IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 古河電気工業株式会社の特許一覧 ▶ ミハル通信株式会社の特許一覧 ▶ イッツ・コミュニケーションズ株式会社の特許一覧

特開2022-184352ノード装置、伝送システム及び異常検出方法
<>
  • 特開-ノード装置、伝送システム及び異常検出方法 図1
  • 特開-ノード装置、伝送システム及び異常検出方法 図2
  • 特開-ノード装置、伝送システム及び異常検出方法 図3
  • 特開-ノード装置、伝送システム及び異常検出方法 図4
  • 特開-ノード装置、伝送システム及び異常検出方法 図5
  • 特開-ノード装置、伝送システム及び異常検出方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184352
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ノード装置、伝送システム及び異常検出方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/07 20130101AFI20221206BHJP
   H04L 12/44 20060101ALI20221206BHJP
   H04B 10/2575 20130101ALI20221206BHJP
   H04N 21/647 20110101ALI20221206BHJP
   H04N 17/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H04B10/07
H04L12/44 M
H04L12/44 200
H04B10/2575 110
H04N21/647
H04N17/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092144
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000114226
【氏名又は名称】ミハル通信株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596001335
【氏名又は名称】イッツ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】丸山 猛
(72)【発明者】
【氏名】鹿嶋 一孝
(72)【発明者】
【氏名】大塚 孝
(72)【発明者】
【氏名】池田 和穂
(72)【発明者】
【氏名】小柳 聡
(72)【発明者】
【氏名】藤部 浩一
(72)【発明者】
【氏名】里城 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】大橋 弘卓
(72)【発明者】
【氏名】七海 信義
(72)【発明者】
【氏名】阿部 翔
(72)【発明者】
【氏名】大平 修敬
(72)【発明者】
【氏名】大久保 賢司
【テーマコード(参考)】
5C061
5C164
5K033
5K102
【Fターム(参考)】
5C061BB03
5C061BB05
5C061BB09
5C061BB13
5C061CC03
5C164TA02S
5C164TA22S
5C164TB44P
5C164TB45P
5C164YA03
5C164YA23
5C164YA25
5K033AA04
5K033AA06
5K033DA01
5K033DB17
5K033DB22
5K033DB25
5K033EA03
5K033EA04
5K102AA11
5K102AA12
5K102AA45
5K102AB02
5K102AB03
5K102AL07
5K102LA08
5K102LA11
5K102LA26
5K102LA35
5K102LA52
5K102RD28
(57)【要約】
【課題】光映像信号を電気映像信号に変換する光電気変換部の異常をシンプルな構成で検出できるノード装置、伝送システム及び異常検出方法を提供すること。
【解決手段】ノード装置10は、FTTH光伝送路5を介して入力される光映像信号を電気映像信号に変換して出力する光電気変換部31と、OLT22(外部装置)とリンク接続を確立するD-ONU33(データ通信部)と、光電気変換部31及びD-ONU33の両方に電力を供給する電源部34と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光伝送路を介して入力される光映像信号を電気映像信号に変換して出力する光電気変換部と、
外部装置とリンク接続を確立するデータ通信部と、
前記光電気変換部及び前記データ通信部の両方に電力を供給する電源部と、
を備えるノード装置。
【請求項2】
前記電源部からの電源の供給が停止されることにより、前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続が失われる請求項1に記載のノード装置。
【請求項3】
前記電源部から供給される電源電圧が低下することにより、前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続が失われる請求項1に記載のノード装置。
【請求項4】
前記光電気変換部及び前記電源部の少なくとも何れか一方の異常を検出する検出部を更に備え、
前記検出部からの異常を示す異常信号に基づいて前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続が失われる請求項1に記載のノード装置。
【請求項5】
前記データ通信部は、光出力を停止する入力部を有し、前記検出部からの異常信号が前記入力部に入力されることにより、前記データ通信部からの光出力が停止され、前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続が失われる請求項4に記載のノード装置。
【請求項6】
前記光電気変換部から出力される電気映像信号を増幅する電気信号増幅部を更に備え、
前記電源部は、前記光電気変換部、前記電気信号増幅部及び前記データ通信部に電力を供給する請求項1から5の何れかに記載のノード装置。
【請求項7】
前記光電気変換部から出力される電気映像信号を増幅する電気信号増幅部を更に備え、
前記検出部は、前記電気信号増幅部の異常を検出し、
前記電気信号増幅部の異常を示す異常信号に基づいて前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続が失われる請求項4又は5に記載のノード装置。
【請求項8】
前記光電気変換部及び前記電源部の少なくとも何れか一方の状態を示す状態情報を取得する情報処理部を更に備え、
前記情報処理部は、前記状態情報を、前記データ通信部を介して前記外部装置に送信する処理を実行する請求項1に記載のノード装置。
【請求項9】
前記光電気変換部から出力される電気映像信号を増幅する電気信号増幅部を更に備え、
前記情報処理部は、前記電気信号増幅部の状態を示す状態情報を取得し、
前記データ通信部を介して前記外部装置に前記状態情報を送信する処理を実行する請求項8に記載のノード装置。
【請求項10】
請求項1から9の何れかに記載のノード装置と、
前記ノード装置に入力される光映像信号を伝送する光伝送路と、
を備える伝送システム。
【請求項11】
請求項1から9の何れかに記載のノード装置と、
前記ノード装置から出力される電気映像信号を伝送する同軸ケーブル伝送路と、
を備える伝送システム。
【請求項12】
光映像信号を電気映像信号に変換して出力する光電気変換部及び外部装置とリンク接続を確立するデータ通信部の両方に電源部によって電力を供給する電力供給ステップと、
前記光電気変換部によって光伝送路を介して入力される光映像信号を電気映像信号に変換して出力する信号変換ステップと、
前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続を確立する接続ステップと、
前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続が失われたことに基づいて異常が発生していることを検出する異常検出ステップと、
を含む異常検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光映像信号を電気映像信号に変換するノード装置、伝送システム及び異常検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光伝送路を利用して送信された光映像信号を電気映像信号に変換して映像を利用者の映像視聴設備に送信する技術が知られている。この種の技術が記載されるものとして特許文献1や特許文献2がある。
【0003】
特許文献1は、光映像信号を電気映像信号に変換するV-ONUから出力される電気映像信号の状態を監視する監視装置に関するものである。特許文献1には、V-ONUから出力される電気映像信号の状態を示す状態情報を光データ信号と電気データ信号とを相互に変換するD-ONUに供給し、D-ONUを介してセンター装置へ送信させることが記載されている。
【0004】
特許文献2は、センター装置に光伝送路を介して接続されるノード装置と、ノード装置に接続される複数の端末装置とを有するケーブルテレビシステムに関するものである。特許文献2には、ノード装置が、着脱可能に構成されたHFC機能部及びFTTH機能部の装着状態に応じてHFC機能部やFTTH機能部の動作の状態をセンター装置に送信すること等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-113647号公報
【特許文献2】特許6182463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
センター装置の光送信機から送信される光映像信号は、光伝送路を介して光映像信号を電気映像信号に変換するノード装置に送信される。この種の映像伝送用光伝送路は、これまでセンター装置とノード装置の間で下り信号と上り信号のやり取りを行うHFC伝送路を用いて行われてきたが、伝送路中に複数の電源供給を必要とするノード装置や電気映像信号増幅器等を配置する必要があり、雷対策やメンテナンス等運用面で課題があった。
【0007】
近年、加入者宅まで光伝送路にて伝送が可能で、伝送路中に電源供給が必要な装置を含まないFTTH伝送路が普及したことにより、HFC伝送路からFTTH伝送路への移行が進んでいる。しかしながら、HFC伝送路経由での映像サービスを継続し、FTTH伝送路経由でのサービスを積極的に望まない加入者が一定数存在する等の理由により、加入者宅までFTTH伝送路への移行を完了できないという課題がある。これを解決するために、例えば加入者宅近傍までFTTH伝送路で光映像信号を伝送し、専用のノード装置により電気映像信号に変換し、加入者宅まではHFC伝送路の一部でもある同軸ケーブル経由で映像サービスを提供可能なシステムの希求がある。この映像伝送システムでは、センター装置とノード装置の間は光映像信号が下り方向のみで構成されるため、ノード装置の異常をセンター装置側に通知する手段がなく、例えばノード装置の電源が停止しても、センター装置側にてそのことを把握することができないという課題があった。
【0008】
このように、ノード装置の電源供給状態だけでもセンター側で把握したいという希求がある一方で、ノード装置は加入者宅近傍等でも使用されるため必要台数が多く、できるだけ小型かつ廉価とする必要があり、状態をできるだけシンプルな構成でセンター側に通知しなければならないという課題があった。特許文献2では、光映像信号を電気映像信号に変換する前の段階の装置を監視対象としているため、光映像信号を電気映像信号に変換する部分の異常を検出することができない。特許文献1に記載される技術では、V-ONUから出力される電気映像信号の状態を監視し、D-ONUを介してセンター装置に送信する構成としている。しかしながら、光映像信号を電気映像信号に変換する機能部やD-ONU以外に、電気映像信号の状態を監視する監視装置を搭載する必要があり、小型かつ廉価、低消費電力なノード装置を提供する上で改善の余地があった。
【0009】
本発明は、小型かつ廉価なノード装置を実現するため、光映像信号を電気映像信号に変換する光電気変換部の異常をシンプルな構成で検出できるノード装置、伝送システム及び異常検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、光伝送路を介して入力される光映像信号を電気映像信号に変換して出力する光電気変換部と、外部装置とリンク接続を確立するデータ通信部と、前記光電気変換部及び前記データ通信部の両方に電力を供給する電源部と、を備えるノード装置に関する。
【0011】
前記ノード装置は、前記電源部からの電源の供給が停止されることにより、前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続が失われるようにしてもよい。
【0012】
前記ノード装置は、前記電源部から供給される電源電圧が低下することにより、前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続が失われるようにしてもよい。
【0013】
前記ノード装置は、前記光電気変換部及び前記電源部の少なくとも何れか一方の異常を検出する検出部を更に備え、前記検出部からの異常を示す異常信号に基づいて前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続が失われるようにしてもよい。
【0014】
前記データ通信部は、光出力を停止する入力部を有し、前記検出部からの異常信号が前記入力部に入力されることにより、前記データ通信部からの光出力が停止され、前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続が失われるようにしてもよい。
【0015】
前記ノード装置は、前記光電気変換部から出力される電気映像信号を増幅する電気信号増幅部を更に備え、前記電源部は、前記光電気変換部、前記電気信号増幅部及び前記データ通信部に電力を供給するようにしてもよい。
【0016】
前記ノード装置は、前記光電気変換部から出力される電気映像信号を増幅する電気信号増幅部を更に備え、前記検出部は、前記電気信号増幅部の異常を検出し、前記電気信号増幅部の異常を示す異常信号に基づいて前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続が失われるようにしてもよい。
【0017】
前記ノード装置は、前記光電気変換部及び前記電源部の少なくとも何れか一方の状態を示す状態情報を取得する情報処理部を更に備え、前記情報処理部は、前記状態情報を、前記データ通信部を介して前記外部装置に送信する処理を実行するようにしてもよい。
【0018】
前記ノード装置は、前記光電気変換部から出力される電気映像信号を増幅する電気信号増幅部を更に備え、前記情報処理部は、前記電気信号増幅部の状態を示す状態情報を取得し、前記データ通信部を介して前記外部装置に前記状態情報を送信する処理を実行するようにしてもよい。
【0019】
また、本発明は、前記ノード装置と、前記ノード装置に入力される光映像信号を伝送する光伝送路と、を備える伝送システムに関する。
【0020】
また、本発明は、前記ノード装置と、前記ノード装置から出力される電気映像信号を伝送する同軸ケーブル伝送路と、を備える伝送システムに関する。
【0021】
また、本発明は、光映像信号を電気映像信号に変換して出力する光電気変換部及び外部装置とリンク接続を確立するデータ通信部の両方に電源部によって電力を供給する電力供給ステップと、前記光電気変換部によって光伝送路を介して入力される光映像信号を電気映像信号に変換して出力する信号変換ステップと、前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続を確立する接続ステップと、前記データ通信部と前記外部装置のリンク接続が失われたことに基づいて異常が発生していることを検出する異常検出ステップと、を含む異常検出方法に関する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、光映像信号を電気映像信号に変換する光電気変換部の異常をシンプルな構成で検出できるノード装置、伝送システム及び異常検出方法を提供できる。これにより、例えば、加入者宅近傍までFTTH伝送路にて光映像信号を伝送し、ノード装置により電気映像信号に変換し、加入者宅までは同軸ケーブル経由で映像サービスを提供可能なシステムにおいて、ノード装置の状態をシンプルな構成でセンター側に通知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る伝送システムの構成の一例を示す模式図である。
図2】本実施形態のノード装置の構成の一例を示す模式図である。
図3】本実施形態のノード装置による異常検出処理の一例を示すフローチャートである。
図4】第1変形例のノード装置の構成の一例を示す模式図である。
図5】第2変形例のノード装置の構成の一例を示す模式図である。
図6】第3変形例のノード装置の構成の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る伝送システム1の構成の一例を示す模式図である。図1に示す伝送システム1は、CATV(Cable Television)局等の送信局から加入者の映像視聴設備8への映像送信を実現するシステムの一態様である。映像視聴設備8は、例えば、受信した電気映像信号に基づいて映像を表示するテレビ受像機等である。
【0026】
まず、伝送システム1の概要について説明する。本実施形態の伝送システム1は、センター装置2と、監視サーバ3と、FTTH(Fiber To The Home)光伝送路5と、ノード装置10と、同軸ケーブル伝送路6と、を備える。同軸ケーブル伝送路6にはタップオフ等の分配設備を含む場合がある。
【0027】
センター装置2は、映像を送信する送信局に設置される映像の送信を実行する装置である。センター装置2が設置される送信局は、例えば、CATV(Cable Television)局等である。本実施形態のセンター装置2は、光送信機21と、OLT(Optical Line Terminal)22と、を備える。
【0028】
光送信機21は、送信する映像の電気信号を光映像信号に変換する。光送信機21によって映像電気信号から変換された光映像信号は、FTTH光伝送路5を介してノード装置10に送信される。
【0029】
OLT22は、外部から取得した電気データ信号を光データ信号に変換する外部装置である。OLT22によって電気データ信号から変換された光データ信号は、ノード装置10に送信される。また、OLT22は、FTTH光伝送路5を介して受信した光データ信号を電気データ信号に変換する。OLT22とノード装置10とのリンクが確立されているか、リンクが失われているかといった情報を含む通信状態情報は、監視サーバ3に送信される。
【0030】
センター装置2内のOLT22とノード装置10の通信方式は、例えば、G-PON(Passive Optical Network)方式やGE-PON(Gigabit Ethernet Passive Optical Network)方式である。なお、通信方式は特に限定されるわけではない。通信方式は、10G-EPON方式やXG-PON方式やXGS-PON方式やNG-PON2方式等のG-PON方式やGE-PON方式以外の通信方式を用いることもできる。
【0031】
監視サーバ3は、伝送システム1及び伝送システム1の構成機器の状態を監視するコンピュータである。本実施形態の監視サーバ3は、センター装置2内のOLT22とノード装置10の通信状態に基づいて伝送システム1に異常が発生しているか否かを監視する。
【0032】
FTTH光伝送路5は、センター装置2と一台又は複数のノード装置10を接続する光ファイバ網である。FTTH光伝送路5は、光分岐器(クロージャ)によって複数のノード装置10に分岐接続することができる。FTTH光伝送路5には、光映像信号を送信するファイバや光データ信号を送受信するファイバ等が含まれていても良いし、FTTH光伝送路5には、光映像信号を送信するファイバを含めるようにし、光データ信号を送受信するファイバはFTTH光伝送路5とは別途用意するようにしても良い。なお、光映像信号を送信するファイバや光データ信号を送信するファイバの配線については、物理的に1つにまとめて敷設されてもよいし、別々に敷設されてもよい。
【0033】
ノード装置10は、電柱等に設置されるノード装置であり支持線に吊架することもできる。ノード装置10は、FTTH光伝送路5を介して受信した光映像信号を電気映像信号に変換する。ノード装置10は、FTTH光伝送路5に接続されるとともに同軸ケーブル伝送路6に接続されており、同軸ケーブル伝送路6を介して加入者宅7の映像視聴設備8に電気映像信号を送信する。
【0034】
同軸ケーブル伝送路6は、ノード装置10と加入者の映像視聴設備8を接続する同軸ケーブルである。ノード装置10によって光映像信号から変換された電気映像信号は、同軸ケーブル伝送路6を介して加入者の映像視聴設備8に送信される。本実施形態の伝送システム1の同軸ケーブル伝送路6は、過去にHFC(Hybrid fiber-coaxial)を運用していたときに施設されたものを利用できる。なお、同軸ケーブル伝送路6は新設しても良い。
【0035】
次に、ノード装置10の構成について説明する。図2は、本実施形態のノード装置10の構成の一例を示す模式図である。
【0036】
図2に示すように、本実施形態のノード装置10は、光電気変換部31と、電気信号増幅部32と、D-ONU(Optical Network Unit)33と、電源部34と、筐体40と、を備える。
【0037】
光電気変換部31は、光送信機21からFTTH光伝送路5を介して受信した光映像信号を電気映像信号に変換する処理を実行する。
【0038】
電気信号増幅部32は、光電気変換部31が変換した電気映像信号を増幅させるアンプである。ノード装置10から加入者宅7の映像視聴設備8まで距離があったとしても、電気信号増幅部32による増幅処理によって電気映像信号が確実に映像視聴設備8まで伝送される。例えば、加入者宅に設置されるような従来のV-ONUをそのまま適用したとしても、電気映像信号の出力レベルが低いため、HFC(Hybrid fiber-coaxial)を運用していたときに施設された同軸ケーブル伝送路6を流用すると加入者宅に適切に電気映像信号を送信できるとは限らない。この点、本実施形態のノード装置10は、十分なレベルの電気信号増幅部32を配置できるので、当該電気信号増幅部32によって電気映像信号を必要な出力レベルまで増幅することができる。例えば、加入者宅に設置される従来のV-ONUの出力レベルが85dBμV程度だとすると、本実施形態のノード装置10の出力レベルが105~110dBμV程度である。これによって過去にHFC(Hybrid fiber-coaxial)を運用していたときに施設された同軸ケーブル伝送路6を流用でき、加入者宅7に送信される映像品質の低下を防止している。
【0039】
D-ONU33は、OLT22とFTTH光伝送路5を介してリンク接続を確立し、データ信号の送受信を行うデータ通信部である。リンク接続は、D-ONU33とOLT22が通信可能な状態になるいわゆるリンクアップ状態である。本実施形態のD-ONU33はSFP(Small Form Factor Pluggable)型であり、FTTH光伝送路5の光ファイバが接続される。光データ信号の送受信を行うファイバはFTTH光伝送路5とは別途用意するようにしても良い。
【0040】
電源部34は、光電気変換部31、電気信号増幅部32及びD-ONU33のそれぞれに電力を供給する。本実施形態のノード装置10は電柱等に設置、又は支持線等に吊架される映像伝送用装置であり、電源部34は電柱等が支持する電力を伝送する架線から電力を取得する。
【0041】
筐体40は、ノード装置10の各構成部品である光電気変換部31、電気信号増幅部32、D-ONU33及び電源部34等を収容する。筐体40は、屋外の電柱や支持線等に設置されるため、防水性能を有する構造となっている。本実施形態の筐体40は、電柱や支持線に設置されるため、水平方向よりも下側の方向からの水の侵入を防ぐことができるため、一般的なV-ONUよりも高い防水性能を有している。V-ONUを防水等の目的のため、本発明のようなノード装置用の筐体に収容すると、V-ONU単独使用時に比べて周囲温度が上昇することがあり、使用環境に制限が加わる場合がある。
【0042】
次に、伝送システム1の異常検出処理について説明する。図3は、本実施形態のノード装置10による異常検出処理の一例を示すフローチャートである。
【0043】
ノード装置10に電源を供給した状態で起動すると、光電気変換部31、電気信号増幅部32及びD-ONU33のそれぞれに電源部34が電力を供給する(ステップS11)。
【0044】
電源部34から電力が供給された光電気変換部31は、FTTH光伝送路5を介して入力される光映像信号を電気映像信号に変換して出力する信号変換処理を開始する(ステップS12)。また、電源部34から電力が供給されたD-ONU33は、FTTH光伝送路5を介してOLT22とリンク接続を確立するリンク接続処理を開始する(ステップS13)。
【0045】
ステップS12及びステップS13の処理の後、異常検出を行うステップS14に処理が進む。本実施形態のステップS14では、ノード装置10のD-ONU33とセンター装置2側のOLT22とのリンク接続が失われた場合に、映像送信を行っているノード装置10に何らかの異常が発生していると判定される。
【0046】
電源部34の不具合や電源部34への電源供給異常等により、光電気変換部31への電力が適切に供給されなくなると、光映像信号から電気映像信号への変換処理が行われなくなり、加入者宅7の映像視聴設備8への映像送信が停止してしまう。本実施形態では、D-ONU33に電力を供給する電源部34は、光電気変換部31にも電力を供給しているので、光電気変換部31への電力供給に不具合が生じればD-ONU33への電力供給についても不具合が生じることになる。電源部34からの電力供給が適切に行われなくなると、D-ONU33とOLT22のリンクが維持できなくなり、リンクが失われた状態(リンクダウン状態)となる。電力供給が適切にされなくなる状態は、例えば、電源電圧が低下したり、異常変化したり、電力そのものが供給されなくなったりする状態である。
【0047】
即ち、このリンクが失われた状態をもってセンター装置2側でノード装置10に何らかの異常が発生していると判定することができる。リンクの喪失は、センター装置2側で判定することができる。OLT22がリンクの状態に基づいて自ら異常を検出してもよいし、OLT22に接続される監視サーバ3がOLT22経由で得られる情報に基づいて異常を検出してもよい。
【0048】
ステップS14で異常が検出されると、報知処理を行うステップS15に処理が移行する(ステップS14;Yes)。ステップS14による異常発生の監視処理は、異常が検出されるまで継続される(ステップS14;No)。
【0049】
ステップS15では、異常検出後に管理者又は伝送システム1に異常が発生していることを報知するための処理が実行される(ステップS15)。異常検出の報知は、種々の方式を採用できる。例えば、OLT22に表示装置や警告灯等の出力装置を接続し、当該出力装置によって管理者に異常検出を報知する処理としてもよい、また、OLT22に接続される監視サーバ3又は監視サーバ3から予め登録される端末に、異常が検出されたことを報知する処理としてもよい。なお、図4では分かりやすくするために、処理の時間的順序を決めて説明したが、並列に処理しても良いし、順番が入れ替わっても良い。また、ノード装置に給電後に起動する順序を説明したが、ノード装置のスイッチ等をONした後に給電するようにしても良い。
【0050】
以上説明した本実施形態のノード装置10は、FTTH光伝送路5を介して入力される光映像信号を電気映像信号に変換して出力する光電気変換部31と、OLT22(外部装置)とリンク接続を確立するD-ONU33(データ通信部)と、光電気変換部31及びD-ONU33の両方に電力を供給する電源部34と、を備える。
【0051】
また、本実施形態の異常検出方法は、光映像信号を電気映像信号に変換して出力する光電気変換部31及びFTTH光伝送路5を介してOLT22(外部装置)とリンク接続を確立するD-ONU33(データ通信部)の両方に電源部34によって電力を供給する電力供給ステップと、光電気変換部31によってFTTH光伝送路5を介して入力される光映像信号を電気映像信号に変換して出力する信号変換ステップと、OLT22とD-ONU33のリンク接続を確立する接続ステップと、D-ONU33とOLT22のリンク接続が失われたことに基づいて異常が発生していることを検出する異常検出ステップと、を含む。
【0052】
本実施形態のノード装置10及びこれを用いた異常検出方法では、電源部34が光電気変換部31及びD-ONU33の両方に電力を供給しているので、電源部34に不具合が生じると光電気変換部31及びD-ONU33の両方が動作しなくなり、センター装置2のOLT22とD-ONU33のリンク接続が失われた状態(リンクダウン状態)となる。リンク喪失は、センター装置2のOLT22側で検出できるので、リンクダウンが生じた場合はノード装置10に何らかの異常が発生したことをセンター装置2側で把握することができる。ノード装置10の電源部34が光電気変換部31及びD-ONU33の両方に電力を供給するというシンプルな構成で光映像信号を電気映像信号に変換する光電気変換部31を含むノード装置10に何らかの異常が発生したことを検出できるのである。
【0053】
また、本実施形態のノード装置10は、電源部34からの電源の供給が停止されることにより、D-ONU33とOLT22のリンク接続が失われる。あるいは、電源部34から供給される電源電圧が低下することにより、D-ONU33とOLT22のリンク接続が失われる。
【0054】
これにより、電源部34の故障や不具合、電源部34への電力供給異常等に起因する光電気変換部31への適切な電力供給が維持できず、電気映像信号が送信されない状態である可能性をノード装置10の異常としてセンター装置2側で検出できる。
【0055】
また、本実施形態のノード装置10は、光電気変換部31から出力される電気映像信号を増幅する電気信号増幅部32を更に備え、電源部34は、光電気変換部31、電気信号増幅部32及びD-ONU33に電力を供給する。
【0056】
これにより、光電気変換部31及びD-ONU33に電力を供給する電源部34を利用して電気映像信号の信号レベルを適切なレベルまで増幅させる電気信号増幅部32の電力供給を実現できる。
【0057】
また、本実施形態の伝送システム1は、ノード装置10と、ノード装置10に入力される光映像信号を伝送するFTTH光伝送路5と、を備える。
【0058】
これにより、ノード装置10の電源部34が光電気変換部31及びD-ONU33の両方に電力を供給するというシンプルな構成で、光電気変換部31を含むノード装置10に何らかの異常が発生したことを検出できる伝送システム1を実現できる。
【0059】
また、本実施形態の伝送システム1は、ノード装置10と、ノード装置10から出力される電気映像信号を伝送する同軸ケーブル網としての同軸ケーブル伝送路6と、を備える。なお、同軸ケーブル伝送路6はタップオフ等の分配設備を含む同軸ケーブル網としても良いし、含めないようにしても良い。
【0060】
これにより、加入者宅7とノード装置10を接続する既設の同軸ケーブル伝送路6を利用できるので、加入者宅7や同軸ケーブル伝送路6の工事を行わずに、FTTH光伝送路5を利用した映像送信サービスを低コストで実現できる。なお、同軸ケーブル伝送路6は新設しても良い。
【0061】
以上、ノード装置10の一実施形態について説明した。次に、上述の伝送システム1やノード装置10とは異なる構成の変形例について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態と共通又は同様の構成や効果については同じ符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0062】
図4は、第1変形例のノード装置10aの構成の一例を示す模式図である。図4に示すノード装置10aは、光電気変換部31と、電気信号増幅部32と、D-ONU33と、電源部34と、検出部35と、スイッチ部36と、筐体40と、を備える。
【0063】
検出部35は、光電気変換部31又は電気信号増幅部32から入力される信号に基づいて異常を検出する。例えば、検出部35は、入力信号のHigh/Lowを検出する電気回路によって構成される。検出部35は、光電気変換部31の信号レベルが所定の下限値を下回ったり、上限値を上回ったりすると、異常信号を後述するスイッチ部36に送信する。又は、電気信号増幅部32の信号レベルが所定の下限値を下回ったり、上限値を上回ったりすると、異常信号を後述するスイッチ部36に送信する。また、異常発生と復旧の閾値にヒステリシスを持たせて、チャタリングが発生しないようにしても良い。
【0064】
また、検出部35は、電源部34からの電力供給の状態に基づいて異常信号をスイッチ部36に送信する。例えば、検出部35は、電源部34の電圧レベルが所定の下限値を下回ったり、上限値を上回ったりしたことを検出すると、異常信号を送信する。
【0065】
スイッチ部36は、D-ONU33への電源部34からの電力供給をコントロールする。例えば、スイッチ部36は、D-ONU33と電源部34の間に配置される開閉器やリレー等の電気部品である。スイッチ部36は、例えば、光電気変換部31及び電気信号増幅部32の少なくとも何れか1つから異常信号を受信すると、D-ONU33への電源部34からの電力供給を停止又は抑制するように動作する。なお、検出部35やスイッチ部36は集積回路等により実現するようにしても良い。また、異常が発生した際は、状態をラッチさせる等、自然には復旧しない作りとしても良い。
【0066】
スイッチ部36の動作により電源部34からの電力供給が停止したり低下したりすると、D-ONU33はOLT22とのリンク接続を維持できなくなる。上記実施形態のノード装置10と同様に、リンクの喪失はセンター装置2側で把握できる。以上説明した第1の変形例のノード装置10では、電源部34だけではなく、光電気変換部31や電気信号増幅部32の異常を検出できるのである。なお、第1変形例でも、電源部34は、光電気変換部31、電気信号増幅部32及びD-ONU33の全てに電力を供給しているので、電源部34の不具合が生じた場合は、上記実施形態と同様に、D-ONU33への電力供給にも不具合が生じて異常を検出することができる。
【0067】
このように、第1変形例のノード装置10aは、光電気変換部31及び電源部34の少なくとも何れか一方の異常を検出する検出部35を更に備え、検出部35からの異常を示す異常信号に基づいてD-ONU33とOLT22のリンク接続を喪失させている。
【0068】
これにより、光電気変換部31の信号レベル又は電源部34の出力レベル等の電源の供給が停止される以外の異常をセンター装置2側で把握できる構成をシンプルな構成で実現できる。
【0069】
また、第1変形例のノード装置10aは、光電気変換部31から出力される電気映像信号を増幅する電気信号増幅部32を更に備え、検出部35は、電気信号増幅部32の異常を検出し、電気信号増幅部32の異常を示す異常信号に基づいてD-ONU33とOLT22のリンク接続を喪失させることもできるようにしている。なお、検出部35は光電気変換部31及び電源部34の異常を検出させずに、電気信号増幅部32のみを検出するようにしても良い。
【0070】
これにより、電気信号増幅部32の信号レベル等の電気信号増幅部32の異常状態である可能性をノード装置10の異常としてセンター装置2側で把握できる。
【0071】
次に、第1変形例と異なる構成の第2変形例について説明する。図5は、第2変形例のノード装置10bの構成の一例を示す模式図である。第1変形例では、異常が検出されたときにD-ONU33への電力供給を停止させることでリンク接続を喪失させているが、第2変形例では第1変形とは異なる方法でリンク接続を喪失させる。
【0072】
図5に示す第2変形例のノード装置10bは、光電気変換部31と、電気信号増幅部32と、D-ONU33と、電源部34と、検出部35と、筐体40と、を備える。
【0073】
D-ONU33には、センター装置2のOLT22に対して光データ信号の出力を停止するTX Disable(Transmitter Disable)機能を実現するピン41がある。第2変形例では、このピン41に検出部35からの異常信号を入力してD-ONU33の光データ信号のOLT22への出力を停止することにより、リンク接続を喪失させる。
【0074】
このように、第2変形例のD-ONU33は、OLT22への光データ信号の出力を停止することができる制御入力部としてのピン41を有し、検出部35からの異常信号がピン41に入力されることにより、OLT22からの出力が停止され、D-ONU33とOLT22のリンク接続が失われる。なお、ピン41は入力部の一例であり、ピン以外のものを入力部に採用することができる。
【0075】
これにより、D-ONU33のTX Disable機能を利用して、D-ONU33への電力供給を停止することなく、ノード装置10の異常をセンター装置2側で把握させることができる。
【0076】
次に、第3変形例について説明する。図6は、第3変形例のノード装置10cの構成の一例を示す模式図である。
【0077】
図6に示すノード装置10cは、光電気変換部31と、電気信号増幅部32と、D-ONU33と、電源部34と、情報処理部37と、を備える。
【0078】
情報処理部37は、光電気変換部31、電気信号増幅部32又は電源部34の動作状態を監視し、必要に応じて所定の判定条件に基づいて異常を検出する。例えば、情報処理部37は、CPU等のプロセッサ、ROM等の主記憶装置、RAM等のメモリ、補助記憶装置、通信処理を行うICチップ等の何れか又は全てを備えるコンピュータである。
【0079】
情報処理部37は、光電気変換部31から入力信号や出力信号のレベルに関する状態情報を取得し、必要に応じ判定条件に基づいて異常か否かを判定する。判定条件は、例えば、光電気変換部31の入力信号や出力信号のレベルが所定の上限値や下限値を超えた場合や、光電気変換部31の入力信号や出力信号のレベルが設置時のレベルや設定レベルから大きく外れた場合や、不規則な挙動を示した場合等である。
【0080】
同様に、情報処理部37は、電気信号増幅部32から入力信号や出力信号のレベルに関する状態情報を取得し、必要に応じ判定条件に基づいて異常か否かを判定する。判定条件は、例えば、電気信号増幅部32の入力信号や出力信号のレベルが所定の上限値や下限値を超えた場合や、電気信号増幅部32の入力信号や出力信号のレベルが設置時のレベルや設定レベルから大きく外れた場合や、不規則な挙動を示した場合等である。
【0081】
更に、情報処理部37は、電源部34から供給される電力の電圧等の状態情報を取得し、必要に応じ判定条件に基づいて電力の供給状態を監視する。判定条件は、例えば、電源部34から供給される電力の電圧が所定の上限値や下限値を超えた場合や、電圧が通常とは異なる不規則な挙動を示した場合に異常と判定する。
【0082】
情報処理部37は、所定の判定条件に基づいて異常と判定した場合、異常情報をセンター装置2に送信するための報知処理を実行する。第3変形例では、情報処理部37がD-ONU33、FTTH光伝送路5を介してセンター装置2のOLT22に異常発生情報を送信する処理を実行する。情報処理部37によって送信される異常発生情報には、ノード装置10cを特定する情報、当該ノード装置10cに対応する加入者宅7を特定する情報、異常の種類やレベルを示す情報等を含めることができる。なお、この例では異常と判定した場合に報知処理を実行するとしたが、センター装置2からのリクエストに応じて、あるいは定期的に判定情報を報知処理するようにしてもよい。また、判定情報ではなく、光電気変換部31から入力信号や出力信号のレベルに関する状態情報、電気信号増幅部32から入力信号や出力信号のレベルに関する状態情報、電源部34から供給される電力の電圧等の状態情報を送信処理したり、報知処理したりするようにしてもよい。
【0083】
センター装置2に接続される監視サーバ3は、ノード装置10cから異常情報を入手すると、異常が発生したことを管理者に報知する処理や伝送システム1のステータスを示す情報の更新等の処理等を実行する。管理者への報知内容やステータスの反映には、異常の発生とともに異常の種類や詳細内容を報知するようにしてもよい。
【0084】
以上説明したように、第3変形例のノード装置10cは、光電気変換部31及び電源部34の少なくとも何れか一方の状態を示す状態情報を取得する情報処理部37を更に備え、情報処理部37は、状態情報に基づいて異常が発生しているか否かを判定し、異常が発生している場合にはD-ONU33を介してOLT22に、自発的に、あるいはリクエストに応じて異常発生情報を状態情報として送信する処理を実行することができる。あるいは、情報処理部37は、状態情報を、D-ONU33を介してOLT22に送信する処理を実行することができる。
【0085】
これにより、情報処理部37が取得した状態情報に基づいて異常判定をより精度良く行うことができるとともに、光電気変換部31及び電源部34に生じた異常の種類や程度もセンター装置2側で把握することができる。
【0086】
第3変形例のノード装置10cは、光電気変換部31から出力される電気映像信号を増幅する電気信号増幅部32を更に備え、情報処理部37は、電気信号増幅部32の状態を示す状態情報を取得し、電気信号増幅部32の異常が発生している場合にはD-ONU33を介してOLT22に自発的に、あるいはリクエストに応じて異常発生情報を状態情報として送信する処理を実行することができる。あるいは、情報処理部37は、電気信号増幅部32の状態情報を、D-ONU33を介してOLT22に送信する処理を実行することができる。
【0087】
これにより、電気信号増幅部32に生じた異常の種類や程度もセンター装置2側で把握することができる。
【0088】
以上、本発明に係る一実施形態及び変形例について説明した。本発明は、この実施形態や変形例に限定されるものではない。上記実施形態と変形例のそれぞれを組み合わせてもよいし、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、上記実施形態や変形例において、検出部35や情報処理部37には、光電気変換部31、電気信号増幅部32及び電源部34の全ての信号が入力されているが、監視対象を減らすこともできる。
【0089】
例えば、監視サーバ3は、センター装置2の外に設置するようにしたが、センター装置2内に設置するようにしても良い。
【0090】
例えば、監視サーバ3は、センター装置2内のOLT22に常時接続されておらず、定期点検の際等に接続し、センター装置2内のOLT22とノード装置10の通信状態に基づいて伝送システム1に異常が発生しているか否かを監視するようにしても良い。
【0091】
例えば、リンク接続は、D-ONU33とOLT22が通信可能な状態になるいわゆるリンクアップ状態であるとしたが、物理リンクとしても良いし、論理リンクとしても良い。
【0092】
例えば、光電気変換部31、電気信号増幅部32、D-ONU(データ通信部)33用の電源生成ブロックを分けたり、供給電圧に差をつけておき、電源部34への供給電圧が低下したり、電源部34の異常が発生した場合、光電気変換部31、電気信号増幅部32が主機能を果たせなくなるより先に、D-ONU(データ通信部)33がリンクを維持できなくなるような設計にしても良い。
【0093】
ノード装置10の電源部34は電柱が支持する電力を伝送する架線から電力を取得するとしたが、インバータ、充電部を備えた無停電電源供給器等から電力を取得するようにしても良い。
【0094】
ノード装置10は電柱に設置、又は支持線に吊架される映像伝送用装置としたが、これ以外の場所に設置するようにしても良い。
【0095】
また、上述のフローチャートを参照して説明した各ステップの処理は、一部を省略したり、ステップを適宜追加したり、条件を組み合わせてもよい。そして、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上記実施形態や変形例で示した機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上記実施形態や変形例に限定されない。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0096】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0097】
また、プログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される場合だけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成してもよい。また、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0098】
また、上記実施形態及び変形例で示したハードウェア構成は、あくまで一例であり、特にこの構成に限定されるわけではない。シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものをプロセッサとして機能的構成を実現するものとして採用してもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 伝送システム
5 FTTH光伝送路(光伝送路)
6 同軸ケーブル伝送路
10,10a,10b,10c ノード装置
31 光電気変換部
32 電気信号増幅部
33 D-ONU(データ通信部)
34 電源部
35 検出部
37 情報処理部
41 ピン(入力部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6