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特開2022-186872医用画像処理装置、プロセッサ装置、内視鏡システム、医用画像処理装置の作動方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022186872
(43)【公開日】2022-12-15
(54)【発明の名称】医用画像処理装置、プロセッサ装置、内視鏡システム、医用画像処理装置の作動方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20221208BHJP
【FI】
A61B1/045 622
A61B1/045 618
A61B1/045 615
A61B1/045 614
【審査請求】有
【請求項の数】39
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170348
(22)【出願日】2022-10-25
(62)【分割の表示】P 2021505491の分割
【原出願日】2019-10-15
(31)【優先権主張番号】P 2019042741
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】大酒 正明
(72)【発明者】
【氏名】加門 駿平
(57)【要約】
【課題】病変が検出されたことを表す強調表示等が術者等の観察を妨げることを回避し得る、医用画像処理装置、プロセッサ装置、内視鏡システム、医用画像処理装置の作動方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】取得した医用画像(38)から注目領域を検出し、注目領域を分類する認識部(42)、注目領域を強調する強調表示及び注目領域の分類を、医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示制御部(44)、表示装置(16)を用いて連続画像又は静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部(48)を備え、表示制御部は観察画像切替部を用いて観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、観察画像の連続画像表示の場合と比較して強調表示及び分類の少なくともいずれかの視認性を弱める変更を実施する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得した医用画像から注目領域を検出する認識部と、
前記注目領域を強調する強調表示を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示制御部と、
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記観察画像切替部が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記強調表示の視認性を弱める変更を実施する医用画像処理装置。
【請求項2】
前記認識部は、検出した前記注目領域を分類し、
前記表示制御部は、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記強調表示の視認性を弱める変更を実施する際に前記分類の表示を実施する請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記強調表示の位置を、前記観察画像が表示される画面において、前記観察画像が表示される領域の外の位置へ移動させる請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記強調表示の表示態様を変更したタイミングから表示態様を元に戻すタイミングまでの期間を設定する期間設定部を備え、
前記表示制御部は、前記強調表示の表示態様を変更したタイミングから、前記期間設定部によって設定された期間が経過した場合に表示態様を元に戻す請求項1から3のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
操作部が操作された際に送信される指令信号を取得する指令信号取得部を備え、
前記表示制御部は、前記指令信号取得部が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えることを表す指令信号を取得した場合に、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記強調表示の視認性を弱める変更を実施する請求項1から4のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記認識部は、入力画像のサイズを段階的に小さくする処理を実施する複数のダウンサイジング処理部と、
前記複数のダウンサイジング処理部のそれぞれの出力画像から特徴マップを生成する特徴マップ生成部と、
を備えた請求項1から5のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記ダウンサイジング処理部は、入力画像に対してプーリング処理を施すプーリング処理部、及び入力画像に対して畳み込み処理を施す畳み込み処理部の少なくともいずれかを備える請求項6に記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
前記認識部は、前記特徴マップ生成部によって生成された複数の前記特徴マップから前記注目領域の特定を実施する注目領域認識部を備えた請求項6又は7に記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
前記注目領域認識部は、前記複数の特徴マップの重なり具合に基づき前記注目領域の検出を実施する請求項8に記載の医用画像処理装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記強調表示に前記注目領域を囲む閉曲線を適用し、前記強調表示の表示態様を変更する際に、前記閉曲線の色彩、濃度、及び線の種類の少なくともいずれかを変更する請求項1から9のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記強調表示の表示態様を変更する際に、前記強調表示の視認性を弱める位置に前記強調表示を移動させる請求項1から10のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項12】
内視鏡を制御する内視鏡制御部と、
前記内視鏡によって取得された医用画像から注目領域を検出する認識部と、
前記注目領域を強調する強調表示を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示制御部と、
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記観察画像切替部が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記強調表示の視認性を弱める変更を実施するプロセッサ装置。
【請求項13】
内視鏡と、
前記内視鏡を制御するプロセッサ装置と、
前記内視鏡によって取得された内視鏡画像に処理を施す医用画像処理装置と、
を備えた内視鏡システムであって、
前記医用画像処理装置は、
取得した医用画像から注目領域を検出する認識部と、前記注目領域を強調する強調表示を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示制御部と、
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記観察画像切替部が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記強調表示の視認性を弱める変更を実施する内視鏡システム。
【請求項14】
コンピュータが適用される医用画像処理装置の作動方法であって、
前記コンピュータが、
取得した医用画像から注目領域を検出する認識工程と、
前記注目領域を強調する強調表示を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示工程と、
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替工程と、
を実行し、
前記表示工程は、前記観察画像切替工程において前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記強調表示の視認性を弱める変更を実施する医用画像処理装置の作動方法。
【請求項15】
コンピュータに、
取得した医用画像から注目領域を検出する認識機能、
前記注目領域を強調する強調表示を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示機能、及び
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替機能を実現させるプログラムであって、
前記表示機能は、前記観察画像切替機能が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記強調表示の視認性を弱める変更を実施するプログラム。
【請求項16】
取得した医用画像から注目領域を検出し、検出した前記注目領域を分類する認識部と、
前記注目領域の分類を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示制御部と、
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記観察画像切替部が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記分類の視認性を弱める変更を実施する医用画像処理装置。
【請求項17】
前記表示制御部は、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記分類の視認性を弱める変更を実施する際に前記分類の表示を実施する請求項16に記載の医用画像処理装置。
【請求項18】
前記表示制御部は、前記分類の位置を、前記観察画像が表示される画面において、前記観察画像が表示される領域の外の位置へ移動させる請求項16又は17に記載の医用画像処理装置。
【請求項19】
前記分類の表示態様を変更したタイミングから表示態様を元に戻すタイミングまでの期間を設定する期間設定部を備え、
前記表示制御部は、前記分類の表示態様を変更したタイミングから、前記期間設定部によって設定された期間が経過した場合に表示態様を元に戻す請求項16から18のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項20】
操作部が操作された際に送信される指令信号を取得する指令信号取得部を備え、
前記表示制御部は、前記指令信号取得部が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えることを表す指令信号を取得した場合に、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記分類の視認性を弱める変更を実施する請求項16から19のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項21】
前記表示制御部は、前記注目領域の分類を表す分類情報として分類の内容を表す文字情報を適用し、前記注目領域の分類の表示態様を変更する際に、前記文字情報の視認性を弱める位置に前記文字情報を移動させる請求項16から20のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項22】
前記表示制御部は、前記注目領域の分類の表示態様を変更する際に、前記文字情報の位置を、前記観察対象を表す画像を表示する領域の外に移動させる請求項21に記載の医用画像処理装置。
【請求項23】
前記表示制御部は、複数の前記注目領域が検出された場合に、前記複数の注目領域の位置関係を維持して、前記複数の注目領域のそれぞれの分類を表す複数の文字情報を、前記観察対象を表す画像を表示する領域の外に移動させる請求項22に記載の医用画像処理装置。
【請求項24】
前記表示制御部は、前記注目領域の分類の表示態様を変更する際に、前記文字情報を前記分類の意味を表す文字列の頭文字のみを表示させる請求項21から23のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項25】
取得した医用画像から注目領域を検出し、検出した前記注目領域を分類する認識部と、
前記注目領域の分類を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示制御部と、
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記観察画像切替部が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像と前記注目領域との位置関係が維持される配置を有する前記注目領域の前記分類を、前記観察対象と非重畳の位置へ表示させる医用画像処理装置。
【請求項26】
前記表示制御部は、前記分類として、前記分類の内容を表す文字列を表示させる請求項25に記載の医用画像処理装置。
【請求項27】
前記表示制御部は、前記分類として、前記分類の内容を表す文字列の頭文字のみを表示させる請求項25又は26に記載の医用画像処理装置。
【請求項28】
前記認識部は、入力画像のサイズを段階的に小さくする処理を実施する複数のダウンサイジング処理部と、
前記複数のダウンサイジング処理部のそれぞれの出力画像から特徴マップを生成する特徴マップ生成部と、
を備えた請求項16から27のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項29】
前記ダウンサイジング処理部は、入力画像に対してプーリング処理を施すプーリング処理部、及び入力画像に対して畳み込み処理を施す畳み込み処理部の少なくともいずれかを備える請求項28に記載の医用画像処理装置。
【請求項30】
前記認識部は、前記特徴マップ生成部によって生成された複数の前記特徴マップから前記注目領域の特定及び前記注目領域の分類を実施する注目領域認識部を備えた請求項28又は29に記載の医用画像処理装置。
【請求項31】
前記注目領域認識部は、前記複数の特徴マップの重なり具合に基づき前記注目領域の分類を実施する請求項30に記載の医用画像処理装置。
【請求項32】
内視鏡を制御する内視鏡制御部と、
前記内視鏡によって取得された医用画像から注目領域を検出し、検出した前記注目領域を分類する認識部と、
前記注目領域の分類を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示制御部と、
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記観察画像切替部が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記分類の視認性を弱める変更を実施するプロセッサ装置。
【請求項33】
内視鏡と、
前記内視鏡を制御するプロセッサ装置と、
前記内視鏡によって取得された内視鏡画像に処理を施す医用画像処理装置と、
を備えた内視鏡システムであって、
前記医用画像処理装置は、
取得した医用画像から注目領域を検出し、検出した前記注目領域を分類する認識部と、前記注目領域の分類を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示制御部と、
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記観察画像切替部が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記分類の視認性を弱める変更を実施する内視鏡システム。
【請求項34】
コンピュータが適用される医用画像処理装置の作動方法であって、
前記コンピュータが、
取得した医用画像から注目領域を検出する認識工程であり、前記注目領域を分類する認識工程と、
前記注目領域の分類を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示工程と、
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替工程と、
を実行し、
前記表示工程は、前記観察画像切替工程において前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記分類の視認性を弱める変更を実施する医用画像処理装置の作動方法。
【請求項35】
コンピュータに、
取得した医用画像から注目領域を検出する認識機能であり、前記注目領域を分類する認識機能、
前記注目領域の分類を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示機能、及び
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替機能を実現させるプログラムであって、
前記表示機能は、前記観察画像切替機能が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像の連続画像表示の場合と比較して前記分類の視認性を弱める変更を実施するプログラム。
【請求項36】
内視鏡を制御する内視鏡制御部と、
前記内視鏡によって取得された医用画像から注目領域を検出し、検出した前記注目領域を分類する認識部と、
前記注目領域の分類を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示制御部と、
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記観察画像切替部が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像と前記注目領域との位置関係が維持される配置を有する前記注目領域の前記分類を、前記観察対象を表す画像を表示する領域の外へ表示させるプロセッサ装置。
【請求項37】
内視鏡と、
前記内視鏡を制御するプロセッサ装置と、
前記内視鏡によって取得された内視鏡画像に処理を施す医用画像処理装置と、
を備えた内視鏡システムであって、
前記医用画像処理装置は、
取得した医用画像から注目領域を検出し、検出した前記注目領域を分類する認識部と、前記注目領域の分類を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示制御部と、
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記観察画像切替部が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像と前記注目領域との位置関係が維持される配置を有する前記注目領域の前記分類を、前記観察対象を表す画像を表示する領域の外へ表示させる内視鏡システム。
【請求項38】
コンピュータが適用される医用画像処理装置の作動方法であって、
前記コンピュータが、
取得した医用画像から注目領域を検出する認識工程であり、前記注目領域を分類する認識工程と、
前記注目領域の分類を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示工程と、
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替工程と、
を実行し、
前記表示工程は、前記観察画像切替工程において前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像と前記注目領域との位置関係が維持される配置を有する前記注目領域の前記分類を、前記観察対象を表す画像を表示する領域の外へ表示させる医用画像処理装置の作動方法。
【請求項39】
コンピュータに、
取得した医用画像から注目領域を検出する認識機能であり、前記注目領域を分類する認識機能、
前記注目領域の分類を、前記医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示機能、及び
表示装置に観察画像の連続画像を表示させるか、又は前記観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替機能を実現させるプログラムであって、
前記表示機能は、前記観察画像切替機能が前記観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、前記観察画像と前記注目領域との位置関係が維持される配置を有する前記注目領域の前記分類を、前記観察対象を表す画像を表示する領域の外へ表示させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医用画像処理装置、プロセッサ装置、内視鏡システム、医用画像処理装置の作動方法、及びプログラムに係り、特に画面表示に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な内視鏡システムは、内視鏡の挿入部の先端から照明光を照射し、撮像素子を用いて観察対象を撮像し、観察対象の画像情報を取得する。撮像された画像はモニタに表示される。医師等のユーザはモニタに映し出された画像を観察し、検査を行う。
【0003】
近年、深層学習を適用した高度な自動認識が可能となっている。非特許文献1は深層学習を適用した画像認識に関する技術が記載されている。内視鏡システムにおいても、深層学習を適用して作製された認識器を用いて、病変等の検出及び病変等の分類を自動で行うことが考えられている。その中でも、非特許文献2に記載されているSSD(Single Shot multi box Detector)と呼ばれる手法があり、検出と分類等とを一括して行えることが知られている。なお、病変等の分類は鑑別と呼ばれる場合があり得る。
【0004】
特許文献1は、観察画像について特徴量を算出し、特徴量に基づいて病変候補領域を検出する内視鏡システムが記載されている。同システムは、観察画像に対し病変候補領域とは異なる領域に報知画像を表示させ、術者に対して病変候補領域が検出されたことを報知する。また、同システムは、観察画像に対し病変候補領域を囲むマーカー画像を付加し、病変候補領域の位置を示す処理を実施する。
【0005】
同システムは、操作スイッチがオフの状態からオンの状態に切り替わる場合に、静止画像を表示させ、報知処理が終了され報知画像が非表示になり、強調表示が開始されマーカー画像が表示される。これにより、術者に対し、観察画像に対する注意力の低下を抑えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2017/073337号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】A.Krizhevsky, I.Sutskever,and G.Hinton著、「ImageNet classification with deep convolutional neural networks.」、NIPS(Neural Information Processing Systems conference), 2012
【非特許文献2】Pierre Sermanet, David Eigen, Xiang Zhang, Michael Mathieu, Rob Fergus, Yann LeCun著「OverFeat: Integrated Recognition, Localization and Detectionusing Convolutional Networks」、ICLR(International Conference on Learning Representations), 2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、内視鏡画像から病変の自動検出及び自動分類を実施する際に、順次表示される観察画像を静止させて観察する場合、病変が検出されたことを表す強調表示が、術者の観察の邪魔になる可能性がある。
【0009】
特許文献1に記載のシステムは、静止画像を表示させる場合に強調表示が開始され、マーカー画像が表示されるので、静止画像を観察する際にマーカー画像が観察の邪魔になる可能性がある。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、病変が検出されたことを表す強調表示等が術者等の観察を妨げることを回避し得る、医用画像処理装置、プロセッサ装置、内視鏡システム、医用画像処理装置の作動方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、次の発明態様を提供する。
【0012】
第1態様に係る医用画像処理装置は、取得した医用画像から注目領域を検出する認識部であり、注目領域を分類する認識部と、注目領域を強調する強調表示及び注目領域の分類を、医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示制御部と、表示装置を用いて観察画像の連続画像を表示させるか、又は観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部と、を備え、表示制御部は、観察画像切替部を用いて観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、観察画像の連続画像表示の場合と比較して強調表示及び分類の少なくともいずれかの視認性を弱める変更を実施する医用画像処理装置である。
【0013】
第1態様によれば、ユーザが観察対象の静止画像を観察する際に、強調表示及び分類の少なくともいずれかが観察の妨げになることを抑制し得る。
【0014】
注目領域の強調は、注目領域を視覚的に強調する態様を適用し得る。
【0015】
強調表示及び分類の少なくともいずれかの視認性を弱める変更は、強調表示及び分類の少なくともいずれかを非表示とする態様が含まれ得る。
【0016】
第1態様に係る医用画像処理装置は、医用画像を取得する医用画像取得部を備え得る。
【0017】
第2態様は、第1態様の医用画像処理装置において、表示制御部は、観察画像の連続画像表示の場合と比較して強調表示及び分類の少なくともいずれかの視認性を弱める変更を実施する際に、分類の表示を実施する構成としてもよい。
【0018】
第2態様によれば、強調表示及び分類の少なくともいずれかの表示態様を変更させる際に分類の表示を実施する。これにより、分類の利用が可能となる。
【0019】
第2態様において、強調表示を非表示とし、分類の表示態様を変更しない態様を適用し得る。
【0020】
第3態様は、第1態様又は第2態様の医用画像処理装置において、表示制御部は、強調表示及び分類の少なくともいずれかの位置を、観察画像が表示される画面において、観察画像が表示される領域の外の位置へ移動させる構成としてもよい。
【0021】
第3態様によれば、強調表示及び分類の少なくともいずれかを観察画像を表示する領域の外の位置へ移動させる。これにより、強調表示及び分類の少なくともいずれかが、観察者の静止画像観察を妨げることを防止し得る。
【0022】
第4態様は、第1態様から第3態様のいずれか一態様において、強調表示及び分類の少なくともいずれかの表示態様を変更したタイミングから表示態様を元に戻すタイミングまでの期間を設定する期間設定部を備え、表示制御部は、強調表示及び分類の少なくともいずれかの表示態様を変更したタイミングから、期間設定部を用いて設定された期間が経過した場合に表示態様を元に戻す構成としてもよい。
【0023】
第4態様によれば、強調表示及び分類の少なくともいずれかの表示態様を変更し、規定期間が経過した際に、元の表示態様へ復帰させることが可能である。
【0024】
第5態様は、第1態様から第4態様のいずれか一態様の医用画像処理装置において、操作部が操作された際に送信される指令信号を取得する指令信号取得部を備え、表示制御部は、指令信号取得部が観察画像の連像画像表示を静止画像表示へ切り替えることを表す指令信号を取得した場合に、観察画像の連続画像表示の場合と比較して強調表示及び分類の少なくともいずれかの視認性を弱める変更を実施する構成としてもよい。
【0025】
第5態様によれば、操作部を用いて観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替える操作がされた場合に、注目領域の表示態様の変更及び注目領域の分類の表示態様の変更の少なくともいずれかを実施し得る。
【0026】
第6態様は、第1態様から第5態様のいずれか一態様の医用画像処理装置において、認識部は、入力画像のサイズを段階的に小さくする処理を実施する複数のダウンサイジング処理部と、複数のダウンサイジング処理部のそれぞれの出力画像から特徴マップを生成する特徴マップ生成部と、を備えた構成としてもよい。
【0027】
第7態様は、第6態様の医用画像処理装置において、ダウンサイジング処理部は、入力画像に対してプーリング処理を施すプーリング処理部、及び入力画像に対して畳み込み処理を施す畳み込み処理部の少なくともいずれかを備える構成としてもよい。
【0028】
第7態様によれば、注目領域の検出及び注目領域の分類において、畳み込みニューラルネットワークを適用し得る。
【0029】
第8態様は、第6態様又は第7態様の医用画像処理装置において、認識部は、特徴マップ生成部を用いて生成された複数の特徴マップから注目領域の特定及び注目領域の分類の少なくともいずれかを実施する注目領域認識部を備えた構成としてもよい。
【0030】
第8態様によれば、注目領域の検出及び注目領域の分類の少なくともいずれかに、入力画像の特徴を表す特徴マップを適用し得る。
【0031】
第9態様は、第8態様の医用画像処理装置において、注目領域認識部は、複数の特徴マップの重なり具合に基づき注目領域の検出及び注目領域の分類を実施する構成としてもよい。
【0032】
第9態様によれば、注目領域の検出精度及び注目領域の分類精度が向上し得る。
【0033】
第10態様は、第1態様から第9態様のいずれか一態様の医用画像処理装置において、認識部は、少なくとも一つの画像に対して注目領域の検出及び注目領域の分類を一括して学習したパラメータを記憶するパラメータ記憶部を備える構成としてもよい。
【0034】
第10態様によれば、注目領域の検出処理の一部と注目領域の分類処理の一部とを共通化し得る。
【0035】
第11態様は、第1態様から第10態様のいずれか一態様の医用画像処理装置において、表示制御部は、強調表示に注目領域を囲む閉曲線を適用し、強調表示の表示態様を変更する際に、閉曲線の色彩、濃度、及び線の種類の少なくともいずれかを変更する構成としてもよい。
【0036】
第11態様によれば、強調表示に閉曲線が適用される場合において、効果的に強調表示を弱めることが可能となる。
【0037】
第12態様は、第1態様から第11態様のいずれか一態様の医用画像処理装置において、表示制御部は、強調表示の表示態様を変更する際に、強調表示の視認性を弱める位置に強調表示を移動させる構成としてもよい。
【0038】
第12態様によれば、強調表示が観察の妨げになることを抑制し得る。
【0039】
第13態様は、第1態様から第12態様のいずれか一態様の医用画像処理装置において、表示制御部は、注目領域の分類を表す分類情報として分類の内容を表す文字情報を適用し、注目領域の分類の表示態様を変更する際に、文字情報の視認性を弱める位置に文字情報を移動させる構成としてもよい。
【0040】
第13態様によれば、注目領域の分類の内容を表す文字情報が観察の妨げになることを抑制し得る。
【0041】
第14態様は、第13態様の医用画像処理装置において、表示制御部は、注目領域の分類の表示態様を変更する際に、文字情報の位置を、観察対象を表す画像を表示する領域の外に移動させる構成としてもよい。
【0042】
第14態様によれば、文字情報と観察対象を表す画像とが重畳しない。これにより、文字情報が観察の妨げになることを抑制し得る。
【0043】
第15態様は、第14態様の医用画像処理装置において、表示制御部は、複数の注目領域が検出された場合に、複数の注目領域の位置関係を維持して、複数の注目領域のそれぞれの分類を表す複数の文字情報を、観察対象を表す画像を表示する領域の外に移動させる構成としてもよい。
【0044】
第15態様によれば、複数の分類の位置関係を用いて、観察対象を表す画像における複数の注目領域の位置関係を把握し得る。
【0045】
第16態様は、第13態様から第15態様のいずれか一態様の医用画像処理装置において、表示制御部は、注目領域の分類の表示態様を変更する際に、文字情報を分類の意味を表す文字列の頭文字のみを表示させる構成としてもよい。
【0046】
第16態様によれば、分類の視認性を弱め、かつ分類の内容を把握し得る。
【0047】
第17態様に係るプロセッサ装置は、内視鏡を制御する内視鏡制御部と、内視鏡を用いて取得した医用画像から注目領域を検出する認識部であり、注目領域を分類する認識部と、注目領域を強調する強調表示及び注目領域の分類を、医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示制御部と、表示装置を用いて観察画像の連続画像を表示させるか、又は観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部と、を備え、表示制御部は、観察画像切替部を用いて観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、観察画像の連続画像表示の場合と比較して強調表示及び分類の少なくともいずれかの視認性を弱める変更を実施するプロセッサ装置である。
【0048】
第17態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることができる。
【0049】
第17態様において、第2態様から第16態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、医用画像処理装置において特定される処理や機能を担う構成要素は、これに対応する処理や機能を担うプロセッサ装置の構成要素として把握することができる。
【0050】
第18態様に係る内視鏡システムは、内視鏡と、内視鏡を制御するプロセッサ装置と、内視鏡を用いて取得した内視鏡画像に処理を施す医用画像処理装置と、を備えた内視鏡システムであって、医用画像処理装置は、取得した医用画像から注目領域を検出する認識部であり、注目領域を分類する認識部と、注目領域を強調する強調表示及び注目領域の分類を、医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示制御部と、表示装置を用いて観察画像の連続画像を表示させるか、又は観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部と、を備え、表示制御部は、観察画像切替部を用いて観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、観察画像の連続画像表示の場合と比較して強調表示及び分類の少なくともいずれかの視認性を弱める変更を実施する内視鏡システムである。
【0051】
第18態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることができる。
【0052】
第18態様において、第2態様から第16態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、画像処理装置において特定される処理や機能を担う構成要素は、これに対応する処理や機能を担う内視鏡システムの構成要素として把握することができる。
【0053】
第19態様に係る医用画像処理方法は、取得した医用画像から注目領域を検出する認識工程であり、注目領域を分類する認識工程と、注目領域を強調する強調表示及び注目領域の分類を、医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示工程と、表示装置を用いて観察画像の連続画像を表示させるか、又は観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替工程と、を含み、表示工程は、観察画像切替工程において観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、観察画像の連続画像表示の場合と比較して強調表示及び分類の少なくともいずれかの視認性を弱める変更を実施する医用画像処理方法である。
【0054】
第19態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることができる。
【0055】
第19態様において、第2態様から第16態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、医用画像処理装置において特定される処理や機能を担う構成要素は、これに対応する処理や機能を担う医用画像処理方法の構成要素として把握することができる。
【0056】
第20態様に係るプログラムは、コンピュータに、取得した医用画像から注目領域を検出する認識機能であり、注目領域を分類する認識機能、注目領域を強調する強調表示及び注目領域の分類を、医用画像に含まれる観察対象を表示させる画面と同一の画面に表示させる表示機能、及び表示装置を用いて観察画像の連続画像を表示させるか、又は観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替機能を実現させるプログラムであって、表示機能は、観察画像切替機能を用いて観察画像の連続画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、観察画像の連続画像表示の場合と比較して強調表示及び分類の少なくともいずれかの視認性を弱める変更を実施するプログラムである。
【0057】
第20態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることができる。
【0058】
第20態様において、第2態様から第16態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、医用画像処理装置において特定される処理や機能を担う構成要素は、これに対応する処理や機能を担うプログラムの構成要素として把握することができる。
【発明の効果】
【0059】
本発明によれば、ユーザが観察対象の静止画像を観察する際に、強調表示及び分類の少なくともいずれかが観察の妨げになることを抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1図1は実施形態に係る医用画像処理装置を含む内視鏡システムの全体構成図である。
図2図2は医用画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は第一実施形態に係る医用画像処理装置の機能ブロック図である。
図4図4は第一実施形態に係る医用画像処理方法の手順を示すフローチャートである。
図5図5は注目領域の強調表示及び注目領域の分類表示の説明図である。
図6図6はフリーズ操作が実施された際の注目領域の強調表示及び注目領域の分類表示の説明図である。
図7図7はフリーズ操作が解除された際の注目領域の強調表示及び注目領域の分類表示の説明図である。
図8図8は第一変形例に係るフリーズ操作が実施された際の注目領域の強調表示及び注目領域の分類表示の説明図である。
図9図9は第二変形例に係るフリーズ操作が実施された際の注目領域の強調表示及び注目領域の分類表の説明図である。
図10図10は第三変形例に係る強調表示の表示態様の変更の説明図である。
図11図11は第四変形例に係る強調表示の表示態様の変更の説明図である。
図12図12は第五変形例に係る強調表示の表示態様の変更の説明図である。
図13図13は第六変形例に係る分類の表示態様の変更の説明図である。
図14図14は第七変形例に係る分類の表示態様の変更の説明図である。
図15図15は第二実施形態に係る医用画像処理装置の機能ブロック図である。
図16図16は第二実施形態に係る医用画像処理方法の手順を示すフローチャートである。
図17図17は畳み込みニューラルネットワークの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。本明細書では、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明は適宜省略する。
【0062】
[内視鏡システムの全体構成]
図1は実施形態に係る医用画像処理装置を含む内視鏡システムの全体構成図である。図1に示す内視鏡システム9は、内視鏡10、光源装置11、プロセッサ装置12、表示装置13、医用画像処理装置14、入力装置15、及びモニタ装置16を備える。
【0063】
図1に示す内視鏡10は電子内視鏡であり、かつ軟性内視鏡である。内視鏡10は挿入部20、操作部21、及びユニバーサルコード22を備える。挿入部20は被検体内に挿入される。挿入部20は、全体が細径で長尺状に形成されている。
【0064】
挿入部20は、軟性部25、湾曲部26、及び先端部27を備える。挿入部20は、軟性部25、湾曲部26、及び先端部27が連設されて構成される。軟性部25は、挿入部20の基端側から先端側に向けて順に可撓性を有する。湾曲部26は、操作部21が操作された場合に湾曲可能な構造を有する。先端部27は、図示しない撮像光学系及び撮像素子28等が内蔵される。
【0065】
撮像素子28は、CMOS型撮像素子又はCCD型撮像素子が適用される。なお、CMOSは、Complementary Metal Oxide Semiconductorの省略語である。CCDは、Charge Coupled Deviceの省略語である。
【0066】
先端部27の先端面27aは、図示しない観察窓が配置される。観察窓は、先端部27の先端面27aに形成された開口である。観察窓は図示しないカバーが取り付けられる。観察窓の後方には、図示しない撮像光学系が配置される。撮像素子28の撮像面は、観察窓、及び撮像光学系等を介して、被観察部位の像光が入射する。撮像素子28は、撮像素子28の撮像面に入射した被観察部位の像光を撮像して、撮像信号を出力する。ここでいう撮像は、被観察部位からの反射光を電気信号へ変換するという意味が含まれる。
【0067】
操作部21は挿入部20の基端側に連設される。操作部21は、術者が操作する各種操作部材を備える。具体的には、操作部21は、二種類の湾曲操作ノブ29を備える。湾曲操作ノブ29は、湾曲部26の湾曲操作の際に用いられる。なお、術者は、医師、操作者、観察者、及びユーザ等を含み得る。
【0068】
操作部21は、送気送水ボタン30、及び吸引ボタン31を備える。送気送水ボタン30は、術者が送気送水操作を行う際に用いられる。吸引ボタン31は、術者が吸引操作を行う際に用いられる。
【0069】
操作部21は、静止画像撮像指示部32、及び処置具導入口33を備える。静止画像撮像指示部32は、被観察部位の静止画像を撮像する際に術者が操作するボタンを備える。処置具導入口33は、挿入部20の内部を挿通している処置具挿通路の内部に処置具を挿入する開口である。なお、処置具挿通路、及び処置具の図示は省略する。
【0070】
ユニバーサルコード22は、内視鏡10を光源装置11に接続する接続コードである。ユニバーサルコード22は、挿入部20の内部を挿通しているライトガイド35、信号ケーブル36、及び図示しない流体チューブを内包している。
【0071】
また、ユニバーサルコード22の先端部は、光源装置11に接続されるコネクタ37a、及びコネクタ37aから分岐され、かつプロセッサ装置12に接続されるコネクタ37bを備える。
【0072】
コネクタ37aが光源装置11に接続された際に、ライトガイド35及び図示しない流体チューブが光源装置11に挿入される。これにより、ライトガイド35及び図示しない流体チューブを介して、光源装置11から内視鏡10に対して必要な照明光、水等の液体、及び空気等の気体が供給される。
【0073】
その結果、先端部27の先端面27aの図示しない照明窓から被観察部位に向けて照明光が照射される。また、送気送水ボタン30の押下操作に応じて、先端部27の先端面27aの図示しない送気送水ノズルから先端面27aの図示しない観察窓に向けて気体又は水が噴射される。なお、被観察部位は観察対象、検査対象等と呼ばれる場合があり得る。
【0074】
コネクタ37bがプロセッサ装置12に接続された際に、信号ケーブル36とプロセッサ装置12とが電気的に接続される。これにより、信号ケーブル36を介して、内視鏡10の撮像素子28からプロセッサ装置12へ被観察部位の撮像信号が出力され、かつプロセッサ装置12から内視鏡10へ制御信号が出力される。
【0075】
本実施形態では、内視鏡10として軟性内視鏡を例に挙げて説明を行ったが、内視鏡10として、硬性内視鏡等の被観察部位の動画撮像を可能な各種の電子内視鏡を用いてもよい。
【0076】
光源装置11は、コネクタ37aを介して、内視鏡10のライトガイド35へ照明光を供給する。照明光は、白色光又は特定の波長帯域の光を適用可能である。照明光は、白色光及び特定の波長帯域の光を組み合わせてもよい。光源装置11は、観察目的に応じた波長帯域の光を、照明光として適宜選択可能に構成される。
【0077】
白色光は、白色の波長帯域の光又は複数の波長帯域の光のいずれでもよい。特定の波長帯域は、白色の波長帯域よりも狭い帯域である。特定の波長帯域の光は、一種類の波長帯域の光を適用してもよいし、複数の波長帯域の光を適用してもよい。特定の波長帯域は、特殊光と呼ばれる場合がある。
【0078】
プロセッサ装置12は、コネクタ37b及び信号ケーブル36を介して、内視鏡10へ指令信号を送信し、内視鏡10の動作を制御する。また、プロセッサ装置12は、コネクタ37b及び信号ケーブル36を介して、内視鏡10の撮像素子28から撮像信号を取得する。すなわち、プロセッサ装置12は規定のフレームレートを適用して内視鏡10から出力された撮像信号を取得する。
【0079】
プロセッサ装置12は、内視鏡10から取得した撮像信号に基づき、被観察部位の観察画像である内視鏡画像38を生成する。ここでいう内視鏡画像38には動画像が含まれる。内視鏡画像38は静止画像39が含まれてもよい。なお、動画像は符号38aを付して図3に図示する。実施形態に示す内視鏡画像38は医用画像の一例に相当する。また、実施形態に示す動画像38aは連続画像の一例に相当する。
【0080】
プロセッサ装置12は、操作部21の静止画像撮像指示部32が操作された場合、動画像の生成と並行して、撮像素子28から取得した撮像信号に基づき被観察部位の静止画像39を生成する。静止画像39は、動画像の解像度に対して高解像度に生成されていてもよい。
【0081】
内視鏡画像38の生成の際に、プロセッサ装置12はホワイトバランス調整、及びシェーディング補正等のデジタル信号処理を適用した画質の補正を行う。プロセッサ装置12はDICOM規格で規定された付帯情報を内視鏡画像38へ付加してもよい。なお、DICOMは、Digital Imaging and Communications in Medicineの省略語である。実施形態に示すプロセッサ装置は、内視鏡を制御する内視鏡制御部を備えるプロセッサ装置の一例に相当する。
【0082】
プロセッサ装置12は、内視鏡画像38を表示装置13及び医用画像処理装置14のそれぞれに出力する。プロセッサ装置12は、DICOM規格に準拠した通信プロトコルに従って、図示しない通信ネットワークを介して、図示しない記憶装置へ内視鏡画像38を出力してもよい。なお、通信ネットワークは図2に示す通信ネットワーク140を適用し得る。
【0083】
表示装置13は、プロセッサ装置12に接続される。表示装置13は、プロセッサ装置12から送信された内視鏡画像38を表示する。術者は、表示装置13に表示される内視鏡画像38を確認しながら、挿入部20の進退操作等をし得る。術者は、被観察部位に病変等を検出した場合に、静止画像撮像指示部32を操作して被観察部位の静止画を撮像し得る。
【0084】
医用画像処理装置14は、コンピュータを適用し得る。入力装置15はコンピュータに接続可能なキーボード及びマウス等が用いられる。入力装置15とコンピュータとの接続は有線接続又は無線接続のいずれでもよい。モニタ装置16は、コンピュータに接続可能な各種モニタが用いられる。
【0085】
医用画像処理装置14として、ワークステーション及びサーバ装置等の診断支援装置を適用してもよい。この場合、入力装置15及びモニタ装置16は、それぞれワークステーション等に接続した複数の端末ごとに設けられる。更に、医用画像処理装置14として、医療レポート等の作成支援を行う診療業務支援装置を用いてもよい。
【0086】
医用画像処理装置14は、内視鏡画像38の取得、及び内視鏡画像38の記憶を行う。医用画像処理装置14は、モニタ装置16の再生制御を行う。なお、本明細書における画像という用語は、画像を表す電気信号、及び画像を表す情報等の画像データという意味が含まれている。本明細書における画像という用語は、画像自身、及び画像データの少なくともいずれかを意味している。
【0087】
また、画像の記憶という用語は、画像の保存、及び画像の格納等と読み替えることが可能である。ここでいう画像の記憶は、画像の非一時的記憶を意味する。医用画像処理装置14は画像を一時記憶する一時記憶用のメモリを備えてもよい。
【0088】
入力装置15は、医用画像処理装置14に対する操作指示の入力に用いられる。モニタ装置16は、医用画像処理装置14の制御の下、内視鏡画像38の表示を行う。モニタ装置16は、医用画像処理装置14における各種情報の表示部として機能してもよい。
【0089】
医用画像処理装置14は、図1に図示しない通信ネットワークを介して、図示しない記憶装置と接続され得る。画像の格納形式、及び通信ネットワークを経由した各装置間の通信は、DICOM規格、及びDICOM規格に準拠したプロトコル等を適用可能である。
【0090】
図示しない記憶装置は、データを非一時的に記憶するストレージ等を適用可能である。記憶装置は、図示しないサーバ装置を用いて管理されてもよい。サーバ装置は、各種データを記憶して管理するコンピュータを適用可能である。
【0091】
[医用画像処理装置のハードウェア構成]
図2は医用画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示す医用画像処理装置14は、プロセッサ120、メモリ122、ストレージ装置124、ネットワークコントローラ126、電源装置128、ディスプレイコントローラ130、入出力インターフェース132、及び入力コントローラ134を備える。なお、図2に示すI/Oは入出力インターフェースを表す。
【0092】
プロセッサ120、メモリ122、ストレージ装置124、ネットワークコントローラ126、ディスプレイコントローラ130、及び入出力インターフェース132は、バス136を介してデータ通信が可能に接続される。
【0093】
〔プロセッサ〕
プロセッサ120は、医用画像処理装置14の全体制御部、各種演算部、及び記憶制御部として機能する。プロセッサ120は、メモリ122に具備されるROM(read only memory)に記憶されているプログラムを実行する。
【0094】
プロセッサ120は、ネットワークコントローラ126を介して、図示しない外部の記憶装置からプログラムをダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを実行してもよい。外部の記憶装置は、通信ネットワーク140を介して医用画像処理装置14と通信可能に接続されていてもよい。
【0095】
プロセッサ120は、メモリ122に具備されるRAM(random access memory)を演算領域とし、各種プログラムと協働して、各種処理を実行する。これにより、医用画像処理装置14の各種機能が実現される。
【0096】
プロセッサ120は、ストレージ装置124からのデータの読み出し、及びストレージ装置124へのデータの書き込みを制御する。プロセッサ120は、ネットワークコントローラ126を介して、外部の記憶装置から各種データを取得してもよい。プロセッサ120は、取得した各種データを用いて、演算等の各種処理を実行可能である。
【0097】
プロセッサ120は、一つ又は二つ以上のデバイスが含まれてもよい。デバイスの一例として、FPGA(Field Programmable Gate Array)及びPLD(Programmable Logic Device)等が挙げられる。FPGA及びPLDは、製造後に回路構成を変更し得るデバイスである。
【0098】
デバイスの他の例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が挙げられる。ASICは、特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を備える。
【0099】
プロセッサ120は、同じ種類の二つ以上のデバイスを適用可能である。例えば、プロセッサ120は二つ以上のFPGAを用いてもよいし、二つのPLDを用いてもよい。プロセッサ120は、異なる種類の二つ以上のデバイスを適用してもよい。例えば、プロセッサ120は一つ以上のFPGAと一つ以上のASICとを適用してもよい。
【0100】
複数のプロセッサ120を備える場合、複数のプロセッサ120は一つのデバイスを用いて構成してもよい。一つのデバイスを用いて複数のプロセッサ120を構成する一例として、一つ以上のCPU(Central Processing Unit)とソフトウェアとの組合せを用いて一つのデバイスを構成し、このデバイスが複数のプロセッサ120として機能する形態がある。なお、本明細書におけるソフトウェアはプログラムと同義である。
【0101】
複数のプロセッサ120を一つのデバイスで構成する他の例として、複数のプロセッサ120を含むシステム全体の機能を一つのICチップで実現するデバイスを使用する形態が挙げられる。複数のプロセッサ120を含むシステム全体の機能を一つのICチップで実現するデバイスの代表例として、SoC(System On Chip)が挙げられる。なお、ICは、Integrated Circuitの省略語である。このように、プロセッサ120は、ハードウェア的な構造として、各種のデバイスを一つ以上用いて構成される。
【0102】
〔メモリ〕
メモリ122は、図示しないROM、及び図示しないRAMを備える。ROMは、医用画像処理装置14において実行される各種プログラムを記憶する。ROMは、各種プログラムの実行に用いられるパラメータ、及びファイル等を記憶する。RAMは、データの一時記憶領域、及びプロセッサ120のワーク領域等として機能する。
【0103】
〔ストレージ装置〕
ストレージ装置124は、各種データを非一時的に記憶する。ストレージ装置124は、医用画像処理装置14の外部に外付けされてもよい。ストレージ装置124に代わり、又はこれと併用して、大容量の半導体メモリ装置を適用してもよい。ストレージ装置124は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージデバイスである。ストレージ装置124は、例えば、OS(Operation System)、アプリケーションプログラムおよび各種データ等を記憶してもよい。
【0104】
〔ネットワークコントローラ〕
ネットワークコントローラ126は、外部装置との間のデータ通信を制御する。データ通信の制御は、データ通信のトラフィックの管理が含まれてもよい。ネットワークコントローラ126を介して接続される通信ネットワーク140は、LANなどの公知の通信ネットワークを適用し得る。
【0105】
〔電源装置〕
電源装置128は、UPS(Uninterruptible Power Supply)などの大容量型の電源装置が適用される。電源装置128は停電等に起因して商用電源が遮断された際に、医用画像処理装置14の各部へ電源を供給する。
【0106】
〔ディスプレイコントローラ〕
ディスプレイコントローラ130は、プロセッサ120から送信される指令信号に基づいてモニタ装置16を制御するディスプレイドライバーとして機能する。
【0107】
〔入出力インターフェース〕
入出力インターフェース132は、医用画像処理装置14と外部機器との通信可能に接続する。入出力インターフェース132は、USB(Universal Serial Bus)などの通信規格を適用し得る。
【0108】
〔入力コントローラ〕
入力コントローラ134は、入力装置15を用いて入力された信号の形式を医用画像処理装置14の処理に適した形式に変換する。入力コントローラ134を介して入力装置15から入力された情報は、プロセッサ120を介して各部へ送信される。
【0109】
なお、図2に示す医用画像処理装置14のハードウェア構成は一例であり、適宜、追加、削除、及び変更が可能である。また、図2に示すハードウェア構成は、図1に示すプロセッサ装置12にも適用し得る。
【0110】
[医用画像処理装置の機能ブロック]
図3は実施形態に係る医用画像処理装置の機能ブロック図である。医用画像処理装置14は、画像取得部40、認識部42、表示制御部44、記憶部46、及び表示切替部48を備える。
【0111】
〔画像取得部〕
画像取得部40は、プロセッサ装置12から内視鏡10を用いて撮像した内視鏡画像38を取得する。画像取得部40は、内視鏡画像38を内視鏡画像記憶部46aへ記憶する。
【0112】
画像取得部40は、メモリカード等の情報記憶媒体を介して、プロセッサ装置12から内視鏡画像38を取得してもよい。画像取得部40は、図2に示す通信ネットワーク140を介して内視鏡画像38を取得してもよい。
【0113】
画像取得部40は、時系列のフレーム画像38bから構成される動画像38aを取得し得る。画像取得部40は動画像38aの撮像途中に静止画撮像が実施された場合に、静止画像39を取得し得る。
【0114】
〔認識部〕
認識部42は、注目領域検出部42a、強調表示設定部42b、及び分類部42cを備える。認識部42は、CNN(Convolutional Neural Network)等の学習器を適用して内視鏡画像38から注目領域を検出する。認識部42は、注目領域を強調する強調表示を設定する。認識部42は学習を適用して注目領域を分類する。
【0115】
注目領域検出部42aは、画像取得部40を用いて取得した内視鏡画像38から注目領域を検出する。注目領域検出部42aは、内視鏡画像38と内視鏡画像38における注目領域とのペアを正解データとして、学習を実施した学習済みの学習器が適用される。注目領域検出部42aは、内視鏡画像38から検出した注目領域を注目領域記憶部46bへ記憶する。
【0116】
強調表示設定部42bは、内視鏡画像38から検出された注目領域を強調する強調表示を設定する。強調表示設定部42bは、注目領域の位置及び注目領域のサイズを特定し、注目領域の位置及び注目領域のサイズに応じて、強調表示の位置及び強調表示のサイズを特定する。強調表示設定部42bは、強調表示の位置及び強調表示のサイズを含む強調表示の情報を注目領域と関連付けして記憶する。
【0117】
強調表示設定部42bは、注目領域を囲む閉曲線を強調表示に適用し得る。注目領域を囲む閉曲線は、注目領域を囲む四角形等の多角形、円、及び任意形状の閉曲線を適用し得る。注目領域を囲む閉曲線は、注目領域が内接する多角形及び円、注目領域と重なる多角形及び円、並びに注目領域を内部に含む多角形及び円であり、注目領域と非接触の多角形及び円等を適用し得る。
【0118】
分類部42cは、注目領域を分類する。例えば、分類部42cは注目領域が病変であるか非病変であるかを分類する。分類部42cは病変である注目領域の疾病名を特定してもよい。分類部42cは、UICC(Union for International Cancer Control)及びTNM分類等の規格化された分類を適用し得る。分類部42cは注目領域ごとの分類を注目領域の情報を対応付けして分類記憶部46cへ記憶する。
【0119】
なお、TNMのTは、tumorの頭文字である。TNMのNは、nodesの頭文字である。TNMのMは、metastasisの頭文字である。
【0120】
なお、実施形態に記載の認識部42は、操作部が操作された際に送信される指令信号を取得する指令信号取得部の一例に相当する。
【0121】
〔表示制御部〕
表示制御部44は、内視鏡画像38をモニタ装置16へ表示させる画像等を表す表示信号をモニタ装置16へ送信する。表示制御部44は、注目領域及び注目領域の分類を表す表示信号をモニタ装置16へ送信する。表示制御部44は、モニタ装置16の制御信号をモニタ装置16へ送信する。
【0122】
モニタ装置16は、内視鏡画像38、注目領域、及び注目領域の分類を表示する。モニタ装置16は、注目領域及び注目領域の分類を内視鏡画像38に重畳表示し得る。モニタ装置16は、内視鏡画像38が表示される領域と区画された領域に注目領域及び注目領域の分類を表示し得る。表示制御部44は、規定の更新間隔を適用して内視鏡画像38の表示、注目領域の表示、及び注目領域の分類の表示を更新する。
【0123】
〔記憶部〕
記憶部46は、内視鏡画像記憶部46a、注目領域記憶部46b、及び分類記憶部46cを備える。内視鏡画像記憶部46aは、画像取得部40を用いて取得した内視鏡画像38を記憶する。
【0124】
注目領域記憶部46bは、注目領域の情報を記憶する。注目領域記憶部46bは、注目領域を検出した内視鏡画像38と関連付けされた注目領域の情報を記憶し得る。注目領域の情報は、内視鏡画像38における注目領域の座標値及び注目領域の形状を適用し得る。
【0125】
注目領域の座標値は、強調表示を設定する際に適用される強調表示の座標値に適用し得る。注目領域の形状は、注目領域の形態及び注目領域面積を含み得る。
【0126】
分類記憶部46cは、注目領域ごとの分類が注目領域の情報と関連付けして記憶される。注目領域の情報は、注目領域を特定し得る番号及び記号等が適用される。
【0127】
記憶部46は、一つ以上の記憶素子を適用し得る。すなわち、記憶部46は、内視鏡画像記憶部46a、注目領域記憶部46b、及び分類記憶部46cのそれぞれに対応する三つの記憶素子を備え得る。また、内視鏡画像記憶部46a、注目領域記憶部46b、及び分類記憶部46cは、それぞれ複数の記憶素子を適用し得る。更に、内視鏡画像記憶部46a、注目領域記憶部46b、及び分類記憶部46cのうち二つ又は全てを、一つの記憶素子を用いて構成し得る。尚、記憶部46として、図2のストレージ装置124を用いることができる。
【0128】
〔表示変更部〕
表示切替部48は、静止画像撮像指示部32を術者が操作したことを表す指令信号を医用画像処理装置14が取得した場合に、モニタ装置16を用いて表示させる内視鏡画像38の表示形態を変更する。
【0129】
具体的には、術者が静止画像撮像指示部32を操作した場合、画像取得部40は被観察部位の静止画像39を表す撮像データを取得し、表示切替部48は被観察部位の動画像表示から静止画像表示へ表示画面の切り替えを実施する。
【0130】
表示切替部48は、観察画像について動画像表示から静止画像表示への切り替えを実施した際に、注目領域の強調表示及び注目領域の分類の少なくともいずれかを、相対的に弱める表示態様に切り替える。
【0131】
表示切替部48は、規定の復帰条件を満たした場合に、表示態様を変更した注目領域の強調表示及び注目領域の分類の少なくともいずれかを、元の表示態様へ切り替える。規定の復帰条件の一例として、静止画像表示から動画像表示への切り替えが実施された場合が挙げられる。
【0132】
強調表示の表示形態の変更の例として、強調表示の濃度を下げて薄くする、強調表示の色彩を薄い色彩に変更する、実線の閉曲線が適用される場合に実線を破線等に変更する、及び強調表示を移動させる、強調表示を非表示とする等が挙げられる。
【0133】
注目領域の分類の表示形態の変更の例として、分類を表す文字の濃度を下げる、分類を表す文字の色彩を薄い色彩に変更する、分類を表す文字のサイズを小さくする、及び分類を表す文字を移動させる、分類を表す文字を非表示とする等が挙げられる。注目領域の分類の表示形態の変更の他の例として、分類を表す文字列の一部を省略する、文字列を絵及びアイコン等に変更する等が挙げられる。文字列の一部を省略する例として、文字列を表す省略語を適用する及び文字列の頭文字を適用する等が挙げられる。
【0134】
なお、実施形態に記載の表示切替部48は、表示装置を用いて観察画像の動画像を表示させるか、又は観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替部の一例に相当する。
【0135】
[医用画像処理方法の手順]
図4は実施形態に係る医用画像処理方法の手順を示すフローチャートである。以下に説明する医用画像処理方法は、内視鏡10を用いた検査の際に取得した内視鏡画像38に適用してもよいし、医用画像サーバ等から取得した内視鏡画像38に適用してもよい。
【0136】
内視鏡画像取得工程S10では、図3に示す画像取得部40は、図1に示すプロセッサ装置12から内視鏡画像38を取得する。内視鏡画像取得工程S10では、画像取得部40は内視鏡画像記憶部46aへ内視鏡画像38を記憶する。内視鏡画像取得工程S10の後に注目領域検出工程S12へ進む。
【0137】
注目領域検出工程S12では、注目領域検出部42aは内視鏡画像38を構成する動画像38aの任意のフレーム画像38bから注目領域を検出する。注目領域検出部42aは一枚のフレーム画像38bから複数の注目領域を検出してもよい。
【0138】
注目領域検出工程S12では、注目領域検出部42aは動画像38aの全てのフレーム画像38bから注目領域を検出してもよいし、規定の期間おきのフレーム画像38bから注目領域を検出してもよい。
【0139】
注目領域検出工程S12では、注目領域検出部42aは注目領域をフレーム画像38bの情報と関連付けして、注目領域記憶部46bへ記憶する。注目領域検出工程S12の後に分類工程S14へ進む。なお、注目領域検出工程S12は、注目領域を検出する認識工程の一例に相当する。
【0140】
分類工程S14では、分類部42cは注目領域ごとに分類を実施する。分類工程S14では、分類部42cは注目領域ごとの分類を注目領域と関連付けして、分類記憶部46cへ記憶する。分類工程S14の後に表示工程S16へ進む。なお、分類工程S14は、注目領域を分類する認識工程の一例に相当する。
【0141】
表示工程S16では、強調表示設定部42bは注目領域ごとに強調表示を設定し、強調表示の情報を表示制御部44へ送信する。表示制御部44は内視鏡画像38を表示する画面に強調表示を表示させる。
【0142】
表示工程S16では、分類部42cは注目領域ごとの分類の情報を表示制御部44へ送信する。表示制御部44は内視鏡画像38を表示する画面に注目領域ごとの分類を表示させる。表示工程S16の後に静止画像表示開始判定工程S18へ進む。
【0143】
静止画像表示開始判定工程S18では、表示切替部48は術者が静止画像撮像指示部32を操作したか否かを判定する。静止画像表示開始判定工程S18において、表示切替部48が静止画像撮像指示部32の操作がされていないと判定した場合はNo判定となり、動画像表示を継続し、最終フレーム画像判定工程S34へ進む。
【0144】
一方、静止画像表示開始判定工程S18において、表示切替部48が静止画像撮像指示部32の操作がされたと判定した場合はYes判定となり、静止画像表示工程S19へ進む。
【0145】
静止画像表示工程S19では、表示切替部48は、観察画像について動画像表示から静止画像表示へ切り替えを実施する。静止画像表示工程S19の後に第一変更判定工程S20へ進む。なお、実施形態に記載の静止画像表示工程S19は、観察画像の動画像表示を静止画像表示へ切り替える観察画像切替工程の一例に相当する。
【0146】
第一変更判定工程S20では、表示切替部48は強調表示及び分類の表示態様を変更するか否かを判定する。第一変更判定工程S20において、表示切替部48が強調表示又は分類のいずれかの表示態様を変更すると判定した場合はNo判定となり、第二変更判定工程S22へ進む。
【0147】
一方、第一変更判定工程S20において、表示切替部48が強調表示及び分類の表示態様を変更すると判定した場合はYes判定となり、第一表示態様変更工程S24へ進む。第一表示態様変更工程S24では、表示切替部48は強調表示及び分類の表示態様を変更することを表す指令信号を表示制御部44へ送信する。
【0148】
表示制御部44は、静止画像並びに強調表示及び分類の表示態様を変更した表示制御信号をモニタ装置16へ送信する。モニタ装置16は、静止画像39を表示し、強調表示及び分類を相対的に弱める表示態様に変更する。第一表示態様変更工程S24の後に静止画像表示終了判定工程S30へ進む。
【0149】
第二変更判定工程S22では、表示切替部48は強調表示の表示態様のみを変更するか、又は分類の表示態様のみを変更するかを判定する。第二変更判定工程S22において、表示切替部48が強調表示の表示態様のみを変更すると判定した場合はYes判定となり、第二表示態様変更判定工程S26へ進む。
【0150】
第二表示態様変更判定工程S26では、表示切替部48は強調表示の表示態様を変更することを表す指令信号を表示制御部44へ送信する。表示制御部44は静止画像及び強調表示の表示態様を変更した表示制御信号をモニタ装置16へ送信する。モニタ装置16は、静止画像39を表示し、強調表示を相対的に弱める表示態様に変更する。第二表示態様変更判定工程S26の後に静止画像表示終了判定工程S30へ進む。
【0151】
一方、第二変更判定工程S22において、表示切替部48が分類の表示態様のみを変更すると判定した場合はNo判定となり、第三表示態様変更判定工程S28へ進む。第三表示態様変更判定工程S28では、表示切替部48は分類の表示態様を変更することを表す指令信号を表示制御部44へ送信する。表示制御部44は静止画像及び分類の表示態様を変更した表示制御信号をモニタ装置16へ送信する。モニタ装置16は、静止画像39を表示し、分類を相対的に弱める表示態様に変更する。第三表示態様変更判定工程S28の後に静止画像表示終了判定工程S30へ進む。
【0152】
静止画像表示終了判定工程S30では、表示切替部48は静止画像表示を終了させることを表す指令信号を取得したか否かを判定する。静止画像表示終了判定工程S30において、表示切替部48が静止画像表示を終了させることを表す指令信号を取得しない場合はNo判定となり、静止画像表示終了判定工程S30においてYes判定となるまで、静止画像表示終了判定工程S30を実施する。
【0153】
一方、静止画像表示終了判定工程S30において、表示切替部48が静止画像表示を終了させることを表す指令信号を取得した場合はYes判定となり、表示復帰工程S32へ進む。
【0154】
表示復帰工程S32では、表示切替部48は第一表示態様変更工程S24、第二表示態様変更判定工程S26、及び第三表示態様変更判定工程S28において切り替えた強調表示及び分類の少なくともいずれかを元に戻すことを表す指令信号を表示制御部44へ送信する。
【0155】
表示制御部44は、動画像を表す表示信号及び動画像に対応する強調表示及び分類を表す表示信号をモニタ装置16へ送信する。モニタ装置16は動画像及び動画像に対応する強調表示及び分類を表示する。表示復帰工程S32の後に最終フレーム画像判定工程S34へ進む。
【0156】
最終フレーム画像判定工程S34では、医用画像処理装置14は表示されている内視鏡画像38が最終フレーム画像であるか否かを判定する。最終フレーム画像判定工程S34において、医用画像処理装置14が表示されている内視鏡画像38が最終フレーム画像でないと判定した場合はNo判定となり、内視鏡画像取得工程S10へ進む。以降、最終フレーム画像判定工程S34においてYes判定となるまで、内視鏡画像取得工程S10から最終フレーム画像判定工程S34までの各工程を実施する。
【0157】
一方、最終フレーム画像判定工程S34において、医用画像処理装置14が表示されている内視鏡画像38が最終フレーム画像であると判定した場合はYes判定となり、医用画像処理装置14は医用画像処理方法を終了させる。
【0158】
[強調表示の表示態様の変更及び分類の表示態様の変更の具体例]
次に、強調表示の表示態様の変更及び分類の表示態様の変更の具体例について説明する。以下の説明では、図1に示す内視鏡10を用いて大腸を観察して得られた動画像38aにおける任意のフレーム画像38bを例示する。なお、観察対象は大腸に限定されず、食道、胃、及び小腸等を観察対象としてもよい。
【0159】
[強調表示及び分類の表示態様変更の具体例]
図5は注目領域の強調表示及び注目領域の分類表示の説明図である。図5に示す内視鏡画像38は動画像38aであり、病変200の強調表示であるバウンディングボックス210及び病変200の分類220が重畳表示される。分類220は文字情報が適用される。
【0160】
なお、図5に示す分類220は、注目領域の分類を表す分類情報として分類の内容を表す文字情報が適用された分類の一例に相当する。
【0161】
図6はフリーズ操作が実施された際の注目領域の強調表示及び注目領域の分類表示の説明図である。図6に示す静止画像39は、図5に示す動画像38aに対応する静止画像である。
【0162】
図6に示す静止画像39は、図5に示すバウンディングボックス210の表示態様が非表示に変更されている。また、図6に示す静止画像39は、分類220の表示位置が観察対象を表す画像を表示する領域の外の位置に移動している。
【0163】
図7はフリーズ操作が解除された際の注目領域の強調表示及び注目領域の分類表示の説明図である。図7に示す内視鏡画像38は動画像38aであり、病変200に対してバウンディングボックス210及び分類220が重畳表示される。
【0164】
なお、図7に示す内視鏡画像38は、図5に示す内視鏡画像38のフレーム画像38bに対して一フレーム以上後のフレーム画像38bである。なお、図5及び図7ではフレーム画像を表す符号38bの図示を省略する。
【0165】
[第一実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法の作用効果]
第一実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法によれば、以下の作用効果を得ることが可能である。
【0166】
〔1〕
内視鏡画像38の動画像38aの観察において、病変200である注目領域を強調するバウンディングボックス210及び注目領域の分類220を表示させる。静止画像撮像指示部32が操作された場合に、観察画像が動画像38aから静止画像39へ切り替えられる。静止画像39は、動画像を表示させる場合と比較して、バウンディングボックス210及び分類220の少なくともいずれか一方の視認性を相対的に弱める表示態様の変更を実施する。これにより、バウンディングボックス210及び分類220の少なくともいずれかが観察者の静止画像の妨げになることを回避し得る。
【0167】
〔2〕
動画像を表示させる場合と比較して、バウンディングボックス210及び分類220の視認性を相対的に弱める表示態様の変更は、バウンディングボックス210の非表示への変更、及び分類220の表示位置の変更を適用し得る。これにより、静止画像観察において分類220の利用が可能である。
【0168】
[強調表示及び分類の表示態様変更の変形例]
〔第一変形例〕
図8は第一変形例に係るフリーズ操作が実施された際の注目領域の強調表示及び注目領域の分類表示の説明図である。図8に示す静止画像39は、図5に示す分類220の表示態様が非表示に変更されている。一方、図8に示す静止画像39は、バウンディングボックス210の表示態様は変更されていない。
【0169】
第一変形例によれば、分類の表示が観察者の観察の妨げになることを防止し、かつ強調表示の利用が可能となる。なお、第一変形例において、バウンディングボックス210の表示態様の変更を併用してもよい。
【0170】
〔第二変形例〕
図9は第二変形例に係るフリーズ操作が実施された際の注目領域の強調表示及び注目領域の分類表の説明図である。図9に示す静止画像39は、図5に示すバウンディングボックス210の表示態様が非表示に変更されている。一方、図9に示す静止画像39は、分類220の表示態様は変更されていない。
【0171】
第二変形例によれば、強調表示が観察者の観察の妨げになることを防止し、かつ分類の利用が可能となる。なお、第二変形例において、分類220の表示態様の変更を併用してもよい。
【0172】
〔第三変形例〕
図10は第三変形例に係る強調表示の表示態様の変更の説明図である。同図に示す静止画像39は、第一病変200aに対応する第一注目領域201aに対して第一バウンディングボックス210a及び第一分類220aが重畳表示される。
【0173】
同様に、第二病変202aに対応する第二注目領域203aに対して第二バウンディングボックス212a及び第二分類222aが重畳表示される。更に第三病変204aに対応する第三注目領域205aに対して第三バウンディングボックス214a及び第三分類224aが重畳表示される。
【0174】
第一バウンディングボックス210a、第二バウンディングボックス212a、及び第三バウンディングボックス214aは、図5に示すバウンディングボックス210と比較して濃度が下げられ薄くされている。一方、第一分類220a、第二分類222a、及び第三分類224aは、図5に示す第一分類220aと比較して濃度は変更されていない。
【0175】
第三変形例によれば、強調表示の強調の程度を弱める態様として、強調表示の濃度を下げる態様を適用し得る。これにより、強調表示の視認性を弱め、強調表示が観察者における観察の妨げになることを回避し得る。また、強調表示及び分類の両者の利用が可能である。
【0176】
〔第四変形例〕
図11は第四変形例に係る強調表示の表示態様の変更の説明図である。同図に示す静止画像39は、第一病変200aに対応する第一注目領域201aに対して第四バウンディングボックス210b及び第一分類220aが重畳表示される。
【0177】
同様に、第二病変202aに対応する第二注目領域203aに対して第五バウンディングボックス212b及び第二分類222aが重畳表示される。更に第三病変204aに対応する第三注目領域205aに対して第六バウンディングボックス214b及び第三分類224aが重畳表示される。
【0178】
第四バウンディングボックス210b、第五バウンディングボックス212b、及び第六バウンディングボックス214bは、図5に示すバウンディングボックス210と比較して、線の種類が変更され点線が適用される。一方、第一分類220a、第二分類222a、及び第三分類224aは、図5に示す第一分類220aからの変更はされていない。
【0179】
第四変形例によれば、強調表示の強調の程度を弱める態様として、強調表示を構成する線の種類を変更する態様を適用し得る。これにより、強調表示の視認性を弱め、強調表示が観察者における観察の妨げになることを回避し得る。また、強調表示及び分類の両者の利用が可能である。
【0180】
〔第五変形例〕
図12は第五変形例に係る強調表示の表示態様の変更の説明図である。同図に示す静止画像39は、第一病変200aに対応する第一注目領域201aに対して第七バウンディングボックス210c及び第一分類220aが重畳表示される。
【0181】
同様に、第二病変202aに対応する第二注目領域203aに対して第八バウンディングボックス212c及び第二分類222aが重畳表示される。更に第三病変204aに対応する第三注目領域205aに対して第九バウンディングボックス214c及び第三分類224aが重畳表示される。
【0182】
第七バウンディングボックス210cは第一注目領域201aを囲まない位置に配置される。また、第八バウンディングボックス212cは第二注目領域203aを囲まない位置に配置される。更に、第九バウンディングボックス214cは第三注目領域205aを囲まない位置に配置される。
【0183】
第五変形例によれば、強調表示の強調の程度を弱める態様として、特徴領域を囲まない位置へ強調表示の位置を変更する態様を適用し得る。これにより、強調表示の視認性を弱め、強調表示が観察者における観察の妨げになることを回避し得る。また、強調表示及び分類の両者の利用が可能である。なお、特徴領域を囲まない位置へ強調表示の位置を変更する態様は、強調領域が特徴領域の一部を囲む位置への変更が含まれ得る。
【0184】
〔第六変更例〕
図13は第六変形例に係る分類の表示態様の変更の説明図である。同図に示す静止画像39は、第一病変200aに対応する第一病変200aの分類を表す第四分類220b、第二病変202aに対応する第二病変202aの分類を表す第五分類222b、第三病変204aに対応する第三病変204aの分類を表す及び第六分類224bが、静止画像39における観察画像と非重畳の位置へ移動させている。
【0185】
また、第四分類220b、第五分類222b、及び第六分類224bの相互の位置関係は、図10に示す第一分類220a、第二病変202a、及び第三分類224aの相互の位置関係が維持されている。
【0186】
更に、第四分類220bは、第一分類220aに適用された文字列の一部が省略された略語が適用される。同様に、第五分類222bは、第二分類222aに適用された文字列の一部が省略された略語が適用され、第六分類224bは、第三分類224aに適用された文字列の一部が省略された略語が適用される。
【0187】
なお、図13に示す符号210は、図10に示す第一バウンディングボックス210aの表示態様を変更する前のバウンディングボックスである。符号212は、第二バウンディングボックス212aの表示態様を変更する前のバウンディングボックスである。符号214は第三バウンディングボックス214aの表示態様を変更する前のバウンディングボックスである。図14についても同様である。
【0188】
第六変形例によれば、分類の視認性を弱める態様として、分類を表す文字情報を観察画像と非重畳の位置へ変更させる態様を適用し得る。これにより、分類の視認性を弱め、分類が観察者における観察の妨げになることを回避し得る。また、強調表示及び分類の両者の利用が可能である。
【0189】
〔第七変形例〕
図14は第七変形例に係る分類の表示態様の変更の説明図である。同図に示す静止画像39は、第七分類220cに第一分類220aに適用された文字列HyperPlasticの頭文字Hが適用される。同様に、第八分類222cは、第二分類222aに適用された文字列の頭文字Aが適用され、第九分類224cは、第三分類224aに適用された文字列の頭文字Hが適用される。
【0190】
第七変形例によれば、分類の視認性を弱める態様として、分類を表す文字情報を文字情報の頭文字へ変更させる態様を適用し得る。これにより、分類の視認性を弱め、分類が観察者における観察の妨げになることを回避し得る。また、強調表示及び分類の両者の利用が可能である。
【0191】
〔第八変形例〕
注目領域の表示態様の変更に注目領域の表示オフを可能とする。分類の表示態様の変更に分類の表示オフを可能とする。サイクリックに動作するスイッチを用いて、標準の表示態様、表示を継続して弱める表示態様、及び表示をオフする表示態様を切り替えることが可能である。
【0192】
〔第九変形例〕
医用画像は、任意の一方向に対して直交する複数の面について、観察対象を撮像して得られた連続画像を適用し得る。かかる連続画像の例として、CT画像及びMRI画像等が挙げられる。
【0193】
連続画像表示の例として、CT画像に含まれる複数の断層撮像画像を任意の一方向について連続的に表示させる態様が挙げられる。なお、CTはComputed Tomographyの省略語である。MRIはMagnetic Resonance Imagingの省略語である。なお、第一変形例から第九変形例は、後述する第二実施形態にも適用可能である。
【0194】
[第二実施形態に係る医用画像処理装置]
図15は第二実施形態に係る医用画像処理装置の機能ブロック図である。同図に示す医用画像処理装置14aは、図3に示す医用画像処理装置14に対して、期間設定部49が追加されている。
【0195】
期間設定部49は、強調表示及び分類の表示態様を変更したタイミングから、強調表示及び分類の表示態様を変更前の元の表示態様に戻すタイミングまでの期間を設定する。期間設定部49は設定した期間を規定の記憶部へ記憶する。規定の記憶部は記憶部46に具備し得る。
【0196】
期間設定部49は、入力装置15から入力された信号に基づき、表示態様変更から表示態様復帰までの期間を設定し得る。期間設定部49は、予め記憶されている期間を読み出し、読み出した期間を、表示態様変更から表示態様復帰までの期間として設定し得る。
【0197】
期間設定部49は、トリガ信号に基づきカウントを開始し、設定された期間が経過した際に設定期間が経過したことを表す指令信号を出力するタイマー回路又はカウンター回路を適用し得る。
【0198】
[第二実施形態に係る医用画像処理方法]
図16は第二実施形態に係る医用画像処理方法の手順を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートは、図4に示すフローチャートに対して、期間設定工程S1が追加され、図4に示す静止画像表示終了判定工程S30に代わり、期間経過判定工程S31が追加される。
【0199】
期間設定工程S1では、期間設定部49は、図15に示す強調表示及び分類の表示態様を変更したタイミングから、強調表示及び分類の表示態様を変更前の元の表示態様に戻すタイミングまでの期間を設定する。
【0200】
期間経過判定工程S31では、表示切替部48は、表示態様を変更したタイミングから期間設定工程S1において設定された期間が経過したか否かを判定する。期間経過判定工程S31において、表示切替部48が設定された期間を経過していないと判定した場合はNo判定となり、期間経過判定工程S31においてYes判定となるまで期間経過判定工程S31を継続する。
【0201】
一方、期間経過判定工程S31において、表示切替部48が設定された期間を経過したと判定した場合はYes判定となり、表示復帰工程S32へ進む。表示復帰工程S32では、表示切替部48は、強調表示及び分類の表示態様を元の表示態様へ変更する。
【0202】
図16に示すフローチャートでは、期間設定工程S1を実施した後に内視鏡画像取得工程S10へ進む態様を設定したが、期間設定工程S1は強調表示及び分類の表示態様を変更する前までに実施されればよい。
【0203】
[第二実施形態の作用効果]
第二実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法によれば、以下の作用効果を得ることが可能である。また、第二実施形態に係る医用画像処理装置等は、第一実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
【0204】
〔1〕
強調表示及び分類の表示態様が変更されたタイミングから規定期間が形態した後に、強調表示及び分類の表示態様が元の表示態様に復帰する。これにより、強調表示及び分類の表示態様の自動復帰が可能となる。
【0205】
〔2〕
強調表示及び分類の表示態様が変更されたタイミングから強調表示及び分類の表示態様を復帰させるまでの規定期間を設定し得る。これにより、表示態様の変更から表示態様の復帰までの期間を規定し得る。
【0206】
[畳み込みニューラルネットワークの具体例]
図17は畳み込みニューラルネットワークの説明図である。ネットワーク300は、複数のレイヤ構造を有し、複数の重みパラメータを保持している。重みパラメータが初期値から最適値に更新されることで、未学習モデルが学習済みモデルとなる。
【0207】
ネットワーク300は、入力層310、中間層312、及び出力層314を備える。中間層312は、第一畳み込み層320a、第一プーリング層322a、第二畳み込み層320b、第二プーリング層322b、第三畳み込み層320c、及び全結合層324を備える。各層は複数のノードがエッジで結ばれる構造を有している。
【0208】
入力層310は学習対象の内視鏡画像38が入力される。中間層312は内視鏡画像38から特徴を抽出する。第一畳み込み層320a、第二畳み込み層320b、及び第三畳み込み層320cは前の層のノードにフィルタ処理を施して特徴マップを取得する。すなわち、第一畳み込み層320a、第二畳み込み層320b、及び第三畳み込み層320cは、ノードに対してフィルタを使用した畳み込み演算を実施する。
【0209】
第一畳み込み層320aは、20個のフィルタを用いて、32×32サイズの内視鏡画像38から、20個の28×28サイズの特徴マップを生成する。第二畳み込み層320bは、20個の14×14サイズの特徴マップから、20個の10×10サイズの特徴マップを生成する。第三畳み込み層320cは、20個の10×10サイズの特徴マップから、20個の5×5サイズの特徴マップを生成する。
【0210】
第一プーリング層322aは、第一畳み込み層320aから出力された特徴マップを縮小して新たな特徴マップを生成する。第二プーリング層322bは、第二畳み込み層320bから出力された特徴マップを縮小して新たな特徴マップを生成する。
【0211】
第一プーリング層322aは、20個の28×28サイズの特徴マップから、20個の14×14サイズの特徴マップを生成する。第二プーリング層322bは、20個の10×10サイズの特徴マップから、20個の5×5サイズの特徴マップを生成する。
【0212】
第一プーリング層322a及び第二プーリング層322bは、抽出された特徴が平行移動などによる影響を受けないようにロバスト性を与える役割を担う。なお、中間層312は畳み込み層及びプーリング層を一セットとする場合に限らず、畳み込み層が連続する場合、及び図示しない正規化層が含まれる構成もあり得る。
【0213】
全結合層324は、前の層のすべての出力を次の層の全てのノードに結合する。すなわち、全結合層324は第三畳み込み層320cの出力を出力層314の全てのノードに結合する。
【0214】
出力層314は、中間層312を適用して内視鏡画像38から抽出された特徴を出力する。図3に示す認識部42は、内視鏡画像38から注目領域を抽出するネットワーク、及び注目領域の分類を実施するネットワークを備える。
【0215】
学習前のネットワーク300における第一畳み込み層320a等に適用されるフィルタ係数、オフセット値及び全結合層324における次の層との接続の重みは、任意の初期値が設定される。
【0216】
ネットワーク300は、出力層314から出力される出力結果、出力結果に対する正解データを取得し、両者間の誤差を算出する。誤差の算出方法として、ソフトマックスエントロピー及びシグモナイド等が挙げられる。
【0217】
ネットワーク300は、算出された誤差を基に、誤差伝播法を適用してネットワーク300のパラメータを調整する。ネットワーク300はパラメータの調整を繰り返し実施し、出力結果と正解データとの誤差が小さくなるまで学習を実施する。
【0218】
学習後のネットワーク300は、入力画像に対する注目領域及び注目領域の分類の少なくともいずれかを出力する。出力結果を正解データとして、入力画像と出力結果とのペアを用いてネットワーク300を再学習してもよい。
【0219】
内視鏡画像38から注目領域を検出するネットワークと、注目領域を分類するネットワークとは、中間層312の一部において共通の処理が実施される。そこで、内視鏡画像38から注目領域を検出するネットワークと、注目領域を分類するネットワークとは、中間層312の一部のパラメータを共通化することが可能である。
【0220】
図示を省略するが、認識部42は、内視鏡画像38から注目領域を検出するネットワークに適用されるパラメータ、及び注目領域を分類するネットワークに適用されるパラメータを記憶するパラメータ記憶部を備える。
【0221】
内視鏡画像38から注目領域を検出するネットワークと、注目領域を分類するネットワークとは、特徴マップの重なり具合に基づき、注目領域の位置の特定及び注目領域の分類を実施し得る。
【0222】
内視鏡画像38から注目領域を検出するネットワークと、注目領域を分類するネットワークとは、一つの内視鏡画像38に対して、注目領域の検出及び注目領域の分類を一括して学習し得る。
【0223】
実施形態に記載の複数の畳み込み層は、入力画像のサイズを段階的に小さくする処理を実施する複数のダウンサイジング部の一例に相当する。実施形態に記載の複数の畳み込み層及び複数のプーリング層の組み合わせは、入力画像のサイズを段階的に小さくする処理を実施する複数のダウンサイジング部の一例に相当する。
【0224】
実施形態に記載の畳み込み層は、ダウンサイジング処理部のそれぞれの出力画像から特徴マップを生成する特徴マップ生成部の一例に相当する。
【0225】
実施形態に記載のネットワーク300は、特徴マップから特徴領域の特定及び特徴領域の分類の少なくともいずれかを実施する注目領域認識部の一例に相当する。
【0226】
実施形態に記載のプーリング層は、入力画像に対してプーリング処理を施すプーリング処理部の一例に相当する。実施形態に記載の畳み込み層は、畳み込み処理部の一例に相当する。
【0227】
[内視鏡システムの変形例]
〔プロセッサ装置の変形例〕
プロセッサ装置12は、医用画像処理装置14の機能を有してもよい。すなわち、プロセッサ装置12は、医用画像処理装置14と一体に構成されてもよい。かかる態様では、表示装置13はモニタ装置16と兼用し得る。プロセッサ装置12は入力装置15を接続させる接続端子を備え得る。
【0228】
〔照明光の変形例〕
本実施形態に示す内視鏡システム9を用いて取得可能な医用画像の一例として、白色帯域の光、又は白色帯域の光として複数の波長帯域の光を照射して得た通常光画像が挙げられる。
【0229】
本実施形態に示す内視鏡システム9を用いて取得可能な医用画像の他の例として、特定の波長帯域の光を照射して得た画像が挙げられる。特定の波長帯域は白色帯域よりも狭い帯域を適用可能である。以下の変形例の適用が可能である。
【0230】
〈第一変形例〉
特定の波長帯域の第1例は、可視域の青色帯域又は緑色帯域である。第1例の波長帯域は、390ナノメートル以上450ナノメートル以下、又は530ナノメートル以上550ナノメートル以下の波長帯域を含み、かつ第1例の光は、390ナノメートル以上450ナノメートル以下、又は530ナノメートル以上550ナノメートル以下の波長帯域内にピーク波長を有する。
【0231】
〈第二変形例〉
特定の波長帯域の第2例は、可視域の赤色帯域である。第2例の波長帯域は、585ナノメートル以上615ナノメートル以下、又は610ナノメートル以上730ナノメートル以下の波長帯域を含み、かつ第2例の光は、585ナノメートル以上615ナノメートル以下、又は610ナノメートル以上730ナノメートル以下の波長帯域内にピーク波長を有する。
【0232】
〈第三変形例〉
特定の波長帯域の第3例は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとで吸光係数が異なる波長帯域を含み、かつ第3例の光は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとで吸光係数が異なる波長帯域にピーク波長を有する。この第3例の波長帯域は、400±10ナノメートル、440±10ナノメートル、470±10ナノメートル、又は600ナノメートル以上750ナノメートル以下の波長帯域を含み、かつ第3例の光は、400±10ナノメートル、440±10ナノメートル、470±10ナノメートル、又は600ナノメートル以上750ナノメートル以下の波長帯域にピーク波長を有する。
【0233】
〈第四変形例〉
特定の波長帯域の第4例は、生体内の蛍光物質が発する蛍光の観察に用いられ、かつこの蛍光物質を励起させる励起光の波長帯域である。例えば、390ナノメートル以上470ナノメートル以下の波長帯域である。なお、蛍光の観察は蛍光観察と呼ばれる場合がある。
【0234】
〈第五変形例〉
特定の波長帯域の第5例は、赤外光の波長帯域である。この第5例の波長帯域は、790ナノメートル以上820ナノメートル以下、又は905ナノメートル以上970ナノメートル以下の波長帯域を含み、かつ第5例の光は、790ナノメートル以上820ナノメートル以下、又は905ナノメートル以上970ナノメートル以下の波長帯域にピーク波長を有する。
【0235】
〔特殊光画像の生成例〕
プロセッサ装置12は、白色光を用いて撮像して得られた通常光画像に基づいて、特定の波長帯域の情報を有する特殊光画像を生成してもよい。なお、ここでいう生成は取得が含まれる。この場合、プロセッサ装置12は、特殊光画像取得部として機能する。そして、プロセッサ装置12は、特定の波長帯域の信号を、通常光画像に含まれる赤、緑、及び青、或いはシアン、マゼンタ、及びイエローの色情報に基づく演算を行うことで得る。
【0236】
なお、赤、緑、及び青は、RGB(Red,Green,Blue)と表されることがある。また、シアン、マゼンタ、及びイエローは、CMY(Cyan,Magenta,Yellow)と表されることがある。
【0237】
〔特徴量画像の生成例〕
医用画像として、白色帯域の光、又は白色帯域の光として複数の波長帯域の光を照射して得る通常画像、並びに特定の波長帯域の光を照射して得る特殊光画像の少なくともいずれかに基づく演算を用いて、特徴量画像を生成し得る。
【0238】
[コンピュータを画像処理装置として機能させるプログラムへの適用例]
上述した医用画像処理方法は、コンピュータを用いて、医用画像処理方法における各工程に対応する機能を実現させるプログラムとして構成可能である。例えば、コンピュータに、取得した内視鏡画像38から注目領域を検出し、注目領域を分類する認識機能、注目領域を強調する強調表示及び注目領域の分類を内視鏡画像38と同一の画面に表示させる表示機能、及び観察画像の動画像を表示させるか、又は観察画像の静止画像を表示させるかを切り替える観察画像切替機能を実現させるプログラムであって、表示機能は、観察画像切替機能を用いて観察画像の動画像表示を静止画像表示へ切り替えた場合に、観察画像の動画像を表示させる場合と比較して強調表示及び分類の少なくともいずれかの視認性を弱める変更を実施するプログラムを構成し得る。
【0239】
上述した画像処理機能をコンピュータに実現させるプログラムを、有体物である非一時的な情報記憶媒体である、コンピュータが読取可能な情報記憶媒体に記憶し、情報記憶媒体を通じてプログラムを提供することが可能である。
【0240】
また、非一時的な情報記憶媒体にプログラムを記憶して提供する態様に代えて、通信ネットワークを介してプログラム信号を提供する態様も可能である。
【0241】
[実施形態及び変形例等の組み合わせについて]
上述した実施形態で説明した構成要素、及び変形例で説明した構成要素は、適宜組み合わせて用いることができ、また、一部の構成要素を置き換えることもできる。
【0242】
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者により、多くの変形が可能である。
【符号の説明】
【0243】
9 内視鏡システム
10 内視鏡
11 光源装置
12 プロセッサ装置
13 表示装置
14 医用画像処理装置
14a 医用画像処理装置
15 入力装置
16 モニタ装置
20 挿入部
21 操作部
22 ユニバーサルコード
25 軟性部
26 湾曲部
27 先端部
27a 先端面
28 撮像素子
29 湾曲操作ノブ
30 送気送水ボタン
31 吸引ボタン
32 静止画像撮像指示部
33 処置具導入口
35 ライトガイド
36 信号ケーブル
37a コネクタ
37b コネクタ
38 内視鏡画像
38a 動画像
38b フレーム画像
39 静止画像
40 画像取得部
42 認識部
42a 注目領域検出部
42b 強調表示設定部
42c 分類部
44 表示制御部
46 記憶部
46a 内視鏡画像記憶部
46b 注目領域記憶部
46c 分類記憶部
48 表示切替部
49 期間設定部
120 プロセッサ
122 メモリ
124 ストレージ装置
126 ネットワークコントローラ
128 電源装置
130 ディスプレイコントローラ
132 入出力インターフェース
134 入力コントローラ
136 バス
140 通信ネットワーク
200 病変
200a 第一病変
201a 第一注目領域
202a 第二病変
203a 第二注目領域
204a 第三病変
205a 第三注目領域
210 バウンディングボックス
210a 第一バウンディングボックス
210b 第四バウンディングボックス
210c 第七バウンディングボックス
212 バウンディングボックス
212a 第二バウンディングボックス
212b 第五バウンディングボックス
212c 第八バウンディングボックス
214 バウンディングボックス
214a 第三バウンディングボックス
214b 第六バウンディングボックス
214c 第九バウンディングボックス
220 分類
220a 第一分類
220b 第四分類
220c 第七分類
222a 第二分類
222b 第五分類
222c 第八分類
224a 第三分類
224b 第六分類
224c 第九分類
300 ネットワーク
310 入力層
312 中間層
314 出力層
320a 第一畳み込み層
320b 第二畳み込み層
320c 第三畳み込み層
322a 第一プーリング層
322b 第二プーリング層
324 全結合層
S1からS34 医用画像処理方法の各工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17