(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191540
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】基板支持機構、基板洗浄装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20221221BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20221221BHJP
【FI】
H01L21/304 648A
H01L21/304 644C
H01L21/304 643A
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021099799
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 充
(72)【発明者】
【氏名】中野 央二郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 拓也
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA37
5F131CA12
5F131EA06
5F131EB33
5F131EB52
5F131EB79
5F157AA96
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB48
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157AC01
5F157AC56
5F157BA07
5F157BA13
5F157BA14
5F157BA31
5F157BB23
5F157BB37
5F157BB45
5F157DA31
5F157DB37
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】洗浄部材の摩耗や、予期しないゴミの発生を抑制するための一手段を提供する。
【解決手段】基板支持機構100は、揺動自在となり、閉状態で基板Wの一方面の周縁に接触可能な接触領域を有する第一支持部110と、前記基板Wの他方面を支持する第二支持部120と、前記第一支持部110を揺動させる第一支持部移動部140と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉状態で基板の一方面の周縁に接触可能な接触領域を有する第一支持部と、
前記基板の他方面を支持する第二支持部と、
前記第一支持部を開状態から閉状態へと移動させる第一支持部移動部と、
を備える、基板支持機構。
【請求項2】
前記第一支持部は基板の他方面には接触しない、請求項1に記載の基板支持機構。
【請求項3】
面内方向において、前記接触領域と基板の中心点とを結んだ直線上に、前記第二支持部が設けられる、請求項1又は2のいずれかに記載の基板支持機構。
【請求項4】
前記第一支持部の先端部は連続的に幅が細くなる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板支持機構。
【請求項5】
前記第一支持部の先端部は周縁内方に向かって傾斜して突出している、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の基板支持機構。
【請求項6】
前記第一支持部の先端部の頂点又は頂面は、基板の一方面よりも0.5mm以下の位置で基板よりも一方側に位置する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板支持機構。
【請求項7】
前記第一支持部が揺動することで閉状態となり、
前記第一支持部の揺動は磁力によって実現される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の基板支持機構。
【請求項8】
前記第一支持部は、基板の面内方向に沿って延在する第一延在部と、前記第一延在部から一方側に延在する第二延在部とを有し、
前記第二延在部の先端に前記接触領域が設けられ、
前記第一延在部は前記基板の他方面側に位置する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の基板支持機構。
【請求項9】
前記第一支持部が揺動することで閉状態となり、
第一磁石が前記第一延在部に設けられ、
前記第一磁石と対向する位置であって、前記基板と第一延在部との間に第二磁石が設けられ、
前記第一磁石と前記第二磁石との間の斥力によって、前記接触領域の周縁内方側への揺動力が付与される、請求項8に記載の基板支持機構。
【請求項10】
対になった第一磁石と第二磁石の組が複数あり、
前記第一磁石及び前記第二磁石は基板が回転する際に、基板とともに回転する、請求項9に記載の基板支持機構。
【請求項11】
前記基板の他方面側に設けられ、面内方向で周縁外方に向かって延在する複数のアーム部を備え、
前記アーム部に前記第二磁石が設けられる、請求項10に記載の基板支持機構。
【請求項12】
前記アーム部に前記第二支持部が設けられる、請求項11に記載の基板支持機構。
【請求項13】
前記第一支持部移動部は、前記第一延在部の他方側に位置し、前記第一延在部を一方側に移動させることで、前記第二延在部の先端部を周縁外方側へ移動させる、請求項8乃至12のいずれか1項に記載の基板支持機構。
【請求項14】
複数の第一支持部が設けられ、
前記基板の回転時において、前記第一支持部をランダム又は順番に開状態にする、請求項8乃至13のいずれか1項に記載の基板支持機構。
【請求項15】
4つ以上の第一支持部が設けられ、
ある時間において、3つ以上の第一支持部は前記基板を支持しているが、残りの第一支持部は前記基板を支持していない、請求項14に記載の基板支持機構。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか1項に記載の基板支持機構と、
前記基板を洗浄するための洗浄部材を、前記基板の面内で揺動するための揺動部と、
を備え、
前記洗浄部材は前記基板の周縁外方まで移動される、基板洗浄装置。
【請求項17】
第二支持部によって、基板の他方面を支持する工程と、
複数の第一支持部を開状態から閉状態へと移動させることで、基板の一方面の周縁を支持する工程と、
基板を回転する工程と、
基板に洗浄液を供給する工程と、
を備え、
前記基板の回転時において、前記第一支持部をランダム又は順番に開状態にする、基板洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハ等の基板を支持する基板支持機構と、当該基板支持機構を有する基板洗浄装置及び当該基板支持機構を用いた基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、基板Wを支持するチャックと、チャックによって支持された基板Wを回転させる回転機構とを有した基板洗浄装置が知られている(特許文献1)。このような基板処理洗浄装置では、基板のおもて面と裏面とをチャックアームによって把持する態様となっており、おもて面側にチャックアームの先端が比較的長い長さで突出する態様となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で示すようなチャックアームを採用した場合、チャックアームにペンシル洗浄部材が接触しないように、チャックアームの周縁内方までしかペンシル洗浄部材を揺動させないことも考えられるが、その場合には、基板の周縁部をペンシル洗浄部材によって洗浄できないという問題がある。また、基板の周縁部まで洗浄を行うためにペンシル洗浄部材を基板の周縁外方まで振り切ることも考えられるが、その場合には、ペンシル洗浄部材が外れてしまったり、チャックアームによる基板の把持が外れてしまったりする可能性もある。さらに、この場合には、ペンシル洗浄部材の摩耗が生じやすくなり、また予期しないゴミの発生の原因にもなる。ロール洗浄部材についても同様であり、ロール洗浄部材がチャックアームの先端部と接触してしまうと、ロール洗浄部材の摩耗が生じやすくなるし、また予期しないゴミの発生の原因にもなる。
【0005】
本発明は、従前のチャックアームとは異なる発想に基づいており、第一態様としては、基板の裏面と基板のおもて面とを面内方向の異なる位置で支持することを提供し、その結果として、上記のような問題を解決するために必要な一手段を提供するものである。後述する第二態様ではごみの発生を抑制することを実現し、第三態様では基板の周縁部の洗浄をより確実に行うことを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様による基板支持機構は、
閉状態で基板の一方面の周縁に接触可能な接触領域を有する第一支持部と、
前記基板の他方面を支持する第二支持部と、
前記第一支持部を開状態から閉状態へと移動させる第一支持部移動部と、
を備えてもよい。
【0007】
本発明の第二態様による基板支持機構は、
閉状態で基板を支持する支持部を備え、
前記支持部は、基板の面内方向に沿って延在する第一延在部と、前記第一延在部から一方側に延在する第二延在部とを有し、
前記第二延在部の先端で前記基板を支持し、
前記第一延在部は前記基板の他方面側に位置し、
前記支持部が揺動することで閉状態となり、
第一磁石が前記第一延在部に設けられ、
前記第一磁石と対向する位置であって、前記基板と第一延在部との間に第二磁石が設けられ、
前記第一磁石と前記第二磁石との間の斥力によって、前記接触領域の周縁内方側への揺動力が付与されてもよい。
【0008】
本発明の第三態様による基板洗浄装置は、
閉状態で基板を支持する複数の支持部と、
前記基板を回転させる回転部と、
前記基板に洗浄液を供給する供給部と、
を備え、
前記基板の回転時において、前記支持部をランダム又は順番に開状態にしてもよい。
【0009】
第二態様及び第三態様における「支持部」は、以下では「第一支持部」と読み替えた上で、さらに限定した態様について説明する。
【0010】
本発明の上記の各態様において、
前記第一支持部は基板の他方面には接触しなくてもよい。
【0011】
本発明の上記の各態様において、
面内方向において、前記接触領域と基板の中心点とを結んだ直線上に、前記第二支持部が設けられてもよい。
【0012】
本発明の上記の各態様において、
前記第一支持部の先端部は連続的に幅が細くなってもよい。
【0013】
本発明の上記の各態様において、
前記第一支持部の先端部は周縁内方に向かって傾斜して突出してもよい。
【0014】
本発明の上記の各態様において、
前記第一支持部の先端部の頂点又は頂面は、基板の一方面よりも0.5mm以下の位置で基板よりも一方側に位置してもよい。
【0015】
本発明の上記の各態様において、
前記第一支持部が揺動することで閉状態となり、
前記第一支持部の揺動は磁力によって実現されてもよい。
【0016】
本発明の上記の各態様において、
前記第一支持部は、基板の面内方向に沿って延在する第一延在部と、前記第一延在部から一方側に延在する第二延在部とを有し、
前記第二延在部の先端に前記接触領域が設けられ、
前記第一延在部は前記基板の他方面側に位置してもよい。
【0017】
本発明の上記の各態様において、
前記第一支持部が揺動することで閉状態となり、
第一磁石が前記第一延在部に設けられ、
前記第一磁石と対向する位置であって、前記基板と第一延在部との間に第二磁石が設けられ、
前記第一磁石と前記第二磁石との間の斥力によって、前記接触領域の周縁内方側への揺動力が付与されてもよい。
【0018】
本発明の上記の各態様において、
対になった第一磁石と第二磁石の組が複数あり、
前記第一磁石及び前記第二磁石は基板が回転する際に、基板とともに回転してもよい。
【0019】
本発明の上記の各態様において、
前記基板の他方面側に設けられ、面内方向で周縁外方に向かって延在する複数のアーム部を備え、
前記アーム部に前記第二磁石が設けられてもよい。
【0020】
本発明の上記の各態様において、
前記アーム部に前記第二支持部が設けられてもよい。
【0021】
本発明の上記の各態様において、
前記第一支持部移動部は、前記第一延在部の他方側に位置し、前記第一延在部を一方側に移動させることで、前記第二延在部の先端部を周縁外方側へ移動させてもよい。
【0022】
本発明の上記の各態様において、
複数の第一支持部が設けられ、
前記基板の回転時において、前記第一支持部をランダム又は順番に開状態にしてもよい。
【0023】
本発明の上記の各態様において、
4つ以上の第一支持部が設けられ、
ある時間において、3つ以上の第一支持部は前記基板を支持しているが、残りの第一支持部は前記基板を支持していなくてもよい。
【0024】
本発明の上記の各態様において、
前述した基板支持機構と、
前記基板を洗浄するための洗浄部材を、前記基板の面内で揺動するための揺動部と、
を備え、
前記洗浄部材は前記基板の周縁外方まで移動されてもよい。
【0025】
本発明の基板洗浄方法は、
第二支持部によって、基板の他方面を支持する工程と、
複数の第一支持部を開状態から閉状態へと移動させることで、基板の一方面の周縁を支持する工程と、
基板を回転する工程と、
基板に洗浄液を供給する工程と、
を備え、
前記基板の回転時において、前記第一支持部をランダム又は順番に開状態にしてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の第一態様によれば、基板の裏面と基板のおもて面とを面内方向の異なる位置で支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態による基板洗浄装置を含む基板処理装置の全体構成を示す上方平面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施の形態による基板洗浄装置の側方断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施の形態で用いられるアーム部等を示した上方平面図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の第1の実施の形態の一態様として用いられる基板支持機構(閉状態)を示した側方図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の第1の実施の形態の一態様として用いられる基基板支持機構(開状態)を示した側方図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の第1の実施の形態の別の態様として用いられる基板支持機構(閉状態)を示した側方図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明の第1の実施の形態の別の態様として用いられる基基板支持機構(開状態)を示した側方図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1の実施の形態による基板支持機構の斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1の実施の形態による基板支持機構の上方平面図である。
【
図8】
図8は、本発明の第1の実施の形態による第一支持部を拡大して示した側方図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1の実施の形態による第一支持部、第二支持部及び洗浄部材を示した側方図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1の実施の形態による第一支持部及び洗浄部材を、
図9の矢印Aの方向から見た図である。
【
図11】
図11は、本発明の第2の実施の形態の一態様として用いられる基板支持機構を示した側方図である。
【
図12】
図12は、本発明の第2の実施の形態の別の態様として用いられる基板支持機構を示した側方図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施の形態で用いられるペンシル洗浄部材を示した上方平面図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施の形態で用いられるロール洗浄部材を示した上方平面図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施の形態において、第二支持部が設けられない態様を示した側方図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
第1の実施の形態
《構成》
以下、本発明に係る基板洗浄装置を有する基板処理装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施の形態において、「基板Wのおもて面側」は
図2の上方側を意味し、「基板Wの裏面側」は
図2の下方側を意味し、基板Wの法線方向を「第一方向」と呼び、基板Wの面内方向を「面内方向」と呼ぶ。
図2の第二方向及び紙面の表裏方向(第三方向)を含む面が面内方向となる。なお、「基板Wのおもて面側」を「一方側」とも呼び、「基板Wの裏面側」を「他方側」とも呼ぶ。
【0029】
図1に示すように、基板処理装置は、略矩形状のハウジング310と、多数の基板Wをストックする基板Wカセットが載置されるロードポート312と、を有している。ロードポート312は、ハウジング310に隣接して配置されている。ロードポート312には、オープンカセット、SMIF(Standard Mechanical Interface)ポッド、又はFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができる。SMIFポッド、FOUPは、内部に基板Wカセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。基板Wとしては、例えば半導体ウェハ等を挙げることができる。
【0030】
ハウジング310の内部には、複数(
図1に示す態様では4つ)の研磨ユニット314a~314dと、研磨後の基板Wを洗浄する第1洗浄ユニット316及び第2洗浄ユニット318と、洗浄後の基板Wを乾燥させる乾燥ユニット320とが収容されている。研磨ユニット314a~314dは、基板処理装置の長手方向に沿って配列され、洗浄ユニット316、318及び乾燥ユニット320も基板処理装置の長手方向に沿って配列されている。本実施の形態の基板処理装置によれば、直径150mm、200mm、300mm又は450mmの半導体ウェハ、フラットパネル、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)における磁性膜の製造工程において、種々の基板Wを、研磨処理することができる。
【0031】
ロードポート312、ロードポート312側に位置する研磨ユニット314a及び乾燥ユニット320に囲まれた領域には、第1搬送ロボット322が配置されている。また、研磨ユニット314a~314d並びに洗浄ユニット316、318及び乾燥ユニット320と平行に、搬送ユニット324が配置されている。第1搬送ロボット322は、研磨前の基板Wをロードポート312から受け取って搬送ユニット324に受け渡したり、乾燥ユニット320から乾燥後の基板Wを受け取ったりする。
【0032】
第1洗浄ユニット316と第2洗浄ユニット318との間に、これら第1洗浄ユニット316と第2洗浄ユニット318の間で基板Wの受け渡しを行う第2搬送ロボット326が配置され、第2洗浄ユニット318と乾燥ユニット320との間に、これら第2洗浄ユニット318と乾燥ユニット320の間で基板Wの受け渡しを行う第3搬送ロボット328が配置されている。さらに、ハウジング310の内部には、基板処理装置の各機器の動きを制御する制御部50が配置されている。本実施の形態では、ハウジング310の内部に制御部50が配置されている態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、ハウジング310の外部に制御部50が配置されてもよいし、遠隔地から遠隔操作できるようになってもよい。また、制御部50は複数の装置から構成されてもよく、制御部50が複数の装置から構成される場合には、制御部50を構成する装置は異なる部屋又は異なる場所に設置されてもよく、制御部50の一部と制御部50の残部が遠隔地に配置されてもよい。
【0033】
第1洗浄ユニット316として、洗浄液の存在下で、基板Wの直径のほぼ全長にわたって直線状に延びるロール洗浄部材11bを接触させ、基板Wに平行な中心軸周りに自転させながら基板Wの表面をスクラブ洗浄するロール洗浄装置が使用されてもよい。また、第2洗浄ユニット318として、洗浄液の存在下で、鉛直方向に延びる円柱状のペンシル洗浄部材11aの下端接触面を基板Wの表面に接触させ、ペンシル洗浄部材11aを自転させながら一方向に向けて移動させて、基板Wの表面をスクラブ洗浄するペンシル洗浄装置が使用されてもよい。また、乾燥ユニット320として、水平に回転する基板Wに向けて、移動する噴射ノズルからIPA蒸気を噴出して基板Wを乾燥させ、さらに基板Wを高速で回転させて遠心力によって基板Wを乾燥させるスピン乾燥ユニットが使用されてもよい。
【0034】
なお、第1洗浄ユニット316としてロール洗浄装置ではなく、第2洗浄ユニット318と同様のペンシル洗浄装置を使用したり、二流体ジェットにより基板Wの表面を洗浄する二流体ジェット洗浄装置を使用したりしてもよい。また、第2洗浄ユニット318としてペンシル洗浄装置ではなく、第1洗浄ユニット316と同様のロール洗浄装置を使用したり、二流体ジェットにより基板Wの表面を洗浄する二流体ジェット洗浄装置を使用したりしてもよい。本発明の態様は、第1洗浄ユニット316にも第2洗浄ユニット318にも適用でき、ロール洗浄装置、ペンシル洗浄装置、及び/又は、二流体ジェット洗浄装置とともに用いることもできる。
【0035】
本実施の形態の洗浄液には、純水(DIW)等のリンス液と、アンモニア過酸化水素(SC1)、塩酸過酸化水素(SC2)、硫酸過酸化水素(SPM)、硫酸過水、フッ酸等の薬液が含まれている。本実施の形態で特に断りのない限り、洗浄液は、リンス液又は薬液のいずれかを意味している。
【0036】
図2に示すように、本発明の実施の形態による基板洗浄装置は、筐体5と、筐体5内で基板Wを支持する基板支持機構100と、基板支持機構100を回転させる回転部35と、基板支持機構100によって支持された基板Wを物理洗浄する洗浄部10と、洗浄液を供給する洗浄液供給部90と、を有してもよい。基板支持機構100は、基板Wを支持していない場合には開状態となっており、基板Wを支持する場合には閉状態となっている。制御部50からの指令に基づいて基板支持機構100の開閉を制御してもよいし、基板Wを載置することで自動的に基板支持機構100が閉状態となり、基板Wを取り除くときに(一定以上の力が加わることで)自動的に開状態となるようにしてもよい。
図2に示す態様では、一例として、洗浄液供給部90は、薬液を供給する薬液供給ノズル91と、二流体を供給する流体ジェットノズル92と、リンス液を供給するリンス液供給ノズル93と、を有している。洗浄液供給部90からの洗浄液の供給の制御は記憶部60に記憶されたレシピを制御部50が読み出すことで行われてもよい。本実施の形態では、基板処理装置の制御部50が基板洗浄装置を制御する態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、基板洗浄装置を制御するための専用の制御部によって制御が行われてもよい。
【0037】
洗浄部10は基板Wの一方面に洗浄液を供給する第一洗浄部と、基板Wの他方面に洗浄液を供給する第二洗浄部とを有してもよい。
図2に示す洗浄部10は第一洗浄部であり、
図2には第二洗浄部は示されていない。
【0038】
基板Wに接触して洗浄するロール洗浄部材11b及び/又はペンシル洗浄部材11aを含む洗浄部材11が設けられてもよい(
図13及び
図14参照)。洗浄部材11は、第一洗浄部の構成要素であり、基板Wの一方面に接触して洗浄を行う第一洗浄部材11と、第二洗浄部の構成要素であり、基板Wの他方面に接触して洗浄を行う第二洗浄部材11とを有してもよい。
【0039】
図2に示すように、基板支持機構100は、揺動自在となり、閉状態で基板Wの一方面の周縁に接触可能な接触領域を有する第一支持部110と、基板Wの他方面を支持する第二支持部120と、第一支持部110を揺動させる第一支持部移動部140と、を有してもよい。
【0040】
第一支持部110は、基板Wの一方面又は一方面及び側面だけに接触する接触領域を有し、基板Wの他方面には接触しない構成となってもよい。基板Wの一方面は例えばウェハの後述するベベル部Wbの上面である。但し、このような態様に限られることはなく、第一支持部110は、基板Wの他方面に接触する構成となってもよい。また、第一支持部110が基板Wの他方面に接触する場合には、第二支持部120が設けられないようにしてもよい(
図15参照)。
【0041】
第二支持部120は第一支持部110と被回転部20の回転中心とを結ぶ直線上に設けられてもよい(
図3参照)。この場合、面内方向において、接触領域と基板Wの中心点とを結んだ直線上に、第二支持部120が設けられることになる。このような態様を採用した場合には、例えば延在する(例えば4つの)アーム部160の各々に第二支持部120を設けるだけでよく、その構成を簡易なものにすることができる点で有益である。
図2に示すように、回転部35は、モータ36と、モータ36によって回転される第一回転部31と、第一回転部31にベルト37を介して連結され、第一回転部31とともに回転する第二回転部32とを有してもよい。
【0042】
第一支持部110の先端部112aは連続的に幅が細くなってもよいし、また断続的に幅が細くなってもよい。
図10では、第一支持部110の先端部112aがRを有し、第一支持部110の先端部112aの頂部の面内方向における中心を含み、第一方向及び第一支持部110の幅方向の中心位置での基板Wの接線(
図6参照)が延在する方向(
図2における第三方向)を含む平面で切断した縦断面において半円形状となっている。なお、
図10において、ペンシル洗浄部材11aは紙面のおもて面側に移動されることになる。なお、開状態による開度は小さなものとなってもよく、閉状態と比べ開状態における第一支持部110の先端部112aは1~2mm程度しか開かないようにしてもよい(
図9の左右方向における開度を参照)。このように開度が小さいと基板Wを取り出す際に第一支持部110の先端部112aが基板Wに引っかかっていることも考えられるが、このような事態が発生しても、基板Wを引っ張り上げる力によって、第一支持部110の先端部112aが開いて逃げるようになってもよい。
【0043】
第一支持部110の先端部112aは周縁内方に向かって傾斜して突出してもよいし(
図8参照)、また断続的に周縁内方に向かって突出してもよい。本実施の形態において第一支持部110の「先端部112a」とは、基板Wの一方面よりも一方側に位置する領域を少なくとも含んでおり、典型的には第一支持部110の一方側端部から1mm程度の領域を意味している。第一支持部110の先端部112aの近辺の内周側面は切欠部112bを有してもよい。切欠部112bは、一方側に向かうにつれて外周方向に連続的に傾斜した第一傾斜部1121と、第一傾斜部1121から一方側に向かうにつれて内周方向に連続的に傾斜した第二傾斜部1122とを有してもよい(
図6乃至
図8参照)。第一支持部110の閉状態において、第二傾斜部1122の内周面と基板の一方面又は一方面及び側面とが接触されることになる。本実施の形態における「基板Wの周縁」とは基板Wがウェハのように円形状となっている場合には、基板Wの外縁E(最も外周側の位置)から基板の半径の5%以内の領域のことを意味している。本実施の形態において「側面」とは基板Wの厚み方向(第一方向)に合致する方向で延在する面を意味しており、当該方向(第一方向)から少しでもずれた場合には、一方面又は他方面を構成することになる。
図8に示す態様では、縦断面において略円弧状になっている箇所がベベル部Wbとなるが、このベベル部Wbにおいても、第一方向に対して傾斜している箇所において、基板Wの厚み方向の中心よりも一方側の面は一方面になり、基板Wの厚み方向の中心よりも他方側の面は他方面になる。なお、ベベル部Wbの形状は様々あり、従来から用いられているあらゆる形状のもの(多角形状のものを含む。)を採用することができる。前述したように縦断面が円弧状となってもよいし、特開2010-162624号で示されるように四角形状のものであってもよいし、縦断面が三角形状に近い態様であってもよい。基板Wと第一支持部110との接触長さは、第一支持部110の幅Z(
図10参照)に対して20%から100%となってよい。
【0044】
第一支持部110の先端部112aの頂点又は頂面は基板Wの一方面よりも0.5mm以下の位置で基板Wよりも一方側に位置し、ほとんど基板Wの一方面側に突出しないようにしてもよい。なお、従来の態様では、第一支持部110の先端部112aの頂点又は頂面は基板Wの一方面よりも1.0mm程度で突出していることが一般的であったことから、本実施の形態の態様では、その突出量が格段に小さくなっている。
図8及び
図9でのD1が基板Wの一方面よりも突出した第一支持部110の先端部112aの量であるが、このD1が0.5mm以下となるようにしてもよい。第一支持部110の先端部112aの頂点又は頂面は基板Wの一方面の一方側端部よりも0.4mm以下、より限定するならば0.3mm以下の位置で基板Wよりも一方側に位置してもよい。下限値は0.1mmであってもよい。但し、ベベル部Wbだけに接触する場合も考えると、第一支持部110の先端部112aの頂点又は頂面は基板Wの一方面の一方側端部よりも他方側に位置してもよい(
図8のD1がマイナスになってもよい)。なお、第一支持部110の基板Wの回転方向に沿った幅が狭い場合には第一支持部110の先端部112aは頂点となり、第一支持部110の先端部112aがある程度大きい場合には第一支持部110の先端部112aは頂面となる。頂面は平坦面となってもよい。
【0045】
閉状態において第一支持部110の先端部112aは基板Wと面内方向においても重複することになるが、その量もわずかなものであってもよい。第一支持部110の先端部112aと基板Wとの面内方向における重複量は
図8においてD2として示されているが、このD2は例えば0.7mm以下であってもよいし、より限定するのであれば0.5mm以下であってもよく、さらに限定するのであれば0.4mm以下であってもよい。下限値は0.1mmであってもよい。
【0046】
第一支持部110の揺動は磁力によって実現されてもよい。但し、このような態様に限られることはなく、接触することによる物理力を加えることで、第一支持部110は揺動されてもよい。なお、基板支持機構100としては、従前の把持部を採用してもよい。
【0047】
図9に示すように、第一支持部110は、基板Wの面内方向に沿って延在する第一延在部111と、第一延在部111から一方側に延在する第二延在部112と、第一延在部111と第二延在部112との間に設けられた屈曲部113と、を有してもよい。第二延在部112の先端が前述した第一支持部110の先端部112aになり、前述した接触領域が設けられることになる。他方、第二延在部112の端部が第一支持部110の基端部となる。第一延在部111は、基板Wの他方面側に位置し、基板Wの他方面側で、被回転部20の回転中心から周縁外方に向かって直線状に延在してもよい。
【0048】
基板Wの他方面側に、被回転部20の回転中心から、面内方向で周縁外方に向かって延在する複数のアーム部160が設けられてもよい。
図3に示す態様では4本のアーム部160が設けられている。
【0049】
図4A及び
図4Bに示すように、第一延在部111に第一磁石151が設けられてもよい。また、第一磁石151と対向する位置であって、基板Wと第一延在部111との間に第二磁石152が設けられてもよい。一例としては、前述したアーム部160の内部に第二磁石152が設けられてもよい。第一磁石151と第二磁石152との間の斥力によって、接触領域の周縁内方側への揺動力が付与されてもよい。具体的には、第一磁石151が第二磁石152から遠ざかろうとする力によって、第一延在部111の基端部が下方側への力を受け、その結果として、第二延在部112の先端部112aが周縁内方に向かうような力を受けることになる。この際、揺動軸130は、第一延在部111、第二延在部112及び屈曲部113のいずれに設けられてもよい。第一磁石151、第二磁石152及び後述する第三磁石143は例えば直径が10~20mm程度となり、厚みが3~7mm程度のものを用いることができる。第一磁石151と第二磁石152との間の斥力によって実現される第一支持部110の把持力(支持力)は5~15N程度であり、好ましくは8N以上となっている。
【0050】
対になった第一磁石151と第二磁石152の組は一つだけでもよいが、複数の組が設けられてもよい。一例としては、アーム部160と第一支持部110とが同じ数だけ設けられてもよい。この場合には、各アーム部160に第二磁石152が設けられ、各第一支持部110に第一磁石151が設けられ、これら第二磁石152と第一磁石151とが対になって設けられてもよい。各第一支持部110は各アーム部160に固定されており、回転部35によって回転部35が回転されることで、支持部が回転するようになってもよい。
図4A及び
図4Bに示す態様では、揺動軸130を介して第一支持部110がアーム部160に対して揺動可能に固定されている。より具体的には、第一支持部110の第二延在部112はアーム部160に設けられた貫通孔162内を通過して設けられており、貫通孔162内において、揺動軸130を介して第一支持部110がアーム部160に対して揺動可能に固定されている。揺動軸130が貫通孔162内に設けられ、基板Wから、基板Wの法線方向における距離が長くなると、第一支持部110の先端部112aを長い半径で揺動させることができ、その動きを基板Wの面内方向に沿った移動(例えば水平方向移動)に近づけることができる。このため、基板Wの一方側への突出量D1を小さくしつつ基板Wの把持を確実にすることができる。また、このような態様を採用した場合には、複数の第一支持部110の高さ方向でのずれが生じにくくなる点でも有益である。
【0051】
第一磁石151及び第二磁石152は基板Wが回転する際に、基板Wとともに回転してもよい。
図4A及び
図4Bに示す態様では、アーム部160が回転部35によって回転されるので、アーム部160内に設けられた第二磁石152と、アーム部160に揺動可能に固定された第一磁石151は、アーム部160とともに回転されることになる。
【0052】
アーム部160に第二支持部120が設けられてもよい。
図4A及び
図4Bに示す態様では、アーム部160の一方面に第二支持部120が設けられ、第二支持部120は第一方向に沿って直線状に延在している。アーム部160と第二支持部120とが同じ数だけ設けられ、各アーム部160に第二支持部120が設けられてもよい。第二支持部120の頂点又は頂面が基板Wの他方面(裏面)に当接することになる。なお、第一支持部110と第二支持部120が一対一で対応し、同じ数だけ設けられてもよいが、このような態様に限られることはなく、第一支持部110と第二支持部120の数は異なってもよい。
【0053】
第一支持部移動部140は、第一延在部111の他方側に位置し、第一延在部111を一方側に移動させることで、第二延在部112の先端部112aを周縁外方へ移動させてもよい。例えば、第一支持部移動部140の当接部141が第一延在部111の他方面に当接することで、第一延在部111を一方側に移動させてもよい(
図5A及び
図5B参照)。また、第一支持部移動部140に第三磁石143が設けられ、第三磁石143からの磁力による斥力を第一磁石151が受けることで、第一延在部111を一方側に移動させてもよい(
図4A及び
図4B参照)。第一支持部移動部140はアームと同数設けられてもよい。そして、各第一支持部移動部140が各アーム部160に対応して設けられてもよい。但し、このような態様に限られることはなく、アーム部160よりも少ない数(典型的には1つ)の第一支持部移動部140が設けられてもよいし、第一支持部移動部140が平面視において円周状に連続的に設けられ、第一支持部移動部140が一方側に移動することで、複数の第一延在部111の各々が同時に一方側に移動されてもよい。
【0054】
アーム部160の他方面側には被移動部180が設けられ、この被移動部180を第一方向に沿って移動させる移動部170が設けられてもよい。
図2に示す態様では、被移動部180の他方面にアクチュエータ等からなる移動部170が設けられており、当該移動部170によって被移動部180が第一方向に沿って移動可能となっている。被移動部180は例えばリング形状となり、アンクランプリングからなってもよい。
【0055】
基板Wの回転時において、複数設けられた第一支持部110はランダム又は順番に開状態になってもよい。また、基板Wの回転時において、複数設けられた第一支持部110はランダム又は順番に支持力が変化してもよい。一例としては、第三磁石143が設けられた一つの回転しない第一支持部移動部140だけが一方側に移動しており、当該第一支持部移動部140の一方側を回転する第一延在部111が通過する際に、第一延在部111が一方側に移動し、第二延在部112の先端部112aが開状態になる又は第二延在部112の先端部112aによる基板Wへの支持力が弱まるようにしてもよい。但し、このような態様に限られることはなく、第一支持部移動部140が各アーム部160に対応して設けられ(したがってアーム部160とともに回転され)、制御部50からの指令に応じて、第一支持部移動部140がランダム又は一定の順番で一方側に移動し、その結果として第二延在部112の先端部112aによる基板Wの支持力が弱まるようにしてもよい。
【0056】
回転が停止した際に、第三磁石143の面内方向の位置と第一磁石151の面内方向の位置を合致させるために、第一磁石151の面内方向の回転停止位置を検知するようにしてもよい。この際、サーボモーターによる位置制御が利用されてもよい。
【0057】
4つ以上の第一支持部110が設けられている場合には、ある時間において、3つ以上の第一支持部110は基板Wを支持しているが、残りの第一支持部110は前記基板Wを支持していない態様となってもよい。また、ある時間において、3つの第一支持部110の支持力は閾値以上となり、残りの第一支持部110の支持力は閾値未満となってもよい。前述した、第三磁石143が設けられた一つの回転しない第一支持部移動部140だけが一方側に移動しており、当該第一支持部移動部140の一方側を回転する第一延在部111が通過する際に、第一延在部111が一方側に移動する例で言えば、一方側に第一延在部111が移動することで、当該第一延在部111を構成要素とする第一支持部110が開状態になる又は基板Wに対する支持力が閾値未満となり、その他の第一支持部110による基板Wに対する支持は継続して行われており、その支持力は閾値以上となる。また、第一支持部移動部140が各アームに対応して設けられ、制御部50からの指令に応じて、第一支持部移動部140がランダム又は一定の順番で一方側に移動する例で言えば、制御部50からの指令に応じて一方側に移動された第一支持部移動部140に対応する第一延在部111を構成要素とする第一支持部110が開状態になる又は第一支持部110による基板Wに対する支持力が閾値未満となり、その他の第一支持部110による基板Wに対する支持は継続して行われ、その支持力は閾値以上となる。
【0058】
図3で示すように、本実施の形態では4つの基板支持機構100が均等に(回転中心を中心として90°の角度で)配置されてもよい。なお、基板支持機構100の数は、基板Wを安定的に支持できればよく、例えば3つとしてもよい。
図2では、水平方向に基板Wを支持した例を示したが、これに限定されず、例えば、縦方向(鉛直方向)に基板Wを支持する構成としてもよいし、水平方向に傾斜するようにして基板Wを支持する構成としてもよい。
【0059】
《方法》
本実施の形態の基板洗浄装置を用いた基板Wの洗浄方法(基板処理方法)の一例は、以下のようになる。なお、上記と重複することになるので簡単に説明するに留めるが、上記「構成」で述べた全ての態様を「方法」において適用することができる。また、逆に、「方法」において述べた全ての態様を「構成」において適用することができる。また、本実施の形態の方法を実施させるためのプログラムはUSB等の記録媒体に記録されてもよく、この記録媒体をコンピュータ(図示せず)で読み取ることで、本実施の形態の方法が基板処理装置で実施されてもよい。記録媒体は、非一時的な有形のコンピュータ可読記録媒体であってもよい。
【0060】
まず、搬送ユニット324又は第2搬送ロボット326によって筐体5内に搬送された基板Wが基板支持機構100によって支持される。このとき、洗浄部10は待機位置に位置付けられている。
【0061】
この際、第一支持部移動部140が一方側に位置し、その結果として第一支持部110は開状態となっている。そして、基板Wの他方面は第二支持部120が当接し、その後で第一支持部移動部140が他方側に移動することで第一支持部110が閉状態となり、基板Wが基板支持機構100によって支持されることになる。
【0062】
次に、回転部35のモータ36等によって被回転部20が回転させられ、その結果、基板支持機構100によって支持された基板Wが回転される。
【0063】
基板Wが回転されている間に、基板Wの一方面に薬液供給ノズル91から薬液が供給される。このように薬液が供給されている間に、図示しない洗浄部材の回転手段により所定の回転数で回転するロール洗浄部材11bやペンシル洗浄部11aといった洗浄部材11によって基板Wの一方面が図示しない洗浄部材の押圧手段により所定の押圧力で押圧されて物理洗浄(スクラブ洗浄)される(薬液に変えてリンス液供給ノズル93から純水などのリンス液を供給しても良い)。一例としてペンシル洗浄部11aを用いる場合には、例えば
図13に示されるように、揺動部(洗浄部材揺動部)の一例であるアーム15が揺動軸(図示せず)を中心として揺動される。ペンシル洗浄部11aはアーム15によって基板Wの周縁外方まで揺動されることになる。この際、ペンシル洗浄部11aは第一支持部110の手前で停止されることなく、そのまま基板Wの周縁外方まで揺動されるようにしてもよい。なお、本願において「洗浄部材11が基板Wの周縁外方まで揺動される」というのは、基板Wの周縁よりも外方まで洗浄部材11の少なくとも一部が揺動されることを意味する。
【0064】
このように基板Wの洗浄を行っている際に、第三磁石143が設けられた回転しない一つの第一支持部移動部140だけが一方側に移動しており、当該第三磁石143の一方側を通過する第一支持部110が開状態又は第一支持部110による基板Wに対する支持力が閾値未満となるようにしてもよい。
【0065】
ペンシル洗浄部11による洗浄が終了すると、ペンシル洗浄部11を基板Wから離隔させる。そして、薬液の供給を停止させると同時又は直前に、流体ジェットノズル92を基板Wに対して近接位置に位置付け、基板Wの一方面に流体ジェットノズル92から二流体を噴射する。なお、二流体ノズルは、液体と気体とを二流体ノズルのケーシング外で混合させて液体の液滴を形成する外部混合型のノズルとすることができる。あるいは、これに代えて、液体と気体とをノズル内部で混合させて液体の液滴を形成する内部混合型のノズルを二流体ノズルとして使用することも可能である。
【0066】
このように二流体が噴射されている間に、流体ジェットノズル92はペンシル洗浄部11が搭載されるアーム15と同様のアームに搭載され、揺動軸を中心として揺動されて、流体ジェットノズル92が、基板Wの中心を通過して、基板Wの外周まで移動させられる。
【0067】
二流体ジェット洗浄を停止させると同時又は直前に、基板Wの一方面に薬液供給ノズル91から薬液が供給される。
【0068】
次に、基板Wの一方面にリンス液供給ノズル93からリンス液が供給される。リンス液が基板Wに到達するだけの時間又は十分な時間が経過した後で、薬液供給ノズル91からの薬液の供給を停止させる。リンス液が基板Wに到達するだけの時間が経過したかは、予め測定された時間が用いられてもよい。この場合には、例えば、制御部50が記憶部60に記憶されたレシピを読み出すことで、予定のタイミングで薬液の供給を停止させてもよい。
【0069】
所定の時間だけリンス液で基板Wの一方面を洗浄した後で、基板Wの回転を停止させる。より具体的には、回転部35による被回転部20の回転が停止され、その結果、基板支持機構100によって支持された基板Wの回転が停止される。
【0070】
基板Wを濡れた状態で、第2搬送ロボット326又は第3搬送ロボット328によって筐体5から取り出される。このように基板Wを取り出す際には、第一支持部移動部140が一方側に位置し、その結果として第一支持部110は開状態となる。
【0071】
仕上げ洗浄であり、第2洗浄ユニット318で基板Wの洗浄が行われている場合には、第3搬送ロボット328によって筐体5から取り出されて、乾燥ユニット320内に基板Wが搬送されてもよい。そして、このように乾燥ユニット320内に基板Wが搬送されると、乾燥ユニット320によって基板Wが乾燥されることになる。
【0072】
なお、リンスによる洗浄の後、リンス液供給ノズル93からのリンス液の供給を停止させ、基板支持機構100によって支持された基板Wを高速で回転させることで、リンス液を振り切って乾燥させてもよい。
【0073】
上記では、基板Wの一方面だけを洗浄する態様を用いて説明したが、このような態様に限られることはなく、基板Wの一方面及び他方面の両方を同時に洗浄する態様を採用してもよい。この場合には、アーム部160と基板Wの裏面との間にペンシル洗浄部材11aを位置づけるようにすればよい。また、特開2019-003977号公報で示されているように、被回転部の周縁外方に被回転部を回転させる回転部が設けられてもよい。より具体的には、回転部がステータとなり、被回転部がロータとなり、被回転部が磁力により非接触な状態で回転されてもよい。この場合、被回転部が磁石を有し、回転部がコイル又はコイルと磁石を有してもよい。この場合、回転部と被回転部は、被回転部をベアリングで軸支することなく非接触で面内方向における位置を制御しつつ回転させることができるいわゆるベアリングレス・モータを構成することになる。
【0074】
また、上記では、洗浄部材11としてペンシル洗浄部材11aを例にとって説明したが、このような態様に限られることはなく、ロール洗浄部材11b(
図14参照)を用いた洗浄に、本実施の形態を採用してもよい。また、この場合には、アーム部160と基板Wの裏面との間にロール洗浄部材11bを位置づけて、基板Wの両面を洗浄できるようにしてもよい。
【0075】
《効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による作用・効果であって、未だ説明していないものを中心に説明する。なお、「効果」で記載された態様を、上記「構成」において適用することもできる。
【0076】
揺動自在となって閉状態で基板Wの一方面の周縁に接触可能な接触領域を有する第一支持部110と、基板Wの他方面を支持する第二支持部120を用いる場合には、第一支持部110によって基板Wの一方面(おもて面)を支持しつつ、第二支持部120によって基板Wの他方面を支持することができる。このため、第一支持部110の構成を簡易なものにすることができる。
【0077】
また、上記のような構成を採用することで、第一支持部110の基板Wの一方面側への突出量D1を抑えた態様を採用することも可能になる。つまり、第一支持部110の基板Wの一方面側への突出量D1が小さくなる態様を採用しても、基板Wをしっかりと把持することができる。例えば第一支持部110の先端部112aの頂点又は頂面が基板Wの一方面よりも0.5mm以下、0.3mm以下、0.25mm以下等の位置で一方側に位置付けるようにすることもできる。なお、基板Wを安定して固定しつつ、洗浄部材11と第一支持部110との接触量を抑えるという観点からは突出量D1は0.2mm以下であることが好ましい。上記のような態様を採用する場合には、基板Wからの一方側への突出量D1を減らすことができ、ペンシル洗浄部材11aを基板Wの周縁外方まで振り切って移動させたり、ロール洗浄部材11bにおいて基板Wの周縁を含めて洗浄したりする場合でも、ペンシル洗浄部材11aやロール洗浄部材11bといった洗浄部材11と第一支持部110との接触量を抑えることができる。このため、洗浄部材11が外れてしまったり、支持機構による基板Wの支持又は把持が外れてしまったりすることを防止できる。また、本態様によれば、洗浄部材11の寿命を長くすることができる上に、洗浄部材11が摩耗することによるゴミの発生を抑制することができる。この観点からすると、第一支持部110の先端部112aの基板W側とは反対側(周縁外方側)の外面は角がないRや曲面を有しており、第一支持部110の先端部112aの頂部の面内方向における中心を含み、第一方向及び第一支持部110の幅方向の中心位置での基板Wの接線(
図6参照)が延在する方向(
図2における第三方向)を含む平面で切断した縦断面は略半円形状や半円形状となっていることが好ましい。このような形状を採用することで、洗浄部材11が、高速で回転している第一支持部110の先端部112aに側面(
図10の左側又は右側)から接触しても、洗浄部材11の摩耗を抑制できるためである。第一支持部110の先端部112aの頂部は平坦面といった面となっておらず、頂部は点(頂点)となってもよい。第一支持部110の先端部112aの頂部が面となっている態様においては、先端部112aの頂部の中心を含む縦断面で見た場合に先端部112aの側部が他方側に向かうにつれて幅の広がる円弧を描くようになってもよい。また、先端部112aの先端が点(頂点)となる場合には、先端部112aの頂部の中心を含む縦断面で見た場合に先端部112aが半円形状となってもよい。なお、ペンシル洗浄部材11aを基板Wの周縁外方まで振り切って移動させたり、ロール洗浄部材11bにおいて基板Wの周縁を含めて洗浄したりすることで、近年の基板Wの周縁まで洗浄したいというニーズに応じることができるようになる。第一支持部110の基板Wの回転方向での幅(
図10のZ参照)は10mm以上としてもよく、11mm以上としてもよい。このように幅を一定以上とすることで、角がないRを滑らかに形成できる点で有益である。
【0078】
なお、基板Wの周縁外方には洗浄液の飛散防止のために固定カップや回転カップ等の隔壁が設けられてもよい。固定カップが設けられる場合には、固定カップの所定箇所に切り欠きが設けられ、当該切り欠きを面内で揺動するペンシル洗浄部材11aが通過するようにしてもよい。また、固定カップや回転カップの直前までペンシル洗浄部材11aが移動するようにしてもよい。なお、基板Wの周縁外方まで完全に振り切ることを重視する場合には、回転カップが設けられない態様を採用してもよい。
【0079】
基板Wの周縁まで洗浄するために基板の裏面を吸着することも考えられるが、この場合には、基板の裏面を洗浄することができない。また基板の裏面を吸着させる態様では、当該洗浄工程の後でロール洗浄が必要になる。基板Wを効率よく洗浄するために、一般的には一度の洗浄面積の大きなロール洗浄の後に一度の洗浄面積の小さなペンシル洗浄を行うことから、ペンシル洗浄を行った後にロール洗浄を行うようなことをすることは好ましいものではない。したがって、本実施の形態のように基板Wの周縁と裏面を洗浄できることは非常に有益な効果をもたらすものである。
【0080】
また、第一支持部110の先端部112aの幅が連続的に細くなっている場合にも洗浄部材11の摩耗を抑制できる点で有益である。先端部112aは、前述したような縦断面において円形状とはなっておらず、円錐又は切頭円錐のような形状であってもよいが、洗浄部材11の摩耗を抑制するという観点からは、前述したとおり、第一支持部110の先端部112aは角がないRを有しており、基板Wの回転方向で切断した縦断面(第一支持部110の先端部112aの頂部の面内方向における中心を含み、第一方向及び第一支持部110の幅方向の中心位置での基板Wの接線(
図6参照)が延在する方向(
図2における第三方向)を含む平面で切断した縦断面)において半円形状となっていることが有益である。
【0081】
第一支持部110は、基板Wの一方面又は一方面及び側面だけに接触する接触領域を有し、基板Wの他方面には接触しない構成となっている場合には、基板Wの他方面(裏面)と第一支持部110が接触することを防止でき、当該接触によるゴミの発生を防止することができる。また、このような構成を採用することで、基板Wの周縁の他方面側にスペースを形成でき、装置を小型化する上での有益な効果を得ることができる。
【0082】
第二支持部120が第一支持部110と被回転部20の回転中心とを結ぶ直線上に設けられる態様によれば、第一支持部110での基板Wの一方面における支持と、第二支持部120での基板Wの他方面における支持とのバランスを取ることができ、基板Wが予想外に傾いてしまったりする可能性を低減できる。
【0083】
第一支持部110の先端部112aが周縁内方に向かって傾斜して突出している場合には、内方側に揺動する第一支持部110の内面と基板Wとを確実に接触させることができ、第一支持部110に対する基板Wの位置がずれてしまうことを防止できる。
【0084】
第一支持部110の先端部112aの周縁内方に向かった揺動が磁力によって実現される場合には、第一支持部110を閉状態にする際に部材が接触する必要がない又は接触する部材を減らすことができる。部材が接触することでゴミが発生するリスクが生じるが、本態様を採用することで、当該リスクを軽減することができる。また、機械構成を用いた場合には、薬液が入り込んでしまうと洗浄によって除去しきれず、ディフェクトソースとなり得るが、磁石を用いることで、そのような事態が生じることを防止できる。
【0085】
第一支持部110は、基板Wの面内方向に沿って延在する第一延在部111と、第一延在部111から一方側に延在する第二延在部112と、第一延在部111と第二延在部112との間に設けられた屈曲部113と、を有し、第一延在部111が基板Wの他方面側に位置する態様を採用した場合には、第一支持部110を開状態又は閉状態にするための部材を基板Wの他方面側かつ内方側に位置付けることができ、装置が周縁方向に大きくなってしまうことを防止できる。
【0086】
第一延在部111に第一磁石151が設けられ、第一磁石151と対向する位置であって、基板Wと第一延在部111との間に第二磁石152が設けられる態様を採用した場合には、第一支持部110の先端部112aを閉状態にするための第一磁石151と第二磁石152とを一組にして設けることができる。このため、第一支持部110の先端部112aの開閉をより確実に行うことができる。
【0087】
対になった第一磁石151と第二磁石152の組が複数設けられている場合には、各組において、第一支持部110の先端部112aの開閉をより確実に行うことができる。
【0088】
第二支持部120の先端部は角がないRを有しており、第二支持部120の先端部の頂部の面内方向における中心を含み、第一方向及び対象となっている第二支持部120に最も近い第一支持部110の幅方向の中心位置での基板Wの接線(
図6参照)が延在する方向(
図2における第三方向)を含む平面で切断した縦断面において半円形状となっている場合(
図6参照)には、第二支持部120の先端部と基板Wの他方面(裏面)との接触面積を減らすことができ、基板Wの裏面の汚染がしづらくなり、また液だまりを少なくすることをできる。また、前述したとおり半円形状となっていることから基板Wの裏面に対する圧力が強くなり過ぎることを防止できる。第二支持部120の先端部が先細になっている場合には、基板Wを洗浄する洗浄液が第二支持部120に当たり難くなり、液跳ねを防止できる点でも有益である。なお、先端部だけを先細とし、下方側に位置する基端部を太くすることで、基板Wの裏面を支持する際の剛性を確保できる点でも有益である。
【0089】
第一延在部111の他方側に位置し、第一延在部111を一方側に移動させることで、第二延在部112の先端部112aを周縁外方へ移動させる第一支持部移動部140が設けられる場合には、第一支持部移動部140を一方側に移動させるだけで、第二延在部112の先端部112aを開状態にすることができる。第一延在部111が基板Wの内方側に位置することで、第一延在部111に加わる遠心力によって、揺動軸130を中心に第一延在部111を下方に移動させることができ、基板Wに対する支持力(把持力)を付与することができる。仮に第一延在部111が基板Wの外方側に位置する場合には、揺動軸130を中心に第一延在部111が下方に移動することから、基板Wから離間する方向の力が働いてしまい、基板Wに対する支持力(把持力)が弱くなってしまう。
【0090】
第一支持部移動部140に第三磁石143が設けられ、第三磁石143からの磁力による斥力を第一磁石151が受けることで、第一延在部111を一方側に移動させる場合には、第一支持部移動部140と第一延在部111とが接触することなく、第一支持部110の先端部112aを開状態にすることができる。このため、ゴミが発生することを抑制できる。
【0091】
第一支持部移動部140が平面視において円周状に連続的に設けられている場合には、第一支持部110の位置に関係なく、第一支持部移動部140を一方側に移動させるだけで、第一支持部110を開状態にすることができる(複数の第一支持部110が設けられている場合には、同時に複数の第一支持部110を開状態にすることができる。)。
【0092】
基板Wの回転時において、複数設けられた第一支持部110はランダム又は順番に開状態になる、又はその支持力が変化する態様を採用した場合は、第一支持部110と基板Wとの間に洗浄液を流し込むことができ、第一支持部110によって支持されている箇所を洗浄することができる点で有益である。開状態になる場合には、洗浄液を確実に流し込む事ができる点で有益である。支持力が弱くなる場合でも一定程度の洗浄液を流し混むことは可能である。なお、基板Wの支持をより確実にしつつ、洗浄液を流し込む観点からは、第一支持部110の支持力がランダム又は順番に変化する態様が有益である。
【0093】
また、物理洗浄(スクラブ洗浄)を行う態様で、このように複数設けられた第一支持部110はランダム又は順番に開状態になる、又はその支持力が変化する態様を採用した場合には、第一支持部110が開状態になる場合には、基板Wの外縁Eまでも確実にスクラブ洗浄でき、基板表面のみならずベベル部Wbの少なくとも上面までも効果的に洗浄できる。
【0094】
4つ以上の第一支持部110が設けられており、ある時間において、3つ以上の第一支持部110が基板Wを支持している場合には、その他の第一支持部110が開状態になったり、第一支持部110による支持力が弱まったりすることによって、基板Wがずれてしまったりすることをより確実に防止できる点で有益である。
【0095】
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0096】
上記では、第一支持部110が、基板Wの面内方向に沿って延在する第一延在部111と、第一延在部111から一方側に延在する第二延在部112とを有する態様であったが、本実施の形態では、第一支持部110が、基板Wの法線方向に沿って延在する第一方向延在部116を有する構成となっている。このような構成を採用した場合には、洗浄液等が他方側に抜けやすくなることから、液だまりが生じにくい点では有益である。その他の構成については、上記各実施の形態と同様であり、上記各実施の形態で説明したあらゆる態様を採用することができる。上記各実施の形態で説明した部材については同じ符号を用いて説明する。
【0097】
本実施の形態では、第一支持部移動部140が第一支持部110の外方に設けられ、第一支持部移動部140が第一支持部110に近接する又は当接することによって、第一支持部110が開状態になるように構成されている。
【0098】
図11に示す態様では、第一支持部移動部140が内方側に移動することで、第一支持部移動部140の当接部141と第一支持部110の外面とが当接し、第一支持部110が開状態となる。
【0099】
図12に示すように、第一支持部110内に2つの第一磁石151が設けられてもよい。より具体的には、第一磁石151は、内方側に設けられ、第二磁石152との斥力によって第一支持部110を閉状態とするための第一内方磁石1511と、外方側に設けられ、近接してくる第三磁石143との斥力によって第一支持部110を開状態とするための第一外方磁石1512とを有してもよい。そして、内方側の第一内方磁石1511は第二磁石152との斥力によって第一支持部110を閉状態とする。他方、外方側の第一外方磁石1512は近接する第三磁石143からの磁力によって内方に移動し、その結果として、第一支持部110を開状態となる。この態様においては、第三磁石143が内方側に移動し、第一外方磁石1512に近接してきた際の第三磁石143と第一外方磁石1512との間の斥力は、第二磁石152と第一内方磁石1511との間の斥力よりも大きくなる。
【0100】
第1の実施の形態(
図5、
図6等)、及び第2の実施の形態(
図11及び
図12)の第二支持部120の上部は曲面状(縦断面を半円形状)としているが、このような態様に限られることはなく、基板Wの他方面(裏面)の支持をより安定させたい場合は(基板Wの他方面と平行な)平坦面となってもよい。
【0101】
上述した実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。例えば、本発明に係る基板洗浄装置を有する基板処理装置には、基板Wの端部を研磨するベベル研磨装置、基板Wの裏面を研磨処理する裏面研磨装置、あるいは、基板Wの表面に金属膜を形成するための基板Wめっき装置が含まれうる。また、本発明における基板Wには、半導体基板Wの他にも、液晶表示装置(LCD)用、プラズマディスプレイ(PDP)用、有機発光ダイオード(OLED)用、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display)用、真空蛍光ディスプレイ(VFD)用、太陽電池パネル用等のガラス基板W、磁気・光ディスク用のガラス、セラミック基板W等の各種の基板Wが含まれる。
【符号の説明】
【0102】
100 基板支持機構
110 第一支持部
111 第一延在部
112 第二延在部
120 第二支持部
140 第一支持部移動部
143 第三磁石
151 第一磁石
152 第二磁石
W 基板