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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022183780
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/60 20100101AFI20221206BHJP
   H01L 33/58 20100101ALI20221206BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091265
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100184985
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100218981
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】丸山 知敬
(72)【発明者】
【氏名】小川 祐貴
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA04
5F142AA26
5F142AA56
5F142AA86
5F142BA03
5F142BA32
5F142CA11
5F142CA13
5F142CB12
5F142CB13
5F142CD02
5F142CD16
5F142CD17
5F142CD18
5F142CD34
5F142CD44
5F142CD47
5F142CE04
5F142CG03
5F142CG04
5F142CG05
5F142CG24
5F142DA14
5F142DB36
5F142DB38
5F142EA02
5F142EA18
5F142GA11
5F142GA21
5F142GA28
(57)【要約】
【課題】発光装置と導光板との間の光結合効率を向上させる。
【解決手段】発光装置は、第1方向に沿って配置された第1発光素子121および第2発光素子122と、第1発光素子および第2発光素子を覆う少なくとも1つの透光性部材131A、131Bと、光反射性部材140Aとを備える。透光性部材は、光反射性部材から露出された第1面131aおよび第2面132aを有する。第1面は、第1方向を含み第1発光素子の上面に垂直な第1断面において、第1頂部131tを含む凸形状を有し、第2面は、第1断面において、第2頂部132tを含む凸形状を有する。光反射性部材は、第1方向において第1面と第2面との間に位置する第1凸部141であって、第1断面において第1面の第1頂部および第2面の第2頂部よりも上側に位置する部分を含む第1凸部を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って配置され、それぞれが上面および側面を有する第1発光素子および第2発光素子と、
側面を有し、前記第1発光素子の上面および前記第2発光素子の上面を覆う少なくとも1つの透光性部材と、
前記第1発光素子の側面の少なくとも一部、前記第2発光素子の側面の少なくとも一部、および、前記透光性部材の側面に接する光反射性部材と、
を備え、
前記透光性部材は、前記光反射性部材から露出された第1面および第2面を有し、
前記第1面および前記第2面は、それぞれ、前記第1発光素子の上方および前記第2発光素子の上方に位置し、
前記第1面は、前記第1方向を含み前記第1発光素子の上面に垂直な第1断面において、第1頂部を含む凸形状を有し、
前記第2面は、前記第1断面において、第2頂部を含む凸形状を有し、
前記光反射性部材の上面は、
前記透光性部材の前記第1面の、前記第1方向に直交する第2方向における外側に位置し、かつそれぞれが前記第1面に整合した一対の第1領域と、
前記透光性部材の前記第2面の前記第2方向における外側に位置し、かつそれぞれが前記第2面に整合した一対の第2領域と、
を有し、
前記光反射性部材は、前記第1方向において前記第1面と前記第2面との間に位置する第1凸部であって、前記第1断面において前記第1面の前記第1頂部および前記第2面の前記第2頂部よりも上側に位置する部分を含む第1凸部を有する、発光装置。
【請求項2】
前記光反射性部材は、前記透光性部材の前記第1面の前記第1方向における両端部および前記第2面の前記第1方向における両端部よりも上側に位置する第2凸部および第3凸部をさらに有し、
前記第2凸部は、前記第1方向において前記第1面の位置を基準に前記第1凸部とは反対側に位置し、
前記第3凸部は、前記第1方向において前記第2面の位置を基準に前記第1凸部とは反対側に位置する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1面および前記第2面のそれぞれは、前記第1断面において曲面状を有する、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1面は、
前記第1断面において一方の端部から中央部に向かうに従って前記第1発光素子の上面から離れる第1傾斜面と、
前記第1断面において他方の端部から中央部に向かうに従って前記第1発光素子の上面から離れる第2傾斜面と
を含み、
前記第2面は、
前記第1断面において一方の端部から中央部に向かうに従って前記第2発光素子の上面から離れる第3傾斜面と、
前記第1断面において他方の端部から中央部に向かうに従って前記第2発光素子の上面から離れる第4傾斜面と
を含む、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記一対の第1領域は、
それぞれが前記透光性部材の前記第1傾斜面に整合した一対の第1傾斜領域と、
それぞれが前記透光性部材の前記第2傾斜面に整合した一対の第2傾斜領域と、
を含み、
前記一対の第2領域は、
それぞれが前記透光性部材の前記第3傾斜面に整合した一対の第3傾斜領域と、
それぞれが前記透光性部材の前記第4傾斜面に整合した一対の第4傾斜領域と、
を含む、請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1方向に垂直な第2断面における前記第1面の形状は、平坦であり、前記第2断面における前記第2面の形状は、平坦である、請求項1から5のいずれかに記載の発光装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの透光性部材は、
前記第1発光素子の上面の上方に位置する第1透光性部材と、
前記第2発光素子の上面の上方に位置する第2透光性部材と
を含み、
前記第1透光性部材および前記第2透光性部材は、それぞれ、前記第1面および前記第2面を有する、請求項1から6のいずれかに記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1透光性部材と前記第1発光素子との間に位置する第1波長変換部材と、
前記第2透光性部材と前記第2発光素子との間に位置する第2波長変換部材と
をさらに備える、請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1発光素子および前記第2発光素子を支持する基板をさらに備え、
前記光反射性部材は、前記基板の上面の少なくとも一部を覆っている、請求項1から8のいずれかに記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置のバックライトの光源として、LEDをその一部に含む発光装置が広く用いられている。例えば下記の特許文献1は、2つのLEDを含む側面発光型のLEDパッケージを開示している。このような側面発光型のLEDパッケージは、光出射面を導光板の側面に対向させて利用される。LEDパッケージからの光は、導光板の側面から導光板内に入射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-036713号公報
【特許文献2】特開2020-167396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その一部に導光板を含むバックライトにおいては、発光装置からの光を導光板に効率よく入射させたい等の要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のある実施形態による発光装置は、第1方向に沿って配置され、それぞれが上面および側面を有する第1発光素子および第2発光素子と、側面を有し、前記第1発光素子の上面および前記第2発光素子の上面を覆う少なくとも1つの透光性部材と、前記第1発光素子の側面の少なくとも一部、前記第2発光素子の側面の少なくとも一部、および、前記透光性部材の側面に接する光反射性部材とを備え、前記透光性部材は、前記光反射性部材から露出された第1面および第2面を有し、前記第1面および前記第2面は、それぞれ、前記第1発光素子の上方および前記第2発光素子の上方に位置し、前記第1面は、前記第1方向を含み、前記第1発光素子の上面に垂直な第1断面において、第1頂部を含む凸形状を有し、前記第2面は、前記第1断面において、第2頂部を含む凸形状を有し、前記光反射性部材の上面は、前記透光性部材の前記第1面の、前記第1方向に直交する第2方向における外側に位置し、かつそれぞれが前記第1面に整合した一対の第1領域と、前記透光性部材の前記第2面の前記第2方向における外側に位置し、かつそれぞれが前記第2面に整合した一対の第2領域とを有し、前記光反射性部材は、前記第1方向において前記第1面と前記第2面との間に位置する第1凸部であって、前記第1断面において前記第1面の前記第1頂部および前記第2面の前記第2頂部よりも上側に位置する部分を含む第1凸部を有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示の実施形態によれば、導光板に光を効率よく入射可能な発光装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の第1の実施形態による発光装置の例を模式的に示す上面斜視図である。
図2図1に示す発光装置の模式的な底面斜視図である。
図3図1および図2に示す発光装置の模式的な断面図である。
図4】第1発光素子を通る位置で発光装置を切断したときの模式的なYZ断面図である。
図5】第1面の第1頂部を含むように発光装置を切断したときの模式的なYZ断面図である。
図6】第2面の第2頂部を含むように発光装置を切断したときの模式的なYZ断面図である。
図7】本開示の実施形態による発光装置を有するバックライトを模式的に示す図である。
図8】本開示の第2の実施形態による発光装置の例を模式的に示す上面斜視図である。
図9図8に示す発光装置の模式的な上面図である。
図10図8および図9に示す発光装置の模式的な断面図である。
図11】本開示の実施形態による発光装置の他の変形例を示す模式的な断面図である。
図12】本開示の実施形態による発光装置のさらに他の変形例を示す模式的な断面図である。
図13】本開示の実施形態による発光装置のさらに他の変形例を示す模式的な断面図である。
図14】本開示の実施形態による発光装置のさらに他の変形例を示す模式的な断面図である。
図15】本開示の実施形態による発光装置の、基板の下面側から見たときの外観の一例を示す図である。
図16】本開示の実施形態による発光装置の、配線基板と対向させられる面の側から見たときの外観の一例を示す図である。
図17】本開示の実施形態による発光素子が実装される集合基板の模式的な上面図である。
図18】本開示の実施形態による発光素子が実装される集合基板の模式的な底面図である。
図19】本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法を示す模式的な上面図である。
図20】本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法を示す模式的な断面図である。
図21】本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法を示す模式的な断面図である。
図22】本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法を示す模式的な断面図である。
図23】本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法を示す模式的な上面図である。
図24】本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法を示す模式的な断面図である。
図25】実施例1のサンプルについての、導光板内部における放射照度の計算結果を示す模式的な図である。
図26】実施例2のサンプルについての、導光板内部における放射照度の計算結果を示す模式的な図である。
図27】参考例1のサンプルについての、導光板内部における放射照度の計算結果を示す模式的な図である。
図28】参考例2のサンプルについての、導光板内部における放射照度の計算結果を示す模式的な図である。
図29】参考例3のサンプルについての、導光板内部における放射照度の計算結果を示す模式的な図である。
図30】参考例4のサンプルについての、導光板内部における放射照度の計算結果を示す模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による発光装置は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する各実施形態は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
【0009】
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、分かりやすさのために誇張されている場合があり、実際の発光装置における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略して模式的に示すこと、あるいは、切断面のみを示す端面図を断面図として示すことがある。
【0010】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置を分かりやすさのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
【0011】
(第1の実施形態)
図1および図2は、本開示の第1の実施形態による発光装置の外観を模式的に示す。図1および図2には、説明の便宜のために、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印があわせて図示されている。本開示の他の図面においてもこれらの方向を示す矢印を図示することがある。なお、本明細書においては、図中のX方向を第1方向と呼ぶことがある。
【0012】
図3は、図1および図2に示す発光装置100Aの模式的な断面を示す。図3は、発光装置100Aの中央付近で発光装置100AをZX面に平行に切断したときの模式的な断面図に相当する。図3に示すように、発光装置100Aは、第1発光素子121および第2発光素子122を含む。第1発光素子121は、上面121aおよび側面121cを有する。同様に、第2発光素子122は、上面122aおよび側面122cを有する。第1発光素子121および第2発光素子122は、それぞれの上面とは反対側の下面に電極24を有している。図3は、第1方向を含み、かつ、第1発光素子121の上面121aに垂直な断面における発光装置100Aの構造を示している。本明細書では、ZX断面を第1断面と呼ぶことがある。
【0013】
図1図3に例示する構成において、発光装置100Aは、さらに、これら発光素子を支持する基板110を有している。基板110は、上面110aを有し、第1発光素子121および第2発光素子122は、図中のX方向(第1方向)に沿って基板110の上面110a上に配置されている。
【0014】
図3に示すように、発光装置100Aは、第1発光素子121、第2発光素子122および基板110に加えて、第1透光性部材131Aと、第2透光性部材132Aと、光反射性部材140Aとを含む。図3に例示する構成において、発光装置100Aは、さらに、第1透光性部材131Aを第1発光素子121の上面121aに接合する透光性の第1接合部材151と、第2透光性部材132Aを第2発光素子122の上面122aに接合する透光性の第2接合部材152とを含んでいてもよい。なお、ここでは、図中のZ方向は、第1発光素子121から第1透光性部材131Aに向かう方向であり、第1発光素子121の上面121aの法線は、Z方向に概ね平行である。
【0015】
第1透光性部材131Aは、第1発光素子121の上面121aの上方に位置する第1面131aを有する。第1面131aは、第1透光性部材131Aの上面の少なくとも一部を構成する。図3に示す例において、第1面131aは、その全体が光反射性部材140Aから露出されている。図1および図2から理解されるように、ここでは、第1面131aは、図のY方向と比較してX方向に長い長方形状を有している。
【0016】
第1面131aは、第1発光素子121とは反対側に盛り上がった凸形状を有し、第1発光素子121から最も遠い位置に第1頂部131tを有する。図1~3に例示する構成において、第1面131aは、第1発光素子121とは反対側に盛り上がった曲面である。
【0017】
図3に示すように、第1断面(ZX断面)における第1頂部131tの位置は、発光素子121の中心の位置と一致させるのが好ましい。これにより、X方向における第1面131aの両端からそれぞれ出射される光量の差を減らすことができる。また、第1断面(ZX断面)において、第1面131aは、第1頂部131tを中心に左右対称であることがより好ましい。これにより、X方向における第1面131aの両端からそれぞれ出射される光量の差をより減らすことができる。
【0018】
第1透光性部材131Aと同様に、第2透光性部材132Aも、第2発光素子122の上面122aの上方に位置する第2面132aを有する。第2面132aは、第2透光性部材132Aの上面の少なくとも一部を構成する。第1透光性部材131Aの第1面131aと同様に、ここでは、第2面132aも、図のY方向と比較してX方向に長い長方形状を有する。
【0019】
第2透光性部材132Aの第2面132aは、第2発光素子122とは反対側に盛り上がった凸形状を有し、その一部に、第2発光素子122から最も遠い位置にある第2頂部132tを含む。図3に示す例では、第2透光性部材132Aの第2面132aも、その全体が光反射性部材140Aから露出された曲面である。
【0020】
上述した理由から、第1断面(ZX断面)における第2頂部132の位置も、発光素子122の中心の位置と一致させるのが好ましい。また、第1断面(ZX断面)において、第1面131aは、第1頂部131tを中心に左右対称であることがより好ましい。
【0021】
第1面131aにおける第1頂部131tの高さH1および第2面132aにおける第2頂部132tの高さH2は、それぞれ、例えば、0.01mm以上0.05mm以下であることが好ましく、0.02mm以上0.04mm以下であることがさらに好ましい。高さH1は、第1面131aの外縁(それぞれの面におけるもっとも低い位置)と第1頂部131tの最も盛り上がった位置とのZ方向の距離で規定される。高さH2についても同様に規定される。
【0022】
光反射性部材140Aは、第1発光素子121および第2発光素子122を取り囲むようにして基板110上に配置されており、基板110の上面110aの一部を覆っている。図3に示すように、光反射性部材140Aは、第1透光性部材131Aの側面131cと、第2透光性部材132Aの側面132cとに接する。第1透光性部材131Aの側面131cは、第1透光性部材131Aの形状を規定する面のうち、第1面131aと、第1面131aとは反対側に位置する下面131bとの間に位置する面である。同様に、第2透光性部材132Aの側面132cは、第2透光性部材132Aの形状を規定する面のうち、第2面132aと、第2面132aとは反対側に位置する下面132bとの間に位置する面である。
【0023】
図3に例示する構成において、光反射性部材140Aは、第1発光素子121の側面121cのうち第1接合部材151に覆われていない部分と、第2発光素子122の側面122cのうち第2接合部材152に覆われていない部分とにも接している。また、光反射性部材140Aは、第1接合部材151の外面151cと、第2接合部材152の外面152cとにも接している。
【0024】
光反射性部材140Aは、第1凸部141を有する。第1凸部141は、第1方向(図のX方向)において、第1透光性部材131Aの第1面131aと、第2透光性部材132Aの第2面132aとの間に位置する。
【0025】
第1凸部141は、第1断面において第1面131aの第1頂部131tおよび第2面132aの第2頂部132tよりも上側に位置する部分を少なくとも含む。図3に示す例において、第1凸部141は、概ね平坦な第1頂面141tと、それぞれが第1頂面141tに概ね垂直な第1側面141cおよび第2側面141dとを有する。これらの面のうち第1頂面141tは、図中のZ方向において第1透光性部材131Aの第1頂部131tおよび第2透光性部材132Aの第2頂部132tよりも上側に位置する。第1頂面141tの形状は、平面状に限定されず、曲面状等であってもよい。
【0026】
図4および図5は、図2に示す平面P4および平面P5における断面、つまり、第1発光素子を通る位置で図のYZ面に平行に発光装置を切断したときの断面を模式的に示す。図4および図5のうち、図5は、第1透光性部材131Aの第1面131aの第1頂部131tを含む位置で発光装置100Aを切断したときの断面を示している。
【0027】
図4および図5に示すように、光反射性部材140Aの上面は、図のY方向において第1透光性部材131Aの第1面131aの外側に位置する一対の第1領域41を含む。第1領域41のそれぞれは、図のY方向において第1面131aに整合している。
【0028】
また、図4および図5に示すように、本開示の典型的な実施形態において、発光素子が配列された第1方向に垂直な断面(第2断面)における第1面131aの形状は、平坦である。ここでは、第1面131aの第1頂部131tは、図のY方向に延びる直線状である。
【0029】
図6は、第2透光性部材132Aの上面の第2頂部132tを含む位置で図のYZ面に平行に発光装置100Aを切断したときの断面を模式的に示す。図4および図5を参照しながら説明した例と同様に、光反射性部材140Aの上面は、図のY方向において第2透光性部材132Aの第2面132aの外側に位置する一対の第2領域42を含む。図6に示すように、第2領域42のそれぞれは、図のY方向において第2面132aに整合している。
【0030】
図6に示すように、本開示の典型的な実施形態において、第2断面(ここでは図のYZ断面)における第2面132aの形状も平坦である。図6に示す例において、第2面132aの左右に位置する第2領域42も平坦である。
【0031】
図6に例示する構成おいて、第2面132aの第2頂部132tは、第1面131aの第1頂部131tと同様に、図のY方向に延びる直線状である。なお、第2発光素子122を通り、かつ第2面132aの第2頂部132tを含まない位置で発光装置100Aを図のYZ面に平行に切断したときに表れる断面は、図4に示す断面とほぼ同じであり得る。したがって、ここでは、発光装置100Aに関するそのような断面の図示および説明を省略する。
【0032】
光反射性部材140Aの上面から露出された、第1透光性部材131Aの第1面131aおよび第2透光性部材132Aの第2面132aは、発光装置100Aの発光面(光出射面)を構成する。上述した例では、第1発光素子121の上方に位置する第1面131aおよび第2発光素子122の上方に位置する第2面132aのそれぞれが、発光素子(第1発光素子121または第2発光素子122)とは反対側に凸状の曲面を有している。また、光反射性部材140Aが、第1断面において第1面131aの第1頂部131tおよび第2面132aの第2頂部132tよりも上側に位置する部分を含んでいる。そのため、後述するように、発光装置100Aを導光板に対向させて配置した場合であっても、光出射面としての第1面131aおよび第2面132aと導光板との間の直接の接触を回避し得る。
【0033】
後に詳しく説明するように、発光面としての第1面131aおよび第2面132aが凸状の曲面を有することにより、第1断面に平行な面内における光の拡がりを拡大し得る。ここで、本開示の実施形態によれば、光反射性部材140Aが、第1面131aの第1頂部131tおよび第2面132aの第2頂部132tよりも上側に位置する部分を含む第1凸部141を有する。これにより、第1凸部141による光の反射を利用して、第1面131aおよび第2面132aから出射される光を導光板200に効率よく入射させることが可能になる。
【0034】
図7は、発光装置100Aを有するバックライトの例を模式的に示す。図7に示すバックライト300は、上述の発光装置100Aと、上面200aおよび複数の側面200cを有する導光板200とを含む。図7では、バックライト300を導光板200の上面200a側から上面200aに垂直に見たときの外観と、バックライト300を側面から見たときの外観とをあわせて1つの図に示している。
【0035】
図7に示すように、発光装置100Aは、第1透光性部材131Aの第1面131aおよび第2透光性部材132Aの第2面132aと、導光板200の側面200cのうちの1つとが対向するようにして導光板200とともに配線基板400上に実装される。このとき、光反射性部材140Aの第1凸部141の第1頂面141tは、導光板200の側面200cに接触させられ得る。
【0036】
第1凸部141の第1頂面141tの一部または全部が導光板200の側面200cに接触することにより、光出射面としての第1面131aおよび第2面132aと導光板200との間の直接の接触が回避される。これにより、導光板200に接触することによる第1透光性部材131Aまたは第2透光性部材132Aの破損等を防止し得る。
【0037】
また、この例では、第1凸部141の第1頂面141tを概ね平坦な形状としている。光反射性部材140Aの第1凸部141がこのような形状の第1頂面141tを有することにより、第1凸部141が導光板200等の外部の部材と例えば1点で接触する場合と比較して、導光板200等に接触させた際の第1凸部141への応力の集中を緩和し得る。これにより、導光板200等の外部の部材との接触に起因する第1凸部141の破損を防止し得る。
【0038】
このように、第1面131aおよび第2面132aと比較して第1発光素子121および第2発光素子122とは反対側に突出する部分(例えば第1凸部141)を光反射性部材140Aに有することにより、第1面131aおよび第2面132aの導光板200への接触を防止し得る。導光板への接触に起因する透光性部材の破損等が回避される結果、発光装置の信頼性が向上する。
【0039】
ただし、導光板200の側面200cと、第1面131aおよび第2面132aとの間の距離が極端に拡大すると、発光装置100Aから導光板200に入射される光が減り得る。このため、導光板200の側面200cと、第1面131aの第1頂部131tおよび第2面132aの第2頂部132tとの間の距離は、好ましくは、10μm以上100μm以下であり、より好ましくは、20μm以上50μm以下である。換言すれば、第1凸部141の高さが10μm以上100μm以下の範囲であることが有利である。ここで、第1凸部141の高さとは、第1面131aの第1頂部131tまたは第2面132aの第2頂部132tから第1凸部141の第1頂面141tまでのZ方向に沿った距離H1(図5および図6参照)で定義できる。
【0040】
発光装置100Aでは、第1発光素子121から出射され、第1透光性部材131Aに入射された光は、第1透光性部材131Aの第1面131aから発光装置100Aの外部に取り出される。同様に、第2発光素子122から出射され、第2透光性部材132Aに入射された光は、第2透光性部材132Aの第2面132aから発光装置100Aの外部に取り出される。第1面131aから出射された光および第2面132aから出射された光は、それぞれ導光板200に向かって進行するに従って拡がる。発光装置100Aの光出射面(ここでは第1面131aおよび第2面132aのそれぞれ)の形状を導光板200の側面200cに対して凸状とすることにより、光出射面が平面状である場合と比較して、光の拡がりをさらに拡大し得る。
【0041】
ここで、光反射性部材140Aの第1凸部141は、図7中に拡大して模式的に示すように、第1頂面141tに概ね垂直な第1側面141cおよび第2側面141dを有している。第1側面141cは、第1頂面141tと第1透光性部材131Aの第1面131aとの間に位置し、第2側面141dは、第1頂面141tと第2透光性部材132Aの第2面132aとの間に位置する。
【0042】
発光装置100Aの光出射面から出射した光のうち、進行方向が図中のZ方向に対して大きな角度をもつ成分は、図7中に実線の矢印Ryで模式的に示すように、導光板200の側面200cに到達する前に第1凸部141に入射する。例えば、第1透光性部材131Aの第1面131aから第2透光性部材132A側に向かって図中のZ方向に対して大きな角度で出射した光は、図7中に拡大して模式的に示すように、第1凸部141の第1側面141cに入射する。第2透光性部材132Aの第2面132aから第1透光性部材131A側に向かって図中のZ方向に対して大きな角度で出射した光は、第1凸部141の第2側面141dに入射する。
【0043】
第1凸部141の第1側面141cに入射した光は、第1側面141cで反射されて導光板200の側面200cに入射する。同様に、第1凸部141の第2側面141dに入射した光は、第2側面141dで反射されて導光板200の側面200cに入射する。このように、本実施形態では、光出射面の形状を導体板200に向かって凸状とすることによって光の拡がりを拡大しつつ、発光素子の光軸に対して大きな角度で出射した光線を、光反射性部材140Aのうち導光板200に向かって突出している部分で反射させている。光反射性部材140Aのうち導光板に向かって突出している部分の反射を利用することにより、光を前方に集中させ、発光素子の光軸に対してより大きな角度をなす光線の導光板200への入射を許容できるようになる。したがって、本開示の実施形態によれば、発光素子の光軸に対してより大きな角度で出射された光をより有効に利用することができる。
【0044】
他方、第1透光性部材131Aの第1面131aおよび第2透光性部材132Aの第2面132aの短手方向(図のY方向)に注目すると、本開示の典型的な実施形態では、第1方向に垂直な断面における第1面131aおよび第2面132aの形状は、図4図6を参照しながら説明したように、平坦である。すなわち、第1面131aおよび第2面132aの長手方向とは異なり、第1方向に垂直なYZ面内における、発光素子の光軸を中心とした光の拡がりが相対的に小さくされている。そのため、光反射性部材140Aの上面の第1領域41および第2領域42を第1透光性部材131Aの第1面131aおよび第2透光性部材132Aの第2面132aにそれぞれ整合した面としても、第1面131aおよび第2面132aの短手方向における光の過度の漏れの発生を回避し得る。
【0045】
本開示の実施形態によれば、第1面131aあるいは第2面132aから出射された光をより効率的に導光板200に入射することが可能になり、例えば、第1面131aおよび第2面132aが導光板200から100μm程度離れているような場合であっても、発光装置100Aから導光板200に入射される光が減るのを回避し得る。
【0046】
図7に示すように、光反射性部材140Aは、さらに、第1透光性部材131Aの第1面131aおよび第2透光性部材132Aの第2面132aよりも+Z方向に突出する第2凸部142および第3凸部143を有していてもよい。第2凸部142および第3凸部143は、図のX方向における光反射性部材140Aの両端部に設けられる。第2凸部142および第3凸部143は発光装置100Aには必須ではない。
【0047】
再び図3を参照する。光反射性部材140Aの第2凸部142は、図のX方向において第1透光性部材131Aの第1面131aの位置を基準に第1凸部141とは反対側に位置する。第2凸部142は、第1面131aの図のX方向における両端部よりも上側に位置する部分を含む。図3に例示する構成において、第2凸部142は、第1凸部141の第1頂面141tと同じ平面にある第2頂面142tと、第2頂面142tに概ね垂直な第3側面142cとを有する。第2頂面142tは、第1凸部141の第1頂面141tと同様に平坦面である。第2凸部142の第3側面142cの一部は、図のX方向において第1凸部141の第1側面141cと対向する。
【0048】
他方、第3凸部143は、図のX方向において第2透光性部材132Aの第2面132aの位置を基準に第1凸部141とは反対側に位置する。第3凸部143は、第2面132aの図のX方向における両端部よりも上側に位置する部分を含む。図3に示す例において、第3凸部143は、第3頂面143tと、第3頂面143tに概ね垂直な第4側面143dとを有する。ここでは、第1凸部141の第1頂面141tおよび第2凸部142の第2頂面142tと同様に、第3頂面143tも平坦面である。
【0049】
図3に示すように、第2凸部142および第3凸部143が発光装置100Aの長手方向の両端部に配置されている場合には、第1透光性部材131Aの第1面131aおよび第2透光性部材132Aの第2面132aの導光板200への直接の接触をより確実に防止し得る。また、第2頂面142tおよび第3頂面143tを平坦面とすることにより、第2凸部142および第3凸部143を導光板200等に接触させた際に、第2凸部142および第3凸部143に応力が集中することを防止でき、第2凸部142および/または第3凸部143の破損を回避する効果が期待できる。
【0050】
第2凸部142および第3凸部143の高さを適切に調節することにより、発光装置100Aが導光板200の側面200cに平行に対向するように発光装置100Aを配線基板400に実装しやすくなる(図7参照)。第2凸部142の高さおよび第3凸部143の高さは、第1凸部141の高さと同様に、ZX断面における、第1面131aの第1頂部131tまたは第2面132aの第2頂部132tから第2頂面142tあるいは第3頂面143tまでのZ方向に沿った距離として定義できる。
【0051】
第2凸部142および第3凸部143を発光装置100Aの長手方向の両端部に配置することにより、第2凸部142の第3側面142cでの反射および第3凸部143の第4側面143dでの反射を利用することが可能になる。すなわち、発光装置100Aの長手方向に関して発光装置100Aの外側への光の漏れを低減して、ZX面内で大きく拡がる光を有利に導光板200に入射させることが可能になる。
【0052】
上述の各例では、第1断面における第1透光性部材131Aの第1面131aおよび第2透光性部材132Aの第2面132aのそれぞれの形状として、真円の一部を取り出した円弧状を例示している。しかしながら、第1面131aおよび第2面132aのそれぞれの第1断面における形状は、この例に限定されない。第1面131aおよび第2面132aの断面視における形状は、楕円もしくは長円の一部を取り出したような形状、凹凸を含む形状、一部に直線状の部分を含むような形状、または、これらを組み合わせたような形状等であってもよい。
【0053】
(第2実施形態)
図8および図9は、本開示の第2の実施形態による発光装置の外観を模式的に示す。図9は、図8に示す発光装置100Bを図のZ方向に見たときの、発光装置100Bの上面図に相当する。
【0054】
上述の発光装置100Aと比較して、図8および図9に示す発光装置100Bは、光反射性部材140Aに代えて光反射性部材140Bを有し、第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aに代えて第1透光性部材131Bおよび第2透光性部材132Bをそれぞれ有する。発光装置100Aの第1透光性部材131Aの第1面131aおよび第2透光性部材132Aの第2面132aが断面視において曲面状とされていたことに対し、本実施形態では、第1透光性部材131Bの第1面131aおよび第2透光性部材132Bの第2面132aは、平面を組み合わせた形状を有する。
【0055】
図9に示すように、第1透光性部材131Bの第1面131aは、それぞれが平面状の第1傾斜面31sおよび第2傾斜面31tを含む。第1傾斜面31sは、第1面131aの中央部で第2傾斜面31tに接続し、第1傾斜面31sと第2傾斜面31tとの境界に直線状の第1頂部131tが形成されている。同様に、第2透光性部材132Bの第2面132aは、それぞれが平面状の第3傾斜面32sおよび第4傾斜面32tを含む。第3傾斜面32sが第4傾斜面32tに接続する、第2面132aの中央部に直線状の第2頂部132tが形成されている。
【0056】
本実施形態では、第1面131aが第1傾斜面31sおよび第2傾斜面31tを含むことに対応して、光反射性部材140Bの上面のうちの第1領域41も、複数の傾斜面を含んでいる。すなわち、第1領域41は、それぞれが第1面131aの第1傾斜面31sに整合した一対の第1傾斜領域41sと、それぞれが第1面131aの第2傾斜面31tに整合した一対の第2傾斜領域41tとを含む。図9に示すように、第1透光性部材131Bの第1傾斜面31sは、光反射性部材140Bの第1傾斜領域41sの間に位置し、第2傾斜面31tは、第2傾斜領域41tの間に位置する。
【0057】
光反射性部材140Bの上面のうち、第2領域42は、それぞれが第2面132aの第3傾斜面32sに整合した一対の第3傾斜領域42sと、それぞれが第2面132aの第4傾斜面32tに整合した一対の第4傾斜領域42tとを含む。第2透光性部材132Bの第3傾斜面32sは、光反射性部材140Bの第3傾斜領域42sの間に位置し、第4傾斜面32tは、第4傾斜領域42tの間に位置する。
【0058】
図10は、図8および図9に示す発光装置の断面を模式的に示す。図10に模式的に示すように、第1透光性部材131Bの第1面131aの中央部は、図のX方向における両端部と比較して図の+Z方向において高い位置にある。図8および図9を参照しながら説明したように、ここでは、第1面131aは、第1傾斜面31sと、第2傾斜面31tとを含んでいる。第1傾斜面31sは、第1面131aの、図のX方向における一方の端部(例えば光反射性部材140Bの第2凸部142に近い側)から中央部に向かうに従って第1発光素子121の上面121aから離れており、第2傾斜面31tは、他方の端部から中央部に向かうに従って第1発光素子121の上面121aから離れている。この例において、ZX断面における第1面131aの形状は、概ねV字状である。
【0059】
図10に示す例において、ZX断面における、第2透光性部材132Bの第2面132aの形状も概ねV字状である。上述したように、ここでは、第2面132aは、第3傾斜面32sと、第4傾斜面32tとを含んでいる。図10に示すように、第3傾斜面32sは、第2面132aの、図のX方向における一方の端部(例えば光反射性部材140Bの第1凸部141に近い側)から中央部に向かかうに従って第2発光素子122の上面122aから離れている。第4傾斜面32tは、第2面132aの他方の端部から中央部に向かうに従って第2発光素子122の上面122aから離れている。
【0060】
第1頂部131tの高さH1および第2頂部132tの高さH2は、それぞれ、例えば、0.01mm以上0.05mm以下であることが好ましく、0.02mm以上0.04mm以下であることがさらに好ましい。高さH1は、第1面131aの外縁(それぞれの面におけるもっとも低い位置)と第1頂部131tの最も盛り上がった位置とのZ方向の距離で規定される。高さH2についても同様に規定される。
【0061】
本発明者らの検討によると、ZX断面における第1面131aの形状をV字状とした場合も、第1面131aの形状が曲面状である場合と同様に、ZX面内における光の拡がりを拡大できる。つまり、ZX断面における第1面131aの形状をV字状とすることによっても、第1凸部141の第1側面141cまたは第2凸部142の第3側面142cでの反射を利用して、より多くの光を導光板に入射させ得る。同様に、ZX断面における第2面132aの形状をV字状とした場合も、ZX面内における光の拡がりを拡大でき、第1凸部141の第2側面141dまたは第3凸部143の第4側面143dでの反射を利用して、より多くの光を導光板に入射させ得る。すなわち、本実施形態によっても、バックライトへの適用において、導光板に効率よく光を入射させることが可能になる。
【0062】
本実施形態による発光装置を2つの発光素子が並べられた方向に垂直な平面(すなわち第2断面)で切断したときの第1面131aおよび第2面132aの形状は、図4図6を参照しながら説明した例と同様に、いずれも平坦である。YZ平面における第1面131aおよび第2面132aの断面形状を直線状とすることにより、ZX面と比較して、YZ面内における光の拡がりを抑制し得る。これにより、第1発光素子121および第2発光素子122から出射された光を導光板に効率よく入射させることが可能になる。
【0063】
(その他の変形例)
次に、発光装置の種々の改変例を説明する。ここでは、図3に示す発光装置100Aを例にとって説明を行うが、図10に示す発光装置100Bに対しても同様の改変を適用可能であることは、いうまでもない。また、以下に説明する改変のうちの2つ以上を組み合わせてもよい。
【0064】
図11は、第1波長変換部材および第2波長変換部材をさらに有する発光装置の例を示す。図3に示す発光装置100Aと比較して、図11に示す発光装置100Cは、第1透光性部材131Aと第1発光素子121との間に位置する第1波長変換部材161と、第2透光性部材132Aと第2発光素子122との間に位置する第2波長変換部材162とをさらに有する。図11に例示する構成において、光反射性部材140Aは、第1波長変換部材161の側面161cと、第2波長変換部材162の側面162cとにも接している。
【0065】
第1波長変換部材161および第2波長変換部材162は、母材と、蛍光体の粒子等とを含有し、第1波長変換部材161中の蛍光体は、第1発光素子121から出射された光の少なくとも一部を吸収して第1発光素子121からの光の波長とは異なる波長の光を発する。同様に、第2波長変換部材162中の蛍光体は、第2発光素子122から出射された光の少なくとも一部を吸収して第2発光素子122からの光の波長とは異なる波長の光を発する。
【0066】
第1発光素子121および第2発光素子122の典型例は、青色光を出射するLEDである。この場合、第1波長変換部材161および第2波長変換部材162は、それぞれ入射した青色光の一部を波長変換して、例えば、黄色光を発することができる、又は赤色光および緑色光を発することができる。このような構成によれば、透光性部材を通過した青色光と、透光性部材に含まれる蛍光体から発せられた黄色光との混色、又は、透光性部材を通過した青色光と、赤色光および緑色光との混色によって、白色光が得られる。
【0067】
第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aは、上述した形状を備えており、厚さが第1頂部131tおよび第2頂部132t近傍において大きくなっている。このため、第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aが蛍光体を含む場合、第1発光素子121および第2発光素子122から出射する光が、波長変換される量が第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aを透過する位置によって異なり、色ムラが生じやすくなる。これに対して、図11に示す発光装置によれば、第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aは、蛍光体を含まず、また、第1波長変換部材161および第2波長変換部材162の厚さを一定にできるため、発光装置から出射する光に色ムラが生じるのを軽減することができる。
【0068】
図12は、本開示の実施形態による発光装置の他の変形例を示す。図12に例示する構成は、第1発光素子および第2発光素子の上方に単一の透光性部材を配置した例である。図3に示す発光装置100Aと比較して、図12に示す発光装置100Dは、第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aに代えて、第1発光素子121の上面121aおよび第2発光素子122の上面122aを一括して覆う透光性部材130を有する。また、発光装置100Dは、光反射性部材140Aに代えて、光反射性部材140Dを有している。
【0069】
上述の各例では、発光装置が第1発光素子121および第2発光素子122を有することに対応して、第1発光素子121および第2発光素子122の上方に第1透光性部材および第2透光性部材をそれぞれ配置している。しかしながら、これらの例に限定されず、図12に例示するように、第1発光素子121の上面121aおよび第2発光素子122の上面122aの両方を覆うように単一の透光性部材130を発光装置100Dに設けてもよい。
【0070】
さらに、図12に例示するように、第1発光素子121および第2発光素子122の上方に第1波長変換部材161および第2波長変換部材162をそれぞれ配置してもよい。この例では、光反射性部材140Dは、第1波長変換部材161の側面161cと、第2波長変換部材162の側面162cとに接している。
【0071】
また、図12に示す例では、透光性部材130の複数の部分が光反射性部材140Dから露出されている。これらの部分のうち、第1発光素子121の上方において光反射性部材140Dから露出されている部分が第1面131aであり、第2発光素子122の上方において光反射性部材140Dから露出されている部分が第2面132aである。この例では、第1面131aおよび第2面132aのそれぞれは、凸状の曲面とされている。
【0072】
第1発光素子121および第2発光素子122の両方にわたってこれらの上方に透光性部材130を配置することにより、第1発光素子121からの光と、第2発光素子122からの光とが透光性部材130内部で混合される。これにより、第1面131aおよび第2面132aから取り出される光強度の差を緩和することが可能になる。
【0073】
図13は、第1発光素子および第2発光素子の上方に、単一の透光性部材と単一の波長変換部材とを配置した例を示す。図12に示す発光装置100Dと比較して、図13に示す発光装置100Eは、第1波長変換部材161および第2波長変換部材162に代えて、第1発光素子121の上面121aおよび第2発光素子122の上面122aを一括して覆う波長変換部材163を有する。
【0074】
第1発光素子121および第2発光素子122の両方にわたってこれらの上方に透光性部材130および波長変換部材163を配置することにより、第1発光素子121からの光と、第2発光素子122からの光とを透光性部材130および波長変換部材163の少なくとも一方の内部で混合できる。これにより、透光性部材130の第1面131aおよび第2面132aから取り出される光強度の差を緩和することが可能になる。
【0075】
図14は、発光装置のさらに他の変形例を示す。上述した各例では、発光装置は、第1発光素子121および第2発光素子122が実装される基板110を有している。これに対し、図14に示す発光装置100Fは、基板110に代えて、第1発光素子121および第2発光素子122の下方に位置する配線層160を有する。
【0076】
図14に示す例では、第1発光素子121および第2発光素子122の電極24の下面24bが、光反射性部材140Aの下面140bから露出されている。配線層160は、光反射性部材140Aの下面140b上に形成され、電極24に電気的に接続される。図14は、配線層160によって第1発光素子121および第2発光素子122を電気的に直列に接続した例である。この例のように、発光装置から基板110が省略されることもあり得る。
【0077】
なお、光反射性部材(光反射性部材140A、140Bまたは140D)の断面形状は、図面に表された形状に限定されない。例えば、第1凸部141の第1側面141cおよび第2側面141d、第2凸部142の第3側面142c、ならびに、第3凸部143の第4側面143dの少なくともいずれかが、第1断面においてZ方向から傾斜した形状を有していてもよい。すなわち、第1側面141cおよび第3側面142cが、上方に行くに従って拡がるように、第1発光素子121の上面121aに垂直な面に対して傾斜していたり、第2側面141dおよび第4側面143dが、上方に行くに従って拡がるように、第2発光素子122の上面122aに垂直な面に対して傾斜していたりすることもあり得る。また、図13に示すように、光反射性部材(光反射性部材140A、140Bまたは140D)は、透光性部材(第1透光性部材131A、131Bおよび第2透光性部材132A、132Bまたは透光性部材130)の上面の一部を覆っていてもよい。
【0078】
第1透光性部材131Aの第1面131aおよび第2透光性部材132Aの第2面132aは、第1の実施形態では、それぞれ1つの曲面から構成されており、第2実施形態では、複数の平面から構成されていた。第1面131aおり、第2面132aの形状はこれらの例に限られず、複数の曲面から構成されていてもよく、又は複数の平面から構成されていてもよく、さらには、曲面と平面との組み合わせから構成されていてもよい。
【0079】
また、第1面131aの第1頂部131tおよび第2面132aの第2頂部132tは、第1実施形態および第2実施形態では、第1断面において頂点であった。しかし、第1頂部131tおよび第2頂部132tは、点に限られず、Z方向に平行な出射光を増大させるため、YX平面において、所定の幅を有する頂面であってもよい。
【0080】
以下、図1図6に示す発光装置100Aを主に例にとり、発光装置中の各部材の詳細を説明する。
【0081】
[基板110]
基板110は、第1発光素子121および第2発光素子122が実装される支持部材である。第1方向(図のX方向)に沿って第1発光素子121および第2発光素子122が実装されることに対応して、基板110の上面110aは、典型的には、図のY方向と比較してX方向に長い長方形状を有する。例えば図1および図2から理解されるように、基板110は、全体として概ね直方体状である。
【0082】
図3に例示する構成において、基板110は、上面110aおよび上面110aの反対側に位置する下面110bを有する基材10と、第1配線11と、第2配線12と、基材10内部に配置された導電性部材15とを含む。基材10の上面は、基板110の上面110aに含まれ、基材10の下面は、基板110において下面110bに含まれる。第1配線11および第2配線12は、それぞれ、基板110の上面110a側および下面110b側に位置する。導電性部材15は、基材10を貫通して第1配線11と第2配線12とを互いに電気的に接続している。
【0083】
基材10は、第1配線11および第2配線12が配置される概ね直方体状の支持部材である。基材10の材料の例は、樹脂、セラミックスまたはガラス等の絶縁体である。基材10は、繊維強化樹脂等の複合材料から形成されてもよく、例えばガラスエポキシ基板を基材10に適用してもよい。基材10の母材には、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン(BT)、ポリイミド等を用いることができる。セラミックスとしては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、酸化チタン、窒化チタン、または、これらの1種以上の混合物を適用できる。これらのセラミックスのうち、発光素子に近い線膨張係数を有する材料を基材10の材料に用いると有利である。
【0084】
基板110の強度の観点からは、基材10のZ方向における厚さが0.05mm以上、より好ましくは、0.2mm以上であると有益である。基材10のZ方向における厚さが0.6mm以下であると、発光装置の薄型化に有利である。基材10のZ方向における厚さは、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.4mm以下である。
【0085】
図2および図4に例示するように、基材10は、それぞれが、基材10の下面と底面10mとに開口する1以上の窪み10Rを有し得る。ここで、基材10の底面10mは、基材10の上面と下面との間に位置する面であって、バックライトへの適用において配線基板の上面に対向させられる面である。
【0086】
基板110は、窪み10Rの内壁を覆う第3配線13をさらに有する。図4に示すように、第3配線13は、基板110の下面110b上の第2配線12と連続して基材10の表面上に配置されることにより、第2配線12と電気的接続を有する。バックライトへの適用においては、図7に示すように、これら窪み10R内に位置するように半田90を配置することにより、発光装置100Aを配線基板に実装できる。
【0087】
第1配線11、第2配線12および第3配線13の材料としては、銅、鉄、ニッケル、タングステン、クロム、アルミニウム、銀、白金、金、チタン、パラジウム、ロジウム、または、これらの1種以上を含有する合金を用いることができる。放熱性の観点からは、これらの配線の材料に銅または銅合金を適用することが有利である。第1配線11、第2配線12および第3配線13は、単層膜の形で基材10に形成されてもよく、積層膜の形で基材10に形成されてもよい。これらの配線の最表面が、銀、白金、アルミニウム、ロジウムもしくは金、または、これらの1種以上を含有する合金から形成されていると、高い光反射性と、半田等に対する良好な濡れ性が得られるので有益である。
【0088】
導電性部材15の材料にも、第1配線11、第2配線12または第3配線13の材料と同様の材料を適用できる。導電性部材15は、基材10に形成された貫通孔内部の全体を占めていてもよいし、貫通孔内部の一部、例えば貫通孔の表面上に配置された導電膜であってもよい。さらに、導電膜に囲まれた領域には、例えばエポキシ樹脂などの絶縁材料が充填されてもよい。
【0089】
図15は、発光装置100Aを基板110の下面110b側から見たときの例示的な外観を示し、図16は、発光装置100Aを基材10の底面10m側から見たときの例示的な外観を示す。図15に示す例では、窪み10Rのそれぞれの開口は、半円形状を有する。これらの窪み10Rは、図のX方向において基材10の中央に関して対称に配置され得る。図15に模式的に示すように、ここでは、導電性部材15は、窪み10Rに重ならない位置に形成されている。
【0090】
図15に例示する構成において、基板110は、1以上の絶縁層18をさらに有する。絶縁層18は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂から形成され、基材10の下面上に位置する複数の第2配線12のそれぞれの一部を覆う。基板110の下面110b側にこのような絶縁層18を配置することにより、第2配線12同士の短絡を防止する効果が得られる。
【0091】
図16を参照して、各窪み10Rの、基材10の底面10mにおける開口の形状に注目する。図16に示すように、窪み10Rは、図のX方向における両端部と比較して中央部においてZ方向の深さが大きくされた形状を有し得る。なお、図4に示すように、窪み10Rは、底面10mに近づくほど図のZ方向に沿った深さが大きくなるような形状を有し得る。
【0092】
[第1発光素子121および第2発光素子122]
第1発光素子121および第2発光素子122は、電流の供給により発光する半導体素子である。第1発光素子121および第2発光素子122の基本的な構造は、概ね共通であり得る。以下では、第1発光素子121の構造を主に説明し、第2発光素子122に関する説明を省略する。
【0093】
図3を参照しながら説明したように、第1発光素子121は、上面121aとは反対側の下面に位置する電極24を有する。電極24は、正極および負極の組を含む。電極24の材料の例は、金、銀、錫、白金、ロジウム、チタン、アルミニウム、タングステン、パラジウム、ニッケル、または、これらの1種以上を含む合金である。第1発光素子121は、半田等の接合部材によって電極24が基板110の第1配線11に接続および固定されることにより、基板110上に実装される。
【0094】
第1発光素子121は、さらに、n型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた活性層とを含む半導体積層構造を有する。半導体積層構造は、サファイアまたは窒化ガリウム等の透光性基板上に形成され得る。第1発光素子121がその一部に透光性基板を含む場合、透光性基板の上面が第1発光素子121の上面121aを構成する。上述の電極24は、半導体積層構造の、透光性基板とは反対側の表面に設けられる。電極24は、半導体積層構造との間に電気的接続を有し、半導体積層構造に所定の電流を供給する機能を有する。
【0095】
半導体積層構造は、紫外~可視域の発光が可能な窒化物半導体(InxAlyGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を含んでいてもよい。なお、第1発光素子121と第2発光素子122との間で、発光ピーク波長を異ならせてもよい。例えば、主に青色光を出射する半導体積層構造を第1発光素子121に適用し、主に緑色光を出射する半導体積層構造を第2発光素子122に適用してもよい。
【0096】
[第1透光性部材131A、第2透光性部材132A]
第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aは、それぞれ第1発光素子121の上方および第2発光素子122の上方に配置される概ね板状の部材である。第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aは、第1発光素子121および第2発光素子122の保護層として機能する。
【0097】
第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aは、例えば、シリコーン樹脂等を母材とする樹脂材料から形成され、透光性を有する。本明細書における「透光性」の用語は、入射した光に対して拡散性を示すことをも包含するように解釈され、「透明」であることに限定されない。
【0098】
第1透光性部材131Aは、典型的には、第1発光素子121の発光ピーク波長を有する光に対して、60%以上の透過率を有する。第2透光性部材132Aについても同様のことがいえる。光を有効に利用する観点から、発光素子の発光ピーク波長における透光性部材(第1透光性部材131A、第2透光性部材132A)の透過率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。
【0099】
第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aの母材には、シリコーン樹脂のほか、例えば、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を適用し得る。第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aの材料として、ガラスを選択することも可能である。
【0100】
母材とは異なる屈折率を有する光拡散材を母材中に分散させることにより、第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aに光拡散機能を与えてもよい。光拡散材としては、例えば、母材と屈折率の異なる樹脂の粒子、または、酸化チタン、酸化マグネシウム、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウム、酸化ケイ素、各種希土類酸化物(例えば、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム)の粒子等を用いることができる。母材中に分散させる光拡散材として、D50で定義される粒径が1nm以上100nm以下であるようなナノ粒子を用いることにより、透光性部材中の散乱を増大させることができる。
【0101】
本開示の実施形態において、第1透光性部材131Aの上面の少なくとも一部および第2透光性部材132Aの上面の少なくとも一部は、光反射性部材140Aから露出され、それぞれ、第1面131aおよび第2面132aを構成する。すなわち、第1透光性部材131Aの第1面131aは、第1透光性部材131Aの上面の一部または全部であり、第2面132aは、第2透光性部材132Aの上面の一部または全部である。第1面131aは、第1発光素子121の上面121aの上方に位置し、第2面132aは、第2発光素子122の上面122aの上方に位置する。本開示の実施形態では、第1面131aおよび第2面132aは、第1断面において凸状とされる。
【0102】
[第1波長変換部材161、第2波長変換部材162]
第1波長変換部材161は、第1発光素子121の上面121aと第1透光性部材131Aの下面131bとの間に位置する概ね板状の部材である。同様に、第2波長変換部材162は、第2発光素子122の上面122aと第2透光性部材132Bの下面132bとの間に位置する概ね板状の部材である。
【0103】
第1波長変換部材161および第2波長変換部材162は、母材と、母材中に分散された、蛍光体の粒子等を含有する。第1波長変換部材161および第2波長変換部材162の母材の例は、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの2種以上を含む樹脂である。第1波長変換部材161および第2波長変換部材162の母材として、ガラスを選択することも可能である。第1透光性部材131Aに効率的に光を導入する観点からは、第1波長変換部材161の材料が第1透光性部材131Aの材料よりも低い屈折率を有すると有益である。同様に、第2波長変換部材162の材料が第2透光性部材132Aの材料よりも低い屈折率を有すると有益である。第1波長変換部材161および第2波長変換部材162は、単層であってもよいし、例えば複数の樹脂層の積層構造を含んでいてもよい。
【0104】
第1波長変換部材161および第2波長変換部材162中に分散させる蛍光体には、公知の材料を適用することができる。蛍光体としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、βサイアロン蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)、αサイアロン蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)もしくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K(Si,Al)F:Mn)もしくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I))、又は、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS又はAgInSe)等を用いることができる。
【0105】
KSAF系蛍光体としては、下記式(I)で表される組成を有していてよい。
[SiAlMn] (I)
【0106】
式(I)中、Mはアルカリ金属を示し、少なくともKを含んでよい。Mnは4価のMnイオンであってよい。p、q、r及びsは、0.9≦p+q+r≦1.1、0<q≦0.1、0<r≦0.2、5.9≦s≦6.1を満たしていてよい。好ましくは、0.95≦p+q+r≦1.05又は0.97≦p+q+r≦1.03、0<q≦0.03、0.002≦q≦0.02又は0.003≦q≦0.015、0.005≦r≦0.15、0.01≦r≦0.12又は0.015≦r≦0.1、5.92≦s≦6.05又は5.95≦s≦6.025であってよい。例えば、K[Si0.946Al0.005Mn0.0495.995]、K[Si0.942Al0.008Mn0.0505.992]、K[Si0.939Al0.014Mn0.0475.986]で表される組成が挙げられる。このようなKSAF系蛍光体によれば、輝度が高く、発光ピーク波長の半値幅の狭い赤色発光を得ることができる。
【0107】
また、波長変換部材(第1波長変換部材161または第2波長変換部材162)中には、これらの蛍光体のうちの1種を単体で含有させてもよいし、あるいは、これらの蛍光体のうち2種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0108】
例えば図11図14に示すような構成によれば、波長変換部材が発光素子と透光性部材との間に介在することにより、波長変換部材を介して、発光素子からの光を透光性部材に導入させることが可能になる。これにより、混色後の光を透光性部材内部で拡散でき、輝度ムラの抑制された例えば白色光を第1面131aまたは第2面132aから発光装置の外部に取り出すことができる。なお、図12に示す発光装置100Dのように、第1波長変換部材161を透過した光および第2波長変換部材162を透過した光を単一の透光性部材130に導入する構成によれば、第1波長変換部材161を透過した光および第2波長変換部材162を透過した光を透光性部材130中で混合でき、第1面131aおよび第2面132aから取り出される光強度の差を緩和するのに有利である。
【0109】
第1波長変換部材161と第2波長変換部材162とは、母材中に分散させる蛍光体として同じまたは異なる蛍光体を用いることができる。また、第1波長変換部材161の材料に母材とは屈折率の異なる光拡散材を分散させることにより、第1波長変換部材161に光拡散の機能を付与することができる。同様に、第2波長変換部材162の材料に母材とは屈折率の異なる光拡散材を分散させることにより、第2波長変換部材162に光拡散の機能を付与することができる。光拡散材としては、例えば、上述した第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aに用いられる光拡散材から適宜選択することができる。
【0110】
[第1接合部材151、第2接合部材152]
第1接合部材151および第2接合部材152は本実施形態の発光装置に必須ではない。第1接合部材151および第2接合部材152は、それぞれ、第1発光素子121の側面121cの一部上に位置する部分および第2発光素子122の側面122cの一部上に位置する部分を少なくとも含む透光性の部材である。上述の第1波長変換部材161および第2波長変換部材162は、それぞれ、第1接合部材151および第2接合部材152によって第1発光素子121および第2発光素子122に接合される(例えば図11参照)。第2接合部材152の詳細は、第1接合部材151とほぼ同様であるので、以下では、主に第1接合部材151の詳細を説明し、第2接合部材152の詳細に関する説明を省略する。
【0111】
第1接合部材151は、第1発光素子121の側面121cと、光反射性部材140Aとの間に位置する部分を含む。第1接合部材151を配置することにより、第1発光素子121が発する光のうち、側面121cから出る光の一部を第1接合部材151に入射させることができる。第1接合部材151に入射した光は、第1接合部材151の外面151cの位置で第1透光性部材131Aに向けて反射され、第1透光性部材131Aを介して発光装置100Aの外部に向けて出射する。したがって、第1接合部材151を配置することにより、光の取出し効率を向上させることができる。
【0112】
第1接合部材151の材料としては、透明な樹脂を母材として含む樹脂材料を用いることができる。第1接合部材151の母材としては、例えば第1透光性部材131Aの母材と同様の材料を用いることができる。また、第1接合部材151には、上述した第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aと同様に、母材とは異なる屈折率を有する光拡散材を分散させることができる。
【0113】
[光反射性部材140A]
光反射性部材140Aは、基板110の上面110a上において、上面視で第1発光素子121および第2発光素子122のそれぞれを囲むように配置されている。光反射性部材140Aは、第1透光性部材131Aの第1面131aおよび第2透光性部材132Aの第2面132aを除いて、基板110の上面110a上の構造を覆う。光反射性部材140Aの一部が、第1透光性部材131Aの上面の一部上および/または第2透光性部材132Aの上面の一部上に位置することもあり得る。図12および図13に例示する構成においては、光反射性部材140Dの第1凸部141は、光反射性部材140Dのうち透光性部材130の上面上であって第1面131aと第2面132aに挟まれた部分である。
【0114】
光反射性部材140Aは、例えば、光拡散材が分散された樹脂材料から形成される。光反射性部材140Aの母材としては、例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂もしくはこれらの変性樹脂、または、これらの2種以上を含む樹脂を用いることができる。光拡散材としては、母材よりも高い屈折率を有する、無機材料もしくは有機材料の粒子を用いることができる。光拡散材としては、例えば、上述した第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aに用いられる光拡散材と同様に適宜選択することができる。
【0115】
本明細書において、「光反射性」とは、発光素子(第1発光素子121または第2発光素子122)の発光ピーク波長における反射率が60%以上であることを指す。光反射性部材140Aの、発光素子の発光ピーク波長における反射率が70%以上であるとより有益であり、80%以上であるとさらに有益である。
【0116】
図3に示すように、光反射性部材140Aの一部は、第1発光素子121と基板110との間および第2発光素子122と基板110との間にも位置し得る。第1発光素子121と基板110との間および第2発光素子122と基板110との間に光反射性部材140Aを配置することにより、発光素子の下面側からの光の出射を抑制でき、光の利用効率向上の効果が得られる。
【0117】
[配線層160]
図14に示す例において、発光装置100Fは、基板110を有しない代わりに、光反射性部材140Aの下面140b上に配線層160が配置されている。配線層160は、光反射性部材140Aを形成した後、例えば、下面140b上に金属膜等の導電膜を形成し、導電膜をパターニングすることにより得られる。配線層160の材料には、第1配線11、第2配線12および第3配線13の材料と同様の材料を適用できる。配線層160は、単層で光反射性部材140Aの下面140b上に形成されてもよいし、複数層で形成されてもよい。
【0118】
(発光装置の例示的な製造方法)
次に、図面を参照しながら、本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法の概略を説明する。ここでは、図11に示す発光装置100Cの例示的な製造方法を説明する。
【0119】
まず、上面110aに第1導電層11Lを有し、上面110aとは反対側の下面110bに第2導電層12Lを有する集合基板110Xを準備する。以下の工程に従い集合基板110Xを作製することによって、集合基板110Xを準備してもよいし、完成された集合基板110Xを購入等によって入手することによって集合基板110Xを準備してもよい。図17および図18は、それぞれ、集合基板110Xを上面110a側から見た外観の一例および集合基板110Xを下面110b側から見た外観の一例を模式的に示している。この例では、集合基板110Xの複数の箇所に、第1導電層11Lと第2導電層12Lとを結ぶ導電性部材15が設けられている。
【0120】
集合基板110Xは、板状の絶縁基材の両面に、めっき等によって導電膜を形成し、その後、導電膜をパターニングすることにより得ることができる。図17に示すように、第1導電層11Lは、複数のランド11pを含む。図18に例示する構成において、集合基板110Xの下面110bには、ドリル、レーザ等を用いて形成された複数の穴部110hが設けられており、第2導電層12Lは、これら穴部110hの内側面にも形成されている。ここでは、第2導電層12Lの一部を覆うように絶縁層18が集合基板110Xの下面110b側に形成されている。
【0121】
次に、第1発光素子121および第2発光素子122を準備する。ここでは、第1発光素子121および第2発光素子122の組を複数準備し、図19に示すように、これらの組を図のX方向およびY方向に沿って集合基板110Xの上面110a側に二次元に実装する。このとき、図20に示すように、導電性接着部材40により、第1発光素子121および第2発光素子122の電極24を第1導電層11Lの複数のランド11pに接合する。導電性接着部材40としては、例えば、金、銀、銅等のバンプ、金、銀、銅、白金、アルミニウム等の金属粉末と樹脂バインダとの混合物である導電性ペースト、または、錫-銀-銅(SAC)系もしくは錫-ビスマス(SnBi)系の半田を用いることができる。
【0122】
次に、第1発光素子121の上面121aおよび第2発光素子122の上面122aに透光性の接着剤を付与し、それぞれが蛍光体層および透光層を含む複数の積層シート片をこれらの上面に接合する。接着剤の硬化により、接着剤から第1接合部材151および第2接合部材152を形成でき、図21に示すように、第1波長変換部材161および第1透光性部材131Xを第1発光素子121の上面121aの上方に配置できる。同様に、第2波長変換部材162および第2透光性部材132Xを第2発光素子122の上面122aの上方に配置できる。なお、積層シート片は、例えば、蛍光体の粒子を含有する樹脂材料を透光性の樹脂シート上に付与した後に樹脂材料を硬化させて積層シートを得、積層シートを所定の寸法に切断することにより得られる。
【0123】
次に、集合基板110Xの上面110a上に光反射性部材140Aの材料を付与し、硬化させることにより、図22に示すように、第1発光素子121および第2発光素子122の複数の組を覆う光反射性樹脂層140Xを形成する。このとき、光反射性樹脂層140Xは、第1透光性部材131Xおよび第2透光性部材132Xの全体を覆う厚さを有する。
【0124】
次に、例えば、回転といし(ブレード)を利用した切削により、図のY方向に沿って光反射性樹脂層140Xの一部、第1透光性部材131Xの一部および第2透光性部材132Xの一部を除去する(図23参照)。このとき、例えばブレードBLを図のY方向に沿って複数回移動させることにより、図24に模式的に示すように、第1透光性部材131Xおよび第2透光性部材132Xの上面を凸状とすることが可能である。この切削工程により、第1透光性部材131Xおよび第2透光性部材132Xから第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132Aをそれぞれ形成することができる。なお、ブレードBLの刃先の形状の調整により、ZX断面においてそれぞれがV字状の第1面131aの形状および第2面132aの形状を得ることも可能である。
【0125】
その後、第1発光素子121および第2発光素子122の複数の組の間の位置(図17図19中に二点破線で示す位置)で集合基板110Xおよび光反射性樹脂層140Xを切断する。この個片化の工程により、集合基板110Xおよび光反射性樹脂層140Xから、それぞれ、基板110および光反射性部材140Aを形成できる。また、第1導電層11Lおよび第2導電層12Lから第1配線11、第2配線12および第3配線13を形成できる。第3配線13は、第2導電層12Lのうち集合基板110Xの穴部110hの内側面を覆っていた部分に相当する。以上の工程により、複数の発光装置100Cが得られる。
【実施例0126】
光線追跡の手法により、発光装置の光反射性部材の形状および透光性部材の形状が、導光板との間の光結合効率(導光板内部に入射する光の割合)に与える影響を評価した。以下では、サイバネットシステム株式会社製の光学解析ツールを用いてシミュレーションを行った。
【0127】
(実施例1)
実施例1のサンプルとして、図11に示す発光装置100Cと同様の構成を有する発光装置を想定し、発光装置の第1面131aおよび第2面132aを導光板に対向させた状態における光線分布をシミュレーションにより求めた。ただし、以下では、光反射性部材140Aの第1凸部141、第2凸部142および第3凸部143は、第1断面において第1面131aまたは第2面132aから垂直に立ち上がる形状を有しているものと想定してシミュレーションを実行している。
【0128】
実施例1のサンプルでは、第1凸部141の高さの高さH1が0.02mmであるとした。すなわち、第1凸部141の第1頂面141t、第2凸部142の第2頂面142tまたは第3凸部143の第3頂面143tから第1面131aの第1頂部131tまたは第2面132aの第2頂部132tまでのZ方向に沿った距離は、0.02mmである。ここでは、第1面131aおよび第2面132aが第1断面においてそれぞれ第1発光素子121および第2発光素子122とは反対側(+Z方向)に盛り上がった曲面状であるとし、第1面131aの端部から第1頂部131tまでの図のZ方向に沿った距離および第2面132aの端部から第2頂部132tまでの図のZ方向に沿った距離は、いずれも0.02mmであるとした。すなわち、実施例1のサンプルにおいて、第1面131aの端部から導光板までの図のZ方向に沿った距離および第2面132aの端部から導光板までの図のZ方向に沿った距離(すなわち、透光性部材と導光板との間の距離の最大値)は、いずれも0.04mmである。
【0129】
シミュレーションにおけるその他の基本的な設定は、以下のとおりである。
発光素子121、122からの出射光の波長:455nm
発光素子121、122中のサファイア基板の屈折率:1.77
発光素子121、122中の半導体積層構造の屈折率:2.383
接合部材151、152の屈折率:1.47
波長変換部材161、162の屈折率:1.5
光反射性部材140Aの屈折率:1.5
導光板の材質:アクリル樹脂
光線の本数:300万本
【0130】
(実施例2)
実施例2のサンプルとして、図10に示す発光装置100Bと同様の構成を有する発光装置を想定してシミュレーションを行った。すなわち、実施例2のサンプルでは、第1断面における第1面131aの形状および第2面132aの形状は、上に凸のV字状であるとした。ここでは、実施例1のサンプルと同様に、第1凸部141の高さH1は、0.02mmであるとし、第1面131aの端部から導光板までの図のZ方向に沿った距離および第2面132aの端部から導光板までの図のZ方向に沿った距離(すなわち、透光性部材と導光板との間の距離の最大値)は、いずれも0.04mmであるとした。
【0131】
(参考例1)
第1面131aの端部から第1頂部131tまでの図のZ方向に沿った距離および第2面132aの端部から第2頂部132tまでの図のZ方向に沿った距離がいずれも0.05mmであるとし、光反射性部材140Aの第1凸部141、第2凸部142および第3凸部143の高さが0mmであるとしたこと以外は実施例1のサンプルと同様にして、参考例1のサンプルに関するシミュレーションを行った。すなわち、参考例1のサンプルでは、第1面131aの第1頂部131tおよび第2面132aの第2頂部132tが導光板に接しているとしてシミュレーションを行った。
【0132】
(参考例2)
第1面131aの端部から第1頂部131tまでの図のZ方向に沿った距離および第2面132aの端部から第2頂部132tまでの図のZ方向に沿った距離がいずれも0.10mmであるとしたこと以外は参考例1のサンプルと同様にして、参考例2のサンプルに関するシミュレーションを行った。すなわち、参考例2のサンプルでは、参考例1のサンプルと同様、第1面131aの第1頂部131tおよび第2面132aの第2頂部132tが導光板に接しているとしている。
【0133】
(参考例3)
参考例3のサンプルとして、光反射性部材140Aが第1凸部141、第2凸部142および第3凸部143のいずれも有しておらず、第1透光性部材131Aの第1面131aおよび第2透光性部材132Aの第2面132aの形状がいずれも平坦面である構成を想定してシミュレーションを行った。参考例3のサンプルでは、透光性部材の全体が導光板に接した状態を想定している。
【0134】
(参考例4)
光反射性部材140Aの第1凸部141、第2凸部142および第3凸部143の高さが0.02mmであるとしたこと以外は参考例3のサンプルと同様にして、参考例4のサンプルに関するシミュレーションを行った。参考例4のサンプルでは、透光性部材と導光板との間の距離は、0.02mmである。
【0135】
図25図30は、各サンプルについての、導光板の側面から0.1mm内側の位置における放射照度の計算結果を模式的に表す。図25および図26は、それぞれ、実施例1および実施例2のサンプルについての計算結果を示している。図27図30は、それぞれ、参考例1~参考例4についての計算結果を示している。
【0136】
(光結合効率の評価)
各サンプルについて、光結合効率として、導光板内部に入射する光の割合(フレネル反射を除いた成分)を計算したところ、以下の結果を得た。
実施例1:93.7%、実施例2:93.7%
参考例1:94.0%、参考例2:90.6%、参考例3:98.8%、参考例4:94.4%
【0137】
まず、参考例3のサンプルについての光結合効率の計算結果と、参考例4のサンプルについての光結合効率の計算結果とから、透光性部材が導光板から離れることにより光結合効率が低下することがわかる。また、参考例3のサンプルについての光結合効率の計算結果と、参考例1のサンプルについての光結合効率の計算結果および参考例2のサンプルについての光結合効率の計算結果とを比較すると、透光性部材の端部が導光板から離れていると光結合効率が低下し、かつ導光板と透光性部材の端部との間の距離が拡大するほど光結合効率が低下していくこともわかる。
【0138】
ここで、実施例1および実施例2のサンプルについての光結合効率の計算結果と、参考例4のサンプルについての光結合効率の計算結果とを比較すると、導光板と透光性部材との間の距離が離れた場合であっても、第1面131aおよび第2面132aを凸状とすることにより、第1面131aおよび第2面132aが平坦面である場合と比較して遜色のない光結合効率を得ることが可能であるとわかる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本開示の実施形態は、各種照明用光源、車載用光源、ディスプレイ用光源等に有用である。特に、液晶表示装置に向けられたバックライトユニットに有利に適用できる。本開示の実施形態による発光装置は、厚さ低減の要求が厳しいモバイル機器の表示装置用のバックライトに有利に用いることができる。
【符号の説明】
【0140】
31s (第1透光性部材の第1面の)第1傾斜面
31t (第1透光性部材の第1面の)第2傾斜面
32s (第2透光性部材の第2面の)第3傾斜面
32t (第2透光性部材の第2面の)第4傾斜面
41 (光反射性部材の上面の)第1領域
41s (光反射性部材の上面の)第1傾斜領域
41t (光反射性部材の上面の)第2傾斜領域
42 (光反射性部材の上面の)第2領域
42s (光反射性部材の上面の)第3傾斜領域
42t (光反射性部材の上面の)第4傾斜領域
100A~100F 発光装置
110 基板
121 第1発光素子
122 第2発光素子
130 透光性部材
131A、131B 第1透光性部材
131a (第1透光性部材の)第1面
131t (第1面の)第1頂部
132A、132B 第2透光性部材
132a (第2透光性部材の)第2面
132t (第2面の)第2頂部
140A、140B、140D 光反射性部材
141 (光反射性部材の)第1凸部
141c (光反射性部材の第1凸部の)第1側面
141d (光反射性部材の第1凸部の)第2側面
141t (光反射性部材の第1凸部の)第1頂面
142 (光反射性部材の)第2凸部
142c (光反射性部材の第2凸部の)第3側面
142t (光反射性部材の第2凸部の)第2頂面
143 (光反射性部材の)第3凸部
143d (光反射性部材の第3凸部の)第4側面
143t (光反射性部材の第3凸部の)第3頂面
151 :第1接合部材
160 配線層
161 第1波長変換部材
162 第2波長変換部材
163 波長変換部材
200 導光板
300 バックライト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図30