(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022185405
(43)【公開日】2022-12-14
(54)【発明の名称】車載用表示装置、複合部材、移動式複合部材及び車載用表示装置、複合部材又は移動式複合部材と、投影機との組み合わせ
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20221207BHJP
【FI】
B60R11/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093075
(22)【出願日】2021-06-02
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】昭和電工マテリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 譲
(72)【発明者】
【氏名】坪井 英明
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA05
3D020BC04
3D020BC10
3D020BD09
3D020BD11
(57)【要約】
【課題】車両内における映像、画像等の鑑賞を可能とし、車両内において過ごす時間を有意義なものとすることのできる、車載用表示装置、複合部材、移動式複合部材及び車載用表示装置、複合部材又は移動式複合部材と、投影機との組み合わせの提供。
【解決手段】投影型スクリーン及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の少なくとも一方を備える、車載用表示装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影型スクリーン及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の少なくとも一方を備える、車載用表示装置。
【請求項2】
取り付け部をさらに備える、請求項1に記載の車載用表示装置。
【請求項3】
前記取り付け部が、マグネットを備える、請求項2に記載の車載用表示装置。
【請求項4】
前記投影型スクリーン又は前記有機エレクトロルミネッセンス表示装置の巻き出し及び巻き取りを行う軸部をさらに備える、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の車載用表示装置。
【請求項5】
前記軸部を、軸中心に回転駆動させる駆動部をさらに備える、請求項4に記載の車載用表示装置。
【請求項6】
角度調整機構を有する、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の車載用表示装置。
【請求項7】
前記投影型スクリーン又は前記有機エレクトロルミネッセンス表示装置が、拡縮式の投影型スクリーン又は拡縮式の有機エレクトロルミネッセンス表示装置である、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の車載用表示装置。
【請求項8】
車両内側ルーフに取り付け可能な請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の車載用表示装置。
【請求項9】
前記投影型スクリーン又は前記有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2以下である場合、曲率半径が90cm以上である前記車両内側ルーフに取り付け可能な請求項8に記載の車載用表示装置。
【請求項10】
前記投影型スクリーン又は前記有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2超である場合、曲率半径が150cm以上である前記車両内側ルーフに取り付け可能な請求項8に記載の車載用表示装置。
【請求項11】
車両サンバイザーに取り付け可能な請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の車載用表示装置。
【請求項12】
前記投影型スクリーン又は前記有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2以下である場合、曲率半径が90cm以上である前記車両サンバイザーに取り付け可能な請求項11に記載の車載用表示装置。
【請求項13】
前記投影型スクリーン又は前記有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2超である場合、曲率半径が150cm以上である前記車両サンバイザーに取り付け可能な請求項11に記載の車載用表示装置。
【請求項14】
車両サンバイザーと、前記車両サンバイザーの一方の面に請求項1に記載の車載用表示装置とを備える、複合部材。
【請求項15】
請求項14に記載の複合部材と、前記複合部材を保持する移動軸とを備え、且つ前記移動軸が、前記複合部材の移動を案内する、移動式複合部材。
【請求項16】
前記複合部材を2個以上備え、且つ前記複合部材が、互いを連結させる連結部を有する、請求項15に記載の移動式複合部材。
【請求項17】
請求項1~請求項13のいずれか一項に記載の車載用表示装置、請求項14に記載の複合部材又は請求項15若しくは請求項16に記載の移動式複合部材と、投影機とを備える、組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載用表示装置、複合部材、移動式複合部材及び車載用表示装置、複合部材又は移動式複合部材と、投影機との組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、付加価値の向上の観点から、車両は様々な性能を有することが求められる。例えば、外装、内装等の意匠性、安全性のみならず、空調管理、音響の性能等の車両内をより快適な環境にすることができる性能も強く求められる。
また、停車時、自動運転時等において、TV、映画等の映像、画像などを車両内において鑑賞し、車両内において過ごす時間をより有意義なものとしたいという車両への要求が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、車両内における映像、画像等の鑑賞を可能とし、車両内において過ごす時間を有意義なものとすることのできる、車載用表示装置、複合部材、移動式複合部材及び車載用表示装置、複合部材又は移動式複合部材と、投影機との組み合わせを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 投影型スクリーン及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の少なくとも一方を備える、車載用表示装置。
<2> 取り付け部をさらに備える、上記<1>に記載の車載用表示装置。
<3> 上記取り付け部が、マグネットを備える、上記<2>に記載の車載用表示装置。
<4> 上記投影型スクリーン又は上記有機エレクトロルミネッセンス表示装置の巻き出し及び巻き取りを行う軸部をさらに備える、上記<1>~<3>のいずれか1つに記載の車載用表示装置。
<5> 上記軸部を、軸中心に回転駆動させる駆動部をさらに備える、上記<4>に記載の車載用表示装置。
<6> 角度調整機構を有する、上記<1>~<5>のいずれか1つに記載の車載用表示装置。
<7> 上記投影型スクリーン又は上記有機エレクトロルミネッセンス表示装置が、拡縮式の投影型スクリーン又は拡縮式の有機エレクトロルミネッセンス表示装置である、上記<1>~<6>のいずれか1つに記載の車載用表示装置。
<8> 車両内側ルーフに取り付け可能な上記<1>~<7>のいずれか1つに記載の車載用表示装置。
<9> 上記投影型スクリーン又は上記有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2以下である場合、曲率半径が90cm以上である上記車両内側ルーフに取り付け可能な上記<8>に記載の車載用表示装置。
<10> 上記投影型スクリーン又は上記有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2超である場合、曲率半径が150cm以上である上記車両内側ルーフに取り付け可能な上記<8>に記載の車載用表示装置
<11> 車両サンバイザーに取り付け可能な上記<1>~<7>のいずれか1つに記載の車載用表示装置。
<12> 上記投影型スクリーン又は上記有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2以下である場合、曲率半径が90cm以上である上記車両サンバイザーに取り付け可能な上記<11>に記載の車載用表示装置。
<13> 上記投影型スクリーン又は上記有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2超である場合、曲率半径が150cm以上である上記車両サンバイザーに取り付け可能な上記<11>に記載の車載用表示装置。
<14> 車両サンバイザーと、上記車両サンバイザーの一方の面に上記<1>に記載の車載用表示装置とを備える、複合部材。
<15> 上記<14>に記載の複合部材と、上記複合部材を保持する移動軸とを備え、且つ上記移動軸が、上記複合部材の移動を案内する、移動式複合部材。
<16> 上記複合部材を2個以上備え、且つ上記複合部材が、互いを連結させる連結部を有する、上記<15>に記載の移動式複合部材。
<17> 上記<1>~<13>のいずれか1つに記載の車載用表示装置、上記<14>に記載の複合部材又は上記<15>若しくは上記<16>に記載の移動式複合部材と、投影機とを備える、組み合わせ。
【発明の効果】
【0005】
本開示の一形態によれば、車両内における映像、画像等の鑑賞を可能とし、車両内において過ごす時間を有意義なものとすることのできる、車載用表示装置、複合部材、移動式複合部材及び車載用表示装置、複合部材又は移動式複合部材と、投影機との組み合わせを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、車両内側ルーフに取り付けた本開示の車載用表示装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は、車両サンバイザーに取り付けた本開示の車載用表示装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【
図3】
図3(A)~
図3(C)は、車両サンバイザーに取り付けた本開示の車載用表示装置の他の実施形態を示す概略斜視図である。
【
図4】
図4は、車両サンバイザーの一実施形態の裏面を示す概略斜視図である。
【
図5】
図5は、車両内側ルーフに取り付けた本開示の車載用表示装置の他の実施形態を示す概略斜視図である。
【
図6】
図6は、車両内側ルーフに取り付けた本開示の車載用表示装置の他の実施形態を示す概略斜視図である。
【
図7】
図7は、車両内側ルーフに取り付けた本開示の車載用表示装置の他の実施形態を示す概略斜視図である。
【
図8】
図8は、車両内側ルーフに取り付けた本開示の車載用表示装置の他の実施形態を示す概略斜視図である。
【
図9】
図9は、本開示の移動式複合部材の一実施形態を示す概略斜視図である。
【
図10】
図10は、本開示の移動式複合部材の一実施形態を示す概略斜視図である。
【
図11】
図11は、本開示の移動式複合部材の一実施形態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示を限定するものではない。
【0008】
本開示にて示す各図面における各要素は必ずしも正確な縮尺ではなく、本開示の原理を明確に示すことに主眼が置かれており、強調がなされている箇所もある。
【0009】
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0010】
本開示において、「前方」とは、車両における前方を指し、「後方」とは、車両の後方を指す。また、本開示において、「上方」とは、車両における上方を指し、「下方」とは、車両における下方を指す。
【0011】
<車載用表示装置>
本開示の車載用表示装置は、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置を備える。
【0012】
本開示の車載用表示装置によれば、車両内における映像、画像等の鑑賞を可能とし、車両内において過ごす時間を有意義なものとすることができる。
【0013】
車載用表示装置が備える投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置に表示される映像、画像は、特に限定されるものではなく、TV、映画、交通状況、天候、運転速度、燃料残量等が挙げられる。
【0014】
(投影型スクリーン及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置)
投影型スクリーンは、透過式スクリーンであってもよく、反射式スクリーンであってもよい。
本開示において、透過式スクリーンとは、投影型スクリーンに投影した映像が正像となるスクリーンを指し(背面投影型スクリーンともいう。)、反射式スクリーンとは、投影型スクリーンに反射した映像が正像となるスクリーンを指す(前面投影型スクリーンともいう)。
投影型スクリーンは、透明スクリーンであってもよく、これにより、車両内の意匠性を維持又は向上することができる。透明性の観点からは、透明スクリーンのヘイズ値は20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
本開示において、ヘイズ値は、JIS K 7136:2000に準拠して測定することができる。
【0015】
有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、特に限定されるものではなく、従来公知の有機エレクトロルミネッセンス表示装置を使用することができる。有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、車両内側ルーフ等に配索されるワイヤーハーネス等により、車両の電源に接続することができる。
また、有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、タッチパネル機能を有するものであってもよい。
【0016】
投影型スクリーン及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、拡縮式の投影型スクリーン及び拡縮式の有機エレクトロルミネッセンス表示装置であってもよい。
拡縮式の投影型スクリーン及び拡縮式の有機エレクトロルミネッセンス表示装置とは、サイズの拡張及び縮小が可能である投影型スクリーン及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置を意味する。
具体的には、折り畳みが可能である、投影型スクリーン及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置が挙げられるが、これに限定されるものではない。
拡縮式の投影型スクリーン及び拡縮式の有機エレクトロルミネッセンス表示装置によれば、不使用時の車両内における占有スペースを低減することができる。
例えば、投影型スクリーンを折り畳んだ状態で、車両サンバイザーに取り付けておき、投影型スクリーンを展開し、使用することにより、不使用時には車両内における占有スペースを低減することができ、且つ使用時には視認が容易なサイズの映像、画像等を表示することができる。
【0017】
投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積は、車載可能な面積であれば特に限定されるものではないが、例えば、25000mm2~2000000mm2とすることができる。
【0018】
(取り付け部)
本開示の車載用表示装置は、車両内側ルーフ、車両サンバイザー等へ車載用表示装置を取り付けることを可能にする取り付け部をさらに備えることができる。
【0019】
取り付け部は、両内側ルーフ、車両サンバイザー等へ車載用表示装置を取り付けることを可能にすることができるものであれば、その構成は特に限定されるものではない。
取り付け部は、車両内側ルーフ、車両サンバイザー等への車載用表示装置の取り付けを可能にする、ねじ、ビス等を貫通させるための穴、マグネット、フック、クリップ、ファスナー、マジックテープ、両面テープなどを備えることができる。
また、車載用表示装置が取り付け部を有しない場合には、車載用表示装置は、接着剤等を使用することにより、車両内側ルーフ等へ取り付けることができる。
取り付け部は、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置に設けられていてもよく、下記する軸部、保持部等に設けられていてもよい。
【0020】
上記した中でも、取り付け部は、マグネットを備えることが好ましい。これにより、車載用表示装置の車両内側ルーフ等への取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。また、夏場等は、車両内は高温となりやすく、車両内に保管される車載用表示装置がダメージ(各部材の溶解、日焼け等)を受けてしまう恐れがあるが、車載用表示装置の取り外しが可能なことにより、不使用時は、車載用表示装置を涼しい場所に保管することができる。
【0021】
(軸部)
本開示の車載用表示装置は、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の巻き出し及び巻き取りを行う軸部を備えることができる。
本開示の車載用表示装置が軸部を備えることにより、不使用時には、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置を巻き取った状態としておき、車両内における占有スペースを低減することができ、且つ使用時には、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置を巻き出し、視認が容易なサイズの映像、画像等を表示することができる。
軸部への投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の巻き出し及び巻き取りは手動により行ってもよく、下記する駆動部を利用することにより行ってもよい。
【0022】
(駆動部)
本開示の車載用表示装置は、軸部を、軸中心に回転駆動させ、軸部への投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の巻き出し及び巻き取りを行わせる駆動部を備えることができる。駆動部は、軸部への投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の巻き出し及び巻き取りを行わせることができるものであれば、その構成は特に限定されるものではない。例えば、駆動部はステッピングモーター等を備えることができる。
【0023】
(角度調整機構)
本開示の車載用表示装置は、角度調整機構を備えていてもよい。
車載用表示装置が角度調整機構を備えることにより、不使用時には、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置を車両内側ルーフに沿った状態(倒した状態)とすることができ、車両内における占有スペースを低減することができる。また、車載用表示装置が角度調整機構を備えることにより、使用時において、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の角度調整により、日光等の光の反射を防止することができる。
【0024】
角度調整機構は、車両内側ルーフ等に取り付けられた車載用表示装置が備える投影型スクリーン及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置の角度を調整することができるものであれば、その構成は特に限定されるものではない。
例えば、車載用表示装置が、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置を、その軸中心に回転可能となるように保持する保持部を備えることができる。
【0025】
本開示の車載用表示装置は、車両内側ルーフに取り付け可能であってもよい。
より具体的には、車載用表示装置は、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2以下である場合、曲率半径が90cm以上である車両内側ルーフに取り付け可能であることが好ましく、曲率半径が135cm以上である車両内側ルーフに取り付け可能であることがより好ましい。
また、車載用表示装置は、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2超である場合、曲率半径が150cm以上である車両内側ルーフに取り付け可能であることが好ましく、曲率半径が220cm以上である車両内側ルーフに取り付け可能であることがより好ましい。
上記態様によれば、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置に表示される画像の品質を向上することができる傾向にある。
なお、本開示において、曲率半径は、車載用表示装置を取り付ける面の曲率半径を指す。
また、本開示において、車載用表示装置が、曲率半径が90以上である車両内側ルーフ等に取り付け可能であるとは、軸部等を車載用表示装置が備える場合は、投影型スクリーンが巻き出された状態の車載用表示装置を取り付けることが可能であることを意味し、投影型スクリーン等がする拡縮式投影型スクリーン等である場合は、投影型スクリーンが展開された車載用表示装置を取り付けることが可能であることを意味する。車載用表示装置が、下記する車両サンバイザー等に取り付け可能であるという記載についても同様である。
なお、車両内側ルーフへの車載用表示装置の取り付けは、下記する取り付け部等により行うことができる。
【0026】
本開示の車載用表示装置は、車両サンバイザーに取り付け可能であってもよい。
より具体的には、車載用表示装置は、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2以下である場合、曲率半径が90cm以上である車両内側ルーフに取り付け可能であることが好ましく、曲率半径が135cm以上である車両内側ルーフに取り付け可能であることがより好ましい。
また、車載用表示装置は、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2超である場合、曲率半径が150cm以上である車両内側ルーフに取り付け可能であることが好ましく、曲率半径が220cm以上である車両内側ルーフに取り付け可能であることがより好ましい。
上記態様によれば、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置に表示される画像の品質を向上することができる傾向にある。
なお、車両サンバイザーへの車載用表示装置の取り付けは、下記する取り付け部等により行うことができる。
【0027】
本開示の車載用表示装置は、車両ヘッドレストの後方面に取り付け可能であってもよい。
より具体的には、車載用表示装置は、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2以下である場合、曲率半径が90cm以上である車両内側ルーフに取り付け可能であることが好ましく、曲率半径が135cm以上である車両内側ルーフに取り付け可能であることがより好ましい。
また、車載用表示装置は、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2超である場合、曲率半径が150cm以上である車両内側ルーフに取り付け可能であることが好ましく、曲率半径が220cm以上である車両内側ルーフに取り付け可能であることがより好ましい。
上記態様によれば、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置に表示される画像の品質を向上することができる傾向にある。
なお、車両ヘッドレストの後方面への車載用表示装置の取り付けは、下記する取り付け部等により行うことができる。
【0028】
以下に、
図1~
図5を参照し、本開示の車載用表示装置の構成についてより詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
【0029】
図1には、投影型スクリーン11及び取り付け部12を備える車載用表示装置10を示す。なお、
図1は、車両内側ルーフ13に取り付けられた状態の車載用表示装置10を示す。
車載用表示装置10の取り付け部12はマグネットを備え、車両内側ルーフ13に設けられたマグネットにくっつけることにより、車載用表示装置10の車両内側ルーフ13への取り付けが行われる。
なお、
図1において、投影機(プロジェクタ)は、符号14で示す。
【0030】
図2には、投影型スクリーン21及び取り付け部22を備える車載用表示装置20を示す。なお、
図2は、車両サンバイザー23に取り付けられた状態の車載用表示装置20を示す。
車載用表示装置20の取り付け部22はマグネットを備え、車両サンバイザー23に設けられたマグネットにくっつけることにより、車載用表示装置20の車両サンバイザー23への取り付けが行われる。
なお、
図2において、投影機は、符号24で示す。
【0031】
図3(A)~
図3(C)には、拡縮式投影型スクリーン31及び取り付け部32を備える、車載用表示装置30を示す。なお、
図3(A)~
図3(C)は、車両サンバイザー33に取り付けられた状態の車載用表示装置30を示す。
図3(A)において、車載用表示装置30が備える拡縮式投影型スクリーン31は、折りたたまれた状態であり、
図3(B)、
図3(C)の順に拡縮式投影型スクリーン31が展開される。
車載用表示装置30の取り付け部32はマグネットを備え、車両サンバイザー33に設けられたマグネットにくっつけることにより、車載用表示装置30の車両サンバイザー33への取り付けが行われる。
なお、
図3において、投影機は、符号34で示す。
【0032】
また、
図4に示すように、車両サンバイザーは、拡縮式車両サンバイザー33’であってもよい。車両サンバイザーが、拡縮式車両サンバイザーであることにより、
図3(C)のように、展開される拡縮式投影型スクリーンを保持することができ、スクリーンにたわみが生じてしまうことを防止することができる。
【0033】
図5~
図7には、投影型スクリーン41、軸部42、駆動部43及び取り付け部44を備える車載用表示装置40を示す。なお、
図5~
図7は、車両内側ルーフ45に取り付けられた状態の車載用表示装置40を示す。
図5に示す車載用表示装置40が備える投影型スクリーン41は軸部42に巻き取られた状態であり、駆動部43により、軸部42が軸中心に回転駆動させられ、
図6に示すように投影型スクリーン41が矢印方向へ巻き出される。
車載用表示装置40の取り付け部44は、軸部42に設けられ、マグネットにより、車載用表示装置40の車両内側ルーフ45への取り付けが行われる(図示せず)。また、車両内側ルーフ45における点線は、マグネットを示し、巻き出された投影型スクリーン41の先端に設けられるマグネット(図示せず)とくっつくことにより固定が行われる。
なお、
図5~
図7において、投影機は、符号46で示す。
なお、
図5~
図7においては、車両内側ルーフの面内において後方から前方に向けて投影型スクリーンが巻き出される車載用表示装置を示したが、前方から後方に向けて巻き出されるものであってもよく、下方に向けて投影型スクリーンが巻き出されるものであってもよい。
【0034】
図8には、投影型スクリーン51、保持部52及び取り付け部53を備え、角度調整機構を有する車載用表示装置50を示す。なお、
図8は、車両内側ルーフ54に取り付けられた状態の車載用表示装置50を示す。
図8において、投影型スクリーン51は、保持部の軸中心に回転することができる。また、車載用表示装置50の取り付け部53は、保持部52に設けられ、ビスを貫通させるための穴を有し、ビスにより車両内側ルーフ54に取り付けられる。
なお、
図8において、投影機は、符号55で示す。
【0035】
<複合部材>
本開示の複合部材は、車両サンバイザーと、車両サンバイザーの一方の面に、上記車載用表示装置とを備える。
【0036】
(車両サンバイザー)
車両サンバイザーは、車両に取り付け可能であれば、特に限定されるものではなく、従来公知の車両サンバイザーを使用することができる。
【0037】
車両サンバイザーの上記車載用表示装置の曲率半径は、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2以下である場合、90cm以上であることが好ましく、135cm以上であることがより好ましい。
また、車両サンバイザーの上記車載用表示装置の曲率半径は、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置の面積が63000mm2超である場合、150cm以上であることが好ましく、220cm以上であることがより好ましい。
上記態様によれば、投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置に表示される画像の品質を向上することができる傾向にある。
【0038】
(車載用表示装置)
複合部材が備える車載用表示装置は、上記した車載用表示装置を使用することができ、ここでは詳細な記載は詳細する。なお、車載用表示装置は、上記した取り付け部により、車両サンバイザーに取り付けられ、取り外し可能な状態となっていてもよく、接着剤等により車両サンバイザーと一体となっていてもよい。
【0039】
<移動式複合部材>
本開示の移動式複合部材は、上記複合部材と、複合部材を保持する移動軸とを備え、且つ移動軸が複合部材の移動を案内する。
【0040】
(複合部材)
移動式複合部材が備える複合部材は、上記した複合部材を使用することができ、ここでは詳細な記載は省略する。
なお、移動式複合部材は、複合部材を2個以上備えていてもよく、この場合、複合部材は互いを連結させる連結部を有することできる。
移動式複合部材が、連結部を有する複合部材を2個以上備えることにより、移動軸を移動させたこれら複合部材を連結させることができ、連結させた投影型スクリーン又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置へ映像、画像等を表示することができ、その視認性を向上することができる。
なお、連結部は、複合部材が備える車両サンバイザーに設けられていてもよく、車載用表示装置に設けられていてもよい。
【0041】
(移動軸)
移動軸は、複合部材を保持することができ、且つ複合部材の移動を案内することできるものであれば、その構成は特に限定されるものではない。
例えば、移動軸は、長手方向に延びる溝と、溝を移動することができ、且つ車両サンバイザーを保持することができるサンバイザー保持部とを備える。
移動軸は、複合部材の移動を制限するロック機構を有していてもよい。移動軸がロック機構を有することにより、運転時等における複合部材の不必要な移動を制限することができる。移動軸における複合部材の移動は、手動により行ってもよく、上記駆動部等を利用することにより行ってもよい。
【0042】
以下に、
図9~
図11を参照し本開示の車載用表示装置についてより詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
【0043】
図9~
図11には、2個の複合部材61と、移動軸62とを備える、移動式複合部材60を示す。
複合部材61は、車両サンバイザー63と、車両サンバイザーの一方の面に、車載用表示装置64とを備え、車両サンバイザー63には連結部65が設けられている。
車載用表示装置64は、拡縮式投影型スクリーン66及び取り付け部(図示せず)を備える、
移動軸62は、長手方向に延びる溝67と、溝67を移動することができ、且つ車両サンバイザー63を保持することができるサンバイザー保持部68を備える。
図9は、複合部材61の移動及び拡縮式投影型スクリーン66の展開前の移動式複合部材60状態を示す。
図10は、移動軸62の長手方向に、2個の複合部材61をそれぞれ移動させ、連結部65により連結させた、移動式複合部材60の状態を示す。
図11は、連結後、複合部材61が備える拡縮式投影型スクリーン66を展開した、移動式複合部材60の状態を示す。
なお、
図9~
図11において、投影機は、符号69で示す。
【0044】
<車載用表示装置、複合部材又は移動式複合部材と、投影機との組み合わせ>
本開示の車載用表示装置、複合部材又は移動式複合部材と、投影機との組み合わせは、上記した車載用表示装置、複合部材又は移動式複合部材と、投影機とを備える。
【0045】
(車載用表示装置、複合部材又は移動式複合部材)
車載用表示装置、複合部材又は移動式複合部材は、上記した車載用表示装置、複合部材又は移動式複合部材であって、投影型スクリーンを備えるものを使用することができ、ここでは詳細な記載は詳細する。
【0046】
(投影機)
投影機は、特に限定されるものではなく、従来公知のものを使用することができる。投影機は、車両内側ルーフ等に配索されるワイヤーハーネス等により、車両の電源に接続することができる。
【実施例0047】
以下に、本開示を実施例により具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
(実施例1-1)
投影型スクリーン(縦210mm×横297mm、株式会社KIC製、Supernova Core ノーマルゲイン、前面投影型)と、投影型スクリーンの一方の面の四隅に設けられる取り付け部とを備える車載用表示装置を準備した。
上記車載用表示装置を、曲率半径が90cmである車両内側ルーフに取り付けた。
なお、車載用表示装置の取り付けは、車両内側ルーフに設けられるマグネットに、取り付け部が備えるマグネットをくっつけることにより行った。
【0049】
(実施例1-2~実施例1-6)
車両内側ルーフの曲率半径を表1に示す数値に変更した以外は、実施例1-1と同様にして、車載用表示装置を、車両内側ルーフに取り付けた。
【0050】
(実施例2-1)
投影型スクリーン(縦1000mm×横1561mm、Supernova Core ノーマルゲイン、前面投影型)と、投影型スクリーンの一方の面の四隅に設けられる取り付け部とを備える車載用表示装置を準備した。
上記車載用表示装置を、曲率半径が150cmである車両サンバイザーに取り付けた。なお、車載用表示装置の取り付けは、車両サンバイザーに設けられるマグネットに、取り付け部が備えるマグネットをくっつけることにより行った。
【0051】
(実施例2-2~実施例2-6)
車両内側ルーフの曲率半径を表2に示す数値に変更した以外は、実施例2-1と同様にして、車載用表示装置を、車両内側ルーフに取り付けた。
【0052】
<画像品質評価>
上記実施例において取り付けを行った車載用表示装置に、投影機を使用して、画像を表示し、画像を目視により観察し、下記評価基準に基づいて、評価した。評価結果を表1にまとめる。
なお、実施例1-1~実施例1-6においては、投影型スクリーンと投影機との距離を22cmとし、実施例2-1~実施例2-6においては、投影型スクリーンと投影機との距離を217cmとした。
(評価基準)
A:画像に歪みが生じておらず、高い品質の画像を表示することができた。
B:画像に歪みがほとんど生じなかった。
C:画像に歪みが多く生じた。
【0053】
【0054】
10、20、30、40、50:車載用表示装置、11、21、41、51:投影型スクリーン、12、22、32、44、53:取り付け部、13、45、54:車両内側ルーフ、14、24、34、46、55、69:投影機、23、33、63:車両サンバイザー、31、66:拡縮式投影型スクリーン、33’:拡縮式車両サンバイザー、42:軸部、43:駆動部、52:保持部、60:移動式複合部材、61:複合部材、62:移動軸、64:車載用表示装置、65:連結部、67:溝、68:サンバイザー保持部