(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022035750
(43)【公開日】2022-03-04
(54)【発明の名称】浮遊選鉱方法及び、銅の回収方法
(51)【国際特許分類】
C22B 15/00 20060101AFI20220225BHJP
B03D 1/06 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
C22B15/00
B03D1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020140284
(22)【出願日】2020-08-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2019年度 資源・素材関係学協会 合同秋季大会 資源・素材講演集,Vol.6(2019),No.2(秋・京都) 「浮遊選鉱法と加圧浸出法を組み合わせたヒ素含有銅鉱石からの銅回収とヒ素分離」 発行所:一般社団法人 資源・素材学会 発行日:令和1年 9月11日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構「銅原料中の不純物低減技術開発事業」委託研究、産業技術力強化法(平成12年法律第44号)第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】502362758
【氏名又は名称】JX金属株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504409543
【氏名又は名称】国立大学法人秋田大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】石黒 康也
(72)【発明者】
【氏名】眞野 航大
(72)【発明者】
【氏名】柴山 敦
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 一寿
【テーマコード(参考)】
4K001
【Fターム(参考)】
4K001AA03
4K001AA09
4K001BA03
4K001CA01
4K001DB25
(57)【要約】
【課題】砒素鉱物と銅鉱物を有効に分離させることができる浮遊選鉱方法を提供する。
【解決手段】銅鉱物及び砒素鉱物を含む鉱石が混ぜ合わされたスラリーに、捕収剤を添加せずに、又は、捕収剤を当該鉱石1tоn当たり10g以下の量で添加し、浮遊選鉱により、前記砒素鉱物を含む浮鉱及び、前記銅鉱物を含む尾鉱を得る砒素浮選工程を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅鉱物及び砒素鉱物を含む鉱石が混ぜ合わされたスラリーに、捕収剤を添加せずに、又は、捕収剤を当該鉱石1tоn当たり10g以下の量で添加し、浮遊選鉱により、前記砒素鉱物を含む浮鉱及び、前記銅鉱物を含む尾鉱を得る砒素浮選工程を含む、浮遊選鉱方法。
【請求項2】
前記鉱石として、質量基準で銅含有量に対する砒素含有量の比が0.01~0.20である鉱石を用いる、請求項1に記載の浮遊選鉱方法。
【請求項3】
砒素浮選工程の後、前記尾鉱が混ぜ合わされたスラリーに対して浮遊選鉱を行い、前記尾鉱中の銅鉱物を浮遊させる銅浮選工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の浮遊選鉱方法。
【請求項4】
前記銅浮選工程で、捕収剤の添加量を、前記尾鉱1tоn当たり20g~100gとする、請求項3に記載の浮遊選鉱方法。
【請求項5】
砒素浮選工程で得られる前記浮鉱が、さらに銅鉱物を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の浮遊選鉱方法。
【請求項6】
砒素浮選工程で得られる前記浮鉱での砒素鉱物と銅鉱物との分離効率が30%以上である、請求項5に記載の浮遊選鉱方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の浮遊選鉱方法の前記砒素浮選工程で得られる前記浮鉱から、当該浮鉱に含まれる銅を回収する、銅の回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書は、浮遊選鉱方法及び、銅の回収方法に関する技術を開示するものである。
【背景技術】
【0002】
砒素鉱物を含む銅鉱石に対しては、砒素を分離させるための種々の条件の焙焼や湿式処理等が検討されている。但し、これら焙焼や湿式処理は、既にある程度の不要な鉱物が取り除かれた後の精鉱を対象としたものであり、それよりも前段階の浮遊選鉱で砒素鉱物を除去できるようにすることが望まれている。
【0003】
浮遊選鉱にて砒素鉱物を分離させることについて、たとえば非特許文献1及び2には次のような記載がある。
【0004】
非特許文献1には、酸化還元電位(vsSHE)が-125mVである還元条件にて、pHを11として輝銅鉱等を優先的に浮遊させ、次いで、pH11にて当該電位を0mVまで上昇させて硫砒銅鉱等を浮遊させ、その後、それらの浮遊生成物を混ぜ合わせて電位を290mV以上に上昇させることで、硫砒銅鉱のみを浮遊させることが記載されている。また、この非特許文献1には、通常の条件下の浮遊選鉱によりバルク銅精鉱を回収し、これに再度の磨鉱を行った後、窒素ガスを用いながらpHを12に上昇させるとともに電位を-150mV程度にして浮遊選鉱を行うことにより、砒素含有量が多い銅精鉱が得られる等という記載もある。
【0005】
非特許文献2には、磨鉱後の粒度を10μmとして浮遊選鉱を行うことにより、砒素鉱物を銅鉱物と分離することが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Graham Long, et al., “A review of copper-arsenic mineral removal from copper concentrates”, Minerals Engineering, October 2012, Volume 36-38, p. 179-186
【非特許文献2】Graham Long, et al., “Flotation separation of copper sulphides from arsenic minerals at Rosebery copper concentrator”, Minerals Engineering, November 2014, Volume 66-68, p. 207-214
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1及び2に記載された例はいずれも条件が限定的であり、そのような電位の制御や細粒化により砒素鉱物と砒素を含まない銅鉱物とを分離する技術は実用化に至っていない。
【0008】
この明細書では、砒素鉱物と砒素を含まない銅鉱物を有効に分離させることができる浮遊選鉱方法及び、銅の回収方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この明細書で開示する浮遊選鉱方法は、銅鉱物及び砒素鉱物を含む鉱石が混ぜ合わされたスラリーに、捕収剤を添加せずに、又は、捕収剤を当該鉱石1tоn当たり10g以下の量で添加し、浮遊選鉱により、前記砒素鉱物を含む浮鉱及び、前記銅鉱物を含む尾鉱を得る砒素浮選工程を含むものである。
【0010】
この明細書で開示する銅の回収方法は、上記の浮遊選鉱方法にて、砒素浮選工程で得られる前記浮鉱が、さらに銅鉱物を含み、前記砒素浮選工程で得られる前記浮鉱から、当該浮鉱に含まれる銅を回収するというものである。
【発明の効果】
【0011】
上述した浮遊選鉱方法によれば、砒素鉱物と銅鉱物を有効に分離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一の実施形態の浮遊選鉱方法を含むプロセスの一例を示すフロー図である。
【
図2】試験例1の捕収剤の添加量が異なる場合における硫砒銅鉱及び黄銅鉱の各回収率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、この明細書で開示する発明の実施の形態について詳細に説明する。
一の実施形態の浮遊選鉱方法は、銅鉱物及び砒素鉱物を含む鉱石が混ぜ合わされたスラリーに対して浮遊選鉱を行い、浮鉱及び尾鉱を得る砒素浮選工程が含まれる。この砒素浮選工程では、上記のスラリーに、捕収剤を添加しないか、又は、捕収剤を当該鉱石1tоn当たり10g以下の量で添加する。これにより、黄銅鉱等の銅鉱物より浮遊しやすい硫砒銅鉱等の砒素鉱物の多くは浮鉱に含まれる。一方で、黄銅鉱等の銅鉱物は尾鉱に含まれることになる。その結果、砒素鉱物と銅鉱物とを有効に分離することができる。
【0014】
この実施形態の浮遊選鉱方法は、たとえば、
図1に示すようなプロセスに適用することができる。
図1では、砒素浮選工程で得られる尾鉱について、浮遊選鉱により当該尾鉱中に含まれる銅鉱物を浮遊させて回収する銅浮選工程を行う。また、砒素浮選工程で得られる浮鉱から銅を回収する銅回収工程を行うことが好ましい。
具体的には次に述べるとおりである。
【0015】
(鉱石)
鉱石は、たとえば、所定の鉱山から採掘された採掘鉱石を破砕し、その後所定の大きさになるように磨鉱して得られたものである。
このような鉱石のうち、この実施形態では銅鉱物及び砒素鉱物を含む鉱石を対象とする。
【0016】
銅鉱物及び砒素鉱物を含む鉱石であれば、それに含まれる具体的な鉱物は特に問わないが、たとえば、輝銅鉱、斑銅鉱、銅藍、黄銅鉱、黄鉄鉱、硫砒銅鉱、硫砒鉄鉱、砒四面銅鉱から選択される少なくとも一種を含む硫化鉱物や金及び銀を含有する硫化鉱物等を挙げることができる。
【0017】
特にここでは、質量基準で銅含有量に対する砒素含有量の比(As/Cu)が0.01~0.20である鉱石を対象とすることが好ましい。たとえば、鉱石中に砒素は0.01質量%~1.00質量%、銅は0.1質量%~10.0質量%で含まれることがある。
【0018】
後述する砒素浮選工程に供する鉱石の平均粒径D80は、たとえば50μm~300μm、典型的には50μm~200μmとすることができる。破砕や磨鉱等により鉱石をこのような粒径にしておくことで、後述するように砒素浮選工程で捕収剤の添加量を減らしたときに、分離させようとする砒素鉱物が浮遊されやすくなる場合がある。
【0019】
(砒素浮選工程)
砒素浮選工程では、上述したような鉱石を、水若しくは石灰水等の液体と混ぜ合わせてスラリーとし、このスラリーを浮遊選鉱槽に添加する。その後は、浮遊選鉱槽に、フロスを形成するための起泡剤その他の薬剤を添加し、場合によってはその他の鉱物の浮遊を抑える抑制剤を添加し、所定のpHになるようにpH調整剤を添加したところで大気の導入ガスを給気し、もしくは自給式で給気し、スキンマーを回転させてフロスを回収する。フロスの回収は、浮遊選鉱槽から自然にオーバーフローさせることにより行われることもある。また、浮遊選鉱槽に添加する各種薬剤は、スラリーにしたときに添加しておく場合もある。
【0020】
このような浮遊選鉱において、この実施形態では、スラリーに、所望の鉱物のみを浮遊させるための捕収剤を添加せず、又は、当該捕収剤を添加したとしてもその添加量を鉱石1tоn当たり10g以下(つまり10g/tоn以下)とする。この場合、スラリーに混合された鉱石中の浮遊しやすい砒素銅鉱等の砒素鉱物はフロスとともに浮上する。一方、当該鉱石中の黄銅鉱等の、砒素を含まない銅鉱物は、捕収剤を全く又は少量しか添加しなかったことにより、浮上せずに沈殿する。これにより、鉱石中の砒素鉱物と銅鉱物を有効に分離させることができる。
【0021】
捕収剤を添加する場合、その添加量は10g/tоn以下とする。捕収剤の添加量が10g/tоnを超えると、比較的多い量の捕収剤により銅鉱物まで浮上してしまい、砒素鉱物と銅鉱物とを分離させることができない。このような観点から、捕収剤の添加量は5g/tоn以下、さらには、添加なしとすることが好適である。
【0022】
捕収剤は、選鉱剤の一種であり、通常の状態では浮遊できない鉱物の表面に接着して、選択的に、その表面に接着して疎水性を与え、それによりフロスの表面に接着させる目的で使用する。捕収剤は一般に、各種のアルコール及び二酸化炭素と、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムとを反応させて作製されることが多い。捕収剤としては、特に硫化銅鉱物や砒素鉱物に対して捕収力を有するものとして、エチルザンセートを含むザンセート型捕収剤や、ジチオホスフェート型捕収剤、チオノカーバメート型捕収剤等を挙げることができる。典型的にはザンセート型捕収剤であり、その具体例としてはPAX(Potassium Amyl Xanthate、アミルキサントゲン酸カリウム)、PEX(Potassium Ethyl Xanthate、エチルキサントゲン酸カリウム)等がある。
【0023】
また、砒素浮選工程の浮遊選鉱を行うに当っては予め、必要に応じてスラリー中へpH調整剤を添加すること等により、スラリーのpHをある程度高くしてスラリーをアルカリ性にしておくことが好ましい。pHをある程度高くしておくことにより、砒素鉱物および銅鉱物の表面状態や捕収剤との結合力が変化し、砒素鉱物と銅鉱物との分離性が得られる。スラリーのpHは、たとえば9~13、より好ましくは12~13とすることができる。
【0024】
砒素浮選工程では、スラリーのパルプ濃度を、たとえば10%~40%とすることができる。パルプ濃度は、スラリーの重量(g)に対する鉱石(乾燥重量(g))の比を意味する。
【0025】
砒素浮選工程を経ることにより、砒素鉱物を含む浮鉱と、銅鉱物を含む尾鉱とが得られる。但し、浮鉱にはさらに銅鉱物が、また尾鉱にはさらに砒素鉱物が含まれることがある。浮鉱は、砒素鉱物と銅鉱物との分離効率が30%以上であることが好ましい。たとえば、質量基準で鉱石から浮鉱へ砒素鉱物が90%回収された場合、銅鉱物は60%以下の回収量であることが好適である。砒素浮選工程では、砒素鉱物が浮鉱に質量基準で80%以上回収されることが好ましい。
【0026】
(銅浮選工程)
上述した砒素浮選工程で得られる尾鉱は、ある程度多くの銅鉱物を含むものであるが、これには石英など銅を含まない他の鉱物も含まれることがある。銅浮選工程では、当該尾鉱が混ぜ合わされたスラリーを作製して浮遊選鉱を行い、そのような尾鉱中の銅鉱物を浮遊させ、他の鉱物と分離して回収する。
【0027】
銅浮選工程では、先に述べた捕収剤を尾鉱1tоn当たり、好ましくは20g~200g添加する。より好ましくは20g~100g、さらに好ましくは50g~100g添加する。尾鉱中の銅鉱物を有効に浮上させるためである。捕収剤の添加量が少ないと、銅鉱物の回収率が低下することが懸念される。一方、捕収剤の添加量が多すぎると、尾鉱中の砒素鉱物まで浮上しやすくなるおそれがある。
【0028】
銅浮選工程では、捕収剤の添加量以外の条件として、起泡剤の添加量を、先述した砒素浮選工程のときよりも、たとえば2倍程度に増やすことができる。また、銅浮選工程でのpHは、砒素浮選工程のように高くすることを要しない。その他の条件については砒素浮選工程と実質的に同様の条件で、浮遊選鉱を行うことができる。
なお、銅浮選工程の後、銅浮選工程の浮遊選鉱で得られる浮鉱に対し、さらに精選としての浮遊選鉱を行ってもよい。
【0029】
(銅回収工程)
先述した砒素浮選工程で得られる浮鉱は、砒素鉱物が比較的多く含まれるが、銅鉱物も含まれることがある。このような浮鉱中の銅鉱物を回収するため、銅回収工程を行うことができる。
【0030】
銅回収工程は、公知の手法にて浮鉱から銅を回収する。たとえば、オートクレーブ内で所定の高温及び高圧の条件下にて、浮鉱中の銅を浸出液に浸出させる処理を行うことが好ましい。あるいは、硫化等の他の処理を行って銅を回収してもよい。
【実施例0031】
次に、上述したような浮遊選鉱方法を試験的に実施し、その効果を確認したので以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的としたものであり、これに限定されることを意図するものではない。
【0032】
(試験例1)
磨鉱により鉱石粒径を20μm~35μmの範囲にした銅鉱石を準備した。この銅鉱石のAs含有量は0.13質量%、Cu含有量は3.5質量%、Fe含有量は1.0%であった。上記の銅鉱石を水に混ぜ合わせて得られたスラリーを用いて、捕収剤としてのPAXを添加した場合(PAX:0g/ton、実施例1-1)と、PAXを100g/ton添加した場合(PAX:100g/ton、比較例1-1)のそれぞれについて浮遊選鉱を行った。なおいずれの場合も、起泡剤としてMIBCを100g/ton添加した。
【0033】
その結果を
図2に示す。なおここでは便宜上、砒素を含む鉱物をすべて硫化銅鉱由来のもの、それ以外の銅鉱物をすべて黄銅鉱と仮定して、回収率を計算している。
図2から解かるように、実施例1-1では15分間の浮遊選鉱で硫砒銅鉱の回収率が99%、黄銅鉱の回収率が60%であり、硫砒銅鉱を優先的に浮鉱として回収できた。一方、比較例1-1では両鉱物の回収率がともに90%以上になり、硫砒銅鉱を分離させることができなかった。
【0034】
(試験例2)
磨鉱後の鉱石粒径を45μm~75μmに調整した銅鉱石を準備した。この銅鉱石のAs、Cu及びFeの含有量を表1に示す。実施例2-1として、上記の銅鉱石を含むスラリーに対して捕収剤を添加せずに浮遊選鉱を行った。この際に、起泡剤としてMIBCを100g/ton添加した。その結果、15分間の浮遊選鉱の硫砒銅鉱の回収率は47%、黄銅鉱の回収率は10%となり、硫砒銅鉱を優先的に回収できた。
【0035】
また実施例2-2として、捕収剤としてPAXを5g/ton添加したことを除いて、上記と同様の条件で浮遊選鉱を行ったところ、硫砒銅鉱の回収率は81%、黄銅鉱の回収率は37%となり、両鉱物の回収率の差が44%というより高い分離性を確認できた。その後、NaHSを添加したが、分離性の向上は確認できなかった。
一方、比較例2-1として、捕収剤としてPEXを100g/ton添加したことを除いて、上記と同様の条件で浮遊選鉱を行った場合には、分離性は確認できなかった。
【0036】
【0037】
(試験例3)
上記の実施例1-1、実施例2-1及び実施例2-2のそれぞれの浮遊選鉱で得られた各浮鉱について、そこから銅を回収するため、当該浮鉱を、NaClを0.34mol/L添加した蒸留水中で、温度180℃、パルプ濃度100g/L、攪拌数750rpmの条件の下、1MPAにて加圧浸出することにより、いずれの浮鉱からも、銅は90%以上の高い回収率で回収できたのに対し、砒素は浸出残渣として沈殿させて10%以下の低い回収率とすることができた。