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特開2022-188977半導体装置及び半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022188977
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20221215BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20221215BHJP
   H05K 3/28 20060101ALI20221215BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
H01L23/12 N
H01L23/12 Q
H01L23/12 F
H05K1/14 E
H05K3/28 G
H05K3/46 Q
H05K3/46 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097292
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】関島 信一朗
【テーマコード(参考)】
5E314
5E316
5E344
【Fターム(参考)】
5E314AA24
5E314BB01
5E314FF21
5E314GG01
5E314GG26
5E316AA22
5E316AA43
5E316BB20
5E316CC04
5E316CC09
5E316CC32
5E316DD22
5E316EE31
5E316EE43
5E316FF24
5E316FF45
5E316GG22
5E316GG25
5E316GG28
5E316HH07
5E344AA01
5E344AA23
5E344BB02
5E344BB06
5E344BB10
5E344CC24
5E344CD31
5E344DD03
5E344EE26
(57)【要約】
【課題】接続信頼性を向上することができる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1主面を有し、前記第1主面に第1導電パッドを備えた第1基板と、前記第1主面に対向する第2主面を有し、前記第2主面に第2導電パッドを備えた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記第1基板の前記第1主面に実装された半導体素子と、前記第1導電パッド及び前記第2導電パッドに接触する導電性コアボールと、を有し、前記第1主面に垂直な第1方向における前記導電性コアボールの最大寸法は、前記導電性コアボールの前記第1主面に平行な面内での最大直径よりも小さく、前記導電性コアボールは、前記第1導電パッドに直接接触する第1接触面と、前記第2導電パッドに直接接触する第2接触面と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面を有し、前記第1主面に第1導電パッドを備えた第1基板と、
前記第1主面に対向する第2主面を有し、前記第2主面に第2導電パッドを備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記第1基板の前記第1主面に実装された半導体素子と、
前記第1導電パッド及び前記第2導電パッドに接触する導電性コアボールと、
を有し、
前記第1主面に垂直な第1方向における前記導電性コアボールの最大寸法は、前記導電性コアボールの前記第1主面に平行な面内での最大直径よりも小さく、
前記導電性コアボールは、
前記第1導電パッドに直接接触する第1接触面と、
前記第2導電パッドに直接接触する第2接触面と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記導電性コアボールの形状は楕円体状であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記導電性コアボールは銅を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記導電性コアボールの側面を覆うはんだ層を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記最大寸法は、前記最大直径の85.0%~95.0%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1接触面の第1直径及び前記第2接触面の第2直径は、前記導電性コアボールの前記最大直径の5.0%~15.0%であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1導電パッドは、前記導電性コアボールの前記第1接触面の形状に沿って湾曲した第1湾曲部を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2導電パッドは、前記導電性コアボールの前記第2接触面の形状に沿って湾曲した第2湾曲部を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
第1主面を有し、前記第1主面に第1導電パッドを備えた第1基板の前記第1主面に半導体素子を実装する工程と、
第2主面を有し、前記第2主面に第2導電パッドを備えた第2基板の前記第2導電パッドの上に球体状の導電性コアボールを搭載する工程と、
前記第2主面を前記第1主面に対向させ、前記導電性コアボールを前記第1導電パッド及び前記第2導電パッドに接合する工程と、
を有し、
前記導電性コアボールを前記第1導電パッド及び前記第2導電パッドに接合する工程は、前記導電性コアボールを前記第1主面に垂直な第1方向で圧縮して、前記第1方向における前記導電性コアボールの最大寸法を、前記導電性コアボールの前記第1主面に平行な面内での最大直径よりも小さくする工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銅コアボールをスペーサ部材として用いて上基板と下基板とを接続した半導体パッケージが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-9782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の半導体パッケージによれば、所期の目的は達成されるものの、銅コアボールと下基板及び上基板との間により高い接続信頼性が望まれる。
【0005】
本開示は、接続信頼性を向上することができる半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、第1主面を有し、前記第1主面に第1導電パッドを備えた第1基板と、前記第1主面に対向する第2主面を有し、前記第2主面に第2導電パッドを備えた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置され、前記第1基板の前記第1主面に実装された半導体素子と、前記第1導電パッド及び前記第2導電パッドに接触する導電性コアボールと、を有し、前記第1主面に垂直な第1方向における前記導電性コアボールの最大寸法は、前記導電性コアボールの前記第1主面に平行な面内での最大直径よりも小さく、前記導電性コアボールは、前記第1導電パッドに直接接触する第1接触面と、前記第2導電パッドに直接接触する第2接触面と、を有する半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、接続信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図2】実施形態における銅コアボールを示す断面図である。
図3】実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
図4】実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
図5】実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。
図6】実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その4)である。
図7】実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その5)である。
図8】実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その6)である。
図9】参考例における銅コアボールを示す断面図である。
図10】実施形態の変形例における銅コアボールを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。また、本開示においては、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX面と記載する。なお、便宜上、Z1-Z2方向を上下方向とし、Z1側を上側、Z2側を下側とする。また、平面視とは、Z1側から対象物を視ることをいい、平面形状とは、対象物をZ1側から視た形状のことをいう。但し、半導体装置は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。
【0010】
本実施形態は、半導体装置及びその製造方法に関する。図1は、実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【0011】
実施形態に係る半導体装置10は、下基板100と、上基板200と、半導体素子300とを有する。下基板100はXY面に略平行な上面101を有し、上基板200はXY面に略平行な下面201を有する。上基板200は下基板100の上側(Z1側)に配置されている。上基板200の下面201が下基板100の上面101に対向している。下基板100は第1基板の一例であり、上基板200は第2基板の一例である。下基板100の上面101は第1主面の一例であり、上基板200の下面201は第2主面の一例である。
【0012】
下基板100は、例えば、コア層110と、コア層110の上面に設けられたビルドアップ層120と、コア層110の下面に設けられたビルドアップ層130とを有する。下基板100が、コア層を含まないコアレス基板であってもよい。
【0013】
コア層110は、貫通孔114が形成された絶縁性の基材111と、貫通孔114の内壁面に形成された貫通導電ビア112と、貫通導電ビア112の内側に充填された充填材113とを有する。例えば、コア層110の材料はガラスエポキシ等であり、貫通導電ビア112の材料は銅等である。
【0014】
ビルドアップ層120は、絶縁層121と、配線層122と、ソルダレジスト層123とを有する。ソルダレジスト層123には、上基板200との接続用の開口部123Aと、半導体素子300の実装用の開口部123Bとが形成されている。配線層122は、絶縁層121の最上面に、上基板200との接続用の導電パッド124Aと、半導体素子300の実装用の導電パッド124Bとを含む。導電パッド124Aは開口部123Aから露出し、導電パッド124Bは開口部123Bから露出する。配線層122の材料は、例えば銅等の導電体である。導電パッド124Aは第1導電パッドの一例である。
【0015】
ビルドアップ層130は、絶縁層131と、配線層132と、ソルダレジスト層133とを有する。ソルダレジスト層133には、外部接続用の開口部133Aが形成されている。配線層132は、絶縁層131の最下面に導電パッド134を含む。導電パッド134は開口部133Aから露出する。配線層132の材料は、例えば銅等の導電体である。導電パッド134上にはんだボール135が設けられている。
【0016】
導電パッド124Aと、導電パッド124Bと、導電パッド134とが、配線層122、貫通導電ビア112及び配線層132を介して電気的に接続されている。ビルドアップ層120に含まれる絶縁層121及び配線層122の数、ビルドアップ層130に含まれる絶縁層131及び配線層132の数は特に限定されない。
【0017】
半導体素子300は下基板100の上面101にフリップチップ実装されている。すなわち、半導体素子300のバンプ301が接合材310を介して下基板100の導電パッド124Bに電気的に接続されている。接合材310は、例えばはんだから構成される。半導体素子300と下基板100との間にはアンダーフィル材320が充填されている。
【0018】
上基板200は、例えば、コア層210と、導電パッド211と、導電パッド212と、ソルダレジスト層214と、ソルダレジスト層215とを有する。
【0019】
導電パッド211はコア層210の下面に設けられており、導電パッド212はコア層210の上面に設けられている。導電パッド212は、コア層210に形成されたビアホール213を通じて導電パッド211に接続されている。導電パッド211及び導電パッド212の材料は、例えば銅等の導電体である。導電パッド211は第2導電パッドの一例である。
【0020】
ソルダレジスト層214はコア層210の下面を覆っている。ソルダレジスト層214には、下基板100との接続用の開口部214Aが形成されている。導電パッド211は開口部214Aから露出する。ソルダレジスト層215はコア層210の上面を覆っている。ソルダレジスト層215には、外部接続用の開口部215Aが形成されている。導電パッド212は開口部215Aから露出する。導電パッド212は、半導体素子、受動素子又は他の配線基板等の電子部品を上基板200に搭載するために用いられる。
【0021】
半導体装置10は、下基板100の導電パッド124Aと上基板200の導電パッド211とに接触する銅(Cu)コアボール20を有する。ここで、銅コアボール20について詳細に説明する。図2は、銅コアボール20を示す断面図である。
【0022】
下基板100の導電パッド124Aと、上基板200の導電パッド211とは互いに対向している。そして、銅コアボール20は、導電パッド124A及び導電パッド211の両方に接触している。銅コアボール20は、導電パッド124Aに直接接触する第1接触面21と、導電パッド211に直接接触する第2接触面22とを有する。銅コアボール20は、下基板100の上面101に垂直な第1方向、すなわちZ1-Z2方向における最大寸法D1と、上面101に平行な面、すなわちXY面に平行な面内での最大直径D2とを有し、最大寸法D1は最大直径D2よりも小さい。最大寸法D1は、Z1-Z2方向における銅コアボール20の寸法の最大値である。最大寸法D1は、いわば銅コアボール20の高さである。最大直径D2は、XY面に平行な面内での銅コアボール20の直径の最大値である。例えば、最大寸法D1は、最大直径D2の90%程度である。銅コアボール20の表面にNi層が形成されていてもよい。
【0023】
銅コアボール20の形状は楕円体状であってもよい。本開示における楕円体状とは、数学的に定義される厳密な楕円体を意味するものではない。銅コアボール20が楕円体状である場合、最大寸法D1は楕円体の短径に相当し、最大直径D2は楕円体の長径に相当する。第1接触面21及び第2接触面22は平坦な面であってもよく、銅コアボール20の中心から外側に向かって凸状になった曲面であってもよい。
【0024】
第1接触面21及び第2接触面22の平面形状は円形状である。第1接触面21の第1直径及び第2接触面22の第2直径は、最大直径D2の10%程度である。また、第1接触面21の第1面積及び第2接触面22の第2面積は、銅コアボール20のXY面に平行な断面積のうち最大の断面積(最大断面積)の1%程度である。
【0025】
銅コアボール20の側面ははんだ層30により覆われている。はんだ層30は導電パッド124A及び導電パッド211の両方に接触していてもよい。はんだ層30の材料は、例えば、Sn(錫)、Sn-Ag(銀)系、Sn-Cu系、Sn-Ag-Cu系のPb(鉛)フリーはんだである。
【0026】
上基板200と下基板100との間にモールド樹脂40が充填され、上基板200は下基板100に対して固定されている。上基板200と下基板100との間の距離は銅コアボール20により維持されている。
【0027】
次に、実施形態に係る半導体装置10の製造方法について説明する。図3図8は、実施形態に係る半導体装置10の製造方法を示す断面図である。
【0028】
まず、図3に示すように、下基板100を準備する。上述のように、下基板100は、導電パッド124A及び導電パッド124B等を有する。次いで、導電パッド124Bの上に、例えば接合材310を形成する。接合材310は、電解めっき法等により形成することができる。
【0029】
次いで、図4に示すように、バンプ301が形成された半導体素子300を下基板100にフリップチップ実装する。すなわち、接合材310を介してバンプ301を下基板100の導電パッド124Bに電気的に接続する。次いで、半導体素子300と下基板100との間にアンダーフィル材320を充填する。
【0030】
また、図5に示すように、上基板200を準備する。上述のように、上基板200は、導電パッド211等を有する。次いで、銅コア付きはんだボール24を導電パッド211の上に搭載する。銅コア付きはんだボール24は、球体状の銅コアボール23と、銅コアボール23の外周に設けられたはんだ層30とを有する。本開示における球体状とは、数学的に定義される厳密な球体を意味するものではない。銅コアボール23の表面にNi層が形成されていてもよい。
【0031】
半導体素子300と下基板100との間へのアンダーフィル材320の充填と、銅コア付きはんだボール24の搭載との後、図6に示すように、下基板100と上基板200との間にモールド樹脂40を設けながら、銅コア付きはんだボール24が導電パッド124Aに接するようにして、上基板200を下基板100の上に載置する。半導体素子300は、下基板100と上基板200との間に配置される。
【0032】
次いで、図6に示す下基板100及び上基板200を含む積層構造体をZ1-Z2方向で圧縮しながら、はんだ層30のリフローを行う。この結果、図7に示すように、球体状の銅コアボール23がZ1-Z2方向で圧縮されて楕円体状の銅コアボール20が形成される。また、はんだ層30の成分(例えば錫)と、導電パッド124Aの成分(例えば銅)及び導電パッド211の成分(例えば銅)とから合金層(図示せず)が形成される。リフローの温度は、例えば260℃程度である。
【0033】
次いで、図8に示すように、導電パッド134の上にはんだボール135を形成する。
【0034】
このようにして、実施形態に係る半導体装置10を製造することができる。
【0035】
なお、上基板200を下基板100の上に載置する際にモールド樹脂40を設けずに、楕円体状の銅コアボール20が形成された後にモールド樹脂40を設けてもよい。また、上基板200を下基板100の上に載置する際にモールド樹脂40を設けずに、図6に示す下基板100及び上基板200を含む積層構造体をZ1-Z2方向で圧縮する際にモールド樹脂40を設けてもよい。
【0036】
ここで、本実施形態の効果について、参考例と比較しながら説明する。図9は、参考例における銅コアボールを示す断面図である。
【0037】
参考例では、図9に示すように、銅コアボール20に代えて、球体状の銅コアボール25が設けられている。銅コアボール25は球体状であるため、銅コアボール25のZ1-Z2方向における最大寸法D3は、銅コアボール25のXY面に平行な面内での最大直径D4と等しい。銅コアボール25は導電パッド124Aに接触する第1接触点26と、導電パッド211に接触する第2接触点27とを有する。他の構成は、本実施形態と同様である。
【0038】
本実施形態に係る半導体装置10では、銅コアボール20のZ1-Z2方向における最大寸法D1が、銅コアボール20のXY面に平行な面内での最大直径D2よりも小さく、銅コアボール20が導電パッド124Aに接触する第1接触面21と、導電パッド211に接触する第2接触面22とを有する。
【0039】
このように、参考例では、銅コアボール25が点で導電パッド124A及び導電パッド211に接触するのに対し、本実施形態では、銅コアボール20が面で導電パッド124A及び導電パッド211に接触する。このため、本実施形態によれば、参考例と比較して、銅コアボール20と、下基板100及び上基板200との間に高い接続信頼性を得ることができる。
【0040】
また、上述のように、はんだ層30のリフローの際に合金層が形成される。合金層の形成に伴ってはんだ層30の体積が減少するが、本実施形態によれば、はんだ層30の体積が減少したとしても、優れた接続信頼性を得ることができる。
【0041】
また、本実施形態では、球体状の銅コアボール23が圧縮されて楕円体状の銅コアボール20が形成される際に、はんだ層30が導電パッド124Aの上及び導電パッド211の上で広がる。つまり、はんだ層30が広く導電パッド124A及び導電パッド211に接触する。このため、合金層の形成に伴ってはんだ層30の体積が減少したとしても、下基板100と上基板200との間の接続を強固に維持することができる。
【0042】
また、下基板100及び上基板200の反り等に起因して、はんだ層30のリフロー前に、導電パッド124Aと導電パッド211との間の距離にばらつきが生じていることがある。この場合、参考例では、銅コアボール25が導電パッド124A又は導電パッド211に接触できないおそれがある。一方、本実施形態では、導電パッド124Aと導電パッド211との間に銅コアボール23を挟み、銅コアボール23を圧縮して銅コアボール20としているため、銅コアボール20を導電パッド124A及び導電パッド211により確実に接触させることができる。更に、銅コアボール23と銅コアボール25のサイズが同一であれば、本実施形態では、半導体装置10の高さ(Z1-Z2方向の寸法)を小さくすることができる。
【0043】
なお、銅コアボール23の圧縮の際に導電パッド124A及び導電パッド211も変形してよい。また、銅コアボール20が導電パッド124A及び導電パッド211にめり込んでいてもよい。銅コアボール20が導電パッド124A及び導電パッド211にめり込んでいる場合、第1接触面21及び第2接触面22が曲面となりやすく、第1接触面21及び第2接触面22が平坦面の場合と比較して、第1接触面21及び第2接触面22の面積を大きく確保しやすい。
【0044】
例えば、図10に示すように、銅コアボール20の第1接触面21及び第2接触面22が曲面となっていてもよい。また、導電パッド124Aが第1接触面21の形状に沿って湾曲した第1湾曲部124Xを有してもよく、導電パッド211が第2接触面22の形状に沿って湾曲した第2湾曲部211Xを有してもよい。図10は、実施形態の変形例における銅コアボールを示す断面図である。
【0045】
最大寸法D1は、最大直径D2の、好ましくは80.0%~99.9%であり、より好ましくは85.0%~95.0%である。最大寸法D1の最大直径D2に対する比が小さいほど、第1接触面21及び第2接触面22の面積を大きく確保しやすい。一方、最大寸法D1の最大直径D2に対する比が小さすぎる場合、下基板100と上基板200との間に適切な距離を確保しながら、銅コアボール20同士の間の短絡を抑制することが困難になるおそれがある。
【0046】
第1接触面21の第1直径及び第2接触面22の第2直径は、最大直径D2の、好ましくは0.1%~20.0%であり、より好ましくは5.0%~15.0%である。第1直径及び第2直径の最大直径D2に対する比が大きいほど、第1接触面21及び第2接触面22の面積を大きく確保しやすい。一方、第1直径及び第2直径の最大直径D2に対する比を大きくするためには、銅コアボール23をより強い力で圧縮する必要があり、加工が困難になるおそれがある。第1接触面21の第1直径、第2接触面22の第2直径の少なくとも一方が上記の好ましい範囲にあれば、接続信頼性を向上しやすく、少なくとも一方が上記のより好ましい範囲にあれば、接続信頼性を更に向上しやすい。
【0047】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0048】
10 半導体装置
20 銅コアボール
21 第1接触面
22 第2接触面
100 下基板
101 上面
124A、124B 導電パッド
200 上基板
201 下面
211 導電パッド
300 半導体素子
図1
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図10