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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022028990
(43)【公開日】2022-02-17
(54)【発明の名称】アミドアルコール化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 233/70 20060101AFI20220209BHJP
【FI】
C07D233/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2018236883
(22)【出願日】2018-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003182
【氏名又は名称】株式会社トクヤマ
(72)【発明者】
【氏名】関 雅彦
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ビオチン製造の際の重要中間体であるアミドアルコール化合物を、高純度で効率的に得る製造方法の提供。
【解決手段】例えば下式に示すように、トリオン化合物(IMD)を、水素化ホウ素カルシウムで還元することにより、アミドアルコール化合物(ALC)を含む溶液を得、次いで該溶液に水及び有機酸を加えることにより結晶化させることを含むアミドアルコール化合物の製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)
【化1】
(式中R及びRは、互いに異なっていて良い、置換又は非置換のベンジル基であり、Rは置換又は非置換のフェニル基である。)
で示されるトリオン化合物を、水素化ホウ素カルシウムで還元することにより、下記式(2)
【化2】
(式中R、R及びRは、前記式(1)と同義である。)
で示されるアミドアルコール化合物を含む溶液を得、次いで該溶液と水及び有機酸とを接触させることを特徴とするアミドアルコール化合物の製造方法。
【請求項2】
前記式(2)で示されるアミドアルコール化合物を含む溶液と水及び有機酸との接触を0℃~80℃で行う請求項1記載のアミドアルコール化合物の製造方法。
【請求項3】
前記トリオン化合物1質量部に対し水を1.0~3.0容量部用いる請求項1又は2記載のアミドアルコール化合物の製造方法。
【請求項4】
前記トリオン化合物1質量部に対し有機酸を0.1~1.0容量部用いる請求項1~3のいずれか一項に記載のアミドアルコール化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビオチンの重要な合成中間体であるアミドカルボン酸化合物の新規な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビオチンは、糖尿病予防効果等が期待される医薬品、及び飼料添加剤等に使用される水溶性ビタミンである。
【0003】
該ビオチンは、非常に長い製造工程を有する。そのため、中間体であっても多くの工程を経て製造されている。例えば、ビオチンの代表的な中間体である、下記式(3)
【0004】
【化1】
【0005】
(式中、R及びRは、互いに異なっていて良い、置換又は非置換のベンジル基である)
で示されるチオラクトン化合物であっても、以下のような非常に長い工程で製造されている(特許文献1参照)。
【0006】
【化2】
【0007】
特許文献1の実施例では、先ず、1,3-ジベンジル-2-イミダゾリドン-シス-4,5-ジカルボン酸にα-フェネチルアミン((R)-(+)-1-メチルベンジルアミン)のような光学活性アミンを反応させて、1,3-ジベンジル-5-(α-フェネチル)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-a]イミダゾール-2,4,6-トリオンを製造する(step1)。次いで、1,3-ジベンジル-5-(α-フェネチル)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-a]イミダゾール-2,4,6-トリオンの還元(step2)、環化(step3)、及び硫化反応(step4)を実施し、ベンジル基を有するチオラクトン化合物を製造する方法が示されている。そして、特許文献1には、該チオラクトン化合物に、さらに7工程の反応を行い、最終目的物であるビオチンが得られることが示されている。
【0008】
以上の通り、ビオチンは、非常に多くの工程を経て製造される。そのため、ビオチンの製造コストを低減するためには、各工程における中間体の製造コスト、すなわち各中間体の収率向上も重要になる。
【0009】
しかしながら、上記工程の中でも、上記還元反応(step2)においては、最終的にビオチンになり得るアミドアルコール化合物以外に、その光学異性体の不純物が生成し、該アミドアルコール化合物の収率が低下することが知られている。該光学異性体はビオチンになり得ないため、該アミドアルコール化合物の収率低下を引き起こす。具体的には、特許文献1の実施例3に示されている通り、step2で得られる不純物を含む生成物を、水およびイソプロパノールの混合溶媒で再結晶して得られる該アミドアルコール化合物は、最終的に約50%の収率でしか得られていない。
【0010】
前記の通り、前記アミドアルコール化合物の収率を改善することができれば、最終的に得られるビオチンの収率も改善することができることから、本願発明者等は、アミドアルコール化合物を製造するに際し、特定の還元剤を使用することにより、アミドアルコール化合物の収率を改善できることを見出した(特許文献2参考)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第3876656号
【特許文献2】国際公開WO2018/025722号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記特許文献2では、得られたアミドアルコール化合物は、粗体として単離した後、含水メタノールで再結晶して、アミドアルコール化合物を得ている。この方法により高純度のアミドアルコール化合物が得られているが、再結晶時の結晶の流動性に難があり、操作性の点で改善の余地があった。また、単離収率も62%に留まっており、効率良くアミドアルコール化合物を製造する点でなお改善の余地があった。
【0013】
すなわち、本発明の課題は、アミドアルコール化合物を高純度で効率的に得る製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。トリオン化合物の還元反応終了後、過剰の還元剤(すなわち金属水素化物)の分解のために酸を添加するが、この際に水及び有機酸を用いることで、副生する光学異性体の含有量が少ない、高純度のアミドアルコール化合物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、下記式(1)
【0015】
【化3】
【0016】
(式中R及びRは、互いに異なっていて良い、置換又は非置換のベンジル基であり、Rは置換又は非置換のフェニル基である。)
で示されるトリオン化合物を、水素化ホウ素カルシウムで還元することにより、下記式(2)
【0017】
【化4】
【0018】
(式中R、R及びRは、前記式(1)と同義である。)
で示されるアミドアルコール化合物を含む溶液を得、次いで該溶液と水及び有機酸とを接触させることを特徴とするアミドアルコール化合物の製造方法である。
【0019】
上記本発明のアミドアルコール化合物の製造方法では、以下の態様を好適に採りうる。
(1)前記式(2)で示されるアミドアルコール化合物を含む溶液と水及び有機酸との接触を0℃~80℃で行うこと。
(2)前記トリオン化合物1質量部に対し水を1.0~3.0容量部用いること。
(3)前記トリオン化合物1質量部に対し有機酸を0.1~1.0容量部用いること。
【発明の効果】
【0020】
本発明のアミドアルコール化合物の製造方法によれば、トリオン化合物を還元して得られるアミドアルコール化合物を反応液から、副生する光学異性体の含有量が少ない、高純度のアミドアルコール化合物を効率的に得ることができる。前述のとおり、反応液よりアミドアルコール化合物の粗体を単離してから再結晶により精製する方法では、アミドアルコール化合物の結晶の流動性に難があったが、本発明の製造方法で得られるアミドアルコール体は流動性が高く、効率的にアミドアルコール化合物を得ることができる。さらに粗体の単離、再結晶という操作が不要となるため工業的にも効率的にアミドアルコール化合物を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の製造方法は、下記式(1)
【0022】
【化5】
【0023】
(式中R及びRは、互いに異なっていて良い、置換又は非置換のベンジル基であり、Rは置換又は非置換のフェニル基である。)
で示されるトリオン化合物(以下、単に「トリオン化合物」とも言う。)を、水素化ホウ素カルシウムで還元することにより、下記式(2)
【0024】
【化6】
【0025】
(式中R、R及びRは、前記式(1)と同義である。)
で示されるアミドアルコール化合物(以下、単に「アミドアルコール化合物」とも言う。)を含む溶液を得、次いで該溶液と水及び有機酸とを接触させることが特徴である。本明細書においては特に断らない限り、数値A及びBについて「A~B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。
【0026】
(トリオン化合物)
本発明の製造方法において、上記式(1)で示されるトリオン化合物を用いる。ここで、上記式(1)中、R及びRは、ベンジル基である。ベンジル基は置換基を有していても良く、置換基は、ベンジル基のベンゼン環の水素原子の少なくとも1つが置換されているもの、或いは、ベンジル基のメチレン基の水素原子の少なくとも1つが置換されていても良く、或いは、ベンジル基のベンゼン環、及びメチレン基のいずれもが置換されていても良い。ベンジル基の置換基としては、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン基等が挙げられる。また、R及びRは互いに異なっていても良い。
【0027】
また、上記式(1)中、Rは、フェニル基である。フェニル基のベンゼン環の水素原子は非置換であっても、該水素原子の1つ以上が置換されていても良い。フェニル基の置換基としては、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン基等が挙げられる。これらのフェニル基に2つ以上の置換基が導入される場合、それらの置換基は互いに異なっていても良い。
【0028】
(水素化ホウ素カルシウムによる還元)
本発明の製造方法では、上記式(1)で示されるトリオン化合物を水素化ホウ素カルシウムで還元することにより、前記式(2)でしめされるアミドアルコール化合物を得る。従来技術においては、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを使用して、前記トリオン化合物を還元し、前記アミドアルコール化合物を製造している。この水素化ホウ素ナトリウムと類似の物質であるが、水素化ホウ素カルシウムを使用することにより、光学異性体の不純物を低減できる。この理由としては、水素化ホウ素ナトリウムと比較して、水素化ホウ素カルシウムは、より低温で反応するという特徴があるからと考えられる。
【0029】
水素化ホウ素カルシウムは、以下のようにして製造できる。例えば、カルシウムのハロゲン化物と、水素化ホウ素の1価の金属塩(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、又は水素化ホウ素カリウム)とを炭素数1~4のアルコール類等の溶媒中で反応させることにより、水素化ホウ素カルシウムを製造できる。該反応には、カルシウムのハロゲン化物1モルに対して、2モルの「水素化ホウ素の1価の金属塩」を使用すればよい。具体的には、塩化カルシウム1モルに対して、2モルの水素化ホウ素ナトリウムを反応させることにより、1モルの水素化ホウ素カルシウムを合成できる。
【0030】
得られた水素化ホウ素カルシウムは、上記方法で製造した後、一旦、精製して使用することもできるが、水素化ホウ素カルシウムは、不安定であるため、製造後は単離することなく、そのまま使用することが好ましい。
【0031】
前記トリオン化合物を還元するためには、該トリオン化合物と水素化ホウ素カルシウムとを接触させればよい。
【0032】
前記水素化ホウ素カルシウムの使用量は、前記トリオン化合物が十分に還元できる量であれば、特に制限されるものではない。中でも、前記アミドアルコール化合物の収率、後処理のし易さ等を考慮すると、前記水素化ホウ素カルシウムの使用量は、前記トリオン化合物1モルに対して、1~10モルが好ましく、さらに1~3モルが好ましい。なお、「水素化ホウ素カルシウム」は前記の方法で製造できる。該方法で製造した際、反応に使用したカルシウムのハロゲン化物と同じモル数の「水素化ホウ素カルシウム」が生成する。そのため、単離せずに「水素化ホウ素カルシウム」を使用する場合には、反応に使用したカルシウムのハロゲン化物のモル数を基準にして、還元に使用する「水素化ホウ素カルシウム」のモル数を決定すればよい。
【0033】
前記トリオン化合物と前記水素化ホウ素カルシウムとの反応は、反応溶媒中で実施することが好ましい。前記の還元反応を促進できる溶媒であればよい。具体的には、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル(2-メトキシエタノール)、1-メトキシ-2-プロパノール、1-メチル-2-ブタノール等の炭素数1~6のアルコール;1,2-ジメトキシエタンなどのエーテルがより好ましい。さらに、エタノール、2-プロパノールを使用することが好ましい。なお、これらの反応溶媒は、不可避的に含まれる水を含んでいてもよい。
【0034】
反応溶媒の使用量も、特に制限されるものではなく、前記トリオン化合物1質量部に対して、その1~100容量部が好ましく、さらに、5~20容量部が好ましい。なお、この反応溶媒の量には、水素化ホウ素カルシウムを生成した際の溶媒を含んでもよい。
【0035】
前記トリオン化合物と前記水素化ホウ素カルシウムとを接触させる際の反応温度は、特に制限されるものではなく、-30℃以上80℃以下が好ましく、-10℃以上60℃以下がより好ましい。
【0036】
前記トリオン化合物を還元するための反応時間も、特に制限されるものではなく、前記アミナール体の消費量、前記アミドアルコール化合物の生成量を確認し、適宜決定すればよい。
【0037】
(アミドアルコール化合物を含む溶液と水及び有機酸との接触)
前記方法に従い、前記トリオン化合物を還元することにより、前記アミドアルコール化合物を含む溶液を得ることができる。本発明の製造方法では、得られたアミドアルコール化合物を含む溶液と水及び有機酸とを接触させることで、アミドアルコール化合物の結晶を析出させることができる。また、有機酸は、アミドアルコール化合物の析出溶媒としての他に、還元反応によって過剰に用いた水素化ホウ素カルシウムを分解する作用も示す。
【0038】
本発明の製造方法における有機酸としては、特に制限無く用いることができる。有機酸として具体的には、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。これらの有機酸の中でも工業的に入手可能な点、及び得られるアミドアルコール化合物の純度、及び収率の点から酢酸を用いることが特に好ましい。
【0039】
本発明の製造方法における、前記アミドアルコール化合物を含む溶液と水及び有機酸との接触方法、手順は特に制限されるものではない。例えば前記トリオン化合物を還元することにより、前記アミドアルコール化合物を含む溶液を得た後、水、及び有機酸を順次添加しても良いし、予め水と有機酸の混合溶液を用意し、これに前記アミドアルコール化合物を含む溶液を添加しても良い。
【0040】
上記アミドアルコール化合物を含む溶液と接触させる有機酸の量はアミドアルコール化合物の結晶を析出させるに必要な量であれば特に制限されるものではなく、前記トリオン化合物1質量部に対し有機酸を0.1~1.0容量部、好ましくは0.4~0.6容量部の範囲で用いれば良い。
→念のため有機酸の使用量も再確認下さい。
【0041】
また水は、アミドアルコール化合物の結晶を析出させるに必要な量であれば特に制限されるものではなく、前記トリオン化合物1質量部に対し水を1.0~3.0容量部、好ましくは1.5~2.5容量部の範囲で用いれば良い。
【0042】
上記アミドアルコール化合物を含む溶液と水及び有機酸とを接触させる際の温度、時間については、アミドアルコール化合物の結晶が析出するに十分な温度、時間であれば良く、0℃~80℃、好ましくは、40℃~60℃の温度で、1~10時間、好ましくは、3~5時間で行えば良い。
【0043】
析出したアミドアルコール化合物は、加圧ろ過、減圧ろ過、遠心分離等、公知の固液分離操作によって単離することができる。単離したアミドアルコール化合物の結晶は、溶媒を用いて洗浄することで、結晶に付着する溶液を置換することができる。洗浄の際に用いる溶媒としては、特に制限されないが、アミドアルコール化合物の単離収率の観点から、含水エタノールを用いることが好ましい。含水エタノールに含まれるエタノールと水の混合比は、容量比でエタノール:水=5:5~8:2の範囲で適宜用いれば良い。また洗浄に用いる含水エタノールの量は固液分離装置の種類、大きさに応じて適宜決定すれば良い。
【0044】
洗浄後のアミドアルコール化合物は公知の乾燥操作で乾燥することで乾燥体を得ることができる。本発明の製造方法で得られるアミドアルコール化合物体は光学純度及び化学純度が高く、ビオチンの製造に好適に用いることができる。
【実施例0045】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0046】
(実施例1)
以下の反応式に示すアミドアルコール化合物(ALC)を合成した。
【0047】
【化7】
【0048】
塩化カルシウム(2.66g、23.97mmol)のエタノール(100mL)を室温で溶解確認まで攪拌し、7℃で、水素化ホウ素ナトリウム(1.92g、37.83mmol)を加え30分攪拌した。同温でトリオン化合物(IMD 10g、22.80mmol)を加え、7℃で2時間、室温で18時間、50℃で2時間攪拌した。反応液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて下記測定条件にて各成分の面積割合を確認したところ、トリオン化合物の転化率(反応にかかわった割合)95%であり、目的物のアミドアルコール化合物/その目的物の下記式(4)に示す光学異性体比(以下、単に「異性体比」とする)=75/25であった。
【0049】
【化8】
【0050】
反応液に、50℃で、酢酸(5mL)、水(20mL)の混合溶液を15分かけて滴下した。その後、室温までゆっくり冷却し、同温で4時間攪拌した後、析出晶を濾過した。得られた結晶を、エタノール:水=7:3=20mLで洗浄後、55℃、6時間、減圧乾燥することにより、ALC(7.01g、収率70%)を得た。本品を、HPLCで分析したところ、異性体比は100/0であった。
【0051】
<HPLC条件>
測定波長:254nm
流速:1.0mL/min
充填剤:X Bridge、C18、5μm、4.8mmx150mm)
移動相:アセトニトリル:(AcOH:HO=1:400)=40:60(0min)、→20:80(20min)→100:0(30min)
カラム温度:30℃
保持時間:ALC:10.8min; ALCの異性体:11.1min
【0052】
(比較例1)
前記ALC(0.3g)と前記式(4)で示されるALCの光学異性体(0.1g)の混合物にエタノール(4.3mL)及び水(3.0ml)を加え50℃で1時間攪拌し析出晶を濾過した。得られた結晶を、エタノール:水=7:3=20mLで洗浄後、55℃、6時間、減圧乾燥することにより、ALC(0.19g、収率47.5%)を得た。本品を、HPLCで分析したところ、異性体比は89/11であった。