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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184092
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】パンツ型吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/49 20060101AFI20221206BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A61F13/49 317
A61F13/49 315Z
A61F13/49 410
A61F13/15 355
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021091735
(22)【出願日】2021-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】笹山 賢一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大貴
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 晴美
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200BA12
3B200BB09
3B200BB11
3B200CA03
3B200CA08
3B200DA16
3B200DA21
3B200DD07
3B200EA11
3B200EA23
3B200EA24
(57)【要約】
【課題】伸縮性シートによる吸収性コアの収縮を抑え、かつ、吸収性コアと重なる外装体の凹凸を抑えることで、ユーザーの漏れへの不安を軽減しつつ、硬さを抑えた着け心地の良いパンツ型吸収性物品を提供すること。
【解決手段】吸収性コア(12)と外装体(20)を有するパンツ型吸収性物品(1)であって、外装体(20)が備える非伸縮性シート(211,221,212,222)と伸縮性シート(213,223)は複数の接合部(40)によって間欠に接合されており、複数の接合部(40)が備える第1接合部(41)と第2接合部(42)とでは形状及び面積のうちの少なくとも一方が異なり、外装体(20)は、吸収性コア(12)と厚さ方向に重なる領域において、複数の第1接合部(41)が配された第1接合部領域と、複数の第2接合部(42)が配された第2接合部領域と、が重複する領域を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向、左右方向、及び前後方向を有し、
吸収性コアを備えた吸収性本体と、前記吸収性本体よりも非肌側に配された外装体とを有するパンツ型吸収性物品であって、
前記外装体は、非伸縮性シートと、前記左右方向に伸縮する伸縮性シートとを備え、
前記非伸縮性シートと前記伸縮性シートは、複数の接合部によって間欠に接合されており、
前記複数の接合部は、同一形状及び同一面積である複数の第1接合部と、同一形状及び同一面積である複数の第2接合部とを備え、
前記第1接合部と前記第2接合部とでは、形状及び面積のうちの少なくとも一方が異なり、
前記外装体は、複数の前記第1接合部が配された第1接合部領域と、複数の前記第2接合部が配された第2接合部領域とを備え、
展開状態である前記パンツ型吸収性物品を、その厚さ方向に平面視したときに、前記外装体は、前記吸収性コアと前記厚さ方向に重なる領域において、前記第1接合部領域と前記第2接合部領域とが重複する領域を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【請求項2】
請求項1に記載のパンツ型吸収性物品であって、
前記第1接合部の方が、前記第2接合部よりも、前記上下方向の長さが長いことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品であって、
前記第1接合部の方が、前記第2接合部よりも、面積が大きいことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
前記重複する領域に配されている少なくとも一部の前記第1接合部と前記第2接合部とでは、互いの少なくとも一部の前記上下方向の位置が重複していることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【請求項5】
請求項1から3の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
前記重複する領域に配されている少なくとも一部の前記第1接合部と前記第2接合部とでは、前記上下方向の位置が重複していないことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
展開状態である前記パンツ型吸収性物品を、その厚さ方向に平面視したときに、
前記重複する領域に配されている少なくとも一部の前記第1接合部と前記第2接合部とでは、互いの一部が前記厚さ方向に重なっていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
前記重複する領域に、前記左右方向の一方側から順に、一の第1接合部と、一の第2接合部と、他の第1接合部とが並んで配されており、
前記左右方向において、前記一の第1接合部は、前記他の第1接合部よりも、前記一の第2接合部の近くに配されていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
前記複数の接合部は、長軸方向を有する形状である前記接合部を備え、
当該接合部は、前記長軸方向が前記上下方向及び前記左右方向に対して傾くように配されていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
前記前後方向の少なくとも一方側の前記外装体の部位に配された脚回り弾性部材は、前記パンツ型吸収性物品の一対の脚回り開口に沿う一対の湾曲領域と、当該一対の湾曲領域を繋ぐ前記左右方向に沿う中央領域とに配されており、
前記複数の接合部は、同一形状及び同一面積である複数の第3接合部を備え、
前記第3接合部は、前記第1接合部及び前記第2接合部と、形状及び面積のうちの少なくとも一方が異なり、
前記第3接合部は、前記第1接合部に比べて、前記左右方向の長さが長いことと、前記上下方向の長さが長いことと、面積が大きいことのうちの少なくとも1つを満たし、
前記外装体は、複数の前記第3接合部が配された第3接合部領域を備え、
展開状態である前記パンツ型吸収性物品を、その厚さ方向に平面視したときに、前記外装体は、前記中央領域と前記吸収性コアが前記厚さ方向に重なる領域において、前記第2接合部領域と前記第3接合部領域とが重複する領域を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【請求項10】
請求項1から9の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
展開状態である前記パンツ型吸収性物品を、その厚さ方向に平面視したときに、前記外装体は、前記吸収性コアの上端部と前記厚さ方向に重なる端部領域を有し、
前記端部領域に配されている前記接合部の合計面積を、当該端部領域の面積で除した値は、前記第1接合部領域と前記第2接合部領域とが重複する領域に配されている前記接合部の合計面積を、当該重複する領域の面積で除した値よりも小さいことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【請求項11】
請求項1から10の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品であって、
前記パンツ型吸収性物品は第1のサイズであり、
前記第1接合部領域と前記第2接合部領域とが重複する領域の面積を、前記外装体の全体の面積で除した値は、前記パンツ型吸収性物品と同一のブランド名及びサブブランド名を有し、かつ、第2のサイズである他のパンツ型吸収性物品における前記除した値と異なることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【請求項12】
第1のサイズである第1のパンツ型吸収性物品と、
第2のサイズである第2のパンツ型吸収性物品と、を備え、
前記第1のパンツ型吸収性物品及び前記第2のパンツ型吸収性物品は、同一のブランド名及びサブブランド名を有するパンツ型吸収性物品の群であり、
前記第1のパンツ型吸収性物品及び前記第2のパンツ型吸収性物品は、それぞれ、
上下方向、左右方向、及び前後方向を有し、
吸収性コアを備えた吸収性本体と、前記吸収性本体よりも非肌側に配された外装体とを有し、
前記外装体は、非伸縮性シートと、前記左右方向に伸縮する伸縮性シートとを備え、
前記非伸縮性シートと前記伸縮性シートは、複数の接合部によって間欠に接合されており、
前記複数の接合部は、同一形状及び同一面積である複数の第1接合部と、同一形状及び同一面積である複数の第2接合部とを備え、
前記第1接合部と前記第2接合部とでは、形状及び面積のうちの少なくとも一方が異なり、
前記外装体は、複数の前記第1接合部が配された第1接合部領域と、複数の前記第2接合部が配された第2接合部領域とを備え、
展開状態である前記パンツ型吸収性物品を、その厚さ方向に平面視したときに、前記外装体は、前記吸収性コアと前記厚さ方向に重なる領域において、前記第1接合部領域と前記第2接合部領域とが重複する領域を有し、
前記第1接合部領域と前記第2接合部領域とが重複する領域の面積を、前記外装体の全体の面積で除した値は、前記第1のパンツ型吸収性物品と前記第2のパンツ型吸収性物品とで異なることを特徴とするパンツ型吸収性物品の群。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンツ型吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1のパンツ型吸収性物品は、第1シート層と第2シート層の間に弾性フィルムが積層され、第1シート層及び第2シート層が間隔を空けて配列された点状接合部で接合された伸縮構造を有する。また、伸縮構造のうち吸収性コア(吸収体)と重なる部分において点状接合部の面積率を高くすることで、収縮力が作用しない状態に加工して非伸縮領域を形成し、吸収性コアの収縮を抑えている。非伸縮領域における点状接合部の面積率を高める方法として、個々の点状接合部の面積を大きくするか、或いは単位面積当たりの点状接合部の数を増やす方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-140477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の非伸縮領域には同一形状及び同一面積である1種類の点状接合部が配されるだけである。そのため、特許文献1の非伸縮領域には、比較的に面積の大きい点状接合部が複数配されるか、或いは、比較的に面積の小さい点状接合部がより多く配されることになる。
非伸縮領域に配される全ての点状接合部の面積が大きい場合、非伸縮領域の収縮力を確実に抑えることができるが、ユーザーが点状接合部の硬さを感じやすくなる。一方、非伸縮領域に配される全ての点状接合部の面積が小さい場合、ユーザーが点状接合部の硬さを感じ難くなるが、非伸縮性領域の収縮力を抑えきれない恐れがある。
また、非伸縮性シート(第1シート層、第2シート層)と伸縮性シート(弾性フィルム)が間欠に接合された伸縮構造では、収縮時において点状接合部間に非伸縮性シートの撓み(凹凸)が生じる。非伸縮性シートの撓みが大きかったり、撓みの数が多かったりすると、吸収性コアと重なる部分において非伸縮性シートの凹凸が目立つ。そうすると、ユーザーが吸収性コアの大きさを確認し難くなり、漏れへの不安を感じる恐れがある。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、伸縮性シートによる吸収性コアの収縮を抑え、かつ、吸収性コアと重なる外装体の凹凸を抑えることで、ユーザーの漏れへの不安を軽減しつつ、硬さを抑えたパンツ型吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、上下方向、左右方向、及び前後方向を有し、吸収性コアを備えた吸収性本体と、前記吸収性本体よりも非肌側に配された外装体とを有するパンツ型吸収性物品であって、前記外装体は、非伸縮性シートと、前記左右方向に伸縮する伸縮性シートとを備え、前記非伸縮性シートと前記伸縮性シートは、複数の接合部によって間欠に接合されており、前記複数の接合部は、同一形状及び同一面積である複数の第1接合部と、同一形状及び同一面積である複数の第2接合部とを備え、前記第1接合部と前記第2接合部とでは、形状及び面積のうちの少なくとも一方が異なり、前記外装体は、複数の前記第1接合部が配された第1接合部領域と、複数の前記第2接合部が配された第2接合部領域とを備え、展開状態である前記パンツ型吸収性物品を、その厚さ方向に平面視したときに、前記外装体は、前記吸収性コアと前記厚さ方向に重なる領域において、前記第1接合部領域と前記第2接合部領域とが重複する領域を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、伸縮性シートによる吸収性コアの収縮を抑え、かつ、吸収性コアと重なる外装体の凹凸を抑えることで、ユーザーの漏れへの不安を軽減しつつ、硬さを抑えたパンツ型吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パンツ型使い捨ておむつ1の概略斜視図である。
図2】展開かつ伸長状態のおむつ1を肌側から見た概略平面図である。
図3図2のI-I線での概略断面図である。
図4】前身頃部21に配された接合部40の説明図である。
図5】後身頃部22に配された接合部40の説明図である。
図6図6Aは第1接合部領域R1と第2接合部領域R2の重複領域OR1の説明図であり、図6Bは第3接合部領域R3と第2接合部領域R2の重複領域OR2の説明図である。
図7図7A図7Cは外装体20における凹凸の説明図である。
図8図8A図8Cは重複領域OR1における第1接合部41と第2接合部42の配置の変形例を示す図である。
図9図9A図9Fは長軸方向を有する形状の接合部40の説明図である。
図10】おむつ1に配された接合部40の変形例を示す図である。
図11図11A及び図11Bはサイズの異なるおむつ1の群における第1重複領域OR1の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
上下方向、左右方向、及び前後方向を有し、吸収性コアを備えた吸収性本体と、前記吸収性本体よりも非肌側に配された外装体とを有するパンツ型吸収性物品であって、前記外装体は、非伸縮性シートと、前記左右方向に伸縮する伸縮性シートとを備え、前記非伸縮性シートと前記伸縮性シートは、複数の接合部によって間欠に接合されており、前記複数の接合部は、同一形状及び同一面積である複数の第1接合部と、同一形状及び同一面積である複数の第2接合部とを備え、前記第1接合部と前記第2接合部とでは、形状及び面積のうちの少なくとも一方が異なり、前記外装体は、複数の前記第1接合部が配された第1接合部領域と、複数の前記第2接合部が配された第2接合部領域とを備え、展開状態である前記パンツ型吸収性物品を、その厚さ方向に平面視したときに、前記外装体は、前記吸収性コアと前記厚さ方向に重なる領域において、前記第1接合部領域と前記第2接合部領域とが重複する領域を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【0010】
このようなパンツ型吸収性物品によれば、吸収性コアと重なる外装体の領域において、面積や寸法の大きい接合部により、伸縮性シートの収縮力をより確実に大きく低減できる。よって、吸収性コアの左右方向の収縮を抑制できる。また、面積や寸法の小さい接合部により、外装体を硬くすることなく、接合部間の非伸縮性シートの撓みを小さくできるため、吸収性コアと重なる外装体の表面の凹凸を抑えることができる。よって、ユーザーが吸収性コアの大きさを確認しやすくなり、漏れへの不安を軽減できる。また、接合部間の非伸縮性シートの撓み(凸部の高さ)が小さくなることで、伸縮性シートの収縮方向(左右方向)に対する非伸縮シートの角度が小さくなる。そうすると、伸縮性シートの収縮力に対する非伸縮性シートの抵抗力が高まり、伸縮性シートの収縮力をより低減できる。
【0011】
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記第1接合部の方が、前記第2接合部よりも、前記上下方向の長さが長いことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【0012】
このようなパンツ型吸収性物品によれば、上下方向に長い第1接合部によって、上下方向の広い範囲に亘り伸縮性シートの収縮力を低減できる。
【0013】
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記第1接合部の方が、前記第2接合部よりも、面積が大きいことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【0014】
このようなパンツ型吸収性物品によれば、面積の大きい第1接合部によって、伸縮性シートの弾性特性をより確実に消失させることができ、伸縮性シートの収縮力を低減できる。
【0015】
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記重複する領域に配されている少なくとも一部の前記第1接合部と前記第2接合部とでは、互いの少なくとも一部の前記上下方向の位置が重複していることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【0016】
このようなパンツ型吸収性物品によれば、左右方向に並ぶ第1接合部間に生じる非伸縮性シートの撓みを第2接合部によって直接抑えることができ、撓みを小さくできる。よって、吸収性コアと重なる外装体の表面の凹凸を抑えることができる。
【0017】
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記重複する領域に配されている少なくとも一部の前記第1接合部と前記第2接合部とでは、前記上下方向の位置が重複していないことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【0018】
このようなパンツ型吸収性物品によれば、上下方向にずれて配置された第1接合部及び第2接合部によって、上下方向の広い範囲に亘り伸縮性シートの収縮力を低減できる。また、接合部間の非伸縮性シートの撓みを小さくしつつ、接合部による外装体の硬さを上下方向に分散させることができる。
【0019】
かかるパンツ型吸収性物品であって、展開状態である前記パンツ型吸収性物品を、その厚さ方向に平面視したときに、前記重複する領域に配されている少なくとも一部の前記第1接合部と前記第2接合部とでは、互いの一部が前記厚さ方向に重なっていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【0020】
このようなパンツ型吸収性物品によれば、厚さ方向に接合部が重なっている部位にて、伸縮性シートの弾性特性をより確実に消失(低減)させることができる。一方、厚さ方向に接合部が重なっていない部位にて、接合部間の非伸縮性シートの撓みを小さくできる。
【0021】
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記重複する領域に、前記左右方向の一方側から順に、一の第1接合部と、一の第2接合部と、他の第1接合部とが並んで配されており、前記左右方向において、前記一の第1接合部は、前記他の第1接合部よりも、前記一の第2接合部の近くに配されていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【0022】
このようなパンツ型吸収性物品によれば、近くに配される第1接合部と第2接合部の間の非伸縮性シートの撓みをより小さくでき、吸収性コアと重なる外装体の表面においてユーザーに視認されやすい凹凸を少なくできる。よって、ユーザーは吸収性コアの大きさを確認しやすくなる。
【0023】
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記複数の接合部は、長軸方向を有する形状である前記接合部を備え、当該接合部は、前記長軸方向が前記上下方向及び前記左右方向に対して傾くように配されていることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【0024】
このようなパンツ型吸収性物品によれば、接合部の長軸方向が上下方向及び左右方向に沿わないことで、外装体の上下方向の剛性及び左右方向の剛性を軽減できる。よって、外装体が着用者の胴回りや上下方向の膨らみ(腹部や臀部)に沿いやすく、ユーザーがパンツ型吸収性物品の硬さを感じ難くなる。
【0025】
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記前後方向の少なくとも一方側の前記外装体の部位に配された脚回り弾性部材は、前記パンツ型吸収性物品の一対の脚回り開口に沿う一対の湾曲領域と、当該一対の湾曲領域を繋ぐ前記左右方向に沿う中央領域とに配されており、前記複数の接合部は、同一形状及び同一面積である複数の第3接合部を備え、前記第3接合部は、前記第1接合部及び前記第2接合部と、形状及び面積のうちの少なくとも一方が異なり、前記第3接合部は、前記第1接合部に比べて、前記左右方向の長さが長いことと、前記上下方向の長さが長いことと、面積が大きいことのうちの少なくとも1つを満たし、前記外装体は、複数の前記第3接合部が配された第3接合部領域を備え、展開状態である前記パンツ型吸収性物品を、その厚さ方向に平面視したときに、前記外装体は、前記中央領域と前記吸収性コアが前記厚さ方向に重なる領域において、前記第2接合部領域と前記第3接合部領域とが重複する領域を有することを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【0026】
このようなパンツ型吸収性物品によれば、伸縮性シートに加えて脚回り弾性部材が配される外装体の領域の収縮力を、寸法や面積の大きい第3接合部によって確実に大きく低減できる。
【0027】
かかるパンツ型吸収性物品であって、展開状態である前記パンツ型吸収性物品を、その厚さ方向に平面視したときに、前記外装体は、前記吸収性コアの上端部と前記厚さ方向に重なる端部領域を有し、前記端部領域に配されている前記接合部の合計面積を、当該端部領域の面積で除した値は、前記第1接合部領域と前記第2接合部領域とが重複する領域に配されている前記接合部の合計面積を、当該重複する領域の面積で除した値よりも小さいことを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【0028】
このようなパンツ型吸収性物品によれば、吸収性コアと外装体が重なる部位と重ならない部位との境界部において、伸縮性シートの収縮力が急に変化してしまうことを抑制できる。
【0029】
かかるパンツ型吸収性物品であって、前記パンツ型吸収性物品は第1のサイズであり、前記第1接合部領域と前記第2接合部領域とが重複する領域の面積を、前記外装体の全体の面積で除した値は、前記パンツ型吸収性物品と同一のブランド名及びサブブランド名を有し、かつ、第2のサイズである他のパンツ型吸収性物品における前記除した値と異なることを特徴とするパンツ型吸収性物品。
【0030】
このようなパンツ型吸収性物品によれば、サイズに応じた吸収性コアの大きさに合わせて伸縮性シートの収縮力を低減できるため、吸収性コアの収縮を抑制でき、吸収性コアと重なる外装体の表面の凹凸を小さくできる。
【0031】
また、第1のサイズである第1のパンツ型吸収性物品と、第2のサイズである第2のパンツ型吸収性物品と、を備え、前記第1のパンツ型吸収性物品及び前記第2のパンツ型吸収性物品は、同一のブランド名及びサブブランド名を有するパンツ型吸収性物品の群であり、前記第1のパンツ型吸収性物品及び前記第2のパンツ型吸収性物品は、それぞれ、上下方向、左右方向、及び前後方向を有し、吸収性コアを備えた吸収性本体と、前記吸収性本体よりも非肌側に配された外装体とを有し、前記外装体は、非伸縮性シートと、前記左右方向に伸縮する伸縮性シートとを備え、前記非伸縮性シートと前記伸縮性シートは、複数の接合部によって間欠に接合されており、前記複数の接合部は、同一形状及び同一面積である複数の第1接合部と、同一形状及び同一面積である複数の第2接合部とを備え、前記第1接合部と前記第2接合部とでは、形状及び面積のうちの少なくとも一方が異なり、前記外装体は、複数の前記第1接合部が配された第1接合部領域と、複数の前記第2接合部が配された第2接合部領域とを備え、展開状態である前記パンツ型吸収性物品を、その厚さ方向に平面視したときに、前記外装体は、前記吸収性コアと前記厚さ方向に重なる領域において、前記第1接合部領域と前記第2接合部領域とが重複する領域を有し、前記第1接合部領域と前記第2接合部領域とが重複する領域の面積を、前記外装体の全体の面積で除した値は、前記第1のパンツ型吸収性物品と前記第2のパンツ型吸収性物品とで異なることを特徴とするパンツ型吸収性物品の群。
【0032】
このようなパンツ型吸収性物品の群によれば、サイズに応じた吸収性コアの大きさに合わせて伸縮性シートの収縮力を低減できるため、吸収性コアの収縮を抑制でき、吸収性コアと重なる外装体の表面の凹凸を小さくできる。
【0033】
===実施形態===
以下、パンツ型吸収性物品として、大人向けのパンツ型使い捨ておむつを例に挙げて実施形態を説明する。ただしこれに限定されず、本発明に係るパンツ型吸収性物品は、例えば子供向けの使い捨ておむつや生理用ショーツ等としても適用できる。
【0034】
<<おむつ1の基本構成>>
図1はパンツ型使い捨ておむつ1(以下、おむつ1ともいう)の概略斜視図である。図2は展開かつ伸長状態のおむつ1を肌側から見た概略平面図である。図3は、図2のI-I線(左右方向の中央)での概略断面図である。
【0035】
おむつ1の展開状態とは、パンツ型のおむつ1の両側部に設けられている一対の側部接合部24分離し、おむつ1を開いて平面的に展開した状態である。おむつ1の伸張状態とは、おむつ1の皺が視認できなくなる程度まで、おむつ1が備える弾性部材を伸張させた状態である。具体的には、おむつ1を構成する各部材の寸法が、その部材単体の寸法(すなわち弾性部材の弾性特性が発現しない状態での寸法)と一致又はそれに近い寸法になるまで伸張させた状態である。
【0036】
おむつ1は、互いに交差する上下方向、左右方向、及び、前後方向を有するとともに、図3に示すように、各資材が積層された厚さ方向を有する。上下方向において、着用者の胴側となる側を上側とし、着用者の股下となる側を下側とする。前後方向において、着用者の腹側となる側を前側とし、着用者の背側となる側を後側とする。厚さ方向において、着用者に接する側を肌側とし、その反対側を非肌側とする。
【0037】
おむつ1は、吸収性本体10と、吸収性本体10よりも非肌側に配された外装体20とを有する。吸収性本体10の非肌側面が外装体20の肌側面に接着剤等により接合されている。外装体20は、3部材から構成され、着用者の腹部に対応する前身頃部21と、着用者の背側に対応する後身頃部22と、それらを繋ぐ股下部23を有する。
【0038】
なお、本実施形態のおむつ1では外装体20が3部材(前身頃部21、後身頃部22、及び、股下部23)から構成されているが、これに限らない。例えば、前身頃部21、後身頃部22、及び、股下部23が連続した1部材で構成されていてもよい。また、股下部23を有さない構成としてもよい。
【0039】
図2に示す展開状態のおむつ1では、吸収性本体10の長手方向の一端側に、前身頃部21が位置し、吸収性本体10の長手方向の他端側に、後身頃部22が位置している。また、吸収性本体10の長手方向の両端部は肌側から内層シート2,3で覆われている。展開状態のおむつ1において、吸収性本体10が長手方向の略中央で2つ折りされ、前身頃部21の左右方向の両側部と後身頃部22の左右方向の両側部とが溶着等で接合され、一対の側部接合部24が形成されることにより、図1に示すパンツ型となる。つまり、吸収性本体10の長手方向がおむつ1の上下方向に沿い、前身頃部21と後身頃部22が環状につながり、その上端に胴回り開口1aが形成され、また、左右方向の両側に一対の脚回り開口1bが形成される。
【0040】
吸収性本体10は、平面視長方形状を成し、図3に示すように、吸収性コア12と、吸収性コア12の肌側に位置する液透過性のトップシート11と、吸収性コア11の非肌側に位置するバックシート13とを有している。本実施形態のバックシート13は、液不透過性シート13a、及び、その非肌側に配された疎水性の液透過性シート(例えば疎水性不織布)13bの二層構造である。
【0041】
吸収性コア12は、尿等の排泄液を吸収して保持する部材であり、例えば高吸収性ポリマー(SAP)が混入したパルプ繊維等の液体吸収性繊維が所定の形状に成形されたものを例示できる。図示しないが、吸収性コア12は、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性のシートによって、外周面が覆われていてもよい。
【0042】
前身頃部21、及び、後身頃部22は、それぞれ図2に示すように、上下方向において側部接合部24と重複する部位である胴回り領域21A,22Aと、それよりも下側の股下側領域21B,22Bとを有している。
【0043】
股下側領域21B,22Bは略台形形状を成し、下側に向かうにつれて横幅(左右方向の長さ)が狭くなっている。また、前身頃部21に比べて後身頃部22の方が、股下側領域22Bが大きく、着用者の臀部を被覆可能となっている。
【0044】
前身頃部21と後身頃部22と股下部23は、それぞれ図3に示すように、非肌側シート211,221,231と、肌側シート212,222,232と、それらの間に位置する伸縮性シート213,223,233を有している。また、前身頃部21と後身頃部22の上端部には、左右方向に伸縮する糸状の胴回り弾性部材214,224が配されている。これにより、おむつ1の胴回り開口1aに沿う上端部は着用者にフィットし、おむつ1のズレ落ち等を抑制できる。また、前身頃部21の股下側領域21Bと、後身頃部22の股下側領域22Bと、股下部23の、左右方向の両側部には、脚回り開口1bに沿って糸状の脚回り弾性部材215,225,234が配されている。これにより、おむつ1は着用者の脚回りにフィットし、排泄物の漏れを抑制できる。一方、伸縮性シート213,223,233が配されている外装体20の部位は着用者に面で緩やかにフィットできる。
【0045】
===接合部40について===
図4は前身頃部21に配された接合部40の説明図である。図5は後身頃部22に配された接合部40の説明図である。図6Aは第1接合部領域R1と第2接合部領域R2の重複領域OR1の説明図であり、図6Bは第3接合部領域R3と第2接合部領域R2の重複領域OR2の説明図である。図7A図7Cは外装体20における凹凸の説明図である。
【0046】
前身頃部21及び後身頃部22(外装体20)は、非肌側シート211,221と、肌側シート212,222と、左右方向に伸縮する伸縮性シート213,223を備える。非肌側シート211,221及び肌側シート212,222は、実質的に伸縮性を有さない非伸縮性シートであり、柔軟なシートである不織布等が挙げられる。以下の説明では、非肌側シート211,221と肌側シート212,222を合わせて非伸縮性シートともいう。
【0047】
伸縮性シート213,223は、前身頃部21と後身頃部22のうち胴回り弾性部材214,224よりも下方の全域に設けられている。伸縮性シート213,223としては、伸縮性不織布や伸縮性フィルムが挙げられる。なお、伸縮性シート213,223は、左右方向だけでなく、上下方向やその他の方向にも伸縮可能であってもよい。また、伸縮性シート213,223は、肌側と非肌側の両側から非伸縮性シートで覆われるに限らず、一方側からのみ覆われる構成であってもよい(すなわち外装体20は非肌側シート211,221と肌側シート212,222の一方のみを有する構成であってもよい)。また、1枚の非伸縮性シートを上下方向に折り返して、その間に伸縮性シート213,223を挟む構成であってもよい。
【0048】
図4及び図5に示すように、前身頃部21及び後身頃部22では、非伸縮性シート211,221,212,222と伸縮性シート213,223が、複数の接合部40によって間欠に接合されている。接合部40における接合方法としては、溶着(熱溶着や超音波溶着等)による接合や、接着剤による接合が挙げられる。なお、図示しないが股下部23にも接合部40が配されてもよいし、股下部23には接合部40が配されていなくてもよい。
【0049】
図7Aに示すように伸縮性シート213,223が収縮した時に、間欠に配された接合部40間の非伸縮性シート211,221,212,222が厚さ方向に撓む(凸形状となる)。つまり、前身頃部21及び後身頃部22の表面に小さい凹凸が多数形成される。これにより、おむつ1の肌触りが良くなり、視覚的にも柔らかいおむつ1である印象となる。特に伸縮性シート213,223が伸縮性不織布である場合、収縮した伸縮性シート213,223の構成繊維が厚さ方向に膨らみ、繊維が凸部を支持して凸部が潰れ難くなるため、前身頃部21及び後身頃部22のクッション性が高まる。
【0050】
また、複数の接合部40は、形状及び面積のうちの少なくとも一方が互いに異なる複数種類の接合部40を備える。具体的に、複数の接合部40は、同一形状及び同一面積(長方形)である複数の第1接合部41と、同一形状及び同一面積(円)である複数の第2接合部42と、同一形状及び同一面積(長方形)である複数の第3接合部43と、同一形状及び同一面積(長方形)である複数の第4接合部44を備える。
【0051】
なお、接合部40の配置の向きが異なっていても、回転させて重なる場合(同一形状となる場合)は同一形状とする。また、同じ種類の形状(例えば長方形同士や三角形同士)であっても、相似形でない場合(例えば辺の長さや角度等が異なる場合)は異なる形状とする。
【0052】
外装体20において、複数の第1接合部41が配された領域を第1接合部領域R1とし、複数の第2接合部42が配された領域を第2接合部領域R2とし、複数の第3接合部43が配された領域を第3接合部領域R3とし、複数の第4接合部44が配された領域を第4接合部領域R4とする。
【0053】
第N接合部領域(N=1~4)の特定方法としては、所定方向(例えば左右方向)に対して0度から180度までの範囲で傾く各方向について、最も外側(一方の外側又は両外側)に位置する第N接合部の点を特定し、その特定した点を繋いだ領域とする。
【0054】
具体的には、前身頃部21及び後身頃部22のうち、吸収性コア12の上側の長方形状の領域(胴回り弾性部材214,224と脚回り弾性部材215,225の間の点abcdで囲われた領域)に、第4接合部領域R4が配されている。第4接合部領域R4よりも下側の領域(点befghdで囲われた領域)に、第2接合部領域R2が配されている。また、第2接合部領域R2の左右方向の中央部と重複する領域に、第1接合部領域R1が配されている。第1接合部領域R1は、その全域が第2接合部領域R2と重複し、第2接合部領域R2内に含まれる。また、第3接合部領域R3は後身頃部22にのみ配され、第2接合部領域R2の左右方向の中央部と重複する領域であり、第1接合部領域R1よりも下側の領域に配されている。第3接合部領域R3も、その全域が第2接合部領域R2内に含まれる。
【0055】
各接合部領域R1~R4において、接合部40は千鳥状に配置されている。つまり、上下方向に間隔を空けて並ぶ接合部40の列が、上下方向に半ピッチずれて左右方向に並んでいる。また、各接合部領域R1~R4において、接合部40の上下方向及び左右方向の配置間隔L0,W0は一定である。さらに、全ての接合部領域R1~R4における接合部40の配置間隔L0,W0が揃っている。
【0056】
また、接合部40の面積は、第3接合部43、第1接合部41、第4接合部44、第2接合部42の順に大きい。したがって、接合部40の面積率(単位面積に位置する接合部40の合計面積/単位面積)は、第3接合部領域R3、第1接合部領域R1、第4接合部領域R4、第2接合部領域R2の順に大きい。
【0057】
接合部40の面積率が大きい領域ほど、その領域の伸縮性シート213,223による収縮力(弾性力)が低減する。これは、接合部40が配された伸縮性シート213,223の部位では弾性特性が消失(低減)するため、接合部40の面積率が大きくなる程、伸縮性シート213,223における弾性力発現領域が小さくなるからである。
【0058】
したがって、接合部40の面積率が比較的に小さい第4接合部領域R4を、吸収性コア12の上側に設けることで、吸収性コア12の上側の外装体20(前身頃部21及び後身頃部22)の収縮力が適度に保たれる。よって、外装体20が着用者の胴回りにフィットする。
【0059】
また、接合部40の面積率が小さい第2接合部領域R2の単独領域(左右方向の両端部)を、脚回り弾性部材215,225の配置領域に設けることで、脚回り弾性部材215,225の収縮力が接合部40によって低減してしまうことを防止でき、伸縮性シート213,223の収縮力も適度に保たれる。よって、外装体20が着用者の脚回りにフィットする。
【0060】
一方、第1接合部領域R1と第2接合部領域R2の重複領域OR1(以下、第1重複領域OR1ともいう)では、図6Aに示すように、第1接合部41と第2接合部42が配される。そのため、第1重複領域OR1では接合部40の面積率が高まり、伸縮性シート213,223の収縮力が低減する。そこで、展開状態であるおむつ1を、その厚さ方向に平面視したときに、外装体20(前身頃部21及び後身頃部22)が吸収性コア12と厚さ方向に重なる領域に、第1接合部領域R1と第2接合部領域R2の重複領域OR1を設けるとよい。
【0061】
そうすることで、吸収性コア12と厚さ方向に重なる外装体20の領域では、伸縮性シート213,223の収縮力が低減され、吸収性コア12の左右方向の収縮を抑制できる。その結果、吸収性コア12の収縮皺による隙間の発生を防止でき、吸収性コア12の吸収面積を広く維持できるため、排泄物の漏れを抑制できる。また、ユーザーが吸収性コア12の大きさを実感でき、ユーザーの漏れへの不安を軽減できる。
【0062】
また、図6Aに例示する第1接合部41と第2接合部42は、形状及び面積が異なる。詳しくは、第1接合部41の方が第2接合部42に比べて面積が大きい。また、おむつ1の上下方向における第1接合部41の長さL1は第2接合部42の長さdよりも長く、おむつ1の左右方向における第1接合部41の長さW1は第2接合部42の長さdよりも大きい。
【0063】
ここで仮に、吸収性コア12と厚さ方向に重なる外装体20の領域に第1接合部41のみを配置したとする。図7Cのように第1接合部41を多く配置することで、接合部40の面積率が高まり、伸縮性シート213,223の収縮を抑えることができる。また、面積や寸法の大きい第1接合部41によれば、伸縮性シート213,223の弾性特性を広く確実に消失できるため、伸縮性シート213,223の収縮力を大きく低減できる。しかし、第1接合部41を多く配置することで、ユーザーが接合部40の硬さを感じやすくなり、おむつ1の肌触りや着け心地が低下してしまう。
【0064】
逆に、吸収性コア12と厚さ方向に重なる外装体20の領域に第2接合部42のみを配置したとする。この場合、ユーザーは接合部40の硬さを感じ難くなるが、面積や寸法の小さい第2接合部42では伸縮性シート213,223の弾性特性を消失しきれない恐れがある。
【0065】
また、接合部40の面積率を同じとする場合、第1接合部41のみを配置する方が、接合部40の数が少なくなる。接合部40の数が少ないと、図7Bに示すように、第1接合部41間の非伸縮性シート211,221,212,222の撓み(凸部の高さ)が大きくなる。吸収性コア12と厚さ方向に重なる外装体20の表面に大きな凹凸が形成されていると、おむつ1の外側から吸収性コア12の形状を視認し難くなる。そうすると、ユーザーが吸収性コア12の大きさを確認できず、漏れへの不安を感じる恐れがある。しかし、撓みを小さくするために、図7Cに示すように第1接合部41の数を不要に増やしてしまうと、ユーザーが接合部40の硬さを感じやすくなる。
【0066】
一方、第2接合部42のみを配置する場合、接合部40の数が多くなる。そうすると、第2接合部42間の非伸縮性シート211,221,212,222の撓み(凸部)の数が増えてしまう。吸収性コア12と厚さ方向に重なる外装体20の表面に多数の凹凸が形成されていると、おむつ1の外側から吸収性コア12の形状を視認し難くなる。そうすると、ユーザーが吸収性コア12の大きさを確認できず、漏れへの不安を感じる恐れがある。
【0067】
これに対して、本実施形態では、吸収性コア12と厚さ方向に重なる外装体20の領域に、形状及び面積のうちの少なくとも一方が異なる第1接合部41と第2接合部42を混在させて配置する(図6A)。そのため、面積や寸法の大きい第1接合部41によって伸縮性シート213,223の左右方向の収縮力を確実に抑えることができ、吸収性コア12の左右方向の収縮を抑えることができる。また、面積や寸法の小さい第2接合部42は、第1接合部41に比べると、伸縮性シート213,223の弾性特性を直接消失させる効果は小さいが、伸縮性シート213,223の弾性力発現領域を第2接合部42によって分断できる。弾性力発現領域が左右方向に連続する長さを短くすることによっても、伸縮性シート213,223の収縮力を低減できる。
【0068】
また、第2接合部42によって第1接合部41間の非伸縮性シート211,221,212,222の撓み(凸部の高さ)を小さくでき、吸収性コア12と厚さ方向に重なる外装体20の表面の凹凸が小さくなる。また、第1接合部41によって接合部40の数を少なくすることができ、吸収性コア12と厚さ方向に重なる外装体20の表面の凹凸の数が少なくなる。よって、おむつ1の外側からの吸収性コア12の視認性が高まり、ユーザーが吸収性コア12の大きさを確認しやすくなるため、漏れへの不安を軽減できる。また、非伸縮性シート211,221,212,222の撓みを小さくするために、不要に第1接合部41が多く配置されることがないため、おむつ1が硬くなってしまうことを防止できる。
【0069】
また、接合部40間の非伸縮性シート211,221,212,222の撓み(凸部の高さ)が小さくなることで、伸縮性シート213,223の収縮方向(左右方向)に対する非伸縮シート211,221,212,222の角度が小さくなる。そうすると、伸縮性シート213,223の収縮力に対する非伸縮性シート211,221,212,222の抵抗力が高まり、伸縮性シート213,223の収縮力をより低減できる。
【0070】
なお、厚さ方向に吸収性コア12と重なる外装体20の少なくとも一部に、第1重複領域OR1が設けられていればよい。例えば、前身頃部21と後身頃部22の一方にのみ第1重複領域OR1が設けられる構成であってもよいし、股下部23に第1重複領域OR1が設けられる構成であってもよい。また、形状や面積の異なる3種類以上の接合部40が第1重複領域OR1に配されていてもよい。
【0071】
また、接合部40は図4及び図5に例示するものに限定されない。例えば接合部40は長方形や円形以外の形状であってもよい。また、接合部40が上下方向及び左右方向に等間隔で配置されていなくてもよいし(不均等に配置されていてもよいし)、千鳥状に配置されていなくてもよい。また、接合部40の配置間隔が接合部領域R1~R4によって異なっていてもよい。
【0072】
また、第1接合部41と第2接合部42とでは形状及び面積のうちの少なくとも一方が異なるものとするが、第1接合部41の方が、第2接合部42よりも、おむつ1の上下方向の長さが長いこと(L1>d)が好ましい。そうすることで、上下方向に長い第1接合部41によって、上下方向の広い範囲に亘り伸縮性シート213,223の収縮力を低減できる。
【0073】
また、第1接合部41の方が、第2接合部42よりも、面積が大きいことが好ましい。そうすることで、面積の大きい第1接合部41によって、より確実に、伸縮性シート213,223の弾性特性を消失させることができ、伸縮性シート213,223の収縮力を低減できる。
【0074】
また、第1接合部41の方が、第2接合部42よりも、おむつ1の左右方向の長さが長くてもよい(W1>d)。そうすることで、左右方向に長い第1接合部41によって、伸縮性シート213,223における弾性力発現領域の左右方向の長さを短くでき、伸縮性シート213,223の左右方向の収縮力を低減できる。
【0075】
ただし、第1接合部41の上下方向の長さが左右方向の長さ以上であると、左右方向に多数の第1接合部41を並んで配することができる。この場合、伸縮性シート213,223の弾性力発現領域を左右方向に細かく分断でき、伸縮性シート213,223の収縮力を低減できる。
【0076】
なお、上記のように接合部40寸法や面積の比較する場合や、以下に説明する接合部40の位置関係や領域の面積の比較等を行う場合には、おむつ1が伸張した状態で行うものとする。
【0077】
図6Aに例示する第1重複領域OR1では、上下方向に並ぶ第1接合部41の中央に第2接合部42が位置し、左右方向に並ぶ第1接合部41の中央に第2接合部42が位置している。そして、第1接合部41の一部の上下方向の位置と、第2接合部42の上下方向の位置とが重複しており、第1接合部41と第2接合部42が左右方向に並ぶ列が形成されている。
【0078】
このように、第1重複領域OR1に配されている少なくとも一部の第1接合部41と第2接合部42とにおいて、互いの少なくとも一部の上下方向の位置が重複しているとよい。そうすることで、左右方向に並ぶ第1接合部41間に生じる非伸縮性シート211,221,212,222の撓みを、第2接合部42が直接抑えることができ、撓みを小さくできる。ゆえに、吸収性コア21と厚さ方向に重なる外装体20の表面の凹凸をより小さくでき、ユーザーが吸収性コア12の大きさを確認しやすくなる。特に、図6Aに示すように、左右方向に並ぶ第1接合部41の中央に第2接合部42を配することで、第2接合部42の左右方向の両側の撓みを均等に小さくできる。
【0079】
図8A図8Cは、第1重複領域OR1における第1接合部41と第2接合部42の配置の変形例を示す図である。図6Aとは異なり、図8Aに示すように、第1重複領域OR1に配されている少なくとも一部の第1接合部41と第2接合部42とにおいて、上下方向の位置が重複しないようにしてもよい。
【0080】
そうすることで、上下方向にずれて配置された第1接合部41と第2接合部42によって、上下方向の広い範囲に亘り伸縮性シート213,223の収縮力を抑制できる。また、図8Aの場合にも、第1接合部41間に生じる非伸縮性シート211,221,212,222の撓みを第2接合部42によって小さくできる。また、図8Aでは、第1接合部41と第2接合部42が左右方向に並ばないため、上下方向の特定の位置において、伸縮性シート213,223の収縮力が局所的に低下したり、硬くなったりしてしまうことを抑制できる。
【0081】
また、展開状態であるおむつ1を厚さ方向に平面視したときに、図8Bに示すように、第1重複する領域OR1に配されている少なくとも一部の第1接合部41と第2接合部42とにおいて、互いの一部が厚さ方向に重なっていてもよい。
【0082】
この場合、第1接合部41と第2接合部42が重なっている部位によって、伸縮性シート213,223の弾性特性をより確実に消失させることができ、伸縮性シート213,223の収縮力を低減できる。一方、第1接合部41と第2接合部42が重なっていない部位によって、非伸縮性シート211,221,212,222の撓みを抑えて、撓みを小さくできる。
【0083】
また、図8Cに示すように、第1重複領域OR1において左右方向の一方側から順に並ぶ接合部40を、一の第1接合部41a、一の第2接合部42a、他の第1接合部41bとする。この場合、左右方向において、一の第1接合部41aは、他の第1接合部41bよりも、一の第2接合部42aの近くに配されるようにしてもよい。つまり、一の第1接合部41aと一の第2接合部42aの中心間距離W3を、一の第2接合部42aと他の第1接合部41bとの中心間距離W4よりも短くする。
【0084】
そうすることで、近くに配された第1接合部41aと第2接合部42aの間の非伸縮性シート211,221,212,222の撓みがより小さくなり、その撓みがユーザーに認識され難くなる。したがって、吸収性コア12が厚さ方向に重なる外装体20の表面において、ユーザーに認識されやすい凹凸の数を少なくすることができ、ユーザーが吸収性コア12の大きさを確認しやすくなる。
【0085】
また、図2に示すように、前後方向の少なくとも一方側の外装体20において(本実施形態では後身頃部22において)、おむつ1の一対の脚回り開口1bに沿う一対の湾曲領域20Cと、当該一対の湾曲領域20Cを繋ぐ左右方向に沿う中央領域20Dとに、脚回り弾性部材225が配されている場合、以下であることが好ましい。
【0086】
まず、図5に示すように、展開状態であるおむつ1を、その厚さ方向に平面視したときに、外装体20は、中央領域20Dと吸収性コア12が厚さ方向に重なる領域において、第2接合部領域R2と第3接合部領域R3とが重複する領域OR2(以下、第2重複領域OR2ともいう)を有するとよい。そして、第3接合部43は、第1接合部41に比べて、左右方向の長さが長いことと(W2>W1)、上下方向の長さが長いことと(L2>L1)、面積が大きいことのうちの少なくとも1つを満たすとよい(本実施形態の第3接合部43は全てを満たす)。
【0087】
そうすることで、伸縮性シート213,223に加えて、吸収性コア12を左右方向に横断する脚回り弾性部材225が配された外装体20の領域(中央領域20D)において、接合部40の面積率を高めることができる。つまり、第1接合部41よりも寸法や面積の大きい第3接合部43によって、伸縮性シート213,223と脚回り弾性部材225の収縮力をより確実に大きく低減できる。詳しくは、第3接合部43によって、脚回り弾性部材225を左右方向に細かく分断でき、脚回り弾性部材225の収縮力を低減できる。これにより吸収性コア12の収縮を抑制できる。
【0088】
なお、中央領域20D以外の外装体20の領域に複数種類の接合部40が配されない構成であってもよく、その場合、本実施形態の第3接合部43は本発明の第1接合部に該当する。
【0089】
また、中央領域20Dにも第1重複領域OR1と同様に、第1接合部41と第2接合部42を配置してもよい。その場合には、単位面積あたりの接合部40の数を増やすとよく、そうすることで、伸縮性シート213,223と脚回り弾性部材225の収縮力をより確実に低減できる。
【0090】
また、図4に示すように前身頃部21に配される脚回り弾性部材215は、外装体20の脚回り開口1bに沿う湾曲領域に設けられるだけであり、吸収性コア12を左右方向に横断しない。そのため、吸収性コア12の左右方向の収縮が抑制される。また、脚回り弾性部材215は側部接合部24から前身頃部21の下端部に向かって配されているが、脚回り弾性部材215の下端部は弾性特性を発現していなかったり、前身頃部21の下端まで脚回り弾性部材215が達していなかったりすることが好ましい。そうすることで前身頃部21の下端部のめくれ等を抑制できる。
【0091】
また、展開状態であるおむつ1をその厚さ方向に平面視したときに、吸収性コア12の上端部12Aと厚さ方向に重なる外装体20の領域を端部領域20Eとする。端部領域20Eには、第1接合部領域R1と第2接合部領域R2が重複する第1重複領域OR1が配されないことが好ましい。そして、端部領域20Eにおける接合部40の面積率を、第1重複領域OR1における接合部40の面積率よりも小さくするとよい。つまり、端部領域20Eに配されている接合部40の合計面積を端部領域20Eの面積で除した値を、第1重複領域OR1に配されている接合部40の合計面積を第1重複領域OR1の面積で除した値よりも小さくするとよい。
【0092】
そうすることで、吸収性コア12と重なる外装体20の領域と、吸収性コア12と厚さ方向に重ならない外装体20の領域との境界部において、伸縮性シート213,223の収縮力の急な変化を抑制できる。したがって、上記境界部における外装体20のヨレ等を抑制できる。
【0093】
図9A図9Fは、長軸方向を有する形状の接合部40の説明図である。外装体20に配される複数の接合部40は、長軸方向を有する形状であることが好ましい。本実施形態では、第1,第3,第4接合部41,43,44が長方形状であり、長軸方向を有する形状である。
【0094】
長軸方向を有する形状として、長方形(図9A)、略長方形(例えば、図9Bのように辺が曲線となった長方形や、図9Cのように角がR形状となった長方形等)、平行四辺形(図9D)、楕円形(図9E)、ひし形(図9F)を例示する。図示するように、長方形、略長方形、平行四辺形、及び、楕円形は、対向する短い辺(曲線)の中心を繋いだ直線方向を長軸方向とする。ひし形は、長い方の対角線に沿う方向を長軸方向とする。
【0095】
接合部40が上記のような長軸方向を有する形状である場合、当該接合部40は、長軸方向が上下方向及び左右方向に対して傾くように配されていることが好ましい。例えば本実施形態の第1接合部41は、その長軸方向を上下方向及び左右方向に対して45度傾けて配されている。
【0096】
そうすることで、剛性の高い接合部40の長軸方向が長手方向及び幅方向に沿わないため、外装体20の上下方向の剛性及び左右方向の剛性を軽減できる。よって、着用者の胴回りや上下方向に沿う膨らみ(腹部や臀部)に沿って外装体20が変形しやすくなり、着用者はおむつ1の硬さを感じ難くなる。
【0097】
また、吸収性コア12と重なる外装体20の領域に配される接合部40の長軸方向が傾斜していると、長軸方向が左右方向に沿う場合に比べて、接合部40の上下方向の長さが長くなる。よって、接合部40によって、上下方向の広い範囲に亘り伸縮性シート213,223の収縮力を低減できる。また、接合部40の左右方向の長さが適度に短くなるため、左右方向に多くの接合部40を並んで配することができる。よって、伸縮性シート213,223における弾性力発現領域を左右方向に細かく分断でき、伸縮性シート213,223の収縮力を低減できる。一方、長軸方向が上下方向に沿う場合に比べて、接合部40の左右方向の長さが長くなるため、伸縮性シート213,223における弾性力発現領域の左右方向の長さを短くでき、伸縮性シート213,223の収縮力を低減できる。このように接合部40の長軸方向が傾斜していると、接合部40が上下方向に長い場合と左右方向に長い場合の両方の効果を得つつ、接合部40の面積を小さくできるため、おむつ1が硬くなってしまうことを防止できる。
【0098】
また、長軸方向の傾き方が異なる接合部を混在させて配置するとよい。図4及び図5では、長軸方向に沿って並ぶ接合部40の間に、傾き方が左右対称である接合部40が配されている。そうすることで、伸縮性シート213の収縮力の分布を左右対称にできるため、おむつ1の外観を良くしたり、締め付け力のバランスを良くしたりできる。
【0099】
図10は、おむつ1に配された接合部40の変形例を示す図である。第1重複領域OR1及び第2重複領域OR2と左右方向に並ぶ外装体20の領域に、第2接合部領域R2よりも接合部40の面積率が高い第5接合部領域R5を配してもよい。図10に例示する第5接合部領域R5では、第2接合部領域R2に比べて、単位面積当たりに配される第2接合部42の数を多くすることによって接合部40の面積率を高くしている。しかし、これに限らず、第5接合部領域R5に複数種類の接合部40が配されてもよい。
【0100】
図10では、吸収性コア12の左右方向の両外側の外装体20の領域の収縮も抑えられるため、外装体20が左右方向に広がった状態となり、臀部や前側の股下部を外装体20によって被覆できる。また、おむつ1らしい外観が軽減される。ただし、第5接合部領域R5は、第1重複領域OR1や第2重複領域OR2に比べて接合部40の面積率を低くする。そうすることで、外装体20の収縮力が適度に維持され、外装体20が着用者の臀部等にフィットできる。
【0101】
図11A及び図11Bは、サイズの異なるおむつ1の群における第1重複領域OR1の説明図である。おむつ1は、複数種類のサイズ(例えばSサイズ、Mサイズ、Lサイズ等)のおむつ1の群として市場に流通されてもよい。そうすることで、着用者は身体の大きさに応じたおむつ1を着用できる。その場合、複数種類のサイズのおむつ1の群は、同一のブランド名及びサブブランド名を付して市場に流通されるとよい。そうすることで、ユーザーは所望するおむつ1を選択できる。
【0102】
なお、同一のブランド名とは、おむつ1が含まれる商品群(失禁ケア製品)の銘柄を表す情報(例えば「ライフリー」等)である。同一のサブブランド名とは、同一のブランド内における異なる商品(パンツ型おむつやパッド等)の名称を表す情報(例えば「すっきりスタイルパンツ」等)である。
【0103】
図11Aに例示するおむつ1の群では、第1のサイズであるおむつ1(例えばMサイズのおむつ1、第1のパンツ型吸収性物品)と、第2のサイズであるおむつ1(例えばLサイズのおむつ1、第2のパンツ型吸収性物品)において、外装体20の全体面積は異なるが、第1重複領域OR1の面積は同じ(又はほぼ同じ)となっている。そのため、異なるサイズのおむつ1において、外装体20における第1重複領域OR1の面積率(第1重複領域OR1の面積を外装体20の全体の面積で除した値)が異なっており、大きいサイズ(Lサイズ)の方が、面積率が小さくなっている。
【0104】
そうすることで、大きいサイズにおいて外装体20は大きくなっていても、吸収性コア12の大きさが同じ(又はほぼ同じ)である場合に、吸収性コア12に対して第1重複領域OR1が不要に大きくなることがない。よって、伸縮性シート213,223の収縮力が低減し過ぎてしてしまうことを防止できる。逆に、外装体20は小さくなっていても、吸収性コア12の大きさが同じ(又はほぼ同じ)である場合に、吸収性コア12に対して第1重複領域OR1が不要に小さくなることがない。よって、吸収性コア12と重なる伸縮性シート213,223の収縮力を低減できる。つまり、外装体20の面積によらずに、吸収性コア12の大きさに応じた外装体20の領域の収縮力を低減でき、また、吸収性コア12と重なる外装体20の表面の凹凸を小さくできる。
【0105】
なお、外装体20の全体の面積とは、図2に示すように展開かつ伸張状態のおむつ1における外装体20の平面積である。また、前身頃部21と後身頃部22にそれぞれ第1重複領域OR1が設けられる場合など、おむつ1に複数の第1重複領域OR1が設けられる場合には、その合計の面積に基づく面積率とする。
【0106】
しかし、上記に限らず、図11Bに示すように、おむつ1のサイズによって第1重複領域OR1の面積を異ならせてもよく、例えば、おむつ1のサイズに比例して第1重複領域OR1の面積を大きくしてもよい。そうすることで、おむつ1のサイズに応じて吸収性コア12の大きさが変わる場合にも、その吸収性コア12の大きさに応じた外装体20の領域の収縮力を低減できる。また、小さいサイズのおむつ1において、外装体20の収縮を不要に低減してしまうことを防止できる。
【0107】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0108】
1 おむつ(パンツ型吸収性物品)、2、3 内層シート、
10 吸収性本体、
11 トップシート、12 吸収性コア、13 バックシート、
20 外装体、20C 湾曲領域、20D 中央領域、
21 前身頃部、22 後身頃部、23 股下部、
211 非肌側シート(非伸縮性シート)、
212 肌側シート(非伸縮性シート)、
213 伸縮性シート、
214 胴回り弾性部材、215 脚回り弾性部材、
221 非肌側シート(非伸縮性シート)、
222 肌側シート(非伸縮性シート)、
223 伸縮性シート、
224 胴回り弾性部材、225 脚回り弾性部材、
24 側部接合部、
40 接合部、
41 第1接合部、42 第2接合部、
43 第3接合部(第1接合部)、44 第4接合部、
R1 第1接合部領域、R2 第2接合部領域、
R3 第3接合部領域(第1接合部領域)、R4 第4接合部領域、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11