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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022189239
(43)【公開日】2022-12-22
(54)【発明の名称】ポンプユニット
(51)【国際特許分類】
   F04B 53/16 20060101AFI20221215BHJP
   F04B 53/22 20060101ALI20221215BHJP
   F04D 29/60 20060101ALI20221215BHJP
【FI】
F04B53/16 A
F04B53/22
F04D29/60 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021097721
(22)【出願日】2021-06-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】千葉 真
(72)【発明者】
【氏名】面川 一畝
(72)【発明者】
【氏名】早川 淳一
【テーマコード(参考)】
3H071
3H130
【Fターム(参考)】
3H071AA01
3H071BB03
3H071CC34
3H071CC36
3H071DD31
3H071DD42
3H071DD72
3H071DD73
3H071DD83
3H130AA03
3H130AB12
3H130AB22
3H130AB60
3H130AC10
3H130BA95A
3H130BA97A
3H130CA21
3H130CA23
3H130DD01X
3H130DD08X
3H130DE06X
3H130DE08X
3H130DG01Z
3H130DG05Z
3H130EB04A
3H130EB05A
3H130ED02A
(57)【要約】
【課題】取り扱いやすいポンプユニットを提供する。
【解決手段】吐出管、ポンプ、原動機および減速機を有するポンプ設備の少なくとも一部と、前記ポンプ設備の少なくとも一部を載置する架台と、前記ポンプ設備および架台を囲う筐体であって、上方に延びる少なくとも5本の支柱を含む筐体(但し、排水機場の建屋を除く)と、を備える、ポンプユニットが提供される。
【選択図】図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出管、ポンプ、原動機および減速機を有するポンプ設備の少なくとも一部と、
前記ポンプ設備の少なくとも一部を載置する架台と、
前記ポンプ設備および架台を囲う筐体であって、上方に延びる少なくとも5本の支柱を含む筐体(但し、排水機場の建屋を除く)と、を備える、ポンプユニット。
【請求項2】
前記少なくとも5本の支柱は、
前記筐体の第1位置から斜め上方に延びる第1支柱と、
前記筐体の第2位置から前記第1支柱と近づく方向に斜め上方に延び、上端が前記第1支柱の上端と固定される第2支柱と、の組み合わせを含む、請求項1に記載のポンプユニット。
【請求項3】
前記少なくとも5本の支柱は、
鉛直上方に延びる第1支柱と、
下端が前記第1支柱の下端と固定され、前記第1支柱と離れる方向に斜め上方に延びる第2支柱と、
下端が前記第1支柱の下端と固定され、前記第1支柱および前記第2支柱と離れる方向に斜め上方に延びる第3支柱と、の組み合わせを含む、請求項1に記載のポンプユニット。
【請求項4】
前記少なくとも5本の支柱は、
前記筐体の第1位置から鉛直上方に延びる第1支柱と、
前記筐体の第2位置から前記第1支柱と近づく方向に斜め上方に延び、上端が前記第1支柱の上端と固定される第2支柱と、
前記筐体の第3位置から前記第1支柱と近づく方向に斜め上方に延び、上端が前記第1支柱の上端と固定される第3支柱と、の組み合わせを含む、請求項1に記載のポンプユニット。
【請求項5】
一端が前記筐体の第1位置に固定され、他端が前記筐体の第2位置に固定された、アーチ形状の追加の支柱と、
一端が前記追加の支柱の一端と固定され、他端が前記追加の支柱の他端と固定された桁部材と、を備え、
前記少なくとも5本の支柱は、下端が前記桁部材と固定され、鉛直上方に延びて上端が前記追加の支柱に固定される複数の支柱を含む、請求項1に記載のポンプユニット。
【請求項6】
一端が前記筐体の第1位置に固定され、他端が前記筐体の第2位置に固定された、アーチ形状の追加の支柱を備え、
前記少なくとも5本の支柱は、
前記筐体の第3位置から斜め上方に延び、上端が前記追加の支柱に固定される第1支柱と、
前記筐体の第4位置から前記第1支柱と近づく方向に斜め上方に延び、上端が前記第1支柱の上端および前記追加の支柱と固定される第2支柱と、の組み合わせを含む、請求項1に記載のポンプユニット。
【請求項7】
前記筐体は五角柱状であり、
前記少なくとも5本の支柱は、鉛直上方に延びる5本の支柱を含む、請求項1に記載のポンプユニット。
【請求項8】
前記ポンプ設備の少なくとも一部は、前記ポンプ設備のポンプおよび吐出管を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載のポンプユニット。
【請求項9】
前記ポンプ設備の少なくとも一部は、前記ポンプ設備の原動機および減速機を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載のポンプユニット。
【請求項10】
前記ポンプ設備の少なくとも一部は、前記ポンプ設備のプーリをさらに含む、請求項9に記載のポンプユニット。
【請求項11】
前記ポンプ設備の少なくとも一部は、前記ポンプ設備のポンプ、吐出管および減速機を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載のポンプユニット。
【請求項12】
前記ポンプ設備の少なくとも一部は、前記ポンプ設備の吸込管、ポンプ、吐出管、原動機および減速機を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載のポンプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
雨水を排水する目的で設置された排水機場において、排水能力を超える降雨があると、雨水を排水しきれずに河川の氾濫や都市の浸水被害が発生するおそれがある。特に近年では、気候変動に伴って降雨量が増大する傾向にあり、その危険性が高まっている。
【0003】
排水能力を増強するためには、既存の排水ポンプ設備より大型の排水ポンプ設備を設置するのが一案である。しかしながら、使用条件や設置場所の制約に応じた排水ポンプ設備を設計、製作するのは膨大な費用および時間が必要になるという問題がある。また、大型の排水ポンプ設備を設置した場合、排水ポンプ設備の整備時や故障時に排水能力が著しく低下するため、危険分散の観点においても問題がある。
【0004】
これらの問題に対して、既存の排水ポンプ設備に比べて設計、製作が容易で小型の排水ポンプ設備を数多く設置することで、危険分散をしつつ、排水能力を増強することも考えられる。
【0005】
その場合、施工期間を可能な限り短くすることが望まれる。施工期間短縮の1つの手法として、ポンプ設備のユニット化が挙げられる。すなわち、ポンプ設備を構成する機器を組み合わせたポンプユニットを工場で予め製造することで、現場での精度良い据え付けおよび接続を簡素化でき、施工期間を短縮することが可能となる。
【0006】
ただし、ポンプ設備を構成する機器は相応の重量があるため、強度や搬送の観点から取り扱いやすいポンプユニットが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6302268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、取り扱いやすいポンプユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、
吐出管、ポンプ、原動機および減速機を有するポンプ設備の少なくとも一部と、
前記ポンプ設備の少なくとも一部を載置する架台と、
前記ポンプ設備および架台を囲う筐体であって、上方に延びる少なくとも5本の支柱を含む筐体(但し、排水機場の建屋を除く)と、を備える、ポンプユニットが提供される。
【0010】
前記少なくとも5本の支柱は、
前記筐体の第1位置から斜め上方に延びる第1支柱と、
前記筐体の第2位置から前記第1支柱と近づく方向に斜め上方に延び、上端が前記第1支柱の上端と固定される第2支柱と、の組み合わせを含んでもよい。
【0011】
前記少なくとも5本の支柱は、
鉛直上方に延びる第1支柱と、
下端が前記第1支柱の下端と固定され、前記第1支柱と離れる方向に斜め上方に延びる第2支柱と、
下端が前記第1支柱の下端と固定され、前記第1支柱および前記第2支柱と離れる方向に斜め上方に延びる第3支柱と、の組み合わせを含んでもよい。
【0012】
前記少なくとも5本の支柱は、
前記筐体の第1位置から鉛直上方に延びる第1支柱と、
前記筐体の第2位置から前記第1支柱と近づく方向に斜め上方に延び、上端が前記第1支柱の上端と固定される第2支柱と、
前記筐体の第3位置から前記第1支柱と近づく方向に斜め上方に延び、上端が前記第1支柱の上端と固定される第3支柱と、の組み合わせを含んでもよい。
【0013】
一端が前記筐体の第1位置に固定され、他端が前記筐体の第2位置に固定された、アーチ形状の追加の支柱と、
一端が前記追加の支柱の一端と固定され、他端が前記追加の支柱の他端と固定された桁部材と、を備え、
前記少なくとも5本の支柱は、下端が前記桁部材と固定され、鉛直上方に延びて上端が前記追加の支柱に固定される複数の支柱を含んでもよい。
【0014】
一端が前記筐体の第1位置に固定され、他端が前記筐体の第2位置に固定された、アーチ形状の追加の支柱を備え、
前記少なくとも5本の支柱は、
前記筐体の第3位置から斜め上方に延び、上端が前記追加の支柱に固定される第1支柱と、
前記筐体の第4位置から前記第1支柱と近づく方向に斜め上方に延び、上端が前記第1支柱の上端および前記追加の支柱と固定される第2支柱と、の組み合わせを含んでもよい。
【0015】
前記筐体は五角柱状であり、
前記少なくとも5本の支柱は、鉛直上方に延びる5本の支柱を含んでもよい。
【0016】
前記ポンプ設備の少なくとも一部は、前記ポンプ設備のポンプおよび吐出管を含んでもよい。
【0017】
前記ポンプ設備の少なくとも一部は、前記ポンプ設備の原動機および減速機を含んでもよい。
【0018】
前記ポンプ設備の少なくとも一部は、前記ポンプ設備のプーリをさらに含んでもよい。
【0019】
前記ポンプ設備の少なくとも一部は、前記ポンプ設備のポンプ、吐出管および減速機を含んでもよい。
【0020】
前記ポンプ設備の少なくとも一部は、前記ポンプ設備の吸込管、ポンプ、吐出管、原動機および減速機を含んでもよい。
【発明の効果】
【0021】
取り扱いやすいポンプユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】ポンプ設備10の概略構成を示す上面図。
図1B】ポンプ設備10の概略構成を示す側面図。
図2A図1Aおよび図1Bの変形例であるポンプ設備10の概略構成を示す上面図。
図2B図1Aおよび図1Bの変形例であるポンプ設備10の概略構成を示す側面図。
図3A】一実施形態に係るポンプユニット101の概略構成を示す上面図。
図3B】一実施形態に係るポンプユニット101の概略構成を示す側面図。
図4A】一実施形態に係る別のポンプユニット102の概略構成を示す上面図。
図4B】一実施形態に係る別のポンプユニット102の概略構成を示す側面図。
図5A】ポンプユニット102の変形例であるポンプユニット102’を示す上面図。
図5B】ポンプユニット102の変形例であるポンプユニット102’を示す側面図。
図6A】一実施形態に係る別のポンプユニット103の概略構成を示す上面図。
図6B】一実施形態に係る別のポンプユニット103の概略構成を示す側面図。
図7A】一実施形態に係る別のポンプユニット104の概略構成を示す上面図。
図7B】一実施形態に係る別のポンプユニット104の概略構成を示す側面図。
図8A】ワーレントラス構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す上面図。
図8B】ワーレントラス構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す側面図。
図8C図8Aおよび図8Bの筐体12の斜視図。
図9A】プラットトラス構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す上面図。
図9B】プラットトラス構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す側面図。
図9C図9Aおよび図9Bの筐体12の斜視図。
図9D図9Cの変形例である筐体12の斜視図。
図10A】ハウトラス構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す上面図。
図10B】ハウトラス構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す側面図。
図10C図10Aおよび図10Bの筐体12の斜視図。
図10D図10Cの変形例である筐体12の斜視図。
図11A】ランガー橋構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す上面図。
図11B】ランガー橋構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す側面図。
図11C図11Aおよび図11Bの筐体12の斜視図。
図11D図11Cの変形例である筐体12の斜視図。
図12A】トランスランガー橋構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す上面図。
図12B】トランスランガー橋構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す側面図。
図12C図12Aおよび図12Bの筐体12の斜視図。
図13A】五角柱状の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す上面図。
図13B】五角柱状の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す側面図。
図13C図13Aおよび図13Bの筐体12の斜視図。
図13D図13Cの変形例である筐体12の斜視図。
図14A】支柱が4本である筐体12をクレーンのフック61で吊る様子を示す図。
図14B図9A図9Cに示すプラットトラス構造の筐体12をクレーンのフック61で吊る様子を示す図。
図15】チェーンブロック62を使用してポンプユニットの水平度調整を行う様子を示す図。
図16】ポンプユニットを共吊りする様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
まずは、排水機場などに設置されるポンプ設備10の概略構成を説明する。
【0024】
図1Aおよび図1Bは、それぞれ、ポンプ設備10の概略構成を示す上面図および側面図である。このポンプ設備10は吸込水槽の水を吐出水槽に排水するものであり、吸込管1と、ポンプ2と、吐出管3と、吐出弁4、原動機5と、入力軸6aおよび出力軸6bを有する減速機6とを備えている。
【0025】
吸込管1は、一端側の開口(下部開口)が吸込水槽側(不図示)にあり、他端側の開口がポンプ2に接続される。ポンプ2は、一端側の開口が吸込管1に接続され、他端側の開口が吐出管3に接続される、吐出管3は、一端側の開口がポンプ2に接続され、他端側の開口は吐出水槽側(不図示)にある。吐出弁4は吐出管3に設けられる。
【0026】
原動機5は減速機6の入力軸6aに接続され、減速機6の入力軸6aを回転させる。減速機6は、入力軸6aの回転に伴い、入力軸6aの回転数と出力軸6bの回転数との比が所定値となるよう入力軸6aの回転数を減速させて、出力軸6bを回転させる。減速機6の出力軸6bはポンプ2の主軸(不図示)に連結されており、減速機6の出力軸6bの回転に伴ってポンプ2の主軸が回転する。
【0027】
これにより、ポンプ2の主軸に連結されたインペラ(不図示)が回転し、吸込管1側から吐出管3側に水が導かれる。吐出管3に導かれた水は吐出水槽に排出される。
【0028】
図2Aおよび図2Bは、それぞれ、図1Aおよび図1Bの変形例であるポンプ設備10の概略構成を示す上面図および側面図である。図1Aとの違いとして、図1Bのポンプ設備10はプーリ7を備えており、減速機6の入力軸6aはプーリ7を介して原動機5と接続される。
【0029】
1以上のポンプ設備10が排水機場に設置されて排水システムを構成する。排水システムは、ポンプ設備10のポンプを排気する真空ポンプや、吐出弁4を制御する制御部を含んでもよい。
【0030】
本実施形態では、ポンプ設備10の少なくとも一部を工場で組み合わせてユニット(以下「ポンプユニット」という。)を形成し、ポンプユニットを用いて排水機場などの現場に設置する。以下、各実施形態について説明する。
【0031】
まずは、ポンプユニットの例をいくつか挙げる。
【0032】
図3Aおよび図3Bは、それぞれ、一実施形態に係るポンプユニット101の概略構成を示す上面図および側面図である。このポンプユニット101は、ポンプ設備10の一部であるポンプ2および吐出管3と、架台11と、筐体12とを有する。ポンプ設備10の一部として、ポンプ2および/または吐出弁4の補機、吐出管3およびその他配管の少なくとも1つが含まれていてもよい。なお、図3Aおよび図3Bにおいて、破線で描かれている部分はポンプユニット101に含まれないことを意味する。
【0033】
架台11にはポンプ2および吐出管3が載置される。そのため、架台11は、例えば鋼製品やコンクリートから形成され、十分な耐荷重(例えば1t程度)を有している。
【0034】
筐体12はポンプ2および吐出管3ならびに架台11を囲う。本実施形態の筐体12は上方に延びる少なくとも5本の支柱を含む。なお、「上方に延びる支柱」とは、特に断らない限り鉛直方向上方に限られず、支柱の一端より他端が高い位置にあることを指しており、例えば斜め上方に延びる態様も含むものとする。筐体12の詳細については後述する。
【0035】
筐体12をクレーンで吊り下げるなどによって、ポンプユニット101を搬送できる。よって、工場などの任意の製造場所でポンプユニット101を製造し、これを排水機場などの現場まで搬送し、現場で必要最小限の作業を行ってポンプ設備10を製造することができる。
【0036】
ここで、本明細書における筐体12は排水機場における建屋を含まない。筐体12はクレーン等で搬送可能なものであり、重量10t以下のものに限られるということもできる。あるいは、筐体12は外郭の最大値(例えば直方体の最も長い辺)が10m以下のものに限られるということもできる。
【0037】
図4Aおよび図4Bは、それぞれ、一実施形態に係る別のポンプユニット102の概略構成を示す上面図および側面図である。このポンプユニット102は、ポンプ設備10の一部として、原動機5および減速機6を有する。その他は図3Aおよび図3Bのポンプユニット101と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0038】
図5Aおよび図5Bは、それぞれ、ポンプユニット102の変形例であるポンプユニット102’を示す上面図および側面図である。このポンプユニット102’は、ポンプ設備10の一部として、原動機5、減速機6およびプーリ7(図2Aおよび図2B)を有する。その他は図3Aおよび図3Bのポンプユニット101と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0039】
図6Aおよび図6Bは、それぞれ、一実施形態に係る別のポンプユニット103の概略構成を示す上面図および側面図である。このポンプユニット103は、ポンプ設備10の一部として、ポンプ2、吐出管3および減速機6を有する。その他は図3Aおよび図3Bのポンプユニット101と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0040】
図7Aおよび図7Bは、それぞれ、一実施形態に係る別のポンプユニット104の概略構成を示す上面図および側面図である。このポンプユニット104は、ポンプ設備10における吸込管1、ポンプ2、吐出管3、原動機5および減速機6(必要に応じて、さらにプーリ7)を有する。その他は図3Aおよび図3Bのポンプユニット101と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0041】
以上述べたポンプユニット101~104は例示にすぎず、ポンプユニットはポンプ設備10の任意の一部または全部を含んで構成されてよい。
【0042】
以下、ポンプ2および吐出管3を含むポンプユニット101を例にとって、筐体12の詳細を説明する。
【0043】
図8Aおよび図8Bは、それぞれ、ワーレントラス構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す上面図および側面図である。また、図8Cは、図8Aおよび図8Bの筐体12の斜視図である。
【0044】
図8Cに示すように、筐体12は、同一鉛直面内にあって筐体12の一側面を画定する支柱13a~13fと、同一鉛直面内にあって筐体12の対向する側面を画定する支柱14a~14fとを有する。支柱13a~13f,14a~14fの上端はいずれも同一水平面内にあり、同下端はいずれも同一水平面内にある。これら支柱13a~13f,14a~14fの少なくとも一部は架台11に固定されてもよい。
【0045】
支柱13aは筐体12の位置P1から支柱13bに近づく方向に斜め上方に延びている。支柱13bは筐体12の位置P2から支柱13aと近づく方向に斜め上方に延び、上端が支柱13aの上端と固定される。支柱13a,13bの上端、支柱13aの下端(位置P1)および支柱13bの下端(位置P2)で正三角形が形成されるのが望ましい。
【0046】
支柱13cは下端が位置P2にあって支柱13bの下端と固定される。そして、支柱13cは、筐体12の位置P2から斜め上方に、支柱13aとほぼ平行に延びている。支柱13dは、筐体12の位置P3から支柱13cと近づく方向に、支柱13bとほぼ平行に斜め上方に延び、上端が支柱13cの上端と固定される。支柱13c,13dの上端、支柱13cの下端(位置P2)および支柱13dの下端(位置P3)で正三角形が形成されるのが望ましい。
【0047】
支柱13eは下端が位置P3にあって支柱13dの下端と固定される。そして、支柱13eは、筐体12の位置P3から斜め上方に、支柱13aとほぼ平行に延びている。支柱13fは、筐体12の位置P4から支柱13eと近づく方向に、支柱13bとほぼ平行に斜め上方に延び、上端が支柱13eの上端と固定される。支柱13e,13fの上端、支柱13eの下端(位置P3)および支柱13fの下端(位置P4)で正三角形が形成されるのが望ましい。
【0048】
また、位置P1~P4は一直線上にあり、等間隔であるのが望ましい。このように、筐体12は支柱13a,13bのような関係にある2つの支柱の組み合わせを含んでいる。
【0049】
支柱14a~14fはそれぞれ支柱13a~13fと対向する位置に配置され、支柱13a~13fと同様の構造となっている。なお、この筐体12は鉛直方向に延びる支柱を有しない。また、図8Cは例示であり、任意の支柱を省略してもよいし、追加の支柱を含んでいてもよい。
【0050】
このように、図8A図8Cの筐体12は支柱13a~13f,14a~14fの傾斜方向が交互になっているワーレントラス構造となっている。ワーレントラス構造では、スパン過重を受けている場合は、付加を各支柱に均等に分散できる。剛性が大きく、使用する部材が少ない点で有利な構造である。
【0051】
なお、筐体12は、ある支柱の端部と隣接する他の支柱の端部との間に設けられた、水平方向に延びる枠材を有してもよい。例えば、図8Cに示すように、支柱の下端どうしを接続するように設けられた合計16本の枠材によって筐体12の下面が画定される。この下面は架台11の下に位置する。また、支柱の上端どうしを接続するように設けられた合計11本の枠材によって筐体12の下面が画定される。枠材の少なくとも一部は架台11に固定されてもよい。
【0052】
支柱どうし(あるいは支柱と枠材、あるいは枠材どうし)を固定する手法に特に制限はないが、例えば溶接接続あるいはボルト接続である。また、支柱および枠材の形状に特に制限はないが、例えばH鋼や溝形鋼などの形鋼である。さらに、支柱および枠材の材質に特に制限はないが、例えばSS材(一般構造用圧延鋼材)である。
【0053】
また、筐体12は支柱と枠材との間に設けられた側板(不図示)を有してもよい。側板を設ける場合、図3Aの左側にある側板に開口が設けられており、これを吐出管3が貫通する。また、同右側にある側板を減速機6の出力軸6bが貫通するための開口が設けられる。ただし、ポンプユニット101の重量を受けるのは主として枠材13であるため、側板はなくてもよい。
【0054】
図9Aおよび図9Bは、それぞれ、プラットトラス構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す上面図および側面図である。また、図9Cは、図9Aおよび図9Bの筐体12の斜視図である。
【0055】
図9Cに示すように、筐体12は、同一鉛直面内にあって筐体12の一側面を画定する支柱15a~15gと、同一鉛直面内にあって筐体12の対向する側面を画定する支柱16a~16gとを有する。支柱15a~15g,16a~16gの上端はいずれも同一水平面内にあり、同下端はいずれも同一水平面内にある。これら支柱15a~15g,16a~16gの少なくとも一部は架台11に固定されてもよい。
【0056】
支柱15aは筐体12の位置P11から支柱15bと近づく方向に斜め上方に延びている。支柱15bは筐体12の位置P12から鉛直上方に延び、上端が支柱15aの上端と固定される。
【0057】
支柱15cは筐体12の位置P13から支柱15bと近づく方向(支柱15dと離れる方向)に斜め上方に延び、上端が支柱15bの上端と固定される。支柱15dは、筐体12の位置P13において下端が支柱15cの下端と固定され、鉛直上方に延びている。支柱15eは、筐体12の位置P13において下端が支柱15c,15dの下端と固定され、支柱15dと離れる方向に斜め上方に延びている。
【0058】
支柱15dと支柱15cとがなす角は、支柱15dと支柱15eとがなす角と等しいのが望ましい。
【0059】
支柱15fは筐体12の位置P14から鉛直上方に延び、上端が支柱15eの上端と固定される。支柱15gは筐体の位置P15から支柱15fと近づく方向に斜め上方に延び、上端が支柱15e,15fの上端と固定される。
【0060】
また、位置P11~P15は一直線上にあり、P11-P12間の距離はP15-P14間の距離と等しく、P12-P13間の距離はP14-P13間の距離と等しいのが望ましい。
【0061】
支柱16a~16gはそれぞれ支柱15a~15gと対向する位置に配置され、支柱15a~15gと同様の構造となっている。なお、図9Cは例示であり、任意の支柱を省略してもよいし(例えば、図9D)、追加の支柱を含んでいてもよい。
【0062】
このように、図9A図9Cの筐体12は、鉛直方向に延びる支柱15dと、支柱15dと下端が固定され、支柱15dと離れる方向に斜め上方に延びる2つの支柱15c,15eを含むプラットトラス構造となっている。プラットトラス構造では、斜め上方に延びる支柱15a,15c,15e,15g,16a,16c,16e,16gが引っ張り力を受け、鉛直方向に延びる支柱15b,15d,15f,16b,16d,16fが圧縮力を受ける。斜め上方に延びる支柱の部材は簡素であってもよいため、より効率的な設計が可能となる。また、構造のコスト削減や自重を減らすことにより、構築性が容易となる。
【0063】
なお、筐体12が枠材や側壁を含んでよいのは図8Cの筐体12と同様である。
【0064】
図10Aおよび図10Bは、それぞれ、ハウトラス構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す上面図および側面図である。また、図10Cは、図10Aおよび図10Bの筐体12の斜視図である。
【0065】
図10Cに示すように、筐体12は、同一鉛直面内にあって筐体12の一側面を画定する支柱17a~17gと、同一鉛直面内にあって筐体12の対向する側面を画定する支柱18a~18gとを有する。支柱17a~17g,18a~18gの上端はいずれも同一水平面内にあり、同下端はいずれも同一水平面内にある。これら支柱17a~17g,18a~18gの少なくとも一部は架台11に固定されてもよい。
【0066】
支柱17aは筐体12の位置P21から支柱17bと近づく方向に斜め上方に延びている。支柱17bは筐体12の位置P22から鉛直上方に延び、上端が支柱17aの上端と固定される。
【0067】
支柱17cは、筐体12の位置P22において下端が支柱17bの下端と固定され、支柱17bと離れる方向(支柱17dと離れる方向)に斜め上方に延びている。支柱17dは筐体12の位置P23から鉛直上方に延び、上端が支柱17cの上端と固定される。支柱17eは筐体12の位置P24から支柱17dと近づく方向に斜め上方に延び、上端が支柱17c,17dの上端と固定される。
【0068】
支柱17dと支柱17cとがなす角は、支柱17dと支柱17eとがなす角と等しいのが望ましい。
【0069】
支柱17fは、筐体12の位置P24において下端が支柱17eの下端と固定され、鉛直上方に延びている。支柱17gは筐体の位置P25から支柱17fと近づく方向に斜め上方に延び、上端が支柱17fの上端と固定される。
【0070】
また、位置P21~P25は一直線上にあり、P21-P22間の距離はP25-P24間の距離と等しく、P22-P23間の距離はP24-P23間の距離と等しいのが望ましい。
【0071】
支柱18a~18gはそれぞれ支柱17a~17gと対向する位置に配置され、支柱17a~17gと同様の構造となっている。なお、図10Cは例示であり、任意の支柱を省略してもよいし(例えば、図10D)、追加の支柱を含んでいてもよい。
【0072】
このように、図10A図10Cの筐体12は、鉛直方向に延びる支柱17dと、支柱17dと近づく方向に斜め上方に延びて上端が支柱17dの上端と固定される2つの支柱17c,17eを含むハウトラス構造となっている。ハウトラス構造では、斜め上方に延びる支柱17a,17c,17e,17g,18a,18c,18e,18gが圧縮材として機能する。
【0073】
なお、筐体12が枠材や側壁を含んでよいのは図8Cの筐体12と同様である。
【0074】
図11Aおよび図11Bは、それぞれ、ランガー橋構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す上面図および側面図である。また、図11Cは、図11Aおよび図11Bの筐体12の斜視図である。
【0075】
図11Cに示すように、筐体12は、同一鉛直面内にあって筐体12の一側面を画定する支柱19,20a~20eおよび桁部材21と、同一鉛直面内にあって筐体12の対向する側面を画定する支柱22,23a~23eおよび桁部材24とを有する。支柱20a~20e,23a~23eの下端および桁部材21,24はいずれも同一水平面内にある。これら支柱19,20a~20e,22,23a~23eおよび桁部材21,24の少なくとも一部は架台11に固定されてもよい。
【0076】
支柱19はアーチ状となっており、その一端は筐体12の位置P31に固定され、他端は筐体の位置P32に固定される。なお、支柱20は位置P31からP32まで滑らかな曲線状であってもよいし、位置P31から位置P32まで支柱20a~20eの上端のそれぞれで折れ曲がる直線状(図11D)であってもよく、いずれも「アーチ状」に含まれるものとする。
【0077】
桁部材21は、一端が位置P31において支柱19の一端と固定され、他端が位置P32において支柱19の他端と固定される。支柱20a~20eのそれぞれは、下端が桁部材21に固定され、鉛直上方に延びて上端が支柱19に固定される。なお、鉛直方向に延びる支柱の数に特に制限はないが、3本以上であるのが望ましい。
【0078】
位置P31,32を結ぶ直線上に支柱20a~20eの下端が位置するのが望ましい。
【0079】
支柱22,23a~23eおよび桁部材24はそれぞれ支柱19,20a~20eおよび桁部材21と対向する位置に配置され、支柱19,20a~20eおよび桁部材21と同様の構造となっている。なお、図11Cは例示であり、任意の支柱を省略してもよいし、追加の支柱を含んでいてもよい。
【0080】
このように、図11A図11Dの筐体12は、上部にあるアーチ形状の支柱19,22と、下部にある桁部材21,24と、その間において鉛直方向に延びる支柱20a~20e,23a~23eとを含むランガー橋構造となっている。ランガー橋構造では、支柱19,22が圧縮力のみを受け持つとして設計されるため、支柱19,22は細くてよい。一方、桁部材21,24は曲げモーメントおよび軸力を受け持つため、桁部材21,24は太いのが望ましい。
【0081】
なお、筐体12が枠材(例えば、桁21,24の一端どうしの間、支柱20a,23aの上端どうしの間)や側壁を含んでよいのは図8Cの筐体12と同様である。
【0082】
図12Aおよび図12Bは、それぞれ、トランスランガー橋構造の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す上面図および側面図である。また、図12Cは、図12Aおよび図12Bの筐体12の斜視図である。
【0083】
図12Cに示すように、筐体12は、同一鉛直面内にあって筐体12の一側面を画定する支柱25,26a~26fおよび桁部材27と、同一鉛直面内にあって筐体12の対向する側面を画定する支柱28,29a~29fおよび桁部材30とを有する。支柱26a~26f,29a~29fの下端および桁部材27,30はいずれも同一水平面内にある。これら支柱25,26a~26e,28,29a~29fおよび桁部材27,30の少なくとも一部は架台11に固定されてもよい。
【0084】
支柱25,28および桁部材27,30は図11Cに示したものと同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0085】
支柱26aは、筐体12の位置P41において下端が桁部材27と固定され、支柱26bと離れる方向に斜め上方に延び、上端が支柱25と固定される。支柱26bは、筐体12の位置P41において下端が桁部材27および支柱26aの下端と固定され、支柱26aと離れる方向に斜め上方に延び、上端が支柱25と固定される。
【0086】
支柱26cは、筐体12の位置P42において下端が桁部材27と固定され、支柱26dと離れる方向に斜め上方に延び、上端が支柱25と固定される。支柱26dは、筐体12の位置P42において下端が桁部材27および支柱26cの下端と固定され、支柱26cと離れる方向に斜め上方に延び、上端が支柱25と固定される。
【0087】
支柱26eは、筐体12の位置P43において下端が桁部材27と固定され、支柱26fと離れる方向に斜め上方に延び、上端が支柱25と固定される。支柱26fは、筐体12の位置P43において下端が桁部材27および支柱26eの下端と固定され、支柱26eと離れる方向に斜め上方に延び、上端が支柱25と固定される。
【0088】
桁部材27の両端を結ぶ直線上に支柱26a~26fの下端が位置するのが望ましい。P41-P42間の距離はP43-P42間の距離と等しいのが望ましい。
【0089】
支柱28,29a~29fおよび桁部材30はそれぞれ支柱25,26a~26fおよび桁部材27と対向する位置に配置され、支柱25,26a~26fおよび桁部材27と同様の構造となっている。なお、図12Cは例示であり、任意の支柱を省略してもよいし、追加の支柱を含んでいてもよい。
【0090】
このように、図12A図12Cの筐体12は、上部にあるアーチ形状の支柱25,28と、下部にある桁部材27,30と、その間において斜め上方に延びる支柱26a~26f,29a~29fとを含むトラスランガー橋構造となっている。トラスランガー橋構造では、支柱26a~26f,29a~29fを斜め方向とするため、水平方向の変位を拘束することができ、全体の剛性が向上する。
【0091】
なお、筐体12が枠材や側壁を含んでよいのは図11Cの筐体12と同様である。
【0092】
図13Aおよび図13Bは、それぞれ、五角柱状の筐体12を有するポンプユニット101の概略構成を示す上面図および側面図である。また、図13Cは、図13Aおよび図13Bの筐体12の斜視図である。
【0093】
図13Aに示すように、筐体12の水平方向断面は五角形である。詳細には、1つの短辺51の両端から長さが互いに等しい2つの長辺52が直角に延びている。2つの長辺52の端部から2つの斜辺53が延びて先端部で合流している。
【0094】
図13Cに示すように、筐体12は位置P51~P55(水平方向断面における五角形の各角に対応)からそれぞれ鉛直方向に延びる5本の支柱31a~31eを有する。支柱31a~31eの上端はいずれも同一水平面内にあり、同下端はいずれも同一水平面内にある。これら支柱31a~31eの少なくとも一部は架台11に固定されてもよい。
【0095】
なお、図13Cは例示であり、任意の支柱を省略してもよいし、追加の支柱を含んでいてもよい。例えば、図13Dに示すように、追加の支柱32a~32c,33a~33cを含んでいてもよい。
【0096】
支柱32bは位置P51,P52の中点である位置P61から鉛直方向に延びている。支柱32aは、位置P61において下端が支柱32bの下端に固定され、支柱31aに近づく方向に傾斜して上端が支柱31aの上端に固定される。支柱32cは、位置P61において下端が支柱32a,32bの下端に固定され、支柱31bに近づく方向に傾斜して上端が支柱31bの上端に固定される。支柱33a~33cはそれぞれ支柱32a~32cと対向する位置に配置され、支柱32a~32cと同様の構造となっている。
なお、筐体12が枠材や側壁を含んでよいのは図8Cの筐体12と同様である。
【0097】
以上説明したように、本実施形態では、ポンプユニットの筐体12が上方に延びる少なくとも5本の支柱を有する。そのため、支柱の数が4本以下である場合と比べて、クレーンなどでポンプユニットを吊って搬送する際の吊り位置の自由度が高くなる。その結果、搬送時の吊り上げ高さを低くすることができる。
【0098】
例えば、図14Aは、支柱が4本である筐体12をクレーンのフック61で吊る様子を示す図であり、図14Bは、プラットトラス構造の筐体12をクレーンのフック61で吊る様子を示す図であり、いずれも吊り角度を90度としている。
【0099】
図14Aでは、直方体の四隅にしか支柱がない。そのため、この四隅で筐体12を吊らざるを得ず、吊り上げ高さが高くなってしまう。一方、図14Bでは、直方体の四隅以外に支柱がある(例えば、支柱15d,16d)ため、四隅より中央寄りの位置で筐体12を吊ることができ、吊り上げ高さを低くできる。
【0100】
また、4本以下である場合と比べ、支柱の数が5本以上の方が吊り位置が増えるため、図15に示すように、チェーンブロック62などを使用したポンプユニットの水平度調整も容易となる。また、複数のチェーンブロックを使用し、複数の位置で吊ることにより、ポンプユニットの落下事故を抑制でき、安全性が向上する。
【0101】
また、屋外で移動式クレーンや仮設クレーンを使用する場合、移動式クレーンや仮設クレーンの設置スペースが制限されることがある。クレーン使用規則に従った共吊りをする必要がある場合、図16に示すように、支柱が5本以上あることで吊り位置が増え(四隅以外の位置を吊り位置とすることができ)、柔軟な対応が可能となる。特に門型の仮設クレーンを設置する場合、仮設クレーンを小型化することができる。
【0102】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
【符号の説明】
【0103】
1 吸込管
2 ポンプ
3 吐出管
4 吐出弁
5 原動機
6 減速機
6a 入力軸
6b 出力軸
7 プーリ
10,10a~10h ポンプ設備
11 架台
12 筐体
13a~13f,14a~14f,15a~15g,16a~16g,17a~17g,18a~18g,19,20a~20e,22,23a~23e,25,26a~26e,28,29a~29f,31a~31e,32a~32c,33a~33c 支柱
21,24,27,30 桁部材
101~104 ポンプユニット
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図15
図16