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特開2022-187798オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物及びこれを含有する化粧料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022187798
(43)【公開日】2022-12-20
(54)【発明の名称】オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物及びこれを含有する化粧料
(51)【国際特許分類】
   C08B 37/16 20060101AFI20221213BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20221213BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20221213BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
C08B37/16
A61K8/73
A61Q17/04
A61Q1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021095979
(22)【出願日】2021-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】弁理士法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀井 正直
【テーマコード(参考)】
4C083
4C090
【Fターム(参考)】
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB272
4C083AB442
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC302
4C083AC342
4C083AC392
4C083AC422
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD251
4C083AD252
4C083CC12
4C083CC14
4C083CC19
4C083DD32
4C083EE01
4C083EE06
4C090AA01
4C090BA12
4C090BB53
4C090DA26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物、及びこれを配合した化粧料を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される糖単位で構成される化合物。

[式中、Rは独立に、水素原子、又は下記式(2)

(R1は独立に、(フッ素置換)アルキル基、アリール基、アラルキル基等)]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)
【化1】
[式中、Rは独立に、水素原子、下記式(2)
【化2】
(式中、R1は独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のフッ素置換アルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選択される基であり、nは1~10の整数、aは0~3の整数である。)
で表される基、又は下記式(3)
【化3】
(式中、Xは2価の有機基であり、*は他の糖単位の水酸基と結合する結合手である。)
で表される基である。]
で表される糖単位で構成されるオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物であって、オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物1モル中における、水素原子のモル数NH、上記式(2)で表される基のモル数NS、上記式(3)で表される基のモル数NLの比が、NH:NS:NL=0.5~2.5:0.3~2.0:0.1~0.5であり、NH+NS+NL=3.0である、オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物。
【請求項2】
上記Xが、炭素数1~10の2価脂肪族炭化水素基、炭素数6~20の2価芳香族炭化水素基、及び下記式(4)
【化4】
[式中、X1は独立に、炭素数1~10の2価脂肪族炭化水素基又は炭素数6~20の2価芳香族炭化水素基であり、Sxは下記式(5)
【化5】
(式中、R2は独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のフッ素置換アルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選択される基であり、bは独立に2~4、cは独立に2~12の整数、dは0~200の整数、eは独立に0~40である。)
で表される2価のオルガノポリシロキサン残基である。pは1~5の数である。]
から選ばれる2価の有機基である請求項1記載のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物。
【請求項3】
Xが、下記式
【化6】
で表される2価の炭化水素基から選ばれる基である請求項2記載のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物。
【請求項4】
上記式(1)の糖単位が、α型シクロデキストリン、β型シクロデキストリン、及びγ型シクロデキストリン、ならびにこれらシクロデキストリンがヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基を有する誘導体から選ばれるシクロデキストリン化合物由来である請求項1~3のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物。
【請求項5】
上記式(2)において、n=3、R1がメチル基である請求項1~4のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を含有する化粧料であって、上記シクロデキストリン化合物を化粧料中0.05~20質量%含有するものであることを特徴とする化粧料。
【請求項7】
さらに水を含み、エマルションの形態である請求項6記載の化粧料。
【請求項8】
さらに、シリコーンオイル、炭化水素油、エステル油、グリセライド油及び紫外線吸収剤から選ばれる1種以上を含有する請求項6又は7記載の化粧料。
【請求項9】
さらに、粉体を含む化粧料であって、液状、ペースト状又は固体状である請求項6~8のいずれか1項記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物及びこれを含有する化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シクロデキストリンは、ドーナツ状の構造を有しており、内側が親油性、外側が親水性で、空洞内に各種活性物質を取り込むことができる包接性を有している。そのため難溶性の物質を可溶化し製品中での安定性を向上できることから、医薬品、食品、化粧品、繊維、塗料等の製品に幅広く使用されている。シクロデキストリンを添加し使用されることも多いが、シクロデキストリン基を含有するポリマーも報告されている。たとえば、シクロデキストリン類とジイソシアネート化合物とを反応させたシクロデキストリン縮合ポリマーは、有機媒体中に含有されるハロゲン化芳香族化合物の選択固着剤として利用されている(特許文献1)。また、シクロデキストリンがアミド基を介して結合した誘導体は、難水溶性化合物の水溶性を向上でき薬品、化粧品への応用が報告されている(特許文献2,3)。
【0003】
側鎖にシクロデキストリンを有するアクリル系ハイドロゲルが、薬物、活性物質、又は保護剤を組み込む能力を有し、コンタクトレンズや化粧料に使用されている(特許文献4)。また、ポリオキシエチレン基をリンカーとして含むシクロデキストリン結合体で多様なゲスト分子を包接する(特許文献5)。ただし、これらはいずれも各種物資を包接することを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-233473号公報
【特許文献2】特開2007-106789号公報
【特許文献3】特開2009-024094号公報
【特許文献4】特表2011-529998号公報
【特許文献5】特開2007-023280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物、及びこれを含有する化粧料を提供することを目的とする。上記化合物は、シリコーンオイル等の油剤の化粧料に対する配合安定性(経時安定性)を高めることができる。上記化合物を配合した化粧料は、伸びが良く、油っぽさやべたつき等がなく、シリコーンオイルの特徴であるさらさらした軽い感触で、皮膚への密着性に優れることから、化粧もち(化粧持続性)を改善できる。本発明は、薬効成分や香料等をさらに含有する化粧料においては、これらを安定に配合できる化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を構成する糖単位において、3個の水酸基の水素原子が置換されている比率、つまり、水素原子のモル数NH、特定のトリオルガノシリル変性アミド基のモル数NS、特定の2価のウレタン結合を有する連結基のモル数NLの比を特定の範囲にすることで、上記課題を解決できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
従って、本発明は下記オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物及び化粧料を提供する。
1.下記式(1)
【化1】
[式中、Rは独立に、水素原子、下記式(2)
【化2】
(式中、R1は独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のフッ素置換アルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選択される基であり、nは1~10の整数、aは0~3の整数である。)
で表される基、又は下記式(3)
【化3】
(式中、Xは2価の有機基であり、*は他の糖単位の水酸基と結合する結合手である。)
で表される基である。]
で表される糖単位で構成されるオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物であって、オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物1モル中における、水素原子のモル数NH、上記式(2)で表される基のモル数NS、上記式(3)で表される基のモル数NLの比が、NH:NS:NL=0.5~2.5:0.3~2.0:0.1~0.5であり、NH+NS+NL=3.0である、オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物。
2.上記Xが、炭素数1~10の2価脂肪族炭化水素基、炭素数6~20の2価芳香族炭化水素基、及び下記式(4)
【化4】
[式中、X1は独立に、炭素数1~10の2価脂肪族炭化水素基又は炭素数6~20の2価芳香族炭化水素基であり、Sxは下記式(5)
【化5】
(式中、R2は独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のフッ素置換アルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選択される基であり、bは独立に2~4、cは独立に2~12の整数、dは0~200の整数、eは独立に0~40である。)
で表される2価のオルガノポリシロキサン残基である。pは1~5の数である。]
から選ばれる2価の有機基である1記載のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物。
3.上記Xが、下記式
【化6】
で表される2価の炭化水素基から選ばれる基である2記載のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物。
4.上記式(1)の糖単位が、α型シクロデキストリン、β型シクロデキストリン、及びγ型シクロデキストリン、ならびにこれらシクロデキストリンがヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基を有する誘導体から選ばれるシクロデキストリン化合物由来である1~3のいずれかに記載のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物。
5.上記式(2)において、n=3、R1がメチル基である1~4のいずれかに記載のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物。
6.1~5のいずれかに記載のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を含有する化粧料であって、上記シクロデキストリン化合物を化粧料中0.05~20質量%含有するものであることを特徴とする化粧料。
7.さらに水を含み、エマルションの形態である6記載の化粧料。
8.さらに、シリコーンオイル、炭化水素油、エステル油、グリセライド油及び紫外線吸収剤から選ばれる1種以上を含有する6又は7記載の化粧料。
9.さらに、粉体を含む化粧料であって、液状、ペースト状又は固体状である6~8のいずれかに記載の化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、新規なオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を提供することができる。また、上記化合物は、シリコーンオイル等の油剤の化粧料に対する配合安定性を高めることができる。さらに、上記化合物を配合した化粧料は、伸びが良く、油っぽさやべたつき等がなく、シリコーンオイルの特徴であるさらさらした軽い感触で、皮膚への密着性に優れることから、化粧もちを改善できる。さらに、薬効成分や香料等を含有する化粧料においては、これらを安定に配合できる化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
[(A)成分]
本発明のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物は、下記式(1)
【化7】
[式中、Rは独立に、水素原子、下記式(2)
【化8】
(式中、R1は独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のフッ素置換アルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選択される基であり、nは1~10の整数、aは0~3の整数である。)
で表される基、又は下記式(3)
【化9】
(式中、Xは2価の有機基であり、*は他の糖単位の水酸基と結合する結合手である。)
で表される基である。]
で表される糖単位で構成されるオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物であって、オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物1モル中における、水素原子のモル数NH、上記式(2)で表される基のモル数NS、上記式(3)で表される基のモル数NLの比が、NH:NS:NL=0.5~2.5:0.3~2.0:0.1~0.5であり、NH+NS+NL=3.0である、オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物である。
【0010】
式(1)で表される糖単位は、α型シクロデキストリン、β型シクロデキストリン、及びγ型シクロデキストリン、ならびにこれらシクロデキストリンがヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基を有する誘導体から選ばれるシクロデキストリン化合物由来の糖単位からなるシクロデキストリン構造であることが好ましい。
【0011】
式(1)中のRは独立して水素原子、式(2)で表されるトリオルガノシリル変性アミド基、及び式(3)で表される2価のウレタン結合を有する連結基から選ばれる基であり、オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物1モル中における、水素原子のモル数NH、上記式(2)で表される基のモル数NS、上記式(3)で表される基のモル数NLの比が、NH:NS:NL=0.5~2.5:0.3~2.0:0.1~0.5であり、NH+NS+NL=3.0となる範囲となるよう、適宜選定される。
【0012】
式(2)で表されるトリオルガノシリル変性アミド基において、R1は独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のフッ素置換アルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選択される基である。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。アリール基の例としては、フェニル基、トリル基等のアリール基、アラルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。フッ素置換アルキル基の例としては、トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロデシル基等を挙げることができる。中でも、炭素数1~8のアルキル基、フェニル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
【0013】
nは1~10の整数であり、2~6が好ましく、3がより好ましい。aは0~3の整数であり、3が好ましい。この範囲内であれば、得られるオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物のシリコーン油等の油剤への相溶性がより向上する。また、このようなオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を用いた化粧料は、延びがよく、べたつきもない、使用感に優れたものとなる。
【0014】
式(3)で表される2価のウレタン結合を有する連結基において、Xは2価の有機基であり、*は他の糖単位の水酸基と結合する結合手である。シクロデキストリン同士の連結にウレタン結合を用いることで、分子間の相互作用により自己会合性を有し、シリコーン油等の油剤の増粘性を発現できる。また、このウレタン結合量を調整することで、化粧料に配合した際にべたつく感触がなく、皮膚への密着性に優れ、化粧持続性も改善できる。
【0015】
2価の有機基であるXとしては、炭素数1~10の2価脂肪族炭化水素基、炭素数6~20の2価芳香族炭化水素基、又は式(4)で表される主鎖にシロキサン結合を有する2価の基が挙げられる。中でも、式(4)で表される2価の基であれば、シクロデキストリン同士の連結部位にシロキサン結合を有するので、シリコーン油等の油剤への相溶性をより向上でき、配合安定化できる油剤の種類を広げることができるため好ましい。
【0016】
炭素数1~10の2価脂肪族炭化水素基の例としては、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数5~10のシクロアルキレン基等が挙げられる。具体的には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、シクロヘキシレン基、イソホロンジイソシアネート由来のシクロヘキシル環を有する2価の炭化水素基等が挙げられる。
【0017】
炭素数6~20の2価芳香族炭化水素基の例としては、1,3-フェニレン基、1,4-フェニレン基、2-メチル-1,3-フェニレン基、4-メチル-1,3-フェニレン基、ジフェニルメタン-4,4’-ジイル基等が挙げられる。これらの2価炭化水素基の中では、ヘキサメチレン基、イソホロンジイソシアネート由来のシクロヘキシル環を有する2価の炭化水素基が好ましい。
【0018】
下記式(4)で表される主鎖にシロキサン結合を有する2価の基
【化10】
[式中、X1は独立に、炭素数1~10の2価脂肪族炭化水素基又は炭素数6~20の2価芳香族炭化水素基であり、Sxは下記式(5)
【化11】
(式中、R2は独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のフッ素置換アルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選択される基であり、bは独立に2~4、cは独立に2~12の整数、dは0~200の整数、eは独立に0~40である。)
で表される2価のオルガノポリシロキサン残基である。pは1~5の数である。]
【0019】
式(4)で表される主鎖にシロキサン結合を有する2価の基において、X1は独立して、炭素数1~10の2価脂肪族炭化水素基又は炭素数6~20の2価芳香族炭化水素基である。具体例や好適例等は上記Xで例示されたものと同じものを挙げることができる。式(4)のpは1~5の数であり、1~3が好ましい。pを5以下にすることで、本発明のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物の分子量を抑え、化粧料として配合しようとした際に、油剤との溶解性が良好となり、配合安定性がより向上する。
【0020】
Sxは式(5)で表される、主鎖にシロキサン結合を有する2価の基である。式(5)において、R2は独立して、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~8のフッ素置換アルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選択される基であり、具体例や好適例等は上記R1で例示されたものと同じものを挙げることができる。bは独立に2~4であり、2又は3が好ましい。cは独立に2~12の整数であり、2又は3が好ましい。dは0~200の整数であり、0~100の整数が好ましく、1~80の整数がさらに好ましい。eは独立に0~40であり、0~20が好ましく、1~15がより好ましい。
【0021】
オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物1モル中における、水素原子のモル数NH、上記式(2)で表される基のモル数NS、上記式(3)で表される基のモル数NLの比が、つまり、オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を構成する糖単位において、3個の水酸基の水素原子が、上記式(2)で表されるトリオルガノシリル変性アミド基、及び上記式(3)で表される2価の有機基で置換されている割合(比率)は以下のとおりである。
H:NS:NL=0.5~2.5:0.3~2.0:0.1~0.5(ただし、NH+NS+NL=3.0である。)
H:水素原子のモル数
S:上記式(2)のモル数
L:上記式(3)のモル数
H:NS:NLの比は、0.5~2.5:0.4~2.0:0.1~0.5が好ましく、1.0~2.45:0.45~1.75:0.1~0.4がより好ましい。
【0022】
なお、上記比率からも明らかなように、全ての水酸基が上記式(2)や上記式(3)で表される置換基で置換されている必要はなく、糖単位の水酸基が残存していることが特徴である。これらの比率により、各油剤への溶解性、架橋度、分子量が変わってくるので、使用する油剤に合わせて組み合わせることができる。また、このオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物は、そのまま化粧料に配合することも可能であるが、これらの形状は通常固体であり、油剤に溶解させた状態、あるいは油剤中でゲル化させた状態で、化粧料に配合することが好ましい。この場合の油剤としては、後述の本発明の化粧料に配合可能な油剤と同様のものを用いることができる。
【0023】
[オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物の製造方法]
次に、本発明のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を製造する方法について説明する。この化合物は、相当する糖単位を有するシクロデキストリン及びその誘導体と、下記式(6)
【化12】
(式中、R1、n、aは上記と同じである。)
で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン及び下記式(7)
【化13】
(式中、X1、Sxは上記と同じであり、pは0~5である。)
で表されるジイソシアネートとのウレタン結合生成反応により製造できる。具体的には、上記3成分をすべて混合し反応させる方法、シクロデキストリン及びその誘導体に式(6)のイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン、又は式(7)のジイソシアネート化合物の一方を反応させた後、もう一方を反応させる方法、どちらでもよい。NH:NS:NLの比の調整は、この工程での添加物質、量等で調整することができる。
【0024】
上記シクロデキストリン及びその誘導体としては、α型シクロデキストリン、β型シクロデキストリン、及びγ型シクロデキストリン、ならびにこれらシクロデキストリンがヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基を有する誘導体から選ばれるシクロデキストリン化合物が挙げられる。このシクロデキストリン及びその誘導体は、予め加熱乾燥して、包接する水分を除いてから製造に供するのが好ましい。
【0025】
また、式(7)のジイソシアネートは、下記式(8)
【化14】
(式中、R2、b、c、d、及びeはそれぞれ上記と同じである。)
で表されるα,ω-ジヒドロキシ基変性オルガノポリシロキサンと下記式(9)
【化15】
(式中、X1は上記と同じである。)
で表されるジイソシアネート化合物を反応させたプレポリマーであってもよい。
【0026】
式(6)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサンの具体的なものとして、例えば、下記のものが挙げられる。
【化16】
【0027】
また、式(9)で表されるジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4’-フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートから選ばれる1種以上の化合物が好ましく、より好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートである。
【0028】
また、この反応においては、反応効率向上や反応制御の観点から、溶媒を用いることが好ましい。反応に用いる溶媒として、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を混合してもよい。
【0029】
また、この反応は溶媒の有無やその種類によって異なるが、通常20~150℃で1~10時間であり、イソシアネート化合物の添加方法は順次滴下、混合滴下、一括添加でも良く、触媒としてトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N-メチルモルフォリン等のアミン類、ジラウリン酸ジ-n-ブチル錫、オレイン酸第一錫等の有機金属化合物のような、ウレタン結合形成に用いられる公知の触媒を添加してもよい。反応終了後は、洗浄、乾燥することで、目的とするオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を得ることができる。
【0030】
[ゲル化剤]
本発明のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物は、油剤のゲル化剤として好適である。油剤としては、後述するシリコーンオイル、炭化水素油、エステル油、グリセライド油、天然動植物油脂類及び半合成油脂、ならびに紫外線吸収剤及びこれらの混合物等が挙げられ、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。中でも、ゲル化される油剤としては、シリコーンオイル、炭化水素油であり、具体的にはデカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン等の直鎖型シリコーン、トリストリメチルシロキシメチルシラン等の分岐型シリコーン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の直鎖型及びイソドデカン等のこれらの分岐型炭化水素油等が好ましい。ゲル化させる場合の組成物中のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物の配合量は、化粧料中3~20質量%である。
【0031】
[化粧料]
本発明のオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物は、スキンケア化粧料、メイクアップ化粧料、紫外線防御化粧料、毛髪化粧料の原料として好適である。その配合量は、化粧料中0.05~20質量%の範囲が好ましく、0.05~10質量%の範囲がより好ましい。このような量であれば、シリコーンオイルの特徴であるさらさらした軽い感触を有し、配合安定性、化粧持続性に優れた化粧料となる。さらに、後述する任意成分を、1種単独で又は2種以上組み合わせて、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。なお、化合物名を化粧品表示名称又はINCIで記載する場合がある。
【0032】
・水
本発明の化粧料は、さらに水を含み、エマルションの形態であってもよい。水を配合する場合の配合量は、剤系によっても異なるが、化粧料中1~95質量%が好ましく、20~80質量%がより好ましい。
【0033】
・油剤
さらに、シリコーンオイル、炭化水素油、エステル油、グリセライド油、天然動植物油脂類及び半合成油脂、ならびに紫外線吸収剤から選ばれる1種又は2種以上、特には、シリコーンオイル、炭化水素油、エステル油、グリセライド油、及び紫外線吸収剤から選ばれる1種又は2種以上、これらの混合物を含んでいてもよく、これらの油剤をゲル化させたものでもよい。
【0034】
上記油剤としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、固体、半固体、液状、いずれの油剤も使用することができる。
本発明で用いられるシリコーンオイルとしては、例えば、シクロテトラシロキサン(INCI)、シクロペンタシロキサン(INCI)、シクロヘキサシロキサン(INCI)、ジメチコン(INCI)、メチルトリメチコン(INCI)、テトラキストリメチルシロキシシラン、カプリリルメチコン(INCI)、フェニルトリメチコン(INCI)、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(INCI)、ジフェニルジメチコン(INCI)、トリフルオロメチルアルキル(C1-4)ジメチコン、アモジメチコン(INCI)、アミノプロピルジメチコン(INCI)、PCAジメチコン(INCI)等が挙げられる。
【0035】
炭化水素油としては、例えば、直鎖状、分岐状、さらに揮発性の炭化水素油等が挙げられ、具体的には、オレフィンオリゴマー(INCI)、(C13,14)イソパラフィン(INCI)等のイソパラフィン、イソドデカン(INCI)、ウンデカン(INCI)、ドデカン(INCI)、イソヘキサデカン(INCI)、水添ポリイソブテン(INCI:Hydrogenated Polyisobutene)、スクワラン(INCI)、ミネラルオイル(INCI)、ヤシアルカン(INCI)、(C13-15)アルカン(INCI)等のアルカン等が挙げられる。
【0036】
エステル油としては、例えば、アジピン酸ジイソブチル(INCI:Diisobutyl Adipate)、アジピン酸ジヘキシルデシル(表示名称)、アジピン酸ジヘプチルウンデシル(INCI:Diheptylundecyl Adipate)、イソステアリン酸イソステアリル(INCI:Isostearyl Isostearate)等のモノイソステアリン酸n-アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル(INCI:Isocetyl Isostearate)、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(INCI:Trimethylolpropane Triisostearate)、ジエチルヘキサン酸グリコール(INCI:Glycol Diethylhexanoate)、エチルヘキサン酸セチル(INCI:Cetyl Ethylhexanoate)、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン(INCI:Trimethylolpropane Triethylhexanoate)、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(INCI:Pentaerythrityl Tetraethylhexanoate)、オクタン酸セチル(INCI:Cetyl Ethylhexanoate)、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル(INCI:Octyldodecyl Stearoyl Stearate)等のオクチルドデシルエステル、オレイン酸オレイル(INCI:Oleyl Oleate)、オレイン酸オクチルドデシル(INCI:Octyldodecyl Oleate)、オレイン酸デシル(INCI:Decyl Oleate)、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール(INCI:Neopentyl Glycol Diethylhexanoate)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(INCI:Neopentyl Glycol Dicaprate)、リンゴ酸ジイソステアリル(INCI:Diisostearyl Malate)、クエン酸トリエチル(INCI:Triethyl Citrate)、コハク酸ジエチルヘキシル(INCI:Diethylhexyl Succinate)、酢酸アミル(INCI:Amyl Acetate)、酢酸エチル(INCI:Etyl Acetate)、酢酸ブチル(INCI:Butyl Aceetate)、ステアリン酸イソセチル(INCI:Isocetyl Stearate)、ステアリン酸ブチル(INCI:Butyl Stearate)、セバシン酸ジイソプロピル(INCI:Diisopropyl Sebacate)、セバシン酸ジエチルヘキシル(INCI:Diethylhexyl Sebacate)、乳酸セチル(INCI:Cetyl Lactate)、乳酸ミリスチル(INCI:Myristyl Lactate)、イソノナン酸イソノニル(INCI:Isononyl Isononanoate)、イソノナン酸イソトリデシル(INCI:Isotridecyl Isononanoate)、パルミチン酸イソプロピル(INCI:Isopropyl Palmitate)、パルミチン酸エチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Isopalmitate)、パルミチン酸ヘキシルデシル(INCI:Isocetyl Palmitate、Hexyldecyl Palmitate)等のパルミチン酸エステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル(INCI:Cholesteryl Hydroxystearate)、ミリスチン酸イソプロピル(INCI:Isopropyl Myristate)、ミリスチン酸オクチルドデシル(INCI:Octyldodecyl Myristate)、ミリスチン酸ミリスチル(INCI:Myristyl Myristate)等のミリスチン酸エステル、ラウリン酸エチルへキシル(INCI:Ethylhexyl Laurate)、ラウリン酸ヘキシル(INCI:Hexyl Laurate)、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル(INCI:Dioctyldodecyl Lauroyl Glutamate)、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル(INCI:Isopropyl Lauroyl Sarcosinate)等が挙げられる。
【0037】
グリセライド油としては、例えば、トリエチルヘキサノイン(INCI)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(INCI:Caprylic/Capric Triglyceride)、ココグリセリル(INCI)、(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル(INCI:Caprylic/Capric/Succinic Triglyceride)、(カプリル酸/カプリン酸)グリセリズ(INCI)等が挙げられる。
【0038】
また、これらの他にも、目的に応じて下記の油剤を使用することができる。例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、アボガド油(INCI:Persea Gratissima (Avocado) Oil)、アマニ油(INCI:Linum Usitatissimum (Linseed) Seed Oil)、アーモンド油(INCI:Prunus Amygdalus Dulcis (Sweet Almond) Oil)、イボタロウ、エゴマ油(表示名称)、エノ油、オリーブ油(INCI:Olea Europaea (Olive) Fruit Oil)、カカオ脂、カポックロウ、アメリカガヤ油(INCI:Torreya Californica (California Nutmeg) Oil)、コウスイガヤ油(INCI:Cymbopogon Nardus (Citronella) Oil)、カヤ種子油(INCI:Torreya Nucifera Seed Oil)、カルナウバロウ(INCI:Copernicia Cerifera (Carnauba) Wax)、肝油、キャンデリラロウ(INCI:Euphorbia Cerifera (Candelilla) Wax)、精製キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油(INCI:Kyounin Yu)、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油(INCI:Triticum Vulgare (Wheat) Germ Oil)、ゴマ油(INCI:Sesamum Indicum (Sesame) Seed Oil)、コメ胚芽油(INCI:Oryza Sativa (Rice) Germ Oil)、コメヌカ油(INCI:Oryza Sativa (Rice) Bran Oil)、サトウキビロウ(INCI:Saccharum Officinarum (Sugarcane) Wax)、サザンカ油(INCI:Camellia Kissi Seed Oil)、サフラワー油(INCI:Carthamus Tinctorius (Safflower) Seed Oil)、シアバター(INCI:Butyrospermum Parkii (Shea Butter))、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、スクワラン(INCI)、スクワレン(INCI)、セラックロウ、タートル油(INCI:Turtle Oil)、大豆油(INCI:Glycine Soja(Soybean)Oil)、茶実油(INCI:Camellia Sinensis Seed Oil)、ツバキ油(INCI:Camellia Japonica Seed Oil)、月見草油(INCI:Oenothera Biennis (Evening Primrose) Oil)、トウモロコシ胚芽油(INCI:Zea Mays (Corn) Germ Oil)、豚脂(INCI:Lard)、ナタネ油、日本キリ油、コメヌカロウ(INCI:Oryza Sativa (Rice) Bran Wax)、胚芽油、馬脂(INCI:Horse Fat)、パーシック油(表示名称)、パーム油(INCI:Elaeis Guineensis (Palm) Oil)、パーム核油(INCI:Elaeis Guineensis (Palm) Kernel Oil)、ヒマシ油(INCI:Ricinus Communis (Castor) Seed Oil)、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油(INCI:Helianthus Annuus (Sunflower) Seed Oil)、ブドウ種子油(INCI:Vitis Vinifera (Grape) Seed Oil)、ベイベリーロウ、ホホバ種子油(INCI:Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Oil)、マカデミア種子油(INCI:Macadamia Ternifolia Seed Oil)、マカデミアナッツ油(INCI:Macadamia Integrifolia Seed Oil)、ミツロウ(INCI:Beeswax)、ミンク油、メドウフォーム油(INCI:Limnanthes Alba (Meadowfoam) Seed Oil)、綿実油(INCI:Gossypium Herbaceum (Cotton) Seed Oil)、綿ロウ、モクロウ(INCI:Rhus Succedanea Fruit Wax)、モクロウ核油、モンタンロウ(INCI:Montan Wax)、ヤシ油(INCI:Cocos Nucifera (Coconut) Oil)、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油(INCI:Arachis Hypogaea (Peanut) Oil)、ラノリン(INCI:Lanolin)、液状ラノリン(INCI:Lanolin Oil)、還元ラノリン、ラノリンアルコール(INCI)、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール(INCI:Acetylated Lanolin Alcohol)、ラノリン脂肪酸イソプロピル(INCI:Isopropyl Lanolate)、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油(INCI:Egg Oil)等が挙げられる。但し、POEはポリオキシエチレンを意味する。
【0039】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール(INCI)、ミリスチルアルコール(INCI)、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール(INCI)、ベヘニルアルコール(INCI)、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール(INCI)、イソステアリルアルコール(INCI)、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール(INCI)、セトステアリルアルコール、2-デシルテトラデシノール、コレステロール(INCI)、フィトステロール(INCI)、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0040】
これらの油剤を配合する場合の配合量は、剤系によっても異なるが、化粧料中1~98質量%の範囲が好適である。
【0041】
紫外線吸収剤としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、固体、半固体、液状、いずれの紫外線吸収剤も使用することができる。
【0042】
具体的には、ホモサレート(INCI)、オクトクリレン(INCI)、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(INCI:Butyl Methoxydibenzoylmethane)、サリチル酸エチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Salicylate)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(INCI:Diethylamino Hydroxybenzoyl Hexyl Benzoate)、オキシベンゾン-6(INCI:Benzophenone-6)、オキシベンゾン-9(INCI:Benzophenone-9)、オキシベンゾン-1(INCI:Benzophenone-1)、ポリシリコーン-15(INCI)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル(INCI:Ethylhexyl Dimethoxybenzylidene Dioxoimidazolidine Propionate)、オキシベンゾン-2(INCI:Benzophenone-2)、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸(INCI:Terephthalylidene Dicamphor Sulfonic Acid)、エチルヘキシルトリアゾン(INCI)、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル(INCI:Isopentyl Trimethoxycinnamate Trisiloxane)、ドロメトリゾールトリシロキサン(INCI)、ジメチルPABAエチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Dimethyl PABA)、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル(INCI:Isopropyl Methoxycinnamate)、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Methoxycinnamate)、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(INCI:Bis-Ethylhexyloxyphenol Methoxyphenyl Triazine)、オキシベンゾン-3(INCI:Benzophenone-3)、オキシベンゾン-4(INCI:Benzophenone-4)、オキシベンゾン-5(INCI:Benzophenone-5)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(INCI:Phenylbenzimidazole Sulfonic Acid)、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(INCI:Methylene Bis-Benzotriazolyl Tetramethylbutylphenol)、ジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル(INCI:Glyceryl Ethylhexanoate Dimethoxycinnamate)、グリセリルPABA(INCI:Glyceryl PABA)、ジイソプロピルケイ皮酸メチル(INCI:Diisopropyl Methyl Cinnamate)、シノキサート(INCI)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸エチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Dimethoxybenzylidene Dioxoimidazolidine Propionate)等が挙げられる。
【0043】
UVA吸収剤(例えば、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(INCI:Diethylamino Hydroxybenzoyl Hexyl Benzoate)等)と、UVB吸収剤(例えば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(INCI:Ethylhexyl Methoxycinnamat)等)を併用することが可能であり、それぞれを任意に組み合わせることも可能である。紫外線吸収剤を配合する場合の配合量は、剤系によっても異なるが、化粧料中0.1~30質量%が好ましい。
【0044】
・粉体
本発明の化粧料は、さらに粉体を含み、この粉体が分散された、液状、ペースト状、及び固体状のいずれであってもよい。本発明の化粧料は、粉体を含む場合にも、粉体の凝集等の変化がなく、粉体の分散安定性に優れている。また、液状、ペースト状、及び固体状のいずれかの形態であれば、取扱性も良好となり、様々な化粧料に応用することができる。
【0045】
本発明に用いられる粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、1種又は2種以上を用いることもできる。粉体としては、例えば、無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、タール色素、天然色素等が挙げられる。
【0046】
具体的には、無機粉体としては、例えば、酸化チタン(INCI:Tiatanium Dioxide)、酸化ジルコニウム(INCI:Zirconiumu Dioxide)、酸化亜鉛(INCI:Zinc Oxide)、酸化セリウム(INCI:Ceriumu Oxide)、酸化マグネシウム(Magnesium Oxide)、硫酸バリウム(Bariumu Sulfate)、硫酸カルシウム(Calcium Sulfate)、硫酸マグネシウム(Magnesium Sulfate)、炭酸カルシウム(Caluciumu Carbonate)、炭酸マグネシウム(Magnesium Carbonate)、タルク(INCI:Talc)、マイカ(INCI:Mica)、カオリン(INCI:Kaolin)、セリサイト(Sericite)、雲母チタン(Titanate Mica),シリカ(INCI:Silica)含水シリカ(INCI:Hydrated Silica)、ケイ酸アルミニウム(INCI:Aluminum Silicate)、ケイ酸マグネシウム(INCI:Magnesium Silicate)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(INCI:Magnesium Aluminum Silicate)、ケイ酸カルシウム(INCI:Calcium Silicate)、ヒドロキシアパタイト(INCI:Hydoxyapatite)、ベントナイト(INCI:Bentonaite)、モンモリロナイト(INCI:Montmorillonaite)、ヘクトライト(INCI:Hectorite)、ゼオライト(INCI:Zeolite)、アルミナ(INCI:Alumina)、水酸化アルミニウム(Aluminum Hydroxide)、窒化ホウ素(INCI:Boron Nitride)等が挙げられる。
【0047】
有機粉体としては、例えば、ポリアミド(Polyamide)、ポリエステル(Polyester)、ポリエチレン(INCI:Polyethylen)、ポリプロピレン(INCI:Polypropylene)、ポリスチレン(INCI:Polystyrene)、ポリウレタン(Polyurethane)、ポリメタクリ酸メチル((INCI:Polymethyl Methacrylate)、セルロース(INCI:Cellulose)、シルク(Silk)、ナイロン(Nylon)、シリコーン(INCI:Vinyl Dimethicone/Methicone Crosspolymer,Polymethylsilsesquioxane、Vinyl Dimethicone/Methicone Silsesquioxane Crosspolymer、Diphenyl Dimethicone/Vinyl Diphenyl Dimethicone/Silsesquioxane Crosspolymer,Polysilicone-1 Crosspolymer,Polysilicone-22)等が挙げられる。
【0048】
界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、例えば、ステアリン酸亜鉛(INCI:ZincStearate)、ステアリン酸アルミニウム(Aluminium Stearate)、ステアリン酸カルシウム(Calcium Stearate)、ステアリン酸マグネシウム(Magnesium Stearate)、ミリスチン酸亜鉛(INCI:Zinc Myristate)、ミリスチン酸マグネシウム(Magnesium Myristate)等が挙げられる。
【0049】
有色顔料としては、酸化鉄(INCI:Iron Oxide)、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄(Yellow Oxide of Iron)、黄土(INCI:Yellow Ocher)等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄(Black Oxide of Iron)、カーボンブラック(INCI:Carbon Black)等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット(INCI:Manganese Violet)等の無機紫色顔料、水酸化クロム(INCI:Chromium Hydroxide Green)、酸化クロム(INCI:Chromium Oxide Green)、チタン酸コバルト(INCI:Cobalt Titanium Oxide)等の無機緑色顔料、紺青(Iron Blue)、群青(Ultramarine)等の無機青色系顔料、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。
【0050】
パール顔料としては、例えば、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられる。
【0051】
金属粉末顔料としては、例えば、アルミニウム(Aluminium)パウダー、カッパーパウダー(INCI:Copper Powder)等が挙げられる。
タール色素としては、赤色3号(Erythrosine)、赤色104号(Phloxine B)、赤色106号(Acid red)、赤色201号(Lithol rubine B)、赤色202号(Lithol rubine BCA)、赤色204号(Lake red CBA)、赤色205号(Lithol red)、赤色220号(Deep maroon)、赤色226号(Helindone pink CN)、赤色227号(Fast acid magenta)、赤色228号(Parmatone red)、赤色230号(Eosine YS)、赤色401号(Violamine R)、赤色505号(Oil red XO)、黄色4号(Tartrazin)、黄色5号(Sunset yellow FCF)、黄色202号(Uranine K)、黄色203号(Quinolin yellow WS)、黄色204号(Quinolin yellow SS)、黄色401号(Hanza yellow)、青色1号(Brilliant blue FCF)、青色2号(Indigo carmine)、青色201号(Indigo)、青色404号(Phtalocyanine blue)、緑色3号(Fast green FCF)、緑色201号(Alizanine cyanine green F)、緑色204号(Pyranine conc)、緑色205号(Light green SF yellowish)、橙色201号(Dibromofluorescein)、橙色203号(Parmanent orange)、橙色204号(Benzidine orange G)、橙色206号(Diiodofluorescein)、橙色207号(Erlthrosine yellouwish NA)等が挙げられる。
【0052】
天然色素としては、例えば、コチニール(Cochineal)、ラッカイン酸(INCI:Laccaic Acid)、カルサミン(Carthamin)、ブラジリン(Brazilin)、クロシン(Crocin)等が挙げられる。
【0053】
また、これらの粉体は、粉体を複合化したものや、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができ、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有するアルキル基で処理したもの、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有する直鎖状及び/又は分岐状のオルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有し長鎖アルキルで共変性された直鎖状及び/又は分岐状オルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有し、ポリオキシアルキレンで共変性された直鎖状及び/又は分岐状オルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基やケイ素原子に直接結合した水素原子を有するアクリル-シリコーン系共重合体等も、必要に応じて用いることができる。
【0054】
・分子構造中にアルコール性水酸基を有する化合物
本発明の化粧料には、その目的に応じて、1種単独で又は2種以上の分子構造中にアルコール性水酸基を有する化合物を配合することができる。本発明において添加することのできるアルコール性水酸基を有する化合物としては、例えば、エタノール(INCI:Alcohol)、イソプロパノール(INCI:Isopropyl Alcohol)等の低級アルコール、ソルビトール(INCI)、マルトース(INCI)等の糖アルコール等があり、コレステロール(INCI)、シトステロール(INCI:Beta-Sitosterol)、フィトステロール(INCI)、ラノステロール(INCI)等のステロール、ブチレングリコール(INCI)、プロピレングリコール(INCI)、ジブチレングリコール、ペンチレングリコール(INCI)等の多価アルコール等がある。分子構造中にアルコール性水酸基を有する化合物を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~98質量%の範囲が好ましい。
【0055】
・水溶性又は水膨潤性高分子化合物
本発明の化粧料には、その目的に応じて、1種又は2種以上の水溶性又は水膨潤性高分子化合物を配合することができる。例えば、アラビアゴム(INCI:Acacia Senegal Gum)、トラガカントゴムノキガム(INCI:Astragalus Gummifer Gum)、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム(INCI:Cyamopsis Tetragonoloba (Guar) Gum)、カラヤガム(INCI:Sterculia Urens Gum)、カラギーナン(INCI:Chondrus Crispus (Carrageenan))、ペクチン(INCI)、寒天(INCI:Agar)、クインスシード(マルメロ)(INCI:Pyrus Cydonia Seed)、コメデンプン(INCI:Oryza Sativa (Rice) Starch)、コムギデンプン(INCI:Triticum Vulgare (Wheat) Starch)、バレイショデンプン(INCI:Solanum Tuberosum (Potato) Starch)、トウモロコシデンプン、アルゲコロイド、トラントガム(INCI:Astragalus Gummifer Gum)、ローカストビーンガム等の植物系高分子化合物、キサンタンガム(INCI)、デキストラン(INCI)、サクシノグリカン(INCI)、プルラン(INCI)等の微生物系高分子化合物、コラーゲン(INCI)、カゼイン(INCI)、アルブミン(INCI)、ゼラチン(INCI)等の動物系高分子化合物、カルボキシメチルデンプンNa(INCI:Sodium Carboxymethyl Starch)、ヒドロキシプロピルデンプン(INCI:Hydroxypropyl Starch)等のデンプン系高分子化合物、メチルセルロース(INCI)、エチルセルロース(INCI)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(INCI)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(INCI)、ニトロセルロース(INCI)、セルロース硫酸ナトリウム(INCI:Sodium Cellulose Sulfate)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース(INCI:Microcrystalline Cellulose)、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム(INCI:Algin)、アルギン酸プロピレングリコールエステル(INCI:Propylene Glycol Alginate)等のアルギン酸系高分子化合物、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子化合物、ポリオキシエチレン系高分子化合物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子化合物、ポリアクリル酸ナトリウム(INCI:Sodium Polyacrylate)、ポリエチルアクリレート(INCI:Polyethylacrylate)、ポリアクリルアミド(INCI)、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等他の合成水溶性高分子、ベントナイト(INCI)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(INCI:Magnesium Aluminum Silicate)、モンモリロナイト(INCI)、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト(INCI)、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等がある。また、これらの水溶性高分子化合物には、ポリビニルアルコール(INCI)やポリビニルピロリドン(INCI)等の皮膜形成剤も含まれる。水溶性又は水膨潤性高分子化合物を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~25質量%の範囲が好ましい。
【0056】
本発明の化粧料には、その目的に応じて、1種又は2種以上の界面活性剤を配合することができる。界面活性剤としては、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。
【0057】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物塩、アルカンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N-アシル乳酸塩、N-アシルサルコシン塩、N-アシルアミノ酸系活性剤等;カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0058】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、直鎖又は分岐状ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖状又は分岐状のポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖状又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられ、両性界面活性剤としては、ベタイン、ホスファチジルコリン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アミドアミン型等が挙げられる。
【0059】
これらの界面活性剤の中でも、分子中にポリオキシアルキレン鎖又はポリグリセリン鎖を有する直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサン、又はさらに炭素数6~20の長鎖アルキル基を有する直鎖又は分岐状オルガノポリシロキサンであることが好ましい。また、これらの界面活性剤において、親水性のポリオキシアルキレン基又はポリグリセリン残基の含有量が、分子中の10~70質量%を占めることが好ましい。界面活性剤を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~20質量%が好ましく、0.2~10質量%がより好ましい。
【0060】
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上のシリコーン樹脂を用いることもできる。このシリコーン樹脂はアクリル/シリコーングラフト又はブロック共重合体のアクリルシリコーン樹脂であることが好ましい。また、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、カルボン酸等のアニオン部分の中から選択される1種以上を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂を使用することもできる。
【0061】
さらにこのシリコーン樹脂はR1s 3SiO1/2単位とSiO4/2単位から構成される樹脂、R1s 3SiO1/2単位とR1s 2SiO2/2単位及びSiO4/2単位から構成される樹脂、R1s 3SiO1/2単位とR1sSiO3/2単位から構成される樹脂、R1s 3SiO1/2単位とR1s 2SiO2/2単位及びR1sSiO3/2単位から構成される樹脂、R1s 3SiO1/2単位、R1s 2SiO2/2単位、R1sSiO3/2単位及びSiO4/2単位から構成される樹脂からなるシリコーン網状化合物であることが好ましい(なお、R1sは有機基を示す)。また、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、アミノ部分の中から選択される1種以上を分子中に含有するシリコーン網状化合物使用することもできる。シリコーン樹脂を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~20質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましい。
【0062】
本発明の化粧料には、その目的に応じて、1種又は2種以上の架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物を配合することができる。この架橋型オルガノポリシロキサンは、自重以上の液状油を含んで膨潤することが好ましい。液状油としては、例えば、上述の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油、フッ素系油等を用いることができ、例えば、JIS Z 8803:2011記載のオストワルド粘度計により測定した25℃における動粘度が0.65mm2/s~100.0mm2/sである低粘度シリコーン油、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油、トリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N-アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油等の天然動植物油が挙げられる。また、この架橋型オルガノポリシロキサンの架橋剤は、分子中に2つ以上のビニル性反応部位を持ち、かつ、ケイ素原子に直接結合した水素原子との間で反応することにより、架橋構造を形成することが好ましい。分子中に2つ以上のビニル性反応部位を持つものとしては、分子中に2つ以上のビニル基を有するオルガノポリシロキサン、分子中に2つ以上のアリル基を有するポリオキシアルキレン、分子中に2つ以上のアリル基を有するポリグリセリン、α,ω-アルケニルジエン等が挙げられる。
【0063】
また、ポリオキシアルキレン部分、ポリグリセリン部分、長鎖アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、及びフルオロアルキル部分からなる群から選択される少なくとも1種を架橋分子中に含有する架橋型オルガノポリシロキサンを使用することもできる。架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物を配合する場合の配合量は、化粧料中0.1~80質量%が好ましく、1~50質量%がより好ましい。
【0064】
本発明の化粧料には、その目的に応じて、1種又は2種以上のシリコーンワックスを配合することができる。シリコーンワックスはα-オレフィンとジエンからなる不飽和基を有するオレフィンワックスと、1分子1個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させることによって得られるシリコーン変性オレフィンワックスである。オレフィンワックスのα-オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン等の炭素原子数2~12のα-オレフィンが好ましく、ジエンとしてはブタジエン、イソプレン、1,4-ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエンが好ましい。ヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは直鎖状やシロキサン分岐型等の構造のものが使用できる。
【0065】
さらに本発明の化粧料には、通常の化粧料に使用される成分、例えば、油溶性ゲル化剤、樹脂、制汗剤、保湿剤、防菌防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン、アミノ酸、核酸、ホルモン、毛髪用固形化剤等を添加することができる。
【0066】
油溶性ゲル化剤としては、例えば、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート(INCI:Magnesium Stearate)、ジンクミリステート(INCI:Zinc Myristate)等の金属セッケン、N-ラウロイル-L-グルタミン酸(INCI:Lauroyl Glutamic Acid)、α,γ-ジ-n-ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル(INCI:Dextrin Palmitate)、デキストリンステアリン酸エステル(INCI:Dextrin Stearate)、デキストリン2-エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル(INCI:Dextrin Palmitate/Ethylhexanoate)等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル(INCI:Sucrose Palmitate)、ショ糖ステアリン酸エステル(INCI:Sucrose Stearate)等のショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2-エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等から選ばれるゲル化剤が挙げられる。本発明の化粧料においては、これら油溶性ゲル化剤を配合しなくとも、十分な効果を得ることができる。
【0067】
制汗剤としては、例えば、アルミニウムクロロハイドレート(INCI:Aluminum Chlorohydrate)、塩化アルミニウム(INCI:Aluminum Chloride)、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等が挙げられる。
【0068】
保湿剤としては、例えば、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファジチルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等が挙げられる。
【0069】
防菌防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸(INCI:Benzoic Acid)、安息香酸ナトリウム(INCI:Sodium Benzoate)、ソルビン酸(INCI:Sorbic Acid)、ソルビン酸カリウム(INCI:Potassium Sorbate)、フェノキシエタノール(INCI)等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸(INCI)、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール(INCI)、ヘキサクロロフェン(INCI)、塩化ベンザルコニウム(INCI)、塩化クロルヘキシジン(INCI:Chlorhexidine Dihydrochloride)、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0070】
香料としては、例えば、天然香料及び合成香料が挙げられる。天然香料としては花、葉、材、果皮等から分離した植物性香料;ムスク、シベット等の動物性香料が挙げられる。合成香料としてはモノテルペン等の炭化水素類;脂肪族アルコール、芳香族アルコール等のアルコール類;テルペンアルデヒド、芳香族アルデヒド等のアルデヒド類;脂環式ケトン等のケトン類;テルペン系エステル等のエステル類;ラクトン類;フェノール類;オキサイド類;含チッソ化合物類;アセタール類等が挙げられる。
【0071】
塩類としては、無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩等が挙げられる。無機塩としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば酢酸(INCI:Acetic Acid)、デヒドロ酢酸(INCI:Dehydroacetic Acid)、クエン酸(INCI:Citric Acid)、リンゴ酸(INCI:Malic Acid)、コハク酸(INCI:Succinic Acid)、アスコルビン酸(INCI:Ascorbic Acid)、ステアリン酸(INCI:Stearic Acid)等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン(INCI:Triethanolamine)等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等がある。また、その他、ヒアルロン酸(INCI:Hyaluronic Acid)、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、さらには、化粧品処方の中で使用される酸-アルカリの中和塩等も使用することができる。
【0072】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール(INCI)、p-t-ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール(INCI)、ジブチルヒドロキシトルエン(INCI)、フィチン酸等、pH調整剤としては、乳酸(INCI:Lactic Acid)、クエン酸(INCI:Citric Acid)、グリコール酸(INCI:Glycolic Acid)、コハク酸(INCI:Citric Acid)、酒石酸(INCI:Tartaric Acid)、dl-リンゴ酸(INCI:Malic Acid)、炭酸カリウム(INCI:Potassium Carbonate)、炭酸水素ナトリウム(INCI:Sodium Bicarbonate)、炭酸水素アンモニウム(INCI:Ammonium Bicarbonate)等、キレート剤としては、アラニン(INCI)、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム(INCI:Sodium Polyphosphate)、メタリン酸ナトリウム(INCI:Sodium Metaphosphate)、リン酸等、清涼剤としては、L-メントール、カンフル等、抗炎症剤としては、アラントイン(INCI)、グリチルリチン酸(INCI:Glycyrrhizic Acid)及びその塩、グリチルレチン酸(INCI:Glycyrrhetinic Acid)及びグリチルレチン酸ステアリル(INCI:Stearyl Glycyrrhetinate)、トラネキサム酸、アズレン(INCI)等が挙げられる。
【0073】
美肌用成分としては、例えば、胎盤抽出液、アルブチン(INCI)、グルタチオン(INCI)、ユキノシタ抽出物(INCI:Saxifraga Sarmentosa Extract)等の美白剤、ロイヤルゼリー(INCI)、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル(INCI:Benzyl Nicotinate)、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン(INCI)、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール(INCI)、カフェイン(INCI)、タンニン酸(INCI:Tannic Acid)、α-ボルネオール(INCI)、ニコチン酸トコフェロール(INCI:Tocopheryl Nicotinate)、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール(INCI)等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0074】
ビタミンとしては、例えば、ビタミンA油、レチノール(INCI)、酢酸レチノール(INCI:Retinyl Acetate)、パルミチン酸レチノール(INCI:Retinyl Palmitate)等のビタミンA類、リボフラビン(INCI)、酪酸リボフラビン(INCI:Riboflavin Tetrabutyrate)、フラビンアデニンヌクレオチド(INCI:Disodium Flavine Adenine Dinucleotide)等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート(INCI:Pyridoxine Tripalmitate)等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L-アスコルビン酸(INCI:Ascorbic Acid)、L-アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-硫酸ナトリウム(INCI:Disodium Ascorbyl Sulfate)、L-アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール(INCI)、コレカルシフェロール(INCI)等のビタミンD類、α-トコフェロール(INCI)、β-トコフェロール(INCI)、γ-トコフェロール(INCI)、酢酸dl-α-トコフェロール(INCI:Tocopheryl Acetate)、ニコチン酸dl-α-トコフェロール(INCI:Tocopheryl Nicotinate)、コハク酸dl-α-トコフェロール(INCI:Tocopheryl Succinate)等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等が挙げられる。
【0075】
アミノ酸としては、例えば、グリシン(INCI)、バリン(INCI)、ロイシン(INCI)、イソロイシン(INCI)、セリン(INCI)、トレオニン(INCI)、フェニルアラニン(INCI)、アルギニン(INCI)、リジン(INCI)、アスパラギン酸(INCI:Aspartic Acid)、グルタミン酸(INCI:Glutamic Acid)、シスチン(INCI)、システイン(INCI)、メチオニン(INCI)、トリプトファン(INCI)等、核酸としては、デオキシリボ核酸等、ホルモンとしては、エストラジオール(INCI)、エテニルエストラジオール(INCI)等が挙げられる。
【0076】
毛髪固定用高分子化合物としては、例えば、両性、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各高分子化合物が挙げられ、ポリビニルピロリドン(INCI)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(INCI)等の、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物、N-メタクリロイルエチル-N、N-ジメチルアンモニウム・α-N-メチルカルボキシベタイン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物が挙げられる。また、セルロース又はその誘導体、ケラチン及びコラーゲン又はその誘導体等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0077】
本発明においての化粧料の形態としては、粉体、油性、油中水型エマルション、水中油型エマルション、非水エマルション、W/O/WやO/W/O等のマルチエマルション等の形態が挙げられる。
【0078】
化粧料としては、リキッド、マッサージ料、美容液、美容オイル、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム、しわ隠し等のスキンケア化粧料、メイクアップ下地、コンシーラー、白粉、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、油性ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメイクアップ化粧料、シャンプ-、リンス、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料、制汗剤、日焼け止めオイルや日焼け止め乳液、日焼け止めクリーム等の紫外線防御化粧料等が挙げられる。
【0079】
特に、水を含み、エマルションの形態であるものは、メイクアップ下地、リキッドファンデーション、日焼け止め乳液、日焼け止めクリーム等として好適である。
【0080】
またこれらの化粧料の形状としては、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状、ペンシル状等、種々の形状を選択することができる。本発明の化粧料が粉体を含む場合には、取扱性が良好である点から、粉体が分散された、液状、ペースト状、及び固体状のいずれかの形状であることが好ましい。
【実施例0081】
以下、合成例、比較合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%を示す。なお、以下、オルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物の例を合成例、合成比較例、化粧料の例を実施例、比較例で示す。
【0082】
[合成例1]
γ-シクロデキストリンを110℃で2時間乾燥させたもの10gと、N-メチルピロリドン120gとを80℃で加熱溶解した後、トリエチルアミン0.5g、ヘキサメチレンジイソシアネート2.5gを添加し、100℃で3時間攪拌反応させた。その後、下記一般式(10)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン29.2gを滴下した。
【化17】
110℃で3時間攪拌反応させた後、反応液を水500g中に攪拌しながら添加し、生じた析出物を濾別し、さらに水300gで2回洗浄、水/メタノール=1/1(重量)溶液300gで2回洗浄した後、乾燥したところ、白色固体33.9g(収率81.3%)を得た。これを、1H-NMRで水酸基の置換モル比を測定したところ、下記式(11)の糖単位のRにおいて、水素原子:下記式(11-1)で表される1価の基:下記式(11-2)で表される2価の基/の比が1.61:1.15:0.24であるオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を得た。
【化18】
(式中、*は他の糖単位の水酸基と結合する結合手を示す。)
【0083】
[合成例2]
β-シクロデキストリンを110℃で2時間乾燥させたもの10gと、N-メチルピロリドン120gとを80℃で加熱溶解した後、トリエチルアミン0.5g、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート6.17gを添加し、100℃で3時間攪拌反応させた。その後、上記一般式(10)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン40.9gを滴下した。
110℃で3時間攪拌反応させた後、反応液を水500g中に攪拌しながら添加し、生じた析出物を濾別し、さらに水300gで2回洗浄、水/メタノール=1/1(重量)溶液300gで2回洗浄した後、乾燥したところ、白色固体46.8g(収率82.0%)を得た。これを、1H-NMRで水酸基の置換モル比を測定したところ、上記式(11)の糖単位のRにおいて、水素原子:上記式(11-1)で表される1価の基:下記式(11-3)で表される2価の基の比が1.11:1.51:0.38であるオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を得た。
【化19】
(式中、*は他の糖単位の水酸基と結合する結合手を示す。)
【0084】
[合成例3]
ヘキサメチレンジイソシアネート15gに、下記一般式(12)で表される化合物48.1gを添加し、70℃で1時間反応させることにより、下記一般式(13)で表されるプレポリマー63.0gを得た。
【化20】
【0085】
次いで、γ-シクロデキストリンを110℃で2時間乾燥させたもの6gと、N-メチルピロリドン100gとを80℃で加熱溶解した後、トリエチルアミン0.5g、上記式(13)のプレポリマー6.3gを添加し、100℃で3時間攪拌反応させた。その後、上記一般式(10)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン25.3gを滴下した。
110℃で3時間攪拌反応させた後、反応液を水500g中に攪拌しながら添加し、生じた析出物を濾別し、さらに水300gで2回洗浄、水/メタノール=1/1(重量)溶液300gで2回洗浄した後、乾燥したところ、白色固体32.0g(収率85%)を得た。これを、1H-NMRで水酸基の置換モル比を測定したところ、上記式(11)の糖単位のRにおいて、水素原子:上記式(11-1)で表される1価の基:下記式(11-4)で表される2価の基の比が1.46:1.43:0.11であるオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を得た。
【化21】
(式中、*は他の糖単位の水酸基と結合する結合手を示す。)
【0086】
[合成例4]
γ-シクロデキストリンを110℃で2時間乾燥させたもの6gと、N-メチルピロリドン100gとを80℃で加熱溶解した後、トリエチルアミン0.5g、上記式(13)のプレポリマー18.9gを添加し、100℃で3時間攪拌反応させた。その後、上記一般式(10)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン7.2gを滴下した。
110℃で3時間攪拌反応させた後、反応液を水500g中に攪拌しながら添加し、生じた析出物を濾別し、さらに水300gで2回洗浄、水/メタノール=1/1(重量)溶液300gで2回洗浄した後、乾燥したところ、白色固体26g(収率81.0%)を得た。これを、1H-NMRで水酸基の置換モル比を測定したところ、上記式(11)の糖単位のRにおいて、水素原子:上記式(11-1)で表される1価の基:上記式(11-4)で表される2価の基の比が2.20:0.45:0.35であるオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を得た。
【0087】
[合成例5]
α-シクロデキストリンを110℃で2時間乾燥させたもの10gと、N-メチルピロリドン120gを80℃で加熱溶解した後、トリエチルアミン0.5g、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート3.85gを添加し、100℃で3時間攪拌反応させた。その後、下記一般式(14)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン17.4gを滴下した。
【化22】
110℃で3時間攪拌反応させた後、反応液を水500g中に攪拌しながら添加し、生じた析出物を濾別し、さらに水300gで2回洗浄、水/メタノール=1/1(重量)溶液300gで2回洗浄した後、乾燥したところ、白色固体25.7g(収率82.3%)を得た。 これを、1H-NMRで水酸基の置換モル比を測定したところ、上記式(11)の糖単位のRにおいて、水素原子:下記式(11-5)で表される1価の基:上記式(11-3)で表される2価の基の比が1.06:1.71:0.23であるオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を得た。
【化23】
【0088】
[比較合成例1]
γ-シクロデキストリンを110℃で2時間乾燥させたもの10gと、N-メチルピロリドン120gとを80℃で加熱溶解した後、トリエチルアミン0.5gを添加し、その後、上記一般式(10)で表されるイソシアネート基含有オルガノポリシロキサン29.2gを滴下した。
110℃で3時間攪拌反応させた後、反応液を水500g中に攪拌しながら添加し、生じた析出物を濾別し、さらに水300gで2回洗浄、水/メタノール=1/1(重量)溶液300gで2回洗浄した後、乾燥したところ、白色固体34.2g(収率85.1%)を得た。これを、1H-NMRで水酸基の置換モル比を測定したところ、上記式(11)の糖単位のRにおいて、水素原子/上記式(11-2)で表される1価の基の比が1.90/1.10であるオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を得た。
【0089】
[比較合成例2]
γ-シクロデキストリンを110℃で2時間乾燥させたもの6gと、N-メチルピロリドン100gとを80℃で加熱溶解した後、トリエチルアミン0.5g、上記式(13)のプレポリマー30.2gを添加し、100℃で3時間攪拌反応させた後、反応液を水500g中に攪拌しながら添加し、生じた析出物を濾別し、さらに水300gで2回洗浄、水/メタノール=1/1(重量)溶液300gで2回洗浄した後、乾燥したところ、白色固体36.7g(収率84.5%)を得た。これを、1H-NMRで水酸基の置換モル比を測定したところ、上記式(11)の糖単位のRにおいて、水素原子:上記式(11-4)で表される2価の基の比が2.49:0.51であるオルガノポリシロキサン変性シクロデキストリン化合物を得た。
【0090】
合成例1~5、比較合成例1~2で得られたオルガノポリシロキサン変性されたシクロデキストリン化合物を、デカメチルシクロペンタシロキサン又はイソドデカンに10質量%になるように配合し、100℃にて3時間攪拌後、室温下で目視にて確認した。ゲル化(増粘)性について表1に示した。
【0091】
【表1】
【0092】
合成例1~5はいずれも、100℃にて溶解し室温下では流動性なくゲル化していた。一方比較合成例1では、100℃で溶解後、室温下ではゲル化せず溶解した状態、比較合成例2では100℃で溶解せず、室温下でも溶解しない状態であった。
【0093】
[実施例、比較例(安定性評価)]
成分(1)、(3)、(4)~(9)を混合し均一分散した後、(2)を徐々に添加し混合した。これに、成分(10)、(11)及び(12)を溶解した成分を穏やかに加え乳化し、表2で示した組成の油中水型乳化物を得た。得られた油中水型乳化物をガラス瓶に充填し、50℃・7日後の外観を目視、及び乳化初期との粘度変化にて経時安定性を評価した。なお、粘度は25℃、BM型粘度計(東機産業(株)製)(ローターNo3又はNo4、30rpm、1分)にて測定した。なお、表中の配合量は、記載の配合製品の配合量である(以下、同様)。
【表2】
(注1)信越化学工業(株)製:KF-6017(INCI:PEG-10 DIMETHICOME)
(注2)信越化学工業(株)製:KF-96A-6cs(INCI:DIMETHICONE)
【0094】
実施例1~4は、50℃・7日後でも乳化物の分離がなく、粘度変化なく経時安定性に優れているのに対して、ゲル化剤を添加していない比較例1、比較合成例1,2を用いた比較例2,3では、初期粘度が低く、乳化物の分離がみられ、低粘度になってしまい、経時安定性に劣っていた。以下、本発明のオルガノポリシロキサン変性されたシクロデキストリン化合物含む化粧料の実施例を示す。
【0095】
[実施例5;W/O型乳液]
(成分) (質量部)
1.合成例1で得られた化合物 2.0
2.ジメチルポリシロキサン(動粘度;6mm2/s) 16.0
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 18.8
4.トリオクタン酸グリセリル 5.0
5.ポリエーテル変性シリコーン(注3) 3.0
6.1,3-ブタンジオール 5.0
7.防腐剤 0.1
8.香料 0.1
9.精製水 50.0
合計 100.0
(注3)信越化学工業(株)製 KF-6017(INCI:PEG-10 DIMETHICOME)
(製造方法)
a:成分1、3、5を混合し、80℃で溶解したのち、2、4を加え攪拌混合した。
b:成分6~9を均一に混合した後、aに加えて攪拌混合して乳化物を得た。
(結果)
このようにして得られた乳液は、油っぽさ、べたつきがなく、さらさらした感触で、化粧もちも良く、安定性に優れるW/O型乳液であった。
【0096】
[実施例6;W/O型クリーム]
(成分) (質量部)
1.合成例3で得られた化合物 0.5
2.ジメチルポリシロキサン(動粘度;6mm2/s) 12.0
3.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注4) 2.0
4.ポリエーテル変性分岐型シリコーン(注5) 0.5
5.ジプロピレングリコール 10.0
6.クエン酸ナトリウム 0.2
7.エタノール 5.0
8.防腐剤 0.1
9.香料 0.1
10.精製水 69.6
合計 100.0
(注4)信越化学工業(株)製 KSG-210(INCI:DIMETHYCONE/PEG-10/15 CROSSPOLYMER)
(注5)信越化学工業(株)製 KF-6028(INCI:PEG-9 POLYDIMETHYLSILOXYETHYL DIMETHICONE)
(製造方法)
a:成分1、2、3を混合し、80℃で溶解したのち、3を加え攪拌混合した。
b:成分5~10を均一に混合した後、aに加え攪拌混合して乳化物を得た。
(結果)
このようにして得られたクリームは、油っぽさ、べたつきがなく、さらさらした感触で、化粧もちも良く、安定性に優れる、W/O型クリームであった。
【0097】
[実施例7;W/O型クリームファンデーション]
(成分) (質量部)
1.合成例3で得られた化合物 1.0
2.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注6) 3.0
3.ポリエーテル変性シリコーン(注7) 1.0
4.ジメチルポリシロキサン(動粘度;6mm2/s) 3.0
5.デカメチルペンタシロキサン 9.0
6.トリオクタン酸グリセリル 5.0
7.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 2.0
8.球状ポリメチルシルセスキオキサン粉体(注8) 1.5
9.ポリグリセリンアルキル共変性分岐型シリコーン(注9) 2.0
10.シリコーン処理酸化チタン(注10) 6.9
11.シリコーン処理赤酸化鉄(注11) 0.38
12.シリコーン処理黄酸化鉄(注12) 0.6
13.シリコーン処理クロ酸化鉄(注13) 0.12
14.ペンチレングリコール 5.0
15.塩化ナトリウム 0.5
16.防腐剤 0.1
17.香料 0.1
15.精製水 58.8
合計 100.0
(注6)信越化学工業(株)製 KSG-210(INCI:DIMETHYCONE/PEG-10/15 CROSSPOLYMER)
(注7)信越化学工業(株)製 KF-6017P(INCI:PEG-10 DIMETHICOME)
(注8)信越化学工業(株)製 KMP-590(INCI:POLYMETHYLSILSESQUIOXANE)
(注9)信越化学工業(株)製 KF-6105(INCI:LAURYL POLYGLYCERYL-3 POLYDIMETHYLSILOXYETHYL DIMETICONE)
(注10)信越化学工業(株)製 KTP-09W(INCI:TITANIUM DIOXIDE,ALUMINUM HYDROXIDE,TRIETHOXYSILYLETHYL POLYDIMETHYLSILOXYETHYL HEXYL DIMETICONE)
(注11)信越化学工業(株)製 KTP-09R(INCI:IRON OXIDES,TRIETHOXYSILYLETHYL POLYDIMETHYLSILOXYETHYL HEXYL DIMETICONE)
(注12)信越化学工業(株)製 KTP-09Y(INCI:IRON OXIDES,TRIETHOXYSILYLETHYL POLYDIMETHYLSILOXYETHYL HEXYL DIMETICONE)
(注13)信越化学工業(株)製 KTP-09B(INCI:IRON OXIDES,TRIETHOXYSILYLETHYL POLYDIMETHYLSILOXYETHYL HEXYL DIMETICONE)
(製造方法)
a:成分1、3、4及び5の一部を混合し、80℃で混合した後、3、6~8を加え、攪拌混合した。
b:成分9~13、5の残部を攪拌混合した。
c:成分14~16、18を均一に混合した。
d:cをaに加えて攪拌混合して乳化を行った。
e:成分17及びbをdに加えて攪拌混合した。
(結果)
このようにして得られたクリームファンデーションは、油っぽさ、べたつきがなく、さらさらした感触で、化粧もちも良く、安定性に優れるW/O型クリームファンデーションであった。
【0098】
[実施例8;クリームアイカラー]
(成分) (質量部)
1.合成例4で得られた化合物 2.0
2.ポリエーテル変性分岐型シロキサン(注14) 2.0
3.ジメチルポリシロキサン(動粘度;6mm2/s) 6.5
4.デカメチルペンタシロキサン 26.6
5.トリエチルヘキサノイン 6.0
6.有機変性ベントナイト 1.2
7.アクリレート/ジメチルシリコーン共重合体(注15) 1.5
8.トリエトキシカプリルシラン処理顔料(注16) 5.0
9.ジプロピレングルコール 5.0
10.クエン酸ナトリウム 0.2
11.防腐剤 0.1
12.香料 0.1
13.精製水 43.8
合計 100.0
(注14)信越化学工業(株)製 KF-6028(INCI:PEG-9 POLYDIMETHYLSILOXYETHYL DIMETHICONE)
(注15)信越化学工業(株)製 KP-575(INCI:ACRYLATES/ETHYLHEXYL ACRYLATE/DIMETHICONE METHACRYLATE COPOLYMER)
(注16)信越化学工業(株)製 AES-3083(INCI:TRIETHOXYCAPRYLSILANE)処理顔料
(製造方法)
a:成分1、2,4の一部、6を80℃で混合した後、3、5を加え攪拌混合した。
b:成分9~11、及び13を攪拌混合した。
c:成分7、8、及び4の残部を均一に混合した。
d:bをaに加えて攪拌混合して乳化を行った。
e:成分12及びcをdに加えて攪拌混合した。
(結果)
このようにして得られたクリームアイカラーは、油っぽさ、べたつきがなく、さらさらした感触で、化粧もちも良く、安定性に優れるクリームアイカラーであった。
【0099】
[実施例9;サンカットクリーム]
(成分) (質量部)
1.トリエトキシアルキルシリコーン処理酸化亜鉛(注17) 20.0
2.アルキル・ポリグリセリン共変性シリコーン(注18) 12.0
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
4.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 8.0
5.架橋型アルキルポリエーテル共変性シリコーン(注19) 2.0
6.合成例3で得られた化合物 1.0
7.アルキル・ポリエーテル共変性分岐シリコーン(注20) 1.0
8.メトキシ桂皮酸オクチル 3.0
9.クエン酸ナトリウム 0.2
10.ジプロピレングリコール 3.0
11.防腐剤 0.1
12.香料 0.1
13.精製水 29.6
合計 100.0
(注17)信越化学工業(株)製 KF-9909(INCI:TRIETHOXYSILYLETHYL POLYDIMETHYLSILOXYETHYL HEXYL DIMETICONE)処理酸化亜鉛
(注18)信越化学工業(株)製 KF-6105(INCI:LAURYL POLYGLYCERYL-3 POLYDIMETHYLSILOXYETHYL DIMETICONE)
(注19)信越化学工業(株)製 KSG-310(INCI:PEG-15/LAURYL DIMETHICONE CROSSPOLYMER)
(注20)信越化学工業(株)製 KF-6038(INCI:LAURYL PEG-9 POLYDIMETHYLSILOXYETHYL DIMETHICONE)
(製造方法)
a:成分3の一部、及び4~8を80℃に加熱し均一に攪拌混合した。
b:成分9~11、及び13を混合した。
c:成分1~2、及び3の残部を混合した。
d:bをaに加えて攪拌混合して乳化を行った。
e:c及び成分12をdに加えて攪拌混合した。
(結果)
このようにして得られたサンカットクリームは、油っぽさ、べたつきがなく、さらさらした感触で、化粧もちも良く、安定性に優れる サンカットクリームであった。
【0100】
[実施例10;サンカット乳液]
(成分) (質量部)
1.架橋型変性シリコーン(注21) 4.0
2.合成例2で得られた化合物 1.0
3.ジメチルポリシロキサン(動粘度;6mm2/s) 6.0
4.トリオクタン酸グリセリル 2.0
5.ポリエーテル変性シリコーン(注22) 1.0
6.酸化チタン/デカメチルシクロペンタシロキサン分散物(注23) 30.0
7.酸化亜鉛/デカメチルシクロペンタシロキサン分散物(注24) 30.0
8.ジプロピレングリコール 3.0
9.クエン酸ナトリウム 0.2
10.防腐剤 0.1
11.香料 0.1
12.精製水 22.6
合計 100.0
(注21)信越化学工業(株)製 KSG-15(INCI:DIMETHICONE/VINYL DIMETHICONE CROSSPOLYMER)
(注22)信越化学工業(株)製 KF-6017(INCI:PEG-10 DIMETHICOME)
(注23)信越化学工業(株)製 SPD-T5(INCI:CYCLOPENTASILOXAN,TITANIUM DIOXIDE,POLYGLYCERYL-3 POLYDIMETHYLSILOXYETHYL DIMETHICONE,ALMINUMU HYDROXIDE,STEARIC ACID)
(注24)信越化学工業(株)製 SPD-Z5(INCI:ZINC OXIDE,CYCLOPENTASILOXAN,TITANIUM DIOXIDE,POLYGLYCERYL-3 POLYDIMETHYLSILOXYETHYL DIMETHICONE)
(製造方法)
a:成分1~5を80℃で攪拌混合した。
b:成分8~10、及び12を混合した。
c:bをaに加えて攪拌混合して乳化を行った。
d:成分6、7、11をcに加えて攪拌混合した。
(結果)
このようにして得られたサンカット乳液は、油っぽさ、べたつきがなく、さらさらした感触で、化粧もちも良く、安定性に優れるサンカット乳液であった。
【0101】
以上より、オルガノポリシロキサン変性されたシクロデキストリン化合物を配合した化粧料は、油っぽさ、べたつき等がなく、シリコーンオイルの特徴であるさらさらした軽い感触で、さらに薬効成分や香料等を含有する化粧料においては、これらを安定に配合できる化粧料であることが示された。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。