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  • 特開-立体空中像表示装置とその方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022030414
(43)【公開日】2022-02-18
(54)【発明の名称】立体空中像表示装置とその方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 30/56 20200101AFI20220210BHJP
   G02B 30/26 20200101ALI20220210BHJP
   G02B 30/33 20200101ALI20220210BHJP
   G03B 35/18 20210101ALI20220210BHJP
   H04N 13/302 20180101ALI20220210BHJP
【FI】
G02B30/56
G02B30/26
G02B30/33
G03B35/18
H04N13/302
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020134447
(22)【出願日】2020-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100129230
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 理恵
(72)【発明者】
【氏名】巻口 誉宗
(72)【発明者】
【氏名】高田 英明
(72)【発明者】
【氏名】川上 徹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 芳人
(72)【発明者】
【氏名】篠井 むつみ
【テーマコード(参考)】
2H059
2H199
5C061
【Fターム(参考)】
2H059AA35
2H199BA07
2H199BA20
2H199BA32
2H199BB02
2H199BB51
5C061AA06
5C061AB14
5C061AB17
(57)【要約】
【課題】両眼視差を有する立体空中像を安いコストで表示する。
【解決手段】観察者Hの右目に映す映像Aを表示する右目用ディスプレイ10と、観察者Hの左目に映す映像Bを表示する左目用ディスプレイ20と、右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20のそれぞれの正面に、焦点距離fの距離離れて並んで配置される2枚の第1凸レンズ11,12と、右目用ディスプレイ10の光と左目用ディスプレイ20の光が、並んで配置される他方の第1凸レンズ11,12に入射しないように遮光する遮光板30と、遮光板30の右目用ディスプレイ10と反対側の延長線上に中心を一致させ、焦点距離fよりも長い焦点距離fと焦点距離fとの和の距離離れて配置され、第1凸レンズ11,12を透過する光の範囲をカバーする直径を持つ第2凸レンズ40とを備え、観察者Hは、第2凸レンズ40を介して両眼視差を有する空中像を観察する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察者の右目に映す映像を表示する右目用ディスプレイと、
前記観察者の左目に映す映像を表示する左目用ディスプレイと、
前記右目用ディスプレイと前記左目用ディスプレイのそれぞれの正面に、焦点距離fの距離離れて並んで配置される2枚の第1凸レンズと、
前記右目用ディスプレイの光と前記左目用ディスプレイの光が、並んで配置される他方の前記第1凸レンズに入射しないように遮光する遮光板と、
前記遮光板の前記右目用ディスプレイと反対側の延長線上に中心を一致させ、前記焦点距離fよりも長い焦点距離fと前記焦点距離fとの和の距離離れて配置され、前記第1凸レンズを透過する光の範囲をカバーする直径を持つ第2凸レンズとを備え、
前記観察者は、前記第2凸レンズを介して両眼視差を有する空中像を観察する立体空中像表示装置。
【請求項2】
前記観察者は、前記第2凸レンズから下記の距離d以上離れて前記空中像を観察する
【数2】
請求項1に記載の立体空中像表示装置。
【請求項3】
立体空中像表示装置が行う立体空中像表示方法であって、
前記立体空中像表示装置は、
観察者の右目に映す映像を表示する右目用ディスプレイと、
前記観察者の左目に映す映像を表示する左目用ディスプレイと、
前記右目用ディスプレイと前記左目用ディスプレイのそれぞれの正面に、焦点距離fの距離離れて並んで配置される2枚の第1凸レンズと、
前記右目用ディスプレイの光と前記左目用ディスプレイの光が、並んで配置される他方の前記第1凸レンズに入射しないように遮光する遮光板と、
前記遮光板の前記右目用ディスプレイと反対側の延長線上に中心を一致させ、前記焦点距離fよりも長い焦点距離fと前記焦点距離fとの和の距離離れて配置され、前記第1凸レンズを透過する光の範囲をカバーする直径を持つ第2凸レンズとを備え、
前記右目用ディスプレイと前記左目用ディスプレイに表示された映像を、2枚の前記第1凸レンズでそれぞれ投影する第1投影ステップと、
前記第1凸レンズを透過した光を前記第2凸レンズで投影する第2投影ステップと、
前記観察者が前記第2凸レンズを介して両眼視差を有する空中像を観察する立体空中像観察ステップと
を行なう立体空中像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体空中像表示装置とその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズによってディスプレイ上に表示された被写体を空中に結像させ、被写体が空中に浮いている空中像として表示する技術が例えば非特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】大川達也、他2名、「結像素子より大きな空中像を表示する対称光学系の提案」、第23回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集、2018年9月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に開示された技術では、ディスプレイ上に表示された映像を空中に結像しているため、空中像に視差がなく、2次元の空中像しか提示できない。そのため、奥行き手かかりの提示が不十分な場合や被写体の立体感を提示したい場合は十分な臨場感を提示することができない。
【0005】
両眼視差を実現するためには、ディスプレイにインテグラルディスプレイ又はレンチキュラレンズなどの裸眼3Dディスプレイを用いる方法が考えられる。しかし、これらの特殊なディスプレイ及び特殊なレンズを用いるとシステムの構成が複雑でコストが高くなるという課題がある。
【0006】
本発明は、この課題に鑑みてなされたものであり、両眼視差を有する立体空中像を安いコストで表示することができる立体空中像表示装置とその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る立体空中像表示装置は、観察者の右目に映す映像を表示する右目用ディスプレイと、前記観察者の左目に映す映像を表示する左目用ディスプレイと、前記右目用ディスプレイと前記左目用ディスプレイのそれぞれの正面に、焦点距離fの距離離れて並んで配置される2枚の第1凸レンズと、前記右目用ディスプレイの光と前記左目用ディスプレイの光が、並んで配置される他方の前記第1凸レンズに入射しないように遮光する遮光板と、前記遮光板の前記右目用ディスプレイと反対側の延長線上に中心を一致させ、前記焦点距離fよりも長い焦点距離fと前記焦点距離fとの和の距離離れて配置され、前記第1凸レンズを透過する光の範囲をカバーする直径を持つ第2凸レンズとを備え、前記観察者は、前記第2凸レンズを介して両眼視差を有する空中像を観察することを要旨とする。
【0008】
また、本発明の一態様に係る立体空中像表示方法は、上記の立体空中像表示装置が行う表示方法であって、前記立体空中像表示装置は、観察者の右目に映す映像を表示する右目用ディスプレイと、前記観察者の左目に映す映像を表示する左目用ディスプレイと、前記右目用ディスプレイと前記左目用ディスプレイのそれぞれの正面に、焦点距離fの距離離れて並んで配置される2枚の第1凸レンズと、前記右目用ディスプレイの光と前記左目用ディスプレイの光が、並んで配置される他方の前記第1凸レンズに入射しないように遮光する遮光板と、前記遮光板の前記右目用ディスプレイと反対側の延長線上に中心を一致させ、前記焦点距離fよりも長い焦点距離fと前記焦点距離fとの和の距離離れて配置され、前記第1凸レンズを透過する光の範囲をカバーする直径を持つ第2凸レンズとを備え、前記右目用ディスプレイと前記左目用ディスプレイに表示された映像を、2枚の前記第1凸レンズでそれぞれ投影する第1投影ステップと、前記第1凸レンズを透過した光を前記第2凸レンズで投影する第2投影ステップと、観察者が前記第2凸レンズを介して両眼視差を有する空中像を観察する立体空中像観察ステップとを行なうことを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、両眼視差を有する立体空中像を安いコストで表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る立体空中像表示装置の構成例を模式的に示す平面図である。
図2図1に示す立体空中像表示装置の具体例を模式的に示す平面図である。
図3図1に示す立体空中像表示装置が行う立体空中像表示方法の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。複数の図面中同一のものには同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る立体空中像表示装置の構成例を模式的に示す平面図である。図1において、上がx(横)方向、左がy(奥行)方向、手前がz(高さ)方向と定義する。
【0013】
図1に示すように、立体空中像表示装置100は、右目用ディスプレイ10、左目用ディスプレイ20、遮光板30、2枚の第1凸レンズ11,12、及び第2凸レンズ40を備える。観察者Hは、第2凸レンズ40を介して両眼視差を有する空中像51,52を観察する。
【0014】
右目用ディスプレイ10は、観察者Hの右目Leに映す映像Aを表示する。右目用ディスプレイ10は、左目用ディスプレイ20のx方向に並んで配置される。
【0015】
右目用ディスプレイ10は、観察者Hの右目Reに映す映像Bを表示する。右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20は、例えば、一つの携帯端末のディスプレイで構成してもよい。
【0016】
例えば、一つの携帯端末の一つのディスプレイを横にして配置し、そのディスプレイの真ん中からx方向を右目用ディスプレイ10とし、-x方向を左目用ディスプレイ20として用いてもよい。もちろん、右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20は、別個のディスプレイで構成しても構わない。
【0017】
2枚の第1凸レンズ11,12は、右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20のそれぞれの正面に、焦点距離fの距離離れて並んで配置される。第1凸レンズ11,12は一般的な凸レンズである。第1凸レンズ11の直径は、右目用ディスプレイ10の幅及び高さに相当する大きさである。第1凸レンズ12の直径を含む形状は、第1凸レンズ11と同じである。
【0018】
遮光板30は、右目用ディスプレイ10の光と左目用ディスプレイ20の光が、並んで配置される他方の第1凸レンズ11,12に入射しないように遮光する。図1に示すように、遮光板30は、右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20の間と、第1凸レンズ11と12の間に配置されるy-z平面を形成する板である。
【0019】
右目用ディスプレイ10から出た一点鎖線で示す平行光は、第1凸レンズ11の焦点F11を通るように屈折する。同様に、左目用ディスプレイ20から出た破線で示す平行光は、第1凸レンズ12の焦点F12を通るように屈折する。
【0020】
第1凸レンズ11の焦点F11を通った光は、第2凸レンズ40に入射する。第1凸レンズ12の焦点F12を通った光は、第2凸レンズ40に入射する。
【0021】
第2凸レンズ40は、右目用ディスプレイ10と反対側の遮光板30の延長線上に中心を一致させ、第1凸レンズ11,12の焦点距離fよりも長い焦点距離fと焦点距離fとの和の距離離れて配置され、第1凸レンズ11,12を透過する光の範囲をカバーする直径を持つ。
【0022】
第2凸レンズ40の遮光板30(y方向)側の焦点F21を通過して第2凸レンズ40に入射した光は、第2凸レンズ40のレンズ軸40jに平行に進む。この第2凸レンズ40のレンズ軸40jに平行に進む観察者H(-y方向)側の光は、焦点F21を通過する右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20の両方の光である。図1において、その平行光を光線αと光線βで表す。
【0023】
他方、第1凸レンズ11の焦点F11を通って第2凸レンズ40に入射した光線γとδは、その平行光(光線αと光線β)と、第2凸レンズ40から観察者H(-y方向)側の焦点距離fの距離離れた位置で交差するように屈折する。つまり、光線γは、第2凸レンズ40の観察者H側の焦点距離fの距離離れた位置で光線αと交差する。また、光線γは、同様に光線βと交差する。
【0024】
第2凸レンズ40のレンズ軸40jと平行な光線α,βと交差した光線γ,δは、交差した後、レンズ軸40jから遠ざかるように直進する。
【0025】
図1において、光線α,β,γ,δで示す光線は無数である。その無数の光線は、第2凸レンズ40から観察者H側に焦点距離fの距離離れた位置で交差する。
【0026】
この第2凸レンズ40の観察者H側の焦点距離fの距離離れた位置で生じる無数の光の交差は、第1凸レンズ12の焦点F12を通って第2凸レンズ40に入射する光についても同様に生じる。第1凸レンズ12側の光(左目用ディスプレイ)については、上記の第1凸レンズ11側(右目用ディスプレイ10)と同じであるので詳しい説明は省略する。
【0027】
このように、右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20から投影された無数の光線が、第2凸レンズ40の観察者H側の焦点距離fの距離離れた位置で交差することにより、その位置に空中像51,52が結像する。空中像51は、右目用ディスプレイ10に表示された映像Aである。空中像52は、左目用ディスプレイ20に表示された映像Bである。よって、観察者Hは、第2凸レンズ40を介して両眼視差を有する空中像を観察することができる。
【0028】
空中像51,52の拡大率はf/fで表せる。よって、空中像51,52は、拡大空中像と称してもよい。
【0029】
観察者Hは、第2凸レンズ40から下記の距離d以上離れて空中像51,52を観察する。
【0030】
【数1】
【0031】
以上説明したように、本実施形態に係る立体空中像表示装置100は、観察者Hの右目に映す映像Aを表示する右目用ディスプレイ10と、観察者Hの左目に映す映像Bを表示する左目用ディスプレイ20と、右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20のそれぞれの正面に、焦点距離fの距離離れて並んで配置される2枚の第1凸レンズ11,12と、右目用ディスプレイ10の光と左目用ディスプレイ20の光が、並んで配置される他方の第1凸レンズ11,12に入射しないように遮光する遮光板30と、遮光板30の右目用ディスプレイ10と反対側の延長線上に中心を一致させ、焦点距離fよりも長い焦点距離fと焦点距離fとの和の距離離れて配置され、第1凸レンズ11,12を透過する光の範囲をカバーする直径を持つ第2凸レンズ40とを備え、観察者Hは、第2凸レンズ40を介して両眼視差を有する空中像を観察する。これにより、両眼視差を有する立体空中像を安いコストで表示することができる。
【0032】
(具体例)
図2は、上記の実施形態の作用効果を確認する目的で、立体空中像表示装置100を具体的に構成した構成例を模式的に示す平面図である。
【0033】
右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20は、一つの携帯端末の4インチディスプレイを用いて構成した。4インチディスプレイの画面サイズは、縦50mm×幅88mmである。画面解像度は1136×640のものを用いた。その4インチディスプレイの画面を2つに分割したので、右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20画面サイズは、それぞれ50mm×44mmである。
【0034】
遮光板30は黒紙を用いた。黒紙の厚みは無視できる。
【0035】
第1凸レンズ11,12は、直径50mm、焦点距離f=75mmの一般的な凸レンズを用いた。
【0036】
第2凸レンズ40は、大口径平凸コンデンサーレンズ(以降、大口径平凸レンズ)40a,40bで構成した。大口径平凸レンズ40a,40bは、直径200mm、焦点距離f=200mmのものを用いた。
【0037】
上記の構成により、大口径平凸レンズ40a,40bの観察者H側の焦点距離fの距離離れた位置でx方向の幅が117.5mmの空中像を形成させた。そして、大口径平凸レンズ40a,40bから距離=734mmの位置にx方向の幅が133mmの右目用の視域と左目用の視域の2つを確認することができた。
【0038】
図2に示すように、右目用の視域と左目用の視域は、それぞれが無限遠5角形視域(ハッチングで示す範囲)を形成する。無限遠5角形視域は、大口径平凸レンズ40a,40bから遠ざかるほどそのレンズ軸40jから離れて行くので観察者Hが立体空中像を観察できる範囲は所定の範囲に限られるが、実用上問題の無いことが確認できた。
【0039】
(立体空中像表示方法)
図3は、上記の立体空中像表示装置100が行う立体空中像表示方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0040】
本実施形態に係る立体空中像表示方法は、立体空中像表示装置100が行う立体空中像表示方法であって、立体空中像表示装置100は、観察者Hの右目に映す映像Aを表示する右目用ディスプレイ10と、観察者Hの左目に映す映像Bを表示する左目用ディスプレイ20と、右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20のそれぞれの正面に、焦点距離fの距離離れて並んで配置される2枚の第1凸レンズ11,12と、右目用ディスプレイ10の光と左目用ディスプレイ20の光が、並んで配置される他方の第1凸レンズ11,12に入射しないように遮光する遮光板30と、遮光板30の右目用ディスプレイ10と反対側の延長線上に中心を一致させ、焦点距離fよりも長い焦点距離fと焦点距離fとの和の距離離れて配置され、第1凸レンズ11,12を透過する光の範囲をカバーする直径を持つ第2凸レンズ40とを備え、右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20に表示された映像A,Bを、2枚の第1凸レンズ11,12でそれぞれ投影する第1投影ステップ(ステップS1)と、第1凸レンズ11,12を透過した光を第2凸レンズ40で投影する第2投影ステップ(ステップS2)と、観察者が第2凸レンズ40を介して両眼視差を有する空中像を観察する立体空中像観察ステップ(ステップS3)とを行なう。これにより、両眼視差を有する立体空中像を安いコストで表示することができる。
【0041】
以上説明したように本実施形態に係る立体空中像表示装置100とその方法によれば、一般的な凸レンズを組み合わせた簡単で且つ低コストな構成で、両眼視差を有する立体空中像を表示することができる。
【0042】
なお、立体空中像が観察できる位置は、上記の距離dのピンポイントの位置に限られない。第1凸レンズ11,12及び第2凸レンズ40の焦点深度の範囲で、奥行き(y)方向に幅を持って立体空中像を観察することができる。
【0043】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形が可能である。右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20は、一つの携帯端末のディスプレイを分割して用いる例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。右目用ディスプレイ10と左目用ディスプレイ20は、別々のディスプレイで構成してもよい。
【0044】
また、具体例で示した大口径平凸レンズ40a,40bは、一般的な凸レンズで構成しても構わない。
【0045】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明指定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0046】
10:右目用ディスプレイ
11:第1凸レンズ
12:第2凸レンズ
20:左目用ディスプレイ
30:遮光板
40:第2凸レンズ
51,52:空中像(拡大空中像)
H:観察者
図1
図2
図3