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特開2022-29904コンピュータシステム及びゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022029904
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】コンピュータシステム及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/67 20140101AFI20220210BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20220210BHJP
【FI】
A63F13/67
A63F13/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020133502
(22)【出願日】2020-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】山内 海斗
(72)【発明者】
【氏名】今城 哲
(57)【要約】
【課題】チーム対戦ゲームにおいて、状況を変化させ得る仕組みを提供すること。
【解決手段】コンピュータシステムは、第1チーム本陣と、第2チーム本陣と、制圧することで拠点として利用可能となる互いのチームが制圧可能な中間拠点14とが設定されたゲーム空間において、第1チームと第2チームとが交戦するゲームを進行制御する。ゲーム画面には、第1チーム本陣及び第2チーム本陣それぞれの被攻略度合を示す本陣パラメータ値に応じてゲージ値が増減する本陣ゲージ20a,20bが表示される。第1チーム及び第2チームそれぞれの本陣ゲージ20a,20bのゲージ値に基づいて、中間拠点14の制圧難易度が調整される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1チーム本陣と、第2チーム本陣と、制圧することで拠点として利用可能となる互いのチームが制圧可能な中間拠点と、が設定されたゲーム空間において、第1チームと第2チームとが交戦するゲームを進行制御するコンピュータシステムであって、
前記第1チーム本陣及び前記第2チーム本陣にはそれぞれ、被攻略度合を示す本陣パラメータ値が設定されており、
前記第1チーム及び前記第2チームにはそれぞれ、当該チームの前記本陣パラメータ値及び/又は当該チームのゲーム進捗状況に応じて増減するゲージ値が設定されており、
前記第1チームの前記ゲージ値に基づくゲージと前記第2チームの前記ゲージ値に基づくゲージとを表示制御するゲージ表示制御手段と、
前記第1チーム及び前記第2チームそれぞれの前記ゲージ値に基づいて、前記中間拠点の制圧難易度を調整する制御を行う調整制御手段と、
を備えるコンピュータシステム。
【請求項2】
前記中間拠点は、前記第1チーム本陣から見て、前記第2チーム本陣までの到達距離よりも短い到達距離で到達可能な位置であり、且つ、前記第2チーム本陣から見て、前記第1チーム本陣までの到達距離よりも短い到達距離で到達可能な位置にある、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記調整制御手段は、前記第1チーム及び前記第2チームそれぞれの前記ゲージ値の差、に基づいて前記制圧難易度を変更する、
請求項1又は2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記調整制御手段は、前記中間拠点を制圧しているチームの戦闘パラメータ値の変更、及び/又は、前記中間拠点を制圧していないチームの戦闘パラメータ値の変更を行うことで前記制圧難易度を調整する、
請求項1~3の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記調整制御手段は、前記中間拠点を制圧していないチームに所属する所与のキャラクタの戦闘パラメータ値を変更することで前記制圧難易度を調整する、
請求項4に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記調整制御手段は、前記中間拠点を制圧するための所与の制圧条件を変更することで前記制圧難易度を調整する、
請求項1~5の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記調整制御手段は、前記制圧難易度を調整する際の調整度合を可変に制御する調整度合変更手段を有する、
請求項1~6の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記中間拠点は、前記ゲーム空間に複数配置されており、
前記調整度合変更手段は、前記ゲーム空間中の前記中間拠点の配置位置に基づいて、各中間拠点に係る前記調整度合を変更する、
請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記調整度合変更手段は、前記第1チーム又は前記第2チームの本陣までの到達距離が相対的に近い前記中間拠点に係る調整度合を、相対的に遠い前記中間拠点に係る調整度合より小さくする、
請求項8に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記調整度合変更手段は、前記第1チームに所属するキャラクタの種類、レベル、レアリティ値、属性、及び戦闘能力値のうちの何れか(以下包括して「性状」という)と、前記第2チームに所属するキャラクタの性状とに基づいて、前記調整度合を変更する、
請求項7~9の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記調整度合変更手段は、前記第1チームに所属するキャラクタの性状に基づく前記第1チームの総合値と、前記第2チームに所属するキャラクタの性状に基づく前記第2チームの総合値とに基づいて、前記調整度合を変更する、
請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記調整度合変更手段は、前記第1チームに所属するキャラクタの組み合わせと、前記第2チームに所属するキャラクタの組み合わせとに基づいて、前記調整度合を変更する、
請求項7~11の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記調整度合変更手段は、前記第1チームに所属するキャラクタの前記ゲーム空間中の配置位置に基づくフォーメーションと、前記第2チームに所属するキャラクタの前記ゲーム空間中の配置位置に基づくフォーメーションとに基づいて、前記調整度合を変更する、
請求項7~12の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記調整度合変更手段は、前記ゲームの進行状況に基づいて、前記調整度合を変更する、
請求項7~13の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記中間拠点は、前記ゲーム空間に複数配置されており、
前記調整度合変更手段は、各チームの前記中間拠点の制圧状況に基づいて、前記調整度合を変更する、
請求項14に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
前記調整度合変更手段は、前記ゲームの経過時間に基づいて、前記調整度合を変更する、
請求項14又は15に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
請求項1~16の何れか一項に記載のコンピュータシステムであるサーバシステムと、
各チームに所属するキャラクタを操作する各プレーヤがゲームプレイを行う操作端末と、
を具備するゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のゲームを進行制御するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレーヤが参加して同時にプレイするマルチプレイゲームの一例として、複数のプレーヤで構成されるチーム同士が対戦するチーム対戦型のゲームが知られている。例えば、特許文献1には、2つのチームに分かれた各プレーヤがプレーヤキャラクタを操作し、ゲーム空間に設定された自チームの出撃拠点から出撃して相手チームの出撃拠点を先に占領したチームが勝ちとなるチーム対戦型のゲームの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-198692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チーム対戦型のゲームでは、一方的なゲーム展開となると、劣勢となったチームが勝負を諦めたりゲームプレイを続けるモチベーションが低下したりすることにより、対戦ゲームとしての面白みに欠けてしまうという問題があった。このため、一方的なゲーム展開となった場合に、対戦ゲームの面白さを損なわないよう、他方のチームが優勢な状況は保ちつつも、劣勢のチームが不利な状況を打開できるような何らかのチャンスを与えるような仕組みが求められていた。
【0005】
また、互いのチームの攻守がバランスしてしまい、ゲーム展開が拮抗して行き詰まってしまうような状況も往々にして起こる場合があった。かかる場合に、白熱した対戦とするために、状況を一時的にでも変化させ得る仕組みが求められていた。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、チーム対戦ゲームにおいて、状況を変化させ得る仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の発明は、
第1チーム本陣と、第2チーム本陣と、制圧することで拠点として利用可能となる互いのチームが制圧可能な中間拠点と、が設定されたゲーム空間において、第1チームと第2チームとが交戦するゲームを進行制御するコンピュータシステムであって、
前記第1チーム本陣及び前記第2チーム本陣にはそれぞれ、被攻略度合を示す本陣パラメータ値が設定されており、
前記第1チーム及び前記第2チームにはそれぞれ、当該チームの前記本陣パラメータ値及び/又は当該チームのゲーム進捗状況に応じて増減するゲージ値が設定されており、
前記第1チームの前記ゲージ値に基づくゲージと前記第2チームの前記ゲージ値に基づくゲージとを表示制御するゲージ表示制御手段(例えば、図17の本陣ゲージ表示制御部216)と、
前記第1チーム及び前記第2チームそれぞれの前記ゲージ値に基づいて、前記中間拠点の制圧難易度を調整する制御を行う調整制御手段(例えば、図17の調整制御部222)と、
を備えるコンピュータシステムである。
【0008】
第1の発明によれば、チーム対戦ゲームにおいて、状況を変化させ得る仕組みを提供することができる。例えば、各チームの本陣パラメータやゲーム進捗状況に応じて増減するゲージ値が示す当該ゲームの攻略度合に基づき、各チームの劣勢・優勢を判断することができる。そして、劣勢と判断したチームが制圧し易くなるように中間拠点の制圧難易度を調整することで、劣勢のチームによる中間拠点の制圧を支援することができる。つまり、劣勢のチームが不利な状況を打開できるようなチャンスを与える仕組みとすることができる。また、攻略すべき相手チームの本陣ではなく中間拠点の制圧難易度を調整することで、相手チームが優勢な状況を保ちつつ、劣勢のチームに対して、中間拠点を制圧し易くし、制圧した中間拠点を足掛かりとした相手チーム本陣の攻略を、間接的に支援することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、
前記中間拠点は、前記第1チーム本陣から見て、前記第2チーム本陣までの到達距離よりも短い到達距離で到達可能な位置であり、且つ、前記第2チーム本陣から見て、前記第1チーム本陣までの到達距離よりも短い到達距離で到達可能な位置にある、
コンピュータシステムである。
【0010】
第2の発明によれば、中間地点は、各チーム本陣から見て相手チーム本陣よりも近い距離にあるから、劣勢のチームは、自チーム本陣よりも相手チーム本陣に近い中間拠点を制圧して自チームの拠点とし、この中間拠点を相手チームの本陣の攻略に役立てることができる。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記調整制御手段は、前記第1チーム及び前記第2チームそれぞれの前記ゲージ値の差、に基づいて前記制圧難易度を変更する、
コンピュータシステムである。
【0012】
第3の発明によれば、各チームのゲージ値の差に基づいて劣勢の度合を判断し、その劣勢の度合に応じて制圧難易度を変更する、といったことができる。例えば、劣勢の度合が大きいほど、制圧難易度の変更の度合いを大きくして、中間拠点をより制圧し易くする、といったことが可能である。
【0013】
第4の発明は、第1~第3の何れかの発明において、
前記調整制御手段は、前記中間拠点を制圧しているチームの戦闘パラメータ値の変更、及び/又は、前記中間拠点を制圧していないチームの戦闘パラメータ値の変更を行うことで前記制圧難易度を調整する、
コンピュータシステムである。
【0014】
第4の発明によれば、チームの戦闘パラメータ値の変更を行うことで、中間拠点の制圧難易度を調整することができる。例えば、各チームの戦闘パラメータ値を相対的に近づけるように変更することで、結果的に、劣勢なチームが制圧し易くなるように中間拠点の制圧難易度を調整することになる。
【0015】
第5の発明は、第4の発明において、
前記調整制御手段は、前記中間拠点を制圧していないチームに所属する所与のキャラクタの戦闘パラメータ値を変更することで前記制圧難易度を調整する、
コンピュータシステムである。
【0016】
第5の発明によれば、中間拠点を制圧していないチームに所属するキャラクタの戦闘パラメータ値を、例えば高くするように変更することで、結果的に、そのチームが制圧し易くなるように、中間拠点の制圧難易度を変更することになる。
【0017】
第6の発明は、第1~第5の何れかの発明において、
前記調整制御手段は、前記中間拠点を制圧するための所与の制圧条件を変更することで前記制圧難易度を調整する、
コンピュータシステムである。
【0018】
第6の発明によれば、中間拠点の制圧条件を変更することで、制圧難易度を調整することができる。例えば、制圧条件を緩和するように変更することで、制圧難易度を低くするように調整することができ、厳しくするように変更することで、制圧難易度を高くするように調整することができる。
【0019】
第7の発明は、第1~第6の何れかの発明において、
前記調整制御手段は、前記制圧難易度を調整する際の調整度合を可変に制御する調整度合変更手段(例えば、図17の調整度合変更部224)を有する、
コンピュータシステムである。
【0020】
第7の発明によれば、中間拠点の制圧難易度を調整する際の調整度合を可変に制御することができる。これにより、例えば、劣勢なチームの劣勢度合等に応じたきめ細かい制圧難易度の調整が可能となる。
【0021】
第8の発明は、第7の発明において、
前記中間拠点は、前記ゲーム空間に複数配置されており、
前記調整度合変更手段は、前記ゲーム空間中の前記中間拠点の配置位置に基づいて、各中間拠点に係る前記調整度合を変更する、
コンピュータシステムである。
【0022】
第8の発明によれば、ゲーム空間中の中間拠点の配置位置に基づいて、中間拠点の制圧難易度の調整度合を変更することができる。
【0023】
第9の発明は、第8の発明において、
前記調整度合変更手段は、前記第1チーム又は前記第2チームの本陣までの到達距離が相対的に近い前記中間拠点に係る調整度合を、相対的に遠い前記中間拠点に係る調整度合より小さくする、
コンピュータシステムである。
【0024】
第9の発明によれば、ゲーム空間中の中間拠点の配置位置に基づく中間拠点の制圧難易度の調整度合の変更の一例として、何れかのチームの本陣までの到達距離が相対的により近い中間拠点についての制圧難易度の調整度を小さくすることができる。これにより、相手チームの本陣により近い中間拠点を制圧することが、より遠い中間拠点を制圧することよりも難しくなる。互いのチームにとって、相手チームを攻略する難易度を安易に低下させることがないようにすることができる。
【0025】
第10の発明は、第7~第9の何れかの発明において、
前記調整度合変更手段は、前記第1チームに所属するキャラクタの種類、レベル、レアリティ値、属性、及び戦闘能力値のうちの何れか(以下包括して「性状」という)と、前記第2チームに所属するキャラクタの性状とに基づいて、前記調整度合を変更する、
コンピュータシステムである。
【0026】
第10の発明によれば、各チームに所属するキャラクタの性状に基づいて、中間拠点の制圧難易度の調整度合を変更することができる。
【0027】
第11の発明は、第10の発明において、
前記調整度合変更手段は、前記第1チームに所属するキャラクタの性状に基づく前記第1チームの総合値と、前記第2チームに所属するキャラクタの性状に基づく前記第2チームの総合値とに基づいて、前記調整度合を変更する、
コンピュータシステムである。
【0028】
第11の発明によれば、各チームに所属するキャラクタの性状に基づく一例として、各チームに所属するキャラクタの性状に基づく当該チームの総合値の差に基づいて、中間拠点の制圧難易度の調整度合を変更することができる。これにより、チームの総合値の差を劣勢の度合とみなして、劣勢の度合に応じて中間拠点の制圧難易度を調整する、といったことが可能となる。
【0029】
第12の発明は、第7~第11の何れかの発明において、
前記調整度合変更手段は、前記第1チームに所属するキャラクタの組み合わせと、前記第2チームに所属するキャラクタの組み合わせとに基づいて、前記調整度合を変更する、
コンピュータシステムである。
【0030】
第12の発明によれば、各チームに所属するキャラクタの組み合わせに基づいて、中間拠点の制圧難易度の調整度合を変更することができる。例えば、劣勢なチームに所属するキャラクタに特定のキャラクタの組み合わせを含む場合に、制圧難易度の調整度合を大きくする、といったことができる。キャラクタの組み合わせとは、例えば、同じ属性のキャラクタがN体以上含まれるといった性状に基づく組み合わせである。この場合、例えば、劣勢のチームに所属する同属性のキャラクタの数と、優勢のチームに所属する同属性のキャラクタの数との差によって調整度合を変更することとしてもよい。
【0031】
第13の発明は、第7~第12の何れかの発明において、
前記調整度合変更手段は、前記第1チームに所属するキャラクタの前記ゲーム空間中の配置位置に基づくフォーメーションと、前記第2チームに所属するキャラクタの前記ゲーム空間中の配置位置に基づくフォーメーションとに基づいて、前記調整度合を変更する、
コンピュータシステムである。
【0032】
第13の発明によれば、各チームに所属するキャラクタのゲーム空間中の配置位置に基づくフォーメーションに基づいて、中間拠点の制圧難易度の調整度合を変更することができる。例えば、劣勢のチームのキャラクタの配置位置が特定のフォーメーションで場合に、制圧難易度の変更度合を大きくする、といったことができる。キャラクタのフォーメーションとは、例えば、十字型の配置であったり、直線状の配置であったり、といった陣形のことである。
【0033】
第14の発明は、第7~第13の何れかの発明において、
前記調整度合変更手段は、前記ゲームの進行状況に基づいて、前記調整度合を変更する、
コンピュータシステムである。
【0034】
第14の発明によれば、ゲームの進行状況に基づいて、中間拠点の制圧難易度の調整度合を変更することができる。
【0035】
第15の発明は、第14の発明において、
前記中間拠点は、前記ゲーム空間に複数配置されており、
前記調整度合変更手段は、各チームの前記中間拠点の制圧状況に基づいて、前記調整度合を変更する、
コンピュータシステムである。
【0036】
第15の発明によれば、ゲームの進行状況に基づく中間拠点の制圧難易度の調整度合の変更の一例として、各チームの中間拠点の制圧状況に基づいて調整度合を変更することができる。これにより、例えば、劣勢のチームが制圧済みの中間拠点の数が少ないほど調整度合を大きくすることで、劣勢のチームに対して、中間拠点をより制圧し易くして相手チームへの攻略を支援するといったことが可能となる。
【0037】
第16の発明は、第14又は第15の発明において、
前記調整度合変更手段は、前記ゲームの経過時間に基づいて、前記調整度合を変更する、
コンピュータシステムである。
【0038】
第16の発明によれば、ゲームの進行状況に基づく中間拠点の制圧難易度の調整度合の変更の一例として、ゲームの経過時間に基づいて調整度合を変更することができる。これにより、例えば、ゲームの経過時間が長いほど調整度合を大きくすることで、ゲームの終了間際に劣勢な状況を一気に打開するようなチャンスを劣勢のチームに与えることができ、最後まで緊張感を持ったゲームとすることが可能となる。
【0039】
第17の発明は、
第1~第16の何れかの発明のコンピュータシステムであるサーバシステムと、
各チームに所属するキャラクタを操作する各プレーヤがゲームプレイを行う操作端末と、
を具備するゲームシステムである。
【0040】
第17の発明によれば、第1~第16の発明と同様の効果を奏するゲームシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】ゲームシステムの構成例。
図2】ゲームの概要図。
図3】ゲームマップの一例。
図4】ゲーム画面の一例。
図5】中間拠点の制圧の説明図。
図6】中間拠点の制圧の説明図。
図7】調整レベル設定テーブルの一例。
図8】制圧難易度調整テーブルの一例。
図9】制圧難易度調整テーブルの一例。
図10】制圧難易度調整テーブルの一例。
図11】調整度合設定テーブルの一例。
図12】調整度合設定テーブルの一例。
図13】調整度合設定テーブルの一例。
図14】調整度合設定テーブルの一例。
図15】調整度合設定テーブルの一例。
図16】調整度合設定テーブルの一例。
図17】サーバシステムの機能構成図。
図18】プレーヤ管理データの一例。
図19】ゲーム初期設定データの一例。
図20】プレイデータの一例。
図21】操作端末の機能構成図。
図22】ゲーム処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一要素には同一符号を付す。
【0043】
[ゲームシステム]
図1は、本実施形態のゲームシステムの構成の一例を示す図である。図1によれば、本実施形態のゲームシステム1は、通信ネットワークNに接続可能なサーバシステム1000と、通信ネットワークNを介してサーバシステム1000にアクセスし、サーバシステム1000との間で通信可能な複数の操作端末1500とを備える。
【0044】
通信ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0045】
サーバシステム1000は、本体装置1010と、キーボード1002と、ディスプレイ1004と、ストレージ1030とを有し、本体装置1010に制御基板1020を搭載するコンピュータシステムである。
【0046】
制御基板1020には、CPU(Central Processing Unit)1021やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種プロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1022、通信装置1023が搭載されている。なお、制御基板1020の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。これらの演算回路もプロセッサということができる。そして、サーバシステム1000は、制御基板1020が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、本実施形態のゲームを運営するための各種サービスを実現する。例えば、プレーヤ登録に係るプレーヤ管理機能、操作端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。
【0047】
なお、サーバシステム1000は、図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1000として機能させる構成であってもよい。
【0048】
操作端末1500は、プレーヤ3がゲームプレイのために個別に使用するコンピュータシステムであって、通信ネットワークNを介してサーバシステム1000にアクセスできる電子機器である。本実施形態の操作端末1500は、ハードウェアとしてはいわゆるスマートフォンと呼ばれる装置として説明するが、携帯型ゲーム装置や、ゲームコントローラ、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等でもよい。また、図1に示す単体の装置に限らず、複数の装置が連携して一体的に機能する構成であってもよい。
【0049】
[ゲームの説明]
ゲームシステム1において提供されるオンラインゲームは、複数のプレーヤ3がチームに分かれ、各プレーヤ3がゲーム空間内でプレーヤキャラクタを操作することでチームが交戦するチーム対戦ゲームである。
【0050】
図2は、本実施形態におけるチーム対戦ゲームについて説明する概念図である。本実施形態のゲームは、ゲームフィールド10内において、複数のプレーヤ3が2つのチーム(図2中、左から右へ攻める第1チーム(「team RED」と名付けられている)と、右から左へ攻める第2チーム(「team BLUE」と名付けられている))に分かれ、各プレーヤ3が兵士キャラクタをプレーヤキャラクタ5として用いて戦う。
【0051】
ゲームフィールド10は、ゲーム空間において構築した様々な地形上に各チームの拠点となる本陣12及び中間拠点14を設定して構成される。本陣12は、ゲーム開始時よりその所属が各チームに固定的に設定されている最初の拠点であり、チーム毎に1又は複数が設定される。本実施形態では、第1チームの本陣12である第1チーム本陣12aと、第2チームの本陣12である第2チーム本陣12bとが設定される。中間拠点14は、ゲーム開始時には何れのチームにも所属しない中立の拠点であり、各チームが制圧することで自チームの拠点として利用可能となる。対戦の開始時、各キャラクタ5は、所属チームの本陣12に出現して出撃する。そして、本陣12間に点在する中間拠点14を制圧しながら進軍し、先に相手チームの本陣12を攻略したチームが勝ちとなる。また、本ゲームには制限時間が設けられており、制限時間を経過した時点でどちらのチームも相手チームの本陣12を攻略できなかった場合には、ゲージ値が多いチームの勝ちとなる。
【0052】
図3は、ゲームフィールド10として設定されるゲームマップの一例である。本実施形態では、砂漠や山岳地帯、城郭、宇宙空間といった様々な地形のゲームマップが用意されている。何れの地形のゲームマップであっても、相手チームの本陣12の攻略を主目的とするゲームであるから、基本的には、各チームの本陣12同士が互いに遠くなるような位置に設定され、各チームの本陣12の間に複数の中間拠点14が点在するように設定される。つまり、中間拠点14は、各チームの本陣12から見て、相手チームの本陣12までの到達距離よりも短い到達距離で到達可能な位置に設定される。図3の例では、図3中左側に第1チームの本陣(第1チーム本陣)12aが設定され、右側に第2チームの本陣(第2チーム本陣)12bが設定され、第1チーム本陣12aと第2チーム本陣12bとの間となる中央付近に中間拠点14が点在するように設定されている。
【0053】
対戦の開始時には、各チームのキャラクタ5は自チームの本陣12に出現し、全ての中間拠点14は何れのチームにも所属しない中立な状態である。対戦が開始すると、各チームは、中間拠点14を制圧することでその中間拠点14を自チームに所属する拠点とすることができる。各チームのキャラクタ5は、自チームに所属する(=自チームが制圧した)中間拠点14を、体力値の回復や戦闘不能となった後の再出現位置とする等の出撃拠点として利用したり、また、自チームの本陣12を相手チームからの攻略を防ぐ防衛拠点として利用することができる。従って、制圧する中間拠点14の数や、どの中間拠点14を制圧するかで戦況が大きく変化し得るため、中間拠点14を制圧することが、ゲームを有利に進めるためのポイントの一つとなる。
【0054】
図4は、ゲーム中においてプレーヤ3の操作端末1500に表示されるゲーム画面の一例である。ゲーム画面は、プレーヤ3が操作するプレーヤキャラクタ5に追従するように設定された仮想カメラから見たゲームフィールド10内の画像に、各チームの本陣12の攻略度合を示す本陣パラメータ値に応じてゲージ値が増減する本陣ゲージ20や、ゲーム開始からの経過時間22等のゲームに関する各種情報を合成した画面として表示される。そのほか、ゲームフィールド10の概略マップに各チームの拠点やキャラクタ5の概略位置を示すレーダ画面等を表示するようにしてもよい。
【0055】
本陣ゲージ20は、左側のゲージであれば左端を「0%」、右端を「100%」とし、右側のゲージであれば右端を「0%」、左端を「100%」として、ゲージ値によって本陣パラメータ値をパーセント表示する。本陣パラメータ値は、ゲーム開始時には所定値(100%)に設定され、ゲーム中に相手チームのキャラクタ5から攻撃を受けることで減少し、ゼロ(0%)になると当該本陣12が相手チームに攻略されたことになる。図4の例では、本陣ゲージ20として、画面上部左側に第1チームについての第1本陣ゲージ20aが表示され、右側に第2チームについての第2本陣ゲージ20bが表示されている。
【0056】
なお、本実施形態では、ゲージ値は、当該チームの本陣パラメータ値に応じて増減することとして説明するが、逆に、相手チームの本陣パラメータ値に応じて増減することとしてもよい。その場合、ゲージ値は、相手チームをどれだけ攻略したかを示す値、すなわち、自チームにとってはゲーム進捗状況を示す値となる。
【0057】
なお、本実施形態のゲームには制限時間があるので、経過時間22として、ゲーム終了までの残り時間を表示するようにしてもよい。
【0058】
ゲームフィールド10に設定される複数の中間拠点14は、ゲーム開始時には、何れのチームにも所属しない中立の拠点であり、各チームが制圧することで自チームの拠点として利用可能となる。
【0059】
図5は、中間拠点14の制圧を説明するための図である。中間拠点14は、所定の制圧条件を満たすことで制圧することができる。本実施形態における中間拠点14の制圧条件は、当該中間拠点14に定められた所定の制圧エリア16内に位置する各チームのキャラクタ数に関するキャラクタ数条件を満たし、且つ、上記のキャラクタ数条件を満たした状態で所定時間が経過すること(時間条件)、である。キャラクタ数条件は、例えば“自チームのキャラクタ数が相手チームのキャラクタ数より2体以上多い”、“相手チームのキャラクタがいない状態で自チームのキャラクタが3体以上いる”といったように、相手チームとの相対的又は絶対的な自チームのキャラクタ数の条件として定められる。時間条件は、例えば“10秒”といったように、数~数十秒程度の所定時間の条件として定められる。
【0060】
図5は、第1チームが中間拠点14を制圧しようとしている状態のゲーム画面を示しており、このゲーム画面には、中間拠点14を制圧しようとしているチーム(以下「制圧途中チーム」という)の制圧度合いを示す制圧ゲージ24が表示される。制圧ゲージ24は、図5中左端を時間条件となる所定時間のカウント開始時点、右端を時間条件となる所定時間の経過時点として、キャラクタ数条件を満たした状態での経過時間に応じてゲージ値が増加することで、時間条件をどの程度満たしたかを示す。つまり、制圧ゲージ24は、一方のチームが、制圧条件の1つであるキャラクタ数条件を満たした状態となり、中間拠点14を制圧しようとしている制圧途中チームとみなされた時点で表示される。そして、その制圧途中チームがキャラクタ数条件を満たした状態での経過時間に応じて、制圧ゲージ24のゲージ値が増加する。
【0061】
図5では、第1チームが中間拠点14を制圧しようとしている状態を示している。つまり、中間拠点14の制圧エリア16内に位置するキャラクタの数として、第1チームのキャラクタ5の数(図5では、3体)が、第2チームのキャラクタの数(図5では、1体)よりも多く、キャラクタ数条件を満たしている状態である。そして、第1チームがキャラクタ数条件を満たした状態での経過時間が、制圧ゲージ24でのゲージ値によって示されている。制圧途中チームのプレーヤ3は、キャラクタ数条件を満たした状態が継続されるように、相手チームのキャラクタ5を制圧エリア16内に侵入させないようにしながら、時間条件を満たすまで現状を維持するように努める。
【0062】
そして、図6に示すように、キャラクタ数条件を満たした状態で所定時間が経過して時間条件を満たすと、制圧条件を満たしたことになり、制圧途中チームがその中間拠点を制圧したことになる。また、制圧ゲージ24のゲージ値が満タン(100%)となって、時間条件を満たしたことが示される。以降は、その中間拠点は、制圧したチームに所属する拠点となり、当該チームが自チームの拠点として利用することができる。なお、中間拠点14は、一方のチームが制圧した後であっても、他方のチームが制圧条件を満たすことで制圧し、一方のチームから奪って他方のチームに所属する拠点とすることができる。
【0063】
本実施形態の特徴の一つとして、第1チーム及び第2チームそれぞれの本陣パラメータ値又は本陣ゲージ20のゲージ値に基づいて、中間拠点14の制圧難易度を調整している点がある。中間拠点14の制圧難易度の調整の仕方としては、制圧条件を変更すること、各チームの戦闘パラメータ値を変更すること、の大きく2種類がある。
【0064】
制圧条件を緩和するように変更することで、中間拠点14の制圧難易度が低下して制圧し易くなり、逆に、制圧条件を厳しくするように変更することで、中間拠点14の制圧難易度が上昇して制圧し難くなる。上述したように、制圧条件は、中間拠点14の制圧エリア16内に位置するキャラクタ数に関するキャラクタ数条件と、このキャラクタ数条件を満たした状態での経過時間に関する時間条件との2つの条件を含む。制圧条件の変更とは、この2つの条件の何れか又は両方を変更することである。例えば、制圧条件を緩和するような変更として、キャラクタ数条件を、中間拠点14の制圧エリア16内に位置すべきキャラクタ数を低下させるように変更する、時間条件を、経過すべき所定時間を短くするように変更する、等がある。逆に、制圧条件を厳しくするような変更として、キャラクタ数条件を、中間拠点14の制圧エリア16内に位置すべきキャラクタ数を増加させるように変更する、時間条件を、経過すべき所定時間を長くするように変更する、等がある。
【0065】
また、各チームの戦闘パラメータ値を一時的に変更することで、各チーム間の相対的な戦闘能力を調整して各チームによる中間拠点14の制圧難易度を調整することができる。例えば、一方のチームの攻撃に関する戦闘パラメータ値を上昇させたり、他方のチームの防御に関する戦闘パラメータ値を低下させるたりすることで、一方のチームの戦闘能力が相対的に上昇し、一方のチームにとっては中間拠点14の制圧難易度が低下して制圧し易くなる。逆に、一方のチームの攻撃に関する戦闘パラメータ値を低下させたり、他方のチームの防御に関するパラメータ値を上昇させたりすることで、一方のチームの戦闘能力が相対的に低下し、一方のチームにとっては中間拠点14の制圧難易度が上昇して制圧し難くなる。
【0066】
チームの戦闘パラメータ値の変更は、当該チームに所属するキャラクタ5の戦闘パラメータ値の変更によって行う。戦闘パラメータ値とは、例えば、攻撃力や防御力、キャラクタ同士の対戦に影響するパラメータ値である。また、戦闘パラメータ値を変更するキャラクタは、当該チームに所属するキャラクタのうち、全てのキャラクタとしてもよいし、大将といった特定のキャラクタとしてもよいし、当該中間拠点の制圧に関与しているキャラクタのみとしてもよい。
【0067】
本実施形態では、中間拠点14の制圧難易度の調整をチーム毎に行う。つまり、同じ中間拠点14であっても、第1チームと第2チームとでは制圧難易度が異なり得る。また、中間拠点14の制圧難易度の調整は、第1チーム及び第2チームそれぞれの本陣パラメータ値又は本陣ゲージ20のゲージ値に基づく調整レベルに従って行う。調整レベルは、図7に一例を示す調整レベル設定テーブル318に従って算出される。
【0068】
図7は、調整レベル設定テーブル318の一例である。図7に示すように、調整レベル設定テーブル318は、中間拠点14の制圧難易度の調整の対象となるチーム(以下「対象チーム」という)と相手チームとの本陣パラメータ値の差に、調整レベルを対応付けて定めている。本実施形態では、対象チームの本陣パラメータ値よりも相手チームの本陣パラメータ値のほうが大きく、且つ、その差が大きいほど、調整レベルを大きい値とするように定めている。つまり、各チームの本陣12の攻略度合の差を対戦状況の優劣(優勢・劣勢)の度合とみなして、対象チームが劣勢であるとみなせる度合が大きいほど、調整レベルを大きい値とするように定めている。なお、図7では、本陣パラメータ値に基づく例を示しているが、本陣ゲージ20のゲージ値に基づいて算出してもよい。本陣ゲージ20のゲージ値は、本陣パラメータ値に応じた値であるからである。
【0069】
そして、この調整レベルに応じて、対象チームについての中間拠点14の制圧難易度を調整するが、更に、各チームや中間拠点14に関する各種要素に応じてその調整度合を可変に変更する。これらの各種要素については詳細を後述する。
【0070】
対象チームについての調整レベルに応じた中間拠点14の制圧難易度の調整は、調整レベル毎に定められた制圧難易度調整テーブル322に従って行われる。図8図10は、制圧難易度調整テーブル322の一例を示す図である。これらの制圧難易度調整テーブル322では、変更の対象となる制圧条件及び各チームの戦闘パラメータ値のそれぞれについての変更内容を定めている。基本的には、調整レベルが大きいほど、つまり、対象チームが劣勢であるとみなせる度合が大きいほど、中間拠点14の制圧難易度をより低下させるような変更内容に定めている。更に、各制圧難易度調整テーブル322においては、調整度合に応じて、その変更内容を細かく調整している。基本的には、調整度合が大きいほど、変更の度合いが大きくなるように、つまり、中間拠点14の制圧難易度をより低下させるような変更内容に調整している。
【0071】
図8は、調整レベル「0」についての制圧難易度調整テーブル322Aの一例であり、図9は、調整レベル「1」についての制圧難易度調整テーブル322Bの一例であり、図10は、調整レベル「2」についての制圧難易度調整テーブル322Cの一例である。
【0072】
調整レベルが「0」とは、対象チームは相手チームに対して劣勢ではない対戦状況(均衡している又は優勢な対戦状況)である。従って、調整レベル「0」についての制圧難易度調整テーブル322Aでは、制圧条件については所定値とし、調整度合に応じた調整をしないように定めている。また、各チームの戦闘パラメータ値については変更しないように定めている。そして、この調整レベル「0」についての制圧難易度を標準値とし、調整レベルが「1」以上の各調整レベルにおいては、制圧難易度をこの標準値から低下させるような変更をするように定めている。
【0073】
調整レベルが「1」とは、対象チームが相手チームに対してやや劣勢な対戦状況である。従って、調整レベル「1」についての制圧難易度調整テーブル322Bでは、調整度合が小さいとき(図9の例では、「1」以下)は、調整レベルが「0」の場合と同等の制圧難易度とし、調整度合の増加に伴って制圧難易度を徐々に低下させるように定めている。すなわち、制圧条件については、調整レベル「0」についての制圧難易度調整テーブル322Aで定められる制圧条件から、調整度合の増加に伴って徐々に緩和する変更をするように定めている。また、戦闘パラメータ値については、対象チームの攻撃力を調整度合の増加に伴って徐々に増加させることで、相手チームに対する対象チームの戦闘能力を相対的に徐々に増加させるように変更している。
【0074】
調整レベルが「2」とは、調整レベルが「1」の場合より、更に、対象チームが相手チームに対して劣勢な対戦状況である。従って、調整レベル「2」についての制圧難易度調整テーブル322Cでは、調整度合が小さいとき(図10の例では、「1」以下)は、調整レベルが「0」の場合に比較してやや低下させた制圧難易度とし、調整度合の増加に伴って制圧難易度を徐々に低下させるように定めている。すなわち、制圧条件については、調整レベル「0」についての制圧難易度調整テーブル322Aで定められる制圧条件をやや緩和させた値から、調整度合の増加に伴って徐々に緩和する変更をするように定めている。また、戦闘パラメータ値については、対象チームの攻撃力を調整度合の増加に伴って徐々に増加させるともに、相手チームの防御力を調整度合の増加に伴って徐々に低下させることで、相手チームに対する対象チームの戦闘能力を相対的に徐々に増加させるように変更している。この対象チームの戦闘能力の相対的な増加の程度は、調整レベルが「1」の場合よりも大きくなっている。
【0075】
図示を省略するが、調整レベルが「3」以上についても同様である。つまり、各調整レベルについての制圧難易度調整テーブル322においては、調整度合が小さいとき(例えば、「1」以下)は、調整レベルが「0」の場合の制圧難易度から調整レベルに応じて低下させた制圧難易度とし、調整度合の増加に伴って制圧難易度を徐々に低下させるように定めている。なお、戦闘パラメータ値の変更は、相手チームの攻撃力を低下させることで、対象チームの相手チームに対する相対的な戦闘能力を増加させるようにしてもよい。
【0076】
調整度合を決める各種要素について説明する。本実施形態では、6つの要素(第1要素~第6要素)の各値の乗算値(乗算係数)を調整度合とする。各要素の値は、それぞれ、図11図16に一例を示す調整度合設定テーブル320に従って定められる。6つの要素の乗算値を全て掛け合わせた結果の値から小数部分を切り捨てた大数部分(整数値)を、制圧難易度調整テーブルの調整度合として用いる。なお、6つの要素(第1要素~第6要素)全てを用いるのではなく、これらのうちの1つ又は複数を選択することで、使用する乗算値を決定して調整度合を算出することとしてもよい。
【0077】
図11は、第1要素の値を定める調整度合設定テーブル320Aの一例である。第1要素は、ゲーム空間中の中間拠点14の配置位置に基づく要素である。図11に示す調整度合設定テーブル320Aでは、中間拠点14から相手チーム本陣までの距離に、第1要素の値を対応付けて定めている。本実施形態では、距離が長いほど、第1要素の値が大きくなるように定めている。なお、図11では、中間拠点14から相手チーム本陣までの距離としているが、中間拠点14から対象チーム本陣までの距離としてもよい。つまり、各チームの本陣までの到達距離が相対的に近い中間拠点に係る調整度合を、相対的に遠い中間拠点に係る調整度合より小さくしている、といえる。
【0078】
図12は、第2要素の値を定める調整度合設定テーブル320Bの一例である。「第2要素」は、各チームの所属するキャラクタ5の種類、レベル、レアリティ値(希少値)、属性、戦闘能力値(攻撃力や防御力等)のうちの何れかである性状に基づく要素であるともに、各チームに所属するキャラクタ5の性状に基づくチームの総合値に基づく要素である。図12に示す調整度合設定テーブル320Bでは、相手チームの総合値と対象チームの総合値との差に、第2要素の値を対応付けて定めている。本実施形態では、対象チームの総合値よりも相手チームの総合値のほうが高く、且つ、その差が大きいほど、第2要素の値が大きくなるように定めている。チームの総合値は、当該チームに所属するキャラクタの個別能力値を当該キャラクタの性状に基づいて求め、その合算値とする。キャラクタの個別能力値は、性状であるレベルが高いほど、レアリティ値が高いほど、戦闘能力値が高いほど、高い値となるとともに、また、特定の属性である場合はそれ以外の属性よりも高い値となるように定義される。
【0079】
図13は、第3要素の値を定める調整度合設定テーブル320Cの一例である。第3要素は、各チームのキャラクタの組み合わせに基づく要素である。図13に示す調整度合設定テーブル320Cでは、対象チームに所属するキャラクタに関する組み合わせ条件に、第3要素の値を対応付けて定めている。組み合わせ条件とは、例えば、対象チームに所属するキャラクタの組み合わせであって、その種類や属性が満たすべき組み合わせの条件である。図13中に一例を示す種類や属性のほか、レベル、レアリティ値(希少値)、戦闘能力値、といったキャラクタの性状に関する条件を含めることができる。また、相手チームのキャラクタとの組み合わせに関する条件を含めるようにしてもよい。これらの組み合わせ条件のうち、対象チームが満たす組み合わせ条件に対応付けられている値の合計を、第3要素の値とする。
【0080】
図14は、第4要素の値を定める調整度合設定テーブル320Dの一例である。第4要素は、各チームに所属するキャラクタのゲーム空間中の配置位置に基づくフォーメーションに基づく要素である。図14に示す調整度合設定テーブル320Dでは、対象チームに所属するキャラクタの配置位置に関するフォーメーション条件に、第4要素の値を対応付けて定めている。フォーメーション条件とは、対象チームに所属する複数のキャラクタのゲーム空間における配置位置が満たすべき条件である。例えば、対象の中間拠点や相手チームのキャラクタの位置を基準とした各キャラクタの相対的な配置位置の関係や、キャラクタ間の絶対的な配置位置の関係の条件である。更に、特定の条件(例えば、近接攻撃型や遠距離攻撃型といった戦闘能力値の一つである攻撃の得手不得手に関する特徴)を満たすキャラクタが満たすべき配置位置の関係としてもよい。これらの複数の条件のうち、制圧途中チームが満たす条件に対応付けられている値の合計を、第4要素の値とする。
【0081】
図15は、第5要素の値を定める調整度合設定テーブル320Eの一例である。第5要素は、ゲームの進行状況の一例である、各チームの中間拠点の制圧状況に基づく要素である。図15に示す調整度合設定テーブル320Eでは、制圧途中チームが制圧した中間拠点数に、第5要素の値を対応付けて定めている。本実施形態では、制圧途中チームの制圧中間拠点数が少ないほど、第5要素が大きな値となるように定めている。なお、図15では、制圧途中チームの制圧中間拠点数としているが、相手チームの制圧中間拠点数としてもよい。この場合、相手チームの制圧中間拠点数が多いほど、第5要素が大きな値となるように定めると好適である。又は、各チームの制圧中間拠点数の差や比率としてもよい。この場合、制圧途中チームの制圧中間拠点数よりも相手チームの制圧中間拠点数のほうが多く、且つ、その差が大きいほど、第5要素が大きな値となるように定めると好適である。
【0082】
図16は、第6要素の値を定める調整度合設定テーブル320Fの一例である。第6要素は、ゲームの進行状況の他の例である、ゲームの経過時間に基づく要素である。図16に示す調整度合設定テーブル320Fでは、ゲーム開始からの経過時間に、第6要素の値を対応付けて定めている。本実施形態では、経過時間が長くなるほど、つまり、制限時間がある本ゲームの終了間際に近づくほど、大きな値となるように定めている。
【0083】
[機能構成]
図17は、サーバシステム1000の機能構成を示すブロック図である。図17によれば、サーバシステム1000は、操作入力部102と、画像表示部104と、音出力部106と、通信部108と、サーバ処理部200と、サーバ記憶部300とを備える。
【0084】
操作入力部102は、サーバシステム1000の管理のための各種の操作入力に応じて操作入力信号をサーバ処理部200に出力する。図1のキーボード1002がこれに該当する。
【0085】
サーバ処理部200は、例えば、CPUやGPU等のプロセッサや、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現され、操作入力部102やサーバ記憶部300を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部102からの操作入力信号、操作端末1500からの受信データ等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1000の動作を統合的に制御する。図1の制御基板1020がこれに該当する。また、サーバ処理部200は、プレーヤ管理部202と、ゲーム管理部210と、計時部230と、画像生成部234と、音生成部236と、通信制御部238とを有する。勿論、これら以外の機能も適宜含めることができる。
【0086】
プレーヤ管理部202は、プレーヤ3の登録管理に係る各種処理を行う。本実施形態では、登録プレーヤへの固有のプレーヤアカウントの付与、プレーヤアカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理、ゲームデータの管理等の各機能を有する。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられるデータの管理機能も適宜含めることができる。プレーヤ管理部202は、プレーヤ登録手続きを経たプレーヤ3に固有のアカウント(プレーヤID)を割り当ててプレーヤ管理データ330を生成することで、各プレーヤ3に関するデータの管理を行う。
【0087】
図18は、プレーヤ管理データ330の一例を示す図である。図18によれば、プレーヤ管理データ330は、登録プレーヤ毎に生成され、プレーヤアカウントと、当該プレーヤの操作端末1500に関する操作端末情報と、プレイ履歴データと、ゲームセーブデータとを含む。プレーヤアカウントは、当該プレーヤに割り当てた固有のプレーヤIDのほか、当該プレーヤによって任意に設定されるプレーヤ名やログイン認証のためのパスワード等を含む。プレイ履歴データは、ログイン日時やログアウト日時、ゲーム結果等を含む。ゲームセーブデータは、プレーヤのレベルや、ゲームで使用するプレーヤキャラクタ、保有するキャラクタやアイテム等を含む。
【0088】
ゲーム管理部210は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームは、クライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、ゲーム管理部210は、操作端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。本実施形態では、ゲームサーバプログラム302に従って、第1チーム本陣12aと、第2チーム本陣12bと、制圧することで拠点として利用可能となる互いのチームが制圧可能な中間拠点14と、が設定されたゲーム空間において、第1チームと第2チームとが交戦し、先に相手チームの本陣12を攻略したチームの勝ちとなるゲームを進行制御する。また、ゲーム管理部210は、マッチング制御部212と、キャラクタ制御部214と、本陣ゲージ表示制御部216と、中間拠点制圧制御部220とを有する。
【0089】
マッチング制御部212は、プレーヤ3のマッチングを行って対戦するチームの編成に関する処理を行う。チーム編成は、公知のチーム対戦型オンラインゲームと同様にして実現される。
【0090】
キャラクタ制御部214は、各プレーヤ3の操作端末1500から受信した当該プレーヤ3の操作信号に従って、ゲーム空間における当該プレーヤ3のプレーヤキャラクタ5を制御する。
【0091】
本陣ゲージ表示制御部216は、各プレーヤ3の操作端末1500に表示させるゲーム画面において、第1チームのゲージ値に基づくゲージである第1本陣ゲージ20aと、第2チームのゲージ値に基づくゲージである第2本陣ゲージ20bとを表示制御する(図4参照)。第1本陣ゲージ20aは、第1チーム本陣12aに設定された被攻略度合を示す本陣パラメータ値に応じて増減するゲージ値を表示し、第2本陣ゲージ20bは、第2チーム本陣12bに設定された被攻略度合を示す本陣パラメータ値に応じて増減するゲージ値を表示する。
【0092】
中間拠点制圧制御部220は、調整制御部222を有し、各中間拠点14の制圧に係る各種処理を行う。中間拠点14は、第1チーム本陣12aから見て、第2チーム本陣12bまでの到達距離よりも短い到達距離で到達可能な位置であり、且つ、第2チーム本陣12bから見て、第1チーム本陣12aまでの到達距離よりも短い到達距離で到達可能な位置にある(図3参照)。具体的には、中間拠点制圧制御部220は、対戦の開始時には、全ての中間拠点14を何れのチームにも所属しない中立の拠点とする。そして、対戦の開始後は、中間拠点14それぞれについて、各チームが制圧条件を満たしたか判断し、制圧条件を満たしたチームに当該中間拠点14を所属させる。中間拠点14を制圧するための各チームの制圧条件は、調整制御部222によって制圧難易度が調整された後の制圧条件である。
【0093】
調整制御部222は、調整度合変更部224を有し、第1チーム及び第2チームそれぞれの本陣パラメータ値又は本陣ゲージ20のゲージ値に基づいて、中間拠点14の制圧難易度を調整する制御を行う。具体的には、第1チーム及び第2チームそれぞれを対象チームとして、調整レベル設定テーブル318に従って、当該対象チームの中間拠点14の制圧難易度の調整レベルを算出する。そして、調整レベルに応じた制圧難易度調整テーブル322に従って、各チーム毎に中間拠点の制圧難易度を調整する。このとき、調整度合変更部224による調整度合を更に用いて制圧難易度を調整する。これにより、第1チーム及び第2チームそれぞれの本陣パラメータ値の差、又は、第1チーム及び第2チームそれぞれの本陣ゲージ20のゲージ値の差、に基づいて制圧難易度を変更する。また、中間拠点14を制圧しているチームの戦闘パラメータ値の変更、及び/又は、中間拠点14を制圧していないチームの戦闘パラメータ値の変更を行うことで制圧難易度を調整する。また、中間拠点14を制圧していないチームに所属する所与のキャラクタ5の戦闘パラメータ値を変更することで制圧難易度を調整する。また、中間拠点14を制圧するための所与の制圧条件を変更することで制圧難易度を調整する。
【0094】
調整度合変更部224は、中間拠点14の制圧難易度を調整する際の調整度合を可変に制御する。具体的には、調整度合設定テーブル320(320A~320F)に従って、各種要素(第1要素~第6要素)の乗算値(乗算係数)を求め、これらを乗算して求めた値の大数(整数値)を調整度合として算出する。これにより、ゲーム空間中に複数配置された中間拠点14の配置位置に基づいて、各中間拠点14に係る調整度合を変更する。また、第1チーム又は第2チームの本陣までの到達距離が相対的に近い中間拠点14に係る調整度合を、相対的に遠い中間拠点に係る調整度合より小さくする。また、第1チームに所属するキャラクタの種類、レベル、レアリティ値、属性、及び戦闘能力値のうちの何れか(以下包括して「性状」という)と、第2チームに所属するキャラクタの性状とに基づいて、調整度合を変更する。また、第1チームに所属するキャラクタの性状に基づく第1チームの総合値と、第2チームに所属するキャラクタの性状に基づく第2チームの総合値とに基づいて、調整度合を変更する。また、第1チームに所属するキャラクタの組み合わせと、第2チームに所属するキャラクタの組み合わせとに基づいて、調整度合を変更する。また、第1チームに所属するキャラクタのゲーム空間中の配置位置に基づくフォーメーションと、第2チームに所属するキャラクタのゲーム空間中の配置位置に基づくフォーメーションとに基づいて、調整度合を変更する。また、ゲームの進行状況に基づいて、調整度合を変更する。また、ゲーム空間に複数配置されている各チームの中間拠点14の制圧状況に基づいて、調整度合を変更する。また、ゲームの経過時間に基づいて、調整度合を変更する。
【0095】
計時部230は、システムクロックを利用して現在日時等の計時を行う。
【0096】
画像生成部234は、サーバシステム1000のシステム管理に関する画像や、操作端末1500で表示させるための画像等を生成する。そして、システム管理に関する画像信号を画像表示部104へ出力する。画像表示部104は、画像生成部234から入力される画像信号に基づいてシステム管理のための各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクタといった画像表示装置によって実現できる。図1のディスプレイ1004がこれに該当する。
【0097】
音生成部236は、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1000のシステム管理やゲームプレイに係る操作音やBGM等の音声データを生成或いはデコードする。そして、システム管理に関する音声信号を音出力部106へ出力する。音出力部106は、音声信号に基づく音声を放音する。図1の本体装置1010やディスプレイ1004が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0098】
通信制御部238は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部108を介して外部装置とのデータのやり取りを実現する。通信部108は、通信ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図1の通信装置1023がこれに該当する。
【0099】
サーバ記憶部300は、サーバ処理部200にサーバシステム1000を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200の作業領域として用いられ、サーバ処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク、オンラインストレージ等によって実現される。サーバ記憶部300には、ゲームサーバプログラム302と、配信用クライアントプログラム304と、ゲームの実行制御に必要なゲーム初期設定データ310と、プレーヤ管理データ330と、プレイデータ340とが記憶される。
【0100】
ゲームサーバプログラム302は、本実施形態のオンラインゲームのゲームサーバとしての機能を実現させるためのプログラムである。配信用クライアントプログラム304は、操作端末1500にダウンロードされるクライアントプログラム702(図21参照)のオリジナルである。
【0101】
図19は、ゲーム初期設定データ310の一例を示す図である。図19に示すように、ゲーム初期設定データ310は、ゲーム空間初期設定データ312と、キャラクタ初期設定データ324とを含む。
【0102】
ゲーム空間初期設定データ312は、ゲーム空間に構築されるゲームフィールド10に関する初期設定データであり、ゲームフィールド10の種類毎に生成され、当該ゲームフィールド10として設定されるゲームマップのマップIDと、マップデータと、本陣初期設定データ314と、中間拠点初期設定データ316とを含む。マップデータは、ゲームフィールド10の空間を定義するデータであって、地形や地目、フィールド内の構造物等の定義データを格納する。
【0103】
本陣初期設定データ314は、ゲームマップにおいて設定される本陣12毎に生成され、当該本陣の本陣IDと、ゲーム空間における配置位置と、初期本陣パラメータ値と、初期所属チームとを格納する。初期所属チームとは、当該本陣12が対戦の開始時に何れのチームの所属とされるかを示すデータである。
【0104】
中間拠点初期設定データ316は、ゲームマップにおいて設定される中間拠点14毎に生成され、当該中間拠点14の中間拠点IDと、ゲーム空間における配置位置と、調整レベル設定テーブル318と、調整度合設定テーブル320と、制圧難易度調整テーブル322とを格納する。
【0105】
キャラクタ初期設定データ324は、ゲームに登場するキャラクタ5に関する初期設定データであり、キャラクタ毎に、種類、レベル、レアリティ値、属性、戦闘能力値等の性状に関する初期値や、攻撃力、防御力等の戦闘パラメータ値の初期値のほか、モデルデータ等の当該キャラクタの定義データを格納する。
【0106】
図20は、プレイデータ340の一例を示す図である。図20によれば、プレイデータ340は、1回のゲームプレイ(対戦)毎に生成され、当該ゲームプレイに関する各種データとして、マッチングデータと、使用マップIDと、プレイ開始日時と、ゲーム開始からの経過時間と、対戦チームデータ342と、中間拠点データ350とを含む。マッチングデータは、当該ゲームに参加するプレーヤ3に関するデータであり、各チームのチームIDに対応付けて、当該チームに所属するプレーヤ3のプレーヤIDを格納する。
【0107】
対戦チームデータ342は、当該ゲームにおいて対戦する各チーム毎に生成され、当該チームのチームIDと、所属キャラクタデータ344と、チーム本陣データ346と、制圧中間拠点リスト348とを含む。
【0108】
所属キャラクタデータ344は、当該チームに所属するキャラクタ5に関するデータであり、キャラクタ毎に、キャラクタIDと、当該キャラクタを操作する操作プレーヤIDと、ゲーム空間における位置と、体力値と、性状(種類、レベル、レアリティ値、属性、戦闘能力値等)に関するデータと、戦闘パラメータ値(攻撃力、防御力等)に関するデータとを格納している。
【0109】
チーム本陣データ346は、当該チームの本陣12に関するデータであり、当該チームに所属するとして設定された本陣12それぞれについて、本陣IDと、本陣パラメータ値とを格納している。この本陣パラメータ値に応じて、本陣ゲージ表示制御部216が、各プレーヤ3の操作端末1500に表示させるゲーム画面における本陣ゲージ20のゲージ値を増減して表示制御する。
【0110】
制圧中間拠点リスト348は、ゲームフィールド10内に設定された中間拠点のうち、当該チームが制圧して自チームに所属している中間拠点14の中間拠点IDのリストである。
【0111】
中間拠点データ350は、ゲームマップに設定されている中間拠点14それぞれについて生成され、当該中間拠点14の中間拠点IDと、制圧状態と、第1チーム制圧条件と、第2チーム制圧条件とを格納する。制圧状態は、当該中間拠点14が何れかのチームに制圧されているか否かを示す制圧フラグや、制圧されている場合の制圧したチームを示す制圧チームID、制圧途中である場合の制圧途中チームを示す制圧途中チームID等を格納する。第1チーム制圧条件は、第1チームが当該中間拠点14を制圧するための制圧条件に関するデータであり、キャラクタ数条件と、時間条件とを含む。第2チーム制圧条件は、第2チームが当該中間拠点14を制圧するための制圧条件に関するデータであり、キャラクタ数条件と、時間条件とを含む。これらの第1チーム制圧条件及び第2チーム制圧条件は、調整制御部222が制圧難易度を調整することで変更された制圧条件である。
【0112】
図21は、操作端末1500の機能構成の一例を示すブロック図である。図21によれば、操作端末1500は、操作入力部502と、画像表示部504と、音出力部506と、通信部508と、端末処理部600と、端末記憶部700とを備える。
【0113】
操作入力部502は、プレーヤ3による各種の操作入力に応じて操作入力信号を端末処理部600に出力する。例えば、タッチパネル、プッシュスイッチやジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、CCDモジュール等によって実現できる。
【0114】
端末処理部600は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現され、操作入力部502や端末記憶部700を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部502からの操作信号、サーバシステム1000からの受信データ等に基づいて各種の演算処理を実行して、操作端末1500の動作を制御する。また、端末処理部600は、端末演算部610と、計時部620と、音生成部626と、通信制御部628とを有する。
【0115】
端末演算部610は、操作信号送信制御部612と、画像表示制御部614とを有し、操作端末1500をサーバシステム1000と通信するクライアント装置としての機能を実現させるための制御を行う。
【0116】
操作信号送信制御部612は、操作入力部502になされた操作に応じて、各種データやリクエストをサーバシステム1000へ送信するための処理を実行する。
【0117】
画像表示制御部614は、サーバシステム1000から受信した各種画像データに基づいてゲーム画面や各種の操作画面等を表示するための制御を行う。そして、それらの画像を表示させるための画像信号を生成し、画像表示部504に出力する。画像表示部504は、画像表示制御部614から入力される画像信号に基づいて各種画像を表示する。例えば、タッチパネル、フラットパネルディスプレイ、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
【0118】
計時部620は、システムクロックを利用して現在日時等の計時を行う。
【0119】
音生成部626は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーディック等によって実現され、ゲームに係る効果音やBGM、各種操作音等の音信号を生成し、音出力部506に出力する。音出力部506は、音生成部626から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を出力する。
【0120】
通信制御部628は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部508を介して外部装置とのデータのやり取りを実現する。通信部508は、通信ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
【0121】
端末記憶部700は、端末処理部600に所与の機能を実現させるためのシステムプログラムや、各種データ等を記憶する。また、端末処理部600の作業領域として用いられ、端末処理部600が各種プログラムに従って実行した演算結果や、操作入力部502からの入力データ等を一時的に記憶する。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現される。本実施形態では、端末記憶部700は、クライアントプログラム702を記憶する。
【0122】
[処理の流れ]
図22は、ゲーム処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、1回のゲームの実行制御に関する処理であり、ゲーム管理部210が実行する。
【0123】
先ず、マッチング制御部212がマッチング処理を行って、ゲームに参加するプレーヤ3のチーム分けを行う(ステップS1)。マッチングの方法は、公知のチーム対戦型のマルチプレイオンラインゲームと同様に実現できる。次いで、ゲーム初期設定データ310に基づき、ゲーム空間におけるゲームフィールド10の構築や各プレーヤ3が操作するキャラクタ5の配置といった初期設定を行う(ステップS3)。続いて、本陣ゲージ表示制御部216が、各プレーヤ3の操作端末1500に表示させるゲーム画面における本陣ゲージ20の表示制御を開始する(ステップS5)。そして、マッチングしたチーム同士の対戦を開始するとともに(ステップS7)、キャラクタ制御部214によるプレーヤ操作に従った各キャラクタ5の制御を開始する(ステップS9)。
【0124】
対戦中は、中間拠点制圧制御部220が、ゲームフィールド10内の中間拠点14それぞれを対象とした繰り返し処理(ループA)を行う。この繰り返し処理(ループA)では、先ず、調整制御部222が、対象の中間拠点14について各チームの制圧難易度の調整を行う(ステップS11)。この制圧難易度の調整は、対象の中間拠点14についての制圧条件の変更、当該チームの戦闘パラメータ値の変更を含む。
【0125】
次いで、各チームについて、当該チームについての制圧条件のうちのキャラクタ数条件を満たすかを判断し、キャラクタ数条件を満たすチームがあるならば(ステップS13:YES)、そのチームを対象の中間拠点14についての制圧途中チームとし、各プレーヤ3のゲーム画面における制圧ゲージ24の表示制御を開始する(ステップS15)。
【0126】
制圧途中チームが時間条件を満たす前にキャラクタ数条件を満たさなくなったならば(ステップS17:NO)、制圧途中チームの設定を解除し、制圧ゲージ24の表示制御を終了する(ステップS19)。また、制圧途中チームが、キャラクタ数条件を満たした状態で所定時間が経過して時間条件を満たしたならば(ステップS17:YES)、制圧途中チームが対象の中間拠点14を制圧したとして、対象の中間拠点14がそのチームに所属すると設定する(ステップS21)。ここまでの処理が、対象の中間拠点14に対する繰り返し処理(ループA)である。
【0127】
全ての中間拠点14それぞれを対象とした繰り返し処理(ループA)を行うと、続いて、対戦開始からの経過時間を判断し、所定の制限時間が経過していないならば(ステップS25:NO)、ステップS9の後に戻る。また、対戦開始から所定の制限時間が経過したならば(ステップS25:YES)、キャラクタ制御部214による各キャラクタ5の制御を終了して(ステップS27)、対戦を終了する(ステップS29)。そして、各チームの本陣パラメータ値等に基づいて勝敗を決定し、ゲーム結果を各プレーヤ3の操作端末1500に表示させる(ステップS31)。以上の処理を行うと、本処理は終了となる。
【0128】
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、チーム対戦ゲームにおいて、状況を変化させ得る仕組みを提供することができる。例えば、各チームの本陣パラメータ値又はこの本陣パラメータに応じて増減するゲージ値が示す本陣の攻略度合に基づき、各チームの劣勢・優勢を判断することができる。そして、劣勢と判断したチームが制圧し易くなるように中間拠点の制圧難易度を調整することで、劣勢のチームによる中間拠点の制圧を支援することができる。つまり、劣勢のチームが不利な状況を打開できるようなチャンスを与える仕組みとすることができる。また、攻略すべき相手チームの本陣ではなく中間拠点の制圧難易度を調整することで、相手チームが優勢な状況を保ちつつ、劣勢のチームに対して、中間拠点を制圧し易くし、制圧した中間拠点を足掛かりとした相手チーム本陣の攻略を、間接的に支援することができる。
【0129】
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0130】
例えば、上述の実施形態では、クライアント・サーバ型のコンピュータシステムであるゲームシステム1においてオンラインゲームを実現する例を挙げたが、複数の操作端末1500をピアツーピア接続したコンピュータシステムにおいて実現するとしてもよい。この場合、何れかの操作端末1500に、上述の実施形態のサーバシステム1000の機能を担わせる。或いは、複数の操作端末1500でゲーム管理部210の機能を分担して担う構成としてもよい。
【0131】
また、上述の実施形態では、ゲームの勝利条件として、先に相手チームの本陣12を攻略したチームを勝ちとし、制限時間を経過した時点でどちらのチームも相手チームの本陣12を攻略できなかった場合には、ゲージ値が多いチームの勝ちとした。しかし、勝利条件を次のようにしてもよい。すなわち、先に相手チームの本陣12を攻略したチームを勝ちとすることは変わらず、制限時間を経過した時点でどちらのチームも相手チームの本陣12を攻略できなかった場合には、制圧した中間拠点14の数が多いチームの勝ちとする。このように勝利条件を変更した場合には、ゲージ値を、制圧した中間拠点14の数に応じて増減させ、ゲーム進捗状況を示すようにしてもよい。
【0132】
また、制圧した中間拠点14の数ではなく、中間拠点14毎に重みの異なる制圧ポイントを配分しておき、制圧ポイントの多いチームを勝ちとすることとしてもよい。この場合、ゲージ値を制圧ポイントの合計に応じて増減させ、ゲーム進捗状況を示すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0133】
1…ゲームシステム
1000…サーバシステム
200…サーバ処理部
202…プレーヤ管理部
210…ゲーム管理部
212…マッチング制御部
214…キャラクタ制御部
216…本陣ゲージ表示制御部
220…中間拠点制圧制御部
222…調整制御部
224…調整度合変更部
300…サーバ記憶部
302…ゲームサーバプログラム
304…配信用クライアントプログラム
310…ゲーム初期設定データ
330…プレーヤ管理データ
340…プレイデータ
1500…操作端末
3…プレーヤ
10…ゲームフィールド
12…本陣
12a…第1チーム本陣、12b…第2チーム本陣
14…中間拠点
16…制圧エリア
5(5a,5b)…キャラクタ
20…本陣ゲージ
20a…第1チーム本陣ゲージ、20b…第2チーム本陣ゲージ
22…経過時間
24…制圧ゲージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16
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図18
図19
図20
図21
図22