(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034183
(43)【公開日】2022-03-03
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20220224BHJP
【FI】
G01N35/00 A
G01N35/00 C
G01N35/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020137856
(22)【出願日】2020-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 巧
(72)【発明者】
【氏名】常盤 弘二
(72)【発明者】
【氏名】藪谷 千枝
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058CE05
2G058GB10
2G058GC08
2G058GD02
2G058GD03
2G058GD05
2G058GD06
2G058GE08
2G058GE09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】キャリブレーションの運用パターンによらず、シンプルな操作でボトルセットに対するキャリブレーション測定方法を設定可能とし、オペレータの作業負担を軽減する。
【解決手段】分析項目ごとに使用する試薬について保持された試薬容器の組み合わせであるボトルセットを抽出し、抽出されたボトルセットがリスト表示されたボトルセットリストを含むキャリブレーション状況画面を表示する手順S01と、ボトルセットごとのキャリブレーション測定方法の選択論理を定めた一括依頼設定テーブルを記憶し、オペレータの指示を受け、ボトルセットリスト中のボトルセットごとに一括依頼設定テーブルの選択論理に一致するキャリブレーション測定方法を設定する手順S06を含む、自動分析装置。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの試薬に対して複数の試薬容器を保持可能な自動分析装置であって、
演算部とデータ記憶部とを有するコンピュータと、
前記コンピュータに接続される出力部とを有し、
前記演算部は、分析項目ごとに使用する試薬について保持された試薬容器の組み合わせであるボトルセットを抽出し、前記出力部に抽出されたボトルセットがリスト表示されたボトルセットリストを含むキャリブレーション状況画面を表示し、
前記データ記憶部は、前記ボトルセットごとのキャリブレーション測定方法の選択論理を定めた一括依頼設定テーブルを記憶し、
前記演算部は、オペレータの指示を受け、前記ボトルセットリスト中の前記ボトルセットごとに前記一括依頼設定テーブルの選択論理に一致するキャリブレーション測定方法を設定する自動分析装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記キャリブレーション状況画面には、キャリブレーション測定方法を個別に選択する設定ボタンを含み、
前記ボトルセットリストにおいて前記一括依頼設定テーブルにしたがって設定されたキャリブレーション測定方法は、前記設定ボタンにより個別に修正可能である自動分析装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記キャリブレーション状況画面には、前記一括依頼設定テーブルを修正するための一括依頼設定編集ボタンを含み、
前記出力部は、前記一括依頼設定編集ボタンの押下を受けて、前記一括依頼設定テーブルの内容を修正するキャリブレーション一括依頼設定画面を表示する自動分析装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記一括依頼設定テーブルの選択論理は、前記ボトルセットの使用優先度または前記ボトルセットの検量線が当該ボトルセットのキャリブレーション測定により作成されたものか否かに基づいて、所定のキャリブレーション測定方法を選択する自動分析装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記データ記憶部は、複数の前記一括依頼設定テーブルを記憶し、
前記演算部は、前記ボトルセットリスト中の前記ボトルセットごとに、前記キャリブレーション状況画面においてオペレータにより選択された前記一括依頼設定テーブルの選択論理に一致するキャリブレーション測定方法を設定する自動分析装置。
【請求項6】
1つの試薬に対して複数の試薬容器を保持可能な自動分析装置であって、
演算部とデータ記憶部とを有するコンピュータを有し、
前記演算部は、分析項目ごとに使用する試薬について保持された試薬容器の組み合わせであるボトルセットを抽出し、
前記データ記憶部は、自動分析装置に所定のイベントが発生したときにキャリブレーションを実行するときの、前記ボトルセットごとのキャリブレーション測定方法の選択論理を定めた自動依頼設定テーブルを記憶し、
前記演算部は、前記所定のイベントの発生を受け、前記自動依頼設定テーブルの選択論理に一致するキャリブレーション測定方法により、キャリブレーションを行うボトルセットに対するキャリブレーション測定を依頼する自動分析装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記所定のイベントとして、試薬容器の交換、新規登録または再登録である試薬交換、前回のキャリブレーション測定から所定の時間が経過したタイムアウト、コントロール検体の測定を実施した結果が閾値を超えたQC失敗を含む自動分析装置。
【請求項8】
請求項6において、
前記自動依頼設定テーブルの選択論理は、前記ボトルセットの使用優先度または前記ボトルセットの検量線が当該ボトルセットのキャリブレーション測定により作成されたものか否かに基づいて、所定のキャリブレーション測定方法を選択する自動分析装置。
【請求項9】
1つの試薬に対して複数の試薬容器を保持可能な自動分析装置であって、
演算部とデータ記憶部とを有するコンピュータと、
前記コンピュータに接続される出力部とを有し、
前記演算部は、分析項目ごとに使用する試薬について保持された試薬容器の組み合わせであるボトルセットを抽出し、前記出力部に抽出されたボトルセットがリスト表示されたボトルセットリストを含む精度管理状況画面を表示し、
前記データ記憶部は、前記ボトルセットごとのコントロール測定方法の選択論理を定めた一括依頼設定テーブルを記憶し、
前記演算部は、オペレータの指示を受け、前記ボトルセットリスト中の前記ボトルセットごとに前記一括依頼設定テーブルの選択論理に一致するコントロール測定方法を設定する自動分析装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記ボトルセットリストには、前記ボトルセットとコントロール測定との組み合わせで表示される自動分析装置。
【請求項11】
請求項9において、
前記精度管理状況画面には、コントロール測定方法を個別に選択する設定ボタンを含み、
前記ボトルセットリストにおいて前記一括依頼設定テーブルにしたがって設定されたコントロール測定方法は、前記設定ボタンにより個別に修正可能である自動分析装置。
【請求項12】
請求項9において、
前記精度管理状況画面には、前記一括依頼設定テーブルを修正するための一括依頼設定編集ボタンを含み、
前記出力部は、前記一括依頼設定編集ボタンの押下を受けて、前記一括依頼設定テーブルの内容を修正するコントロール一括依頼設定画面を表示する自動分析装置。
【請求項13】
請求項9において、
前記一括依頼設定テーブルの選択論理は、前記ボトルセットの使用優先度または前記ボトルセット自身によりコントロール測定されたか否かに基づいて、前記ボトルセットごとのコントロール測定方法を定める自動分析装置。
【請求項14】
請求項9において、
前記データ記憶部は、複数の前記一括依頼設定テーブルを記憶し、
前記演算部は、前記ボトルセットリスト中の前記ボトルセットごとに、前記精度管理状況画面においてオペレータにより選択された前記一括依頼設定テーブルの選択論理に一致するコントロール測定方法を設定する自動分析装置。
【請求項15】
請求項9において、
前記ボトルセットリストにおいて、依頼無効が登録されたボトルセットに対しては、マニュアルでのコントロール測定依頼または自動でのコントロール測定依頼が強制的にキャンセルされる自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液、尿等の生体サンプルの定性・定量分析を行う臨床検査用の自動分析装置に係り、特に、1つの試薬に対して複数の試薬容器を保持可能な自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床検査用の分析装置では、血液や尿などの試料を、試料分注機構によって試料容器から反応容器に分注し、試料を分注した反応容器に、試薬容器から試薬分注機構によって試薬を分注し、攪拌する。その後、一定の時間反応させ、反応液から得られる吸光度や発光量などを測定することで、試料中に含まれる対象項目の濃度演算を行っている。
【0003】
1つの項目について分析するために試薬容器を複数使用する場合、試料分注から試薬分注までの時間によって、第1試薬容器、第2試薬容器、第3試薬容器・・・のように分類される。このように分類された試薬容器について、第1試薬容器のみ使用する場合、第1試薬容器と第2試薬容器とを使用する場合、第1試薬容器と第3試薬容器とを使用する場合、第1~第3試薬容器を使用する場合など、分析項目によって、単独または種々の組み合わせのパターンが発生しうる。
【0004】
ここで、第1試薬容器と第2試薬容器とを使用する分析項目があるとし、自動分析装置には、第1試薬容器と第2試薬容器とは、それぞれ複数本ずつ搭載できるものとする。例えば、装置に第1試薬容器を2本、第2試薬容器を3本設置して、「試薬登録」を依頼すると、装置は、各試薬容器に貼られたバーコードを読み取り、各試薬容器を認識する。さらに、装置は、分析で使用する試薬容器の組み合わせを算出する。この場合であれば、第1試薬容器は2本、第2試薬容器は3本あるので、可能な組み合わせパターン(以下、「ボトルセット」ということがある)は、6(=2×3)通りである。
【0005】
血液、尿等の生体サンプルの定性・定量分析を行うためには、予め複数の既知の濃度に調整した標準液試料(以下、「キャリブレータ」と記載する)を、ボトルセットごとに、該当する試薬容器の試薬を使用して分析し、濃度と吸光度、または濃度と発光量の関係式(以下、「検量線」と記載する)を求めておく必要がある。こうして測定された検量線データはボトルセットごとに記憶される。
【0006】
また、記憶された検量線が適正であることを確認するため、既知濃度の試料(以下、「コントロール」と記載する)を、当該ボトルセットを使用して分析する。当該ボトルセットの検量線データを使用して測定値(コントロールの濃度)を算出した結果が、予め定められた閾値以内であれば、検量線データは適正であるとみなされる。
【0007】
以下では、検量線データを作成することをキャリブレーション、検量線が適正であることを確認することをコントロール測定と記載する。また、他の単語と組み合わせた名称として、キャリブレーションの省略である「キャリブ」を用いる場合がある。
【0008】
仮に、自動分析装置が、1つの分析項目に対して1つのボトルセットしか持っていなければ、複数の患者検体を分析するルーチンワークの途中で、当該ボトルセットを使い切り、次のボトルセットを使用する(「チェンジオーバー」という)ときに、この新たなボトルセットについてキャリブレーションとコントロール測定とを割り込ませて実行する必要がある。このため、ルーチンワーク中に時間的なロスが発生する。
【0009】
特許文献1は、1つの分析項目について現時点で使用されるボトルセットだけではなく、チェンジオーバー後に使用される可能性のある複数のボトルセットに対しての検量線データを取得できるように構成し、各々のボトルセットに対するキャリブレーションの測定、及びコントロールの測定をルーチンワークの開始前に予め実施しておき、ルーチンワーク中のチェンジオーバーにかかる時間的なロスを解消する自動分析装置について開示する。
【0010】
特許文献2では、特許文献1と同様に、現時点および将来にて使用される複数のボトルセットの各々に対して検量線データを取得できるように構成するとともに、試薬交換、前回のキャリブレーション実施から一定時間を経過、コントロール検体の測定結果不良などの所定の条件に該当する場合を考慮してキャリブレーション、コントロール測定の実施スケジュール表を自動的に作成する機能を備えた自動分析装置について開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2013-217741号公報
【特許文献2】特開2009-168730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
検量線データを作成するためのキャリブレーション測定方法には種々の種類があり、検量線の特徴(直線、非直線)、ボトルセットの検量線がキャリブレータの測定により求められたものか、他のボトルセットから引き継がれたものか、検量線の全体を作成しなければならないのか、検量線の一部区間を更新すればよいのか、といった状況に応じて、キャリブレーション測定方法を選択する運用がなされている。
【0013】
キャリブレーションは分析項目ごとに使用する試薬の組み合わせで実施され、さらに測定に必要な試薬の試薬容器が複数本あらかじめ装置に保持されている自動分析装置では、キャリブレーションを試薬容器の組み合わせごとに実施する必要がある。実際の運用においては、分析項目の試薬の性質によって、現在使用中のボトルセットの検量線データの一部または全てを、待機中のボトルセットに継承させ、キャリブレーションのための測定点数を減らすことも行われる。例えば、待機中のボトルセットが使用中のボトルセットと同一ロットであれば、使用中のボトルセットのキャリブレーションをそのまま引き継いでも問題は生じない。このように、検査精度上、必要な範囲に絞り込んでキャリブレーション測定を実施することで、キャリブレーションにかかる費用やコストを低減させることができる効果がある。
【0014】
しかしながら、特許文献1、2では、自動分析装置が分析項目ごとに複数のボトルセットを保持している場合において、複数のボトルセットに対してキャリブレーションの測定方法を異ならせて設定する運用を行おうとしても、複数のボトルセットについて効率的にキャリブレーション測定方法を指定する手段がない。分析項目、1つの分析に用いる試薬の種類、装置が保持する試薬容器の数が増えるほど、キャリブレーション測定方法を設定する必要のあるボトルセットの数が増大し、オペレータにとっては大変な作業になり、誤入力の要因にもなり得る。
【0015】
本発明では、1つの分析項目に係る複数のボトルセットに対して異なるキャリブレーション測定方法を設定する運用がなされる場合であっても、シンプルな操作で設定可能とし、オペレータの作業負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一実施の態様である、1つの試薬に対して複数の試薬容器を保持可能な自動分析装置は、演算部とデータ記憶部とを有するコンピュータと、コンピュータに接続される出力部とを有し、演算部は、分析項目ごとに使用する試薬について保持された試薬容器の組み合わせであるボトルセットを抽出し、出力部に抽出されたボトルセットがリスト表示されたボトルセットリストを含むキャリブレーション状況画面を表示し、データ記憶部は、ボトルセットごとのキャリブレーション測定方法の選択論理を定めた一括依頼設定テーブルを記憶し、演算部は、オペレータの指示を受け、ボトルセットリスト中のボトルセットごとに一括依頼設定テーブルの選択論理に一致するキャリブレーション測定方法を設定する。
【0017】
また、本発明の他の一実施の態様である、1つの試薬に対して複数の試薬容器を保持可能な自動分析装置は、演算部とデータ記憶部とを有するコンピュータを有し、演算部は、分析項目ごとに使用する試薬について保持された試薬容器の組み合わせであるボトルセットを抽出し、データ記憶部は、自動分析装置に所定のイベントが発生したときにキャリブレーションを実行するときの、ボトルセットごとのキャリブレーション測定方法の選択論理を定めた自動依頼設定テーブルを記憶し、演算部は、所定のイベントの発生を受け、自動依頼設定テーブルにしたがったキャリブレーション測定方法により、キャリブレーションを行うボトルセットに対するキャリブレーション測定を依頼する。
【発明の効果】
【0018】
様々なキャリブレーションの運用パターンによらず、オペレータはシンプルな操作で各ボトルセットに対するキャリブレーション測定方法を設定でき、オペレータの作業負担を軽減できる。
【0019】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】一括依頼設定テーブルのデータ構造を示す図である。
【
図6】実施例1のキャリブレーション測定一括依頼フローのフローチャートである。
【
図7A】分析項目Aのボトルセットについての一括依頼設定テーブルである。
【
図7B】ボトルセットリスト(抜粋)の表示内容の変化について説明する図である。
【
図9】自動依頼設定テーブルのデータ構造を示す図である。
【
図10】実施例2のキャリブレーション測定自動依頼フローのフローチャートである。
【
図13】コントロール一括依頼設定画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して説明する。
【0022】
図3を用いて、自動分析装置の全体構成について説明する。自動分析装置100は、主として、試料ディスク101、反応ディスク104、試料分注機構106、試薬ディスク107、試薬分注機構110、音波照射機構111、攪拌機構112、測光機構114、反応容器洗浄機構115、全体制御部121を有している。試料ディスク101には、試料102を収容する試料容器103がその同心円状に配置されている。反応ディスク104には、反応容器202がその同心円状に配置されるとともに、配置された反応容器202は恒温槽循環液体113によって一定温度に保たれている。試薬ディスク107には、種々の試薬108を収容する試薬容器109がその同心円状に配置されている。
【0023】
全体制御部121は、制御回路116、測光回路117、コンピュータ118を備え、コンピュータ118には、入力部119(例えば、ポインティングデバイス、キーボード、等)、測定結果や各種操作に係るグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)等を表示する出力部120が接続されている。なお、
図3の例では、全体制御部121の制御回路116が各々の構成部と接続され、装置全体を制御する構成となっているが、構成部ごとに独立した制御部を備えるように構成することもできる。
【0024】
自動分析装置100による分析は、主に以下のように実施される。まず、試料ディスク101に設置された試料102が試料容器103から、反応ディスク104上の反応容器202に、試料分注機構106により分注される。その後、試料102が収容された反応容器202は、反応ディスク104の回転動作により、試薬分注位置まで移動し、試薬分注機構110が、分析に使用する試薬108を試薬容器109から試料102の入った反応容器202へと分注する。反応容器202内に収容された試料102と試薬108との混合液を反応液122という。続いて、音波照射機構111により反応容器202内の反応液122が脱気された後、攪拌機構112により反応容器202内の反応液122の攪拌が行われる。反応容器202は反応ディスク104の下部に満たされた恒温槽循環液体113によって、一定の温度、例えば37℃に保たれており、反応の促進と反応の進行の安定化が図られている。
【0025】
反応容器202内の反応液122は、反応ディスク104の回転動作に伴い、測光機構114を通過するときにその光学特性変化が測光回路117を介して測定される。このようにして得られた測光データは、コンピュータ118に送られ、コンピュータ118内の演算部123によって、試料中の対象成分の濃度が求められるとともに、得られたデータはデータ記憶部124に記憶され、出力部120に結果が表示される。反応後の反応容器202は、反応容器洗浄機構115により洗浄され、次の反応に繰り返し使用される、あるいは、図示しない反応容器廃棄部に廃棄される。
【0026】
次に、
図3に示したような自動分析装置にボトルセットを設定するまでの処理について説明する。ここでは、第1試薬容器、第2試薬容器を使用して試料濃度を測定する、ある分析項目(項目名TEST1)を例として説明する。
【0027】
本処理は、例えば、装置の一日の運用開始時に実行される。オペレータは、当日の装置の検査予定に応じて必要な試薬容器を装置に投入する。検査予定から推定される試薬の使用量によっては、装置は同じ試薬の試薬容器を複数本保持することが必要になる。ここで、分析項目TEST1で使用する第1試薬に係る第1試薬容器、第2試薬に係る第2試薬容器がそれぞれ2本ずつ試薬ディスク107に設置されたとする。これらを区別する場合、各試薬容器を「第1試薬容器1」、「第1試薬容器2」、「第2試薬容器1」、「第2試薬容器2」と呼ぶものとする。
【0028】
オペレータが入力部119から試薬残量登録を自動分析装置100に指示すると、自動分析装置100は、試薬分注機構110、試薬ディスク107を駆動させて、各試薬容器の試薬残量を算出する。自動分析装置100は、各試薬容器の試薬残量が1回以上分析で使用可能な状態(残テスト数1回以上)である場合、当該試薬容器を使用可能と認識し、分析で使用する試薬容器の組み合わせに応じたボトルセットを装置に登録する(試薬ペアリング処理という)。
【0029】
この場合、第1試薬容器、第2試薬容器ともに2本ずつ保持されているため、ボトルセット1:[第1試薬容器1,第2試薬容器1]、ボトルセット2:[第1試薬容器1,第2試薬容器2]、ボトルセット3:[第1試薬容器2,第2試薬容器1]、ボトルセット4:[第1試薬容器2,第2試薬容器2]が登録される(鍵括弧は、試薬容器の組み合わせを示す)。
【0030】
ここで、ボトルセットは、ボトルセット1~4(昇順)に使用するものとするため、各ボトルセットの試薬容器の組み合わせも試薬容器の使用優先度にしたがって決定する。この例は、第1試薬容器1は第1試薬容器2よりも使用優先度が高く、第2試薬容器1は第2試薬容器2よりも使用優先度が高い場合の例である。また、ボトルセットは後述する操作画面上では、最初に使用するボトルセットから順に、「使用中」、「待機1」、「待機2」、「待機3」と表示される。ここでは、分析項目TEST1についてボトルセットの設定までの処理について説明したが、装置が実行する他の分析項目についても、搭載された試薬について、同様にボトルセットの設定が行われる。
【0031】
同じ試薬であっても、試薬容器によって濃度等のわずかな違いにより同じ検量線データでは正しい結果が得られない。すなわち、分析にあたってはボトルセットごとの検量線データを用いる必要があり、したがってキャリブレーションはボトルセットごとに行う必要がある。キャリブレーションの測定方法には複数あり、ボトルセットごとに適切な測定方法を設定して行うことになる。
【0032】
例えば、非直線の検量線を新たに作成する場合には、濃度の異なるキャリブレータ(例えば、濃度の低いキャリブレータから標準液1、標準液2、標準液3、・・・標準液Nとする)を3以上測定して検量線を作成する「全点キャリブレーション」を適用する。検量線が直線であれば、全点キャリブレーションの他、標準液1だけを用いて検量線を作成する「ブランクキャリブレーション」、標準液1ともう1つ濃度の異なるキャリブレータを用いて検量線を作成する「2ポイントキャリブレーション」が適用できる。これに対して、新たに作成するのではなく、他のボトルセットで算出した検量線を引き継ぎ、検量線データの一部を更新することによって当該ボトルセットの検量線データとすることもできる。この場合、上述の「ブランクキャリブレーション」、「2ポイントキャリブレーション」の他、標準液1以外のキャリブレータを1つ用いて検量線の一部を算出する「スパンキャリブレーション」が適用できる。オペレータには、ボトルセットごとのキャリブレーションをどの測定方法を適用して実行するか、分析項目の試薬の性質に応じて設定することが求められる。
【実施例0033】
実施例1では、オペレータが装置に登録された分析項目ごとのボトルセットに対して、キャリブレーションの測定方法を設定して実行する。
【0034】
図4に、オペレータが自動分析装置に対してキャリブレーションの依頼を行うキャリブ(キャリブレーション)状況画面501を示す。状況画面501のボトルセットリスト502には装置が保持しているボトルセットがリスト表示される。本画面では、リスト502の任意の行を選択して、選択した行のボトルセットのキャリブレーションを依頼するのみならず、使用可否を設定したり、キャリブレーションの測定状況を確認したりできるようになっている。以下に、キャリブ状況画面501の構成について説明する。ボトルセットリスト502における行の選択は1行ごと、あるいは複数行同時に選択することも可能である。
【0035】
状況画面501の下側に配置されているボタンは主に、ボトルセットの使用可否設定、あるいはキャリブレーションの測定状況の確認のために設けられているボタンである。
【0036】
QCマスク設定ボタン505は、コントロール測定結果に基づくマスク設定/解除に使用される。選択されたボトルセットのコントロール測定の結果が閾値を超えていれば、検量線データが不適正であることになる。この場合、QCマスク設定を行い、この場合、当該ボトルセットは、患者検体の測定に使用することはできず、キャリブレーション測定、コントロール測定についてのみ使用することができる。
【0037】
キャリブマスク設定ボタン506は、キャリブレーション失敗に基づくマスク設定/解除に使用される。選択されたボトルセットのキャリブレーションに失敗した場合、キャリブマスク設定を行い、この場合、当該ボトルセットは、患者検体の測定、コントロール測定に使用することはできず、キャリブレーション測定についてのみ使用することができる。
【0038】
キャリブレーション測定の結果は装置に蓄積されている。キャリブトレースボタン507、キャリブ結果ボタン508、反応過程モニタボタン509は蓄積されたキャリブレーション測定の結果をオペレータが確認するためのものである。具体的には、キャリブトレースボタン507を押下することにより、選択されたボトルセットについて、測定日付とキャリブレーション測定結果とをトレースして表示する画面が開かれる。キャリブ結果ボタン508を押下することにより、選択されたボトルセットの最新のキャリブレーション測定の結果を表示する画面が開かれる。反応過程モニタボタン509を押下することにより、選択されたボトルセットの最新のキャリブレーション測定の反応過程の光量を表示する画面が開かれる。
【0039】
一方、状況画面501の右側には主に、ボトルセットのキャリブレーション測定依頼のためのボタンが設けられている。選択コンボボックス503及び一括依頼ボタン504はあらかじめ定められた条件にしたがって、各ボトルセットに対して測定方法を一括設定するためのものである。詳細は後述するが、一括依頼ボタン504を押下することにより、ボトルセットリスト502にリストアップされたボトルセットに対して一括してキャリブレーション測定方法を設定することができる。
【0040】
設定ボタン307~311は一括設定された測定方法を個別に修正するために用いる。すなわち、設定ボタン307~311は選択されたボトルセットのキャリブレーション測定方法を、それぞれブランクキャリブレーション(307)、2ポイントキャリブレーション(308)、全点キャリブレーション(309)、スパンキャリブレーション(310)、依頼しない(311)に変更するために用いる。なお、一括依頼することなく、最初からこれらのボタンを用いてボトルセットごとのキャリブレーション測定方法を個別に設定することも可能である。
【0041】
登録ボタン514を押下することにより、設定した内容が装置に記憶され、その内容でボトルセットごとのキャリブレーションの依頼が実行される。
【0042】
また、一括依頼設定編集ボタン510は、一括依頼ボタン504を押下したときに登録される測定方法の内容を変更したい場合に用いる。これについても後述する。
【0043】
続いて、ボトルセットリスト502の各欄について説明する。試薬位置502aは、当該ボトルセットの試薬容器が搭載されている試薬ディスク107上の位置を示す。なお、左側の数字が第1試薬容器の位置、右側の数字が第2試薬容器の位置を示している。項目名502bは、分析項目の名称であり、使用状況502cはボトルセットの使用優先度を示す。以上の情報より、例えば、2つの試薬を使用する分析項目TEST1には4つのボトルセットが登録されていることが分かる。試薬ロット502dは、ボトルセットを構成する試薬容器のロット番号である。ロット番号が同じ試薬ボトルの試薬は完全に同一とみなせるので、キャリブレーション測定方法の選択にも影響を与える。キャリブ継承502eには、当該ボトルセットの検量線の継承元についての情報が示される。「ボトル」は当該ボトルセットの過去のキャリブレーション測定から、「ロット」は当該ボトルセットと同じロットのボトルセットのキャリブレーション測定から、「項目」はロットの異なるボトルセットのキャリブレーション測定から検量線を継承していることを示す。本欄は装置に搭載されたボトルセットについて、何らかのボトルセットから検量線を継承する仕組みを採用しているために設けられている欄であり、オペレータはこの情報を踏まえて、測定方法を見直すことが可能になっている。
【0044】
ボトルセットリスト502には、今後実施予定の分析項目について、装置に搭載されたボトルセットの全てが表示される。状況画面501表示のタイミングまでに消費されてしまったボトルセットはボトルセットリスト502から削除され、残るボトルセットについて使用状況502cが繰り上げられていく。
【0045】
後述する一括依頼の仕組みがなければ、オペレータは、ボトルセットリスト502に表示されるボトルセットの全てについて、キャリブレーション測定方法を逐一設定することになる。これはオペレータにとって負担となる。同じ分析項目(例えばTEST1)のボトルセットであっても、すべて同じ測定方法を選択するとは限らない。分析項目によっては、「使用中」のボトルセットでは全点キャリブレーションを行うものの、「待機1」のボトルセットでは測定するキャリブレータを減らしたキャリブレーションで問題なく、例えばブランクキャリブレーションを選択する、あるいはキャリブレーション測定を依頼しないという選択もありうる。特に、設定しなければならないボトルセットの数は、分析項目が増え、分析項目に使用する試薬の種類が増え、装置に搭載される試薬容器の本数が増えることで、増大し、オペレータの負担はさらに増大する。
【0046】
このようなオペレータの負担を軽減するため、本実施例では、ボトルセットのキャリブレーション測定方法の選択論理をあらかじめ定めておき、選択論理に一致するボトルセットに対して測定方法を一括設定する。具体的には、ある分析項目についてのボトルセットを2つの条件を用いて分類し、分類ごとにキャリブレーション測定方法をあらかじめ定めておく。設定された選択論理は、例えば自動分析装置の据え付け時に決定し、コンピュータ118のデータ記憶部124に記憶させておく。オペレータが状況画面501の一括依頼ボタン504を押下することにより、演算部123は、ボトルセットリスト502にリストアップされたボトルセットのそれぞれについて、データ記憶部124に記憶された選択論理に一致するキャリブレーション測定方法を設定する。
【0047】
選択論理に用いる2つの分類は、「使用状況」と「測定状況」である。「使用状況」分類は、ボトルセットを「使用中セット」(使用状況502cが「使用中」のボトルセット)とそれ以外の「待機セット」(使用状況502cが「待機1」、「待機2」・・のボトルセット)とに分類する。「測定状況」分類は、「使用状況」で分類したボトルセットをさらに、「結果あり」(ボトルセット自身の試薬でキャリブレーション測定を実施したもの)と「結果なし」(ボトルセット自身の試薬ではキャリブレーション測定を実施していないもの、すなわち他のボトルセットの検量線を継承したもの)とに分類するものである。
【0048】
ボトルセットの分類に応じて定めたキャリブレーション測定方法を、一括依頼設定データベースとしてデータ記憶部124に登録している。一括依頼設定データベースに登録される一括依頼設定テーブル401のデータ構造を
図2に示す。自動分析装置の一日の稼働傾向には複数のパターンがある場合がある。そのような場合に、装置の稼働傾向に応じてキャリブレーション測定方法の設定内容も変えられるよう、一括依頼設定データベースには複数の一括依頼設定テーブルが登録できるようになっている。一括依頼設定テーブル401は、テーブル名401a、項目名401b、使用状況401c、測定状況401d、測定方法401eを含む。
【0049】
図6に実施例1のキャリブレーション測定一括依頼フローを示す。まず、オペレータはキャリブ状況画面(
図4)を開く(S01)。このとき、装置が保持する残テスト数1回以上の試薬容器について、分析項目ごとのボトルセットがボトルセットリスト502に表示される。選択コンボボックス503から一括依頼設定テーブルをそのテーブル名401aにより選択し(S02)、一括依頼ボタン504を押下する(S03)。
【0050】
演算部123は、ボトルセットリスト502の各ボトルセットについて、分析項目、使用状況、キャリブレーション測定状況を取得し(S04)、一括依頼設定テーブルに対して、分析項目、使用状況、測定状況が一致する行を検索し(S05)、ボトルセットに対して一括依頼設定テーブルに登録されたキャリブレーション測定方法を設定する(S06)。ステップS04~S06を、ボトルセットリスト502の全ボトルセットが設定済みとなるまで繰り返す(S07)。
【0051】
図5に、
図4のキャリブ状況画面501のボトルセットリスト502の全ボトルセットについて、キャリブレーション測定方法が設定された後の画面を示す。ボトルセットリスト502の要因502f、測定方法502gの情報が追加されている。要因502fは、キャリブレーション測定方法が設定されたトリガを示すものであり、実施例1ではオペレータが任意のタイミングで設定したものであるため、「マニュアル」が表示されている。測定方法502gにはテーブル名「通常営業日」の一括依頼設定テーブルにしたがって設定されたキャリブレーション測定方法が表示されている。オペレータは一括設定された測定方法に対して、設定ボタン307~311を用いて測定方法を変更してもよい。その後、オペレータが登録ボタン514を押下することで、ボトルセットリスト502に登録された測定方法によるキャリブレーション測定が依頼される。
【0052】
ボトルセット個々のキャリブレーション測定方法ではなく、一括依頼設定テーブルの内容を修正することも可能である。この場合、
図4(
図5)の一括依頼設定編集ボタン510を押下することにより、
図1のキャリブ(キャリブレーション)一括依頼設定画面301が表示される。
【0053】
設定画面301の左側の一括依頼設定テーブルリスト302には、装置の一括依頼設定データベースに登録されている一括依頼設定テーブルがリスト表示される。選択ボックス303で、一括依頼設定テーブルリスト302中の「通常営業日」テーブルを選択すると、分析項目ごとの測定方法リスト304が表示される。測定方法リスト304に表示される内容は、
図2に示した一括依頼設定テーブルの内容である。
【0054】
測定方法リスト304において、測定方法を修正したい分析項目を単一、または複数行選択し、修正したい測定方法が「使用中セット」の「結果なし」であれば、使用状況コンボボックス305で「使用中」、測定状況コンボボックス306で「結果なし」を選択し、希望のキャリブレーション測定方法(ブランク、2ポイント、全点、スパン)に該当する設定ボタン307~310のいずれかを押下する。他の分析項目についても同様である。修正後、登録ボタン314を押下すると、一括依頼設定テーブルの内容が更新される。
【0055】
なお、一括依頼設定テーブルは2つの分類に基づきキャリブレーション測定方法を決定するようになっているが、これに限られない。いずれか1つの分類に基づき設定するものであっても、3つ目以降の分類を設定してもよい。また、分類によりボトルセットを2つに切り分けるのに限られず、3以上に切り分けるものであっても構わない。
【0056】
ある一日において、オペレータが本実施例の一括依頼設定機能を用いて、何回かキャリブレーション測定の依頼を行ったときの変化を
図7A,Bに示す。この例では分析項目Aのボトルセットを対象としており、分析項目Aは第1試薬、第2試薬を使用し、装置にはオペレーション開始時(その日の朝)に、それぞれ2本ずつの試薬容器が保持されているとする。分析項目Aのボトルセットについての一括依頼設定テーブルを
図7Aに示す。
【0057】
図7Bにボトルセットリスト502(ただし、項目502a,502c,502e、502gの抜粋)への表示内容の変化を示す。
【0058】
ボトルセットリスト701は、試薬ペアリング処理が終了した段階での表示である。4つのボトルセットがリスト表示される。いずれもロットの異なるボトルセットのキャリブレーション測定から検量線を継承しているため、キャリブ継承が「項目」となっている。
【0059】
この状態で一括依頼ボタンを押下することにより、
図7Aの一括依頼設定テーブルにしたがい、各ボトルセットについて測定方法が設定される。このときの表示が、ボトルセットリスト702である。いずれのボトルセットについてもキャリブレーション測定が行われていないので、「結果なし」の測定方法が設定される。
【0060】
ボトルセットリスト702の内容でキャリブレーション測定の実施後、再度、キャリブ状況画面を表示し、一括依頼ボタンを押下すると、ボトルセットリスト703の表示となる。このとき、各ボトルセットはそれぞれキャリブレーション測定が実施されているため、キャリブ継承は「ボトル」に変更されるとともに、「結果あり」の測定方法が設定される。
【0061】
その後、第2試薬容器1が消費されてしまうと、待機1のボトルセットを使用することになる。このとき、オペレータがキャリブ状況画面を表示し、一括依頼ボタンを押下すると、ボトルセットリスト704の表示となる。従来の「待機1」「待機2」「待機3」のボトルセットがそれぞれ「使用中」「待機1」「待機2」に繰り上げられる。いずれも、キャリブレーション測定が実施されているため、キャリブ継承は「ボトル」であるが、「使用中」ボトルセットは、「使用中」になってからは初回のキャリブレーション測定となるため、全点キャリブレーションが設定されている。
【0062】
ボトルセットリスト704の内容でキャリブレーション測定の実施後、オペレータが再度、キャリブ状況画面を表示し、一括依頼ボタンを押下すると、ボトルセットリスト705の表示となる。このように、
図7Aの一括依頼設定テーブルにしたがい、各ボトルセットについて測定方法が設定される。
実施例1では、オペレータがキャリブ状況画面からキャリブレーション測定を依頼する例を説明したが、実施例2では、装置が所定のイベントで自動的にキャリブレーション測定を実施する例について説明する。
なお、「試薬交換」のイベントには、試薬交換の他、装置に新規にボトルセットが登録された場合を含む。「タイムアウト」のイベントは、前回実施したキャリブレーション測定から一定時間経過したときに発生する。「QC失敗」のイベントは、ボトルセットを使用してコントロール検体の測定を実施し、コントロール結果が閾値を超えた場合に発生する。
オペレータが試薬残量登録を依頼すると(S11)、上述のように、装置は、試薬残量を算出し、試薬ペアリング処理を実施する(S12)。演算部123は、ボトルセットが新規または再登録である場合には、「試薬交換」イベントとして設定された測定方法でのキャリブレーション測定を依頼する。
演算部123は、ボトルセットが新規または再登録であるかどうかを判定し(S13)、新規または再登録されたボトルセットについて、分析項目、使用状況、キャリブレーション測定状況を取得し(S14)、自動依頼設定テーブルに対して、分析項目、使用状況、測定状況が一致する行を検索し(S15)、ボトルセットに対して自動依頼設定テーブルに登録された測定方法によるキャリブレーション測定を依頼する(S16)。ステップS13~S16を、全ボトルセットに対して処理済みとなるまで繰り返す(S17)。なお、再登録とは、キャリブレーション実施済のボトルセットを装置に再度登録することをいい、この場合も自動でキャリブレーションを依頼することができる。