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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185240
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】基板処理方法及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20221207BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20221207BHJP
【FI】
H01L21/306 R
H01L21/304 643A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092774
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153969
【弁理士】
【氏名又は名称】松澤 寿昭
(72)【発明者】
【氏名】藤田 陽
【テーマコード(参考)】
5F043
5F157
【Fターム(参考)】
5F043DD13
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE40
5F043GG10
5F157AA93
5F157AB13
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB44
5F157CD05
5F157CD08
5F157CE25
5F157CF42
5F157DB02
5F157DB38
(57)【要約】
【課題】本開示は、基板へのパーティクルの発生を抑制することが可能な基板処理方法及び基板処理装置を説明する。
【解決手段】基板処理方法は、基板を回転させつつ、薬液供給部のノズルから薬液を基板の表面に供給して、基板を処理することを含む基板処理方法であって、薬液供給部の流路内における薬液中に発生した気泡を検出する第1の工程と、第1の工程で検出された薬液中の気泡がノズルから排出される排出時期を取得する第2の工程と、排出時期に基づいて基板に対するノズルの位置を変更する第3の工程とを含む。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を回転させつつ、薬液供給部のノズルから薬液を前記基板の表面に供給して、前記基板を処理することを含む基板処理方法であって、
前記薬液供給部の流路内における前記薬液中に発生した気泡を検出する第1の工程と、
前記第1の工程で検出された前記薬液中の気泡が前記ノズルから排出される排出時期を取得する第2の工程と、
前記排出時期に基づいて前記基板に対する前記ノズルの位置を変更する第3の工程とを含む、基板処理方法。
【請求項2】
前記第1の工程の前に、前記薬液供給部の前記流路に設けられた気泡滞留部に前記薬液中の気泡を滞留させる第4の工程をさらに含み、
前記第1の工程は、前記気泡滞留部に滞留した気泡を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記気泡滞留部は、前記流路における前記薬液の流通を許容する開状態と、前記流路における前記薬液の流通を妨げる閉状態との間で動作するバルブの内部空間に設けられている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の工程は、前記薬液と共に前記薬液中の気泡が前記ノズルから排出されるときの、前記流路内の薬液の流量変動又は前記ノズルからの前記薬液の吐出状態の変化を検出することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の工程は、前記流路内における前記薬液中の気泡を撮像することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基板を処理することは、前記ノズルから前記薬液を前記基板の周縁部に供給して、前記周縁部を処理することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記薬液は、発泡性を有する薬液又は液中に気体が溶存している薬液である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第3の工程は、前記ノズルから前記基板に前記薬液を供給している途中に前記排出時期となった場合、前記ノズルを前記基板の径方向外方に一時的に移動させることを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第3の工程は、前記ノズルから前記基板に前記薬液を供給している途中に前記排出時期となった場合、前記ノズルを前記基板の外側に一時的に移動させることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第3の工程は、前記ノズルから前記基板に前記薬液を供給している途中に前記排出時期となった場合、前記ノズルを前記基板の外側に一時的に移動させると共に、リンス液供給部のリンスノズルからリンス液を前記基板の表面に一時的に供給することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第3の工程は、前記排出時期となるまで前記ノズルから前記薬液を前記基板の外側において吐出した後に、前記ノズルから前記薬液を吐出したままの状態で前記ノズルを前記基板の上方に移動させ、前記ノズルから前記薬液を前記基板の表面に供給することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第3の工程は、前記排出時期となるまで前記ノズルから前記薬液を第1の流量で前記基板の外側において吐出した後に、前記ノズルから前記薬液を吐出したままの状態で、前記ノズルを前記基板の上方に移動させ、前記ノズルから前記薬液を前記第1の流量よりも小さい第2の流量で前記基板の表面に供給することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第3の工程は、
前記排出時期に基づいて前記基板に対する前記ノズルの位置を変更する動作手順を示す複数の動作シーケンスのうちから、前記基板の処理条件に応じて一つの動作シーケンスを選択することと、
選択した前記一つの動作シーケンスに基づいて、前記基板に対する前記ノズルの位置を変更することとを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
基板の回転中に基板の表面に供給される薬液によって基板を処理するように構成された基板処理装置であって、
流路を通じてノズルから前記薬液を供給するように構成された薬液供給部と、
前記流路内における前記薬液中に発生した気泡を検出するように構成された検出部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記検出部で検出された前記薬液中の気泡が前記ノズルから排出される排出時期を取得する第1の処理と、
前記排出時期に基づいて前記基板に対する前記ノズルの位置を変更する第2の処理とを実行するように構成されている、基板処理装置。
【請求項15】
前記薬液供給部は、前記流路に設けられており、前記ノズルからの前記薬液の吐出停止中に前記薬液中の気泡を滞留させるように構成された気泡滞留部を含み、
前記検出部は、前記気泡滞留部に滞留した気泡を検出することを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記薬液は、発泡性を有する薬液又は液中に気体が溶存している薬液である、請求項14又は15に記載の装置。
【請求項17】
前記第2の処理は、前記ノズルから前記基板に前記薬液を供給している途中に前記排出時期となった場合、前記ノズルを前記基板の径方向外方に移動させることを含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記第2の処理は、前記ノズルから前記基板に前記薬液を供給している途中に前記排出時期となった場合、前記ノズルを前記基板の外側に移動させることを含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
リンスノズルからリンス液を供給するように構成されたリンス液供給部をさらに備え、
前記第2の処理は、前記ノズルから前記基板に前記薬液を供給している途中に前記排出時期となった場合、前記ノズルを前記基板の外側に移動させると共に、前記リンスノズルからリンス液を前記基板の表面に供給することを含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記第2の処理は、前記排出時期となるまで前記ノズルから前記薬液を前記基板の外側において吐出した後に、前記ノズルから前記薬液を吐出したままの状態で前記ノズルを前記基板の上方に移動させ、前記ノズルから前記薬液を前記基板の表面に供給することを含む、請求項14~16のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理方法及び基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、基板の表面に形成された自然酸化膜のうち、基板の周縁部に位置する部分に対して、フッ酸などの薬液を供給し、当該膜をエッチング処理によって除去する基板処理方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-040958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板へのパーティクルの発生を抑制することが可能な基板処理方法及び基板処理装置を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
基板処理方法の一例は、基板を回転させつつ、薬液供給部のノズルから薬液を基板の表面に供給して、基板を処理することを含む基板処理方法であって、薬液供給部の流路内における薬液中に発生した気泡を検出する第1の工程と、第1の工程で検出された薬液中の気泡がノズルから排出される排出時期を取得する第2の工程と、排出時期に基づいて基板に対するノズルの位置を変更する第3の工程とを含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る基板処理方法及び基板処理装置によれば、基板へのパーティクルの発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、基板処理システムの一例を模式的に示す平面図である。
図2図2は、処理ユニットの一例を模式的に示す側面図である。
図3図3は、基板の処理時間と、ノズルからのエッチング液の吐出流量との関係の一例を示す図である。
図4図4は、基板処理システムの主要部の一例を示すブロック図である。
図5図5は、コントローラのハードウェア構成の一例を示す概略図である。
図6図6(a)は、動作シーケンス1における各液の流量の時間変化を示す図であり、図6(b)は、動作シーケンス1における各ノズルの位置の時間変化を示す図である。
図7図7は、動作シーケンス1による基板の処理手順の例を説明するための断面図である。
図8図8は、パーティクル発生区間の例を説明するための図である。
図9図9(a)は、動作シーケンス2における各液の流量の時間変化を示す図であり、図9(b)は、動作シーケンス2における各ノズルの位置の時間変化を示す図である。
図10図10は、動作シーケンス2による基板の処理手順の例を説明するための断面図である。
図11図11(a)は、動作シーケンス3における各液の流量の時間変化を示す図であり、図11(b)は、動作シーケンス3における各ノズルの位置の時間変化を示す図である。
図12図12は、動作シーケンス3による基板の処理手順の例を説明するための断面図である。
図13図13(a)は、動作シーケンス4における各液の流量の時間変化を示す図であり、図13(b)は、動作シーケンス4における各ノズルの位置の時間変化を示す図である。
図14図14は、動作シーケンス4による基板の処理手順の例を説明するための断面図である。
図15図15(a)は、動作シーケンス5における各液の流量の時間変化を示す図であり、図15(b)は、動作シーケンス5における各ノズルの位置の時間変化を示す図である。
図16図16は、動作シーケンス5による基板の処理手順の例を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。なお、本明細書において、図の上、下、右、左というときは、図中の符号の向きを基準とすることとする。
【0009】
[基板処理システム]
まず、図1を参照して、基板Wを処理するように構成された基板処理システム1(基板処理装置)について説明する。基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3と、コントローラCtr(制御部)とを備える。搬入出ステーション2及び処理ステーション3は、例えば水平方向に一列に並んでいてもよい。
【0010】
基板Wは、円板状を呈してもよいし、多角形など円形以外の板状を呈していてもよい。基板Wは、一部が切り欠かれた切欠部を有していてもよい。切欠部は、例えば、ノッチ(U字形、V字形等の溝)であってもよいし、直線状に延びる直線部(いわゆる、オリエンテーション・フラット)であってもよい。基板Wは、例えば、半導体基板(シリコンウエハ)、ガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)基板その他の各種基板であってもよい。基板Wの直径は、例えば200mm~450mm程度であってもよい。
【0011】
搬入出ステーション2は、載置部4と、搬入搬出部5と、棚ユニット6とを含む。載置部4は、幅方向(図1の上下方向)において並ぶ複数の載置台(図示せず)を含んでいる。各載置台は、キャリア7(収容容器)を載置可能に構成されている。キャリア7は、少なくとも一つの基板Wを密封状態で収容するように構成されている。キャリア7は、基板Wを出し入れするための開閉扉(図示せず)を含む。
【0012】
搬入搬出部5は、搬入出ステーション2及び処理ステーション3が並ぶ方向(図1の左右方向)において、載置部4に隣接して配置されている。搬入搬出部5は、載置部4に対応して設けられた開閉扉(図示せず)を含む。載置部4上にキャリア7が載置された状態で、キャリア7の開閉扉と搬入搬出部5の開閉扉とが共に開放されることで、搬入搬出部5内とキャリア7内とが連通する。
【0013】
搬入搬出部5は、搬送アームA1及び棚ユニット6を内蔵している。搬送アームA1は、搬入搬出部5の幅方向(図1の上下方向)における水平移動と、鉛直方向における上下動と、鉛直軸周りにおける旋回動作とが可能に構成されている。搬送アームA1は、キャリア7から基板Wを取り出して棚ユニット6に渡し、また、棚ユニット6から基板Wを受け取ってキャリア7内に戻すように構成されている。棚ユニット6は、処理ステーション3の近傍に位置しており、搬入搬出部5と処理ステーション3との間での基板Wの受け渡しを仲介するように構成されている。
【0014】
処理ステーション3は、搬送部8と、複数の処理ユニット10とを含む。搬送部8は、例えば、搬入出ステーション2及び処理ステーション3が並ぶ方向(図1の左右方向)において水平に延びている。搬送部8は、搬送アームA2を内蔵している。搬送アームA2は、搬送部8の長手方向(図1の左右方向)における水平移動と、鉛直方向における上下動と、鉛直軸周りにおける旋回動作とが可能に構成されている。搬送アームA2は、棚ユニット6から基板Wを取り出して各処理ユニット10に渡し、また、各処理ユニット10から基板Wを受け取って棚ユニット6内に戻すように構成されている。
【0015】
複数の処理ユニット10は、搬送部8の両側のそれぞれにおいて、搬送部8の長手方向(図1の左右方向)に沿って一列に並ぶように配置されている。処理ユニット10は、基板Wに所定の処理(例えば、基板Wの洗浄処理、基板Wの表面Waに形成されている膜Fのエッチング処理など)を行うように構成されている。処理ユニット10の詳細については、後述する。
【0016】
コントローラCtrは、基板処理システム1を部分的又は全体的に制御するように構成されている。コントローラCtrの詳細については後述する。
【0017】
[処理ユニット]
続いて、図2を参照して、処理ユニット10について詳しく説明する。処理ユニット10は、回転保持部20と、薬液供給部30と、リンス液供給部40と、撮像部50(検出部)とを備える。
【0018】
回転保持部20は、回転部21と、シャフト22と、保持部23とを含む。回転部21は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、シャフト22を回転させるように構成されている。回転部21は、例えば電動モータ等の動力源であってもよい。
【0019】
保持部23は、シャフト22の先端部に設けられている。保持部23は、例えば吸着等により、基板Wの裏面Wbを吸着保持するように構成されている。すなわち、回転保持部20は、基板Wの姿勢が略水平の状態で、基板Wの表面Waに対して垂直な中心軸(回転軸)周りで基板Wを回転させるように構成されていてもよい。図2等に例示されるように、回転保持部20は、上方から見て時計回りに基板Wを回転させてもよい。なお、保持部23は、基板Wの裏面Wb全体を吸着保持するように構成されていてもよい。この場合、基板Wに反りなどがあっても、基板Wが略水平となるように矯正される。
【0020】
薬液供給部30は、基板Wにエッチング液L1を供給するように構成されている。エッチング液L1は、例えば、基板Wの表面Waの膜Fをエッチングするためのアルカリ性又は酸性の薬液を含む。アルカリ性の薬液は、例えば、SC-1液(アンモニア、過酸化水素及び純水の混合液)などを含む。酸性の薬液は、例えば、SC―2液(塩酸、過酸化水素水及び純水の混合液)、SPM(硫酸、過酸化水素水及び純水の混合液)などを含む。エッチング液L1が過酸化水素水を含む薬液である場合、時間経過に伴い過酸化水素水が分解して酸素が発生し、エッチング液L1内に気泡が生ずる。
【0021】
薬液供給部30は、ガス源31と、ポンプ32と、液源33と、タンク34と、流量計35(検出部)と、バルブ36(流路、気泡滞留部)と、ノズル37と、配管38(流路)と、駆動源39とを含む。ガス源31は、不活性ガス(例えば、窒素ガス)の供給源である。ポンプ32は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、ガス源31の不活性ガスをタンク34に送り出すように構成されている。
【0022】
液源33は、エッチング液L1の供給源である。タンク34は、液源33から供給されるエッチング液L1を一時的に貯留するように構成されている。タンク34内のエッチング液L1は、タンク34に供給された不活性ガスによって加圧され、タンク34に接続された配管38を通じてノズル37に送り出される。
【0023】
流量計35は、配管38を流れるエッチング液L1の流量を計測し、計測したデータをコントローラCtrに送信するように構成されている。流量計35は、例えば、流量計35の前後における流体の圧力差に基づいて流量を算出する差圧式流量計であってもよい。図3に例示されるように、ノズル37から気泡が排出される前後において、エッチング液L1の流量が微小に変動するので、流量計35によって当該変動を計測することにより、ノズル37からの気泡の排出を検出することができる。
【0024】
バルブ36は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、配管38における流体の流通を許容する開状態と、配管38における流体の流通を妨げる閉状態との間で遷移するように構成されている。薬液供給部30によるエッチング液L1の供給が停止している場合、バルブ36及び配管38内に滞留しているエッチング液L1内に気泡が生じて、バルブ36内の空間(気泡滞留部)に気泡が捕集され滞留する。
【0025】
ノズル37は、吐出口37aが基板Wの表面Waに向かうように基板Wの上方に配置されている。ノズル37は、タンク34から送り出されたエッチング液L1を、吐出口37aから基板Wの周縁部Wcに向けて吐出するように構成されている。基板Wは回転保持部20によって回転しているので、周縁部Wcに吐出されたエッチング液L1は、基板Wの全周にわたって周縁部Wcに拡がりつつ、基板Wの周縁から外方に振り切られる。
【0026】
配管38は、上流側から順に、タンク34、流量計35、バルブ36及びノズル37を接続している。駆動源39は、ノズル37に対して直接的又は間接的に接続されている。駆動源39は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、基板Wの上方において、水平方向又は鉛直方向に沿ってノズル37を移動させるように構成されている。
【0027】
リンス液供給部40は、基板Wにリンス液L2を供給するように構成されている。リンス液L2は、例えば、基板Wの表面Waに供給されたエッチング液L1、エッチング液L1による膜Fの溶解成分(残渣)などを、基板Wから除去する(洗い流す)ための液である。リンス液L2は、例えば、純水(DIW:deionized water)、オゾン水、炭酸水(CO水)、アンモニア水などを含む。
【0028】
リンス液供給部40は、液源41と、ポンプ42と、バルブ43と、ノズル44(リンスノズル)と、配管45と、駆動源46とを含む。液源41は、リンス液L2の供給源である。ポンプ42は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、液源41から吸引したリンス液L2を、配管45及びバルブ43を介してノズル44に送り出すように構成されている。
【0029】
バルブ43は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、配管45における流体の流通を許容する開状態と、配管45における流体の流通を妨げる閉状態との間で遷移するように構成されている。ノズル44は、吐出口44aが基板Wの表面Waに向かうように基板Wの上方に配置されている。ノズル44は、ノズル37と同様に、ポンプ42から送り出されたリンス液L2を、吐出口44aから基板Wの周縁部Wcに向けて吐出するように構成されている。基板W上のエッチング液L1や残渣などをリンス液L2で洗い流すために、基板Wにおけるリンス液L2の着液点は、エッチング液L1の着液点よりも基板Wの中心側に設定される。基板Wは回転保持部20によって回転しているので、周縁部Wcに吐出されたリンス液L2は、エッチング液L1と同様に、基板Wの全周にわたって周縁部Wcに拡がりつつ、基板Wの周縁から外方に振り切られる。
【0030】
配管45は、上流側から順に、液源41、ポンプ42、バルブ43及びノズル44を接続している。駆動源46は、ノズル44に対して直接的又は間接的に接続されている。駆動源46は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、基板Wの上方において、水平方向又は鉛直方向に沿ってノズル44を移動させるように構成されている。
【0031】
撮像部50は、コントローラCtrからの動作信号に基づいて動作し、ノズル37からのエッチング液L1の吐出状態を撮像するように構成されている。ノズル37から気泡が排出されると、その瞬間にノズル37からのエッチング液L1の吐出が間欠的となるので、撮像部50によってエッチング液L1の間欠吐出を画像認識することにより、ノズル37からの気泡の排出を検出することができる。撮像部50は、撮像画像をコントローラCtrに送信するように構成されている。撮像部50は、例えば、CCDカメラ、COMSカメラなどであってもよい。撮像部50の設置箇所は、処理ユニット10内であれば特に制限されない。
【0032】
[コントローラの詳細]
コントローラCtrは、図4に示されるように、機能モジュールとして、読取部M1と、記憶部M2と、処理部M3と、指示部M4とを有する。これらの機能モジュールは、コントローラCtrの機能を便宜上複数のモジュールに区切ったものに過ぎず、コントローラCtrを構成するハードウェアがこのようなモジュールに分かれていることを必ずしも意味するものではない。各機能モジュールは、プログラムの実行により実現されるものに限られず、専用の電気回路(例えば論理回路)、又は、これを集積した集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)により実現されるものであってもよい。
【0033】
読取部M1は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体RMからプログラムを読み取るように構成されている。記録媒体RMは、処理ユニット10を含む基板処理システム1の各部を動作させるためのプログラムを記録している。記録媒体RMは、例えば、半導体メモリ、光記録ディスク、磁気記録ディスク、光磁気記録ディスクであってもよい。なお、以下では、基板処理システム1の各部は、回転保持部20、薬液供給部30、リンス液供給部40及び撮像部50を含みうる。
【0034】
記憶部M2は、種々のデータを記憶するように構成されている。記憶部M2は、例えば、読取部M1において記録媒体RMから読み出したプログラム、外部入力装置(図示せず)を介してオペレータから入力された設定データなどを記憶してもよい。記憶部M2は、撮像部50によって撮像された撮像画像のデータを記憶してもよい。記憶部M2は、基板Wの処理のための処理条件(例えば、エッチング液L1の種類、濃度、吐出流量、温度など)を記憶してもよい。記憶部M2は、基板処理時における各部の動作手順を示す複数の動作シーケンスを記憶していてもよい。動作シーケンスは、例えば、ノズル37,44の位置の時間変化や、エッチング液L1及びリンス液L2の供給流量の時間変化を含んでいてもよい。
【0035】
処理部M3は、各種データを処理するように構成されている。処理部M3は、例えば、記憶部M2に記憶されている各種データに基づいて、基板処理システム1の各部を動作させるための信号を生成してもよい。
【0036】
指示部M4は、処理部M3において生成された動作信号を、基板処理システム1の各部に送信するように構成されている。
【0037】
コントローラCtrのハードウェアは、例えば一つ又は複数の制御用のコンピュータにより構成されていてもよい。コントローラCtrは、図5に示されるように、ハードウェア上の構成として回路C1を含んでいてもよい。回路C1は、電気回路要素(circuitry)で構成されていてもよい。回路C1は、例えば、プロセッサC2と、メモリC3と、ストレージC4と、ドライバC5と、入出力ポートC6とを含んでいてもよい。
【0038】
プロセッサC2は、メモリC3及びストレージC4の少なくとも一方と協働してプログラムを実行し、入出力ポートC6を介した信号の入出力を実行することで、上述した各機能モジュールを実現するように構成されていてもよい。メモリC3及びストレージC4は、記憶部M2として機能してもよい。ドライバC5は、基板処理システム1の各部をそれぞれ駆動するように構成された回路であってもよい。入出力ポートC6は、ドライバC5と基板処理システム1の各部との間で、信号の入出力を仲介するように構成されていてもよい。
【0039】
基板処理システム1は、一つのコントローラCtrを備えていてもよいし、複数のコントローラCtrで構成されるコントローラ群(制御部)を備えていてもよい。基板処理システム1がコントローラ群を備えている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコントローラCtrによって実現されていてもよいし、2個以上のコントローラCtrの組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラCtrが複数のコンピュータ(回路C1)で構成されている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコンピュータ(回路C1)によって実現されていてもよいし、2つ以上のコンピュータ(回路C1)の組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラCtrは、複数のプロセッサC2を有していてもよい。この場合、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのプロセッサC2によって実現されていてもよいし、2つ以上のプロセッサC2の組み合わせによって実現されていてもよい。
【0040】
[動作シーケンス]
ここで、図6図16を参照して、基板Wの周縁部Wcにおける膜Fをエッチングするための薬液供給部30及びリンス液供給部40の動作シーケンスの例について説明する。以下で説明する動作シーケンスは、あくまで一例であり、これらに限定されるものではない。
【0041】
(1)動作シーケンス1
図6及び図7を参照して、動作シーケンス1について説明する。動作シーケンス1は、ノズル37からの気泡の排出がない状況で採用されることを想定している。
【0042】
まず、回転保持部20が基板Wを回転させている状態で、コントローラCtrが薬液供給部30を制御して、基板Wの外側に位置しているノズル37からエッチング液L1を吐出させる。このときのエッチング液L1の流量は、図6(a)に例示されるように、5ml/min~50ml/min程度であってもよい。なお、図6(b)の縦軸において、基板Wの外周縁から基板Wの中心に向かう側を正とし、基板Wの外周縁から基板Wの径方向外方に向かう側を負としている(図9図11図13及び図15においても同様である。)。
【0043】
次に、コントローラCtrが薬液供給部30を制御して、ノズル37からエッチング液L1を吐出させたままの状態で、ノズル37を基板Wの表面Waの上方に位置させる(図7(a)参照)。これにより、基板Wの周縁部Wcにエッチング液L1が供給され、膜Fのうち基板Wの周縁部Wcに配置されている部分(周縁部分)がエッチング液L1によりエッチングされる。
【0044】
所定時間(例えば、基板Wにエッチング液L1が供給されてから3秒~300秒程度)が経過し、膜Fの周縁部分のエッチングが完了すると、コントローラCtrが薬液供給部30を制御して、ノズル37を基板Wの外側に移動させ、ノズル37からのエッチング液L1の吐出を停止させる。これと略同時期に、コントローラCtrがリンス液供給部40を制御して、基板Wの外側に位置しているノズル44からリンス液L2を吐出させる。このときのリンス液L2の流量は、図6(a)に例示されるように、5ml/min~50ml/min程度であってもよい。
【0045】
次に、コントローラCtrがリンス液供給部40を制御して、ノズル44からリンス液L2を吐出させたままの状態で、ノズル44を基板Wの表面Waの上方に位置させる(図7(b)参照)。この場合、ノズル44からのリンス液L2の供給位置は、ノズル37からのエッチング液L1の供給位置よりも基板Wの中心側であってもよい。これにより、基板Wの周縁部Wcに対してリンス液L2が供給され、基板W上のエッチング液L1や、エッチングによって発生した残渣などがリンス液L2によって洗い流される。
【0046】
所定時間が経過し、基板Wのリンスが完了すると、コントローラCtrがリンス液供給部40を制御して、ノズル44を基板Wの外側に移動させ、ノズル44からのリンス液L2の吐出を停止させる(図7(c)参照)。以上により、動作シーケンス1による基板処理が完了する。
【0047】
動作シーケンス1では、ノズル37からの気泡の排出がない場合を想定していたが、ノズル37から気泡が排出されるときに、動作シーケンス1が採用されると、基板Wの表面にパーティクルが生じてしまうことがある。そのメカニズムは、次のとおりであると推測される。すなわち、エッチング液L1中の気泡がノズル37から排出されると、例えば、ノズル37の吐出口37a前後における圧力差により気泡が吐出口37aから排出された直後に破裂したり、気泡が基板Wの表面に衝突して破裂したり、吐出口37aから気泡が排出された瞬間にノズル37からのエッチング液L1の吐出が間欠的となり、ノズル37から再吐出されたエッチング液L1が勢いよく基板Wの表面Waに衝突したりすることがある。このとき、エッチング液L1が周囲に飛び散って、微小なエッチング液L1が基板Wの表面Waに付着することで、基板Wの表面Waにパーティクルが生じうるのである。
【0048】
そこで、本発明者が鋭意研究した結果、気泡に由来して生ずるパーティクルは、図8に例示されるように、エッチング液L1の吐出位置から径方向内方に向けて所定の区間内に集中しているとの知見を得た。このパーティクル集中区間は、例えば、エッチング液L1の吐出位置から径方向内方に向けて0.5mm~5mm程度であってもよいし、1mm~3mm程度であってもよいし、2mm程度であってもよい。なお、図8において、エッチング液L1の吐出位置から径方向内方に向けて一部の区間においては、パーティクル数が0と表示されている。これは、使用したパーティクル検出器の性能によるものであり、実際にはこれらの区間にもパーティクルが存在している。
【0049】
また、本発明者が鋭意研究した結果、バルブ36が開放されてから、バルブ36内の空間に滞留した気泡がノズル37から排出されるまでのタイミング(排出時期)は、バルブ36からノズル37の吐出口37aまでの容積と、エッチング液L1の流量とに基づいて決まるとの知見を得た。そのため、一例として、バルブ36を開放してから、流量計35によって流量の変動(図3参照)が検出されるまでの時間を予め測定することで、基板処理の前に排出時期を取得することができる。あるいは、一例として、バルブ36を開放してから、撮像部50によってエッチング液L1の間欠吐出が検出されるまでの時間を予め測定することで、基板処理の前に排出時期を取得することができる。以降の動作シーケンス2~5では、このようにして事前に取得した排出時間に基づいてノズル37,44の位置を変更することにより、ノズル37から気泡が排出された場合であっても基板Wの表面Waへのパーティクルの発生を抑制している。
【0050】
(2)動作シーケンス2
続いて、図9及び図10を参照して、動作シーケンス2について説明する。動作シーケンス2は、ノズル37からエッチング液L1を基板Wに供給している途中に、ノズル37を基板Wの径方向外方に一時的に移動させている点で、動作シーケンス1と相違している。以下では、動作シーケンス1と共通する説明については簡潔に述べることとする。
【0051】
まず、回転保持部20が基板Wを回転させている状態で、コントローラCtrが薬液供給部30を制御して、基板Wの外側に位置しているノズル37からエッチング液L1を吐出させる。次に、コントローラCtrが薬液供給部30を制御して、ノズル37からエッチング液L1を吐出させたままの状態で、ノズル37を基板Wの表面Waの上方に位置させる(図10(a)参照)。
【0052】
その後、気泡の排出時期に到達する前に、コントローラCtrが薬液供給部30を制御して、ノズル37を基板Wの径方向外方に移動させる。上述のとおり、気泡に由来して生ずるパーティクルは、エッチング液L1の吐出位置から径方向内方に向けて所定の区間内に集中することから、ノズル37が基板Wの径方向外方にパーティクル集中区間の大きさ以上の距離を移動してもよい。この場合、図9(b)及び図10(b)に例示されるように、エッチング液L1及び気泡が基板Wの外周縁近傍に供給されてもよい。ノズル37が径方向外方の位置に留まる時間は、ノズル37からの気泡の排出が排出時期からばらつくことを考慮して、例えば数秒程度(2秒~4秒程度)であってもよい。
【0053】
排出時期を経過すると、コントローラCtrが薬液供給部30を制御して、ノズル37を基板Wの径方向内方に移動させる(図10(c)参照)。このとき、ノズル37は、元の位置に移動してもよいし、元の位置から数mm程度ずれた位置に移動してもよい。その後、所定時間が経過し、膜Fの周縁部分のエッチングが完了すると、コントローラCtrが薬液供給部30を制御して、ノズル37を基板Wの外側に移動させ、ノズル37からのエッチング液L1の吐出を停止させる。これと略同時期に、コントローラCtrがリンス液供給部40を制御して、基板Wの外側に位置しているノズル44からリンス液L2を吐出させる。
【0054】
次に、コントローラCtrがリンス液供給部40を制御して、ノズル44からリンス液L2を吐出させたままの状態で、ノズル44を基板Wの表面Waの上方に位置させる(図10(d)参照)。この場合、ノズル44からのリンス液L2の供給位置は、ノズル37からのエッチング液L1の供給位置よりも基板Wの中心側であってもよい。所定時間が経過し、基板Wのリンスが完了すると、コントローラCtrがリンス液供給部40を制御して、ノズル44を基板Wの外側に移動させ、ノズル44からのリンス液L2の吐出を停止させる(図10(e)参照)。以上により、動作シーケンス2による基板処理が完了する。
【0055】
動作シーケンス2では、ノズル37が一時的に径方向外方に移動したときに、エッチング液L1及び気泡が基板Wの外周縁近傍に排出される。この場合、ノズル37の移動が最小限となる。加えて、エッチング液L1が周囲に飛び散っても、基板Wの外周縁近傍に対して微小なエッチング液L1が付着するにとどまる。そのため、排出時期が経過してノズル37が再び基板Wの径方向内方に移動することで、基板Wの外周縁に付着した微小なエッチング液L1が流される。したがって、ノズル37の移動による基板処理への影響を抑制しつつ、基板Wへのパーティクルの発生を抑制することが可能となる。なお、エッチング液L1の飛び散りをさらに抑制するため、ノズル37が一時的に径方向外方に移動したときのノズル37の位置は、エッチング液L1の着液点が基板Wの外周縁に重ならない位置であってもよい。
【0056】
(3)動作シーケンス3
続いて、図11及び図12を参照して、動作シーケンス3について説明する。動作シーケンス3は、ノズル37からエッチング液L1を基板Wに供給している途中に、ノズル37を基板Wの径方向外方に一時的に移動させる際のノズル37の位置の点で、動作シーケンス2と相違している。以下では、動作シーケンス2と共通する説明については簡潔に述べることとする。
【0057】
まず、動作シーケンス3において、ノズル37を基板Wの表面Waの上方に位置させる動作は、動作シーケンス2と同じである(図11及び図12(a)参照)。
【0058】
その後、気泡の排出時期に到達する前に、コントローラCtrが薬液供給部30を制御して、ノズル37を基板Wの径方向外方に移動させる(図12(b)参照)。このとき、ノズル37は、基板Wの外側まで移動すればよい。この場合、図12(b)及び図13(b)に例示されるように、エッチング液L1及び気泡が基板Wの外側に排出される。ノズル37が基板Wの外側に留まる時間は、ノズル37からの気泡の排出が排出時期からばらつくことを考慮して、例えば数秒程度(2秒~4秒程度)であってもよい。
【0059】
動作シーケンス3において、排出時期を経過した後の動作は、動作シーケンス2と同じである(図11及び図12(c)~(e)参照)。以上により、動作シーケンス3による基板処理が完了する。
【0060】
動作シーケンス3では、ノズル37が一時的に径方向外方に移動したときに、エッチング液L1及び気泡が基板Wの外側に排出される。そのため、基板Wに微小なエッチング液L1が付着することがない。したがって、基板Wへのパーティクルの発生を大きく抑制することが可能となる。
【0061】
(4)動作シーケンス4
続いて、図13及び図14を参照して、動作シーケンス4について説明する。動作シーケンス4は、ノズル37を基板Wの径方向外方に一時的に移動させるのと略同時期にリンス液L2を基板Wに供給する点で、動作シーケンス3と相違している。以下では、動作シーケンス3と共通する説明については簡潔に述べることとする。
【0062】
まず、動作シーケンス4において、ノズル37を基板Wの表面Waの上方に位置させる動作は、動作シーケンス3と同じである(図13及び図14(a)参照)。
【0063】
その後、気泡の排出時期に到達する前に、コントローラCtrが薬液供給部30を制御して、ノズル37からエッチング液L1を吐出したままの状態で、ノズル37を基板Wの径方向外方に移動させる(図14(b)参照)。これと略同時期に、コントローラCtrがリンス液供給部40を制御して、基板Wの外側に位置しているノズル44からリンス液L2を吐出させる。このときのエッチング液L1及びリンス液L2の流量は、図13(a)に例示されるように、それぞれ5ml/min~50ml/min程度であってもよい。
【0064】
次に、コントローラCtrがリンス液供給部40を制御して、ノズル44からリンス液L2を吐出させたままの状態で、ノズル44を基板Wの表面Waの上方に位置させる(図14(b)参照)。この場合、ノズル44からのリンス液L2の供給位置は、ノズル37からのエッチング液L1の供給位置よりも基板Wの中心側であってもよい。これにより、基板Wの周縁部Wcに対してリンス液L2が供給され、基板W上のエッチング液L1や、エッチングによって発生した残渣などがリンス液L2によって洗い流される。
【0065】
所定時間が経過すると、コントローラCtrがリンス液供給部40を制御して、ノズル44を基板Wの外側に移動させ、ノズル44からのリンス液L2の吐出を停止させる(図14(c)参照)。これと略同時期に、コントローラCtrが薬液供給部30を制御して、ノズル37からエッチング液L1を吐出させたままの状態で、ノズル37を基板Wの径方向内方に移動させる(図14(c)参照)。このとき、ノズル37は、元の位置に移動してもよいし、元の位置から数mm程度ずれた位置に移動してもよい。
【0066】
動作シーケンス4において、その後の動作は、動作シーケンス3と同じである(図13及び図14(d),(e)参照)。以上により、動作シーケンス4による基板処理が完了する。
【0067】
動作シーケンス4では、ノズル37が一時的に径方向外方に移動したときに、エッチング液L1及び気泡が基板Wの外側に排出される。そのため、基板Wに微小なエッチング液L1が付着することがない。したがって、基板Wへのパーティクルの発生を大きく抑制することが可能となる。加えて、動作シーケンス4では、ノズル37が一時的に径方向外方に移動したときに、基板Wの周縁部Wcにリンス液L2が一時的に供給される。そのため、基板Wの周縁部Wcに残渣などが存在していても、当該残渣などがリンス液L2によって流される。したがって、基板Wの清浄度をいっそう高めることが可能となる。
【0068】
(5)動作シーケンス5
続いて、図15及び図16を参照して、動作シーケンス5について説明する。動作シーケンス5は、処理の冒頭でエッチング液L1及び気泡を基板Wの外側に排出する点で、動作シーケンス1と相違している。以下では、動作シーケンス1と共通する説明については簡潔に述べることとする。
【0069】
まず、回転保持部20が基板Wを回転させている状態で、コントローラCtrが薬液供給部30を制御して、基板Wの外側に位置しているノズル37からエッチング液L1を吐出させる(図16(a)参照)。
【0070】
このときのエッチング液L1の流量は、後続の処理におけるエッチング液L1の流量と同程度であってもよいし、後続の処理におけるエッチング液L1の流量よりも大きくてもよい。このときのエッチング液L1の吐出時間は、排出時期を経過するまでであってもよく、ノズル37からの気泡の排出が排出時期からばらつくことを考慮して、排出時期よりも例えば数秒程度(2秒~4秒程度)長い時間であってもよい。
【0071】
動作シーケンス5において、その後の動作は、動作シーケンス1と同じである(図15及び図16(b)~(d)参照)。以上により、動作シーケンス5による基板処理が完了する。
【0072】
動作シーケンス5では、動作シーケンス3と同様に、エッチング液L1及び気泡が基板Wの外側に排出される。そのため、基板Wに微小なエッチング液L1が付着することがない。したがって、基板Wへのパーティクルの発生を大きく抑制することが可能となる。特に、ノズル37から気泡を排出する際のエッチング液L1の流量が、後続の処理におけるエッチング液L1の流量よりも大きい場合には、ノズル37からの気泡の排出が比較的短時間で実行される。そのため、効率的な基板処理を実現することが可能となる。
【0073】
[動作シーケンスの選択]
コントローラCtrの処理部M3は、記憶部M2に記憶されている基板Wの処理のための処理条件と、流量計35又は撮像部50を用いた気泡の検出結果に基づいて、上記の動作シーケンス1~5のうちから当該処理条件に適した一つの動作シーケンスを自動的に選択するようにしてもよい。指示部M4は、処理部M3において選択された動作シーケンスに基づいて、処理ユニット10の各部を動作させてもよい。
【0074】
ここで、動作シーケンスの選択について、詳しく説明する。まず、ダミープロセスとして、所定の処理条件の下で、例えば動作シーケンス2又は動作シーケンス3にて基板Wを処理する。このとき、流量計35又は撮像部50を用いて、ノズル37から気泡が吐出されたか否かを検出する。気泡が検出されなかった場合には、処理部M3は、当該処理条件で後続の基板Wを処理する際に、動作シーケンス1を自動的に選択する。
【0075】
一方、気泡が検出された場合には、処理部M3は、当該処理条件で後続の基板Wを処理する際に、動作シーケンス2~5のいずれかを自動的に選択する。例えば、処理部M3は、膜Fの周縁部分のエッチング幅(いわゆるカット幅)の条件に応じて、動作シーケンス2又は動作シーケンス3を自動的に選択してもよい。例えば、カット幅がパーティクル集中区間の大きさ以上であることが当該処理条件に含まれている場合には、処理部M3は、動作シーケンス2を自動的に選択してもよく、カット幅がパーティクル集中区間の大きさ未満であることが当該処理条件に含まれている場合には、処理部M3は、動作シーケンス3を自動的に選択してもよい。例えば、処理部M3は、基板Wの処理時間を短縮化できる場合に、カット幅に影響を受けない動作シーケンス5を自動的に選択してもよい。
【0076】
例えば、動作シーケンス2又は動作シーケンス3にて基板Wを処理する際に、撮像部50が基板Wの表面Waを撮像して、基板Wの表面Waに残渣が認められた場合には、動作シーケンス4を選択してもよい。以上のように、処理部M3において動作シーケンスが自動的に選択されることにより、基板Wの処理条件に変更が生じた場合でも、変更後の処理条件に応じて選択された適切な動作シーケンスを用いて基板処理が実行される。そのため、様々な基板Wの処理条件のもとでも、基板Wへのパーティクルの発生を抑制することが可能となる。
【0077】
[作用]
以上の例によれば、エッチング液L1中の気泡がノズル37から排出される排出時期に基づいてノズル37の位置が変更されるので、ノズル37から排出された気泡による影響を基板Wが受けがたくなる。しかも、基板Wへのエッチング液L1の供給と気泡の排出とが同じ流路で行われるので、気泡の発生源が増える懸念もない。したがって、基板Wへのパーティクルの発生を抑制することが可能となる。
【0078】
以上の例によれば、気泡がバルブ36内の空間に滞留するので、気泡が流路(バルブ36、ノズル37及び配管38)内において広範囲に分布することが抑制される。そのため、バルブ36からノズル37の吐出口37aまでの距離に応じて、排出時期が一定になりやすくなる。したがって、基板Wの処理条件に変更がない限り、いったん排出時期を取得することで、当該排出時期を用いて、後続の複数の基板Wを処理することができる。その結果、効率的な基板処理を実現することが可能となる。
【0079】
以上の例によれば、エッチング液L1の供給に用いられる要素の一例であるバルブ36が、気泡滞留部として機能する。そのため、気泡を滞留させるための別の部材を追加する必要がなくなる。したがって、気泡の滞留機能を有する薬液供給部30を簡易な構成で且つ低コストで実現することが可能となる。
【0080】
以上の例によれば、流量計35によるエッチング液L1の流量の変動に基づいてノズル37から気泡が排出されたか否かを判断したり、撮像部50によるノズル37からのエッチング液L1の間欠吐出を画像認識しすることにより、ノズル37から気泡が排出されたか否かを判断している。この場合、気泡がノズル37から排出されるタイミングを、比較的観察しやすい物理現象に基づいて検知することが可能となる。
【0081】
[変形例]
本明細書における開示はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特許請求の範囲及びその要旨を逸脱しない範囲において、以上の例に対して種々の省略、置換、変更などが行われてもよい。
【0082】
(1)本開示の技術は、気体を随伴する薬液に対して広く適用可能である。そのような薬液として、例えば、発泡性を有する薬液や、気体が溶存している薬液などが挙げられる。発泡性を有する薬液としては、例えば、過酸化水素水又は過酸化水素水の混合液が挙げられる。気体が溶存している薬液としては、例えば、炭酸水、アンモニア水、H水、不活性ガス(例えば窒素ガス)が溶存する有機溶剤などが挙げあられる。
【0083】
(2)本開示の技術は、薬液により基板処理を行う場合に広く適用可能である。すなわち、基板Wの膜Fのエッチング処理のみならず、基板Wの洗浄処理、基板Wの表面Waに形成されたレジスト膜の除去処理などに対して、本開示の技術を適用してもよい。
【0084】
(3)薬液供給部30の流路(バルブ36、ノズル37、配管38等)にエッチング液L1が滞留して所定期間経過した場合、当該流路内において気泡が分散し、当該流路内における気泡の大きさや気泡の発生箇所を特定するのが困難となることがある。このような場合には、いったん流路内からエッチング液L1を排出するイニシャライズ処理や、流路内にエッチング液L1を複数回流通させるエージング処理を実行してもよい。
【0085】
(4)上記の例では、バルブ36が気泡を滞留する空間を有していたが、バルブ36とは別の部材である気泡トラップ(図示せず)において気泡の補足及び滞留を実現してもよい。当該気泡トラップは、バルブ36の下流側において配管38に設けられていてもよい。
【0086】
(5)撮像部50又は他の撮像部を用いて、薬液供給部30の流路(バルブ36、ノズル37、配管38等)内の所定箇所における気泡をリアルタイムで監視し、バルブ36の開放から気泡が実際に排出されるまでの実期間をトレースしてもよい。この場合、予め取得した排出時期と、当該実期間とを比較して、予め取得した排出時期を補正してもよい。
【0087】
[他の例]
例1.基板処理方法の一例は、基板を回転させつつ、薬液供給部のノズルから薬液を基板の表面に供給して、基板を処理することを含む基板処理方法であって、薬液供給部の流路内における薬液中に発生した気泡を検出する第1の工程と、第1の工程で検出された薬液中の気泡がノズルから排出される排出時期を取得する第2の工程と、排出時期に基づいて基板に対するノズルの位置を変更する第3の工程とを含む。ところで、薬液中の気泡がノズルから排出されると、例えば、ノズルの吐出口前後における圧力差により気泡がノズルの吐出口から排出された直後に破裂したり、気泡が基板の表面に衝突して破裂したり、ノズルから気泡が排出された瞬間にノズルからの薬液の吐出が間欠的となり、ノズルから再吐出された薬液が勢いよく基板の表面に衝突したりすることがある。このとき、薬液が周囲に飛び散って、微小な薬液が基板の表面に付着することで、基板の表面にパーティクルが生じてしまうことがある。気泡を基板に吐出させないために、気泡を排出するための分岐流路を設けることも考えられるが、薬液を分岐流路に向かわせるためのバルブ等の追加を要し、気泡の新たな発生源が増える懸念がある。しかしながら、例1の場合、薬液中の気泡がノズルから排出される排出時期に基づいてノズルの位置が変更されるので、ノズルから排出された気泡による影響を基板が受けがたくなる。しかも、基板への薬液の供給と気泡の排出とが同じ流路で行われるので、気泡の発生源が増える懸念もない。したがって、基板へのパーティクルの発生を抑制することが可能となる。
【0088】
例2.例1の方法は、第1の工程の前に、薬液供給部の流路に設けられた気泡滞留部に薬液中の気泡を滞留させる第4の工程をさらに含み、第1の工程は、気泡滞留部に滞留した気泡を検出することを含んでいてもよい。この場合、気泡が気泡滞留部に滞留するので、気泡が流路内において広範囲に分布することが抑制される。そのため、気泡滞留部からノズルの吐出口までの距離に応じて、排出時期が一定になりやすくなる。したがって、いったん排出時期を取得することで、当該排出時期を用いて、後続の複数の基板を処理することができる。その結果、効率的な基板処理を実現することが可能となる。
【0089】
例3.例2の方法において、気泡滞留部は、流路における薬液の流通を許容する開状態と、流路における薬液の流通を妨げる閉状態との間で動作するバルブの内部空間に設けられていてもよい。この場合、薬液の供給に用いられる要素の一例であるバルブが、気泡滞留部を兼ねる。そのため、気泡を滞留させるための別の部材を追加する必要がなくなる。したがって、気泡滞留部を含む薬液供給部を簡易な構成で且つ低コストで実現することが可能となる。
【0090】
例4.例1~例3のいずれかの方法において、第1の工程は、薬液と共に薬液中の気泡がノズルから排出されるときの、流路内の薬液の流量変動又はノズルからの薬液の吐出状態の変化を検出することを含んでいてもよい。この場合、気泡がノズルから排出されるタイミングを、流路内の薬液の流量変動又はノズルからの薬液の吐出状態の変化という観察しやすい物理現象に基づいて、検知することが可能となる。
【0091】
例5.例1~例4のいずれかの方法において、第1の工程は、流路内における薬液中の気泡を撮像することを含んでいてもよい。この場合、ノズルから吐出される前の薬液中の気泡を直接検知することが可能となる。
【0092】
例6.例1~例5のいずれかの方法において、基板を処理することは、ノズルから薬液を基板の周縁部に供給して、周縁部を処理することを含んでいてもよい。
【0093】
例7.例1~例6のいずれかの方法において、薬液は、発泡性を有する薬液又は液中に気体が溶存している薬液であってもよい。
【0094】
例8.例1~例7のいずれかの方法において、第3の工程は、ノズルから基板に薬液を供給している途中に排出時期となった場合、ノズルを基板の径方向外方に一時的に移動させることを含んでいてもよい。この場合、薬液が周囲に飛び散っても、基板の周縁部寄りに対して微小な薬液が付着するにとどまる。そのため、排出時期が経過してノズルが再び基板の径方向内方に移動することで、基板の周縁部寄りに付着した微小な薬液が流される。したがって、基板へのパーティクルの発生を抑制することが可能となる。
【0095】
例9.例8の方法において、第3の工程は、ノズルから基板に薬液を供給している途中に排出時期となった場合、ノズルを基板の外側に一時的に移動させることを含んでいてもよい。この場合、気泡を伴う薬液が基板の外側に排出されるので、基板に微小な薬液が付着することがない。そのため、基板へのパーティクルの発生を大きく抑制することが可能となる。
【0096】
例10.例8の方法において、第3の工程は、ノズルから基板に薬液を供給している途中に排出時期となった場合、ノズルを基板の外側に一時的に移動させると共に、リンス液供給部のリンスノズルからリンス液を基板の表面に一時的に供給することを含んでいてもよい。この場合、リンス液が一時的に基板に供給されるので、基板の周縁部に残渣などが存在していても、当該残渣などがリンス液によって流される。そのため、基板の清浄度をいっそう高めることが可能となる。
【0097】
例11.例1~例7のいずれかの方法において、第3の工程は、排出時期となるまでノズルから薬液を基板の外側において吐出した後に、ノズルから薬液を吐出したままの状態でノズルを基板の上方に移動させ、ノズルから薬液を基板の表面に供給することを含んでいてもよい。この場合、例9と同様の作用効果が得られる。
【0098】
例12.例11の方法において、第3の工程は、排出時期となるまでノズルから薬液を第1の流量で基板の外側において吐出した後に、ノズルから薬液を吐出したままの状態で、ノズルを基板の上方に移動させ、ノズルから薬液を第1の流量よりも小さい第2の流量で基板の表面に供給することを含んでいてもよい。この場合、ノズルからの気泡の排出が比較的短時間で実行される。そのため、効率的な基板処理を実現することが可能となる。
【0099】
例13.例1~例12のいずれかの方法において、第3の工程は、排出時期に基づいて基板に対するノズルの位置を変更する動作手順を示す複数の動作シーケンスのうちから、基板の処理条件に応じて一つの動作シーケンスを選択することと、選択した一つの動作シーケンスに基づいて、基板に対するノズルの位置を変更することとを含んでいてもよい。この場合、基板の処理条件に変更が生じた場合でも、変更後の処理条件に応じて選択された適切な動作シーケンスを用いて、ノズルの位置を変更処理が実行される。そのため、様々な基板の処理条件のもとでも、基板へのパーティクルの発生を抑制することが可能となる。
【0100】
例14.基板処理装置の一例は、基板の回転中に基板の表面に供給される薬液によって基板を処理するように構成された基板処理装置であって、流路を通じてノズルから薬液を供給するように構成された薬液供給部と、流路内における薬液中に発生した気泡を検出するように構成された検出部と、制御部とを備える。制御部は、検出部で検出された薬液中の気泡がノズルから排出される排出時期を取得する第1の処理と、排出時期に基づいて基板に対するノズルの位置を変更する第2の処理とを実行するように構成されている。この場合、例1と同様の作用効果が得られる。
【0101】
例15.例14の装置において、薬液供給部は、流路に設けられており、ノズルからの薬液の吐出停止中に薬液中の気泡を滞留させるように構成された気泡滞留部を含み、検出部は、気泡滞留部に滞留した気泡を検出することを含んでいてもよい。この場合、例2と同様の作用効果が得られる。
【0102】
例16.例14又は例15の装置において、薬液は、発泡性を有する薬液又は液中に気体が溶存している薬液であってもよい。
【0103】
例17.例14~例16のいずれかの装置において、第2の処理は、ノズルから基板に薬液を供給している途中に排出時期となった場合、ノズルを基板の径方向外方に移動させることを含んでいてもよい。この場合、例8と同様の作用効果が得られる。
【0104】
例18.例17の装置において、第2の処理は、ノズルから基板に薬液を供給している途中に排出時期となった場合、ノズルを基板の外側に移動させることを含んでいてもよい。この場合、例9と同様の作用効果が得られる。
【0105】
例19.例18の装置は、リンスノズルからリンス液を供給するように構成されたリンス液供給部をさらに備え、第2の処理は、ノズルから基板に薬液を供給している途中に排出時期となった場合、ノズルを基板の外側に移動させると共に、リンスノズルからリンス液を基板の表面に供給することを含んでいてもよい。この場合、例10と同様の作用効果が得られる。
【0106】
例20.例14~例16のいずれかの装置において、第2の処理は、排出時期となるまでノズルから薬液を基板の外側において吐出した後に、ノズルから薬液を吐出したままの状態でノズルを基板の上方に移動させ、ノズルから薬液を基板の表面に供給することを含んでいてもよい。この場合、例11と同様の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0107】
1…基板処理システム(基板処理装置)、10…処理ユニット、20…回転保持部、30…薬液供給部、35…流量計(検出部)、36…バルブ(流路、気泡滞留部)、37…ノズル、38…配管(流路)、40…リンス液供給部、44…ノズル(リンスノズル)、50…撮像部(検出部)、Ctr…コントローラ(制御部)、L1…エッチング液(薬液)、L2…リンス液、W…基板、Wc…周縁部。
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