(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022184695
(43)【公開日】2022-12-13
(54)【発明の名称】情報処理方法、システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20221206BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021208708
(22)【出願日】2021-12-22
(31)【優先権主張番号】P 2021090950
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000183646
【氏名又は名称】出光興産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門田 栄一
(72)【発明者】
【氏名】薤澤 達也
(72)【発明者】
【氏名】大村 雄一朗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】サービスステーションにおいて、簡易かつ迅速に会員認証やクーポン利用の処理を実行可能とする。
【解決手段】情報処理方法は、ユーザ端末30から送信される、ユーザを識別するユーザ識別情報及びユーザ端末30が位置する位置情報を含むユーザ送信情報を受信するステップと、所定の条件を満たすワンタイムIDを生成するステップと、ワンタイムIDをユーザ端末30に送信するステップと、店舗端末40から送信される、送信ID及び店舗端末40を備えるSSを識別するSS識別情報を受信するステップと、受信したSS識別情報と位置情報によって特定されるSSの識別情報とが一致し、且つ送信IDとワンタイムIDとが一致することを判定するステップと、一致する場合に、ワンタイムIDを送信したユーザ端末30のユーザ識別情報に関連付けられた特典情報を店舗端末40に送信するステップとを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末から送信される、当該ユーザ端末を利用するユーザを識別するユーザ識別情報及び当該ユーザ端末が位置する位置情報を含むユーザ送信情報を受信する第1受信手順と、
所定の条件を満たすワンタイムIDを生成する生成手順と、
生成された前記ワンタイムIDを、前記ユーザ送信情報を送信したユーザ端末に送信する第1送信手順と、
店舗端末から送信される、送信ID及び当該店舗端末を備えるサービスステーションを識別するSS識別情報を受信する第2受信手順と、
前記第2受信手順で受信した前記SS識別情報と前記位置情報によって特定されるサービスステーションの識別情報とが一致し、且つ前記送信IDと前記ワンタイムIDとが一致することを判定する判定手順と、
判定手順によって一致すると判定された場合において、前記ワンタイムIDを送信したユーザ端末を操作するユーザの前記ユーザ識別情報に関連付けられた特典情報を、前記SS識別情報を送信した店舗端末に送信する第2送信手順と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
前記ワンタイムIDが、暗記容易且つ入力容易な、文字及び数字の少なくともいずれかからなる文字列である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記ワンタイムIDが、2桁から4桁の数字からなる
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記特典情報が、前記サービスステーションで提供される給油サービスの割引情報である
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
受信された前記サービスステーションの識別情報に基づき、前記ユーザ端末を操作するユーザが位置する前記サービスステーションを特定するサービスステーション特定手順を含み、
前記生成手順において、前記特定されたサービスステーションを利用する1以上のユーザに対して生成したワンタイムIDの一覧を生成し、
前記第1送信手順において、前記ワンタイムIDの一覧を、前記特定されたサービスステーションの前記店舗端末に送信し、
前記第2受信手順において、前記ワンタイムIDの一覧から選択された、前記送信ID及びSS識別情報を受信する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記生成手順で生成された前記ワンタイムIDに基づき、前記ユーザ端末を操作するユーザに関連付けて記憶された前記特典情報を抽出する抽出手順を含み、
前記第2送信手順で前記店舗端末に送信された前記特典情報が、当該店舗端末における決済処理に反映される
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記第1受信手順において、前記ユーザ送信情報とともに前記特典情報が受信され、
前記抽出手順において、前記受信した特典情報であって、前記ユーザ端末を操作するユーザに関連付けて記憶された特典情報を、抽出する、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記第2送信手順で前記店舗端末に送信された前記特典情報のうち、当該店舗端末において選択された特典情報が、当該店舗端末における決済処理に反映される、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記ユーザ識別情報に関連付けた決済情報が登録されており、
前記判定手順によって一致すると判定された場合において、前記ワンタイムIDを送信したユーザ端末を操作するユーザの前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記決済情報の認証を行う処理手順を含み、
前記第2送信手順において、前記認証の結果を送信し、
当該認証の結果が認証済であることを示す場合に、前記店舗端末における決済処理に前記決済情報が用いられる、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記第1受信手順において、前記決済情報の使用の有無を示す情報を更に受信し、
前記判定手順において、前記決済情報を使用するかを更に判定し、
前記決済情報を使用すると判定された場合に、前記処理手順において前記決済情報の認証を行う、
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
ユーザ端末から送信される、当該ユーザ端末を利用するユーザを識別するユーザ識別情報及び当該ユーザ端末が位置する位置情報を含むユーザ送信情報を受信する第1受信手段と、
所定の条件を満たすワンタイムIDを生成する生成手段と、
生成された前記ワンタイムIDを、前記ユーザ送信情報を送信したユーザ端末に送信する第1送信手段と、
店舗端末から送信される、送信ID及び当該店舗端末を備えるサービスステーションを識別するSS識別情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段が受信した前記SS識別情報と前記位置情報によって特定されるサービスステーションの識別情報とが一致し、且つ前記送信IDと前記ワンタイムIDとが一致することを判定する判定手段と、
判定手順によって一致すると判定された場合において、前記ワンタイムIDを送信したユーザ端末を操作するユーザの前記ユーザ識別情報に関連付けられた特典情報を、当該店舗端末に送信する第2送信手段と、を備える
ことを特徴とするシステム。
【請求項12】
コンピュータに、
ユーザ端末から送信される、当該ユーザ端末を利用するユーザを識別するユーザ識別情報及び当該ユーザ端末が位置する位置情報を含むユーザ送信情報を受信する第1受信手段と、
所定の条件を満たすワンタイムIDを生成する生成手段と、
生成された前記ワンタイムIDを、前記ユーザ送信情報を送信したユーザ端末に送信する第1送信手段と、
店舗端末から送信される、送信ID及び当該店舗端末を備えるサービスステーションを識別するSS識別情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段が受信した前記SS識別情報と前記位置情報によって特定されるサービスステーションの識別情報とが一致し、且つ前記送信IDと前記ワンタイムIDとが一致することを判定する判定手段と、
判定手順によって一致すると判定された場合において、前記ワンタイムIDを送信したユーザ端末を操作するユーザの前記ユーザ識別情報に関連付けられた特典情報を、当該店舗端末に送信する第2送信手段と、を実行させる
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油サービスを行うサービスステーション(ガソリンスタンド)において、ユーザ(顧客)に対して一時的に使用可能なワンタイムIDを生成及び提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等への給油サービスを行うサービスステーション(ガソリンスタンド)では、ユーザ(顧客)に割引などの各種特典を付与しつつ、継続的な利用を促進する観点から、ユーザに対して会員登録を促すことが行われている。
このようなサービスステーション(SS)におけるユーザの会員登録は、従来は会員カードを発行して、従業員(店員)が給油サービスを行うフルSSでは、ユーザがカードをSSの従業員に渡すことで、従業員がPOS(Point of Sales)端末等のカードリーダでカードの記録された情報を読み取ることで、ユーザの会員登録の読出しや照合等が行われていた。
【0003】
近年は、携帯電話やスマートフォンの普及に伴って、上記のような会員カードに代わって、スマートフォンのアプリケーション(スマホアプリ)によってユーザの会員登録や会員認証、クーポン利用等が行われる。
具体的には、ユーザは自らのスマートフォンの会員登録用のアプリをダウンロード及びインストールして氏名や電話番号、メールアドレス、クレジットカード情報、油種情報などの必要な登録情報を入力して設定しておき、フルSSで給油サービス等を受ける場合には、スマートフォンのアプリ画面を従業員に提示し、POS端末等でアプリの表示されているQRコード(登録商標)等を読み取ることで、会員認証やクーポン利用等が行われる。
【0004】
ところが、フルSSでは、会員認証や決済処理を行うPOS端末は、自動車に乗ったユーザが、自動車から降りずに操作できる位置には無いのが一般的である。そのため、スマホアプリを介した会員認証を行う場合には、ユーザが従業員にスマートフォンを手渡して預ける必要がある。このため、従業員がスマートフォンを落としたり傷つけたりする危険性があり、ユーザによってはスマートフォンを従業員に預けたり触れられたりすること自体を嫌がる場合もあった。
このような場合に、ユーザのスマートフォンを従業員が預かることなく会員認証を行うには、例えば、従業員が携帯可能な、QRコード(登録商標)等を読み取るコードリーダを使用するか、あるいは、従業員がユーザのスマホやアプリに表示された会員認証のための識別情報(例えば10桁等の英数字情報)を記憶又はメモ書き等してPOS端末に手入力するといった方法がある。
【0005】
しかしながら、携帯型のコードリーダを会員認証のためだけに導入することは、コストや管理負担等の観点から現実的ではない。また、従業員が各ユーザの会員認証のための識別情報を正しく記憶することは難しい。さらに、そのような識別情報を誤りなくメモ書きし、かつ、POS端末に手入力することも、極めて煩雑で現実的ではなかった。
このため、ユーザとPOS端末とが離れた場所に位置するというフルSSの特殊性に鑑みた会員認証等を支援する技術が望まれるようになった。
【0006】
ここで、例えば特許文献1には、ユーザが自身で保持しているクーポンをスマートフォン等の画面に表示し、店舗に設置された読み取り機に当該クーポンを読み取らせることでクーポンを利用することができるという「情報処理方法」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されている方法を含めて、これまでのスマホアプリによるユーザ認証やクーポン利用の支援技術では、上記のようなフルSSに特有の課題に対応することは困難乃び不可能であった。
すなわち、特許文献1の方法を含めて、これまでのスマホアプリを介したユーザ認証等は、スマートフォンの所有者であるユーザ自身が、POS端末やコードリーダに直接スマートフォンを掲げることを前提としており、スマートフォンを所持するユーザが、POS端末等と離れた場所にいることを前提とするフルSSにおける上述した課題自体が想定されていなかった。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するために提案されたものであり、簡易かつ迅速に、会員認証やクーポン利用の処理を実行することができるサービスステーションにおける技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本開示の一態様は、ユーザ端末から送信される、当該ユーザ端末を利用するユーザを識別するユーザ識別情報及び当該ユーザ端末が位置する位置情報を含むユーザ送信情報を受信する第1受信手順と、所定の条件を満たすワンタイムIDを生成する生成手順と、生成された前記ワンタイムIDを、前記ユーザ送信情報を送信したユーザ端末に送信する第1送信手順と、店舗端末から送信される、送信ID及び当該店舗端末を備えるサービスステーションを識別するSS識別情報を受信する第2受信手順と、前記第2受信手順で受信した前記SS識別情報と前記位置情報によって特定されるサービスステーションの識別情報とが一致し、且つ前記送信IDと前記ワンタイムIDとが一致することを判定する判定手順と、判定手順によって一致すると判定された場合において、前記ワンタイムIDを送信したユーザ端末を操作するユーザの前記ユーザ識別情報に関連付けられた特典情報を、前記SS識別情報を送信した店舗端末に送信する第2送信手順と、を含む方法を提供する。
【0011】
また、本開示の別の一態様は、上記のような方法を実行するためのシステム又は装置として構成する。
さらに、本開示の別の一態様は、上記のような方法をシステム又は装置において実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、簡易かつ迅速に、会員認証やクーポン利用の処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態に係るワンタイムID提供方法を実行するシステム(本システム)の全体構成を模式的に示す説明図である。
【
図2】本システムにおける各部の構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】本システムにおけるデータベース(記憶部)に格納されるデータ例を示す説明図である。
【
図4】本システムにおけるワンタイムID提供方法の流れを模式的に示す説明図である。
【
図5】本システムにおけるワンタイムID提供方法の一実施形態による一連の処理の流れを示したシーケンス図である。
【
図6】本システムにおいてユーザ端末に表示される表示画面の遷移を示す説明図である。
【
図7】
図6に引き続いて、本システムにおいてユーザ端末に表示される表示画面の遷移を示す説明図である。
【
図8】本システムにおけるワンタイムID提供方法の他の実施形態による一連の処理の流れを示したシーケンス図である。
【
図9】本システムにおけるワンタイムID提供方法の他の実施形態において店舗端末に表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【
図10】本システムにおけるサーバ装置、ユーザ端末及び店舗端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図11】本システムの更に他の実施形態における各部の構成を示す機能ブロック図である。
【
図12】本システムにおけるデータベース(記憶部)に格納されるデータ例を示す説明図である。
【
図13】本システムにおける処理の流れの一例を示す図である。
【
図14】本システムにおけるユーザ端末の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示に係るワンタイムID提供方法及びシステムの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
ここで、以下に示す本開示のワンタイムID提供方法を実施するためのシステム(本システム)における各装置は、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理、手段、機能によって実現される。
プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示す本開示に係る処理や機能等を行わせることができる。すなわち、本開示における各処理や手段、機能は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
【0015】
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ、その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
また、システムは、複数の情報処理装置からなる装置群によって構成され、そのシステムの中に、後述する「サーバ」と「ユーザ端末」となるスマートフォンや「店舗端末」となるPOS端末やPC等が備えられるようになっている。但し、「システム」を構成する装置群の任意の情報処理装置は一緒(単一又は共通の装置)であってもよい。
【0016】
また、本システムを構成する装置群に含まれる各情報処理装置は、
図10に示すように、CPU301、RAM302、ROM303、HDD304、入力装置305、表示装置(ディスプレイ)306、通信IF307等を含むハードウェアによって構成される。これらの構成要素はシステムバスで接続され、システムバスを介してデータのやり取りが行われる。CPU(Central Processing Unit)301は、中央処理装置とも呼ばれ、コンピュータの中心的な処理を行う部位であり、各装置の制御やデータの計算や加工を行う。RAM(Random Access Memory)302は、メモリ装置の一種で、データの消去や書き換えが可能なものである。ROM(Read Only Memory)303は、半導体などを用いたメモリ装置の一種で、データ書き込みは製造時1回のみで、利用時には記録されたデータの読み出しのみできるものである。HDD(Hard Disk Drive)304は、磁性体の性質を利用し、情報を記録し読み出す補助記憶装置である。入力装置305は、ユーザがコンピュータに対して操作指示を行うため、あるいは、文字等を入力するために使用され、具体的には、キーボード、マウス等で構成される。表示装置306は、例えば液晶ディスプレイ等で構成される。本システムにおける各装置は、入力装置305及び表示装置306が一体となったタッチパネル機能を有する装置を備えていてもよい。また、他の端末や情報処理装置等との通信が可能となる通信機能(通信IF307)を備えることもできる。通信IF(Inter face)は、所定の通信規格に従って他の装置と通信するための装置であり、例えばNIC(Network Interface Card)を含む。
【0017】
[システム構成]
図1に示すように、本開示の一実施形態に係るワンタイムID提供システム1(以下「本システム1」という)は、サーバ10と、一又は二以上のユーザ端末30(30-1~30-n)と、店舗端末40(40-1~40-n)とを含む。
サーバ10、ユーザ端末30及び店舗端末40は、互いに、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワークを含むインターネット100を介して接続され、それぞれ相互にデータ通信が可能である。
また、ユーザ端末30は、GPS(Global Positioning System)衛星200を介して、GPS受信機によって受信したGPS信号を用いて磁気の位置(地球上の座標)を計算し、各ユーザ端末30が所在している位置を示す情報を生成する。
【0018】
ここで、本システム1においてワンタイムID提供の対象となるのは、自動車等に対して給油サービスを行うサービスステーション(SS)と、そのSSのユーザ(顧客)であり、特に当該SSの会員登録を行っている会員ユーザである。
また、本システム1が適用されるSSは、来店したユーザに対して従業員が給油サービスを行うフルサービスを提供するSS(フルSS)を対象としている。
すなわち、本システム1は、ユーザ端末30を所持するユーザと、店舗端末40(例えば、POS端末又はSSの従業員が携帯する携帯端末)とが、離れた場所に位置するフルSSにおいて、来店したユーザが、自ら所持するスマートフォンを従業員に手渡すことなく、簡易かつ迅速に、会員認証やクーポン利用の処理を実行するための技術を提供するものである。
【0019】
また、本システム1においては、サーバ10と、ユーザ端末30と店舗端末40とは、それぞれ異なる組織又は企業等に設置及び運営される情報処理装置によって実現される。この場合には、例えば、サーバ10は、本システム1をサービスとして顧客に提供する企業が運用する情報処理装置、ユーザ端末30は、本システム1によってワンタイムIDを用いたサービスの提供を受けるユーザが所有する携帯電話端末、店舗端末40は、本システム1をによってワンタイムIDのサービスを顧客に提供する各企業や組織、団体等に備えられる情報処理装置によって構成される。
一方、本システムにおいて、サーバ10と、店舗端末40は、例えば同一の組織又は企業等において設置及び運営される情報処理装置によって構成することもできる。
【0020】
[サーバ]
サーバ10は、給油サービスを提供するSSにおいてユーザにワンタイムIDを提供するための、本システム1の中核となる情報処理装置である。
サーバ10は、本実施の形態においては、1つの情報処理装置として説明するが、2以上の情報処理装置によって構成されてもよい。例えば、サーバ10は、サーバコンピュータやパーソナルコンピュータ、クラウドコンピューティングサービス上に構築された1又は2以上の仮想サーバからなるサーバシステム等で実現されてもよい。
【0021】
サーバ10には、OS(Operating System)、DBMS(DataBase Management System)及びアプリケーションプログラムなどの所定のプログラム(サーバプログラムと呼ぶ)がインストールされている。
サーバ10は、1又は2以上のユーザ端末30及び店舗端末40に対して、インターネット100等のネットワークを介して、例えばAPI(Application Programming Interface)の形式で利用可能なアプリケーションを公開及び提供する。
【0022】
本実施形態に係るサーバ10は、
図2に示すように、ユーザ情報受信部11、抽出部12、特定部13、ワンタイムID送信部14、特典情報送信部15、生成部16、店舗情報受信部17、判定部18及び記憶部20を備える。
図10に示すCPU301がサーバプログラムを実行している状態において、CPU301が、抽出部12及び特定部13の一例であり、CPU301及び通信IF307がユーザ情報受信部11、ワンタイムID送信部14及び特典情報送信部15の一例であり、RAM302及びHDD304の少なくとも一方が記憶部20の一例である。
【0023】
また、ユーザ端末30は、受付部31、送信部32、表示部33及び受信部34をそなえる。ユーザ端末30は、上述した
図10に示すハードウェア構成を含む。
図10に示すCPU301がユーザ端末30で動作するプログラム(クライアントプログラムと呼ぶ)を実行している状態において、CPU301及び通信IF307が送信部32及び受信部34の一例であり、CPU301及び入力装置305が受付部31の一例であり、CPU301及びディスプレイ306が表示部33の一例である。
【0024】
また、店舗端末40は、受付部41、送信部42、表示部43及び受信部44をそなえる。店舗端末40は、上述した
図10に示すハードウェア構成を含む。
図10に示すCPU301が店舗端末40で動作するプログラム(店舗プログラムと呼ぶ)を実行している状態において、CPU301及び通信IF307が送信部42及び受信部44の一例であり、CPU301及び入力装置305が受付部41の一例であり、CPU301及びディスプレイ306が表示部43の一例である。
【0025】
サーバ10の記憶部20についてさらに説明する。記憶部20には、本システム1の運用に必要となる所定の情報が蓄積される。
記憶部20には、各種の情報リソースとして、本システム1における管理対象となる各ユーザを特定するための登録情報、SSを特定するための情報などが記憶される。また、記憶部20は、後述する各ユーザ端末30に送信され店舗端末40を介して送信されるワンタイムIDを特定するための情報が、該当するユーザを示す情報やSSを示す情報と対応付けて記憶される(
図3参照)。
【0026】
また、記憶部20には、後述するユーザ端末30や店舗端末40のディスプレイ等の表示手段に表示される表示画面(
図6、
図7、
図8参照)の生成や表示に必要となる描画データが記憶される。
そして、これらの情報又はデータが、本システム1の運用に伴って随時必要な情報が読み出されたり追加されたり更新される。
具体的には、
図2及び
図3に示すように、記憶部20は、顧客DB21及びワンタイムID管理DB22を含む。記憶部20は、本システム1におけるワンタイムID提供処理に必要なデータがデータベースとして記憶されている。
【0027】
[ユーザ情報受信部]
ユーザ情報受信部11は、ユーザが操作するユーザ端末30から送信される、当該ユーザ端末30の識別情報及び当該ユーザ端末30が位置するSSの識別情報を含むユーザ送信情報を受信する手段である。このユーザ情報受信部11が、本開示の第1受信手順又は第1受信手段(第1受信部)として機能する。
ユーザ情報受信部11は、ユーザ端末30から送信される当該ユーザ端末30を利用するユーザを識別するユーザ識別情報と、当該ユーザが位置する位置情報とを含むユーザ送信情報を受信する。ユーザ識別情報は、例えば、ユーザ端末30にインストールされたアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)において、設定されているユーザを識別するアプリ会員IDを示す情報である。位置情報は、詳しくは後述するが、(A)ユーザ端末30のGPS受信機によって生成された、位置を示す情報又は(B)ユーザが選択したSSであって、ユーザが存在する(言い換えるとユーザ端末30が所在する)SSを示す情報(例えばSSの位置を示す情報又はSSの拠点番号)である。位置情報はユーザが操作を行うユーザ端末30が位置する位置情報ということもできる。なお、ユーザ送信情報は、ユーザによって選択されたクーポンを示す情報を含んでもよい。
これによって、サーバ10では、会員登録されているいずれのユーザがいずれのSSで給油サービス等を受けようとしているかを特定できる。
【0028】
[抽出部]
抽出部12は、生成されたワンタイムIDに基づき、ユーザ端末30を操作するユーザに適用される特典情報を抽出する手段である。この抽出部12が、本開示の抽出手順又は抽出手段として機能する。
抽出部12は、生成されたワンタイムIDに基づいて、記憶部20を参照して、当該ワンタイムIDに関連付けて記憶されたユーザのアプリ会員氏名やクーポンID、クーポン情報などのユーザ登録情報を抽出する。
具体的には、抽出部12は、判定部18の判定結果がすべて一致することを示す場合に、ワンタイムID及びSS拠点番号に関連付けて記憶されたアプリ会員IDを抽出する(
図3(b)参照)。また、抽出部12は、抽出したアプリ会員IDに紐づいて記憶及び管理されている特典情報として、例えば、そのSSで提供される給油サービスの割引情報などを示すクーポンID及びクーポン情報を抽出する(
図3(a)参照)。
これによって、サーバ10では、会員登録されているユーザを特定することができ、必要な情報をSSの店舗端末40に送信することができるようになる。
なお、抽出部12は、ユーザ送信情報にクーポンを示す情報が含まれている場合、抽出したアプリ会員IDとともに送信されたクーポンを示す情報から当該情報に関連付けて記憶された特典情報を抽出してもよい。
【0029】
[特定部]
特定部13は、ユーザ端末30から送信されたSSの拠点番号などの識別情報に基づき、ユーザ端末30を操作するユーザが位置するSSを特定する手段である。この特定部13が、本開示のSS特定手順又はSS特定手段として機能する。
具体的には、特定部13は、ユーザ端末30からのSS拠点番号に基づいて、記憶部20を参照して、該当するSSを特定する。
なお、特定部13は、ユーザ送信情報に含まれる位置情報が、SS拠点番号ではなく、SSの位置を示す情報(例えば、経度及び緯度)の場合、SS拠点番号に関連付けて記憶されたSSの位置を示す情報(不図示)を参照し、SSを特定してもよい。
これによって、サーバ10では、ユーザが現在所在しているSSを特定することができ、上述したユーザ登録情報など、必要な情報をSSの店舗端末40に送信することができる。
【0030】
[生成部]
生成部16は、所定の条件を満たすワンタイムIDを生成する手段である。この生成部16が、本開示の生成手順又は生成手段として機能する。
具体的には、生成部16は、所定の関数を用いて、特定部13によって特定されたSS毎に、所定期間において(例えば5分間)のみ有効なユニークな文字列をワンタイムID(ワンタイムコード、ワンタイムパスワードとも呼ぶ)として生成する。ワンタイムIDは、従業員が暗記容易且つ入力容易な、文字及び数字の少なくともいずれかからなる文字列である。具体的には、ワンタイムIDは2桁から4桁の数字である。
生成部16は、生成したワンタイムIDを、生成した日時(発行日時)、特定部13によって特定されたSSを示す情報(SS拠点番号)及びユーザ送信情報に含まれるアプリ会員IDとともに、記憶部20のワンタイムID管理DB22に登録する。
【0031】
[ワンタイムID送信部]
ワンタイムID送信部14は、生成部16によって生成されたワンタイムIDを、ユーザ送信情報を送信したユーザ端末30に送信する手段である。このワンタイムID送信部14が、本開示の第1送信手順又は第1送信手段(第1送信部)として機能する。
送信したワンタイムIDは、ユーザ端末30のスマホアプリ上で表示され、ユーザがSSの従業員に提示できるようになる。
このようなワンタイムIDを使用することで、例えば2桁から4桁程度の数字であれば、ユーザ端末30に表示されたものを従業員が誤りなく記憶でき、店舗端末40に正しく入力することができる。
これによって、フルSSで給油サービス等を受けるユーザは、従業員にスマートフォンを手渡すことなく、ユーザ端末30に表示されたワンタイムIDを見せるだけで、会員認証やクーポン利用のサービスを受けることが可能となる。
【0032】
ここでワンタイムIDは、ユーザから提示を受けたSSの従業員が誤りなく記憶し店舗端末40に入力できるように、2桁から4桁程度の桁数の少ない数字としている。
また、複数のユーザが同時期に来店した場合にも、一意に各ユーザを識別して特定できるように、3桁(999人)や2桁(99人)、最大でも4桁(9999人)としてある。
但し、ワンタイムIDは、ユーザから提示を受けたSSの従業員が誤りなく記憶及び入力できるIDやコード、PW等であれば、数字だけでなく英文字や記号等を含ませることもでき、また、同じタイミングで来店するユーザ数に応じて、桁数や文字数も1桁や5桁以上とすることも可能である。
【0033】
また、ワンタイムIDの有効期間についても、同時期に来店するユーザへの対応が完了する時間内であれば、上述した「5分間」に限らず、他の有効期間を採用することもできる。
また、本システム1では、ユーザ端末30のスマホアプリの機能として、例えば「レギュラー満タン」や「ハイオク満タン」といった「お好み給油設定」が登録されている場合、これらの機能を引き継ぐことが好ましい。これにより、SSのスタッフによる操作作業の手間を減らすことができる。なお、事故防止等の観点からこれらの機能は引き継がないように設定されていてもよい。
【0034】
また、ワンタイムID送信部14は、上記のようなワンタイムIDを、ユーザ端末30とともに、当該ユーザ端末30が位置するSSに備えられた店舗端末40に送信することもできる。
具体的には、ワンタイムID送信部14では、SS単位で、当該SSを利用する1又は2以上のユーザに対して生成及び送信されたワンタイムIDを、例えば一覧データの形式で、該当するSSの店舗端末40に送信することができる(後述する
図8及び
図9参照)。
このようにすると、ユーザ端末30を介してワンタイムIDの提示を受けたSSの従業員は、店舗端末40において受信され表示されているワンタイムIDの一覧の中から、該当するワンタイムIDを確認及び選択することで、ユーザを特定することができ、記憶間違いや入力ミス等の可能性を更に低くすることが可能となり、より迅速かつ円滑な給油サービスを提供できる。
この点については、
図8及び
図9を参照しつつ、更に後述する。
【0035】
[店舗情報受信部]
店舗情報受信部17は、店舗端末40から送信される、送信ID及び当該店舗端末40を備えるサービスステーションを識別するSS識別情報を受信する。この店舗情報受信部17が、本開示の第2受信手順又は第2受信手段(第2受信部)として機能する。
具体的には、店舗情報受信部17は、従業員によって店舗端末40に入力されたワンタイムIDを送信IDとして、当該ワンタイムIDが入力された店舗端末40を備えるサービスステーションを識別するSS拠点番号とともに受信する。
【0036】
[判定部]
判定部18は、本開示の判定手順又は判定手段として機能する。
具体的には、判定部18は、以下の(A)が一致し、且つ(B)が一致することを判定する。
(A)店舗情報受信部17が受信したSS拠点番号と、ユーザ情報受信部11が受信した位置情報によって特定されるサービスステーションの識別情報
(B)店舗情報受信部17が受信した送信IDと生成部16が生成したワンタイムID
【0037】
[特典情報送信部]
特典情報送信部15は、判定部18による判定結果が一致することを示す場合において、抽出部12が抽出した特典情報を、店舗端末40に送信する手段である。この特典情報送信部15が、本開示の第2送信手順又は第2送信手段(第2送信部)として機能する。
具体的には、特典情報送信部15は、抽出部12が抽出した特典情報を、当該特典情報に関連付けて記憶されたアプリ会員IDを保有するユーザが利用しているSSの店舗端末40に送信する。
そして、この特典情報が該当する店舗端末40に送信されることで、SSの従業員はワンタイムIDを入力し、送信指示を送るだけで、会員ユーザが所持しているクーポン情報を確認でき、所定の割引サービスなどをユーザに提供できる。
【0038】
ここで、特典情報を構成するクーポン情報又はクーポンIDは、給油サービスの割引以外にも、例えば無料洗車サービスや無料オイル交換サービスなど、SSを利用するユーザのメリットとなる特典情報であれば、どのようなものであっても本システム1の対象とすることができる。
また、ユーザが所持している使用可能なクーポン情報が複数ある場合には、それらのいずれを使用するかはユーザ端末30や店舗端末40に対する入力操作に応じて選択可能とすることができる。また、複数のクーポン情報を同時使用可能な場合には、そのような使用も選択可能とすることができる。
【0039】
[記憶部]
記憶部20は、本システム1の管理対象となるユーザ及びSSに関する情報がデータベースとして管理される記憶手段である。
この記憶部20には、管理対象となるユーザ及びSSを特定するための情報が予め記憶されており、また、各ユーザやSSの日々の利用状況及び営業状況などに応じて、データが随時追加及び更新される。
また、記憶部20には、インターネット100等のネットワークを介して各ユーザ端末30や店舗端末40から情報が送信されて、それらの情報に応じてもデータが随時追加及び更新される。
【0040】
記憶部20に格納される情報としては、本システム1の管理対象となる、上記のような各ユーザ及びSSに関する情報であり、例えば、
図2及び
図3に示すように、顧客DB21及びワンタイムID管理DB22に記憶される各種情報がある。
なお、以下に示す記憶部20に記憶される情報は、本システム1において処理対象となる情報の一例であって、特に以下の情報のみに限定されるものではなく、本システム1として必要な情報を追加、削除、変更等することができることは言うまでもない。
【0041】
具体的には、顧客DB21、及びワンタイムID管理DB22の構成は、例えば以下のようなものがある。
[顧客DB]
1:アプリ会員ID
2:アプリ会員氏名
3:クーポンID
4:クーポン情報
[ワンタイムID管理DB]
1:ワンタイムID
2:アプリ会員ID
3:SS拠点番号
4:発行日時
【0042】
以上のような記憶部20で記憶されるデータに基づいて、
図2に示す各部による処理動作が実行され、対象となるユーザに対するワンタイムIDの提供が行われる。
本実施形態に係るサーバ10の具体的な機能及び動作については、ユーザ端末30及び店舗端末40に表示される表示画面例も参照しつつ後述する(
図4~
図9参照)。
【0043】
[ユーザ端末]
ユーザ端末30(30-1~30-n)は、インターネット100等のネットワークを介してサーバ10に接続可能な、本システム1の管理対象となるユーザ(顧客)が操作する、例えばスマートフォンやタブレット端末、ノートPCなど、一又は二以上の情報処理装置によって構成することができる。
このようなユーザ端末30を介して、ユーザ端末30を使用するSSのユーザは、インターネット100を介して、サーバ10にアクセスして、上述したワンタイムIDや特典情報など、必要な各種情報を送信又は受信でき、出力又は表示させることができる。
【0044】
ユーザ端末30の各部について説明する。
受付部31は、ユーザによる操作を示す操作信号を受け付ける。受付部31は、例えば、アプリの起動操作、当該アプリに対する入力操作を示す信号を受け付ける。
送信部32は、受付部31が受け付けた操作信号に基づいて、各種情報をサーバ10に送信する。具体的には、ユーザ送信情報を送信する。
表示部33は、受付部31が受け付けた操作信号に基づいた画面を生成及び表示する。例えば、表示部33は、ユーザの入力操作に応じて、ユーザが位置するSSを選択する店舗選択画面を表示する。また、例えば、表示部33は、ユーザによって選択された店舗で使用可能な特典を表示する。
受信部34は、サーバ10から送信されたワンタイムIDを受信する。また、受信部34は、例えば、GPS受信機の機能を有している。これにより、GPS衛星200から送信されるGPS信号に基づいた位置を示す情報を取得することができる。
【0045】
[店舗端末]
店舗端末40(40-1~40-n)は、インターネット100等のネットワークを介してサーバ10に接続可能な、本システム1の管理対象となるSSの従業員や経営者などが操作する、例えばPOS端末やデスクトップPC、タブレット端末、スマートフォンなど、一又は二以上の情報処理装置によって構成することができる。
このような店舗端末40を介して、店舗端末40を使用する例えばSSの従業員やスタッフ等は、インターネット100を介して、サーバ10にアクセスして、上述したワンタイムIDや特典情報など、必要な各種情報を送受信でき、表示させることができるようになる。
【0046】
店舗端末40の各部について説明する。
受付部41は、SSの従業員による操作を示す操作信号を受け付ける。受付部41は、例えば、POS端末の起動操作、当該POS端末に対する入力操作を示す信号を受け付ける。
送信部42は、受付部41が受け付けた操作信号に基づいて、各種情報をサーバ10に送信する。具体的には、店舗端末40に入力されたワンタイムIDを送信IDとして、当該ワンタイムIDが入力された店舗端末40が備えられたSSのSS拠点番号とともに送信する。
表示部43は、受付部41が受け付けた操作信号に基づいた画面を生成及び表示する。例えば、表示部43は、SSの従業員の入力操作に応じて、POS端末における決済処理画面を表示する。また、例えば、表示部43は、サーバ10から送信された当該SSで使用可能な特典を表示する。
受信部44は、サーバ10から送信された特典情報を受信する。
【0047】
[動作]
次に、以上のような本システム1における具体的な処理、動作(ワンタイムID提供方法の実施)について、
図4~
図9を参照して説明する。
本システム1では、上述した各部における一連の処理動作が実行されることにより、フルSSに来店したユーザにワンタイムIDが送信され、そのワンタイムIDに基づいて来店したユーザに対するクーポン利用等の処理が行われ、フルSSにおける給油サービスが迅速かつ円滑に行われるようになる。
【0048】
まず、
図4を参照しつつ、本システム1における処理全体の流れ、ユーザがSSに来店してから給油が完了するまでの概要を説明する。
図4は、本システム1におけるワンタイムID提供方法の流れを模式的に示す説明図である。
前提として、本システム1のユーザは、自らのユーザ端末30を操作して、また、SSの従業員等は店舗端末40を操作して、本システム1にアクセスする。ユーザ端末30では、例えば、アプリを起動し、当該アプリに登録されたログインIDやパスワードが入力されることにより、本システム1にログインすることができる。
そして、本システム1を介して、サーバ10、ユーザ端末30及び店舗端末40のそれぞれに格納されたプログラムが起動されて、以下のようにして本システム1で提供される機能を実行し利用することができる。
【0049】
(1)SSに入店
図4に示すように、まず、給油を求めるユーザは、自動車を運転しつつ、自らが会員登録しているフルサービスのSSに入店する。
(2)レーン案内
ユーザが自動車で入店すると、フルSSの従業員は、ユーザを所定の給油スペースのレーンに案内及び誘導する。
(3)アプリ利用確認、操作方法説明
ユーザを給油レーンに案内した従業員は、ユーザに対して会員用のアプリ利用の有無を確認し、アプリ利用を希望するユーザにはアプリの操作方法等を説明する。
(4)アプリ起動、クーポン選択
ユーザは自らのユーザ端末30を操作して本システム1のアプリを起動し、クーポンがある場合には希望のクーポンを選択する。
【0050】
(5)給油オーダー
アプリを起動したユーザは、従業員に対して、例えば「レギュラー満タンで」等と、油種や給油数量を口頭でオーダーする。
(6)店舗確認、チェックイン
その後、ユーザはユーザ端末30を操作して、現在所在しているSSの店舗情報を検索し、ワンタイムIDの生成要求(チェックイン)処理を実行する。
このチェックイン処理により、サーバ10にワンタイムIDの生成要求情報が送信され、例えば3桁の数字情報からなるワンタイムIDが生成されて、要求の応答としてユーザ端末30に送信される。
【0051】
(7)送信データを従業員に見せてオーダーを伝える
サーバ10からユーザ端末30に送信された送信データ(ワンタイムID:例えば3桁の数字)は、ユーザ端末30のアプリの実行画面上に表示される。ユーザは従業員にその送信データを見せ、オーダーを伝える。上述した「お好み給油設定」が登録されている場合は、その旨を、登録されていない場合は、従業員にオーダーを伝える。この際、従業員はユーザに給油する油種・数量・金額を確認する。
(8)送信データ確認、POSに移動
ユーザから送信データを見せられた従業員は、そのデータを確認し、記憶する。従業員は、ユーザからオーダーを伝えられた場合は、当該オーダーも記憶する。送信データ(ワンタイムID)を確認した従業員は、SSに設置されている店舗端末40に情報を入力可能な位置に移動する。
(9)POSにワンタイムID入力・送信
POS端末まで移動した従業員は、確認及び記憶したワンタイムIDをPOS端末のテンキー等を操作して入力する。これにより、ワンタイムIDは、店舗の識別情報(SS拠点番号など)とともに、店舗端末40からサーバ10に送信される。
【0052】
(10)ユーザ特定
サーバ10は、店舗端末40から送信されたワンタイムID及びSS拠点番号などに基づいて、ワンタイムIDを送信したユーザを特定する。そして、サーバ10は、特定したユーザの登録情報を抽出し、抽出した情報(例えば、アプリ会員ID、氏名、該当するクーポン情報)などを店舗端末40に送信する。
(11)ポンプ指定
店舗端末40は、サーバ10から送信されたユーザの登録情報、クーポン情報等を受信する。さらに、従業員は決済手段を選択し、受注した油種・数量・金額をPOSに入力し、給油するポンプを指定する。
(12)給油開始
従業員は、指定したポンプを操作して、ユーザの自動車に対して給油を行う。
その後は、サーバ10から送信されたクーポン情報を用いて、決済処理等を行い、SSでの給油サービスは終了となる。
【0053】
次に、以上のような流れで行われる給油サービスにおける、本システム1のデータ処理の具体的な流れ、
図5~
図7を参照しつつ説明する。
図5は、本システム1におけるワンタイムID提供方法の一実施形態による一連の処理の流れを示したシーケンス図である。
また、
図6及び
図7は、本システム1においてユーザ端末30に表示される表示画面の遷移を示す説明図である。
【0054】
図5に示すように、まず、フルSSでの給油サービスを求めるユーザは、自らのユーザ端末30を操作して、本システム1のアプリを起動する(ステップS501)。本システム1のアプリが起動されると、ユーザ端末30には、例えば
図6(a)に示すようなホーム画面が生成され、表示される。
このアプリ上では、ユーザ端末30への入力操作に応じて、ホーム画面からSSの店舗選択画面に遷移して、ユーザが希望するSSの店舗選択が行えるようになる(ステップS502)。
【0055】
具体的には、ユーザ端末30には、例えば
図6(b)に示すような「マイ店舗」に登録されたSSや選択可能なSSの選択画面が生成及び表示され、入力操作に応じてユーザが希望するSSが決定される。
また、選択候補以外のSSについては、
図6(c)に示すような店舗検索画面が生成及び表示され、ユーザ端末30で取得されるGPS衛星200(
図1参照)からのGPS信号に基づいて、ユーザの現在位置の周辺又は近傍に所在するSSが、選択候補として表示され、入力操作に応じてユーザが希望するSSが選択できる。
また、ユーザ端末30は、取得したGPS信号に基づいて、ユーザが位置するSSを自動的に選択してもよい。例えば、ユーザ端末30は、GPS信号に基づいて特定されるユーザの位置(ユーザ端末の位置)と、所定の距離に位置するSSを示す情報を選択してもよい。
【0056】
なお、ユーザの現在位置によっては、「選択候補:0件」等の表示が出力される場合もある。また、ユーザ端末30が、GPS信号を受信しない設定となっている場合にも、店舗検索が行われない場合がある。そのような場合には、
図6(a)に示したような選択候補画面からSSが選択される。
また、店舗検索により選択されたSSは、例えば
図6(d)に示すような「マイ店舗」登録画面が生成され表示され、任意のSSを「マイ店舗」として登録することができる。
【0057】
SSの店舗が選択されると、ユーザ端末30では入力操作に応じて、該当するSSで使用可能なクーポンが選択される(ステップS503)。
その後、ユーザの入力操作に応じて、ユーザ端末30からはワンタイムIDの要求情報が生成され、ユーザの識別情報(アプリ会員ID)、当該ユーザが利用するSSを示す情報(SS拠点番号)及びステップS503で選択されたクーポンを示す情報とともに、ユーザ送信情報としてサーバ10に送信される(ステップS504:送信部32)。
【0058】
サーバ10は、ユーザ端末30から送信されたユーザ送信情報を受信する。具体的には、サーバ10は、アプリ会員IDとともに送信されたワンタイムIDの要求情報を受信する(ステップS505:ユーザ情報受信部11)。サーバ10は、受信したアプリ会員IDに基づいて該当するユーザの登録情報(
図3参照)を参照し、受信したアプリ会員IDが登録されていることを確認する。また、サーバ10は、受信した、SS拠点番号に基づいてユーザが利用するSSを特定する(ステップS506:特定部13)。なお、上述した通り、ユーザ送信情報に含まれる位置情報が、SS拠点番号ではなく、SSの位置を示す情報(例えば、経度及び緯度)の場合、サーバ10は、SS拠点番号に関連付けて記憶されたSSの位置を示す情報(不図示)を参照し、SSを特定してもよい。
そして、サーバ10は、例えば3桁の数字情報からなるワンタイムIDを生成する(ステップS507:生成部16)。その後、サーバ10は生成したワンタイムIDを、ユーザ送信情報を送信したユーザ端末30(生成要求を送信したユーザ端末30)に送信する(ステップS508:ワンタイムID送信部14)。
【0059】
サーバ10から送信されたワンタイムIDのデータ(3桁の数字)は、ユーザ端末30で受信され(ステップS509:受信部34)、アプリ上でディスプレイに表示される(ステップS510:表示部33)。そして、ユーザは、SSで給油サービス等を行う従業員に対して、ユーザ端末30を提示することにより、従業員にワンタイムIDを伝達することができる。
具体的には、ユーザ端末30には、例えば
図7(a)、(b)に示すような3桁の数字からなるワンタイムIDが生成され表示される。
また、ユーザ端末30には、例えば
図7(c)に示すように、ワンタイムIDとともに使用可能な1又は2以上のクーポン情報を選択可能に表示させることもできる。
【0060】
ユーザからワンタイムIDを提示されたSSの従業員は、そのワンタイムIDを確認及び記憶し、その状態で、SSに設置されているPOS端末等からなる店舗端末40に移動し、記憶したワンタイムIDをPOS端末のテンキー等を操作して入力して、ワンタイムIDを受け付ける(ステップS511:受付部41)。受け付けられたワンタイムIDは、店舗端末40からサーバ10に送信される(ステップS512:送信部42)。
これにより、ワンタイムIDは、店舗の識別情報(SS拠点番号など)とともに、店舗端末40からサーバ10に送信される。
【0061】
サーバ10では、店舗端末40から送信されてきたワンタイムID及びSS拠点番号の情報が受信される(ステップS513:店舗情報受信部17)。サーバ10は、以下の(A)が一致し、且つ(B)が一致することを判定する(ステップS514:判定部18)。
(A)ステップS505で受信したSS拠点番号と、ステップS513で受信したSS拠点番号
(B)ステップS513で受信したワンタイムIDとステップS507で生成したワンタイムID
その後、サーバ10は、ステップS514における判定結果が、上記(A)が一致し且つ(B)が一致する場合に、特典情報を抽出する(ステップS515:抽出部12)。
サーバ10は、アプリ会員IDや氏名を、抽出した特典情報(該当するクーポン情報など)とともに、店舗端末40に送信する(ステップS516:特典情報送信部15)。
店舗端末40では、サーバ10から送信されてきたユーザの特典情報を受信すると(ステップS517:受信部44)、受信したクーポン情報に基づいて、割引サービス等を実行しつつ、給油サービス及びその決済処理等が実行される(ステップS518)。
【0062】
以上のようにして、本システム1によれば、
図5に示すように、ユーザが自ら操作するユーザ端末30において要求及び表示されるワンタイムIDによって、サーバ10は、ユーザの会員登録やクーポン情報の特定を行うことができる。そして、SSの従業員は、ユーザから提示される3桁や2桁の数字を記憶し、店舗端末40に入力するだけで、クーポン利用の処理を実行することができる。
したがって、SSの従業員は、ユーザからスマートフォンなどを預かることなく、ユーザのアプリ会員認証やクーポン利用を、簡易かつ迅速に実行することができる。
【0063】
[他の実施形態]
次に、
図8~
図9を参照して、
図5に示した本システム1の他の実施形態におけるデータ処理の具体的な流れを説明する。
図8は、本システム1におけるワンタイムID提供方法の他の実施形態による一連の処理の流れを示したシーケンス図である。
図8に示す他の実施形態は、
図5に示した実施形態とは、ステップS801~S810(ステップS501~S510)までは同様である。
【0064】
そして、本実施形態では、
図8に示すように、
図5に示した処理に加えて、サーバ10(ワンタイムID送信部14)が、ワンタイムIDを、ユーザ端末30に対して送信する(ステップS808)だけでなく、そのユーザ端末30が位置するSSに備えられた店舗端末40にも、ユーザ端末30に送信したのと同様のワンタイムIDを送信する(ステップS812)。
具体的には、本実施形態では、サーバ10の生成部16は、SS単位で、当該SSを利用する複数のユーザのそれぞれに対して生成したワンタイムIDを用いて、例えば一覧表示するデータの形式(一覧データと呼ぶ)で生成する(ステップS811)。そして、ワンタイムID送信部14は、該当するSSの店舗端末40に生成された一覧データを送信する(ステップS812)。
【0065】
サーバ10から送信されたワンタイムIDの一覧データは、店舗端末40の受信部44において受信され(ステップS813)、店舗端末40の表示部43に表示される(ステップS814)。なお、店舗端末40は、図示しないプリンタ等から一覧データを出力してもよい。
図9に、本実施形態においてサーバ10で生成及び送信され、店舗端末40において出力される表示画面の一例を示す。
同図に示すように、サーバ10から送信されたワンタイムIDの一覧データは、一覧データを受信した店舗端末40を備えるSSにおいてワンタイムIDの生成要求をした1又は2以上のユーザに対して、生成及び送信されたワンタイムID及びユーザの氏名が一覧データの形式で店舗端末40のディスプレイに表示される。その後、SSの従業員は、店舗端末40に表示されたいずれかのユーザを選択可能な状態となり、入力操作に応じて一のユーザが選択される。
【0066】
したがって、ユーザ端末30に表示されたワンタイムID(ステップS809)をユーザから提示された従業員は、そのワンタイムIDを確認及び記憶し、その状態で、POS端末に移動し又は携帯する携帯端末を起動し、記憶したワンタイムIDを、店舗端末40において表示されている一覧データの中から選択する。これによって選択されたワンタイムIDが店舗端末40で受け付けられる(ステップS815)。例えば、従業員は、該当するワンタイムID(
図9では「021:ヤマダタロウ様」)をPOS端末の入力装置(キーボードやタッチパネル)等を操作して選択する。選択されて店舗端末40で受け付けられたワンタイムIDは、店舗端末40からサーバ10に送信される(ステップS816)。
【0067】
これ以降のステップS817~S822は、
図5に示したステップS513~S518と同様である。
以上のように、
図8に示す他の実施形態では、ユーザからワンタイムIDの提示を受けたSSの従業員は、店舗端末40において受信及び表示されているワンタイムIDの一覧の中から、該当するワンタイムIDを確認及び選択することで、ユーザを特定することができ、記憶間違いや入力ミス等の可能性を更に低くすることが可能となり、より迅速かつ円滑な給油サービスを提供できる。
【0068】
以上説明したように、本システム1によれば、給油サービスを受けるためにSSに来店したユーザが、自らユーザ端末30を操作してワンタイムIDを生成及び表示させ、表示された簡単なワンタイムIDをSSの従業員に提示するだけで、ユーザの会員登録やクーポン情報の特定及び認証を行うことができる。
したがって、SSの従業員は、アプリ会員等を特定するためにユーザからスマートフォンを預かる必要はなく、従業員がスマートフォンを落としたり傷つけたりする危険性は一切なく、従業員がユーザのスマートフォンを手で触るようなことも不要となる。
【0069】
このため、本システム1によれば、特に、会員認証や決済処理を行うPOS端末が、ユーザに対して給油が行われる給油レーンから離れた事務所等に設置されるフルサービスのSSにおいて、ユーザが従業員にスマートフォンを見せるだけで、簡易かつ迅速に、会員認証やクーポン利用の処理等のサービスの提供を実現することができる。
これによって、給油サービスを行うSSは、スマホアプリを介した各種割引サービスの提供や、ユーザの囲い込み、顧客情報の収集や管理等が容易かつ迅速に行えるようになり、給油サービスを受けるユーザも、フルSSにおける給油サービスやクーポン利用サービスを、スマホアプリを介して簡便に利用し享受することが可能となる。
したがって、本システム1によれば、フルSSとユーザの双方にとって、メリットの大きい魅力的な給油サービスを支援し実現することができる。
【0070】
次に、
図11~
図14を参照して、本システム1の更に他の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態においては、本システム1に、決済方法(支払い方法)がアプリ会員IDに関連付けて事前に登録されているとする。決済方法は、どのような形態であってもよいが、本実施形態においては、クレジットカードを用いた決済を行うことが決済情報として登録されているとして説明を行う。
図11は、本システム1における各部の構成を示す機能ブロック図である。なお、
図2に示した機能と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態においては、
図11に示す通り、サーバ10が、処理部19をさらに含み、店舗端末40が、決済部45をさらに含む。また、サーバ10の記憶部20には、決済管理DB23がさらに格納されている。
決済管理DB23は、
図12に示す通り、アプリ会員IDと、決済情報とが関連付けて格納されたデータベースである。決済情報とは、ユーザの決済に用いる情報である。決済情報は、例えば、決済用IDと、決済用トークンとを含む。決済用トークンとは、ユーザの決済に使用可能な情報であり、例えばクレジットカード番号をトークン化した情報である。決済用IDとは、クレジットカードの所有者を識別するIDである。決済情報は、クレジット番号そのものを含んでもよいし、クレジットカード番号を暗号化した情報を含んでもよい。また、決済情報は、クレジットカードの使用期限などを含んでもよい。
【0071】
処理部19は、決済情報に基づいて、ユーザの決済に関する認証を行う。具体的には、処理部19は、クレジットカードの認証を行う外部の認証サーバ(不図示)に対して、決済情報を送信することで、当該クレジットカードの認証処理を行う。クレジットカードの認証については一般的な方法で行われるため、詳細な説明を省略する。この認証時に、サーバ10と店舗端末40とは、必要な情報の送受信を行ってもよい。そして、抽出部12は、決済に関する認証結果を、特典情報送信部15を介して、店舗端末40に送信する。ここで、決済に関する認証結果とは、決済情報に含まれる決済用トークンを外部の認証サーバに送信することで、当該決済用トークンによって特定される決済情報の認証の結果を示す。
決済部45は、決済情報を用いて、決済を行う手段である。具体的には、決済部45は、認証結果が、認証済であることを示す場合に、決済情報に基づいた決済を行う。
【0072】
図13は、本実施形態における本システム1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13は、
図5のステップS510までの処理の終了後の処理である。なお、
図13の処理のうち、
図5と同じ処理については同じ符号を付す。
図13におけるステップS511~ステップS514は、
図5と同様の処理である。
ステップS514における判定結果において、上述と同じように、拠点番号が一致し、ワンタイムIDが一致する場合に、サーバ10の抽出部12は、当該ワンタイムIDに関連付けて記憶されたアプリ会員IDを用いて、決済管理DB23を参照し、当該アプリ会員IDに関連付けられた決済情報を抽出する(ステップS1301)。具体的には、サーバ10は、決済管理DB23におけるアプリ会員IDに紐づいた決済用トークンを抽出する。
【0073】
その後、サーバ10のワンタイムID送信部14は、ステップS508でワンタイムIDを送信したユーザ端末30に、登録されている内容で決済を行ってよいか否かの問い合わせを送信する(ステップS1302)。そして、ユーザ端末30の受信部34はこの問い合わせを受信する(ステップS1303)。この問い合わせは、ユーザ端末30の表示部33に、決済を行ってよいか否かのメッセージとともに、例えば「承認」ボタンのような、入力可能なオブジェクトを表示させる情報を含む。ユーザによって、決済を行ってよいことを示す指示(例えば、「承認」ボタンの押下)がなされると、ユーザ端末30の受付部31はその指示を受け付け(ステップS1304)、送信部32は上記問い合わせの応答として、入力された指示をサーバ10に送信する(ステップS1305)。
【0074】
サーバ10のユーザ情報受信部11は、問い合わせの応答を受信する(ステップS1306)。
そして、サーバ10の処理部19は、上記応答が決済を行ってよいことを示す場合に、抽出した決済用トークンを用いて、認証を行うサーバ(不図示)に対して、決済に関する認証を請求することで認証処理を行う(ステップS1307)。 そして、認証結果が認証済であることを示す場合に、ステップS515と同様に、抽出部12が特典情報を抽出する。
【0075】
次に、サーバ10の特典情報送信部15は、(1)決済に関する認証結果、及び(2)抽出した特典情報を、アプリ会員IDを送信した店舗端末40に送信する(ステップS1308)。
店舗端末40の受信部44は、サーバ10から送信された認証結果及び特典情報を受信する(ステップS1309)。そして、店舗端末40の決済部45が、受信した認証結果及び特典情報を用いて、決済処理を実行する(ステップS1310)。
【0076】
以上のようにして、本システム1によれば、
図5に示すように、ユーザが自ら操作するユーザ端末30において要求及び表示されるワンタイムIDによって、サーバ10は、ユーザの会員登録やクーポン情報の特定のみならず、事前に登録された決済情報で決済を行うことができる。そして、SSの従業員は、ユーザから提示される2桁から4桁の数字を記憶し、店舗端末40に入力するだけで、決済処理を実行することができる。
したがって、SSの従業員は、ユーザからスマートフォンなどを預かることなく、ユーザのアプリ会員認証やクーポン利用、更に、決済を、簡易かつ迅速に実行することができる。
また、サーバ10がワンタイムIDを送信したユーザ端末30から、決済を行ってよいことを示す指示があった場合にのみ決済を行うことにより、セキュリティを高めることができる。例えば、ワンタイムIDを送信されたユーザ端末30を保有するユーザとは異なる他のユーザが、自身のユーザ端末30に表示されたワンタイムIDを読み間違えた場合や、第三者が想定で数字を従業員に伝えた場合において、この読み間違えたワンタイムIDや想定した数字が、上記ユーザのユーザ端末30に表示されたワンタイムIDと一致してしまった場合であっても、ワンタイムIDが送信されたユーザ端末30に問い合わせを行うことにより、決済情報が登録されたユーザ以外の人物が当該決済情報を使った決済を行えないようにすることできる。
【0077】
なお、本実施形態において説明した、事前に登録された決済情報については、使用の可否を、事前にユーザによって選択できるように構成されていてもよい。
図14は、ユーザ端末30の表示画面の一例を示す図である。ユーザ端末30は、例えば、
図6(a)に示すようなホーム画面の代わりに、
図14に示すようなホーム画面を表示してもよい。
図14において、領域901は、ユーザ端末30への入力操作に応じて、事前に登録した決済情報を利用するか否かを切り替えることが可能な切り替えボタン902と、ユーザによる選択結果を示した領域903とを含む。
図14の例においては、切り替えボタン902の位置が「利用する」側にある場合、領域903には、利用することを示すメッセージが表示される。
【0078】
図14に示すように、事前に登録された決済情報の使用の可否を示す情報(使用可否情報)が選択可能である場合、ユーザ端末30は、ステップS504において、ユーザ送信情報に、当該使用可否情報を含めて送信する。そして、ユーザ送信情報を受信したサーバ10は、生成したワンタイムIDに関連付けて、使用可否情報をワンタイムID管理DB22又は記憶部20の記憶領域に格納する。
その後、サーバ10は、ステップS514又はステップS818において、上述した拠点番号が一致し、ワンタイムIDが一致するかの判定に加え、当該一致したワンタイムIDに関連付けて格納されている使用可否情報が、決済情報を使用することを示すことを判定する。使用可否情報が決済情報を使用しないことを示す場合には、本システム1は、
図5のステップS515以降の処理又は
図8のステップS819以降の処理に進む。使用可否情報が決済情報を使用することを示す場合には、本システム1は、
図13のステップS1301以降の処理に進む。
【0079】
以上のように、決済情報が事前に登録された場合であっても、例えば、ユーザが登録したクレジットカードとは異なるクレジットカードを用いた決済を行いたい場合や、現金で決済を行いたい場合には、本システム1によれば、簡単な動作で決済方法を変えることができる。このような仕組みにより、本システム1は、ユーザに対して、より操作性や利便性に優れた給油サービスを実現することができる。
【0080】
なお、ワンタイムIDは、2桁から4桁の文字列であることについて、説明を行ったが、セキュリティを高めるためには、桁数や文字種は多い方が好ましい。一方で、複雑且つ長い文字列の場合、入力ミスなどが発生する可能性もあるため、サーバ10は、セキュリティの必要性に応じて、文字列の長さ及び文字種は決定してもよい。例えば、アプリ会員IDに決済情報が関連付けられていない場合や決済情報を用いないとユーザによって指定された場合、生成部16は、3桁の数字からなるワンタイムIDを生成し、決済情報を用いるとユーザに指定された場合は4桁の数字からなるワンタイムIDを生成してもよい。
この場合において、サーバ10は、ステップS514又はステップS818において、上述した拠点番号が一致し、ワンタイムIDが一致するかの判定に加え、ワンタイムIDの桁数で、決済情報を使用することを判定してもよい。これにより、使用可否情報を記憶部20に記憶する必要がなくなるため、サーバ10は記憶部20へのアクセスを減らすことができ、処理速度を速めることができる。
【0081】
以上、本発明について好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、本開示が対象とするSSとして、従業員が給油作業等を行うフルSSを例にとって説明したが、給油をユーザが行うセルフ給油所を備えるSSに本開示を適用することも勿論可能である。
例えば、スマホアプリを用いた給油を、セルフSSで行う場合において、店舗端末40が、アプリ上に表示されたコードを正常に読み取ることができない場合に、本システム1のワンタイムIDを用いて、コードを読み取らせた場合と同様の処理が行われるようにしてもよい。
アプリ上に表示されたコードを正常に読み取ることができない場合とは、例えば、スマートフォンの画面が割れていたり、汚れていたりした場合である。また、アプリ上に表示されたコードを正常に読み取ることができない場合とは、店舗端末40のコードを読み取るコードリーダに不具合が生じている場合である。
【0082】
このような場合、ユーザが、アプリ上に表示されたコードを用いて利用するサービスと同様のサービスを受けるためには、特典を受けるための別のアプリや会員証、決済を行うための別のアプリや媒体を起動又は取り出す必要がある。このような状態にいて、給油サービスを受ける場合に、複数の操作を行うことや媒体を取り出すことはとても煩雑であり、場合によってはスマートフォンや会員証などの落下を招く場合もある。
しかしながら、本システム1の利用により、同じアプリ画面上の簡単な操作によって、コードを読み取らせた場合と同様のサービスをユーザに提供することができる。これにより、特典を受けるための別のアプリや会員証、決済を行うための別のアプリや媒体を起動又は取り出すことなく、本システム1によれば、簡易かつ迅速に、会員認証やクーポン利用の処理を実行することができる。
【0083】
また、本開示は、スマホアプリを介して会員認証や特典付与サービスを行う場合に、スマートフォンとスマホアプリの画面を読み取る端末装置とが離れた場所に位置する状況又は環境であれば、SS以外の業務又は業態に適用することもでき、適用対象はSSのみに限定されるものではない。
また、本実施の形態においては、ユーザがクーポンを選択することを例に説明を行ったが、クーポンの選択を行わなくてもよい。例えば、アプリ会員IDに関連付けて記憶されたクーポンの情報を抽出部12が抽出し、決済の際に自動的に適用してもよい。また、ユーザが利用可能なクーポンが複数ある場合は、特典情報送信部15が、複数のクーポンに関する情報を送信し、店舗端末40に対する操作で選択された1又は複数のクーポンを決済に適用してもよい。
また、本システム1は、複数の情報処理装置で構成することを例に説明を行ったが、単一の情報処理装置(例えば一台のパーソナルコンピュータ等)で構成することもできる。
【符号の説明】
【0084】
1 ワンタイムID提供システム
10 サーバ
11 ユーザ情報受信部(第1受信部)
12 抽出部
13 特定部
14 ワンタイムID送信部(第1送信部)
15 特典情報送信部(第2送信部)
16 生成部
17 店舗情報受信部(第2受信部)
18 判定部
20 記憶部
21 顧客DB
22 ワンタイムID管理DB
30 ユーザ端末
40 店舗端末