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特開2022-189071ICソケット及びICモジュールの検査方法
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  • 特開-ICソケット及びICモジュールの検査方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189071
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】ICソケット及びICモジュールの検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20221215BHJP
   H01R 33/76 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
G01R31/26 J
H01R33/76 505Z
G01R31/26 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097426
(22)【出願日】2021-06-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591230295
【氏名又は名称】NTTエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雅之
(72)【発明者】
【氏名】市山 直樹
【テーマコード(参考)】
2G003
5E024
【Fターム(参考)】
2G003AA07
2G003AC03
2G003AD01
2G003AG01
2G003AH05
5E024CA18
5E024CA19
5E024CB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】サーモストリームを使用せず、安定な導通が可能かつ温調機構に対応した光モジュール用のICソケットを提供する。
【解決手段】温度調整のためにサーモストリームのかわりに接触式の温度調整素子208(例えば、ペルチエ素子)を用いる。温度調整素子208と光モジュール203を熱的に接触させるために、蓋体202の上面を貫通して光モジュール203に接触する押圧体206を設けて、押圧体206と温度調整素子208を接触させて光モジュール203の温度調整を行う。また、押圧体206には温度調整素子208と精度よく接続させるための嵌合穴を設ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICモジュールを装着し、コンタクトピンを備えた転置部と、
前記転置部に装着されるICモジュールを介して前記転置部に取り付けられる蓋体と、
を備えたICソケットであって、
前記蓋体は、前記転置部への取り付けによって装着されたICモジュールを押圧することが可能な押圧体を備え、
前記押圧体は、当該押圧によって前記ICモジュールの端子部を前記コンタクトピンと接触させて導通をとることができ、かつ、温度調整素子と前記装着されたICモジュールとを熱的に接続させるように構成されることを特徴とするICソケット。
【請求項2】
前記蓋体と前記転置部とは前記蓋体に備えられたラッチにより嵌合することを特徴とする請求項1に記載のICソケット。
【請求項3】
ICソケットの自体の着脱が可能なワンタッチタイプ、又は、前記蓋体とソケット本体は前記蓋体と前記ソケット本体をつなぐヒンジによって前記蓋体と前記ソケット本体が接続され嵌合するクラムシェルタイプであることを特徴とする請求項1に記載のICソケット。
【請求項4】
前記押圧体に嵌合穴を備えて前記温度調整素子の位置決めピンを用いて接続可能であることを特徴とする請求項1乃至3記載いずれか一項のICソケット。
【請求項5】
前記押圧体に、転置用の補助治具に接続用の穴を備え、かつ、前記穴を介して前記蓋体に接続および取り外し可能な前記転置用の補助治具を備えたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載のICソケット。
【請求項6】
ICモジュールを装着し、コンタクトピンを備えた転置部と、前記転置部に装着されるICモジュールを介して前記転置部に取り付けられる蓋体と、を備えたICソケットを用いたICモジュールの検査方法であって、
前記蓋体に備えられた押圧体により、前記転置部への取り付けによって装着されたICモジュールを押圧し、当該押圧によって前記ICモジュールの端子部を前記コンタクトピンと接触させて導通をとることにより、前記押圧体により、温度調整素子と、前記装着されたICモジュールとを熱的に接続するステップと、
を有するICモジュールの検査方法。
【請求項7】
前記押圧体の嵌合穴に前記温度調整素子の位置決めピンを用いて接続するステップを有する請求項6に記載のICモジュールの検査方法。
【請求項8】
前記押圧体に転置用の補助治具を取りつけるステップと、
前記ICモジュールの端子部を前記コンタクトピンと接触させて導通をとるステップと、
前記押圧体から前記転置用の補助治具を取り外した後に前記押圧体に前記温度調整素子を接続するステップと、
を有する請求項6に記載のICモジュールの検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICソケット及びICモジュールの検査方法に関する。特に、本発明は、ICソケットに装着したICモジュールを所定温度下で検査するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信トラフィックの増加に対応するため、光通信トランシーバの小型化、低電力化、高速化が求められている。それらを実現するため、電気信号の入出力インターフェースとしてBGA (Ball Grid Array)やLGA (Land Grid Array) LGA(Land grid array)LGA(Land grid array)LGA(Land grid array)をLGA(Land grid array)備えたLGA(Land grid array)光チップと光ファイバを備えたICモジュールの研究開発がなされている。(特許文献1)
【0003】
そのようなBGA、光チップ、光ファイバを備えたICモジュールの出荷検査においては、プロセッサ、ASICなどのBGAを備えるICやICモジュール(またはICパッケージ)と同じくICソケットが用いられる。図1(a)および(b)に、従来のICソケット100の例を示す。図1(a)従来の嵌合前のソケット本体を示す図である。図1(b)は、従来の嵌合後のソケット本体を示す図である。ICソケット100は、コンタクトピン104を備えた転置部101と、転置部に装着される蓋体102を備え、コンタクトピン104と蓋体102との間に、光ファイバ110を備えたICモジュール103を装着する。蓋体102は、その内側に弾性部材105、例えば、ばねを備え、また、ラッチ107を備えている。ラッチ107が転置部101の係止部に係止されることにより、弾性部材105の弾性力が押圧体(プッシャー)106に作用し押圧体106はICモジュール103をコンタクトピン104に対して押圧することが可能となる。これにより、ICモジュール103の端子部をコンタクトピン104と接触させ相互に導通させることができる。蓋体蓋体はソケット本体にヒンジによって接続されたクラムシェルタイプと、蓋体102に備えたラッチ(爪)107によりソケット本体(転置部101及び蓋体102)と嵌合するが、ICソケット100の自体の着脱が可能なワンタッチタイプ(ラッチタイプ)がある。ICモジュールに温度環境下で検査する際には、ICモジュールにサーモストリームと呼ばれる-100 ℃~300 ℃程度のジェットエアーを噴出する非接触式の温度調整素子(不図示)を用い、上述のICソケット100ごと温度環境を変化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-194041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
BGAと光チップと光ファイバを備えたICモジュールの検査としてもICソケットを用いるが、ジェットエアーを噴出するサーモストリームにより光ファイバが揺れてしまう。そうすると、光ファイバ内を通る光信号の偏波状態が変わってしまい、検査結果に影響を与えてしまう。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、サーモストリームを使用せずとも温調が可能であり、装着するICモジュールに影響を与えずに検査を可能とするICソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態に係る発明は、ICモジュールを装着し、コンタクトピンを備えた転置部と、前記転置部に装着されるICモジュールを介して前記転置部に取り付けられる蓋体と、を備えたICソケットであって、前記蓋体は、前記転置部への取り付けによって装着されたICモジュールを押圧することが可能な押圧体を備え、前記押圧体は、当該押圧によって前記ICモジュールの端子部を前記コンタクトピンと接触させて導通をとることができ、かつ、温度調整素子及び装着されたICモジュールに熱的に接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、サーモストリームを使用せず、温調が可能なICソケットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は、従来の嵌合前のソケット本体を示す断面図である。(b)は、従来の嵌合後のソケット本体を示す断面図である。
図2】(a)は、本発明の実施形態1に係るICソケットを示す上面図である。(b)は、本発明の実施形態1に係る嵌合前のICソケットを示す断面図である。(c)は、本発明の実施形態1に係る嵌合後のICソケットを示す断面図である。
図3】(a)は、本発明の実施形態2に係るICソケットを示す上面図である。(b)は、本発明の実施形態2に係るICソケットの嵌合前を示す断面図である。(c)は、本発明の実施形態2に係るICソケットの嵌合後を示す断面図である。
図4】(a)は、本発明の実施形態3に係るICソケットを示す上面図である。(b)は、本発明の実施形態3に係るICソケットの嵌合前を示す断面図である。(c)は、本発明の実施形態3に係るICソケットの嵌合後を示す断面図である。
図5】(a)は、本発明の実施形態3に係るICソケットの使用工程を示す断面図である。(b)は、本発明の実施形態3に係るICソケットの使用工程を示す断面図である。使用工程を示す図である。(c)本発明の実施形態3に係るICソケットの使用工程を示す断面図である。
図6】は、比較例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本技術の実施形態を、図面を参照しながら説明する。同じ機能を有する部分については同じ符号を用いている。
【0011】
(実施形態1)
本実施形態は、ICソケット200に関する。
【0012】
図2(a)は、本発明の実施形態1に係るICソケット200を示す上面図である。図2(b)は、本発明の実施形態1に係る嵌合前のICソケット200を示す断面図である。図2(c)は、本発明の実施形態1に係る嵌合後のICソケット200を示す断面図である。
【0013】
ICソケット200は、コンタクトピン204を備えた転置部201と、転置部に装着される蓋体202を備え、コンタクトピン204と蓋体202との間に、光ファイバ210を備えたICモジュール203を装着する。蓋体202は、その内側に弾性部材205を備え、また、ラッチ207を備えている。ラッチ207が転置部201の係止部に係止されることにより、弾性部材205の弾性力が押圧体(プッシャー)206に作用し押圧体206はICモジュール203をコンタクトピン204に対して押圧することが可能となる。これにより、ICモジュール203の端子部をコンタクトピン204と接触させ相互に導通させることができる。蓋体蓋体はソケット本体にヒンジによって接続されたクラムシェルタイプと、蓋体202に備えたラッチ(爪)207によりソケット本体(転置部201及び蓋体202)と嵌合するが、ICソケット200の自体の着脱が可能なワンタッチタイプ(ラッチタイプ)がある。
【0014】
弾性部材205は、例えば、ばね又はゴムであってもよい。
【0015】
押圧体206は、例えば、金属又はプラスチックで形成されていてもよい。
【0016】
例えば、転置部201は、その側面に、凸部と嵌合するための凹部を有し、前記蓋体202の側面にラッチ207が備えられ、前記ラッチから延伸した凸部を含み、凹部と凸部とが嵌合する。すなわち、転置部201と蓋体202(ソケット本体)とは、蓋体202に備えたラッチ(爪)207により嵌合する。
【0017】
図2(a)において、ラッチ207の端部は、蓋体202の側面と一致していないが、蓋体202の側面と一致するような端部を有するラッチを用いてもよい。蓋体202の凹部は、ラッチ207の凸部に嵌合可能な形状であればよい。
【0018】
図2(a)~(c)に示すように、本実施形態のICソケット200では、本発明のICソケット200では押圧体206が蓋体202を貫通して押圧体206の上部が蓋体202から露出しているため、押圧体206は、温度調整素子208と、ICモジュール203の反対側にある押圧体206の上部で接続する。押圧体206は、温度調整素子208と装着されたICモジュール203との接続領域以外の押圧体206の表面の領域でも温度調整素子208と接続できる。すなわち、押圧体206と温度調整素子(ペルチェユニット)208を接触させることで、押圧体206は、温度調整素子208と、装着されたICモジュール203とを熱的に接続させることができる。これによりICソケット200に転置されたICモジュール203の温度調整が可能となる。
【0019】
これにより、サーモストリームを使わずに温度調整を行うことができ、検査において、ICモジュールにおける光ファイバの偏波のゆれによる光信号への影響を防止することが可能となる。
【0020】
なお、接触式の温度調整素子208としては、ペルチェ素子、ヒートポンプや放熱フィンなどがある。特に、ペルチェ素子を用いた場合は、小型かつ精密な温度調整が可能である。
【0021】
(実施形態2)
本実施形態は、実施形態1に記載のICソケット200とは異なったICソケット300に関する。温度調整素子208の接続方法が異なる。
【0022】
図3(a)は、本発明の実施形態2に係るICソケット300を示す上面図である。図3(b)は、本発明の実施形態2に係るICソケット300の嵌合前を示す断面図である。図3(c)は、本発明の実施形態2に係るICソケット300の嵌合後を示す断面図である。
【0023】
ICソケット300は、コンタクトピン204を備えた転置部201と、転置部に装着される蓋体202を備え、コンタクトピン204と蓋体202との間に、光ファイバ210を備えたICモジュール203を装着する。蓋体202は、その内側に弾性部材205を備え、また、ラッチ207を備えている。ラッチ207が転置部201の係止部に係止されることにより、弾性部材205の弾性力が押圧体(プッシャー)306に作用し押圧体206はICモジュール203をコンタクトピン204に対して押圧することが可能となる。これにより、ICモジュール203の端子部をコンタクトピン204と接触させ相互に導通させることができる。蓋体蓋体はソケット本体にヒンジによって接続されたクラムシェルタイプと、蓋体202に備えたラッチ(爪)207によりソケット本体(転置部201及び蓋体202)と嵌合するが、ICソケット300の自体の着脱が可能なワンタッチタイプ(ラッチタイプ)がある。
【0024】
弾性部材205は、例えば、ばね又はゴムであってもよい。
【0025】
押圧体206は、例えば、金属又はプラスチックで形成されていてもよい。
【0026】
図3(a)~(c)に示すように、ICソケット300の押圧体306の上部に嵌合穴306aを備えることで、接触式の温度調整素子(ペルチェユニット)208と精度よく接続可能である。押圧体306は、温度調整素子208と、ICモジュール203の反対側にある押圧体306の上部で接続する。また、押圧体306は、押圧体306と装着されたICモジュール203との接続領域以外の押圧体306の表面の領域で温度調整素子208と接続できる。すなわち、押圧体306は、温度調整素子208に接触させる。そうして、押圧体306は、温度調整素子208と、装着されたICモジュール203とを熱的に接続させることができる。これによりICソケット200に転置されたICモジュール203の温度調整が可能となる。
【0027】
図3(a)~(c)では、押圧体306に設けられた2つの嵌合穴306aの例を挙げているが、2つの個数に限定されない。また、嵌合穴の断面形状は、円形でも矩形でもよい。
【0028】
本実施形態では、サーモストリームを使用せず、温調が可能なICソケットを提供することができる。
【0029】
(実施形態3)
本実施形態は、実施形態1~2のICソケットとは異なったICソケット400に関する。温度調整素子208の接続方法、並びに、押圧体の形態及び動作方法が異なる。
【0030】
図4(a)は、本発明の実施形態3に係るICソケット400を示す上面図である。図4(b)は、本発明の実施形態2に係るICソケット400の嵌合前を示す断面図である。図3(c)は、本発明の実施形態2に係るICソケット400の嵌合後を示す断面図である。
【0031】
ICソケット400は、コンタクトピン204を備えた転置部201と、転置部に装着される蓋体202を備え、コンタクトピン204と蓋体202との間に、光ファイバ210を備えたICモジュール203を装着する。蓋体202は、その内側に弾性部材205を備え、また、ラッチ207を備えている。ラッチ207が転置部201の係止部に係止されることにより、弾性部材205の弾性力が押圧体(プッシャー)206に作用し押圧体206はICモジュール203をコンタクトピン204に対して押圧することが可能となる。これにより、ICモジュール203の端子部をコンタクトピン204と接触させ相互に導通させることができる。蓋体蓋体はソケット本体にヒンジによって接続されたクラムシェルタイプと、蓋体202に備えたラッチ(爪)207によりソケット本体(転置部201及び蓋体202)と嵌合するが、ICソケット400の自体の着脱が可能なワンタッチタイプ(ラッチタイプ)がある。
【0032】
弾性部材205は、例えば、ばね又はゴムであってもよい。
【0033】
押圧体206は、例えば、金属又はプラスチックで形成されていてもよい。
【0034】
図4(a)~(c)に示すように、本発明のICソケット400では貫通型の押圧体406に転置用の補助治具409の接続用の穴406a、例えば、ねじ穴、と蓋体202に接続および取り外し可能な転置用の補助治具409を備える。
【0035】
本実施形態の具体的なICソケット400の構成として、蓋体202を貫通する押圧体406に転置用の補助治具409を接続するための機構を備える。また、図5(a)に示すように、転置用の補助治具409は蓋体202に接続、取り外し可能で、また、図5(b)~(c)に示すように、押圧体406を垂直に上下させる機構を備える。
【0036】
例えば、図5では、転置用の補助治具409を接続するための機構として、ねじ穴にて構成される。
【0037】
また、図4(c)に示すように、転置用の補助治具409は、蓋体202に接続可能な構造体409aと、ねじ409bで構成されている。
【0038】
転置用の補助治具409の使用法としては、まず、蓋体202に転置用の補助治具409を取り付け、図5(b)に示すように、ねじ409bを回すことで、押圧体406が蓋体202下面で平面になるまで引き上げる(引っ張る)。そして、転置用の補助治具409のついた蓋体202を転置部(転置台)に固定する。ここでは、ラッチ207で固定される様子を記載したが、クラムシェルタイプであってもよい。
【0039】
そして、図5(c)に示すように、ねじ409bを緩めて押圧体406をゆっくり下げ、転置用の補助治具409を外すことで、接触式の温度調整素子(ペルチェユニット)に接続可能な状態となる。押圧体406は、温度調整素子と、ICモジュール203の反対側にある押圧体406の上部で接続する。また、押圧体406は、押圧体406と装着されたICモジュール203との接続領域以外の押圧体406の表面の領域でも温度調整素子(不図示)と接続できる。すなわち、押圧体406は、温度調整素子(不図示)と接触させる。そうして、押圧体406は、温度調整素子(不図示)と、装着されたICモジュール203とを熱的に接続させることができる。これによりICソケット200に転置されたICモジュール203の温度調整が可能となる。
【0040】
本実施形態によれば、上述の機構により、作業者が蓋体を押し込んで取り付ける必要がなく、その際に偏倚して押し込むことがない。また、押圧体が垂直に下りるため、光ファイバが接続されたモジュール等であっても偏倚して転置されにくい。
【0041】
よって、本実施形態のICソケットでは、転置用の補助治具により、転置の際にモジュールが偏倚せず、コンタクト不良を招かない。また、転置用補助治具はとりはずし可能であるため、接触式の温度調整素子に接続可能であり、光ファイバを揺らすジェットエアーを噴出するサーモストリームを使用しないため、検査結果に影響を与えない。
【0042】
<比較例>
従来の図1に記載のICソケット100では、ICモジュール103が傾いて転置されコンタクトピン104とうまく接触せず導通不良を招いてしまうことがある。
【0043】
また、図6(a)に示すように、光ファイバ110aを備えたICモジュール103aである場合、光ファイバ110aが接続されているため、光ファイバ110a自身の重みによって偏倚しやすく転置されてしまうことがある。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、ICソケット及びICモジュールの検査方法に関する技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
100, 200, 300, 400 ICソケット
101, 201 転置部
102, 202 蓋体
103, 103a, 203 ICモジュール
104, 204 コンタクトピン
105, 205 弾性部材
106, 206, 306, 406 押圧体(プッシャー)
107, 207 ラッチ
208 温度調整素子(ペルチェユニット)
306a 嵌合穴
309 位置決めピン
406a 穴
409 補助治具
409a 構造体
409b ねじ
110,110a,210 光ファイバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6