(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191729
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】情報配信装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/957 20190101AFI20221221BHJP
【FI】
G06F16/957
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100136
(22)【出願日】2021-06-16
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100171930
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 郁一郎
(72)【発明者】
【氏名】藤津 智
(72)【発明者】
【氏名】阿部 晋矢
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175LA02
(57)【要約】
【課題】より効率的に情報を配信することができる情報配信装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】統合データ保存部は、複数のノードと、前記複数のノードのうち2個のノードの組ごとに一方のノードと他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含む統合データを保存し、データ変換部は、前記統合データの構造を情報配信に関する配信計画法に応じた構造に変換して変換データを生成し、配信計画部は、前記変換データに基づいて、前記配信計画法を用いて配信計画情報を定める。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノードと、前記複数のノードのうち2個のノードの組ごとに一方のノードと他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含む統合データを保存する統合データ保存部と、
前記統合データの構造を情報配信に関する配信計画法に応じた構造に変換して変換データを生成するデータ変換部と、
前記変換データに基づいて、前記配信計画法を用いて配信計画情報を定める配信計画部と、
を備える情報配信装置。
【請求項2】
前記配信計画法は、配信設備ごとの容量と当該配信設備を用いて提供可能なサービスごとの容量に基づいて、配信データの配信に用いるサービスを定める方法であって、
前記データ変換部は、前記統合データから、
配信者を示す配信者ノードと、前記配信設備を示す配信設備ノードと、前記配信設備の容量である配信容量を特定し、
前記配信設備により提供されるサービスを示すサービスノードと、前記サービスの容量であるサービス容量を特定し、
前記配信者ノード、前記配信設備ノード、および、前記サービスノードを含み、
前記配信者ノードと前記配信設備ノードとの関連性として前記配信容量を示すエッジと、
前記配信設備ノードと前記サービスノードとの関連性として前記サービス容量を示すエッジと、を含む前記変換データを生成する
請求項1に記載の情報配信装置。
【請求項3】
前記配信計画部は、
前記配信者ノード、前記配信設備ノードのいずれか、および、前記サービスノードのいずれかを含む経路ごとに配信可能な容量の和に基づいて定めた経路に対応するサービスを選択する
請求項2に記載の情報配信装置。
【請求項4】
前記配信計画法は、配信データを配信するサービスの提供先の分布に基づいて前記サービスの提供状況を判定する方法であって、
前記データ変換部は、前記統合データから、
前記サービスの利用と関連性を有する投稿ノードと、
前記投稿ノードと関連性を有する場所ノードを特定し、
前記投稿ノードごとに前記場所ノードに示される場所を含む前記変換データを生成する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報配信装置。
【請求項5】
前記配信計画部は、
前記場所ノードに示される場所を複数のクラスタに分類し、
前記クラスタを含む地域におけるサービスごとの前記提供先の数量に基づいて前記提供状況を定める
請求項4に記載の情報配信装置。
【請求項6】
前記配信計画部は、
前記サービスごとに、配信可能な容量の範囲内で配信データを編成する
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の情報配信装置。
【請求項7】
コンピュータに
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報配信装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、情報配信装置およびプログラムに関する。例えば、様々な情報源から得られる情報を編成し、多様化した視聴者のデバイスに向けて提供する情報配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放送などのメディアにより配信される情報を視聴するためのデバイスは、多様化している。例えば、従来から、ラジオ受信機、テレビジョン受信機が広く用いられてきたが、昨今ではスマートフォンの普及が著しい。また、スマートウォッチ、スマートスピーカなど、各種の情報を提示可能なIoT(Internet of Things,モノのインターネット)デバイスの普及が見込まれている。今後も、視聴に利用されるデバイスの多様化が続くと予想される。
【0003】
また、視聴者への配信を目的として、放送局等の配信元が収集する情報の発信元も多様化している。従来から一般的だった、放送局の独自の取材、公共機関からの情報提供を受け付けに限らず、スマートフォンなどの情報機器の普及に伴い、視聴者から提供される情報も放送素材として利用される事例がある。また、推進団体や公共機関によりオープンデータの活用に向けた取り組みが実施されている。よって、IoTデバイスなどのデータの発信元となるデバイスの多様化、情報を提供する情報源の多様化も続くことが予想される。
【0004】
多様化する情報を記述する手法として、RDF(Resource Description Framework)が用いられることがある。RDFは、W3C(World Wide Web Consortium)により標準化され、RDFバージョン1.1が2014年に勧告されている。RDFは、3つのデータを要素として有する組を用いて、データ間の関係性を記述する手法である。これら3つのデータは、トリプル(triple)と呼ばれ、主語(subject)、述語(predicate)、および、目的語(object)を含む。個々のデータにおいて、URI(Uniform Resource Identifier)で情報の所在が表されることがある。RDFに記述される複数のデータ間の関係は、有向グラフを用いて表現することができる。RDFを用いることで多様化する情報源から得られる情報や、視聴者に提供するための伝送路について一元管理することが期待される。
【0005】
RDFを用いて記述されるデータ(以下、「RDFデータ」と呼ぶことがある)は、一般に多数の要素情報を示すデータを含んで構成される。RDFデータから必要とする情報の抽出において、SPARQL(SPARQL Protocol and RDF Query Language)などのクエリ言語が用いられる。SPARQLは、W3Cにより標準化されている。SPARQLを用いることで、データベースの検索と同様な手法で、一定の範囲の情報を抽出することができる。しかし、RDFで採用されているメタデータ記法は、データ配信にそのまま適用できるとは限らないし、適用できるとしても合理的とは限らない。例えば、デジタル放送の電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)では、MPEG-2 Systemsなどに規定されたSI(Service Information、番組配列情報)が用いられることが通例である。特許文献1、2には、RDFを用いて表された情報をデジタル放送に適用するために、RDFからSIに形式を変換するデータ配信方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-4272号公報
【特許文献2】特開2000-224257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
RDFは、情報源から得られた情報の一元管理に有用である。しかしながら、SPARQLによる情報抽出やRDFデータからのメタデータの変換だけでは、多様化するデバイスにふさわしい伝送路を用いて情報を提供することは、必ずしも容易ではない。例えば、災害などによりネットワークに多くの負荷がかかる状況において、従来の手法では小容量の伝送路を用いるデバイスが相対的に軽視されるため、配信先として選択されなくなるおそれがある。このように、IoTデバイスをはじめ、多様化する配信先のデバイスに効率的に情報を配信することが課題となる。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、より効率的に情報を配信することができる情報配信装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、[1]本発明の一態様は、複数のノードと、前記複数のノードのうち2個のノードの組ごとに一方のノードと他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含む統合データを保存する統合データ保存部と、前記統合データの構造を情報配信に関する配信計画法に応じた構造に変換して変換データを生成するデータ変換部と、前記変換データに基づいて、前記配信計画法を用いて配信計画情報を定める配信計画部と、を備える情報配信装置である。
[1]の構成によれば、配信計画法に応じた構造に変換された変換データに基づいて、当該配信計画法を用いて配信計画情報が定まる。統合データの構成を変換しない場合や既存の特定の構成に変換する場合よりも、配信計画を効率的に実行し、有効な情報配信を促すことができる。
【0010】
[2]本発明の一態様は、上述の情報配信装置であって、前記配信計画法は、配信設備ごとの容量と当該配信設備を用いて提供可能なサービスごとの容量に基づいて、配信データの配信に用いるサービスを定める方法であって、前記データ変換部は、前記統合データから、配信者を示す配信者ノードと、前記配信設備を示す配信設備ノードと、前記配信設備の容量である配信容量を特定し、前記配信設備により提供されるサービスを示すサービスノードと、前記サービスの容量であるサービス容量を特定し、前記配信者ノード、前記配信設備ノード、および、前記サービスノードを含み、前記配信者ノードと前記配信設備ノードとの関連性として前記配信容量を示すエッジと、前記配信設備ノードと前記サービスノードとの関連性として前記サービス容量を示すエッジと、を含む前記変換データを生成してもよい。
[2]の構成によれば、配信者ノード、いずれかの配信設備ノード、および、いずれかのサービスノードを含む経路が容易に特定される。そのため、経路ごとに配信可能な容量に基づいて、効率的にサービスを判定することができる。
【0011】
[3]本発明の一態様は、上述の情報配信装置であって、前記配信計画部は、前記配信者ノード、前記配信設備ノードのいずれか、および、前記サービスノードのいずれかを含む経路ごとに配信可能な容量の和に基づいて定めた経路に対応するサービスを選択してもよい。
[3]の構成によれば、配信設備全体として配信可能な容量に基づいて、配信者が提供可能なサービスを容易に判定することができる。
【0012】
[4]本発明の一態様は、上述の情報配信装置であって、前記配信計画法は、配信データを配信するサービスの提供先の分布に基づいて前記サービスの提供状況を判定する方法であって、前記データ変換部は、前記統合データから、前記サービスの利用と関連性を有する投稿ノードと、前記投稿ノードと関連性を有する場所ノードを特定し、前記投稿ノードごとに前記場所ノードに示される場所を含む前記変換データを生成してもよい。
[4]の構成によれば、利用されるサービスごとに、サービスの提供先となる場所を示す変換データが得られる。得られた変換データを用いることで、そのサービスの提供先の空間的な分布が容易に把握することができる。
【0013】
[5]本発明の一態様は、上述の情報配信装置であって、前記配信計画部は、前記場所ノードに示される場所を複数のクラスタに分類し、前記クラスタを含む地域におけるサービスごとの前記提供先の数量に基づいて前記提供状況を定めてもよい。
[5]の構成によれば、その他の地域よりも提供先が集中する地域が特定され、特定された地域におけるサービスの提供先の数量に基づいてサービスごとの実効的な利用状況を把握することができる。そのため、利用状況に応じた有用な配信計画が促される。
【0014】
[6]本発明の一態様は、上述の情報配信装置であって、前記配信計画部は、前記サービスごとに、配信可能な容量の範囲内で配信データを編成してもよい。
[6]の構成によれば、その時点において提供されるサービスを通じて伝達される配信情報を定めることができる。
【0015】
[7]本発明の一態様は、コンピュータに、上述の情報配信装置として機能させるためのプログラムであってもよい。
[7]の構成によれば、配信計画法に応じた構造に変換された変換データに基づいて、当該配信計画法を用いて配信計画情報が定まる。各種の情報を含んで構成される統合データよりも、配信計画を効率的に実行し、有効な情報配信を促すことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、より効率的に情報を配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係る情報配信システムの全体構成例を示す説明図である。
【
図2】本実施形態に係る情報配信装置の機能構成例を示す概略ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る統合データの第1例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る変換データの第1例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る統合データの変換処理の第1例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る配信設備リストの例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るサービスリストの例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る統合データの第2例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る統合データの変換処理の第2例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る投稿場所リストの例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る位置情報のクラスタの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報配信システム1の全体構成例を示す説明図である。
情報配信システム1は、情報配信装置10と1以上の配信設備DPとを備える。情報配信装置10は、各種のデータが送信可能となるように無線または有線で配信設備DPと接続される。情報配信装置10は、配信設備DPと専用の通信回線を用いて接続されてもよい。
【0019】
情報配信装置10は、例えば、情報配信業者として放送事業者、新聞社などの報道機関が運用する情報配信装置である。配信設備DPは、視聴者への情報配信を目的とする機器もしくは当該機器を備える施設である。
情報配信装置10は、情報源ISがそれぞれ運用する機器から各種の情報を収集する。
図1には、情報源ISとして、オリジナル情報収集、公共機関、情報提供業者、および、視聴者が例示されている。
【0020】
オリジナル情報収集は、情報配信業者自身または従業員による情報収集である。オリジナル情報収集には、例えば、記者による取材などが該当する。オリジナル情報収集により得られた収集情報として、取材された記事が該当する。
公共機関は、政府、地方自治体、独立行政法人、または、それらの関連機関など公共的な機関である。公共機関からの収集情報には、社会一般に共通または周知すべき情報、例えば、交通情報、災害情報、などが含まれうる。
情報提供業者は、情報配信業者や視聴者の需要に応えて各種の情報を配信する業者である。情報配信業者には、例えば、通信社などが含まれる。情報配信業者からの収集情報には、例えば、各種の報道記事や、為替相場、株価などの経済情報などが含まれうる。
【0021】
視聴者は、情報配信業者からの配信情報の受け手となる者である。視聴者からの収集情報には、情報配信業者からの配信情報に対する意見の他、独自の記事、など各種の投稿情報が含まれうる。視聴者の端末装置(本願では「視聴者端末装置」と呼ぶことがある)は、配信データの提供先となる機器である。視聴者端末装置は、アプリケーションの実行により提供される機能を用いて投稿情報を構成し、構成した投稿情報を情報配信装置10に提供する。情報配信装置10への投稿情報の送信は、主に通信ネットワークを用いてなされる。投稿情報の送信は、通信ネットワークに接続されたSNS(Social Networking Service)サーバーなどの情報共有サイトを経由してもよい。
【0022】
情報配信装置10は、収集した各種の収集情報を所定の形式で統合した統合データを生成し、生成した統合データを保存する。統合データは、要素情報を示す複数のノードと、複数のノードのうち2個のノードの組ごとに一方のノードと他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含んで構成される。本願では、統合データが、主にRDF1.1に規定されたRDFデータである場合を例にする。統合データは、構造化データ、リンクトデータ(linked data)、などと呼ばれることもある。
【0023】
情報配信装置10は、保存した統合データから構造が異なる変換データに変換する。変換データは、配信データの配信計画法に応じた構造を有する。配信計画は、情報配信に係る要件を定めることを指す。配信計画には、例えば、配信対象とする配信情報を定めること、配信に用いる配信設備もしくはサービスを定めることが含まれる。配信計画法とは、その情報配信に係る要件を定める手法を指す。配信計画法が、配信者の配信設備DPごとの容量と配信設備DPを用いて提供可能とするサービスごとの容量に基づいて、配信データの配信に用いるサービスを定める方法である場合、情報配信装置10は、次のように配信データを変換する。情報配信装置10は、保存した統合データから、配信者を示す配信者ノードと、配信設備を示す配信設備ノードと、配信設備の容量である配信容量を特定する。情報配信装置10は、配信設備により提供されるサービスを示すサービスノードと、当該サービスの容量であるサービス容量を特定する。情報配信装置10は、特定した配信者ノード、配信設備ノード、および、サービスノードを含み、配信者ノードと配信設備ノードとの関連性として配信容量を示すエッジと、配信設備ノードとサービスノードとの関連性としてサービス容量を示すエッジと、を含む変換データを生成する。
配信者は、例えば、放送事業者、新聞社、出版社、などの報道機関、その他の情報配信業者が該当しうる。
【0024】
情報配信装置10は、変換により得られた変換データに基づいて、上記の配信計画法を用いた処理を実行して配信計画情報を定める。情報配信装置10は、配信計画により得られた配信計画情報として、例えば、変換データに示される配信者ノード、いずれかの配信設備ノード、および、いずれかのサービスノードを含む経路ごとに配信可能な容量の和に基づいて定めた経路に対応するサービスを選択する。
情報配信装置10は、選択したサービスごとに、配信可能な容量の範囲内で配信データを編成する。
情報配信装置10は、編成した配信データを、そのサービスに関連する配信設備DPを経由して配信先DTに配信する。
【0025】
配信設備DPは、情報配信装置10から受信した配信データを視聴者端末装置に配信する。配信設備DPには配信先DTに提供可能なサービスが設定されている。
図1に例示される配信設備DPには、常設配信設備と臨時配信設備がある。常設配信設備は、位置を固定して設置される配信設備である。常設配信設備は、多様な配信サービスに応えることができるが、配信サービスの需要が求められる地域の変化に応えることが困難になりがちである。臨時配信設備は、一時的に設置される配信設備である。臨時配信設備は、自身の位置を移動することができる移動体または自身の位置を固定するための着脱が容易な支持具を備えることがある。臨時配信設備は、例えば、中継車、車載基地局などである。臨時配信設備は、配信サービスの需要が求められる地域の変化に応えることが容易であるが、対応できる配信サービスの種類が限定されがちである。情報配信装置10は、配信計画において臨時配信設備の設置を推薦することがある。
【0026】
配信設備DPの種類には、例えば、放送所、サーバー装置などがある。個々の配信設備DPは、情報配信装置10と無線または有線で所定の回線を用いて接続される。放送所は、例えば、放送波サービスを提供可能とする放送設備である。放送波サービスは、所定の放送チャンネルの放送波を伝送路(放送伝送路)として用いて配信データを搬送するサービスである。放送伝送路は、その一部に通信ネットワークを含むことがある。サーバー装置は、例えば、インターネットサービス、LPWA(Low Power Wide Area)サービスなどのいずれか、または、それらの組を提供可能とする通信設備である。本願では、サーバー装置を、単に「サーバー」と呼ぶことがある。インターネットサービスは、インターネットを伝送路(通信伝送路)として含む通信ネットワークを経由して配信データを提供するサービスである。通信LPWAサービスは、通信ネットワークを用い、通常の無線通信サービスよりも低い消費電力で、遠距離通信を実現する所定の通信方式(例えば、3GPP リリース13、または、それ以降の版)を用いて配信データを提供するサービスである。
【0027】
配信先DTは、視聴者端末装置となる。視聴者端末装置は、情報配信システム1から、少なくともいずれか1つのサービスに係る配信データを受信し、受信した配信データに含まれるコンテンツを提示する。視聴者端末装置は、テレビジョン受信装置、ラジオ受信装置などの他、多機能携帯電話機(いわゆるスマートフォンを含む)などの情報端末装置、スマートウォッチ、スマートスピーカなどのIoT機器などのいずれの形態の機器であってもよい。通例、機器により提供可能とするサービスの種類やメディアの種類が予め定められている。
【0028】
次に、本実施形態に係る情報配信装置10の機能構成例について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報配信装置10の機能構成例を示す概略ブロック図である。
情報配信装置10は、統合データ生成部122、統合データ保存部124、データ変換部126、配信計画部128、および、配信部130を含んで構成される。
情報配信装置10の各構成部は、専用の部材もしくは集積回路で構成されてもよいが、これには限らない。情報配信装置10は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体を備えるコンピュータを含んで構成されてもよい。プロセッサは、予め記憶媒体に記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行し、記憶媒体またはその他のハードウェア資源と協働して、上記の構成部の一部または全部の機能を奏してもよい。本願では、「プログラムの実行」または「プログラムを実行する」とは、プログラムに記述された各種の指令に従って処理を行うことを指す。記憶媒体には、処理に用いられるパラメータ、処理対象となる入力値、中間的または最終的な処理結果となる演算値などの各種データが一時的または永続的に記憶される。また、情報配信装置10は、各種のデータを入出力するインタフェースを含んで構成される。
【0029】
統合データ生成部122は、情報源ISから収集した各種の収集情報を統合し、所定の形式を有する統合データを生成する。統合データは、複数のノードと、前記複数のノードのうち2個のノードの組ごとに一方のノードと他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含む。個々のノードは、収集情報の一部である要素情報と関連付けられている。統合データ生成部122は、例えば、取得された収集情報をなる予め区分された2個の項目ごとに、要素情報と、それらの関係性を特定してもよい。統合データ生成部122は、所定の機械学習モデルを用いて、収集情報から2個の要素情報ごとの組に区分し、2個の要素情報ごとの関係性を特定してもよい。統合データ生成部122は、2個のノードの組ごとに一方のノードと他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含む統合データを生成する。統合データ生成部122は、生成した統合データを統合データ保存部124に記憶する。
【0030】
なお、RDFを用いて記述可能な形式で取得された収集情報に対しては、統合データ生成部122は、その形式をそのまま維持して統合データの一部または全部として採用してもよい。例えば、JSON-LD、Turtleなど、所定の方式を用いて構成されたリンクトデータは、RDFを用いて記述可能な形式を有することがある。本願では、RDFを用いて記述されたデータをRDFデータと呼ぶことがある。統合データ生成部122は、RDFデータへの形式変換方式が存在する形式で記述された収集情報を取得する場合がある。その場合には、統合データ生成部122は、その収集情報に対して、その方式を用いてRDFデータへの形式変換を実行する。統合データ生成部122は、RDF形式を有する収集情報を統合データの一部または全部として採用してもよい。
【0031】
RDFは、要素情報となるリソースのメタデータを記述するための枠組みである。RDFでは、2個のノードの組と、2個のノードのうち一方のノードと他方のノードの関連性を示す有向エッジとの組を用いて要素情報間の関係情報が表現できる(
図3参照)。RDFでは、一方のノード、エッジ、他方のノードが、それぞれ主語、述語、目的語に対応し、主語、述語および目的語といった3個の要素からなる組はトリプルと呼ばれる。主語、述語、目的語は、要素情報間の関係を示す呼称であって自然言語の文法学上の品詞または構文要素を示すものではない。主語は、記述対象、または、そのリソースを示す要素情報である。述語は、目的語が主語の特徴もしくは属性など、主語と目的語との関係を示す。目的語は、述語で示される特徴もしくは属性で与えられる事物(値)、その他、主語と関連する事物またはそのリソースを示す。RDFでは、その所在を示す識別子として、例えば、URIを用いて指示されることがある。あるトリプルに係る述語が、1個または複数個の他のトリプルに係る主語となることがある。かかる要素情報間の関係の連鎖が、それぞれ対応するノードと有向エッジを含む有向グラフで表現される。そのため、RDFによれば多様な情報を高い柔軟性をもって一元管理可能となる。
【0032】
統合データ保存部124は、統合データ生成部122が生成した統合データを記憶する。
なお、統合データにおいて、記述されるURIが共通な複数のノードまたはエッジ同士は、実質的に情報を失わずに併合可能である。また、1個のノードまたはエッジは、URIが共通な複数のノードまたはエッジに分割可能である。統合データにおいて一部の要素情報が更新された場合には、統合データ保存部124は、更新前後の差分となる部分を反映し、変更を伴わない他の部分が維持されてもよい。
【0033】
統合データの更新の態様として、ノード追加、ノード変更、および、ノード削除が掲げられる。ノード追加は、新たなノードの追加を伴う。ノード追加には、その追加に伴う既存のノードとの関連性を示すエッジの追加を伴うこともある。ノード変更は、既存の一部のノードの変更を伴う。ノード変更には、その変更に伴う既存の他のノードとの関連性を示すエッジの変更を伴うこともある。ノード削除は、既存の一部のノードの削除を伴う。ノード削除には、その削除に伴う既存の他のノードとの関連性を示すエッジの削除を伴うこともある。更新されうる要素情報には、例えば、情報源、配信データの配信設備、または、それらに関連する情報が該当する。統合データ保存部124は、必ずしも単一の統合データを保存する必要はない。統合データ保存部124は、所定の区分ごとに形成された統合データを保存してもよい。統合データ保存部124は、区分ごとの統合データを、その区分と関連付けて保存してもよい。区分は、例えば、収集情報が取得された時期(例えば、年、月、日など)、地域(例えば、地方、都道府県、市区町村など)のいずれが用いられてもよい。統合データ保存部124は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ、Hard Disk Drive)、SSD(ソリッドステートドライブ、Solid State Drive)などの記憶媒体を含んで構成される。統合データ保存部124は、情報配信装置10と無線または有線で他の機器と接続し、当該他の機器に備わる記憶媒体に一部のデータを記憶し、かつ、当該記憶媒体から読み出し可能としてもよい。これにより、他の機器との間で分散して統合データを保存することができる。
【0034】
データ変換部126は、統合データ保存部124に保存された統合データの構造を配信計画部128における配信計画法に応じた構造に変換する。データ変換部126は、例えば、配信計画法として配信データを配信可能とする容量に基づいて配信サービスを選択する際、統合データを次のように変換する。
データ変換部126は、統合データから、特定した配信設備DPにより提供されるサービスを示すサービスノードと、サービスの提供に係る情報の配信可能とする容量をサービス容量として特定する。情報配信装置10は、配信者ノード、配信設備ノード、および、サービスノードを含み、配信者ノードと配信設備ノードとの関連性として配信容量を示すエッジと、配信設備ノードとサービスノードとの関連性としてサービス容量を示すエッジと、を含む変換データを生成する。データ変換部126は、視聴者を示す視聴者ノードと、個々のサービスノードと視聴者ノードとの関連性として無限大のサービス容量を示すエッジをさらに含む変換データを生成してもよい(
図4参照)。無限大のサービス容量に代え、そのサービスノードに係るサービス容量以上となるサービス容量が設定されてもよい。データ変換部126は、生成した変換データを配信計画部128に出力する。
【0035】
配信計画部128は、データ変換部126から入力された変換データに基づいて、所定の配信計画法を用いて配信計画情報を生成する。配信計画情報には、配信データの配信に用いられるサービスに係る配信設備の情報が含まれる。配信計画情報は、配信に用いられるサービスや、そのサービスの提供に係る経路を明示または暗示する。
配信計画部128は、例えば、配信可能とする容量に基づいて配信サービスを選択する際、変換データから配信者ノード、いずれかの配信設備ノード、および、いずれかのサービスノードを通過する経路のうち、少なくとも1つの経路に対応するサービスを、それぞれの経路が配信可能な容量に基づいて選択する。配信計画部128は、例えば、変換データを用いて、配信者ノードを起点とし、いずれかの配信設備ノード、および、いずれかのサービスノードを含み、視聴者ノードを終点とする経路のうち、最も容量が大きくなる1個の経路または2個以上の経路の組を選択する。個々の経路は、1個の配信設備ノードと1個のサービスノードを含む。個々の配信設備ノードは、1個または複数のサービスノードとそれぞれエッジをもって接続されうる。但し、サービス容量もしくはその合計値が、自ノードの配信容量以下となるように、1個または複数のサービスノードと接続する経路を設定できる。つまり、自ノードの配信容量を超える1個または複数のサービスノードと接続する経路を設定できない。配信計画部128は、経路選択において、例えば、フォード・ファルカーソン法(Ford-Fulkerson Algorithm)を用いることができる。配信計画部128は、選択した経路に対応するサービスと配信設備をそれぞれ配信に用いるサービスと配信設備として定めることができる。
【0036】
配信計画部128は、定めたサービスのそれぞれに設定されたサービス容量を超えないように、配信データを編成する。配信計画部128は、例えば、統合データを参照して、配信者が保持するデータベースに保持される候補情報ごとに容量を個別容量として特定し、特定した個別容量の合計値がサービス容量を超えないように1個または複数の候補情報を選択する。候補情報は、配信データをなす要素情報の候補となる情報である。個別容量は、一般に配信に用いられるメディアの種類に依存する。個別容量は、例えば、動画像、静止画像、音声、テキスト、警告表示、警告音の順に少なくなり、動画像が最も多い。個々の候補情報にその緊急性を示す緊急性情報と関連性を有する場合には、配信計画部128は、高い緊急性を示す緊急性情報と関連性を有する候補情報ほど優先して選択してもよい。また、緊急事態を示す候補情報にその度合いを示すレベル情報と関連性を有する場合には、高い度合いを示すレベル情報と関連性を有する候補情報ほど優先しても選択してもよい。
【0037】
これらの優先度情報は、統合データにおいて候補情報と関連付けて設定されることがある。その場合には、配信計画部128は、候補情報と関連付けて設定された優先度情報に示される優先度を、その候補情報の優先度として特定することができる。
図3に例示されるRDFデータでは、候補情報となりうる「地震A」に対して「緊急性」を示す緊急性情報として「B」が、緊急事態の度合いとして「震度」を示すレベル情報として「5強」が関連付けられている。
配信計画部128は、サービスごとに選択した候補情報を含めて配信データを編成する。配信計画部128は、選択した経路に係るサービスに係る配信データとその経路(もしくはサービス)に係る配信設備を示す配信計画情報を生成する。配信計画部128は、編成した配信データと配信計画情報を関連付けて配信部130に出力する。
【0038】
配信部130は、配信計画部128からサービスごとに配信データと配信計画情報が入力される。配信部130は、サービスごとに配信計画情報に示される配信設備を配信先として特定し、特定した配信設備に向けて配信データを送信する。配信部130は、所定の回線と各種のデータを送信可能に接続する通信インタフェースと入出力インタフェースの一方または両方を含んで構成される。
【0039】
(統合データの変換)
次に、本実施形態に係る統合データの変換処理の例について説明する。統合データとして、
図3に例示されるRDFデータが変換対象となる場合を主とする。このRDFデータでは、気象庁を発信元とする2021年1月1日0時0分0秒における地震の発生を示す収集情報が追加され、収集情報に候補情報が追加されている。
図5は、統合データの変換処理の第1例を示すフローチャートである。
図5に示す処理は、配信計画として稼働している伝送路において配信データの情報量を極力大きくするようにサービスを選択する手法に対応する(フロー最大化)。この処理は、ネットワークが輻輳する場合、もしくは、その可能性が高い場合に有用である。このような場合は、地震などの緊急事態の発生時に発生しがちであり、配信者は緊急情報を配信データとして効率的に伝達する必要性が生ずる。なお、RDFデータから特定の条件のデータ(値)を抽出する際、データ変換部126は、統合データ保存部124に対してSPARQLなどの問い合わせ言語を利用して指令を発行することができる。データ変換部126は、所定の内容(例えば、地震、台風、津波、火災、など緊急事態に関するキーワード)を示す収集情報を検出するとき、
図5に示す処理を開始してもよい。
【0040】
(ステップS102)データ変換部126は、RDFデータから配信者を示す配信者ノードを選択する。
図3に例示されるRDFデータからは、「放送局Z」が選択される。配信者ノードは、例えば、情報配信装置10に備わる操作入力部から入力される操作情報で指示されてもよいし、データ変換部126に予め設定されてもよい。
(ステップS104)データ変換部126は、選択した配信者ノードと同一の名称を有する配信者ノードと「視聴者」を示す視聴者ノードを設定し、設定した配信者ノードと視聴者ノードを有するグラフを有向グラフGの初期値として生成し、記憶する。
【0041】
(ステップS106)データ変換部126は、配信者が「保持」し、その属性である「型」が「配信設備」である配信設備を示す配信設備ノードを抽出する。ここで、データ変換部126は、配信者ノードとの関連性として「保持」を示すエッジで接続され、属性として「配信設備」を示すノードと「型」を示すエッジで接続されたノードを特定する。データ変換部126は、抽出した配信設備のリストを配信設備リストとして生成し、生成した配信設備リストを記憶する。
図6に例示される配信設備リストには、
図3に例示されるRDFデータから選択された「放送所X」と「サーバーW」が含まれる。なお、
図3では、「型」は「type」と表記されている。「型」とは種類という意味を含む。
【0042】
(ステップS108)データ変換部126は、配信設備リストが空であるか否かを判定する。この判定によれば、未処理の配信設備の有無が判定される。空と判定するとき(ステップS108 YES)、ステップS110の処理に進む。空でないと判定するとき(ステップS108 NO)、ステップS112の処理に進む。
(ステップS112)データ変換部126は、配信設備リストの先頭に配置された配信設備Mを処理対象とする配信設備として取得し、配信設備Mと同一の名称を有する配信設備ノードを設定し、設定した配信設備ノードを有向グラフGに含めて記憶する。
【0043】
(ステップS114)データ変換部126は、RDFデータから配信者と配信設備Mとそれぞれ「接続する」伝送路の「容量」を抽出する。ここで、データ変換部126は、配信者ノードといずれかの配信設備ノードとの関連性としてそれぞれ「接続」を示すエッジと接続された伝送路ノードを特定する。データ変換部126は、特定した伝送路ノードとの関連性として「容量」を示すエッジで、当該伝送路ノードに接続されたノードに示される設定値を容量として特定することができる。
図3に例示されるRDFデータにおいて、「放送局Z」と「サーバーW」にそれぞれ「接続」される「回線ZW」が特定され、「回線ZW」の「容量」として「10Kbps」が得られる。
(ステップS116)データ変換部126は、配信者を示す配信者ノードから配信設備Mを示す配信設備ノードの向きへ、配信者ノードと配信設備ノードとの関連性として抽出した「容量」を示すエッジを有向グラフGに設定する。
【0044】
(ステップS118)データ変換部126は、RDFデータから、配信設備Mが「提供」し、「型」が「サービス」であるサービスを抽出する。ここで、データ変換部126は、配信設備Mを示す配信設備ノードとの関連性として「提供」を示すエッジで当該配信設備ノードと接続されたノードであって、そのノードとの関連性として「型」を示すエッジで「サービス」を示す他のノードと接続されたノードの設定値をサービスとして特定することができる。データ変換部126は、抽出したサービスのリストをサービスリストとして生成し、生成したサービスリストを記憶する。
図7に例示されるサービスリストには、
図3に例示されるRDFデータから、「放送所X」から「提供」され、「型」が「サービス」である提供対象物として「放送波サービスZ-(1)」が含まれる。
【0045】
(ステップS120)データ変換部126は、サービスリストが空であるか否かを判定する。この判定によれば、未処理のサービスの有無が判定される。空と判定するとき(ステップS120 YES)、データ変換部126は、その時点における配信設備Mを配信設備リストから消去し、ステップS108の処理に進む。空でないと判定するとき(ステップS120 NO)、データ変換部126は、ステップS122の処理に進む。
【0046】
(ステップS122)データ変換部126は、サービスリストの先頭に配置されたサービスを処理対象とするサービスとして取得し、サービスNと同一の名称を有するサービスノードを設定し、設定したサービスノードを有向グラフGに含めて記憶する。
(ステップS124)データ変換部126は、RDFデータからサービスNの「容量」を抽出する。データ変換部126は、サービスNを示すサービスノードの関連性として「容量」を示すエッジで、当該サービスノードと接続されたノードを容量ノードとして特定し、特定した容量ノードの設定値を「容量」として特定することができる。
【0047】
(ステップS126)データ変換部126は、抽出した「容量」の単位が予め定めた単位(例えば、bps)であるか否かを判定する。予め定めた単位であると判定するとき(ステップS126 YES)、ステップS130の処理に進む。予め定めた単位でないと判定するとき(ステップS126 NO)、ステップS128の処理に進む。
(ステップS128)データ変換部126は、抽出した容量をステップS126における予め定めた単位に換算する。
(ステップS130)データ変換部126は、配信設備Mを示す配信設備ノードからサービスNを示すサービスノードの向きに、抽出した容量を重みとして示すエッジを有向グラフGに設定する。
【0048】
(ステップS132)データ変換部126は、サービスNを示すサービスノードから「視聴者」を示す視聴者ノードの向きに、重みを無限大として示すエッジを有向グラフGに設定する。その後、データ変換部126は、その時点におけるサービスNをサービスリストから消去し、ステップS120の処理に進む。
【0049】
統合データとして
図3に例示されるRDFデータに対して、
図5に示す処理を行うことで、
図4に例示される有向グラフGを示す変換データが得られる。有向グラフGは、配信者が保持する個々の配信設備の配信容量と、配信設備により提供可能とする個々のサービスのサービス容量に基づいて、配信者から視聴者までの配信に係る経路に応じてサービスと配信設備を選択するのに好都合である。配信計画部128は、有向グラフGからは、例えば、配信経路の候補として経路1~3を特定することができる。経路1は、放送局Zから放送所Xと放送波サービスZ-(1)を含む経路であり、放送波サービスZ-(1)が視聴者に提供される。経路2は、放送局ZからサーバーWとインターネットサービスZ-(1)を含む経路であり、インターネットサービスZ-(1)が視聴者に提供される。経路3は、放送局ZからサーバーWとLPWAサービスZ-(1)を含む経路であり、LPWAサービスZ-(1)が視聴者に提供される。
【0050】
経路1に対する配信容量50Mpsは、サービス容量24Mpsよりも大きいため、経路1の容量を24Mpsと定めることができる。配信計画部128は、放送波サービスZ-(1)に対して、要素情報ごとの個別容量の合計値である合計容量が24Mbpsを超えないようにRDFデータから要素情報を抽出し、配信データを構成することができる。
配信計画部128は、経路2と経路3では、放送局ZのノードからサーバーWのノードまでの経路が共通である。従って、配信計画部128は、経路2と経路3それぞれの容量の合計値が、経路2と経路3で共通の配信容量である10Kbpsを超えず、経路2の容量がLPWAサービスZ-(1)のサービス容量800bpsを超えず、かつ、経路3の容量がインターネットサービスZ-(1)の容量80Mbpsを超えないように、経路2と経路3それぞれの容量を定めることができる。配信計画部128は、全経路の経路間の合計容量の最大値(最大フロー)として、経路2の容量を9.2Kbps、経路3の容量を800bpsと定めることができる。
【0051】
従って、配信計画部128は、インターネットサービスZ-(1)に対して、要素情報ごとの個別容量の合計値である合計容量が9.2Kbpsを超えないようにRDFデータから要素情報を抽出し、配信データを構成することができる。配信計画部128は、LPWAサービスZ-(1)に対して、要素情報ごとの個別容量の合計値である合計容量が800bpsを超えないようにRDFデータから要素情報を抽出し、配信データを構成することができる。また、配信計画部128は、未選択の要素情報のうち、9.2Kbps以下の要素情報が存在しない場合には、インターネットサービスZ-(1)の提供の停止を判定する。
【0052】
よって、
図4に例示される変換データによれば、その時点において稼働している配信設備と、その配信設備によって提供可能なサービスを示す配信経路を容易に把握することができ、経路ごとに配信に係る情報量を効率的に定めることができる。この例では、放送波サービスによる配信データの配信とLPWAサービスによる配信データの配信が適切な配信サービスとして選択される。インターネットサービスによる動画像を伴う配信データの配信は、提供可能な容量を超えることで輻輳の原因となりうるため選択されない。
【0053】
なお、
図4に例示される変換データにおいて、「視聴者」を示す人物ノードと、人物ノードと個々のサービスを示すサービスノードとの関連性を示すエッジは省略されてもよい。このノードとエッジは、配信計画部128が個々のサービスを含む経路を特定する上で、必須ではないためである。配信計画部128は、「放送局Z」を示す配信者ノードから個々のサービスノードまでの経路を特定すれば足りる。
【0054】
なお、上記の事例では、配信計画部128が実行する配信計画法が、提供可能な容量の範囲内で容量が多いサービスの組ほど優先して定めるものである場合を主としたが、これには限られない。配信計画部128は、例えば、遅延の少ないサービスの組ほど優先して定めてもよい。遅延の少ないサービスの組を定める際、配信計画部128は、配信設備とサービスのそれぞれに係るノードを含む経路ごとに遅延を計算し、計算した遅延が小さい経路に係るサービスを定めることができる。データ変換部126は、統合データを用いて、個々の配信設備の配信容量に代え当該配信設備の遅延を示し、個々のサービスのサービス容量に代え当該サービスの提供に係る遅延を示す変換データを生成すればよい。
【0055】
次に、本実施形態に係る統合データの変換処理の第2例について説明する。但し、地震などの災害により、地域によって無線通信基地局の障害や放送所の倒壊など、伝送路の一部に断絶が生じる場合を仮定する。この場合、配信者は通信基地局、放送中継車など臨時配信設備を設置して応急的に配信サービスの提供を試みることがある。情報配信装置10は、インターネットサービスを利用する視聴者端末装置として携帯電話機から各種の投稿情報や、LPWAサービスを利用する視聴者端末装置としてIoT端末装置から各種のビーコン情報を投稿情報として収集する。個々の視聴者端末装置は、投稿情報に自装置が所在する場所を示す場所情報および自装置が利用するサービスを示すサービス情報を関連付けて情報配信装置10に送信する。なお、視聴者端末装置は、例えば、公知のGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)を備え、自装置の位置を示す位置情報を取得することができる。また、視聴者端末装置は、自装置に接続された基地局装置の位置に基づいて自装置の位置を定めてもよい。位置が固定されている視聴者端末装置の位置を、予め自装置に設定しておいてもよい。
【0056】
情報配信装置10の統合データ生成部122は、情報源となる視聴者端末装置それぞれから受信したサービス情報が示すサービスノードを特定し、受信した投稿情報を示す投稿ノードと、受信した場所情報を示す場所ノードと、投稿ノードと場所ノードとの関連性を示すエッジと、投稿ノードと特定したサービスノードとの関連性を示すエッジを統合データに含める。
図8に例示されるRDFデータのように、サービスごとに視聴者端末装置の投稿情報と位置情報が集積される。また、視聴者端末装置からの情報配信装置10へのデータ送信は、必ずしも配信サービスの提供中になされるとは限らない。しかしながら、
図8に例示されるRDFデータでは、配信者は、配信設備が稼働している地域と、配信サービスが断絶している地域を直ちに把握することができない。そこで、データ変換部126は、RDFデータから個々の位置情報と提供サービスを対応付けて示すリストに位置情報リストとして変換する。次に説明するRDFデータから位置情報リストへの変換処理は、配信サービスの提供地域の判定に、ひいては、配信設備の管理に対応する。
【0057】
図9は、統合データの変換処理の第2例を示すフローチャートである。以下の説明では、
図8に例示されるRDFデータが処理対象となる場合を例とする。データ変換部126は、所定の内容(例えば、地震、台風、津波、火災、など緊急事態に関するキーワード)を示す収集情報を検出するとき、
図8に示す処理を開始してもよい。
(ステップS152)データ変換部126は、統合データ保存部124からRDFデータを読み出す。
(ステップS154)データ変換部126は、投稿場所リストLの初期状態として空のリストを設定する。
【0058】
(ステップS156)データ変換部126は、RDFデータから配信者が「保持」するデータベースが「保持」し、「型」が「投稿」であるノードを投稿ノードとして特定する。データ変換部126は、配信者を示す配信者ノードとの関連性として「保持」を示すエッジが設定されたデータベースを示すデータベースノードを特定し、特定したデータベースノードとの関連性として「保持」を示すエッジが設定され、「投稿」を示すノードとの関連性として「型」を示すエッジが設定されたノードを投稿ノードとして特定する。データ変換部126は特定したノードに示す設定値である投稿を抽出し、抽出した投稿を示す投稿リストPを生成する。
図8に例示されるRDFデータからは、「投稿A」~「投稿J」のそれぞれの投稿ノードを示す投稿リストPが生成される。
【0059】
(ステップS158)データ変換部126は、投稿リストPが空であるか否かを判定する。この判定により、未処理の投稿ノードが残されていないか否かが判定される。空であると判定するとき(ステップS158 YES)、ステップS164の処理に進む。空でないと判定するとき(ステップS158 NO)、ステップS160の処理に進む。
【0060】
(ステップS160)データ変換部126は、投稿リストPの先頭の投稿ノードNを処理対象の投稿ノードとして取得する。
(ステップS162)データ変換部126は、RDFデータから、投稿ノードNとの直接または間接的な関連性として「緯度」、「経度」をそれぞれ示すエッジが設定されたノードの設定値として緯度、経度を抽出する。データ変換部126は、投稿ノードNとの関連性として「利用」を示すエッジが設定されたサービスノードの設定値としてサービスを抽出する。データ変換部126は、抽出した緯度、経度、サービスそれぞれの値の組を投稿ノードNと関連付けて投稿場所リストLに追加する。その後、データ変換部126は、投稿リストPからその時点における投稿ノードNを消去し、ステップS158の処理に進む。
(ステップS164)データ変換部126は、投稿場所リストLを配信計画部128に出力する。その後、
図9に示す処理を終了する。
【0061】
図10は、
図8に示すRDFデータから変換された投稿場所リストLを例示する。投稿場所リストLには、端末装置ごとの位置を示す位置情報と利用サービスを示すサービス情報が示される。位置情報は、緯度と経度の組で表される。例えば、
図10の第1行において、「35.65」、「139.63」、「インターネットサービス」が、それぞれ緯度、経度、利用サービスを示す。従って、投稿場所リストLにより、サービスごとに利用される端末装置の分布をより容易に把握することができる。なお、RDFデータにおいて、投稿場所と投稿時刻が関連付けられている場合には、データ変換部126は、投稿時刻が所定の時間帯に含まれる位置情報とサービス情報を投稿場所リストLに含め、その他の投稿時刻に係る位置情報とサービス情報を含めなくてもよい。また、RDFデータにおいて、投稿場所と端末装置の識別情報が関連付けられている場合には、データ変換部126は、個々の投稿について、さらに識別情報を投稿場所リストLに関連付けて含めてもよい。データ変換部126は、識別情報が共通する投稿が2件以上存在する場合、そのうちの1件の投稿を採用し、それ以外の投稿とその投稿に係る投稿場所とサービス情報を棄却してもよい。データ変換部126は、識別情報ごとに1件の投稿を採用する際、複数の投稿のうち関連付けられている投稿時刻が新しい投稿ほど優先してもよい。
【0062】
配信計画部128は、投稿場所リストLに示される投稿ごとの位置(緯度、経度)を複数のクラスタに分類し(クラスタリング)、分類されたクラスタを網羅(カバー)する地域を特定する。配信計画部128は、クラスタリングの手法として、例えば、k-平均法(k-means)を用いることができる。k-平均法は、非階層型クラスタリングの一種であり、分類対象とする位置を所定のk(kは、2以上)個のクラスタに分類する手法である。クラスタ数kは、例えば、個々の配信設備から配信データを受信可能とするサービス提供範囲(カバレッジ)が互いに重なり合う一群の範囲(カバレッジ群)の個数に基づいて予め定めておいてもよい。配信計画部128は、クラスタリングの手法として、階層型クラスタリングを用いてもよい。階層型クラスタリングによれば、クラスタの数を予め設定しておくことを要しない。
【0063】
配信計画部128は、分類された地域ごとに利用されているサービスの利用率を定め、利用率が他のサービスよりも有意に高いサービス(以下、「主サービス」と呼ぶことがある)を特定してもよい。ここで、サービスの利用率は、その地域のクラスタに属するサービスの投稿数(端末装置数)をそのクラスタに属する全投稿数で除算して得られる。なお、配信計画部128は、利用率が所定の利用率の閾値(例えば、0.8以上)を超えるサービスを主サービスと判定してもよい。
【0064】
図11は、位置情報のクラスタを例示する。
図11は、21個の端末装置の位置が2個のクラスタCL02、CL04に分類されている。○印はインターネットサービスを利用する端末装置の位置を示し、△印はLPWAサービスを利用する端末装置の位置を示す。従って、配信計画部128は、クラスタCL02、CL04を網羅する地域の主サービスをそれぞれインターネットサービス、LPWAサービスと判定することができる。
【0065】
クラスタCL04に例示されるように、サービス容量の最も小さいLPWAサービスが主サービスとなる地域は、他のサービスが利用できない地域として推定される。そこで、配信計画部128は、当該地域向けの放送波サービスとインターネットサービスの提供を停止し、LPWAサービスを継続する。配信計画部128は、LPWAサービスで伝達可能なサービス容量の範囲内で配信データを編成する。配信計画部128は、例えば、予め各サービスの提供に係る配信設備の位置とサービス提供範囲を示す配信サービス情報を参照し、その地域もしくはその地域をカバレッジとして含むLPWAサービスの配信設備を特定することができる。配信計画部128は、特定した配信設備を示す配信計画情報とLPWAサービスの配信データを配信部130に関連付けて出力するとともに、配信計画情報において、その地域をサービス提供範囲として含む配信設備を他のサービスの配信データの出力先として除外する。
【0066】
配信計画部128は、その地域をサービス提供範囲として含む他のサービス(つまり、インターネットサービスと放送波サービスの配信設備における障害の発生を推定することができる。配信計画部128は、その地域をサービス提供範囲として含むことができる位置に、そのサービスの提供に係る新たな配信設備の設置を判定してもよい。当該配信設備の設置により、他のサービスの提供を再開することができる。
【0067】
なお、配信計画部128は、サービス提供範囲ごとに、当該サービスに関連付けられる位置情報が示す位置が含まれる投稿件数を計数し、計数した投稿件数が所定の判定閾値以下となるか否かを判定してもよい。配信計画部128は、投稿件数が所定の判定閾値以下となるサービス提供範囲に対しては、そのサービスの提供に係る配信設備に障害が発生したと推定してもよい。その場合、配信計画部128は、そのサービス提供範囲をサービス範囲に含めることができる位置に当該サービスの提供に係る新たな配信設備の設置を判定してもよい。
【0068】
以上に説明したように、本実施形態に係る情報配信装置10は、複数のノードと、前記複数のノードのうち2個のノードの組ごとに一方のノードと他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含む統合データを保存する統合データ保存部124を備える。情報配信装置10は、統合データの構造を情報配信に関する配信計画法に応じた構造に変換して変換データを生成するデータ変換部126と、変換データに基づいて、当該配信計画法を用いて配信計画情報を定める配信計画部128と、を備える。
この構成によれば、配信計画法に応じた構造に変換された変換データに基づいて、当該配信計画法を用いて配信計画情報が定まる。統合データの構成を変換しない場合や既存の特定の構成に変換する場合よりも、配信計画を効率的に実行し、有効な情報配信を促すことができる。
【0069】
配信計画法は、配信設備ごとの容量と当該配信設備を用いて提供可能なサービスごとの容量に基づいて、配信データの配信に用いるサービスを定める方法であってもよい。データ変換部126は、統合データから、配信者を示す配信者ノードと、配信設備を示す配信設備ノードと、配信設備の容量である配信容量を特定し、配信設備により提供されるサービスを示すサービスノードと、サービスの容量であるサービス容量を特定してもよい。データ変換部126は、特定した配信者ノード、配信設備ノード、および、サービスノードを含み、配信者ノードと配信設備ノードとの関連性として配信容量を示すエッジと、配信設備ノードとサービスノードとの関連性としてサービス容量を示すエッジと、を含む前記変換データを生成してもよい。
この構成によれば、配信者ノード、いずれかの配信設備ノード、および、いずれかのサービスノードを含む経路が容易に特定される。そのため、経路ごとに配信可能な容量に基づいて、効率的にサービスを判定することができる。
【0070】
配信計画部128は、配信者ノード、配信設備ノードのいずれか、および、サービスノードのいずれかを含む経路ごとに配信可能な容量の和に基づいて定めた経路に対応するサービスを選択してもよい。
この構成によれば、配信設備全体として配信可能な容量に基づいて、配信者が提供可能なサービスを容易に判定することができる。
【0071】
配信計画法は、配信データを配信するサービスの提供先の分布に基づいて前記サービスの提供状況を定める方法であってもよい。データ変換部126は、統合データから、サービスの利用と関連性を有する投稿ノードと、投稿ノードと関連性を有する場所ノードを特定し、投稿ノードごとに場所ノードに示される場所を含む変換データを生成してもよい。
この構成によれば、利用されるサービスごとに、サービスの提供先となる場所を示す変換データが得られる。得られた変換データを用いることで、そのサービスの提供先の空間的な分布が容易に把握することができる。
【0072】
配信計画部128は、場所ノードに示される場所を複数のクラスタに分類し、クラスタを含む地域におけるサービスごとの提供先の数量に基づいて提供状況を定める。
この構成によれば、その他の地域よりも提供先が集中する地域が特定され、特定された地域におけるサービスの提供先の数量に基づいてサービスごとの実効的な利用状況を把握することができる。そのため、利用状況に応じた有用な配信計画が促される。
【0073】
配信計画部128は、サービスごとに、配信可能な容量の範囲内で配信データを編成してもよい。
この構成によれば、その時点において提供されるサービスを通じて伝達される配信情報を定めることができる。
【0074】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0075】
例えば、上記の各事例に係る構成が組み合わされてもよいし、並列に処理が実行されてもよいし、その一部が省略されてもよい。より具体的には、データ変換部126は、
図5に例示される処理と、
図9に例示される処理を並列に実行してもよい。配信計画部128は、
図4に例示される変換データを用いてサービスを定める処理と、
図10に例示される投稿場所リストを用いて特定された地域ごとのサービスを定める処理と、を並列に実行してもよい。また、データ変換部126ならびに配信計画部128は、それぞれ、収集情報の情報源ごとに前述の処理を実行してもよい。
【0076】
なお、上述した情報配信装置10の一部、例えば、統合データ生成部122、統合データ保存部124、データ変換部126、配信計画部128、および、配信部130の一部または全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、情報配信装置10に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態における情報配信装置10の一部、または全部をLSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。情報配信装置10の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10…情報配信装置、122…統合データ生成部、124…統合データ保存部、126…データ変換部、128…配信計画部、130…配信部