を更に用いて前記パラメータ値を設定することを含む、
ゲーム実行制御方法。
【請求項19】
位置情報取得機能を有するプレーヤが携帯可能な電子機器、或いは、前記電子機器と通信接続されるサーバシステム、であるコンピュータシステムが行うゲーム実行制御方法であって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定ステップと、
前記プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定ステップと、
前記移動の終点となる第2位置の複数の候補である第2位置候補群の中から前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に適合する第2位置候補を選択して前記第2位置を決定する第2位置決定ステップと、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定ステップと、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定ステップと、
を含むゲーム実行制御方法。
【請求項20】
位置情報取得機能を有するプレーヤが携帯可能な電子機器、或いは、前記電子機器と通信接続されるサーバシステム、であるコンピュータシステムが行うゲーム実行制御方法であって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定ステップと、
前記プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定ステップと、
前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定ステップと、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定ステップと、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定ステップと、
を含み、
前記第2位置決定ステップは、前記第2位置となり得る複数の候補であり、各候補に属性が設定された第2位置候補群の中から第2位置候補を選択することで前記第2位置を決定することを含み、
前記パラメータ値設定ステップは、前記第2位置として選択された第2位置候補に設定された属性を更に用いて前記パラメータ値を設定することを含む、
ゲーム実行制御方法。
【請求項21】
位置情報取得機能を有するプレーヤが携帯可能な電子機器、或いは、前記電子機器と通信接続されるサーバシステム、であるコンピュータシステムが行うゲーム実行制御方法であって、
所与の対象キャラクタを設定する対象キャラクタ設定ステップと、
前記プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定ステップと、
前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定ステップと、
前記第1位置と前記第2位置との間の移動距離を判定する移動距離判定ステップと、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定ステップと、
前記第2位置決定ステップでの前記第2位置の決定の後に、前記パラメータ値設定ステップで設定されたパラメータ値を有する前記対象キャラクタを、前記プレーヤに新規に付与する新規キャラクタ付与ステップと、
を含むゲーム実行制御方法。
【請求項22】
位置情報取得機能を有する第1プレーヤ端末および第2プレーヤ端末と通信接続されるサーバシステムが行うゲーム実行制御方法であって、
前記第1プレーヤ端末の位置情報取得機能による取得位置情報を用いて第1プレーヤの移動距離を判定する第1プレーヤ移動距離判定ステップと、
前記第2プレーヤ端末の位置情報取得機能による取得位置情報を用いて第2プレーヤの移動距離を判定する第2プレーヤ移動距離判定ステップと、
所与の対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも、前記第1プレーヤと当該対象キャラクタとが関連付けられた場合の当該第1プレーヤの移動距離および前記第2プレーヤと当該対象キャラクタとが関連づけられた場合の当該第2プレーヤの移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定ステップと、
前記パラメータ値設定ステップで設定されたパラメータ値を有する前記対象キャラクタを、前記第1プレーヤおよび/又は前記第2プレーヤに新規に付与する新規キャラクタ付与ステップと、
を含むゲーム実行制御方法。
【請求項23】
位置情報取得機能を有する各プレーヤのプレーヤ端末と通信接続されるサーバシステムが行うゲーム実行制御方法であって、
前記プレーヤ端末それぞれの位置情報取得機能による取得位置情報を用いて当該プレーヤ端末のプレーヤの移動距離を判定するプレーヤ移動距離判定ステップと、
所与の対象キャラクタと関連付ける前記プレーヤをリレー形式で変更する場合に、当該対象キャラクタと関連付けられたプレーヤの当該対象キャラクタと関連付けられている間の移動距離の合計を用いて、当該対象キャラクタのパラメータ値を可変に設定するパラメータ値設定ステップと、
を含むゲーム実行制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報取得機能を有するコンピュータにゲームを実行させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型ゲーム装置やプレーヤ端末等の携帯可能なコンピュータで実行されるゲームとして、当該装置が有する位置情報取得機能によって取得された位置情報を利用する、いわゆる位置情報ゲームと呼ばれるゲームが良く知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の位置情報ゲームは、あくまでもゲーム装置の位置(つまり、これを携帯するプレーヤの位置)がどこであるかに着目した仕組みとなっており、プレーヤの移動そのものに着目し、移動の内容によって結果が変化するようなゲームは知られていない。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みて考案されたものであり、その目的とするところは、プレーヤの移動の内容そのものに着目した新たなゲームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、
位置情報取得機能を有するコンピュータにゲームを実行させるためのプログラム(例えば、
図6のゲームプログラム302)であって、
所与の対象キャラクタを設定するプレーヤの設定操作に基づいて、前記プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定手段(例えば、
図6の第1位置決定部222)、
前記対象キャラクタの設定を解除する前記プレーヤの操作に基づいて、前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定手段(例えば、
図6の第2位置決定部224)、
前記第1位置と前記第2位置とに基づく移動距離を判定する移動距離判定手段(例えば、
図6の移動距離判定部226)、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段(例えば、
図6のパラメータ値設定部230)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0007】
他の発明として、
位置情報取得機能を有するゲーム装置であって、
所与の対象キャラクタを設定するプレーヤの設定操作に基づいて、前記プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定手段と、
前記対象キャラクタの設定を解除する前記プレーヤの操作に基づいて、前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定手段と、
前記第1位置と前記第2位置とに基づく移動距離を判定する移動距離判定手段と、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段と、
を備えたゲーム装置を構成しても良い。
【0008】
更なる他の発明として、
位置情報取得機能を有するプレーヤ端末と通信接続されるサーバシステムであって、
前記プレーヤ端末における所与の対象キャラクタを設定するプレーヤの設定操作に基づいて、前記プレーヤの移動の始点として前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する第1位置決定手段と、
前記プレーヤ端末における前記対象キャラクタの設定を解除する前記プレーヤの操作に基づいて、前記移動の終点として、前記位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する第2位置決定手段と、
前記第1位置と前記第2位置とに基づく移動距離を判定する移動距離判定手段と、
前記対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段と、
を備えたサーバシステムを構成しても良い。
【0009】
第1の発明等によれば、位置情報取得機能による取得位置情報を用いて判定したプレーヤの移動距離によって、対象キャラクタのパラメータ値が可変に設定されるといった、プレーヤの移動の内容に着目した新たなゲームを実現できる。特に、対象キャラクタを設定するプレーヤの設定操作に基づいて、プレーヤの移動の始点となる第1位置が決定され、対象キャラクタの設定を解除するプレーヤの操作に基づいて、移動の終点となる第2位置が決定されて、その第1位置と第2位置とに基づく移動距離に基づいて、対象キャラクタのパラメータ値が設定される。このため、いつどこで対象キャラクタの設定操作をするか、解除操作をするか、そして、その移動距離はどの程度かによって、対象キャラクタのパラメータ値が変化し得るため、従来のゲームにない興趣性が得られる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明のプログラムであって、
前記移動距離判定手段は、前記第1位置と前記第2位置との間の距離を前記移動距離として判定する、
プログラムである。
【0011】
第2の発明によれば、第1位置と第2位置との間の距離が移動距離として判定される。
【0012】
第3の発明は、第1の発明のプログラムであって、
前記移動距離判定手段は、前記第1位置が決定されてから前記第2位置が決定されるまでの間の位置変化を累積した距離を前記移動距離として判定する、
プログラムである。
【0013】
第3の発明によれば、第1位置が決定されてから第2位置が決定されるまでの間の位置変化を累積した距離が、移動距離として判定される。つまり、第1位置から第2位置までのプレーヤの実際の移動経路に沿った距離を、移動距離として判定するので、プレーヤが実際に“移動した”という感覚を、より正確に反映することが可能となる。
【0014】
第4の発明は、第1~第3の何れかの発明のプログラムであって、
前記第1位置決定手段は、前記プレーヤによる第1の指示操作がなされたときの前記取得位置情報に基づいて前記第1位置を決定する、
プログラムである。
【0015】
第4の発明によれば、プレーヤによる第1の指示操作がなされたときの取得位置情報に基づいて第1位置が決定されるので、プレーヤが、移動の始点を指示することができる。
【0016】
第5の発明は、第1~第4の何れかの発明のプログラムであって、
前記第2位置決定手段は、前記プレーヤによる第2の指示操作がなされたときの前記取得位置情報に基づいて前記第2位置を決定する、
プログラムである。
【0017】
第5の発明によれば、プレーヤによる第2の指示操作がなされたときの取得位置情報に基づいて第2位置が決定されるので、プレーヤが、移動の終点を指示することができる。
【0018】
第6の発明は、第1~第5の何れかの発明のプログラムであって、
前記第1位置決定手段は、前記第1位置となり得る複数の候補である第1位置候補群の中から、前記取得位置情報に適合する第1位置候補を前記第1位置として決定する、
プログラムである。
【0019】
第6の発明によれば、第1位置候補群のうち、取得位置情報に適合する第1位置候補が第1位置として決定される。これにより、例えば、取得位置情報の示す位置に最も近い第1位置候補が第1位置として決定されるようにすることで、プレーヤが、所望の第1位置候補位置に移動して第1位置とするといったことが可能となる。
【0020】
第7の発明は、第6の発明のプログラムであって、
前記第1位置候補群の各第1位置候補には属性が設定されており、
前記パラメータ値設定手段は、前記第1位置に設定されている属性を更に用いて、前記パラメータ値を設定する、
プログラムである。
【0021】
第7の発明によれば、プレーヤの移動距離のみではなく、更に、移動の始点の位置によっても対象キャラクタのパラメータ値が可変に設定されるので、“どこから移動を開始するか”といった、ゲームプレイの興趣性を高めることが可能となる。
【0022】
第8の発明は、第1~第7の何れかの発明のプログラムであって、
前記第2位置決定手段は、前記第2位置となり得る複数の候補である第2位置候補群の中から、前記取得位置情報に適合する第2位置候補を前記第2位置として決定する、
プログラムである。
【0023】
第8の発明によれば、第2位置候補群のうち、取得位置情報に適合する第2位置候補が第2位置として決定される。これにより、例えば、取得位置情報の示す位置に最も近い第2位置候補が第2位置として決定されるようにすることで、プレーヤが、所望の第2位置候補位置に移動して第2位置とするといったことが可能となる。
【0024】
第9の発明は、第8の発明のプログラムであって、
前記第2位置候補群の各第2位置候補には属性が設定されており、
前記パラメータ値設定手段は、前記第2位置に設定されている属性を更に用いて、前記パラメータ値を設定する、
プログラムである。
【0025】
第9の発明によれば、プレーヤの移動距離のみではなく、更に、移動の終点の位置によっても対象キャラクタのパラメータが可変に設定されるので、“どこまで移動するか”といった、ゲームプレイの興趣性を高めることが可能となる。
【0026】
第10の発明は、第1~第9の何れかの発明のプログラムであって、
前記第1位置決定手段により前記第1位置が決定された第1タイミングから、前記第2位置決定手段により前記第2位置が決定された第2タイミングまでの経過時間を計測する計時手段(例えば、
図6の経過時間算出部228)、
として前記コンピュータを更に機能させ、
前記パラメータ値設定手段は、前記経過時間を更に用いて、前記パラメータ値を設定する、
プログラムである。
【0027】
第10の発明によれば、移動距離のみではなく、更に、移動に要した時間を用いて対象キャラクタのパラメータ値が設定されるので、“どれだけの時間、移動するか”といった、ゲームプレイの興趣性を高めることが可能となる。
【0028】
第11の発明は、第10の発明のプログラムであって、
前記パラメータ値設定手段は、少なくとも、前記経過時間が所与の制限時間内であるか否かに応じて、設定する前記パラメータ値を変更する、
プログラムである。
【0029】
第11の発明によれば、経過時間が所与の制限時間内であるか否かに応じて、対象キャラクタに設定するパラメータ値が変更される。これにより、例えば、制限時間内に移動距離ができるだけ長くなるように移動するといったように、ゲームプレイの興趣性を高めることができる。
【0030】
第12の発明は、第10又は第11の発明のプログラムであって、
前記パラメータ値設定手段は、少なくとも、前記経過時間と前記移動距離との関係が所与の不良条件を満たすか否かに応じて、設定する前記パラメータ値を変更する、
プログラムである。
【0031】
第12の発明によれば、経過時間と移動距離との関係から、プレーヤの移動が適切であるか否かを判断することができる。例えば、経過時間と移動距離とから求められる移動速度が、不適切な移動とみなす速度以上であることを不良条件とすることで、プレーヤの不正を検出するといったことが可能となる。
【0032】
第13の発明は、第1~第12の何れかの発明のプログラムであって、
前記対象キャラクタは、新規に前記プレーヤに付与する新規キャラクタであり、
前記第2位置決定手段による前記第2位置の決定の後に、前記パラメータ値設定手段により設定されたパラメータ値を有する前記新規キャラクタを、前記プレーヤに付与する新規キャラクタ付与手段(例えば、
図6の新規キャラクタ付与部232)、
として前記コンピュータを更に機能させるプログラムである。
【0033】
第13の発明によれば、可変に設定されたパラメータ値を有する新規キャラクタが、プレーヤに付与される。つまり、プレーヤは、自身の移動に応じたパラメータ値が設定されたキャラクタを取得できるため、プレーヤにとってより有利なパラメータ値が設定されたキャラクタを取得しようと戦略的に移動するといったゲームプレイの興趣性を高めることが可能となる。
【0034】
第16の発明は、
位置情報取得機能を有する第1プレーヤ端末および第2プレーヤ端末と通信接続されるサーバシステム(例えば、
図13のサーバシステム1200)であって、
前記第1プレーヤ端末の位置情報取得機能による取得位置情報を用いて第1プレーヤの移動距離を判定する第1プレーヤ移動距離判定手段と、
前記第2プレーヤ端末の位置情報取得機能による取得位置情報を用いて第2プレーヤの移動距離を判定する第2プレーヤ移動距離判定手段と、
所与の対象キャラクタのパラメータ値を、少なくとも前記第1プレーヤの移動距離および前記第2プレーヤの移動距離を用いて可変に設定するパラメータ値設定手段と、
を備えたサーバシステムである。
【0035】
第16の発明によれば、第1プレーヤの移動距離、及び、第2プレーヤの移動距離を用いて、対象キャラクタのパラメータ値が可変に設定されるといった、プレーヤの移動の内容に着目した新たなゲームを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図16】複数プレーヤによるタマゴの移動の説明図。
【
図17】複数プレーヤによるタマゴの移動の説明図。
【
図18】複数プレーヤによるタマゴの移動の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を適用した実施形態の一例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0038】
[システム構成]
図1は、本実施形態のゲーム装置1000の外観例を示す図である。本実施形態のゲーム装置1000は、プレーヤがゲームプレイのために個別に使用するコンピュータシステムであって、通信回線Nを介してサーバシステム2000にアクセスしてオンラインゲームを実行できる携帯可能な電子装置(電子機器)である。本実施形態のゲーム装置1000は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる装置であるが、携帯型ゲーム装置、ゲームコントローラ、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、などでもよい。
【0039】
ゲーム装置1000は、方向入力キー1002と、ホームキー1004と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1006と、スピーカ1008と、マイク1010と、内蔵バッテリ1012と、制御基板1020と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1042からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1040と、を備える。その他、図示されていない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。また、ゲームプレイの対価の支払いが可能なICカード型のクレジットカードやプリペイドカードに対して非接触にデータの読み書きが行えるICカード読取装置などを設けるとしてもよい。
【0040】
制御基板1020は、CPU1022やGPU、DSPなどの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1024、通信回線Nに接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1026、測位モジュール1028、インターフェース回路1030等を搭載する。
【0041】
測位モジュール1028は、公知の測位システムを利用して実空間における測位情報を取得する測位機能を実現する。測位モジュール1028は、測位システムから送信される信号を受信して所定の演算処理を行い、所定周期で(例えば、1秒毎に)測位情報を出力する。測位情報には、日時や位置座標(緯度・経度・高度)等が含まれる。測位システムとして、例えば、GPS(Global Positioning System)やGLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galileoといった、衛星航法システムを利用するこ
とができる。本実施形態では、位置情報を取得する位置情報取得機能として、測位モジュール1028による測位機能を例に挙げて説明するが、他の方式による位置情報取得機能を採用してもよい。例えば、無線通信モジュール1026が無線通信している無線基地局(携帯電話基地局であっても無線LAN基地局であってもよい)の位置情報を、当該無線基地局から取得する機能を、位置情報取得機能として採用してもよい。
【0042】
インターフェース回路1030には、タッチパネル1006のドライバ回路、方向入力キー1002及びボタンスイッチ1504からの信号を受信する回路、スピーカ1008へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1010で集音した音声の信号を生成する入力信号生成回路、メモリカード読取装置1040への信号入出力回路、などが含まれている。
【0043】
制御基板1020に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1020の一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on Chip)にて構成してもよい。そして、制御基板1020は、本実施形態のゲーム装置1000としての機能を実現させるためのプログラムや各種データをICメモリ1024に記憶する。なお、本実施形態では、ゲーム装置1000は、ゲームの実行に必要なアプリケーションプログラムや各種設定データをサーバシステム2000からダウンロードする構成としているが、別途入手したメモリカード1042等の記憶媒体から読み出す構成としても良い。
【0044】
[ゲーム概要]
ゲーム装置1000において実行される本実施形態のゲームは、ゲーム装置1000が有する位置情報取得機能である測位機能を利用した、いわゆる位置情報ゲームの一種である。但し、プレーヤがゲーム装置1000を携帯して実空間を移動することで、移動に応じた新たなキャラクタを獲得できるゲームである点が、従来の位置情報ゲームとは異なる大きな特徴点である。
【0045】
図2~
図4は、本実施形態のゲームの概要を説明する図である。先ず、
図2に示すように、プレーヤ3は、ゲーム装置1000に表示されるゲーム画面W1において、対象キャラクタを設定するプレーヤの設定操作である、保有アイテムであるタマゴ10を孵化装置12にセットするゲーム操作を行う。タマゴ10は、例えばゲームの進行状況が所定のタマゴ取得条件を満たした場合や、アイテム課金による購入操作をした場合、ガチャなどの抽選処理に当選した場合などに取得できるアイテムである。孵化装置12もアイテムの一種であり、例えばゲームの進行状況が所定の孵化装置取得条件を満たした場合や、アイテム課金による購入操作をした場合、ガチャなどの抽選処理に当選した場合などに取得できる。タマゴ10や孵化装置12には複数種類が存在し、ゲーム開始時に1つずつ初期設定として付与されることとしてもよい。次いで、
図3に示すように、プレーヤ3は、タマゴ10を孵化装置12にセットした状態でゲーム装置1000を携帯して実空間を移動する。その後、
図4に示すように、プレーヤ3は、ゲーム装置1000に表示されるゲーム画面W5において、対象キャラクタの設定を解除する操作である孵化装置12を開封するゲーム操作を行うと、孵化装置12の中のタマゴ10が孵化して新たなキャラクタ14が出現する。このキャラクタ14は、新規キャラクタとしてプレーヤ3に付与される。
【0046】
本実施形態のゲームにおいて、タマゴは複数種類用意されており、タマゴの種類によって孵化させたときに出現するキャラクタが異なり得る。つまり、タマゴの種類毎に、複数種類のキャラクタが対応付けられており、ある種類のタマゴを孵化させると、当該種類のタマゴに対応付けられている複数種類のキャラクタのうちから、何れかの種類のキャラクタが出現する。何れの種類のキャラクタが出現するか、及び、出現するキャラクタに設定されているパラメータ値は、プレーヤの実空間における移動によって決まる。また、本実施形態においては説明の簡明化のために孵化装置12を一種類として説明するが、複数種類あり、どの孵化装置12にタマゴをセットするかによって出現するキャラクタの種類やパラメータ値が変化することとしてもよいことは勿論である。
【0047】
プレーヤ3の実空間における移動とは、プレーヤ3が携帯するゲーム装置1000の移動のことであり、ゲーム装置1000が有する測位機能によって検出される。つまり、ゲーム装置1000は、随時、位置取得機能による取得位置情報の取得、すなわち測位機能による測位結果を取得しており、この測位結果が示す位置(測位位置)が、プレーヤ3の実空間における“位置”に相当する。従って、以下では、プレーヤ3の位置とは、ゲーム装置1000による“測位位置”のことを意味するものとする。また、測位位置は緯度・経度・高度で表される地球上座標系における三次元座標値であるが、説明の簡略化のため、プレーヤは略平面を移動するものとして、プレーヤの位置は、緯度・経度の二次元座標値で表されるものとする。
【0048】
図5は、プレーヤの移動の概要を示す図である。
図5では、プレーヤ3が、ゲーム内でタマゴ10を孵化装置12にセットし(対象キャラクタを設定する操作をし)、ゲーム装置1000を携帯して移動した後、ゲーム内で孵化装置12を開封するまで(対象キャラクタの設定を解除する操作をするまで)の様子を示している。タマゴ10の孵化に係るプレーヤ3の移動は、当該タマゴ10を孵化装置12にセットした時点を開始時点(始点)とし、当該孵化装置12を開封した時点を終了時点(終点)とする。
【0049】
つまり、ゲーム内でタマゴ10を孵化装置12にセットしたときの、実空間でのプレーヤ3の位置P1を、第1位置である始点位置とし、そのときの日時を始点日時とする。また、ゲーム内で孵化装置12を開封したときの、実空間でのプレーヤ3の位置P2を、第2位置である終点位置とし、そのときの日時を終点日時とする。そして、移動の始点位置P1、及び、終点位置P2それぞれに設定されている属性の組み合わせによって、タマゴ10から出現するキャラクタ14の種類が決まる。
【0050】
タマゴの種類それぞれに、出現し得る複数種類のキャラクタが対応付けて設定されているが、これらのキャラクタの種類それぞれには、当該種類のキャラクタが出現し得る条件となる始点位置P1及び終点位置P2の属性の組み合わせが対応付けて定められている。1つのキャラクタの種類に対応付ける属性の組み合わせは、1つでもよいし複数でもよい。また、ある1つの属性の組み合わせが、複数種類のキャラクタに対応付けられていてもよい。この場合、これらの複数種類のキャラクタのうちから何れか1つが、例えばランダムに選択されて出現することになる。
【0051】
始点位置P1や終点位置P2の属性は、当該位置に最も近い施設に定められている属性に基づいて決定される。施設とは、実存する施設であり、例えば、駅や店舗、公共施設、橋梁、公園といった、プレーヤが容易に把握できるランドマークとなるような建造物である。予め、複数の施設それぞれについて、緯度・経度で表される位置とともに、属性が対応付けて定められている。
【0052】
また、プレーヤの移動の始点位置から終点位置までの移動距離、及び、始点日時から終点日時までの経過時間によって、出現するキャラクタのパラメータ値が決まる。キャラクタのパラメータ値とは、ゲーム内において、例えば、他のキャラクタとの戦闘やフィールドでの探索等に発揮される能力を表す値であり、戦闘に関する能力としての攻撃力や守備力、呪文を含む特技、探索に関する能力としての探索範囲や移動スピードなどがある。
【0053】
プレーヤの移動距離は、始点位置と終点位置との間の直線距離(最短距離)としても良いし、始点位置から終点位置までの実際の移動経路に沿った距離としても良い。後者の移動経路に沿った距離の場合、当該移動の始点日時から終点日時までの間の測位結果の履歴から求めることができる。測位情報は、所定時間毎(例えば、GPSならば1秒毎)に出力される情報であるので、ある測位時刻における測位位置と、その次の測位時刻における測位位置との差(位置変化)を、当該2つの測位時刻の間(測位間隔)の移動距離とし、始点日時から終点日時までの測位間隔それぞれの移動距離の累積を、始点位置から終点位置までの移動経路に沿った移動距離とする。
【0054】
移動距離や経過時間に基づくキャラクタのパラメータの決め方は任意であるが、例えば、移動距離が長いほど、或いは、経過時間が長いほど、能力が高くなるようなパラメータ値の決め方が望ましい。或いは、孵化装置へのタマゴのセットから開封までに制限時間を設けるようにしても良い。経過時間がこの制限時間内であるならば、移動距離が長いほど能力が高くなるようにパラメータ値を決定し、経過時間が制限時間を超えると、能力が低くなるようにパラメータ値を決定する。制限時間は、タマゴの種類毎に設けるようにしても良い。或いは、移動距離と経過時間からプレーヤの平均移動速度を求め、この平均移動速度が大きいほど、能力が高くなるようにパラメータ値を決定するようにしても良い。
【0055】
更に、プレーヤの平均移動速度から、プレーヤの移動が適切であるかを判断することができる。つまり、平均移動速度が、通常の移動では不可能な速さ(交通機関や自動車を利用した移動のうちの最速の移動による速さを超える速さ)での移動であるとみなす所定速度を超えることを不良条件とし、この不良条件を満たす場合には、今回の移動を無効としてタマゴを孵化させないようにしても良い。また、測位情報が出力される毎に、今回の測位位置と前回の測位位置との間の距離を、今回の測位時刻における移動速度とみなして、この移動速度が所定速度以下であるか否かによって、プレーヤの移動が適切であるか否かの不良条件を満たすかを判断するようにしても良い。不良条件を満たす場合には、プレーヤがデータを改ざんする等の不正をした可能性がある。
【0056】
[機能構成]
図6は、ゲーム装置1000の機能構成を示すブロック図である。
図6によれば、ゲーム装置1000は、操作入力部102と、画像表示部104と、音出力部106と、通信部108と、測位信号受信部110と、処理部200と、記憶部300とを備える。
【0057】
操作入力部102は、プレーヤによってなされた操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。例えば、キーボードやボタンスイッチ、タッチパネル、各種センサ等の入力装置によって実現される。本実施形態では、
図1の方向入力キー1002やホームキー1004、タッチパネル1006がこれに該当する。
【0058】
処理部200は、例えば、CPUやGPU等のプロセッサや、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現され、操作入力部102や記憶部300を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部102からの操作入力信号、通信部108からの受信データ等に基づいて各種の演算処理を実行して、ゲーム装置1000の動作を統合的に制御する。
図1の制御基板1020がこれに該当する。また、処理部200は、ゲーム演算部210と、計時部250と、画像生成部254と、音生成部256と、通信制御部258と、測位演算部260とを有する。勿論、これら以外の機能も適宜含めることができる。
【0059】
ゲーム演算部210は、本実施形態のゲームを実行するために必要な各種制御を実行する。ゲーム演算部210は、タマゴ孵化制御部220と、タマゴ管理部240と、キャラクタ管理部242と、を有する。
【0060】
タマゴ孵化制御部220は、予め記憶されたタマゴに関するタマゴ設定データ310に従って、タマゴを孵化させて新たなキャラクタを出現させる制御を行う。
【0061】
図7は、タマゴ設定データ310のデータ構成の一例を示す図である。
図7によれば、タマゴ設定データ310は、タマゴの種類311毎に生成され、出現キャラクタリスト312と、キャラクタ出現条件テーブル313と、キャラクタパラメータ値変更条件データ314と、制限時間315と、を格納している。
【0062】
出現キャラクタリスト312は、当該種類のタマゴを孵化させた場合に出現し得るキャラクタそれぞれのキャラクタIDを列挙したリストである。キャラクタの初期設定に関しては、キャラクタ初期設定データ320にて定められている。キャラクタ出現条件テーブル313は、出現キャラクタリスト312に列挙されたキャラクタが出現する条件を定めたデータであり、出現条件と、出現するキャラクタのキャラクタIDとを対応付けて定めている。本実施形態では、出現条件は、移動の始点である第1位置の属性と、終点である第2位置の属性との組み合わせとしている。
【0063】
キャラクタパラメータ値変更条件データ314は、当該キャラクタに定められているパラメータ値の初期値に対する変更条件を定めたデータである。本実施形態では、出現するキャラクタのパラメータ値は、プレーヤの移動に係る移動距離及び経過時間に応じて決まるので、この変更条件は、移動距離及び経過時間を変数とする関数で定義される。具体的には、攻撃力や守備力、体力値といった数値で表されるパラメータ値については、初期値に対する変更条件として、移動距離D及び経過時間Tを変数とする係数kの算出式f(D,T)が格納される。また、特技といった使用可能か否かによって表されるパラメータ値については、付与条件である移動距離Dや経過時間Tのしきい値が、変更条件として格納される。
【0064】
制限時間315は、当該種類のタマゴを孵化装置にセットしてから開封するまでの経過時間に対する制限時間である。経過時間がこの制限時間を超えると、キャラクタパラメータ値変更条件データ314において、出現するキャラクタのパラメータ値がプレーヤにっと不利な値、すなわち“悪く”なるように定められている。
【0065】
図8は、キャラクタ初期設定データ320のデータ構成の一例を示す図である。
図8によれば、キャラクタ初期設定データ320は、キャラクタ毎に生成され、当該キャラクタの識別情報であるキャラクタID321と、名称(キャラクタ名)322と、キャラクタ属性323と、初期パラメータ値324と、を格納している。
【0066】
図6に戻り、タマゴ孵化制御部220は、第1位置決定部222と、第2位置決定部224と、移動距離判定部226と、経過時間算出部228と、パラメータ値設定部230と、新規キャラクタ付与部232と、を有する。
【0067】
第1位置決定部222は、対象キャラクタを設定するプレーヤの設定操作に基づいて、プレーヤの移動の始点として位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第1位置を決定する。具体的には、プレーヤにより、ゲーム画面においてタマゴを孵化装置にセットするといった所定の第1の指示操作がなされた時点における当該ゲーム装置1000の位置を始点位置として決定する(
図2参照)。当該ゲーム装置1000の“位置”は、測位演算部260による測位結果が示す位置(測位位置)である。また、第1の指示操作がなされた時点における日時を、始点日時とする、日時は、測位演算部260による測位結果が示す日時(測位日時)としても良いし、計時部250による計時日時としても良い。
【0068】
第2位置決定部224は、対象キャラクタの設定を解除するプレーヤの操作に基づいて、移動の終点として、位置情報取得機能によって取得された取得位置情報に基づく第2位置を決定する。具体的には、プレーヤにより、ゲーム画面において孵化装置を開封するといった所定の第2の指示操作がなされた時点における当該ゲーム装置1000の位置を終点位置として決定する(
図4参照)。また、第2の指示操作がなされた時点における日時を、終点日時とする。
【0069】
移動距離判定部226は、第1位置決定部222によって決定された第1位置である始点位置と、第2位置決定部224によって決定された第2位置である終点位置とに基づく移動距離を、プレーヤの移動距離として判定する。始点位置と終点位置とに基づく移動距離は、地図上の直線距離(最短距離)としてもよいし、始点位置から終点位置まで実際に移動した経路に沿った距離としても良い。
【0070】
経過時間算出部228は、始点日時から終点日時までの経過時間を、プレーヤの移動に要した時間として算出する。
【0071】
パラメータ値設定部230は、タマゴがセットされた孵化装置が開封された(=孵化させた)ときに出現するキャラクタのパラメータ値を設定する。具体的には、先ず、孵化させるタマゴの種類に対応するタマゴ設定データ310を参照して、出現させるキャラクタの種類を決定する。すなわち、キャラクタ出現条件テーブル313において、第1位置決定部222によって決定された第1位置である始点位置の属性と、第2位置決定部224によって決定された第2位置である終点位置の属性との組み合わせに対応する種類のキャラクタを、出現させるキャラクタとして決定する。
【0072】
始点位置の属性は、第1位置候補リスト330を参照して始点位置を決定する際に決定する。第1位置候補リスト330は、実存する施設であって、第1位置である始点位置の候補となる複数の施設それぞれについて、その名称(店舗名等)や位置(緯度・経度で表されている)、属性を対応付けて列挙したリストである。この第1位置候補リスト330に列挙されている施設のうち、開始時点(始点日時)における測位位置に最も近い位置の施設を判断し、当該施設の属性を始点位置の属性とする。
【0073】
終点位置の属性についても同様である。すなわち、第2位置候補リスト332は、実存する施設であって、第2位置である終点位置の候補となる複数の施設それぞれについて、その名称や位置、属性を対応付けて列挙したリストである。この第2位置候補リスト332に列挙されている施設のうち、終了時点(終点日時)における測位位置に最も近い位置の施設を判断し、当該施設の属性を終点位置の属性とする。なお、第1位置候補リスト330、及び、第2位置候補リスト332に列挙される施設は、重複していても良い。また、重複して列挙される施設に対応付ける属性は、同じとしても良いし異なることにしても良い。
【0074】
出現させるキャラクタの種類を決定したならば、続いて、当該キャラクタのパラメータ値を決定する。すなわち、キャラクタパラメータ値変更条件データ314に従い、移動距離判定部226によって判定された移動距離D、及び、経過時間算出部228によって算出された経過時間Tに基づいて、キャラクタ初期設定データ320で定められる当該キャラクタのパラメータ値の初期値を変更することで、出現させる際のキャラクタのパラメータ値を決定する。具体的には、攻撃力や守備力、体力値等については、移動距離D及び経過時間Tに基づき、キャラクタパラメータ値変更条件データ314で定められる算出式fに従って係数kを算出し、これをパラメータ値の初期値に乗じることで、パラメータ値を決定する。また、特技等については、移動距離D及び経過時間Tが、キャラクタパラメータ値変更条件データ314で定められる付与条件を満たすか否かを判断し、付与条件を満たす特技を、当該キャラクタに付与して使用可能とする。
【0075】
新規キャラクタ付与部232は、パラメータ値設定部230によってパラメータ値が設定されたキャラクタを、新規キャラクタとしてプレーヤに付与する。付与されたキャラクタは、プレーヤの保有キャラクタに追加される。
【0076】
タマゴ孵化制御部220によって制御されたタマゴの孵化に関するデータは、タマゴ孵化履歴データ340として記憶される。
図9は、タマゴ孵化履歴データ340のデータ構成の一例を示す図である。タマゴ孵化履歴データ340は、タマゴ毎に生成され、当該タマゴの識別情報であるタマゴID341に対応付けて、プレーヤの移動に係るデータである始点位置である第1位置342、第1位置の属性343、始点日時である第1日時344、終点位置である第2位置345、第2位置の属性346、終点日時である第2日時347、移動距離348、及び、経過時間349と、出現キャラクタ情報350と、を格納している。出現キャラクタ情報350は、当該タマゴの孵化によって出現したキャラクタに関するデータであり、キャラクタIDや、設定されたパラメータ値などを含んでいる。
【0077】
タマゴ管理部240は、プレーヤが保有するゲームアイテムであるタマゴを管理する。タマゴ管理部240は、保有するタマゴ毎に保有タマゴデータ360を生成して管理する。
図10は、保有タマゴデータ360の一例を示す図である。
図10によれば、保有タマゴデータ360は、該当するタマゴの識別情報であるタマゴID361に、その種類362、取得日時363、取得方法364などを対応付けて格納している。
【0078】
キャラクタ管理部242は、プレーヤが保有するキャラクタを管理する。キャラクタ管理部242は、保有キャラクタ毎に保有キャラクタデータ370を生成して管理する。
図11は、保有キャラクタデータ370のデータ構成の一例を示す図である。
図11によれば、保有キャラクタデータ370は、該当するキャラクタのキャラクタID371に、名称(キャラクタ名)372やパラメータ値373、取得日時374、取得方法375、などを対応付けて格納している。
【0079】
計時部250は、システムクロックを利用して現在日時等の計時を行う。
【0080】
画像生成部254は、例えば、GPUやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーディック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現される。そして、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて、1フレーム時間(例えば、1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部104に出力する。画像表示部104は、画像生成部254から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。本実施形態では、
図1のタッチパネル1006がこれに該当する。
【0081】
音生成部256は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイル再生可能なオーディオコーディック等によって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて、ゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部106に出力する。音出力部106は、音生成部256から入力される音信号に基づいて、ゲームに関する効果音やBGMなどの音声を放音する。例えば、スピーカ等の音出力装置によって実現される。本実施形態では、
図1のスピーカ1008がこれに該当する。
【0082】
通信制御部258は、データ通信(携帯電話用の音声データ通信を含む)に係るデータ処理を実行し、通信部108を介して外部装置とのデータのやり取りを実現する。通信部108は、通信回線Nと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。本実施形態では、
図1の無線通信モジュール1026がこれに該当する。
【0083】
測位演算部260は、測位信号受信部110の受信信号に基づく所定の測位演算を行って、当該ゲーム装置1000の位置を示す測位情報を算出する。本実施形態では、
図1の測位モジュール1028がこれに該当する。測位演算部260によって算出された測位情報は、測位結果履歴情報380として蓄積記憶される。測位信号受信部110は、測位システムから送信される信号を受信する。
【0084】
記憶部300は、処理部200にゲーム装置1000を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク、オンラインストレージ等によって実現される。記憶部300には、ゲームプログラム302と、タマゴ設定データ310と、キャラクタ初期設定データ320と、第1位置候補リスト330と、第2位置候補リスト332と、タマゴ孵化履歴データ340と、保有タマゴデータ360と、保有キャラクタデータ370と、測位結果履歴情報380と、が記憶される。
【0085】
[処理の流れ]
図12は、本実施形態のゲーム処理の流れを説明する図である。この処理は、処理部200がゲームプログラム302を実行することで実現される処理であり、1つのタマゴの孵化に係る処理である。なお、測位信号受信部110による測位信号の受信および測位演算部260による測位演算は常時バックグラウンドで実行されているとする。
【0086】
先ず、タマゴ孵化制御部220は、プレーヤの保有タマゴのうちから、プレーヤの指示操作に従って、1つのタマゴを選択する(ステップS1)。次いで、プレーヤによる、タマゴの孵化装置へのセットを指示する操作である第1の指示操作に従って、選択されたタマゴを孵化装置にセットする(ステップS3)。すると、第1位置決定部222が、このときの測位位置を、移動の始点位置となる第1位置として決定する(ステップS5)。次いで、第1位置候補リスト330を参照して、第1位置の属性を判定する(ステップS7)。また、この時点の日時を、第1日時とする(ステップS9)。
【0087】
その後、プレーヤによる、孵化装置の開封を指示する操作である第2の指示操作に従って、孵化装置を開封する(ステップS11)。すると、第2位置決定部224が、このときの測位位置を、移動の終点位置となる第2位置として決定する(ステップS13)。次いで、第2位置候補リスト332を参照して、第2位置の属性を判定する(ステップS15)。また、この時点の日時を、第2日時とする(ステップS17)。
【0088】
続いて、移動距離判定部226が、第1位置である始点位置と第2位置である終点位置とに基づいて移動距離を算出する(ステップS19)。また、経過時間算出部228が、始点日時から終点日時までの経過時間を算出する(ステップS21)。パラメータ値設定部230が、タマゴの種類と、第1位置の属性及び第2位置の属性の組み合わせと、に基づいて、当該タマゴの孵化によって出現させるキャラクタの種類を決定する(ステップS23)。次いで、算出された移動距離及び経過時間に基づいて、出現させるキャラクタのパラメータ値を設定する(ステップS25)。そして、タマゴ孵化制御部220が、キャラクタを出現させる演出画面(
図4参照)を表示した後、新規キャラクタ付与部232が、出現させたキャラクタを新規キャラクタとしてプレーヤに付与する(ステップS27)。以上の処理を行うと、本処理は終了となる。
【0089】
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、ゲーム装置1000が有する位置情報取得機能による取得位置情報を用いて判定したプレーヤの移動距離によって、対象キャラクタのパラメータ値が可変に設定されるといった、プレーヤの移動の内容に着目した新たなゲームを実現できる。特に、対象キャラクタを設定するプレーヤの設定操作に基づいて、プレーヤの移動の始点となる第1位置が決定され、対象キャラクタの設定を解除するプレーヤの操作に基づいて、移動の終点となる第2位置が決定されて、その第1位置と第2位置とに基づく移動距離に基づいて、対象キャラクタのパラメータ値が設定される。このため、いつどこで対象キャラクタの設定操作をするか、解除操作をするか、そして、その移動距離はどの程度かによって、対象キャラクタのパラメータ値が変化し得るため、従来のゲームにない興趣性が得られる。
【0090】
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0091】
(A)第1位置及び第2位置の決定
上述の実施形態では、第1位置である始点位置の決定、及び、第2位置である終点位置の決定を、プレーヤの指示操作によって行うことにしたが、自動で行うようにしても良い。
【0092】
例えば、ゲーム内でタマゴを取得した時点で、孵化装置が使用中でないならば、直ちに、取得したタマゴが自動的に孵化装置にセットされることとし、その時点を、プレーヤの移動の始点とすることができる。
【0093】
或いは、第1位置候補リスト330或いは第2位置候補リスト332に列挙されている施設のうち、プレーヤが予め始点或いは終点として指定しておいた施設に近づいた時点で、自動的に、移動の始点或いは終点とすることにしても良い。つまり、プレーヤの位置(ゲーム装置1000の測位位置)と、第1位置候補リスト330に列挙されている中のプレーヤに指定されていた施設の位置との差が所定距離以下となったら、プレーヤが当該施設に近づいたと判断して、その時点を移動の始点とする。更に、当該施設の位置を、始点位置である第1位置としても良い。その後、プレーヤの位置(ゲーム装置1000の測位位置)と、第2位置候補リスト332に列挙されている中のプレーヤに指定されていた施設の位置との差が所定距離以下となったら、プレーヤが当該施設に近づいたと判断して、その時点を移動の終点とする。更に、当該施設の位置を、終点位置である第2位置としても良い。
【0094】
(B)ゲームシステム
また、上述の実施形態は、単体のゲーム装置1000にて実行されるゲームとしたが、サーバシステムと、複数のプレーヤ端末とを備えるゲームシステムにて実行される、いわゆるオンラインゲームとしても良い。
【0095】
図13は、ゲームシステム1の一例を示す図である。同図によれば、ゲームシステム1は、通信回線Nに接続可能なサーバシステム1200と、通信回線Nを介してサーバシステム1200にアクセスし、サーバシステム1200との間でデータ通信を行う複数のプレーヤ端末1500(1500a,1500b,…)とを備える。ゲームシステム1では、サーバシステム1200が、各プレーヤ端末1500におけるゲームの実行を制御し、プレーヤ端末1500は、プレーヤによるゲーム操作の入力やゲーム画面の表示といった、いわばユーザインターフェースとして機能する。
【0096】
通信回線Nは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0097】
サーバシステム2000は、所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、本実施形態のゲームを運営するための各種サービスを実現する。例えば、1)プレーヤ登録等に係るプレーヤ管理機能と、2)各プレーヤが自身のプレーヤ端末1500(1500a,1500b,…)でゲームプレイするのに必要なデータを提供してプレーヤ端末1500(1500a,1500b,…)でのゲームの進行を管理するゲーム管理機能と、3)ゲームで利用可能な様々なアイテムやキャラクタ等のゲームオブジェクトをオンラインでプレーヤに販売するオンラインショッピング機能と、を実現する。
【0098】
なお、サーバシステム1200は、
図13に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1200として機能させる構成であってもよい。
【0099】
プレーヤ端末1500は、上述の実施形態におけるゲーム装置1000と同様に、いわゆるスマートフォンと呼ばれる装置であるが、携帯型ゲーム装置、ゲームコントローラ、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、などでもよい。
【0100】
図14は、サーバシステム1200の機能構成を示すブロック図である。なお、
図14において、上述の実施形態と同一の構成要素については同符号を付している。サーバシステム1200において、サーバ処理部500は、プレーヤ管理部502と、ゲーム管理部510とを有する。
【0101】
プレーヤ管理部502は、プレーヤの登録手続きに係る処理や、登録済みのプレーヤの管理を行う。プレーヤ管理部502は、登録済みのプレーヤに固有のアカウント(プレーヤID)を割り当ててプレーヤ管理データ610を生成することで、各プレーヤに関するデータを管理する。
【0102】
ゲーム管理部510は、タマゴ孵化制御部220と、タマゴ管理部240と、キャラクタ管理部242と、を有し、各プレーヤ端末1500におけるゲームの実行を制御する。
【0103】
また、サーバ記憶部600には、サーバシステム1200の諸機能を実現するためのサーバプログラム602と、プレーヤ端末1500にてゲームを実行させるためにプレーヤ端末1500へ配信されるクライアントプラグラムである配信用ゲームプログラム604と、タマゴ設定データ310と、キャラクタ初期設定データ320と、第1位置候補リスト330と、第2位置候補リスト332と、プレーヤ管理データ610と、が記憶される。
【0104】
図15は、プレーヤ端末1500の機能構成を示すブロック図である。プレーヤ端末1500において、端末処理部700は、ゲーム演算部702と、操作信号送信制御部704と、ゲーム画面表示制御部706と、音声再生制御部708と、通信制御部258と、測位演算部260と、計時部250と、を有する。
【0105】
ゲーム演算部702は、ゲームプログラム802に従って、プレーヤ端末1500におけるゲームの実行を制御する。操作信号送信制御部704は、操作入力部102になされた操作に応じて、各種データやリクエストをサーバシステム1200へ送信するための処理を実行する。ゲーム画面表示制御部706は、サーバシステム1200から受信した各種画像データに基づいて、画像表示部104にゲーム画面を表示するための制御を行う。音声再生制御部708は、サーバシステム1200から受信した各種音声データに基づいてゲーム音声(例えば、効果音、BGM、声優による台詞読み上げ等)を、音出力部106から放音させるための制御を行う。
【0106】
端末記憶部800には、ゲームプログラム802と、ゲームデータ804とが記憶される。ゲームプログラム802は、端末処理部700が読み出して実行することで、ゲーム演算部702の機能を実現させるためのアプリケーションプログラムであり、サーバプログラム602から提供される配信用ゲームプログラム604のコピーである。ゲームデータ804は、ゲームプログラム802に従ったゲームの実行に用いられるデータであり、サーバシステム1200から配信されるデータのほか、ゲームの実行によって生成されるプレイ結果や途中経過のデータを含む。
【0107】
(C)複数プレーヤによるタマゴの移動
また、上述の実施形態では、1人のプレーヤの移動に基づいて、1つのタマゴから出現するキャラクタのパラメータ値を設定することとしたが、複数のプレーヤの移動に基づいて、1つのタマゴから出現するキャラクタのパラメータ値を設定するようにしても良い。
【0108】
具体的には、
図16~
図18に示すように、複数のプレーヤが、1つのタマゴをリレー形式で移動する(運ぶ)ようなゲームとすることができる。先ず、
図16に示すように、2人のプレーヤ3A,3Bそれぞれが、1つのタマゴ10A,10Bを自分の孵化装置12A,12Bにセットする。その時点が、当該タマゴ10A,10Bに係る移動の始点となる。次いで、プレーヤ3A,3Bそれぞれが移動する。その後、
図17に示すように、プレーヤ3A,3Bが、互いに所定距離内に接近した状態で、それぞれの孵化装置12A,12Bを“交換”する。この“交換”はゲーム内での出来事である。また、“交換”を行える場所は、任意の場所としても良いし、或いは、予め定められた所定の場所(施設など)としても良い。その後、プレーヤ3A,3Bは、交換後の孵化装置12とともに移動する。つまり、プレーヤ3Aはプレーヤ3Bの孵化装置12Bとともに移動し、プレーヤ3Bはプレーヤ3Aの孵化装置12Aとともに移動する。
【0109】
このように、プレーヤ3間で孵化装置12の“交換”を繰り返す。つまり、
図18に示すように、ある1つのタマゴに着目すると、次々に入れ替わる複数のプレーヤによって移動されたことになり、当該タマゴが孵化装置にセットされた時点が当該タマゴに係る移動の始点となり、当該孵化装置が開封された時点が当該タマゴの移動に係る終点となる。
【0110】
そして、任意のタイミングで孵化装置を開封すると、キャラクタが出現する。出現するキャラクタの種類は、上述の実施形態と同様に、当該タマゴの種類と、始点位置及び終点位置の属性の組み合わせと、によって決まる。そして、キャラクタに設定されるパラメータ値は、上述の実施形態と同様に、始点位置から終点位置までの移動距離、及び、始点日時から終点日時までの経過時間に基づいて設定される。つまり、移動距離は、当該タマゴを移動させた各プレーヤによる移動距離の合計となる。そして、出現したキャラクタは、当該タマゴを移動させた全てのプレーヤそれぞれに付与される。
【0111】
なお、各プレーヤに付与するキャラクタの種類は同じであるが、プレーヤ毎に設定されているパラメータ値が異なることにしても良い。この場合、各プレーヤが当該タマゴを移動させた距離に応じて、当該プレーヤに付与されるキャラクタのパラメータ値が設定される。
【0112】
また、出現させるキャラクタの種類や、出現させるキャラクタのパラメータ値を、何人のプレーヤが移動したかによって変えることとしてもよい。
【0113】
このような複数プレーヤによるタマゴの移動は、例えば、
図13に示したようなゲームシステム1において実現される。つまり、サーバシステム1200は、各プレーヤの位置やプレイ状況(何れの孵化装置とともに移動しているかなど)などを随時管理しており、サーバシステム1200の制御によって、プレーヤ同士の“接近”や、プレーヤ間での孵化装置の“交換”、孵化装置の開封により出現したキャラクタの各プレーヤへの付与の制御が実現される。
【0114】
(D)ゲームの内容
実行されるゲームの内容として、タマゴの孵化ではなく、アイテムやキャラクタ等のゲームオブジェクトの合成としても良い。具体的には、プレーヤは、合成対象のゲームオブジェクトを選択した後、ゲーム装置1000を携帯して移動する。そして、合成終了操作をして終点を決定した場合にオブジェクトの合成を行って、合成後のオブジェクトの種類や属性を決定する。合成後のオブジェクトの種類や属性である合成結果は、移動の始点(第1位置)や終点(第2位置)に設定されている属性や、始点から終点までの移動距離や経過時間に応じて変化させる。
【0115】
更に、複数のプレーヤそれぞれが保有するオブジェクトを合成するようなゲームとすることもできる。この場合、複数のプレーヤは、同一位置まで移動してオブジェクトを合成させることとするが、この同一位置(移動の終点位置となる)までのそれぞれのプレーヤの移動距離の合計によって、合成結果が変化するようにすればよい。
【符号の説明】
【0116】
1000…ゲーム装置
200…処理部
210…ゲーム演算部
220…タマゴ孵化制御部
222…第1位置決定部、224…第2位置決定部
226…移動距離判定部、228…経過時間算出部
230…パラメータ値設定部、232…新規キャラクタ付与部
240…タマゴ管理部、242…キャラクタ管理部
300…記憶部
302…ゲームプログラム
310…タマゴ設定データ、320…キャラクタ初期設定データ
330…第1位置候補リスト、332…第2位置候補リスト
340…タマゴ孵化履歴データ、360…保有タマゴデータ
370…保有キャラクタデータ、380…測位結果履歴情報
3…プレーヤ