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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183650
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】撮像素子および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/345 20110101AFI20221206BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20221206BHJP
   H04N 5/374 20110101ALI20221206BHJP
【FI】
H04N5/345
H04N5/369
H04N5/374
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091086
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】安藤 良次
(72)【発明者】
【氏名】加藤 周太郎
(72)【発明者】
【氏名】高木 徹
【テーマコード(参考)】
5C024
【Fターム(参考)】
5C024BX01
5C024CX03
5C024EX43
5C024EX52
5C024GX03
5C024GY31
5C024JX08
5C024JX45
(57)【要約】
【課題】複数の画素を含む画素ブロックごとに読み出された信号から高品質の画像を生成する。
【解決手段】撮像素子は、光を光電変換して電荷を生成する光電変換部と光電変換部で生成された電荷に基づく信号を出力する出力部とを含み撮像面内方向に並んで設けられた複数の画素と、複数の画素からの出力信号を読み出す読出部とを有する画素ブロックを複数備え、複数の画素ブロックは、画素ブロックが、第1方向に第1周期で並び、第2方向に第2周期で並ぶ第1の画素ブロック群と、画素ブロックが、第1の画素ブロック群のそれぞれに対し、第1方向に第1周期とは異なる第1シフト量、または第2方向に第2周期とは異なる第2シフト量だけ位置ずれして並ぶ第2の画素ブロック群と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を光電変換して電荷を生成する光電変換部と前記光電変換部で生成された電荷に基づく信号を出力する出力部とを含み撮像面内方向に並んで設けられた複数の画素と、複数の前記画素からの出力信号を読み出す読出部とを有する画素ブロックを複数備え、
複数の前記画素ブロックは、
前記画素ブロックが、第1方向に第1周期で並び、第2方向に第2周期で並ぶ第1の画素ブロック群と、
前記画素ブロックが、前記第1の画素ブロック群のそれぞれに対し、前記第1方向に前記第1周期とは異なる第1シフト量、または前記第2方向に前記第2周期とは異なる第2シフト量だけ位置ずれして並ぶ第2の画素ブロック群と、
を含む、撮像素子。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像素子において、
前記第2の画素ブロック群に含まれる前記画素の少なくとも一部と、前記第1の画素ブロック群に含まれる前記画素の少なくとも一部とは、ともに第1分光感度を有する、撮像素子。
【請求項3】
請求項2に記載の撮像素子において、
複数の前記画素ブロックは、さらに、前記画素ブロックが、前記第1方向に所定の周期で並び、前記第2方向に所定の周期で並ぶ第3の画素ブロック群を含み、
前記第3の画素ブロック群に含まれる前記画素は、前記第1分光感度とは異なる第2分光感度を有する、撮像素子。
【請求項4】
請求項3に記載の撮像素子において、
前記第3の画素ブロック群の、前記第1方向の並びの周期は前記第1周期であり、前記第2方向の並びの周期は前記第2周期である、撮像素子。
【請求項5】
請求項4に記載の撮像素子において、
前記第3の画素ブロック群のそれぞれは、前記第1の画素ブロック群のそれぞれに対し、前記第1方向に前記第1周期とは異なる第3シフト量、または前記第2方向に前記第2周期とは異なる第4シフト量だけ位置ずれして並んでいる、撮像素子。
【請求項6】
請求項5に記載の撮像素子において、
前記第3シフト量は、前記第1周期の40%以上、かつ60%以下の値であり、
前記第4シフト量は、前記第2周期の40%以上、かつ60%以下の値である、撮像素子。
【請求項7】
請求項4から請求項6までのいずれか一項に記載の撮像素子において、
複数の前記画素ブロックは、さらに、
前記画素ブロックが、前記第3の画素ブロック群のそれぞれに対し、前記第1方向に前記第1周期とは異なる第5シフト量、または前記第2方向に前記第2周期とは異なる第6シフト量だけ位置ずれして並ぶ第4の画素ブロック群を含み、
前記第4の画素ブロック群に含まれる前記画素は、前記第2分光感度を有する、撮像素子。
【請求項8】
請求項7に記載の撮像素子において、
前記第5シフト量は、前記第1周期の40%以上、かつ60%以下の値であり、
前記第6シフト量は、前記第2周期の40%以上、かつ60%以下の値である、撮像素子。
【請求項9】
請求項5に記載の撮像素子において、
前記第3シフト量は、前記画素の前記第1方向の並びの周期の半分であり、
前記第4シフト量は、前記画素の前記第2方向の並びの周期の半分である、撮像素子。
【請求項10】
請求項3に記載の撮像素子において、
前記第3の画素ブロック群の、前記第1方向の並びの周期は前記第1周期の半分であり、前記第2方向の並びの周期は前記第2周期の半分である、撮像素子。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記第1シフト量は、前記第1周期の40%以上、かつ60%以下の値であり、
前記第2シフト量は、前記第2周期の40%以上、かつ60%の値である、撮像素子。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の撮像素子において、
複数の前記画素は、第1基板に設けられ、
複数の前記読出部は、前記第1基板に積層された第2基板に設けられている、撮像素子。
【請求項13】
請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記画素の分光感度は、前記光電変換部の分光感度と、前記光電変換部よりも前記光の入射側に配置されたカラーフィルタの分光透過率に応じて定まる、撮像素子。
【請求項14】
光を光電変換して電荷を生成する光電変換部を有し、第1信号線に接続される第1画素を複数有する第1画素ブロックと、
光を光電変換して電荷を生成する光電変換部を有し、第2信号線に接続される第2画素を複数有する第2画素ブロックと、
光を光電変換して電荷を生成する光電変換部を有し、第3信号線に接続される第3画素を複数有する第3画素ブロックと、を備え、
前記第1画素ブロックは第1領域において複数の前記第1画素が第1方向と前記第1方向と交差する第2方向とに配置され、前記第2画素ブロックは第2領域において複数の前記第2画素が前記第1方向と前記第2方向とに配置され、前記第3画素ブロックは前記第1領域の一部と前記第2領域の一部とを含む第3領域において複数の前記第3画素が前記第1方向と前記第2方向とに配置される撮像素子。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の撮像素子と、
前記撮像素子から出力された信号に基づいて画像データを生成する生成部と、を備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の画素を含む画素ブロックごとに信号を読み出す撮像素子が知られている(例えば、特許文献1)。従来から、出力された信号から生成される画像の高品質化が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-143730号公報
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によれば、撮像素子は、光を光電変換して電荷を生成する光電変換部と前記光電変換部で生成された電荷に基づく信号を出力する出力部とを含み撮像面内方向に並んで設けられた複数の画素と、複数の前記画素からの出力信号を読み出す読出部とを有する画素ブロックを複数備え、複数の前記画素ブロックは、前記画素ブロックが、第1方向に第1周期で並び、第2方向に第2周期で並ぶ第1の画素ブロック群と、前記画素ブロックが、前記第1の画素ブロック群のそれぞれに対し、前記第1方向に前記第1周期とは異なる第1シフト量、または前記第2方向に前記第2周期とは異なる第2シフト量だけ位置ずれして並ぶ第2の画素ブロック群と、を含む。
第2の態様によれば、撮像素子は、光を光電変換して電荷を生成する光電変換部を有し、第1信号線に接続される第1画素を複数有する第1画素ブロックと、光を光電変換して電荷を生成する光電変換部を有し、第2信号線に接続される第2画素を複数有する第2画素ブロックと、光を光電変換して電荷を生成する光電変換部を有し、第3信号線に接続される第3画素を複数有する第3画素ブロックと、を備え、前記第1画素ブロックは第1領域において複数の前記第1画素が第1方向と前記第1方向と交差する第2方向とに配置され、前記第2画素ブロックは第2領域において複数の前記第2画素が前記第1方向と前記第2方向とに配置され、前記第3画素ブロックは前記第1領域の一部と前記第2領域の一部とを含む第3領域において複数の前記第3画素が前記第1方向と前記第2方向とに配置される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】撮像装置の構成を模式的に示す断面図である。
図2】撮像面側から見た撮像素子の全体平面図である。
図3図2に示す撮像素子の一部を拡大した図である。
図4】撮像素子の画素および読み出し回路の回路図である。
図5】画素ブロックごとの画素の出力の一例を模式的に示す図である。
図6】撮像素子の断面図である。
図7】変形例1における撮像素子の画素の一部を示す図である。
図8】変形例2における撮像素子の画素の一部を示す図である。
図9】変形例3における撮像素子の画素の一部を示す図である。
図10】変形例4における撮像素子の画素の一部を示す図である。
図11】変形例4の別の例における撮像素子の画素の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面を参照しながら、一実施の形態の撮像装置および撮像装置が備える撮像素子について説明を行う。
図1は、実施の形態に係る撮像装置の構成を模式的に示すブロック図である。図1では、実施の形態に係る撮像装置の一例である電子カメラ1(以下、カメラ1と称する)の構成例を示す。なお、説明の都合上、図示するように、x軸、y軸、z軸からなる直交座標系を設ける。図1においては、z軸は、撮像光学系2の光軸O方向に沿って設けられ、y軸は、z軸に直交し図1の紙面上下方向に沿って設けられる。x軸は、y軸およびz軸に直交する方向に沿って設けられる。
カメラ1は、撮像光学系(結像光学系)2、撮像素子3、制御部4、メモリ5及び操作部7を備える。撮像光学系2は、焦点調節レンズ(フォーカスレンズ)を含む複数のレンズ及び絞りを有し、撮像素子3に被写体像を結像する。なお、撮像光学系2は、カメラ1から着脱可能にしてもよい。
【0007】
撮像素子3は、例えば、CMOSイメージセンサである。撮像素子3は、撮像光学系2を通過した光束を受光して、被写体像を撮像する。撮像素子3には、詳細を後述するように、マイクロレンズと、光電変換部とを有する複数の画素が二次元状(行方向及びそれと交差する列方向)に配置される。光電変換部は、例えばフォトダイオード(PD)によって構成される。撮像素子3は、撮像画素とAF画素(焦点検出画素)とを有する。撮像画素は、入射した光を光電変換して画像生成に用いる信号(画像信号)を出力する。AF画素は、入射した光を光電変換して焦点検出に用いる信号(焦点検出信号)を出力する。撮像素子3にて生成された信号(画像信号、焦点検出信号)は制御部4に出力される。
【0008】
メモリ5は、例えば、メモリカード等の記録媒体である。メモリ5には、画像データ等が記録される。メモリ5へのデータの書き込みや、メモリ5からのデータの読み出しは、制御部4によって行われる。操作部7は、レリーズボタン、電源スイッチなどの各種設定スイッチ等を含み、それぞれの操作に応じた操作信号を制御部4へ出力する。
【0009】
制御部4は、CPU、ROM、RAM等により構成され、制御プログラムに基づきカメラ1の各部を制御する。制御部4は画像データ生成部4aを備える。画像データ生成部4aは、撮像素子3から出力される撮像信号に各種の画像処理を行って画像データを生成する。画像処理には、例えば、階調変換処理、色補間処理、輪郭強調処理等の公知の画像処理が含まれる。
【0010】
本実施の形態のカメラ1が備える撮像素子3について詳細に説明を行う。
図2は、撮像素子3を撮像面側から、すなわち図1の+z側から見た場合の全体構成を模式的に示す図である。撮像素子3は、図2のx方向およびy方向に配列される複数の画素30を有している。図2では一部を省略して描いているが、画素30は、x方向およびy方向にそれぞれ例えば1000個以上に渡って多数配列されていても良い。
複数の画素30が配列された領域(撮像領域)の、図中の左端には水平制御部HCが設けられ、図中の上端には垂直制御部VCが設けられている。
【0011】
撮像素子3は、複数の画素領域Rを有する。図2では、1つの画素領域Rは、破線で示した境界線BBにより囲まれる、x方向およびy方向に配列されている複数の画素30を有する。図2においては、8×8個の計64個の画素30からなる画素領域Rが複数設けられている場合を例示している。各画素領域Rは、x方向に第1周期およびy方向に第2周期で並ぶ。第1周期および第2周期のそれぞれは、画素領域Rのx方向の画素数およびy方向の画素数であり、本実施の形態では8個である場合を例に挙げる。
画素領域Rのそれぞれの中の複数の画素30は、後述するようにそれぞれの出力部が、1つの出力線に接続され、1つの読出部に接続されている。なお、画素領域Rのそれぞれの中の複数の画素30は、複数の出力線に接続され、複数の読出部に接続されていてもよい。
また、画素領域Rの外郭形状は図2に示した長方形に限られるものではなく、複数の画素30を包含する任意の形状であっても良い。この場合、境界線BBの形状は単純な直線ではなく、複数の直線が折れ曲がって接続された形状になる。
【0012】
図2に示した例の場合には、画素領域Rに含まれるx方向に8個およびy方向に8個配列される計64個の画素30のうち、斜線を付した16個の画素30が1つの画素ブロックBCを構成している。なお、1つの画素ブロックBC内の1方向およびy方向の画素30の配列数は、16個に限られるものではなく、8個や32個等の他の数であっても良い。また、x方向とy方向とで配列数が異なっていても良い。
【0013】
図3は、図2に示す画素30のうち、一部の画素ブロックBCを拡大して示す図である。図3に示した通り、複数の画素30には、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の異なる分光特性を有する3つのカラーフィルタ(色フィルタ)のいずれかが設けられる。Rのカラーフィルタは主に赤色の波長域の光を透過し、Gのカラーフィルタは主に緑色の波長域の光を透過し、Bのカラーフィルタは主に青色の波長域の光を透過する。画素は、配置されたカラーフィルタによって異なる分光特性を有する。画素30には、赤(R)の光に感度を有する画素(以下、R画素30Rと称する)と、緑(G)の光に感度を有する画素(以下、G画素30GrまたはG画素30Gbと称する)と、青(B)の光に感度を有す画素(以下、B画素30Bと称する)とがある。これらの画素30は、いわゆるベイヤー配列で配列されている。G画素30GbはB画素30Bと同じx方向に配置されたG画素であり、G画素30GrはR画素30Rと同じx方向に配置されたG画素である。
【0014】
本実施の形態の複数の画素ブロックBCは、第1画素ブロック群G1と第2画素ブロック群G2とを含む。第1画素ブロック群G1は、x方向に第1周期およびy方向に第2周期で並ぶ複数の画素ブロックBCからなる。第1周期および第2周期のそれぞれは、上述した画素領域Rのx方向の画素数およびy方向の画素数であり、本実施の形態では8個である場合を例に挙げる。以下の説明では、第1画素ブロック群G1を構成する画素ブロックBCを第1画素ブロックBC1と呼称し、図3では破線で示す境界線BB1により囲まれる領域を一例とする。各第1画素ブロックBC1は、境界線BB1により囲まれる画素領域R1内においてベイヤー配列で配列されたG画素30Gb、G画素30Gr、R画素30R、B画素30Bのうち、各16個のG画素30Grを有する。なお、図3においては、第1画素ブロックBC1を構成するG画素30Grには斜線を付して示す。また、図3においては、複数の第1画素ブロックBC1のうち、代表して第1画素ブロックBC1a、BC1b、BC1cおよびBC1dを示す。第1画素ブロックBC1aとBC1bおよびBC1cとBC1dとはx方向に並び、第1画素ブロックBC1aとBC1cおよびBC1bとBC1dとはy方向に並んでいる。
【0015】
第2画素ブロック群G2は、第1画素ブロック群G1の各画素ブロックBC1に対して、x方向に第1周期とは異なる第1シフト量、y方向に第2周期とは異なる第2シフト量だけ位置ずれして並ぶ複数の画素ブロックBCからなる。以下の説明では、第2画素ブロック群G2を構成する画素ブロックBCを第2画素ブロックBC2と呼称し、図3では一点鎖線で示す境界線BB2により囲まれる画素領域R2内の16個の画素30を一例とする。第2画素ブロックBC2は、境界線BB2により囲まれる画素領域R2内においてベイヤー配列で配列されたG画素30Gb、G画素30Gr、R画素30R、B画素30Bのうち、各16個のG画素30Gbを有する。なお、図3においては、第2画素ブロックBC2を構成するG画素30Gbにはドットを付して示す。また、図3においては、複数の第2画素ブロックBC2のうち、代表して第2画素ブロックBC2a、BC2b、BC2cおよびBC2dを示す。第2画素ブロックBC2aとBC2bおよびBC2cとBC2dとはx方向に並び、第2画素ブロックBC2aとBC2cおよびBC2bとBC2dとはy方向に並んでいる。第1画素ブロックBC1を構成するG画素30Grと、第2画素ブロックBC2を構成するG画素30Gbとはともに第1分光感度を有する。第1分光感度は、一例として、緑の光に対する感度が、青や赤の光に対する感度よりも高い分光感度である。
【0016】
本実施の形態においては、第1シフト量および第2シフト量をそれぞれ画素ブロックBCの大きさの半分(すなわち、第1周期および第2周期の半分である画素30の4個分)をシフト量とした場合を例に挙げる。このため、第2画素ブロックBC2は、複数の画素ブロックBC1のそれぞれに対応する画素領域R1の一部を含む。例えば、第2画素ブロックBC2aでは、第1画素ブロックBC1aに対応する画素領域R1の一部と、第1画素ブロックBC1bに対応する画素領域R1の一部と、第1画素ブロックBC1cに対応する画素領域R1の一部と、第1画素ブロックBC1dに対応する画素領域R1の一部と、を含む画素領域R2において、複数のG画素30Gbがx方向とy方向とに配置される。
なお、第1シフト量は画素ブロックBCの大きさ(すなわち、第1周期)の半分とするものに限定されず、第1周期の40%以上かつ60%以下の値とすることができる。同様に、第2シフト量は画素ブロックBCの大きさ(すなわち、第2周期)の半分とするものに限定されず、第2周期の40%以上かつ60%以下の値とすることができる。第1シフト量と第2シフト量とが異なる値であってもよい。
【0017】
図4は、図3に示した第1画素ブロックBC1と第2画素ブロックBC2に含まれる画素30について、その電気回路の概要を模式的に示す拡大図であり、図4(a)は画素ブロックBCと垂直選択線、水平選択線等との関係を示し、図4(b)は各画素30の電気回路の構成を示す。なお、図示の都合上、第1画素ブロックBC1を構成するG画素30Grおよび第2画素ブロックBC2を構成するG画素30Grの電気回路の概要のみを示し、他のR画素30RやB画素30Bについては図示を省略するが、R画素30R、B画素30Bについても同様の構成を有する。また、図4においては、複数の第1画素ブロックBC1および複数の第2画素ブロックBC2のうち、第1画素ブロックBC1aおよび第2画素ブロックBC2aの画素30を代表して示す。
【0018】
垂直制御部VC(図2参照)からは、各画素30の後述する垂直選択トランジスタTVに接続されている垂直選択線VS11~VS14、VS21~VS24(総称して、垂直選択線VSとも呼ぶ)がy方向に延びている。水平制御部HCからは、各画素30の後述する水平選択トランジスタTHに接続されている水平選択線HS11~HS14、HS21~HS24(総称して、水平選択線HSとも呼ぶ)がx方向に延びている。垂直選択線VS11~VS14、VS21~VS24のそれぞれは、y方向に並ぶ複数の画素30で共用され、水平選択線HS11~HS14、HS21~HS24のそれぞれはx方向に並ぶ複数の画素30で共用されている。
【0019】
各画素30において、光電変換部であるフォトダイオードPDは入射光を光電変換して電荷を生成し、生成した電荷を一時的に蓄積する。転送トランジスタTXは、不図示の転送制御線よりそのゲートに送られる転送信号に基づいて、フォトダイオードPDに蓄積された電荷を、容量CCが形成されるフローティングデフュージョン(FD)領域FDに転送する。増幅トランジスタTAは、転送された電荷によりFD領域FDに生じた電圧がそのゲートに印加されることにより、フォトダイオードPDで生成された電荷に応じた信号を出力する。
【0020】
増幅トランジスタTAの入力側(ドレイン)には、電源電圧VDDが印加されている。リセットトランジスタTRは、FD領域FDの電荷を電源電圧VDD側に排出することで、FD領域FDの電圧を電源電圧VDDにリセットする。
【0021】
各画素30の増幅トランジスタTAの出力側(ソース側)は、垂直選択トランジスタTVの入力側に接続されている。第1画素ブロックBC1の画素30の垂直選択トランジスタTVのゲートは、垂直選択線VS11~VS14に接続されており、図2に示した垂直制御部VCから送られてくる制御信号により、垂直選択トランジスタTVは導通または非導通となる。第2画素ブロックBC2の画素30の垂直選択トランジスタTVのゲートは、垂直選択線VS21~VS24に接続されており、図2に示した垂直制御部VCから送られてくる制御信号により、垂直選択トランジスタTVは導通または非導通となる。
【0022】
各画素30の垂直選択トランジスタTVの出力側は、水平選択トランジスタTHの入力側に接続されている。第1画素ブロックBC1の画素30の水平選択トランジスタTHのゲートは、水平選択線HS11~HS14に接続されており、図2に示した水平制御部HCから送られてくる制御信号により、水平選択トランジスタTHは導通または非導通となる。第2画素ブロックBC2の画素30の水平選択トランジスタTHのゲートは、水平選択線HS21~HS24に接続されており、図2に示した水平制御部HCから送られてくる制御信号により、水平選択トランジスタTHは導通または非導通となる。
【0023】
水平選択トランジスタTHの出力側は出力線RWに接続され、光電変換して生成された電荷に基づく信号を信号線である出力線RWへ出力する出力部である。出力線RWは、画素30の信号を読み出す読出部100に接続されている。読出部100は、例えば、画素30から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換部を有し、画素ブロックBCごとに設けられる。上述したように、読出部100は、画素ブロックBCごとに設けられている。すなわち、第1画素ブロックBC1の各画素30から出力された信号は出力線RW1により読出部100aに出力され、第2画素ブロックBC2の各画素30から出力された信号は出力線RW2により読出部100bに出力される。
【0024】
本実施形態の撮像素子3の画素30のリセット動作を含む撮像動作は、従来の4トランジスタ型のCMOS型撮像素子とほぼ同様である。すなわち、撮像または焦点検出のための露光動作に先立って、リセットトランジスタTRおよび転送トランジスタTXが電源電圧VDDと導通して、FD領域FDおよびフォトダイオードPDが電源電圧VDDにリセットされる。その後、転送トランジスタTXが非導通とされ、フォトダイオードPDで撮像または焦点検出のための露光が行われる。
【0025】
次に、撮像素子3の画素30からの信号の読み出しについて説明する。
垂直制御部VCは、図4(a)に示す第1画素ブロックBC1の第n行目の4個のG画素30Grのそれぞれに接続された垂直選択線VS11、VS12、VS13およびVS14に信号を送り、各G画素30Grのそれぞれの垂直選択トランジスタTVを導通させる。そして、第n行目の各G画素30Grの転送トランジスタTXを導通させ、水平制御部HCは、水平選択線HS11、HS12、HS13およびHS14に信号を送り、各G画素30Grの水平選択トランジスタTHを導通させる信号を送る。
以上の制御により、第1画素ブロックBC1の第n行目の各G画素30Grの信号(G信号)は、出力線RW11、RW12、RW13およびRW14に出力される。この結果、第1画素ブロックBC1に接続されている読出部100aは、第1画素ブロックBC1の第n行目の各G画素30Grの信号(G信号)を読み出すことができる。
その後、垂直制御部VCは、垂直選択線VS11、VS12、VS13およびVS14に、垂直選択トランジスタTVを非導通にさせる信号を送る。水平制御部HCは、水平制御線HS11、HS12、HS13およびHS4に、転送トランジスタTXを非導通にさせる信号を送る。
以後同様の処理を行い、読出部100aは、第1画素ブロックBC1の第n+2行目の各G画素30Gr、第n+4行目の各G画素30Grおよび第n+6行目の各G画素30Grからの信号(G信号)を読み出す。
【0026】
垂直制御部VCは、図4(a)に示す第2画素ブロックBC2の第n+3行目の4個のG画素30Gbのそれぞれに接続された垂直選択線VS21、VS22、VS23およびVS24に信号を送り、各G画素30Gbのそれぞれの垂直選択トランジスタTVを導通させる。そして、第n+3行目の各G画素30Gbの転送トランジスタTXを導通させ、水平制御部HCは、水平選択線HS21、HS22、HS23およびHS24に信号を送り、各G画素30Gbの水平選択トランジスタTHを導通させる信号を送る。
以上の制御により、第2画素ブロックBC2の第n+3行目の各G画素30Gbの信号(G信号)は、出力線RW21、RW22、RW23およびRW24に出力される。この結果、第2画素ブロックBC2に接続されている読出部100bは、第2画素ブロックBC2の第n+3行目の各G画素30Gbの信号(G信号)を読み出すことができる。
その後、垂直制御部VCは、垂直選択線VS21、VS22、VS23およびVS24に、垂直選択トランジスタTVを非導通にさせる信号を送る。水平制御部HCは、水平制御線HS21、HS22、HS23およびHS24に、転送トランジスタTXを非導通にさせる信号を送る。
以後同様の処理を行い、読出部100bは、第2画素ブロックBC2の第n+5行目の各G画素30Gb、第n+7行目の各G画素30Gbおよび第n+9行目の各G画素30Gbからの信号(G信号)を読み出す。
【0027】
以上、1つの第1画素ブロックBC1と1つの第2画素ブロックBC2内の画素30の信号の読み出しについて説明したが、第1画素ブロック群G1の他の第1画素ブロックBC1および第2画素ブロック群G2の他の第2画素ブロックBC2においても同様である。各画素ブロックBC内の各画素30の信号は、各画素ブロックBC内に設けられている出力線RWに出力され、読出部100により読み出される。なお、垂直選択線VSは、複数の画素ブロックBCで共有されていてよい。例えば、垂直選択線VS11~VS14は、図3および右4に示す第1画素ブロックBC1に対してy方向に並ぶ他の第1画素ブロックBC1内の各画素30に接続されていてもよい。
各画素ブロックBCの読出部100で読み出された信号は、不図示の出力回路を経て、撮像素子3から出力される。
【0028】
上記のようにして出力された各画素ブロックBCからの信号の出力値(強度)は、例えば、各画素ブロックBC内で読出部100から各画素30までの配線抵抗および配線容量の相違や、画素ブロックBCごとのゲインのばらつきや、電圧ムラ、制御線なまり等により、画素ブロックBCの境界で画素ブロックBCの中央に比べ出力が低下または上昇、すなわち変動することがある。
図5に、画素ブロックBCごとのG画素30Gr、G画素30Gbからの信号強度の一例を模式的に示す。図5(a)は第1画素ブロック群G1のうち、代表してx方向に隣接する2個の第1画素ブロックBC1からの信号の強度を示し、図5(b)は第2画素ブロック群G2のうち、代表してx方向に隣接する2個の第2画素ブロックBC2からの信号の強度を示す。図5においては、縦軸を信号の強度、横軸を画素30のx方向の位置(画素列)を示す。
【0029】
図5においては、各画素ブロックBCにおける出力の変動の一例として、各画素ブロックBCの中央部における信号の強度が高く、境界に近づくに従い信号の強度が低下している場合を一例として示す。図5(a)では、第1画素ブロックBC1のx方向の端部の第m列(図3参照)のG画素30Grからの信号(G信号)の強度は、第1画素ブロックBC1のG画素30Grからの信号よりも低下している。隣接する第1画素ブロックBC1においても、端部である第m+2列(図3参照)のG画素30Grからの信号(G信号)の強度は、中央部のG画素30Grからの信号よりも低下している。同様に、図5(b)では、第2画素ブロックBC2の端部の第m+3列(図3参照)のG画素30Gbからの信号(G信号)の強度は、第2画素ブロックBC2の中央部のG画素30Gbからの信号よりも低下している。隣接する第2画素ブロックBC2においても、端部の第m+5列(図3参照)のG画素30Gbからの信号(G信号)の強度は、中央部のG画素Gb30からの信号よりも低下している。
【0030】
上述したように、第2画素ブロックBC2は、第1画素ブロックBC1に対して、画素ブロックBCの大きさの半分のシフト量にてシフトした位置に設定されている。このため、画像データ生成部4aは、第1画素ブロックBC1の境界付近(第m列、第m+2列)のG画素30Grからの信号の強度を、第2画素ブロックBC2の第m+1列のG画素30Gbからの信号の強度を用いて補完する。これにより、第m列のG画素30Grからの信号(G信号)の強度の低下と、第m+2列のG画素30Grからの信号(G信号)の強度の低下とを補正し、第1画素ブロックBC1の中央部と境界付近におけるG信号の変動を抑制できる。第2画素ブロックBC2の境界付近のG画素30Gbからの信号の強度については、画像データ生成部4aは、第1画素ブロックBC1のG画素30Grからの信号を用いて補完する。上記の処理の後、画像データ生成部4aは、撮像素子3から出力された信号に各種の画像処理を行って画像データを生成する。この結果、画素ブロックBCにおけるG信号の変動が補正されることにより、画像上でムラの発生が抑制された画像データが生成される。
【0031】
図6は、本実施形態の撮像素子3の画素30部分の断面を示す図である。なお図6では、撮像素子3の全体のうち、一部の断面のみを示している。図6中に示したx方向およびz方向は、図1中に示した各方向と同じである。撮像素子3は、いわゆる裏面照射型の撮像素子である。撮像素子3は、紙面上方向から入射した光を光電変換する。撮像素子3は、第1半導体基板7と、第2半導体基板8とを備える。
【0032】
上述のとおり、撮像素子3は複数の画素30を有している。1つの画素30は、第1半導体基板7に設けられた画素上部30xと、第2半導体基板8に設けられた画素下部30yとを含む。1つの画素上部30xは、1つのマイクロレンズ74、1つのカラーフィルタ73、1つのフォトダイオードPDの受光部31等が含まれる。
【0033】
第1半導体基板7は、画素上部30xに含まれるフォトダイオードPDの受光部31を含む受光層71と、転送トランジスタTX、増幅トランジスタTA等のトランジスタが形成されている配線層72とを備える。受光層71は、第1半導体基板7の配線層72とは反対側(裏面側)に配置される。受光層71には、複数の受光部31が二次元状に配置されている。
【0034】
第2半導体基板8には、画素下部30yに含まれる垂直選択トランジスタTV、水平選択トランジスタTH、垂直選択線VS、水平制御線HS、読出部100および電流源CSなどが配置されている。
配線層72の表面には複数のバンプ75が配置される。第2半導体基板8の、配線層72に対向する面には、複数のバンプ75に対応する複数のバンプ76が配置される。複数のバンプ75と複数のバンプ76とは互いに接合されている。複数のバンプ75と複数のバンプ76とを介して、第1半導体基板7と第2半導体基板8とが電気的に接続されている。
【0035】
なお、上述した第1半導体基板7および第2半導体基板8にそれぞれ配置される回路要素の構成は一例であって、そのうちのいくつかの構成物は、第1半導体基板7および第2半導体基板8のどちらに配置してもよい。例えば、フォトダイオードPDの受光部31を含む受光層71と、転送トランジスタTX、増幅トランジスタTA、および垂直選択トランジスタTVを第1半導体基板7に形成し、水平選択トランジスタTHと、水平制御線HSと、読出部100および電流源CSとを、第2半導体基板8に配置してもよい。
【0036】
フォトダイオードPDの受光部31を含む受光層71と、転送トランジスタTX、増幅トランジスタTA、および垂直選択トランジスタTV、水平選択トランジスタTH、水平制御線HSを第1半導体基板7に形成し、読出部100および電流源CSを第2半導体基板8に配置してもよい。
垂直制御部VCおよび水平制御部HCは、第1半導体基板7および第2半導体基板8のどちらに配置してもよい。
また、画素30は第1半導体基板7および第2半導体基板8を有する積層構造であるものに限定されず、1つの半導体基板に上記の各構成が配置されても良い。
【0037】
ただし、第1半導体基板7に多くの回路要素を配置すると、第1半導体基板7に受光部31を配置する面積または体積が十分に確保できなくなるので、読出部100および電流源CSは、第2半導体基板8に配置することが好ましい。
各画素30のカラーフィルタ73には、各画素の分光感度特性に合わせたカラーフィルタが配置されている。
【0038】
以上の撮像素子の実施形態において、各画素30の配列は、必ずしもベイヤー配列に限られるものではない。また、水平制御線HSは、撮像素子3の長辺方向(x方向)ではなく短辺方向(y方向)に延びていてもよく、垂直選択線VSは、撮像素子3の短辺方向(y方向)ではなく長辺方向(x方向)に延びていてもよい。また、各画素30の信号の出力を制御する水平制御線HSおよび垂直選択線VSは、水平方向(x方向)および垂直方向(y方向)に延在するものでなくてもよい。
【0039】
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)複数の画素ブロックBCは、第1画素ブロック群G1と第2画素ブロック群G2とを含む。第1画素ブロック群G1では、第1画素ブロックBC1が、第1方向(x方向)に第1周期で並び、第2方向(y方向)に第2周期で並ぶ。第2画素ブロック群G2では、第2画素ブロックBC2が、第1画素ブロック群G1の第1画素ブロックBC1のそれぞれに対し、第1方向(x方向)に第1周期とは異なる第1シフト量、または第2方向(y方向)に第2周期とは異なる第2シフト量だけ位置ずれして並ぶ。これにより、第1画素ブロックBC1からの信号の強度が、画素ブロックBC内での読出部100から各画素30までの配線抵抗および配線容量の相違や、画素ブロックBCごとのゲインのばらつきや、電圧ムラ、制御線なまり等により、画素ブロックBC内で信号が変動する場合に、第2画素ブロックBC2からの信号を用いて上記の信号の変動を補正することができる。この結果、画素ブロックBCの境界に起因するムラの発生が抑制された高画質な画像データが生成される。
【0040】
(2)第2画素ブロックBC2に含まれる画素30の少なくとも一部と、第1画素ブロックBC1に含まれる画素30の少なくとも一部とは、ともに同一の第1分光感度を有する。これにより、第1画素ブロックBC1のG画素30Grからの信号(G信号)の強度の不連続を、同色の第2画素ブロックBC2のG画素30Gbからの信号(G信号)を用いて補正することが可能となる。
【0041】
(3)第2画素ブロックBC2aでは、第1画素ブロックBC1aに対応する画素領域R1の一部と第1画素ブロックBC1bに対応する画素領域R1の一部と、第1画素ブロックBC1cに対応する画素領域R1の一部と、第1画素ブロックBC1dに対応する画素領域R1の一部とを含む画素領域R2において、複数のG画素30Gbがx方向とy方向とに配置される。これにより、第1画素ブロックBC1からの信号の強度が、画素ブロックBC内での読出部100から各画素30までの配線抵抗および配線容量の相違や、画素ブロックBCごとのゲインのばらつきや、電圧ムラ、制御線なまり等により、画素ブロックBC内で信号が変動する場合に、第2画素ブロックBC2からの信号を用いて上記の信号の変動を補正することができる。この結果、画素ブロックBCの境界に起因するムラの発生が抑制された高画質な画像データが生成される。
【0042】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
変形例1においては、複数の画素ブロックBCがさらにx方向およびy方向に所定の周期で並ぶ第3画素ブロック群を含み、第3画素ブロック群の画素ブロック(第3画素ブロック)に含まれる画素は、第1画素ブロック群G1および第2画素ブロック群G2のG画素30とは異なる第2分光感度を有する。第2分光感度は、一例として、赤の光に対する感度が、青や緑の光に対する感度よりも高い分光感度である。すなわち、変形例1では、R画素30Rが第3画素ブロックを構成する。
【0043】
図7に変形例1の画素ブロックBCを示す。図3に示す実施の形態の場合と同様に境界線BB1で囲まれた画素領域R1中のG画素30Grからなる第1画素ブロックBC1を複数有する第1画素ブロック群G1と、境界線BB2で囲まれる画素領域R2中のG画素30Rbからなる第2画素ブロックBC2を複数有する第2画素ブロック群G2に加え、第3画素ブロックBC3が設定される。なお、図7においては、複数の第1画素ブロックBC1、第2画素ブロックBC2および第3画素ブロックBC3のうち、それぞれ1個を代表して示す。
【0044】
第3画素ブロックBC3は、第1画素ブロックBC1と同様の境界線BB1で囲まれる画素領域R1内においてベイヤー配列で配列されたG画素30Gb、G画素30Gr、R画素30R、B画素30Bのうち、各16個の横線を付して示すR画素30Rを有する。この第3画素ブロックBC3が、第1画素ブロックBC1と同様に、x方向に第1周期およびy方向に第2周期で複数並ぶことにより第3画素ブロック群G3が構成される。上述したように、各画素ブロックBCには読出部100が設けられているので、各第3画素ブロックBC3にもそれぞれ読出部100が設けられる。
なお、図7に示す例では、第2分光感度を有する画素30としてR画素30Rである場合を示したが、B画素30Bにより第3画素ブロックBC3を構成して良い。この場合、第2分光感度は、一例として、青の光に対する感度が、赤や緑の光に対する感度よりも高い分光感度である。
【0045】
(変形例2)
変形例2においては、変形例1に示す第3画素ブロック群G3の各第3画素ブロックBC3が、第1画素ブロック群G1の第1画素ブロックBC1のそれぞれに対して、x方向に第1周期とは異なる第3シフト量、またはy方向に第2周期とは異なる第4シフト量だけ位置ずれして並ぶ。
【0046】
図8に変形例2における画素ブロックBCを示す。第1画素ブロックBC1および第2画素ブロックBC2は図3に示す実施の形態の場合と同様に設定される。なお、図8においても、図7の場合と同様に、複数の第1画素ブロックBC1、第2画素ブロックBC2および第3画素ブロックBC3のうち、それぞれ1個を代表して示す。
図8において、第3画素ブロックBC3は、二点鎖線で示す境界線BB3にて囲まれた画素領域R3内においてベイヤー配列で配列されたG画素30Gb、G画素30Gr、R画素30R、B画素30Bのうち、各16個の横線を付して示すR画素30Rを有する。
【0047】
図8(a)に示す第3画素ブロックBC3は、第1画素ブロックBC1に対してx方向に第1周期とは異なる第3シフト量だけ位置ずれした状態で第1周期にて並んでいる。この第3シフト量は画素ブロックBCの大きさの半分(すなわち、第1周期の半分である画素30の4個分)の量である。なお、第3シフト量は画素ブロックBCの大きさ(すなわち、第1周期)の半分とするものに限定されず、第1周期の40%以上かつ60%以下の値とすることができる。
【0048】
図8(b)において、第3画素ブロックBC3は、第1画素ブロックBC1に対してy方向に第2周期とは異なる第4シフト量だけ位置ずれした状態で第2周期にて並んでいる。この第4シフト量は画素ブロックBCの大きさの半分(すなわち、第2周期の半分である画素30の4個分)の量である。なお、第4シフト量は画素ブロックBCの大きさ(すなわち、第2周期)の半分とするものに限定されず、第2周期の40%以上かつ60%以下の値とすることができる。
なお、図8に示す例では、第2分光感度を有する画素30としてR画素30Rである場合を示したが、B画素30Bにより第3画素ブロックBC3を構成して良い。
【0049】
(変形例3)
第3画素ブロックBC3を構成するR画素30Rの個数を、第1画素ブロックBC1を構成するG画素30Grの個数(16個)より少ない個数(例えば、1/4である4個)に設定して良い。
図9に変形例3における画素ブロックBCを示す。なお、図9においても、図7図8の場合と同様に、複数の第1画素ブロックBC1、第2画素ブロックBC2および第3画素ブロックBC3のうち、それぞれ1個を代表して示す。
図9(a)は、第3画素ブロックBC3を、境界線BB1で囲まれる矩形の画素領域R1の4つの端部の近傍にそれぞれ配列された横線を付して示すR画素30Rにより構成する場合を一例として示す。
また、図9(b)は、境界線BB1で囲まれる矩形の画素領域R1の1つの端部の近傍において二点鎖線BB3で囲まれた画素領域R3に配列された画素30のうち、横線を付して示す4個のR画素30Rにより第3画素ブロックBC3を構成する場合を一例として示す。この場合、第3画素ブロック群G3を構成する複数の第3画素ブロックBC3のx方向の並びの周期は第1周期の半分であり、y方向の並びの周期は第2周期の半分となる。
なお、図9に示す例では、第2分光感度を有する画素30としてR画素30Rである場合を示したが、B画素30Bにより第3画素ブロックBC3を構成して良い。
【0050】
(変形例4)
変形例4においては、複数の画素ブロックBCは、第3画素ブロックBC3のそれぞれに対してx方向に第1周期とは異なる第5シフト量、またはy方向に第2周期とは異なる第6シフト量だけ位置ずれして並ぶ複数の第4画素ブロックからなる第4画素ブロック群を含む。第4画素ブロックに含まれる画素30は、第3画素ブロックBC3の画素30と同様に第2分光感度を有する。
図10に変形例4における画素ブロックBCの一例を示す。変形例4では、第3画素ブロックBC3は、境界線BB1で囲まれる画素領域R1においてベイヤー配列で配列されたG画素30Gb、G画素30Gr、R画素30R、B画素30Bのうち、横線を付して示す8個のR画素30Rを有する。第4画素ブロックBC4は、図3で示した第2画素ブロックBC2の境界線BB2と共通の境界線で囲まれる画素領域R2においてベイヤー配列で配列されたG画素30Gb、G画素30Gr、R画素30R、B画素30Bのうち、縦線を付して示す8個のR画素30Rを有する。複数の第4画素ブロックBC4は、x方向に第1周期およびy方向に第2周期で並び、第4画素ブロック群G4を構成する。
【0051】
図に示すように、第4画素ブロックBC4は、第3画素ブロックBC3に対して、x方向に第1周期とは異なる第5シフト量、y方向に第2周期とは異なる第6シフト量だけ位置ずれして並ぶ。第5シフト量および第6シフト量は、それぞれ画素ブロックBCの大きさの半分(すなわち、すなわち、第1周期および第2周期の半分である画素30の4個分)である。
なお、第5シフト量は画素ブロックBCの大きさ(すなわち、第1周期)の半分とするものに限定されず、第1周期の40%以上かつ60%以下の値とすることができる。同様に、第6シフト量は画素ブロックBCの大きさ(すなわち、第2周期)の半分とするものに限定されず、第2周期の40%以上かつ60%以下の値とすることができる。第5シフト量と第6シフト量とが異なる値であってもよい。
【0052】
上述したように、各画素ブロックBCには読出部100が設けられているので、各第3画素ブロックBC3および各第4画素ブロックBC4にもそれぞれ読出部100が設けられる。第3画素ブロックBC3のR画素30Rからの信号(R信号)と第4画素ブロックBC4のR画素30Rからの信号(R信号)とに対して、画像データ生成部4aは、実施の形態にて説明した処理と同様の処理を行う。この結果、第3画素ブロックBC3と第4画素ブロックBC4とから出力されるR信号の変動が補正され、画像上でムラの発生が抑制された画像データを生成することができる。
なお、図10に示す例では、第2分光感度を有する画素30としてR画素30Rである場合を示したが、B画素30Bにより第3画素ブロックBC3および第4画素ブロックBC4を構成して良い。
【0053】
なお、図10においては、第3画素ブロックBC3および第4画素ブロックBC4に含まれるR画素30Rがそれぞれ8個の場合を例に挙げたが、第3画素ブロックBC3および第4画素ブロックBC4に含まれるR画素30Rの個数は8個に限定されるものではない。
図11に、他の例として、第3画素ブロックBC3および第4画素ブロックBC4に含まれるR画素30Rがそれぞれ16個の場合を例に挙げる。図11では、第3画素ブロックBC3は、二点鎖線で示す境界線BB3で囲まれる16画素×16画素の画素領域R3においてベイヤー配列で配列されたG画素30Gb、G画素30Gr、R画素30R、B画素30Bのうち、横線を付して示す16個のR画素30Rを有する。第4画素ブロックBC4は、実線で示す境界線BB4で囲まれる16画素×16画素の画素領域R4においてベイヤー配列で配列されたG画素30Gb、G画素30Gr、R画素30R、B画素30Bのうち、縦線を付して示す16個のR画素30Rを有する。
【0054】
図に示すように、第4画素ブロックBC4は、第3画素ブロックBC3に対して、x方向に第1画素ブロックBC1の配置周期である第1周期とは異なる第5シフト量、y方向に第2画素ブロックBC2の配置周期である第2周期とは異なる第6シフト量だけ位置ずれして並ぶ。第5シフト量は画素30の5画素分の大きさであり、第6シフト量は画素30の2個分の大きさである。なお、第5シフト量および第6シフト量は図11に示す例における大きさに限定されず、第1画素ブロックBC1および第2画素ブロックBC2の大きさ(すなわち、第1周期および第2周期)の40%以上かつ60%以下の値とすることができる。
【0055】
(変形例5)
上述した実施の形態と変形例1~4においては、撮像素子3は画素30がカラーフィルタを有するカラーセンサであるものに代えて、モノクロセンサでも良い。
【0056】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1:撮像装置、
3:撮像素子、
4a:画像データ生成部、
30:画素、
100:読出部、
BC:画素ブロック、
BC1:第1画素ブロック、
BC2:第2画素ブロック、
BC3:第3画素ブロック、
BC4:第4画素ブロック、
G1:第1画素ブロック群、
G2:第2画素ブロック群、
G3:第3画素ブロック群、
G4:第4画素ブロック群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11