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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184522
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】照明装置及び照明装置セット
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/20 20180101AFI20221206BHJP
   F21S 43/13 20180101ALI20221206BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20221206BHJP
   F21S 43/145 20180101ALI20221206BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20221206BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20221206BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221206BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20221206BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20221206BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20221206BHJP
   F21W 104/00 20180101ALN20221206BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/13
F21S43/15
F21S43/145
F21S43/14
F21Y101:00 100
F21Y101:00 300
F21Y115:10
F21Y115:30
F21Y115:20
F21Y113:10
F21W104:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092425
(22)【出願日】2021-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】昭和電工マテリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 譲
(72)【発明者】
【氏名】坪井 英明
(57)【要約】      (修正有)
【課題】車両等の意匠性を向上することができる、照明装置及び照明装置セットの提供。
【解決手段】光源11と、光源上に光透過性の黒色部材12とを備え、黒色部材の全光線透過率が0.1%~10%であり、前記光源と前記黒色部材との間に、光拡散部材を備える照明装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源上に光透過性の黒色部材と
を備える、照明装置。
【請求項2】
前記黒色部材の全光線透過率が0.1%~10%である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源と前記黒色部材との間に、光拡散部材を備える、請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光拡散部材のヘイズ値が80%~95%である、請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光源が、2個以上の点光源を含む、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記光源が、2箇所以上の光源領域を含む、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
補強部材をさらに備える、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
黒色部材側から観察したときに、前記黒色部材の面積に対する前記光源の面積の割合が、50%以下である、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
車両用装飾品である、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
光源と、
光透過性の黒色部材と、
を含む、照明装置セット。
【請求項11】
前記黒色部材の全光線透過率が0.1%~10%である、請求項10に記載の照明装置セット。
【請求項12】
光拡散部材を含む、請求項10又は請求項11に記載の照明装置セット。
【請求項13】
前記光拡散部材のヘイズ値が80%~95%である、請求項12に記載の照明装置セット。
【請求項14】
前記光源が、2個以上の点光源を含む、請求項10~請求項13のいずれか一項に記載の照明装置セット。
【請求項15】
補強部材をさらに含む、請求項10~請求項14のいずれか一項に記載の照明装置セット。
【請求項16】
車両用装飾品である、請求項10~請求項15のいずれか一項に記載の照明装置セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置及び照明装置セットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両、オートバイ等に対する市場ニーズは多様化している。例えば、車両、オートバイ等は優れた意匠性を有することが求められ、これらの意匠性を向上するための種々の試みが行われている。
【0003】
例えば、車体の色、車体の形状、各種パーツの配置等を調整することにより、外観に高級感を付与し、車両等の意匠性を向上することが行われている。また、車両等の内装又は外装に搭載される照明装置の発光パターン等を調整することにより、意匠性を向上することが行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、車両等の意匠性を向上することができる、照明装置及び照明装置セットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 光源と、
光源上に光透過性の黒色部材と
を備える、照明装置。
<2> 黒色部材の全光線透過率が0.1%~10%である、<1>に記載の照明装置。
<3> 光源と黒色部材との間に、光拡散部材を備える、<1>又は<2>に記載の照明装置。
<4> 光拡散部材のヘイズ値が80%~95%である、<3>に記載の照明装置。
<5> 光源が、2個以上の点光源を含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載の照明装置。
<6> 光源が、2箇所以上の光源領域を含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載の照明装置。
<7> 補強部材をさらに備える、<1>~<6>のいずれか1つに記載の照明装置。
<8> 黒色部材側から観察したときに、黒色部材の面積に対する光源の面積の割合が、50%以下である、<1>~<7>のいずれか1つに記載の照明装置。
<9> 車両用装飾品である、<1>~<8>のいずれか1つに記載の照明装置。
<10> 光源と、
光透過性の黒色部材と、
を含む、照明装置セット。
<11> 黒色部材の全光線透過率が0.1%~10%である、<10>に記載の照明装置セット。
<12> 光拡散部材を含む、<10>又は<11>に記載の照明装置セット。
<13> 光拡散部材のヘイズ値が80%~95%である、<12>に記載の照明装置セット。
<14> 光源が、2個以上の点光源を含む、<10>~<13>のいずれか1つに記載の照明装置セット。
<15> 補強部材をさらに含む、<10>~<14>のいずれか1つに記載の照明装置セット。
<16> 車両用装飾品である、<10>~<15>のいずれか1つに記載の照明装置セット。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、車両等の意匠性を向上することができる、照明装置及び照明装置セットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本開示の照明装置の一実施形態を示す概略断面図である。
図2図2は、図1に示す照明装置の概略上面図である。
図3図3は、車両外側ルーフに搭載される本開示の照明装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
図4図4は、車両外側ルーフに搭載される本開示の照明装置の他の実施形態を示す概略斜視図である。
図5図5は、図3のA-A線における概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示を限定するものではない。
【0009】
本開示において実施形態を、図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
【0010】
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。
【0011】
本開示において、全光線透過率の測定は、JIS K 7361-1:1997に準拠して行う。また、全光線透過率の測定には、スガ試験機株式会社製のヘーズメーターHZ-V3又はこれと同等の装置を使用することができる。
【0012】
本開示において、ヘイズ値の測定は、JIS K 7136:2000に準拠して行う。
【0013】
本開示において、明度(L値)の測定は、分光色彩計(日本電色工業株式会社製、SD7000)又はこれと同等の装置を使用することができる。
【0014】
本開示において、各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。
【0015】
本開示において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
【0016】
本開示において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味する。
【0017】
本開示において、「前方」とは、車両における前方を指し、「後方」とは、車両の後方を指す。
【0018】
[照明装置]
本開示の照明装置は、光源と、光源上に光透過性の黒色部材とを備える。
【0019】
本開示の照明装置を車両等に搭載することにより、その意匠性を向上することができる。本開示の照明装置により上記効果が奏される理由は明らかではないが、以下のように推察される。
【0020】
通常、車両等に搭載される照明装置が備える光源は、非点灯状態において、形状が視認され、車両等の意匠性を低下させてしまう場合がある。
本開示においては、黒色部材が光源の上に設けられており、黒色部材は光透過性であり、点灯状態の光源から発される光を透過するが、その一方で、明度が低く、非点灯状態の光源の位置を特定することが困難となる。
すなわち、本開示の照明装置を車両等に搭載した場合、非点灯状態の光源の位置は特定されず、車両等の意匠性が向上すると推察される。また、光源を点灯させた際、車両等の予期しない部分が発光することなるため、その意匠性が向上すると推察される。
【0021】
本開示の照明装置を黒色部材側から観察したとき、黒色部材の面積に対する光源の面積の割合(光源の面積/黒色部材の面積)は、照明装置を搭載する対象の意匠性を考慮し、適宜調整することが好ましい。
例えば、本開示の照明装置を黒色部材側から観察したとき、黒色部材の面積に対する光源の面積の割合は、50%以下とすることができる。
黒色部材の面積に対する光源の面積の割合が50%以下である照明装置を搭載する車両等において、非点灯状態の光源位置の特定がより困難となり、意匠性をより向上することができる傾向にある。
意匠性の観点から、黒色部材の面積に対する光源の面積の割合は、1%~30%とすることができ、1%~10%とすることができる。
【0022】
次に、本開示の照明装置の一実施形態を、図1を参照して説明するが、これに限定されるものではない。
図1に示すように、本開示の照明装置10は、光源11と、黒色部材12とを少なくとも備える。
また、図1に示すように、本開示の照明装置10は、光源11と黒色部材12との間に、光拡散部材13を備えていてもよい。
また、図1に示すように、本開示の照明装置10は、任意の箇所に補強部材14を備えていてもよい。図1においては、黒色部材12と光拡散部材13との間に補強部材14を備える照明装置10を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、黒色部材12上に補強部材14が設けられていてもよい。
また、図2には、図1に示す照明装置10の概略上面図を示す。なお、図2においては、光拡散部材13及び補強部材14の表示は省略した。
【0023】
(光源)
光源の種類は、特に限定されるものではなく、従来公知のものを適宜選択して使用することができる。光源としては、ランプ光源、発光素子等が挙げられる。
ランプ光源、白熱ランプ、ハロゲンランプ、放電ランプ、ネオンランプ等が挙げられる。発光素子は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、レーザダイオード(LD:Laser Diode)、有機エレクトロルミネッセンス素子等が挙げられる。
上記した中でも、視認性、調光容易性、消費電力、寿命等の観点からは、LEDが好ましい。
【0024】
光源から発される光の波長は、特に限定されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、発される光の波長が異なる2種以上の光源を使用し、場所により異なる色の光が観察される照明装置としてもよい。
【0025】
光源は、点光源を含んでいてもよく、面光源を含んでいてもよいが、2個以上の点光源を含むことが好ましい。
光源が2個以上の点光源を含むことにより、照明装置のデザインの幅を広げることが可能となり、意匠性をより向上することができる傾向にある。
【0026】
光源が2個以上の点光源を含む場合、光源の間隔は、特に限定されるものではないが、例えば、0.1cm~10cmとすることができ、0.5cm~5cmとすることができる。
2個以上の点光源を含む光源、光拡散部材及び黒色部材を備える照明装置の光源を点灯状態とした際、光源から発される光が光拡散層において拡散することとなり、黒色部材側から線状に延びる光が観察され、照明装置を搭載する車両等の意匠性がより向上する傾向にある。
また、点光源の間隔を上記数値範囲内とすることにより、視認性に優れる線状の光が観察されることとなり、照明装置を搭載する車両等の意匠性がさらに向上する傾向にある。
【0027】
光源が2個以上の点光源を含む場合、照明装置において、点光源は、車両等の搭載箇所の形状等に応じて適宜配置することが好ましく、規則的に配置されていてもよく、不規則的に配置されていてもよい。
例えば、図3に示すように、照明装置20は、複数の点光源21が直線状に配置される箇所を有する。
また、例えば、図4に示すように、照明装置30は、複数の点光源31が直線状に配置される箇所と、曲線状に配置される箇所を有する。
なお、図3は、車両外側ルーフ22に搭載された照明装置20の概略斜視図を示す。
なお、図4は、車両外側ルーフ32に搭載された照明装置30の概略斜視図を示す。
また、図3及び図4において、黒色部材は、符号23及び符号33でそれぞれ示す。
【0028】
また、光源は、2箇所以上の光源領域を含むものであってもよい。
具体的には、図3に示すように、光源26は、車両外側ルーフ22の一方の端部に形成される光源領域24と、他方の端部に形成される光源領域25とを含む。
また、図4に示すように、光源36は、車両外側ルーフ32の一方の端部に形成される光源領域34と、他方の端部に形成される光源領域35とを含む。
光源が2箇所以上の光源領域を含むことにより、照明装置のデザインの幅を広げることが可能となり、意匠性をより向上することができる傾向にある。
【0029】
光源の電源への接続方法は、特に限定されるものではなく、搭載する対象の構成に応じて適宜調整することが好ましいが、例えば、車両外側ルーフ等に配索されるワイヤーハーネス等により、光源を電源に接続することができる。
【0030】
(黒色部材)
黒色部材の全光線透過率は、0.1%~10%であることが好ましく、1.5%~8%であることがより好ましい。
黒色部材の全光線透過率を上記数値範囲内とすることにより、点灯状態の光源から発される光の視認性を維持しつつ、非点灯状態の光源位置の特定をより困難なものとすることができ、照明装置を搭載する車両等の意匠性をより向上することができる傾向にある。
黒色部材の明度を上記数値範囲内とすることにより、非点灯状態の光源位置の特定をより困難なものとすることができ、照明装置を搭載する車両等の意匠性をより向上することができる傾向にある。
【0031】
黒色部材の厚さは、0.1mm~2.0mmであることが好ましく、0.1mm~0.5mmであることがより好ましい。
黒色部材の厚さを上記数値範囲内とすることにより、非点灯状態の光源の位置の特定がより困難となり、意匠性をより向上することができる傾向にある。
また、黒色部材の厚さを上記数値範囲内とすることにより、本開示の照明装置を搭載する車両等の平滑性を維持することができる。
【0032】
黒色部材の面積は、特に限定されるものではなく、照明装置を搭載する対象に応じて適宜調整することが好ましく、対象の面積を100としたとき、黒色部材の面積は、60以上であってもよく、70以上であってもよく、80以上であってもよく、90以上であってもよく、100であってもよい。黒色部材が対象の一定以上の面積を覆うことができることにより、黒色部材の設置に起因する境界線を目視することが困難となる又は境界線が生じないこととなり、意匠性をより向上することができる傾向にある。図3及び図4に示す車載用表示装置が備える黒色部材は、車両外側ルーフの全体を覆うものである。
黒色部材の面積は、例えば、10000cm~60000cmとすることができる。
また、光源が2箇所以上の光源領域を含む場合、本開示の照明装置は、それぞれの光源領域上に、黒色部材を備えていてもよいが、意匠性の観点からは、1つの黒色部材により、2箇所以上の光源領域を含む光源全体を覆うことができることが好ましい。
【0033】
黒色部材は、樹脂材料を含むことができる。樹脂材料としては、(メタ)アクリル樹脂、ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。上記した中でも、耐久性、耐候性等の観点から、(メタ)アクリル樹脂又はABS樹脂が好ましい。
【0034】
黒色部材は、黒色着色剤を含むことができる。黒色着色剤としては、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛、ファインカーボン(メソポーラスカーボン等)などが挙げられる。
また、複数の着色剤(黄色着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤等)を混合することにより得られる黒色着色剤を使用してもよい。
【0035】
黒色部材は、単層構造を有するものであってもよく、多層構造を有するものであってもよい。黒色部材が多層構造を有する場合、黒色部材を構成する各層が上記樹脂材料及び黒色着色剤を含んでいてもよい。
【0036】
黒色部材は、その表面に保護層を備えていてもよい。保護層は、黒色部材の一方の面に形成されていてもよく、両面に形成されていてもよいが、光源側とは反対側の面に保護層が形成されていることが好ましい。
黒色部材がその表面に保護層を備えることにより、その耐アルコール性、耐擦傷性等を向上する傾向にある。
保護層は、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂を含むことが好ましい。
【0037】
上記した樹脂材料、着色剤等を含む樹脂組成物を用い、従来公知の方法により製造される樹脂フィルムを黒色部材として使用することができる。
また、上記した樹脂材料を少なくとも含む樹脂組成物を用い、従来公知の方法により樹脂フィルムを製造し、樹脂フィルムの表面に黒色着色剤により印刷を施したものを黒色部材として使用することができる。
また、上記保護層は、ウレタン変性(メタ)アクリル樹脂等を含む樹脂組成物を黒色部材の表面に塗布した後、熱硬化することにより形成することができる。
【0038】
(光拡散部材)
本開示の照明装置は、光源と黒色部材との間に、光拡散部材を備えることができる。
2個以上の点光源を含む光源、光拡散部材及び黒色部材を備える照明装置の光源を点灯状態とした際、光源から発される光が光拡散層において拡散することとなり、黒色部材側から線状に延びる光が観察され、照明装置を搭載する車両等の意匠性がより向上する傾向にある。また、点灯状態の光源の形状の特定を困難なものとすることができ、照明装置を搭載する車両等の意匠性をより向上することができる傾向にある。
また、本開示の照明装置が光拡散部材を備えることにより、光源として、LED等の直進性の高い光源を使用する場合、光の出射角度を広げることができる。
【0039】
光拡散部材のヘイズ値は、80%~95%であることが好ましく、85%~95%であることがより好ましい。光拡散部材のヘイズ値を上記数値範囲内とすることにより、視認性に優れる線状の光が観察されることとなり、照明装置を搭載する車両等の意匠性がさらに向上する傾向にある。
【0040】
光の視認性の観点から、光拡散部材の全光線透過率は、40%~100%であることが好ましく、50%~90%であることがより好ましい。
【0041】
光拡散部材の厚さは、特に限定されるものではなく、照明装置を搭載する対象に応じて適宜調整することが好ましい。光拡散部材の厚さは、例えば、0.05mm~3mmとすることができる。
光拡散部材の厚さを上記数値範囲内とすることにより、本開示の照明装置を搭載する車両等の平滑性を維持することができる。
【0042】
光拡散部材の面積は、点光源が設けられた位置を覆うことができる面積を有することが好ましく、例えば、10cm~30000cmとすることができる。
【0043】
光拡散部材は、上記した樹脂材料を含むことができる。
また、光拡散部材は、光拡散粒子を含むことができる。光拡散粒子は、有機粒子であってもよく、無機粒子であってもよい。
有機粒子としては、(メタ)アクリル樹脂粒子、スチレン樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等が挙げられる。
無機粒子としては、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)粒子、スズドープ酸化インジウム(ITO)粒子、MgO粒子、Al粒子、TiO粒子、BaTiO粒子、Sb粒子、SiO粒子、ZrO粒子、ZnO粒子等が挙げられる。
【0044】
また、光拡散部材は、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、コロナ放電処理、オゾン処理、サンドブラスト処理等が挙げられる。
【0045】
上記した樹脂材料、光拡散粒子等を含む樹脂組成物を用い、従来公知の方法により製造される樹脂フィルムを光拡散部材として使用することができる。
また、上記した樹脂材料を少なくとも含む樹脂組成物を用い、従来公知の方法により樹脂フィルムを製造し、樹脂フィルムに対し表面処理を施したものを光拡散部材として使用することができる。
【0046】
(補強部材)
本開示の照明装置は、補強部材を備えることができ、これにより、照明装置の耐久性を向上することができる。
補強部材が設けられる位置は特に限定されるものではなく、光源と黒色部材との間に設けられていてもよく、光源と光拡散部材との間に設けられていてもよく、光拡散部材と黒色部材との間に設けられていてもよく、黒色部材上に設けられていてもよい。また、本開示の照明装置は2箇所以上に補強部材を備えていてもよい。
【0047】
補強部材の厚さは、黒色部材の材質、厚さ等に応じて適宜調整することが好ましい。
照明装置の耐久性の観点から、補強部材の厚さは、例えば、0.1mm~5mmであることが好ましく、0.5mm~2mmであることがより好ましい。
また、補強部材の厚さを上記数値範囲内とすることにより、本開示の照明装置を搭載する車両等の平滑性を維持することができる。
【0048】
補強部材の面積は、黒色部材の材質、厚さ等に応じて適宜調整することが好ましく、例えば、10cm~30000cmとすることができる。
【0049】
光拡散部材は、上記した樹脂材料を含むことができ、上記した中でも、耐久性の観点から、(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
【0050】
上記した樹脂材料を含む樹脂組成物を用い、従来公知の方法により製造される樹脂フィルムを補強部材として使用することができる。
【0051】
(照明装置の製造方法)
上記照明装置は、光源の上に黒色部材を配置することにより製造することができる。また、黒色部材及び拡散部材の積層体を光源の上に配置することにより照明装置を製造してもよい。黒色部材及び補強部材の積層体を光源の上に配置することにより照明装置を製造してもよい。さらに、黒色部材、補強部材及び拡散部材の積層体を光源の上に配置することにより照明装置を製造してもよい。
黒色部材と拡散部材等との積層体は、従来公知の接着剤等を使用することにより製造することができる。
【0052】
(照明装置の用途)
本開示の照明装置を搭載する対象は、特に限定されるものではなく、車両(一般車両、特殊車両等を含む)、オートバイ、船舶などが挙げられる。
これらの中でも、本開示の照明装置は車両に搭載されるもの(車両用装飾品)であることが好ましい。
また、本開示の照明装置は、車両等の外装(車両外側ルーフ等)に搭載してもよく、内装(車両内側ルーフ等)に搭載してもよい。
本開示の照明装置が備える光源は、車両等の外装に埋め込まれるようにして搭載することができる。
例えば、図5に示すように、照明装置20は、光源26が車両側ルーフ22に埋め込まれるようにして搭載される。なお、図5は、図3に示す照明装置20のA-A線における概略断面図である。
本開示の照明装置が備える光源は、車両等の外装等に埋め込まれるようにして搭載することにより、上記面の平滑性を維持することができる。
また、搭載箇所の色は、特に限定されるものではないが、意匠性の観点からは、黒色であることが好ましい。搭載箇所が黒色であることにより、照明装置が備える黒色部材の位置の特定が困難となり、且つ外観に統一感が生じるため、意匠性をより向上することができる傾向にある。
【0053】
[照明装置セット]
本開示の照明装置セットは、光源と、光透過性の黒色部材とを含む。また、照明装置セットは、光拡散部材、補強部材等を含むことができる。
光源、黒色部材、光拡散部材及び補強部材の詳細は、上記した通りであり、ここでは詳細な記載は省略する。
【0054】
本開示の照明装置セットによれば、上記照明装置を組み立てることができ、搭載する対象の意匠性を向上することができる。
【符号の説明】
【0055】
10、20、30:照明装置、11、26、36:光源、12、23、33:黒色部材、13:光拡散部材、14:補強部材、21、31:点光源、22、32:車両外側ルーフ、24、25、34、35:光源領域
図1
図2
図3
図4
図5