(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022034547
(43)【公開日】2022-03-03
(54)【発明の名称】注射器補助装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/315 20060101AFI20220224BHJP
A61M 5/32 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
A61M5/315
A61M5/32 510D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021132706
(22)【出願日】2021-08-17
(31)【優先権主張番号】202010830786.5
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504475021
【氏名又は名称】株式会社アーストレック
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100109542
【弁理士】
【氏名又は名称】田伏 英治
(72)【発明者】
【氏名】肖 珂
(72)【発明者】
【氏名】黄 亜洲
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA01
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066GG01
4C066LL21
(57)【要約】
【課題】従来の注射器補助装置が補助装置に露出する針の長さを調整できないという課題を解決すること。
【解決手段】収容室、スライドカバー、及び注射器を固定するためのホルダを含み、収容室の先端部にはバッフルプレートが設けられ、バッフルプレートには、注射器の針が貫通するための第1貫通孔が設けられ、収容室には、その長さ方向に沿って、異なる目盛りを代表する複数の目盛り係合溝が設けられ、複数の目盛り係合溝は所定間隔に配置され、目盛り係合溝は第1貫通孔の軸線方向に垂直であり、ホルダの先端部の底面には、目盛り係合溝に整合する係合板が設けられ、係合板は目盛り係合溝内に係合され、スライドカバーは、収容室の外側壁に摺動可能に外装され、スライドカバーの内部は収容室の内部と連通し、スライドカバーの内部には、注射器のピストンロッドに当接されるための押し棒が固定接続され、スライドカバーは、収容室に対して直線往復運動するように駆動されることを特徴とする、注射器補助装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器補助装置であって、
収容室、スライドカバー、及び注射器を固定するためのホルダを含み、
前記収容室の先端部にはバッフルプレートが設けられ、前記バッフルプレートには、注射器の針が貫通するための第1貫通孔が設けられ、前記収容室内には、その長さ方向に沿って、異なる目盛りを代表する複数の目盛り係合溝が設けられ、複数の前記目盛り係合溝は所定間隔に配置され、前記目盛り係合溝は前記第1貫通孔の軸線方向に垂直であり、前記ホルダの先端部の底面には、前記目盛り係合溝に整合する係合板が設けられ、前記係合板は前記目盛り係合溝内に係合され、
前記スライドカバーは前記収容室の外側壁に摺動可能に外装され、前記スライドカバーの内部は前記収容室の内部と連通し、前記スライドカバーの内部には、注射器のピストンロッドに当接されるための押し棒が固定接続され、前記スライドカバーは、前記収容室に対して直線往復運動するように駆動され、
前記スライドカバーは、前記バッフルプレートの方向に向けて運動する際、注射器の薬剤を針から射出させるように、前記押し棒により前記ピストンロッドを押すことを特徴とする、
注射器補助装置。
【請求項2】
前記ホルダの後端部には、注射器の外側壁を係合するための弧状係合溝が設けられることを特徴とする、
請求項1に記載の注射器補助装置。
【請求項3】
前記収容室の内部の両内側壁にはいずれも係止フックが設けられ、2つの前記係止フックはそれぞれ、前記ホルダの対向する両側に係合されることを特徴とする、
請求項1に記載の注射器補助装置。
【請求項4】
さらにキャップを含み、前記キャップの、前記バッフルプレートから離れた一側面には第2貫通孔が開けられ、前記第2貫通孔の軸線は前記第1貫通孔の軸線と重なり、前記バッフルプレートの、前記ホルダから離れた一側面にはバネが接続され、前記バネの他端は前記キャップに接続され、
前記バネは圧縮されていない際、前記キャップは注射器の針を覆って、
前記キャップは、前記バネを圧縮するように、前記バッフルプレートの方向に移動した際、注射器の針は前記第2貫通孔から露出することを特徴とする請求項1に記載の注射器補助装置。
【請求項5】
前記収容室の対向する両外側壁には、いずれも摺動溝が設けられ、
前記スライドカバーの対向する両内側壁には、前記摺動溝に整合する摺動バーが設けられ、
前記摺動バーは、前記摺動溝に摺動可能に接続されることを特徴とする、
請求項1に記載の注射器補助装置。
【請求項6】
前記収容室の外底面にはL字状の案内溝が設けられ、前記L字状の案内溝は、互いに連通する垂直方向溝と横方向溝とを含み、前記垂直方向溝と前記摺動溝とが互いに平行し、前記横方向溝と前記摺動溝とが互いに垂直であり、前記横方向溝が前記垂直方向溝の、前記バッフルプレートから離れた一端に接続され、
前記スライドカバーの外側面には中空の摺動キャビティが開けられ、前記摺動キャビティ内には、ロック部材が摺動可能に接続され、前記ロック部材の底部には、前記スライドカバーの長さ方向に沿って延伸する位置規制バーが接続され、前記位置規制バーは前記スライドカバーの内部にあり、
注射器のピストンロッドは前記押し棒に押されず、前記ロック部材は前記摺動キャビティの第1側にある場合、前記位置規制バーの先端部は、前記スライドカバーが前記収容室に対して直線運動を行うことを阻止するように、前記横方向溝の溝壁に当接され、
注射器のピストンロッドは前記押し棒に押されず、前記ロック部材は前記摺動キャビティの第2側に並進運動した場合、前記位置規制バーの先端部は前記垂直方向溝内にあり、前記スライドカバーは前記収容室に対して直線運動を行うことを特徴とする、
請求項5に記載の注射器補助装置。
【請求項7】
前記スライドカバーの対向する両外側壁には、いずれも前記スライドカバーの内部に凹んだ押圧部が設けられ、
前記押圧部の数は複数であり、複数の前記押圧部は前記スライドカバーの長さ方向に沿って配置されることを特徴とする、
請求項1に記載の注射器補助装置。
【請求項8】
前記押圧部の表面には滑り止めパッドが覆われて、
前記滑り止めパッドには複数の滑り止め突起が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の注射器補助装置。
【請求項9】
前記収容室の外側壁にはさらに室蓋がヒンジ連結されることを特徴とする、
請求項1に記載の注射器補助装置。
【請求項10】
前記室蓋の、前記ホルダに対応する箇所には観察窓が開けられることを特徴とする、
請求項9に記載の注射器補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は注射器補助装置の設計が行われる技術分野に関わり、特に注射器補助装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
従来の注射器は一般的に、先端には小さい開孔が付けられたシリンジと、それと整合するピストンロッドとからなり、シリンジの尾部には、一般的に、使用者が把持するためのフランジが設けられる。注射器の体積は小さいから、実際の操作の場合によっては、そのシリンジの尾部のフランジ部位を手で把持し難い。慢性疾患の患者は、しょっちゅう薬剤の注射を受けなければならなくて、注射の頻度が高いから、慢性疾患の患者は通常、自分で薬剤を注射する。
ただし、従来の注射器自身の構成の問題のため、実際の操作は、非専門の医療看護者にとって困難である。従って、非専門家の注射の困難さを低減させるために、現在、各種の注射器補助装置が販売されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3143302号公報
【特許文献2】特開2017-189515号公報
【特許文献3】特表2017-505218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の注射器補助装置は、一般的に、注射器を収容するための室、及び注射器のピストンロッドを押すための摺動部材を含むように構成され、注射器を室内に配置すると、注射器の針を補助装置から露出させ、そうすれば、使用者により薬剤を体内に注射できる。従来の注射器のタイプが多いため(例えば、上記の特許文献1~3)、異なるタイプの注射器を室内に配置した後、補助装置から露出した針の長さも異なって、たとえば、あるタイプの注射器の針の露出の長さは1cm、3cmなどであり得る。医療基準に従って、皮膚に挿入される針の深さには、一定の要求があり、例えば、皮膚に挿入される針の最適な深さは2cmであり、従来の補助装置を利用して、体に注射をする場合、普通の使用者は、皮膚に挿入される針の深さを捉えることができないため、針が、深すぎ、または浅すぎて、体に挿入される虞がある。
【0005】
従って、前記技術課題を解決するために、注射器補助装置を見出すことは、当業者の重要な研究課題になる。
【0006】
本発明の実施例は、従来の注射器補助装置が、補助装置に露出する針の長さを調整できないという技術課題を解決するための、注射器補助装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例は、注射器補助装置を提供し、収容室、スライドカバー、及び注射器を固定するためのホルダを含み、
前記収容室の先端部にはバッフルプレートが設けられ、前記バッフルプレートには、注射器の針が貫通するための第1貫通孔が設けられ、前記収容室内には、その長さ方向(長手方向)に沿って、異なる目盛りを代表する複数の目盛り係合溝が設けられ、前記目盛り係合溝は前記第1貫通孔の軸線方向に垂直であり、前記ホルダの先端部の底面には、前記目盛り係合溝に整合する係合板が設けられ、前記係合板は前記目盛り係合溝内に係合され、
前記スライドカバーは、前記収容室の外側壁に摺動可能に外装され、前記スライドカバーの内部は前記収容室の内部と連通し、前記スライドカバーの内部には、注射器のピストンロッドに当接されるための押し棒が固定接続され、前記スライドカバーは前記収容室に対して直線往復運動するように駆動され、
前記スライドカバーは、前記バッフルプレートの方向に向けて運動する際、注射器の薬剤を針から射出させるように、前記押し棒により前記ピストンロッドを押す。
【0008】
好ましくは、前記ホルダの後端部には、注射器の外側壁を係合するための弧状係合溝が設けられる。
【0009】
好ましくは、前記収容室の内部の両内側壁にはいずれも係止フックが設けられ、2つの前記係止フックはそれぞれ、前記ホルダの対向する両側に係合される。
【0010】
好ましくは、さらにキャップを含み、前記キャップの、前記バッフルプレートから離れた一側面には第2貫通孔が開けられ、前記第2貫通孔の軸線は前記第1貫通孔の軸線と重なり、前記バッフルプレートの、前記ホルダから離れた一側面にはバネが接続され、前記バネの他端は前記キャップに接続され、
前記バネは圧縮されていない際、前記キャップは注射器の針を覆って、
前記キャップは、前記バネを圧縮するように、前記バッフルプレートの方向に移動した際、注射器の針は前記第2貫通孔から露出する。
【0011】
好ましくは、前記収容室の対向する両外側壁には、いずれも摺動溝が設けられ、
前記スライドカバーの対向する両内側壁には、いずれも前記摺動溝に整合する摺動バーが設けられ、
前記摺動バーは、前記摺動溝に摺動可能に接続される。
【0012】
好ましくは、前記収容室の外底面にはL字状の案内溝が設けられ、前記L字状の案内溝は、互いに連通する垂直方向溝と横方向溝とを含み、前記垂直方向溝と前記摺動溝とが互いに平行し、前記横方向溝と前記摺動溝とが互いに垂直であり、前記横方向溝が前記垂直方向溝の、前記バッフルプレートから離れた一端に接続され、
前記スライドカバーの外側面には中空の摺動キャビティが開けられ、前記摺動キャビティ内には、ロック部材が摺動可能に接続され、前記ロック部材の底部には、前記スライドカバーの長さ方向(長手方向)に沿って延伸する位置規制バーが接続され、前記位置規制バーは前記スライドカバーの内部にあり、
注射器のピストンロッドは前記押し棒に押されず、前記ロック部材は前記摺動キャビティの第1側にある場合、前記位置規制バーの先端部は、前記スライドカバーが前記収容室に対して直線運動を行うことを阻止するように、前記横方向溝の溝壁に当接され、
注射器のピストンロッドは前記押し棒に押されず、前記ロック部材は前記摺動キャビティの第2側に並進運動した場合、前記位置規制バーの先端部は前記垂直方向溝内にあり、前記スライドカバーは前記収容室に対して直線運動を行う。
【0013】
好ましくは、前記スライドカバーの対向する両外側壁には、いずれも前記スライドカバーの内部に凹んだ押圧部が設けられ、
前記押圧部の数は複数であり、複数の前記押圧部は前記スライドカバーの長さ方向に沿って配置される。
【0014】
好ましくは、前記押圧部の表面には滑り止めパッドが覆われて、
前記滑り止めパッドには複数の滑り止め突起が設けられる。
【0015】
好ましくは、前記収容室の外側壁にはさらに室蓋がヒンジ連結される。
【0016】
好ましくは、前記室蓋の、前記ホルダに対応する箇所には観察窓が開けられる。
【0017】
以上の技術方案から分かるように、本発明の実施例は以下の利点を具備する。
【0018】
本発明の実施例は注射器補助装置を提供し、注射器補助装置は、収容室、スライドカバー、及び注射器を固定するためのホルダを含み、前記収容室の先端部にはバッフルプレートが設けられ、前記バッフルプレートには、注射器の針が貫通するための第1貫通孔が設けられ、前記収容室内には、その長さ方向に沿って、異なる目盛りを代表する複数の目盛り係合溝が設けられ、前記目盛り係合溝は前記第1貫通孔の軸線方向に垂直であり、前記ホルダの先端部の底面には、前記目盛り係合溝に整合する係合板が設けられ、前記係合板は前記目盛り係合溝内に係合され、前記スライドカバーは前記収容室の外側壁に摺動可能に外装され、前記スライドカバーの内部は前記収容室の内部と連通し、前記スライドカバーの内部には、注射器のピストンロッドに当接されるための押し棒が固定接続され、前記スライドカバーは、前記収容室に対して直線往復運動するように駆動され、前記スライドカバーは前記バッフルプレートの方向に向けて運動する際、注射器の薬剤を針から射出させるように、前記押し棒は前記ピストンロッドを押す。
本実施例において、注射器はホルダに固定され、ホルダの係合板は目盛り係合溝に係合されるので、注射器の長さが長くて、第1貫通孔に露出する長さが標準の長さより大きい場合、針の、第1貫通孔から露出する長さが、標準の長さに合うように、ユーザーはパレットの係合板を、後方の目盛り係合溝内に係合させる一方、注射器の長さが短くて、第1貫通孔に露出する長さが、標準の長さより小さい場合、針の、第1貫通孔に露出する長さが標準の長さに合うように、ユーザーはパレットを前方の目盛り係合溝内に係合させる注射器補助装置であり、前記設計により、注射器のタイプに関わらず、ユーザーは、ホルダ位置を調整することで、注射器の針の、第1貫通孔に露出する長さを常に標準の長さに合わせて、ユーザーは第1貫通孔から露出する針を直接的に目標位置に刺せればよく、皮膚に挿入される針の深さを把握する必要なく、薬剤注射の不十分という問題の発生を避ける。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施例または従来技術の技術方案を明らかに説明するために、以下に実施例または従来技術の説明に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下に記載の図面は本発明のいくつかの実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する活動をしない前提で、これらの図面に基づき、他の図面を取得できる。
【0020】
【
図1】本発明が提供する注射器補助装置の構成模式図である。
【
図2】本発明が提供する注射器補助装置の内部構成模式図である。
【
図3】本発明が提供する注射器補助装置のホルダ構成模式図である。
【
図4】本発明が提供する注射器補助装置のホルダと目盛り係合溝との間の合関係の拡大図である。
【
図5】本発明が提供する注射器補助装置のバッフルプレートと、バネと、キャップとの分解図である。
【
図6】本発明が提供する注射器補助装置の摺動溝の構成模式図である。
【
図7】本発明が提供する注射器補助装置のスライドカバーの内部構成模式図である。
【
図8】本発明が提供する注射器補助装置のスライドカバーとロック部材との間の嵌合関係図である。
【
図9】本発明が提供する注射器補助装置の位置規制バーとL字状案内溝との嵌合関係模式図である。
【
図10】本発明が提供する注射器補助装置が関連する注射器構成模式図である。
【
図11】本発明が提供する注射器補助装置における、スライドカバーと収容室との間の嵌合関係の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例は、従来の注射器補助装置が補助装置から露出する針の長さを調整できないという技術課題を解決するための、注射器補助装置を開示する。
【0022】
当業者が、本発明の技術案をよりよく理解できるために、以下に図面及び具体的な実施形態に基づき、本発明をさらに詳しく説明する。明らかに、記載の実施例は全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例のみである。本発明の実施例に基づき、当業者は進歩性に値する活動をしない前提で、取得した他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に該当する。
【0023】
図1~
図10を参照し、本実施例が提供する注射器補助装置は、
収容室1、スライドカバー3、及び注射器4を固定するためのホルダ6を含み、
前記収容室1の先端部にはバッフルプレート102が設けられ、前記バッフルプレート102には、注射器4の針403が貫通するための第1貫通孔1021が設けられ、前記収容室1内には、その長さ方向に沿って異なる目盛りを代表する複数の目盛り係合溝103が設けられ、複数の前記目盛り係合溝103は所定間隔に配置され、前記目盛り係合溝103は前記第1貫通孔1021の軸線方向に垂直であり、前記ホルダ6の先端部の底面には、前記目盛り係合溝103に整合する係合板602が設けられ、前記係合板602は前記目盛り係合溝103内に係合され、
前記スライドカバー3は前記収容室1の外側壁に摺動可能に外装され、前記スライドカバー3の内部は前記収容室1の内部と連通し、前記スライドカバー3の内部には、注射器4のピストンロッド401に当接される押し棒302が固定接続され、具体的に、押し棒302は注射器4の後方に位置するとともに、注射器4の軸線にあり、押し棒302はピストンロッド401の末端の押し子404に当接され、前記スライドカバー3は、駆動されることにより、前記収容室1に対して直線往復運動を行って、
前記スライドカバー3は前記バッフルプレート102の方向に運動する際、注射器4の薬剤を針403から射出させるように、前記押し棒302は前記ピストンロッド401を押す。
【0024】
なお、複数の目盛り係合溝103の間の所定間隔は、医療注射標準及び注射器4のタイプにより決定され、本実施例では前記所定間隔は限定されていない。
【0025】
本実施例において、注射器4はホルダ6に固定され、ホルダ6の係合板602は目盛り係合溝103に係合されるので、注射器4の長さが長くて、第1貫通孔1021から露出する長さが、標準の長さより大きい場合、針403の、第1貫通孔1021から露出する長さを標準の長さに合わせるように、ユーザーはパレットの係合板602を後方の目盛り係合溝103内に係合させる一方、注射器4の長さが短くて、第1貫通孔1021から露出する長さがより標準の長さより小さい場合、針403の、第1貫通孔1021から露出する長さを標準の長さに合わせるように、ユーザーはパレットを前方の目盛り係合溝103内に係合させ、前記設計により、注射器4のタイプに関わらず、ユーザーはホルダ6の位置を調整することで、注射器4の針403の、第1貫通孔1021から露出する長さを常に標準の長さに合わせて、ユーザーは第1貫通孔1021から露出する針を直接的に目標位置に刺せればよく、針403の、皮膚に挿入される深さを把握する必要なく、薬剤注射の不十分という問題の発生を避ける。
【0026】
さらに、前記ホルダ6の後端部には、注射器4の外側壁を係合するための弧状係合溝601が設けられる。
【0027】
なお、注射器4の外側壁は円柱状の構成であるため、ホルダ6に弧状係合溝601を配置することで、注射器4とホルダ6とは、取り外し可能な接続を実現でき、ユーザーの、注射器4に対する取り外しまたは装着をより便利にする。
【0028】
さらに、前記収容室1の内部の両内側壁には、いずれも係止フック101が設けられ、2つの前記係止フック101はそれぞれ前記ホルダ6の対向する両側に係合される。
【0029】
なお、前記設計によっては、ホルダ6に対する固定を強化させ、注射器補助装置が動作する際、ホルダ6の変位を避ける。また、本実施例の係止フック101は弾性プラスチックから作成されるため、係止フック101は、収容室1の外側において一定角度だけ回動することで、ホルダ6から離脱し、これによって、ユーザーはより便利にホルダ6を取り外す。
【0030】
さらに、キャップ5を含み、前記キャップ5の、前記バッフルプレート102から離れた一側面には、第2貫通孔501が開けられ、前記第2貫通孔501の軸線は前記第1貫通孔1021の軸線と重なり、前記バッフルプレート102の、前記ホルダ6から離れた一側面にはバネ7が接続され、前記バネ7の他端は前記キャップ5に接続され、
前記バネ7は圧縮されていない際、前記キャップ5は注射器4の針403を覆って、
前記バネ7を圧縮するように、前記キャップ5は前記バッフルプレート102の方向に移動する際、注射器4の針403は前記第2貫通孔501から露出する。
【0031】
なお、一部のユーザーは鋭い針403に対する視覚的恐怖、及び自己注射の心理的恐怖を克服し難い。前記設計により、針403は前記キャップ5に覆われるから、当該注射器補助装置を利用して注射していない際には、ユーザーには、針403は見えなくて、ユーザーが注射を始めると、キャップ5は皮膚の圧力のため、バネ7を圧縮するように、バッフルプレート102の方向に移動し、この場合、針403は第2貫通孔501から露出するとともに、皮膚層に挿入されるが、前記記載から分かるように、ユーザーには針403は見えなくて、針403に対して視覚的恐怖を有するユーザーにとって、より便利に利用できる。
【0032】
さらに、前記収容室1の対向する両外側壁には、いずれも摺動溝104が設けられ、
前記スライドカバー3の対向する両内側壁には、いずれも前記摺動溝104に整合する摺動バー303が設けられ、
前記摺動バー303は前記摺動溝104に摺動可能に接続される。
【0033】
なお、摺動溝104は具体的に収容室1の左右の両外側壁に設けられ、摺動バー303は具体的にスライドカバー3の左右の両内側壁に設けられ、スライドカバー3は、駆動されることにより、収容室1に対して直線往復運動を行う場合、前記摺動バー303は摺動溝104に沿って摺動し、前記設計により、スライドカバー3は収容室1に対して摺動する際、より順調且つ安定になる。
【0034】
さらに、前記収容室1の外側の底面(外底面)にはL字状の案内溝が設けられ、前記L字状の案内溝は互いに連通する垂直方向溝105と横方向溝106とを含み、前記垂直方向溝105と前記摺動溝104とは互いに平行し、前記横方向溝106と前記摺動溝104とは互いに垂直であり、前記横方向溝106は前記垂直方向溝105の、前記バッフルプレート102から離れた一端に接続され、
前記スライドカバー3の外側面には、中空の摺動キャビティ305が開けられ、前記摺動キャビティ305内には、ロック部材304が摺動可能に接続され、前記ロック部材304の底部には、前記スライドカバー3の長さ方向に沿って延伸する位置規制バー3041が接続され、前記位置規制バー3041は前記スライドカバー3の内部にあり、
図9に示すように、注射器4のピストンロッド401は前記押し棒302に押されず、前記ロック部材304は前記摺動キャビティ305の第1側にある場合、前記スライドカバー3は前記収容室1に対して直線運動を行うことを阻止するように、前記位置規制バー3041の先端部は前記横方向溝106の溝壁に当接され、
注射器4のピストンロッド401は前記押し棒302に押されず、前記ロック部材304は前記摺動キャビティ305の第2側に並進運動した場合、前記位置規制バー3041の先端部は前記垂直方向溝105内にあり、前記スライドカバー3は前記収容室1に対して直線運動を行う。
【0035】
なお、前記設計により、ユーザーがスライドカバー3に誤って触れることで、注射器4の薬剤を針403から射出させるという状況の発生を避けることができ、具体的に、ユーザーは注射していない際、ロック部材304を摺動キャビティ305の第1側(最左側)に移動させた場合、位置規制バー3041の先端部は横方向溝106の溝壁に当接されることによって、スライドカバー3は収容室1に対して直線運動を行うことができず、一方、ユーザーは注射しようとすると、ロック部材を摺動キャビティ305の第2側(最右側)に移動させる場合、位置規制バー3041の先端部は横方向運動を行って、横方向溝106の溝壁から離れて、位置規制バー3041の先端部は最終、垂直方向溝105内に止まって、この際、スライドカバー3は収容室1に対して直線運動を行って、位置規制バー3041はスライドカバー3の長さ方向に沿って配置されるため、位置規制バー3041と垂直方向溝105とは互いに平行し、スライドカバー3は収容室1に対して直線運動を行う場合、位置規制バー3041は垂直方向溝105に沿って直線運動を行う。
【0036】
さらに、前記スライドカバー3の対向する両外側壁には、いずれも前記スライドカバー3の内部に凹んだ押圧部301が設けられ、
前記押圧部301の数は複数であり、複数の前記押圧部301は前記スライドカバー3の長さ方向に沿って配置され、
前記押圧部301の表面には滑り止めパッドが覆われて、
前記滑り止めパッドには複数の滑り止め突起が設けられる。
【0037】
前記設計により、ユーザーは当該注射器補助装置を利用する場合、手を押圧部301に貼合でき、ユーザーの使用をより快適にして、また、滑り止めパッドの設計により、ユーザーの手と押圧部301との間の摩擦力を大きくして、手の滑りの状況の発生を避けることができる。
【0038】
さらに、前記収容室1の外側壁には室蓋2がヒンジ連結される。
【0039】
さらに、前記室蓋2の、前記ホルダ6に対応する箇所には観察窓201が開けられる。
【0040】
ここで、前記設計により、室蓋2を収容室1にカバーさせても、ユーザーは観察窓201を介して注射器4内の薬剤の使用状況を観察できる。
【0041】
さらに、
図11を参照し、本実施例において、さらに、スライドカバー3が収容室1から離脱することを防止するための位置規制構成を含み、当該位置規制構成は、スライドカバー3の内側壁に設けられるストッパブロック306、及び収容室1の外側壁に設けられる位置規制ブロック107を含み、スライドカバー3は収容室1の最も後方に移動した場合、ストッパブロック306と位置規制ブロック107とは互いに当接することで、スライドカバー3が後方へ移動し続けることを阻止し、スライドカバー3が収容室1から離脱することを避けることができる。
【0042】
本実施例の注射器補助装置の具体的な使用原理は以下の通りである。
【0043】
当該注射器補助装置を使用する前、まず、室蓋2を開けて、ユーザーは注射器4のタイプ及び注射標準に応じて適切な目盛り係合溝103を選択し、ホルダ6の係合板602を選択された目盛り係合溝103に係合させ、そして、ユーザーは注射器4をホルダ6の弧状係合溝601内に係合させ、固定し、注射器4の針403を第1貫通孔1021に貫通させ、ピストンロッド401を押し棒302に当接させ、そして、室蓋2を収容室1にカバーし、この場合、ユーザーは注射を始めるように準備がなされることができ、注射を始めると、ユーザーは針403のプラスチック保護キャップ402を取り外し、収容室1の先端を、注射位置に合わせた後、キャップ5は皮膚表面に押し当てられ、押されるように、押圧板の方向へ移動し、針403は第2貫通孔501を貫通し、体内に挿入され、最後、ユーザーはロック部材304を第2側(最右側)に移動させ、スライドカバー3を押圧することで、スライドカバー3は収容室1に沿ってバッフルプレート102の方向に移動し、押し棒302はピストンロッド401を押すことで、薬剤を針403から体内に射入させる。
【0044】
また、本実施例の収容室1の外側壁にはさらに突起が設けられ、スライドカバー3は終点に移動した場合(注射の終わり際)、スライドカバー3と突起とは、はっきりした衝突音を発生させ、注射が終わったと、ユーザーに注意を促す。
【0045】
以上は本発明が提供する注射器補助装置を詳しく紹介し、当業者にとって、本発明の実施例の思想に基づき、具体的な実施形態及び応用範囲で、いずれも変更でき、前記のように、本明細書の内容は、本発明に対する限定として理解されるべきではない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、医療の分野で有用な、自己注射のための注射器補助装置を提供するものである。
【符号の説明】
【0047】
1 ・・・収容室
101 ・・・係止フック
102 ・・・バッフルプレート
1021 ・・・第1貫通孔
103 ・・・目盛り係合溝
104 ・・・摺動溝
105 ・・・垂直方向溝
106 ・・・横方向溝
107 ・・・位置規制ブロック
2 ・・・室蓋
201 ・・・観察窓
3 ・・・スライドカバー
301 ・・・押圧部
302 ・・・押し棒
303 ・・・摺動バー
304 ・・・ロック部材
3041 ・・・位置規制バー
305 ・・・摺動キャビティ
306 ・・・ストッパブロック
4 ・・・注射器
401 ・・・ピストンロッド
402 ・・・保護キャップ
403 ・・・針
404 ・・・押し子
5 ・・・キャップ
501 ・・・第2貫通孔
6 ・・・ホルダ
601 ・・・弧状係合溝
602 ・・・係合板
7 ・・・バネ