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特開2022-186787異方性導電フィルム及びその製造方法、並びに接続構造体及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186787
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】異方性導電フィルム及びその製造方法、並びに接続構造体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/00 20060101AFI20221208BHJP
   H01R 11/01 20060101ALI20221208BHJP
   H01B 5/16 20060101ALI20221208BHJP
【FI】
H01R43/00 H
H01R11/01 501C
H01B5/16
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164228
(22)【出願日】2022-10-12
(62)【分割の表示】P 2017145591の分割
【原出願日】2017-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】昭和電工マテリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】森谷 敏光
(72)【発明者】
【氏名】杜 暁黎
(72)【発明者】
【氏名】須方 振一郎
(72)【発明者】
【氏名】横地 精吾
(72)【発明者】
【氏名】江尻 芳則
(57)【要約】
【課題】電気的に互いに接続すべき回路部材の接続箇所が微小であっても絶縁信頼性及び導通信頼性の両方が優れる接続構造体を製造するのに有用な異方性導電フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る異方性導電フィルムの製造方法は、(a)転写型に設けられた複数の開口部に、一個又は複数個のはんだ粒子をそれぞれ収容する工程と、(b)転写型の開口部が設けられている側に、絶縁性を有する接着剤成分を接触させることにより、はんだ粒子が転写された第一のフィルムを得る工程と、(c)はんだ粒子が転写された側の第一のフィルムの表面上に、絶縁性を有する接着剤成分からなる第二のフィルムを形成することにより、異方性導電フィルムを得る工程とをこの順序で含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異方性導電フィルムの製造方法であって、
(a)転写型に設けられた複数の開口部に、一個又は複数個のはんだ粒子をそれぞれ収容する工程と、
(b)前記転写型の前記開口部が設けられている側に、絶縁性を有する接着剤成分を接触させることにより、前記はんだ粒子が転写された第一のフィルムを得る工程と、
(c)前記はんだ粒子が転写された側の前記第一のフィルムの表面上に、絶縁性を有する接着剤成分からなる第二のフィルムを形成することにより、異方性導電フィルムを得る工程と、
をこの順序で含む、異方性導電フィルムの製造方法。
【請求項2】
(b)工程で得られる前記第一のフィルムの前記表面に、前記はんだ粒子が露出している、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
(b)工程において、前記開口部の内部にまで前記接着剤成分を侵入させることにより、前記第一のフィルムの前記表面側に前記はんだ粒子が埋設されている、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
(b)工程は、前記はんだ粒子の転写後に、前記接着剤成分を硬化させるステップを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
異方性導電フィルムであって、
絶縁性を有する接着剤成分からなる絶縁性フィルムと、
前記絶縁性フィルム中に配置されている複数のはんだ粒子と、
を含み、
当該異方性導電フィルムの縦断面において、一個の前記はんだ粒子又は複数個の前記はんだ粒子からなる粒子群が隣接する一個の前記はんだ粒子又は前記粒子群と離隔した状態で横方向に並ぶように配置されている、異方性導電フィルム。
【請求項6】
当該異方性導電フィルムの横断面において、前記粒子群が規則的に配置されている、請求項5に記載の異方性導電フィルム。
【請求項7】
前記はんだ粒子の平均粒径が0.6~15μmである、請求項5又は6に記載の異方性導電フィルム。
【請求項8】
前記はんだ粒子が、スズ又はスズ合金を含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の異方性導電フィルム。
【請求項9】
前記はんだ粒子が、In-Sn合金、In-Sn-Ag合金、Sn-Bi合金、Sn-Bi-Ag合金、Sn-Ag-Cu合金又はSn-Cu合金からなる、請求項5~8のいずれか一項に記載の異方性導電フィルム。
【請求項10】
前記はんだ粒子の表面が、フラックス成分によって被覆されている、請求項5~9のいずれか一項に記載の異方性導電フィルム。
【請求項11】
第一の基板と当該第一の基板に設けられた第一の電極とを有する第一の回路部材を準備すること;
前記第一の電極と電気的に接続される第二の電極を有する第二の回路部材を準備すること;
前記第一の回路部材の前記第一の電極を有する面と、前記第二の回路部材の前記第二の電極を有する面との間に、請求項5~10のいずれか一項に記載の異方性導電フィルムを配置すること;
前記第一の回路部材と前記異方性導電フィルムと前記第二の回路部材とを含む積層体を前記積層体の厚さ方向の押圧した状態で、前記はんだ粒子の融点以上に加熱することによって前記第一の電極と前記第二の電極とをはんだを介して電気的に接続し且つ前記第一の回路部材と前記第二の回路部材と接着すること;
を含む接続構造体の製造方法。
【請求項12】
第一の基板と当該第一の基板に設けられた第一の電極とを有する第一の回路部材と、
前記第一の電極と電気的に接続されている第二の電極を有する第二の回路部材と、
前記第一の電極と前記第二の電極との間に介在するはんだ接合部と、
前記第一の回路部材と前記第二の回路部材との間に設けられ、前記第一の回路部材と前記第二の回路部材と接着している絶縁樹脂層と、
を備える接続構造体。
【請求項13】
前記第一の電極及び前記第二の電極の少なくとも一方が、銅、ニッケル、パラジウム、金、銀及びこれらの合金、並びに、インジウムスズ酸化物からなる群から選ばれる材質からなる、請求項12に記載の接続構造体。
【請求項14】
前記第一の電極及び前記第二の電極の少なくとも一方が銅からなり、
前記第一の電極と前記第二の電極が金属間化合物からなる層を介して接続されている、請求項12又は13に記載の接続構造体。
【請求項15】
前記金属間化合物からなる層の厚さが、0.1~10.0μmである、請求項14に記載の接続構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異方性導電フィルム及びその製造方法、並びに接続構造体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示用ガラスパネルに液晶駆動用ICを実装する方式は、COG(Chip-on-Glass)実装と、COF(Chip-on-Flex)実装との二種に大別することができる。COG実装では、導電粒子を含む異方性導電接着剤を用いて液晶駆動用ICを直接ガラスパネル上に接合する。一方、COF実装では、金属配線を有するフレキシブルテープに液晶駆動用ICを接合し、導電粒子を含む異方性導電接着剤を用いてそれらをガラスパネルに接合する。ここでいう「異方性」とは、加圧方向には導通し、非加圧方向では絶縁性を保つという意味である。
【0003】
ところで、近年の液晶表示の高精細化に伴い、液晶駆動用ICの回路電極である金属バンプは狭ピッチ化及び狭面積化しており、そのため、異方性導電接着剤の導電粒子が隣接する回路電極間に流出してショートを発生させるおそれがある。特にCOG実装ではその傾向が顕著である。隣接する回路電極間に導電粒子が流出すると、金属バンプとガラスパネルとの間に捕捉される導電粒子数が減少し、対面する回路電極間の接続抵抗が上昇する接続不良を起こすおそれがある。このような傾向は、単位面積あたり2万個/mm未満の導電粒子を投入すると、より顕著である。
【0004】
これらの問題を解決する方法として、導電粒子(母粒子)の表面に複数の絶縁粒子(子粒子)を付着させ、複合粒子を形成させる方法が提案されている。例えば、特許文献1,2では導電粒子の表面に球状の樹脂粒子を付着させる方法が提案されている。更に単位面積あたり7万個/mm以上の導電粒子を投入した場合であっても、絶縁信頼性に優れた絶縁被覆導電粒子が提案されており、特許文献3では、第1の絶縁粒子と、第1の絶縁粒子よりもガラス転移温度が低い第2の絶縁粒子が導電粒子の表面に付着された絶縁被覆導電粒子が提案されている。また、特許文献4では、電極間の接続をより強固にする観点から、はんだ粒子を含んだ導電ペーストが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4773685号公報
【特許文献2】特許第3869785号公報
【特許文献3】特開2014-17213号公報
【特許文献4】特開2016-76494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電気的に互いに接続すべき回路部材の接続箇所が微小(例えばバンプ面積2000μm未満)である場合、安定した導通信頼性を得るために導電粒子を増やすことが好ましい。このような理由から、単位面積あたり10万個/mm以上の導電粒子を投入する場合もでてきている。しかしながら、このように接続箇所が微小である場合、特許文献1~3に記載の絶縁被覆導電粒子を用いたとしても、導通信頼性と絶縁信頼性のバランスを取ることは難しく、未だ改善の余地があった。他方、特許文献4に記載のはんだ粒子を含む導電ペーストを用いた場合、導通信頼性は十分に確保し得るものの、絶縁信頼性が不十分であるという課題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電気的に互いに接続すべき回路部材の接続箇所が微小であっても、絶縁信頼性及び導通信頼性の両方が優れる接続構造体を製造するのに有用な異方性導電フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、この異方性導電フィルムを用いて製造される接続構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明者らは従来の手法では絶縁抵抗値が低下する理由について検討した。その結果、特許文献1,2に記載の発明では、導電粒子の表面に被覆されている絶縁粒子の被覆性が低く、単位面積あたり2万個/mm程度又はこれ未満の導電粒子の投入量であっても、絶縁抵抗値が低下しやすいことが分かった。
【0009】
特許文献3に記載の発明においては、特許文献1,2に記載の発明の欠点を補うため、第1の絶縁粒子と、第1の絶縁粒子よりもガラス転移温度が低い第2の絶縁粒子を導電粒子の表面に付着させている。これにより、導電粒子の投入量が単位面積あたり7万個/mm程度であれば絶縁抵抗値が十分に高い状態を維持できる。しかし、導電粒子の投入量が単位面積あたり10万個/mm以上ともなると絶縁抵抗値が不十分となる可能性があることが分かった。
【0010】
特許文献4に記載の発明においては、はんだ粒子を含んだ導電ペーストを用いていることで、特許文献1~3に記載の発明と比較して優れた導通信頼性に達成し得ると認められるものの、電気的に互いに接続すべき回路部材の接続箇所が微小(例えばバンプ面積2000μm未満)である場合、バンプとバンプの間の接続部以外にはんだ粒子が残りやすいため、絶縁信頼性が不十分となる可能性があることが分かった。
【0011】
本発明は本発明者らの上記知見に基づいてなされたものである。本発明は以下の工程をこの順序で含む異方性導電フィルムの製造方法を提供する。
(a)転写型に設けられている複数の開口部に、一個又は複数個のはんだ粒子をそれぞれ収容する工程。
(b)転写型の開口部が設けられている側に、絶縁性を有する接着剤成分を接触させることにより、はんだ粒子が転写された第一のフィルムを得る工程。
(c)はんだ粒子が転写された側の第一のフィルムの表面上に、絶縁性を有する接着剤成分からなる第二のフィルムを形成することにより、異方性導電フィルムを得る工程。
【0012】
上記異方性導電フィルムの製造方法によれば、転写型を用いることで、異方性導電フィルムの厚さ方向における所定の領域に、一個のはんだ粒子又は複数個のはんだ粒子からなる粒子群が隣接する一個のはんだ粒子又は粒子群と離隔した状態で並ぶように配置された異方性導電フィルムを製造することができる。例えば、接続すべき電極のパターンに応じた転写型を用いて異方性導電フィルムを製造することで、異方性導電フィルムにおけるはんだ粒子の位置及び個数を十分に制御することができる。このような異方性導電フィルムを用いて接続構造体を製造することにより、電気的に互いに接続すべき一対の電極間に存在するはんだ粒子の数を十分に確保する一方、絶縁性を保つべき隣接する電極間に存在するはんだ粒子の数を十分に少なくすることができる。これにより、回路部材の接続箇所が微小であっても、絶縁信頼性及び導通信頼性の両方が優れる接続構造体を十分に効率的且つ安定的に製造することができる。
【0013】
上記(b)工程で得られる第一のフィルムは、その表面に、はんだ粒子が露出していてもよいし、第一のフィルムの表面側にはんだ粒子が埋設されていてもよい。第一のフィルムの表面側にはんだ粒子を埋設するには、(b)工程において、開口部の内部にまで接着剤成分を侵入させればよい。また、(b)工程で得られる第一のフィルムにおいて、転写されたはんだ粒子を固定化するため、(b)工程は、はんだ粒子の転写後に、接着剤成分を硬化させるステップを有してもよい。
【0014】
本発明において、はんだ粒子の平均粒径は、0.6~15μmであることが好ましい。はんだ粒子は、スズ又はスズ合金を含むことが好ましい。はんだ粒子を構成するスズ合金の具体例として、In-Sn合金、In-Sn-Ag合金、Sn-Bi合金、Sn-Bi-Ag合金、Sn-Ag-Cu合金及びSn-Cu合金が挙げられる。高い導通信頼性を達成する観点から、はんだ粒子の表面は、フラックス成分によって被覆されていることが好ましい。
【0015】
本発明は次の構成の異方性導電フィルムを提供する。すなわち、本発明に係る異方性導電フィルムは、絶縁性を有する接着剤成分からなる絶縁性フィルムと、絶縁性フィルム中に配置されている複数のはんだ粒子とを含み、当該異方性導電フィルムの縦断面において、一個のはんだ粒子又は複数個のはんだ粒子からなる粒子群が隣接する一個のはんだ粒子又は粒子群と離隔した状態で横方向に並ぶように配置されている。なお、ここでいう「縦断面」とは異方性導電フィルムの主面に対して直交する断面を意味し、「横方向」とは異方性導電フィルムの主面と平行な方向を意味する。
【0016】
接続構造体のより一層優れた絶縁信頼性及び導通信頼性の両方を達成する観点から、上記異方性導電フィルムの横断面において、粒子群が規則的に配置されていることが好ましい。
【0017】
本発明は、上記異方性導電フィルムを用いて接続構造体を製造する方法を提供する。すなわち、本発明に係る接続構造体の製造方法は、第一の基板と当該第一の基板に設けられた第一の電極とを有する第一の回路部材を準備すること;第一の電極と電気的に接続される第二の電極を有する第二の回路部材を準備すること;第一の回路部材の第一の電極を有する面と、第二の回路部材の第二の電極を有する面との間に、上記異方性導電フィルムを配置すること;第一の回路部材と異方性導電フィルムと第二の回路部材とを含む積層体を積層体の厚さ方向の押圧した状態で、はんだ粒子の融点以上に加熱することによって第一の電極と第二の電極とをはんだを介して電気的に接続し且つ第一の回路部材と第二の回路部材と接着することを含む。
【0018】
上記接続構造体の製造方法によれば、第一の電極と第二の電極の接続箇所が微小であっても、絶縁信頼性及び導通信頼性の両方が優れる接続構造体を十分に効率的且つ安定的に製造することができる。すなわち、上記積層体の厚さ方向に押圧した状態で、上記積層体をはんだ粒子の融点以上に加熱することにより、第一の電極と第二の電極の間に、はんだ粒子が溶融しながら寄り集まり、第一の電極と第二の電極とがはんだを介して接合される。これにより、第一の電極と第二の電極との良好な導通信頼性を得ることが可能である。これに加え、第一の電極と第二の電極の間に、はんだ粒子が溶融しながら寄り集まることで、絶縁性を保つべき隣接する電極間に、はんだ粒子が残りづらくなるため、当該電極間のショート発生が抑制され、高い絶縁信頼性を得ることが可能になる。
【0019】
本発明は次の構成の接続構造体を提供する。すなわち、本発明に係る接続構造体は、第一の基板と当該第一の基板に設けられた第一の電極とを有する第一の回路部材と、第一の電極と電気的に接続されている第二の電極を有する第二の回路部材と、第一の電極と第二の電極との間に介在するはんだ接合部と、第一の回路部材と第二の回路部材との間に設けられ、第一の回路部材と第二の回路部材と接着している絶縁接着層とを備える。
【0020】
本発明において、第一の電極及び第二の電極の少なくとも一方が、銅、ニッケル、パラジウム、金、銀及びこれらの合金、並びに、インジウムスズ酸化物からなる群から選ばれる材質からなることが好ましい。第一の電極及び第二の電極の少なくとも一方が銅からなる場合、第一の電極と第二の電極が金属間化合物からなる層を介して接続されていてもよい。この金属間化合物からなる層の厚さは、導通信頼性及び接続強度の観点から0.1~10.0μmであることが好ましい。なお、「金属間化合物からなる層」とは、はんだ粒子が融解してはんだ層が形成される際に、はんだ層に銅の拡散が起こることで形成される層をいう。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電気的に互いに接続すべき回路部材の接続箇所が微小であっても、絶縁信頼性及び導通信頼性の両方が優れる接続構造体を製造するのに有用な異方性導電フィルム及びその製造方法が提供される。また、本発明によれば、この異方性導電フィルムを用いて製造される接続構造体及びその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は本発明に係る異方性導電フィルムの第一実施形態を模式的に示す縦断面図である。
図2図2(a)は図1に示すIIa-IIa線における模式的な横断面図であり、図2(b)は第一実施形態の変形例を模式的に示す横断面図である。
図3図3は本発明に係る異方性導電フィルムの第二実施形態を模式的に示す縦断面図である。
図4図4(a)は図3にIVa-IVa線における模式的な横断面図であり、図4(b)は第二実施形態の変形例を模式的に示す横断面図である。
図5図5(a)は転写型の一例を模式的に示す平面図であり、図5(b)は図5(a)に示すb-b線における断面図である。
図6図6は転写型のそれぞれの凹部に一個のはんだ粒子が捕捉された状態を模式的に示す断面図である。
図7図7(a)~図7(c)は第一実施形態に係る異方性導電フィルムの製造過程の一例を模式的に示す断面図である。
図8図8(a)及び図8(b)は転写型のそれぞれの凹部に複数のはんだ粒子が収容された状態を模式的に示す断面図及び平面図である。
図9図9(a)~図9(c)は第二実施形態に係る異方性導電フィルムの製造過程の一例を模式的に示す断面図である。
図10図10は本発明に係る接続構造体の一部を拡大して示す図であって、はんだによって第一の電極と第二の電極が電気的に接続された状態の第一の例を模式的に示す断面図である。
図11図11は本発明に係る接続構造体の一部を拡大して示す図であって、はんだによって第一の電極と第二の電極が電気的に接続された状態の第二の例を模式的に示す断面図である。
図12図12は本発明に係る接続構造体の一部を拡大して示す図であって、はんだによって第一の電極と第二の電極が電気的に接続された状態の第三の例を模式的に示す断面図である。
図13図13は本発明に係る接続構造体の一部を拡大して示す図であって、はんだによって第一の電極と第二の電極が電気的に接続された状態の第四の例を模式的に示す断面図である。
図14図14は本発明に係る接続構造体の一部を拡大して示す図であって、はんだによって第一の電極と第二の電極が電気的に接続された状態の第五の例を模式的に示す断面図である。
図15図15は本発明に係る接続構造体の一部を拡大して示す図であって、はんだによって第一の電極と第二の電極が電気的に接続された状態の第六の例を模式的に示す断面図である。
図16図16(a)及び図16(b)は、本発明に係る接続構造体の製造過程の第一の例を模式的に示す断面図である。
図17図17(a)及び図17(b)は、本発明に係る接続構造体の製造過程の第二の例を模式的に示す断面図である。
図18図18(a)及び図18(b)は、本発明に係る接続構造体の製造過程の第三の例を模式的に示す断面図である。
図19図19(a)及び図19(b)は、本発明に係る接続構造体の製造過程の第四の例を模式的に示す断面図である。
図20図20(a)及び図20(b)は、本発明に係る接続構造体の製造過程の第五の例を模式的に示す断面図である。
図21図21(a)及び図21(b)は、本発明に係る接続構造体の製造過程の第六の例を模式的に示す断面図である。
図22図22は、押圧及び加熱がなされる前の異方性導電フィルムのはんだ粒子の位置と、バンプ(電極)の位置との関係の第一の例を模式的に示す平面図である。
図23図23は、押圧及び加熱がなされる前の異方性導電フィルムのはんだ粒子の位置と、バンプ(電極)の位置との関係の第二の例を模式的に示す平面図である。
図24図24は、押圧及び加熱がなされる前の異方性導電フィルムのはんだ粒子の位置と、バンプ(電極)の位置との関係の第三の例を模式的に示す平面図である。
図25図25は、押圧及び加熱がなされる前の異方性導電フィルムのはんだ粒子の位置と、バンプ(電極)との関係の第四の例を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に実施形態について説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、以下で例示する材料は、特に断らない限り、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
【0024】
<異方性導電フィルム>
図1に示す第一実施形態に係る異方性導電フィルム10は、絶縁性を有する接着剤成分からなる絶縁性フィルム2と、絶縁性フィルム2中に配置されている複数のはんだ粒子1とによって構成されている。異方性導電フィルム10の所定の縦断面において、一個のはんだ粒子1は隣接する一個のはんだ粒子1と離隔した状態で横方向(図1における左右方向)に並ぶように配置されている。換言すると、異方性導電フィルム10は、その縦断面において、複数のはんだ粒子1が横方向に列をなしている中央領域10aと、はんだ粒子1が実質的に存在しない表面側領域10b,10cとによって構成されている。
【0025】
図2(a)は図1に示すIIa-IIa線における模式的な横断面図である。同図に示されるとおり、異方性導電フィルム10の横断面において、はんだ粒子1が規則的に配置されている。図2(a)に示されたとおり、はんだ粒子1は異方性導電フィルム10の全体の領域に対して規則的且つほぼ均等の間隔で配置されていてもよく、図2(b)に示された変形例のように、異方性導電フィルム10の横断面において、複数のはんだ粒子1が規則的に配置されている領域10dと、はんだ粒子1が実質的に存在しない領域10eとが規則的に形成されるように、はんだ粒子1を配置してもよい。例えば、接続すべき電極の形状、サイズ及びパターン等に応じ、はんだ粒子1の位置及び個数等を設定すればよい。
【0026】
図3に示す第二実施形態に係る異方性導電フィルム20は、絶縁性を有する接着剤成分からなる絶縁性フィルム2と、絶縁性フィルム2中に配置されている複数の粒子群1Aとによって構成されている。粒子群1Aは複数のはんだ粒子1からなる。異方性導電フィルム20の所定の縦断面において、一つの粒子群1Aは隣接する一つの粒子群1Aと離隔した状態で横方向(図3における左右方向)に並ぶように配置されている。換言すると、異方性導電フィルム20は、その縦断面において、複数の粒子群1Aが横方向に列をなしている中央領域20aと、粒子群1Aが実質的に存在しない表面側領域20b,20cとによって構成されている。
【0027】
図4(a)は図1に示すIVa-IVa線における模式的な横断面図である。同図に示されるとおり、異方性導電フィルム20の横断面において、粒子群1Aが規則的に配置されている。図4(a)に示されたとおり、粒子群1Aは異方性導電フィルム20の全体の領域に対して規則的且つほぼ均等の間隔で配置されていてもよく、図4(b)に示された変形例のように、異方性導電フィルム20の横断面において、複数の粒子群1Aが規則的に配置されている領域20dと、粒子群1Aが実質的に存在しない領域20eとが規則的に形成されるように、粒子群1Aを配置してもよい。例えば、接続すべき電極の形状、サイズ及びパターン等に応じ、粒子群1Aの位置及び個数等を設定すればよい。
【0028】
(はんだ粒子)
はんだ粒子1の粒径は、例えば、0.4~30μmであり、0.5~20μm又は0.6~15μmであってもよい。はんだ粒子1の粒径が0.4μm未満であると、はんだ表面の酸化の影響を受けやすく、電気的に接続すべき一対の電極ではんだ粒子1が押圧された状態で、はんだ粒子1を融点以上に加熱しても、はんだ粒子1が溶融せずに微小な粒子のままで残る傾向にあり、導通信頼性が不十分となる傾向にある。一方、はんだ粒子1の粒径が30μmを超えると、絶縁信頼性が不十分となる傾向にある。
【0029】
はんだ粒子1の平均粒径は、例えば、0.6~15μmであり、1.0~12μm又は1.2~10μmであってもよい。はんだ粒子1の平均粒径が0.6μm未満であると、はんだ表面の酸化の影響を受けやすく、電気的に接続すべき一対の電極ではんだ粒子1が押圧された状態で、はんだ粒子1を融点以上に加熱しても、はんだ粒子1が溶融せずに微小な粒子のままで残る傾向にあり、導通信頼性が不十分となる傾向にある。一方、はんだ粒子1の平均粒径が15μmを超えると、絶縁信頼性が不十分となる傾向にある。
【0030】
はんだ粒子1の粒径は、走査電子顕微鏡(以下、SEM)を用いた観察により測定することができる。すなわち、はんだ粒子の平均粒径は、任意のはんだ粒子300個についてSEMを用いた観察により粒径の測定を行い、それらの平均値をとることにより得られる。
【0031】
はんだ粒子1は、スズ又はスズ合金を含む。スズ合金としては、例えば、In-Sn、In-Sn-Ag、Sn-Bi、Sn-Bi-Ag、Sn-Ag-Cu、Sn-Cuを用いることができ、下記の例が挙げられる。
・In-Sn(In52質量%、Bi48質量% 融点118℃)
・In-Sn-Ag(In20質量%、Sn77.2質量%、Ag2.8質量% 融点175℃)
・Sn-Bi(Sn43質量%、Bi57質量% 融点138℃)
・Sn-Bi-Ag(Sn42質量%、Bi57質量%、Ag1質量% 融点139℃)
・Sn-Ag-Cu(Sn96.5質量%、Ag3質量%、Cu0.5質量% 融点217℃)
・Sn-Cu(Sn99.3質量%、Cu0.7質量% 融点227℃)
【0032】
接続する温度に応じて、上記スズ合金を選択することができる。例えば、低温で接続したい場合、In-Sn合金、Sn-Bi合金を採用すればよく、150℃以下で接続することができる。Sn-Ag-Cu及びSn-Cu等の融点の高い材料を採用した場合、高温放置後においても、高い信頼性を達成できる傾向にある。
【0033】
はんだ粒子1を構成するスズ又はスズ合金は、Ag,Cu,Ni,Bi,Zn,Pd,Pb,Au,P及びBから選ばれる一種以上を含んでもよい。これらの元素のうち、以下の観点からAg又はCuを含んでもよい。すなわち、はんだ粒子1がAg又はCuを含むことで、はんだ粒子1の融点を220℃程度まで低下させることができる、電極との接合強度が向上することによって良好な導通信頼性を得られるという効果が奏される。
【0034】
はんだ粒子1のCu含有率は、例えば、0.05~10質量%であり、0.1~5質量%又は0.2~3質量%であってもよい。Cu含有率が0.05質量%以上であれば、良好なはんだ接続信頼性を得られやすく、他方、10質量%以下であれば融点が低くなり、はんだの濡れ性が向上し、結果として接合部の接続信頼性が良好となりやすい。
【0035】
はんだ粒子1のAg含有率は、例えば、0.05~10質量%であり、0.1~5質量%又は0.2~3質量%であってもよい。Ag含有率が0.05質量%以上であれば、良好なはんだ接続信頼性を得られやすく、他方、10質量%以下であれば融点が低くなり、はんだの濡れ性が向上し、結果として接合部の接続信頼性が良好となりやすい。
【0036】
(絶縁性フィルム)
絶縁性フィルム2を構成する接着剤成分として、熱硬化性化合物が挙げられる。熱硬化性化合物としては、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。なかでも、絶縁樹脂の硬化性及び粘度をより一層良好にし、接続信頼性をより一層高める観点から、エポキシ化合物が好ましい。
【0037】
接着剤成分は熱硬化剤をさらに含んでもよい。熱硬化剤としては、イミダゾール硬化剤、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、ポリチオール硬化剤、酸無水物、熱カチオン開始剤及び熱ラジカル発生剤等が挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらのうち、低温で速やかに硬化可能である点で、イミダゾール硬化剤、ポリチオール硬化剤又はアミン硬化剤が好ましい。また、熱硬化性化合物と熱硬化剤とを混合したときに保存安定性が高くなるので、潜在性の硬化剤が好ましい。潜在性の硬化剤は、潜在性イミダゾール硬化剤、潜在性ポリチオール硬化剤又は潜在性アミン硬化剤であることが好ましい。なお、上記熱硬化剤は、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂等の高分子物質で被覆されていてもよい。
【0038】
上記イミダゾール硬化剤としては、特に限定されず、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン及び2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
【0039】
上記ポリチオール硬化剤としては、特に限定されず、トリメチロールプロパントリス-3-メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス-3-メルカプトプロピオネート及びジペンタエリスリトールヘキサ-3-メルカプトプロピオネート等が挙げられる。ポリチオール硬化剤の溶解度パラメーターは、好ましくは9.5以上、好ましくは12以下である。上記溶解度パラメーターは、Fedors法にて計算される。例えば、トリメチロールプロパントリス-3-メルカプトプロピオネートの溶解度パラメーターは9.6、ジペンタエリスリトールヘキサ-3-メルカプトプロピオネートの溶解度パラメーターは11.4である。
【0040】
上記アミン硬化剤としては、特に限定されず、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラスピロ[5.5]ウンデカン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン及びジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
【0041】
上記熱カチオン硬化剤としては、ヨードニウム系カチオン硬化剤、オキソニウム系カチオン硬化剤及びスルホニウム系カチオン硬化剤等が挙げられる。上記ヨードニウム系カチオン硬化剤としては、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。上記オキソニウム系カチオン硬化剤としては、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート等が挙げられる。上記スルホニウム系カチオン硬化剤としては、トリ-p-トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
【0042】
上記熱ラジカル発生剤としては、特に限定されず、アゾ化合物及び有機過酸化物等が挙げられる。上記アゾ化合物としては、アゾビスイゾブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。上記有機過酸化物としては、ジ-tert-ブチルペルオキシド及びメチルエチルケトンペルオキシド等が挙げられる。
【0043】
(フラックス)
異方性導電フィルム10,20は、フラックスを含むことが好ましい。具体的には、異方性導電フィルム10,20を構成する接着剤成分がフラックスを含有するとともに、はんだ粒子1の表面をフラックスが覆っていることが好ましい。フラックスは、はんだ表面の酸化物を溶融して、粒子同士が融着するとともに、電極へのはんだの濡れ性を向上させる。
【0044】
フラックスとして、はんだ接合等に一般的に用いられているものを使用できる。具体例としては、塩化亜鉛、塩化亜鉛と無機ハロゲン化物との混合物、塩化亜鉛と無機酸との混合物、溶融塩、リン酸、リン酸の誘導体、有機ハロゲン化物、ヒドラジン、有機酸及び松脂等が挙げられる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0045】
溶融塩としては、塩化アンモニウム等が挙げられる。有機酸としては、乳酸、クエン酸、ステアリン酸、グルタミン酸及びグルタル酸等が挙げられる。松脂としては、活性化松脂及び非活性化松脂等が挙げられる。松脂はアビエチン酸を主成分とするロジン類である。フラックスとして、カルボキシル基を二個以上有する有機酸又は松脂を使用することにより、電極間の導通信頼性がより一層高くなるという効果が奏される。
【0046】
フラックスの融点は、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは70℃以上であり、さらに好ましくは80℃以上である。フラックスの融点は、好ましくは200℃以下であり、より好ましくは160℃以下であり、さらに好ましくは150℃以下であり、特に好ましくは140℃以下である。上記フラックスの融点が上記下限以上及び上記上限以下であると、フラックス効果がより一層効果的に発揮され、はんだ粒子が電極上により一層効率的に配置される。フラックスの融点の範囲は、80~190℃であることが好ましく、80~140℃以下であることがより好ましい。
【0047】
融点が80~190℃の範囲にあるフラックスとしては、コハク酸(融点186℃)、グルタル酸(融点96℃)、アジピン酸(融点152℃)、ピメリン酸(融点104℃)、スベリン酸(融点142℃)等のジカルボン酸、安息香酸(融点122℃)、リンゴ酸(融点130℃)等が挙げられる。
【0048】
<異方性導電フィルムの製造方法>
図5~7を参照しながら、<異方性導電フィルム10の製造方法について説明する。
【0049】
まず、はんだ粒子1を配列させるための転写型60を準備する。図5(a)は転写型60の平面図であり、図5(b)は図5(a)に示すb-b線における断面図である。図6は、転写型60が有する複数の凹部62(開口部)にはんだ粒子1が一つずつ収容された状態を示す断面図である。
【0050】
転写型60の凹部62は、凹部62の底部62a側から転写型60の表面60a側に向けて開口面積が拡大するテーパ状に形成されていることが好ましい。すなわち、図5(a)及び図5(b)に示すように、凹部62の底部62aの幅(これらの図における幅a)は、凹部62の表面60aにおける開口の幅(これらの図における幅b)よりも狭いことが好ましい。凹部62のサイズ(テーパ角度及び深さ)は、凹部62に収容するはんだ粒子1のサイズに応じて設定すればよい。
【0051】
転写型60を構成する材料としては、例えば、シリコン、各種セラミックス、ガラス、ステンレススチール等の金属等の無機材料、並びに、各種樹脂等の有機材料を使用することができる。これらのうち、凹部62にはんだ粒子1を収容した状態で保持する観点から、可撓性を有する樹脂材料からなることが好ましい。転写型60の凹部62は、フォトリソグラフ法等の公知の方法によって形成することができる。なお、転写型60は、熱硬化性樹脂等と接触するとともに、これを硬化させるための熱が加わる場合があることから、耐薬品性及び耐熱性を有する材質からなることが好ましい。
【0052】
転写型60を使用することで、はんだ粒子1の粒度分布にある程度の幅があっても、これよりも粒度分布の幅が狭い複数のはんだ粒子1を容易に選択し、これらを異方性導電フィルム10の製造に用いることができる。すなわち、転写型60の凹部62のサイズよりも小さいはんだ粒子1は凹部62に一旦収容されたとしても例えば凹部62が形成されている面を下に向ければ落下し、一方、凹部62のサイズよりも大きいはんだ粒子1は凹部62に収容されない。
【0053】
異方性導電フィルム10は、凹部62にはんだ粒子1を収容可能な転写型60を使用して製造される。すなわち、異方性導電フィルム10の製造方法は、以下の工程をこの順序で含む。
(a1)転写型60の各凹部62に、一個のはんだ粒子1を収容する工程。
(b1)転写型60の凹部62が設けられている側に、上記接着剤成分からなるフィルム2aを接触させることにより、複数のはんだ粒子1が転写された第一のフィルム2bを得る工程。
(c1)複数のはんだ粒子1が転写された側の第一のフィルム2bの表面2c上に、上記接着剤成分からなる第二のフィルム2dを形成することにより、異方性導電フィルム10を得る工程。
【0054】
図7(a)に示された転写型60は、工程(a1)後の状態であって、複数の凹部62のそれぞれに一個のはんだ粒子1が収容された状態である。この状態を維持したまま、転写型60の凹部62が形成されている表面60aを、上記接着剤成分からなるフィルム2aに向け、転写型60とフィルム2aとを近づける(図7(a)における矢印A,B)。なお、フィルム2aは支持体65の表面上に形成されている。支持体65は、プラスチックフィルムであってもよいし、金属箔であってもよい。
【0055】
図7(b)は、工程(b1)後の状態であって、転写型60の凹部62が形成されている表面60aをフィルム2aに接触させたことにより、転写型60の凹部62に収容されていたはんだ粒子1がフィルム2aに転写された状態を示している。工程(b1)を経ることで、フィルム2aと、フィルム2aの所定の位置に配置された複数のはんだ粒子1とによって構成される第一のフィルム2bが得られる。第一のフィルム2bは、その表面に、複数のはんだ粒子1が露出している。
【0056】
図7(c)は、工程(c1)後の状態であって、第一のフィルム2bの表面2c上に、はんだ粒子1を覆うように第二のフィルム2dを形成した後、支持体65を取り除いた状態を示している。これにより、異方性導電フィルム10が得られる。なお、第二のフィルム2dは、接着剤成分からなる絶縁性フィルムを第一のフィルム2bにラミネートすることによって形成してもよく、あるいは、接着剤成分を含むワニスで第一のフィルム2bを被覆した後、硬化処理を施すことによって形成してもよい。
【0057】
次に、図8,9を参照しながら、異方性導電フィルム20の製造方法について説明する。異方性導電フィルム20は、転写型60のそれぞれの凹部62に1個のはんだ粒子1を収容する代わりに、複数個のはんだ粒子1を収容することの他は、異方性導電フィルム10と同様にして製造される。なお、図8に示す転写型60は凹部62の開口断面が円形であってテーパ状に形成されている。すなわち、凹部62の底部の直径(図8における直径a)は凹部62の開口の直径(図8における直径b)よりも小さく設定されている。
【0058】
異方性導電フィルム20の製造方法は、以下の工程をこの順序で含む。
(a2)転写型60の各凹部62に、複数のはんだ粒子1を収容する工程。
(b2)転写型60の凹部62が設けられている側に、上記接着剤成分からなるフィルム2aを接触させることにより、複数のはんだ粒子1からなる粒子群1Aが転写された第一のフィルム2bを得る工程。
(c2)複数の粒子群1Aが転写された側の第一のフィルム2bの表面2c上に、上記接着剤成分からなる第二のフィルム2eを形成することにより、異方性導電フィルム20を得る工程。
【0059】
図8(a)は、工程(a2)後の状態であって、転写型60の凹部62に複数のはんだ粒子1が収容された状態を模式的に示す断面図であり、図8(b)は、その平面図である。一つの凹部62に収容させるはんだ粒子1の数は、はんだ粒子1の粒径及び凹部62のサイズに応じて適宜設定すればよく、例えば、1~12個とすればよく、2~8個としてもよい。
【0060】
図9(a)に示すとおり、凹部62に複数個のはんだ粒子1が収容された状態を維持したまま、転写型60の凹部62が形成されている表面60aを、上記接着剤成分からなるフィルム2aに向け、転写型60とフィルム2aとを近づける(図9(a)における矢印A,B)。なお、凹部62に収容された複数個のはんだ粒子1は、図8(a)に示す状態から転写型60の上下を逆さにすると、凹部62からはんだ粒子1が落下するため、図8(a)に示す向きを維持することが好ましい。
【0061】
図9(b)は、工程(b2)後の状態であって、転写型60の凹部62が形成されている表面60aをフィルム2aに接触させたことにより、転写型60の凹部62に収容されていた粒子群1Aがフィルム2aに転写された状態を示している。工程(b2)を経ることで、所定の位置に複数の粒子群1Aが配置された第一のフィルム2bが得られる。第一のフィルム2bの表面2c側には、凹部62に応じた複数の凸部2eが形成されており、これら凸部2eに粒子群1Aが埋設されている。かかる構成の第一のフィルム2bを得るには、(b2)工程において、凹部62の内部にまで接着剤成分を侵入させればよい。具体的には、凹部62の中に、接着剤成分が入り込んで、複数個のはんだ粒子1(粒子群1A)を固定化するため、加圧することが好ましい。さらには、減圧をしながら加圧することで、接着剤成分が凹部62に入りやすくなるので、この方法がより好ましい。また、接着剤成分からなるフィルム2aの代わりに、接着剤成分を含むワニスを凹部62に入れた後、硬化処理を施してもよい。
【0062】
図9(c)は、工程(c2)後の状態であって、第一のフィルム2bの表面2c上に、第二のフィルム2eを形成した後、支持体65を取り除いた状態を示している。これにより、異方性導電フィルム20が得られる。なお、第二のフィルム2eは、接着剤成分からなる絶縁性フィルムを第一のフィルム2bにラミネートすることによって形成してもよく、あるいは、接着剤成分を含むワニスで第一のフィルム2bを被覆した後、硬化処理を施すことによって形成してもよい。
【0063】
<接続構造体>
図10は、本実施形態に係る接続構造体50Aの一部を拡大して模式的に示す断面図である。すなわち、同図は第一の回路部材30の電極32と第二の回路部材40の電極42が、融着して形成されたはんだ層70を介して電気的に接続された状態を模式的に示したものである。本明細書において「融着」とは上記のとおり、第一金属層3aの少なくとも一部が熱によって融解されたはんだ粒子1によって接合され、その後、これが固化する工程を経ることによって電極の表面にはんだが接合された状態を意味する。第一の回路部材30は、第一の回路基板31と、その表面31a上に配置された第一の電極32とを備える。第二の回路部材40は、第二の回路基板41と、その表面41a上に配置された第二の電極42とを備える。回路部材30,40の間に充填された絶縁樹脂層55は、第一の回路部材30と第二の回路部材40が接着された状態を維持するとともに、第一の電極32と第二の電極42が電気的に接続された状態を維持する。
【0064】
回路部材30,40のうちの一方の具体例として、ICチップ(半導体チップ)、抵抗体チップ、コンデンサチップ、ドライバーIC等のチップ部品;リジット型のパッケージ基板が挙げられる。これらの回路部材は、回路電極を備えており、多数の回路電極を備えているものが一般的である。回路部材30,40のうちの他方の具体例としては、金属配線を有するフレキシブルテープ基板、フレキシブルプリント配線板、インジウム錫酸化物(ITO)が蒸着されたガラス基板等の配線基板が挙げられる。
【0065】
第一の電極32または第二の電極42の具体例としては、銅、銅/ニッケル、銅/ニッケル/金、銅/ニッケル/パラジウム、銅/ニッケル/パラジウム/金、銅/ニッケル/金、銅/パラジウム、銅/パラジウム/金、銅/スズ、銅/銀、インジウム錫酸化物等の電極が挙げられる。第一の電極32または第二の電極42は、無電解めっき又は電解めっき又はスパッタで形成することができる。
【0066】
図11は、図10に示す接続構造体50Aの変形例である接続構造体50Bを模式的に示す断面図である。接続構造体50Bにおいては、はんだ層70は第一の回路部材30の電極32と第二の回路部材40の電極42に部分的に融着している。
【0067】
図12は、図10に示す接続構造体50Aの変形例である接続構造体50Cを模式的に示す断面図である。同図は、第一の電極32及び第二の電極42が銅からなる場合であって、特に高温放置を行った後の電極部の断面を表している。高温放置により金属間化合物からなる層71が形成されている。
【0068】
図13は、図10に示す接続構造体50Aの変形例である接続構造体50Dを模式的に示す断面図である。同図は、第一の電極32及び第二の電極42が銅からなる場合であって、特に高温放置を行った後の電極部の断面を表している。高温放置により金属間化合物からなる層71が形成されている。図13は、図12と比較して、高温放置により金属間化合物からなる層71が厚く形成されたことを表しており、落下衝撃などの衝撃を加えると、信頼性が低下する。
【0069】
図14は、図10に示す接続構造体50Aの変形例である接続構造体50Eを模式的に示す断面図である。同図は、第一の電極32及び第二の電極42が銅からなる場合であって、特に高温放置を行った後の電極部の断面を表している。高温放置により金属間化合物からなる層71が形成されている。図14は、図12と比較して、第一の電極32と第二の電極42の間に形成されたはんだ層70の厚さが薄い場合を示している。
【0070】
図15は、図10に示す接続構造体50Aの変形例である接続構造体50Fを模式的に示す断面図である。同図は、第一の電極32及び第二の電極42が銅からなる場合であり、図14をさらに高温放置を行った後の電極部の断面を表している。高温放置により金属間化合物からなる層71が形成されている。この場合、はんだ層は全て、金属間化合物に変化し、厚さが薄い金属間化合物の層71が形成されていることを表している。図15は、図12と比較して、第一の電極32または第二の電極42の間に形成された、もとのはんだ層の厚さが薄く、はんだ層が全て金属間化合物に変化しても、金属間化合物の層71が薄いことを表している。一般的に、金属間化合物の層が厚いと、落下衝撃等の衝撃を加えた際に、信頼性が低下する傾向にあるが、はんだ層の全て金属間化合物に変化し、薄く存在することで、落下衝撃を加えても、信頼性を高く維持することができる。かかる金属間化合物の層71の厚さは0.1~10.0μmが好ましく、0.3~8.0μmがより好ましく、0.5~6.0μmがさらに好ましい。
【0071】
<接続構造体の製造方法>
図16(a)及び図16(b)を参照しながら、接続構造体の製造方法について説明する。これらの図は、図10に示す接続構造体50Aを形成する過程の一例を模式的に示す断面図である。まず、図1に示す異方性導電フィルム10を予め準備し、これを第一の回路部材30と第二の回路部材40とが対面するように配置する(図16(a))。このとき、第一の回路部材30の第一の電極32と第二の回路部材40の第二の電極42とが対向するように設置する。その後、これらの部材の積層体の厚さ方向(図16(a)に示す矢印A及び矢印Bの方向)に加圧する。矢印A及び矢印Bの方向に加圧する際に全体をはんだ粒子1の融点よりも高い温度(例えば130~260℃)に少なくとも加熱することによって、はんだ粒子1が溶融し、第一の電極32と第二の電極42の間に寄り集まって、はんだ層70が形成され、その後、冷却することで第一の電極32と第二の電極42の間にはんだ層70が固着され、第一の電極32と第二の電極42が電気的に接続される。
【0072】
絶縁性フィルム2が例えば熱硬化性樹脂からなる場合、矢印A及び矢印Bの方向に加圧する際に全体を加熱することによって熱硬化性樹脂を硬化させることができる。これにより、熱硬化性樹脂の硬化物からなる絶縁樹脂層55が回路部材30,40の間に形成される。
【0073】
図17は、図16に示す接続構造体50Aの製造方法の変形例を模式的に示す断面図である。この変形例に係る製造方法においては、はんだ粒子1の一部が電極32,42の融着に寄与せずに絶縁樹脂層55内に残存しているものの、異方性導電フィルム10において特定の位置にはんだ粒子1が配置されているに過ぎず、つまり、はんだ粒子1の密度が十分に低いため、絶縁信頼性を高く維持することができる。
【0074】
図18は、図16に示す接続構造体50Aの製造方法の変形例を模式的に示す断面図である。この変形例に係る製造方法においては、実質的に全てのはんだ粒子1がはんだ層70となり、第一の回路部材30の第一の電極32と第二の回路部材40の第二の電極42を融着している。異方性導電フィルム10におけるはんだ粒子1の配置をあらかじめ設計することで、融着に寄与せずに接着剤成分内に残存するはんだ粒子1を極力低減することが可能である。これにより、接続構造体の絶縁信頼性をより一層向上することができる。
【0075】
図19は、図16に示す接続構造体50Aの製造方法の変形例を模式的に示す断面図である。この変形例は、異方性導電フィルム10を使用する代わりに異方性導電フィルム20を使用したことの他は、図16に示す製造方法と同様である。
【0076】
図20は、図17に示す接続構造体の製造方法の変形例を模式的に示す断面図である。この変形例は、異方性導電フィルム10を使用する代わりに異方性導電フィルム20を使用したことの他は、図17に示す製造方法と同様である。粒子群1Aの一部は、電極32,42の融着に寄与せず、また、粒子群1Aは熱履歴により一つのはんだ粒子1Bとなって絶縁樹脂層55内に残存しているものの、異方性導電フィルム20において特定の位置にはんだ粒子1が配置されているに過ぎず、つまり、はんだ粒子1の密度が十分低く、また、はんだ粒子1の粒径が十分に小さく、はんだ粒子1Bの粒径も十分に小さいため、絶縁信頼性を高く維持することができる。
【0077】
図21は、図18に示す接続構造体の製造方法の変形例を模式的に示す断面図である。この変形例に係る製造方法においては、ほとんど全ての粒子群1Aがはんだ層70となり、第一の回路部材30の第一の電極32と第二の回路部材40の第二の電極42を融着している。異方性導電フィルム20における粒子群1Aの配置をあらかじめ設計することで、融着に寄与せずに接着剤成分内に残存するはんだ粒子を極力低減することが可能である。これにより、接続構造体の絶縁信頼性をより一層向上することができる。
【0078】
上述の実施形態及びそれらの変形例に係る接続構造体の適用対象としては、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット等のデバイスが挙げられる。
【0079】
本実施形態によれば、接続面積が例えば16~2000μmあるいは25~1600μm又は100~1000μmであるように微小であっても、絶縁信頼性及び導通信頼性の両方が優れる接続構造体及びその製造方法が提供される。
【実施例0080】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0081】
<実施例1>
[異方性導電フィルムの作製]
(工程1)はんだ粒子の分級
平均粒径5.0μm以下(d90=5μm)のSn-Biはんだ粒子(5N Plus社製、Type8)100gを、蒸留水に浸漬した後、超音波分散させ、次に、φ3μmのメンブレンフィルタ(メルク株式会社製)で濾過した後、濾液を回収した。その後、濾液を遠心分離にかけ、水溶液中のはんだ粒子を回収した。回収したはんだ粒子は10gであり、平均粒径は、1.0μmであった。
【0082】
(工程2)転写型へのはんだ粒子の配置
開口径1.0μmφ、底部径0.8μmφ、深さ1μm(底部径0.8μmφは、凹部を上面からみると、開口径1.2μmφの中央に位置するものとする)の凹部が1.0μmのスペースの間隔で規則的に配列されている転写型を準備した。転写型のフィルムとして、ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を用いた。この転写型の凹部に分級後のはんだ粒子(平均粒径1.0μm)を配置した。
【0083】
(工程3)接着フィルムの作製
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、商品名「PKHC」)100gと、アクリルゴム(ブチルアクリレート40質量部、エチルアクリレート30質量部、アクリロニトリル30質量部、グリシジルメタクリレート3質量部の共重合体、分子量:85万)75gとを、酢酸エチル400gに溶解し、溶液を得た。この溶液に、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(エポキシ当量185、旭化成株式会社製、商品名「ノバキュアHX-3941」)300gを加え、撹拌して接着剤溶液を得た。得られた接着剤溶液を、セパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ40μm)にロールコータを用いて塗布し、90℃で10分間の加熱することにより乾燥して、厚さ4μm、6μm及び8μmの接着フィルム1(フィルム2aに相当)をセパレータ上に作製した。
【0084】
(工程4)接着フィルムへのはんだ粒子の転写
転写型の凹部に配置されたはんだ粒子と、上記接着フィルム1とを向かい合わせて配置し、50℃、0.01MPa(0.1kgf/cm)で加熱及び加圧することで、接着フィルム1にはんだ粒子を転写させた(図7(b)参照)。
【0085】
(工程5)異方性導電フィルムの作製
はんだ粒子が転写された側の接着フィルムの表面に、工程3で得た、接着フィルム1を接触させて、50℃、0.1MPa(1kgf/cm)で加熱及び加圧させることで、フィルムの断面視において、平均粒径1.0μmのはんだ粒子が層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図7(c)参照)。なお、厚さ4μmのフィルムに対しては4μmを重ね合わせ、同様に、6μmには6μm、8μmには8μmを重ね合わることで、8μm、12μm、16μmの厚さの異方性導電フィルムを作製した。異方性導電フィルムにおけるはんだ粒子が配置されるべき箇所には、一つのはんだ粒子が配置されている箇所と、複数のはんだ粒子からなる粒子群が配置されている箇所があり、一箇所あたりのはんだ粒子の平均個数は1.2個であった。
【0086】
[接続構造体の作製]
(工程6)銅バンプ付きチップの準備
下記に示す、5種類の銅バンプ付きチップ(1.7×1.7mm、厚さ:0.5mm)を準備した。
(1)チップC1…面積30μm×30μm、スペース30μm、高さ:10μm、バンプ数362、銅バンプ上導電粒子数8
(2)チップC2…面積15μm×15μm、スペース10μm、高さ:10μm、バンプ数362、銅バンプ上導電粒子数8
(3)チップC3…面積10μm×10μm、スペース10μm、高さ:7μm、バンプ数362、銅バンプ上導電粒子数4
(4)チップC4…面積5μm×5μm、スペース6μm、高さ:5μm、バンプ数362、銅バンプ上導電粒子数8
(5)チップC5…面積3μm×3μm、スペース3μm、高さ:5μm、バンプ数362、銅バンプ上導電粒子数8
【0087】
(工程7)銅バンプ付き基板の準備
下記に示す、5種類の銅バンプ付き基板(厚さ:0.7mm)を準備した。
(1)基板D1…面積30μm×30μm、スペース30μm、高さ:10μm、バンプ数362、銅バンプ上導電粒子数8
(2)基板D2…面積15μm×15μm、スペース10μm、高さ:10μm、バンプ数362、銅バンプ上導電粒子数8
(3)基板D3…面積10μm×10μm、スペース10μm、高さ:7μm、バンプ数362、銅バンプ上導電粒子数4
(4)基板D4…面積5μm×5μm、スペース6μm、高さ5μm、バンプ数362、銅バンプ上導電粒子数8
(5)基板D5…面積3μm×3μm、スペース3μm、高さ:5μm、バンプ数362、銅バンプ上導電粒子数8
【0088】
(工程8)接続構造体の作製
次に、作製した異方性導電フィルムを用いて、銅バンプ付きチップ(1.7×1.7mm、厚さ:0.5mm)と、銅バンプ付き基板(厚さ:0.7mm)との接続を、以下に示すi)~iii)の手順に従って行うことによって接続構造体を得た。
i)異方性導電フィルム(2×19mm)の片面のセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ40μm)を剥がし、異方性導電フィルムと銅バンプ付き基板を接触させ、80℃、0.98MPa(10kgf/cm)で貼り付けた。
ii)セパレータを剥離し、銅バンプ付きチップのバンプと銅バンプ付き基板のバンプの位置合わせを行った。
iii)180℃、40gf/バンプ、30秒の条件でチップ上方から加熱及び加圧を行い、本接続を行った。以下の(1)~(5)の「チップ/異方性導電フィルム/基板」の組み合わせで、(1)~(5)に係る計5種類の接続構造体をそれぞれ作製した。
(1)チップC1/厚さ16μmの異方性導電フィルム/基板D1、
(2)チップC2/厚さ16μmの異方性導電フィルム/基板D2、
(3)チップC3/厚さ12μmの異方性導電フィルム/基板D3、
(4)チップC4/厚さ8μmの異方性導電フィルム/基板D4、
(5)チップC5/厚さ8μmの異方性導電フィルム/基板D5、
【0089】
[接続構造体の評価]
得られた接続構造体の導通抵抗試験及び絶縁抵抗試験を以下のように行った。
【0090】
(導通抵抗試験-吸湿耐熱試験)
銅バンプ付きチップ(バンプ)/銅バンプ付き基板(バンプ)間の導通抵抗に関して、導通抵抗の初期値と吸湿耐熱試験(温度85℃、湿度85%の条件で100、500、1000時間放置)後の値を、20サンプルについて測定し、それらの平均値を算出した。なお、前述の、チップC1と基板D1、チップC2と基板D2、チップC3と基板D3、チップC4と基板D4、チップC5と基板D5、を組み合わせて接続した接続構造体を用いて評価した。得られた平均値から下記基準に従って導通抵抗を評価した。結果を表1に示す。なお、吸湿耐熱試験1000時間後に、下記A又はBの基準を満たす場合は導通抵抗が良好といえる。
A:導通抵抗の平均値が2Ω未満
B:導通抵抗の平均値が2Ω以上5Ω未満
C:導通抵抗の平均値が5Ω以上10Ω未満
D:導通抵抗の平均値が10Ω以上20Ω未満
E:導通抵抗の平均値が20Ω以上
【0091】
(導通抵抗試験-高温放置試験)
銅バンプ付きチップ(バンプ)/銅バンプ付き基板(バンプ)間の導通抵抗に関して、高温放置前と、高温放置試験後(温度100℃の条件で100、500、1000時間放置)のサンプルについて測定した。なお、高温放置後は、落下衝撃を加え、落下衝撃後のサンプルの導通抵抗を測定した。落下衝撃は、前記の接続構造体を、金属板にネジ止め固定し、高さ50cmから落下させた。落下後、最も衝撃の大きいチップコーナーのはんだ接合部(4箇所)において直流抵抗値を測定し、測定値が初期抵抗から5倍以上増加したときに破断が生じたとみなして、評価を行った。なお、20サンプル、4箇所で合計80箇所の測定を行った。結果を表1に示す。落下回数20回後に下記A又はBの基準を満たす場合をはんだ接続信頼性が良好であると評価した。なお、表中の「-」は評価を実施しなかったことを意味する。
A:落下回数20回後において、初期抵抗から5倍以上増加したはんだ接続部が、80箇所全てにおいて認められなかった。
B:落下回数20回後において、初期抵抗から5倍以上増加したはんだ接続部が、1箇所以上5箇所以内で認められた。
C:落下回数20回後において、初期抵抗から5倍以上増加したはんだ接続部が、6箇所以上20箇所以内で認められた。
D:落下回数20回後において、初期抵抗から5倍以上増加したはんだ接続部が、21箇所以上で認められた。
【0092】
(絶縁抵抗試験)
チップ電極間の絶縁抵抗に関しては、絶縁抵抗の初期値とマイグレーション試験(温度60℃、湿度90%、20V印加の条件で100、500、1000時間放置)後の値を、20サンプルについて測定し、全20サンプル中、絶縁抵抗値が10Ω以上となるサンプルの割合を算出した。なお、前述のチップC1と基板D1、チップC2と基板D2、チップC3と基板D3、チップC4と基板D4、チップC5と基板D5、を組み合わせて接続した接続構造体を用いて評価した。得られた割合から下記基準に従って絶縁抵抗を評価した。結果を表2に示す。なお、吸湿耐熱試験1000時間後に、下記A又はBの基準を満たした場合は絶縁抵抗が良好といえる。
A:絶縁抵抗値10Ω以上の割合が100%
B:絶縁抵抗値10Ω以上の割合が90%以上100%未満
C:絶縁抵抗値10Ω以上の割合が80%以上90%未満
D:絶縁抵抗値10Ω以上の割合が50%以上80%未満
E:絶縁抵抗値10Ω以上の割合が50%未満
【0093】
【表1】
【0094】
<実施例2>
実施例1の(工程1)と同様に、平均粒径5.0μm以下(d90=5μm)のSn-Biはんだ粒子(5N Plus社製、Type8)100gを、蒸留水に浸漬した後、超音波分散させ、次に、φ1.2μmのメンブレンフィルタ(メルク株式会社製)で濾過した後、濾液を回収した。その後、濾液を遠心分離にかけ、水溶液中のはんだ粒子を回収した。回収したはんだ粒子は7gであり、平均粒径は、0.8μmであった。
続いて、実施例1の(工程2)及び(工程3)を行った。このとき、複数個のはんだ粒子が転写型の凹部に収容された。(工程4)において、圧力を0.1MPa(1.0kgf/cm)に変更して加圧することで、接着フィルムの接着剤成分を凹部内に入り込ませ、複数個のはんだ粒子を接着フィルムに固定化した(図9(b)参照)。
続いて、実施例1の(工程5)を行い、複数個のはんだ粒子からなる粒子群が層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図9(c)参照)。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は2.5個であった。実施例1と同様に、接続構造体の評価を行った。表2に結果を示す。
【0095】
【表2】
【0096】
<実施例3>
実施例1の(工程1)と同様に、平均粒径5.0μm以下(d90=5μm)のSn-Biはんだ粒子(5N Plus社製、Type8)100gを、蒸留水に浸漬した後、超音波分散させ、次に、φ0.8μmのメンブレンフィルタ(メルク株式会社製)で濾過した後、濾液を回収した。その後、濾液を遠心分離にかけ、水溶液中のはんだ粒子を回収した。回収したはんだ粒子は5gであり、平均粒径は、0.6μmであった。
続いて、実施例1の(工程2)及び(工程3)を行った。このとき、複数個のはんだ粒子が転写型の凹部に収容された。(工程4)において、圧力を0.1MPa(1.0kgf/cm)に変更して加圧することで、接着フィルムの接着剤成分を凹部内に入り込ませ、複数個のはんだ粒子を接着フィルムに固定化した(図9(b)参照)。
続いて、実施例1の(工程e)を行い、複数個のはんだ粒子からなる粒子群が層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図9(c)参照)。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は5.1個であった。実施例1と同様に、接続構造体の評価を行った。表3に結果を示す。
【0097】
【表3】
【0098】
<実施例4>
実施例1の(工程2)において、転写型の凹部の形状は同じ(開口部1.0μm)で、2.0μmのスペースにすることで、凹部の密度を下げた転写型を用いたこと以外は、実施例1と同様に異方性導電フィルムを作製するとともに、これらを使用して接続構造体を作製し、それらの評価を行った。表4に結果を示す。
【0099】
【表4】
【0100】
<実施例5>
実施例1の(工程1)と同様にして得たはんだ粒子を、実施例1の(工程2)の開口径1.0μmφの転写型に配置し、転写型上のはんだ粒子を刷けでなぞることで、1.0μmφ以下の粒径のはんだ粒子を凹部内に回収した。回収されずに残ったはんだ粒子の平均粒径は1.9μmであった。
続いて、開口径2.0μmφ、底部径1.8μmφ、深さ2μm(底部径1.8μmφは、凹部を上面からみると、開口径2.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部が2.0μmのスペースの間隔で規則的に配列している転写型を準備した。転写型のフィルムとして、ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を用いた。この転写型の凹部に、上記の平均粒径1.9μmのはんだ粒子を配列した。
続いて、実施例1の(工程3)以降を同様に行うことで、はんだ粒子がほぼ単体で、層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図7(c)参照)。異方性導電フィルムにおけるはんだ粒子が配置されるべき箇所の一箇所あたりのはんだ粒子の平均個数は1.1個であった。実施例1と同様に、接続構造体の評価を行った。表5に結果を示す。
【0101】
【表5】
【0102】
<実施例6>
実施例1の(工程1)と同様にして得たはんだ粒子を、実施例1の(工程2)の開口径1.0μmφの転写型に配置し、転写型上のはんだ粒子を刷けでなぞることで、1.0μmφ以下の粒径のはんだ粒子を凹部内に回収した。回収されずに残ったはんだ粒子の平均粒径は1.6μmであった。
続いて、開口径2.0μmφ、底部径1.8μmφ、深さ2μm(底部径1.8μmφは、凹部を上面からみると、開口径2.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部が2.0μmのスペースの間隔で規則的に配列している転写型を準備した。転写型のフィルムとして、ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を用いた。この転写型の凹部に、上記の平均粒径1.6μmのはんだ粒子を配列した。
続いて、実施例1の(工程3)と同様に行った後、実施例1の(工程4)において、圧力を0.1MPa(1.0kgf/cm)に変更して加圧することで、接着フィルムの接着剤成分を凹部内に入り込ませ、複数個のはんだ粒子を接着フィルムに固定化した(図9(b)参照)。
続いて、実施例1の(工程5)を行い、複数個のはんだ粒子からなる粒子群が層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図9(c)参照)。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は2.5個であった。実施例1と同様に、接続構造体の評価を行った。表6に結果を示す。
【0103】
【表6】
【0104】
<実施例7>
実施例1の(工程1)と同様にして得たはんだ粒子を、実施例1の(工程2)の開口径1.0μmφの転写型に配置し、転写型上のはんだ粒子を刷けを用いてでなぞることで、1.0μmφ以下の粒径のはんだ粒子を凹部内に回収した。回収されずに残ったはんだ粒子の平均粒径は1.3μmであった。
続いて、開口径2.0μmφ、底部径1.8μmφ、深さ2μm(底部径1.8μmφは、凹部を上面からみると、開口径2.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部が2.0μmのスペースの間隔で規則的に配列している転写型を準備した。転写型のフィルムとして、ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を用いた。この転写型の凹部に、上記の平均粒径1.3μmのはんだ粒子を配列した。
実施例1の(工程3)と同様に行った後、実施例1の(工程4)において、圧力を0.1MPa(1.0kgf/cm)に変更して加圧することで、接着フィルムの接着剤成分を凹部内に入り込ませ、複数個のはんだ粒子を接着フィルムに固定化した(図9(b)参照)。
続いて、実施例1の(工程5)を行い、複数個のはんだ粒子からなる粒子群が層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図9(c)参照)。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は4.5個であった。実施例1と同様に、接続構造体の評価を行った。表7に結果を示す。
【0105】
【表7】
【0106】
<実施例8>
実施例1の(工程1)と同様に、平均粒径5.0μm以下(d90=5μm)のSn-Biはんだ粒子(5N Plus社製、Type8)100gを、蒸留水に浸漬した後、超音波分散させ、次に、φ5μmのメンブレンフィルタ(メルク株式会社製)で濾過した後、濾液を回収した。その後、濾液を遠心分離にかけ、水溶液中のはんだ粒子を回収した。回収したはんだ粒子は20gであった。
得られたはんだ粒子を、開口径2.0μmφ、底部径1.8μmφ、深さ2μm(底部径1.8μmφは、凹部を上面からみると、開口径2.0μmφの中央に位置するものとする)の転写型に配置した。転写型上のはんだ粒子を刷けでなぞることで、2.0μmφ以下の粒径のはんだ粒子を凹部内に回収した。回収されずに残ったはんだ粒子の平均粒径は2.8μmであった。
続いて、開口径3.0μmφ、底部径2.5μmφ、深さ3μm(底部径2.5μmφは、凹部を上面からみると、開口径3.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部が3.0μmのスペースの間隔で規則的に配列している転写型を準備した。転写型のフィルムとして、ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を用いた。この転写型の凹部に、上記の平均粒径2.8μmのはんだ粒子を配列した。
続いて、実施例1の(工程3)以降を同様に行うことで、はんだ粒子がほぼ単体で、層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図7(c)参照)。異方性導電フィルムにおけるはんだ粒子が配置されるべき箇所の一箇所あたりのはんだ粒子の平均個数は1.3個であった。実施例1と同様に、接続構造体の評価を行った。表8に結果を示す。
【0107】
【表8】
【0108】
<実施例9>
実施例1の(工程1)と同様にして得たはんだ粒子を、実施例1の(工程2)の開口径2.0μmφの転写型に配置し、転写型上のはんだ粒子を刷けでなぞることで、2.0μmφ以下の粒径のはんだ粒子を凹部内に回収した。回収されずに残ったはんだ粒子の平均粒径は2.5μmであった。
続いて、開口径3.0μmφ、底部径2.5μmφ、深さ3μm(底部径2.5μmφは、凹部を上面からみると、開口径3.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部が3.0μmのスペースの間隔で規則的に配列している転写型を準備した。転写型のフィルムとして、ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を用いた。この転写型の凹部に、上記の平均粒径2.5μmのはんだ粒子を配列した。
続いて、実施例1の(工程3)と同様に行った後、実施例1の(工程4)において、圧力を0.1MPa(1.0kgf/cm)に変更して加圧することで、接着フィルムの接着剤成分を凹部内に入り込ませ、複数個のはんだ粒子を接着フィルムに固定化した(図9(b)参照)。
続いて、実施例1の(工程5)を行い、複数個のはんだ粒子からなる粒子群が層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図9(c)参照)。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は2.3個であった。実施例1と同様に、接続構造体の評価を行った。表9に結果を示す。
【0109】
【表9】
【0110】
<実施例10>
実施例1の(工程1)と同様にして得たはんだ粒子を、実施例1の(工程2)の開口径2.0μmφの転写型に配置し、転写型上のはんだ粒子を刷けでなぞることで、2.0μmφ以下の粒径のはんだ粒子を凹部内に回収した。回収されずに残ったはんだ粒子の平均粒径は2.3μmであった。
続いて、開口径3.0μmφ、底部径2.5μmφ、深さ3μm(底部径2.5μmφは、凹部を上面からみると、開口径3.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部が3.0μmのスペースの間隔で規則的に配列している転写型を準備した。転写型のフィルムとして、ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を用いた。この転写型の凹部に、上記の平均粒径2.3μmのはんだ粒子を配列した。
続いて、実施例1の(工程3)と同様に行った後、実施例1の(工程4)において、圧力を0.1MPa(1.0kgf/cm)に変更して加圧することで、接着フィルムの接着剤成分を凹部内に入り込ませ、複数個のはんだ粒子を接着フィルムに固定化した(図9(b)参照)。
続いて、実施例1の(工程5)を行い、複数個のはんだ粒子からなる粒子群が層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図9(c)参照)。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は4.6個であった。実施例1と同様に、接続構造体の評価を行った。表10に結果を示す。
【0111】
【表10】
【0112】
<実施例11>
実施例8で作製した異方性導電フィルムを用い、異方性導電フィルムに形成したはんだ粒子がチップC5のバンプのバンプと、基板D5のバンプの間にくるように、位置あわせを行い、上記(5)に係る構成(チップC5/厚さ8μmの異方性導電フィルム/基板D5)の接続構造体を作製した。それ以外は、実施例1と同様に、接続構造体の評価を行った(ただし「導通抵抗試験-高温放置試験」は未実施)。表11に結果を示す。
【0113】
<実施例12>
実施例9で作製した異方性導電フィルムを用い、異方性導電フィルムに形成したはんだ粒子がチップC5のバンプのバンプと、基板D5のバンプの間にくるように、位置あわせを行い、上記(5)に係る構成の接続構造体を作製した。それ以外は、実施例1と同様に、接続構造体の評価を行った(ただし、「導通抵抗試験-高温放置試験」は未実施)。表11に結果を示す。
【0114】
<実施例13>
実施例10で作製した異方性導電フィルムを用い、異方性導電フィルムに形成したはんだ粒子がチップC5のバンプのバンプと、基板D5のバンプの間にくるように、位置あわせを行い、上記(5)に係る構成の接続構造体を作製した。それ以外は、実施例1と同様に、接続構造体の評価を行った(ただし、「導通抵抗試験-高温放置試験」は未実施)。表11に結果を示す。
【0115】
【表11】
【0116】
<実施例14>
粒径2.0μm~14.0μm以下(d90=12μm)のSn-Biはんだ粒子(5N Plus、Type7)100gを、開口寸法4μmの高精度電鋳篩(アズワン株式会社、商品名)により篩をかけて、通過しないものを回収した。続いて、回収したはんだ粒子を、開口寸法6μmの高精度電鋳篩(アズワン株式会社、商品名)により篩にかけ、篩を通過したはんだ粒子を回収した。
【0117】
得られたはんだ粒子を、開口径3.0μmφ、底部径2.5μmφ、深さ3μm(底部径2.5μmφは、凹部を上面からみると、開口径3.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部を有する転写型に配置した。そして、転写型上のはんだ粒子を刷けでなぞることで、3.0μmφ以下の粒径のはんだ粒子を凹部内に回収した。回収されずに残ったはんだ粒子の平均粒径は4.6μmであった。
続いて、開口径5.0μmφ、底部径4.0μmφ、深さ5μm(底部径4.0μmφは、凹部を上面からみると、開口径5.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部が5.0μmのスペースの間隔で規則的に配列している転写型を準備した。転写型のフィルムとして、ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を用いた。この転写型の凹部に、上記の平均粒径4.6μmのはんだ粒子を配列した。
【0118】
続いて、実施例1の(工程3)以降を同様に行うことで、はんだ粒子がほぼ単体で、層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図7(c)参照)。異方性導電フィルムにおけるはんだ粒子が配置されるべき箇所の一箇所あたりのはんだ粒子の平均個数は1.2個であった。実施例1と同様に、下記(1)~(4)の接続構造体の評価を行った。表12に結果を示す。
(1)チップC1/16μmの厚みの異方性導電フィルム/基板D1、
(2)チップC2/16μmの厚みの異方性導電フィルム/基板D2、
(3)チップC3/12μmの厚みの異方性導電フィルム/基板D3、
(4)チップC4/8μmの厚みの異方性導電フィルム/基板D4、
【0119】
【表12】
【0120】
<実施例15>
粒径2.0μm~14.0μm以下(d90=12μm)のSn-Biはんだ粒子(5N Plus、Type7)100gを、開口寸法4μmの高精度電鋳篩(アズワン株式会社、商品名)により篩をかけて、通過しないものを回収した。続いて、回収したはんだ粒子を、開口寸法5μmの高精度電鋳篩(アズワン株式会社、商品名)により篩にかけ、篩を通過したはんだ粒子を回収した。
【0121】
得られたはんだ粒子を、開口径3.0μmφ、底部径2.5μmφ、深さ3μm(底部径2.5μmφは、凹部を上面からみると、開口径3.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部を有する転写型に配置した。そして、転写型上のはんだ粒子を刷けでなぞることで、3.0μmφ以下の粒径のはんだ粒子を凹部内に回収した。回収されずに残ったはんだ粒子の平均粒径は3.7μmであった。
続いて、開口径5.0μmφ、底部径4.0μmφ、深さ5μm(底部径4.0μmφは、凹部を上面からみると、開口径5.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部が5.0μmのスペースの間隔で規則的に配列している転写型を準備した。転写型のフィルムとして、ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を用いた。この転写型の凹部に、上記の平均粒径3.7μmのはんだ粒子を配列した。
【0122】
続いて、実施例1の(工程3)と同様に行った後、実施例1の(工程4)において、圧力を0.1MPa(1.0kgf/cm)に変更して加圧することで、接着フィルムの接着剤成分を凹部内に入り込ませ、複数個のはんだ粒子を接着フィルムに固定化した(図9(b)参照)。
続いて、実施例1の(工程5)を行い、複数個のはんだ粒子からなる粒子群が層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図9(c)参照)。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は3.4個であった。実施例1と同様に、(1)~(4)に係る構成の接続構造体の評価を行った。表13に結果を示す。
【0123】
【表13】
【0124】
<実施例16>
粒径2.0μm~14.0μm以下(d90=12μm)のSn-Biはんだ粒子(5N Plus、Type7)100gを、開口寸法4μmの高精度電鋳篩(アズワン株式会社、商品名)により篩をかけて、通過しないものを回収した。続いて、回収したはんだ粒子を、開口寸法5μmの高精度電鋳篩(アズワン株式会社、商品名)により篩にかけ、篩を通過したはんだ粒子を回収した。
【0125】
得られたはんだ粒子を、開口径3.0μmφ、底部径2.5μmφ、深さ3μm(底部径2.5μmφは、凹部を上面からみると、開口径3.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部を有する転写型に配置した。そして、転写型上のはんだ粒子を刷けでなぞることで、3.0μmφ以下の粒径のはんだ粒子を凹部内に回収した。回収されずに残ったはんだ粒子の平均粒径は3.2μmであった。
続いて、開口径5.0μmφ、底部径4.0μmφ、深さ5μm(底部径4.0μmφは、凹部を上面からみると、開口径5.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部が5.0μmのスペースの間隔で規則的に配列している転写型を準備した。転写型のフィルムとして、ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を用いた。この転写型の凹部に、上記の平均粒径3.2μmのはんだ粒子を配列した。
【0126】
続いて、実施例1の(工程3)と同様に行った後、実施例1の(工程4)において、圧力を0.1MPa(1.0kgf/cm)に変更して加圧することで、接着フィルムの接着剤成分を凹部内に入り込ませ、複数個のはんだ粒子を接着フィルムに固定化した(図9(b)参照)。
続いて、実施例1の(工程5)を行い、複数個のはんだ粒子からなる粒子群が層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図9(c)参照)。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は4.2個であった。実施例1と同様に、(1)~(4)に係る構成の接続構造体の評価を行った。表14に結果を示す。
【0127】
【表14】
【0128】
<実施例17>
5.0μmのスペースの間隔で規則的に配列している凹部を有する転写型の代わりに、バンプの位置及びサイズに対応した位置に凹部を有する転写型を使用したことの他は、実施例14と同様にして異方性導電フィルムを作製した。なお、図22は、異方性導電フィルムのはんだ粒子の位置と、バンプ(サイズ30μm×30μm)の位置との関係を模式的に示す平面図である。図23は、異方性導電フィルムのはんだ粒子の位置と、バンプ(サイズ15μm×15μm)の位置との関係を模式的に示す平面図である。図24は、異方性導電フィルムのはんだ粒子の位置と、バンプ(サイズ10μm×10μm)の位置との関係を模式的に示す平面図である。図25は、異方性導電フィルムのはんだ粒子の位置と、バンプ(サイズ5μm×5μm)の位置との関係を模式的に示す平面図である。
作製した異方性導電フィルムを使用し、実施例1と同様に、(1)~(4)に係る接続構造体の評価を行った。表15に結果を示す。
【0129】
【表15】
【0130】
<実施例18>
凹部が5.0μmのスペースの間隔で規則的に配列している転写型の代わりに、バンプの位置及びサイズに対応した位置に凹部を有する転写型を使用したことの他は、実施例15と同様にして異方性導電フィルムを作製した(図22~25参照)。作製した異方性導電フィルムを使用し、実施例1と同様に、(1)~(4)に係る接続構造体の評価を行った。表16に結果を示す。
【0131】
【表16】
【0132】
<実施例19>
凹部が5.0μmのスペースの間隔で規則的に配列している転写型の代わりに、バンプの位置及びサイズに対応した位置に凹部を有する転写型を使用したことの他は、実施例16と同様にして異方性導電フィルムを作製した(図22~25参照)。作製した異方性導電フィルムを使用し、実施例1と同様に、(1)~(4)に係る接続構造体の評価を行った。表17に結果を示す。
【0133】
【表17】
【0134】
<実施例20>
粒径サイズ2.0μm~14.0μm以下(d90=12μm)のSn-Biはんだ粒子(5N Plus、Type7)100gを、開口寸法5μmの高精度電鋳篩(アズワン株式会社、商品名)により篩をかけて、通過しないものを回収した。続いて、回収したはんだ粒子を、開口寸法7μmの高精度電鋳篩(アズワン株式会社、商品名)により篩にかけ、篩を通過したはんだ粒子を回収した。回収されたはんだ粒子の平均粒径は5.7μmであった。
【0135】
続いて、開口径10.0μmφ、底部径8.0μmφ、深さ7μm(底部径8.0μmφは、凹部を上面からみると、開口径10.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部がチップC1、C2及びC3のバンプの中央にそれぞれ対応する位置に設けられた転写型を準備した。転写型のフィルムとして、ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を用いた。この転写型の凹部に、上記の平均粒径5.7μmのはんだ粒子を配列した。
続いて、実施例1の(工程3)と同様に行った後、実施例1の(工程4)において、圧力を0.1MPa(1.0kgf/cm)に変更して加圧することで、接着フィルムの接着剤成分を凹部内に入り込ませ、複数個のはんだ粒子を接着フィルムに固定化した(図9(b)参照)。
続いて、実施例1の(工程5)を行い、複数個のはんだ粒子からなる粒子群が層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図9(c)参照)。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は3.5個であった。実施例1と同様に、(1)~(3)に係る構成の接続構造体の評価を行った。表18に結果を示す。
【0136】
【表18】
【0137】
<実施例21>
実施例14で得た平均粒径4.6μmのはんだ粒子を用いるとともに、実施例20と同様の転写型を用いて異方性導電フィルムを作製した。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は5.7個であった。実施例1と同様に、(1)~(3)に係る構成の接続構造体の評価を行った。表19に結果を示す。
【0138】
【表19】
【0139】
<実施例22>
実施例15で得た平均粒径3.7μmのはんだ粒子を用いるとともに、実施例20と同様の転写型を用いて異方性導電フィルムを作製した。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は9.5個であった。実施例1と同様に、(1)~(3)に係る接続構造体の評価を行った。表20に結果を示す。
【0140】
【表20】
【0141】
<実施例23>
粒径サイズ5.0μm~23.0μm以下(d90=16μm)のSn-Biはんだ粒子(5N Plus、Type6)100gを、開口寸法5μmの高精度電鋳篩(アズワン株式会社、商品名)により篩をかけて、通過しないものを回収した。続いて、回収したはんだ粒子を、開口寸法7μmの高精度電鋳篩(アズワン株式会社、商品名)により篩にかけ、篩を通過したはんだ粒子を回収した。回収されたはんだ粒子の平均粒径は6.7μmであった。
【0142】
続いて、開口径10.0μmφ、底部径8.0μmφ、深さ7μm(底部径8.0μmφは、凹部を上面からみると、開口径10.0μmφの中央に位置するものとする)の凹部がチップC1及びC2のバンプの中央にそれぞれ対応する位置に設けられた転写型を準備した。転写型のフィルムとして、ポリイミドフィルム(厚さ100μm)を用いた。この転写型の凹部に、上記の平均粒径6.7μmのはんだ粒子を配列した。
続いて、実施例1の(工程3)と同様に行った後、実施例1の(工程4)において、圧力を0.1MPa(1.0kgf/cm)に変更して加圧することで、接着フィルムの接着剤成分を凹部内に入り込ませ、複数個のはんだ粒子を接着フィルムに固定化した(図9(b)参照)。
続いて、実施例1の(工程5)を行い、複数個のはんだ粒子からなる粒子群が層状に配列された異方性導電フィルムを得た(図9(c)参照)。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は4.2個であった。実施例1と同様に、(1)及び(2)に係る構成の接続構造体の評価を行った。表21に結果を示す。
【0143】
【表21】
【0144】
<実施例24>
実施例14で得た平均粒径4.6μmのはんだ粒子を用いるとともに、実施例23と同様の転写型を用いて異方性導電フィルムを作製した。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は6.5個であった。実施例1と同様に、(1)及び(2)に係る構成の接続構造体の評価を行った。表22に結果を示す。
【0145】
【表22】
【0146】
<実施例25>
実施例15で得た平均粒径3.7μmのはんだ粒子を用いるとともに、実施例23と同様の転写型を用いて異方性導電フィルムを作製した。粒子群を構成するはんだ粒子の平均個数は9.3個であった。実施例1と同様に、(1)及び(2)に係る構成の接続構造体の評価を行った。表23に結果を示す。
【0147】
【表23】
【0148】
<比較例1>
【0149】
下記の成分を下記の質量部で含んだ、はんだ粒子含有異方性導電ペーストを作製した。
(ポリマー):12質量部
(熱硬化性化合物):29質量部
(高誘電率硬化剤):20質量部
(熱硬化剤):11.5質量部
(フラックス):2質量部
(はんだ粒子)34質量部
【0150】
(ポリマー)
ビスフェノールFと1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、及びビスフェノールF型エポキシ樹脂との反応物(ポリマーA)の合成:
ビスフェノールF(4,4’-メチレンビスフェノールと2,4’-メチレンビスフェノールと2,2’-メチレンビスフェノールとを質量比で2:3:1で含む)72質量部、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル70質量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON EXA-830CRP」)30質量部を、三つ口フラスコに入れ、窒素フロー下にて、150℃で溶解させた。その後、水酸基とエポキシ基との付加反応触媒であるテトラーn-ブチルスルホニウムブロミド0.1質量部を添加し、窒素フロー下にて、150℃で6時間、付加重合反応させることにより反応物(ポリマー)を得た。
【0151】
(熱硬化性化合物):レゾルシノール型エポキシ化合物、ナガセケムテックス株式会社製「EX-201」
(高誘電率硬化剤):ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)
【0152】
(熱硬化剤):昭和電工株式会社製「カレンズMT PE1」
【0153】
(フラックス):アジピン酸、和光純薬工業株式会社製
【0154】
(はんだ粒子):
SnBiはんだ粒子200g(三井金属鉱業株式会社製「ST-3」)と、アジピン酸40gと、アセトン70gとを三つ口フラスコに秤量し、次にはんだ粒子本体の表面の水酸基とアジピン酸のカルボキシル基との脱水縮合触媒であるジブチル錫オキサイド0.3gを添加し、60℃で4時間反応させた。その後、はんだ粒子を濾過することで回収した。回収したはんだ粒子と、アジピン酸50gと、トルエン200gと、パラトルエンスルホン酸0.3gとを三つ口フラスコに秤量し、真空引き、及び還流を行いながら、120℃で、3時間反応させた。この際、ディーンスターク抽出装置を用いて、脱水縮合により生成した水を除去しながら反応させた。その後、濾過によりはんだ粒子を回収し、ヘキサンにて洗浄し、乾燥した。その後、得られたはんだ粒子をボールミルで解砕した後、所定のCV値となるように篩を選択した。得られたSnBiはんだ粒子の平均粒子径は4μm、CV値7%であった。
【0155】
実施例1の(工程6)と(工程7)と同様の銅バンプ付きチップと銅バンプ付き基板の準備を行った。下記の構造の接続構造体を作製した。なお、基板の上部に、はんだ粒子含有異方性導電ペースト、さらにチップが構成されている。銅バンプ付きチップのバンプと銅バンプ付き基板のバンプの位置合わせを行った。180℃、4gf/バンプ、30秒の条件でチップ上方から加熱及び加圧を行い、本接続を行った。以下の(1)~(5)の「チップ/はんだ粒子含有異方性導電ペーストム/基板」の組み合わせで、(1)~(5)に係る計5種類の接続構造体をそれぞれ作製した。実施例1と同様に、接続構造体の評価を行った。表24に結果を示す。
(1)チップC1/16μmの厚み(銅バンプ上)のはんだ粒子含有異方性導電ペースト/基板D1、
(2)チップC2/16μmの厚み(銅バンプ上)のはんだ粒子含有異方性導電ペースト/基板D2、
(3)チップC3/12μmの厚み(銅バンプ上)のはんだ粒子含有異方性導電ペースト/基板D3、
(4)チップC4/8μmの厚み(銅バンプ上)のはんだ粒子含有異方性導電ペースト/基板D4、
(5)チップC5/8μmの厚み(銅バンプ上)のはんだ粒子含有異方性導電ペースト/基板D5、
【0156】
【表24】
【0157】
<比較例2>
【0158】
比較例1で用いた、SnBiはんだ粒子200g(三井金属鉱業株式会社製「ST-3」)の代わりに、SnBiはんだ粒子200g(三井金属鉱業株式会社製「ST-5」)を用い、平均粒子径6μm、CV値10%のSnBiはんだ粒子を用いたことの他は、比較例1と同様にて接続構造体の評価を行った。表25に結果を示す。
【0159】
【表25】
【符号の説明】
【0160】
1…はんだ粒子、1A…粒子群、2…絶縁性フィルム(接着剤成分)、2a…フィルム(接着剤成分)、2b…第一のフィルム、2c…第一のフィルムの表面、2d…第二のフィルム(接着剤成分)、10,20…異方性導電フィルム、30…第一の回路部材、31…第一の基板、32…第一の電極、40…第二の回路部材、41…第二の基板、42…第二の電極、50A~50F…接続構造体、55…絶縁樹脂層(接着剤成分又はその硬化物)、60…転写型、62…凹部(開口部)、70…はんだ層、71…金属間化合物の層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
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