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特開2022-185291造形装置及び造形方法、並びに、加工装置及び加工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185291
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】造形装置及び造形方法、並びに、加工装置及び加工方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/393 20170101AFI20221207BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20221207BHJP
   B29C 64/371 20170101ALI20221207BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20221207BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20221207BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20221207BHJP
   B23K 26/34 20140101ALI20221207BHJP
【FI】
B29C64/393
B29C64/153
B29C64/371
B33Y30/00
B33Y50/02
B23K26/21 Z
B23K26/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】46
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021092869
(22)【出願日】2021-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】内藤 兼行
【テーマコード(参考)】
4E168
4F213
【Fターム(参考)】
4E168BA35
4E168BA81
4E168BA90
4E168CA02
4E168CB03
4E168CB07
4E168CB08
4E168EA17
4E168FB03
4F213AP02
4F213AP05
4F213AP06
4F213AP14
4F213AQ01
4F213AR06
4F213AR07
4F213AR15
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL32
4F213WL43
4F213WL74
4F213WL76
4F213WL85
4F213WL92
(57)【要約】
【課題】物体を精度よく加工する造形装置を提供する。
【解決手段】造形装置は、エネルギビームを照射するビーム照射部と、造形材料を供給する材料供給部と、ビーム照射部と物体を載置可能な載置部との相対的な位置関係を変更可能な変更部と、ビーム照射部、材料供給部及び変更部の駆動状況をモニターするモニター部と、造形制御情報に基づいて構造物の造形を制御する制御部とを備える。制御部は、構造物の造形を行わずに、造形制御情報に基づいてビーム照射部、材料供給部及び変更部を駆動させた際のモニター部によるモニター結果に基づいて、造形制御情報に基づく構造物の造形を制御する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギビームを照射するビーム照射部と、
前記エネルギビームを照射して形成された溶融池に造形材料を供給する材料供給部と、
前記ビーム照射部と物体を載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
構造物を造形するための造形制御情報を入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、前記材料供給部及び前記変更部による前記構造物の造形を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記構造物の造形を行わずに、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づく前記構造物の造形を制御する
造形装置。
【請求項2】
前記構造物の造形を行わずに、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させることは、前記構造物の造形に先立って行われるテスト駆動である
請求項1に記載の造形装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記テスト駆動として、前記変更部による前記ビーム照射部と前記載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係の変更量が所定の変更量となるように、前記変更部を駆動し、
前記モニター部によってモニターされた前記変更部による変更量と前記所定の変更量との差が第1所定値よりも大きい場合に、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づく前記構造物の造形を補正する
請求項2に記載の造形装置。
【請求項4】
前記モニター部は、前記変更部の位置に関する情報を取得するエンコーダを含み、
前記変更部による変更量は、前記エンコーダによる出力に基づいて判定される
請求項3に記載の造形装置。
【請求項5】
前記モニター部は、前記変更部の位置に関する情報を取得する非接触式の位置計測部を含み、
前記変更部による変更量は、前記非接触式の位置計測部による出力に基づいて判定される
請求項3又は4に記載の造形装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記テスト駆動として、前記材料供給部による前記造形材料の供給量が所定の供給量となるように、前記材料供給部を駆動し、
前記モニター部によってモニターされた前記材料供給部による前記造形材料の供給量と前記所定の供給量との差が第2所定値よりも大きい場合に、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づく前記構造物の造形を補正する
請求項2から5のいずれか一項に記載の造形装置。
【請求項7】
前記モニター部は、前記造形材料を撮像するための撮像装置を含み、
前記造形材料の供給量は、前記撮像装置による出力に基づいて判定される
請求項6に記載の造形装置。
【請求項8】
前記モニター部は、前記造形材料の供給量に関する情報を取得する重量計測器を含む
請求項6又は7に記載の造形装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記テスト駆動として、前記ビーム照射部による前記エネルギビームの照射強度、強度分布、及び、形状のうちの少なくとも一つを含むビーム特性が所望の特性となるように、前記ビーム照射部を駆動し、
前記モニター部によってモニターされた前記ビーム特性と前記所望の特性との差が第3所定値よりも大きい場合に、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づく前記構造物の造形を補正する
請求項2から8のいずれか一項に記載の造形装置。
【請求項10】
前記モニター部は、前記エネルギビームを受光する光パワーメータを含み、
前記ビーム特性は、前記光パワーメータの出力に基づいて判定される
請求項9に記載の造形装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記造形制御情報を補正する、又は、造形された前記構造物を補正する
請求項1から10のいずれか一項に記載の造形装置。
【請求項12】
前記構造物は、前記載置部に載置された前記物体であるワークの上に造形され、
前記制御部は、前記ワークが前記載置部に載置された後に、前記構造物の造形を行わずに、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つをテスト駆動として駆動させ、
前記テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づく前記ワーク上への前記構造物の造形を制御する
請求項1から11のいずれか一項に記載の造形装置。
【請求項13】
前記構造物は、前記載置部に載置された前記物体であるワークの上に造形され、
前記造形装置は、前記載置部に載置された前記ワークの位置及び形状の少なくとも一つを検出する検出部を更に備え、
前記制御部は、前記ワークが前記載置部に載置された後に、前記構造物の造形を行わずに、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づく、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つをテスト駆動として駆動させ、
前記検出部は、前記テスト駆動が開始された後に、前記ワークの位置及び形状の少なくとも一つを検出する
請求項1から12のいずれか一項に記載の造形装置。
【請求項14】
前記造形装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、前記材料供給部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部に不活性ガスを供給するガス供給部と
を更に備え、
前記制御部は、前記ガス供給部による前記不活性ガスの供給が終了した後に、前記テスト駆動を開始する
請求項2から10及び12から13のいずれか一項に記載の造形装置。
【請求項15】
前記造形装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、前記材料供給部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、

前記筐体の内部に不活性ガスを供給するガス供給部と
を更に備え、
前記制御部は、前記ガス供給部により供給された前記不活性ガスの前記筐体内での圧力が目標の圧力となる前に、又は、前記ガス供給部により供給された前記不活性ガスの前記筐体内での分量が目標量となる前に前記テスト駆動を開始する
請求項2から10及び12から14のいずれか一項に記載の造形装置。
【請求項16】
前記造形装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、前記材料供給部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部空間の温度を調整する温度調整部と
を更に備え、
前記制御部は、前記温度調整部により前記温度が所定条件に調整された後に、前記テスト駆動を開始する
請求項2から10及び12から15のいずれか一項に記載の造形装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記造形制御情報に関する補正量を算出する
請求項1から16のいずれか一項に記載の造形装置。
【請求項18】
前記入力部により入力された前記造形制御情報は、第1造形制御情報であり、
前記構造物は、第1構造物であり、
前記制御部は、前記第1構造物とは異なる第2構造物を造形するための第2造形制御情報が前記入力部により入力された場合に、前記第1造形制御情報が入力された際の前記補正量に基づいて、前記第2構造物の造形を制御する
請求項17に記載の造形装置。
【請求項19】
前記第1造形制御情報と前記第2造形制御情報とは同一である、又は、前記第1造形制御情報と前記第2造形制御情報との差分は第4所定値よりも小さい
請求項18に記載の造形装置。
【請求項20】
前記造形装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、前記材料供給部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部の環境条件を測定する環境測定部と
を更に備え、
前記制御部は、前記補正量と前記環境条件とを関連付けて記録する
請求項17から19のいずれか一項に記載の造形装置。
【請求項21】
前記環境測定部は、前記環境条件として、前記筐体の内部の酸素濃度、圧力、及び、温度の少なくとも一つを測定する
請求項20に記載の造形装置。
【請求項22】
前記制御部は、前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記テスト駆動の内容を修正するためのテスト駆動修正情報を生成し、前記テスト駆動修正情報に基づいて、前記構造物の造形を行わずに、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つを修正テスト駆動として駆動させ、前記修正テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記造形制御情報を修正する、又は、前記テスト駆動修正情報を修正する
請求項2から10及び12から16のいずれか一項に記載の造形装置。
【請求項23】
前記修正テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果が所定の条件を満たした場合には、前記制御部は、前記造形制御情報を修正して前記構造物の造形を開始し、
前記修正テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果が前記所定の条件を満たさない場合には、前記制御部は、前記テスト駆動修正情報を再度修正する
請求項22に記載の造形装置。
【請求項24】
ワークに対してエネルギビームを照射するビーム照射部と、
前記ビーム照射部と前記ワークを載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
加工制御情報を入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、及び、前記変更部による前記ワークの除去加工を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記ワークの除去加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく前記ワークの除去加工を制御する
加工装置。
【請求項25】
前記ワークの除去加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させることは、前記ワークの除去加工に先立って行われるテスト駆動である
請求項24に記載の加工装置。
【請求項26】
前記制御部は、前記テスト駆動として、前記変更部による前記ビーム照射部と前記載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係の変更量が所定の変更量となるように、前記変更部を駆動し、
前記モニター部によってモニターされた前記変更部による変更量と前記所定の変更量との差が第1所定値よりも大きい場合に、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく前記ワークの除去加工を補正する
請求項25に記載の加工装置。
【請求項27】
前記モニター部は、前記変更部の位置に関する情報を取得するエンコーダを含み、
前記変更部による変更量は、前記エンコーダによる出力に基づいて判定される
請求項26に記載の加工装置。
【請求項28】
前記モニター部は、前記変更部の位置に関する情報を取得する非接触式の位置計測部を含み、
前記変更部による変更量は、前記非接触式の位置計測部による出力に基づいて判定される
請求項26又は27に記載の加工装置。
【請求項29】
前記制御部は、前記テスト駆動として、前記ビーム照射部による前記エネルギビームの照射強度、強度分布、及び、形状のうちの少なくとも一つを含むビーム特性が所望の特性となるように、前記ビーム照射部を駆動し、
前記モニター部によってモニターされた前記ビーム特性と前記所望の特性との差が第3所定値よりも大きい場合に、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく前記ワークの除去加工を補正する
請求項25から28のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項30】
前記モニター部は、前記エネルギビームを受光する光パワーメータを含み、
前記ビーム特性は、前記光パワーメータの出力に基づいて判定される
請求項29に記載の加工装置。
【請求項31】
前記制御部は、前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記加工制御情報を補正する、又は、除去加工された前記ワークを補正する
請求項24から30のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項32】
前記制御部は、前記ワークが前記載置部に載置された後に、前記ワークの除去加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つをテスト駆動として駆動させ、
前記テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく前記ワークの除去加工を制御する
請求項24から31のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項33】
前記加工装置は、前記載置部に載置された前記ワークの位置又は形状を検出する検出部を更に備え、
前記制御部は、前記ワークが前記載置部に載置された後に、前記ワークの除去加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つをテスト駆動として駆動させ、
前記検出部は、前記テスト駆動が開始された後に、前記ワークの位置または形状を検出する
請求項24から32のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項34】
前記加工装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部に不活性ガスを供給するガス供給部と
を更に備え、
前記制御部は、前記ガス供給部による前記不活性ガスの供給が終了した後に、前記テスト駆動を開始する
請求項24から30及び32から33のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項35】
前記加工装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部に不活性ガスを供給するガス供給部と
を更に備え、
前記制御部は、前記ガス供給部により供給された前記不活性ガスの前記筐体内での圧力が目標の圧力となる前に、又は、前記ガス供給部により供給された前記不活性ガスの前記筐体内での分量が目標量となる前に前記テスト駆動を開始する
請求項24から30及び32から34のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項36】
前記加工装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部の温度を調整する温度調整部と
を更に備え、
前記制御部は、前記温度調整部により前記温度が所定条件に調整された後に、前記テスト駆動を開始する
請求項24から30及び32から35のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項37】
前記制御部は、前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記加工制御情報に関する補正量を算出する
請求項24から36のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項38】
前記入力部により入力された前記加工制御情報は、第1加工制御情報であり、
前記ワークは、第1ワークであり、
前記制御部は、前記第1ワークとは異なる第2ワークを除去加工するための第2加工制御情報が前記入力部により入力された場合に、前記第1加工制御情報が入力された際の前記補正量に基づいて、前記第2ワークの除去加工を制御する
請求項37に記載の加工装置。
【請求項39】
前記第1加工制御情報と前記第2加工制御情報とは同一である、又は、前記第1加工制御情報と前記第2加工制御情報との差分は第4所定値よりも小さい
請求項38に記載の加工装置。
【請求項40】
前記加工装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部の環境条件を測定する環境測定部と
を更に備え、
前記制御部は、前記補正量と前記環境条件とを関連付けて記録する
請求項37から39のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項41】
前記環境測定部は、前記環境条件として、前記筐体の内部の酸素濃度、圧力、及び、温度の少なくとも一つを測定する
請求項40に記載の加工装置。
【請求項42】
前記制御部は、前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記テスト駆動の内容を修正するためのテスト駆動修正情報を生成し、前記テスト駆動修正情報に基づいて、前記ワークの除去加工を行わずに、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つを修正テスト駆動として駆動させ、前記修正テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記加工制御情報を修正する、又は、前記テスト駆動修正情報を修正する
請求項24から30及び32から36のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項43】
前記修正テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果が所定の条件を満たした場合には、前記制御部は、前記加工制御情報を修正して前記ワークの除去加工を開始し、
前記修正テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果が前記所定の条件を満たさない場合には、前記制御部は、前記テスト駆動修正情報を再度修正する
請求項42に記載の加工装置。
【請求項44】
前記除去加工は、前記ワークにリブレットを形成する加工を含む
請求項24から43のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項45】
前記ワークは、風力発電用の羽根部材を含む
請求項24から44のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項46】
エネルギビームを照射するビーム照射部と、前記ビーム照射部と物体を載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部とを備える加工ユニットと、
前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
加工制御情報を入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記加工ユニットを制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記加工ユニットによる加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく駆動を実行した際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく前記加工ユニットによる加工を制御する
加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、構造物を造形可能な造形装置及び造形方法、並びに、ワーク等の物体を加工可能な加工装置及び加工方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
物体を加工可能な加工装置として、特許文献1には、物体の表面に加工光を照射して構造を形成する加工装置が記載されている。この種の加工装置では、物体を精度よく加工することが要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,875,951号公報
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によれば、エネルギビームを照射するビーム照射部と、前記エネルギビームを照射して形成された溶融池に造形材料を供給する材料供給部と、前記ビーム照射部と物体を載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、構造物を造形するための造形制御情報を入力する入力部と、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、前記材料供給部及び前記変更部による前記構造物の造形を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記構造物の造形を行わずに、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づく前記構造物の造形を制御する造形装置が提供される。
【0005】
第2の態様によれば、ワークに対してエネルギビームを照射するビーム照射部と、前記ビーム照射部と前記ワークを載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、加工制御情報を入力する入力部と、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、及び、前記変更部による前記ワークの除去加工を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ワークの除去加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく前記ワークの除去加工を制御する加工装置が提供される。
【0006】
第3の態様によれば、エネルギビームを照射するビーム照射部と、前記ビーム照射部と物体を載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部とを備える加工ユニットと、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、加工制御情報を入力する入力部と、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記加工ユニットを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記加工ユニットによる加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく駆動を実行した際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく前記加工ユニットによる加工を制御する加工装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態の加工装置を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態の加工装置のシステム構成を示すシステム構成図である。
図3図3は、加工制御情報のデータ構造の一例を示す。
図4図4(a)から図4(e)のそれぞれは、ワーク上のある領域に造形光を照射し且つ造形材料を供給した場合の様子を示す断面図である。
図5図5(a)から図5(c)のそれぞれは、3次元構造物を造形する過程を示す断面図である。
図6図6は、加工制御情報及び監視ユニットによる監視結果に基づいて3次元構造物を造形する第2動作の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、補正パラメータを示すテーブルである。
図8図8は、複数の加工制御情報と、複数の加工制御情報にそれぞれ関連付けられた複数の補正パラメータとを示すテーブルである。
図9図9は、第2実施形態の加工装置のシステム構成を示すシステム構成図である。
図10図10は、複数の補正パラメータと、複数の補正パラメータにそれぞれ関連付けられた複数の環境条件とを示すテーブルである。
図11図11は、記憶装置に格納されている補正パラメータに基づいて、記憶装置に格納されていない補正パラメータを補完する様子を概念的に示すグラフである。
図12図12は、第3実施形態の加工装置のシステム構成を示すシステム構成図である。
図13図13は、出力装置が表示する画像の一例を示す。
図14図14は、第4実施形態の加工装置を模式的に示す斜視図である。
図15図15は、第4実施形態の加工装置のシステム構成を示すシステム構成図である。
図16図16は、第5実施形態の加工装置を模式的に示す斜視図である。
図17図17は、第5実施形態の加工装置のシステム構成を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、造形装置及び造形方法、並びに、加工装置及び加工方法の実施形態について説明する。以下では、物体の一例であるワークWに対して、エネルギビームの一例である加工光ELを用いた加工を行う加工装置SYSを用いて、造形装置及び造形方法、並びに、加工装置及び加工方法の実施形態を説明する。但し、本発明が以下に説明する実施形態に限定されることはない。
【0009】
また、以下の説明では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸から定義されるXYZ直交座標系を用いて、加工装置SYSを構成する各種構成要素の位置関係について説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、X軸方向及びY軸方向のそれぞれが水平方向(つまり、水平面内の所定方向)であり、Z軸方向が鉛直方向(つまり、水平面に直交する方向であり、実質的には上下方向)であるものとする。また、X軸、Y軸及びZ軸周りの回転方向(言い換えれば、傾斜方向)を、それぞれ、θX方向、θY方向及びθZ方向と称する。ここで、Z軸方向を重力方向としてもよい。また、XY平面を水平方向としてもよい。
【0010】
(1)第1実施形態の加工装置SYSa
初めに、第1実施形態の加工装置SYSについて説明する。以降の説明では、第1実施形態の加工装置SYSを、“加工装置SYSa”と称する。
【0011】
(1-1)加工装置SYSaの構造
初めに、図1及び図2を参照しながら、第1実施形態の加工装置SYSaの構造について説明する。図1は、第1実施形態の加工装置SYSaを模式的に示す斜視図である。図2は、第1実施形態の加工装置SYSaのシステム構成を示すシステム構成図である。
【0012】
加工装置SYSaは、ワークWに対して付加加工を行うことが可能な加工装置である。加工装置SYSaは、ワークWに対して付加加工を行うことで、ワークWと一体化された(或いは、分離可能な)造形物を造形可能である。この場合、ワークWに対して行われる付加加工は、ワークWと一体化された(或いは、分離可能な)造形物をワークWに付加する加工に相当する。つまり、加工装置SYSaは、積層造形技術を用いて造形物を造形する3Dプリンタであるとみなしてもよい。加工装置SYSaは、造形物を造形可能であるがゆえに、造形装置と称されてもよい。尚、積層造形技術は、ラピッドプロトタイピング(Rapid Prototyping)、ラピッドマニュファクチャリング(Rapid Manufacturing)、又は、アディティブマニュファクチャリング(Additive Manufacturing)とも称されてもよい。
【0013】
尚、本実施形態における造形物は、加工装置SYSaが造形する任意の物体を意味していてもよい。例えば、加工装置SYSaは、造形物の一例として、3次元構造物(つまり、3次元方向のいずれの方向においても大きさを持つ3次元の構造物であり、立体物、言い換えると、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向において大きさを持つ構造物)STを造形可能である。
【0014】
ワークWが後述するステージ32である場合には、加工装置SYSaは、ステージ32に対して付加加工を行うことが可能である。ワークWがステージ32に載置されている物体である載置物である場合には、加工装置SYSaは、載置物に対して付加加工を行うことが可能である。ステージ32に載置される載置物は、加工装置SYSaが造形した別の3次元構造物ST(つまり、既存構造物)であってもよい。尚、図1は、ワークWが、ステージ32によって保持されている既存構造物である例を示している。また、以下でも、ワークWがステージ32によって保持されている既存構造物である例を用いて説明を進める。
【0015】
ワークWは、欠損箇所がある要修理品であってもよい。この場合、加工装置SYSaは、欠損個所を補填するための造形物を造形する付加加工を行うことで、要修理品を補修する補修加工を行ってもよい。つまり、加工装置SYSaが行う付加加工は、欠損箇所を補填するための造形物をワークWに付加する付加加工を含んでいてもよい。
【0016】
本実施形態では、加工装置SYSaが、レーザ肉盛溶接法(LMD:Laser Metal Deposition)に基づく付加加工を行う例について説明する。レーザ肉盛溶接法に基づく付加加工は、ワークWに供給した造形材料Mを加工光EL(つまり、光の形態を有するエネルギビーム)で溶融することで、ワークWと一体化された又はワークWから分離可能な造形物を造形する付加加工である。但し、加工装置SYSaは、レーザ肉盛溶接法とは異なる方法に基づく付加加工を行ってもよい。
【0017】
尚、レーザ肉盛溶接法(LMD)は、ダイレクト・メタル・デポジション、ディレクテッド・エナジー・デポジション、レーザクラッディング、レーザ・エンジニアード・ネット・シェイピング、ダイレクト・ライト・ファブリケーション、レーザ・コンソリデーション、シェイプ・デポジション・マニュファクチャリング、ワイヤ-フィード・レーザ・デポジション、ガス・スルー・ワイヤ、レーザ・パウダー・フージョン、レーザ・メタル・フォーミング、セレクティブ・レーザ・パウダー・リメルティング、レーザ・ダイレクト・キャスティング、レーザ・パウダー・デポジション、レーザ・アディティブ・マニュファクチャリング、レーザ・ラピッド・フォーミングと称してもよい。
【0018】
加工装置SYSaは、加工光ELを用いて造形材料Mを加工することで付加加工を行う。造形材料Mは、所定強度以上の加工光ELの照射によって溶融可能な材料である。このような造形材料Mとして、例えば、金属性の材料及び樹脂性の材料の少なくとも一方が使用可能である。但し、造形材料Mとして、金属性の材料及び樹脂性の材料とは異なるその他の材料が用いられてもよい。造形材料Mは、粉状の又は粒状の材料である。つまり、造形材料Mは、粉粒体である。但し、造形材料Mは、粉粒体でなくてもよい。例えば、造形材料Mとして、ワイヤ状の造形材料及びガス状の造形材料の少なくとも一方が用いられてもよい。
【0019】
付加加工を行うために、加工装置SYSaは、図1から図2に示すように、加工光源11と、材料供給源12と、加工ユニット2と、ステージユニット3と、監視ユニット4と、気体供給装置5と、温度調整装置52と、制御装置7と、入力インタフェース8とを備える。但し、加工装置SYSaは、気体供給装置5と、温度調整装置52と、入力インタフェース8とのうちの少なくとも一つを備えていなくてもよい。
【0020】
加工ユニット2と、ステージユニット3と、監視ユニット4とは、筐体9の内部空間SPに収容されていてもよい。但し、加工ユニット2の少なくとも一部が、筐体9の内部空間SPに収容されていなくてもよい。ステージユニット3の少なくとも一部が、筐体9の内部空間SPに収容されていなくてもよい。監視ユニット4の少なくとも一部が、筐体9の内部空間SPに収容されていなくてもよい。尚、加工装置SYSaは、筐体9を備えていなくてもよい。
【0021】
加工光源11は、加工光ELを生成する。加工光源11が生成した加工光ELは、光ファイバ及びライトパイプ等の少なくとも一つを含む光伝送部材111を介して、加工ユニット2に伝搬される。
【0022】
材料供給源12は、加工ユニット2に造形材料Mを供給する。材料供給源12は、付加加工を行うために単位時間あたりに必要とする分量の造形材料Mが加工ユニット2に供給されるように、当該必要な分量に応じた所望量の造形材料Mを供給する。
【0023】
加工ユニット2は、加工光源11が生成した加工光ELを用いて材料供給源12から供給される造形材料Mを加工することで、造形物を造形するための付加加工を行う。造形物を造形するために、加工ユニット2は、加工ヘッド21と、ヘッド駆動系22とを備える。更に、加工ヘッド21は、照射光学系211と、材料ノズル212とを備えている。尚、図1に示す例では、加工ヘッド21が複数の材料ノズル212を備えているが、加工ヘッド21は、単一の材料ノズル212を備えていてもよい。
【0024】
照射光学系211は、加工光ELを射出するための光学系(例えば、集光光学系)である。照射光学系211は、加工光ELを生成する加工光源11と、上述した光伝送部材111を介して光学的に接続されている。照射光学系211は、光伝送部材111を介して加工光源11から伝搬してくる加工光ELを射出する。照射光学系211は、照射光学系211から下方(つまり、-Z側)に向けて加工光ELを照射する。照射光学系211の下方には、ステージ32が配置されている。ステージ32にワークWが載置されている場合には、照射光学系211は、ワークWに向けてエネルギビームである加工光ELを照射する。つまり、照射光学系211は、加工光ELを射出することで、加工光ELをワークW(或いは、後に図4等を参照しながら説明する、造形物が造形される造形面MS)に照射する。このため、照射光学系211は、加工光源11と共に加工光ELをワークW(或いは、造形面MS)に照射するビーム照射部として機能しているとみなしてもよい。具体的には、照射光学系211は、加工光ELを照射するべき領域としてワークW上に又はワークWの近傍に設定される(或いは、造形面MS上に又は造形面MSの近傍に設定される)目標照射領域EAに加工光ELを照射可能である。更に、照射光学系211の状態は、制御装置7の制御下で、目標照射領域EAに加工光ELを照射する状態と、目標照射領域EAに加工光ELを照射しない状態との間で切替可能である。尚、照射光学系211から射出される加工光ELの方向は真下(つまり、-Z軸方向と一致)には限定されず、例えば、Z軸に対して所定の角度だけ傾いた方向であってもよい。
【0025】
材料ノズル212には、造形材料Mを供給する(例えば、射出する、噴射する、噴出する、又は、吹き付ける)。このため、材料ノズル212は、材料供給源12と共に造形材料Mを供給する材料供給部として機能しているとみなしてもよい。材料ノズル212は、供給管121を介して造形材料Mの供給源である材料供給源12と物理的に接続されている。材料ノズル212は、供給管121を介して材料供給源12から供給される造形材料Mを供給する。尚、図1において材料ノズル212は、チューブ状に描かれているが、材料ノズル212の形状は、この形状に限定されない。材料ノズル212は、材料ノズル212から下方(つまり、-Z側)に向けて造形材料Mを供給する。材料ノズル212の下方には、ステージ32が配置されている。ステージ32にワークWが搭載されている場合には、材料ノズル212は、ワークW又はワークWの近傍(或いは、造形面MS上に又は造形面MSの近傍)に向けて造形材料Mを供給する。尚、材料ノズル212から供給される造形材料Mの進行方向はZ軸方向に対して所定の角度(一例として鋭角)だけ傾いた方向であるが、-Z側(つまり、真下)であってもよい。
【0026】
本実施形態では、材料ノズル212は、照射光学系211が加工光ELを照射する目標照射領域EAに向けて造形材料Mを供給してもよい。照射光学系211が造形面MS上の目標照射領域EAに加工光ELを照射すると、後に図4等を参照しながら説明するように、造形面MS上には、溶融池MPが形成される。この場合、材料ノズル212は、溶融池MPに向けて造形材料Mを供給してもよい。但し、材料ノズル212は、溶融池MPに造形材料Mを供給しなくてもよい。例えば、加工装置SYSaは、材料ノズル212からの造形材料Mが造形面MSに到達する前に当該造形材料Mを加工光ELによって溶融させ、溶融した造形材料Mを造形面MSに付着させてもよい。
【0027】
ヘッド駆動系22は、加工ヘッド21を移動させる。ヘッド駆動系22は、例えば、X軸、Y軸、Z軸、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿って加工ヘッド21を移動させる。尚、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿って加工ヘッド21を移動させる動作は、X軸に沿った回転軸、Y軸に沿った回転軸及びZ軸に沿った回転軸の少なくとも一つの周りに加工ヘッド21を回転させることで、ステージ32に対する加工ヘッド21の姿勢(更には、ステージ32に載置されているワークWに対する加工ヘッド21の姿勢)を変更する動作と等価であるとみなしてもよい。
【0028】
図1に示す例では、ヘッド駆動系22は、X軸、Y軸及びZ軸のそれぞれに沿って加工ヘッド21を移動させる。この場合、ヘッド駆動系22は、Yレール部材221Yと、Y可動部材222Yと、Xレール部材221Xと、X可動部材222Xと、Zレール部材221Zと、Z可動部材222Zとを備えていてもよい。Yレール部材221Yは、筐体9の底面に配置される定盤31に、空気ばね等の防振装置を介して設置されている。Yレール部材221Yは、Y軸方向に沿って延びる部材である。図1に示す例では、ヘッド駆動系22は、二つのY可動部材222Yを備えている。Y可動部材222Yは、Yレール部材221Yに取り付けられる。Y可動部材222Yは、不図示の駆動モータの動力を用いてYレール部材221Yに沿って移動可能である。つまり、Y可動部材222Yは、不図示の駆動モータの動力を用いてY軸方向に沿って移動可能である。尚、図1に示す例では、Y可動部材222Yは、アーチ型の形状を有する部材である。具体的には、Y可動部材222Yは、二つのYレール部材221YからZ軸方向に沿って延び且つX軸方向に沿って並ぶ二つの脚部材2221Yと、X軸方向に沿って延び且つ二つの脚部材2221Yをその上端で接続する接続部材2222Yとを備えている。但し、Y可動部材222Yの形状が、図1に示す形状に限定されることはない。Xレール部材221Xは、Y可動部材222Y(特に、接続部材2222Y)に設置されている。Xレール部材221Xは、X軸方向に沿って延びる部材である。X可動部材222Xは、Xレール部材221Xに取り付けられる。X可動部材222Xは、不図示の駆動モータの動力を用いてXレール部材221Xに沿って移動可能である。つまり、X可動部材222Xは、不図示の駆動モータの動力を用いてX軸方向に沿って移動可能である。Zレール部材221Zは、X可動部材222Xに設置されている。Zレール部材221Zは、Z軸方向に沿って延びる部材である。Z可動部材222Zは、Zレール部材221Zに取り付けられる。Z可動部材222Zは、不図示の駆動モータの動力を用いてZレール部材221Zに沿って移動可能である。つまり、Z可動部材222Zは、不図示の駆動モータの動力を用いてZ軸方向に沿って移動可能である。Z可動部材222Zには、加工ヘッド21が取り付けられる。この場合、Z可動部材222ZがZ軸方向に沿って移動すると、Z可動部材222Zに取り付けられている加工ヘッド21もまたZ軸方向に沿って移動する。更に、Y可動部材222YがYレール部材221Yに沿って移動すると、Z可動部材222Zを介してY可動部材222Yに取り付けられている加工ヘッド21もまたY軸方向に沿って移動する。X可動部材222XがXレール部材221Xに沿って移動すると、Z可動部材222Zを介してX可動部材222Xに取り付けられている加工ヘッド21もまたX軸方向に沿って移動する。このように、加工ヘッド21は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のそれぞれに沿って移動可能となる。
【0029】
ヘッド駆動系22が加工ヘッド21を移動させると、加工ヘッド21とステージ32との相対的な位置関係(更には、加工ヘッド21と、ステージ32に載置されたワークWとの相対的な位置関係、以下同じ)が変わる。このため、ヘッド駆動系22は、加工ヘッド21とステージ32との相対的な位置関係を変更可能な変更部として機能しているとみなしてもよい。つまり、ヘッド駆動系22は、加工ヘッド21が備える照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係を変更可能な変更部として機能しているとみなしてもよい。尚、加工ヘッド21とステージ32の相対的な位置関係を変更する動作は、加工ヘッド21に対するステージ32の相対的な位置を変更する動作、及び、ステージ32に対する加工ヘッド21の相対的な位置を変更する動作の少なくとも一つを意味していてもよい。更に、加工ヘッド21とステージ32との相対位置が変わると、目標照射領域EA(更には、溶融池MP)がワークWに対して相対的に移動する。このため、ヘッド駆動系22は、目標照射領域EA(更には、溶融池MP)を移動させるための移動装置として機能しているとみなしてもよい。
【0030】
尚、ヘッド駆動系22がθX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿って加工ヘッド21を移動させる場合には、加工ヘッド21とステージ32との相対的な姿勢関係(更には、加工ヘッド21と、ステージ32に載置されたワークWとの相対的な姿勢関係、以下同じ)が変わっているとみなしてもよい。この場合、ヘッド駆動系22は、加工ヘッド21とステージ32との相対的な姿勢関係を変更可能な変更部として機能しているとみなしてもよい。つまり、ヘッド駆動系22は、加工ヘッド21が備える照射光学系211とステージ32との相対的な姿勢関係を変更可能な変更部として機能しているとみなしてもよい。尚、加工ヘッド21とステージ32の相対的な姿勢関係を変更する動作は、加工ヘッド21に対するステージ32の相対的な姿勢を変更する動作、及び、ステージ32に対する加工ヘッド21の相対的な姿勢を変更する動作の少なくとも一つを意味していてもよい。
【0031】
ステージユニット3は、定盤31と、ステージ32と、ステージ駆動系33とを備えている。
【0032】
定盤31は、不図示の支持面(例えば、筐体9の底面)上に配置される。定盤31上には、ステージ32が配置される。支持面と定盤31との間には、定盤31の振動のステージ32への伝達を低減するための不図示の防振装置が設置されていてもよい。
【0033】
ステージ32には、ワークWが載置される。このため、ステージ32は、ワークWを載置可能な載置部として機能しているとみなしてもよい。ステージ32は、ステージ32に載置されたワークWを支持可能である。ステージ32は、ステージ32に載置されたワークWを保持可能であってもよい。この場合、ステージ32は、ワークWを保持するために、機械的なチャック、静電チャック及び真空吸着チャック等の少なくとも一つを備えていてもよい。或いは、ステージ32は、ステージ32に載置されたワークWを保持可能でなくてもよい。この場合、ワークWは、クランプレスでステージ32に載置されていてもよい。上述した照射光学系211は、ステージ32にワークWが載置されている期間の少なくとも一部において加工光ELを射出する。更に、上述した材料ノズル212は、ステージ32にワークWが載置されている期間の少なくとも一部において造形材料Mを供給する。
【0034】
ステージ駆動系33は、ステージ32を移動させる。ステージ駆動系33は、例えば、X軸、Y軸、Z軸、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿ってステージ32を移動させる。尚、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿ってステージ32を移動させる動作は、X軸に沿った回転軸、Y軸に沿った回転軸及びZ軸に沿った回転軸の少なくとも一つの周りにステージ32を回転させることで、加工ヘッド21に対するステージ32の姿勢(更には、ステージ32に載置されているワークWの姿勢)を変更する動作と等価であるとみなしてもよい。
【0035】
図1に示す例では、ステージ駆動系33は、θX方向及びθZ方向のそれぞれに沿ってステージ32を移動させる。つまり、ステージ駆動系33は、X軸に沿った回転軸周りにステージ32を回転させ、且つ、Z軸に沿った回転軸周りにステージ32を回転させる。この場合、ステージ駆動系33は、一対の支持部材331と、θX可動部材332と、θZ可動部材333とを備えていてもよい。一対の支持部材331は、定盤31からZ軸方向に沿って延びる部材である。θX可動部材332は、一対の支持部材331によって挟まれた状態において一対の支持部材331によって支持される。θX可動部材332は、不図示の駆動モータの動力を用いてX軸に沿った回転軸周りに回転可能となるように、一対の支持部材331によって支持される。θX可動部材332には、θZ可動部材333が取り付けられる。特に、θZ可動部材333は、θX可動部材332が基準位置にいる状態(例えば、θX可動部材332の上面がXY平面に平行な状態であり、ステージ32の上面がXY平面に平行な状態)において、不図示の駆動モータの動力を用いてZ軸に沿った回転軸周りに回転可能となるように、θX可動部材332に取り付けられる。ステージ32は、θZ可動部材333に取り付けられる。この場合、Z軸に沿った回転軸周りにθZ可動部材333が回転すると、θZ可動部材333に取り付けられているステージ32もまた、Z軸に沿った回転軸周りに回転する。更に、X軸に沿った回転軸周りにθX可動部材332が回転すると、θZ可動部材333を介してθX可動部材332に取り付けられているステージ32もまた、X軸に沿った回転軸周りに回転する。このように、ステージ32は、X軸に沿った回転軸及びZ軸に沿った回転軸のそれぞれの周りに回転可能となる。
【0036】
ステージ駆動系33がステージ32を移動させると、加工ヘッド21とステージ32との相対的な位置関係が変わる。このため、ステージ駆動系33は、加工ヘッド21とステージ32との相対的な位置関係を変更可能な変更部として機能しているとみなしてもよい。つまり、ステージ駆動系33は、加工ヘッド21が備える照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係を変更可能な変更部として機能しているとみなしてもよい。更に、加工ヘッド21とステージ32との相対位置が変わると、目標照射領域EA(更には、溶融池MP)がワークWに対して相対的に移動する。このため、ステージ駆動系33は、目標照射領域EA(更には、溶融池MP)を移動させるための移動装置として機能しているとみなしてもよい。
【0037】
ステージ駆動系33がθX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿ってステージ32を移動させる場合には、加工ヘッド21とステージ32との相対的な姿勢関係が変わっているとみなしてもよい。この場合、ステージ駆動系33は、加工ヘッド21とステージ32との相対的な姿勢関係を変更可能な変更部として機能しているとみなしてもよい。つまり、ステージ駆動系33は、加工ヘッド21が備える照射光学系211とステージ32との相対的な姿勢関係を変更可能な変更部として機能しているとみなしてもよい。
【0038】
ステージ駆動系33がθX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿ってステージ32を移動させる場合には、以下に示すキャリブレーション動作が行われてもよい。尚、以下では、ステージ駆動系33がθX方向に沿ってステージ32を移動させる(つまり、ステージ駆動系33がθX可動部材332を備える)場合に行われるキャリブレーション動作について説明する。まず、X軸周りのステージ32の回転角度は、ステージ32の上面(つまり、ワークWが載置される載置面)が重力方向に対して垂直な面になる場合の回転角度がゼロ度となるように定義される。その後、ステージ32には、キャリブレーション動作を行うための、キャリブレーション用のワークW(以降、ワークWcと称する)が載置される。但し、実際に付加加工が行われるワークWが、ステージ32に載置されてもよい。その後、ステージ駆動系33は、X軸周りの第1の回転方向に向けて、ステージ32の回転角度が+α(尚、αは、0以上且つ360以下の実数)度となるように、θX可動部材332を回転させる。その後、加工ユニット2は、ワークWcの第1位置に、少なくとも一つのキャリブレーションマーク(例えば、クロスパターンのマーク)を形成するように、ワークWcを加工する。例えば、加工ユニット2は、造形材料Mを供給することなく、ワークWcに加工光ELを照射することで、キャリブレーションマークを形成してもよい。その後、ステージ駆動系33は、X軸周りの第1の回転方向とは逆側の第2の回転方向に向けて、ステージ32の回転角度が-α度となるように、θX可動部材332を回転させる。或いは、ステージ駆動系33は、X軸周りの第2の回転方向に向けて、ステージ32の回転角度が-β(尚、βは、αとは異なり且つ0以上且つ360以下の実数)度となるように、θX可動部材332を回転させてもよい。或いは、ステージ駆動系33は、X軸周りの第2の回転方向に向けてθX可動部材332を回転させなくてもよい。その後、加工ユニット2は、ワークWcの第2位置に、少なくとも一つのキャリブレーションマーク(例えば、クロスパターンのマーク)を形成するように、ワークWcを加工する。尚、ワークWcの第2位置に形成されるキャリブレーションマークの数は、ワークWcの第1位置に形成されるキャリブレーションマークの数と同一であってもよいし、異なっていてもよい。その後、計測装置(例えば、後述する撮像装置43)を用いてワークWcの第1及び第2位置のそれぞれに形成されたキャリブレーションマークの形状が計測される。その後、制御装置7は、計測結果の計測結果に基づいて、ワークWcに形成されたキャリブレーションマークの実際の形状と、キャリブレーションマークの理想的な形状(つまり、設計上の形状)とのずれ量を算出してもよい。その後、制御装置7は、キャリブレーションマークの形状のずれ量に基づいて、θX可動部材332の実際の回転軸と理想的な回転軸とのずれ量(例えば、偏心量)を算出してもよい。その後は、制御装置7は、算出した偏心量に基づいて、偏心量がゼロである場合と同様にθX可動部材332が回転するように、ステージ駆動系33を制御してもよい。
【0039】
尚、ステージ駆動系33は、X軸周りの第1又は第2の回転方向に向けてステージ32の回転角度が所望角度となるようにθX可動部材332を回転させる動作を3回以上繰り返し、加工ユニット2は、ステージ32の回転角度が所望角度となる都度ワークWcの所望位置にキャリブレーションマークを形成する動作を、3回以上繰り返してもよい。つまり、加工ユニット2は、ワークWcの三つ又はそれ以上の位置に、キャリブレーションマーク形成してもよい。
【0040】
また、キャリブレーション動作で設定されるステージ32の回転角度(例えば、上述したα度及びβ度のそれぞれ)は、付加加工を行う際の加工条件等に基づいて設定されてもよい。例えば、キャリブレーション動作で設定されるステージ32の回転角度は、付加加工を行う際のステージ32の回転角度の上限値(例えば、第1の回転方向における回転角度の上限値若しくはその絶対値、並びに、第2の回転方向における回転角度の上限値若しくはその絶対値の少なくとも一つ)に基づいて設定されていてもよい。一例として、例えば、キャリブレーション動作で設定されるステージ32の回転角度は、付加加工を行う際のステージ32の回転角度の上限値よりも小さくてもよいし、大きくてもよいし、同一であってもよい。
【0041】
また、制御装置7がキャリブレーションマークの形状のずれ量を算出することに代えて、ユーザが、キャリブレーションマークの形状のずれを目視で確認し、目視結果に基づいてずれ量をマニュアルで制御装置7に入力してもよい。
【0042】
監視ユニット4は、監視対象物を監視可能である。つまり、監視ユニット4は、監視対象物をモニター可能である。このため、監視ユニット4は、監視対象物をモニターするモニター部として機能しているとみなしてもよい。尚、監視対象物を監視する動作は、監視対象物を連続的に監視する動作、監視対象物を周期的に監視する動作及び監視対象物を非周期的に監視する動作のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。尚、監視ユニット4は、英語で、surveillance unitと称されてもよい。監視ユニット4は、モニターユニット(monitor unit)、観察ユニット(observe unit)又は見張りユニット(watch unit)と称されてもよい。
【0043】
監視対象物は、加工ユニット2の少なくとも一部を含んでいてもよい。例えば、監視対象物は、加工ヘッド21の少なくとも一部を含んでいてもよい。例えば、監視対象物は、照射光学系211の少なくとも一部を含んでいてもよい。例えば、監視対象物は、材料ノズル212の少なくとも一部を含んでいてもよい。例えば、監視対象物は、ヘッド駆動系22の少なくとも一部を含んでいてもよい。監視対象物は、加工ユニット2の少なくとも一部に加えて又は代えて、ステージユニット3の少なくとも一部を含んでいてもよい。例えば、監視対象物は、ステージ32の少なくとも一部を含んでいてもよい。例えば、監視対象物は、ステージ駆動系33の少なくとも一部を含んでいてもよい。
【0044】
監視ユニット4は、監視対象物の駆動状況を監視してもよい。監視対象物の駆動状況は、制御装置7の制御下で駆動している(つまり、動作している)監視対象物そのものの状態を含んでいてもよい。例えば、加工ヘッド21の駆動状況は、加工ヘッド21そのものの状態(例えば、位置)を含んでいてもよい。例えば、照射光学系211の駆動状況は、照射光学系211そのものの状態(例えば、位置)を含んでいてもよい。例えば、材料ノズル212の駆動状況は、材料ノズル212そのものの状態(例えば、位置)を含んでいてもよい。例えば、ヘッド駆動系22の駆動状況は、ヘッド駆動系22そのものの状態(例えば、ヘッド駆動系22が備える少なくとも一つの部材の位置)を含んでいてもよい。例えば、ステージ32の駆動状況は、ステージ32そのものの状態(例えば、位置)を含んでいてもよい。例えば、ステージ駆動系33の駆動状況は、ステージ駆動系33そのものの状態(例えば、ステージ駆動系33が備える少なくとも一つの部材の位置)を含んでいてもよい。
【0045】
或いは、監視対象物の駆動状況は、監視対象物そのものの状態に加えて又は代えて、制御装置7の制御下で駆動している(つまり、動作している)監視対象物の動作に起因して生ずる事象の状態を含んでいてもよい。例えば、監視対象物の一例である照射光学系211は、制御装置7の制御下で、加工光ELを射出する。この場合、照射光学系211の駆動状況は、照射光学系211の動作に起因して生ずる加工光ELの状態(典型的には、光学的な特性)を含んでいてもよい。加工光ELの状態は、加工光ELの照射強度、加工光ELの強度分布(例えば、加工光ELの進行方向に交差する面内における加工光ELの強度分布)及び加工光ELの形状(例えば、加工光ELの進行方向に交差する面内における加工光ELの形状)、加工光の波長のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。また、例えば、監視対象物の一例である材料ノズル212は、制御装置7の制御下で、造形材料Mを供給する。この場合、材料ノズル212の駆動状況は、材料ノズル212の動作に起因して生ずる造形材料Mの状態を含んでいてもよい。造形材料Mの状態は、造形材料Mの供給量(例えば、単位時間当たりの供給量)、造形材料Mの密度、造形材料Mの密度分布、及び、造形材料Mのサイズ(例えば、造形材料Mが粉体である場合には、各粉体のサイズ)等の少なくとも一つを含んでいてもよい。なお、監視ユニット4は、監視対象物の状態の一例である監視対象物の温度を監視してもよい。
【0046】
以下の説明では、説明の便宜上、照射光学系211、材料ノズル212、ヘッド駆動系22及びステージ駆動系33のそれぞれが監視対象物として用いられる例について説明する。但し、照射光学系211、材料ノズル212、ヘッド駆動系22及びステージ駆動系33の少なくとも一つが、監視対象物として用いられなくてもよい。照射光学系211、材料ノズル212、ヘッド駆動系22及びステージ駆動系33とは異なる構成要素が監視対象物として用いられてもよい。更に、以下の説明では、説明の便宜上、監視ユニット4が、照射光学系211の駆動状況として、照射光学系211が射出する加工光ELの光学的な特性(特に、上述した加工光ELの照射強度、強度分布及び形状のうちの少なくとも一つ)を監視する例について説明する。但し、照射光学系211の駆動状況が、照射光学系211が射出する加工光ELの光学的な特性に限定されることはない。更に、以下の説明では、説明の便宜上、監視ユニット4が、材料ノズル212の駆動状況として、材料ノズル212が供給する造形材料Mの供給量を監視する例について説明する。但し、材料ノズル212の駆動状況が、材料ノズル212が供給する造形材料Mの供給量に限定されることはない。更に、以下の説明では、説明の便宜上、監視ユニット4が、ヘッド駆動系22の駆動状況として、ヘッド駆動系22の位置(つまり、ヘッド駆動系22が備える少なくとも一つの部材の位置であり、実質的には、加工ヘッド21の位置と等価)を監視する例について説明する。但し、ヘッド駆動系22の駆動状況が、ヘッド駆動系22の位置に限定されることはない。更に、以下の説明では、説明の便宜上、監視ユニット4が、ステージ駆動系33の駆動状況として、ステージ駆動系33の位置(つまり、ステージ駆動系33が備える少なくとも一つの部材の位置であり、実質的には、ステージ32の位置と等価)を監視する例について説明する。但し、ステージ駆動系33の駆動状況が、ステージ駆動系33の位置に限定されることはない。
【0047】
この場合、監視ユニット4は、図2に示すように、ヘッド位置計測装置41と、ステージ位置計測装置42と、撮像装置43と、重量計測装置44と、受光装置45とを備えていてもよい。
【0048】
ヘッド位置計測装置41は、ヘッド駆動系22の位置を計測可能である。この場合、ヘッド位置計測装置41は、ヘッド駆動系22の位置に関する情報を取得可能な装置として機能しているとみなしてもよい。例えば、ヘッド位置計測装置41は、ヘッド駆動系22が備えるX可動部材222X、Y可動部材222Y及びZ可動部材222Zのそれぞれの位置を計測可能であってもよい。具体的には、例えば、ヘッド位置計測装置41は、X可動部材222XのX軸方向における位置を計測可能であってもよい。例えば、ヘッド位置計測装置41は、Y可動部材222YのY軸方向における位置を計測可能であってもよい。例えば、ヘッド位置計測装置41は、Z可動部材222ZのZ軸方向における位置を計測可能であってもよい。
【0049】
ヘッド位置計測装置41は、ヘッド駆動系22の位置に関する情報を取得可能なエンコーダを用いて、ヘッド駆動系22の位置を計測可能であってもよい。つまり、ヘッド位置計測装置41は、ヘッド駆動系22の位置を計測可能なエンコーダを備えていてもよい。この場合、制御装置7は、エンコーダによる計測結果(つまり、エンコーダの出力)に基づいて、ヘッド駆動系22の位置を算出してもよい。上述したようにヘッド位置計測装置41がX可動部材222X、Y可動部材222Y及びZ可動部材222Zのそれぞれの位置を計測する場合には、ヘッド位置計測装置41は、リニアエンコーダを備えていてもよい。或いは、ヘッド駆動系22が回転軸周りに回転可能な可動部材を備えている場合には、ヘッド位置計測装置41は、回転軸周りに回転可能な可動部材の位置を計測可能なロータリエンコーダを備えていてもよい。
【0050】
ヘッド位置計測装置41は、ヘッド駆動系22の位置に関する情報を取得可能な非接触式の位置計測装置を用いて、ヘッド駆動系22の位置を計測可能であってもよい。つまり、ヘッド位置計測装置41は、ヘッド駆動系22に接触することなくヘッド駆動系22の位置を計測可能な非接触式の位置計測装置を備えていてもよい。非接触式の位置計測装置の一例として、干渉計があげられる。この場合、制御装置7は、非接触式の位置計測装置による計測結果(つまり、非接触式の位置計測装置の出力)に基づいて、ヘッド駆動系22の位置を算出してもよい。
【0051】
尚、ヘッド駆動系22の位置は、実質的には、加工ヘッド21の位置と等価であるとみなしてもよい。なぜならば、加工ヘッド21は、X可動部材222Xの移動に伴ってX軸方向に沿って移動し、Y可動部材222Yの移動に伴ってY軸方向に沿って移動し、且つ、Z可動部材222Zの移動に伴ってZ軸方向に沿って移動可能であるからである。このため、ヘッド位置計測装置41は、加工ヘッド21の位置を計測可能な(つまり、加工ヘッド21の位置に関する情報を取得可能な)装置として機能しているとみなしてもよい。
【0052】
ステージ位置計測装置42は、ステージ駆動系33の位置を計測可能である。この場合、ステージ位置計測装置42は、ステージ駆動系33の位置に関する情報を取得可能な装置として機能しているとみなしてもよい。例えば、ステージ位置計測装置42は、ステージ駆動系33が備えるθX可動部材332及びθZ可動部材333のそれぞれの位置を計測可能であってもよい。具体的には、例えば、ステージ位置計測装置42は、θX可動部材332のX軸周りの回転方向における位置を計測可能であってもよい。例えば、ステージ位置計測装置42は、θZ可動部材333のZ軸周りの回転方向における位置を計測可能であってもよい。
【0053】
ステージ位置計測装置42は、ステージ駆動系33の位置に関する情報を取得可能なエンコーダを用いて、ステージ駆動系33の位置を計測可能であってもよい。つまり、ステージ位置計測装置42は、ステージ駆動系33の位置を計測可能なエンコーダを備えていてもよい。この場合、制御装置7は、エンコーダによる計測結果(つまり、エンコーダの出力)に基づいて、ステージ駆動系33の位置を算出してもよい。上述したようにステージ位置計測装置42がθX可動部材332及びθZ可動部材333のそれぞれの位置を計測する場合には、ステージ位置計測装置42は、ロータリエンコーダを備えていてもよい。或いは、ステージ駆動系33が直線状の移動軸に沿って移動可能な可動部材を備えている場合には、ステージ位置計測装置42は、移動軸に沿って移動可能な可動部材の位置を計測可能なリニアエンコーダを備えていてもよい。
【0054】
ステージ位置計測装置42は、ステージ駆動系33の位置に関する情報を取得可能な非接触式の位置計測装置を用いて、ステージ駆動系33の位置を計測可能であってもよい。つまり、ステージ位置計測装置42は、ステージ駆動系33に接触することなくステージ駆動系33の位置を計測可能な非接触式の位置計測装置を備えていてもよい。非接触式の位置計測装置の一例として、干渉計があげられる。この場合、制御装置7は、非接触式の位置計測装置による計測結果(つまり、非接触式の位置計測装置の出力)に基づいて、ステージ駆動系33の位置を算出してもよい。
【0055】
監視ユニット4は、ヘッド位置計測装置41とステージ位置計測装置42とを別々に備えることに代えて、ヘッド駆動系22の位置に関する情報を取得可能であって(つまり、ヘッド駆動系22の位置を計測可能であって)、且つ、ステージ駆動系33の位置に関する情報を取得可能な(つまり、ステージ駆動系33の位置を計測可能な)位置計測装置を備えていてもよい。
【0056】
尚、ステージ駆動系33の位置は、実質的には、ステージ32の位置(更には、ステージ32に載置されているワークWの位置)と等価であるとみなしてもよい。なぜならば、ステージ32は、θX可動部材332の回転に伴ってX軸周りに回転し、且つ、θZ可動部材333の回転に伴ってZ軸周りに回転可能であるからである。このため、ステージ位置計測装置42は、ステージ32及びワークWのそれぞれの位置を計測可能な(つまり、ステージ32及びワークWのそれぞれの位置に関する情報を取得可能な)装置として機能しているとみなしてもよい。
【0057】
撮像装置43は、材料ノズル212から供給される造形材料Mを撮像可能である。撮像装置43の撮像結果(つまり、撮像装置43の出力)は、制御装置7によって、造形材料Mの供給量を算出するために用いられる。この場合、撮像装置43は、造形材料Mの供給量に関する情報を取得可能な装置として機能しているとみなしてもよい。
【0058】
重量計測装置44は、材料ノズル212から供給される造形材料Mの重量を、造形材料の供給量として計測可能である。この場合、重量計測装置44は、造形材料Mの供給量に関する情報を取得可能な装置として機能しているとみなしてもよい。例えば、重量計測装置44は、材料供給源12と材料ノズル212とを接続する供給管121を通過する造形材料Mの重量を計測することで、材料ノズル212から供給される造形材料Mの供給量を計測可能であってもよい。
【0059】
尚、監視ユニット4は、撮像装置43及び重量計測装置44の双方を備えることに代えて、撮像装置43及び重量計測装置44のいずれか一方を備える一方で、撮像装置43及び重量計測装置44のいずれか他方を備えていなくてもよい。この場合であっても、監視ユニット4が造形材料Mの供給量を監視可能であることに変わりはない。
【0060】
受光装置45は、照射光学系211が射出した加工光ELを受光可能である。尚、受光装置45は、光パワーメータと称されてもよい。受光装置45の受光結果(つまり、受光装置45の出力)は、制御装置7によって、加工光ELの光学的な特性を算出するために用いられる。この場合、受光装置45は、加工光ELの光学的な特性に関する情報を取得可能な装置として機能しているとみなしてもよい。受光装置45は、ステージ32に配置されていてもよい。この場合、受光装置45は、照射光学系211が射出した加工光ELを適切に受光することができる。
【0061】
気体供給源51は、筐体9の内部空間SPをパージするためのパージガスの供給源である。パージガスは、不活性ガスを含む。不活性ガスの一例として、窒素ガス又はアルゴンガスがあげられる。気体供給源51は、気体供給源51と筐体9とを接続する供給管151を介して、筐体9の内部空間SPにパージガスを供給する。その結果、筐体9の内部空間SPは、パージガスによってパージされた空間となる。尚、気体供給源51は、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスが格納されたボンベであってもよい。不活性ガスが窒素ガスである場合には、気体供給源51は、大気を原料として窒素ガスを発生する窒素ガス発生装置であってもよい。
【0062】
温度調整装置52は、筐体9の内部空間SP(つまり、加工ユニット2と、ステージユニット3と、監視ユニット4とが収容される空間)の温度を調整可能である。例えば、温度調整装置52は、筐体9の内部空間SPの温度が所定条件を満たすように、筐体9の内部空間SPの温度を調整可能であってもよい。筐体9の内部空間SPの温度が所定条件を満たす状態は、筐体9の内部空間SPの温度が第1所定温度と一致する状態、筐体9の内部空間SPの温度が第2所定温度よりも高くなる状態、及び、筐体9の内部空間SPの温度が第3所定温度よりも低くなる状態のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。尚、第1所定温度と第2所定温度と第3所定温度とのうちの少なくとも二つは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0063】
制御装置7は、加工装置SYSaの動作を制御する。制御装置7は、加工装置SYSaの動作を制御することで、3次元構造物STの造形を制御する。その結果、加工装置SYSaは、制御装置7の制御下で、ワークWに対して付加加工を行うことで3次元構造物STを造形する。具体的には、例えば、制御装置7は、ワークWに対して付加加工を行うように、加工装置SYSaが備える加工ユニット2(例えば、加工ヘッド21及びヘッド駆動系22の少なくとも一方)を制御してもよい。例えば、制御装置7は、ワークWに対して付加加工を行うように、加工装置SYSaが備えるステージユニット3(例えば、ステージ駆動系33)を制御してもよい。つまり、制御装置7は、加工ユニット2及びステージユニット3による3次元構造物STの造形を制御してもよい。
【0064】
制御装置7は、例えば、演算装置と、記憶装置とを備えていてもよい。演算装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)の少なくとも一方を含んでいてもよい。記憶装置は、例えば、メモリを含んでいてもよい。制御装置7は、演算装置がコンピュータプログラムを実行することで、加工装置SYSaの動作を制御する装置として機能する。このコンピュータプログラムは、制御装置7が行うべき後述する動作を演算装置に行わせる(つまり、実行させる)ためのコンピュータプログラムである。つまり、このコンピュータプログラムは、加工装置SYSaに後述する動作を行わせるように制御装置7を機能させるためのコンピュータプログラムである。演算装置が実行するコンピュータプログラムは、制御装置7が備える記憶装置(つまり、記録媒体)に記録されていてもよいし、制御装置7に内蔵された又は制御装置7に外付け可能な任意の記憶媒体(例えば、ハードディスクや半導体メモリ)に記録されていてもよい。或いは、演算装置は、実行するべきコンピュータプログラムを、ネットワークインタフェースを介して、制御装置7の外部の装置からダウンロードしてもよい。
【0065】
制御装置7は、加工装置SYSaの内部に設けられていなくてもよい。例えば、制御装置7は、加工装置SYSa外にサーバ等として設けられていてもよい。この場合、制御装置7と加工装置SYSaとは、有線及び/又は無線のネットワーク(或いは、データバス及び/又は通信回線)で接続されていてもよい。有線のネットワークとして、例えばIEEE1394、RS-232x、RS-422、RS-423、RS-485及びUSBの少なくとも一つに代表されるシリアルバス方式のインタフェースを用いるネットワークが用いられてもよい。有線のネットワークとして、パラレルバス方式のインタフェースを用いるネットワークが用いられてもよい。有線のネットワークとして、10BASE-T、100BASE-TX及び1000BASE-Tの少なくとも一つに代表されるイーサネット(登録商標)に準拠したインタフェースを用いるネットワークが用いられてもよい。無線のネットワークとして、電波を用いたネットワークが用いられてもよい。電波を用いたネットワークの一例として、IEEE802.1xに準拠したネットワーク(例えば、無線LAN及びBluetooth(登録商標)の少なくとも一方)があげられる。無線のネットワークとして、赤外線を用いたネットワークが用いられてもよい。無線のネットワークとして、光通信を用いたネットワークが用いられてもよい。この場合、制御装置7と加工装置SYSaとはネットワークを介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されていてもよい。また、制御装置7は、ネットワークを介して加工装置SYSaにコマンドや制御パラメータ等の情報を送信可能であってもよい。加工装置SYSaは、制御装置7からのコマンドや制御パラメータ等の情報を、上記ネットワークを介して受信する受信装置を備えていてもよい。加工装置SYSaは、制御装置7に対してコマンドや制御パラメータ等の情報を、上記ネットワークを介して送信する送信装置(つまり、制御装置7に対して情報を出力する出力装置)を備えていてもよい。或いは、制御装置7が行う処理のうちの一部を行う第1制御装置が加工装置SYSaの内部に設けられている一方で、制御装置7が行う処理のうちの他の一部を行う第2制御装置が加工装置SYSaの外部に設けられていてもよい。
【0066】
制御装置7内には、演算装置がコンピュータプログラムを実行することで、機械学習によって構築可能な演算モデルが実装されてもよい。機械学習によって構築可能な演算モデルの一例として、例えば、ニューラルネットワークを含む演算モデル(いわゆる、人工知能(AI:Artificial Intelligence))があげられる。この場合、演算モデルの学習は、ニューラルネットワークのパラメータ(例えば、重み及びバイアスの少なくとも一つ)の学習を含んでいてもよい。制御装置7は、演算モデルを用いて、加工装置SYSaの動作を制御してもよい。つまり、加工装置SYSaの動作を制御する動作は、演算モデルを用いて加工装置SYSaの動作を制御する動作を含んでいてもよい。尚、制御装置7には、教師データを用いたオフラインでの機械学習により構築済みの演算モデルが実装されてもよい。また、制御装置7に実装された演算モデルは、制御装置7上においてオンラインでの機械学習によって更新されてもよい。或いは、制御装置7は、制御装置7に実装されている演算モデルに加えて又は代えて、制御装置7の外部の装置(つまり、加工装置SYSaの外部に設けられる装置に実装された演算モデルを用いて、加工装置SYSaの動作を制御してもよい。
【0067】
言い換えれば、制御装置7が備える演算装置は、機械学習によって構築されたアルゴリズムを含むコンピュータプログラムを実行してもよい。機械学習には、例えば、ニューラルネットワークを含む演算モデル(いわゆる、人工知能(AI:Artificial Intelligence))が用いられてもよい。また、機械学習には、ニューラルネットワークを多層に結合したディープラーニング(深層学習)が用いられてもよい。制御装置7は、機械学習を用いて構築されたプログラムを用いて、加工装置SYSaの動作を制御してもよい。つまり、加工装置SYSaの動作を制御する動作は、機械学習を用いて構築されたプログラムを用いて加工装置SYSaの動作を制御する動作を含んでいてもよい。
【0068】
尚、制御装置7が実行するコンピュータプログラムを記録する記録媒体としては、CD-ROM、CD-R、CD-RWやフレキシブルディスク、MO、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-R、DVD+R、DVD-RW、DVD+RW及びBlu-ray(登録商標)等の光ディスク、磁気テープ等の磁気媒体、光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ、及び、その他プログラムを格納可能な任意の媒体の少なくとも一つが用いられてもよい。記録媒体には、コンピュータプログラムを記録可能な機器(例えば、コンピュータプログラムがソフトウェア及びファームウェア等の少なくとも一方の形態で実行可能な状態に実装された汎用機器又は専用機器)が含まれていてもよい。更に、コンピュータプログラムに含まれる各処理や機能は、制御装置7(つまり、コンピュータ)がコンピュータプログラムを実行することで制御装置7内に実現される論理的な処理ブロックによって実現されてもよいし、制御装置7が備える所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウェアによって実現されてもよいし、論理的な処理ブロックとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウェアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
【0069】
制御装置7は、加工制御情報71に基づいて、加工装置SYSaの動作を制御する。加工制御情報71は、付加加工を行う(つまり、3次元構造物STを造形する)ように加工装置SYSaを制御するための情報である。加工制御情報71のデータ構造の一例が図3に示されている。図3に示すように、加工制御情報71は、ヘッド制御情報711と、ステージ制御情報712と、材料制御情報713と、光制御情報714とを含んでいてもよい。
【0070】
ヘッド制御情報711は、加工ヘッド21の移動態様を指定する情報である。ヘッド制御情報711は、加工ヘッド21の移動態様を制御するために制御装置7が利用可能な情報である。制御装置7は、ヘッド制御情報711に基づいてヘッド駆動系22を制御することで、加工ヘッド21の移動態様を制御する。加工ヘッド21の移動態様は、例えば、加工ヘッド21の移動軌跡、加工ヘッド21の移動量、加工ヘッド21の移動速度、加工ヘッド21の移動方向及び加工ヘッド21の移動タイミングの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0071】
ステージ制御情報712は、ステージ32の移動態様を指定する情報である。ステージ制御情報712は、ステージ32の移動態様を制御するために制御装置7が利用可能な情報である。制御装置7は、ステージ制御情報712に基づいてステージ駆動系33を制御することで、ステージ32の移動態様を制御する。ステージ32の移動態様は、例えば、ステージ32の移動軌跡、ステージ32の移動量、ステージ32の移動速度、ステージ32の移動方向及びステージ32の移動タイミングの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0072】
材料制御情報713は、材料ノズル212による造形材料Mの供給態様を指定する情報である。材料制御情報713は、材料ノズル212による造形材料Mの供給態様を制御するために制御装置7が利用可能な情報である。制御装置7は、材料制御情報713に基づいて材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御することで、造形材料Mの供給態様を制御する。造形材料Mの供給態様は、例えば、造形材料Mの供給量(特に、単位時間当たりの供給量)及び造形材料Mの供給タイミングの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0073】
光制御情報714は、照射光学系211による加工光ELの射出態様を指定する情報である。光制御情報714は、照射光学系211による加工光ELの射出態様を制御するために制御装置7が利用可能な情報である。制御装置7は、光制御情報714に基づいて照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御することで、加工光ELの射出態様を制御する。加工光ELの射出態様は、例えば、加工光ELの光学的特性を含んでいてもよい。一例として、加工光ELの射出態様は、加工光ELの光学的特性として、加工光ELの照射強度、加工光ELの強度分布及び加工光ELの形状の少なくとも一つを含んでいてもよい。加工光ELの射出態様は、例えば、加工光ELの射出タイミングを含んでいてもよい。加工光ELが複数のパルス光を含む場合には、加工光ELの射出態様は、例えば、パルス光の発光時間、パルス光の発光周期、及び、パルス光の発光時間の長さとパルス光の発光周期との比(いわゆる、デューティ比)の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0074】
本実施形態では、制御装置7は、監視ユニット4による監視結果に基づいて、加工制御情報71に基づく3次元構造物STの造形を制御する。つまり、制御装置7は、加工制御情報71に加えて、監視ユニット4による監視結果に基づいて、3次元構造物STの造形を制御する。尚、加工制御情報71と監視ユニット4による監視結果とに基づいて3次元構造物STの造形を制御する動作については、後に詳述する。
【0075】
尚、第1実施形態では、3次元構造物STを造形するために加工制御情報71が用いられるため、加工制御情報71は、造形制御情報と称されてもよい。
【0076】
入力インタフェース8は、加工制御情報71を入力するための入力部である。制御装置7には、入力インタフェース8を介して、加工制御情報71が入力される。制御装置7は、入力インタフェース8を介して入力された加工制御情報71に基づいて、3次元構造物STの造形を制御する。
【0077】
(1-2)加工装置SYSaの動作
続いて、加工装置SYSaの動作について説明する。上述したように、加工装置SYSaは、加工制御情報71に基づいて、3次元構造物STを造形してもよい。更に、加工装置SYSaは、加工制御情報71に加えて監視ユニット4による監視結果に基づいて、3次元構造物STを造形してもよい。このため、以下では、監視ユニット4による監視結果を用いることなく、加工制御情報71に基づいて3次元構造物STを造形する第1動作と、加工制御情報71及び監視ユニット4による監視結果に基づいて3次元構造物STを造形する第2動作とについて順に説明する。
【0078】
(1-2-1)加工装置SYSaの第1動作
はじめに、加工制御情報71に基づいて3次元構造物STを造形する第1動作について説明する。上述したように、加工装置SYSaは、レーザ肉盛溶接法に基づく付加加工を行うことで、3次元構造物STを造形する。このため、加工装置SYSaは、レーザ肉盛溶接法に準拠した既存の付加加工を行うことで、3次元構造物STを造形してもよい。以下、レーザ肉盛溶接法を用いて3次元構造物STを造形する動作の一例について簡単に説明する。
【0079】
制御装置7は、3次元構造物STを造形するために、入力インタフェース8を介して加工制御情報71を取得する。加工制御情報71は、加工装置SYSaとは異なる外部の制御情報生成装置によって生成される。但し、加工装置SYSaが備える制御装置7が、加工制御情報71を生成してもよい。制御情報生成装置は、加工装置SYSaが造形するべき3次元構造物STの3次元モデルデータ(例えば、CAD(Computer Aided Design)データ)等に基づいて、加工制御情報71を生成する。3次元モデルデータとして、3次元形状計測機で計測された立体物の計測データが用いられてもよい。
【0080】
加工装置SYSaは、3次元構造物STを造形するために、例えば、Z軸方向に沿って並ぶ複数の層状の部分構造物(以下、“構造層”と称する)SLを順に造形していく。例えば、加工装置SYSaは、3次元構造物STをZ軸方向に沿って輪切りにすることで得られる複数の層に相当する複数の構造層SLを1層ずつ順に造形していく。その結果、複数の構造層SLが積層された積層構造体である3次元構造物STが造形される。この場合、制御情報生成装置は、複数の構造層SLを順に造形するように加工装置SYSaを制御するための加工制御情報71を生成する。このため、加工制御情報71は、典型的には、複数の構造層SLのうちの第1の構造層SLを造形するように加工装置SYSaを制御するための情報と、複数の構造層SLのうちの第2の構造層SLを造形するように加工装置SYSaを制御するための情報と、・・・、複数の構造層SLのうちの第N(尚、Nは、3次元構造物STを構成する構造層SLの総数を示す整数)の構造層SLを造形するように加工装置SYSaを制御するための情報とを含む。
【0081】
ここで、まずは、各構造層SLを造形する動作について、図4(a)から図4(e)を参照しながら説明する。制御装置7は、加工制御情報71(特に、ヘッド制御情報711及びステージ制御情報712)に基づいてヘッド駆動系22及びステージ駆動系33の少なくとも一つを制御することで、ワークWの表面又は造形済みの構造層SLの表面に相当する造形面MS上の所望領域に目標照射領域EAが設定されるように、加工ヘッド21及びステージ32の少なくとも一つを移動させる。その後、制御装置7は、加工制御情報71(特に、光制御情報714)に基づいて、目標照射領域EAに対して加工光ELを照射するように、照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御する。この際、Z軸方向において加工光ELが集光される集光面は、造形面MSに一致していてもよい。或いは、Z軸方向において集光面は、造形面MSから外れていてもよい。その結果、図4(a)に示すように、加工光ELが照射された造形面MS上に、溶融池(つまり、加工光ELによって溶融した金属等のプール)MPが形成される。更に、制御装置7は、加工制御情報71(特に、材料制御情報713)に基づいて、溶融池MPに造形材料Mを供給するように、材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御する。溶融池MPに供給された造形材料Mは、溶融池MPに照射されている加工光ELによって溶融する。或いは、材料ノズル212から供給された造形材料Mは、溶融池MPに到達する前に加工光ELによって溶融し、溶融した造形材料Mが溶融池MPに供給されてもよい。その後、加工制御情報71(特に、ヘッド制御情報711及びステージ制御情報712)に基づく加工ヘッド21及びステージ32の少なくとも一つの移動に伴って溶融池MPに加工光ELが照射されなくなると、溶融池MPにおいて溶融した造形材料Mは、冷却されて固化(つまり、凝固)する。その結果、図4(c)に示すように、固化した造形材料Mから構成される造形物が造形面MS上に堆積される。
【0082】
制御装置7は、加工制御情報71に基づいて、このような加工光ELの照射による溶融池MPの形成、溶融池MPへの造形材料Mの供給、供給された造形材料Mの溶融及び溶融した造形材料Mの固化を含む一連の造形処理を、図4(d)に示すように、造形面MSに対して加工ヘッド21を、X軸方向及びY軸方向の少なくとも一方に沿って移動させながら繰り返すように、加工装置SYSaを制御する。この際、制御装置7は、加工制御情報71(特に、光制御情報714)に基づいて、造形面MS上において造形物を造形したい領域に加工光ELを照射する一方で、造形面MS上において造形物を造形したくない領域に加工光ELを照射しないように、照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御する。つまり、制御装置7は、加工制御情報71(特に、ヘッド制御情報711及びステージ制御情報712)に基づいて、造形面MS上を所定の移動軌跡に沿って目標照射領域EAが移動するようにヘッド駆動系22及びステージ駆動系33を制御しながら、加工制御情報71(特に、光制御情報714)に基づいて、造形物を造形したい領域の分布の態様に応じたタイミングで加工光ELを造形面MSに照射する。その結果、溶融池MPもまた、目標照射領域EAの移動軌跡に応じた移動軌跡に沿って造形面MS上を移動することになる。具体的には、溶融池MPは、造形面MS上において、目標照射領域EAの移動軌跡に沿った領域のうち加工光ELが照射された部分に順次形成される。その結果、図4(e)に示すように、造形面MS上に、溶融した後に固化した造形材料Mの集合体である造形物に相当する構造層SLが造形される。つまり、溶融池MPの移動軌跡に応じたパターンで造形面MS上に造形された造形物の集合体に相当する構造層SL(つまり、平面視において、溶融池MPの移動軌跡に応じた形状を有する構造層SL)が造形される。尚、造形物を造形したくない領域に目標照射領域EAが設定されている場合、加工装置SYSaは、加工光ELを目標照射領域EAに照射するとともに、造形材料Mの供給を停止してもよい。また、造形物を造形したくない領域に目標照射領域EAが設定されている場合に、加工装置SYSaは、造形材料Mを目標照射領域EAに供給するとともに、溶融池MPができない強度の加工光ELを目標照射領域EAに照射してもよい。
【0083】
制御装置7は、加工制御情報71に基づいて、このような構造層SLを造形するための動作を繰り返し行うように、加工装置SYSaを制御する。具体的には、まず、加工装置SYSaは、ワークWの表面に相当する造形面MS上に1層目の構造層SL#1を造形する。この場合、制御装置7は、加工制御情報71から構造層SL#1を造形するように加工装置SYSaを制御するための情報を抽出し、抽出した情報に基づいて、1層目の構造層SL#1を造形するように加工装置SYSaを制御する。その結果、造形面MS上には、図5(a)に示すように、構造層SL#1が造形される。
【0084】
その後、加工装置SYSaは、構造層SL#1の表面(つまり、上面)を新たな造形面MSに設定した上で、当該新たな造形面MS上に2層目の構造層SL#2を造形する。構造層SL#2を造形するために、制御装置7は、まず、加工制御情報71(特に、ヘッド制御情報711及びステージ制御情報712)に基づいてヘッド駆動系22及びステージ駆動系33の少なくとも一つを制御することで、目標照射領域EAが構造層SL#1の表面(つまり、新たな造形面MS)に設定されるように、+Z側に向かって加工ヘッド21を移動させる及び/又は-Z側に向かってステージ32を移動させる。その後、制御装置7は、構造層SL#1を造形する動作と同様の動作で、構造層SL#1上に構造層SL#2を造形する。つまり、制御装置7は、加工制御情報71から構造層SL#2を造形するように加工装置SYSaを制御するための情報を抽出し、抽出した情報に基づいて、2層目の構造層SL#2を造形するように加工装置SYSaを制御する。その結果、図5(b)に示すように、構造層SL#2が造形される。
【0085】
以降、同様の動作が、ワークW上に造形するべき3次元構造物STを構成する全ての構造層SLが造形されるまで繰り返される。その結果、図5(c)に示すように、複数の構造層SLが積層された積層構造物によって、3次元構造物STが造形される。
【0086】
(1-2-2)加工装置SYSaの第2動作
続いて、加工制御情報71及び監視ユニット4による監視結果に基づいて3次元構造物STを造形する第2動作について説明する。
【0087】
第2動作では、制御装置7は、ワークWに対する加工(第1実施形態では、3次元構造物STの造形)に先立って、加工制御情報71に基づいて加工装置SYSaを駆動させる。つまり、制御装置7は、加工制御情報71に基づいてワークWに対する加工を実際に開始する前に、ワークWを加工することなく(つまり、3次元構造物STを造形することなく)、加工制御情報71に基づいて加工装置SYSaを駆動させる。以下の説明では、説明の便宜上、ワークWを加工することなく加工制御情報71に基づいて加工装置SYSaを駆動させる動作を、“テスト駆動”と称する。なお、テスト駆動は、英語で、test driveと称されてもよい。テスト駆動は、試行駆動(trial drive)と称されてもよい。第2動作では、監視ユニット4は、テスト駆動が行われている期間(以下、“テスト駆動期間”と称する)中に、監視対象物(つまり、照射光学系211、材料ノズル212、ヘッド駆動系22及びステージ駆動系33)の駆動状況を監視する。その後、制御装置7は、加工制御情報71とテスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果とに基づいて、ワークWを実際に加工する(第1実施形態では、3次元構造物STを造形する)ように加工装置SYSaを制御する。つまり、制御装置7は、ワークWを実際に加工する本加工を行う期間(以降、“本加工期間”と称する)中において、加工制御情報71とテスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果とに基づいて加工装置SYSaを制御する。
【0088】
以下、このような第2動作について、図6を参照しながら説明する。図6は、加工制御情報71及び監視ユニット4による監視結果に基づいて3次元構造物STを造形する第2動作の流れを示すフローチャートである。
【0089】
図6に示すように、第2動作においても、第1動作と同様に、制御装置7は、入力インタフェース8を介して加工制御情報71を取得する(ステップS11)。
【0090】
その後、制御装置7は、3次元構造物STを造形することなく、ステップS11において取得した加工制御情報71に基づいて加工装置SYSaを駆動させる(ステップS12)。その結果、テスト駆動期間中において、加工装置SYSaは、3次元構造物STを実際には造形しないという点を除いて、本加工期間中の加工装置SYSaの駆動態様と同様の駆動態様で駆動することになる。
【0091】
例えば、制御装置7は、ステップS11において取得した加工制御情報71(特に、ヘッド制御情報711)に基づいて、ヘッド駆動系22を制御(言い換えれば、駆動、以下同じ)してもよい。その結果、テスト駆動期間中において、ヘッド駆動系22は、本加工期間中のヘッド駆動系22の駆動態様と同様の駆動態様で駆動することになる。つまり、テスト駆動期間中において、ヘッド駆動系22は、本加工期間中にヘッド駆動系22が加工ヘッド21を移動させる駆動態様と同様の駆動態様で、加工ヘッド21を移動させる。言い換えれば、テスト駆動期間中において、加工ヘッド21は、本加工期間中に加工ヘッド21が移動する移動態様と同様の移動態様で移動する。
【0092】
一例として、ヘッド駆動系22が加工ヘッド21を移動させることで、照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係及び相対的な姿勢関係のうち少なくとも一方の関係が変わることは、上述したとおりである。この場合、制御装置7は、テスト駆動期間中のある期間における照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係及び相対的な姿勢関係のうち少なくとも一方の関係の変更量が、ヘッド制御情報711に基づく所望の第1目標変更量となるように、ヘッド制御情報711に基づいてヘッド駆動系22を制御してもよい。
【0093】
例えば、制御装置7は、ステップS11において取得した加工制御情報71(特に、ステージ制御情報712)に基づいて、ステージ駆動系33を制御(言い換えれば、駆動、以下同じ)してもよい。その結果、テスト駆動期間中において、ステージ駆動系33は、本加工期間中のステージ駆動系33の駆動態様と同様の駆動態様で駆動することになる。つまり、テスト駆動期間中において、ステージ駆動系33は、本加工期間中にステージ駆動系33がステージ32を移動させる駆動態様と同様の駆動態様で、ステージ32を移動させる。言い換えれば、テスト駆動期間中において、ステージ32は、本加工期間中にステージ32が移動する移動態様と同様の移動態様で移動する。
【0094】
一例として、ステージ駆動系33がステージ32を移動させることで、照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係及び相対的な姿勢関係のうち少なくとも一方の関係が変わることは、上述したとおりである。制御装置7は、テスト駆動期間中のある期間における照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係及び相対的な姿勢関係のうち少なくとも一方の関係の変更量が、ステージ制御情報712に基づく所望の第2目標変更量となるように、ステージ制御情報712に基づいてステージ駆動系33を制御してもよい。尚、ステージ駆動系33がステージ32を移動させる期間中に、ヘッド駆動系22が加工ヘッド21を移動させる可能性がある。この場合には、制御装置7は、テスト駆動期間中のある期間における照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係及び相対的な姿勢関係のうち少なくとも一方の関係の変更量が、ヘッド制御情報711及びステージ制御情報712に基づく所望の第3目標変更量となるように、ヘッド制御情報711に基づいてヘッド駆動系22を制御し且つステージ制御情報712に基づいてステージ駆動系33を制御してもよい。
【0095】
例えば、制御装置7は、ステップS11において取得した加工制御情報71(特に、材料制御情報713)に基づいて、材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御(言い換えれば、駆動、以下同じ)してもよい。その結果、テスト駆動期間中において、材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つは、本加工期間中の材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つの駆動態様と同様の駆動態様で駆動することになる。つまり、テスト駆動期間中において、材料ノズル212からは、本加工期間中における材料ノズル212からの造形材料Mの供給態様と同様の供給態様で、造形材料Mが供給される。
【0096】
一例として、制御装置7は、テスト駆動期間中のある期間における造形材料Mの供給量が、材料制御情報713に基づく所望の目標供給量となるように、材料制御情報713に基づいて材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御してもよい。
【0097】
但し、照射光学系211から造形材料Mを溶融させるほどに強い強度の加工光ELが射出されている状況下で材料ノズル212から造形材料Mが供給されると、テスト駆動期間中において、造形物が造形されてしまう可能性がある。このため、制御装置7は、テスト駆動期間中に材料ノズル212から造形材料Mが供給されなくなるように、材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御してもよい。例えば、テスト駆動期間中において照射光学系211から造形材料Mを溶融させるほどに強い強度の加工光ELが射出されている場合には、制御装置7は、テスト駆動期間中に材料ノズル212から造形材料Mが供給されなくなるように、材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御してもよい。或いは、テスト駆動期間中において照射光学系211から加工光ELが射出されているか否かとは無関係に、制御装置7は、テスト駆動期間中に材料ノズル212から造形材料Mが供給されなくなるように、材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御してもよい。テスト駆動期間中において照射光学系211から射出されている加工光ELの強度の大小とは無関係に、制御装置7は、テスト駆動期間中に材料ノズル212から造形材料Mが供給されなくなるように、材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御してもよい。
【0098】
例えば、制御装置7は、ステップS11において取得した加工制御情報71(特に、光制御情報714)に基づいて、照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御(言い換えれば、駆動、以下同じ)してもよい。その結果、テスト駆動期間中において、照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つは、本加工期間中の照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つの駆動態様と同様の駆動態様で駆動することになる。つまり、テスト駆動期間中において、照射光学系211からは、本加工期間中における加工光ELの射出態様と同様の射出態様で、加工光ELが射出される。
【0099】
一例として、制御装置7は、テスト駆動期間中のある期間における加工光ELの光学的な特性が、光制御情報714に基づく所望の目標特性となるように、光制御情報714に基づいて照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。具体的には、例えば、制御装置7は、テスト駆動期間中のある期間における加工光ELの照射強度が、光制御情報714に基づく所望の目標強度となるように、光制御情報714に基づいて照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。例えば、制御装置7は、テスト駆動期間中のある期間における加工光ELの強度分布が、光制御情報714に基づく所望の目標分布となるように、光制御情報714に基づいて照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。例えば、制御装置7は、テスト駆動期間中のある期間における加工光ELの形状が、光制御情報714に基づく所望の目標形状となるように、光制御情報714に基づいて照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。
【0100】
但し、材料ノズル212から造形材料Mが供給されている状況下で照射光学系211から造形材料Mを溶融させるほどに強い強度の加工光ELが射出されると、テスト駆動期間中において、造形物が造形されてしまう可能性がある。このため、制御装置7は、テスト駆動期間中に照射光学系211から造形材料Mを溶融させるほどに強い強度の加工光ELが射出されなくなるように、照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。例えば、テスト駆動期間中において材料ノズル212から造形材料Mが供給されている場合には、制御装置7は、テスト駆動期間中に照射光学系211から造形材料Mを溶融させるほどに強い強度の加工光ELが射出されなくなるように、照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。一例として、制御装置7は、照射光学系211から造形材料Mを溶融させるほどには強くない強度の加工光ELが射出されるように、照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。他の一例として、制御装置7は、照射光学系211からそもそも加工光ELが射出されなくなるように、照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。或いは、テスト駆動期間中において材料ノズル212から造形材料Mが供給されているか否かとは無関係に、制御装置は、照射光学系211からそもそも加工光ELが射出されなくなるように、照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。
【0101】
テスト駆動期間中は、本加工期間中に3次元構造物STを造形するべきワークWが、ステージ32に載置されていてもよい。つまり、制御装置7は、ワークWがステージ32に載置された後に、テスト駆動を開始してもよい。この場合、制御装置7は、本加工が行われる環境とより近い環境下においてテスト駆動を行うことができる。但し、テスト駆動期間中は、ワークWがステージ32に載置されていなくてもよい。
【0102】
或いは、テスト駆動期間中は、本加工期間中に3次元構造物STを造形するべきワークWが、ステージ32に載置されていなくてもよい。つまり、制御装置7は、テスト用のワークがステージ32に載置された後に、テスト駆動を開始してもよい。テスト駆動期間中は、本加工期間中に3次元構造物STを造形するべきワークWとは異なるテスト用のワークが、ステージ32に載置されていなくてもよい。テスト用のワークの特性(例えば、材質、形状、サイズ及び重量の少なくとも一つ)は、本加工期間中に3次元構造物STを造形するべきワークWの特性と同一であってもよいし、異なっていてもよい。この場合、テスト用のワークがステージ32に載置される場合であっても、制御装置7は、本加工が行われる環境とより近い環境下においてテスト駆動を行うことができる。但し、テスト駆動期間中は、テスト用のワークがステージ32に載置されていなくてもよい。
【0103】
テスト駆動期間中は、筐体9の内部空間SPは、気体供給源51から供給されるパージガスによってパージされた空間となっていてもよい。つまり、制御装置7は、気体供給源51による内部空間SPへのパージガスの供給が終了した後に、テスト駆動を開始してもよい。この場合、制御装置7は、本加工が行われる環境とより近い環境下においてテスト駆動を行うことができる。但し、テスト駆動期間中は、筐体9の内部空間SPは、気体供給源51から供給されるパージガスによってパージされた空間となっていなくてもよい。制御装置7は、気体供給源51による内部空間SPへのパージガスの供給が開始される前に、テスト駆動を開始してもよい。制御装置7は、気体供給源51による内部空間SPへのパージガスの供給が開始された後であって且つ気体供給源51による内部空間SPへのパージガスの供給が終了する前に、テスト駆動を開始してもよい。例えば、内部空間SP内でのパージガスの圧力が所定の目標圧力となった場合に気体供給源51が内部空間SPへのパージガスの供給を終了する場合には、制御装置7は、内部空間SP内でのパージガスの圧力が所定の目標圧力となる前に、テスト駆動を開始してもよい。例えば、内部空間SPに供給されたパージガスの分量(つまり、内部空間SP内でのパージガスの分量)が所定の目標量となった場合に気体供給源51が内部空間SPへのパージガスの供給を終了する場合には、制御装置7は、内部空間SPに供給されたパージガスの分量(つまり、内部空間SP内でのパージガスの分量)が所定の目標量となる前に、テスト駆動を開始してもよい。
【0104】
テスト駆動期間中は、筐体9の内部空間SPの温度が所定条件を満たすように、筐体9の内部空間SPの温度が温度調整装置52によって調整されてもよい。つまり、制御装置7は、筐体9の内部空間SPの温度が所定条件に調整された後に、テスト駆動を開始してもよい。この場合、制御装置7は、本加工が行われる環境とより近い環境下においてテスト駆動を行うことができる。但し、テスト駆動期間中は、筐体9の内部空間SPの温度が所定条件を満たすように、筐体9の内部空間SPの温度が温度調整装置52によって調整されなくてもよい。
【0105】
テスト駆動期間中には、監視ユニット4は、監視対象物(つまり、照射光学系211、材料ノズル212、ヘッド駆動系22及びステージ駆動系33のうち少なくとも一つ)の駆動状況を監視する(ステップS13)。例えば、監視ユニット4が備えるヘッド位置計測装置41は、テスト駆動期間中におけるヘッド駆動系22の位置を計測してもよい。例えば、監視ユニット4が備えるステージ位置計測装置42は、テスト駆動期間中におけるステージ駆動系33の位置を計測してもよい。例えば、監視ユニット4が備える撮像装置43は、テスト駆動期間中に材料ノズル212から供給される造形材料Mを撮像してもよい。例えば、監視ユニット4が備える撮像装置43は、テスト駆動期間中に材料ノズル212から供給される造形材料Mの重量を、造形材料Mの供給量として計測してもよい。例えば、監視ユニット4が備える受光装置45は、テスト駆動期間中に照射光学系211から射出された加工光ELを受光してもよい。
【0106】
テスト駆動期間中にステージ32にワークW(或いは、テスト用のワーク、以下この段落において同じ)が載置されている場合には、監視ユニット4は、ワークWを監視してもよい。つまり、テスト駆動が開始された後に、監視ユニット4は、ワークWを監視してもよい。例えば、監視ユニット4は、ワークWを監視することで、ステージ32に載置されたワークWの位置及び形状の少なくとも一つを検出してもよい。この場合、監視ユニット4は、ワークWの位置及び形状の少なくとも一つを検出するためのワーク検出装置(検出部)を備えていてもよい。或いは、監視ユニット4が備える撮像装置43が、ワーク検出装置として用いられてもよい。或いは、加工装置SYSaは、監視ユニット4とは別に、ワーク検出装置を備えていてもよい。この場合、監視ユニット4とは異なるワーク検出装置が、ワークWの位置及び形状の少なくとも一つを検出してもよい(つまり、ワークWを監視してもよい)。
【0107】
尚、ステージ32にテスト用のワークが載置されている場合には、テスト駆動の際にテスト用ワークに造形物を造形してもよい。
【0108】
尚、図6では、図面の簡略化のために、ステップS12の動作に続けてステップS13の動作が行われているが、実際には、ステップS12の動作とステップS13の動作とが並行して行われる。但し、ステップS12の動作とステップS13の動作とが必ずしも並行に行われなくてもよい。例えば、ステップS12の動作が行われた後に、ステップS13の動作が行われてもよい。例えば、ステップS12の動作が行われた後に、ステップS13の動作が行われてもよい。ステップS12の動作が行われている期間の少なくとも一部において、ステップS13の動作が行われなくてもよい。
【0109】
ステップS12におけるテスト駆動が終了した後、制御装置7は、3次元構造物STを実際に造形するための本加工を行うように、加工装置SYSaを制御する(ステップS14)。特に、上述したように、制御装置7は、ステップS11において取得された加工制御情報71と、ステップS13における監視ユニット4の監視結果(つまり、テスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果)とに基づいて、本加工を行うように加工装置SYSaを制御する。つまり、制御装置7は、テスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果に基づいて、加工制御情報71に基づく3次元構造物STの造形を制御する。監視ユニット4の監視結果と加工制御情報71とに基づく3次元構造物STの造形は、加工制御情報71に基づく(監視ユニット4の監視結果を用いない)3次元構造物STの造形とは異なる可能性がある。このため、制御装置7は、テスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果に基づいて、加工制御情報71に基づく3次元構造物STの造形を補正するとみなしてもよい。
【0110】
ここで、テスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果に基づいて本加工を行うように加工装置SYSaを制御する技術的理由について説明する。テスト駆動期間中には、上述したように、制御装置7は、本加工を行うように加工装置SYSaを制御するために用いられる加工制御情報71を用いて、加工装置SYSaを駆動させる。このため、理想的には、監視ユニット4の監視結果が示す加工装置SYSaの実際の駆動状況は、加工制御情報71に基づく駆動状況の目標値と一致するはずである。
【0111】
しかしながら、何らかの要因によって、加工装置SYSaの実際の駆動状況が駆動状況の目標値と一致しなくなる可能性がある。例えば、加工装置SYSaの機差に起因して、加工装置SYSaの実際の駆動状況が駆動状況の目標値と一致しなくなる可能性がある。例えば、加工装置SYSaの経時変化に起因して、加工装置SYSaの実際の駆動状況が駆動状況の目標値と一致しなくなる可能性がある。例えば、加工装置SYSaの熱に起因して、加工装置SYSaの実際の駆動状況が駆動状況の目標値と一致しなくなる可能性がある。例えば、加工装置SYSaが置かれた環境に起因して、加工装置SYSaの実際の駆動状況が駆動状況の目標値と一致しなくなる可能性がある。例えば、加工装置SYSaを構成する各構成要素の組付け誤差に起因して、加工装置SYSaの実際の駆動状況が駆動状況の目標値と一致しなくなる可能性がある。
【0112】
この場合、本加工期間中においても、加工装置SYSaの実際の駆動状況が駆動状況の目標値と一致しなくなる可能性がある。その結果、加工装置SYSaの加工精度(第1実施形態では、造形精度)が悪化する可能性がある。例えば、加工装置SYSが造形した3次元構造物STの実際の形状が、目標とする形状とは異なるものとなる可能性がある。例えば、加工装置SYSが造形した3次元構造物STの実際のサイズが、目標とするサイズとは異なるものとなる可能性がある。
【0113】
そこで、本実施形態では、制御装置7は、本加工期間中において、加工制御情報71に加えて監視ユニット4の監視結果を用いて、加工装置SYSaの実際の駆動状況が、加工制御情報71に基づく駆動状況の目標値と一致する(或いは、近づく)ように、加工装置SYSaを制御する。その結果、仮にテスト駆動期間中において加工装置SYSaの実際の駆動状況が駆動状況の目標値と一致しなかったとしても、本加工期間中において、加工装置SYSaの実際の駆動状況が駆動状況の目標値と一致する(或いは、近づく)。その結果、加工装置SYSaの造形精度が悪化する可能性が低くなる。
【0114】
以下、監視ユニット4の監視結果に基づいて加工装置SYSaを制御する具体例について説明する。
【0115】
まず、テスト駆動期間中にヘッド駆動系22の駆動状況を監視ユニット4が監視してもよいことは、上述したとおりである。この場合、制御装置7は、本加工期間中において、加工制御情報71とヘッド駆動系22の駆動状況の監視結果とに基づいて、ヘッド駆動系22の実際の駆動状況が、加工制御情報71に基づくヘッド駆動系22の駆動状況の目標値と一致する(或いは、近づく)ように、ヘッド駆動系22を制御してもよい。
【0116】
一例として、テスト駆動期間中のある期間における照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係及び相対的な姿勢関係うち少なくとも一方の関係の変更量が、ヘッド制御情報711に基づく所望の第1目標変更量となるように、制御装置7がヘッド駆動系22を制御してもよいことは、上述したとおりである。この場合、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて、テスト駆動期間中のある期間における照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係及び相対的な姿勢関係うち少なくとも一方の関係の実際の変更量を算出してもよい。その後、制御装置7は、本加工期間中において、算出した実際の変更量と第1目標変更量との差分(以降、“第1変更誤差”と称する)と、加工制御情報71(特に、ヘッド制御情報711)とに基づいて、ヘッド駆動系22を制御してもよい。例えば、制御装置7は、第1変更誤差とヘッド制御情報711とに基づいて、本加工期間中のある期間における照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係及び相対的な姿勢関係のうち少なくとも一方の関係の実際の変更量が第1目標変更量となる(或いは、近づく)ように、ヘッド駆動系22を制御してもよい。
【0117】
但し、制御装置7は、第1変更誤差が所定のヘッド閾値よりも小さい場合には、本加工期間中において、第1変更誤差を用いることなく、ヘッド制御情報711に基づいてヘッド駆動系22を制御してもよい。つまり、制御装置7は、第1変更誤差がヘッド閾値よりも大きい場合に、本加工期間中において、第1変更誤差(つまり、監視ユニット4の監視結果)とヘッド制御情報711とに基づいて、ヘッド駆動系22を制御してもよい。一例として、第1変更誤差が小さくなるほど、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して第1変更誤差が与える影響は小さくなる。その結果、第1変更誤差がある程度小さくなると、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して第1変更誤差が与える影響は、無視できるほどに小さくなる可能性がある。そこで、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して第1変更誤差が与える影響が無視できるほどに第1変更誤差が小さくなる場合には、本加工期間中に第1変更誤差を用いることなく制御装置7がヘッド駆動系22を制御したとしても、3次元構造物STの精度が悪化する可能性は低い。このため、上述した所定のヘッド閾値は、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して第1変更誤差が与える影響が無視できるほどに小さい第1変更誤差と、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して第1変更誤差が与える影響が無視できるほどには小さくない第1変更誤差とを区別可能な適切な値に設定されてもよい。
【0118】
続いて、テスト駆動期間中にステージ駆動系33の駆動状況を監視ユニット4が監視してもよいことは、上述したとおりである。この場合、制御装置7は、本加工期間中において、加工制御情報71とステージ駆動系33の駆動状況の監視結果とに基づいて、ステージ駆動系33の実際の駆動状況が、加工制御情報71に基づくステージ駆動系33の駆動状況の目標値と一致する(或いは、近づく)ように、ステージ駆動系33を制御してもよい。
【0119】
一例として、テスト駆動期間中のある期間における照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係の変更量が、ステージ制御情報712に基づく所望の第2目標変更量となるように、制御装置7がステージ駆動系33を制御してもよいことは、上述したとおりである。この場合、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて、テスト駆動期間中のある期間における照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係の実際の変更量を算出してもよい。その後、制御装置7は、本加工期間中において、算出した実際の変更量と第2目標変更量との差分(以降、“第2変更誤差”と称する)と、加工制御情報71(特に、ステージ制御情報712)とに基づいて、ステージ駆動系33を制御してもよい。例えば、制御装置7は、第2変更誤差とステージ制御情報712とに基づいて、本加工期間中のある期間における照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係の実際の変更量が第2目標変更量となる(或いは、近づく)ように、ステージ駆動系33を制御してもよい。
【0120】
但し、制御装置7は、第2変更誤差が所定の駆動閾値よりも小さい場合には、本加工期間中において、第2変更誤差を用いることなく、ステージ制御情報712に基づいてステージ駆動系33を制御してもよい。つまり、制御装置7は、第2変更誤差が駆動閾値よりも大きい場合に、本加工期間中において、第2変更誤差(つまり、監視ユニット4の監視結果)とステージ制御情報712とに基づいて、ステージ駆動系33を制御してもよい。一例として、第2変更誤差が小さくなるほど、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して第2変更誤差が与える影響は小さくなる。その結果、第2変更誤差がある程度小さくなると、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して第2変更誤差が与える影響は、無視できるほどに小さくなる可能性がある。そこで、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して第2変更誤差が与える影響が無視できるほどに第2変更誤差が小さくなる場合には、本加工期間中に第2変更誤差を用いることなく制御装置7がステージ駆動系33を制御したとしても、3次元構造物STの精度が悪化する可能性は低い。このため、上述した所定の駆動閾値は、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して第2変更誤差が与える影響が無視できるほどに小さい第2変更誤差と、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して第2変更誤差が与える影響が無視できるほどには小さくない第2変更誤差とを区別可能な適切な値に設定されてもよい。
【0121】
尚、ステージ駆動系33がステージ32を移動させる期間中に、ヘッド駆動系22が加工ヘッド21を移動させる可能性があることは上述したとおりである。具体的には、テスト駆動期間中のある期間における照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係の変更量が、ヘッド制御情報711及びステージ制御情報712に基づく所望の第3目標変更量となるように、制御装置7がヘッド駆動系22及びステージ駆動系33を制御してもよいことは、上述したとおりである。この場合、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて、テスト駆動期間中のある期間における照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係及び相対的な姿勢関係のうち少なくとも一方の関係の実際の変更量を算出してもよい。その後、制御装置7は、本加工期間中において、算出した実際の変更量と第3目標変更量との差分(以降、“第3変更誤差”と称する)と、加工制御情報71(特に、ヘッド制御情報711及びステージ制御情報712)とに基づいて、ヘッド駆動系22及びステージ駆動系33を制御してもよい。例えば、制御装置7は、第3変更誤差とヘッド制御情報711とステージ制御情報712とに基づいて、本加工期間中のある期間における照射光学系211とステージ32との相対的な位置関係及び相対的な姿勢関係のうち少なくとも一方の関係の実際の変更量が第3目標変更量となる(或いは、近づく)ように、ヘッド駆動系22及びステージ駆動系33を制御してもよい。尚、この場合においても、制御装置7は、第3変更誤差が所定の閾値よりも小さい場合には、本加工期間中において、第3変更誤差を用いることなく、ヘッド制御情報711及びステージ制御情報712に基づいてヘッド駆動系22及びステージ駆動系33を制御してもよい。
【0122】
続いて、テスト駆動期間中に材料ノズル212の駆動状況を監視ユニット4が監視してもよいことは、上述したとおりである。この場合、制御装置7は、本加工期間中において、加工制御情報71と材料ノズル212の駆動状況の監視結果と基づいて、材料ノズル212の実際の駆動状況が、加工制御情報71に基づく材料ノズル212の駆動状況の目標値と一致する(或いは、近づく)ように、材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御してもよい。
【0123】
一例として、テスト駆動期間中のある期間における造形材料Mの供給量が、材料制御情報713に基づく所望の目標供給量となるように、制御装置7が材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御してもよいことは、上述したとおりである。この場合、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて、テスト駆動期間中のある期間における造形材料Mの実際の供給量を算出してもよい。その後、制御装置7は、本加工期間中において、算出した実際の供給量と目標供給量との差分(以降、“供給誤差”と称する)と、加工制御情報71(特に、材料制御情報713)とに基づいて、材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御してもよい。例えば、制御装置7は、供給誤差と材料制御情報713とに基づいて、本加工期間中のある期間における造形材料Mの供給量が目標供給量となる(或いは、近づく)ように、材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御してもよい。
【0124】
但し、制御装置7は、供給誤差が所定の供給閾値よりも小さい場合には、本加工期間中において、供給誤差を用いることなく、材料制御情報713に基づいて材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御してもよい。つまり、制御装置7は、供給誤差が供給閾値よりも大きい場合に、本加工期間中において、供給誤差(つまり、監視ユニット4の監視結果)と材料制御情報713とに基づいて、材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御してもよい。一例として、供給誤差が小さくなるほど、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して供給誤差が与える影響は小さくなる。その結果、供給誤差がある程度小さくなると、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して供給誤差が与える影響は、無視できるほどに小さくなる可能性がある。そこで、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して供給誤差が与える影響が無視できるほどに供給誤差が小さくなる場合には、本加工期間中に供給誤差を用いることなく制御装置7が材料ノズル212及び材料供給源12の少なくとも一つを制御したとしても、3次元構造物STの精度が悪化する可能性は低い。このため、上述した所定の供給閾値は、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して供給誤差が与える影響が無視できるほどに小さい供給誤差と、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して供給誤差が与える影響が無視できるほどには小さくない供給誤差とを区別可能な適切な値に設定されてもよい。
【0125】
続いて、テスト駆動期間中に照射光学系211の駆動状況を監視ユニット4が監視してもよいことは、上述したとおりである。この場合、制御装置7は、本加工期間中において、加工制御情報71と照射光学系211の駆動状況の監視結果と基づいて、照射光学系211の実際の駆動状況が、加工制御情報71に基づく照射光学系211の駆動状況の目標値と一致する(或いは、近づく)ように、照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。
【0126】
一例として、テスト駆動期間中のある期間における加工光ELの光学的な特性が、光制御情報714に基づく所望の目標特性となるように、制御装置7が照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよいことは、上述したとおりである。この場合、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて、テスト駆動期間中のある期間における加工光ELの実際の光学的な特性を算出してもよい。その後、制御装置7は、本加工期間中において、算出した実際の光学的な特性と目標特性との差分(以降、“光学特性誤差”と称する)と、加工制御情報71(特に、光制御情報714)とに基づいて、照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。例えば、制御装置7は、光学特性誤差と光制御情報714とに基づいて、本加工期間中のある期間における加工光ELの光学的な特性が目標特性となる(或いは、近づく)ように、照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。
【0127】
但し、制御装置7は、光学特性誤差が所定の光学特性閾値よりも小さい場合には、本加工期間中において、光学特性誤差を用いることなく、光制御情報714に基づいて照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。つまり、制御装置7は、光学特性誤差が光学特性閾値よりも大きい場合には、本加工期間中において、光学特性誤差(つまり、監視ユニット4の監視結果)と光制御情報714とに基づいて、照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御してもよい。一例として、光学特性誤差が小さくなるほど、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して光学特性誤差が与える影響は小さくなる。その結果、光学特性誤差がある程度小さくなると、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して光学特性誤差が与える影響は、無視できるほどに小さくなる可能性がある。そこで、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して光学特性誤差が与える影響が無視できるほどに光学特性誤差が小さくなる場合には、本加工期間中に光学特性誤差を用いることなく制御装置7が照射光学系211及び加工光源11の少なくとも一つを制御したとしても、3次元構造物STの精度が悪化する可能性は低い。このため、上述した所定の光学特性閾値は、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して光学特性誤差が与える影響が無視できるほどに小さい光学特性誤差と、本加工によって造形される3次元構造物STの精度に対して光学特性誤差が与える影響が無視できるほどには小さくない光学特性誤差とを区別可能な適切な値に設定されてもよい。
【0128】
尚、監視ユニット4は、照射光学系211の駆動状況として照射光学系211の少なくとも一部の温度を監視してもよい。
【0129】
制御装置7は、加工制御情報71と監視ユニット4の監視結果とに基づいて加工装置SYSaを制御するために、監視ユニット4の監視結果に基づいて加工制御情報71を補正し、補正した加工制御情報71に基づいて、本加工を行うように加工装置SYSaを制御してもよい。具体的には、制御装置7は、補正した加工制御情報71に基づく加工装置SYSaの実際の駆動状況が、駆動状況の目標値(つまり、補正される前の加工制御情報71が本来想定していた駆動状況)と一致する(或いは、近づく)ように、監視ユニット4の監視結果に基づいて、加工制御情報71を補正してもよい。
【0130】
加工制御情報71を補正するために、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて、加工制御情報71を補正するための補正パラメータ72を算出してもよい。補正パラメータ72は、例えば、加工制御情報71の補正方法(例えば、補正量)を指定するための情報である。補正パラメータ72の一例が図7に示されている。図7に示すように、補正パラメータ72は、ヘッド補正パラメータ721と、ステージ補正パラメータ722と、材料補正パラメータ723と、光補正パラメータ724とを含んでいてもよい。ヘッド補正パラメータ721は、ヘッド制御情報711の補正方法(例えば、補正量)を指定していてもよい。ステージ補正パラメータ722は、ステージ制御情報712の補正方法(例えば、補正量)を指定していてもよい。材料補正パラメータ723は、材料制御情報713の補正方法(例えば、補正量)を指定していてもよい。光補正パラメータ724は、光制御情報714の補正方法(例えば、補正量)を指定していてもよい。
【0131】
制御装置7は、加工制御情報71及び補正パラメータ72を、両者が関連付けられた状態で記憶装置に格納してもよい。この場合、本加工期間中において、制御装置7は、記憶装置から加工制御情報71及び補正パラメータ72を読み出し、読み出した補正パラメータ72を用いて読み出した加工制御情報71を補正し、補正した加工制御情報71に基づいて本加工を行うように加工装置SYSaを制御してもよい。
【0132】
加工装置SYSaは、第1の加工制御情報71#1を用いて第1の3次元構造物ST#1を造形し、且つ、第1の加工制御情報71#1とは異なる第2の加工制御情報71#2を用いて第1の3次元構造物ST#1とは異なる第2の3次元構造物ST#2を造形することがある。この場合、加工装置SYSaは、第1の加工制御情報71#1を用いた第1のテスト駆動を行い、且つ、第2の加工制御情報71#2を用いた第2のテスト駆動を行ってもよい。その後、制御装置7は、第1のテスト駆動が行われていた期間中の監視ユニット4による監視結果に基づいて、第1の加工制御情報71#1を補正してもよい。例えば、制御装置7は、第1の加工制御情報71#1を補正するための第1の補正パラメータ72#1を生成してもよい。更に、制御装置7は、第2のテスト駆動が行われていた期間中の監視ユニット4による監視結果に基づいて、第2の加工制御情報71#2を補正してもよい。例えば、制御装置7は、第2の加工制御情報71#2を補正するための第2の補正パラメータ72#2を生成してもよい。
【0133】
この場合、制御装置7は、第1の3次元構造物ST#1を造形するための本加工期間中において、第1の補正パラメータ72#1に基づいて第1の加工制御情報71#1を補正し、補正した第1の加工制御情報71#1に基づいて第1の3次元構造物ST#1を造形するように加工装置SYSaを制御してもよい。同様に、制御装置7は、第2の3次元構造物ST#2を造形するための本加工期間中において、第2の補正パラメータ72#2に基づいて第2の加工制御情報71#2を補正し、補正した第2の加工制御情報71#2に基づいて第2の3次元構造物ST#2を造形するように加工装置SYSaを制御してもよい。
【0134】
但し、制御装置7は、第2の3次元構造物ST#2を造形するための本加工期間中において、第1の補正パラメータ72#1に基づいて第2の加工制御情報71#2を補正し、補正した第2の加工制御情報71#2に基づいて第2の3次元構造物ST#2を造形するように加工装置SYSaを制御してもよい。例えば、第1の加工制御情報71#1と第2の加工制御情報71#2とが同一である場合には、制御装置7は、第1の補正パラメータ72#1に基づいて第2の加工制御情報71#2を補正し、補正した第2の加工制御情報71#2に基づいて第2の3次元構造物ST#2を造形するように加工装置SYSaを制御してもよい。例えば、第1の加工制御情報71#1と第2の加工制御情報71#2との差分が所定の許容上限値よりも小さい場合には、制御装置7は、第1の補正パラメータ72#1に基づいて第2の加工制御情報71#2を補正し、補正した第2の加工制御情報71#2に基づいて第2の3次元構造物ST#2を造形するように加工装置SYSaを制御してもよい。この場合、加工装置SYSaは、第2の加工制御情報71#2を用いたテスト駆動を必ずしも行わなくてもよい。その結果、加工装置SYSのスループットが向上する。
【0135】
第1の加工制御情報71#1及び第2の加工制御情報71#2が用いられる場合においても、制御装置7は、図8に示すように、第1の加工制御情報71#1及び第1の補正パラメータ72#1を、両者が関連付けられた状態で記憶装置に格納し、且つ、第2の加工制御情報71#2及び第2の補正パラメータ72#2を、両者が関連付けられた状態で記憶装置に格納してもよい。
【0136】
或いは、テスト駆動が終了した後、制御装置7は、本加工を行う前に、ステップS11において取得された加工制御情報71と、ステップS13における監視ユニット4の監視結果(つまり、テスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果)とに基づいて、テスト駆動を再度行うように加工装置SYSaを制御してもよい。具体的には、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて加工制御情報71を補正し、補正した加工制御情報71に基づいて、テスト駆動を再度行うように加工装置SYSaを制御してもよい。
【0137】
監視ユニット4の監視結果に基づいて補正した加工制御情報71を用いてテスト駆動を再度行う動作は、監視ユニット4の監視結果に基づいて内容が修正されたテスト駆動を再度行う動作と等価であるとみなしてもよい。つまり、監視ユニット4の監視結果に基づいてテスト駆動の内容を定める加工制御情報71を補正する動作は、監視ユニット4の監視結果に基づいてテスト駆動の内容を修正する動作と等価であるとみなしてもよい。このため、以下の説明では、補正した加工制御情報71に基づいて再度行われるテスト駆動を、修正テスト駆動と称する。
【0138】
制御装置7は、テスト駆動期間中の監視ユニット4の監視結果が所定の条件を満たしていない場合に、修正テスト駆動を行ってもよい。更に、制御装置7は、修正テスト駆動が行われるテスト駆動期間中の監視ユニット4の監視結果が依然として所定の条件を満たしていない場合には、修正テスト駆動が行われるテスト駆動期間中の監視ユニット4の監視結果に基づいて、修正テスト駆動を再度行ってもよい。つまり、制御装置7は、テスト駆動期間中の監視ユニット4の監視結果が所定の条件を満たすまで、修正テスト駆動を行ってもよい。
【0139】
監視ユニット4の監視結果が所定の条件を満たす状態は、監視ユニット4の監視結果が示す加工装置SYSaの実際の駆動状況と加工制御情報71に基づく駆動状況の目標値との差分が、所定の許容値を下回る状態を含んでいてもよい。例えば、監視ユニット4の監視結果が所定の条件を満たす状態は、ヘッド駆動系22の駆動状況に関する差分である上述した第1変更誤差が所定の第1許容値(例えば、上述したヘッド閾値と同じ又は異なる値)を下回る状態を含んでいてもよい。例えば、監視ユニット4の監視結果が所定の条件を満たす状態は、ステージ駆動系33の駆動状況に関する差分である上述した第2変更誤差が所定の第2許容値(例えば、上述した駆動閾値と同じ又は異なる値)を下回る状態を含んでいてもよい。例えば、監視ユニット4の監視結果が所定の条件を満たす状態は、材料ノズル212の駆動状況に関する差分である上述した供給誤差が所定の第3許容値(例えば、上述した供給閾値と同じ又は異なる値)を下回る状態を含んでいてもよい。例えば、監視ユニット4の監視結果が所定の条件を満たす状態は、照射光学系211の駆動状況に関する差分である上述した光学特性誤差が所定の第4許容値(例えば、上述した光学特性閾値と同じ又は異なる値)を下回る状態を含んでいてもよい。この場合、加工装置SYSaの造形精度が悪化する可能性がより一層低くなる。
【0140】
制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて本加工を行うように加工装置SYSaを制御する動作を、本加工が終了するまで継続する(ステップS16)。この際、制御装置7は、所定のテスト駆動再開条件が成立したか否かを判定してもよい(ステップS15)。テスト駆動再開条件は、その条件が成立した場合にテスト駆動を再度行うことが望まれる条件である。例えば、テスト駆動再開条件は、本加工が開始されてから所定の第1時間が経過したという第1条件を含んでいてもよい。例えば、テスト駆動再開条件は、最後にテスト駆動が行われてから所定の第2時間が経過したという第1条件を含んでいてもよい。例えば、テスト駆動再開条件は、加工装置SYSaの実際の駆動状況と加工制御情報71に基づく駆動状況の目標値との差分が所定の許容値を上回るという第3条件を含んでいてもよい。この場合、本加工期間中においても、監視ユニット4は、監視対象物(つまり、照射光学系211、材料ノズル212、ヘッド駆動系22及びステージ駆動系33)の駆動状況を監視してもよい。例えば、テスト駆動再開条件は、本加工に用いられる加工制御情報71が変更されるという第4条件を含んでいてもよい。例えば、テスト駆動再開条件は、ステージ32に載置されているワークWの状態(例えば、位置及び形状の少なくとも一つ)が変更されたという第5条件を含んでいてもよい。例えば、テスト駆動再開条件は、加工装置SYSaのオペレータがテスト駆動を再度行うように指示したという第6条件を含んでいてもよい。
【0141】
テスト駆動再開条件が成立した場合には、テスト駆動が再度行われる。具体的には、制御装置7は、ステップS12以降の動作を再度行う。つまり、制御装置7は、3次元構造物STを造形することなく、加工制御情報71(典型的には、前回行われたテスト駆動の結果に基づいて補正された加工制御情報71)に基づいて加工装置SYSaを駆動させる(ステップS12)。更に、テスト駆動期間中には、監視ユニット4は、監視対象物(つまり、照射光学系211、材料ノズル212、ヘッド駆動系22及びステージ駆動系33)の駆動状況を監視する(ステップS13)。その後、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて、本加工を行うように加工装置SYSaを制御する(ステップS14)。
【0142】
或いは、本加工期間中に監視ユニット4が監視対象物(つまり、照射光学系211、材料ノズル212、ヘッド駆動系22及びステージ駆動系33)の駆動状況を監視している場合には、テスト駆動再開条件が成立した場合であっても、テスト駆動が再度行われなくてもよい。この場合、テスト駆動再開条件が成立した後に、制御装置7は、本加工期間中における監視ユニット4の監視結果に基づいて、本加工を行うように加工装置SYSaを制御してもよい。例えば、制御装置7は、本加工期間中における監視ユニット4の監視結果に基づいて、加工制御情報71を補正してもよい。例えば、制御装置7は、本加工期間中における監視ユニット4の監視結果に基づいて、加工制御情報71を補正するための補正パラメータ72を算出してもよい。
【0143】
或いは、記憶装置に複数の加工制御情報71及び複数の補正パラメータ72が格納されており(図8参照)且つ本加工に用いられる加工制御情報71が変更されるという第4条件を含むテスト駆動再開条件が成立した場合においても、テスト駆動が再度行われなくてもよい。この場合、制御装置7は、複数の加工制御情報71の中から、変更後の加工制御情報71と変更後の加工制御情報71に関連付けられている補正パラメータ72とを読み出してもよい。
【0144】
補正された加工制御情報71に基づく本加工によって造形された3次元構造物STの実際の形状が、監視ユニット4(或いは、監視ユニット4とは異なる計測装置)によって計測されてもよい。この場合、制御装置7は、監視ユニット4の計測結果に基づいて、3次元構造物STの実際の形状と3次元構造物STの理想的な形状(つまり、設計上の形状
とのずれ量を算出してもよい。算出された3次元構造物STの形状のずれ量に関する形状ずれ情報は、加工装置SYSaが備えるデータ蓄積装置(例えば、制御装置7が備える記憶装置)及び加工装置SYSaの外部のサーバが備えるデータ蓄積装置の少なくとも一つに蓄積されてもよい。この際、データ蓄積装置は、ある加工装置SYSaが本加工によって造形した3次元構造物STの形状のずれ量に関する形状ずれ情報を蓄積してもよい。データ蓄積装置は、同一仕様の(言い換えれば、同一機種の)又は異なる仕様の(言い換えれば、異なる機種の)複数の加工装置SYSaが本加工によってそれぞれ造形した複数の3次元構造物STの形状のずれ量に関する形状ずれ情報を蓄積してもよい。
【0145】
この場合、制御装置7は、データ蓄積装置に蓄積された形状ずれ情報に基づいて、加工制御情報71を補正してもよい(例えば、補正パラメータ72を生成してもよい)。例えば、制御装置7は、データ蓄積装置に蓄積された形状ずれ情報に基づいて、理想的な形状からのずれ量が少ない又はない3次元構造物STを加工システムSYSaが造形することができるように、加工制御情報71を補正してもよい。
【0146】
上述したように機械学習によって構築可能な演算モデルが制御装置7内に実装される(つまり、機械学習によって構築されたアルゴリズムを含むコンピュータプログラムを制御装置7が実行する)場合には、制御装置7は、データ蓄積装置に蓄積された形状ずれ情報を用いた機械学習(典型的には、追加学習)を行ってもよい。例えば、制御装置7は、理想的な形状からのずれ量が少ない又はない3次元構造物STを加工システムSYSaが造形することができるように加工制御情報71を補正するための演算モデルを構築するように、データ蓄積装置に蓄積された形状ずれ情報を用いた機械学習を行ってもよい。
【0147】
(1-3)加工装置SYSaの技術的効果
以上説明したように、加工装置SYSaは、本加工を行う前にテスト駆動を行う。このため、加工装置SYSaは、テスト駆動によって、加工装置SYSaの実際の駆動状況と加工制御情報71に基づく駆動状況の目標値との差分を事前に確認することができる。その後、加工装置SYSaは、テスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果に基づいて、本加工を行う。このため、加工装置SYSaは、加工装置SYSaの実際の駆動状況が加工制御情報71に基づく駆動状況の目標値と一致する(或いは、近づく)ように、本加工を行うことができる。その結果、テスト駆動が行われない場合と比較して、加工装置SYSaの造形精度が悪化する可能性が低くなる。
【0148】
尚、 制御装置7は、加工制御情報71及び補正パラメータ72を、両者が関連付けられた状態で記憶装置に格納してもよい。この場合、本加工期間中において、制御装置7は、記憶装置から加工制御情報71及び補正パラメータ72を読み出し、読み出した補正パラメータ72を用いて読み出した加工制御情報71を補正し、補正した加工制御情報71に基づいて本加工を行うように加工装置SYSaを制御してもよい。
【0149】
(2)第2実施形態の加工装置SYS
続いて、図9を参照しながら、第2実施形態の加工装置SYS(以降、第2実施形態の加工装置SYSを、“加工装置SYSb”と称する)について説明する。図18は、第2実施形態の加工装置SYSbのシステム構成を示すシステム構成図である。尚、既に説明済みの構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0150】
図9に示すように、第2実施形態の加工装置SYSbは、第1実施形態の加工装置SYSaと比較して、環境測定装置61bを備えているという点で異なる。加工装置SYSbのその他の特徴は、加工装置SYSaのその他の特徴と同様であってもよい。
【0151】
環境測定装置61bは、筐体9の内部空間SPの環境条件を計測可能である。内部空間SPの環境条件は、例えば、内部空間SPの酸素濃度、内部空間SPのうちの一部に相当する局所空間の酸素濃度、内部空間SPの圧力、局所空間の圧力、内部空間SPの温度、局所空間の温度、内部空間SPの湿度、局所空間の湿度、内部空間SPに対するパージガスの供給量(例えば、単位時間当たりの供給量、以下この段落において同じ)、局所空間に対するパージガスの供給量、パージガスに含まれる一の種類のガスの内部空間SPに対する供給量、及び、パージガスに含まれる一の種類のガスの局所空間に対する供給量の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0152】
環境測定装置61bは、筐体9の外部の空間(以降、“外部空間”と称する)の環境条件を計測可能である。外部空間は、筐体9の外部に位置する任意の空間を含んでいてもよい。例えば、外部空間は、材料供給源12の内部の空間を含んでいてもよい。外部空間は、材料供給源12と材料ノズル212とを接続する供給管121の内部の空間を含んでいてもよい。外部空間の環境条件は、例えば、外部空間の酸素濃度、外部空間の圧力、外部空間の温度、外部空間の湿度、外部空間に対するパージガスの供給量、及び、パージガスに含まれる一の種類のガスの外部空間に対する供給量の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0153】
加工装置SYSbが筐体9を備えていない場合、環境測定装置61bは、加工装置SYSbの構造物(一例として、加工ユニット2、ステージユニット3、及び監視ユニット4)の周囲の空間(例えば、加工装置SYSbの構造物を取り巻く空間であり、以降、“周辺空間(surrounding space)”と称する)の環境条件を計測可能であってもよい。周辺空間の環境条件は、例えば、周辺空間の酸素濃度、周辺空間の圧力、周辺空間の温度、周辺空間の湿度、周辺空間に対するパージガスの供給量、及び、パージガスに含まれる一の種類のガスの周辺空間に対する供給量の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0154】
第2実施形態では、複数の異なる環境条件のそれぞれにおいて、同じ加工制御情報71を用いたテスト駆動が行われてもよい。つまり、第1の環境条件下においてある加工制御情報71を用いたテスト駆動が行われ、且つ、第1の環境条件とは異なる第2の環境条件下において同じ加工制御情報71を用いたテスト駆動が行われてもよい。
【0155】
この場合、第1の環境条件下でテスト駆動が行われたテスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果は、第1の環境条件下で本加工を行う加工装置SYSbを制御するために用いられてもよい。例えば、第1の環境条件下でテスト駆動が行われたテスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果は、第1の環境条件下で加工装置SYSbが本加工を行う場合に加工制御情報71を補正するための補正パラメータ72を算出するために用いられてもよい。一方で、第2の環境条件下でテスト駆動が行われたテスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果は、第2の環境条件下で本加工を行う加工装置SYSbを制御するために用いられてもよい。例えば、第2の環境条件下でテスト駆動が行われたテスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果は、第2の環境条件下で加工装置SYSbが本加工を行う場合に加工制御情報71を補正するための補正パラメータ72を算出するために用いられてもよい。
【0156】
第2実施形態では、加工制御情報71と補正パラメータ72とを示す図10に示すように、制御装置7は、補正パラメータ72を、補正パラメータ72と環境条件とが関連付けられた状態で記憶装置に格納してもよい。図10に示す例では、環境条件#21下で加工装置SYSbが本加工を行う場合に加工制御情報71を補正するための補正パラメータ72#21と、環境条件#22下で加工装置SYSbが本加工を行う場合に同じ加工制御情報71を補正するための補正パラメータ72#22とが格納されている。
【0157】
このような第2実施形態の加工装置SYSbは、上述した第1実施形態の加工装置SYSaが享受可能な効果と同様の効果を享受することができる。更には、加工装置SYSbは、複数の異なる環境条件のそれぞれにおいて、同じ加工制御情報71を用いたテスト駆動を行う。ここで、環境条件が変わると、加工装置SYSbの駆動状況が変わる可能性がある。その結果、加工装置SYSbの造形精度が悪化する可能性がある。しかるに、第2実施形態では、本加工期間中において環境条件が変わった場合には、加工装置SYSbは、変わった後の環境条件下でテスト駆動が行われていたテスト駆動期間中の監視ユニット4の監視結果を用いて、本加工を行うことができる。このため、環境条件の違いを考慮したテスト駆動が行われない場合と比較して、加工装置SYSbの造形精度が悪化する可能性が低くなる。
【0158】
尚、補正パラメータ72と環境条件とが関連付けられた状態で補正パラメータ72が記憶装置に格納されている場合に、制御装置7は、記憶装置に格納されている補正パラメータ72に基づいて、記憶装置に格納されていない補正パラメータ72(つまり、テスト駆動が行われていない環境条件に対応する補正パラメータ72)を補完してもよい。例えば、図11は、環境条件#21に対応する補正パラメータ72#21と、環境条件#22に対応する補正パラメータ72#22と、環境条件#23に対応する補正パラメータ72#23とが記憶装置に格納されている場合に補正パラメータ72を補完する様子を概念的に示すグラフである。制御装置7は、記憶装置に格納されている補正パラメータ72#21から72#23を線形補間又は非線形補間してもよい。その結果、制御装置7は、記憶装置に格納されていない環境条件#24に対応する補正パラメータ72#24を算出してもよい。つまり、制御装置7は、テスト駆動が実際には行われていない環境条件#24に対応する補正パラメータ72#24を算出してもよい。
【0159】
(3)第3実施形態の加工装置SYS
続いて、図12を参照しながら、第3実施形態の加工装置SYS(以降、第3実施形態の加工装置SYSを、“加工装置SYSc”と称する)について説明する。図12は、第3実施形態の加工装置SYScのシステム構成を示すシステム構成図である。
【0160】
図12に示すように、第3実施形態の加工装置SYScは、上述した第1実施形態の加工装置SYSaから第2実施形態の加工装置SYSbの少なくとも一つと比較して、出力装置62cを備えているという点で異なる。加工装置SYScのその他の特徴は、加工装置SYSa及びSYSbの少なくとも一つのその他の特徴と同様であってもよい。
【0161】
出力装置62cは、制御装置7の制御したで、情報を出力可能な装置である。例えば、出力装置62cは、情報を画像として出力してもよい。つまり、出力装置62cは、出力したい情報を示す画像を表示可能な表示装置(いわゆる、ディスプレイ)を含んでいてもよい。例えば、出力装置62cは、情報を音声として出力してもよい。つまり、出力装置62cは、音声を出力可能な音声装置(いわゆる、スピーカ)を含んでいてもよい。例えば、出力装置62cは、紙面に情報を出力してもよい。つまり、出力装置62cは、紙面に所望の情報を印刷可能な印刷装置(いわゆる、プリンタ)を含んでいてもよい。尚、以下の説明では、説明の簡略化のために、出力装置62cが表示装置である例について説明する。
【0162】
出力装置62cは、加工装置SYScが行う加工に関する情報を示す画像を表示してもよい。一例として、上述したように、テスト駆動再開条件が成立した場合には、テスト駆動が再度行われ、その結果、補正パラメータ72が新たに算出(つまり、変更)される。この場合、出力装置62cが表示する画像(GUI)の一例を示す図13に示すように、出力装置62cは、補正パラメータ72の新たな算出(つまり、変更)に関するGUI620cを表示してもよい。GUI620cは、補正パラメータ72が新たに算出(つまり、変更)される旨を加工装置SYScのオペレータに通知するためのGUI621c(図13に示す例では、テキストメッセージ)を含んでいてもよい。GUI620cは、補正パラメータ72が新たに算出(つまり、変更)される理由を加工装置SYScのオペレータに通知するためのGUI622c(図13に示す例では、テキストメッセージ)を含んでいてもよい。GUI620cは、補正パラメータ72を新たに算出(つまり、変更)するために要する時間を加工装置SYScのオペレータに通知するためのGUI623c(図13に示す例では、テキストメッセージ)を含んでいてもよい。GUI620cは、補正パラメータ72を新たに算出(つまり、変更)することに対して加工装置SYScのオペレータが同意するか否かを尋ねるためのGUI624c(図13に示す例では、テキストメッセージ)を含んでいてもよい。
【0163】
なお、加工装置SYScは、出力装置62cに情報を出力するための出力インタフェースを有していてもよい。この場合、出力装置62cは、加工装置SYScに含まれていなくてもよい。例えば、出力装置62cは、加工装置SYScの設置場所とは異なる場所に配置され、有線及び/又は無線のネットワークで加工装置SYScと繋がれていてもよい。
【0164】
このような第3実施形態の加工装置SYScは、上述した第1実施形態の加工装置SYSaから第2実施形態の加工装置SYSbの少なくとも一つが享受可能な効果と同様の効果を享受することができる。更には、加工装置SYScは、出力装置62cを用いて、加工装置SYScに関する情報を出力する。このため、加工装置SYScのオペレータは、加工装置SYScの状態を適切に把握することができる。例えば、上述したように出力装置62cが補正パラメータ72の新たな算出(つまり、変更)に関するGUI620cを表示する場合には、オペレータは、補正パラメータ72の新たな算出(つまり、変更)に関する情報を適切に把握することができる。
【0165】
(4)第4実施形態の加工装置SYS
続いて、第4実施形態の加工装置SYS(以降、第4実施形態の加工装置SYSを、“加工装置SYSd”と称する)について説明する。第4実施形態の加工装置SYSdは、上述した第1実施形態の加工装置SYSaから第3実施形態の加工装置SYScの少なくとも一つと比較して、ワークWに対して除去加工を行うことが可能であるという点で異なる。
【0166】
具体的には、加工装置SYSdは、ワークWに加工光ELを照射することで、ワークWの一部を除去する除去加工を行う。例えば、加工装置SYSdは、ワークWの形状が所望の形状になるように除去加工を行ってもよい。例えば、加工装置SYSdは、ワークWに所望の構造を形成するように除去加工を行ってもよい。例えば、加工装置SYSdは、ワークWの表面に所望の構造を形成するように除去加工を行ってもよい。例えば、加工装置SYSdは、ワークWの表面が平坦化されるように除去加工を行ってもよい。
【0167】
除去加工を行う場合には、加工装置SYSdは、リブレット構造をワークW上に形成してもよい。リブレット構造は、ワークWの表面の流体に対する抵抗(特に、摩擦抵抗及び乱流摩擦抵抗の少なくとも一方)を低減可能な構造であってもよい。リブレット構造は、流体とワークWの表面とが相対的に移動するときに発生する騒音を低減可能な構造を含んでいてもよい。リブレット構造は、ワークWの表面への異物の付着を低減可能な構造を含んでいてもよい。リブレット構造は、例えば、ワークWの表面に沿った第1の方向(例えば、Y軸方向)に沿って延びる溝が、ワークWの表面に沿っており且つ第1の方向に交差する第2方向(例えば、X軸方向)に沿って複数配列された構造を含んでいてもよい。
【0168】
リブレット構造がワークWに形成される場合には、流体に対する抵抗を低減することが望まれる部材が、ワークWとして用いられてもよい。流体に対する抵抗を低減することが望まれる部材の一例として、風力発電用の部材(例えば、羽根部材及び風車の羽根の少なくとも一方)があげられる。風力発電用の部材にリブレット構造が形成される場合、リブレット構造を、環境負荷の低いクリーンエネルギーを得る(或いは自然エネルギー又は再生可能エネルギーを得る)風力発電用のタービンブレードに適用することが可能となる。その結果、エネルギー効率(エネルギー利用効率)の向上を図ることができる。また、流体に対する抵抗を低減することが望まれる部材の他の一例として、タービンブレードがあげられる。
【0169】
除去加工を行う場合には、加工装置SYSdは、ワークWの表面上に、任意の形状を有する任意の構造を形成してもよい。任意の構造の一例として、ワークWの表面上の流体の流れに対して渦を発生させる構造があげられる。任意の構造の他の一例として、ワークWの表面に疎水性を与えるための構造があげられる。任意の構造の他の一例としては、規則的又は不規則的に形成されたマイクロ・ナノメートルオーダの微細テクスチャ構造(典型的には凹凸構造)があげられる。このような微細テクスチャ構造は、流体(気体及び/又は液体)による抵抗を低減させる機能を有するサメ肌構造及びディンプル構造の少なくとも一方を含んでいてもよい。微細なテクスチャ構造は、撥液機能及びセルフクリーニング機能の少なくとも一方を有する(例えば、ロータス効果を有する)ハスの葉表面構造を含んでいてもよい。微細なテクスチャ構造は、液体輸送機能を有する微細突起構造(米国特許公開第2017/0044002号公報参照)、親液性機能を有する凹凸構造、防汚機能を有する凹凸構造、反射率低減機能及び撥液機能の少なくとも一方を有するモスアイ構造、特定波長の光のみを干渉で強めて構造色を呈する凹凸構造、ファンデルワールス力を利用した接着機能を有するピラーアレイ構造、空力騒音低減機能を有する凹凸構造、並びに、液滴捕集機能を有するハニカム構造等の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0170】
このような加工装置SYSdが図14及び図15に示されている。図14は、第4実施形態の加工装置SYSdを模式的に示す斜視図である。図15は、第4実施形態の加工装置SYSdのシステム構成を示すシステム構成図である。
【0171】
図14及び図15に示すように、第4実施形態の加工装置SYSdは、上述した第1実施形態の加工装置SYSaから第3実施形態の加工装置SYScの少なくとも一つと比較して、加工ユニット2に代えて加工ユニット2dを備えるという点で異なる。更に、加工装置SYSdは、加工装置SYSaからSYScの少なくとも一つと比較して、材料供給源12を備えていなくてもよいという点で異なる。但し、加工装置SYSdが除去加工に加えて付加加工を行うことが可能である場合には、加工装置SYSdは、材料供給源12を備えていてもよい。更に、加工装置SYSdは、加工装置SYSaからSYScの少なくとも一つと比較して、監視ユニット4に代えて監視ユニット4dを備えるという点で異なる。加工装置SYSdのその他の特徴は、加工装置SYSaからSYScの少なくとも一つのその他の特徴と同様であってもよい。
【0172】
加工ユニット2dは、加工ユニット2と比較して、加工ヘッド21に代えて加工ヘッド21dを備えるという点で異なる。加工ユニット2dのその他の特徴は、加工ユニット2のその他の特徴と同様であってもよい。加工ヘッド21dは、加工ヘッド21と比較して、材料ノズル212を備えていなくてもよいという点で異なる。但し、加工装置SYSdが除去加工に加えて付加加工を行うことが可能である場合には、加工ヘッド21dは、材料ノズル212を備えていてもよい。加工ヘッド21dのその他の特徴は、加工ヘッド21のその他の特徴と同様であってもよい。
【0173】
監視ユニット4dは、監視ユニット4と比較して、主として造形材料Mの供給量に関する情報を取得可能な装置として機能可能な撮像装置43及び重量計測装置44を備えていなくてもよいという点で異なる。監視ユニット4dのその他の特徴は、監視ユニット4のその他の特徴と同様であってもよい。
【0174】
除去加工を行う加工装置SYSdもまた、付加加工を行う加工装置SYSaからSYScの少なくとも一つと同様に、上述した第2動作を行ってもよい。つまり、加工装置SYSdは、ワークWに対する加工(第4実施形態では、除去加工)に先立って、ワークWを除去加工することなく、加工制御情報71に基づいてテスト駆動を行ってもよい。その後、制御装置7は、加工制御情報71とテスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果とに基づいて、ワークWを実際に加工する(第4実施形態では、除去加工する)ように加工装置SYSdを制御してもよい。その結果、除去加工を行う加工装置SYSdもまた、付加加工を行う加工装置SYSaからSYScの少なくとも一つが享受可能な効果と同様の効果を享受することができる。つまり、テスト駆動が行われない場合と比較して、加工装置SYSdの加工精度が悪化する可能性が低くなる。
【0175】
尚、加工装置SYSdは、テスト用のワークを除去加工して補正パラメータ71を得てもよい。
【0176】
(5)第5実施形態の加工装置SYS
続いて、第5実施形態の加工装置SYS(以降、第5実施形態の加工装置SYSを、“加工装置SYSe”と称する)について説明する。第5実施形態の加工装置SYSdは、上述した第1実施形態の加工装置SYSaから第4実施形態の加工装置SYSdの少なくとも一つと比較して、ワークWに対して機械加工を行うことが可能であるという点で異なる。例えば、加工装置SYSdは、後述する工具213eをワークWに接触させることで、ワークWを切削加工、研削加工、研磨加工又は切断加工してもよい。例えば、加工装置SYSeは、ワークWの形状が所望の形状になるようにワークWを機械加工してもよい。例えば、加工装置SYSeは、ワークWに所望の構造を形成するようにワークWを機械加工してもよい。例えば、加工装置SYSeは、ワークWの表面に所望の構造を形成するようにワークWを機械加工してもよい。例えば、加工装置SYSeは、ワークWの表面が平坦化されるようにワークWを機械加工してもよい。
【0177】
このような加工装置SYSeが図16及び図17に示されている。図16は、第5実施形態の加工装置SYSeを模式的に示す斜視図である。図17は、第5実施形態の加工装置SYSeのシステム構成を示すシステム構成図である。
【0178】
図16及び図17に示すように、第5実施形態の加工装置SYSeは、上述した第1実施形態の加工装置SYSaから第4実施形態の加工装置SYSdの少なくとも一つと比較して、加工ユニット2に代えて加工ユニット2eを備えるという点で異なる。更に、加工装置SYSeは、加工装置SYSaからSYSdの少なくとも一つと比較して、加工光源11及び材料供給源12を備えていなくてもよいという点で異なる。但し、加工装置SYSeが機械加工に加えて付加加工を行うことが可能である場合には、加工装置SYSeは、加工光源11及び材料供給源12を備えていてもよい。加工装置SYSeが機械加工に加えて加工光ELを用いた除去加工を行うことが可能である場合には、加工装置SYSeは、加工光源11を備えていてもよい。更に、加工装置SYSeは、加工装置SYSaからSYSdの少なくとも一つと比較して、監視ユニット4に代えて監視ユニット4eを備えるという点で異なる。加工装置SYSeのその他の特徴は、加工装置SYSaからSYSdの少なくとも一つのその他の特徴と同様であってもよい。
【0179】
加工ユニット2eは、加工ユニット2と比較して、加工ヘッド21に代えて加工ヘッド21eを備えるという点で異なる。加工ユニット2eのその他の特徴は、加工ユニット2のその他の特徴と同様であってもよい。加工ヘッド21eは、加工ヘッド21と比較して、照射光学系211及び材料ノズル212を備えていなくてもよいという点で異なる。但し、加工装置SYSeが機械加工に加えて付加加工を行うことが可能である場合には、加工ヘッド21eは、照射光学系211及び材料ノズル212を備えていてもよい。加工装置SYSeが機械加工に加えて加工光ELを用いた除去加工を行うことが可能である場合には、加工ヘッド21eは、照射光学系211を備えていてもよい。更に、加工ヘッド21eは、加工ヘッド21と比較して、工具213eを備え、この工具213eを動作させる(例えば、回転させる)という点で異なる。加工ヘッド21eのその他の特徴は、加工ヘッド21のその他の特徴と同様であってもよい。
【0180】
監視ユニット4eは、監視ユニット4と比較して、主として造形材料Mの供給量に関する情報を取得可能な装置として機能可能な撮像装置43及び重量計測装置44を備えていなくてもよいという点で異なる。更に、監視ユニット4eは、監視ユニット4と比較して、主として加工光ELの光学的な特性に関する情報を取得可能な装置として機能可能な受光装置45を備えていなくてもよいという点で異なる。監視ユニット4eのその他の特徴は、監視ユニット4のその他の特徴と同様であってもよい。
【0181】
機械加工を行う加工装置SYSeもまた、付加加工を行う加工装置SYSaからSYSc及び除去加工を行う加工装置SYSdの少なくとも一つと同様に、上述した第2動作を行ってもよい。つまり、加工装置SYSeは、ワークWに対する加工(第5実施形態では、機械加工)に先立って、ワークWを機械加工することなく、加工制御情報71に基づいてテスト駆動を行ってもよい。その後、制御装置7は、加工制御情報71とテスト駆動期間中における監視ユニット4の監視結果とに基づいて、ワークWを実際に加工する(第5実施形態では、機械加工する)ように加工装置SYSeを制御してもよい。その結果、機械加工を行う加工装置SYSeもまた、付加加工を行う加工装置SYSaからSYSc及び除去加工を行う加工装置SYSdの少なくとも一つが享受可能な効果と同様の効果を享受することができる。つまり、テスト駆動が行われない場合と比較して、加工装置SYSeの加工精度が悪化する可能性が低くなる。
【0182】
尚、加工ヘッド21eが工具213eを動作させた状態で加工装置SYSeに第1動作をさせてもよい。或いは、加工装置SYSeは、加工ヘッド21eから工具213eが外された状態で加工ヘッド21eを動作させて第1動作を行ってもよい。
【0183】
(6)その他の変形例
上述した説明では、制御装置7は、本加工期間中において、加工制御情報71と監視ユニット4の監視結果とに基づいて(例えば、加工制御情報71と補正パラメータ72とに基づいて)て、加工装置SYSaの実際の駆動状況が、加工制御情報71に基づく駆動状況の目標値と一致する(或いは、近づく)ように、加工装置SYSaを制御している。しかしながら、制御装置7は、本加工期間中において、まずは、監視ユニット4の監視結果を用いることなく、加工制御情報71に基づいて3次元構造物STを造形するように、加工装置SYSaを制御してもよい。この場合、テスト駆動期間中の加工装置SYSaの実際の駆動状況が駆動状況の目標値と一致しない場合には、本加工によって造形された3次元構造物STの精度が悪化している可能性がある。そこで、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて、本加工によって造形された3次元構造物STを補正するように、加工装置SYSaを制御してもよい。つまり、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて、本加工によって造形された3次元構造物STを補正するための補正加工(言い換えれば、仕上げ加工)を行うように、加工装置SYSaを制御してもよい。例えば、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて、3次元構造物STの形状を目標とする形状と一致させる(或いは、近づける)ための補正加工を行うように、加工装置SYSaを制御してもよい。例えば、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて、3次元構造物STのサイズを目標とするサイズと一致させる(或いは、近づける)ための補正加工を行うように、加工装置SYSaを制御してもよい。尚、補正加工は、付加加工及び除去加工の少なくとも一つを含んでいてもよい。つまり、加工装置SYSaは、付加加工及び除去加工の少なくとも一つを行うことで、本加工によって造形された3次元構造物STを補正してもよい。
【0184】
或いは、テスト駆動期間中において、制御装置7は、実際に3次元構造物STを造形するように、加工装置SYSaを制御してもよい。この場合、テスト駆動期間中の加工装置SYSaの実際の駆動状況が駆動状況の目標値と一致しない場合には、テスト駆動によって造形された3次元構造物STの精度が悪化している可能性がある。そこで、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて、テスト駆動によって造形された3次元構造物STを補正するように、加工装置SYSaを制御してもよい。つまり、制御装置7は、監視ユニット4の監視結果に基づいて、テスト駆動によって造形された3次元構造物STを補正するための補正加工を行うように、加工装置SYSaを制御してもよい。尚、この場合に行われる補正加工は、本加工とみなしてもよい。
【0185】
上述した説明では、ステージユニット3は、ステージ駆動系33を備えている。しかしながら、ステージユニット3は、ステージ駆動系33を備えていなくてもよい。つまり、ステージ32が移動しなくてもよい。上述した説明では、加工ユニット2は、ヘッド駆動系22を備えている。しかしながら、加工ユニット2は、ヘッド駆動系22を備えていなくてもよい。つまり、加工ヘッド21が移動しなくてもよい。
【0186】
上述した説明では、加工装置1は、ワークWに加工光ELを照射することで、ワークWを加工している。しかしながら、加工装置1は、光とは異なる任意のエネルギビームをワークWに照射して、ワークWを加工してもよい。この場合、加工装置1は、加工光源11に加えて又は代えて、任意のエネルギビームを照射可能なビーム照射装置を備えていてもよい。任意のエネルギビームの一例として、電子ビーム及びイオンビーム等の荷電粒子ビームがあげられる。任意のエネルギビームの他の一例として、電磁波があげられる。
【0187】
(5)付記
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を記載する。
[付記1]
エネルギビームを照射するビーム照射部と、
前記エネルギビームを照射して形成された溶融池に造形材料を供給する材料供給部と、
前記ビーム照射部と物体を載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
構造物を造形するための造形制御情報を入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、前記材料供給部及び前記変更部による前記構造物の造形を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記構造物の造形を行わずに、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づく前記構造物の造形を制御する
造形装置。
[付記2]
前記構造物の造形を行わずに、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させることは、前記構造物の造形に先立って行われるテスト駆動である
付記1に記載の造形装置。
[付記3]
前記制御部は、前記テスト駆動として、前記変更部による前記ビーム照射部と前記載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係の変更量が所定の変更量となるように、前記変更部を駆動し、
前記モニター部によってモニターされた前記変更部による変更量と前記所定の変更量との差が第1所定値よりも大きい場合に、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づく前記構造物の造形を補正する
付記2に記載の造形装置。
[付記4]
前記モニター部は、前記変更部の位置に関する情報を取得するエンコーダを含み、
前記変更部による変更量は、前記エンコーダによる出力に基づいて判定される
付記3に記載の造形装置。
[付記5]
前記モニター部は、前記変更部の位置に関する情報を取得する非接触式の位置計測部を含み、
前記変更部による変更量は、前記非接触式の位置計測部による出力に基づいて判定される
付記3又は4に記載の造形装置。
[付記6]
前記制御部は、前記テスト駆動として、前記材料供給部による前記造形材料の供給量が所定の供給量となるように、前記材料供給部を駆動し、
前記モニター部によってモニターされた前記材料供給部による前記造形材料の供給量と前記所定の供給量との差が第2所定値よりも大きい場合に、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づく前記構造物の造形を補正する
付記2から5のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記7]
前記モニター部は、前記造形材料を撮像するための撮像装置を含み、
前記造形材料の供給量は、前記撮像装置による出力に基づいて判定される
付記6に記載の造形装置。
[付記8]
前記モニター部は、前記造形材料の供給量に関する情報を取得する重量計測器を含む
付記6又は7に記載の造形装置。
[付記9]
前記制御部は、前記テスト駆動として、前記ビーム照射部による前記エネルギビームの照射強度、強度分布、及び、形状のうちの少なくとも一つを含むビーム特性が所望の特性となるように、前記ビーム照射部を駆動し、
前記モニター部によってモニターされた前記ビーム特性と前記所望の特性との差が第3所定値よりも大きい場合に、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づく前記構造物の造形を補正する
付記2から8のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記10]
前記モニター部は、前記エネルギビームを受光する光パワーメータを含み、
前記ビーム特性は、前記光パワーメータの出力に基づいて判定される
付記9に記載の造形装置。
[付記11]
前記制御部は、前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記造形制御情報を補正する、又は、造形された前記構造物を補正する
付記1から10のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記12]
前記構造物は、前記載置部に載置された前記物体であるワークの上に造形され、
前記制御部は、前記ワークが前記載置部に載置された後に、前記構造物の造形を行わずに、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つをテスト駆動として駆動させ、
前記テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づく前記ワーク上への前記構造物の造形を制御する
付記1から11のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記13]
前記構造物は、前記載置部に載置された前記物体であるワークの上に造形され、
前記造形装置は、前記載置部に載置された前記ワークの位置及び形状の少なくとも一つを検出する検出部を更に備え、
前記制御部は、前記ワークが前記載置部に載置された後に、前記構造物の造形を行わずに、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づく、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つをテスト駆動として駆動させ、
前記検出部は、前記テスト駆動が開始された後に、前記ワークの位置及び形状の少なくとも一つを検出する
付記1から12のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記14]
前記造形装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、前記材料供給部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部に不活性ガスを供給するガス供給部と
を更に備え、
前記制御部は、前記ガス供給部による前記不活性ガスの供給が終了した後に、前記テスト駆動を開始する
付記2から10及び12から13のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記15]
前記造形装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、前記材料供給部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、

前記筐体の内部に不活性ガスを供給するガス供給部と
を更に備え、
前記制御部は、前記ガス供給部により供給された前記不活性ガスの前記筐体内での圧力が目標の圧力となる前に、又は、前記ガス供給部により供給された前記不活性ガスの前記筐体内での分量が目標量となる前に前記テスト駆動を開始する
付記2から10及び12から14のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記16]
前記造形装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、前記材料供給部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部空間の温度を調整する温度調整部と
を更に備え、
前記制御部は、前記温度調整部により前記温度が所定条件に調整された後に、前記テスト駆動を開始する
付記2から10及び12から15のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記17]
前記制御部は、前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記造形制御情報に関する補正量を算出する
付記1から16のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記18]
前記入力部により入力された前記造形制御情報は、第1造形制御情報であり、
前記構造物は、第1構造物であり、
前記制御部は、前記第1構造物とは異なる第2構造物を造形するための第2造形制御情報が前記入力部により入力された場合に、前記第1造形制御情報が入力された際の前記補正量に基づいて、前記第2構造物の造形を制御する
付記17に記載の造形装置。
[付記19]
前記第1造形制御情報と前記第2造形制御情報とは同一である、又は、前記第1造形制御情報と前記第2造形制御情報との差分は第4所定値よりも小さい
付記18に記載の造形装置。
[付記20]
前記造形装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、前記材料供給部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部の環境条件を測定する環境測定部と
を更に備え、
前記制御部は、前記補正量と前記環境条件とを関連付けて記録する
付記17から19のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記21]
前記環境測定部は、前記環境条件として、前記筐体の内部の酸素濃度、圧力、及び、温度の少なくとも一つを測定する
付記20に記載の造形装置。
[付記22]
前記制御部は、前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記テスト駆動の内容を修正するためのテスト駆動修正情報を生成し、前記テスト駆動修正情報に基づいて、前記構造物の造形を行わずに、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つを修正テスト駆動として駆動させ、前記修正テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記造形制御情報を修正する、又は、前記テスト駆動修正情報を修正する
付記2から10及び12から16のいずれか一項に記載の造形装置。
[付記23]
前記修正テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果が所定の条件を満たした場合には、前記制御部は、前記造形制御情報を修正して前記構造物の造形を開始し、
前記修正テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果が前記所定の条件を満たさない場合には、前記制御部は、前記テスト駆動修正情報を再度修正する
付記22に記載の造形装置。
[付記24]
ワークに対してエネルギビームを照射するビーム照射部と、
前記ビーム照射部と前記ワークを載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
加工制御情報を入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、及び、前記変更部による前記ワークの除去加工を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記ワークの除去加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく前記ワークの除去加工を制御する
加工装置。
[付記25]
前記ワークの除去加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させることは、前記ワークの除去加工に先立って行われるテスト駆動である
付記24に記載の加工装置。
[付記26]
前記制御部は、前記テスト駆動として、前記変更部による前記ビーム照射部と前記載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係の変更量が所定の変更量となるように、前記変更部を駆動し、
前記モニター部によってモニターされた前記変更部による変更量と前記所定の変更量との差が第1所定値よりも大きい場合に、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく前記ワークの除去加工を補正する
付記25に記載の加工装置。
[付記27]
前記モニター部は、前記変更部の位置に関する情報を取得するエンコーダを含み、
前記変更部による変更量は、前記エンコーダによる出力に基づいて判定される
付記26に記載の加工装置。
[付記28]
前記モニター部は、前記変更部の位置に関する情報を取得する非接触式の位置計測部を含み、
前記変更部による変更量は、前記非接触式の位置計測部による出力に基づいて判定される
付記26又は27に記載の加工装置。
[付記29]
前記制御部は、前記テスト駆動として、前記ビーム照射部による前記エネルギビームの照射強度、強度分布、及び、形状のうちの少なくとも一つを含むビーム特性が所望の特性となるように、前記ビーム照射部を駆動し、
前記モニター部によってモニターされた前記ビーム特性と前記所望の特性との差が第3所定値よりも大きい場合に、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく前記ワークの除去加工を補正する
付記25から28のいずれか一項に記載の加工装置。
[付記30]
前記モニター部は、前記エネルギビームを受光する光パワーメータを含み、
前記ビーム特性は、前記光パワーメータの出力に基づいて判定される
付記29に記載の加工装置。
[付記31]
前記制御部は、前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記加工制御情報を補正する、又は、除去加工された前記ワークを補正する
付記24から30のいずれか一項に記載の加工装置。
[付記32]
前記制御部は、前記ワークが前記載置部に載置された後に、前記ワークの除去加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つをテスト駆動として駆動させ、
前記テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく前記ワークの除去加工を制御する
付記24から31のいずれか一項に記載の加工装置。
[付記33]
前記加工装置は、前記載置部に載置された前記ワークの位置又は形状を検出する検出部を更に備え、
前記制御部は、前記ワークが前記載置部に載置された後に、前記ワークの除去加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つをテスト駆動として駆動させ、
前記検出部は、前記テスト駆動が開始された後に、前記ワークの位置または形状を検出する
付記24から32のいずれか一項に記載の加工装置。
[付記34]
前記加工装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部に不活性ガスを供給するガス供給部と
を更に備え、
前記制御部は、前記ガス供給部による前記不活性ガスの供給が終了した後に、前記テスト駆動を開始する
付記24から30及び32から33のいずれか一項に記載の加工装置。
[付記35]
前記加工装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部に不活性ガスを供給するガス供給部と
を更に備え、
前記制御部は、前記ガス供給部により供給された前記不活性ガスの前記筐体内での圧力が目標の圧力となる前に、又は、前記ガス供給部により供給された前記不活性ガスの前記筐体内での分量が目標量となる前に前記テスト駆動を開始する
付記24から30及び32から34のいずれか一項に記載の加工装置。
[付記36]
前記加工装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部の温度を調整する温度調整部と
を更に備え、
前記制御部は、前記温度調整部により前記温度が所定条件に調整された後に、前記テスト駆動を開始する
付記24から30及び32から35のいずれか一項に記載の加工装置。
[付記37]
前記制御部は、前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記加工制御情報に関する補正量を算出する
付記24から36のいずれか一項に記載の加工装置。
[付記38]
前記入力部により入力された前記加工制御情報は、第1加工制御情報であり、
前記ワークは、第1ワークであり、
前記制御部は、前記第1ワークとは異なる第2ワークを除去加工するための第2加工制御情報が前記入力部により入力された場合に、前記第1加工制御情報が入力された際の前記補正量に基づいて、前記第2ワークの除去加工を制御する
付記37に記載の加工装置。
[付記39]
前記第1加工制御情報と前記第2加工制御情報とは同一である、又は、前記第1加工制御情報と前記第2加工制御情報との差分は第4所定値よりも小さい
付記38に記載の加工装置。
[付記40]
前記加工装置は、
前記ビーム照射部の少なくとも一部、及び、前記載置部を含む筐体と、
前記筐体の内部の環境条件を測定する環境測定部と
を更に備え、
前記制御部は、前記補正量と前記環境条件とを関連付けて記録する
付記37から39のいずれか一項に記載の加工装置。
[付記41]
前記環境測定部は、前記環境条件として、前記筐体の内部の酸素濃度、圧力、及び、温度の少なくとも一つを測定する
付記40に記載の加工装置。
[付記42]
前記制御部は、前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記テスト駆動の内容を修正するためのテスト駆動修正情報を生成し、前記テスト駆動修正情報に基づいて、前記ワークの除去加工を行わずに、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つを修正テスト駆動として駆動させ、前記修正テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記加工制御情報を修正する、又は、前記テスト駆動修正情報を修正する
付記24から30及び32から36のいずれか一項に記載の加工装置。
[付記43]
前記修正テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果が所定の条件を満たした場合には、前記制御部は、前記加工制御情報を修正して前記ワークの除去加工を開始し、
前記修正テスト駆動に関する前記モニター部によるモニター結果が前記所定の条件を満たさない場合には、前記制御部は、前記テスト駆動修正情報を再度修正する
付記42に記載の加工装置。
[付記44]
前記除去加工は、前記ワークにリブレットを形成する加工を含む
付記24から43のいずれか一項に記載の加工装置。
[付記45]
前記ワークは、風力発電用の羽根部材を含む
付記24から44のいずれか一項に記載の加工装置。
[付記46]
エネルギビームを照射するビーム照射部と、前記ビーム照射部と物体を載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部とを備える加工ユニットと、
前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
加工制御情報を入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記加工ユニットを制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記加工ユニットによる加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく駆動を実行した際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく前記加工ユニットによる加工を制御する
加工装置。
[付記47]
ワークを機械加工するための工具を備える加工ヘッドと、
前記加工ヘッドと前記ワークを載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記加工ヘッド、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
加工制御情報を入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記加工ヘッド、及び、前記変更部による前記ワークの機械加工を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記ワークの機械加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記加工ヘッド、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく前記ワークの機械加工を制御する
加工装置。
[付記48]
エネルギビームを照射するビーム照射部と、
前記エネルギビームを照射して形成された溶融池に造形材料を供給する材料供給部と、
前記ビーム照射部と物体を載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
構造物を造形するための造形制御情報を入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、前記材料供給部及び前記変更部による前記構造物の造形を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記物体である第1の物体に前記構造物を造形するように前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記造形制御情報を補正し、補正された前記造形制御情報に基づいて、前記物体である第2の物体に対する前記構造物の造形を制御する
造形装置。
[付記49]
ワークに対してエネルギビームを照射するビーム照射部と、
前記ビーム照射部と前記ワークを載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
加工制御情報を入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、及び、前記変更部による前記ワークの除去加工を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ワークである第1のワークの除去加工を行うように前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記加工制御情報を補正し、補正された前記加工制御情報に基づいて前記ワークである第2のワークの除去加工を制御する
加工装置。
[付記50]
ワークを機械加工するための工具を備える加工ヘッドと、
前記加工ヘッドと前記ワークを載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記加工ヘッド、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
加工制御情報を入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記加工ヘッド、及び、前記変更部による前記ワークの機械加工を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ワークである第1のワークに機械加工を行うように前記加工ヘッド、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記加工制御情報を補正し、補正された前記加工制御情報に基づいて前記ワークである第2のワークの機械加工を制御する
加工装置。
[付記51]
エネルギビームを照射するビーム照射部と、
前記エネルギビームを照射して形成された溶融池に造形材料を供給する材料供給部と、
前記ビーム照射部と物体を載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
構造物を造形するための造形制御情報を入力する入力部と
を備える造形装置を用いて構造物を造形する造形方法であって、
前記構造物の造形を行わずに、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させることと、
前記構造物の造形を行わずに、前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果と、前記入力部により入力された前記造形制御情報とに基づいて、前記構造物を造形することと
を含む造形方法。
[付記52]
ワークに対してエネルギビームを照射するビーム照射部と、
前記ビーム照射部と前記ワークを載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
加工制御情報を入力する入力部と
を備える加工装置を用いて前記ワークの除去加工を行う加工方法であって、
前記ワークの除去加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させることと、
前記ワークの除去加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果と、前記入力部により入力された前記加工制御情報とに基づいて、前記ワークを除去加工することと
を含む加工方法。
[付記53]
エネルギビームを照射するビーム照射部と、前記ビーム照射部と物体を載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部とを備える加工ユニットと、
前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
加工制御情報を入力する入力部と
を備える加工装置を用いた加工を行う加工方法であって、
前記加工ユニットによる加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく駆動を実行することと、
前記加工ユニットによる加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づく駆動を実行した際の前記モニター部によるモニター結果と、前記入力部により入力された前記加工制御情報とに基づいて、前記加工ユニットを用いた加工を行うことと
を含む加工方法。
[付記54]
ワークを機械加工するための工具を備える加工ヘッドと、
前記加工ヘッドと前記ワークを載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記加工ヘッド、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
加工制御情報を入力する入力部と
を備える加工装置を用いて前記ワークの機械加工を行う加工方法であって、
前記ワークの機械加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記加工ヘッド、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させることと、
前記ワークの機械加工を行わずに、前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記加工ヘッド、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果と、前記入力部により入力された前記加工制御情報とに基づいて、前記ワークの機械加工を行うことと
を含む加工方法。
[付記55]
エネルギビームを照射するビーム照射部と、
前記エネルギビームを照射して形成された溶融池に造形材料を供給する材料供給部と、
前記ビーム照射部と物体を載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
構造物を造形するための造形制御情報を入力する入力部と、
を備える造形装置を用いて構造物を造形する造形方法であって、
前記入力部により入力された前記造形制御情報に基づいて、前記物体である第1の物体に前記構造物を造形するように前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させることと、
前記第1の物体に前記構造物を造形するように前記ビーム照射部、前記材料供給部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記入力部により入力された前記造形制御情報を補正することと、
補正された前記造形制御情報に基づいて、前記物体である第2の物体に前記構造物を造形することと
を含む造形方法。
[付記56]
ワークに対してエネルギビームを照射するビーム照射部と、
前記ビーム照射部と前記ワークを載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
加工制御情報を入力する入力部と、
を備える加工装置を用いて前記ワークの除去加工を行う加工方法であって、
前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ワークである第1のワークの除去加工を行うように前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させることと、
前記第1のワークに除去加工を行うように前記ビーム照射部、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記加工制御情報を補正することと、
補正された前記加工制御情報に基づいて前記ワークである第2のワークの除去加工を行うことと
を含む加工方法。
[付記57]
ワークを機械加工するための工具を備える加工ヘッドと、
前記加工ヘッドと前記ワークを載置可能な載置部との相対的な位置関係又は相対的な姿勢関係を変更可能な変更部と、
前記加工ヘッド、及び、前記変更部の少なくとも一つの駆動状況をモニターするモニター部と、
加工制御情報を入力する入力部と、
を備える加工装置を用いて前記ワークの機械加工を行う加工方法であって、
前記入力部により入力された前記加工制御情報に基づいて、前記ワークである第1のワークの機械加工を行うように前記加工ヘッド、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させることと、
前記第1のワークの機械加工を行うように前記加工ヘッド、及び、前記変更部の少なくとも一つを駆動させた際の前記モニター部によるモニター結果に基づいて、前記加工制御情報を補正することと、
補正された前記加工制御情報に基づいて前記ワークである第2のワークの機械加工を行うことと
を含む加工方法。
【0188】
上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。上述の各実施形態の要件のうちの一部が用いられなくてもよい。上述の各実施形態の要件は、適宜他の実施形態の要件と置き換えることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態で引用した装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【0189】
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う造形装置及び造形方法、並びに、加工装置及び加工方法もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0190】
SYS 加工装置
2 加工ユニット
21 加工ヘッド
211 照射光学系
212 材料ノズル
213e 工具
22 ヘッド駆動系
3 ステージユニット
32 ステージ
33 ステージ駆動系
4 監視ユニット
41 ヘッド位置計測装置
42 ステージ位置計測装置
43 撮像装置
44 重量計測装置
45 受光装置
7 制御装置
71 加工制御情報
72 補正パラメータ
EL 加工光
W ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17