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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022191730
(43)【公開日】2022-12-28
(54)【発明の名称】デバイス管理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20221221BHJP
【FI】
G06F13/00 358C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021100137
(22)【出願日】2021-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100171930
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 郁一郎
(72)【発明者】
【氏名】阿部 晋矢
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 辰哉
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 壮一
(72)【発明者】
【氏名】藤津 智
(57)【要約】
【課題】より効果的に情報を提供することができるデバイス管理装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】統合データ保存部は、複数のノードと、前記複数のノードのうち2個のノードの組ごとに一方のノードに対する他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含む統合データを保存し、データ変換部は、配信情報を含むトリガーデータを取得するとき、前記統合データの構造を、前記配信情報の提供に係るデバイスを選択する方法であるデバイス選択法に応じた構造に変換して変換データを生成し、デバイス選択部は、前記変換データに基づいて、前記デバイス選択法を用いて前記配信情報の提供に係るデバイスである提供デバイスを選択する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノードと、前記複数のノードのうち2個のノードの組ごとに一方のノードに対する他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含む統合データを保存する統合データ保存部と、
配信情報を含むトリガーデータを取得するとき、前記統合データの構造を、前記配信情報の提供に係るデバイスを選択する方法であるデバイス選択法に応じた構造に変換して変換データを生成するデータ変換部と、
前記変換データに基づいて、前記デバイス選択法を用いて前記配信情報の提供に係るデバイスである提供デバイスを選択するデバイス選択部と、
を備えるデバイス管理装置。
【請求項2】
前記デバイス選択法は、前記配信情報のサービスの利用から提示までの経路に係る情報伝達性に基づいて、前記提供デバイスを定める方法であって、
前記データ変換部は、前記統合データから、
前記配信情報のサービスを利用できるデバイスを第1デバイスとして定め、
前記配信情報を提示できるデバイスを第2デバイスとして定め、
前記第1デバイスを示す第1デバイスノード、前記第2デバイスを示す第2デバイスノード、前記トリガーデータに関するトリガーノード、前記配信情報を転送できる転送元デバイスを示す転送元デバイスノード、前記配信情報の転送先となりうる転送先デバイスを示す転送先デバイスノード、および、人物を示す人物ノードと、
前記トリガーノードと前記第1デバイスノードとの関連性として前記サービスの利用に係る情報伝達性である第1情報伝達性を示す第1エッジ、前記転送元デバイスノードと前記転送先デバイスノードとの関連性として前記転送元デバイスから前記転送先デバイスへの情報伝達性であるデバイス間情報伝達性を示すデバイス間エッジ、および、前記第2デバイスノードと前記人物ノードとの関連性として人物への情報伝達性である第2情報伝達性を示す第2エッジを含む変換データを生成し、
前記デバイス選択部は、前記変換データに基づいて、前記トリガーノードから前記人物ノードまでの経路ごとに、当該経路に含まれるエッジに示される情報伝達性に基づいて少なくとも1以上の経路を定め、
定めた経路に含まれるノードに示されるデバイスを前記提供デバイスとして特定する
請求項1に記載のデバイス管理装置。
【請求項3】
前記デバイス選択法は、前記配信情報のサービスの利用から提示までの経路に係る情報伝達性としての遅延に基づいて、前記配信情報の提供に係るデバイスを定める方法であって、
前記データ変換部は、前記統合データから、
第1デバイスごとに前記サービスの利用に係る遅延を前記第1情報伝達性として特定し、
第2デバイスごとに人物への遅延を前記第2情報伝達性として特定し、
前記転送元デバイスから前記転送先デバイスへの遅延を前記デバイス間情報伝達性として特定し、
前記デバイス選択部は、各経路に含まれる個々のエッジに示される遅延の総和である経路遅延量に基づいて1以上の経路を選択する
請求項2に記載のデバイス管理装置。
【請求項4】
前記統合データは、場所を示す場所ノードと、一方の場所から他の場所への移動に係る遅延を示す移動遅延ノードと、前記デバイスのノードと前記場所ノードとの関連性として当該デバイスの設置場所を示すエッジを含み、
人物の検出を示す人物検出情報を取得するとき、前記人物ノードと前記場所ノードとの関連性として前記人物が所在する場所を示すエッジを含む前記統合データを生成する統合データ生成部を備え、
前記データ変換部は、
前記統合データを用いて、前記第2デバイスごとに前記人物が所在する場所から当該第2デバイスの設置場所への移動に係る遅延である移動遅延を特定し、
前記人物ノードと当該第2デバイスに係る第2デバイスノードとの関連性として、前記移動遅延を示す第2エッジを設定する
請求項3に記載のデバイス管理装置。
【請求項5】
前記デバイス選択法は、前記配信情報のサービスの利用から提示までの経路に係る情報伝達性として前記第2デバイスの情報伝達性に基づいて、前記提供デバイスを定める方法であって、
前記トリガーデータは、前記配信情報のサービス形態の情報伝達性を示すサービス形態情報を含み、
前記データ変換部は、
前記サービス形態情報に基づいて前記第2デバイスが前記配信情報の提示に利用できるサービス形態の情報伝達性を第2情報伝達性として定め、
前記転送先デバイスを前記第2デバイスとする前記デバイス間情報伝達性を前記第2情報伝達性に定め、
前記第1情報伝達性を、予め定めておき、
前記デバイス選択部は、2個のノード間に設定されたエッジに示される情報伝達性が高いほど当該ノード間の距離が短くなるようにノード分布を定め、
前記人物ノードからの前記第2デバイスまでの距離に基づいて、当該第2デバイスを含む1以上の経路を選択する
請求項2に記載のデバイス管理装置。
【請求項6】
前記統合データは、場所を示す場所ノードと、前記デバイスのノードと前記場所ノードとの関連性として当該デバイスの設置場所を示すエッジを含み、
人物が検出された場所を示す人物検出情報を取得するとき、前記人物ノードと当該場所を示す場所ノードとの関連性を示すエッジを含む前記統合データを生成する統合データ生成部を備え、
前記データ変換部は、
前記人物が検出された場所を設置場所とし、前記配信情報を提示できるデバイスを前記第2デバイスとして特定する
請求項5に記載のデバイス管理装置。
【請求項7】
前記統合データ保存部は、
いずれかのデバイスが検出されなくなるとき、検出されない非検出デバイスを示す非検出デバイスノードを無効化し、
前記非検出デバイスが検出されるとき、前記非検出デバイスノードを有効化する
請求項2から請求項6のいずれか一項に記載のデバイス管理装置。
【請求項8】
前記データ変換部は、
識別された人物を示す人物識別情報を取得するとき、
人物ごとに利用できるデバイスである利用可能デバイスを示す利用可能デバイス情報を用いて、前記識別された人物が利用可能とする利用可能デバイスのうち、前記配信情報を提示できるデバイスを前記第2デバイスとして特定する
請求項2から請求項7のいずれか一項に記載のデバイス管理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のデバイス管理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイス管理装置およびプログラムに関する。例えば、様々なデバイスやデバイスごとに利用可能なメディアを管理し、提供された情報を提示するデバイスとメディアを定めるデバイス管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放送などのメディアにより配信される各種の情報を視聴するためのデバイスは、多様化している。例えば、従来からラジオ受信機、テレビジョン受信機が広く用いられてきたが、昨今では、スマートフォンの普及が著しい。また、スマートウォッチ、スマートスピーカなど、各種の情報を提示可能なIoT(Internet of Things,モノのインターネット)デバイスの普及が見込まれている。このような傾向によれば、今後も視聴者が利用するデバイスの多様化が続くと見込まれる。
【0003】
また、視聴者がデバイスを通じて利用するメディアも多様化している。従来から実施されてきたラジオ放送、テレビジョン放送などの他、インターネットを通じて提供される各種のメディアが普及している。かかるメディアには、例えば、テキストデータ、画像データ、または、これらをHTML(HyperText Markup Language)をはじめとするマークアップ言語を用いて記述したウェブページ、動画データと音声データを逐次に配信するストリーミングサービスなどがある。今後も、メディアの多様化が続くと予想される。
【0004】
多様化する情報を表記するための手法として、RDF(Resource Description Framework)が用いられることがある。RDFは、W3C(World Wide Web Consortium)により標準化され、RDFバージョン1.1が2014年に勧告されている。RDFは、3つのデータを要素として有する組を用いて、データ間の関係性を記述する手法である。これら3つのデータは、トリプル(triple)と呼ばれ、主語(subject)、述語(predicate)、および、目的語(object)を含む。個々のデータとして、URI(Uniform Resource Identifier)を用いて情報の所在が表されることがある。RDFに記述される複数のデータ間の関係は、有向グラフで表現可能となる。RDFを用いることで多様化する情報源から得られる情報や、視聴者に提供するための伝送路について一元管理することが期待される。
【0005】
RDFを用いて記述されるデータ(本願では、「RDFデータ」と呼ぶことがある)は、一般に多数の要素情報を示すデータを含んで構成される。RDFデータから必要とする情報の抽出において、SPARQL(SPARQL Protocol and RDF Query Language)などのRDFクエリ言語が用いられる。SPARQLは、W3Cにより標準化されている。SPARQLを用いることで、データベースの検索と同様な手法で、一定の範囲の情報を抽出することができる。しかし、RDFで採用されているメタデータ記法は、データ配信にそのまま適用できるとは限らないし、または、適用できたとしても合理的とは限らない。例えば、デジタル放送の電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)では、MPEG-2 Systemsにおいて規定されたSI(Service Information、番組配列情報)が用いられている。特許文献1、2には、RDFで表された情報をデジタル放送に適用するため、RDFからSIに形式を変換するデータ配信方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-4272号公報
【特許文献2】特開2000-224257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
RDFデータは、視聴者が利用可能なメディアや、デバイスの管理情報の一元管理に有用である。しかしながら、SPARQLによる情報抽出、RDFデータからのメタデータの変換だけでは、ふさわしいメディアやデバイスに向けて求められる情報を提供することは、必ずしも容易ではない。そのため、視聴者に対して効果的に情報が伝達されないことがある。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、より効果的に情報を提供することができるデバイス管理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、[1]本発明の一態様は、複数のノードと、前記複数のノードのうち2個のノードの組ごとに一方のノードに対する他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含む統合データを保存する統合データ保存部と、配信情報を含むトリガーデータを取得するとき、前記統合データの構造を、前記配信情報の提供に係るデバイスを選択する方法であるデバイス選択法に応じた構造に変換して変換データを生成するデータ変換部と、前記変換データに基づいて、前記デバイス選択法を用いて前記配信情報の提供に係るデバイスである提供デバイスを選択するデバイス選択部と、を備えるデバイス管理装置である。
[1]の構成によれば、デバイス選択法に応じた構造に変換された変換データに基づいて、当該デバイス選択法を用いて配信情報の提供に係る提供デバイスが定まる。統合データの構成を変換しない場合や既存の特定の構成に変換する場合よりも、デバイス選択を効率的に実行し、効果的な情報提供を実現することができる。
【0010】
[2]本発明の一態様は、上述のデバイス管理装置であって、前記デバイス選択法は、前記配信情報のサービスの利用から提示までの経路に係る情報伝達性に基づいて、前記提供デバイスを定める方法であって、前記データ変換部は、前記統合データから、前記配信情報のサービスを利用できるデバイスを第1デバイスとして定め、前記配信情報を提示できるデバイスを第2デバイスとして定め、前記第1デバイスを示す第1デバイスノード、前記第2デバイスを示す第2デバイスノード、前記トリガーデータに関するトリガーノード、前記配信情報を転送できる転送元デバイスを示す転送元デバイスノード、前記配信情報の転送先となりうる転送先デバイスを示す転送先デバイスノード、および、人物を示す人物ノードと、前記トリガーノードと前記第1デバイスノードとの関連性として前記サービスの利用に係る情報伝達性である第1情報伝達性を示す第1エッジ、前記転送元デバイスノードと前記転送先デバイスノードとの関連性として前記転送元デバイスから前記転送先デバイスへの情報伝達性であるデバイス間情報伝達性を示すデバイス間エッジ、および、前記第2デバイスノードと前記人物ノードとの関連性として人物への情報伝達性である第2情報伝達性を示す第2エッジを含む変換データを生成し、前記デバイス選択部は、前記変換データに基づいて、前記トリガーノードから前記人物ノードまでの経路ごとに、当該経路に含まれるエッジに示される情報伝達性に基づいて少なくとも1以上の経路を定め、定めた経路に含まれるノードに示されるデバイスを前記提供デバイスとして特定してもよい。
[2]の構成によれば、トリガーデータ、人物、および、複数のデバイス間の情報伝達性が容易に把握される変換データが得られる。変換データを用いることで、配信サービスの利用から人物への提示までの経路に基づく提供デバイスを効率的に定めることができる。
【0011】
[3]本発明の一態様は、上述のデバイス管理装置であって、前記デバイス選択法は、前記配信情報のサービスの利用から提示までの経路に係る情報伝達性としての遅延に基づいて、前記配信情報の提供に係るデバイスを定める方法であって、前記データ変換部は、前記統合データから、第1デバイスごとに前記サービスの利用に係る遅延を前記第1情報伝達性として特定し、第2デバイスごとに人物への遅延を前記第2情報伝達性として特定し、前記転送元デバイスから前記転送先デバイスへの遅延を前記デバイス間情報伝達性として特定し、前記デバイス選択部は、各経路に含まれる個々のエッジに示される遅延の総和である経路遅延量に基づいて1以上の経路を選択してもよい。
[3]の構成によれば、デバイスごとの遅延を容易に特定できるため、経路ごとの経路遅延量に基づいて提供デバイスを効率的に定めることができる。
【0012】
[4]本発明の一態様は、上述のデバイス管理装置であって、前記統合データは、場所を示す場所ノードと、一方の場所から他の場所への移動に係る遅延を示す移動遅延ノードと、前記デバイスのノードと前記場所ノードとの関連性として当該デバイスの設置場所を示すエッジを含み、人物の検出を示す人物検出情報を取得するとき、前記人物ノードと前記場所ノードとの関連性として前記人物が所在する場所を示すエッジを含む前記統合データを生成する統合データ生成部を備え、前記データ変換部は、前記統合データを用いて、前記第2デバイスごとに前記人物が所在する場所から当該第2デバイスの設置場所への移動に係る遅延である移動遅延を特定し、前記人物ノードと当該第2デバイスに係る第2デバイスノードとの関連性として、前記移動遅延を示す第2エッジを設定してもよい。
[4]の構成によれば、人物が検出された場所から配信情報が提示される第2デバイスに接するまでの時間をさらに考慮して、配信情報の提供に係る提供デバイスが定める。
【0013】
[5]本発明の一態様は、上述のデバイス管理装置であって、前記デバイス選択法は、前記配信情報のサービスの利用から提示までの経路に係る情報伝達性として前記第2デバイスの情報伝達性に基づいて、前記提供デバイスを定める方法であって、前記トリガーデータは、前記配信情報のサービス形態の情報伝達性を示すサービス形態情報を含み、前記データ変換部は、前記サービス形態情報に基づいて前記第2デバイスが前記配信情報の提示に利用できるサービス形態の情報伝達性を第2情報伝達性として定め、前記転送先デバイスを前記第2デバイスとする前記デバイス間情報伝達性を前記第2情報伝達性に定め、前記第1情報伝達性を、予め定めておき、前記デバイス選択部は、2個のノード間に設定されたエッジに示される情報伝達性が高いほど当該ノード間の距離が短くなるようにノード分布を定め、前記人物ノードからの前記第2デバイスまでの距離に基づいて、当該第2デバイスを含む1以上の経路を選択してもよい。
[5]の構成によれば、各デバイスに設定される情報伝達性において人物に対する配信情報の第2情報伝達性が主となる。そのため、人物に対する情報伝達性を重視して配信情報の提供に係る提供デバイスを定めることができる。
【0014】
[6]本発明の一態様は、上述のデバイス管理装置であって、前記統合データは、場所を示す場所ノードと、前記デバイスのノードと前記場所ノードとの関連性として当該デバイスの設置場所を示すエッジを含み、人物が検出された場所を示す人物検出情報を取得するとき、前記人物ノードと当該場所を示す場所ノードとの関連性を示すエッジを含む前記統合データを生成する統合データ生成部を備え、前記データ変換部は、前記人物が検出された場所を設置場所とし、前記配信情報を提示できるデバイスを前記第2デバイスとして特定してもよい。
[6]の構成によれば、人物が検出された場所を設置場所としてデバイスから配信情報を提示する第2デバイスが選ばれる。人物が検出された場所を設置場所としないデバイスが配信情報を提示する第2デバイスから除外されるため、情報伝達性が高い第2デバイスを効率的に選択することができる。
【0015】
[7]本発明の一態様は、上述のデバイス管理装置であって、前記統合データ保存部は、いずれかのデバイスが検出されなくなるとき、検出されない非検出デバイスを示す非検出デバイスノードを無効化し、前記非検出デバイスが検出されるとき、前記非検出デバイスノードを有効化してもよい。
[7]の構成によれば、検出された動作中のデバイスが配信情報の提供に係る提供デバイスの候補となり、検出されないデバイスからは提供デバイスが除外される。そのため、動作中のデバイスから提供デバイスを効率的に選択でき、検出されないデバイスに対する配信情報の提供に係る処理に対する無用な処理を回避することができる。
【0016】
[8]本発明の一態様は、上述のデバイス管理装置であって、前記データ変換部は、識別された人物を示す人物識別情報を取得するとき、人物ごとに利用できるデバイスである利用可能デバイスを示す利用可能デバイス情報を用いて、前記識別された人物が利用可能とする利用可能デバイスのうち、前記配信情報を提示できるデバイスを前記第2デバイスとして特定してもよい。
[8]の構成によれば、検出された動作中のデバイスが配信情報の提供に係る提供デバイスの候補となり、検出されないデバイスからは提供デバイスが除外される。そのため、動作中のデバイスから提供デバイスを効率的に選択でき、検出されないデバイスに対する配信情報の提供に係る処理に対する無用な指令を回避することができる。
【0017】
[9]本発明の一態様は、コンピュータに、上述のデバイス管理装置として機能させるためのプログラムであってもよい。
[9]の構成によれば、デバイス選択法に応じた構造に変換された変換データに基づいて、当該デバイス選択法を用いて配信情報の提供に係る提供デバイスが定まる。各種の情報を含んで構成される統合データの構成を変換しない場合や特定の構成に変換する場合よりも、デバイス選択を効率的に実行し、効果的な情報提供を実現することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、より効果的に情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態に係るデバイス管理システムの概要を示す説明図である。
図2】第1の実施形態に係るデバイス管理装置の機能構成例を示す概略ブロック図である。
図3】統合データの一例を示す図である。
図4】変換データの一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る統合データの変換処理の例を示すフローチャートである。
図6】第1の実施形態に係るメディアと管理対象デバイスとの関係の解析の具体例を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態に係る人物と管理対象デバイスとの関係の解析の具体例を示すフローチャートである。
図8】第1の実施形態に係る複数の管理対象デバイス間の解析の具体例を示すフローチャートである。
図9】第2の実施形態に係るデバイス管理システムの概要を示す説明図である。
図10】統合データの他の例を示す図である。
図11】サービス形態情報の一例を示す図である。
図12】第2の実施形態に係る統合データの変換処理の例を示すフローチャートである。
図13】第2の実施形態に係る放送局とデバイスとの関係の解析の具体例を示すフローチャートである。
図14】第2の実施形態に係る人物とデバイスとの関係の解析の具体例を示すフローチャートである。
図15】第2の実施形態に係るデバイス間の関係の解析の具体例を示すフローチャートである。
図16】ノード間の情報伝達性に基づく各ノードの分布を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るデバイス管理システム1の概要を示す説明図である。
デバイス管理システム1は、デバイス管理装置10を含んで構成される。デバイス管理装置10は、所定の領域内に設置された複数のデバイスのそれぞれの機能や動作状態を管理する。管理対象のデバイス(本願では「管理対象デバイス」と呼ぶことがある)は、情報配信に係るサービス(本願では「情報配信サービス」と呼ぶことがある)を利用する機能、受信した配信情報を提示する機能、または、他のデバイスと配信情報を伝達可能に接続する機能のいずれか、または、それらの組み合わせを有する。
【0021】
図1に示す例では、管理対象デバイスは、テレビジョン受信機、スマートフォン、および、スマートスピーカである。テレビジョン受信機は、放送局BCからの放送波サービスを情報配信サービス利用可能とする。スマートフォンは、ウェブサーバWSからのウェブサービスを情報配信サービスとして利用可能とする。スマートフォンは、配信情報をなす音声データをスマートスピーカに転送することができる。スマートスピーカは、スマートフォンから転送された音声データで搬送される配信情報を音声として提示することができる(ミラーリング)。管理対象デバイスは、この例には限られず、スマートウォッチ、IoT電球などのいずれの形態の機器であってもよい。
【0022】
デバイス管理装置10は、情報配信サービスに係る伝送路と管理対象デバイスに接続可能とする。伝送路には、放送伝送路と通信伝送路がある。放送伝送路は、無線または有線で配信情報を含む各種の情報を一方向的に伝送できる伝送路である。放送伝送路は、例えば、放送波が含まれる。放送伝送路は、専用または公共の通信ネットワークをその一部または全部を含んで構成されてもよい。放送伝送路は、主に放送波サービスに用いられる。放送伝送路は、放送ネットワークと呼ばれることもある。通信伝送路は、無線または有線で配信情報を含む各種の情報を双方向的に伝送できる伝送路である。通信伝送路は、通信ネットワークに相当する。通信伝送路は、インターネット、公衆通信ネットワークなどの広域通信ネットワーク(WAN:Wide Area Network)を含んで構成される。通信伝送路は、その一部に専用回線または構内通信ネットワーク(LAN:Local Area Network)を含んで構成されてもよい。デバイス管理装置10は、例えば、管理対象とする領域(本願では、「管理領域」と呼ぶことがある)において専用のLANを用いて接続されてもよい。
【0023】
デバイス管理装置10は、管理領域内に設置された1以上の人感センサと接続されてもよいし、人感センサを一体に備えてもよい。人感センサは、管理領域内に所在する人物を検出するために用いられる。検出された人物は、提示された配信情報を視聴する視聴者となりうる。本願では、「視聴」とは、提示された情報に対する、視認、受聴、または、その他の知覚(例えば、触覚)により感知するという意味を含み、視認と受聴を同時に行うという意味に限られない。
【0024】
デバイス管理装置10は、配信情報を含むトリガーデータを取得するとき、統合データの構造を、配信情報の提供に係る提供デバイスを所定のデバイス選択法に応じた構造に変換して変換データを生成する。トリガーデータは、情報配信サービスの利用中に取得されうる。デバイス管理装置10は、変換した変換データに基づいて、そのデバイス選択法を用いて配信情報を提示する管理対象デバイスを定める。統合データは、個々のデバイスの種類、利用可能なサービス、設置場所などのデバイスの属性を示すデバイス情報、サービスに係る情報伝達性、情報の提示形態などの情報配信サービスの性状を示すメディア情報、トリガーデータなどの多様な情報が統合してなる。本願では、情報配信サービスを「メディア」と呼ぶことがある。
【0025】
統合データは、複数のノードと、前記複数のノードのうち2個のノードの組ごとに一方のノードに対する他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含んで構成される。この構成により、多様な情報が一元管理される。図3に例示される統合データは、RDFを用いて構成されたRDFデータである。本願では、統合データが、主にRDF1.1に規定されたRDFデータである場合を例にする。統合データは、構造化データ、リンクトデータ、などと呼ばれることもある。
【0026】
なお、デバイス管理装置10は、デバイス管理とは別個の他の機能を主機能として有する電子機器として構成されてもよい。デバイス管理装置10は、例えば、テレビジョン受信装置、録画装置、計量器(例えば、電力計、ガスメータ、等)、ゲートウェイ装置、ルータ装置、などとして構成されてもよい。デバイス管理装置10は、情報配信サービスを利用する機能を有してもよいし、情報配信サービスを通じて提供された配信情報を提示する機能を有してもよい。かかる機能を有する場合には、デバイス管理装置10は、自装置を管理対象に含めてもよい。個々のデバイスの設置場所は、その領域を細分化した区画(例えば、部屋)により特定される。図1に示す例では、管理領域は1名以上の人物が居住する住居であり、個々のデバイスの設置場所が、管理領域を細分化した区画として部屋Nまたは部屋Mにより特定される。居住者は、配信情報の受け手としての視聴者となりうる。通例、機器により提供可能とするサービスの種類やサービス形態の種類が予め定められている。なお、個々の管理領域は、必ずしも1個の建造物に対応されていなくてもよい。管理領域は、例えば、集合住宅の一部である1個または複数個の住戸であってもよい。
【0027】
次に、本実施形態に係るデバイス管理装置10の機能構成例について説明する。図2は、本実施形態に係るデバイス管理装置10の機能構成例を示す概略ブロック図である。
デバイス管理装置10は、統合データ生成部122、統合データ保存部124、データ変換部126、デバイス選択部128、および、デバイス制御部130を含んで構成される。デバイス管理装置10の各構成部は、専用の部材もしくは集積回路で構成されてもよいが、これには限らない。デバイス管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体を備えるコンピュータを含んで構成されてもよい。プロセッサは、予め記憶媒体に記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行し、記憶媒体またはその他のハードウェア資源と協働して、上記の構成部の一部または全部の機能を奏してもよい。「プログラムを実行する」とは、プログラムに記述された個々の命令で指示される処理を実行することを意味する。記憶媒体には、処理に用いられるパラメータ、処理対象となる入力値、中間的または最終的な処理結果となる演算値などの各種データが一時的または永続的に記憶される。また、デバイス管理装置10は、各種のデータを入出力するインタフェースを含んで構成される。
【0028】
統合データ生成部122は、管理対象となるデバイスごとのデバイス情報と、個々のデバイスが利用可能とするサービスを示すメディア情報と、配信情報の要素となる配信要素情報などの各種の要素情報として取得し、取得した要素情報を統合し、所定の形式を有する統合データを生成する。統合データは、複数のノードと、前記複数のノードのうち2個のノードの組ごとに一方のノードと他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含む。個々のノードは、個々の要素情報と関連付けられている。統合データ生成部122は、例えば、取得された要素情報を予め区分された2個の項目ごとに、それらの関係性を特定してもよい。統合データ生成部122は、所定の機械学習モデルを用いて、一連の要素情報から2個の要素情報ごとの組に区分し、2個の要素情報ごとの関係性を特定してもよい。統合データ生成部122は、2個のノードの組ごとに一方のノードと他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含む統合データを生成する。統合データには、デバイス管理装置10が実行する各種の処理に用いる所定のパラメータが要素情報として含まれてもよい。一部の要素情報は、予め自部に設定されてもよい。例えば、管理領域内の各部屋を示す場所情報、移動元の部屋から目的値となる部屋への移動に係る時間(遅延)などが予め設定されてもよい。統合データ生成部122は、生成した統合データを統合データ保存部124に記憶する。
【0029】
統合データ生成部122は、配信サービスの利用により自装置に提供される各種の配信情報を含む受信データからトリガ―データを検出する。統合データ生成部122は、配信情報もしくはメタデータが情報伝達の必要性が高い所定の情報を伴うデータをトリガーデータとして判定する。統合データ生成部122は、例えば、予め設定された緊急性判定情報を参照し、配信情報に所定の緊急性よりも高い緊急性を示す所定の語句を含む場合、その配信情報を含むデータをトリガーデータとして判定する。緊急性判定情報には、緊急性を要する事象を示す所定の語句(例えば、警報、大地震、津波、暴風雨、火災、氾濫、など)を含むリストを含めておいてもよい。統合データ生成部122は、配信情報に関連付けられた緊急性情報が所定の緊急性よりも高い緊急性を示すデータをトリガーデータとして判定してもよい。また、統合データ生成部122は、公知の機械学習モデルを用いて配信情報を含む受信データからトリガーデータを判定してもよい。統合データ生成部122は、例えば、そのトリガーデータを示すトリガーノードと、その事象を表す既存のノードとの関連性として、その事象を示すエッジを統合データに含める。
【0030】
統合データ生成部122は、自装置に接続されている動作中の管理対象デバイスを所定の検出周期(例えば、数秒~数分)ごとに検出してもよい。管理対象デバイスを検出するために、所定の通信方式(例えば、IEEE802.11、IEEE802.15などに規定された方式)が利用可能である。統合データ生成部122は、検出した管理対象デバイスの識別情報を用いて、予め設定されたデバイスごとのデバイス情報リストから、当該管理対象デバイスのデバイス情報を特定してもよい。統合データ生成部122は、管理対象デバイスを検出する際、例えば、所定の通信方式に従って検出信号を自部に接続されたLANに同報(ブロードキャスト)する。統合データ生成部122は、検出信号の送信から所定の検出時間内に、いずれかの管理対象デバイスから検出信号に対する応答信号を受信するか否かにより、その応答信号の送信元である管理対象デバイスを検出することができる。管理領域に設置されていても、動作が停止している管理対象デバイスは検出されない。そのため、動作中の管理対象デバイスは、その時々により変動しうる。
【0031】
統合データ生成部122は、応答信号に含まれる識別情報を用いて、その管理対象デバイスもしくは、その管理対象デバイスのデバイス情報を特定することができる。デバイス情報には、そのデバイスの識別情報、種類(型)、利用可能なサービス、利用可能な機能(型)もしくはその特性(例えば、遅延時間)、管理対象とする他のデバイス、場所もしくはその変動状態(設置、所在、移動、目的地)などのいずれか、または、いずれかの組み合わせが含まれる。統合データ生成部122は、統合データを生成する際、検出した管理対象デバイスを示すデバイスノードと、管理対象デバイスと関連する要素情報を示すデバイス関連ノードと、そのデバイスノードとデバイス関連ノードとの関連性を示すエッジを含める。複数の要素情報を含んで構成されるデバイス情報は、複数の要素情報間で2以上の階層を有するように階層化されていてもよい。メディア情報には、個々のサービスの種類、伝送路(例えば、チャンネル)、その特性(例えば、遅延時間)などが含まれる。
【0032】
統合データ生成部122は、自装置に接続されている人感センサから人物の検出を示す人物検出情報を取得するとき、人物検出情報の送信元となる人感センサを特定し、特定した人感センサの設置場所を、その人物が所在する場所と判定することができる。統合データ生成部122は、例えば、予め設定した人感センサごとに設置場所を示すセンサ設置情報を参照して、人物検出情報の送信元の人感センサの設置場所を特定できる。統合データ生成部122は、検出した人物を示す人物ノードと、予め設定された場所を示す場所ノードとの関連性として、人物が所在する場所を占めるエッジを統合データに含めてもよい。これにより、人物が所在する場所が、デバイス情報やサービス情報などの各種の情報と一元化して管理される。人感センサは、赤外線センサ、超音波センサ、など、いずれの種類のセンサであってもよい。
【0033】
なお、RDFを用いて記述可能な形式で取得された各種の情報に対しては、統合データ生成部122は、その形式をそのまま維持して統合データの一部または全部として採用してもよい。例えば、JSON-LD、Turtleなど、所定の方法もしくはプログラムを用いて構成されたリンクトデータは、RDFを用いて記述可能な形式を有することがある。本願では、RDFを用いて記述されたデータをRDFデータと呼ぶことがある。統合データ生成部122は、RDFデータへの形式変換方式が存在する形式で記述された情報を取得する場合がある。その場合には、統合データ生成部122は、その情報に対して、その方式を用いてRDFデータへの形式変換を実行する。統合データ生成部122は、RDF形式を有する情報を統合データの一部または全部として採用してもよい。
【0034】
RDFは、要素情報となるリソースのメタデータを記述するための枠組みである。RDFでは、2個のノードの組と、2個のノードのうち一方のノードと他方のノードの関連性を示す有向エッジとの組を用いて要素情報間の関係情報が表現できる(図3参照)。RDFでは、一方のノード、エッジ、他方のノードが、それぞれ主語、述語、目的語に対応し、主語、述語および目的語といった3個の要素からなる組がトリプルと呼ばれる。主語、述語、目的語は、要素情報間の関係を示す呼称であって自然言語の文法学上の品詞または構文要素を示すものではない。主語は、記述対象、または、そのリソースを示す要素情報である。述語は、目的語が主語の特徴もしくは属性など、主語と目的語との関係を示す。目的語は、述語で示される特徴もしくは属性で与えられる事物(値)、その他、主語と関連する事物またはそのリソースを示す。RDFでは、リソースは、その所在を示す識別子として、例えば、URIを用いて指示されることがある。あるトリプルに係る述語が、1個または複数個の他のトリプルに係る主語となることがある。かかる要素情報間の関係の連鎖が、それぞれ対応するノードと有向エッジを含む有向グラフで表現される。そのため、RDFによれば多様な情報を高い柔軟性をもって一元管理可能となる。
【0035】
統合データ保存部124は、統合データ生成部122が生成した統合データを記憶する。なお、統合データにおいて、記述されるURIが共通な複数のノードまたはエッジ同士は、実質的に情報を失わずに併合可能である。また、1個のノードまたはエッジは、URIが共通な複数のノードまたはエッジに分割可能である。統合データにおいて一部の要素情報が更新された場合には、統合データ保存部124は、更新前後の差分となる部分を反映し、変更を伴わない他の部分が維持されてもよい。
【0036】
統合データの更新の態様として、ノード追加、ノード変更、および、ノード削除が掲げられる。ノード追加は、新たなノードの追加を伴う。ノード追加には、その追加に伴う既存のノードとの関連性を示すエッジの追加を伴うこともある。ノード変更は、既存の一部のノードの変更を伴う。ノード変更には、その変更に伴う既存の他のノードとの関連性を示すエッジの変更を伴うこともある。ノード削除は、既存の一部のノードの削除を伴う。ノード削除には、その削除に伴う既存の他のノードとの関連性を示すエッジの削除を伴うこともある。更新されうる要素情報には、例えば、動作中のデバイス、人物の検出の有無、人物が検出された場所などがある。
【0037】
なお、統合データ保存部124は、いずれかの管理対象デバイスを検出しなくなるとき、検出されない非検出デバイスを示す非検出デバイスノードを無効化してもよい。このとき、統合データ保存部124は、検出されない非検出デバイスノードの無効であることを示す有効性情報を保存してもよい。統合データ保存部124は、統合データ生成部122から入力された検出デバイス情報に基づいて非検出デバイスを判定することができる。検出デバイス情報は、検出された管理対象デバイスを示す情報である。統合データ保存部124は、新たに入力された検出デバイス情報に基づいて非検出デバイスと判定された管理対象デバイスが再度検出されたと判定することがある。統合データ保存部124は、検出された非検出デバイスを示す非検出デバイスノードを有効化してもよい。このとき、統合データ保存部124は、非検出デバイスノードの無効であることを示す有効性情報を、有効であることを示す有効性情報に変更してもよい。デバイスの検出の有無によるノードの異動を伴わないため、統合データの構成の変化を抑制することができる。
デバイス管理装置10の各部、例えば、データ変換部126とデバイス選択部128は、後述する処理において、個々の管理対象デバイスに係るデバイスノードのうち、有効であることを示す有効性情報と関連付けられているデバイスノードを採用し、無効であることを示す有効性情報と関連付けられているデバイスノードを無視すればよい。
【0038】
統合データ保存部124は、各種のデータを必ずしも単一の統合データに統合して保存する必要はない。統合データ保存部124は、所定の区分ごとに形成された統合データを保存してもよい。統合データ保存部124は、区分ごとの統合データを、その区分と関連付けて保存してもよい。区分は、例えば、情報が取得された時期(例えば、年、月、日など)、地域(例えば、地方、都道府県、市区町村など)のいずれが用いられてもよい。統合データ保存部124は、例えば、HDD(ハードディスクドライブ、Hard Disk Drive)、SSD(ソリッドステートドライブ、Solid State Drive)などの記憶媒体を含んで構成される。統合データ保存部124は、デバイス管理装置10と無線または有線で他の機器と接続し、当該他の機器に備わる記憶媒体に一部のデータを記憶し、かつ、当該記憶媒体から読み出し可能としてもよい。これにより、他の機器との間で分散して統合データを保存することができる。
【0039】
データ変換部126は、統合データ保存部124に保存された統合データの構造をデバイス選択部128が実行するデバイス選択法に応じた構造に変換する。データ変換部126は、統合データからトリガーデータを検出するとき、統合データの変換を実行する。データ変換部126は、トリガーデータの検出において、統合データ生成部122と同様の手法を用いることができる。データ変換部126は、所定のデバイス選択法として配信情報のサービスの利用から提示までの経路に係る情報伝達性に基づいて、配信情報の提供に係るデバイス(本願では、「提供デバイス」と呼ぶことがある)を選択する際、統合データを次のように変換する。
【0040】
データ変換部126は、統合データから、配信情報のサービスを利用できる1個または複数の管理対象デバイスを第1デバイスとして特定し、特定した第1デバイスごとにサービスの利用に係る情報伝達性を第1情報伝達性として特定する。データ変換部126は、配信情報を提示できる1個または複数の管理対象デバイスを第2デバイスとして特定し、第2デバイスごとに人物への情報伝達性を第2情報伝達性として特定する。データ変換部126は、管理対象デバイスごとに情報を転送可能な他の管理対象デバイスを転送先デバイスとして特定し、その情報の転送元のデバイスを転送元デバイスとして特定し、転送元デバイスから転送先デバイスへの情報伝達性をデバイス間情報伝達性として特定する。
【0041】
データ変換部126は、第1デバイスを示す第1デバイスノード、第2デバイスを示す第2デバイスノード、トリガーデータに関するトリガーノード、転送元デバイスを示す転送元デバイスノード、転送先デバイスを示す転送先デバイスノード、および、人物を示す人物ノードを変換データに含める。データ変換部126は、トリガーノードと第1デバイスノードとの関連性として第1情報伝達性を示す第1エッジ、転送元デバイスノードと転送先デバイスノードとの関連性としてデバイス間情報伝達性を示すデバイス間エッジ、および、第2デバイスノードと人物ノードとの関連性として第2情報伝達性を示す第2エッジを変換データに含める。
【0042】
情報伝達性を示す指標として、例えば、遅延が利用可能である。一般に、処理や伝送に係る遅延が少ないほど視聴者に対して迅速に情報が伝達されるため、情報伝達性が高くなる。配信情報に緊急性が高い情報が含まれる場合には迅速な情報伝達が望まれる。データ変換部126は、生成した変換データをデバイス選択部128に出力する。
なお、転送元デバイスノードには、配信情報のサービスを利用できる第1デバイスが含まれることがある。転送先デバイスノードには、配信情報を提示できる第2デバイスが含まれることがある。第1デバイスは、第2デバイスとして特定されることもある。その場合には、データ変換部126は、第1デバイスを転送元デバイスノードとし、第2デバイスを転送先デバイスノードとするデバイス間エッジを設定することを要しない。
【0043】
デバイス選択部128は、データ変換部126から入力された変換データに基づいて、所定のデバイス選択法を用いて配信情報の伝達に用いる管理対象デバイスを選択する。デバイス選択部128は、例えば、変換データに基づいて、トリガーノードから人物ノードまでノード間を接続するエッジを含む経路を特定する。特定される個々の経路には、少なくとも2以上のエッジが含まれる。第1デバイスが第2デバイスと同一となる経路が最短経路となり、2個のエッジしか含まれない。デバイス選択部128は、特定した経路ごとに、その経路に含まれるエッジに示される情報伝達性に基づいて、その経路全体の情報伝達性の指標を定める。デバイス選択部128は、情報伝達性の指標として、個々のエッジに示される遅延を合計して得られる総和を経路遅延量として定めることができる。
【0044】
デバイス選択部128は、定めた指標に基づいて、特定された経路から、少なくとも1以上の経路を情報伝達に用いる経路として定める。デバイス選択部128は、特定された経路のうち、例えば、経路遅延量が最も少ない経路を特定する。デバイス選択部128は、経路遅延量が最も少ない経路を特定する際、例えば、ダイクストラ法(Dijkstra’s Algorithm)を用いることができる。デバイス選択部128は、特定された経路のうち、経路遅延量が所定の遅延量の閾値以下となる経路を特定してもよい。その場合には、特定される経路の数が2個以上となりうる。
【0045】
デバイス選択部128は、特定した経路に含まれるノードに示される第1デバイス、転送元デバイス、転送先デバイス、および、第2デバイスを配信情報の伝達に用いる提供デバイスとして選択することができる。デバイス選択部128は、選択した提供デバイスを示すデバイス選択情報をデバイス制御部130に出力する。
【0046】
デバイス制御部130は、デバイス選択部128からデバイス選択情報が入力される。デバイス制御部130は、デバイス選択情報に示される提供デバイスに対して、それぞれのデバイスに対応する機能を動作させる。より具体的には、デバイス制御部130は、第1デバイスとして特定された提供デバイスに対して、配信サービスの利用による配信情報の取得を示す制御情報を送信する。デバイス制御部130は、転送元デバイスとして特定された提供デバイスに対して、配信情報の転送先デバイスへの転送を示す制御情報を送信する。デバイス制御部130は、転送先デバイスとして特定された提供デバイスに対して、配信情報の転送元デバイスから転送された配信情報の受信を示す制御情報を送信する。デバイス制御部130は、第2デバイスとして特定された提供デバイスに対して、配信情報の提示を示す制御情報を送信する。
【0047】
なお、第1デバイスと第2デバイスが同一のデバイスとなる最短経路については、デバイス選択部128は、転送元デバイスと転送先デバイスを選択しない。但し、第1デバイスと第2デバイスのそれぞれに対する情報は、それぞれ配信サービスの利用、配信情報の提示をそれぞれ示す情報となる。そのため、デバイス制御部130は、第1デバイスならびに第2デバイスとして特定された提供デバイスに対して、配信サービスの利用と配信情報の提示を指示することができる。
【0048】
3以上のエッジを含む経路において、第1デバイスは転送元デバイスにもなりうる。第1デバイスと転送元デバイスのそれぞれに対する情報は、それぞれ配信サービスの利用、配信情報の転送先デバイスへの転送をそれぞれ示す情報となる。そのため、デバイス制御部130は、第1デバイスとして特定された提供デバイスに対して、配信サービスの利用と配信情報の転送先デバイスへの転送を指示することができる。
また、3以上のエッジを含む経路において、第2デバイスは転送先デバイスにもなりうる。第2デバイスと転送元デバイスのそれぞれに対する情報は、それぞれ配信情報の提示、配信情報の転送元デバイスからの受信をそれぞれ示す情報となる。そのため、デバイス制御部130は、第2デバイスとして特定された提供デバイスに対して、配信情報の転送元デバイスからの受信を指示することができる。
【0049】
(統合データの変換)
次に、本実施形態に係る統合データの変換処理の例について説明する。統合データとして、図3に例示されるRDFデータが変換対象となる場合を主とする。このRDFデータには、トリガーデータXを示すトリガーノードが追加されている。トリガーデータXは、日時として「2021/01/01 0:00:00」との関連性を有し、利用可能なサービス(メディア)として「サービスG」と、「動画アプリ」による動画データ配信サービスにより提供される。動画データ配信サービスは、所定のURLとして「http://~~~~~」で所在が指示されるウェブサーバから提供される。
【0050】
図5は、本実施形態に係る統合データの変換処理の例を示すフローチャートである。図5に例示される処理は、デバイス選択法として動作しているデバイスごとの情報伝達性として遅延が極力少なくなるように配信情報の伝達に用いるデバイスを定める方法に対応する(遅延最小化)。トリガーデータには、配信情報として緊急情報が含まれる。このような場合には、管理領域に所在する人物に迅速に配信情報を伝達する必要性が生ずる。なお、RDFデータから特定の条件のデータ(値)を抽出または特定する際、データ変換部126は、統合データ保存部124に対してSPARQLなどの問い合わせ言語を利用して指令を発行することができる。
【0051】
(ステップS110)統合データ生成部122は、受信した配信情報のうち、情報伝達の必要性が高い所定の種類の情報を含む配信情報を含むトリガーデータを「トリガーデータT」として検出し、検出した「トリガーデータT」を示すノードをRDFデータに含めて統合データ保存部124に保存する。データ変換部126は、統合データ保存部124に記憶されたRDFデータからトリガーデータTを検出する。なお、データ変換部126は、初期値として空の変換データOを生成し、保存する。
(ステップS120)データ変換部126は、「トリガーデータT」に係るメディアと管理対象デバイスとの関係を解析する。ここで、「トリガーデータT」に含まれる配信情報を提供するサービス(メディア)を利用できる第1デバイスとサービスの利用に係る第1情報伝達性が特定される。
【0052】
(ステップS150)データ変換部126は、配信情報を提示する人物と管理対象デバイスとの関係を解析する。ここで、配信情報を提示できる第2デバイスと人物への第2情報伝達性が特定される。
(ステップS180)データ変換部126は、複数の管理対象デバイス間の関係を解析する。ここで、配信情報の転送元となりうる転送元デバイス、転送先となりうる転送先デバイス、転送元デバイスから転送先デバイスへのデバイス間情報伝達性が特定される。
(ステップS200)データ変換部126は、解析した第1デバイス、第2デバイス、転送元デバイス、転送先デバイス、第1情報伝達性、第2情報伝達性、デバイス間情報伝達性に基づいて構成された変換データOをデバイス選択部128に出力する。その後、図5に示す処理を終了する。
【0053】
次に、メディアと管理対象デバイスとの関係の解析(ステップS120)の具体例について図6を用いて説明する。図6は、本実施形態に係るメディアと管理対象デバイスとの関係の解析の具体例を示すフローチャートである。
(ステップS122)データ変換部126は、統合データ保存部124に記憶されたRDFデータから所定の「管理デバイスM」が管理する管理対象デバイスのリストをデバイスリストAとして抽出する。より具体的には、データ変換部126は、「型」が「管理装置」を示すノードに示されるデバイスを「管理デバイスM」として特定し、そのデバイスとの関連性として「管理」を示すエッジと関連付けられているノードに示されるデバイスを管理対象デバイスとして特定することができる。
【0054】
(ステップS124)データ変換部126は、デバイスリストAから「トリガーデータT」と同じ種類のメディア(サービス)を利用可能なデバイスを特定する。特定されるデバイスは、第1デバイスに相当する。より具体的には、データ変換部126は、「トリガーデータT」を示すトリガーノードとの関連性として「メディア」を示すエッジと直接または間接的に関連付けられたノードに示されるサービスを特定する。データ変換部126は、そのサービスを示すノードと関連性として「利用可能」を示すエッジで関連付けられたノードに示される管理対象デバイスを特定する。
データ変換部126は、特定したデバイスを示すノードを変換データOに追加する。
【0055】
(ステップS126)データ変換部126は、RDFデータから「トリガーデータT」と同じ種類のメディア(サービス)を示すリストをメディアリストBとして抽出する。より具体的には、データ変換部126は、RDFデータからステップS124において特定したサービスを示すノードと「トリガーデータT」を示すトリガーノードと直接または間接的な関連性を示すエッジに設定された数値(インデックス)を抽出する。トリガーノードは、配信情報のデータ変換部126は、抽出した数値を含むメディアリストBを生成し、生成したメディアリストBを保存する。
【0056】
(ステップS128)データ変換部126は、メディアリストBが空になったか否かを判定する。この処理により、未処理のメディア(サービス)の有無が判定される。メディアリストBが空と判定されるとき(ステップS128 YES)、図6に示す処理を終了する。生成されるデバイスリストDに示されるデバイスが第1デバイスに相当する。メディアリストBが空ではないと判定されるとき(ステップS128 NO)、ステップS130の処理に進む。
【0057】
(ステップS130)データ変換部126は、メディアリストの先頭に記述された数値に示されるサービスを「メディアC」として特定する。
(ステップS132)データ変換部126は、RDFデータから「メディアC」を「利用可能」かつ「管理デバイスM」が「管理」する管理対象デバイスを含むデバイスリストDとして抽出する。データ変換部126は、生成したデバイスリストDを保存する。より具体的には、データ変換部126は、RDFデータから「メディアC」を示す数値を示すノードと直接または間接的に関連性を有し、「管理デバイスM」との関連性として「管理」を示すエッジが設定されているノードに示される管理対象デバイスを特定する。特定された管理対象デバイスがデバイスリストDに示される。
(ステップS134)データ変換部126は、デバイスリストDが空になったか否かを判定する。この処理により、未処理のデバイスの有無が判定される。デバイスリストDが空と判定されるとき(ステップS134 YES)、メディアリストBの先頭に記述された「メディアC」を示す数値を消去し、ステップS128の処理に戻る。デバイスリストDが空ではない判定されるとき(ステップS134 NO)、ステップS136の処理に進む。
【0058】
(ステップS136)データ変換部126は、デバイスリストDの先頭に記述されたデバイスを「デバイスE」として特定する。
(ステップS138)データ変換部126は、RDFデータから「デバイスE」が提供する「メディアC」の「遅延」を「遅延F」として特定する。より具体的には、データ変換部126は、「メディアC」を示す関連性として「遅延」を示すエッジで直接または間接的に関連付けられるノードに示される数値を「遅延F」として特定する。特定された「遅延F」が第1情報伝達性に相当する。
(ステップS140)データ変換部126は、「デバイスE」を示すノードと、「トリガーデータT」のノードから「デバイスE」のノードに向けて関連性として「遅延F」を示すエッジを変換データOに追加する。データ変換部126は、デバイスリストDの先頭に記述された「デバイスE」を消去し、ステップS134の処理に戻る。
【0059】
次に、人物と管理対象デバイスとの関係の解析(ステップS150)の具体例について図7を用いて説明する。図7は、本実施形態に係る人物と管理対象デバイスとの関係の解析の具体例を示すフローチャートである。
(ステップS152)データ変換部126は、統合データ保存部124に記憶されたRDFデータから検出された人物である「人物P」を示すノードを特定し、「人物P」を示すノードを変換データOに追加する。
(ステップS154)データ変換部126は、RDFデータから「管理デバイスM」が「管理」する管理対象デバイスのリストをデバイスリストAとして抽出する。ステップS154の処理は、ステップS122の処理と同様である。データ変換部126は、再度デバイスリストAを生成せずに、ステップS122において生成されたデバイスリストAの複製(コピー)を保存しておき、保存した複製をデバイスリストAとして採用してもよい。
(ステップS156)データ変換部126は、RDFデータから「人物P」が「所在」する場所を「場所B」として特定する。より具体的には、データ変換部126は、「人物P」を示すノードとの関連性として「所在」を示すエッジが設定されているノードに示される場所を「場所B」として特定する。
【0060】
(ステップS158)データ変換部126は、デバイスリストAが空になったか否かを判定する。この判定により、未処理のデバイスの有無が判定される。空になったと判定されるとき(ステップS158 YES)、図7に示す処理を終了する。空になっていないお判定されるとき(ステップS158 NO)、ステップS160の処理に進む。
(ステップS160)データ変換部126は、デバイスリストAの先頭に記述されたデバイスを「デバイスD」として特定する。
(ステップS162)データ変換部126は、RDFデータから「デバイスD」が「設置」されている場所を「場所E」として特定する。より具体的には、データ変換部126は、「デバイスD」を示すノードとの関連性として「設置」を示すエッジで関連付けられているノードに示される場所を「場所E」として特定する。
【0061】
(ステップS164)データ変換部126は、「場所B」が「場所E」と同一であるか否かを判定する。同一と判定されるとき(ステップS164 YES)、ステップS166の処理に進む。同一ではないと判定されるとき(ステップS164 NO)、ステップS168の処理に進む。
(ステップS166)データ変換部126は、「デバイスD」を示すノードと、そのノードから「人物P」を示すノードに向け、ノード間の関連性として「遅延」がゼロであることを示すエッジを変換データOに追加する。「デバイスD」は第2デバイスに相当する。「遅延」がゼロとは、第2デバイスである「デバイスD」の第2情報伝達性として「人物P」に対して提供情報を遅滞なく提示できることに相当する。「遅延」がゼロを示すエッジは、その属性として遅延量がゼロであることを示すエッジであってもよいし、その属性として「遅延」を示すエッジと、そのエッジに関連付けられる数値としてゼロを示すノードとで構成されてもよい。その後、データ変換部126は、デバイスリストAの先頭に記述された「デバイスD」を消去し、ステップS158の処理に戻る。
【0062】
(ステップS168)データ変換部126は、RDFデータから「場所B」からの「移動」であり、「目的地」が「場所E」となる遅延を「遅延F」として特定する。「場所B」からの「移動」であり、「目的地」が「場所E」となる遅延とは、デバイスDからの情報伝達性として、人物が所在する場所BからデバイスDが設置された場所への移動時間もしくはデバイスDからの「場所B」に所在する人物への情報伝達性を定量化した数量の一例と捉えることができる。RDFデータには、個々の場所を示す場所ノード、一方の場所から他の場所への移動に係る遅延を示す移動遅延ノード、管理対象デバイスのノードと場所ノードとの関連性としてその管理対象デバイスの設置(場所)を示すエッジを含めて構成させておく。より具体的には、データ変換部126は、一方の場所である「場所B」を示す場所ノードとの関連性として「移動」を示すエッジと、他方の場所である「場所E」を示す場所ノードとの関連性として「目的地」を示すエッジのそれぞれと関連付けられたノードに示される数値を「遅延F」として特定することができる。
(ステップS170)データ変換部126は、「デバイスD」を示すノードから「人物P」を示すノードに向けて、「遅延F」を関連性として示すエッジを変換データOに追加する。その後、データ変換部126は、デバイスリストAの先頭に記述された「デバイスD」を消去し、ステップS158の処理に戻る。
【0063】
次に、複数の管理対象デバイス間の解析(ステップS180)の具体例について図8を用いて説明する。図8は、本実施形態に係る複数の管理対象デバイス間の解析の具体例を示すフローチャートである。
(ステップS182)データ変換部126は、RDFデータから「管理デバイスM」が「管理」する管理対象デバイスのリストをデバイスリストAとして抽出する。
(ステップS184)データ変換部126は、デバイスリストAを複製し、デバイスリストBを生成する。なお、ステップS182の処理は、ステップS122またはステップS154の処理と同様である。データ変換部126は、再度デバイスリストAならびにデバイスを生成せずに、ステップS122またはステップS154において生成されたデバイスリストAの複製を保存しておき、保存した複製をデバイスリストBとして採用してもよい。
【0064】
(ステップS186)データ変換部126は、デバイスリストBが空になったか否かを判定する。この判定により、未処理のデバイスの有無が判定される。空になったと判定されるとき(ステップS186 YES)、図8に示す処理を終了する。空になっていないと判定されるとき(ステップS186 NO)、ステップS188の処理に進む。
(ステップS188)データ変換部126は、デバイスリストBの先頭に記述されたデバイスを「デバイスC」として特定する。
【0065】
(ステップS190)データ変換部126は、RDFデータから「デバイスC」が「利用可能」な「操作D」として「ミラーリング」を特定し、「操作D」の「再生元」であって、「管理デバイスM」が「管理」するデバイスと、「操作D」の遅延を特定する。ここで、「操作」とはデバイスに備わる機能または処理を意味する。「ミラーリング」とは、他デバイスへ情報を転送し、他デバイスに転送した情報を提示させる機能、または、他デバイスから転送された情報を受信し、受信した情報を提示する機能である。「再生元」とは、転送元となる他のデバイスを意味する。より具体的には、データ変換部126は、「デバイスD」を示すノードとの関連性として「利用可能」を示すエッジと、「型」を示すエッジで関連付けられている機能である「操作D」として「ミラーリング」を示すノードを特定する。データ変換部126は、上記の手法で特定された管理対象デバイスのうち、「ミラーリング」を示すノードと「型」を関連性として示すエッジと「再生元」を関連性として示すエッジとで関連付けられたノードに示されるデバイスを特定する。特定されたデバイスは、配信情報の転送元デバイスに相当し、「デバイスC」は転送先デバイスに相当する。
データ変換部126は、「ミラーリング」を示すノードと「型」を関連性として示すエッジと「遅延」を関連性として示すエッジで関連付けられているノードに示される遅延を「操作D」の遅延として特定する。特定された遅延は、デバイス間情報伝達性に相当する。
(ステップS192)データ変換部126は、特定したデバイスと遅延の組を含むデバイス・遅延リストEを生成し、生成したデバイス・遅延リストEを保存する。
【0066】
(ステップS194)データ変換部126は、デバイス・遅延リストEが空になったか否かを判定する。この判定により、未処理のデバイスと遅延の組の有無が判定される。空になったと判定されるとき(ステップS194 YES)、デバイスリストBに記述された「デバイスC」を消去して、ステップS186の処理に戻る。空になっていないと判定されるとき(ステップS194 NO)、ステップS196の処理に進む。
(ステップS196)データ変換部126は、デバイス・遅延リストEの先頭に記述されたデバイスと遅延の組を「デバイスF」と「遅延G」の組として特定する。
【0067】
(ステップS198)データ変換部126は、「デバイスC」、「デバイスF」を示すノードをそれぞれ変換データOに追加する。但し、変換データOにその一方または双方のノードが含まれている場合には、その一方または双方のノードを新たに追加しない。
データ変換部126は、「デバイスF」を示すノードから「デバイスC」を示すノードに向けて、それらのノードの関連性として「遅延G」を示すエッジを変換データOに追加する。その後、データ変換部126は、デバイス・遅延リストEに記述された「デバイスF」と「遅延G」の組を消去し、ステップS194の処理に戻る。
【0068】
統合データとして図3に例示されるRDFデータに対して、図5図8に示す処理を行うことで、図4に例示される有向グラフを示す変換データが得られる。この有向グラフは、配信情報を含むトリガーデータの取得から人物への提示までの配信情報の伝達経路の情報伝達性として遅延に基づいて、伝達経路をなすデバイスを選択するのに好都合である。ここで、トリガーデータXから第1デバイスに相当するデバイスB、Cへの遅延として、それぞれ3、30秒と設定されている。第2デバイスに相当するデバイスB、C、Dから検出された人物Pへの遅延として、それぞれ15、0、0秒と設定されている。そして、デバイス間の遅延として、デバイスB、C間、デバイスC、B間、デバイスC、D間にそれぞれ、1、1、1秒と設定されている。
【0069】
デバイス選択部128は、トリガーデータXから人物Pまでの経路ごとの情報伝達性の指標として経路遅延量を算出し、経路遅延量が最も小さい経路を選択する。図4に示す例では、トリガーデータXからデバイスB、Cを通過し、人物Pに至る経路が選択される。この経路では、トリガーデータXからデバイスBへの遅延が3秒、デバイスBからデバイスCへの遅延が1秒、デバイスCから人物Pへの0秒となり、経路遅延量が4秒となる。従って、デバイス選択部128は、トリガーデータXに係る情報配信において、デバイスB、および、デバイスCを動作対象のデバイスとして選択することができる。そして、デバイス選択部128は、デバイス制御部130を用いて、デバイスBにトリガーデータXの受信に係るサービスの利用、デバイスBにデバイスCへのデータ転送、デバイスCにデバイスBからのデータ受信ならびに情報提示(ミラーリング)を指示することができる。
よって、図4に例示される変換データによれば、トリガーデータXの取得、伝達、提示に係る管理対象デバイスと、取得、伝達、提示に係る配信情報の伝達経路を容易に把握することができ、経路ごとに情報伝達性の指標を効率的に定めることができる。
【0070】
なお、上記の例では、デバイス選択法としてトリガーデータから人物までの経路ごとの経路遅延量が最も小さい1つの経路を選択する場合を例にしたが、これには限られない。デバイス選択部128は、経路遅延量が小さい経路を優先して、所定数の経路を選択してもよいし、経路遅延量が所定値以下となる経路を選択してもよい。
また、デバイス選択部128は、デバイス選択法としてトリガーデータから人物までの経路ごとの容量が極力大きくなるように1以上の経路を選択する方法を用いてもよい。その場合には、デバイス選択部128は、公知の最大流問題(例えば、フォード・ファルカーソン法)を適用することができる。データ変換部126は、情報伝達性の指標として遅延に代えて容量を示す変換データを生成すればよい。
【0071】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。以下の説明では、上記の実施形態との差異を主とし、特に断らない限り上記の実施形態に係る説明を援用する。上記の実施形態と同一の構成もしくは処理については、同一の符号を付する。本実施形態に係るデバイス管理装置10の機能構成は、図2に示す構成と同様であってもよい。第1の実施形態では、トリガーデータから人物までの複数の経路のうち、経路遅延量が最も少ない1個の経路に対応する提供デバイスのうち1個の第2デバイスから配信情報を提示する場合を例示した。配信情報の内容や提示形態によっては、同時に複数のデバイスを用いて提示した方が、情報伝達性が向上し、提示された配信情報を視聴者が容易に認識できることもある。以下の説明では、配信情報を含むトリガーデータが受信されるとき、デバイス選択法として、配信情報のサービスの利用から提示までの経路に係る情報伝達性として第2デバイスによる人物への配信情報の訴求性に基づいて、配信情報の伝達に用いるデバイスを定める方法が用いられる場合を例にする。訴求性とは、情報の伝わりやすさを指す。訴求性は、配信情報の内容と提示形態(本願では、「サービス形態」と呼ぶこともある)の組に依存する傾向がある。
【0072】
図9は、第2の実施形態に係るデバイス管理システム2の概要を示す説明図である。デバイス管理システム2は、デバイス管理装置10を含んで構成される。管理領域となる住居は、部屋01と部屋02を有する。部屋01には、管理対象デバイスとしてデバイス01-A、01-B、01-Cがそれぞれ設置されている。部屋02には、管理対象デバイスとしてデバイス02-Aが所在し、デバイス02-Bが設置されている。図9において、デバイス管理装置10の図示が省略されている。デバイス管理装置10とデバイス01-A、01-B、01-C、02-A、02-Bは、相互に各種の情報を送受信可能に接続されうる。情報配信サービスとして、所定の放送局(Broadcaster)から提供される放送波サービスを利用し、その他のサービスを利用しない場合を仮定する。
【0073】
デバイス01-Aは、テレビジョン受信機である。デバイス01-Aは、放送波サービスを利用して配信情報を受信できるとともに、配信情報をなす画像(光)と音声(音)を提示することができる。図10に例示されるRDFデータでは、デバイス01-Aが「#tv」と表記されている。
デバイス01-Bは、空調機(いわゆる、IoTエアコン)である。デバイス01-Bは、配信情報に温度制御情報が含まれるとき、その温度制御情報に従って設置されている部屋01の温度を調整可能とする。温度変化を通じた視聴者に対する情報として、例えば、注意喚起もしくは警告などを目的とする情報が提供されることがある。図10に示すRDFデータでは、デバイス01-Bが「#airconditioner」と表記されている。
【0074】
デバイス01-C、02-Bは、照明(いわゆる、IoT電球)である。デバイス01-C、02-Bは、配信情報に照度制御情報が含まれるとき、その照度制御情報に従って自身が発光する光の照度を調整可能とする。照度変化を通じた視聴者に対する情報として、例えば、注意喚起もしくは警告などを目的とする情報が提供されることがある。図10に示すRDFデータでは、デバイス01-C、02-Bがそれぞれ「#iot-light01」、「#iot-light02」と表記されている。
デバイス02-Aは、多機能携帯電話機である。デバイス02-Aは、インターネットサービスを利用して配信情報を受信できるとともに、配信情報をなす画像(光)と音声(音)を提示することができる。図10に示すRDFデータでは、デバイス02-Aが「#smartphone」と表記されている。
【0075】
(統合データの変換)
次に、本実施形態に係る統合データの変換処理の例について説明する。統合データとして、図10に例示されるRDFデータが変換対象となる場合を主とする。図10に示すRDFデータは、デバイス01-A、01-B、01-C、02-A、02-Bと放送局との関連性を示す。但し、図10に示すRDFデータは、図1に示すものと異なる語彙を用いてノード間の関連性や、ノードごとの要素情報が表されている。本実施形態に限らず、RDFでは、標準化コミュニティであるschema.orgにより定められた所定の語彙が用いられてもよいし、独自に定義された語彙が用いられてもよい。また、「放送局X」、「人物Y」は、それぞれ「#AAA」、「#Person01」と例示されている。但し、トリガーデータの図示が省略されている。
【0076】
本実施形態では、放送局から提供されるトリガーデータに配信情報と関連付けてサービス形態情報(ServiceTypeParam)が含まれる。サービス形態情報は、サービス形態ごとの情報伝達性として訴求性を示す情報を含む。サービス形態は、主に情報の提示形態を指し、「ServiceType」と表記されることがある。
図11に例示されるサービス形態情報では、サービス形態として、光(light)、音声(sound)、温度(temperature)が示され、それぞれの情報伝達性を示す数値として、「1」、「1」、「0」と設定されている。情報伝達性が「1」、「0」とは、関連付けられた配信情報が、それぞれ伝達可能、伝達不能であることを示す。後述するように、サービス形態情報は、デバイス間における配信情報に対する情報伝達性、デバイスと人物との間における配信情報に対する情報伝達性を特定する際に用いられる。
【0077】
図12は、本実施形態に係る統合データの変換処理の例を示すフローチャートである。(ステップS310)統合データ生成部122は、上記のように、受信したデータからトリガーデータTを検出し、検出したトリガーデータTを示すノードをRDFデータに含めて統合データ保存部124に保存する。データ変換部126は、統合データ保存部124に記憶されたRDFデータからトリガーデータTを検出する。データ変換部126は、空の変換データOを生成し、保存する。
【0078】
(ステップS320)データ変換部126は、RDFデータを用いて配信情報を含むトリガーデータの配信元である放送局と配信情報の配信サービスである放送波サービスを利用可能なデバイスとの関係を解析する。放送波サービスを利用可能なデバイスが第1デバイスとして特定される。
(ステップS350)データ変換部126は、さらにサービス形態情報を用いて人物とデバイスとの関係を解析する。配信情報を人物に提示できるデバイスが第2デバイスとして特定され、サービス形態情報から配信情報の提示に係るサービス形態の情報伝達性が第2情報伝達性として特定される。
【0079】
(ステップS380)データ変換部126は、人物に接し、放送局と接続しないデバイス間の関係を解析する。「人物に接する」とは、何らかの情報を提示することができること、つまり、人物に対して情報伝達性を有することを示す。ここで、第2デバイスとなりうるが、第1デバイスとはならないデバイスが特定される。特定される第2デバイスは、管理対象デバイスのうち、第1デバイスにも第2デバイスにもならない中間デバイスを経由して配信情報が提供される可能性を有する。
【0080】
(ステップS400)データ変換部126は、第1デバイスを示す第1デバイスノード、第2デバイスを示す第2デバイスノード、トリガーデータの提供元を示すトリガーノード、中間デバイスを示す中間デバイスノード、人物を示す人物ノード、トリガーノードと第1デバイスとの関連性として所定の第1情報伝達性を示す第1エッジ、第2デバイスノードと人物ノードとの関連性として第2情報伝達性を示す第2エッジ、および、第2デバイスノードと中間デバイスノードとの関連性として第2デバイスに係る第2情報伝達性を示す中間エッジを含む変換データOをデバイス選択部128に出力する。
【0081】
次に、放送局とデバイスとの関係の解析(ステップS320)の具体例について図13を用いて説明する。図13は、本実施形態に係る放送局とデバイスとの関係の解析の具体例を示すフローチャートである。
(ステップS322)データ変換部126は、「放送局X」と「人物Y」それぞれを示すノードを変換データOに追加する。
(ステップS324)データ変換部126は、統合データ保存部124に保存されたRDFデータから「放送局X」を利用可能とするデバイスのリストをデバイスリストAとして抽出する。より具体的には、データ変換部126は、「放送局(broadcaster)」を示すノードとの関連性として「型(type)」を示すエッジが設定された「放送局X」のノードを特定する。データ変換部126は、「放送局X」のノードを「利用可能(available)」なサービスとして関連性を示すエッジで関連付けられたノードに示されるデバイスを特定する。データ変換部126は、特定したデバイスのリストをデバイスリストAとして生成することができる。特定されたデバイスは、上記の第1デバイスに相当する。
【0082】
(ステップS326)データ変換部126は、デバイスリストAが空になったか否かを判定する。この処理により、未処理のデバイスの有無が判定される。デバイスリストAが空と判定されるとき(ステップS326 YES)、図13の処理を終了する。デバイスリストAが空ではないと判定されるとき(ステップS326 NO)、ステップS328の処理に進む。
【0083】
(ステップS328)データ変換部126は、デバイスリストAの先頭に記述されたデバイスを「デバイスB」として特定する。
(ステップS330)データ変換部126は、「デバイスB」を示すノードを変換データOに追加し、「放送局X」のノードから「デバイスB」のノードに向け、ノード間の関連性として所定の情報伝達性を示すエッジを変換データOに追加する。図13では、設定される所定の情報伝達性は、配信サービスの利用により伝達される配信情報を利用可能であることを示す値として「1」が例示されている。その後、デバイスリストAに記述されたデバイスBを消去し、ステップS326の処理に戻る。
【0084】
次に、人物とデバイスとの関係の解析(ステップS350)の具体例について図14を用いて説明する。図14は、本実施形態に係る人物とデバイスとの関係の解析の具体例を示すフローチャートである。
(ステップS352)データ変換部126は、統合データ保存部124に保存されたRDFデータから「人物Y」が所在する場所である「場所C」と同じ場所に設置され、または所在するデバイスのリストをデバイスリストAとして抽出する。より具体的には、データ変換部126は、「人物Y」を示すノードとの関連性として「場所(location)」を示すエッジで関連付けられているノードに示される場所を「場所C」として特定する。データ変換部126は、「場所C」を示すノードとの関連性として「場所(location)」を示すエッジが設定されているノードに示されるデバイスを「場所C」に設置され、または、所在するデバイスとして特定することができる。データ変換部126は、特定したデバイスが記述されたリストをデバイスリストAとして生成する。特定されたデバイスは、上記の第2デバイスに相当する。
【0085】
(ステップS354)データ変換部126は、デバイスリストAが空になったか否かを判定する。この処理により、未処理のデバイスの有無が判定される。デバイスリストAが空と判定されるとき(ステップS354 YES)、図14の処理を終了する。デバイスリストAが空ではないと判定されるとき(ステップS354 NO)、ステップS356の処理に進む。
【0086】
(ステップS356)データ変換部126は、デバイスリストAの先頭に記述されたデバイスを「デバイスB」として特定する。データ変換部126は、変換データOに「デバイスB」を示すノードが含まれているか否かを判定する。含まれていないと判定するとき、データ変換部126は、「デバイスB」を示すノードを変換データOに追加する。含まれていると判定するとき、データ変換部126は、「デバイスB」を示すノードの追加を行わない。
【0087】
(ステップS358)データ変換部126は、RDFデータから「デバイスB」が提示可能とする形態であるサービス形態を特定し、特定したサービス形態を示すサービス形態リストCを抽出する。より具体的には、データ変換部126は、「デバイスB」を示すノードとの関連性として「サービス形態(service_type)」を示すエッジが設定されたノードに示されるサービス形態を特定する。データ変換部126は、特定したサービス形態を示すサービス形態リストCを生成する。
【0088】
(ステップS360)データ変換部126は、サービス形態ごとの情報伝達性の値nとして0(情報伝達性なし)を初期値として設定する。
(ステップS362)データ変換部126は、サービス形態リストCが空になったか否かを判定する。この処理により、未処理のサービス形態の有無が判定される。サービス形態リストCが空と判定されるとき(ステップS362 YES)、ステップS368の処理に進む。サービス形態リストCが空ではないと判定されるとき(ステップS362 NO)、ステップS364の処理に進む。
【0089】
(ステップS364)データ変換部126は、サービス形態リストCの先頭に記述されたサービス形態を「サービス形態D」として特定する。
(ステップS366)データ変換部126は、特定した「サービス形態D」がサービス形態情報に記述されているか否かを判定する。記述されている場合、データ変換部126は、サービス形態情報に記述されている「サービス形態D」に関連付けて記述された情報伝達性を示す値を特定する。データ変換部126は、特定した値を「サービス形態D」に対応する個別情報伝達性の値nと設定する。記述されていない場合、データ変換部126は、個別情報伝達性の値nを変更しない。記述されていないサービス形態は利用できないサービス形態に相当する。その後、データ変換部126は、サービス形態リストCに記述された「サービス形態D」を消去し、ステップS362の処理に戻る。
【0090】
(ステップS368)データ変換部126は、特定されたサービス形態ごとの個別情報伝達性を総合し、「デバイスB」から「人物Y」への情報伝達性を定める。サービス形態間で総合した情報伝達性を定める際、データ変換部126は、利用できるサービス形態の追加により、より高い情報伝達性を示すように演算する。データ変換部126は、例えば、個別情報伝達性のうち最も高い個別情報伝達性を採用してもよいし、個別情報伝達性の単純和または加重和を採用してもよい。特定された情報伝達性は、第2情報伝達性に相当する。データ変換部126は、「人物Y」を示すノードから「デバイスB」を示すノードに向けて定めた情報伝達性を示すエッジを変換データOに追加する。その後、データ変換部126は、デバイスリストAに記述された「デバイスB」を消去し、ステップS354の処理に戻る。
【0091】
次に、デバイス間の関係の解析(ステップS380)の具体例について図15を用いて説明する。図15は、本実施形態に係るデバイス間の関係の解析の具体例を示すフローチャートである。
(ステップS382)データ変換部126は、変換データOにおいて「人物Y」を示すノードとの関連性を示すエッジが設定されたデバイスである第2デバイスを特定し、特定したデバイスを示すデバイスリストAを生成する。
(ステップS384)データ変換部126は、デバイスリストAが空になったか否かを判定する。この処理により、未処理のデバイスの有無が判定される。デバイスリストAが空と判定されるとき(ステップS384 YES)、図15の処理を終了する。デバイスリストAが空ではないと判定されるとき(ステップS384 NO)、ステップS386の処理に進む。
【0092】
(ステップS386)データ変換部126は、デバイスリストAの先頭に記述されたデバイスを「デバイスB」として特定する。
(ステップS388)データ変換部126は、RDFデータを参照して、「デバイスB」に「放送局X」に接続される経路を有するか否かを判定する。より具体的には、データ変換部126は、「デバイスB」を示すノードと「放送局X」を示すノードとの関連性として「利用可能サービス(available_service)」または「接続性(connect)」を示すエッジが含まれているか否かに基づいて、かかる経路を有するか否かを判定する。有すると判定されるとき(ステップS388 YES)、データ変換部126はデバイスリストAから「デバイスB」の記述を消去し、ステップS384の処理に戻る。有しないと判定するとき(ステップS388 NO)、ステップS390の処理に進む。
【0093】
(ステップS390)データ変換部126は、RDFデータから「デバイスB」と接続可能とするデバイスを示すデバイスリストCとして抽出する。より具体的には、データ変換部126は、「デバイスB」を示すノードとの関連性として「接続(connect)」を示すエッジが設定されたデバイスに示されるデバイスを特定する。データ変換部126は、特定したデバイスを示すデバイスリストをデバイスリストCとして生成する。
(ステップS392)データ変換部126は、デバイスリストCが空になったか否かを判定する。この処理により、未処理のデバイスの有無が判定される。デバイスリストCが空と判定されるとき(ステップS392 YES)、データ変換部126は、デバイスリストAから「デバイスB」の記述を消去し、ステップS384の処理に戻る。デバイスリストCが空ではないと判定されるとき(ステップS392 NO)、ステップS394の処理に進む。
【0094】
(ステップS394)データ変換部126は、デバイスリストCの先頭に記述されたデバイスを「デバイスD」として特定する。
(ステップS396)データ変換部126は、RDFデータを参照して、「デバイスD」に「放送局X」に接続される経路を有するか否かを判定する。より具体的には、データ変換部126は、「デバイスD」を示すノードと「放送局X」を示すノードとの関連性として「利用可能サービス(available_service)」または「接続性(connect)」を示すエッジが含まれているか否かに基づいて、かかる経路を有するか否かを判定する。有すると判定されるとき(ステップS396 YES)、ステップS398の処理に進む。有しないと判定するとき(ステップS396 NO)、データ変換部126は、デバイスリストCから「デバイスD」の記述を消去し、ステップS392の処理に戻る。
【0095】
(ステップS398)データ変換部126は、「デバイスD」から「デバイスB」への情報伝達性の値nの初期値を所定の値(例えば、1)と設定することで初期化する。
(ステップS400)データ変換部126は、変換データOにおける「デバイスB」を示すノードから「人物Y」を示すノードに向けたエッジが示すノード間の関連性として示される情報伝達性の値を、「デバイスD」から「デバイスB」への情報伝達性の値nとして設定する。
(ステップS402)データ変換部126は、「デバイスD」を示すノードから「デバイスB」を示すノードに向けて、ノード間の関連性として値nを示すエッジを変換データOに追加する。ここでは、デバイス間のデータの転送において、転送元デバイスから転送先デバイスへの情報伝達性が失われないことが仮定されている。その後、データ変換部126は、デバイスリストCから「デバイスD」の記述を消去し、ステップS392の処理に戻る。
【0096】
上記の処理により生成される変換データOは、トリガーデータに係るトリガーノード、個々のデバイスを示すデバイスノード、および、人物を示す人物ノードを含み、ノード間の関係性を示すエッジを含む有向グラフを示す。変換データOによれば、配信情報を含むトリガーデータの提供元である「放送局X」から1個または複数の管理対象デバイスを用いて「人物Y」に提示されるまでの各経路について、ノード間における情報伝達性を容易に把握することができる。
【0097】
デバイス選択部128は、2つのノードの組に設定される情報伝達性が高いほど、より短くなるように、その組に対する距離を設定する。デバイス選択部128は、設定した距離に基づいて、各ノードの二次元平面上の位置を定める。デバイス選択部128は、例えば、フラクターマン・レインゴールド法(Fructerman Reingold algorithm、以下の説明では「FR法」と呼ぶことがある)を用いて各ノードの位置を定めることができる。FR法は、ノード間の関連性を定量的に定める力学モデルである。力学モデルとして、大きさがノード間の距離に反比例する斥力と、その大きさとしてエッジが設定されているノード間の距離に比例する引力が作用することが仮定されている。引力について、情報伝達性が高いほど大きくなるように比例定数が設定される。各エッジの位置は、他のエッジとの間で作用する斥力と引力が釣り合う位置(ラグランジュ点)となる。そのため、ノード間の情報伝達性が高いほど、ノード間の距離が短くなる。
【0098】
図16は、FR法を用いて定めた各ノードの分布を例示する。円は、個々のノードを示し、2つの円の間を結ぶ線分はエッジを示す。但し、放送局(#AAA)を示す放送局から個々の第1デバイスとの間の情報伝達性の値、斥力の定数、引力の定数を、それぞれ1と仮定している。また、個々の第2デバイスから人物(#person1)への情報伝達性の値を利用可能とするサービス形態ごとの情報伝達性の値の総和、つまり、利用可能とするサービス形態の数と仮定している。また、中間デバイスから第2デバイスへの情報伝達性の値を、その第2デバイスから人物への情報伝達性の値を等しいことを仮定している。人物を示す人物ノードから、各デバイスを示すデバイスノードまでの距離は、人物と同室に所在しているテレビジョン受信装置(#tv)、IoT電球(#iot-light1)、スマートフォン(#smartphone)、空調機(#airconditioner)の順に大きくなり、テレビジョン受信装置までの距離が最も短い。図16では、人物ノードからの距離が1以内となる領域が円で表されている。各距離は、人物ノードから放送局を示す放送局ノードまでの距離が1となるように正規化されている。なお、デバイス選択部128は、個々のノードの位置を定める際、FR法に限らず、ノード間の情報伝達性に基づいて、そのノード間の距離を定めることができれば、その他の方法、例えば、幾何学的な方法を用いてもよい。
【0099】
デバイス選択部128は、トリガーデータに係るトリガーデータから人物を示す人物ノードまでの経路のうち、人物ノードからの距離が短い第2デバイスを含む経路ほど優先して選択する。デバイス選択部128は、人物ノードからの距離が所定の距離の閾値よりも短い第2デバイスとして、テレビジョン受信装置とIoT電球を配信情報の提示に用いる第2デバイスとして選択することができる。そして、デバイス選択部128は、放送波サービスを利用できないIoT電球に対しては、放送局から人物への経路上の他のデバイスとしてスマートフォンを選択することができる。
【0100】
デバイス制御部130は、テレビジョン受信装置に対して放送波サービスの利用による配信情報の取得、配信情報の提示を指示する。デバイス制御部130は、スマートフォンに対して放送波サービスの利用による配信情報の取得と経路上の次のデバイスであるスマートフォンへの転送を指示する。デバイス制御部130は、IoT電球に対して配信情報の受信と提示を指示する。人物には、テレビジョン受信装置とIoT電球から配信情報が提示される。よって、人物に対して効果的に配信情報が提示される。
【0101】
なお、上記の事例では、デバイス選択部128が実行するデバイス選択法が、人物ノードからの距離が短い第2デバイスに係るノードを含む経路ほど優先して、検出された人物と同じ部屋に存在する第2デバイスを含む複数の経路を定める場合を主としたが、これには限られない。デバイス選択部128は、例えば、1つの経路のみを定めてもよいし、人物が検出された部屋とは異なる部屋に所在する第2デバイスを含む経路が候補になってもよい。
また、サービス形態情報は、必ずしもトリガーデータに含まれなくてもよい。RDFデータに予め配信情報の種類ごとにサービス形態情報を関連付けて含めておいてもよい。その場合、データ変換部126は、RDFデータは、配信情報の種別に関連付けられるサービス形態情報を特定することができる。
【0102】
なお、上記の各実施形態において、統合データ生成部122は、検出された人物を示す人物識別情報を取得し、人物識別情報を検出された人物ノードと関連付けて統合データ保存部124に記憶してもよい。統合データ生成部122は、各種のセンサ情報から公知の個人識別技術(例えば、顔画像認識、指紋認証、虹彩認証、など)を用いて個人識別情報取得してもよいし、外部機器から人物識別情報が入力されてもよい。
データ変換部126には、人物ごとに利用可能な管理対象デバイスを示す利用可能デバイス情報が予め設定されてもよい。データ変換部126は、利用可能デバイス情報を参照し、人物ノードと関連付けられた人物識別情報で示される人物が利用可能な利用可能デバイスを特定してもよい。データ変換部126は、特定した利用可能デバイスのうち、配信情報を提示できるデバイスを第2デバイスとして定めてもよい。これにより、検出された人物により利用可能なデバイスを考慮して配信情報の提示に係るデバイスが定められる。例えば、テレビジョン受信機の利用を制限される小児または幼児に対してはテレビジョン受信機以外のデバイスが、スマートフォンの利用に習熟していない高齢者に対してはスマートフォン以外のデバイスが選択されうる。
【0103】
また、統合データ保存部124は、デバイス管理装置10の各部が実行する各種の処理に用いるパラメータを要素情報として含めてRDFデータを保存してもよいし、それらのパラメータとは別個に構成されたRDFデータを保存してもよい。例えば、上記のセンサ設置情報、有効性情報、利用可能デバイス情報のいずれか1種類、または、それらのいずれかの組み合わせがRDFデータに含まれてもよい。
【0104】
以上に説明したように、本実施形態に係るデバイス管理装置10は、複数のノードと、複数のノードのうち2個のノードの組ごとに一方のノードに対する他方のノードとの関連性を示すエッジと、を含む統合データを保存する統合データ保存部124を備える。デバイス管理装置10は、配信情報を含むトリガーデータを取得するとき、統合データの構造を、配信情報の提供に係るデバイスを選択する方法であるデバイス選択法に応じた構造に変換して変換データを生成するデータ変換部126を備える。デバイス管理装置10は、変換された変換データに基づいて、上記のデバイス選択法を用いて配信情報の提供に係るデバイスである提供デバイスを選択するデバイス選択部128を備える。
この構成によれば、デバイス選択法に応じた構造に変換された変換データに基づいて、当該デバイス選択法を用いて配信情報の提供に係る提供デバイスが定まる。各種の情報を含んで構成される統合データの構成を変換しない場合や特定の構成に変換する場合よりも、デバイス選択を効率的に実行し、効果的な情報提供を実現することができる。
【0105】
また、デバイス選択法は、配信情報のサービスの利用から提示までの経路に係る情報伝達性に基づいて、提供デバイスを定める方法であってもよい。データ変換部126は、統合データから、配信情報のサービスを利用できるデバイスを第1デバイスとして定め、配信情報を提示できるデバイスを第2デバイスとして定め、第1デバイスを示す第1デバイスノード、第2デバイスを示す第2デバイスノード、トリガーデータに関するトリガーノード、配信情報を転送できる転送元デバイスを示す転送元デバイスノード、配信情報の転送先となりうる転送先デバイスを示す転送先デバイスノード、および、人物を示す人物ノードと、トリガーノードと第1デバイスノードとの関連性としてサービスの利用に係る情報伝達性である第1情報伝達性を示す第1エッジ、転送元デバイスノードと転送先デバイスノードとの関連性として転送元デバイスから転送先デバイスへの情報伝達性であるデバイス間情報伝達性を示すデバイス間エッジ、および、第2デバイスノードと人物ノードとの関連性として人物への情報伝達性である第2情報伝達性を示す第2エッジを含む変換データを生成してもよい。デバイス選択部128は、変換データに基づいて、トリガーノードから人物ノードまでの経路ごとに、当該経路に含まれるエッジに示される情報伝達性に基づいて少なくとも1以上の経路を定め、定めた経路に含まれるノードに示されるデバイスを提供デバイスとして特定してもよい。
この構成によれば、トリガーデータ、人物、および、複数のデバイス間の情報伝達性が容易に把握される変換データが得られる。変換データを用いることで、配信サービスの利用から人物への提示までの経路に基づく提供デバイスを効率的に定めることができる。
【0106】
また、デバイス選択法は、配信情報のサービスの利用から提示までの経路に係る情報伝達性としての遅延に基づいて、配信情報の提供に係るデバイスを定める方法であってもよい。データ変換部は、統合データから、第1デバイスごとにサービスの利用に係る遅延を第1情報伝達性として特定し、第2デバイスごとに人物への遅延を第2情報伝達性として特定し、転送元デバイスから転送先デバイスへの遅延をデバイス間情報伝達性として特定してもよい。デバイス選択部128は、各経路に含まれる個々のエッジに示される遅延の総和である経路遅延量に基づいて1以上の経路を選択する。
この構成によれば、デバイスごとの遅延を容易に特定できるため、経路ごとの経路遅延量に基づいて提供デバイスを効率的に定めることができる。
【0107】
また、統合データは、場所を示す場所ノードと、一方の場所から他の場所への移動に係る遅延を示す移動遅延ノードと、デバイスのノードと場所ノードとの関連性として当該デバイスの設置場所を示すエッジを含んでもよい。デバイス管理装置10は、人物の検出を示す人物検出情報を取得するとき、人物ノードと場所ノードとの関連性として人物が所在する場所を示すエッジを含む統合データを生成する統合データ生成部122を備えてもよい。データ変換部126は、統合データを用いて、第2デバイスごとに人物が所在する場所から当該第2デバイスの設置場所への移動に係る遅延である移動遅延を特定し、人物ノードと当該第2デバイスに係る第2デバイスノードとの関連性として、移動遅延を示す第2エッジを設定してもよい。
この構成によれば、人物が検出された場所から配信情報が提示される第2デバイスに接するまでの時間をさらに考慮して、配信情報の提供に係る提供デバイスが定める。
【0108】
デバイス選択法は、配信情報のサービスの利用から提示までの経路に係る情報伝達性として第2デバイスの情報伝達性に基づいて、提供デバイスを定める方法であってもよい。トリガーデータは、配信情報のサービス形態の情報伝達性を示すサービス形態情報を含んでもよい。データ変換部126は、サービス形態情報に基づいて第2デバイスが配信情報の提示に利用できるサービス形態の情報伝達性を第2情報伝達性として定め、転送先デバイスを第2デバイスとするデバイス間情報伝達性を第2情報伝達性に定め、第1情報伝達性を予め定めておいてもよい。デバイス選択部128は、2個のノード間に設定されたエッジに示される情報伝達性が高いほど当該ノード間の距離が短くなるようにノード分布を定め、人物ノードからの第2デバイスまでの距離に基づいて、当該第2デバイスを含む1以上の経路を選択してもよい。
この構成によれば、各デバイスに設定される情報伝達性において人物に対する配信情報の第2情報伝達性が主となる。そのため、人物に対する情報伝達性を重視して配信情報の提供に係る提供デバイスを定めることができる。
【0109】
また、統合データは、場所を示す場所ノードと、デバイスのノードと場所ノードとの関連性として当該デバイスの設置場所を示すエッジを含んでもよい。デバイス管理装置10は、人物が検出された場所を示す人物検出情報を取得するとき、人物ノードと当該場所を示す場所ノードとの関連性を示すエッジを含む前記統合データを生成する統合データ生成部122を備えてもよい。データ変換部126は、人物が検出された場所を設置場所とし、配信情報を提示できるデバイスを前記第2デバイスとして特定してもよい。
この構成によれば、人物が検出された場所を設置場所としてデバイスから配信情報を提示する第2デバイスが選ばれる。人物が検出された場所を設置場所としないデバイスが配信情報を提示する第2デバイスから除外されるため、情報伝達性が高い第2デバイスを効率的に選択することができる。
【0110】
統合データ保存部124は、いずれかのデバイスが検出されなくなるとき、検出されない非検出デバイスを示す非検出デバイスノードと、当該非検出デバイスノードと関連性を有する他のノードである非検出デバイス関連ノードと、を無効化し、非検出デバイスが検出されるとき、非検出デバイスノードと、非検出デバイス関連ノードと、を有効化してもよい。
この構成によれば、検出された動作中のデバイスが配信情報の提供に係る提供デバイスの候補となり、検出されないデバイスからは提供デバイスが除外される。そのため、動作中のデバイスから提供デバイスを効率的に選択でき、検出されないデバイスに対する配信情報の提供に係る処理に対する無用な処理を回避することができる。
【0111】
データ変換部126は、識別された人物を示す人物識別情報を取得するとき、人物ごとに利用できるデバイスである利用可能デバイスを示す利用可能デバイス情報を用いて、識別された人物が利用可能とする利用可能デバイスのうち、配信情報を提示できるデバイスを第2デバイスとして特定してもよい。
この構成によれば、人物ごとに利用可能なデバイスから配信情報の提示に係る第2デバイスが選択されるように、配信情報の提供に係る提供デバイスが定める。人物が常用するデバイスから配信情報を提示させることで、その他のデバイスよりも情報伝達性を向上させることができる。
【0112】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0113】
なお、上述したデバイス管理装置10の一部、例えば、統合データ生成部122、統合データ保存部124、データ変換部126、デバイス選択部128、および、デバイス制御部130の一部または全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、デバイス管理装置10に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態におけるデバイス管理装置10の一部、または全部をLSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。デバイス管理装置10の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0114】
1、2…デバイス管理システム、10…デバイス管理装置、122…統合データ生成部、124…統合データ保存部、126…データ変換部、128…デバイス選択部、130…デバイス制御部
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