(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022025483
(43)【公開日】2022-02-10
(54)【発明の名称】化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
(51)【国際特許分類】
C07D 405/14 20060101AFI20220203BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
C07D405/14 CSP
H05B33/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020128320
(22)【出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000183646
【氏名又は名称】出光興産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水木 由美子
(72)【発明者】
【氏名】ブフレ ピエール
(72)【発明者】
【氏名】チェボタリヴァ ナタリア
(72)【発明者】
【氏名】グロアーク ミシェル
【テーマコード(参考)】
3K107
4C063
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107BB08
3K107CC12
3K107CC21
3K107DD59
3K107DD68
4C063AA03
4C063AA05
4C063BB06
4C063CC76
4C063DD43
4C063EE10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】低駆動電圧及び長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を形成できる化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される化合物。
(式中、Bはアリール基等である)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される化合物。
【化74】
(式(1)中、
X
1~X
3は、それぞれ独立に、CR
1又はNであり、ここで、R
1は水素原子又はCNである。X
1~X
3の少なくとも1つはNである。
Xは、それぞれ独立に、CR
2又はNであり、ここで、R
2は水素原子、CN、アリール基、又はヘテロアリール基である。R
2が2以上の場合、2以上のR
2は同一でもよく、異なっていてもよい。
Yは、O又はSである。
Zは、O、S、又はC(R’)(R’’)であり、ここで、R’及びR’’は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基である。
Lはアリーレン基である。
nは2~4の整数である。
Rは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であり、2つの隣接するRは結合して、環を形成してもよい。
mは0~4の整数である。oは0~3の整数である。
Bは、アリール基又は下記式(2)で表される基である。)
【化75】
(式(2)中、X及びYは前記式(1)で定義した通りである。*は、X
1~X
3を含む環と結合する。)
【請求項2】
X1~X3がNである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
XがCR2である請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
Bが、1-ジベンゾフラニル基、2-ジベンゾフラニル基、又は3-ジベンゾフラニル基である請求項1~3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
ZがO又はSであり、nが2であり、Lがフェニレン基である請求項1~4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
Bがフェニル基、ビフェニリル基、又は1-ジベンゾフラニル基であり、
nが2であり、
m及びoが、それぞれ独立に、0又は1である請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
陰極と、
陽極と、
前記陰極と前記陽極との間に配置された有機層と、
を含み、
前記有機層が、請求項1~6のいずれかに記載の化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ということがある)に電圧を印加すると、陽極から正孔が、また陰極から電子が、それぞれ発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。
【0003】
特許文献1には、特定の芳香族複素環誘導体を含む有機EL素子が開示されている。
特許文献2には、特定のヘテロ環式化合物及びこれを含む有機EL素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2013/077352号
【特許文献2】韓国公開特許第10-2017-0089599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、低駆動電圧及び長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を形成できる化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、以下の化合物が提供される。
下記式(1)で表される化合物。
【化1】
(式(1)中、
X
1~X
3は、それぞれ独立に、CR
1又はNであり、ここで、R
1は水素原子又はCNである。X
1~X
3の少なくとも1つはNである。
Xは、それぞれ独立に、CR
2又はNであり、ここで、R
2は水素原子、CN、アリール基、又はヘテロアリール基である。R
2が2以上の場合、2以上のR
2は同一でもよく、異なっていてもよい。
Yは、O又はSである。
Zは、O、S、又はC(R’)(R’’)であり、ここで、R’及びR’’は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基である。
Lはアリーレン基である。
nは2~4の整数である。
Rは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であり、2つの隣接するRは結合して、環を形成してもよい。
mは0~4の整数である。oは0~3の整数である。
Bは、アリール基又は下記式(2)で表される基である。)
【化2】
(式(2)中、X及びYは前記式(1)で定義した通りである。*は、X
1~X
3を含む環と結合する。)
【0007】
本発明の他の態様によれば、以下の有機EL素子が提供される。
陰極と、
陽極と、
前記陰極と前記陽極との間に配置された有機層と、
を含み、
前記有機層が、上記の化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0008】
本発明の他の態様によれば、上記有機EL素子を備える電子機器が、提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低駆動電圧及び長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を形成できる化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
【0011】
本明細書において、化学構造式中、「R」等の記号や重水素原子を表す「D」が明示されていない結合可能位置には、水素原子、即ち、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子が結合しているものとする。
【0012】
本明細書において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジン環は環形成炭素数5であり、フラン環は環形成炭素数4である。また、例えば、9,9-ジフェニルフルオレニル基の環形成炭素数は13であり、9,9’-スピロビフルオレニル基の環形成炭素数は25である。
また、ベンゼン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ベンゼン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているベンゼン環の環形成炭素数は、6である。また、ナフタレン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ナフタレン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているナフタレン環の環形成炭素数は、10である。
【0013】
本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば、単環、縮合環、及び環集合)の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば、環を構成する原子の結合を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ピリジン環の環形成原子数は6であり、キナゾリン環の環形成原子数は10であり、フラン環の環形成原子数は5である。例えば、ピリジン環に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子の数は、ピリジン環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているピリジン環の環形成原子数は、6である。また、例えば、キナゾリン環の炭素原子に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子については、キナゾリン環の環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているキナゾリン環の環形成原子数は10である。
【0014】
本発明の化合物の一態様は、下記式(1)で表される。
【化3】
(式(1)中、
X
1~X
3は、それぞれ独立に、CR
1又はNであり、ここで、R
1は水素原子又はCNである。X
1~X
3の少なくとも1つ(例えば2つ~3つ)はNである。
Xは、それぞれ独立に、CR
2又はNであり、ここで、R
2は水素原子、CN、アリール基、又はヘテロアリール基である。R
2が2以上の場合、2以上のR
2は同一でもよく、異なっていてもよい。
Yは、O又はSである。
Zは、O、S、又はC(R’)(R’’)であり、ここで、R’及びR’’は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基である。
Lはアリーレン基である。
nは2~4の整数(例えば2又は3、又は2)である。
Rは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であり、2つの隣接するRは結合して、環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、カルバゾール環)を形成してもよい。
mは0~4の整数(例えば0又は1、又は0)である。oは0~3の整数(例えば0又は1、又は0)である。
Bは、アリール基又は下記式(2)で表される基である。)
【化4】
(式(2)中、X及びYは前記式(1)で定義した通りである。*は、X
1~X
3を含む環と結合する。)
【0015】
式(2)において、Xの1つはC-*であり、*は、X1~X3を含む環と結合する。
【0016】
これにより、低駆動電圧及び長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を形成できる。
任意の効果として、外部量子効率の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を形成できる。
【0017】
一実施形態においては、R2、R’、R’’、R及びBのアリール基(例えば、環形成炭素数は、6~50、6~30、又は6~18)は、高い三重項準位を有するアリール基が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニル基、フルオレニル基、スピロビフルオレニル基、インデノフルオレニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、トリフェニレニル基等が挙げられる。
【0018】
一実施形態においては、エネルギー有効利用及び耐久性の観点から、R2及びRのヘテロアリール基(例えば、環形成原子数は、5~50、5~30、又は5~18)は、1-ジベンゾフラニル基、2-ジベンゾフラニル基、又は3-ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基等が挙げられる。1-ジベンゾフラニル基が好ましい。
【0019】
一実施形態においては、エネルギー有効利用及び耐久性の観点から、R’及びR’’のアルキル基(例えば、炭素数は、1~25、1~10、又は1~5)は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基(異性体基を含む)、ヘキシル基(異性体基を含む)、ヘプチル基(異性体基を含む)、オクチル基(異性体基を含む)、ノニル基(異性体基を含む)、デシル基(異性体基を含む)、ウンデシル基(異性体基を含む)、及びドデシル基(異性体基を含む)等が挙げられる。メチル基、エチル基、イソプロピル基及びt-ブチル基が好ましい。アルキル基は環状構造であってもよく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0020】
一実施形態においては、エネルギー有効利用及び耐久性の観点から、Rのアルキル基(例えば、炭素数は、1~25、1~10、又は1~5)は、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びt-ブチル基等が挙げられる。アルキル基は環状構造であってもよく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。Rのアルキル基の1以上(例えば、1つ、1つ~3つ、又は水素原子全て)が重水素原子でもよい。
【0021】
一実施形態においては、エネルギー有効利用及び耐久性の観点から、X1~X3はNである。
【0022】
一実施形態においては、エネルギー有効利用及び耐久性の観点から、XはCR2である。
一実施形態においては、エネルギー有効利用及び耐久性の観点から、R2は水素原子である。
一実施形態においては、Xの1以上(例えば、1~7、又は5~7)はCR2であり、R2の1以上(例えば、1~7、又は5~7)は重水素原子である。
【0023】
一実施形態においては、エネルギー有効利用及び耐久性の観点から、YはOである。
一実施形態においては、エネルギー有効利用及び耐久性の観点から、ZはOである。
【0024】
一実施形態においては、エネルギー有効利用及び耐久性の観点から、Lのアリーレン基(例えば、環形成炭素数は、6~50、6~30、又は6~18)は、フェニレン基、2価の9,9-ジメチルフルオレニル基、2価のナフタレニル基、2価のフェナントレニル基、2価のトリフェニレニル基等が挙げられる。
【0025】
一実施形態においては、エネルギー有効利用及び耐久性の観点から、Bが、1-ジベンゾフラニル基、2-ジベンゾフラニル基、又は3-ジベンゾフラニル基である。
【0026】
一実施形態においては、エネルギー有効利用及び耐久性の観点から、ZがO又はSであり、nが2であり、Lがフェニレン基である。
【0027】
一実施形態においては、エネルギー有効利用及び耐久性の観点から、mが2であり、mが2である場合の2つの隣接するRが環を形成し、
oが2であり、oが2である場合の2つの隣接するRが環を形成する。
【0028】
一実施形態においては、エネルギー有効利用及び耐久性の観点から、Bがフェニル基、ビフェニリル基、又は1-ジベンゾフラニル基であり、
nが2であり、
m及びoが、それぞれ独立に、0又は1である。
【0029】
一実施形態においては、上述のアリール基、ヘテロアリール基、アルキル基及びアリーレン基は置換基を有してもよい。置換基としては、メチル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)等が挙げられる。また、隣接する置換基同士で、環(例えば、2つの隣接するRが形成する環と同様の環)を形成してもよい。
【0030】
以下に、式(1)で表される化合物の具体例を記載するが、これらは例示に過ぎず、式(1)で表される化合物は下記具体例に限定されるものではない。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
上述の化合物は、有機EL素子用材料として利用できる。
【0088】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の一態様は、
陰極と、
陽極と、
陰極と陽極との間に配置された有機層と、
を含み、
有機層が、上述の化合物を含む。有機層の種類については後述する。
【0089】
これにより、低駆動電圧及び長寿命を達成できる。
また、任意の効果として、外部量子効率を向上させることができる。
【0090】
本発明の有機EL素子の一態様は、前記有機層が、式(1)で表される化合物を含む以外は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、従来公知の材料、素子構成を適用することができる。
以下、本発明の有機EL素子の一態様で用いることができる部材、及び各層を構成する、上記化合物以外の材料等について説明する。
【0091】
(基板)
基板は、発光素子の支持体として用いられる。基板としては、例えば、ガラス、石英、プラスチック等を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルからなるプラスチック基板等が挙げられる。
【0092】
(陽極)
基板上に形成される陽極には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等を用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム-酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化インジウム-酸化亜鉛、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸化スズ、酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、酸化タングステン、及びグラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、又は金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
【0093】
(正孔注入層)
正孔注入層は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物、芳香族アミン化合物、電子吸引性(アクセプター性)の化合物、又は高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)等も使用できる。
【0094】
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体等を使用する事ができる。ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。尚、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
【0095】
(発光層のゲスト材料)
発光層は、発光性の高い物質を含む層であり、種々の材料を用いることができる。例えば、発光性の高い物質としては、蛍光を発光する蛍光性化合物や燐光を発光する燐光性化合物を用いることができる。蛍光性化合物は一重項励起状態から発光可能な化合物であり、燐光性化合物は三重項励起状態から発光可能な化合物である。
発光層に用いることができる青色系の蛍光発光材料として、ピレン誘導体、スチリルアミン誘導体、クリセン誘導体、フルオランテン誘導体、フルオレン誘導体、ジアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体等が使用できる。発光層に用いることができる緑色系の蛍光発光材料として、芳香族アミン誘導体等を使用できる。発光層に用いることができる赤色系の蛍光発光材料として、テトラセン誘導体、ジアミン誘導体等が使用できる。
発光層に用いることができる青色系の燐光発光材料として、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体等の金属錯体が使用される。発光層に用いることができる緑色系の燐光発光材料としてイリジウム錯体等が使用される。発光層に用いることができる赤色系の燐光発光材料として、イリジウム錯体、白金錯体、テルビウム錯体、ユーロピウム錯体等の金属錯体が使用される。
【0096】
(発光層のホスト材料)
発光層としては、上述した発光性の高い物質(ゲスト材料)を他の物質(ホスト材料)に分散させた構成としてもよい。発光性の高い物質を分散させるための物質としては、前記式(1)で表される化合物の他、各種のものを用いることができ、発光性の高い物質よりも最低空軌道準位(LUMO準位)が高く、最高被占有軌道準位(HOMO準位)が低い物質を用いることが好ましい。
発光性の高い物質を分散させるための物質(ホスト材料)としては、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、若しくは亜鉛錯体等の金属錯体、2)オキサジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、若しくはフェナントロリン誘導体等の複素環化合物、3)カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、若しくはクリセン誘導体等の縮合芳香族化合物、3)トリアリールアミン誘導体、若しくは縮合多環芳香族アミン誘導体等の芳香族アミン化合物が使用される。
【0097】
(電子輸送層)
電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層には、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体、2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、3)高分子化合物を使用することができる。
【0098】
(電子注入層)
電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層には、前述した電子輸送層で使用できる化合物、リチウム(Li)、イッテルビウム(Yb)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、8-ヒドロキシキノリノラト-リチウム(Liq)等の金属錯体化合物、リチウム酸化物(LiOx)等のアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの化合物を用いることができる。
【0099】
(陰極)
陰極には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等を用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素、即ち、リチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、及びマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、及びこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属及びこれらを含む合金等が挙げられる。
【0100】
(電子阻止層、正孔阻止層、励起子阻止層)
発光層に隣接して、電子阻止層、正孔阻止層、励起子(トリプレット)阻止層等を設けてもよい。
電子阻止層とは、発光層から正孔輸送層へ電子が漏出することを阻止する機能を有する層である。正孔阻止層とは、発光層から電子輸送層へ正孔が漏出することを阻止する機能を有する層である。励起子阻止層は、発光層で生成した励起子が隣接する層へ拡散することを阻止し、励起子を発光層内に閉じ込める機能を有する層である。
【0101】
本発明の有機EL素子の一態様において、各層の形成方法は特に限定されない。従来公知の真空蒸着法、スピンコーティング法等による形成方法を用いることができる。発光層等の各層は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)あるいは溶媒に解かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。
【0102】
本発明の有機EL素子の一態様において、各層の膜厚は特に制限されないが、一般にピンホール等の欠陥を抑制し、印加電圧を低く抑え、発光効率をよくするため、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。
【0103】
本発明の電子機器の一態様は、上述の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える。電子機器の具体例としては、有機ELパネルモジュール等の表示部品;テレビ、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等の表示装置;照明、車両用灯具の発光装置等が挙げられる。
【実施例0104】
【0105】
1-ブロモジベンゾフラン(15.3g、62mmol)の180mL乾燥THF(テトラヒドロフラン)溶液を-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(32.2mL、80mmol)を滴下した。15分後、得られた懸濁液を、カニューレを介して、-78℃で、2,4-ジクロロ-6-フェニル-1,3,5-トリアジン(21.0g、93mmol)の450mL乾燥THF溶液に移した。
反応物を、一晩、室温に達するまで放置し、次いでロータリーエバポレーターで濃縮した。次に、溶液を水(600mL)に注ぎ、沈殿物を濾過した。固体をメタノール中で3回粉砕し、真空下で乾燥させて、中間体1-1を白色固体として得た(14.1g、64%)。
【0106】
【0107】
トルエン、THF、及び水の脱気混合物(400mL、5:2:1の比率)に、中間体1-1(14.0g、39.1mmol)、(3-クロロフェニル)ボロン酸(7.34g、47.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.13g、2.5mol%)、及び炭酸カリウム(10.82g、78mmol)を加えた。懸濁液を排気し、窒素で3回再充填し、6時間加熱還流した。
水相を分液漏斗で除去し、有機相をメタノールに注いだ。得られた沈殿物を濾過し、固体を最小量の熱DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)に溶解し、セライトで熱濾過した。濾液を放置して室温に冷却し、中間体1-2を白色の固体(14.0g、83%)として濾別した。
【0108】
【0109】
1-ブロモジベンゾフラン(16.1g、65mmol)の150mL乾燥THF溶液を-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(30.0mL、75mmol)を滴下した。15分後、得られた懸濁液を、カニューレを介して、-78℃で、塩化シアヌル(6.0g、32.5mmol)の240mL乾燥THF溶液に移した。
反応物を、一晩で、室温に到達させ、次いで希HCl(500mL)に注いだ。黄色の沈殿物を濾過し、メタノールで洗浄し、次にアセトン中で粉砕した。次に、白色の固体をトルエンから再結晶し、真空下で乾燥させて、中間体2-1を白色の固体として得た(7.8g、54%)。
【0110】
【0111】
トルエン、THF、及び水の脱気混合物(88mL、5:2:1の比率)に、中間体2-1(4.0g、8.9mmol)、(3-クロロフェニル)ボロン酸(1.68g、10.7mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.26g、2.5mol%)、及び炭酸カリウム(2.47g、17.9mmol)を加えた。懸濁液を排気し、窒素で3回再充填し、一晩加熱還流した。得られた沈殿物を濾過し、灰色の固体をキシレンから再結晶した。中間体2-2を白色固体として濾別した(4.0g、85%)。
【0112】
【0113】
トルエン、THF、及び水の脱気混合物(60mL、5:2:1の比率)に、中間体2-1(2.6g、5.8mmol)、(4-クロロフェニル)ボロン酸(1.09g、7mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.13g、2mol%)、及び炭酸カリウム(1.61g、11.6mmol)を加えた。懸濁液を排気し、窒素で3回再充填し、一晩加熱還流した。得られた沈殿物を濾過し、灰色の固体をキシレンから再結晶した。中間体2-3を白色の固体(2.35g、77%)として濾別した。
【0114】
【0115】
トルエン、THF、及び水の脱気混合物(400mL、5:2:1の比率)に、3-ブロモジベンゾフラン(10.0g、40.5mmol)、(3-クロロフェニル)ボロン酸(8.23g、52.6mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.17g、2.5mol%)、及び炭酸カリウム(11.2g、78mmol)を加えた。懸濁液を排気し、窒素で3回再充填し、一晩加熱還流した。次に反応物をトルエンで希釈し、有機相を水で洗浄した。水相をトルエンで抽出し、得られた有機相をMgSO4で乾燥させ、溶離剤としてトルエンを使用してシリカで濾過した。濾液を蒸発させ、灰色の固体をメタノール中で3時間撹拌し、濾過した。得られた固体を熱メタノール中で粉砕し、室温に冷却し、濾過して、中間体3-1を白色固体として得た(9.6g、85%)。
【0116】
【0117】
脱気したトルエン(200mL)に、中間体3-1(6.97g、25mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(7.62g、30.0mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.225g、4mol%)、XPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル)(0.953g、8mol%)及び酢酸カリウム(6.13g、62.5mmol)に加えた。懸濁液を排気し、窒素で3回再充填し、2時間加熱還流した。反応混合物をセライトで熱濾過し、生成物が沈殿し始めるまで濾液を濃縮した。懸濁液をメタノール200mLに注ぎ、懸濁液を室温で30分間撹拌した。固体を濾過し、メタノール及び水で洗浄し、真空下50℃で乾燥させて、中間体3-2(7.61g、82%)を得た。中間体3-2は、その後のステップでそのまま使用した。
【0118】
【0119】
トルエン、THF、水の脱気混合物(50mL、5:2:1の比率)に、1-ブロモジベンゾフラン(2.5g、10.1mmol)、(3-クロロフェニル)ボロン酸(1.90g、12.1mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.23g、2mol%)、及び炭酸カリウム(2.8g、20.2mmol)を加えた。懸濁液を排気し、窒素で3回再充填し、一晩加熱還流した。次に反応物をトルエンで希釈し、有機相を水で洗浄した。水相をトルエンで抽出し、得られた有機相をMgSO4で乾燥させ、溶離剤としてトルエンを使用してシリカで濾過した。濾液を蒸発させ、灰色の固体をメタノール中で3時間撹拌し、濾過した。得られた固体を熱メタノール中で粉砕し、室温に冷却し、濾過して、中間体4-1を白色固体として得た(2.64g、94%)。
【0120】
【0121】
脱気したトルエン(50mL)に、中間体4-1(1.5g、5.38mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(2.73g、10.8mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.048g、4mol%)、XPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル)(0.21g、8mol%)及び酢酸カリウム(1.06g、10.8mmol)を加えた。懸濁液を排気し、窒素で3回再充填し、2時間加熱還流した。反応混合物をセライトで熱濾過し、生成物が沈殿し始めるまで濾液を濃縮した。懸濁液を50mLのメタノールに注ぎ、懸濁液を室温で30分間撹拌した。固体を濾過し、メタノール及び水で洗浄し、真空下50℃で乾燥させて、中間体4-2を得た。得られた中間体4-2をその後の工程にそのまま使用した。
【0122】
【0123】
トルエン、THF、及び水の脱気混合物(65mL、5:2:1比)に、中間体3-2(2.36g、6.36mmol)、中間体1-2(2.30g、5.30mmol)、パラジウム(II)酢酸塩(24mg、2mol%)、SPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル)(87mg、4mol%)及び水酸化カリウム(0.892g、15.9mmol)を加えた。懸濁液を排気し、窒素で3回再充填し、2時間加熱還流した。反応混合物をアセトンに注ぎ、沈殿物をろ過し、アセトンで洗浄した。固体を200mLの還流DMFに溶解し、これに50mgの2,4,6-トリメルカプトトリアジンを加えた。懸濁液を1時間還流し、溶離液としてDMFを使用してシリカで熱濾過した。濾液を白色沈殿が形成されるまで濃縮し、懸濁液を濾過した。得られた白色固体をキシレン、次にトルエンから再結晶して、化合物1を白色固体として得た(2.9g、85%)。
得られた化合物1のマススペクトルの分析結果は、以下の通りであった。
m/z=642.3[M+H]+
【0124】
【0125】
トルエン、THF、水の脱気混合物(65mL、5:2:1の比率)に、中間体3-2(2.16g、5.84mmol)、中間体2-2(2.55g、4.87mmol)、パラジウム(II)酢酸塩(22mg、2mol%)、SPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル)(80mg、4mol%)及び水酸化カリウム(0.584g、14.6mmol)を加えた。懸濁液を排気し、窒素で3回再充填し、一晩加熱還流した。反応混合物をアセトンに注ぎ、沈殿物をろ過し、アセトンで洗浄した。固体を200mLの還流DMFに溶解し、これに50mgの2,4,6-トリメルカプトトリアジンを加えた。懸濁液を2時間還流し、溶離液として熱DMFを使用してシリカで熱濾過した。濾液を白色沈殿が形成されるまで濃縮し、懸濁液を濾過した。得られた白色固体をクロロベンゼンから再結晶して、化合物2を白色固体として得た(2.59g、73%)。
得られた化合物2のマススペクトルの分析結果は、以下の通りであった。
m/z=732.4[M+H]+
【0126】
【0127】
トルエン、THF、水の脱気混合物(35mL、5:2:1の比率)に、中間体4-2(1.14g、3.08mmol)、中間体2-3(0.95g、1.81mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(33mg、2mol%)、SPhos(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル)(60mg、8mol%)及び水酸化カリウム(305mg、5.44mmol)を加えた。懸濁液を排気し、窒素で3回再充填し、一晩加熱還流した。反応混合物をアセトンに注ぎ、沈殿物をろ過し、アセトンで洗浄した。固体を300mLの還流キシレンに溶解し、これに12mgの2,4,6-トリメルカプトトリアジンを加えた。懸濁液を2時間還流し、溶離液として熱キシレンを使用してシリカで熱濾過した。濾液を白色沈殿が形成されるまで濃縮し、懸濁液を濾過した。得られた白色固体をクロロベンゼンから再結晶して、化合物3を白色固体として得た(1.02g、77%)。
得られた化合物3のマススペクトルの分析結果は、以下の通りであった。
m/z=732.4[M+H]+
【0128】
実施例11
(有機EL素子の製造)
陽極には、厚さ130nmのインジウム錫酸化物(ITO)透明電極付きガラス基板(ジオマテック社製)を用いた。有機残留物を排除するために、基板をN2プラズマに100秒間曝した。この処理により、ITOの正孔注入特性も向上する。
洗浄した基板を基板ホルダーに取り付け、真空チャンバーに配置した。その後、後述の有機材料を、蒸着により、ITO基板に、約10-6~10-8mbar、約0.2~1Å/秒の速度で成膜した。
【0129】
正孔注入層として、3重量%の化合物HIと97重量%の化合物HT1との混合物を、厚さ10nmで、成膜した。
次に、155nmの厚さで、化合物HT1を正孔輸送層1として成膜した。続いて、5nmの厚さで、化合物HT2を正孔輸送層2として成膜した。
その後、5重量%のエミッター(ゲスト)PGD1、47.5重量%のホスト1(化合物1)及び47.5重量%のホスト2(化合物PH1)を成膜して、厚さ40nmのりん光発光層を形成した。
【0130】
得られた発光層上に、化合物ET1の厚さ5nmの層を、正孔阻止層として、成膜した。続いて、電子輸送層として、厚さ20nmの化合物ET2を成膜した。
最後に、厚さ1nmのLiFを電子注入層として成膜し、厚さ80nmのAlを陰極として成膜して、有機EL素子を製造した。
【0131】
用いた化合物の構造を、後述の実施例及び比較例で用いる化合物の構造も含めて、以下に示す。
【化73】
【0132】
(有機EL素子の評価)
得られた有機EL素子について、エレクトロルミネセンススペクトルをさまざまな電流及び電圧で記録した。さらに、電流-電圧特性を輝度と組み合わせて測定し、外部量子効率(EQE)を決定した。
また、得られた有機EL素子について、駆動電圧(電圧)を、10mA/cm2の電流密度で求めた。また、95%の寿命(LT95)は、50mA/cm2の初期輝度を95%に低下させるために費やされた時間であり、そのLT95を記録した。
結果を表1に示す。
【0133】
実施例12~13及び比較例1~2
表1及び2の化合物を用いた以外、実施例11と同様に、有機EL素子を製造し、評価した。結果を表1及び2に示す。
【0134】
【表1】
表中、「‐」は評価を行わなかったことを示す。
【0135】
【0136】
表1及び2の結果は、本発明の化合物を、有機EL素子において使用した場合に、電圧、EQE及び寿命が改善されたことを実証した。